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●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 827
※青文字:加筆改修部分
ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.
※既に分類され,移動された項目を除く.
※レス回収基準は「Ver.9」
※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.
※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.
目次
** 【質問】
第二次世界大戦でイタリアは何がしたかったのですか?
ムッソリーニ首相は古代ローマ帝国の復活を国民に説いたそうですが,古代ローマ帝国の最大版図は途方もない領域であり,本気でこれを再現しようと考えていたのですか?
ナチスの生存圏や日本の大東亜共栄圏も大概ですが,イタリアの野望は気宇壮大を通り越して誇大妄想といっても過言ではありません.
イタリア軍部の戦争方針も,この妄想に沿った内容だったの?
【回答】
1940年3月時点の全軍参謀本部の戦争計画;
1)フランスに対する西部戦線では守勢
2)ユーゴスラヴィアに対して警戒態勢
3)ギリシャに向けて守勢
4)リビア,エーゲ海で守勢
5)イタリア領東アフリカでは,スーダンと仏領ジブチに対し攻勢
6)ケニアに対しては守勢
7)空軍は陸海軍と共同に行動し,攻勢または守勢
8)海軍は地中海の内外で攻勢
軍事板,2014/11/21(金)
青文字:加筆改修部分
** 【珍説】
もし南京で一部の兵隊が虐殺レイプしていたとしても,犯人は朝鮮兵だろ?
日本には何も責任ねえよな…
居酒屋正社員 :軍事板,2014/11/21(金)
青文字:加筆改修部分
【事実】
南京攻略戦に参加していたのは
第3師団 名古屋出身 最古参師団の一つ
第9師団 北陸出身 第18師団と並んで陸軍の双璧と言われた最強師団
第16師団 京都
第6師団 熊本出身 最古参師団の一つ
第18師団 久留米出身 上記の通り最強師団と呼ばれた
第114師団 宇都宮出身 日中戦争後に編成された若い部隊
第5師団 広島出身 最古参師団の一つ
第13師団 仙台出身 宇垣軍縮で一度廃止された後,日中戦争後に再編成
朝鮮兵なんざ一人もおらんわ.
それどころか,日本軍の中でも最古参とか最強の肩書きをもらってるような精鋭部隊ばかりだ.
朝鮮人を採用したのは朝鮮で編成された部隊で,それらは南京戦に参加してない.
南京事件当時,朝鮮人師団は第19と第20師団.
両者とも華北への動員はされたが,南京には出張ってない.
ついでに言うと,第19師団も第20師団も実際の編成は内地兵が中心で,朝鮮人は事実上ハブられてた.
なんせ実際に採用された朝鮮人は
1938年 406名
1939年 613名
1940年 3060名
と,ごく少数に過ぎなかったのでな.
よしんば朝鮮人兵士がやらかしてたとしても,「日本軍」の所属でやりゃあ,日本の責任だわな.
飲食店が雇った中国人のアルバイトが,客とトラブって傷害事件を起こしたとして,
「バイト中国人が起こした事件なので,店は責任ありません」
とかやったらどうなるか想像つかんのかな?,居酒屋の店長(自称)なのに.
軍事板,2014/11/21(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
日本海軍の陸攻について質問します.
的が大きくて被弾にも強くない陸攻で敵艦を雷撃しようとしても,敵の対空砲火がある程度以上濃ければ,投下する前に全機撃墜されてもおかしくない気がします.
実際,マレー沖海戦で戦艦撃沈に成功したのは,イギリス艦の対空砲が少なかったのと,大編隊で対空砲火じゃ対処できない数の飽和攻撃をしたからで,戦争中期以降の対空砲が増したアメリカ艦相手に,少数で雷撃した場合,殆ど成功せず,一方的に撃墜されたと聞いています.
ここからが質問なのですが,陸攻を作るときに,対空砲火が濃ければ雷撃が成功しなくなるのは想像できたと思うのですが,なぜそれを考えても撃墜され易い陸攻を大量生産したのでしょうか?
対空砲火が濃密になることなんて最初から想定外たったのでしょうか?
【回答】
大戦後半,雷撃に出動した日本側航空機のほぼ全部を撃墜したのは艦上戦闘機,主にグラマンだ.
大和の撃沈例をみれば明らかだが,対空砲火をいくら増強しても,得られる効果は限定されている.
編隊を組んで等速直線飛行する(するしかない)爆撃機を相手にするならともかく,低空を自由に飛び回り,いろんな方向から突っ込んでくる攻撃機を,電子制御されていない対空砲火で撃墜することは非常に難しい.
ワイルドウィーゼルの存在をみれば,現在の技術をもってしても困難であるとさえいえる.
イージス艦万能論に不信感を抱く人間が一定程度いるのは,この戦訓を踏まえているからだ.
そして本来,陸攻による雷撃っていうのは,条約によって規制された主力艦を,艦隊決戦において補完する目的で整備を進めていた物.
当時の日本海軍は,陸からも雷撃をやらせ,戦艦同士の艦隊決戦前に,米艦隊を少しでも漸減したいと考えていた.
それには航続距離がないと届かないので,攻撃機はどうしても大きくなる.
二式大艇にも雷撃任務を計画していたが,流石に無理だと思ったか実行はしなかった.
その頃に九七式や一式が想定していたのは,正にPOWと同程度の対空兵器しか装備してない規模の敵艦.
実際に「本来の使い方」である,1941年開戦劈頭のアメリカ艦を攻撃した場合,対空放火の密度や正確性に大した差はなかっただろう.
もちろんアメリカの太平洋艦隊が相手の場合,撃ってくる相手の数も何倍もいるわけだけど.
陸攻の開発時の軍艦の対空砲の装備数とその性能なんてたかが知れているので,
>対空砲火が濃密になることなんて最初から想定外
というのが答えになる.
ちなみにPOWの対空攻撃力は,主兵装のポンポン砲が過大評価されていたので,(当時としては)ものすごく高いと思われていた.
陸攻隊の指揮官は大損害を覚悟していた.
しかし,実際のポンポン砲は作動不良が多発するわ装弾不良を起こしまくるわ正確に照準する手段がない(曳光弾がない)わ旋回/俯仰速度が遅すぎるわで,全くと言っていいほど役に立たなかったんだけども.
一方,日本海軍は,緒戦のマレー沖で大戦果を得た事により,過大評価してしまったので,重い魚雷を抱えた雷撃機の損害を想定を甘くみて,二匹目の泥鰌の夢を見続けた.
それが戦争後期の陸攻の大損害の原因.
ナチス・ドイツが,緒戦の電撃戦での急降下爆撃機の活躍が忘れられず,いつまでも急降下爆撃機にこだわったのと軌を一にする.
軍事板,2014/11/22(土)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
戦闘機の増槽は,ドッグファイトに入ると必ず捨てるものなのですか?
例えば増槽を今そこで捨てると,敵に勝利しても基地への帰還が出来ない可能性が大きいとします.
それでも増槽は全て捨てたりするんですか?
増槽付けたままドッグファイトはありえませんか?
【回答】
普通,増槽付けた場合は燃料は増槽の方から使うものなので,戦闘空域に突入した時点で「増槽捨てたら帰れない」なんて状態だとしたら,それは「戦闘機乗り失格」ということ.
それはそれとして,燃料の入った増槽付けてたら,格闘戦するには確実に不利になる.
つけているだけで運動性がかなり落ちるし,空戦機動では残燃料の動揺によって,飛行バランスが崩れたりする.
「戦闘は避ける,全力で振り切って・・・」
とやるにも不利になる.
燃料不足で帰れない,はどこか別の基地に着陸するとか,最悪不時着か不時着水して救助してもらう,という手があるが,撃墜されたらそこでオシマイだ.
なのでベトナム戦争くらいまでは,増槽付けて戦闘状態になったら捨てることのほうが優先されるし,そうするのが賢い.
現代では,例えばF-15の600gal増槽はセンンターパイロンに装着した状態では一切の機動制限(速度も)ないし,非常に高額なので,戦闘に入ったからと言って捨てたりはしないし,うかつに捨てると操縦者は処分を食らう.
もちろん危険回避など正当な理由がある時には投棄は許されるが,その範囲は広くない.
空自のF-4も昔の翼下タンク2本に替えて,F-15のそれとよく似た高G対応の専用センタータンク一本にして,空戦機動時でも装着したまま,投下はしないと聞いたような.
米空軍もだし,たぶんイスラエルもそう.
(本家米空軍のF-4用ハイGタンクは,F-15用を流用したようだが)
さる本に載っていた,飛行教導群のACMのエキスパートとの対談から
「F-15はドロップタンクを実戦では投棄するものなのですか?」
「離陸直後に会敵する場合もある.
その場合,燃料が沢山はいってるのは当然.
重くて空戦がやりにくいのは事実だが,かと言って直ぐに投棄してしまったら,空戦時間の制約も出来るし,離陸基地の攻撃で帰投出来ないケースも考えられるから,簡単には投棄出来ない.
投棄するかしないかは当然,その時の状況によって異なる.
したがって機体が重くて空戦出来ないではなく,不利な状況でも戦えるような,フルタンクでのACM訓練をおこなっている.」
ということだ.
ちなみにF-15用510ガロンタンクは,乾燥重量が360ポンド(約160kg)あって,8人掛かりでようやく装着出来る物.
ウイングレットとして機能し,飛行時の投棄の出来ないF-104の170Gタンクが,100ポンド程度なのに対して,耐Gには問題なくても重量的にはかなりのハンデがあるかと.
F-4に関しては,以前は3本タンク状態でアラートにつくケースは稀だったが,南西方面の脅威が増す頃から,新田原の301などでは3本タンクで実弾装着,つまりアラートで飛ぶ目撃が多くなり,訓練弾を積んだ訓練飛行でも,3本タンク装着機がしばしば目撃されるようになっている.
ただし,現代戦ではステルス性も重要なので,F-22やF-35が高脅威下で侵入する際には,当然増槽は捨てる.
そもそも,本来は増槽を戦闘地域には持ち込まない.
例えばF-22の燃料搭載量は,F-15に600gal増槽3本を搭載した量にほぼ等しい.
通常使用する増槽は,あくまでフェリー専用だ.
軍事板,2014/11/22(土)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
今日の深夜,『風立ちぬ』を観たのですがそれに関して質問させてください.
主人公の二郎が作っていた航空機は九六式艦戦の試作機ですが,それの主翼はどうも,カモメやこち亀の両津の眉毛みたいに折れ曲がっていますね.
しかし,私が知っている九六式艦戦は,ゼロ戦のように滑らかな流線型のはずです.
どういうことでしょうか?
【回答】
実際に量産されたのは,九試艦戦の試作二号機の方.
ニ号機は逆ガル式ではなく,普通の低翼形式になっている.
「低翼単葉機では,本質的に戦闘に必要な前下方の視界が悪いのはやむを得ない.
当時は複葉やパラソル型からの移り変わりの時で,これが操縦者には予期以上に強く受け取られ,初めは低翼にともなう難問の一つだった.
そこで,この視界の問題と,一本柱の脚の強度,重量の問題との有利な解決策として,中央翼に大きい負の上反角を与え,脚の取り付け点付近から外方に大きな正の上反角を持たせた逆ガル(鴎)形配置を一号機に採用した.
この配置は,イギリスのスーパーマリーン社で,試作戦闘機(スピットファイアの前身)にこの型を採用したことが分かったので,一つこちらもやって見ようという気になった.
が,この方法は,やはり翼の折れ目に気流の乱れが生じ,それが安定操縦性に悪影響を及ぼすおそれが大きく,この形式一本ヤリで進むことは危険と思われたので,二号機は初めから中央翼を水平に設計した」
と,堀越氏自身が著書で言っている.
軍事板,2014/11/22(土)
青文字:加筆改修部分
試作機をいろいろ試験して出てきた不具合を改善したり,用兵側の要望を可能な限り取り込んだりしたらそうなった,ということ.
現代でさえ,試作機と量産機は相当姿かたちが変わります.
F-22なんかでも機会があれば雑誌等漁ってみてください.
多分あなたが想像する以上に色々変わってますから.
ゆうか ◆BfDXjJtUZv6q :軍事板,2014/11/22(土)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
広島市などは大本営が置かれるほどの軍都として有名でしたが,万が一の本土防衛戦が起きた場合のために街づくりにも,その影響などはあったのでしょうか?
また,世界的にそのような事例,もしくはそれとは全く無関係に作られていった都市はありますでしょうか?
【回答】
平和大通りは元々,戦中の防火帯作成のための建物疎開によるものです.
また,昭和15年に広島工業港計画というものが相川知事により推進され,元来城下町であった広島の三角州内より避けて旧市街以北に通っていた鉄道を,新干拓地である市内南側に支線を通し,さらに誘致した工場に直接船がつけられるような工業港を計画し着工しました
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/41228.pdf
戦時中のため計画縮小されましたが,陸軍吉島飛行場が建設されたり,三菱重工の造機部や造船所が作られました.
http://dansa.minim.ne.jp/a6430-Yoshijima-1-JapanArmy.htm
あとは本土決戦のため,終戦直前に中国軍管区の司令部が広島城に置かれました.
広島城本丸の石垣の内側に,半地下でコンクリで固められた防空作戦室があります.
他に高射砲陣地が二葉の里等に残っています.
広島の街歩きサイトなどは軍事サイトなどでなくても,戦後も残った施設を取り上げていることがよくあります.
一例ですがリンク先の「軍都・廣島関連施設戦跡」編・一覧などです.
http://masuda901.web.fc2.com/index.html
現代においても,世界のどこの国でも外敵からの防衛の為,軍事施設周辺の民間開発は制限があります.
ただ,貴方の言う「万が一の本土防衛戦」のためではなく,常時の備えとしての話です.
諜報活動やテロリズム等の防衛の為,民間と軍には目立たなくともちゃんとした緩衝地帯があるものです.
なので,軍施設に隣接した街には大なり小なりの影響が必ずあります.
軍事板,2014/11/23(日)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
今は水爆の開発は各国頓挫したままですか?
核弾頭搭載ミサイルが現段階の究極なら,核ミサイルの次世代兵器の開発はどうなっているんでしょうか?
【回答】
頓挫ではなく,核兵器は現状で十分な抑止力となっているから,莫大な予算かけて各国から非難されて新型作る意味がないということでしょう.
また,熱核爆弾(水爆)はステージング可能ですから,今の出力の10倍,100倍の弾頭を作る事に技術的な制限はありません.
ただ,そんなもの作っても用途がない.
ご存知の通り,効果範囲を拡げるなら,弾頭出力を大きくするより弾頭数を増やした方がいい.
そうなるとむしろ,弾頭の運搬手段の方に改良の余地があるわけですが,現代のロケットエンジン自体が,それこそ技術的限界に達しつつあるわけで.
いずれにしても,使わないのが値打ちの武器に金かけてるような余裕はない国が殆ど.
例外がロシアのMaRVぐらいのもので,これも運搬手段の問題ですよね,強いて言えば.
補足:
原爆所有国(インド,パキスタンなど)なら水爆というワンレベル上の武器に手を出す意味があるかというと,これも現在の原爆で抑止力としては十分な上,原爆レベルから水爆を実用化しようとすれば核実験が不可欠であり,今の世間でそんなことしたら袋だたきは必至.
ということで,これも手が止まるわけです.
ロシアのRS-24,RSM-56にしてもレベルアップと言うより,米のABM進化分を相殺するための開発であり,イーブンを狙っただけのものですね.
system ◆system65t. :軍事板,2014/11/25(火)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
最近,デジタルカメラでISO20,000超えの数値を実現して,真夜中でも星の光程度の光源でカラーの写真が撮れる,というものがありますが,この技術は軍用に応用されているのでしょうか?
いわゆる「スターライトスコープ」の視界画像って,モノカラーのものしか見たことがないのですが,あれは「そのほうがいいからそうしてる」だけであって,カラーの視界にもできるのですかね?
【回答】
スターライトスコープは全波長の光を電子化し,増幅して発光体に当てており,発光体の発色が単色なのです.
フルカラー化しようとしたら,光を3つにわけた上でRGBのフィルターを通し,それぞれの通過光を別々に増幅して感光体に当て,その発色光をRGB化した後合成する事になります.
サイズ,重量,消費電力が増すだけでなく,効率も大幅に悪化しますから,有用とは言えません.
ちなみに,スターライトスコープ(MCP)の増幅能力は30,000〜50,000倍程度だったと思いますが,電子を増幅するので,デジカメの可視光相手の素子には使えません.
電子に反応する発光体が必要です.
スターライトスコープは単色のままでも,非常に暗いところでは増幅に限界がありますし,霧や砂埃で可視光が遮られる環境では,増幅してもやはり見えません.
なのでサーマルスコープが多用されているわけです.
これも赤外を3波長に分ければ,対象が放つ赤外線のスペクトルに応じたフルカラー表示が可能ですが,上記と同様の短所と共に,そのカラーに何の意味があるかという問題もあり,実用的とは言えません.
ただ,スターライトスコープとサーマルの重ね合わせには,状況認識を助ける効果があるため,装置の軽量化,高性能化に助けられて,可視光と赤外光を合わせて見る装置は開発されています.
スターライトスコープ(image-intensifier)とサーマルスコープ(infrared channels)の融合機
http://www.irconnect.com/noc/press/pages/news_releases.html?d=65353
http://www.ak47.net/forums/t_2_209/158471_.html
↑
「An example of image fusion from NGEOS, showing the two sensor elements,
either side of the fused image in the centre. (Northrop Grumman)」
とタイトルのある写真.
system ◆system65t. :軍事板,2014/11/25(火)
青文字:加筆改修部分
ISO20,000というのは増幅率で言えばせいぜい数100倍程度で,スターライトスコープに対して桁が2つ低い.
さらに実際のCCDの感度はISO数100程度しかないのを,ゲイン(単純な掛け算)で稼いでるだけ.
まったく別次元.
軍事板,2014/11/25(火)
青文字:加筆改修部分
ISOで言うならα7SのISO409,600が有名ですな.
技術的蛇足:
デジカメの受光素子が非常に高性能だったとしても,単純に基板に出力させて増幅したのでは,元の信号が弱い(暗い)場合,回路で拾う雑音も思い切り増幅されるのでS/N比が下がってしまう.
絵で言えば全体に白いノイズが飛び回る状態になる(放送終了後の砂嵐画面,って死語だな).
そこで光増倍管やMCP(Micro-Channel Plate)のようなしかけで,S/N比の損失を抑えながら増幅するわけですが,そのためにはデジカメみたいに基板に電位を出力するのではなく,加速するための自由電子を放出しないといけない
http://what-when-how.com/remote-sensing-from-air-and-space/energy-in-electromagnetic-waves-remote-sensing/
↑上記サイトの図2.7, 2.8
なので仮にデジカメの素子が高感度であったとしも,それをスターライトスコープの先端に付けても作動しません.
といって,通常の方式で増幅したのでは,前述の通りノイズばかり映ってしまう.
ちなみに第4世代赤外暗視鏡の分解能は70線/mm程度.
フルサイズデジカメのD800で100線/mm程度だったと思いますから,かなり近いとこまで行ってる.
ただしモノクロですが.
http://www.photonics.com/EDU/Handbook.aspx?AID=25144
system ◆system65t. :軍事板,2014/11/25(火)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
艦艇に搭載してある曳航ソナーには,使用時の艦の速度制限などはあるのでしょうか?
【回答】
あります.
強度的な制限とともに,水流雑音やキャビテーションの発生などによるノイズ増加,能力低下が起きるので,これに対する制限もあります.
また,能力低下については速度,進路の変更も影響するので,使用中は定速で直線航行する必要があります.
http://en.wikipedia.org/wiki/Towed_array_sonar#Limitations
具体的に何ノット以上がダメなのかは物によりますし,最高能力を発揮させる速度と耐えられる最高速度は違いますが,とりあえずCAPTASでは最大30ノットとしてます.
http://www.deagel.com/Ship-Sensors/CAPTAS-4_a002134002.aspx
Kongsberg社のST2400だと16ノットですが,これは機能面も含めてでないかな・・・
http://www.km.kongsberg.com/ks/web/nokbg0397.nsf/AllWeb/E3A077B4603D7228C1256C390041B9D8/$file/855-1644175af_ST2400_product_specification_lr.pdf?OpenElement
THALESの潜水艦搭載用曳航ソナーでは25ノット(Survival Speedという表現).
https://www.thalesgroup.com/sites/default/files/asset/document/FRTAS.pdf
system ◆system65t. :軍事板,2014/11/26(水)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
『提督』を名乗れるのはどの階級からですか?
http://www6.atwiki.jp/army2ch/pages/17.html#id_17328eb1
これ↑によると大佐以上らしいですが,ウィキペディアによると,
>上記の艦隊の総司令官としての用法から転じて,海軍の将官である元帥,大将,中将 ,少将,准将及び代将の総称又は敬称.
とあります.
この代将に大佐が含まれるから,大佐でも名乗れるという認識でいいのですか?
【回答】
普通は,将官以上で大佐は含めない.
英国でもNATOでも提督(admiral)は将官.
代将は例え臨時任命であっても将であって,佐官ではない.
「大佐だけど艦長や参謀ではなく部隊の指揮官」
ということはあるけど,そういう場合は「司令」と呼ばれ,「提督」とは呼ばれない.
佐官の階級で「司令官」と呼ばれることは基本ない.
佐官がそこまでの規模の部隊を率いるポジションに就くことはないから.
おそらくそのリンク先の著者は,「大佐より上」と「大佐以上」を混同して書いてる.
軍事板,2014/11/27(木)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
なぜヒトラーが突然ポーランドを攻撃したか教えてください.
ヒトラーは,それまでは英仏と事を構えないように慎重に行動してきたし,攻め込めば波はともかく英仏とこじれるのは分かっていたはず.
師団数も英仏波の合計よりずっと少なく,数字の上で優れているのは空軍力だけ.
結果的には速攻で波・仏は倒せましたが,負けるリスクを冒してまでポーランド回廊を取り戻す理由はあるようには見えないのですが.
ヒトラーは,未知の空軍力と装甲師団の力を理解して,英仏波に負けないと踏んだのでしょうか?
【回答】
最初ドイツはポーランドと戦争する気はなかったよ.
ポーランドは友好国とし,ポーランド回廊は通過権だけもらう予定だった.
で,ポーランドは渋っていたのだが,ドイツは交渉で何とかなると思っていた.
なのにドイツが方針変更したのは,イギリスがポーランドに保障を与え,それによりポーランドが態度を硬化させたから.
交渉しても無駄なので,戦争で奪い取ろうってわけだ.
確かにドイツは自国の戦力に不安を持っていた.
だが,イギリスとフランスの厭戦気分を見抜き,西からの大規模な攻撃がないと踏んだ.
あったとしても,ベルギーは中立国なので英仏軍は通過するわけにいかず,フランスとドイツが接している部分を通るしかないので,そこの狭い範囲だけ守ればよい.
さらにソ連がポーランドを支えないようにソ連とは不可侵条約,およびポーランド分割に関する秘密条約を結んだ.
それで,ポーランドと交戦して多少苦戦しても,ソ連が領土を取りそびれないように東から挟撃してくれることも当てにできた.
このように,ドイツは緻密な計算をして勝てると踏んでポーランドを攻撃したのだ.
軍事板,2014/11/29(土)
青文字:加筆改修部分
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