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初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 862(重複スレッド)
※青文字:加筆改修部分
ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.
※既に分類され,移動された項目を除く.
※レス回収基準値「v.e.r. = 10」
※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.
※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.
目次
** 【質問】
18世紀やナポレオンの時代の歩兵の軍服の色って,どうやって決まってたんですか?
また,歴史的にみれば,宿敵同士のハプスブルク帝国とフランス王国って同じ白い軍服でしたが,紛らわしくなかったのですか?
【回答】
国毎のイメージカラーみたいな物は有りましたよ.
・プロイセン:紺青
当時プロイセンでしか生産出来なかったベルリン青を用いて,自国の豊さの誇示.
かつ,敵味方が戦場で識別し易くする.
・フランス王国:白
現在のフランス国旗にも残る王家のイメージカラー
・スウェーデン:青ジャケットと黄色いシャツ
スウェーデン国旗をモチーフにしたデザイン
・フランス共和国または帝国:
青いジャケットと赤い袖と白いシャツ
三色旗をモチーフにしたデザイン
・スイス傭兵:赤
これも国旗が元ネタ
なお,同じ国の軍隊でも,外国人傭兵は出身国毎に色が違ったりも.
18世紀は白服が多かったですが,敵味方の識別は基本的には軍旗.
ハプスブルク軍は伝統的に帽子に木葉を差し,味方の識別としていました.
やがて,作り物の木葉が初めから縫い付けられる様になりました.
白は実は手間の掛かる色です.
純白にする為には生地を痛めずに脱色する必要が有ったので,それなりの出費が・・・
将校や特定の連隊は純白の軍服を纏っていましたが,多くは所謂「生なり」なので,茶色や灰色掛かった白でした.
因みにアメリカ軍が今でもブルードレスなのは,独立戦争時にプロイセン軍人がプロイセン式で軍隊を組織化した影響が大きい.
さすがに紺青は手に入らなかったせいか,もう少し明るい青いジャケットだけど.
両国の擲弾兵の軍服;
http://i.imgur.com/lpzd9aE.jpg
http://i.imgur.com/icDUMMe.png
軍事板,2016/05/05(木)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
戦前に各国で流行した万能双発戦闘機ですが,その実用機種はフランスのポテ630が最古なんでしょうか?
また,双発戦闘機はいずれも単葉・引き込み脚・全金属製になってから出現したようなイメージですが,それ以前の複葉・固定脚・布張りの時代には,そうした理論に基づく双発戦闘機は試作されなかったのでしょうか?
複葉・固定脚・布張りでも双発機の馬力や航続距離が単発機に優越するのは一緒ですし,双発戦闘機万能論を唱えたドゥーエ将軍の理論が注目されたのは1927年なので,ポテ630開発開始の34年までの間影も形も無かったとは思えないのですが.
軍事板,2016/05/03(火)
青文字:加筆改修部分
【回答】
フランス空軍のBCR機の開発要求は,アミオ140の一世代前の1928年にも一度出されている.
その1928年の開発要求で,ブレゲー410のような複葉・固定脚の双発万能機も試作されている.
(帆布張りではないが鋼管骨組+ジュラルミン外皮)
https://en.wikipedia.org/wiki/Breguet_410
ドゥーエ主義を忠実に実行したBCR試作機は,28年のものも33年のものもパッとせず,全機不採用.
(副産物が爆撃機アミオ143と偵察機ブロックMB.131)
BCR機とは全然関係がない純粋な双発戦闘機として作られたポテーズ630やブレゲー690の方が,結果的に多用途に用いられている.
軍事板,2016/05/05(木)
青文字:加筆改修部分
ポテ63シリーズは最初から爆撃や偵察任務を意図して発注されたわけではなく,長距離護衛・夜間迎撃・戦闘指揮が目的だった.
それが低出力エンジンのせいで,日々高速化する単発戦闘機相手に戦えるシロモノじゃなくなってしまい,夜間迎撃と地上襲撃任務に振りかえられ,
実際,偵察/軽爆撃機型63.11の生産数が一番多かったりする等,実体はあんまし「多用途戦闘機」でもなかったりする.
軍事板,2016/05/03(火)
青文字:加筆改修部分
ドイツ航空省も,ポテーズ630の開発要求と同じ1934年に,駆逐機の開発要求を出しているが,こちらは爆弾倉や機関砲座などを備えていて,フランス空軍が二度失敗したBCRの再来になりかけた,ところを横紙破りのBf110が救った.
よって質問に答えると,ドゥーエ主義的な万能双発機の最初のものが,1928年のフランスBCR機開発要求.
万能機をやや諦めて,Bf110的な双発戦闘機として作られた最初のものがポテーズ630.
30年代前半までのイタリア機やイギリス機もあたったが,この種の双発機はどちらもフランスが先鞭をつけたと思われる.
ちなみに,迎撃用の双発重戦闘機そのものは,WW1のスーパーマリン・ナイトホークあたりが最古だろうと思う.
軍事板,2016/05/05(木)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
WikipediaのS-75ミサイルの項目にあります「S-75M ヴォルガ」というのは,本当に存在するのでしょうか?
1995年より使用とありますが,標的用の類とかそういうものでしょうか?
【回答】
実在するようです.
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ttps://en.wikipedia.org/wiki/S-75_Dvina#Major_variants
SA-2C; S-75M Volkhov. Once again, the new model featured an upgraded radar, the Fan Song-C, mated to an improved V-750M missile.
The improved -2B was deployed in 1961.
The V-750M was externally identical to the V-750VK/V-750VN, but it had improved performance for range up to 43 km (27 mi) and reduced lower altitude limits of 400 m (1,300 ft).
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http://www.ausairpower.net/APA-S-75-Volkhov.html#mozTocId556268
ロシア語はよく知らないけど,Volkhovをヴォルガとは読まない気がする.
system ◆system65t. : 軍事板,2016/05/10(火)
青文字:加筆改修部分
ボルホフかな?
キリル文字ではВолховらしい.
レニングラードの近くにある.
軍事板,2016/05/10(火)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
M576散弾は,00バックショットではなく4号バックショットですが,威力の劣る4号バックショットを採用している理由を教えてください.
また,00バックショットではない散弾を使用するのは,M576散弾のみなのでしょうか?
【回答】
端的に言えば散弾の数を稼ぐため.
00バックショットの散弾一発の重さ(54グレイン)は,M576に使用されている散弾(24グレイン,3号バックショットに相当)の倍以上であり,単純に考えれば半分以下の散弾しか発射できません.
M576は榴弾を使うには近すぎる距離で使用されますが,同じ室内のような至近距離とは限らず,数十m距離で十分な散弾密度を持つよう作られています.
このため,「当たらなければどうということはない」00バックショットより,とりあえず当てられる24グレインを選択したわけです.
先制かけて一発目で相手の攻撃力を削ぐのが目的かと.
system ◆system65t. : 軍事板,2016/05/16(月)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ありがとうございます.
少々自分でも調べてみたのですが,散弾の大きさが小さいほうが,CQBでは有利なようですね.
軍や警察でOOバックが主流なのは,どのような理由からなのでしょうか?
【回答】
逆に考えればよろしいのです.
本気の室内距離で,はっきり見えている相手を撃つなら,00の方が殺傷効果が強く,相手をより確実に倒せます.
しかしとりあえず命中弾を与えて相手の動きを遅らせ,戦意を喪失させるためなら,小さめでも弾数の多い方が当たる確率は高い.
結局,交戦想定距離が短く,相手の装備や戦意がタフなほど,数が少なくてもでかい弾を使いたくなるわけです.
散弾の場合,パターン(発射後の散弾の分布)と距離によって標的面積あたりの命中弾数が決まります.
相手に与えるダメージは命中弾数×一発あたりダメージにある程度相関します.
前述のように,M576のように数十メートルでも有効な命中弾数を得るには,一発あたりのダメージが多少減っても散弾の数を増やすことになります
逆に数の少ない00弾で有効な命中段数が得られる状況は,距離が小さいか,チョークを強くしてパターンそのものを小さくするかになります.
実際には距離がある相手に小さいパターンで命中させようとすると,じっくり狙う必要が出てくるため,ショットガンの即応メリットが損なわれます.
M576のようなショットシェルと屋内戦闘前提の軍用・警察用ショットガンでは,想定される使用状況が違うわけです.
system ◆system65t. : 軍事板,2016/05/16(月)
青文字:加筆改修部分
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