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青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※荒れ気味により,レス回収基準は「Ver.6」


●初心者歓迎 スレ立てる前に此処で質問を 765

目次


** 【質問】
 戦闘機側の空中給油機能は,現在又は近い未来に
・その国の軍が空中給油機を保有していない
・同盟軍から空中給油を受ける事も想定していない
場合,付けているだけで無駄に重くなり,整備箇所が増えるという事で外しておいた方が良いという事になるのでしょうか?
 政治問題は無視して,純粋に戦闘機運用の観点から.

 【回答】
 それに
「現在または近い未来にその国の軍が空中給油機能を保有しない」
まで加えれば,その通りです.
 しかし軍事への要求は政治,経済状況によってころころ変わるので,そのような予測を自信を持って行える人はいないでしょう.
 政権交代だけで,180°違う方針になることも考えられるわけで.

 現代の戦闘機は何十年も使い続け,しかも一機何十億〜百何十億円もしますから,「多分ないと思う」だけで機能を外してしまうのは,(特に後付けが大変〜とても高価な場合)賢明ではないかも知れません.
 増してデフォルトで付いているなら,手間暇と金かけて外すのは大問題でしょう.

 ちなみに,空中給油機能込みで設計されている機体からその機構を外すと,全体のバランスが狂います.
 外装式であれば,空力バランスまで影響されます.
 「外して軽くなった!ヤッホー!」とはならず,
「同じ場所に同じ重さのバラスト積む事になっちゃった,面倒なだけ」
となってしまう可能性大です.
 整備についていえば,それこそ使わないなら配線外して,「同じ重さのバラスト」にしておけば良いだけのこと.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/10/29(月)
青文字:加筆改修部分

 【反論】
 system ◆systemUniQは,基本的な技術知識がない.

 空中受油装置を前提に設計されていても,外した機種はいくらでもあるし,後付けしたのも数限りなくあるが,全て何の支障もなく飛んでいる.
 システム全体で100kgになるかならんぐらいの構造物,バラスト積めばどうとでもなる.
 空気抵抗も機体全体の数%にもならんのだから,実質的には無視できる.
 航空機は一見軸対称に見えても,実は前後左右で抵抗値が全然違う.
 ちょっとぐらい出っ張りが出たりなくなったりしても,どうってことはない.

 ミラージュF1は実際に,取ったり外したりしてる.
 イントルーダーみたいに,とったり外したりOK〜なんて機体もあった.

軍事板,2012/10/29(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦車は機関銃では破壊出来ないのに,バルカンだと粉々になるのは何故なんですか?
 短機関銃一挺では何とも無いですけど,100挺並べて戦車に一斉射撃したら,同じようなことになるんですか?

 【回答】
 戦車はバルカンで粉々になったりはしません.
 長いこと気長にやってれば段々削れるからやれるかも知れないけど,実用的に無理なぐらい手間がかかります.

 装甲の薄い上面装甲を,バルカンではなく30mmガトリング×劣化ウラン徹甲弾で撃ちまくれば,これは穴が開きますが,中で誘爆しない限り粉々になったりはしません.

 短機関銃だと100丁撃っても粉々にはなりません.
 弾倉替えてどんどん撃ってれば,段々削れるかもしれません.
 その頃にはお前が粉々になっているがな.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/10/29(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 村田銃などで猟をしていた時代の人の話で,
「撃ち込まれた弾丸が獣の体内に入ると,肉を黒く焦がすように焼いて,弾丸がくいこむ銃があり,そうした銃は大切にされた.
 焼けないタマは命中し血が出ても,獣の弱りが鈍い」
というのを本で読んだんですが,タマが焼ける銃と焼けない銃という違いが出るのは何故なんでしょうか?
 また,現代の銃器設計や銃器運用上で,命中して体内を焦がす能力は,どういう位置付けにあるんでしょうか?

 【回答】
 少なくとも現代の銃では,熱による危害効果は無視できます.

 弾が命中後に潰れて面積が大きくなり,あるいは体内ででんぐり返しして(タンブリング),結果として大きな穴を開けると,たくさん出血させることが出来るので殺傷力が増します.
 ただし,皮膚の下に大きな穴が開いても大きな血管がないので,傷として派手に見えても殺傷力は上がりません.

 深いところまで貫通し,変形やタンブリングによってその深部に大きな穴を開けることが出来るのが良い弾です.
 「焼ける銃」というのはそういう意味かも知れません.

 通常は弾の側で決まる要素ですが,弾が同じであっても弾速の落ちが早ければ貫通力を失い,大きな獣に対する殺傷力は落ちます.
 村田銃の時代であれば,銃の加工精度も低いですから,発射ガスの漏れが大きく,初速が上がらない銃があったかも知れません.
 そのような銃は,殺傷力が低かったでしょう.

 ここからは憶測になりますが,銃身の内腔径がタイトに作られていて,ライフリングにしっかり弾がくい込み,ガス漏れがない銃では初速が上がると共に,摩擦熱による弾の加熱も大きくなると考えられます.
 そのような弾が当たると,熱効果に差が出るのかもしれません.
 殺傷力そのものは増大した初速と,それによる貫通力によるものであり,熱効果はおまけに過ぎないと思いますが.

 ただし,銃身(内腔,ライフリング)の摩耗も早いと考えられます.
 以上,憶測.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/10/29(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 旧ソ連の戦車,T-72は何発くらい砲弾を車内に搭載していたのですか?
 また,現代の主力戦車は何発くらい搭載するのが標準ですか?

 【回答】
 45発.
 うち22発は,自動装填装置内.

 レオパルト2で42発,M1も42発(105mmモデルでは55発),ルクレルクは40発,うち22発は自動装填装置内.

 というわけで40発オーバーあたりが,標準といえば標準かと.
 ちなみに90式は40発で,うち20発が自動装填装置内,10式も40発で自動装填装置内に18発(異説あり).

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/10/29(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 潜水艦に関する質問です.
 潜水艦においてソナー員はどのような役目を果たしているのでしょう?
 マンガや映画などでは「耳が良い」なんて表現がよく出てきますが,彼らは何を聞いており,何を聞き分けているのですか?
 そして,最新鋭の潜水艦においても,それらの作業は機械ではなく人力で行なっているのですか?

 【回答】
 現代のソナー員に要求されるのは生の耳より,むしろコンピューターによる処理結果をどのように解釈するか,どのように処理させるか,データバンクとどのようにして照合するかといった,情報処理能力です.
 艦船が静粛化し,作戦状況が複雑になっている現在,コンピューターの助けなしに作業を行うのは困難ですが,複雑であればこそ,コンピューターだけで自動的な最適な処理,判断を行うのは困難です.
 生の耳で判別する部分もありますが,周囲の水温や密度,海流や海棲生物の状態,変温層などの存在を頭に置きながら,上手にコンピューターを使うのが,まず必要な能力ということになります.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/10/30(火)
青文字:加筆改修部分

 目が効かない水中においては,音が全てと言っていいぐらい重要.
 水の中では光(可視光)もレーダー波(電磁波)も,減衰が激しくて役に立たない.
 そこで音(超音波は人間が聞き取れないが)が主役となる.

モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2012/10/30(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦艦の主砲の破壊力は,今のミサイルだとどの位なのでしょうか?
 それとミサイルの速度によって,破壊力は変わるのでしょうか?

 【回答】
 大和の主砲弾には炸薬が34kg超,装填されています.
 対するに,対艦ミサイルハープーンには炸薬が100kg装填されています.
 前者の重量は1460kg,初速は780m/sec,30kmでの残速500m/sec.
 後者は660kg(発射時),速度は240m/sec,命中時の重量(推定)500kg.

 つまりハープーン対艦ミサイルは,炸薬量は大和主砲弾の3倍あるが,運動エネルギーは1/15ほどしかないことになります.

 ロシアの超音速大型対艦ミサイルの類になると,サンバーンで炸薬重量320kg,命中時重量(推測)3500kg,命中時速度650m/sec.
 炸薬量は大和主砲弾の10倍,運動エネルギーは4倍となりますから,これは圧倒的に強力.

 ロシアインド共同開発のブラーモスだと,命中時重量(推定)2000kg,命中時速度900m/sec,炸薬重量100kg.
 これで炸薬量3倍,運動エネルギー5倍程度か.

 一般にエグゾセなどのなじみのある亜音速対艦ミサイルは,運動エネルギーはさほどでなく,炸薬量多めで,上部構造破壊によるミッション能力喪失を主目的としています.
 とはいえ,運動エネルギーは艦体の破壊,貫通に使用されますから速度は重要です.

 また,速度を増すとエネルギーは二乗で増えますから,艦体自体の破壊が大きくなり,同時に迎撃も困難となりますから,威力はさらに増します.そのかわりミサイルが大型化し,搭載プラットフォーム,搭載数に大きな制限がかかり,レーダーによる探知も容易になってしまいます.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/10/30(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 対戦車兵器の弾薬はAPSFDSや粘着榴弾など,様々な種類があるけど,全部成形炸薬弾に統一できないの?

 【回答】
 できません.

軍事板,2012/10/30(火)
青文字:加筆改修部分

 成形炸薬弾は均質な鋼鉄装甲を貫通するには大変有効ですが,空間装甲や複合装甲など,質の異なる層を重ねた装甲には弱く,セラミック装甲に対する貫通力にも劣ります.

 そのような場合には,狭い面積に大きな運動エネルギーを集中して,力押しで突破する運動エネルギー弾(APFSDS)の方が有効です.

 成形炸薬弾も径を大きくすれば,威力を増すことが出来ますが,戦車砲であれば口径は定まっており,ミサイルでもむやみに太くすることは出来ません.
 飛行速度が遅いですから,最近であれば,能動防御システムに弱いという欠点も指摘されています.
 粘着榴弾は殆ど引退した〜しつつあるのではなかったかな.

 戦車砲でない,いわゆる対戦車兵器では成形炸薬弾と,自己鍛造弾が殆どでしょう.
 これも自己鍛造弾は貫通力に劣るが,起爆時の目標との距離に寛容という利点があり,統一困難.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/10/30(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 爆弾の威力というのは,距離が広がると,立方根に比例して威力が下がるとの事ですが,これは何故なのでしょうか?

 【回答】
 爆圧は周囲の空気を圧縮しながら伝わっていきますから,いわば周囲の体積分,エネルギーが中和されていきます.
 体積は長さの3乗に比例するから,立方根に逆比例して爆圧は下がっていきます.

 一方,破片などは爆圧と違って,体積が拡がることなく飛びますから,威力はある点を通過する破片密度で考えるべきであり,つまりは爆心を中心とした球の表面上における破片密度を考えることになります.
 当然,距離の二乗に逆比例して密度は下がりますから,破片による殺傷力も同様,となるわけです.

 ただし,対人殺傷にも有効な細かい破片は,急速に速度が落ちますから,対人殺傷については上記よりも早く,つまり距離の二乗に逆比例より,さらに危害半径は小さくなります.
 車輌破壊などに有効な大きい破片は,速度低下が小さいですから,対人殺傷半径より低下は遅くなります.

 例えばM62汎用爆弾の場合,対人致死半径は
250ポンド爆弾:100m,500ポンド爆弾:140m
であるのに対し,車輌破壊半径は,
250ポンド爆弾:33m,500ポンド爆弾:60m
となっています.

 ちなみに核爆弾についても,同じ事が言えます.
 ただしこの場合は,破片の替わりに熱線が危害します.
 爆圧による破壊は距離の三乗に比例して減衰し,熱線による危害は距離の二乗に比例して減衰する.
 このため核爆弾では,熱線による危害半径がもっと大きくなるわけです(遮蔽を取らない場合).

 電離放射線による危害半径もあるのですが,これは空気中の分子と反応して急速に減衰するため,もっとも小さな危害半径となります.
 余談終わり.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/10/31(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ふと思ったんですが,自衛隊の戦闘機ってステルス性いらないんじゃないですか?
 基本的には領空侵犯してきた飛行機に対して威嚇とかするんですよね.
 むしろこっちの戦闘機が飛んでるぞ!ってアピールする必要性あるのに,ステルスしてどうするの?なんて素人考えに思ったんですが・・・.
 それより格闘性が高かったり,高性能のミサイルを一杯積めたりした方が,いいように感じますけど.

 【回答】
 威嚇なら照準レーダー波当てるだけで十分.
 RWR持ってるだろうからロックオン警告で,パイロットの肝も冷えるだろうさ.

 交戦に成る事も想定しない軍隊はありえない.
 相手が引き下がらない可能性も常にある.
 実際の実力があって初めて抑止力,相手が交戦をためらう状況が出てくる.

 そしてステルスは,将来戦闘機においては必須の機能.
 姿が見えないって事は,戦場を一方的に支配できるということ.
 暗闇で暗視ゴーグル持ってる奴と,持ってない奴が殴り合ってみろ,
 ゴーグル持ちが相手を一方的にボコボコにして終わりだ.そういうこと.
 戦場における攻撃のタイミング,攻撃位置占位の主導権を取れるステルス機に対して,在来機はほぼ無力なんだよ.

 まして仮想敵国はステルス機配備に動いている以上,自衛隊がステルス導入をするのは当然の流れ.

 F-15JとF-22の模擬戦闘では,F-15JのパイロットはF-22を目視確認していたが,レーダーには何も映らず,FCSが動作しないため攻撃できなかった.
 模擬戦闘はF-22の一方的勝利,というより完勝に終わった.
 現代戦ではステルスは,あらゆる局面で必須だ.

 空戦は陸戦とは違い,戦闘用のプラットフォームそのものがテクノロジーに拠って成り立っている.
 だから空戦は,言い換えればテクノロジーの戦いともいえる.
 なので,兵器の世代が一つでも違うと勝負にならないことが多い.
 空自があれほどF22の導入に躍起になったのもさもありなんってところ.

軍事板,2012/10/31(水)
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
 じゃあ,何でアメリカ軍は旧式の戦闘機持ってるんだ?

 【回答】
 米軍の相手には二線級・三線級の戦闘機しか持たない相手も数多かったから,旧式の戦闘機でも使いようはあったんだよ.
 マルチロール化してるから,ガチの対空任務に使えなくても,対地攻撃とか偵察とか,やれる仕事は山のようにある.
 F-15C以外は戦闘機といっても,戦闘爆撃機で実質攻撃機.

 それに旧式つっても,中身の電子ハードなんかはごっそり入れ替えたり,最新鋭のミサイル使ったりしてるしな,あそこは.
 F-15Cについても中身は更新されたのに変わってきてるので,ステルスはともかくミサイルプラットフォームとしては使える.

 あと,F22は恐ろしく高価だということも忘れずに.
 何故ハイ・ローミックスなんて概念を米空軍が打ち出したか?ってことだ.
 だいたい,もうF-22は数が増えないし消耗するだけだから,旧式だからといって退役できない.

 米軍のF-15Cでさえ,実戦に使えるようにアップデートされているのは197機だけだ.
 残り約500機は部分的にしか改修されてない,実質練習専用機になってる.
 アメリカだって金が無限大にあるわけじゃない.

 ちなみにATF計画の仮想敵は,冷戦たけなわの頃のソ連機だったことを忘れずに.

軍事板,2012/11/01(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 対空砲って横に何挺も並んだやつと,細長い大砲みたいなのがありますけど,何が違うんですか?

 【回答】
 昔の艦船に載ってるやつのことか?
 ならば

>横に何挺も並んだやつ

 こっちは対空機関砲(銃)
 もともと連続射撃可能な機関砲を,数丁連ねたり束ねたりして,短時間で濃密な弾幕を作れるようにしたもの.
 近年はレーダー等と連動した電動多銃身砲(CIWS)に発展した.

>細長い大砲みたいなの

 こっちは,高角砲(高射砲)
 対艦・地用の本気の大砲よりは小口径で,高初速を出せる長砲身の大砲.
 もともと水雷艇等の小型舟艇を撃つための砲だったのを,空へ向かって撃てるよう,仰角を大きくとれるように設置し,対空砲弾が空中で破裂して,その破片で敵機を撃墜する.
 近年は対空も対艦も戦闘の主役はミサイルに移り,高角砲は両用砲として主砲になった.

 映画なんかで,突入する敵機に火線が飛んでいくのが前者.
 空中で煙の玉を作ってるのが後者.

軍事板,2012/11/01(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 生物兵器は攻撃手段として,未だに各国で軍事目的で開発されているのですか?
 また,生物兵器を実戦投入した事例があったら教えてくたさい.

 【回答】
 生物兵器は,戦術兵器としては殆ど開発されていない.
 現代では,戦術兵器としては効果が不確実であり,時間がかかりすぎ,戦略兵器としてはマイナス面が大きすぎるので,軍用としては事実上ダメな兵器.
 しかし,テロに使うにはなかなか便利なものなので,どこの軍も自軍が使用するためでなく,敵が(軍よりむしろテロ集団が)使う可能性があるので,それに対応するために研究している.
(上で,「戦術」とわざわざ断りを入れたの,テロの手段としては開発されている可能性があるから)

 イラクではされていたし,北朝鮮やイランがしていることはほぼ確実.
 アメリカやイスラエルは確実にやってる.
 ロシアや中国はやってる証拠はないが,やってないとは考えにくい.
 日本はやってる兆候はあるが(名目は防疫研究)詳細は不明.
 まぁ,一定の研究水準があるところではやってると考えるべき.

 実戦使用例は,大戦中の日本軍,ラオス秘密戦争での米軍(確実ではない),アフガン戦争中のソ連軍(ほぼ間違いない),イランイラク戦争中のイラク軍などが知られている.
 あとはエルトリア紛争中のエチオピア軍とか,アフリカの事例がいくつかあるようだが,それらについてはアフリカ専門スレッドで聞いてくれ.

 敵兵を病気にさせる事を狙って,放棄する村の井戸に腐乱死体や糞尿を投げ込んだり,落とし穴に糞尿を塗りつけた竹槍を仕込んで傷を悪化させるといった手段なら,古くから行われているが.

system ◆systemUniQ(黄文字部分)他 :軍事板,2012/11/01(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 F-104のコクピットについて質問ですが,キャノピーのヒンジが左側についていて,パイロットは右側から乗降するようになっています.
 ですが軍用機のキャノピーは普通,右側にヒンジが付き,左側から乗り込むようになっています(MiG-21など)し,戦闘機も旅客機も原則的に左側から乗降するのが慣例化しています.
1,何故,F-104はあえて慣例から外れた方策をとったのでしょうか?
2,飛行機は左側から乗降するのが慣例化したのかは,どういう理由か?

 【回答】
 一般に船では左側をポート,右側をスターボードと呼ぶ.
 一説にはバイキング船の舵が右側についていたため.必ず左舷で接岸したからだとも言われている.
 その慣習を引き継いで,船は普通左舷側を接岸=乗り降りするようになっている.
 飛行機もどうやらこの習慣を引き継いだため,左側から乗り降りするのが普通になったといわれている.

 F-104だけが例外な理由は,至極単純だ.
 F-104は左にバルカン砲を搭載していて,右ヒンジ左開きだとバルカンのアクセスドアなどにはしごが干渉してしまう可能性があった.
 小型機ゆえのことなので,もっと大型のF-105などは右左どっちでもはしごをかけられる.

 ちなみに後ろヒンジ上方開きにしなかったのは,それだと上方でロックする機構やらダンパーやらが必要になるのに対し,横開き人力開きだとそれらが必要ないので,僅かに軽く仕上がるからだ.
 また,後方スライド方式は僅かに段差ができるため,そこで抵抗が増えるのを嫌ったためだと,『世傑』だかに書いてあった.

軍事板,2012/11/01(木)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

 アメリカのM1が自動装填じゃないのは何故ですか?
現代では人力装填のメリットは全くないと思うのですが・・・


382 :名無し三等兵:2012/11/02(金) 05:42:41.32 ID:???
>>375
そもそもM1が開発された1970年代では,自動装填装置は一般的ではなく,車内スペースの小さいT-64やT-72くらいしか採用していなかった.
またイスラエルのタル将軍(メルカバの開発に関わった人)は,戦車の乗員は最低四人必要と考えているので,メルカバでは自動装填にせず4人乗り.

トム・クランシーによるインタビュー
「M1エイブラムス戦車における,各乗員の役割の重要性についてお聞かせ下さい.例えば,装填手は簡単な仕事だから,経験の最も浅い人間にやらせるのでしょうか.」
マクマクター大佐
「いえ,装填手はそう単純な仕事ではありません.戦車内の役割はそれぞれ重要ですが装填手は戦車を管理し,操作方法を学ぶ上で最も適した役職です.
一般的な戦車の昇任は,装填手→運転手→砲手→そして,戦車長になりますので装填手になれば,本格的に車長候補生としての道が開かれてると言っていいでしょう.
例えば,操縦手からは戦車の自動車的側面を学ぶことができます.普段の操縦手は,戦車の走行状態が良好かということに意識を集中していますし
砲手は120mm滑腔砲,7.62mm機関銃(主砲同軸)という火器の管理をしており車長は12.7mm重機関銃の責任者であると共に,乗員の状態を監督しています.
ここで述べたことは,簡略化しすぎていますが,それぞれの仕事は決して硬直化したモノではなく,全体としての一体感を持って乗務員は働いています.」

軍事板,2012/11/02(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 遮蔽物や森があったとしても,警戒している現代の戦車に,人間が近づくことって可能なのですか?
 光学機器や赤外線探知も発達しているので,現代戦車などの説明を読む限り,無理なのではないかと素人目には思うのですが.
 遮蔽物に隠れて待ちぶせしていたところで,5kmくらいの距離でも分かるのではないかと.

 【回答】
 戦車に何故随伴歩兵が必須なのか,その理由を考えてみるといい.
 米陸軍だって市街戦では,戦車に常時歩兵を張り付けてるでしょ.
 常時全周警戒が可能なセンサを持つ戦車が出てきたのって,ごく最近だし,それだって市街地のようなコンクリートジャングルでは,視程が大きく制限される.
 戦車は重装甲で覆われているぶん,死角が多い.
 また,小回りが利くような図体でもないので,散兵に対応するには不向きだ.
 開けたような場所では戦車に近づくのは無理だろうが,市街地では容易に肉薄しえる.
 だからこそ随伴歩兵ってものがある.

軍事板,2012/11/02(金)
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
 回答ありがとうございました.
 センサーだけでは無理なのですか?

 【回答】
 何か誤解してるみたいだけど,電子センサも万能じゃないよ.
光学・赤外線センサは遮蔽物に遮られると,その向こうの物体は探知できないから,敵が建物の影から一瞬だけ顔を出して対戦車兵器を撃つ,なんてことをしてきたら対応できない.
 堅牢な装甲を持つ戦車も,上部と後部の装甲厚は薄いし,エンジングリル上は特に急所と呼べる.
 WW2中でも市街地で,建物の影や上階から爆薬や火炎瓶を投げて,戦車を撃破した事例があったよね.
 あの戦法はまだ現代でも通用する.
(「プライベート・ライアン」でも同様のシーンがあったと思うが)

 だからこそ歩兵と戦車が協同するのが,市街戦(に限らんが)のセオリーになってる.

軍事板,2012/11/02(金)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

396 :system ◆systemUniQ :2012/11/02(金) 09:01:49.47 ID:UzvEbaD9
>>370
自己流ではなく,英語ではbiological weapon(広義)に生体兵器の意味を持たせることは珍しくないのです.

「WHAT'S WRONG WITH USING A DOLPHIN AS AN "ADVANCED BIOLOGICAL WEAPON SYSTEM"」
ttp://www.pbs.org/wgbh/pages/frontline/shows/whales/etc/robarry.html

「Dolphins, referred to by the military as 'Advanced Biological Weapons Systems', have been used by the US military」
ttp://www.animalaid.org.uk/h/n/CAMPAIGNS/experiments/ALL/318/

ただ,日本語には「生体兵器」という適切な用語があるので,英語でどうであれ
日本語で「生物兵器」の広義に「生体兵器」を含めるのは無理があるな,ということで
>>357で訂正させていただきました.

軍事板,2012/11/02(金)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

479 :名無し三等兵:2012/11/03(土) 03:57:38.22 ID:H5tfFEdD
湾岸戦争時に投入されたアメリカ陸軍は何個軍団で何個師団だったんでしょうか?
編成が分かるサイトなどありましたら,教えてください


480 :名無し三等兵:2012/11/03(土) 04:14:20.65 ID:/aEk42Hc
使い物にならないならいっそ無くしてしまえばいいのにと思うんですが

他国の予備役兵は年間どれくらい訓練してるんですかね?


481 :479:2012/11/03(土) 04:38:16.37 ID:H5tfFEdD
書き忘れていました.
フランクス中将麾下の第七軍団麾下の部隊は分かるので,できたらそれ以外でお願いします.


482 :名無し三等兵:2012/11/03(土) 04:40:11.03 ID:???
>>458
船体中央に円錐形の物体が立ってるだろ?
あの中に多目的アンテナが収納されてる.
あとは,船体の横に電波が透過する窓を取り付けたりとかな.


483 :名無し三等兵:2012/11/03(土) 04:43:16.18 ID:???
>>460
迫撃砲の弾道は単純な物理学で求められるし,
そこにさらに風向などを加味すれば発射前からおおよその弾着点は求められる.

射撃後の修正は,射撃前に予想した弾着点からずれがあった場合に
より正確に射撃を行うためにやるもの.
そもそも弾着点にずれが無ければそのまま撃ち続ける.


484 :名無し三等兵:2012/11/03(土) 04:54:49.97 ID:???
>>481
それっぽい単語でぐぐればいくらでも出ると思うんだが
注意が必要だとすれば,米軍は砂漠の嵐作戦に備えて増派されている点と
英軍と仏軍が混ざってる点

めんどくさいので軍団と師団だけ抜き出すと

第18空挺軍団(第82空挺師団,第101空挺師団,第24歩兵師団)
第7軍団(第1機甲師団,第3機甲師団,第1歩兵師団,第1騎兵師団)
第1海兵遠征軍(第1海兵師団,第2海兵師団)

というわけで,3個軍団・7個師団でいいと思う
なお米軍ではないが,英第1機甲師団が第7軍団に,
仏第6軽機甲師団が第18空挺軍団に配属されていた

軍事板,2012/11/03(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 太平洋戦争末期の日本軍機は,何故排気ガスタービンを使うことを目指したのか?
 2段スーパーチャージャーの方がハードル低いように思いますが?
 どなたか教えて下さい.

 【回答】
 まず,スーパーチャージャーとは過給器の事なので,機械式とは限らない.
 排気タービンやターボと一般的に呼ばれるものは,本来は排気ガスタービン駆動式スーパーチャージャーと呼ぶのが正しい.
 過給はタービンが行うのではなくインペラーが行い,それを駆動するのがエンジンならば機械式,排気ガスタービンならばターボと一般的には呼ばれる.
 航空機でターボ過給器搭載の機体も,1段目に機械式スーパーチャージャーが存在するのが普通なので,ターボ過給も2段スーパーチャージャーの1種に過ぎない.

 それに同一エンジンでターボと2段の両方に対応出来たのって,両者の開発時期が随分と違うアリソンV-1710ぐらいでしょ.
 要は出来そうと判断した方に注力しただけかと.

 結論から言うと一応,日本は戦前から研究していた.
 が,機械式過給機よりもパワフルな排気タービンの方に目を向けていた.
 三菱・日立・石川島といったメーカーが排気タービンを研究する中,機械式過給機を研究していたのは中島のみ.
 しかし二段過給機・排気タービンで必要な中間冷却機(インタークーラー)が大きく重く,小型軽量で運動性重視の日本機には不向きと言うことで,あまり熱心に開発されていなかった.

 それでも多々の問題を抱えながらも,1944年の1月に排気タービンを装備したキ46W型の試作一号機が飛んでいる.

軍事板,2012/11/03(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 数年前に,ロシア製の戦車を積載した輸送船が,ソマリア沖で海賊にジャックされて大騒ぎってニュースを見ましたが,仮に現地ゲリラなんかが戦車それ単品だけを分捕ったとして,即,戦車本来の戦力を発揮できるもんなんでしょうか?
 航空機なら管制,艦艇なら航法など後方との情報連携が必要そうですが,戦車は補給や修理以外に必要なものが思い当たりません.
 戦車ってスタンドアローン性の高い兵器なんでしょうか?

 【回答】
 その補給と修理が一番大事なんだけどな,車輌兵器って奴は.
 戦車だけ分捕っても,最初は使えるかもしれんが,すぐに稼働率が落ちて置物になるよ.
 普通の乗用車と同じ,整備技能を持つ人間がいないと壊れたらただの鉄屑と化す.
 部品の問題もあるし.

 あと,戦車にも乗り方や戦い方というものがある.
 どっちも特殊技能で,一朝一夕では身につかん.

 ちなみに共産ゲリラとかだと,宗主国のソ連様から軍事顧問やら技師やらが派遣されてきて,旧東側の兵器についてなら,整備のやり方や戦術なんかを教えてもらってた.
 そういうバックアップもなしに,いきなり戦車「だけ」手に入れても戦力化は難しい.

軍事板,2012/11/03(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 病院船や救難・救急機,衛生兵や軍医を意図的に攻撃した場合,罰則等はありますか?

 【回答】
 戦時国際法違反だから,国際的な批判と,戦後の賠償等の罰則があり得る.

 WWIIの最中に,米国からソ連経由で届いた捕虜向けの救済品を,日本の商船「阿波丸」が輸送することになり,米軍は通行許可を出したが,復路で連絡の手違いから,米軍の潜水艦が阿波丸を沈めるという事件が起きた.
 米国は交戦中であったにも関わらず,公式に謝罪し,艦長を処罰した.

 有名なパネー号事件の時も,過失による国際法違反で,日本がアメリカの商船を沈めたが,日本は公式に謝罪・賠償している.

 戦場のどさくさに紛れて無視される事例も多かったとはいえ,発覚・問題化すれば戦時国際法違反は結構重い.
 ことさらメンツと人道を重視する民主国家群にとって,ハーグ協定違反は国益的に見ても損害が大きすぎるからだ.
 逆にロシアや中国は違反しても,素知らぬ顔をするだろうが.

軍事板,2012/11/03(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 衛生兵って簡単に言うと医者なのですか?
 それとも看護士みたいな感じ?
 歩兵に救命処置もさせれば一石二鳥じゃないのですか?

 【回答】
 看護師みたいな感じです.
 衛生兵が必要なときに衛生兵が生きてるとは限りませんので,全員できたほうがいいんでしょうが,簡単なとはいえ医学教育には時間がかかるので,一般の歩兵にまで救命処置の訓練の時間はとれません.

 一般の歩兵が習得するとしたらBLS程度.
 要するに心臓マッサージとかエピネフィリン皮下注くらい.
 衛生兵はそれに加えて,気道確保等の救命救急士程度のスキルを有する(はず).
 それに加えて創傷の一次治療(止血洗浄消毒)と輸液路確保も出来る(はず).

 そんくらい?,なんて思うなよ.
 下手な看護師に当たると,採血点滴で酷い目に遭うからな.
 上手くなるには,それなりに修練せんとダメ.
 気道確保もきちんとしないと,皮下気腫や食道挿管等で,救命率が悲惨になると言う報告もある.
 ただ「やれる」と,「きちんとやれる」の間には,生死と言う結果であからさまな違いが出るからね.

軍事板,2012/11/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 通常動力潜水艦の建造技術が原潜保有国では廃れていて,アメリカなんか数年前に,台湾が新型潜水艦導入を計画した際に,半世紀も前のバーベル級を改良して新規建造なんて提案してるけど,改バーベル級,という部分がどうも腑に落ちない.
 船殻の製作技術は,原潜建造しているんだから失われているわけがなく,新設計の船殻にバーベル級の動力部を改良新造して搭載するというのは,「改バーベル級」とは呼ばないでしょう.
 で,この「改バーベル級」提案に至った事情として

1: 原潜の船殻と通常動力潜の船殻には,技術的に根本的な差異があって,失われた技術はその差異の部分,したがって機関部をどうしようとも,アメリカはバーベル級の船殻を改良する程度の船殻しか作れなくなっていた

2: 失われた技術は機関部だけど,船殻は機関部に合わせて設計されるから,バーベル級の機関部を改良して採用する時点で,必然的に船殻もバーベル級の改良になった.
 最新型の(例えば日本がそうりゅう級の機関部を,丸ごと輸出に同意したとか)機関を入手できるなら,原潜建造技術を反映した最新の船殻を採用できた

3: 改バーベル級になった技術的問題は,船殻でも機関でもなく別の部分.

4: その他.
 例えば中国を刺激したくないので,表面はボロっぽく見える「改バーベル級」だけど,実際の中身はそうりゅう級とも張り合える最新技術てんこ盛りだとか,予算と手間を渋って使えそうなのを引っ張り出したら,バーベル級しかなかったとか

 このうちどれが一番事実に近いんでしょう?

 【回答】
 1-4まで全部引っかかるさ.

 船殻のサイズが違うから,治具から工程上の注意点も変わる.
 大きいの作れたら小さいの作れる,というわけにはいかない.
 むしろ曲率が小さくなる分,難しくなる点も多い.
 船殻に加わるストレスや装備も変わっているから,実際に動かすと,思わぬ所に負荷がかかるかも知れない.
 その時どこをどう逃げたらいいかというノウハウは失われている.

 機関部は,静粛化やAIPなどのノウハウが殆どない.
 原潜と通常動力,AIPでは機構が全く違うから,静粛化にしても流用できる技術とできない技術がある.
 全体のシステムも電気使い放題,バッテリーは悪い冗談の時にしか使わない前提とは,全く違ってシビアになる.

 それらを結合すると,様々な問題が生じ,その解決にはケースバイケースの知識集積が不可欠になる.

 本気で研究開発に金と時間を投入すればなんとかなるだろうが,そこまですると軍事予算も圧迫されるし,そこまでするか,と中国を刺激することにもなる.
 米の役に立つ技術は蓄積されない.
 羊の皮をかぶった狼みたいな,面白いストーリーは国内的(予算,政治)に無理.

軍事板,2012/11/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

648 :名無し三等兵:2012/11/04(日) 13:45:56.49 ID:???
カスミンが絡むと訳が分からなくなるのは
複数の事例の原因と理由と結果とそこへ至る考察を全部ごった煮にしておきながら
そこから自分が美味しいと思った具材だけピックアップして肴にするからだな
同様の原因を持つ事例で複数の結果が出てるのは対策が複数あったからで
そこに至る思考もまた複数存在する,原因が発生する環境状況もまた事例毎に異なる
これを自分が美味しいと思った考察,思考,結果を判別基準に良否二分するから
一刀両断形式な物言いが増える上,核心を外してぶった切ってる論評が多い

軍事板,2012/11/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 今をときめく日本の10式戦車ですが,ぶっちゃけ海外からの評価ってどんな感じなんでしょうか?

 【回答】
 海外の専門誌の評価は,これから出てくるところだろ.
 10式のまともなミッション映像が公開されて,まだ半年も経って無いんだから.
 一般人の評価が知りたいなら,つべの10式映像のコメントから拾ってくればいい.

軍事板,2012/11/04(日)
青文字:加筆改修部分

 たとえばレオパルトアフガニスタン,ルクレールはコソボやレバノンなどで実戦に晒されています.
 戦車戦こそしていませんが,通常と異なる環境に持ち込んで,実戦の緊張と制限の中で運用されるのは大きな負荷試験.
 日本の戦車は,それ全くありません.

 以上を理解していただいた上で,あえて回答するなら,海外からは無視,あるいは
「よく分からんし,輸出する気もないし,海外に出す気もないなら存在しないのと同じ」
という扱い(つまりは無視)となってます.
 海外の戦車オタなんかは気にすることもあるみたいですが,例えばMilitary Technology誌の2012年6月号「主力戦車・アップデート」特集記事では ,辛うじて名前だけ出してもらえただけ(トルコのALTAYやイランのZULFIQAR,インドのARJUN等と並んで).

 英文Wikipediaでは,
http://en.wikipedia.org/wiki/Type_10

 モジュラー装甲のおかげで,90式より側面装甲はかなり良くなったよ,と書いてるぐらいで,あとは値段の話の方が多かったりして.殆ど無関心,という感じの記事ですね.
 まあ,そんなもん.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/11/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ライフリングが多ければ多いほど,命中精度が上がるのでしょうか?
 狙撃銃の様な精度を求められる銃と,機関銃の様な弾をばら撒く銃とでは,ライフリングの数は変えられているのでしょうか?

 【回答】
 「GUN」プロ誌のターク高野氏によれば,多かろうが少なかろうが大した違いは無いそうな.
 ライフリング2本でテストしても,ちゃんと集弾したとか.
 要は弾丸に規定の回転を与えることがライフリングの目的なので,それさえ果たせれば多寡は関係が無い,と.
 もちろん,バレル自体の精度は重要だけど.

軍事板,2012/11/06(火)
青文字:加筆改修部分

 ライフリングの目的は,ほっておくと重い方を先に(つまりお尻を先に)飛んでいってしまう弾を(重心と空力中心の関係でそうなる),ちゃんと尖った方を先に飛ばして,射程と貫通力を確保するためです.
 想定された射距離内でタンブリング(上記のように前後逆になる)を起こさないだけのスピンを,確実に与えればよいのであって,それ以上は無用です.

 必要十分なスピンを与えるためには,数少なく深いライフリングを使うか,数多く浅いライフリングを使うかになります.
 前者は銃弾の表面を傷め,ライフリングの摩耗も早くなりますから,ライフリング2本(極端には1本)は普通使われません.
 逆に浅くしすぎると食いつきが悪く,ガスの漏出も起きるので,そこそこの深さが必要です.
 適切な深さとそれに合ったライフリング数を確保してあれば,それで十分.
 ライフリングの数が増えれば,摩擦と初速低下が起きるだけなので,それ以上増やすのは逆効果になります.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/11/06(火)
青文字:加筆改修部分

>ライフリングの目的は,ほっておくと重い方を先に(つまりお尻を先に)飛んでいってしまう弾を

 まあ,現実には,ちゃんとお尻を先になんてことはなくて,ぐるぐるでんぐり返ししながら飛んでっちゃうだろうけどな.

軍事板,2012/11/06(火)
青文字:加筆改修部分



** 【反論】
 また極論すな.
 銃の破壊力(貫通量に非ず)はライフリングの良しあしで決まるそうな.
 回転数,ライフル条溝の数,条溝の深さの三点.
 どうやら条溝の数を増やすと威力が増大するそうな.

 まあ,そんな威力が必要なのは猟銃ぐらいで,軍用銃にはいらないのだが.

 【再反論】
 全部間違い!
 破壊力(≠貫通力)=残存運動量」と言いたいのだろうが,この場合,初速,弾頭重量,材質で決まる.
 ライフリングの本数よりも,弾頭重量とピッチの関係の方が重要だよ.

 まずライフリングが何本あろうと,銃口出てしまった弾は,そんなこと憶えてないことを考えてくれ.
 弾が憶えていないことでは威力は増えない.

 弾が憶えてるのは初速とスピンだけだ.
 ライフリングがたくさん必要だとしたら,それは大きなスピンをかける必要があったということ.
 大きなスピンをかける必要があるのは重い弾.
 重さ分,スピン増やしておかないとすぐタンブリングしてしまうからだ.

 重い弾だから威力も増すだろうが,それはライフリングの本数が多かったからでも,スピンが大きいからでもない.
 それはただの結果.

 ちなみに,むやみにスピン増すと,銃身は傷むわ,弾丸は傷むわ,摩擦で初速落ちるわ,強引なスピン掛けと遠心力に耐えるよう弾を強化せないかんわ,ろくなことはない.

軍事板,2012/11/06(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ライフリングの無い時代の銃って,縦に回転してたのか?

 【回答】
 おっしゃるとおりです.
http://firearmshistory.blogspot.jp/2010/05/rifling-history.html
http://firearmshistory.blogspot.jp/2010/06/bullets-conical-expanding-bullets.html

 このサイト,宝.

 ライフリングがない場合,現代の紡錘形の弾を撃つと,弾の頭がふらつきだし,最初はタンブリング,つまりでんぐり返ししながら飛び,最後にはお尻を先にして尖った頭は,後でふらふら揺れながら飛ぶ形で安定します.

 これは弾の受ける抵抗による変化なので,ライフリングを使用し,命中までスピンで安定していても,人体に入ると大きな抵抗を受けて上記の変化が急激に起き,体内で半回転してお尻を先にした状態で停まります(それまでに貫通しない,弾が分解しないとした場合).
 この場合,抵抗が大きいので,でんぐり返しを続けることは出来ず,最初の半回転で速度を失って停まってしまいます.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/11/06(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 30-06口径だと口径は7.62mmだから,決して大きいとは言えないし,無煙火薬第一世代なので,後の308Win(NATO弾)に比べると12mmも長い割に威力では負けてたりする

 【回答】

 間違い.

 30-06の銃口エネルギー:3800〜4000J
 7.62NATOの銃口エネルギー:2500〜2600J

 おまけに弾重が
30-06:10〜14g
7.62mmNATO:10〜11g
なので,同口径であることを考えると,30-06の重い弾を使うと,長射程では7.62mmNATOとの差はさらに拡大する.
 すげぇ弾だよ,30-06.
 ただし全自動射撃は全くダメだ.
 だから軍用的には過去の弾になってる.

軍事板,2012/11/06(火)
青文字:加筆改修部分


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