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●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 828

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「Ver.5」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【追記】
167 : 名無し三等兵[] 投稿日:2014/12/05(金) 15:32:32.58 ID:rIJdDd58 [1/1回]
原子力潜水艦or空母が沈んだら
海水への影響はどれくらいあるんですか?


168 : system ◆system65t. [] 投稿日:2014/12/05(金) 15:47:04.74 ID:kap+j892 [2/10回]
>>167
原子炉区画に損傷なく沈んだら放射能の漏洩は考えにくく,
沈没するような場合には(手動,あるいは自動的に)非常シャットダウンを行いますから
メルトダウンの可能性はまずありません.

唐突の事故,攻撃によってそのまま沈没してしまった場合も
原子炉の一次系に損傷がなければ放射性物質の漏洩はごくわずかですが
シャットダウンが行われなかった場合,メルトダウンの可能性は生じます.
この場合,逆に一次系まで完全に損傷するか,隔壁が破壊されて
炉心が海水に十分さらされていれば,その冷却によってメルトダウンは
おそらく避けられ,であれば放射性物質の漏洩は比較的穏やかに生じます.
海水で大きく希釈されるため,実害は生じないのではないかな.

これらの条件をクリアしてメルトダウンが発生した場合,あるいは炉心そのものが
破壊されて内容物が急速に散布された場合,濃度の濃い汚染が生じ,生体連鎖で
濃縮されるなどして,水産物が食べられなくなる可能性があるでしょう.

169 : system ◆system65t. [] 投稿日:2014/12/05(金) 15:51:21.76 ID:kap+j892 [3/10回]
このサイトからこれまで沈んだ原潜のリストへのリンクと
沈んだ際の安全性についてのコメントがありますので
ご参照下さい.
ttp://www.quora.com/What-happens-to-the-reactor-if-a-nuclear-submarine-is-destroyed-by-a-torpedo-mine

170 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/05(金) 15:58:09.65 ID:wt+g0+JH [2/8回]
>>167
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC_%28%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6%29
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%94%E3%82%AA%E3%83%B3_%28%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6%29
米海軍は1960年代に事故で喪失した二隻の原潜の沈没地点の環境調査を定期的に行っているけれど,今のところ核燃料や搭載していた核魚雷からの放射能漏出は検出されていない.
この先数十〜数百年後に原子炉や兵器の腐食が進んだらどうなるかわからないけど.

軍事板,2014/12/05(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 今日,自動車学校の教師が,全国の国道県道は全て,戦車が通ることを想定して作られていると言っていたのですが,本当に全ての県道国道で戦車が通れるんですか?
 道幅,重量,路面の強度,色々問題がありそうですが.

 【回答】
 道路の設計は,戦後に国+学会+業界で作った(社)道路協会が制定公刊してる諸基準に基づいて行われてる.
(戦前も同様の体制があった)
 この基準では,一般車の重量形状を定めた車輌制限令って法律を基に,通行する各車輌の重量を想定.
 短期では道路や橋にどれ位の間隔で乗るのか(総重量と重量分布),長期ではどれ位の交通量(累積の重量)があるのか,を算出して設計重量としている.
 戦車は車輌制限令を超えるけど,それに対する設計上の配慮検討は一切してない.

 で,車輌制限令を超える物が通る場合(列車を陸送するとかね),道路強度の検討,夜間や通行止めなど,道路上の総重量が小さくなるような対処をして,通行してる.
 自衛隊の場合は,(平時は)自治体への通告と協議の上で,隊側が対処処置を行って通過する…んだけど,実際には現在の幹線道路に適用される想定重量は,戦車がミッチリ密集しない限り,想定範囲内に納まるほど大きいので,まず大丈夫.
 履帯(いわゆるキャタピラのこと)で高速走行することに路面が耐えられるかどうか,ということを除けば,現代において「戦車」っていうのは「最大重量70トンくらいの車輌」ということだから,「秘境道」「酷道」R339なんてところはいくら戦車でも通行不能)とか言われるようなとこでなければ,普通に通れる.

 また,50tの戦車が2車線占有して1輌通るのは,25tのトラックが2輌並んで通るのとおおよそ同じ荷重なので,主な高速道路や国道の橋は大概渡れると思われる.
(「重量何トンまで」って標識のある橋だと危うい)
 たとえば,全国の主要国道の橋梁17,920ヶ所の橋梁通過率は
10式(約44トン)が84%,
90式(約50トン)が65%,
海外主力戦車(約62-65トン)は約40%
とされる.(ウィキペより)
 あんまり国交省が自衛隊に配慮することはあまり無いと思うが,トラックとかの通行を考慮すると大概どうにかなると思われる.
 ただ,通行制限かけずに一度に何輌も渡って大丈夫な橋は,だいぶ限られると思うが.

 これが61式戦車が主力だった当時の日本の道路事情だと,「戦車運搬車に載せた戦車」を問題なく走らせられるような道路事情がなかったので,やったことが少なく写真もあんまりない.
(61式は「74式が登場する頃までは配備部隊が限られてた」(主に北部方面隊)ので,戦車運搬車で長距離輸送するような局面が少なかったということもあるが)
 なんせ,東名高速が部分的にでも開通したのが1968年のことだからね.

軍事板,2014/12/05(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次大戦初期のドイツ陸軍は非常に練度が高かったと言われますが,1918年からポーランド戦まで21年実戦経験がなく(兵卒が全員入れ替わりますよね?),徴兵制なしの10万人体制から,SS含めてポーランド戦までに百何個も師団を新設して,なぜそこまで高い練度が保てたのでしょうか?
 練度を維持するのと真逆の事をやっているように思えるのですが・・・

 【回答】
 どんな軍隊でも,平時ならば数年で兵士は入れ替わるので,そのレベルでの「実戦経験」はそれほど重要じゃない.
 ドイツの場合は兵員は制限されたけど,その代わり,経験を積んだ下士官や士官を確保することができた.
 また,ドイツ軍は伝統的に,兵士が「与えられた命令を自分でどうすべきか考えて行動する」というやり方をとっていて,そのため兵士には下士官クラスの,下士官には士官クラスの教育を行っていた.
 あと,ドイツ軍が第一次大戦にとった「浸透戦術」は,少尉や下士官に率いられた小部隊が,障害を回避して敵前線後方に侵入するというものなので,それぞれの指揮官にはいちいち後方の命令を仰がず,自主性に判断・行動できる指揮能力が求められることになった.
 だから再軍備と徴兵制を再開した時,それまでの兵士を下士官に引き上げることで,新兵を訓練できる人材を一気に増やすことができた.
 あとは訓練に関しては,行進や整列には時間を割かず,実践的な戦闘訓練を重視していたことが大きい.

 それでも初期は,けっこう初陣らしいポカをやったり,あっさり対戦車砲にやられたり,敵戦車に恐れをなしてパニクって敗走(SSトーテンコップ師団)したりもしてる.
 しかしドイツ陸軍に初陣の兵が多いのと同様,敵にも初陣の兵が多いわけで,訓練と戦意と作戦で上回ったドイツの勝ち.

 ちなみに空軍は,コンドル軍団としてスペイン戦争に参加,実戦経験がある.

 「ドイツ陸軍全史」が,帝政時代から国防軍までのドイツ軍の歴史や戦術を俯瞰しているので参照されたし.
 「委任戦術」については「電撃戦という幻」でも触れられている.

軍事板,2014/12/05(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 大戦当時,戦艦は必要だったんでしょうか?
 空母と軽巡,対空・対潜駆逐と油槽船だけでよかったのではないでしょうか?
 無論,状況によりますが,上陸戦や陸に対しての艦砲射撃以外,重油と留めておく場所の無駄だと思うんですが...おかしいでしょうか?

 【回答】
 うん,おかしい.
 そう言う考えは,戦後に生まれて戦争の結果だけ知ってる人間が陥る,典型的な錯誤.
 当時の状況や常識的な戦術を何一つ考慮しないで,「ぼくのおもいついたこうりつてきなせんそう」が絶対に正しいと思いこんじゃうんだよね.

 話し戻すと,20世紀に入ってからの戦艦とは国家の象徴であり,海洋を支配する戦略兵器だった.
 もちろんその高コストと戦略的価値に疑問はあったものの,第二次大戦始まった1939年の時点で,空母はその艦載機がまだ未熟だったこともあり,戦艦と同様の戦略的価値があったとは思えない.
 結果的に第二次世界大戦では,航空機の発展で戦艦の重要性が低くなったということで,大戦が始まった時は,誰もが戦艦が決定的な戦力になると思ってたし,そのように行動してた.
 たとえばビスマルクの追撃戦では,戦艦と重巡各1隻のために,英海軍は激戦中の地中海から空母を回してまで,艦艇をかき集めて追いかけなければならなかった.
 重武装で撃たれ強い戦艦に海をうろうろされたり,その素振りをみせるだけでも,敵はその数倍の戦力でそれに対処しなければならないので,戦艦はそこに存在するだけでも脅威たり得たというわけ.

 空母に目を向けつつ従来型の戦艦も整備するのが,海洋支配をもくろむ海軍としては当然の戦略だったろう.

軍事板,2014/12/05(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ベトナム戦争では哨戒艇も火炎放射でジャングルを焼き払っている動画がありますけど,個人携帯以外の火炎放射器も,ガス圧で燃料を噴射するんでしょうか?
 噴射圧は何MPaほどになるんでしょう?

 【回答】
 火焔放射器を装備した戦車について言えば,圧縮ガス(空気,窒素など)で噴射するのが基本.
 故障しにくく,小型だから.
 ポンプの方が長時間使えるが,燃料の方がすぐなくなるから,長時間作動に意味はない.

 圧力について言えば数十気圧,つまり数MPa程度が普通.
 上げると射程が伸びそうなものだが,実際には燃料が飛散してしまって,有効射程はかえって短くなる.
 圧に耐えるために各部の補強も必要になり,重量体積増にもつながる.

軍事板,2014/12/06(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦間期に見られた,主翼の厚さが人が人の背丈以上にあって,胴体が主翼に対して短い巨人機が,現代では全く見られないのは何故でしょうか?
 エンジンパワーは当時に比べ向上しているので,作れそうな気もしますが.

 【回答】
 翼は小さく薄い方が空気抵抗が少なく,性能上有利.
 ただし,小さな翼で大重量を支えるには,大きなパワーが必要.
 逆に言うと,少ないパワーで空に浮くためには,大きな翼が必要.
 なのでパワーの小さな昔の巨人機は,機体全体の規模≒重量に対して翼が大きい.
 だが,ジェットエンジンの登場,つまり「当時に比べ向上したエンジンパワー」によって,胴体が主翼に対して短い,と言うか機体全体の規模に対して大きな翼が必要なくなった.

 とは言え,例えばB747の翼面積は500u以上もあって,史上最大の実用レシプロ機B-36の444uより大きい.
 つまり
昔に比べると,それだけ機体の規模が大きくなっているという事.

軍事板,2014/12/07(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 F117ナイトホークの試作機,ハブ・ブルー(Have Blue)のHaveってどういう意味ですか?
 動詞のhaveなら知ってますけど,どうもそれじゃないみたいな気がするんですが.

 【回答】
 コード名なのでそれ自体に意味はありません.

 コード名HAVEは基本的には極秘試験機などに振られており,例えば訓練用に極秘に運用されていたMiGの類にも HAVE xxの名が使用されています.

 飛ばした機体だけでなく,入手,分析,あるいはパーツをされた機体にもHAVEは使用されています.
 例を挙げると,
HAVE BAIT: 1968年に分析されたチェコのMiG-17(西ドイツに墜落,入手された)
HAVE DOUGHNUT: 1968年1月から同4月まで運用されたMiG-21F
HAVE FOAM: 1975年に行われたSu-20の部品の分析あるいは使用
などなど.

 で,F-117はMiGなどをHAVEコード名の元に修復,飛行させていた極秘部隊(通称Red Eagles)をさらに隠れ蓑にして,隣接した場所で運用されていたので,同じHAVEコード名を使用し,秘密の中にさらにその存在を隠していたものと思われます.

 少し余談になりますが,Red Eaglesは各軍のパイロット,戦闘機を相手に極秘の訓練を行い,ソ連機に対する戦術を学ばせていました.
 訓練を受けるパイロットは,何も知らされずにMiGやSuと遭遇して衝撃を受けたわけですが(まったく知らない機体から受ける衝撃に慣らすのが訓練の一部),Red Eaglesのパイロット達も,何かの際にF-117側の部隊に行って見せてもらう事があり,同様に衝撃を受けていたそうです.

 MiGやSuを飛ばす訓練を受け,飛行資格を取った米軍パイロットは70名近くに達していました.
(「Red Eagles」 by Steve Davies,Kindleで米Amazonから入手可能)

system ◆system65t. :軍事板,2014/12/07(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 I-15の改良型がI-153と呼ばれてますが,最初の改良型がbisなのに,何故terじゃなくて数字になったのでしょうか?

 【回答】
 1938年頃からナンバリングの方式が,「機種を示す文字+二桁」から三桁に変更になって,下一桁が改良型の順番になってるため
 さらに1940年頃に「設計局の頭文字+番号」という方式に変更された.

htp://en.wikipedia.org/wiki/Polikarpov_I-153
によれば,
>he new fighter (designated I-15ter by the design bureau and I-153 by the Soviet Air Forces (VVS)[4])
 I-153は設計局ではI-15terという名称だったけど,空軍ではI-153になった.

 ここに載ってるけど,I-15bisも1938年以降に作られた改良型は-152になってる.

軍事板,2014/12/08(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 操作性に関してはISはティーガーに完全敗北してたらしいが,信頼性に関しては?
 ISシリーズはティーガー1,2以上にポンコツですぐ火を吹き壊れてたの?
 もしくはシンプルで単純だから,さすがにティーガーシリーズよりはマシだったの?

 【回答】
 エンジンから出火して全焼したのはパンターD初期型(クルスク戦の戦闘開始前に2輌)
 ティーガーでも無理すると燃える危険があるので,消化器常備.
 後に改善されるが,ティーガーIIの最初の生産ロットもトラブルが多く,ノルマンディーに回された最初の5輌は,戦闘前に行動不能になったまま自爆放棄.

 なお,エレファントは2〜30年前までは欠陥車イメージだったが,研究が進み,意外に走行系のトラブルが少なく,しかも独ソ両軍共に「非常に戦闘力が高い」と評価していたことが判明.

 ドイツ戦車は走行前に充分な暖機運転をする,操縦の際に無理な機動をさせない,定期的な部品交換さえできていればちゃんと稼働するが,激戦の中それが叶わないとぶっ壊れる.
 ロシア戦車は工作不良もあって部品寿命が短く,それに比べ,レンドリースで送られて来たバレンタインやシャーマンの信頼性・稼働率の高さに驚き,高く評価していた程.

 ちなみにロシア戦車の工作精度は,余裕のあるはずの戦後ですら低く,チェコがライセンス生産する前に購入したロシア製を,一度バラしてオーバーホールして組み直して使った程.

軍事板,2014/12/08(月)
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
 つまり,
「ドイツ戦車は高品質・高性能ではあったが,そもそも巨大な砲と装甲の塊を,非力なエンジンと非力な足回りで支えるという,工業製品としての根本的な無理があったので,非常に扱いづらかった.
 つまりスポーツカーみたいなもんで,十分なバックアップがあって,初めて性能発揮が出来た.
 一方,ソ連は中国製の安いポンコツ・トラック.
 低品質で荒いが,性能はそこそこあるし,めったに壊れない.
 ただ,荒いのですぐ損耗する」
って事?

 てか,ソ連戦車ってドイツと比べて信頼性どうだったんだろ?
 今まで読んだ資料の影響で
ドイツ=すぐぶっ壊れる欠陥品
ソ連=めったな事では壊れない単純シンプルで頑丈
ってイメージなんだが,実はドイツ並みにポンコツで故障ばっかしてたのか?

 【回答】
 ドイツについてはそのとおりだが,ソ連戦車は「低品質で壊れやすいが,性能はそこそこあるし修理は簡単」
 無酸素状態の泥炭地とはいえ,何十年も沼地に沈んでいたT-34が,すぐ稼働できたのが良い例.
 KVの初期型は5人乗りなのに戦車長が装填手兼任(T-34では砲手兼任),エンジンを見る「補助操縦手兼機関手」なんてのが乗ってたほど.
 操縦の大変さについては以下を参照
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/5870/tankitankisty3.html

 まあ,粗悪で単純だからこそ修理もすぐ出来たって話.

 つまり,高品質で繊細で高性能(というか色々と細かい)ドイツ製VS粗悪で単純で低性能(というか荒い,雑な)ソ連製
 一長一短というか,どっちも使いたくないというか,結局アメリカ最強ってオチだな .

軍事板,2014/12/08(月)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

536 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/ 14:02:34.83 ID:UKfu86mW [1/1回]
>>524
ぶっちゃけすぐ故障するポンコツパンターよりヘッツァーか4号を量産するべきじゃない?

537 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/10(水) 14:20:55.51 ID:wIndo6vd [2/3回]
ヘッツァーは安いのが取り柄の対戦車自走砲,エンジンのパワー不足で見た目に反して機動力に劣り,戦車の代わりにならない
そもそも作ってるのがドイツじゃなくてチェコの二社だけだし
IV号はフレームの上から装甲を溶接する古い手間のかかる構造で,本当はパンターに切り替えたいんだけど生産ラインを止めて
戦力の空白ができるのが問題で,やむを得ず作り続けられていた
パンターも最初からE-50くらい脚周りをシンプルにしていればよかったのだが

538 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/10(水) 16:56:32.66 ID:4nuysGvg [1/4回]
>>536
ヘッツァーは戦車ではなく,自走できる正面が装甲化された駆逐戦車でしかない
末期ドイツ軍はヘッツァーで突撃,逆襲などもやっているが視界が悪く右側の見えないヘッツァーでの突撃はある程度まとまった数が必要だった

ヘッツァー自体,用兵側の評価は高いものの乗ってる人間からすれば
狭い,装甲薄い(側面は容易に対戦車ライフルが貫通する),視界悪くて右側見えない,遅い,車体バランス悪い,発砲時の火焔と砂塵が酷くて見えないとまあ散々な評価だった

じゃあドイツ軍で量産ガンガンされて欠陥も少ない兵器はとなると三号突撃砲になり,実際独軍装軌戦闘車両では一番生産されてる

パンターは整備に手間がかかるとはいえ故障さえしなければ正面戦闘力はTigerやIS-2といった重戦車に匹敵して,お値段も四号の1.5倍と安い
四号12両だとシャーマン12両と相打ちだけどパンター8両とシャーマン12両なら?

軍事板,2014/12/10(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 wikipedia等にある,「そもそも大孤山が観測所になるので,203高地が「観測所」において死命を決するような場所ではない」というのは本当でしょうか?
 では,なぜ旧世代の戦記や小説では,203高地を占拠して砲撃により旅順艦隊壊滅して解決,というのが正解のように書かれていたのでしょうか?

 【回答】
 『坂の上の雲』の影響.
 あれはあれで優れた作品ですが,史実に脚色した歴史小説ですから.

 黄海海戦で壊滅したとはいえ,なお健在なロシア艦がまだ旅順港内にいたのです.
 もしこれが出撃してきて,日本軍の補給線を攻撃したら重大な脅威となるのです.
 現にその少し前,たった三隻のウラジオ艦隊により,上村艦隊は大苦境に陥ったのですから.

 で,海軍としては
「とりあえず艦隊を全部沈めてしまいたい,そうすれば安心して内地で訓練できる」
という立場でしたが,陸軍は
「艦隊だけ壊滅させても,要塞が健在なら同じだ.二百三高地落としても要塞は落ちない」
として,正面要塞の攻撃にこだわったのです.
(Wikの作者は素人考えで勝手に書いてるみたいね.203高地なんて書くなよ)

 結局,二百三高地を落としたら旅順要塞がすぐに落ちてしまったために,
「最初から二百三高地に集中攻撃していればよかった.」
「いやロシア軍も戦いに疲れて降伏したのであって,最初から二百三高地落としても降伏しなかった」
という議論の結論は,現在でもなお出ていません.

 ただ,断言できることは,旅順港内のロシア艦隊の全滅に成功したことにより,日本連合艦隊は旅順港の封鎖を解くことができ,訓練・整備に専念できたことが,翌年の日本海海戦の大勝利の一因となった,ということです.

軍事板,2014/12/11(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 この前『フューリー』をみてシャーマン戦車について思ったんですが,なぜM2機関銃は外に出ないと撃てないようになっているのでしょうか?
 搭乗員を危険にさらすのは(歩兵が使うのは別だが)戦車設計として間違っている気がするのですが…

 【回答】
 みんな最初はそう思ったんで,初期の戦車は車内から撃てる機銃や小口径砲を,それはもう大量につけた.
 シャーマンの前に装備されてたM2中戦車も,主砲塔横に機銃座がついてるし,コンバットカーなる,突撃して撃ちまくるためにハリネズミの如く機銃座をつけた戦車もあった.

 ただ,機銃座を付けたところは装甲が薄くなるし,マシーン君のように機銃を撃つだけの乗員も必要になって車内が狭くなるし,M3中戦車は機銃塔を砲塔の上につけたら,ただでさえ高い車高が更に高くなってしまった.
 車体に付けるタイプの銃塔も射角も限られてて,イマイチ効果の割に上記のように欠点が多かったので淘汰された.

 詰まる所,戦車の上に付いてる機銃なんて,気休め程度の対空機銃&蹂躙出来る時にぶっ放す用途なんで,わざわざ機銃座や銃塔で装甲化したり車載する必要がない.
 車載の機銃と榴弾で撃てば十分.

 もちろん例外はある.
 戦後フランスで作られたAMX-30なんかは,大口径機銃を砲塔にに車載して,対空攻撃に使えるようになってる.
 でもルクレールでやめちゃったあたり,イマイチだったんだろうな.

軍事板,2014/12/12(金)
青文字:加筆改修部分

 M60のキューポラ銃座とかもありますが,視野が狭いという欠点からは逃げられませんね.

 高脅威下では前面の機銃タレットと砲塔回して対応,が基本で,対空にも使う目的のM2を車内からフルに使うのは当時は不可能だったでしょう.
 理想的ではないが仕方なかった設計(たいていの設計はそうだな)ということで.

system ◆system65t. :軍事板,2014/12/12(金)
青文字:加筆改修部分



652 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金) 11:33:13.47 ID:Kub9O96p [1/3回]
>>645


653 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金) 11:39:26.00 ID:Kub9O96p [2/3回]
大口径機銃を方たちに車載→大口径機銃を車載です

654 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金) 11:58:26.54 ID:UjLWPYcz [2/2回]
>>645
>>651
砲塔上のM2を砲塔正面に向けて撃とうとしたら外からしか撃てないけど,砲塔の後ろ(6時方向)に向けて撃つ分にはキューポラから撃てるんじゃない?
本来機銃は取り付こうとする歩兵を散らすためにあるんだし,同軸機銃の死角をカバーするものとして考えるのが妥当だと思うけど.
(チハやソ連戦車も機銃は砲塔の後ろについてるし)

まぁ,ターレットリング式にすれば好きな方向にうてるんだけど構造的にめんどくさそうだしねぇ

655 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金) 11:59:12.20 ID:gh1CG1ma [4/7回]
>>651
http://i.imgur.com/WMpxL62.jpg
すみません
体を出すというのはキューポラから頭を出す程度じゃなく完全に体を出す感じです
わかりにくいですが真ん中の人みたいな感じです

656 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金) 12:03:53.81 ID:gh1CG1ma [5/7回]
>>654
かんざし砲塔ですよね
あれって砲手が撃つんですかね
それとも車長か撃つんですかね

657 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金) 12:04:27.07 ID:CcIIPYyH [2/7回]
なんせMG42がかっこよかった(無効だけど)

658 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金) 12:08:05.19 ID:Kub9O96p [3/3回]
>>656
あれは砲を使わないタイミングで撃つから暇してる砲手が撃つ

659 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金) 12:18:12.31 ID:gh1CG1ma [6/7回]
>>658
なるほど
構造上仕方ないとはいえ凄く非効率だと思いますね…

660 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金)

669 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:2014/12/12(金) 16:42:55.62 ID:zDaeK6hH [2/2回]
>>645
75mm砲塔用初期型戦車長用ハッチ=76mm砲塔用初期型装填手用ハッチだと,12.7mm機銃が全周旋回できるように付けられていて,
機関室上に出ないと撃てない後期型と異なり,ハッチから胸から上だけ出す形で撃てるんだけど,何で変更したのかイマイチわからんよね

軍事板,2014/12/12(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 各種航空機の空対地ロケットと無誘導爆弾の使い分けってどのようになるのですか?

 【回答】
 第二次大戦後期のヨーロッパにおける連合軍機の場合,車輌・列車・潜水艦等に対し,爆弾よりロケット弾で攻撃することが多くなった.
 ドイツ軍のよく使う20mm対空機関砲の有効射程外から発射できる,というのも一因.

 朝鮮戦争のころまでなら,無誘導爆弾の主流は250lb程度だったので,これなら5inロケット弾の方が威力は大きかったとされていた.

 その後,ベトナムでは,とくに後期は2000lb爆弾が主要されたので,ロケット弾は威力の面でかないっこなくなり,標的表示用に黄燐煙などを発生するタイプばかりが使われた.

 さらにベトナム戦後,威力が画期的に大きくなったロケット弾RV7シリーズの製造がカナダで始まり,あっという間に世界に普及.
 でも,ほぼ同時に登場した誘導爆弾がどんどん進歩し,価格も安くなったので2000年代に入ると,ロケット弾の出番は,途上国のゲリラ対策用以外はほとんどなくなったといってもいい.

 でも,途上国のゲリラにも携帯SAMが普及しだしたので,低く降りなければいけないロケット弾攻撃の危険性は,もう許容できない限界寸前まで来ている.
 現代の米軍は無誘導の爆弾やロケットは,基本的に使わない方針.

軍事板,2014/12/13(土)
青文字:加筆改修部分

 なお,湾岸戦争とイラク戦争の10年ちょいの間で,米空軍の無誘導爆弾と精密誘導兵器の使用比率は逆転してます.

 湾岸戦争:空爆の9%(重量比)が精密誘導兵器
http://en.wikipedia.org/wiki/Precision_bombing

 ただし戦果の75%は,その精密誘導兵器による.


 イラク戦争:70%が精密誘導兵器
(A global chronology of conflict. Tucker SC. ABC-CLIO, LLC, Santa Barbara, USA, 2010)

system ◆system65t. :軍事板,2014/12/13(土)
青文字:加筆改修部分


** 【珍説】
756 : 霞ヶ浦の住人 ◆1fZtWSiFl2 [] 投稿日:2014/12/14(日) 14:03:15.37 ID:R9nXhLb2 [1/7回]
>882 :名無し三等兵:2014/11/30(日) 19:52:28.51 ID:mjiY9VeC
>>874
>伝書鳩の時代,鳩が敵の鳩舎に帰るなんてザラだった.
> 妨害がかかったとしても,一瞬で数万キロ彼方まで通信できるネットがまだいい.

霞ケ浦の住人の回答

「鳩が敵の鳩舎に帰るなんて」有り得ません!

説明

伝書鳩は,鳩の帰巣本能を利用した通信手段です.
そのため,鳩舎は簡単には移動できませんでした.

 【事実】
 なに馬鹿なこといってんですか.
 生物に絶対を期待できるわけないでしょう.
 盛んに開催されている伝書鳩レースでも帰還率は40%台,2羽に1羽以上が戻らないというのに.
(正確にはレース終了後に戻ってくる個体もあるから,もう少し数字は良い)

ゆうか ◆BfDXjJtUZv6q :軍事板,2014/12/14(日)
青文字:加筆改修部分

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%9D%E6%9B%B8%E9%B3%A9
>一方「移動鳩」は,一般にはあまり知られていない.
>これは,戦場において,移動式の鳩舎を探して,そこへ鳩が帰ってくるもの.
>放鳩後に原隊が移動しても,訓練された軍用移動鳩は,移動先の鳩舎(車輌)へ帰巣することができた.

 移動鳩舎は確かにあったけど,移動した後までついてくる鳩までいたっけか?
 …流石に無理なような.

 というか,鳩ちゃんの記憶力は知れてるので,鳩舎から一週間も離れてると,元の鳩舎を忘れるのが多い.
 もちろん手荒に扱ったら,弱って帰ってこれない.

軍事板,2014/12/14(日)
青文字:加筆改修部分

 ついでに言うと,敵の占領地に取り残された鳩舎なんてのもありますねえ.

ゆうか ◆BfDXjJtUZv6q :軍事板,2014/12/14(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 孫子九変編の七八九
7.母国に帰る敵軍は,引き留めてはならない.
8.包囲した敵軍には,必ず逃げ口をあけておく.
9.進退きわまった敵を,余り追いつめてはならない.
ってどういう意味なのかよく分からないんです.
 それが利になる状況があるのは解るのですが,
(窮鼠猫を噛むという状況を忌避するということですよね)
「丘の上の敵を攻めるのは愚」
と並べられて原則として扱われているので,孫子的にはカンナエやザマは,逃げ道を開けて敵軍を一部逃したほうが良かったということなのかなぁ?と疑問に思ったんです.

7はザマだったら「カルタゴ軍は国に返してやれ」
8は「カンナエは完全に包囲しないで穴を開けて逃がすべきだった」
9は「カンナエもザマも追い詰めたら包囲殲滅までしないほうがよかった」(結果味方に被害が出るから)

という解釈になってしまう気がして,どうもうまいこと理解できません.
 当時の中国の戦争事情が特殊に関係しているのでしょうか?

 【回答】
 それは,敵に逃げ道を開けることによって戦闘力を失うか,または,敵を追い詰めることによって敵の戦闘力が高まるか,によって状況が変わる.

 兵士の士気が高く,逃げ道を開けても逃げない場合,または,逃げた兵士が態勢を立て直してまた立ち向かってくる可能性が高い場合,地形上の制約や指揮系統の混乱によって,追い詰めて敵が必死になっても,戦闘力がそれほど高まらないと判断された場合は,殲滅する方が得策という話になる.
 カンナエやザマの戦例は,まさにそういう理由.
 古代中国でも,狭い場所に追い込んで完全に道を塞いでから,人的損害の少ない落石や火計で皆殺しにするという方法は,時々行われている.

 ご指摘の7,8,9が一般原則のように扱われている理由は,お察しの通り,当時の中国の軍事制度とかの理由で,国自体に帰属心を持った兵士が非常に少なかったから.
 孫子の作戦編に
「敵の貨を取る者は利なり.
(中略)
 卒は善くしてこれを養わしむ.」
(降伏した敵兵は優遇して味方に編入せよ)
と教えている.
 現代の国民国家同士の戦争ではおよそ考えられないが,当時はそれが当たり前だった.
 孫子は周朝が分裂した枠内でのいわば内輪の戦争で,異民族との対外戦争というわけではなかった

 他方,ローマとカルタゴの抗争は,地中海の覇権をかけた完全な殲滅戦だった.

軍事板,2014/12/14(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 パンツェルやティーゲルはミリオタならずとも大人気なのに,エレファントがほとんど話題に上らないのはどうしてでしょうか?

 【回答】
 まず絶対数がそれらほど多くないため,活躍の機会が限られる.
 故に武勇伝も少ない.
 旋回砲塔をもたない駆逐戦車故に,敵と最前線で機動戦(実際にはほぼ無いが)が出来ないため,活躍の機会が限られる.
 近年は当時の資料の発見が進み,独ソ両軍より高い評価を受けていたと分かって再評価されてきたものの,20世紀代では基本的に失敗作のポンコツと思われていた.
 旋回砲塔をもたないため,ニワカと一般には戦車っぽくなくダサいと思われがち.
 これらの理由より話題にならないと思われ.

 そもそもパンツェル(パンター?)とかティーガーとか名前も知らないか,知っていても区別もつかない人のほうが大多数.

軍事板,2014/12/16(火)
青文字:加筆改修部分


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