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 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※荒れているため,レス回収基準は「Ver.7」


●初心者歓迎 スレ立てる前に此処で質問を 760

目次


** 【質問】
 ホロコーストの強制連行で毒ガス室以外で死亡した人達,つまり強制労働や劣悪な環境で野垂れ死にしたユダヤ人達には,大虐殺という言葉を当てはめるべきではないの?

 【回答】
 「虐殺」は明確には定義できないため,質問のような事例が虐殺に該当するかどうかも,定義することはできない.
 しかし,第二次大戦におけるナチスによるユダヤ人の強制労働や強制収容が,明らかにユダヤ人を生かしておくつもりがない姿勢の下にあったことから,ホロコースト研究者の殆ど全てが,強制収容や強制労働に起因する死者を,ホロコーストによる死者の内に勘定している.


 また,ニュルンベルク裁判における国際軍事裁判所条例第6条b項は,
「占領地所属あるいは占領地内の一般人民の殺害,虐待,奴隷労働その他の目的のための移送,俘虜または海上における人民の殺害あるいは虐待,人質の殺害,公私の財産の略奪,都市町村の恣意的な破壊または軍事的必要により正当化されない荒廃化」
を,戦争犯罪であると定義している.
 当方の知る限り,第2次大戦後に発生した紛争に関する国際戦犯法廷においても,この戦争犯罪の定義は踏襲されている.


 特に大戦前期のユダヤ人収容は,最終的には僻地への追放を考えていたため,迫害や虐待によって命を失うことはあったが,決して積極的に殺そうという意図で収容されていたわけではない.
 漠然と,追放するときに適当に人数減ってたら楽だな,という程度だった.

 1933年にヒトラーが政権を獲ったとき,ナチスには,ユダヤ人に対してどういう措置を講じようかという総体的な計画はなかった.
 しかし,1933年から36年の間に決定された諸々の措置は,一連の具体的なゴールを目指していた.
 すなわち,ドイツ国民一般の生活からの,ユダヤ人の排除,周囲の社会と彼らとの職業的・社会的な絆の段階的断絶,彼らの政治的諸権利の抹消,「アーリア人」たるドイツ人からの生物学的分離などである.

 ユダヤ人の完全な国外移住――必要であれば追放――の優先が,明確に公式化されたのは1936.9.29の,内務次官ヴィルヘルム・シュトゥッカートが召集した,内務省・経済省・総統代理局の高官達による会議でのことであった.
 しかし1939.9.1のポーランド侵攻までに,ドイツがヨーロッパ各国政府や政府間避難委員会との間で交渉が行われていた,ユダヤ人の大規模避難計画は,何も実行されていなかった.

 ヒトラーが初めてユダヤ人の絶滅に関して言及したのは,ポーランド戦よりも前の1939.1.30で,
「もしヨーロッパ内外の国際的ユダヤ資本が,再度諸国民を世界戦争に引き込むことに成功したならば,その結果は世界のボリシェヴィキ化とユダヤ人の勝利ではなく,全ヨーロッパのユダヤ人種の絶滅となるであろう」
という脅迫めいた警告だった.
 「ユダヤ人移送→強制労働をさせる者の選抜→残りのユダヤ人の殺害」のシステムが完成するのは,1942年7月からだが,虐殺自体はポーランド占領直後から,アインザッツグルッペン(行動部隊)などによって既に始まっていた.
 それは全員を殺害する意図ではなかったが,1939〜40年のドイツの領土計画は,生活条件が移送者にとっては耐えられないほどであり,殺害への傾向を示すものであったことも否定できない.

 強制労働は占領直後のポーランドで始まり,ユダヤ人のほか,戦争捕虜,ドイツ国内での労働に徴募された外国人,ソ連のドイツ軍占領地域から強制移送された者,強制収容所の囚人(障害者・共産主義者・政治犯など)が働かされた.
 彼らは微罪でも重罰を科せられ,移動の自由もなかった.
 ポーランド人労働者の10%が強制労働で死亡.
 ロシア人やウクライナ人の死亡率は,さらに高かったと推測される.
 しかし最も過酷に扱われたのは,やはりユダヤ人であり,たとえば1940年夏に新設された,ルブリン,ラドム,クラクフなどの収容所では,拷問,飢え,医療欠如により,短期間で殆どの囚人が死亡した.
 また,1940〜41年には,ベルリン=ポズナン間の高速道路建設のため,約1万2000人のユダヤ人がウーチ・ゲットーから強制移送されてきて働かされ,やはりその殆どが死亡している.

 これが大戦中盤以降,占領地の獲得によってユダヤ人の追放エリアを確保することが不可能と判断されると,今度は本当に,積極的に殺害していく意図でガス室などが作られていった.
 大戦中盤以降,占領地の獲得によってユダヤ人の追放エリアを確保すること――占領したソ連領域を,最終追放地と考えていたようである――が不可能と判断されると,既に各地で行われていたユダヤ人虐殺が,次第に全ユダヤ人を殺害するプログラムへと,一歩一歩拡大されていった.
 1942年初めには,「労働による殲滅」政策が,「最終解決」の一部を構成するものとして実施されるようになった.
 7月には上述の,「ユダヤ人移送→強制労働をさせる者の選抜→残りのユダヤ人の殺害」のシステムが完成.
 9月には,ユダヤ人以外にも「労働による殲滅」政策が拡大され,ジプシー,3年以上の入獄を宣告されていたロシア人・ウクライナ人・ポーランド人,8年以上の入獄を宣告されていたチェコ人・ドイツ人にも適用されることになった.
 「労働による殲滅」原則の枠組みの中で労働させられたこれらの人々は,特別なカテゴリーに入れられ,その扱いは,他の強制労働の囚人たちとは異なっていた.


 ユダヤ人の殺害は,大戦前期と後期で明らかに性格が異なる.
 虐殺と呼べるのは,後期に入り,能動的に殺戮を開始して以降の話だ.

 ユダヤ人の殺害は,1933年から1945年までの様々な期間,様々な地域において,様々に性格が異なる.

 【参考ページ】
ウォルター・ラカー『ホロコースト大事典』(柏書房,2003), p.176-179, 201, 223-236, 376-386

軍事板,2012/09/13(木)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

117 名前:名無し三等兵 :2012/09/14(金) 16:35:01.02 ID:FG4hWXgL
自衛隊は韓国軍には勝てないと聞きました.
ネットで見た情報では,韓国の戦闘機は日本の戦闘機の新型で空戦では相手にならず
韓国のイージス艦と日本のイージス艦が一対一で戦闘したらほぼ100%日本が負け
陸ではそもそもの戦力が桁違いなうえに韓国の最新戦車に日本の戦車は歯が立たないそうです.

こんな状況で大丈夫なんですか?
米国は韓国の同盟国でもありますから有事の際は味方してくれないですよね?
一体5兆円もの防衛費を何に使ってるんですか?


118 名前:名無し三等兵 :2012/09/14(金) 16:41:00.44 ID:???
>>117
普通,それとは真逆のことが書かれていると思うのだが,いったいどこ情報なのか明記されたし


119 名前:名無し三等兵 :2012/09/14(金) 16:41:32.26 ID:???
勝てない勝てないと言って
軍備を高騰させようというやり方は
かなり古代からありました

121 名前:名無し三等兵 :2012/09/14(金) 16:50:33.90 ID:???
>>117
韓国の最新戦車は基本中の基本のエンジンとギアボックスがダメダメで試作段階を抜け出せないでいる
代替案として欧州産のパワーパックを採用する方針を打ち出したものの,その交渉は全く行われた
気配がなくmく,量産に以降することはできないんじゃないかな

イージス艦については1対1での戦闘はありえないので個艦の戦闘力を比較しても意味はない
もっとも,おれには日本のが戦闘力は上に見える
韓国の戦闘機は合わせて60機ほどのKF-16とF-15K以外は平均年齢が30歳オーバーだ(KF-16初期
量産型含む)
日本も偉そうなことはいえないが韓国では老朽化に起因する戦闘機の墜落事故が頻発していて
交戦空域まで無事に到着できるのか,まずそこが心配だ

アメリカはオバマが韓国びいき,クリントンの一貫した反日姿勢は有名だが,韓国では「アメリカは
決定的なところでは常に日本を支持して韓国を見捨てる」と警戒している
おれが米の政治家でどっちかを選ばなければいけないなら日本を選ぶなw

128 名前:名無し三等兵 :2012/09/14(金) 18:21:57.20 ID:???
>>117
つか,一世紀の伝統とノウハウを持ち,
かつて米海軍とガチで殴り合った日本の海軍戦力と
沿岸海軍の域を抜け出せてない韓国とでは
比較対象にすらならない.

海自とガチで殴り合って勝てるのって米海軍と露助海軍ぐらいじゃね?

あと,10式戦車は現在のところ,世界最高性能の戦車です
(出現時期が一番新しいんだから当然だが,戦闘機でいえばF22みたいなもん)

軍事板,2012/09/14(金)
青文字:加筆改修部分



** 【反論】
 【再反論】

130 名前:名無し三等兵 :2012/09/14(金) 19:44:18.88 ID:???
ノウハウなんてないからw
70年前の現代戦争とは一切異なる戦のノウハウ(笑)

頭おかしいんじゃねーの 時代錯誤のおバカさん


131 名前:名無し三等兵 :2012/09/14(金) 20:04:12.54 ID:???
>>130
そういうことを本気で言ってるから平和ボケと言われるのだよw
帝国海軍以来の伝統を受け継ぎ,アメリカ流近代戦術を身に付けた海自など
世界でも最強の一角とみなされている

そういうノウハウは例えば艦隊運動や戦術動作に如実に表れるものでな
海自やアメリカ海軍が時折り見せる小さな半径での輪型陣など,諸外国にはとても真似できないものとして知られている
そういう肌すりあわせるような密集隊形での戦術運動をこなせるってのは,おそろしく訓練が行き届いてる証明でな
それができる海軍は超一流の練度と戦闘能力の証明と世界ではみなされているのだよ


132 名前:名無し三等兵 :2012/09/14(金) 20:08:10.49 ID:???
>>130
海軍の運用は地道なノウハウの積み重ねで,一朝一夕でできるものじゃないことは
常識だと思ってたけど.
例えば潜水艦の運用に関しては海洋データの活用や雑音を出さない工夫とか.
海自は海軍消滅後10年の空白を経て潜水艦の運用を再開し,現在では世界でも
トップクラスの実力を持つとされるが,韓国海軍の中型潜水艦導入は1993年で
その運用が軌道に乗ったのはごく最近に過ぎない.

136 名前:名無し三等兵 :2012/09/14(金) 20:22:35.57 ID:???
>>130
総突っ込み受けててワラタw

軍艦に限らず船舶の運用は専門知識が求められる難しい仕事だし,
戦後すぐ警察予備隊が設立されたときも,
海だけは素人じゃどーしようもないの旧海軍の人間を大量に雇い入れたのは
有名な話だろうが.

あとねー,軍事組織の練度ってその組織の歴史が
如実に影響されるんだわ.
歴史が長い組織ほど膨大なノウハウ,戦史を積み重ねてるから
練度が高い傾向にある.
海軍は言わずもがなだな.

軍事板,2012/09/14(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 普段自分達は,より区別するために,兵器の名前にメーカー名まで含めて呼称することがありますが,実際に制式名称を兵器に名付ける際にも,メーカー名まで含めるのでしょうか?
 例えばイタリアの拳銃M1934なら「Beretta M1934」,イギリスの戦闘機ハリケーンMk.Iなら「Hawker Hurricane Mk.I」など.
 コルトM1911A1は確かコルトまで入っていたような・・・

 【回答】
 銃器も航空機も殆どの物は,兵器名の前にメーカー名を付けない.
 ベレッタM1934も制式名称にベレッタは入ってない.
 ホーカーハリケーンも,わざわざホーカーまでは入れてない.
 特に銃器の場合は,ただでも名前が長い.
 M1ガーランドだって正確には「U.S.Rifle Cal.30.Model 1」だし,PPSh41に至っては「7,62-мм пистолет-пулемёт образца 1941 года системы Шпагина」.
 メーカー名が入る余地はない.
 まあ,PPSh41は民間企業が開発したわけではないけどね.

 また,開発メーカーと製造メーカーが異なる場合もあるから,たいていは制式番号/制式名にはメーカー名はつかないことが多い.

 もっとも,例えば保式(ホッチキス=オチキス)機関砲のように,メーカー名だけの場合もある.

軍事板,2012/09/15(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 BARに30発マガジンが無いのはなぜですか?
 あと,トンプソンの30発マガジンが20発マガジンに比べ,出回りが少なかったのはなぜですか?
 諸外国では30発程度が主流でしたよね?

 【回答】
・弾倉が下についてるから長いと邪魔になる
・フルサイズ小銃弾なので重い.
 64式を初め7.62mm世代の自動小銃も,20発入りが普通だった.
 BAR自身がかなり重い銃で,米兵でも体格がいい兵しか使いこなせなかった.

 あと,BARは軽機関銃じゃないので,銃身交換機能なんかが無いから,持続射撃が苦手.
 だから,大量に弾薬を入れるメリットがあまりない.

 これらの問題をあえて無視した,男らしい分隊支援火器として,ロシアのRPK-74があるので,どんな外見か画像検索をかけてみよう.

モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2012/09/15(土)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

267 名前:system ◆systemUniQ :2012/09/15(土) 22:59:24.58 ID:AUvn/MDC
>>260
質問者はIDを出してくださいね(sageにしない.メール欄を空欄にしておく).

特殊な対物ライフル以外の狙撃銃は連射機能がある.
一発目が当たるとは限らないから,当然連射する必要がある.

ドラグノフに全自動射撃能力はない

半自動射撃能力を持つ狙撃銃はごく普通に使われている
ボルトアクションより第2弾を素早くフォローできるから
ボルトアクションの狙撃銃もある.

軍事板,2012/09/15(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 夜間の監視に暗視装置を使いたいのですが,
・8時間ほどの連続使用
・山の中で,光源は月明かりや星明り程度
・動き回ることはしない
・電源は無い
・二十メートル程度の距離で,動く人間がいるかどうかを確実に判別できればよい
といった条件では,どのような選択肢があるでしょうか?
 また,二人で交代して見張りをする予定なのですが,長時間連続使用しても眼に害などはありませんか?
 日本で手に入るもので,できるだけ安価である方が望ましいです.

 【回答】
 長時間連続使用によって,目に永続的な害が及ぶことはありません.
 ブルーミング(過剰な光線で飽和する状態)であっても,目を離せば(当然まぶしいので目を離しますが)全く問題ありません.
 そのまま見続けても,大したことないような気がするし.

 ちなみに眼科専門医です.
 暗視眼鏡使って毎日8時間以上,何年も暗室作業をやってた患者さんも持ってます.
 むしろ暗視装置の重量や圧迫が問題.

 日本で一般人の手に入るのは,第2世代までとかではなかったかな.
 制限があるので.
 そのような目的であれば,視野(の広さ)と見やすさ優先でしょ.
 スポッティングスコープタイプ(据え置き小型望遠鏡タイプ)や双眼鏡タイプ,双眼鏡タイプでも三脚対応してるのが便利でしょう.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/09/15(土)
青文字:加筆改修部分

 【反論】
 米軍では70年代から,暗視装置の長時間使用による目と脳の障害が疑われていて,最近の研究でそれが立証されつつある.
 暗室作業と暗視装置を使う作業は,根本的に違う.

 鍛えられたデルタの隊員の書いた本では,暗視装置は2時間ぐらい使うと目が疲労しちゃって,それ以上見てられないそうだ.

 演習で暗視眼鏡,何度か使った事あるが,歩哨でも一時間も使うと,眼球の裏の辺りが痛くなってきた.
 まして装着したまま車の,運転でもしようものなら,30分と保たずに気持ち悪くなる.

 けど,アレ付けて星空見てると,流れ星がやたら多く見れて綺麗だったな…

軍事板,2012/09/15(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 IFVに大口径機関砲が搭載されているのは,戦車砲が搭載出来ないための代替措置ですか?
 もし,IFVの車体や価格などの条件が許せば,大口径機関砲ではなく,105mmなどの戦車砲を積んだほうがいいですか?

 【回答】
 人間が載るスペースがなくなる.
 実際に,IFVベースの車体に戦車砲を積んだ軽戦車が作られたことはあるが,戦車として使えないので売れなかった.
 構造的に近いのは,ロシアや中国の使ってる水陸両用(軽)戦車.

 西側諸国ではもっと割り切って,
装輪車輌に105mmクラスの砲を積だもの(チェンタウロとかストライカーMGS).
より小型だが機動力だけはある,豆戦車的なもの(ヴィーゼルやスコーピオン)
なんかが,同じようなニッチにある.
 これらは戦車と正面から戦えるものではなく,主に火力支援に使用される.

モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2012/09/17(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 イギリスのSASドキュメンタリーで,衛生訓練で被弾者に止血等の応急処置したあとに点滴してたんだけど,そんな余裕あるの?
 どう考えても時間的余裕ないと思うんだけど.
 あと,その点滴はどんな効果があるのか知りたい.

 【回答】
 点滴には技術が要る.
 点滴できないと死ぬことがある.
 だから訓練時に点滴するのは当然.
 救急でも普通に必要.
 実戦なら,そのレベルの負傷者は戦線復帰できないから,死なないようにがんばるのが当然.
 そのうち復帰できるようになるから.
 簡単な止血で戦線復帰できるような負傷なら,最初から止血なんか(ほとんど)要らんよ.

 点滴は循環血流量の維持,電解質バランスの維持,ついでに抗生物質もぶち込む,蛋白類も放り込む,そしてなによりいつでも薬品を即時効果発揮させるためのチャンネル確保.
 本気で死にかけると,点滴取るにも血管がgdgdになるので.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/09/17(月)
青文字:加筆改修部分

 大体合ってるんだが一寸修正.

>本気で死にかけると点滴取るにも血管がgdgdになるので

 そう言う時は大血管(内頸静脈や大腿静脈)を確保する.
 もちろんそう言った大血管を確保するには,それなりの修練が必要.
 たまに静脈と思ったら動脈だったでござる,なんて時もあるが,生き死にの修羅場でそんなこと気にしてはいけない.

>蛋白類も放り込む

 今は膠質液(タンパク溶液を含む)と晶質液(電解質のみ)との差は,急性期ではないとされている.
 なので腐り易い膠質液を前線に運ぶのはメンドイので,晶質液の方が好まれると思うけどね.
 あと,タンパク溶液はアレルギーのリスクがあるので,やっぱり好まれない.
 アルブミンなんかあれば便利だが,冷蔵庫がないとダメだし,凍結乾燥したとしても,戻すのがメンドそう.
 まあ,ああ言った修羅場では生理食塩水か,half salineがいいんでねかな.
 膠質液より安いし.

軍事板,2012/09/17(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 F-15Eのコンフォーマルタンクって,空中投棄できないよな?
 これをもし無理矢理空中で投棄したら,どうなるんだ?

 【回答】
 戦闘機がタンクを捨てる,爆弾を落とす,ミサイルを撃つというのは,非常に面倒な設計と,様々な飛行エンベローブでの検証の果てに獲得される機能である.
 アメリカ製戦闘機の開発にくらべて,国産のFSが妙にテンポが早かったのは,使っている兵装やタンクの種類が,米軍より極端に少ないからでもある.
 現実問題として.
http://www.ausairpower.net/USAF/F-15E-020807-F-1789V-001.jpg
こんだけの寸法のあるものを,他のパイロンの搭載物や機体に干渉しない正しい方向に,正しい速度で分離するのに「火薬でボン」というのはまず無理.
 機体側に相当頑丈なマニピュレータでも装備して,空気抵抗にも重量にも負けずに,機体から安全な距離まで離せるならば可能性はあるけど,そのときは何のためにCFT付けて,捨てるのかが分からなくなるくらいに機体側を改造して,重量がむちゃくちゃ増えることになる.

軍事板,2012/09/18(火)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

569 名前:system ◆systemUniQ :2012/09/18(火) 10:42:27.11 ID:Pj+IPHmu
>>539
 開発当初は当然成績悪いが,最近はもっと良い成績になっているし,実戦に近い状況でのテストも成功している.
 2発に一発しか当たらないかも知れないが,2発撃てば75%,3発で迎撃すれば,90%近い撃墜率になる.
 中国原潜の地上攻撃能力は,核を使わない限り限定的.

 そして核を使用した場合,アメリカが手出しをしないで居るとパクスアメリカーナ体制が崩壊し,みんな一斉に核兵器開発に手を出すことになるから(もちろん米の影響力は激減する),アメリカも核を使う可能性が高い.
 少なくとも中国は,そう考えざるを得ない.

 中国が本気を出して,核を全部日本に撃ち込んだら大変なことになるが,中国はもっと大変なことになるということ.
 そして今の中国で混乱が起きれば,暴動ブームに乗じて共産党政府自体が危うくなるわけで,権力者は自分の首を絞めるようなバカはしません.
 もちろん,可能性を言い出せば何でもありなので,そんな未来の分岐もあり得るだろうが.

軍事板,2012/09/18(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 近年の戦車は,自身の主砲の砲弾を防げるほどの前面装甲を持っているというのが当たり前(あるいはカタログスペック)となっているようですが,この自身の主砲の砲弾を防げる戦車というのは,どの時期の戦車から,そういう設計が一般的となったのでしょうか?

 【回答】
 最初期の戦車は純粋な塹壕突破兵器だったので,小銃弾に耐えれるのみだった.
 第二次大戦ごろになると,戦車は同クラスの戦車と対戦車戦闘を意識して,装甲を厚くするようになった.
 とはいえ,水上の軍艦と異なり,陸上の戦車には重量の制約が重くのしかかる.
 同クラスの砲に耐えられるのは,正面装甲のみが限界だった.
 陣地突破時に全周から攻撃されるんじゃないかという不安から,正面装甲以外に割り振る戦車もけっこうあったが,機動力などが犠牲なり,成果が芳しくなかった.
(チャーチルみたいな重戦車は,最初期の戦車の正当進化形といえるだろう)

 そして戦後には主力戦車と言う今日僕らが知る戦車の形に集約され,落ち着いた.
 なお,初志貫徹で陸上戦艦を目指した,多砲塔戦車というものもあったが,無残な失敗に終わった.

 なお,抑えておくべきことがらとして,戦後第二世代は同クラスの主砲に耐えられない.
 装甲厚を増やすだけでは戦車砲弾,それどころか歩兵・砲兵のHEAT弾に耐えるも困難だった.
 複合装甲というパラダイムシフトが起きるまで,防御の不足を火力と機動力で補うしかなかった.

モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2012/09/18(火)
青文字:加筆改修部分

 戦後第2世代のレオパルト1やT-62あたりまでは,攻撃過剰で装甲は耐えれないとされていた.
 しかし1960年代末期にT-64が出現して,改良型実用型に複合装甲が採用されると,HEATに対抗できるようになり,第3世代戦車(レオ2とか)の複合装甲が拘束セラミックなどで改良されてくると,APFSDSにもなんとか対抗できるようになってきた.

 しかし第3世代でも,初期のM1やレオ2の装甲は拘束セラミックではないとされるているので,1980年代末期の冷戦終結のあたりではないかと推測されている.
(装甲材質については機密が多い為)

軍事板,2012/09/18(火)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

746 名前:名無し三等兵 :2012/09/19(水) 16:42:50.89 ID:MH16WGr4
●装軌式のデメリット

生産・維持コストが大きくなる.
重量制限が装輪式に比べて装軌式車体は厳しい.

●装輪式のデメリット

コストが安い替わりに不整地走破能力が低い.
しかし,道路整備の行き届いた国またはその様な国に限定しての使用であれば,不整地突破能力の低さは目をつむりやすいので装輪式が採用されやすい.


日本に限定しての使用であれば装輪式のほうがよくないですか?
もし,10式を装輪式で作っていたら90式と同等の規模の砲塔を乗せられたと思いますが・・・


747 名前:名無し三等兵 :2012/09/19(水) 16:44:35.14 ID:???
日本にどれだけ不整地があるか知ってる?
てか日本にどれだけ平地があるか知ってる?


748 名前:名無し三等兵 :2012/09/19(水) 16:45:50.06 ID:???
>>746
日本の国土の七割は山岳地帯ですが何か?


749 名前:名無し三等兵 :2012/09/19(水) 16:56:24.59 ID:???
>>746
一応装輪式でも120mm砲とかのるけど
射撃プラットフォームとしては装軌式に劣るのよ


750 名前:名無し三等兵 :2012/09/19(水) 16:59:25.28 ID:???
戦車の相手は誰がするんだよ
ただでさえ陸自は数が冗談みたいに少ないのに


751 名前:モッティ ◆uSDglizB3o :2012/09/19(水) 17:23:09.88 ID:???
>>746
重量制限は厳しいのは装輪の方だ
装輪で戦車のような射撃精度や防御力をもたせることは物理的に困難
現時点の技術で10式や90式に匹敵する能力を持たせることは不可能
ましてや,戦場は不整地を走破する能力その物が重要で
道路上でしか満足に行動できないAFVの価値が低い


752 名前:名無し三等兵 :2012/09/19(水) 17:25:54.82 ID:???
路面を走れるかどうかって意味だろ>重量制限

まさか車輪のほうが無限軌道より重いもの乗せられるとは思ってないだろ


753 名前:名無し三等兵 :2012/09/19(水) 17:27:15.18 ID:???
>>726
はい間違い.F-15のセンタータンク装着時の8G制限はデモ飛行時など空の状態での事.燃料が入ってる場合の制限は満載時制限の5Gが適応される.


754 名前:system ◆systemUniQ :2012/09/19(水) 17:32:22.31 ID:RWLIQ1p8
>>746
>>747-752 モッティ氏に蛇足

装輪は接地面積が装軌より小さい.結果,接地圧が大きくなり,不整地,泥地などでは行動不能に陥る.
これをカバーするために車輪数,車輪幅,車輪径を大きくすると大型化して車高が高くなり,乗り降りも
メンテも大変になり,狭いとこにも入れなくなる.しかも重量が増えるので接地圧はあまり低くならない.
ただでさえ大きな旋回半径がさらに大きくもなる.

そこで軽量化するのが世界のたしなみだが,代償として同じ兵装,能力なら装甲が薄くなる.
軽量化は兵器の発射プラットフォームとしての安定性も損なう.10式のようなスラローム射撃なんかしたら
車輌全体がふらふらしていくら優秀な火器管制装置でもカバーできないだろう.

軍事板,2012/09/19(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 スペインの仮想敵国はどこですか?

 【回答】
 NATOの一員として想定される仮想敵国.
 以前は筆頭,今もかなり優先順位が高いだろう旧ソ連とワルシャワ条約機構諸国.
 NATOは国ごとに一定の役割を分担させ,総合力で立ち向かうやり方なので,東欧諸国から遠く離れたスペインもまた,ワルシャワ条約機構を筆頭の仮想敵にあげていた.
 現在もNATOの仮想敵はすなわちスペインの仮想敵,という構図自体は変わらない.

 そしてもちろん,スペイン独自の仮想敵もいる.
 国境を隣接するポルトガルやフランス,ジブラルタルを制するイギリスは友好国であると同時に当然仮想敵でもある.
 これは外交の大原則で,隣国というのはもっとも有力な仮想敵でもある.
 それを承知の上で,笑顔で付き合うのが大人の外交というもの.

 もちろんNATOの同胞であるこれら諸国を,具体的に仮想敵とした訓練やシミュレーションは行っているはずだが,それこそ外交上の配慮もあるし,変に政治問題化しても困るので,その内実が表に出ることはまずないだろう.
 つまり,俺らが詳細を知る可能性は,ゼロに等しい.
 お互いに「やってて当然」なので,敢えて突っ込む必要もないし,下手に突っ込めば藪蛇でもあるしで,その辺を追及したりしないのも紳士の嗜みというやつだ(笑

軍事板,2012/09/20(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 潜水艦から特殊部隊投入能力ある国は何ヶ国ありますか?
 アメリカだけ知ってます.
 また,アメリカの投入方法はSDVを用いますが,他国はどのような方法で投入するんですか?

 【回答】
 SDVみたいな超豪華な装備を持ってるのって,米国だけだよ.
 それ以外の国は,潜水艦に特殊部隊の人間を乗せて,浮上した後ゴムボートもしくは最寄りの艦に拾わせて投入する.
 帰還時は上記の逆.
 そして,浮上してゴムボート出すってだけなら,潜水艦を運用してる国ならどこでも可能.
 目標沿岸まで潜水艦を進出させ,浮上できるか?ってのは,相手の警戒能力・態勢次第だし,それは経空進入でも同条件.

 上記の方法は,特殊部隊の投入時に母艦が浮上しないといけないのがリスキー.
 米海軍とSEALsはそれを嫌って,SDV一式を開発した.
(米海軍の潜水艦母艦って高価な原潜だから,さもありなんだが)

 敵探知網が濃密で潜水艦浮上が危険な場合は,沿岸から離れた沖合に浮上して,漁船とかと落ち合って,特殊部隊の人間を拾わせることもある.
 それでも潜水艦の浮上がリスキーな事実は変わらんが,沿岸で浮上せずに済むなら,それに越したことはない.

軍事板,2012/09/20(木)
青文字:加筆改修部分

 【反論】
 魚雷発射管から出ていく方式のものは,米以外にもあったはず.
 魚雷的なものに人が入って,動力で操縦して動かす方式のとか,別々に艦外に出て跨って行くのとか.
(一年以内のMilitary Technologies誌で読んで,pdf化したと思ってたんだが,まだ手元に返ってきてないのか,さぼっちまったのか,資料が出てこない…)

 魚雷に詰め込み式の開発国は確かドイツ.
 モジュラー形式で2人詰めとかもできますって,イラストがありました.
 現在開発中.
http://maschinenbau.gabler-luebeck.de/en/entwicklungen/uwshsdv/index.html

 フランスの退役潜水艦,アゴスタ級にも潜水兵輸送用の水中ボート(SDV, Swimmer Delivery Vehicle)がセールの後に艦外搭載されており,
http://www.military-today.com/navy/agosta_class.htm
 確か魚雷発射管から泳ぎ出た潜水兵が,これに乗り込んで出発!だったと思うのだけれど,確信がない.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/09/20(木)
青文字:加筆改修部分


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