c

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ

「未分類草稿別館 wiki」トップ・ページへ

目次へ

●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 830

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「Ver.7」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【質問】
 地上側装置の仕組みが,まだよく分かりません.
・レーザー照射器が標的の反射光をミサイルに反射する?
・レーザー照射器がGPSかなんかで現在位置を覚えてて,そこからレーザーで標的の距離方向はかってミサイルに電信?

 【回答】
 地上組が目標にレーザー照射 → そこに誘導爆弾(ミサイル)が落ちる
には二つの誘導方式が考えられます.

 一つは既出の反射(後方散乱)レーザー光に対するホーミング.

 もう一つは,地上組がレーザーの照射角度と反射までの時間差,そして自己の位置から目標の三次元座標を割り出し,これを発射プラットフォームに伝達する方法.
 この場合はGPS誘導になります.
 この途中でノーパソがフリーズして立ち上げ直したたために,うっかり自分の座標を送ってしまって自分が爆撃される,という事故がアフガンで起きてました.

 前者の方が精密で,移動目標にも追随できますが,照射を続ける必要と,視界が保たれている必要があり,後者の方がやや精度は落ち,移動に追随できませんが,レーザー照射を続ける必要がなく,地上組が目標を目視できるかぎり視程にも制限ありません.

system ◆system65t. 軍事板,2015/01/04(日)
青文字:加筆改修部分

 例えば,レーザーポインターで指したホワイトボードの点は,その場の誰からでも見えるだろ?

軍事板,2015/01/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次世界大戦での日本軍とドイツ軍と米軍との,占領地域での振る舞い違いについて質問です.
 美術品に絞りますが,ドイツ軍は占領すると片っ端から美術品を押収した(それが幹部の私腹を肥やした)ようですが,日本軍,米軍は,その辺りの略奪行為について特集を見た事がありませんが,統制が効いていたのでしょうか?
 現地で食料徴用や記念品目的の略奪など,部隊ごとの素行不良レベルの話ではなく,ナチスドイツのように,軍幹部の個人的なコレクション収集の為といった,全体組織レベルでの略奪行為です.

 【回答】
 日本軍は各地の古美術品や金銀財宝を,組織的に集めてる.
 そういう行為が「山下財宝」伝説などの基になってる.

 米軍については,軍組織が略奪行為をしたという記録を見たことはないが,兵士の「お土産漁り」は広く行われ,有名画家の絵なども多数米本土に渡っていて,「略奪の量」ではドイツに劣らない.

 でも10年ほど前に,不法に海外に渡った美術品は,本来の所有国に返還するようにと定めた国際条約が発効,その後はそういう美術品は見えにくくなった.

 ちなみに,勘違いされると困るが,当時の法的道徳的規範からみて,現代で「略奪行為」とされるものが全て非合法かというと,そうは言いきれない.
 この辺りの判断がなかなか微妙なので,世界で,主に先進国と途上国の間で,紛争が絶えない.

軍事板,2015/01/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 .338ラプア弾を使うのは狙撃銃,.50BMGを使うのは対物ライフル,という認識なのですが,中間にあたる.408cheytacというチェイタック社独自規格のこの弾薬を使う銃,例えばM200は狙撃銃と対物ライフルどちらに分類されるのでしょうか?

 【回答】
 ロングレンジスナイパーライフルとアンチマテリアルライフルの間に,別に明確な区別はありません.
 .50で対人狙撃もすれば.338で対物狙撃もするので,分類すること自体あまり意味は無いですし,弾量の知れたライフル弾で効果的に「対物」するには狙撃が必須ですから,対物ライフルと狙撃銃を別扱いする事に無理があるわけです.
 強いて言えば,対物狙撃銃と対人狙撃銃かも知れませんが,どちらも両用可能です.

 ただ,.50未満の狙撃銃は対物用としては焼夷弾の薬量も少なく,装甲貫通力も弱いので半端.

 しかし遠距離対人狙撃には7.62mm NATOでは力不足なので,7.62mm NATOと.50の間に,長距離対人狙撃にほぼ特化した一群の弾薬がある,というのが現状と思います.
 半端なおかげで高価な弾薬でもあるため,用途は弾をばらまかない狙撃に殆ど限定されます.

 まあ,基本的な感覚としては,.50より小さくて7.62mm NATOより大きいのは,対人狙撃が売りと考えれば,的な.

system ◆system65t.(黄文字部分)他 :軍事板,2015/01/07(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 対潜哨戒はどのようにやるのでしょう?

 【回答】
 対潜哨戒は2通り.
 いずれもヘリのソナーなどの有効範囲は狭く,場所の見当を付けないと運用出来ない点に,まず注意.

1.
 パッシブソナー網(SOSUSのような固定のものが主だが,移動式の物も.潜水艦や対潜艦に艦載された物もある)で存在をキャッチ.
 推定位置に対潜機,潜水艦や対潜艦,あるいは対潜ヘリを派遣して精査する.

2.
 作戦海域を「消毒」するために,海域に派遣した潜水艦や対潜艦でパッシブ,アクティブソナーを併用してスキャンを行い,怪しければ対潜機,対潜ヘリを飛ばして精査する.
 日本周辺のように浅い海域で,静粛なディーゼル潜使われると,1. のパッシブ探知から始まるやり方は困難だと言われている.

 艦艇と航空機の使い分けは次のようになる.

・艦艇:長時間滞留してスキャンし続けられる.センサー性能が良い.

・航空機:滞留時間もセンサー性能も限られるが,現場に急行できる.

 なので艦艇(あるいは固定ソナー)がキューを出して,現場に対潜機や対潜ヘリが駆けつけ,ソナーを落としたり吊り下げたりして,魚雷を撃てるとこまで相手の位置を絞り込む事になる.

 で,ヘリからディッピング(吊り下げ)ソナーで策敵する時,パッシブソナーでは方位はある程度分かっても距離が不明だから,三角法で相手の位置を割り出す.

 2機あればできるはずだが,相手が2機を結んだ線上,あるいはその近くにいると,機体の相対位置を変えて再測定が必要なため,3機で行う事が望ましい.
 とはいえ,3機の対潜ヘリをタイミング良く海域に用意する事は容易でないし,前述の通り現代の対潜戦等はパッシブソナーだけでは不十分と言われる.

 アクティブソナーなら一機でも相手の位置を特定できるが,2機で行う方が精度が高くなるし,一機がアクティブを使用し,他機がパッシブを使用して不意打ちをかける手もあるから,そりゃ機数が多いに越した事はない.

補足:
 実際の攻撃はもっとも近くにいて,攻撃装備を持っている機体が行う.
 アクティブソナー1機+パッシブ1機の例で言えば,アクティブ機のデータを元にパッシブ機が至近に寄り,パッシブソナーで位置を絞り込んで攻撃を行う.
 潜水艦から見れば,まだソナーは離れていると思っているところに,いきなり魚雷が降ってくる事になる.

軍事板,2015/01/09(金)
青文字:加筆改修部分



** 【反論】
 現代ではヘリでもソノブイを使うし,ソノブイなら1機で三角測量できる.
 まぁ実際には航空機に発見されたと感じた潜水艦は,動かずに静粛停止するのが普通なので,ヘリ一機でもディッピングソナーによる三角測量ができないことはない(とくに原潜の場合)

 【再反論】
 その通りなんだが,ご存知の通り,三角測量の精度は基線長に大きく依存する.

 一機のヘリがばらまくソノブイで,魚雷投下まで絞り込もうと思うと,あらかじめ相手の位置をかなりの精度で知っている必要がある.

 なので,できれば複数のヘリを運用する方が効率がいい.
 あるいは広域を効率よく探査できる事になる.

 しつこく追記すると,理想的には3機で(あるいは3つのソノブイで)作られる三角形の中に潜水艦が入っている形が,探知の精度からも,攻撃距離の近さからも必殺パターン.

軍事板,2015/01/09(金)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 飛ばす際は,初めから3機を1つの場所に飛ばすのでしょうか?
 それとも1つの場所に飛ばすのは1機だけで,潜水艦を発見したら,艦からさらに2機飛ばして3機で追い込むのでしょうか?
 対潜ヘリが哨戒するのは,艦隊の正面と側面でしょうか?
 ソノブイはだいたい艦隊からどれくらい離れた場所に投下するのでしょう?
 投下する高度はMADも使えるよう300m程度の低高度でしょうか?
 MADは対潜哨戒中常に展開しているのでしょうか?
 あと,飛ばす際はソノブイ用とディッピングソナー用で飛ばすのでしょうか?
 水平線外索敵のヘリは,P-1などからの情報が得られない海域では常時飛ばすのでしょうか?
 対潜哨戒のヘリのデータリンクは,対潜ヘリ→搭載艦→艦隊全体 のようにその対潜ヘリが搭載してある艦を一度中継に使うのか,対潜ヘリから直接艦隊の全艦に情報を伝達出来るのでしょうか?

 【回答】
 飛ばす機数は状況しだい.
 余裕があれば飛ばせるだけ飛ばして早く追い込むのが当然.
 疑われる海域に無理なく飛ばせる機数を,可能性に応じた密度で配置し,どれかの機がヒットしたらそこに集中する.
 ただ,ふつーは疑われる海域は広いので,とにかく面積をカバーする(確率による重み付けを加えて)ことになる.

 ヘリの哨戒範囲は艦隊の行動しだいだが,侵攻中なら正面と側面で正解.
 ソノブイの投下位置は状況しだい(パッシブに追随して落とすのか盲撃ちか,艦隊の規模と速度は,深度は)としか言えない.

 MADは至近で有効なので最終段階,確認段階で使うもの.
 費用はかからないが,常に漠然と展開しても意味はない.

 ソノブイとディッピングソナーは同じ機体で共用できるのがたしなみだが,小型の機体を併用する場合には分業になる.
 これはその軍の構成による.

 BVR策敵ヘリも対潜哨戒ヘリと同じで,平時から常に飛ばす物ではない.
 データリンクは基本的にはその通りだが,高度にネットワークされている場合は,哨戒機に中継したり衛星から全体に中継する場合もある.
 軍と状況による.

軍事板,2015/01/11(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 拳銃のメンテナンスについてですが,分解して中を掃除したりするのは,だいたいどのぐらいの頻度で行うのでしょうか?
 また,一回の分解整備につき,どのぐらいの時間がかかるものなのでしょうか?

 【回答】
337 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2015/01/10(土) 08:00:26.79 ID:7CLgQQOU [1/3回]
原則は1回(1弾倉)撃つごと
整備は慣れ次第だけど,プロなら15分で終えなくては失格

338 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2015/01/10(土) 08:04:58.84 ID:zmTn56b3 [1/1回]
>>337
「中の掃除」が目的ってことは普通分解だろ?
シロウトならともかく,プロで15分は時間かかり過ぎ
掃除も含めて5分以内だな.手際の良い奴なら
3分でも出来るだろう.

339 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2015/01/10(土) 11:07:30.72 ID:ia4Dg32C [1/1回]
フランス特殊部隊が使ってるこのショットガンの名前を教えてください

tp://www.jiji.com/jc/d4?d=d4_oo&p=prs107-jpp018453156

340 : system ◆system65t. [] 投稿日:2015/01/10(土) 11:11:11.24 ID:PL7xt3o9 [1/3回]
>>336
 この動画が分かり易いのではないかと思いますが

実質3分程度です.
 頻度は,撃った日の終りには掃除する,という感じ.

 午前,午後で10弾倉撃っても,途中で分解掃除はふつーしません.
(試合なんかだとするかも知れない.几帳面な人なら昼食前に一度掃除するかも知れない).

 逆に1発撃っても,そのあとしまい込むつもりなら必ず掃除するのがたしなみ(しない人も少なくないが).

 これも手早くやれば3分程度ではないかな.


 トリガー・メカニズムとかまでいじるような本気の分解は,本職に任せるのが基本.

軍事板,2015/01/10(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 すぐに外科手術ができない場合,銃弾を受けた場合の対処法は何になるのでしょうか?
 圧迫止血は致死的感染症の原因になるといいますし,まずは服を破き銃創に消毒剤をかけ,四肢の場合は銃創から心臓に近いほうを紐で締め,胴体・頭部ならそれ以上できることは何もなし,でしょうか?

 【回答】
 いまいち常識になってない気がするので書いておきます.
 失血は,より上部の動脈を圧迫すれば抑える事が可能です.
 上肢の出血であれば,腋窩を圧迫するとかなり抑えられます.
 これは腋の下に消しゴムなどをはさんでぎゅっと締めると,手首の脈が消える事で実感できます.
 同様に下肢については,鼠径部(股の付け根と言いますか)を圧迫すると,失血をかなり抑える事ができます.

 それより上部,つまり体幹部からの出血になると,押さえようがないので,感染承知で患部に布などを詰め込み,強引に出血部自体を圧迫することになります.
 その場で死ぬことを防げば,現代なら感染なんて遅い話はなんとかなります.

system ◆system65t. :軍事板,2015/01/11(日)
青文字:加筆改修部分

 前線での対処法は,ざっくりした言い方になるが,ファーストエイドキット含む,現場での医療装備を使用する範囲内で出来るだけの応急処置をしたら(救援要請もアリ),速やかに後送.
 設備ある場所で治療を受ける.
 これだけ.

 言っている「圧迫止血は致死的感染症の原因」と言う話,胴体や頭部の大量出血を放置するより,圧迫止血が有効なら迷わず止める事を優先する.
 現場での失血を補う方法は殆ど無いし,後の感染症を心配して失血死させられない.
 四肢の場合は,銃創を消毒・保護して緊縛による止血を行う.
 その場合,壊死を防ぐ最低限の血流が必要になるので,管理をおろそかにしない.

 とれる手段を取りつづけ,治療まで命をつなぐ.
 あとは医者と神頼みだな.

軍事板,2015/01/11(日)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

542 : 名無し三等兵[] 投稿日:2015/01/15(木) 18:17:39.26 ID:QUXs0N4g [1/1回]
真珠湾攻撃まで航空機で大型艦の撃沈は無理と考えられていたそうですが
退役艦を標的にするなどして航空爆弾・航空魚雷の威力を試験した国は無かったんでしょうか?

543 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2015/01/15(木) 18:26:56.68 ID:cC5Nt+8F [2/2回]
>>542
停泊中の大型艦ではなく航行中の戦艦などを航空攻撃で撃破することが困難であると演習で判定されてたのですよ

544 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2015/01/15(木) 18:34:09.85 ID:wt3JVLHE [3/3回]
>>542
アメリカで1921年にウィリアム・ミッチェル准将が独鹵獲戦艦「オストフリースラント」に対する
爆撃実験に成功して航空攻撃の有効性はとっくに証明されてる
もっともミッチェルは戦艦主兵派から退役を強要されたりして全くその理解は広まらなかったわけだが

550 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2015/01/15(木) 20:04:55.84 ID:+Zbb3VU/ [3/3回]
>>542
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E7%A9%BA%E8%A5%B2
真珠湾の1年前の1940年11月にイギリス海軍がタラント軍港のイタリア艦隊に空母艦載機で空襲をかけて戦艦を1隻撃沈,2隻を大破させてる.
日本はこの作戦の調査研究を行って真珠湾攻撃に応用してる.

551 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2015/01/15(木) 20:18:32.27 ID:wKP7wUzl [1/1回]
WW2以前の航空攻撃の有効性については,
21年に米軍が静止した戦艦に航空爆弾を大量投下し沈没可能のデモンストレーションを行う
↑を受けて各国がより実戦的な実艦実験を実施,
米:航行中の戦艦相手で投弾命中率1/4 爆撃阻止(防御放火による被撃墜判定含む)3/4
英: 〃  100発以上投下で有効命中無し
日米:500kg以上の砲/爆弾で戦艦に有効被害・撃沈には1t以上の爆弾が必要.航空魚雷は8本まで耐えられる
といった結果が出て,航空攻撃による大型艦艇の無力化は現実的には起こり難いってのが各国海軍の共通結論になった.
命中1割・500kg爆弾10発で無力化としても,大型正規空母の全力攻撃2回分になるから 飛行機揃えるだけでも
大変だし,相手が艦隊組んでたり直衛戦闘機付きとかだとね‥

これ以降の,航空兵装の急速な発展により撃沈は現実的に可能だ.って主張もあったけど(日本海軍の航空派とかね)
実例が無い・以前の実験結果は否定的,で主流には至らずだった.日本が砲戦による艦隊決戦を意図して
海軍整備を続け,航空は砲戦前の漸減用としてたのもこのせい

561 : system ◆system65t. [] 投稿日:2015/01/16(金) 08:20:45.95 ID:rgkA8xWD [1/1回]
>>542
二次大戦前のアメリカの爆撃機部隊は
海上の艦船に対する爆撃を訓練していましたし,
英国も同様でした.

地上支援爆撃を除くと,一般市民を巻き込まずに爆撃できるのは
海上の敵艦ぐらいのもの,と考えられていたからです.

その後,軍需工場「とその周辺」が対象になり,エリア爆撃が始まり・・・
("Bomber War" Robin Neillands, Published by John Murray, 2001)

軍事板,2015/01/15(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 乾パンって,パンなのになんて米が主食の日本の軍隊で流行っていて,パン食の欧米では皆無なのです?

 【回答】
 乾パンの原型は,欧米の軍用糧食だった「ハードタック」「ハードビスケット」とかと呼ばれる堅焼きビスケット.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%BE%E3%83%91%E3%83%B3
 これは古くから欧米で保存食として存在する.
 戦前は「乾性麺麭」と呼ばれていた.
 現代の海外の戦闘糧食パックにも,クラッカーやビスケットが同梱されてるものが多い.

 このハードタックビスケットを明治時代に日本風にアレンジしたのが乾パン.

 日本人は米が主食だけど,これは「いちいち炊かないといけない・保存が効かない」という欠点があった.
 お米は,遠く春秋戦国時代から炊くことががネックだった.
 孫子自身,米を炊くかまどの数を減らして,敵を欺瞞したことがある.
 川中島合戦でも,炊煙がいやに盛んなのを見た上杉謙信が,敵の奇襲を察知したと言われる.
 真偽はともかく,そういう伝説ができたこと自体からこそ,戦場で飯を炊くことが,どれほど苦労していたかが窺える話である.
 先の大戦においても,ご飯を炊こうと日本兵が火を焚いたら,目ざとく敵機から攻撃されたのは有名な話.

「その点,欧米はパンやビスケットだから,いつでもどこでも食べられて便利」
と,明治期にビスケットが軍隊食として導入されたんだが,「味がない・水がないと食えない」と不平続出.
 何しろ当時のビスケットは砕け易くて溶け易かったから,日露戦争時には,
「ようやく大休止,ああ腹減った!」
とポケットを開けたら,中のビスケットが消えていた,という悲惨な例が続出し,現場からは
「米のご飯じゃないと力が出ない!」
と大クレーム.

 それを改良してようやく完成したのが乾パン.
 日本独自の携行食として,現代でも重宝されている.

 ただし,「水がないと食えない」という点はついに解決できなかった.
 っていうか,水分が少なくないと保存が効かないから.
 とりあえず「砕けにくい・水に溶け易くない」「いつでもどこでも食える」という点だけを改良したのが乾パン.

 といって戦場ですぐに生産できるものでもないから,後方からわずかに補給されたものを,何度も何度も噛み締めて,つばと混ぜ合わせて食べてた.
 水があればベストだけど.
 今みたいにずいぶん食えたわけじゃないし,腹減ってたら人間は大概の不便はなんとかできる.

 戦闘糧食パックには,オレンジスープレッドとか,金平糖が同梱されてる.
 あれで唾液を出してそれで食うのだ.

軍事板,2015/01/17(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 本土防衛と空挺隊について.
 敵地に侵攻する場合は分かるのですが,本土防衛を主眼に置いた作戦で,空挺はどのような使い方を想定しているのでしょうか?
 アルデンヌの森の戦いでは,米軍101空挺師団が防戦に活躍しましたが,空挺部隊としてではなく,(精強ではあっても)単に歩兵部隊として使われていたと思います.
 また,ドイツ降下猟兵も大戦後半は,専ら精鋭軽歩兵として使われていたと思います.
 防衛戦で空挺部隊らしく落下傘降下する状況は,どんな感じなのでしょう?

 例えば,
・ソ連自動車化狙撃兵軍団が北海道にガチで上陸してくるかもと思われていた時代,習志野空挺団はどうする予定だったのか?
・中国軍が攻めてきた時,台湾軍空挺隊はどう行動するつもりなのか?

 【回答】
 失敗してるけど,アルデンヌで独軍は空挺降下してる.
(シュテッサー作戦)
インドシナ戦争でもフランス軍が降下作戦を実施してる.

 防衛戦といっても,守り切るには攻勢に出る必要はあるわけで,防衛側が制空権とか条件が揃ってる場合には,空挺降下作戦は選択肢に入る.
 そのために準備はしとかなきゃならない.

 だけど,降下した後の落下傘兵は,戦術的には歩兵に過ぎないんで,わざわざ降下する必要がなければ歩兵として使わざるを得ないし,降下兵としても,リスクの大きな効果作戦よりは,きちんと支援兵科を随伴させた歩兵として行動する方が安全だし,戦果も期待できるんではないか.

 結果として,防衛戦で空挺降下するような想定としては,攻撃側が味方領土を侵攻してきた場合,いずれ侵攻軍を叩き出さなきゃならない.
 戦線が膠着してしまった際に,攻撃側防御側双方に空挺作戦を行う可能性が出てくるんでないか.

軍事板,2015/01/17(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 たとえば,戦闘機で1機を撃墜しただけだが,機体に損傷なしで帰還のパイロットと,4機も5機も落としたけど,部品取りになれないくらいにまで損傷した機体で帰ったパイロット,戦略的には前者のほうが良いのでしょうか?

 【回答】
 状況しだいとしか言えません.

 極論すれば,1機しか残っておらず,しかしその一機を警戒して敵の動きが束縛されるのであれば,損傷なしで稼働率を保つ方が有利です.
 ふつーは交換率考えたら後者の方でしょうが.

 ただ交換率といっても彼我の所有数,補充能力次第なので,こっちが1機の損耗に対して敵を5機撃墜しても,敵が10倍の機数持ってて,機体もパイロットもじゃかすか補充できるようだと,その交換率では不足.

 もっとも,そんな状況であれば1機ぐらい落としてもしかたないから,やはり5機と引き換えに損耗する方がマシかな.

system ◆system65t. :軍事板,2015/01/19(月)
青文字:加筆改修部分


目次へ

「未分類草稿別館 wiki」トップ・ページへ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ