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※青文字:加筆改修部分
ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.
※既に分類され,移動された項目を除く.
※レス回収基準は「Ver.5」
●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 792
目次
** 【追記】
26 :名無し三等兵:2013/09/12(木) 23:24:29.07
ID:???
前スレの>>952
そりゃ結果からすれば,松島基地の高額の機材が,みすみす塩水に浸かって
壊れたのはもったいないと思える.もしあれだけの機材が健在なら,
多くの人命を救うべく,活躍していただろうことも想像できる.
でも機材を失う代わりに,松島基地の隊員たちは無事だった.
そして彼らが,救援活動をがんばった.機材なくて苦労したとはいえ.
人命優先と,機材優先の,どちらがより多くの被災者を救えたかは永遠に分からないだろう.
だが彼らはベストを尽くした.後知恵の結果論だけで批判するのだけはやめてほしい.
そもそも 被災者の人命>機材>自衛官の人命 と思ってるフシが感じられるが・・・まあいいか.
軍事板,2013/09/12(木)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
ナポレオン三世の時代からは,フランス海軍は対英海軍を目指し始めたって事で良いんでしょうか?
【回答】
ナポレオン三世即位(1852年)以前の第二共和制時代から,イギリスを目指す海軍の拡張は,徐々に手を付けられています.
その背景にあるのは,このころフランスでようやく広まりつつあった産業革命です.
ナポレオン三世は対外的に積極的な政策をとったこともあって,海軍の拡張には拍車がかかり,1859年には戦列艦51隻を含む,336隻に上る艦隊を作り上げます.
これは戦列艦の数において,イギリス海軍に迫るものでした.
さらにこのころ,フランス海軍は世界初の装甲艦グロアールを竣工させ,その存在は各国海軍の戦力算定を大幅に塗り替えることになります.
装甲艦の登場は,イギリス海軍に挑戦できる戦力の確立を実現させたのです.
しかしながら,木造船体の装甲艦に固執したことは,イギリスが誕生させた全鋼製装甲艦への流れに乗り遅れることになり,1870年ころにはフランス装甲艦は,旧式の誹りを免れぬことになります.
そして,普仏戦争の敗北によるナポレオン三世の退位は,再び海軍の整備を停滞させることになったのです.
これ以降の歴史は,「青年学派」という言葉をキーワードに調べれば掴めるでしょう.
軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
現代銃に取り付けるアンダーバレルグレネードランチャーと,銃口に取り付けて発射する昔ながらの小銃擲弾について.
例えば,自衛隊はM203などを装備せず,小銃擲弾が主で,また欧州の国々でもどちらを採用しているかは様々ですが,この両者でどういった利点/不利点の違いがありますか?
【回答】
小銃擲弾の利点は,比較的大威力を発揮出来る事と,発射機を携帯しないで済む事ですが,逆に,発射準備が整った段階で小銃が発射出来ない,と言う即応性に問題があります.
もう一点,小銃自体が発射の反動やショック等で,痛み易いのも欠点でしょう.
また,着脱式擲弾発射機(アッドオングリネードランチャ)の利点は,発射待機時にも,必要に応じて自動小銃が発射可能な事で,これは小銃擲弾とトレードオフの関係になります.
欠点としては,射程と威力が小銃擲弾に僅かに劣る事ですが.それ以外では,着脱式のM203等の方が運用上は有利である,と言えるでしょう.
三等自営業 ◆LiXVy0DO8s :軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
駆逐艦コールへの自爆事件の記事を読みながら,疑問に思った事を質問します.
平時に於いて,不審な小艇もしくは小型機が,空母打撃群に接近してきたとします.
その場合,打撃群側はどのような手順をもって,それらを追い返したり,あるいは迎撃しようとするのでしょうか?
【回答】
音声,無線による警告,照明灯,無害レーザー,大音響装置などによる警告と威嚇,機関砲や空砲による威嚇,機関砲や実包による破壊,といった手順になるでしょう.
もちろん,レーダーや光学警戒装置,肉眼などによる発見が先に必要です.
高出力レーザーで自爆ボートの船外機焼いて,火災起こさせる試験を米軍がやってましたね.
「のんびり炙ってるヒマがあるなら,機関砲で撃破しちゃえよ.安いし」
と思うのだけど,相手がただのバカ民間人の可能性もある場合,レーザーの方がためらいなく使えるから,近づく前に使用できて良いのかも知れない,とも思ったのだけど,こっちに向かってくるボートの船外機を,正面から焼こうと思ったら,乗員が無傷なはずないだろ,レーザー当て続ける上等な照準コントロール装置使うなら,それ使って20mmの徹甲弾でエンジン一発狙撃する方が,周辺危害マシだろ,とかいろいろ考えるわけで.
system ◆system65t. :軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
韓国がF15SEを導入するそうですが,なんで自衛隊もF15SE導入しないんすか?
【回答】
F15SEは,F15戦闘機の戦闘爆撃機型であるF-15Eの派生型として,コンフォーマル・フューエル・タンクをウエポンベイ化するなどステルス性を高めた戦闘爆撃機です.
現在もF15SEは開発継続中なので,最終的にどんなカタログスペックになるのか不明ですけどね.
前回の航空自衛隊FX(次期主力戦闘機)選定では,機体寿命が尽きかけている,FI(要撃)が主任務のF4EJ改戦闘機の後継として,F35戦闘機が選定されました.
そして,前々回の航空自衛隊FXで選定されたのは,FI主任務のF104戦闘機の後継として採用されたF15J戦闘機です.
F15J戦闘機は,F15戦闘機の制空戦闘機型であるF15C/D戦闘機を,ライセンス生産したものです.
よって,主力戦闘機としては制空戦闘機タイプのF15戦闘機があるため,制空戦闘能力(装備したミサイル性能ではなく,ここでは機体本来の機動性の意味.一般論として戦闘爆撃機には制空戦闘に邪魔な余分な重量がある)が,F15J戦闘機より劣る戦闘爆撃機タイプのF15SE戦闘機が,日本のFX(主力戦闘機選定)で入り込む余地はありません.
さらに,対地攻撃・対艦攻撃のFS任務を行う支援戦闘機(戦闘爆撃機)に関しては,前回の航空自衛隊FSX(次期支援戦闘機選定)において,F16戦闘機をベースに日米共同開発されたF2戦闘機が採用されています.
対地攻撃より対艦攻撃を重視する島国の日本としては,対艦攻撃能力がF2戦闘機より劣るF15SE戦闘機が,入り込む余地はありません.
ちなみに韓国空軍のSEは,コストを予算に合わせるため,レーダーブロッカーを除外したとされており,「謳い文句通りの性能」を実現できる可能性は高い.
ぶっちゃけF-15Kとどこが違うのか,判別に苦しむモノになりそうだ.
まぁ,「入札の公平性を確保する」という名目で,土壇場でステルス要求を事実上放棄しちゃった韓国の防衛事業庁は,何を考えているのかという話ではあるが.
75 :system ◆system65t. :2013/09/13(金) 13:27:30.98 ID:xTitwNJa
そのF-15K採用時のコンペティション時に,最初からF-15採用が決まっているのに,公平性を取り繕うためだけに,本気で採用する気もない競合機種を募集した,とダッソーが切れ,
「今後,韓国の戦闘機コンペティションに,ムダな金と労力は浪費しない」
と宣言して,実際,その後まったく参加しなくなったという話を思い出しました.
F-35からして,そもそも予算が足りないことが分かっていながら持ち出し,案の定議会でアウトにされてF-15SEを持ち出したものの,
「あんなの要らん」
と空軍は主張しているような(ソース,AW&ST)
76 :名無し三等兵:2013/09/13(金) 13:31:22.95 ID:???
F-35に関しては,「オバマの政治的師匠」を自認していた李・前大統領が,友好価格での売却を承認されたと主張していて,防衛事業庁はその前提で予算を組んだという経緯がある.
軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
** 【反論】
FIとFSを分けて語るって,随分古い論法だね.
空自がF-15SEを採用しないのは,そういう事ではないよ.
F-15SEが謳い文句通りの性能を発揮する可能性は,極めて低い.
採用を決めた国も無い,実績もない機体など,多少安くても買う価値はないと判断しただけ.
F-35だって,攻撃機要素が高い戦闘爆撃機であることは無視して,俺様論を語っても意味は無い.
【再反論】
F35ではマルチロール(多機能)は,選定の一理由にすぎません.
F35では対地攻撃能力だけでなく,高い制空戦闘能力・ステルス性・ネットワーク戦など含めて,トータルの性能で評価され,選定されています.
http ://www.mod.go.jp/j/approach/others/shiritai/fx/#a4
F-35戦闘機を既にFXで選定している日本が,開発中で性能未知数のF15SE戦闘機(F15E戦闘爆撃機ベースのステルス性を高めた戦闘機らしい)を,別途採用する可能性は殆どありません.
よって,質問の
「なんで自衛隊もF15SE導入しないんすか?」
への回答として,
「既にF15J戦闘機・F2戦闘機が配備され,FXでF35戦闘機を選定している日本においては,FI(要撃),FS(対地・対艦攻撃)ともに,新たにF15SE戦闘機を採用する余地はない」
と回答しているわけです.
軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
海戦で船員による斬り込み攻撃が廃れたのは,いつ頃くらいからでしょうか?
大砲の発達が理由でしょうか?
【回答】
大砲を含めた火力全般の向上が理由だな.
斬り込む前にカタがつく.
トドメを刺したのは,ガトリング砲のような掃射火器の登場.
戊辰戦争終盤,榎本艦隊が新政府軍を襲ったとき,撃退された大きな要因の一つがこれ.
軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
切り込みって,砲撃でマスト折られて動けなくなった艦を,最後の最後に鹵獲するためにするものだからね.
当時は,砲撃だけで艦を沈めるのが難しかったので,決死の切り込みが必要とされたいうこともある.
モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
また,内燃機関による推進の普及も無視できない.
帆装を無力化して接舷とかが乗り込みの基本だが,好きなように機動できるとなると,なかなか接舷の機会がない.
風に左右されず,常に最大の火力が発揮できるよう機動できるから,火力による攻撃力は,火砲の進歩と合わせてさらに大きくなり,接舷,切り込みなどという悠長な戦術が不可能になった.
さらに言うと,それら技術の発達によって,艦船を動かすのに必要なマンパワーが減った,というのもある.
それはイコール,斬り込み要員の減少でもあるわけで.
ま,技術が戦術を駆逐した,と総括していいと思うよ.
軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
第一次大戦の塹壕戦についてです.
最前線の塹壕を突破されたら,後ろの塹壕に籠もって防御すると思うんですけど,後方の塹壕には,最初から兵力が配置してあるんですか?
それとも,突破されそうだなと思った時点で,後方の塹壕に撤退するんですか?
前者だったら,後方の兵力が遊ぶことになりますし,後者だったら,撤退しきれずに殲滅されかねないですし,イメージが沸きません.
【回答】
予備兵力と遊兵は,違うモノだと理解しましょう.
遊兵ってのは,必要なときに必要な場所に駆けつけることのできない兵力です.
予備兵力は,そういう緊急事態に対応するため,予め確保された兵力です.
つまり正解は,
「ある一定の範囲を受け持つ予備兵力が後方に配置されており,前線に空いた穴をすぐさま繕う」
です.
これは裏返せば,予備兵力を遊兵化することに成功すれば,前線を一気に突破できる可能性が高まるってことです.
だから戦闘においては,最前線の兵力を叩くと同時に,予備兵力にも十分注意を払い,余力があればこれを直接叩き,そうでない場合でも最前線への連絡線を断ち切って,即応を不可能にするべく,様々な駆け引きが行われるのです.
軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
昔,『モデルグラフィック』誌上における「タイガー軽量化コンテスト」で,パンターの主砲を搭載することで,軽量化を実現する応募案がありましたが,宮崎は没にしていました.
車体とかの軽量は,金型をつくらなければいけませんが,主砲の交換だけなら,工場ラインの混乱は少なくて済む上,パンターのパーツと弾丸補給を統一できる,優れた案だと思うのですが,どうでしょうか?
【回答】
戦車の設計で一番難しいのはターレット回り.
逆に言えば,当時の戦車設計の大まかは,まずココで決まる.
流石にタイガーの車体のまま,パンターの主砲は無理過ぎ.
実際に,ティーガーIには,パンターと同じ主砲にした,別砲塔型の生産に切り替える計画があった.
(ティーガーH2でググれ)
でも,現行のままで大した問題もなかったので,「生産ラインが混乱する」ということでボツ.
ティーガーよりも軽量で,同程度の戦闘力がある戦車が欲しけりゃ,パンター増産すればいい.
当時の状況でも
「生産数,足りなさ過ぎ.
もっとたくさん作れないのか」
と言われた車種の,設計変更なんかしてる余裕があるなら,1両でも現行型を多く作って,前線に送った方がいい.
(まあ,この考え方に固執した結果,敵戦車に対して明らかに性能不足な現行型を供給し続けて,前線は死屍累々,っていうアメリカ軍みたいな例もあるから,いつもそうとは言えんけどな)
また,重戦車大隊に重点配備して独立運用するティーガーと,主力中戦車として一般戦車部隊に配備するパンターの弾薬を,共通化しても補給上のメリットがあまりない.
もっと言うなら,生産数が飛躍的に向上したんでもなければ,一つの弾薬の生産数を奪い合う結果になるだけ,という可能性もある.
88mm砲の生産ラインを,即座に75mm砲に切り替えられるわけじゃないからね.
テイーガーIの設計変更型とパンターの相互共通化を図るくらいなら,いっそティーガーIの生産を何処かで打ち切って,その分の資源を全部パンターの生産に回したほうが効率的だと思うよ.
軍事板,2013/09/13(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
CQBなど,敵がいつ目の前に現れるか分からない状況の中,どのタイミングでセーフティを解除し,トリガーに指を掛けるのか教えて下さい.
また,トリガーに指を掛けていない時はトリガーガードに掛ける方法と,フレームに掛ける方法があると思いますが,使い分けなどしているのでしょうか?
【回答】
近接戦闘において,軍隊であれば,通常は装填された銃を安全装置を掛けて携帯し,発砲の必要が生じた瞬間にのみ,解除して発砲します.
これは誤射の危険を避ける為に,ほんの一瞬,敵味方を識別する時間を作る目的もあるようです.
また,携行時のトリガーフィンガーの位置ですが,部隊によって,あるいは教官によって異なるようですが,安全装置を解除して即時発砲する状態では,銃口と同じ方向を向く様に,機関部に指を置きます.
用心鉄に指を添えるのは,発砲待機状態ではなく,ただ携帯している時になります.
実際に構えてみれば分かりますが,発砲待機状態では用心鉄に指を掛けると,グリップがしっかり出来ないので,即時に発砲する際には握り直さないといけませんね.
三等自営業 ◆LiXVy0DO8s :軍事板,2013/09/14(土)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
ターボジェットとターボプロップのメリット/デメリットは,一応分かっているつもりなのですが,ターボファンのデメリットにはどういったものがあるのでしょうか?
(特に,軍用機のエンジンとしては)
【回答】
空気抵抗が大きいので,高速飛行に向かない.
レーダー反射面積が大きくなるので,ステルスにしにくい.
慣性(角運動量)が大きくなるので,スロットル操作に対する反応が鈍い.
苦手分野らしいので突っ込み,補足よろしくお願いします.
system ◆system65t. :軍事板,2013/09/14(土)
青文字:加筆改修部分
【突っ込み】
ターボファンって言っても,バイバス比の大小によって全く違うだろ.
あんたの言ってるのは,バイバス比の大きな非作戦機の話.
バイバス比の小さい戦闘機や攻撃機のような物は,ターボジェットと変わらない.
初期の頃はABが吹き切れる悪弊があったが,1970年代半ばには解消されている.
ターボジェットにターボファンエンジンが劣る点は,マッハ3を超えるような領域でラムエア効果で加速するような場合には,抵抗が大ききなる可能性があるくらいで,その他の部分でターボジェットが勝ってる面は,ないと言って良い.
だからこそターボジェット装着機は,歴史のかなたに消えつつあるんだろ.
軍事板,2013/09/14(土)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
弾丸陣とパンツァーカイルは別物でしょうか?
【回答】
別物ではなく,同じような意味合いで捉えていいですよ.
機甲部隊が矢印のような楔形陣・弾丸陣(下記リンク先画像参照)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/rising_sun/kurt/images/formations4.gif
の陣形になるとき,パンツァーカイル(panzer keil)と呼びます.
WW2のドイツ陸軍で考案された,機甲部隊の陣形で,主に突破時に用いられます.
panzer keilを直訳すると,「戦車・機甲部隊の楔」といった意味です.
そういった由来の言葉なので,同じ意味合いの言葉といっても,機甲部隊の陣形としての楔形陣・弾丸陣ならともかく,古代重装歩兵の陣形としての楔形陣・弾丸陣を指す言葉としては,「パンツァーカイル」は使いませんけどね.
軍事板,2013/09/14(土)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
「日露戦争では陸戦で引き分け,余力のあったロシアと比べてガタガタの日本は,次に攻められたら完膚無きまでに叩き潰されたけど,海軍様の馬鹿勝ちの影響もあって,ロシアに勘弁して貰ったから,本当は日露戦争はギリギリ引き分けだけど,勝利と偽ってるんだ」
と,歴史の先生が言ってました.
でも,ロシア陸軍軍に満州方面へ回す余力が無いのであれば,陸海共に,普通に勝利しているという事になるんじゃないですか?
【回答】
ちょっと違う.
ロシアという「国」に余力はあったけど,満州に展開していた「軍」には余力が無かったの.
で,国の余力を軍に投入して攻勢に出るには,奉天会戦からポーツマス条約までの約7ヶ月では,補給線の細さもあって,時間が足りなかったのだよ.
シベリア鉄道一本の細っそい補給線しかないのでは,奉天会戦での9万近い損害は簡単には立て直せない.
一方,日本は国自体に余力が無かった.
そのことは,
『日露戦争,資金調達の戦い: 高橋是清と欧米バンカーたち』
という本に詳しい.
以下引用.
------------
http://ningyocho.blogspot.jp/2012/01/blog-post_16.html
当時の日本国家の年間歳入は2億5千万円ほどです.
日本が海外から借りたお金は,たった1年半しかない戦中に約8億2千万円,戦後では4億8千万円にものぼります.
パーティーで隣り合った資産家が,「ひょい」と出すような金額ではないのです.
同盟国のイギリスがアレンジしてくれたかって?
そうでもないのです.
お金の流れから見ると,英米に限らず,ドイツやフランスの動きなど,日露戦争も別の側面が発見できるでしょう.
また,少し歯車が狂っていれば,日本は開戦直後,本格的に戦う前に早々と負けていたかもしれないのです.
------------
軍事板,2013/09/14(土)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
漫画『なるたる』の一シーンで,F-104が飛行機雲を引いてて,「飛行機雲が出てるぞ」って注意されて消すシーンあるんですが,飛行機雲って飛んでて油断すると出てしまうようなものなんでしょうか?
また,消す操作というものがあるんですか?
【回答】
飛行機雲コントレイルは,晴天時湿度の高い高空を,高速で飛ぶ事により出来るから,飛行計画時に予め天候を調べ,湿度などから巡行高度や速度を決めるが,実際には飛行してみないと分からない事が多いそうだ.
だから2機バディでお互いを確認し合うのだが,対処としては高度を落としたり・速度を落としたりして変化させてみるしかない.
絶対的な解決法は,現在のところはない.
B-2には,塩化フッ化スルホン酸を排気に混ぜてコントレイルを消す機構があるが,それ以外の機体には装着されてはいない.
軍事板,2013/09/14(土)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
空自のパイロットのうち何人,何十人かは米海軍のスクールに留学(もしくは一時派遣)して着艦資格を取ってるの?
【回答】
ありえない.
そんな無駄な事を軍隊はしない.
勿論,米空軍パイロットで空母着艦資格を有した人はいる.
ナム戦の頃までは,海空が交換士官制度をしていたので,空軍パイロットで空母からミッションを行なった人も居た.
今はそういう交流は,めったに行なわれなくなった.
空自の派遣生で,空母着艦資格を有する人は居る・・なんて話は,
「ナム戦に密かに派遣された空自パイロットが,米軍機で実戦参加していた」
って言う都市伝説だよ(苦笑
本格的に空母着艦するには,空軍の交換士官の話だと,立派に空軍でF-4を飛ばしていた人が,まず当時の練習機T-2で地上着艦訓練をやらされる.
そこで資格を取ると,練習空母を使って,T-2での着艦訓練.
そこで資格を取ると,転換部隊に送られて,F-4での転換訓練中に,地上着艦訓練・カタパルトの射出訓練.
合格すると初めて実戦機での,実際の空母での着艦訓練に移れる.
その間10ヶ月以上.
実戦部隊に送られて,空母出港前に空母着艦資格をとっても,有効期間は1ヶ月だから,常に着艦訓練しなければならない.
軍事板,2013/09/15(日)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
太平洋戦争の日本軍航空隊は,陸軍と海軍のどちらが大所帯だったのですか?
【回答】
指標として何を使うか?,どの時期で比較するか?等,条件次第で変わり得るものなので,簡単には比較できません.
もっとも,明かな差が生じるほどの大きな優劣はありませんでした.
(つまり逆に言うと,個別に,ミクロでみれば違いはあるということ)
例えば昭和19年度,日本の航空機生産が最高潮に達した時の生産量は,陸軍1万3876機,海軍1万2899機です.
ゆうか("”復帰”"リハビリ中)
◆BfDXjJtUZv6q :軍事板,2013/09/15(日)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
アメリカ国防総省本庁舎ペンタゴンて,どうしてあんな形なんですか?
実用的理由なのか,何かの国防の象徴的な形状なのか?
作ったのが戦争中なので,資材節約とか建設期間短縮とかでしょうか?
市ヶ谷防衛省庁舎も対抗して,縁起よく八角形にすればよかったのに.
【回答】
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Pentagon#Construction
によれば,まず,四階建て以上の高さにするなという要求があったので,必然的に縦にはなく横に広がる設計になった.
>Requirements for the new building were
that it be no more than four stories tall,
and that it use a minimal amount of steel.
>The requirements meant that, instead
of rising vertically, the building would
be sprawling over a large area.
最初の建設予定地が,不規則な五角形に近い形状だったので,それに合わせて設計が行われたが,景観上の理由で他の場所に変更された.
しかし当初の設計が進んでいたのと,ルーズベルト大統領が気に入ったので,正五角形に修正されて建設されることになった.
>The site originally chosen was Arlington
Farms which had a roughly pentagonal shape,
so the building was planned accordingly as
an irregular pentagon.[13]
>Concerned that the new building could
obstruct the view of Washington, D.C. from
Arlington Cemetery,
>President Roosevelt ended up selecting
the Hoover Airport site instead.[14]
>The building retained its pentagonal
layout because a major redesign at that stage
would have been costly, and Roosevelt liked
the design.
>Freed of the constraints of the asymmetric
Arlington Farms site, it was modified into
a regular pentagon
軍事板,2013/09/15(日)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
ICBMは,核より鉄の塊を落としたほうが,効果的で安上がりじゃないですか?
【回答】
通常弾頭でさえ費用対効果最悪なのに,鉄の塊とかもはや寝言レベル.
軍事板,2013/09/15(日)
青文字:加筆改修部分
その寝言を敢えて実現した場合,こういうことになります
http://www.astroarts.co.jp/news/2008/03/26peru_crater/index-j.shtml
>衝突速度は3km/s以上,おそらく4〜8km/sであったという.これは音速の10〜20倍に相当する速度だ.
>クレーターの直径は約13mあり,落下した隕石は総質量1〜2.5tで,推定直径0.8〜1.1mと見積もられた.
これは,単弾頭ICBMの終末条件とほぼ同じです
英版Wikiだけど,これが分かり易いかな?
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Bowtypes.svg
ゆうか("”復帰”"リハビリ中)
◆BfDXjJtUZv6q :軍事板,2013/09/15(日)
青文字:加筆改修部分
机上の空論以前のネタとしかいいようがない.
E=mc2の物理法則をガン無視した威力想定って時点で,妄想と分かる.
仮に開発されているとすれば,それはピンポイントの施設または要人狙撃兵器であり,威力もせいぜいが数メートル級クレーター一つ穿つのが関の山だろうな.
かつてSDIにてキラー衛星構想があったから,技術的な下地はないわけじゃないが.
軍事板,2013/09/15(日)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
阿賀野型軽巡洋艦って,なぜ金剛の副砲なんかを母体にした砲を搭載したんですか?
もう旧式砲もいいところですよね.
最上型が積んでた15.5cm三連装砲のほうが,よっぽどいいように思いますが,なぜこっちを搭載しなかったのでしょう?
【回答】
主として重量の関係.そしてサイズとコスト.
最上型の砲は,あれ連装砲等を開発したとしても結構重いのよね.
勿論三連装のままでは積めない.
阿賀野型は,どのような艦として要求されたかというと,水雷戦隊旗艦ね.
つまり駆逐艦と行動をともに出来る運動性が先ず第一.
おのずと艦型は,小型で小回りが利くものが要求される.
そして夜戦で被発見率低下の為に小型の艦橋.
あとは艦載機等になるかな.
たとえ最上型が余ってたとしても,それよりも天竜龍田のほうがマシなような配置場所なんよ.
ただし戦況とレーダーの発達により,いまさら・・・な艦になり,結果論として評価が低いのは否めない.
戦術等が以前のままなら高評価だったとは思うが.
フェチ ◆h7tdyQ3LHU :軍事板,2013/09/16(月)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
帝国陸海軍では兵器の供給部品の規格を,陸海軍であえてバラバラにしていたのはなぜですか?
隼と零戦の部品の規格など,陸海共通にしていた方が,修理や運用面で融通が利いたと思うのですが.
【回答】
まず起源が違うから.
陸軍はドイツ(やフランス),海軍はイギリスを範としてる.
この違いが兵器体系にも現れている.
そして当時の工業力では,共通規格を開発するよりも,各企業別の規格で量産させた方が,コスト的にも助かった.
長い目でみればもちろん共通化するべきだったし,その動きもないわけではなかったのだが,すぐ目の前をみるのであれば,企業・工場単位の方が有利だった.
共通規格の開発ってのは,決して安い買い物じゃないのよ.
だから長期的にはともかく,短期的にはメリットが少なかったわけ.
軍事板,2013/09/16(月)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
冷戦時代の一般人でもできる核防御について質問なんですが,
・熱線を反射するため,白色の塗装を塗るってのがあるんですが,そんなんで本当に効果あるんでしょうか?
ネヴァダだかで実験した結果なの?
・アメリカはなんかカメのアニメとかやって,防御のノウハウを広く知らせてたようですが,英国や仏国,露国,日本はなんかやってたの?
【回答】
全て爆風でなぎ倒される様な爆心地はともかく,黒い部分の方が白い部分より熱線の影響は少ない.
完全に防げなくても,少しでも減衰出来るなら,やらないよりは効果がある.
実験は知らないけど,この手の影響は広島や長崎でも確認されてる.
長崎の原爆資料館にも,被爆直後,着ていた服の黒い縫い目の部分だけやけどした被爆者の写真が,長年展示されてる.
フランスについては知らんけど,イギリスはかなり真剣にやってた.
核兵器が落ちた時のご家庭での対応法とか,落ちる前の警告音と警報解除についてとか,そういうのを何回かに分けて,TV放映してたのは,Youtubeやニコニコで見れるよ.
かなり不気味で薄ら寒い気分になれるので,結構オススメ.
冷戦時代,日本が防御のノウハウを,少なくとも行政が行うことは絶対になかった.
理由は「戦争が起きることを前提としてその対策だなんて,さては軍国主義の復活を画策しているのに違いない!」
と,サヨから大バッシングを受けたから.
(同様の理由で,原発事故の対策も全くなかった.こっちはサヨのせいじゃないけど)
568 :名無し三等兵:2013/09/17(火) 21:37:09.15 ID:???
荒れるのを承知でいうけど,原発事故の対策が,結果として有効でなかったのは,大多数の国民が馬鹿だったから.
平時にベントの訓練なんて,絶対にできなかったと思うよ.
電源オールロスとか,危険な想定は「しちゃいけない」ような雰囲気だったんだと思う.
三矢研究みたいなもの.
リスクに対しては,段階的な対応が必要なんだけど,2次冷却水漏れ程度であっても,鬼の首を取ったように騒ぐマスコミ,煽られて不安になる住民,騒ぎ立てる市民団体.
俺は立場は違うけど,台風で工場内のある物質が飛散したことがあって,それの対応をやったけど,「絶対に無害か」と聞かれて閉口した.
科学的に「絶対」なんて,あり得ないじゃないか.
「海の砂は多分無害ですけど,その程度の安全性はあります」
と答えた時の新聞記者は,
「じゃあ,絶対に無害なんですね」
だと.
軍事板,2013/09/17(火)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
M16を猟銃として国内で所持するには,ピストルグリップをショルダーストック一体型に改造しなければ認められないそうですが,ピストルグリップとストック一体型とで,一体何が違うのですか?
【回答】
日本で所持が禁止されているのは,「軍用銃に類似した形態」なので,銃床(ストック)と握把(グリップ)が独立した,所謂ピストルグリップを供えた形状が,所謂軍用銃に近い形態である,として所持許可が下りないようになっています.
これを回避する方策として,猟銃の銃床に似た形態であるサムホールストックに似た形状,つまり,ピストルグリップとストックを一体化し,親指を通す穴を備えた形態が考えられました.
これは亜米利加におけるアサルルトウエポン規制と同等の規制を回避するものですが,昨今の日本においては,AR-15等の軍用銃と同一の基本構造を持つ物については,軍用銃に類似した形態である,と判断され,サムホールストックを装備していても,所持許可が下り難いと聞いて居ます.
ピストルグリップと言うものは,対人用途でのみ有用である,との解釈です.
また日本では民間人には,軍用銃とそれに類似した銃器を所持させない,と言う方針があり,それが近年,機種毎の規制にまで拡大解釈されているようです.
元々銃刀法では,6mm以上の口径で且つ,軍用ではない弾種が所持を許可されており,具体的には各種散弾と,6mm以上で7.62mm×39及び7.62mm×51(.308win)以外の弾種が国内で入手可能,使用可能となっています.
三等自営業 ◆LiXVy0DO8s :軍事板,2013/09/17(火)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
回答いただいてありがとうございます.
質問重ねて恐縮なのですが,
> ピストルグリップは戦闘力があがっちゃう
> ピストルグリップと言うものは,対人用途でのみ有用である
↑この意味が分かりません.
今,手持ちのエアガンライフルのグリップとストック部分,両方持って構えてみましたが,強いて言うなら確かにピストルグリップの方が持ち易かった,ぐらいの違いで,おっしゃるほど戦闘力が上がるとか有利だとかの違いは分かりませんでした.
【回答】
実際の戦闘や狩猟での実績,射手の実体験からのものですが,戦闘用の銃器と狩猟用の銃器と,機能性を突き詰めればその様な結果になります.
また,銃器犯罪の実情からも,ピストルグリップを備えた銃器の方が,制圧しようとする法執行者に対して,大きな攻撃力を持った事からも証明されています.
御自身で擬似的にそれを経験してみたいと思うのでしたら,トイガン同士で撃ちあうサバイバルゲームなどで,実際に経験してみるのも良いでしょう.
猟銃用の形態(狙撃銃)と自動小銃(突撃銃)形態とで相対すれば,その違い,対人戦闘における能力差が理解出来ると思います.
三等自営業 ◆LiXVy0DO8s :軍事板,2013/09/18(水)
青文字:加筆改修部分
ピストルグリップがあると,射撃姿勢に自由度が生まれるからね.
特に射撃姿勢を崩して腰だめで撃ったり,牽制射撃したりするときに,あるとなしでは撃ち易さがぜんぜん違う.
逆にピストルグリップがない銃は,狙撃に向いてる.
モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2013/09/18(水)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
市街地焼夷弾攻撃を考えたのがカーチス・ルメイ?
【回答】
言い古されたステレオタイプの間違い.
ハンセンが司令の時代,12月18日に20BCが漢口を焼夷弾攻撃をして,大きな戦果を上げた為に,米本土の20AF司令部は,ハンセンの21BCにも,焼夷弾を使った使った市街地空襲を要請した.
ハンセンは1月3日の名古屋空襲にて,初めて同方法を実施したが,ヨーロッパで成功した軍事目標への精密爆撃にハンセンは拘り,その後は精密爆撃に戻った.
しかし精密爆撃の実績は上がらず,20AF司令部は市街地焼夷弾爆撃を実施させる為に,ハンセンを更迭し,ルメイを着任させた.
つまりルメイが市街地焼夷弾攻撃を考えたのではなく本国20AFが考え,実施したと言うのが正解.
ルメイは,より効果的な現場の戦法を考案しただけだよ.
軍事板,2013/09/17(火)
青文字:加筆改修部分
** 【追記】
596 :名無し三等兵:2013/09/17(火) 22:56:00.32
ID:???
ルメイの本当の大罪は人類破滅させた可能性がある事なんだよね.
キューバ危機の時に参謀総長だったルメイはジョンFケネディに
強固にキューバ爆撃を進言した.
ルメイの推定よりも数十倍も多い核ミサイルは既にキューバには配備済みであったことが
のちに判明した.
ルメイの進言どおりに米がキューバ攻撃を実施していたら間違いなく
核ミサイルが飛び交い人類破滅の道を歩んだろうと言われている.
軍事板,2013/09/17(火)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
師団単位などの大規模地上軍が野戦場を移動する場合,うんこはどうするのですか?
成人1人辺り1日300g程度を排泄するそうですが,これは1800kcal/日の時です.
作戦行動中の兵員ともなれば,食事も3000kcal/日は必要です.
出す量はおそらく500g?
兵員2万の師団が10個行動すれば,1日10万kg,つまり100トンもの排泄物が戦場に出現します.
穴掘って埋めるだけでは,到底追い付かない気がします.
焼却するんですか?
独ソ戦の地図を見ると驚きます.
こんな大動員やったら,ユーラシアが糞に飲み込まれる…
【回答】
ドイツ軍は穴掘ってクソして埋めているが,ソ連軍は陣地にこもってる時でも,そのまんま野グソだったようだ.
------------
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/5870/beseda63.3.html
Q: 穴を掘ってトイレを作ったりはしなかったのですか?
A: 防御戦に入り,長期間そこで戦った場合でさえ,トイレは掘らなかった.
みんな,思い思いの場所ですませていたな.
ある時,連隊長が防御線を点検するためにやって来たのこと.
彼はこう言ったんだ.
「貴様ら,このろくでなしどもめ,ところ構わず地雷を仕掛けおって!」
あるいは,塹壕の中で用を足し,スコップでもって胸壁の外へ放り捨てる兵隊もいたから,その後はとんでもない悪臭が漂って,横を通ることもできないくらいだった.
そんな次第で,前線ではトイレなんか見たこともないよ.
-----------
ちなみに暖かい地域では,穴掘るだけでは不足で,簡易便器で蓋するべきだそうだ.
地域では,穴掘るだけでは蝿がたかってしまう.
英軍と違って,砂漠地帯の経験が少ないドイツ軍は,北アフリカ前線でこの措置をしなかったので,糞にたかった蝿が食物にもたかり,疫病が蔓延したとか.
乾燥して風で吹き飛ばされるまえに,目ざとく蝿が飛んでくるみたいだな.
道中ならともかく,駐屯地となると,蝿の処理は必須のようだ.
そういえばアフリカの映像見てると,現地の顔に人に蝿が集ってたりするよね・・・
軍事板,2013/09/18(水)
青文字:加筆改修部分
モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2013/09/18(水)
青文字:加筆改修部分
まあ,イギリスの局が作った番組だから,大げさに言ってるのかもしれないが・・・
なお,スターリンは兵隊に三千キロカロリーも食わせてやらなかった.
当時,世界中どこの軍隊でも,そんなに食えたら兵隊大喜びだっただろう.
軍事板,2013/09/18(水)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
日露戦争の旅順要塞って,当時の世界的にも堅固な要塞だったのですか?
それとも,他にいくらでも堅固な要塞や巨大な要塞は存在していて,旅順要塞は大したことなかったりするのですか?(日本軍が苦戦しただけで)
【回答】
ロシアの悲願,不凍港を守るため,世界有数の要塞となるべく建設中だった.
完成する前に,日本軍が攻略を始めた.
それでも,火砲とまとまった数の機関銃に守られた近代的要塞を,当時の軍隊で攻めるのは前代未聞で,従来の戦術で陥落せしめるのは困難で,膨大な損害が出ることが分かった.
このことは,欧米の観戦武官が本国に報告したものの,本格的な戦術見直しは行われず,後の第一次大戦で各国が,機関銃と塹壕の前に莫大な死傷者を積み上げることになる
モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2013/09/18(水)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
陣地転換というのはどのぐらい(時間,発射数)撃って,どのぐらいの距離を移動し,移動先は何箇所くらいあるんですか?
現代の自走榴弾砲などでいいので,一例を教えて下さい.
【回答】
現代に限ってもケースバイケースで,アフガンで行われているように,装軌自走砲であっても単なる可動砲兵陣地として,殆ど固定して少数が延々と少しずつ撃ち続ける事もあれば,湾岸戦争時みたいに,多数がやたらに撃ちまくっては,戦線に追従して移動して,という場合もあります.
冷戦時代などに想定されていた,
砲撃
→敵に位置を捕捉される
→対砲兵砲撃が来る,
のガチの殴り合いケースであっても,敵の対砲兵レーダーの用法やら,航空支援の有無やら地形やらで大きく異なってきます.
敢えて一例をあげると,かなり対砲兵脅威が強い条件下で,砲撃位置に進入してから,砲撃開始まで数分で準備,数分の射撃後(本格的な自走榴弾砲なら20〜30発は撃てる),数分で移動準備を終えて退避,次の射点へ.
射点の数は,地理的条件もあれば,必要な砲撃量にもよるので,その場しだいとしか.
一単位の量数もケースと軍次第ですが,移動しながらの場合は数両から十数両まででしょう.
system ◆system65t. :軍事板,2013/09/19(木)
青文字:加筆改修部分
軍事板,2013/09/19(木)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
ステルス戦闘機は有名ですが,ステルスミサイルとかはないのですか?
迎撃できないミサイルとか凄いと思うのですが.
【回答】
対艦,対地攻撃用のミサイルはもちろん,空対空ステルスミサイルも開発されたことがあります(現況不明).
http://en.wikipedia.org/wiki/Have_Dash
http://www.secretprojects.co.uk/forum/index.php?topic=14091.0
ステルス機から非ステルスミサイルを発射すると,そのために自己の存在が曝露されるおそれもありますし,ロシア機とかの後方警戒レーダー付いてる機体に対して,回避されにくくなるというメリットもあるでしょう.
で,最近の対空防御は航空機のみならず,精密誘導兵器(ミサイル,誘導爆弾含む)や迫撃砲弾等まで対象とするので,対艦,対地ミサイルに一定のステルス性を持たせるのは,当然のたしなみとなっています.
さすがに迫撃砲弾とかになると,価格やデメリットと効果を秤にかけて,なかなか実用化されないようですが.
system ◆system65t. :軍事板,2013/09/19(木)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
装甲車は非常に硬いけど,でも戦車ほど頑丈ではないらしいんですけど,なぜ装甲車に戦車並みの装甲を与えてやらないんですか?
最近は素材技術等が進歩し,従来より軽量で薄い,しかも強い装甲があるそうです.
一般装甲車両に主力戦車級の装甲を持たせても大丈夫な時代が来たと思います.
【回答】
装甲車はMBTのような主砲がない代わりに,中に歩兵1個分隊を収容できる兵員室が必要になる
そうすると,防護しなければならない体積が相当大きくなるので,MBTと同程度の防御力を持たせると,装甲重量はMBTより確実に大きくなる.
実際,ドイツのプーマIFVは,防護レベルCの状態でもMBTほどの防御力はないが,それでも重量は40tを超えて10式戦車に近くなっている.
んで,材料技術が進歩して今のMBT並の防御力をもつIFVが,まともな重量で収まるようになる頃には,MBTも対戦車火器ももっと進歩してると思われ.
また,予算の問題もある.
進歩した素材技術を使った,軽量で薄い強力な装甲なんてのがあるとしても,必然的に高価になるので,全ての装甲車両をそれで更新はできない.
例えば陸自にも予算の制限があるから,戦車の調達減らして装輪戦闘車にしたり,装甲車の数が少ないから軽装甲機動車を採用したりしてるのに,それに全部強力な装甲をほどこしたら,予算がとんでもない事になって調達できない.
「でも,最近の装甲は安いですよ」
とも言いたいのかもしれないが,だったらもっと薄く軽くで安くなるよね,というもの.
軍隊も役所ですし,予算で動いてますし.
軍事板,2013/09/19(木)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
近代中国史で未曾有の政治的混乱期であった文化大革命って,中国軍内部や軍事的には,メリットとデメリットどちらが多かったのでしょうか?
【回答】
デメリットしかない.
トップが粛清さそうになってソ連に亡命しようとして墜落死した影響で,高官多数が粛清されちゃった.
装備面でも,例えばミグ21のコピー生産を始める寸前までいってたのに,関係者多数が拘束・処刑・下放され,生産再開まで20年かかったりしてる.
劉少奇ら党幹部は,当時後進国そのものだった中国の国力を最大限に考慮した上で,現実的な生産計画を何晩も徹夜して練り上げた.
しかしそれは,「すぐにも国力を何倍にもしたい」という毛沢東の望む計画ではなかった.
毛沢東は革命の成果を早く望んだからだ.
人民は人民で,「革命の理想」にのぼせ上がった結果,国を挙げて大躍進運動が始まった.
結果,実情を全く無視した熱狂が,中国の資源をただ無駄にしただけで,何百万人もが餓死した.
中国の国土は,このときに受けた傷から,なお回復していないとすらいわれる.
だが,毛沢東は失敗を認めなかった.
まして,自分のせいだとは絶対に認めなかった.
責任は劉少奇以下,抗日戦争以来の幹部に向けられた.
そして紅衛兵は,「革命の敵」を求めた.
しかし,「敵とは具体的にどんなやつなのか」が明示されてなかったために,大勢の無実の人民が,気分に任せてつるし上げられた.
こうして,中国にとってかけがえの無い人材や文化が失われてしまった.
文化大革命でメリットなんか考えつかない.
デメリットだけ.
真の躍進には,ケ小平の改革解放を待たねばならなかった.
789 :名無し三等兵:2013/09/19(木) 21:33:14.02 ID:???
今の若い人は土法炉とか知らんかな?
ま,そういう非科学的,非合理的なのが文革ですわ.
軍事板,2013/09/19(木)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
戦車にとっての最大の脅威は航空機なのか,対戦ヘリなのか,同じ戦車なのか,自走砲なのか,歩兵の対戦車ミサイルなのか?
【回答】
マトモな近代的対空兵器の援護が受けられない,天候が安定した環境下なら航空機(ヘリ含む).
(ただし,ソ連軍の分析によれば,固定翼航空機の脅威は,戦車,戦車ヘリより遥かに小さいという)
自分よりも性能的に勝ってる相手,ある程度以上の練度を持ってる乗員が操縦してるのであれば戦車.
障害物のない,開けた場所で行動してるなら自走砲(野砲).
市街地で随伴歩兵を連れずに行動してるなら,歩兵の携行対戦車兵器.
もっとも,「兵器」という括りで無ければ,一番の脅威は「燃料が不足すること」と,「整備班の支援が受けられなくなること」かな.
あとは「進む先の道路が貧弱なこと」「進む先にある橋がショボたいこと」「コストカットに過度に熱心な政治家」か.
軍事板,2013/09/20(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
多くの本やネットの情報では,中隊は管理自営部隊で,ある程度の自給自足ができると書いてあった一方,その中隊の集合である大隊は,戦闘部隊のみであるため,管理自営部隊ではないと書いてありました.
これはどういうことでしょうか?
また,フィクションの世界では大隊を名乗る軍勢が,敵勢力(同規模かそれ以上の軍勢)に戦いを挑むことがありますが,前述の質問にある「大隊は戦闘部隊のみ」という内容が正しければ,継戦能力があるとは思えないのですが・・・
【回答】
歴史的に軍の編制で管理単位とされているのは「中隊/company」と「連隊/regiment」
戦闘(戦術)単位とされているのは「大隊/battalion」と「旅団/brigade」
中世やルネッサンスの軍は独立したcompanyの集合体と言えました.
傭兵隊長など正にcompanyの経営者で,軍からの金で装備から兵士の雇用まで賄っていました.
後に,上位の管理単位としてregimentが編成され,連隊長は国からの金で連隊を経営しました.
battalionは16世紀にマウリッツ公の考案した横隊の隊形名.
brigadeは17世紀にグスタフ王の考案した隊形の隊形名.
どちらも,その隊形を組むのに必要な兵力の編成単位名としても使われました.
なので,グスタフのbrigadeではbattalionの名前は使われず,かわりに「戦隊/squadron」が使われていた位.
battalionもbrigadeも戦闘時に編成される単位だったので,管理(補給や兵士の給与)とは基本的には無縁でした.
battalionとcompanyの関係は,18世紀には更に複雑になり,スッキリとしたのは19世紀になってからです.
これらに日本語が当てられたのは,関係がスッキリした後の事ですので,それ以前の編制に関しては定訳や適訳が無かったり・・・
軍事板,2013/09/20(金)
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
以前,「ニュース速報」板で,
「榴弾の殆どにはワイヤーや鉄球が入ってるのが当然だし,HE-Fっていうのは破片榴弾という英語になってしまい,同義語が重なっておかしい」
「そもFragは軍隊の制式用語ではなく,現場の言葉で手榴弾等を指す」
って答えてくれた人がいましたけど,Wikiで調べたら「榴散弾」なるものが「榴弾」と区別されてましたし,やっぱ意味が違ってませんか?
【回答】
「榴弾」というのは「(柘榴(ざくろ)のように)破裂する砲弾」という意味.
砲弾の内部に炸薬が入っていて,信管が作動すると炸裂するものの総称.
「榴弾」という大きなカテゴリーの中に,「破片榴弾」とか「焼夷(榴)弾」とか「高性能炸薬(榴弾)」という細かい区分があるわけだが,現在では普通に「榴弾」と呼ぶ場合は「高性能炸薬(榴弾)」,HE弾(HighExplosive)のことを指す.
HE弾は,弾殻(砲弾の外側の部分)が内部の炸薬によって破裂,飛散するもので,内部に飛散させるための何かが入っていたりはしない.
同様に,手榴弾も通常は弾殻を炸薬で破裂,飛散させるもので,内部に破片や子弾は入っていないものだった.
より対人威力を高めるために,内部に鉄片や刻み目入りの鉄線を入れたものが作られるようになり,これらは当初は区別して「FragmentHandGrenade」とか「HandGrenade.Fragment」とか呼ばれた.
その後,手榴弾は破片型が一般的になったので,特に「破片型」とか言って区別しなくなった.
当初の名残から,焼夷型でも発煙型でもない,普通の手榴弾の俗称が「Frag」になったわけね.
軍事板,2013/09/20(金)
青文字:加筆改修部分
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