c

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページに戻る

目次に戻る

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※荒れ過ぎにつき,レス回収基準は「Ver.7」


スレ立てる前に此処で質問を 639

目次

 【質問】 沖縄は絶対防衛を目指していたんですか? それとも,時間稼げれば陥落やむなしだったんですか?

 【質問】 本気で沖縄を捨石にするつもりなら,文字通り住民を全員ゲリラ戦に借り出すくらいするのでは?

 【追記】 献納機

 【質問】 単純に考えて,9mmパラより38splの方が薬量も多そうだし,仮に同じ量なら同威力のような気もします.なのになぜ9mmパラの方が,反動と威力が上になるのでしょうか?

 【質問】 最近は,銃身がぐにゃりと曲がった銃は作られないんですか?

 【追記】  兵器の名称すらこの有様なので,軍制改革などできようもない.「階級」なんて文革の影響をモロに食らいそうなものは尚更.

 【質問】 索敵と偵察の違いって何ですか?

 【質問】 ホーカー・ハートについて教えてください.

 【質問】 アサルトライフルなどでチェンバー内に弾薬が残ってる状態で,弾装を交換する時は,ボルトリリースレバーに触れる必要はないのでしょうか?

 【質問】 戦国時代の武者は戦闘では,ただ刀を振り回してたって本当でしょうか?

 【質問】 日本軍は刀だけじゃなくて槍も正式装備にしていた,というのは本当ですか?


 【質問】
「沖縄を捨石にしたってのはウソで,数多くの将兵が特攻をやってまで,絶対に防衛しようとした.
 だから逆恨みする琉球人の理屈はおかしい」
という意見がありますが,沖縄は絶対防衛を目指していたんですか?
 それとも,時間稼げれば陥落やむなしだったんですか?

 【回答】
 特攻は防衛と直接関係無い.
 が,それとは別に沖縄を防衛するために,手段を尽くさなかったわけじゃないし,戦闘で民間人に被害が出るから,と避難させる計画も立てていた.
 が,沖縄の人は
「守ってくれるから大丈夫なんだろ?」
と避難しなかった.
(これには「守る」と宣伝した旧軍・政府側にも原因がある)

 で,結局の所,あの時点で陥落を防ぐなんてのはどう考えても無理.
 出来るだけの事をやろうとしてたけど,出来た事は少なかったというのが実情.
 沖縄に限らず,太平洋戦争は開戦から終戦まで徹頭徹尾そんな感じだもの.

 また,日本軍が米軍の侵攻先を沖縄ではなく台湾と読み違え,沖縄から部隊を抽出して台湾に送り込んだ時点で,沖縄に米軍がた場合は,兵力的には持久した後の陥落しか選択出来ない状態になった.

 あと実を言うと,「逆恨みしている琉球人」ってのは,沖縄に元々住んでいる人じゃあなかったりするし,そもそも戦中世代,戦争当事者でも無い.
 沖縄地元の人と,戦後に沖縄に移り住んできた人との間に生まれた世代はいるけど,どちらかというと思想・利権といった面で,戦中の出来事をダシにしてるだけのが多かったりする.

軍事板,2010/07/01(木)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 本気で捨石にするつもりなら,学童疎開船とか出さずに,文字通り住民を全員ゲリラ戦に借り出すくらいすると思うけどな.
 たしか第1次大戦直後のトルコとか,第2次大戦直後のイランとか,そうやって抵抗してたような気が .

 【回答】
 ゲリラ戦する為の武器とかを入手したくても,輸送船がどんどん沈めれれるので,住民に武器を配れない.
 それどころか,兵隊に配る武器まで不足していたのが現状.

 また,島という環境はゲリラ戦には不向き.
 トルコもイランも,沖縄に比べたらはるかに広い.
 さらに,沖縄人も徴兵されて出陣し,海外に行っている上に,生物学上も沖縄には熊や狼といった大型獣はいないので,猟師もほとんどいない.
 すなわち,地理をよく知り,武器を使えるという,ゲリラ戦向きの人材がいない.

 沖縄で,住民によるゲリラ戦に期待するのは無駄なだけ.
 借り出しても,米軍の戦略的に重要な飛行場使用は妨害できず,米軍が住民をキャンプに収容して,ゲリラとのつながりを断ってしまえば,外部からのゲリラへの補給が無理な以上,特攻以下の命の無駄遣いにしかならない.

軍事板,2010/07/01(木)
青文字:加筆改修部分


 【追記】
 だから申し出があった段階で陸海軍と協議し案分して献納機として
納入されてますが.
ひょっとして,かすみん,献納って個人が飛行機会社へ注文して
軍に納品するとか思ってる?
以前にも献納のシステムをこのスレで説明した覚えがあるけど,
軍経由で注文して軍に納品,本人には機体番号の書かれた献納証書が
届くんだけど.当然,寄附は1機体1口で.
1492010/07/01(木) 21:29:45 ID:???
その献納機では例えば
愛国126号 中島式輸送連絡機 片倉兼太郎が19万円を寄贈(出典 航空時代昭和12年9月号)
愛国130号 95式戦闘機 宮澤松三郎が7万5千円の小切手で戦闘機献納を申出(出典 航空時代昭和12年9月号)

個人での献納はさすがに多くはないがゼロでもない

軍事板,2010/07/01(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 先々月くらい前のGUN誌で,9mmパラベラムにリップを付けて装填して撃てるリボルバーを紹介してました.
 その中で,S&WのM36等の38spl弾を使うリボルバーよりも,反動が強烈で威力も有ると紹介し,理由も説明してましがイマイチ理解できませんでした.
 9mmパラと38splを比較すると,口径はほぼ同じですが,薬きょうの長さでは38spl弾の方がかなり長めです.
 単純に考えて,38splの方が薬量も多そうだし(GUN誌上では同じと書いてあった気がします),仮に同じ量なら同威力のような気もします.
 なのになぜ9mmパラの方が,反動と威力が上になるのでしょうか?
 使用火薬の燃焼速度,あるいは弾頭の重さなどに理由があるのでしょうか?

 【回答】
 基本的に回転式(リボルバー)ではシリンダーと銃身のギャップにより,発射ガスの一部が必ず抜ける為,初速は低くなりちになります.
 また,薬莢の全長が異なる,と言う事は薬莢内部の体積が異なる,と言う事で,プライマーから点火されて,装薬が燃焼した瞬間,薬莢内部の圧力は薬莢の内容積が小さい程,つまり9mmPARAの方が急激に上昇します.
 その為,弾丸が加速される時間は,.38splと比較して短くなるので,反動を受ける時間は短くなり,手に受ける反動は,より強く感じられる,と言う事になり,9mmPARAの標準的な装薬量では,.38splの強装弾である.38spl+Pと同等の威力になります.

 ちなみに.38splの薬莢内容積に余分があるのは,金属薬莢が発明されて間もなく,黒色火薬の時代に開発された為で,性能が向上した現代の無煙火薬を薬莢一杯に装薬を充填すると,銃本体が破損するほどのオーバーロードと成ります.

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板,2010/07/01(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 最近は,銃身がぐにゃりと曲がった銃は作られないんですか?

 【回答】
 所謂ボーザッツラウフ,曲銃身銃は,独逸やソビエトが一時運用していましたが,銃身の損傷が激しく,早々に焼損してしまう事や,照準具が重く嵩張るので,あまり実用的では無かったようです.
 今現在は曲銃身銃の開発目的である,「遮蔽物から顔を出さずぬ照準して射撃する」と言う点に着目し,カメラとモニタを装備する事で,遮蔽物から銃のみを露出した状態で安全に索敵をし,モニタ越しに照準を合わせて射撃する事が可能なデバイスとして完成しました.
 それはコーナーショットと呼ばれる機材で,対テロ戦闘や市街地等の近接戦闘において,大変有効なものとなっています.

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板,2010/07/01(木)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

1970年代の中国は軍だけではなく社会全体が文化大革命の余波で滅茶苦茶.
ようやく社会的に落ち着いてきたのは1980年代の半ばを過ぎてから.

一例を挙げると,63式装甲車ってAPCがあるが(天安門事件で広場に突入して
学生撥ねたりひき潰したり火炎瓶攻撃喰らってたりしたアレ),この車両の改良型は
1966年に開発が終了したのに,文革の為に軍の事務機構がマトモに機能していない
ため,1985年になるまで制式名称がなかった.
それを承認して決定する官僚組織が機能していなかったから.

兵器の名称すらこの有様なので,軍制改革などできようもない.
「階級」なんて文革の影響をモロに食らいそうなものは尚更.

軍事板,2010/07/02(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 索敵と偵察の違いって何ですか?

 【回答】
 索敵=おそらくいる,と思われる敵を探し求める
 偵察=敵がいるかいないかまで含めて,周囲の状況を把握する,あるいはいるとわかっている敵の詳細を探る

 利根の偵察機がミッドウェイで下手うったのが索敵.
 米軍が硫黄島上陸の前に怠ったのが偵察.

 また,
・敵についての情報を収集する「捜索」
・地形地勢についての情報を収集する「偵察」
と,区別されることもある.

 さらに,
・敵の存在の有無が分からない状況で,敵の有無や位置を探るのを捜索
・敵の存在はほぼ判明している状態で位置を探るのを索敵
・敵の位置が判明している状態で敵の状況を探るのを偵察・斥候
などと使い分ける場合もある.

軍事板,2010/07/02(金)
青文字:加筆改修部分

偵察

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 すいませんが,この飛行機の名前や詳細を教えてください.
 Finland, biplane, two seatsでぐぐったんですが,名前すら分かりませんでした orz

 【回答】
 スウェーデン空軍博物館に展示されてる,ホーカー・ハートB.4.
 「ハートといえば水冷式エンジン」のイメージがあったんで,俺もちょっと分からなかった.
 画像に写ってる天井や展示物などから,博物館を割り出してやっと分かった・・・

 で,ホーカー ハート(Hawker Hart)は,

――――――
第一次世界大戦と第二次世界大戦の間にイギリス空軍で採用された複葉の複座軽爆撃機である.
 製造はホーカー・エアクラフト社で,1928年に初飛行した.
 当時の戦闘機よりも高速で整備の容易な機体だったため,第一次世界大戦後の軍縮期にもかかわらず大量生産され,戦間期の主力爆撃機として多くの部隊に配備された.
 また,様々な派生型を産み出した.

――――――wikipediaより引用

http://military.sakura.ne.jp/world/w_hart.htm
を見るに,かなり派生型が多いようだ.

ヴァリエーションの一部

http://military.sakura.ne.jp/world/w_hart.htmより引用

軍事板,2010/07/04(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 アサルトライフルなどでチェンバー内に弾薬が残ってる状態で,弾装を交換する時は,ボルトリリースレバーに触れる必要はないのでしょうか?
 ネットでリロード動画などを見ていると,弾装交換する度にコッキングレバーに触れているんですが,なぜだかよく分かりません...

 【回答】
 薬室内に装填された待機状態では,弾倉交換時にボルトストップを操作する事は,基本的にはありません.
 また,カラシニコフ等ボルトストップ機能の無い自動小銃では,弾倉交換時には,ほぼ薬室は空ですから,弾倉を装着すれば,必ずコッキングを行い,薬室に弾薬を装填する必要があります.
 これはボルトストップが装備されていても,作動不良や薬室が空である場合を想定し,一発を無駄にしても確実に発射準備が出来る利点を重視して,そのようにオペレーションする事もあります.

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板,2010/07/04(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦国時代の武者は戦闘ではただ刀を振り回してたという話を小耳に挟みました.
 戦場なので,稽古とは違うので切られまいと,がむしゃらに振り回してたと聞きました.
 さらに,ムサシの二刀流は戦場ではデフォで,そこから自然に実戦で培ったと聞きました.
 いかがでしょうか?

 【回答】
 まぁそりゃ戦場では「殺せばいい」んだから,剣術や剣道(戦国時代にはまだ剣道ってもんはないけど)の型のように刀振ったりはしないよ.
 ただ,戦国の世を書いた文献には
「刀を大きく振り回すと隙が出来るだけ.刀は振り回して”斬ろ”うとせず,相手の鎧の隙間とかを狙って”突け”」
とある.

 江戸以降から現代では,「刀」の定寸は2尺3寸(80cm前後)程度になったが,実際に戦場で使われていたものは,大概もっと短く,当時の日本人の標準的体格に見合ってもっと短いのが多い.

 で,長寸の刀を両手で持つよりも,やや短寸の刀を片手で持って構えたほうが,実はリーチが長い.
 これは自分でやってみればわかる.
 長い刀はとっさに抜くのにも手間取ることがあるから,実際に戦場で刀を使うには,短めの刀を片手で抜き打ちするのが有利,という経験則になったようだ.

軍事板,2010/07/04(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本軍は刀だけじゃなくて槍も正式装備にしていた,というのは本当ですか?

 【回答】
 うん,本当.
 かつての大日本帝国軍は,結構槍を装備してた.
 ここ
http://www.horae.dti.ne.jp/~fuwe1a/newpage53.html
を観ると解るけど,騎兵槍とか八八式騎兵槍とか支那事変下で自衛用として採用された竹槍,木槍,更に言えば竹槍の先に爆薬を仕込んだ爆槍,これを対空用にした対空噴進爆槍と言うのもあった.

 それらのうち「騎兵槍」は,日本陸軍騎兵科装備してた馬上槍けど,日清戦争,ついで日露戦争でも,敵騎兵に対して白兵戦時に槍の性能で劣って苦戦したので,専門の開発チーム作って,新型の「騎兵槍」を開発した.
 これは「八八式騎兵槍」という形で完成し,日本人の体格で使いやすく,しかし外国のものに劣らない長さを研究により算出して設計した他,柄の材質に吟味を加え,大陸(中国や沿海州)の気候でも傷みづらい物を選んだ
(ちなみに白樫製).
 槍身には最新鋭の素材だった,「対錆鋼材壱号」(ステンレスのこと)が使われた.

 でも,「今更槍で白兵戦闘などしないだろう」ということと,折り畳み式の銃剣を装備する「騎兵銃」の普及もあって,実戦部隊にはほとんど配備されず,もちろん実戦使用もされないまま,ほぼ全てが近衛師団の騎馬部隊が使う「供奉用」(要するに儀礼用装備)に廻されて,そういう意味では終戦まで使われた.
 そのため騎兵部隊の兵士には,「あの旗竿」と呼ばれていたそうだ.

 尚,敗戦後に全部処分され,ステンレス製の槍身は銃刀法上の登録が下りないので現存しない.
 皇室には密かに何槍か残っている,という話.

軍事板,2010/07/04(日)
青文字:加筆改修部分


目次に戻る

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページに戻る

軍事板FAQ
軍事FAQ
軍板FAQ
軍事まとめ