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●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 826

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「Ver.8」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【質問】
 メジャーなWW2のドイツ,日本辺りの話でいいのですが,全戦闘機パイロット中,エースパイロットと撃墜数4機以下の非エースパイロットの比率はどのぐらいですか?
 数年間,数十数百回出撃して4機以下で終わるパイロットが大多数ですよね?
 打率が低すぎるように感じるんですが.

 【回答】
 その代わり,一人で3桁墜とした人がいたりするわけで.

 一つの問題として,「損害数=空戦で墜とした(墜とされた)数」ではない,というのがある.
「撃墜はされなかったけど,基地に辿り着いて,その後修理不能でスクラップ」
とか
「着陸に失敗してパイロットともどもさようなら」
というのもある.
 と言うか,そっちのほうがむしろ多い.
 そういう意味では,必ずしも非エースの「打率が低い」わけではない.

 あと,「戦争」全体として考えると,勝敗を決めるには実のところ,敵に全く損害を与えなくてもいい.
 極端に言えば,だけど.
 敵爆撃機を一機も撃墜してないけど,毎回必ず洋上で爆弾を投棄させることに成功してるので,自国の都市は全く被害を受けてない,なら目的は達成している.
(爆撃機の損害が出ない限り,敵は何度でも同じことやってくるから最終的には無意味だが)
 航空戦に関してなら,「いかに制空権を維持したか(奪ったか」が重要で,パイロット個人個人の「打率」は,重要ではあるが決定的な要素ではなかったり.

軍事板,2014/11/02(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 野戦砲兵に素早い陣地転換能力が求められるようになったのは,いつ頃からですか?

 【回答】
 30年戦争辺りが機動的運用の始まりとされる事が多いですね.
 ただし,歩兵や騎兵の大隊や連隊に配備されていた,3ポンド前後の砲を装備した砲兵は,野戦砲兵では無く付属砲兵に区分されるとしたら,野戦砲兵は5〜9ポンド野砲を装備し独立した砲兵隊を指す事になるかと.
 この場合の野戦砲兵が,機動的に運用され成果を挙げたのは,オーストリア継承戦争〜7年戦争と言われていますね.
 前者でブロシア軍が6ポンド野砲を使用し成果を挙げ,その戦訓からオーストリア軍が後者で6ポンド野砲を使用し成果を上げた,と.

 優れた大砲設計者として名を残したグリボーヴァルですが,新システムを設計する際に,直近の戦訓で優秀さを示した6ポンドでは無く,攻城戦を意識した古いシステムの8ポンドを主力野砲に採用しました.
 革命戦争でグリボーヴァルの8ポンド野砲を使用したナポレオンは,オーストリア軍の6ポンド野砲の,機動性を始めとした優秀さを目の当たりにします.
 第一執政になった後,8ポンド野砲を廃止し,新型6ポンド野砲を設計させ,配備を進めさせました.
 彼の機動的砲兵運用,砲兵の集中運用は,このオーストリア軍の6ポンド野砲を基に設計された新型6ポンド野砲でなされる事に.
 実際の切り替えは,すんなりとは進まなかった様ですが・・・

軍事板,2014/11/03(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 基本「LCACなどの揚陸艇が発艦して,揚陸艦がさらに沿岸に近づいてから,AAV7などの水陸両用車がウェルドックから発艦」で良いんですよね?

 【回答】
 LCACは通常は強襲揚陸には用いない.

 なので,AAVが投入されるなら,事前砲爆撃(今のアメリカ軍だと,艦砲射撃はあんまり考えていないだろうけど)とヘリコプターによる拠点強襲のあとに,水陸両用装甲車が事実上の第1陣として上陸する,ということになる.
 ・・・でもAAV(当時だとLVT)はどうしても水上速度がトロいので,揚陸艦隊は岸にかなり近づく必要がある.
 全く相手に気づかれないまま上陸作戦なんかできないので,岸に近づいて発進準備してる段階で発見されて,攻撃もしくは迎撃準備されることは確実で,揚陸艦隊が攻撃されないためには,可能な限り陸から離れた位置から発進させなければいけない.

 …でも,水上速度15km/hなら,5km航行するのに20分かかる.
 20km(このくらい離れてれば沿岸からの砲撃はそうは届かない)離れてたら1時間掛けて航行しなけりゃならない.

 結局,現実的に考えると,
「陸上から攻撃される,もしくは発見されて迎撃体制を整えられることを避けようと思ったら,トロい上陸用舟艇や水陸両用車はあまり向いてない」
ということになり,このへんがアメリカが高速で揚陸作戦ができるヘリコプターとLCACの整備を進めた理由だ.
 そもそも「ヘリコプターによる揚陸作戦が行える揚陸艦」を「強襲揚陸艦」っていうわけだしね.

 AAVは敵前上陸!!ってより,港なくても上がれて,その後も脅威下不整地で行動できますっていう,つまりちょっとだけ泳げる戦場タクシー=装甲車的な感じになってる .

 LVTが改名されたAAVが「Amphibious Assault Vehicle(水陸両用強襲車」という名前であったあたり,米軍が水陸両用車による強襲上陸を完全に捨てたわけではないんだろうけど.
 でも,AAV後継のEFVの調達も中止されちゃったし,とりあえずは米軍はヘリコプターとLCACを主力としていく方針である,と考えて差し支えはないかと.

 V-22オスプレイの調達が今後順調に進めば,今後はヘリコプターというよりはティルトローター機がアメリカ海兵隊の主力強襲手段になるだろうな.
 それはそれでメリットもあるから,従来のLCMとかLCUが完全に使われなくなるってことはまずなさそうだけど,AAVが今後も主力強襲兵器として使われることはないのではないか,と思える.
 EFVの調達が復活する可能性は低そうだし,EFVほどの性能はないけど,EFVほどには高価で複雑でもない,って車輌が新たに開発されるか? というとそれも可能性はあまりなさそうだし.

 まあ先のことはわからんけど・・・

軍事板,2014/11/06(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 自動拳銃・アサルトライフルの薬室に弾薬を入れたまま,弾倉を抜いた状態で,弾丸を発射できますか?

 【回答】
 銃によるけど普通はできる.

 「クローズボルト」っていう作動形式の自動火器なら,装弾されてる(薬室に弾が入ってる)状態で薬室は閉鎖されてるから,弾倉抜いてても撃発すれば弾は出る.
 銃によっては,弾倉が入ってないと激発できない機構になってるものがあったりもするけど.

 「オープンボルト」っていう作動形式の自動火器は,薬室閉鎖する(ボルトが前進する)時に弾倉から給弾するのが普通(つまり発砲直前まで薬室には弾が入ってない)なので,弾倉抜いたら給弾される弾がないので発砲できない.

 ただ,オープンボルトは基本的に機関銃や短機関銃の作動形式で,自動小銃で・・・っていうとブローニングM1918(BAR)くらいしかなかったような・・・

 自動拳銃はマガジンセフティが付いているものがあり,弾倉を抜くと薬室に弾丸が残っていても発射出来ない.

軍事板,2014/11/06(木)
青文字:加筆改修部分

 そんな視線で見た事ないのではっきり言えませんが,Glockは全モデル,マガジン・セイフティなしです.
 マガジン・セイフティはあまりポピュラーでない気がする・・・

 ただ,米ではマガジン・セイフティなしのピストルは販売禁止にしている州もあるらしい.
http://www.handgunforum.net/smith-wesson/13321-m-p-mag-safety.html
 そのためにわざわざ対応モデルがあるところをみると,ついてないのがふつーのような.
http://www.sigsauer.com/CatalogProductDetails/p226-extreme-ca-compliant.aspx

 S&WのMilitary &Policeはマガジンセイフティの有る無しが選択でき,どちらが良いかでよく議論になってます.
http://www.policemag.com/channel/weapons/articles/2010/04/smith-wesson-m-p-pistol-with-safety.aspx

system ◆system65t. ;軍事板,2014/11/06(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 陸戦隊と海兵隊と沿岸警備隊の違いについて教えて.
 とくに陸戦隊と海兵隊って,どこが違うの?

 【回答】
 「陸戦隊」と「海兵隊」,あと「海軍歩兵」は「水陸両用作戦(海からの上陸戦)」を行う能力と装備を持つ部隊をその国がどう読んでいるかの違い.
 沿岸警備隊(Coast Guard)は,その国の領海近辺で警備や保安救難活動を行う準軍事組織(もしくは警察組織)で,海兵隊や陸戦隊とは全くの別物.

陸戦隊:
 海軍のうち陸上での戦闘(海軍基地の周辺警備や,国外の自国民居住区などの警備と緊急時の救出他)を担当する部隊.
 艦艇乗組の将兵(いわゆる水兵さんね)を臨時に編成する陸戦隊もあるが,現在だと「艦艇乗組の将兵(いわゆる水兵さんね)を臨時に編成する陸戦隊」はあまりない
(臨時に編成されることはあっても本当に臨時で,そういう任務が必要だと考えられているなら,艦艇乗組の将兵とは別の人員で常設されている)
ので,陸戦隊も海兵隊も同一の存在に近いものになってはいる.

 尚,日本のミリタリーの世界では,単に「陸戦隊」と言うと日本帝国海軍のものを指すことが多い.
 日本海軍の場合は,臨時部隊ではない独立した「海軍陸戦隊」は,かなり後から出来た.

海兵隊:
 本来は軍艦がまだ装甲と長射程の大砲を装備しない頃(蒸気船出現以前)に,敵艦に乗り込んで近接戦闘を行う乗艦戦闘部隊のこと.
 蒸気船と装甲艦の時代になると,上の「陸戦隊」と同じような任務の部隊になったが,それに加えて軍艦内の警備(反乱対策)なども担当するようになった.
 尚,これまた日本のミリタリーの世界では「海兵隊」というとアメリカのものを指すことが多い.

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E5%85%B5%E9%9A%8A_(%E6%97%A5%E6%9C%AC)
 実は日本海軍も,明治の初めの建軍当初は海兵隊を持ってた.
 数年で廃止になって,遥か後に「陸戦隊」が臨時編成されるようになり,さらに恒常的な部隊として「特別陸戦隊」が編成されたけど,名称はそのまま.
 これは推測だけど,海軍には水兵の教育機関として「海兵団」があったので,それと名前が被らないように「陸戦隊」のままだったのかも.

 あと,中華民国海軍及び中華人民共和国人民解放軍海軍には,恒常的な水陸両用部隊として「陸戦隊」がある.
 また,ロシアには帝政時代からソ連を経て現在のロシア連邦まで「海軍歩兵」という部隊がある.
 これらはアメリカやイギリスのように「海兵隊(マリーン)」と名乗ってないけど,実質は海兵隊.

沿岸警備隊:
 自国の領海を警備する省庁とその実働部隊.
 「軍隊」なのか「警察の一種」なのかは,国によって異なる.

軍事板,2014/11/06(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 市街戦に突入した際,侵攻軍は作戦上の都合から,民家や民間施設を,住人や権利者の意思を無視して破壊したり利用したりするものですが,住人を追い出して占拠する,障害物として破壊する等の行為は,厳密に考える場合,戦争法規に抵触しますか?
 また,するとすればどういった形になりますか?

 【回答】
 「戦争法規」の定義しだい.

 A国内の紛争の場合,A国の法に従う事になるから,その条文による.

 A国に侵入したB国の場合も,A国の主権が存在する以上,A国の法に従うはずだが,B国が勝利してA国の主権を奪ってしまえば,B国の好き放題という事になる.

 A国B国間の紛争,戦争の場合はそれぞれの国が批准している国際条約が,どのように規定しているかによる.

 世界議会が決めて世界警察が守る戦争法規などないから,上記のような話になる.

 ちなみに多くの多国間条約では,民間人の生命財産は損なわないように,となっている.
 しかし条約は条約に過ぎず,力に任せて破ってしまえばそれでおしまい.
 国際司法裁判所,とかいっても強制力がない以上,強いものの主張が通る事になる.

軍事板,2014/11/06(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 日本敗戦時の武器について質問させてください.
 多分GHQから「武器は全部破壊廃棄しろ」命令が出たと想像しますが,現在国内に少し残ってる旧日本軍の兵器は,どのような経緯で破壊から守られたのでしょうか?
 1951年まで隠してたのでしょうか?

 【回答】
 戦車や戦闘機,またそれらのエンジンなどは,国外に放置されていたり回収されて保管・保存されていたものが返還もしくは持ち帰られた,というのが多い.
 例外的に,国内の倉庫やスクラップヤードの片隅に放置されて忘れ去られてたものが発見されて修復された,とか,工場や軍用地の敷地内に埋められて処分されたものが発掘されて修復された,というものもある.
(最近,立川基地の跡地で工事したら,飛行機の部品がいっぱい発掘されたらしい.
 保存はされてないという話だが,だとしたら実に勿体ないな)

 銃などの火器は,軍の資料館に保管されてたものが処分されずに自衛隊に管理が引き継がれた,というものも多数ある.
 「処分待ち」で旧軍の倉庫や敷地の片隅に保管されてたものを,自衛隊が管理を引き継ぎ,武器としては使えなくした状態で「スクラップ」として払い下げられたものを,購入して民間で保存した例もある.

 小銃や拳銃,手榴弾は個人で隠匿してずっと隠し持ってた,という例も結構ある(阪神大震災の後に,倒壊した家屋から見つかる例が多発した).

 あと,自衛隊が継続して使用した,という装備もある.
 鉄道用自動車(レールの上を走れるトラック)とか.
 小銃には米軍規格に改造して使った,というのもあった(改造に無理があって故障するのが続出し,危険だと使用禁止に)

「戦争中に沈められた艦艇を戦後,引き上げた時に取り外して保存されている」
とかいうのもある.
 駆逐艦「梨」の主砲とか魚雷発射管とかね.
 あとは戦艦「陸奥」の主砲砲身が有名か.

軍事板,2014/11/06(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 潜水艦に命中しなかったヘッジホックは,現在も生きたまま海底にころがっているのですか?

 【回答】
 ヘッジホッグの触発信管は海底との接触でも作動するので,基本的には不発弾になりません.
 潜水艦よりずっと下で起爆するので,生じた気泡が駆逐艦ソナーの邪魔になる事もありません.

 ただ海底が非常に柔らかい,なんらかの理由で弾体が斜めに当たった,信管自体に不具合があった,等の場合には不発弾となる可能性があり,実際発見されていたりもします.
http://www.dorsetlife.co.uk/2012/09/danger-uxo-unexploded-ordnance/
http://uxoinfo.com/uxoinfo-adpreview/client/index.cfm/2013/7/23/Holy-Hedgehog

http://en.wikipedia.org/wiki/Hedgehog_%28weapon%29

下の方に写真とコメント.

 しかし,上の写真見ると,まったくソナーの邪魔にならんわけでもない気がする.

system ◆system65t. : 軍事板,2014/11/07(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 RPG-7からは,成形炸薬弾・タンデム成形炸薬弾・破片榴弾・サーモバリック弾の4種類の弾頭を発射可能だそうです.
 破片榴弾とサーモバリック弾は,どちらも軟目標に使うと思うのですが,どのような使い分けがなされているのでしょうか?
 長所短所・向き不向きがありますか?

 【回答】
 相手が遮蔽を取っていない場合,破片榴弾の方が致死半径は大きくなります.
http://en.wikipedia.org/wiki/RPG-7#Specifications

 ただし上記サイトの通り,相手が防弾衣を着ていれば致死半径は大差なくなり,相手が有効な遮蔽を取っている場合は,(密閉度が高くないかぎり)破片を当てる必要がないサーモバリックの方が有利になります.

 単純にエネルギーで考えると,空気も利用できるサーモバリック有利ですが,サーモバリックの殺傷力の元である爆圧は距離の三乗に比例して減衰するのに対し,爆発破片の密度は距離の二乗に比例してしか減衰しないため,距離が開くと(破片防御がない限り)破片弾頭の方が有利になるのです.

 さらに,サーモバリックは一定距離離れれば完全に無害になりますが,破片弾頭はかなり離れていても,例外的に生じた高速の破片が命中する可能性が否定できません.

system ◆system65t. :軍事板,2014/11/08(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 Wikipediaには
「ドライゼ銃の登場までは,銃兵は立射が当たり前だった」
みたいな事が書かれていますが,大河ドラマではすでに関ヶ原で火縄銃を持った兵が,横並びで身を屈めて撃ち合うシーンがありますね.
 いずれも正確な軍事描写が望めないのは分かりますが,どちらが実態に近いのでしょう?

 【回答】
 どの記事の記述の話なのか判りませんけど,ドライゼ銃の記事自体には,立射から伏射ヘの転換契機になったことが正しく書かれてるんじゃないのですか?

  ただ,これは西洋式の戦列歩兵による射撃戦が前提の記事だから,そのまま日本の事情に適合する訳じゃありません.
 日本では鉄炮足軽が戦列組んで前進射撃をするわけでもないのですし,射界が確保できるのであれば,わざわざ被弾の可能性が大きくなる立射を選ぶ必要はないでしょう.

 ヨーロッパの先込め銃時代の戦列歩兵の射撃姿勢の基本は,1列目立膝射ち,2列目3列目は立射.
 ライフルマン,イエーガー,ボルティジュール等の散兵戦を行う兵科では,特殊な射撃姿勢も使われました.
 確か,銃とセットで銃を支える物があった(発明されていた)んですよ.

━┯ ○
  │ 人

 詳しくは「世界を変えた火薬の歴史/クライヴ・ポンティング」
 この支えは叉杖というんですが,それが使われなくなっても立射はしています.

 因に伏射は戦列歩兵が5列横隊だった頃,全列斉射での1列目の射撃姿勢として一般的な姿勢でした.

・完全の尻を地面に付け,胡座をかいた様な射撃姿勢.
・伏射も背嚢やシャコー(筒型の軍帽)を小銃の台として使用し,安定させたりもしました.
・仰向けの状態で足首辺りで足を交差,出来たV字の部分に小銃を乗せる腹筋運動の途中の様な射撃姿勢も.
(背嚢を枕の様に使い,上半身を安定される事も有り)
 この姿勢で600ヤードでの狙撃に成功したライフルマンもいました.

 少数だけど立膝姿勢で撃ってる奴もいたようです.
http://wadaphoto.jp/sakura/images2/matumoto20.jpg

 鉄砲足軽も,立射や立膝射ちの両方を行っていた様です.
 立膝射ちや尻を地面に付けての姿勢で,刀が邪魔にならない様,反を逆(刃を下)にして刀を水平に差す鳥居差しが,鉄砲足軽の流儀でした.

 また,日本でも特殊な射撃姿勢が有りました.
 鉄砲足軽向けと言うよりは,武術の流派的な物の様ですが,ヨーロッパの特殊な姿勢と同じ様な射撃姿勢も有りました.

軍事板,2014/11/09(日)
青文字:加筆改修部分

 火縄銃の射撃法は剣術みてーに何ナニ流とかがあって,さらに各流派に立ち射ち,座りうち,腰だめ 等いろんな方法があった.
 流派によって,立ち射ちを主とするのと座り射ちを主とするのがあったはず.
(○○の立ち射ちとか言われてたらしい)
 座り射ちには膝をモノポッドに使用する流派もあった筈.
 立ち射ちには,猫背方式もあれば直立方式もあった筈.

フェチ ◆kK77XB6/ug :軍事板,2014/11/09(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 A-10はFBWを使用しておらず,2重の油圧系統と機械系統で構成されています.
 一方F/A-18では,3重のFBWに機械系統を持っております.

どっちが被弾耐久性的には有利なのでしょうか?
 例えば,A-10を3重FBWに予備機械系統にしたら,さらに耐久力は上がるのでしょうか?
 それとも,FBWより2重の油圧系統のほうが,むしろ耐久性があるのでしょうか?

 F/A-18とA-10の強度比較ではなく,どちらがシステム的に強度があるのかという点をお聞きしたいです.

 【回答】
 FBWは抗堪性強化が主目的ではなく,操縦系統の重いワイアやロッドを省く軽量化と,配線の取り回しの自由度が高い,つまり機内容積を有効に活用できるのが利点だ.
 多重化すればするほど「耐久性」は上がるだろうが,被弾に強くなることとイコールではない.

 ベトナム戦初期,AAAでばたばた撃墜されたF-105が,耐被弾特性を向上させるためにどうしたか?
 また,その具体的対応はどうだったか?は,『世界の傑作機』などに図解付きで詳しく書かれているから,一回読んでみるといい.
 要は,多重化しても作動部で全部の配線配管が集中するような馬鹿設計をしないこと,油圧系統や動翼のモーター部分にも被弾対策(装甲板など)を施す配慮が必要なんだ.

 後は曳航式ジャマーを何台積めるかで生死が決まってしまう.

 ついでながら,何年か前に航空雑誌に載ったA-10パイロットの弁では,A-10はもっとパワーがあれば,AAAもSAMも全てかわせる,パワー不足が最大で唯一の欠点であるそうな.

軍事板,2014/11/11(火)
青文字:加筆改修部分

 上記に蛇足すると,油圧系も多重にするのは当たり前.
 スパホはFBWと同じく4重の油圧系統を持ってる.
 適切に配置すれば複数のFBW,油圧系が同時にダメになる可能性は減るから,その意味で被弾時の抗堪性は増す.
 そのかわり重量,体積が増えてFBWの利点を損なう.

 とはいえ,FBWも油圧配管も好き放題引き回せるわけじゃないから,どうしてもチョークポイントが生じ,確率的に起きる故障と違う被弾損傷では,機体のその部分をやられると,複数の系統が一度にダメになる事もある.
 だから4重冗長が2重冗長の倍,打たれ強いとは言えない.

 ただ,いくら冗長にしても,やはり油圧系より機械接続の方が強いから(4重のFBW,油圧を装甲化したら重すぎ),最後は機械式バックアップの勝ち,かもしれない.

 ただしエラい力が要る.
 MiG-21(たしか)とかの小型機でも純機械式の操縦系は,条件によっては(特に高速時)力で操作できる限界だったはず.

軍事板,2014/11/11(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 朝鮮戦争時についての質問です.
 当時戦った米兵の手記だったかに,中国軍は物資が不足してるみたいで,特に医療用品の不足,枯渇は深刻だったのか,戦いが終わり前進してみると,後方救護場だかの跡地に,見渡す限りの中国軍将兵の遺体が転がってたそうです.
 冬季だったこともあり,ろくに治療も受けれずに凍死もしくは傷病死した模様.
 当時の中国軍医療品不足もしくは救護体制が整ってなかったのは何故でしょうか?

 【回答】
 えーと,ね…
 どこから説明していいのか分からんが.

 当時は国民党と中国共産党の内戦が終わったばかりで,中国国内は荒廃していた.
 中国で一番鉱工業(農業も)が進んでいた東北地方(旧満州)は,まだソ連の占領下で,しかもソ連が大規模かつ組織的に工場などから機械類を略奪して,ソ連国内に移送中.
 毛沢東が迷った挙句とはいえ,朝鮮戦争参戦を決めてソ連に武器類を要請したところ,当時の国際相場の何倍もの価格(表面的には相場水準だったが,金正貨での支払いを求められた)でぼったくられて,国庫は空っぽ寸前.
 大戦中はアメリカから使いきれないほど豊富な各種物的支援があったが,負けた国民党軍は,手に入るものは全部台湾に持って行ったし,当時の中国人民は本質的に泥棒だった(魯迅の作品参照)ので,隙あらば盗んでいったし.

 何より戦闘は物資を信じられないほど大量かつ迅速に消費するので,医薬品なんか残ってたらかえって不思議.

 しかも戦闘の情況は,医療部隊自体が全滅するようなものだったらしい.
  ちょうど先月18日の読売朝刊に,中共に戦後13年に渡り抑留された日本赤十字看護婦の,興味深い証言記事が載っていた.
 それによると朝鮮戦争では,所属していた第4野戦軍の医療班第3次隊として派遣されるところを,日本人を参加せせるのは拙いという政治判断で,寸前で中止になって命拾いしたそうだが,中国人で編成された第1,2次隊はほぼ全滅という情報があったそうな.

 毛沢東は後に,この辺りの教訓から伝統医学(漢方)の研究を奨励し,とくに針医学で大きな成果を収めるが,それは平和になってからのお話だ.

 ちなみに,毛沢東の小さな赤い本には,
「敵と味方(この場合は日本軍が対象だが)の戦力比を考えれば,死傷者が敵の10倍以内に収めれば我の勝ち」
とか書いていて,兵士は最初から使い捨て.
 しかも兵士は徹底的に洗脳されているから,それをおかしいとも思ってない.
(この辺り,日本の甘さを感じるが)

軍事板,2014/11/11(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 航空機銃の弾薬等について詳しく載っているサイト,本等はありませんか?
 MG131 13o機銃にはHE弾があったそうですが,どれだけの炸薬量があったのでしょうか?

 【回答】
 炸薬量については
http://www.mission4today.com/index.php?name=Knowledge_Base&file=print&kid=483&page=1
に資料があります.
 TABLE 1の3行目がMG131の13mm弾(16x64B)ですが,HE弾の弾重(PROJECTILE WEIGHT)34gに対し,含有炸薬(% HEI CONTENT)は3.5%とありますから,炸薬量は1.2gということになります.
 このサイトの作者が推定した破壊力が,DAMAGEの列に表示されています.
(計算方法はTABLE 1の上に書いてあります)

 著者のAnthony G Williamsは著明な研究者であり,自身のサイトでも各種弾薬について資料を提供しています.
 私も2冊ほど著書持ってます.
 弾薬外観については下記サイトが良くまとまっています.
http://forums.gunboards.com/showthread.php?243571-German-Explosive-Ordnance

system ◆system65t. :軍事板,2014/11/12(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦闘機に詰まれたレーダーECMについての質問です.
 レーダーECMで,まるで大きな航空機が動き回っているような像を作ることは可能でしょうか?
 想定しているのは,地上のレーダーに「不可解な動きをする大きな航空機」の像を映すようなケースです.

 ECMのディセプションで可能だとすると,その技術はいつごろ一般的になったものでしょうか?
 1980年代には米国以外でも普通に使われていたでしょうか?

 【回答】
 現代のECMは受信したレーダー波を即座に解析して複製するだけでなく,リアルタイムで位相とタイミングをずらして発信する事で,レーダー側に誤った方向を伝える事もできます.
 強度とタイムラグ(送信継続時間),波形を調整すれば,大きさや機種を変えてみせる事もできます.
 つまり(限界はありますが)好きな方向,距離に好きなサイズの機体を出現させる事ができます.
 まあ,理屈では.

system ◆system65t. :軍事板,2014/11/12(水)
青文字:加筆改修部分

 ECMが実用化されたのは第二次大戦初期なんだが,最先端を行っていた英独が最初に取り組まれたのがディセプションジャミング.
 実戦の場に登場したのも,たしかチャフよりも早かったはず.

 米は英国からECM技術を導入した後,ベトナム戦争が始まるまでは事実上放置していたが,1966年のQRCポッド開発着手以降,急激に発達して現代に至る.
 この過程で開発されたALQシリーズの電子線ポッドは,1970年代中盤にはもう広く同盟国に提供されている.
 日本はなぜか最後にされてしまったが(苦笑

 ちなみにシスたんのいう「強度とタイムラグのいい加減な調整ぐらい」でも,自機の位置をごまかすことはできる.
 「大きさ」をごまかすというのが,何を指しているかよく分からんが,第二次大戦レベルでも単機を編隊に見せかける程度のことはできたらしい.
 もっともこの分野ではすぐに,チャフの方が手軽かつ有用であることがわかって,そっち方面では使われなくなった.

軍事板,2014/11/12(水)
青文字:加筆改修部分

 言葉不足でした.

 反射波を能動的に作って返す際に,少し遅らせて送信すれば,相手のレーダーにはより遠くにいるように見えます.
 自機の反射波が少なく,作った反射波が強く,レーダーの解析機能が低ければ,遠方の偽目標に欺瞞されます.

 高性能のレーダーでは,機体の一番レーダーに近い側からの反射(最初に出現する反射波ピーク)と,一番レーダーから遠い側からの反射(最後に出現する反射波ピーク)の間隔を測定して,目標の奥行き方向長さを推定する事ができます.
 これに飛行方向の角度を合わせると,おおよその機体サイズが推定できる.

 逆に,反射波をそのように作って返せば(そして機体サイズに見合うだけ強度も上げれば),サイズを変えてみせる事が可能なわけです.

system ◆system65t. :軍事板,2014/11/12(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
「有用な制圧射撃(砲撃も)は敵兵への直接加害行為の延長線上にあり,高確率で加害できる可能性がないならば,そも制圧射撃なるものが成立しない」
みたいな話を聞きましたが,兵士に対する教育では,制圧射撃とダイレクトヒットを狙った射撃は,別物と教えられるんでしょうか?

 【回答】
 第二次大戦で一般歩兵が一人の敵兵を無力化するのに消費した弾は約50000発,同じく狙撃兵は1.8発,とかいう統計をどこかで見た気がします.

 フルオート射撃は狙撃不可能(少なくとも2発目以降は)ですから,1/50000を狙った射撃という事になりますが,当たった敵兵にとってはその1発が問題なので,
「当たらなければどうという事はない」
とノシノシ歩いてくる兵は居ないわけです.
 逆に言えば,そのように遮蔽を取っている兵相手だから50000発要るわけで,そこで敵の足を止めた時点で,制圧射撃として有効なわけです.

 兵士への訓練はもちろん「狙って撃て」に決まっているわけですが,狙撃兵でもない限り,それは一発必中のダイレクトヒットを狙った射撃には(状況と運次第ですが)なりにくいでしょうし,フルオート射撃はダイレクトヒットも何もない,ことになるでしょう.
 重機関銃の掃射などは(米陸軍マニュアルでは)扇状に掃射する,手前から向こうにかけて弾着を移動する,などはっきり制圧射撃,あるいは確率による殺傷を狙った射撃が記述されています.

system ◆system65t. :軍事板,2014/11/12(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 7.62x51mm NATO弾の発射薬の量を教えていただきたい・・・

 【回答】
 7.62x51mm NATOといっても,軽く100種類はバリエーションがあると思います.
 発射薬にしても様々な種類,配合が用いられています.

 一つの例(比較的標準的と思われる通常弾)を挙げるならこちらの通りで,発射薬量はおよそ46グレイン(3グラム)となっています.

 ただ,このサイトの通り,同一国の通常弾(Ball弾)カートリッジですら発射薬量にばらつきがあり,国によっても違いがあります.

system ◆system65t. :軍事板,2014/11/13(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 空から,陸から,艦からなどの発射プラットフォームごとのミサイルの特性の違い,及び対空,対地,対艦などの攻撃目標ごとのミサイルの特性の違いを教えてください.
 例えば地対空ミサイルと空対空ミサイル,地対艦ミサイルと艦対艦ミサイルはどこが違うんでしょうか?

 【回答】
 強いてまとめれば.

・発射プラットホームによる違い
 空:高度=エネルギーをもらってるから推進薬が少なくて済む代わり,重すぎると積めない〜搭載数が限られる.
 陸:上空まで持ち上げるのによけいなエネルギーが要る,その分ブースターなどで補う必要がある.
 艦:陸と基本的には同じだが,艦一つで完結する必要がある.陸のように発射,レーダー,管制を別に置けない.

・目標による違い
 空:目標に追従する機動性が必要,比較的近距離の小型目標なのでミサイルも比較的小型,センサーはレーダー,IR.
 陸:固定目標なので最悪慣性誘導だけでも使いものになる.地面からの反射波があるのでレーダー誘導は難度高い.
  IR,可視光による画像誘導も使われる.
  大型目標が多く,長距離目標である事も多いので,ミサイルが大型になりがち.
 艦:陸と似ているが,海上からの反射波はあるものの,陸に比べればレーダーで捜索しやすい.
  移動目標なので終末誘導が必須.
  ミッションキルを目指すなら,必ずしも目標を破壊する必要はないので,比較的小型のものもある.

 その上で,地対空ミサイルと空対空ミサイル,地対艦ミサイルと艦対艦ミサイルについて端的に言ってしまうなら

地対空ミサイル:
 空対空ミサイルに打ち上げ用ブースターを付けたもの,的とらえ方に加えて,対弾道弾防御の場合は高々度,直撃能力が必要.
 空対空よりミサイルが大型でも良いので,より長射程のものも使える.
 大型で高性能の地上レーダーが使えるので,セミアクティブでも使える.
 というか,発射時には(近距離防空システムでない限り)ミサイルのセンサー域外に目標があるのが普通なので,地上レーダーに依存した中間〜終末誘導がたいてい必要.

地対艦ミサイル:
 艦対艦ミサイルを地上ランチャーに載せたもの,的とらえ方に加えて前述したとおり,ランチャー,レーダー,管制を別々の場所に置く事ができる(抗堪性が増す)
 大型化が可能なので弾道ミサイルも使用できる(実用レベルかどうかはまだ疑問)
 あと,艦対艦ミサイルは艦対地としても使用できる事が望ましいが,地対艦ミサイルを地対地に使う事はあまり考えられない.

system ◆system65t. :軍事板,2014/11/14(金)
青文字:加筆改修部分


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