c

目次へ   「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※荒れ過ぎにつき,レス回収基準は「Ver.8」


●初心者歓迎 スレ立てる前に此処で質問を 725

目次


** 【質問】
 空母って300mくらいなのに,飛行機の離発着ができますよね?
 思ったんですが,空港にカタパルトやワイヤー張れば,300mそこらですんで実用的でコンパクトだと思うんですが.

 【回答】
 もちろん,地上に空母と同じ設備を整えれば超短距離離着陸が・・・ と言いたいところだけど,着陸はともかく離陸は,カタパルトの他に空母自身が風上に向かって全速力で走ることが必要になっている.
 それによる向かい風も合わせて,あの距離で離陸しているので,地上の滑走路にカタパルトだけつけても,空母のようには離陸できない.

 また,厳密に言うと艦上機の離陸は,海面からある程度高いところにある飛行甲板から,カタパルトで叩き出して「飛び降りる」ことも含んでいるので,尚の事,地上にただカタパルトを設置しただけでは離陸できない.
 着陸も,制動そのものはワイヤーにフック引っ掛ける事で行ってるが,これには「直進してる空母に降りるので,基本として向かい風を受ける」ということが条件にある.

 ということで地上に空母と同じ設備を作っても,重要なポイントである「離着陸の際は基本的に向かい風」という条件を,常には作れない.
 地上の場合,常に一定方向から風が吹くということにはならないので.

 そして根本的な問題として,空母から離発着する場合,周囲数十キロ,大洋の真ん中であれば,周辺数百キロの範囲で回りには何も無い.
 海だから.
 そういう環境だからこそ,あの(飛行機の速度から見れば)小さな飛行甲板に降りられるように進入できるし,カタパルトで前に放り出せるわけだ.
 そういう条件が揃えられる土地が確保できるなら,素直に普通の長さの滑走路作ればいい,ということになる.

 あと,空母艦載機は空母からのカタパルト射出に耐え,また無理矢理飛行甲板に”引きずり落とす” ような着艦に耐えるために,艦載機じゃない飛行機に比べると,無駄に(無駄じゃないんだけどさ)頑丈に作ってある.
 無理にカタパルト発艦&アレスティングフック着艦しなくてもいいのに,そんな頑丈に作ることは,機体構造に必要な重量の無駄遣い.

 仮に上記の問題を全て解決したとしても,旅客機には離陸の瞬間に何Gもかかることになる.
 空母への着艦は,慣れたパイロットでも衝撃で気絶することがあるから,病人,老人なんかは命に係るかも.
 一応アメリカの空母では,機体が着艦したら,ラダーをパタパタ動かして,パイロットが気絶していない事を自己アピールすることになってる.
 で,この自己アピールがないと,パイロットは気絶しているものとみなされ,緊急措置が取られることになってる.

 「女子供老人病人怪我人お断り」の旅客機か.
 それのどこが実用的なのかね?

軍事板,2011/11/22(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 軍で民間用トラックそのままでは,使用できないのですか?

 【回答】
 軍隊用規格ってのがあってだね,例を上げると

つ強度
つ根気のある整備能力

 客が勝手に改造することを見込んだ民間用自動車と,軍事規格でガチガチに性能を決めた軍用トラックを,『同じ自動車だろう』と考えることがトラブルのもと.

軍事板,2011/11/23(水)
青文字:加筆改修部分

 被弾しても走れるランフラットタイヤと,それに対応して地形に応じて,運転席から空気圧替えられるハブとか,ふつーに防弾仕様,対地雷仕様で,その重量に耐えられる構造,サスペンションとそれを不整地で動かせるエンジンとか,地雷踏んだときに安全なように位置,構造を考えた運転席の位置とか,軍用コンテナを問題なく搭載できる仕様とか,給油なしで非常に長距離が走れて,しかも補助タンクがこれまた高強度とか,登坂角度,傾斜路面装甲能力とか,トラックというよりパリダカ仕様装甲車両みたいなとこがあるんで,パリダカ参加車両が市販車両にアクセつけたもんじゃやってられないのと同様,軍用車両も骨格から違うわけで.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2011/11/23(水)
青文字:加筆改修部分

「小学生1年生が卒業するころになっても,完全に同じ交換部品をもつこと」
なんて発注書に書かれれば,値上げしないとメーカーはやってられない.
 民間は違う鋳造品を使っても,レベルの低い客はうわべしか気にしないから,こっそりコストダウンができる(笑

 そして軍隊専用トラックの欠点:
高い
滅多にモデルチェンジしないから,長期的に陳腐化する.

 軍隊専用トラックの利点:
整備部品の手配が楽.
軍用なら専用車種一種に統一されていれば,どこそこの部品が壊れた.→ 必要な部品が判って手配できる.
舗装されてない所を走ることもあるので,全輪駆動だったりする.

 民間用で色々な種類を買うと,
どこそこの部品が壊れた.→ メーカー名,車種,形式,年式,が判らないと手配できない.
 あと,保管して管理しなければならない
 部品の種類,数が膨大なものになる.

 部品の問題は実際微妙なところで,
・専用の設計だとずーっと同じ図面を使うから故障したらその代替を探すのは簡単,でも部品が製造中止とかで入手するのが大変.
・汎用の設計だと入手可能な部品を使うから部品の手配は簡単,でも設計をころころかえる必要があるからその手続きがめんどくさい.
ってことで一長一短なのが現実.

 自衛隊で言えばこれまでずっと前者だったわけなんだけど,軽装甲機動車とか中距離多目的誘導弾とかを見ると,後者の流れを少し取り入れてきたんだろうかとちょっと思う.

 また,市販トラックで十分な用途には,そのような車が採用されてる
 業務車なんかは色変えただけだし,輸送隊や施設系車両も管制灯がついて,安全装備が省略されてる程度の違いしか無い.

 それに,有事の切羽詰った戦況なら,民間のトラックを徴用したりするだろう.

軍事板,2011/11/23(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 中国が過去に蒸気カタパルトの技術を手に入れていたのなら,なんで今度作り直した空母には,カタパルトがついていないんでしょうか?

 【回答】
 見れば誰でも作れるというものでもない.

 中国が過去に手に入れたという豪空母に,カタパルトがついていたかの真偽はさておき,仮に分析してコピーしたとしても,とても現用の艦上機を十分な装備で打ち出すようなパワーはない.
 だから,コピーできてたとしても,そのまま使うことはできない.
 そして,コピーできるということと,それを独自に改良して,もっとパワーのあるカタパルトを作れることは,イコールではない.

 あと,今回中国がウクライナから手に入れて手直しした空母は,元々スキージャンプ式(艦上機が自力で甲板の坂を駆け上がる方式)で,機体もカタパルト運用を前提には設計されていない.
 仮にアメリカの空母のものに匹敵する蒸気カタパルトを作れる状態にあっても,大改装してカタパルト式に手直しして,搭載機もそれ用に設計し直したものでないと使えない.

 手っ取り早くとにかく「空母が欲しい」なら,そんな迂遠なことはしないだろう.

 もし中国が豪空母のカタパルトを解析して,独自に改良することに成功していたら,今度は全部自前で設計建造するという国産空母に装備されている,かもしれない.

軍事板,2011/11/25(金)
青文字:加筆改修部分

 なんか,国産電磁カタパルトを搭載するけん,とかいう記事を見て,吹いた覚えがありますな.
 えーと,これこれ.
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0830&f=politics_0830_001.shtml

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2011/11/25(金)
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

4092011/11/25(金) 18:55:23.77 ID:Qy/tB8sa
WW2でソ連は満州から朝鮮半島の北部まで支配下に納めたのに何で自国に併合しなかったんでしょうか
当時の中国って中華民国で反共だったと思うのですが


4102011/11/25(金) 18:56:04.94 ID:???
>>409
お前さんの頭の中では毛沢東の八路軍はなかったことになってるのか?

4182011/11/25(金) 19:23:41.75 ID:???
>>409
まず第一に,当時スターリンは,毛沢東率いる中国共産党が権力を握る見込みは
ほとんどなく,国民党が権力を握り続けるだろうとみなしていました.
また,ヨーロッパ・ロシアにおいてソ連が蒙った損害は非常に深刻なもので,
暫くは全面戦争はできないと考えていました.なので,国民党の中華民国
に占領地域を還付して,友好関係を固める方を選んだわけです.

スターリンの外交政策というと力任せの乱暴なものとみなされがちですが,
この時期のスターリンは,結構西側同盟国との協調に気を使っています.
例えば,東部ポーランド領の併合や「人民民主主義」政権の樹立にしても,
西側同盟国の了解を得たうえでのことで,ポーランド亡命政府は居候先の
イギリス政府から半ば無理やり引導を渡される,といういきさつになっています.

朝鮮半島北部については,独立国家樹立の準備が手間取るうちに冷戦が始まって
しまった(既に存在する国家に領土を引き渡すより,国家そのものの樹立
から始める方が,はるかに手間暇がかかりますよね?)ということでしょう.
また,下斗米伸男氏のように,朝鮮半島北部が,当時のソ連支配領域において
唯一のウラニウム鉱の産出地であったことを指摘する学者もいます.

軍事板,2011/11/
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 高額な暗視装置が十分に配備されてる先進国の軍隊での,その運用について質問なんだけど,兵士が夜間作戦を行う場合,ヘルメットに装着した暗視装置で通常視野を確保するのは当然として,標的への射撃時にはどうするのかな?
 ヘルメットに装着されたモノとは別に,銃にももう一つ装着してあるのを使って射撃するの?
 それとも,せいぜい照門と照星についた夜光塗料を頼りに,狙って射撃するだけなんだろうか?
 もしそれぞれ2つ持ってる場合,射撃時にはヘルメットの暗視装置を跳ね上げてから,銃の暗視装置を覗き込むのかな?

 陸上部隊に限った話でも歩兵部隊か特殊部隊か,分隊(小隊)での上級射撃手か専門の狙撃主かなど,兵種によって細かな違いはあるんだろうけど・・・.

 【回答】
 暗視装置は双眼鏡タイプででも無ければ(それでもですが)視野が限られるため,通常ほどの視野は確保できません.
 射撃時には,そのままゴーグルで射撃することもあるし,銃に性能の良い暗視装置が付いていれば,ゴーグルを外してそっちを使うこともあります.
 ゴーグルと銃の照準具が干渉する場合,レーザーポインターを併用したり,銃に補助照準具を取り付けます.
http://tinyurl.com/7yr3l4h
http://olegvolk.net/gallery/d/41342-2/NVG_STG556_P1010483web.jpg
http://www.infrared1.com/images/1_NVP60_head_mounted_w_rifle.gif

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2011/11/29(火)
青文字:加筆改修部分


目次へ   「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ

軍事板FAQ
軍事FAQ
軍板FAQ
軍事まとめ