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青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「Ver.7」


●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 786

目次


** 【質問】
 戦車の撃破される(戦闘不能になる)理由を分類すると,どんなのがあるんですか?
 まあ,乗務員が死んで動かせなくなったってのが,一番だとは思うんですが.

 【回答】
・キャタピラに被弾→走行できない
・エンジンに被弾→走行できない
・換気口に火炎瓶→エンジンが炎上
・ハッチに手榴弾投げ込まれる→乗員死傷
・対戦車地雷を踏む→概ねアウト
・対戦車砲で装甲抜かれる→被弾箇所次第でアウト

 歩兵が運用する37mm対戦車砲なんかは,あらかじめ瓦礫を積み上げてバリケードを作っておき,戦車がそこを乗り越えるとき,一瞬底を晒したとこを狙って叩き込む事も行われていた.
 底の装甲は非常に薄いから.

軍事板,2013/07/08(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 対潜ソノブイって,ミサイルか何かで前方に飛ばせないのでしょうか?

 【回答】
 そういう風にも作れるだろうが,ロケット分だけ高くつく上,センサーも振動や加速度に耐えるよう設計し直す必要があり,高くつく上嵩張るから,装備数が減ってしまう.
 対潜哨戒機が使用するなら,機体側にもランチャーが必要になるから,その分さらに高くつき,嵩張り,装備数が減る.

 しかも,やたら遠くに飛ばしても,信号が受信できなくなるから,距離が伸ばせない上,そもそも自分がそこまで飛んでいって落とせばいいものを,わざわざロケットにする意味がない.
 特殊な条件を限れば,有益なシーンもあるだろうが,そんな特殊なものに合わせて,機体から改造するのは割に合わんだろ.

 艦載の場合,まともな対潜装備があれば当然,ヘリ積んでるから議論は上に戻る.

 もっとも研究,実験はされていた.
 評価は下を見るといいよ.
http://www.dtic.mil/dtic/tr/fulltext/u2/526585.pdf

軍事板,2013/07/08(月)
青文字:加筆改修部分


<保留>

** 【質問】
日本は,五族共和,東亜の解放のために大東亜戦争をおこしたんですか?
もしそうなら,素晴らしい理想を掲げた日本が,なんで負けたんですか?

 【回答】
154 :名無し三等兵:2013/07/10(水) 19:13:52.77 ID:???
>>118
当時の日本は総人口を養うだけの米を国内で生産することができませんでした.
そこで,海外の未開拓の地に余剰人ロを移住させて食料を生産させて日本本土に輸入すればよい,といった政策が,
明治以来昭和三十年代頃まで続き,北海道・満州・ブラジル・ドミニカなどへの移民が行われました.

で,満州ですが,広大な未開拓な地を,最新の農業技術で開拓すれば農地になる,と思われたのですが,
農地になるぐらいならとっくの昔に農地になってて遊牧なんかしないのであり,多くが失敗に終わりました.
(のち,文化大革命後の農村下放運動で学生たちが挑戦したが,結局砂漠化しただけだった.
 現在ではさすがに立派な耕地になってるけど)

で,元からある農地,すなわち現地人が先祖代々耕してきた土地を日本人に与え,
元からいる現地人を追い出す政策に変わりました.当然のことに厳しい敵意を受けますが,
それを力で押さえつけました.そして強権的な政策はかなり効果的なものであり,
満州解放は日本の対米戦の敗北を待たねばなりませんでした.

もし本当に,日本人が五族協和を目指し,王道楽土を実現させていたならば,
決してリベラルとはいえなかった蒋介石よりも支持を集め,勝っていたかもしれません.
しかしそれが口先だけのみせかけであることが誰の目にも明らかだったことが,日本を敗北に導いたのです.

以上,あくまでも質問への回答であり,異論のある方は他スレでやろうな.

軍事板,2013/07/10(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 日華事変のきっかけをつくった牟田口は,自分がとんでもない行為(出るところ出れば違法として裁かれる)を出たの自覚してたけど,上官の河辺が庇ってくれたので感謝している,とか平然と書き残してますが.

 当時の日本軍の軍紀監視システムって,どうなってたんです?
 現場の指揮官が部下の暴発を黙認すれば,それで敗戦まで誤魔化せた?
 憲兵とか政治将校みたいなのはいなかったんですか?

 【回答】
 簡単に言うと国益より省益で,外務省みてーなもん(当時は陸軍省/海軍省)
 しかも内閣の解散権まで持ってる強い省.
 省益=軍の拡大ね.
 予算もポストも増えるから.

 で,将校は憲兵なんて関係ないし,共産ではないので政治将校も居ないし.
 つまり,中での事情聴取は,今の警察が警察内部を調査するようなもん.

 あと,士官学校も兵学校も絶対人数が少なくアットホームで,同属企業の役員みたいに,失敗しても暫くどっかに飛ばされて,ほとぼりが冷めたらまた復帰するという状況だった.

 部下の暴発については,満州事変で石原が無茶やったのが,なし崩しで認められて以来,黙認される傾向になった.
 支那事変が発生したとき,これを止めようと現地に石原がとんで説得しようとしたら,
「あんたと同じ事やっただけです」
と開き直られて,どうしようもなかったという.

軍事板,2013/07/13(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 旧海軍の戦前の艦艇って,何で側面にでっかくカタカナで艦名を書いてたんですか?
 民間船でもあんな事しませんし,あとカッコ悪いですよね?

 【回答】
 同型艦・類似型艦が一緒に行動すると,どれがどれやら分からなって困る.

 カッコ悪いと言われるけど,これが現場の戦訓に基づいてなんだな.
 駆逐艦の舷側艦名表記が,大きなカタカナになったのは日露戦中.
 それまでの小さなひらがな表記じゃあ,航行中や荒天時,夜間には読めたもんじゃないってんでね.
 日露戦が終わったら,元の小さなひらがなに戻ったんだけど,やっぱり読めないんで,大正の頭頃に正式に,大きなカタカナ表記に定められた.

 流石に目立つし防諜上支障があるから,戦時は表記してない.
 大戦中,竣工艦で描かれてる例があるのは,公試状態での写真撮影のためだったりする.

 自衛隊の護衛艦艇だって一時期,大きなひらがなで舷側に艦名描いてた.

軍事板,2013/07/14(日)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

327 :名無し三等兵:2013/07/14(日) 06:40:28.09 ID:rYjLkP+a
アリスバックって普通のリュックサックとはなにか違うんですか?


328 :名無し三等兵:2013/07/14(日) 06:52:33.03 ID:???
アリスバックじゃねえよ,アリスパックだよ
All-purpose Lightweight Individual Carrying Equipmentの略
リュックだけではなく,サスペンダーに小型のポケットを付けた物もALICEの一種
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Alice01a.jpg
リュックタイプのも,背負子(フレーム)
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Alice12.jpg
を基礎にバックパックを装着し組み合わせている

軍事板,2013/07/14(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 A-1 スカイレイダーは,ベトナム戦争でも使われるくらいの名機でしたが,
「ベトナム戦争初期のミグ戦闘機撃墜の殆どが,スカイレイダーに依るものだ
って本当?

 【回答】

 そんなつまらないネタ言われてもね(苦笑
 1965-66年のMiGキルは,海・空軍あわせて29機.
 A-1による物は3機.(それがすべて)

 A-1は,前作SB2DやBTDが失敗作に終わった事を踏まえて,無駄を省いた簡潔な設計であった事が,成功の要因.
 その系譜は,同設計チームによるA-4にも受け継がれた.
 加えてジェット時代への移行期でもあり,戦争も終結し,それ以降はレシプロ機の開発は積極的には行なわれなくなり,レシプロ機に適した任務は他に適した物がなかった部分も多い.
 コルセアが長く使われたのも,似た事情.

軍事板,2013/07/14(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦線近くの補給基地などの司令が,中佐というのを何かで読みました.
 それほど珍しいことではないようですが,仮にその基地に任務で大佐などが来た場合,基地司令よりも階級が高くなってしまいます.
 その際,基地司令であっても,命令に従わなくてはいけないのでしょうか?

 また,例えば有事の際航空基地が攻撃され,航空基地の守備隊をしていた残存メンバーに陸軍が合流した場合,混成部隊を形成すると思うのですが,こういう場合も,階級が高い人を隊長に,所属軍は関係なく組まれるのでしょうか?
 逆に応援に来た陸軍に司令より階級が高かった場合,基地司令以下は,応援に来た軍の指揮下に入ることも有るということでしょうか?
(映画ロサンゼルス決戦でも合流していましたし・・・映画だから?)

 【回答】
 どこの軍隊でも,空軍の基地司令が,その基地に司令部を置く.
 航空軍司令の下につくのは,全然珍しくない.

 陸軍との関係についても,その陸軍の任務がその基地の防衛であれば,空軍の守備隊を一時的に指揮下に置くということは当然行われる.

 例えば契約社員が店長のコンビニに,現場のことなどまるで知らない正社員が視察に来たと思いねえ.
 一応,正社員が上だから,店長はヘコヘコしてご機嫌とろうとするだろう.
「なーに,こいつがいくらむちゃくちゃ言っても,明日は帰るんだし」
と腹の中で思いながら.
 居つくようなら人望の差となる.
 正社員が店長より仕事ができるなら問題ないが,仕事できないのに威張り散らすだけなら,バイト(兵)がいうことをきかなくなる.
 表向き従ってはいても,いやがらせの方法ならいくらでもある.
 それで数字が上がればまだしも,
「正社員が来たら数字急降下です!」
となれば,本部も黙ってはいないだろう.
 どこの業界でも,「現場に精通した下っ端」と「肩書きだけは上司」との人間関係は,いろいろある.

> 逆に応援に来た陸軍に司令より階級が高かった場合,基地司令以下は,応援に来た軍の指揮下に入ることも有るということでしょうか?

 そうなることは考えにくい.
 応援の陸軍部隊の隊長が,空軍の基地司令の指揮下に入って,陸戦部門の責任者になり,元々基地司令の部下だった警備隊長を,陸軍の隊長の指揮下に入れるという形になるだろう.

軍事板,2013/07/15(月)
青文字:加筆改修部分


<保留>

465 :名無し三等兵:2013/07/15(月) 19:45:29.61 ID:???
日本って上陸されたら負け確定だけど,戦車っているの?


466 :名無し三等兵:2013/07/15(月) 19:52:38.67 ID:???
>>465
日本と同様な地形で「いらない」と思われた韓国に戦車配備しなかったら,
朝鮮戦争緒戦で大敗北.くわしくは戦車不要論スレでどうぞ.


470 :名無し三等兵:2013/07/15(月) 20:15:24.37 ID:???
>>466

向こうは陸続きだけどコッチは船じゃないと絶対に運べないんだよ?
陸から船を狙い撃ちでいいんじゃないの?
重迫とかの方が動き早いし.


472 :名無し三等兵:2013/07/15(月) 20:22:22.98 ID:???
1.上陸を目指す敵を100%撃沈できる保証はない,というか多分できない

2.上陸地点に戦車がいなければ相手の戦車は好き放題

3.よって日本が戦車を持つということは,相手に「上陸に成功しても向こうにはまだ戦車がいる」というプレッシャーを与え,
  日本戦車に対応できる戦力を整える必要がでてくる

4.つまり,編成される上陸部隊の規模が膨らみ,それを編成することにも,運用することにも多大な負担をかける

5.総括すると,日本が戦車を保有する意義は,相手が(上陸戦の過程で多大な損害を受けた上で)上陸させた戦力で
  なおかつ日本戦車を撃破しなければならない,という戦略的リソースの負担を強いる存在であること



これは他の兵器にもあてはまるのだが,その中でも戦車という存在はやはり汎用性と攻防力において別格
極端に言えば日本の戦車は「ハリボテ」でもいいのだ
相手が強そう,と思えばそれだけでも存在価値がある
もちろん内実が伴っていることがベストで,だからこそ高性能をアピールするわけ

480 :名無し三等兵:2013/07/15(月) 20:47:07.45 ID:???
>>474
専守防衛の見地から,砂漠などとわが国にない地形を想定した兵器を保有することはできません.
ですが日本の高温多湿ですぐ洪水や地震が起きる気候は戦車にとってかなりハードであり,
これに耐えられる設計の兵器は,かなりの信頼性を期待できます.

なお,専守防衛の見地から,敵基地を攻撃することはできません.
そこだけはアメリカ様にやっていただく必要があります.

軍事板,2013/07/15(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 再突入体が陸に着弾したとき,地面に大穴開いたりしますか?
 調べても,海に着弾しているものばかりで,よく分かりません.

 【回答】
 コンクリート相手の場合,1200m/secで地面に到達した強化核弾頭は,30〜45m貫通するとされています.
(比較的軽い貫通弾頭では15〜30m)
http://en.wikipedia.org/wiki/Nuclear_bunker_buster

 英文Wikipediaには,一般化した貫通深計算アプリが掲載されています.
http://en.wikipedia.org/wiki/Impact_depth

system ◆systemUniQ :軍事板,2013/07/16(火)
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** 【質問】
 電撃戦の対抗戦術みたいなものってないんですかね?
 圧倒的な戦力で脆弱な部分作らないとか,相手側が弱るのを待つくらいしか無いような気もするんですが.
 敵味方が拮抗してるか,こっちが若干劣勢の場合,相手に電撃戦術やられたら負けるということ?

 【回答】
 各部隊に各個判断で行動するよう指示する.
 兵站,物資等も各部隊に分散する.

 中枢一点を押さえて全体を動けなくするのが,電撃戦の根本.
 よって,中枢がなくなれば,電撃戦は焦点を失い,しだいに戦力を削られて磨り潰される.

 もっともそのためには,普段から各個判断,各個行動できる指揮官,体制を作っておく必要があるので,いきなりはできない.
 最初からそのようなスタイルの軍隊なら可能だが.

軍事板,2013/07/16(火)
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** 【質問】
 倒した敵から鹵獲した武器や装備って,血などで使えなくなってたりしないのでしょうか?

 【回答】
 撤退した敵が放棄した武器を使うのは危険(トラップが仕掛けられてる可能性がある)だから,余程のことがない限り,「拾って使ったりはするな」って事前に徹底されるのが普通.
 アメリカはよくそういうブービートラップに引っかかって,悲惨な目に遇っている.

 ドイツ軍だと,卵形手榴弾の遅延信管をカットして,引き抜いた瞬間爆発する物を,わざと置いていったこともある.
 街から撤退する際,敵司令部として使われるであろう大きな建物の地下に,数日後に爆発する大量の爆薬を仕掛けていったことも .

 もっとも,WW2の時の欧州戦線で一番効果的だったのは,
「灯油式のストーブやランタンにガソリンを入れておく」
だったそうな.

 そういうのがあるって分かったら,相応の対応取られるのが普通だが,敵に装備を使用させないという目的は達成できる.

 再利用する時は,一度回収して点検作業等を行うのが望ましい.
 車輌だと味方に撃たれる危険もあるから,マーキングとかも必要になるし.

 衣類の類は必要ならば,洗って使う.
「もっとマシな服はないのか.血のシミがあるぞ」
「俺のは腹の部分に穴が開いてる」
という会話が交わされることも.

 水木しげるセンセの「昭和史」に,靴をなくした水木二等兵が補充を相談したところ,
「それならあそこにいくらでもあるから,適当なのとってきな」
と言われる場面がある.
 そこは,開戦当初戦死したオーストラリア兵の死体置き場.
 ジャングルの中で数年放置されていた死体の山から,水木二等兵は適当なサイズの靴を自分で探し出して履いた.

 私が「昭和史」初めて読んだのは,戦後五十年で大騒ぎしていた1995年だったが,
「ああ,そういうこともあっただろうな」
と,別になんとも思わなかった.
 同世代の男もみんなそうだった.
 しかし女の子達は
「気色悪い!」
と言いたて,トイレに飛び込んで本当に吐く子までいた.
 私達にはどこが気色悪いのか,全く理解できなかった.

 今は分かるけど,とにかく昔はそんなだった.
 死体から衣類を剥ぎとるなど普通だった.
 戦国時代まで遡れば,合戦の終わった後の戦場で,転売のために死体の鎧兜や武器を,付近の住民が死体から剥ぐのが普通だった.


565 :名無し三等兵:2013/07/16(火) 21:58:09.53 ID:???
 ドイツ軍が体重計に地雷仕掛けて,その体重計で自分の体重量ろうとした米軍が,やられた話もあったな.


568 :名無し三等兵:2013/07/16(火) 22:01:17.80 ID:???
>>565
 それ,『コンバット』でしょ?
「我々の研究ではアメリカ人というのは,体重計をみると自分の体重を量りたがるらしい」

軍事板,2013/07/16(火)
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** 【質問】
 皆さんご回答ありがとうございます.
 疑問に思ったのですが,血だまりの中に長時間漬かった銃火器や手榴弾,弾薬なども,分解清掃などで使用可能になるのでしょうか?

 【回答】
 「血だまり」は粘性と塩分を含んだ液体と考えられますから,メカニズムが長時間浸かっていれば,錆の発生や可動部分の固着といった,トラブルの発生が考えられます.
 完全に分解して清掃すれば,固着は解消できるでしょうが,錆は問題です.

 また,手榴弾のように分解しにくいものも困るかもしれません.

 銃弾は表面にしか血液が付着しませんから,ブラシで洗えばそれでOKです.

 ただ,そのような処理の面倒くささと作動に対する不安を考えると,好んで使用するはずはなく,他に選択肢がない状態でやむを得ず使用する,ということになるでしょう.
 当然ですが.

system ◆systemUniQ :軍事板,2013/07/16(火)
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** 【質問】
 自走砲と多連装ロケット車輌って,どう使い分けるんですか?

 【回答】
多連装ロケット:短時間,一時的に大量の火力を投入する.時間当たり火力:大,総火力:小
自走砲:火力を持続的に投入する.時間当たり火力:小,総火力:大

 あたりまえですが,ロケットより砲弾+装薬の方が小さいので,運搬し,投入できる火力は自走砲の方が上です.
 しかし連射,あるいは斉射能力に劣るので,一時的に敵を圧倒するには多連装ロケットが便利.
 ついでに安価です.

 多連装ロケットが安価,というのは,発射プラットフォームが安価,という意味です.
 ロケット自体はもちろん砲弾より高くつきます.
 嵩張るので兵站にも負担がかかります.
 その意味でもロケットで火力全体をまかなおうとすると予算,数量が足りなくなってしまうわけです.
 また,無誘導ロケット弾は,砲弾より精度が落ちます.
 すぐに撃ち尽くしてしまいますし.

 しかし,最近は対砲迫レーダーの進歩などによって,自走砲もじっくり腰据えて撃ち続けることができず,数発撃っては移動する運用が考えられています.
 これに対応して,最初の数発を速く連射する能力を与えられており,
時間当たり火力:中,総火力(1つの射点からの):中
という状態になってきています.
 むろん,射点を変えながら射撃し続ければ総火力:大ではあります.

 子弾付き砲弾,誘導装置付き砲弾も存在します.
 ただ,誘導装置付きはさすがに高くなってくるので,自走砲の安くてたくさん撃てる,という利点が少し損なわれるような.

 しかし現在では多量の火力を投入するより,正確に当てて周辺危害を抑えることが重視されているので,それはそれで良いかも.
 安い弾も撃てるから,柔軟に対応できますね.

system ◆systemUniQ :軍事板,2013/07/19(金)
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** 【質問】
 航空機脱出装置で射出されたあと,パイロットはどうしてるんでしょうか?
 まあ,陸上だと映画『ステルス』のように逃げ回るんでしょうけど,海上の場合は水に浸かったままなの?

 また,自衛用の武装ってやっぱり拳銃程度なんですかね?
 『ステルス』ではMP7持ってましたが.

 【回答】
 飛行服にライフジャケットがついてるか,小型の救命ボート(ディンギーと呼ぶ)が一緒に射出されます.
 一応,無事に脱出できてるならサバイバルキットも無事なはずなので,あとは救助を待つのみ.

 陸上に脱出,降下した場合も,できるかぎりその場から動かずに救助を待つ,というのが基本.

 味方を呼ぶには,救難用の通信機を使用します.
ご指摘のように,傍受予防のために使用は最低限にします.
 通信時間を最小限にするために,リアルタイムに電波を垂れ流すのではなく,圧縮して送信する仕掛けもあります.

 海の上なら,目立つ塗料を撒いたり.

 無論,敵方に発見される恐れもありますから,使い方はよく判断するよう訓練されます.

 拳銃ですら嵩張って嫌がるパイロットがいるぐらいで,それ以上大きな火器は持たないのが普通です.
 日本軍の場合,刀を持ち込んだ事もありますが,そのせいで計器に悪影響が出たりしていました.

 そして,たとえ
MP7持ってても,アサルトライフルやら軽機やら迫撃砲やら持った敵の部隊相手に役に立つはずがない〜殺されるのが精々ですから,素直に投降します.

system ◆systemUniQ(黄文字部分) :軍事板,2013/07/19(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 F-4ファントムは現代で言う所の,マルチロール機の先駆けの戦闘機なのでしょうか?
 それと,何故イランと韓国はF-5とF-4を共に配備しているのですか?

 【回答】
 ファントム(II)は本来は,
「長距離レーダーとその管制員,長距離(当時としては)レーダ誘導ミサイルを搭載した艦隊防空戦闘機」
として開発された.
 強力なエンジンや長距離長時間飛行可能な大量の燃料搭載量も,本来は敵機の飛来した空域に,いち早く急行するためであり,長時間の哨戒飛行を可能にするためだ.
 爆弾沢山積んだ対地攻撃機としても活躍したのは,余興みたいなもの.

 F-5は技術力の高くない国,高度な兵器の扱いに慣れてない(必要としてない)国でも扱えるシンプルな戦闘機として,そういった国に提供するために作られた.
 本来は軽空母に載せるための「護衛空母用艦隊防空戦闘機」として開発しようとしたものだけど,「護衛空母」ってジャンル自体がなくなったので,方針転換した.
 結果,格闘戦能力以外はそれほどの性能はないけど,価格も安く整備も運用もし易い機体となった.
 その分設計は割り切ってて,スパローは使えないわ,航続距離は短いわと,性能的には決して一線級とは言いがたかった.

 大概の国はこれで充分だけども,これよりも性能のいいのが欲しい,という国にはF-4の導入も提供された.
 F-4はF-5と逆で,高価で豪華,あれも使えるこれも使える,当時の「全部入り戦闘機」.
 F-5よりも高いし扱いも大変だけど,性能はずっと高い,というわけだ.
 ハイグレードと普及グレードだな.

 それだけに,「じゃあハイグレードのしか要らないです」とまで思いきれる国はそうはなく,大概の国はどちらも半々ずつくらい買うか,安い方だけ買うことになったわけだな.
 全部をF-4でそろえりゃいいけど高くつくから,お互いのいいところを生かすように混ぜて使った.
 ハイ・ロー・ミックスってことだな.

軍事板,2013/07/19(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 核拡散防止条約って歴史上最悪の不平等条約だと思うんですけど,何であんなのが成り立つんですか?
 核保有が安全保障上,どれほど重大な役割を果たすのか論ずるまでもないですが.
 平和ボケとかそんなレベルじゃないですよね?
 何で自ら首根っこ掴まれるような不平等条約を,190ヶ国も批准しているんですか?
 自分高校生なんですが,これほど疑問に思ったことはないですよ.
 安全保障って一番シビアでデリケートな問題じゃないですか.

 【回答】
 本当に高校生なら,なかなかにアツイやつですね.
 マジレスしてさしあげませう.

 もし核不拡散防止条約がなければ,世界中に無限に核が増えていくことになります.
 世界190ヶ国が全部核武装しているような世界を,あなたは望みますか?

 現在では想像もできないことですが,日本社会党や日本共産党が強力な闘争を行っていた当時,「反戦平和,非核化」は誰も批判することのできない国是で,核拡散防止条約は,
「ついに核廃絶への大きな一歩を踏み出した!」
と日本中が大喜びでした.
 実態は「単に持ってる国のエゴ」ということがすぐに分かり,落胆とさらなる抵抗が起きました.
 しかし結局,「ないよりはましである」ということで現在に至っています.

 無理に核武装するより,核不拡散防止条約を盾に隣国の核開発を阻止する方が,よりスマートには思えませんか?

軍事板,2013/07/19(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 傭兵部隊とか外人部隊とかを持ってる国があるようですが,どういうメリットがあるんですか?

 【回答】
・国内の体制的な面で,時には一番信用できる(自国民を弾圧するのに自国民の兵では信用できない)

・過酷な場所へ送り込める(アメリカ軍が現地人部隊を使ったり,イギリス軍がカナダ軍を使うような場面)

・自国の軍がすぐ逃げるので,アテにならないから

・特殊技能(戦闘機の運転等)を持っている兵隊を養成する時間的余裕がないとか,普段から養っていなかったので,手っ取り早くカネでかき集めることができる

・自国外の紛争の弾圧のように,国軍では世間体を阻まれるような場合に,数量限定軽装備なので派遣し易い.

 最後のは,国益にはなるが自国民の兵士を死傷させるほどでもないような時とか,大規模な国軍で乗り出すと他国からゴタゴタ言われそうな時とか.
 自国民を死傷させるのを自国世論がのむほど,重要ではない場合とか.
 また,植民地や元植民地での暴動のような場合,自国民の兵で鎮圧すると,現地で自国民への怨念が沸くから其れを避けるという意味もある.

 あと,バチカンのように歴史的経緯というのもあるし,シーランド公国のように国王の知り合いというのもある(苦笑

軍事板,2013/07/20(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次大戦当時のアメリカ軍は,ドイツ軍とか日本軍とかソ連軍などとの比較で,「虐殺・強姦・暴力・略奪が少ない軍隊」と解釈していいのでしょうか?
 『コンバット』など戦争映画などでのイメージでは,
アメリカ軍=陽気,フランク,人間味がある
ドイツ軍=陰険,残忍,戦闘マシーン
って感じですが.

 【回答】
 アメリカ軍もソロモンやタラワあたりでは,捕虜を虐待していました.
 しかしそれでは,それでなくともそう簡単に降伏してくれない日本兵が,
「それみろ,鬼畜米英の捕虜にされたら何されるかわからん,生きて虜囚の辱めを受けず!」
と頑強に抵抗して,米軍の損害が増えるため,途中から「捕虜を厚遇しますから早く降伏してね」作戦に変わりました.
 おかげで,戦後長らくわが国では,「アメリカ様はやさしかった」伝説ができました.

 強姦については,その対象となる民間人女性が沖縄以外にあまりいなかった,という点が挙げられます.
 占領下の本土でも,連合軍兵士による白昼堂々の強姦事件が多々ありましたが,GHQの検閲で報道されませんでした.

 欧州ではノルマンディー上陸後,米兵のレイプ事件が頻発して,自治体から抗議されたりしてます.
 戦場で気の昂った男の集団がいれば,どうしてもその手の犯罪は起こりがちです.

 ドイツでも,デーニッツは
「ソ連軍には最後まで抵抗せよ.
 米軍には速やかに投降せよ」
といった意味の命令を出しました.
 西側連合軍の人道的な待遇を期待してのことでした.
 しかしアイゼンハワーは,ライン河畔の収容所で,何十万人ものドイツ兵捕虜を死ぬに任せました.

 また,大戦中のアメリカ兵は,とにかく故郷への自慢だとか土産目的とかの略奪がすさまじく,「スーべニアマニア」とよばれたほど.
 略奪のための捕虜への暴行,金歯その他を抜き取るための死体損壊は日常茶飯事で,甚だしくは頭骨や大腿骨を加工したものを,軍用郵便で故郷に送った者もいたとか.

 現代のイラクやアフガンで捕虜をどう扱っているのかは,ネットでたくさんの情報が流れています.

 あと,「コンバット」ですが,戦争映画というのは普通,「味方がかっこよく戦ってる姿」を描くものであり,ヒーローが強姦略奪暴行にいそしんでいる姿を,描くわけがないじゃないですか.

 「バンドオブブラザーズ」では,ドイツ軍捕虜を「処理」するシーンがあったりします.

 『硫黄島からの手紙』はアメリカ映画なのに,投降した日本兵をアメリカ兵が処刑するシーンが描かれています.

 逆に,ドイツ軍描写は,ハリウッド映画では第一次大戦以降,長らく残忍に描くケースが多かったそうです.
(『ヒストリー・チャンネル』によれば)

軍事板,2013/07/21(日)
青文字:加筆改修部分


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