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青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※荒れ過ぎにつき,レス回収基準は「Ver.8」


●初心者歓迎 スレ立てる前に此処で質問を 739

目次


** 【質問】
 あまりにも負担が大きくなった場合,捕虜は殺害しても良いんでしょうか?
 適当に裁判して死刑ってことで葬れば,無問題ですか?

 【回答】
 その国の国内法と,場合によっては軍法,またどのような国際条約を批准しているかによります.
 また,国内法や軍法が,
「邪魔な捕虜はぶっ転がしてOK」
となっていても,あるいは国際条約を批准していなくても,事後に「人道的責任」を追求され,有罪とされる可能性も十分あります.
 また,裁判過程が正当でなければ,どの場合も問題になるでしょう.

 圧勝し,戦後も絶大な国力を誇っていれば,ほとんどの問題はなかったことになりますが,これまた,のちに国内から反対派が出現して,政争なんかにからんで叩かれる可能性大です.

 確実に無問題にするには,まったくなかったことにするしかないでしょう.
 捕虜の移動,収容記録も収容施設の運営記録も,担当部隊,責任者も,もちろん死体も遺品も,なにも存在しなければ問題にしようがありません.
 それらを抹消した者も存在しない方がよろしいですね.

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/02/29(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 『エネミーライン』を見て,ふと気になったんですが,戦闘機の射出座席の動力源は,戦闘機の発電機から引いてるのでしょうか?
 それとも座席自体にバッテリーを内蔵して,システムを機体から独立させてるのでしょうか?

 【回答】
 米空軍の射出座席として最も一般的なACESIIだと,システムは機体から完全に独立していて,その電源は射出時に活性化する,2個の熱電池でまかなうんだそうな.

軍事板,2012/03/01(木)
青文字:加筆改修部分

 足しますと・・・

 射出ハンドルを引くと,射出開始装置(ejection seat initiators.2つ同時に作動し,どちらか一つだけでも射出過程が起動する)が,火薬仕掛けで作動し,射出ロケットに点火すると共に,これによって熱電池が発火.
 後のパラシュート射出や環境測定,射出モード決定などに必要な電流を,電子回路等に供給します.

 つまり火薬と機械仕掛けで作動し,後に必要となる電気は,休眠状態の内蔵熱電池に蓄えられています.
 従って,安全装置さえ解除してしまえば,地上に置いたシート単体を射出することも可能な理屈です.

 射出座席についてよくまとまったサイトは
http://www.ejectionsite.com/

 ですが,射出の初期過程については,こっちの方がわかりやすいかも.
http://www.ejectorseats.co.uk/martin%20baker%20sju5a.html

system ◆systemUniQ :軍事板,2012/03/01(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 現在の105mm榴弾砲について.

 自衛隊では,かつて105mm榴弾砲が使われていた任務は,今は120mm迫撃砲か155mm榴弾砲によって行われているようです.
 空挺特科が120mm迫に,野戦特科が155mm砲に.
 確かに120mm迫と155mm砲があれば,105mm砲は無用に思えます.

 一方,105mm砲を世代交代させつつ使用している国も多いです.
 重迫と155mm砲の組み合わせでは不具合があるようです.

 この両者の違いは,どの様な考え方の違いによって生じる物でしょうか?

 また,自衛隊のように重迫と155mm砲があるので,105mm砲は使わないという軍は,他国でもありますか?

 【回答】
 現在の105mm榴弾砲は,ヘリとかで迅速展開を期待されたりする軽量砲の扱い.
 迫撃砲より射程は長く,威力もある.
 欧米等先進国でも運用されてるよ.

軍事板,2012/03/03(土)
青文字:加筆改修部分

 自走砲なら大抵150mm以上に統一されてるけど,牽引砲の話だよね.
 105mmの軽便さは大切なので,革新的な軽量砲でも登場しないかぎり,統一はされないだろう.
 砲兵の展開してる動画とか見てみてほしいけど,あれ,大掛かりな重労働だよ.

 155mm以上は重砲というやつで,展開が大変.
 105mmは軽便な野砲というべき存在で,その物が軽い上に,軽車両で牽引したり,ヘリで吊ったりすることが出きるので,柔軟に場所を移動できる.
 兵器って,必要なときに必要な場所にいないと意味が無いのよ.
 重砲だけでは前線部隊の移動についていけなくて,必要なときに火力を提供できない.
 迫撃砲はあくまで歩兵直協用で,射程や精度が劣る.
 対砲兵戦となると,榴弾砲にアウトレンジから一方的にボコられる.

 自衛隊は専守防衛,火力重視のドクトリンに加えて,予算と装備定数の制約から,装備の種類を絞っているといって良いだろう.
 一般の旅団はあまり機動しないと想定されているので,155mmFHが支援し,機動反撃用の部隊には自走砲を当てている.
 で,ヘリ旅団や空挺特科向けの軽量火砲は,優先度が低いため,重迫で我慢させられている.
 155mmFHは大きすぎ,重すぎで空輸に向いてない.
 無理やりチヌークで吊れなくはないけど,危ないよな.

モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2012/03/03(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 特殊部隊って普段,どんな訓練をしているんでしょうか?
 一般の陸軍兵士に混じって訓練をしているんですか?

 【回答】
 色々.
 SASだとキリングハウスは有名.
 銃火器や体術に重点が置かれていて,建物を用いた突入訓練は,一般部隊にはほとんどない.
 陸軍歩兵に混じってやることは,機会が無い限りあんまりない.
(基地が一緒の場合は,合同で訓練することは無きにしも非ず)

 手元に,SFASを受けるための隊員の体力養成プログラムを,分かりやすく説明したものがあるから書く.
 5週編成

 第1週
1日目 プールの中で壁と体を触れさせず,背泳以外の方法で100m泳ぐ.
     14kgのバック背負って平坦な道を45分で走破.
2日目 30秒で出来る限り腕立て伏せを,3分間の休憩を置きつつ3セット繰り返す
     180m/分のスピードで4.8キロ走破 3分間の休憩を入れつつ,懸垂を出来る限りの回数で3セット
     14kgのバック背負って,8kmを平坦な道の場合は一時間弱で走破.
3日目 2日目と同じ

(中略)

 第5週
1日目 250m/分のペースで9.7km走る. 500mを背泳以外の泳法で泳ぐ.
2日目 APFTで全種目を受け,20年代グループの平均点で総合得点240点以上を獲得.
     ただし,総合得点240点超えていても,1種目70点以下がある場合は×
3日目 23kgのバック背負って29kmを平坦な道で4時間半で走破.

 このほかにも,休みの日には重量挙げやら,水泳で必ず500m以上泳ぐように推奨されている.
 また,体力を維持するために,この5週間プログラムを繰り返すように喚起している.

軍事板,2012/03/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 今でも使われているT34(プライベート・ライアンでのティーガーに改造したものやハンガリーでデモ隊がつかったもの) は,部品をアップデートしたり,エンジンの換装をしているそうですが,WW2の頃から今も使われている兵器(DC3とかジープとか)も同様でしょうか?

 【回答】
 当然だ.
 機械は定期的な整備と,それに伴う部品交換が必須.
 逆に言えば,部品の調達を打ちられたときが,その兵器の寿命.
 何十年と使われ続けている兵器となると,生産時の部品はフレームだけで,中身は別物なんて珍しくもない.
 そのフレームだって,損傷や金属疲労が蓄積して痛んでいく.

 エンジンについては,その複雑性から,無理にレストアして使い続けるより,オーバーホール時に新しいのに換装してしまった方がいい.
 博物館や趣味などで動体保存されている兵器でさえ,エンジンは載せ替えかれられてる事が多いんだよ.

 なお,例にあげられてる兵器は,戦中に生産されたものではなく,戦後生産のもののうち,状態の良いのを選んで使っていると言う感じだと思うぞ.

モッティ ◆uSDglizB3o :軍事板,2012/03/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 下記の写真における,ハンニバル像が右手で支えている,棒のようなのはなんでしょうか?
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a8/Hannibal_Slodtz_Louvre_MR2093.jpg

 【回答】
 Aquillaという,古代ローマの軍団(レギオン)が進軍や戦闘の際に掲げていた軍旗.
 軍団の象徴である鷲や,共和制ローマを意味するSPQRがある.
http://en.wikipedia.org/wiki/Aquila_(Roman)

 写真の説明にあるとおり,カンナエの戦いでローマの軍団を壊滅させた時の姿を象ったもので,奪った軍団旗を逆さまにして,鷲を地面に突き立てたことで勝利を示してる.
 ローマの軍団とその将兵にとって,軍旗を敵に奪われるというのは最大の恥辱だった.

 ちなみに,もうすぐ東京で「第九軍団のワシ」という映画が公開されるけど,その映画の内容はブリタニアで消息を絶った軍団と,その軍旗を元ローマ軍人だった主人公が探す物語.

 「第9軍団のワシ」原作は,ローズマリー・サトクリフというイギリス人作家の書いた児童文学で,日本でも邦訳が出てる.
 ローマ統治時代からの数百年に渡る,ブリテンの歴史を描いた連作の一つで,その中にはアーサー王(の原型になった人物)が出てくる本もある.

軍事板,2012/03/05(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 アメリカ陸軍は防空戦闘機ばかり装備して,制空戦闘機はP-51が登場するまで持って無かったんですか?
 P-47は急降下爆撃機と戦闘機を兼ねた機種で,迎撃機とは違いますよね?

 【回答】
 アメリカは,政府の本心はどうであれ,孤立主義の単独主義だったので,他国の領空を「制空戦闘」することはあまり考えてなかった.
 少なくとも建前的には.

 P-51は,P-40が戦闘爆撃機として活躍したので,
「もっとこれが欲しいので,別のメーカーにも生産してもらおう」
とイギリスに持ちかけられた会社が,
「うちなら,これよりも一段性能が上の,同じような機体を作れます」
と開発したもの.
 長距離援護戦闘機として活躍したのは,結果論みたいなところがある.
 ちなみに最初は,地上攻撃機として完成された.

 P-47は排気タービンがついてることからもわかるように,高高度に一気に駆け上がる防空戦闘機として開発された.
 P-38やP-39も同じコンセプト.

 どれも実際には,そういう用途には使われてないけどね.

軍事板,2012/03/05(月)
青文字:加筆改修部分


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