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初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 857

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「ver = 10」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【質問】
 Uボートを描いた映画で,乗組員たちが黙々とレモンを食べてるシーンがありましたが,当時のUボートにはビタミンやミネラルのサプリは装備されていなかったのでしょうか?

 【回答】
http://www.uboatarchive.net/U-110A/U-110INT.htm
>(vii) Vitamin Tablets for U-Boat Personnel
>A Petty Officer admitted that tablets containing vitamins are issued to U-Boat crews; he believed that such tablets had a steadying effect on the men's nerves.

 イギリス海軍が撃沈したUボートの生存者に対する尋問報告書で下士官が「乗組員にビタミン錠剤を配給しており,これは彼らの精神の安定に効果があった」と証言してる.
それはそれとして長期間の航海となる潜水艦では生鮮食品は士気の維持のために重要なのでできるだけ多く積み込まれ傷まないうちに消費された.

軍事板,2015/12/22(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 Rifled musket とライフルは何が違うのでしょうか?

 日本語のネット(ウィキなど)では,施条有:ライフル,無:マスケット といった説明しか見当たりません.
 が,英WikiなどではRifled musketの項目があり,19世紀の戦争に関するHP・マイケルハワードやハワード・ペッカムの本などでは,
・当時のライフルはマスケットよりも威力・発射速度とも低く,主兵装になれなかった
・施条されたマスケット銃が開発され,マスケットにとってかわった
・マスケット,ライフル(ケンタッキーなど),施条マスケット(ミニエー,スプリングフィールドなど)は別な種類
といった記述がなされてます.
 ライフルと施条マスケットの境界が解らないのですが…

 【回答】
 前装式ライフルとライフルドマスケットは基本的に同じだよ.
 あえて定義すれば,ミニエー式の弾薬を使う前装式ライフルのうち戦列歩兵用のもの,マスケット=戦列歩兵をさす,ライフルよりも長銃身 って感じ.

 ミニエー弾により,従来のマスケット並みの威力と連射速度+長い有効殺傷距離 を兼備した前装ライフル銃ができたのね.
 ライフリングを有効に活かすには後装銃であることがほぼ必須だけれど,後装銃がまだ信頼性でも性能でも発展途上だった過渡期には,ライフリングのある前装銃が使われていた時代がごく一時期だけあったのだ

 んで戦列歩兵の銃は前装ライフル銃に置き換わったんだけど,在来のマスケットを改修したり改設計したりして作ってたので,ライフル化されたマスケットって程度の意味でそういう言葉が生まれ,慣習的に以後の戦列歩兵用の銃もそう呼ばれ続けた.
 「機構・構造はマスケット銃だが,腔内に線条が刻んである」っていうタイプのマスケット銃自体は,それ以前から存在していたが,ミニエー弾の発明以前は,装弾が面倒で時間がかかる上,弾の出来が悪かったり装填が下手くそだと精度もむしろ滑腔銃よりも劣るので,狩猟用や猟兵がゲリラ戦術(当時そういう用語はないけど)に使うのでもなければデメリットのほうが多く,軍用としてはあまり顧みられなかった.

 後装式になり,直立せず装弾+連発速度が向上すると,戦列歩兵戦術がなくなり,マスケットも付かなくなった.

(ちなみにミニエー以前にも後装式銃はあるにはあった.
 江戸時代に国友一貫斎が作ったことで有名な空気銃の系統で,比較的成功したのだとファーガソンライフルとかホールライフルとか.
 中には,オーストリアで作られたGirandoniエアライフルみたいに,20発連射できて有効射程も120メートルと,当時のマスケットより長いなんて代物も存在してたりする)

 そして今は単に「ライフル(銃」というと,「後装式かつ薬莢式で腔内線条のある銃」のことを指すようになったから,「腔内線条のある前装式」のことを特に「ライフルドマスケット」って言って区別してる.

 って,↓とかの受け売りだけどさ
https://en.wikipedia.org/wiki/Rifled_musket

※ 19世紀でも戦列歩兵が陸軍の主力.
 連射速度・精度が低かったので…
 米軍のインディアンチャージ(薄い横隊での一斉射撃・前進を繰り返す)とかやね.

軍事板,2015/12/25(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 アメリカ海軍は戦争になったら,一度に何隻の空母を動かせるのでしょうか?

 【回答】
 12月9日時点で行動中の米空母はアイゼンハワーとワシントンの2隻.

11月7日 5隻
10月7日 2隻
 9月8日 5隻
 8月7日 5隻
 7月8日 4隻
 6月5日 2隻
 5月8日 4隻
 4月9日 4隻
 3月3日 1隻
 2月9日 2隻
 1月8日 1隻

 つまりこれらが即時投入可能な空母です.
 ローテーションで整備しながら,全10隻中概ね2〜4隻は稼働状態を維持してますね.

 ちなみに91年湾岸戦争のときは6隻もの空母を投入しましたが,これは十分な準備期間があったため,ローテーションスケジュールを調整して,当時最大限の戦力投入を行ったためです.

ゆうか ◆BfDXjJtUZv6q : 軍事板,2015/12/27(日)
青文字:加筆改修部分

 ただし,今年,僅かな期間だがペルシャ湾に空母がいなかった時期もあるなど,ローテーションをうまく回せなくなってきてる.
 それを補うため,横須賀にもう1隻空母を回す事が検討されているくらい.

軍事板,2015/12/26(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ナポレオンのロシア戦役で,機動力もあり騎兵も充分いたナポレオン軍に対して,ロシア軍の遅滞行動が成功した理由は何なのかね?

 【回答】
 ナポレオン軍の馬は往路のスモレンスクの手前迄に全体の1/3のが失われ,使用耐えるのは当初の1/2にまで減っていました.
 ミュラ元帥の参謀長はナポレオン宛に
「馬の数が減りすぎている.
 残った馬も疲れ過ぎていて言うことを聞かない.
 このままでは騎兵突撃は不可能になる.」
と報告を入れる位,騎兵の馬は疲弊していました.

 原因の1つは補給計画の失敗.
 具体的には,今までに例の無い程の秣を揃える為,質の悪い物(未だ青々している等)が混ざり,それを食べた馬が倒れて行きました.

 他にはフランス軍騎兵の馬の扱いの手荒さ?が有ります.
 フランス軍騎兵は行軍中の殆んどを乗馬して移動していました.
(イギリス軍騎兵は乗馬と下馬が半々)
 ユサール等の偵察,警戒,追撃に当たる軽騎兵は夜間の睡眠中にも鞍を外さない事さえ有りました.
 このため,馬の背が化膿して異臭を放っていたとか.

 スモレンスク以降も馬の損害は増えて行き,ボロジノ会戦では投入出来る軽騎兵が激減していた為,重騎兵は軽騎兵の前衛や側衛無しで突撃する事に.
 結果,必要以上の損害を出したり,側面を取られ敗走する事態さえ起きました.

 疲弊したフランス軍騎兵にはコサック騎兵のスクリーンを排除し,ロシア軍本体を追撃するだけの力は残っていませんでした.

軍事板,2015/12/29(火)
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
「農耕民族であるフランス人は,馬の扱いに慣れておらず,フランス=モスクワ間の超距離長時間の軍事行動が初だったので,遊牧騎馬民族のように上手に馬を扱えなかった」
という理解でよろしいでしょうか?
 横から申し訳ないですが.

 【回答】
 農耕民族云々は分かりませんが,元々フランスは騎兵大国でした.
 抜刀襲撃をいち早く復活させた一方,火力も重視していて,17世紀末にはライフルカービンを装備した騎馬カラビニエを各中隊に2騎配置していました.
(後に独立した騎馬カラビニエ中隊に再編)

 七年戦争の頃には,重騎兵(近衛やジャンダルメ等)20個騎兵大隊,戦列騎兵61個連隊,竜騎兵17個連隊,ユサール4個連隊,全233個騎兵大隊,約37000騎の兵力を有していました.
 しかし,一部を除けば質より数になり,イギリス軍歩兵に遅れを取る事も.
 そして追い討ちを掛ける様に革命が・・・

 革命では貴族が多かった為,亡命や逮捕等で編制はガタガタに.
 特に戦列騎兵連隊は大幅に数を減らしましたが,後にそれらを母体にして胸甲騎兵連隊が編成されて行きました.
 共和国下でユサール連隊や騎馬猟兵連隊も数を増やして行きました.

 革命戦争の実戦,1800年からの4年近い訓練,これらを経てフランス騎馬は復活.
 ナポレオンによる積極的な運用と合わせて他国の手本となるレベルになりました.

 その代わり,イギリス軍騎兵昔から下馬の伝統があって騎兵が下馬することに抵抗はなかったのと対照的に,昔の騎士の延長線上にあるフランス軍騎兵は,どうしても馬を降りることに抵抗感を捨てられませんでしたが.

軍事板,2015/12/29(火)
青文字:加筆改修部分


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