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●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 820

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「Ver.7」
 後半大荒れ.

目次


** 【質問】
 スペシャル弾の強化型である38-44弾の威力についてですが,.357マグナム弾と比べると,どの程度落ちるものなのでしょうか?

 【回答】
 .38スペシャルや.38/44と.357は一見,口径が違うように見えますが,実際には混同を避けるために名称を変えているだけで,口径は同じです.
 .357の方が薬莢長が長く,装薬もより多く詰めることができるため,大きな初速とこれに伴う大きなエネルギーを持つことができます.
・.357 薬莢長 32.76mm
・.38スペシャル(.38/44も同じ) 薬莢長 29.45mm
 .38/44は.38スペシャルの強装弾(というか強化.38スペシャルピストル用の弾薬)ですが,基本的には.38スペシャルなので,少しマシ,程度です.

 威力は弾薬の構成(弾頭重量,装薬充填量など)によりますが,標準的なところをWikipediaで見ると
.357: 銃口エネルギー800〜1000J
http://ja.wikipedia.org/wiki/.357%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%A0%E5%BC%BE
.38スペシャル: 銃口エネルギー220〜320J,10g弾頭で初速230m/sec, 銃口エネルギー282J
http://ja.wikipedia.org/wiki/.38%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E5%BC%BE
.38/44の10g弾頭は初速343m/secとスペシャルの5割増しですが,
http://en.wikipedia.org/wiki/Smith_%26_Wesson_.38/44
銃口エネルギーは420J程度と計算され,.357とは比較になりません.

 なお,.38では米のレミントンが,弾重8.42gで初速390m/secの弾薬を作っており,計算上640Jの銃口エネルギーとなります.
 Jane's弾薬年鑑掲載中では,これが最強.

system ◆system65t. :軍事板,2014/07/12(土)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

261 :名無し三等兵:2014/07/14(月) 01:05:48.72 ID:xhyl6iB/
>>260
いやいや,逆に「通信が切れた場合は自己判断で飛ぶ」仕様であったとしても,
「切れた場合にどうなるかわからないので使えません!」という言い訳が立つ.
どうとでも言える話しですよ.

通信が切れたら不測の事態に陥るような仕様であれば,UAVではありません.
単なるラジコンヘリでしかありません.

あくまでも,人工知能の判断で任務を遂行できるのがUAVです.
そういう意味では,陸自UAVじゃなくて陸自ラジコンヘリと呼べば,みなさんが
へんな期待をしなくてすむわけで,言い方が間違ってるんですなw

268 :名無し三等兵:2014/07/14(月) 03:04:57.89 ID:FHRAXDNg
> あくまでも,人工知能の判断で任務を遂行できるのがUAVです.

初めて聞いた定義な気がするな
なんかに載ってた?


274 :名無し三等兵:2014/07/14(月) 09:04:05.84 ID:6VzgyGVz
>>261>>268
普段は質問者側だけど専門なので.
「人工知能」による「判断」を行って任務を遂行するような無人機は存在し得ない
軍事上の交戦みたいな高度な判断が要求される仕事は現状の最先端の人工知能でも不可能
できるのはせいぜい「機体が損傷したら引き返せ」とか「通信が切れたら安全に着陸しろ」みたいな例外に対する単純な対応ぐらい

画像認識ってものはどうやっても一定の精度を越えないので,攻撃用途では常に誤射や誤動作の危険がつきまとう
人命が絡む仕事にAIだけで動く機械を従事させるなんてのはファンタジーの世界
日本語版Wikipediaの無人航空機の項目にも書いてるけど,飛行ルートを記憶させてその範囲で完全自律飛行する機体は存在しうる
ただその用途は偵察等交戦を想定しないもの,つまるところ「判断」がいらないものに限られるはず

少なくとも単純な作業だけを担当する一部の機体を除いて
無人機はラジコンに近い(人間の手による)操縦を要求すると考えられる.だからこの定義は間違い.
こんなこと言わなくても無人機関連の資料読んでれば操縦者とセットなのが普通だってことは分かると思うけど

277 :system ◆system65t. :2014/07/14(月) 10:22:47.68 ID:Ce58iCRk
>>261, >>268
完全リモコンでもふつーにUAVといってますがな.

部分的自律機能を持つものを第2世代とするか,とかいう議論とか
まったくのラジコンをLevel1,全自動をLevel6とする分類とか
ttp://www.stfc.ac.uk/resources/pdf/richardwilliams.pdf

人が操縦する,人が監視する,全自動の3カテゴリーにするとかの
分類(どこまで認められているかは別として)あったはず.
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Unmanned_aerial_vehicle#Classifications_by_the_United_States_military

軍事板,2014/07/14(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 帝国海軍は蒸気を利用した炊飯ジャーみたいなので,炊きたての飯を食ってたみたいですが,米食う文化の無い欧米は,どういう設備で,どういう物を洋上で食べてたんでしょうか?
 オーブンがあって,パンでも焼いて食べてたのでしょうか…?
 缶詰食ってるくらいしか,イマイチ想像がつかないので,教えていただけると嬉しいです.

 【回答】
 もちろん時代,国,軍隊,さらに艦の規模や用途しだいですが・・・

 いわゆる堅パン(hardtack)で我慢する場合もあれば,しっかり小麦粉から作る場合もありました.
http://www.history.navy.mil/library/online/genmessmanual.htm

32ページの「BREAD」の項目.

 このレシピ元にコース組んでみても面白そう.

 私もちょいちょいパン作りますが,基本的にオーブン(あと,粉とドライイースト)あれば作れるし,英米の調理場にはオーブン付いてきます.

 ちなみにhardtackは,カンパン的なものの総称ですが,脂肪分を含むと長期保存で傷むため,脂分をまったく使わずに,粉と水だけで焼いたビスケットが,海軍などで使用されていました.
 これが19世紀に民間でも人気を集め,油を含まないため,water buiscuitの名で普及しました.
 Carr's が有名ですね.
 よけいな甘さなどもないため,何を乗せても素材の味を損なわず,チーズを乗せたり,カナッペの台にしたり,砕いてスープに入れたりと便利なものです.
 我が家には必ず1箱常備しています.

system ◆system65t. :軍事板,2014/07/14(月)
青文字:加筆改修部分

 WW2当時の事はわからないけど,空母ミッドウエイの船内紹介では,パンは船内でこねてスチームオーブンで焼く.
 船内は火気大敵で,軍用に限らず船舶は一般的に厨房で火気を扱えないので,炎の出る物は使用せず,ガスコンロなどはなく,高温スチーム調理器の他,電気コンロを使用とあったよ.

 潜水艦の厨房にはパンを焼けるオーブンがあったし,パイやケーキも作ってたみたいだ.
http://www.public.navy.mil/subfor/underseawarfaremagazine/issues/archives/issue_46/pig_boats.html

 パンをこねるやつ;
http://www.thedayafteryesterday.co.uk/2011/10/i-went-to-see-bloody-big-warship-called.html

 似たものは,そこらのベーカリーにもある.
http://3.bp.blogspot.com/-LM_K-9VTja8/TnovwbOWz2I/AAAAAAAAFZU/ptcSFmzkgXw/s640/18.Bakery-HMS-Belfast-Warship.jpg

HMS Courageous ship's bakery 1939
http://blog.ontheslipway.com/wp-content/uploads/2011/10/wills_40.jpg

軍事板,2014/07/14(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦艦陸奥爆沈は水兵による引火説が有力です.
 明治創設以来海軍では,水兵による引火事件が相次いでました.
 日露戦争で活躍した戦艦三笠では2回.
 1回目(1905年)は,上陸を許されなかった古参水兵が,盗み出したアルコ−ル容器を弾薬庫で倒し,流れ出たアルコ−ルに火がはいったのが原因という(沈没着底後後引揚上て修理).
 2回目(1912年)は,照準器を紛失した1水兵が,処罰をおそれて火薬に点火.

 その他にも
1908年 台湾の馬公で一等巡洋艦松島(4280トン)が爆沈.
1912年 装甲巡洋艦日進が,「進級漏れに不満をもった一下士が火薬庫の鍵を盗んで放火」したため小爆発(犯人は銃殺刑)
1917年,国産初の巡洋戦艦筑波も爆沈.
 これは上官の制裁を怨んだ1水兵が,火薬庫の鍵を盗んで放火.
1918年 戦艦河内徳山湾で,火薬庫の爆発事故により沈没.
 「職務上の失策をした下級士官が火薬庫に放火したのが原因」と伝えられている.

 このように事件が起きていたにも関わらず,期待されていた陸奥は,一発も火を噴く事無く,自爆沈没しました.
 なぜ火薬庫に警備を厳重にするとか,イジメが横行する軍体質を変えようとしなかったのでしょうか?

 【回答】

----------
 そして同調査会は,この種事故の多くが人為的要因に起因するものとの認識に立脚して,貯蔵及び取扱要領の見直しによる火薬の自燃防止とともに,関係者の教育と身上把握及び火薬庫警戒要領の厳正化による人為的災害の防止,並びに艦内火薬庫の改造による被害の局限等について,科学的見地から体系的な提言を行った.
 それらの対策案は,時恰も大正デモクラシーの風潮下,より真摯な対応を余儀なくされた海軍当局によって実行に移され,弾薬庫の施錠要領を抜本的に改善した艦船弾藥庫艤装規程の策定や,火薬庫構造の改造等にも反映された.
 こうした海軍当局の取り組みによって,「三笠」爆沈からの14年間に7件も続発していた,この種の事故は沈静化し,「陸奥」爆沈までの25年の間,再び発生することはなかったのである.

http://www.nids.go.jp/publication/senshi/pdf/200603/6.pdf
--------------------------

…ということで,一応は25年間の間は爆沈事故の抑止には成功してるみたいです.
 軍隊がいじめ体質なのは,組織の特性上仕方ないのではないでしょうか.
 民間でもブラック企業があるように,ブラック配置もあるのではないか思います.

 なお,陸奥爆沈の原因の真相は,人為説と確定されているわけではありませんが,防衛庁防衛研究所が一応は人為説にたった上で研究をしていますので,その紹介をさせていただきました.

軍事板,2014/07/15(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 コルトM1911には.45ACP弾仕様のものと.38スーパー弾仕様のものがありますが,マズルベロシティを見ると,.38スーパー弾のほうが高くなっています.
 にもかかわらず,米国では.45ACP弾仕様のほうがポピュラーなのはどうしてでしょうか?
 .45ACP弾のほうが,ストッピングパワーが高いのでしょうか?

 【回答】
 確かに銃口エネルギーは重要ですが,体幹部まで十分貫通できた場合には,開けた穴の体積の方が重要になります.
 これは一般に,口径が大きい方が有利です.
 なにしろ.45の前方投影面積は,.38の4割増しぐらいになるので.

 具体的には,大血管や血管の豊富な臓器を破壊する確率が,単純に考えて4割増しになる,出血量が4割増しになる,その分失血によって脳が酸欠に陥り,行動不能になるのも速い,と言うことです.
 つまり,おっしゃるとおりストッピングパワーが大きい.

 もちろん実際には,弾丸のタンブリングやら,骨に当たった場合の破片の飛散やら,さまざまな要素が絡むのですが,基本は「十分深くまで届く場合,口径が大きい方が早く死ぬ」です.

system ◆system65t. :軍事板,2014/07/15(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 先の大戦で主力銃だった38式・99式歩兵銃は,火力・携帯性・精度どれも良いとは言えないですが,日本軍は初期のフィリピン侵攻時に,米兵が持っているM1ガーラントとの火力差を,身をもって体験し知っていたはずです.
 しかしなぜ,銃を始め歩兵装備を見直そうとせず,ケチケチ路線を堅持したか,背景と原因を教えてください.
 その流れは現代の自衛隊となっても歩兵装備軽視は基本的に変わってないものと観られることも含め,お願いします.

 【回答】
 1920年代より自動式の小銃の開発は続けていましたが,結局日本の技術力では,量産までたどり着けるような小銃を作ることはできませんでした.
 ご質問の中に出てくるM1ガーランド小銃のコピー品も作りましたが,結局は量産して部隊配備するようなレベルには至りませんでした.
 理由は下記のためです.

1) 設計技術力の不足
 根本的に日本の小火器設計技術力は不足しており,ボルトアクション式ライフルよりも高度な自動式ライフルの設計技術はありませんでした.
(ボルトアクション式ライフルも,モーゼル小銃の構造を模倣したものにすぎませんでした)

 この問題は戦後まで尾をひき,64式小銃はNATO標準弾が使えない7.62mm自動小銃であるなどの,根本的問題を解決できていません.
 89式小銃の機関部は,AR-15というライフルの模倣品です.

2) 生産技術力の不足
 日本の小銃は,ボルトアクション式ライフルでも銃同士の部品互換性がなく,精度の悪いものでした.
 そのため,自動小銃の生産に耐えられる製造ラインはありませんでした.

3) 火力軽視
 弾丸の補給が困難になる等の理由で,自動小銃の導入を嫌う人々も存在ました.
 すなわち,兵士個人に大火力,つまりは連射性能の高い銃をもたせたら,大量の銃弾を携行させて,大量の銃弾を補給しなくてはならなくなる.
 そんな供給能力は,生産力の段階からして当時の日本にはない――との論理.
 まあ,事実そうだったのですが.

 ケチをしたと言えるのは(3)のみで,本質的には「技術的にも工業力的にもできなかった」というのが結論になります.

 尚,自衛隊は戦後初の国産自動小銃を,「自動小銃というより軽機関銃」な設計・運用思想で開発したりと,そのへんの反省は活かしています.
 平時からガンガン弾をぶっ放すような訓練をする予算の余裕がなかった,というだけで,自衛隊は「歩兵の火力」に関しては,むしろ諸外国よりも火力偏重の思想を持っています.

軍事板,2014/07/15(火)
青文字:加筆改修部分

>その流れは現代の自衛隊となっても歩兵装備軽視は基本的に変わってないものと観られることも含めお願いします

 警察予備隊→保安隊→陸上自衛隊に至る過程で,日本人は米軍式の訓練を受けた.
 米軍に撃たれたらどうなるかを,戦中に身をもって知った上で,米軍がどんだけ撃つかを,米軍基準の演習と訓練で覚えたわけだ.

 具体的な数字を出すと,昭和18年ごろの基準は,3〜4ヶ月を1会戦とし,その1会戦で消費する弾薬は小銃で300発,野砲で2000発としていた.
 1会戦の1/20が基数で,大雑把にいうと1日あたりの射耗弾数.
 戦闘の形態によって,遭遇戦なら1〜1.5,陣地攻撃なら1.5〜3,追撃戦なら0.5とかで計算する.
 そして,1会戦分の弾薬が,1個師団あたり1万トンと見積もっていた.

 1975年の国会答弁では,
「陸につきましては6万トン」
と言っているので,旧陸軍基準であれば6個師団で4ヶ月,24個師団で1ヶ月ということになるが,防衛庁は「中規模の紛争で約半月」と説明している.
 旧軍では師団あたりの人員が1万5000〜2万名だったのが,陸自では甲師団でも9000名で半分強だし,4ヶ月が半月になるしを勘案すれば,「ケチケチ路線の堅持」とは弾薬消費で15倍とかになる.

 自衛隊発足後も,大量の弾薬の供与を受けて,米軍と一緒に演習していたのが,やがて米陸軍戦闘部隊が撤退し,自前の予算だけで弾代を賄わなければならなくなり,かつてのようにはぶっ放せなくなりはしたが,火力の信奉者であることをやめたわけではない.
 米陸軍戦闘部隊が撤退したのは1958年だが,陸自は1961年から富士総合火力演習を毎年行って,火力の重要性の教育を続けている.

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2014/07/16(水)
青文字:加筆改修部分

 【反論】
 旧日本軍は決して火力を軽視してはいませんでした,
 日清日露戦争の経験から,歩兵部隊の火力を重要視しており,歩兵個人よりも歩兵部隊全体の火力増強を目指して,開戦までに戦力を整備する計画を推進しておりました.
 歩兵火器の弾薬種類が多数存在し,混乱を来たし,あるいは完全な補給行動への障害ともなって居たのは,そのような理由からです.

 そして戦力の整備中,開戦に至った事で不完全ではありましたが,むしろ限定的な条件下では列強随一状況次第で,米軍も火力で凌駕していました.
 その事由として,歩兵個人の火力を重視し,強化しようと,軽機関銃を始め自動火器を,米軍よりも多く配備しており,小隊,あるいは分隊単位で機関銃を配置することで,歩兵部隊同士であれば亜米利加よりも大きな火力を発揮出来たのです.

 この事は亜米利加にも戦訓をもたらしており,戦車や装甲車,あるいは航空機,火砲の支援の下,敵勢力を圧倒すると言う,日米共に火力と機動力を兼ね備えた装備体型を整備する,大きな理由となっています .

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s :軍事板,2014/07/18(金)
青文字:加筆改修部分

 事実,フィリピン侵攻時の現地アメリカ兵の主力小銃はボルトアクション式のM1903スプリングフィールド.
 M1ガーランドは1941年末から,本国の部隊に支給が始まったばかり.
 シンガポールのイギリス軍も,ボルトアクション式のエンフィールドの各種タイプ.

 ましてやアメリカ軍の分隊火力は,軽機代わりのBARが足を引っ張っていましたので,単純な火力差では日本軍の方が上だった位かと.
 大隊や中隊付きの重機を考えると,そこまで単純な話では無いでしょうけど.

軍事板,2014/07/15(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦車の随伴歩兵って,野戦で要るんですか?
 ソ連などの車輌部隊がわざわざついていってるのは,なんのためでしょうか?

 【回答】
 当然.
 平野だって,兵士が身を隠せるところはいくらでもある.

 イスラエルは
「我が国の機甲部隊は世界一ィイイイイイ!! 砂漠と荒れ地だけの戦場で身を隠せるなら隠してみろやァ!!」
と,戦車だけで戦闘部隊を編成する「オールタンク・ドクトリン」を編み出して実践したが,歩兵の装備する携行対戦車ミサイルでボッコボコにされて,大損害を蒙った.

 「人間が身を隠すこともできないなんにもない平たい土地」なんてものは存在しない,というのが現実だったり.
htps://www.youtube.com/watch?v=Q9coa0r_GLQ
は,あまり鮮明な映像じゃないけど,第四次中東戦争で「何もない平原」に掘った穴や低い障害物に隠れた歩兵が,サガー対戦車ミサイルでイスラエル軍戦車を攻撃してるところ.

 また,戦車は防御力が高い反面,視界が悪いので,戦車だけだと,死角から歩兵に対戦車兵器で攻撃されて,意外とあっさりとやられる.
 なので,歩兵を伴わない戦車部隊は,その実力を十分に発揮できない.

 ちなみに,
「戦車の援護には歩兵が不可欠だが,歩兵載せた装甲車は,どうしても戦車に比べると装甲で劣るし,いちいち歩兵を降車させて戦わせるのは,全体の進撃スピードが落ちるしな・・・.
 そうだ,『対戦車攻撃してくる相手を効率的にボコれる戦車』ってのはどうだろう?
 歩兵じゃなくて,これに戦車を援護させるっていう」
ということでロシアが開発した,こういう車輌があったり.
http://firm-guide.com/wp-content/uploads/2014/01/bmpt_big.jpg
 センサーを充実させて視界の悪さをカバーし,機関砲で近寄る人間や軽車輌をなぎ払い,遠距離からの対戦車ミサイル攻撃には,こちらも対戦車ミサイル(ただし,弾頭は軽装甲/対人用)でぶっとばす.
 BMPT(戦車援護戦闘車輌,の略)といい,これを戦車部隊に混成して「車輌だけの機甲部隊」を編成する計画だったけど,戦車以上に高価な車輌になり,数が揃えられなくなって計画はボツった.

軍事板,2014/07/15(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 1985年にソ連が,アメリカから核攻撃を受けて,ソ連の首脳や将軍がいなくなった後でも,核攻撃を自動的に行う「ペルメター」というシステムが作られていたと,映画評論家の町山智浩が言っていますが,本当でしょうか?
 wowow映画塾の『博士の異常な愛情』の回で,このように言っていましたが.

 【回答】
 西側では長らくその存在が疑問視されていたが,フルシコフ回顧録(ソ連では出版禁止)で,その実在がはっきりし,グラスノスチにより確定した.
 ちなみに,冷戦終結により解体されたといわれているが,現在は復活しているという説もある.

軍事板,2014/07/15(火)
青文字:加筆改修部分

 補足;

 シャイアン山のNORAD同様,ソ連にも,核攻撃を受けた際に対応できる地下司令部が存在し,全核戦力に攻撃命令を出すことができた.
 確かウラル山脈あたりに.
 核戦争時にはソ連首脳部は,クレムリンの地下にある専用駅から脱出し,どうやってかしらないがこの司令部までたどり着き,反撃命令を出すことになっていた.
 しかし首脳部が到達できなかった場合,一定の条件(戦略原潜と同等と思われる)がそろえば,地下司令部が核攻撃命令を出すことができた.
 言わば「自動的に」核攻撃を行う.

 しかし,これはもちろん機械が勝手に作動するわけではない.
 司令官がルールブックに準じて攻撃を命令する,というシステムである.

 うる覚えはここまで.
 楽しみたい方は下記参照.
http://archive.wired.com/politics/security/magazine/17-10/mf_deadhand?currentPage=all

 資料チェックしてるヒマがなく,細部は不正確かも知れないので,突っ込みよろしく.

system ◆system65t. :軍事板,2014/07/15(火)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

784 :名無し三等兵:2014/07/18(金) 14:49:19.92 ID:zabULfk+
今の時代は戦車の主砲で航空機撃ち落とせるってマジですか?

だったら陸自のガンタンクみたいなのいらないよね??

785 :system ◆system65t. :2014/07/18(金) 14:53:56.36 ID:G37P9vUA
>>784
基本無理.

目立つ低空で,ぼーっとバカみたいにホバリングしてるヘリなら落とせるかも.


817 :ふみ ◆Y.QUKJBduY :2014/07/18(金) 22:03:21.20 ID:V27AhXRT
>>784
>今の時代は戦車の主砲で航空機撃ち落とせるってマジですか?

正確に言うと,戦車から撃ちだした砲弾は航空機にカテゴライズされたビークルを撃墜できる,となる.

陸軍の装備で爆撃機とか攻撃機とかを撃墜しようとすると,パトリオットみたいな大型のSAMが必要になる.
ミサイルは大きく重いし,それを命中が期待できるまでのまとまった数をいっぺんに扱うともなればその大荷物が増えるし,
高く,遠くまで飛べる高性能なミサイルの性能を引き出すには,高く,遠くまで見渡すレーダーや照準誘導の装置が必要で,
これは高価で重くて電力を食う.なので,基本,守りたい対象の近くに陣地を作って,そこにSAMサイトを据えることになる.

機甲部隊や歩兵部隊であれば,自分で爆撃機や攻撃機を撃退するのではなく,自分で動けるのだから,逃げるなり隠れる
なりするか,味方の空軍のエアカバーに期待するのが本筋.で,爆撃機や攻撃機ほど基地に縛られないヘリや小型の攻撃
機までは面倒見切れないから,そこらへんへの対抗策となるのが自走高射機関砲とかになる.対空攻撃力としては限定的
だけど,攻撃してくる航空兵力もヘリやCOIN機みたいな限定された能力であるはずなんだ,うまくいけば.

818 :ふみ ◆Y.QUKJBduY :2014/07/18(金) 22:04:04.63 ID:V27AhXRT
その限定された航空兵力のなかでいちばんおっかないのが対戦車ヘリで,戦車砲でこれを撃墜できないかという話は結構
前に出て,そのための砲弾もつくられた.

M830A1 High Explosive Anti-Tank-Multi Purpose - Tracer (HEAT-MP-T)
http://fas.org/man/dod-101/sys/land/m830a1.htm
http://fas.org/man/dod-101/sys/land/m830_h3.jpg

近接信管ついてるからM1でもヘリ相手に自衛できるよ,というもの.

あとはイスラエルのLAHAT.レーザーホーミングのATMだけど,直径105ミリでL7やラインメタルの120ミリ戦車砲からでも撃
てて,戦車のほか船舶やヘリも攻撃できるそうな.
http://www.iai.co.il/31015-37347-en/Business_Areas_Military_Land_Precision_Munitions.aspx?btl=1
http://defense-update.com/directory/lahat.htm
http://img368.imageshack.us/img368/4789/1115ut9.jpg

で,それらの砲弾が必須かというと,陸自機甲部隊の幹部だった人は自著で「戦車砲は低伸弾道なのだから直撃させればい
い」と言っていたので,戦車もNOEするヘリ相手なら戦車砲で攻撃するつもりでいる.

軍事板,2014/07/18(金)
青文字:加筆改修部分


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