c

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページに戻る

目次に戻る

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.


スレ立てる前に此処で質問を 608
※重複スレッドの再利用.実質vol.611

目次

 【質問】 日本の病院船,多量に沈んでいますが,多くが黒色塗装の輸送船状態で沈んだんでしょうか? それとも,白色塗装の病院船状態で沈んでいったのでしょうか?

 【質問】 米国は,1943年あたりの極端な出超を,どうやってカバーしていたわけですか?

 【質問】 米国は1943〜45年の物価統制で,物価上昇を年あたり1.2%に制限していたのですか?
 【質問】 WW2米国では品不足になったり,闇市ができたりはしなかったの?
 【質問】 WW2米国では,クーポンの一人当たりの購入可能量が決まっていたのですか?

 【質問】 WW2の戦後復興に必要な物資の買い付けを行うため資金を,オランダやフランスはどこから得ていたのですか?

 【追記】 戦国時代になぜ盾は使われなかったの?

 【質問】 米国からの援助金と対西欧輸出ですが,米国があげたお金が輸入代金として米国に戻ってきて,それは米国にとっていいことがあるんですか?

 【質問】 日本の消費者物価は,昭和10年度から20年度にかけて,13倍になっていますが,これは統制価格がでしょうか?

 【質問】 本土決戦直前の内地の毒ガス配備状況は,どうでしたでしょうか?

 【質問】 日中戦争で毒ガスを使用したのは,主にどんな部隊でしょうか?

 【質問】 硫黄島の戦い末期,米軍は日本軍の洞窟陣地にガスを注入したのでしょうか?

 【質問】 零戦が最良の戦果をあげるためには,どの点を改善すべきだったのでしょうか?

 【質問】 「海軍は大鑑巨砲主義」を捨てられなかったという捏造ですが,なんでこれが広まったんですか?

 【質問】 第2次大戦中,歩兵が直接戦車の上に乗って移動するのって,正式な移動手段として考慮されてたんでしょうか?

 【質問】 国土を人工衛星などで常時監視できる国に侵攻して補給ルートを敷設したとしても,そういう国は長距離ミサイル持ってますから,輸送中の部隊にポンポコミサイル落としませんかね?

 【質問】 ハイローミックスって,ハイ側の機材を与えられるのはエリート,精鋭でロー側はその逆ですか?

 【質問】 東側諸国の戦車って西側のに比べて砲塔が小さいですけど,防御力とか居住性,格納能力で差が出たりしますか?

 【質問】 戦前は,現代の海保が担っている海上警察活動を海軍が担っていたと聞きましたが,海軍のどういう部署がそれを行っていたのでしょうか?

 【質問】 海防艦には,現代の巡視船的な役割も期待されてたわけですか?

 【珍説】 「第2次大戦のソ連戦車部隊は,個々の戦車の性能は劣っても,安価な戦車を多数揃えて,数で一挙に押すコンセプト」???


 【質問】
 日本の病院船,多量に沈んでいますが,一部は病院船運行の最中に沈められ,外務省も正式に抗議していますが,多くは外務省,何も言っていません.
 中にはヒなんとか船団,など,おそらく資源輸送船団に参加しながら沈められたものも,それなりにあるようです.
 これらの沈められた病院船,多くが黒色塗装の輸送船状態で沈んだんでしょうか?
 それとも,白色塗装の病院船状態で沈んでいったのでしょうか?

 一部の船が白色塗装のまま沈んだのは知っていますが,全体としてはどうなのでしょうか?
 ご存知の方,教えて下さい.

 【回答】
 ほとんどは,輸送船への転用後に沈没.
 1944年ころにフィリピン方面の部隊輸送に使われて沈んだ例が多いようだ.
 ゆえに,緑色系統の迷彩色で沈んでるのがほとんどかと思う.

 沈没時に白色塗装+通告というルールを充たしていたのは,海軍1隻,陸軍3隻あるけど,うち2隻は機雷を踏んだケース.
 ほかに海軍の「第二氷川丸」は,戦犯追及を恐れて自沈させたもの.
 「橘丸」は拿捕時に白色塗装だったが,これは違法な軍事輸送に使ってたケース.
 致命傷を負わなかったものの,攻撃を受けちゃった例はもう少しある.

 なお,陸軍病院船の場合,最初から白色塗装をしてないのが何隻かいる.
 日本陸軍部内で病院船扱いしてたのは20数隻いるが,うち白色塗装などをしたのは19隻.
 例えば雷撃撃沈された「はるびん丸」は,商船塗装だったようだ.

軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 下記はWW2近辺の米国の会計です.

財政年度 歳入 歳出 収支 公債累計(億ドル)
1937 49.8 77.6 -27.8 364.3
1938 56.2 67.9 -11.8 371.7
1939 50.0 88.6 -38.6 404.4
1940 51.4 90.6 -39.2 429.7
1941 71.0 132.6-61.6 489.6  
1942 125.6 340.5-214.9 724.2  
1943 219.9 794.1-574.2 1367.2

 '43年あたりになると,歳入と歳出の比がおかしくなっていますが,この極端な出超はどうやってカバーしていたわけですか?
 国債発行ですか?

 それと・・・この頃は大規模なインフレが起きていたということですか?

 【回答】
 公債累計の項目見れば一目瞭然だろ.
 あの硫黄島の海兵隊が旗を上げた写真まで利用して,国債の販売を煽ってます.

軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分

 第2次大戦中の財政支出のうち,税でファイナンスされた部分は42%で,1945年の税収は,1939年の8.8倍に達しています.
 因みに,第1次大戦や独立戦争時に税でファイナンスされたのは,20%程度だったりしますが.

 財政赤字のGDP比は42年度15%,43年度に30%,44〜45年度には22%となっています.
 これを担保したのが巨額の国債発行で,国債残高のGDP比は1941年の43%から,45年に117%,46年に120%に達しました.
 但し,その時期に発行された満期25年の国債金利は,1951年3月まで2.5%以下で推移しました.

 国債の巨額発行の可能性を予見し,1942年10月には実は国債発行が失敗しかけたこともありますが,連銀がTB金利を固定した事で,長期国債の価格下落の懸念は解消に向かって,投資家は長期国債保有志向を強めることになりました.
 これらの国債保有は,連銀と商業銀行によりGDP比53%に達しました.

 この他,国債所有者の要求に応じて政府が額面で買入れる貯蓄国債が急増し,1946年2月末で21億ドルになりました.
 これは,第1次大戦で発行された自由国債や戦勝国債の保有者が,金利上昇によって損失を被った反省から,それを避ける為に,換金性のある個人向け国債が導入されたためです.

 戦後になると,長期金利が大幅に低下します.
 それと共に巨額な長期国債は発行されなくなり,1946年には収支均衡,1947〜48年には巨額の黒字となりました.
 また,TB金利の短期債の償還が進み,国債保有残高も減少に向かいました.

 消費者物価については,1943〜45年に物価統制が行われて年率で卸売物価1.2%,消費者物価0.2%なので,1946年になると反動で前年比3%超となります.
 欧州などの復興需要により輸出は好調で,国内の個人消費や設備投資が旺盛,更に海外からの金流入と銀行の貸し出し拡大により,寧ろ戦後の方が消費者物価が高くなっています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
> 消費者物価については,1943〜45年に物価統制が行われて年率で卸売物価1.2%,消費者物価0.2%なので,

 物価上昇の制限が,年あたり1.2パーセントだったということですか?

> 1946年になると反動で前年比3%超となります.

 前年より3パーセント物価が上昇したということですか?

 【回答】
 いずれもその通りです.

 消費者物価については,対前年比上昇率が1947年以降は10%,1948年は20%と,大幅な伸びになっています.
 これは1949年のリセッションまで続いています.

 統制に関しては,実は米国でも牛肉など食品などの配給が行われたりしました.
 この他,1942年に価格安定法が成立し,全般の上限価格の設定が行われています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 品不足になったり,闇市ができたりはしなかったの?
 統制価格が,市場価格を無視した場合,そうなるでしょ?

 紙幣を突然数倍発券したりすれば,それは必然的に市場に還流してきて,物価を数倍に上げちゃうと思うけど.
 統制しても,闇市ができるかと・・・
 普通なら.

 【回答】
 当然,品不足になる可能性はあります.

 とは言え,日本の9.18価格統制と違い,緊急価格統制法では,どのような物品をどのくらいの価格によって統制するかは,行政側(価格統制局(OPA))に決定権は無く,連邦議会の決定を経なければならなかったりしますので,かなり自由が効く状態でした.

 ただ,日本の様にあれもこれも全くないと言う状況ではなく,消費物資の生産とストックは必要を満たしていましたので,闇市が成立する余地がありません.
 また,小売店も各都市で平均20%減少していましたが,ロードサイドのチェーンストアが,ガソリンのクーポン制によって人々が車に乗るのを抑制した結果,敗退を余儀なくされたことから,それと,戦時産業への動員に伴い,人々が給料のより良いそれらの業界に転職したことから,減少していました.
 逆に,独立自営業の商店は,その存在価値を高めています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
> また,小売店も各都市で平均20%減少していましたが,ロードサイドのチェーンストアが
> ガソリンのクーポン制によって人々が車に乗るのを抑制した結果,敗退を余儀なくされた

 クーポンの一人当たりの購入可能量が決まっていた,ということですか?

 【回答】
 個人消費者に対し,ガソリンを一定量購入する事の出来るクーポンが与えられます.
 この他に日曜営業の中止,給油所の営業時間の規制,自動車の走行速度低下運動なんてのもありました.

 このクーポンの転売は,勿論規制されています.
 本人名義のものですし,その本人も自動車を使わねば生活出来ないので,転売はしようも無かったりします.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 便乗で質問させてください.
 「欧州などの復興需要による戦後アメリカの黒字」てのは,フランス,オランダなどの戦災でアボンした国が,アメリカから復興に必要な物資の買い付けを行ったために生じたものですよね.
 「欧州などの復興需要による戦後アメリカの黒字」てのは,フランス,オランダなどの戦災でアボンした国が,アメリカから復興に必要な物資の買い付けを行ったために生じたものですよね.
 でも,彼らはどうやってお金を工面したんですか?
 植民地も独立運動で大騒ぎ,国内は戦災でボロボロだったのに,オランダやフランスはどこから資金を得ていたのですか?

 【回答】
 長期国債と借入金,それに米国からの有償もしくは無償援助がその資金源です.
 他に,金売却や植民地からの上がりもあります.
 初期は,長期国債と借入金が主ですが,後期になると,米国からの援助金が多数を占めることになります.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分


 【追記】
251 :名無し三等兵 :2010/01/11(月) 22:53:09 ID:???
>>248
何か色々意見が出てるけど,結局は「要らなかったから」という事.
盾って言うのは,比較的起伏が少なく,草木が少ない地形でこそ役に立つもの.
そして同時に,盾を使いこなせるだけの練度がなければいけない.
どっちも,戦国時代後期までの日本にはなかったもの(前者は今もだけど).
戦国時代の集団歩兵だと,長柄を使ったから,盾は必要なかった.
置き盾は,火縄銃の攻撃を防いだりするのに役に立ったけど.

で,練度の高い武装集団たる武士だけど,日本は昔から武人=弓手みたいな価値観が
あって,矢を防ぐ機能は鎧が担った.モンゴル軍も,持盾は使用してないだろ?
剣や槍なら盾と一緒に持てるけど,弓は無理だから.
鎧が発達してたのでわざわざ手に持つタイプの盾は要らなかったとも言える.


…ちょっと嘘が混じってるかもしれないけど,だいたいあってるはず.

253 :名無し三等兵 :2010/01/11(月) 22:55:35 ID:???
>>251
補足.
上で「盾」って言ってるのは,ローマ軍が持ってたような大きな盾の事ね.
手に付けるような,バックラーみたいな盾は,起伏が激しかったり草木が生い茂ってたり
するような場所でも重宝する.

で,日本でその機能を担ってたのが鎧.

軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 米国からの援助金と対西欧輸出ですが,米国があげたお金が輸入代金として米国に戻ってきて,それは米国にとっていいことがあるんですか?
 米国内で作られた品が海外に流出するだけでは,米国民にとって利益がなくないですか?
 金銭的な利益は度外視して,西欧諸国を自由主義陣営に繋ぎ止めるために,援助と輸出を行っていたのですか?

 【回答】
 米国があげたお金が,輸入代金として米国に戻ってきます.
 そのお金は企業に回ります.
 企業に回ったお金は設備投資に使われたり,税金として国庫に納められたり,個人に給料として回ります.
 個人はその給料を個人消費に回します.
 よって,米国景気全体が成長を続けます.
 まぁ,Marshall Planは自由主義陣営の繋ぎ止めを狙った部分もありますが.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本の消費者物価は,昭和10年度から20年度にかけて,13倍になっていますが,これは統制価格がでしょうか?
 それとも闇価格がでしょうか?

 【回答】
 統制価格になります.
 元々,1941年5月には高物価増産論が国会でぶち上げられていましたし,1942年6月には価格形成委員会が公定価格の引き上げを具申しています.
 1944年には物不足が極まってきて,公定価格は実質上廃止されてしまいます.
 更に,1945年になると各地域の自活を打ち出したことと,空襲でモノの移動がスムースにならなくなった事から,遂に政府は自治的価格統制に後退してしまっています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2010/01/11(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 本土決戦直前の内地の毒ガス配備状況は,どうでしたでしょうか?
 曾根などの製造現場に山積された状態で,毒ガスを装備した部隊は殆どいなかったわけでしょうか?
 それとも,各地の師団制毒隊は少人数ながら,そうしたところで製造された毒ガスを配備されていたわけでしょうか?
 また毒ガス弾の備蓄基地は,各地にありましたでしょうか?
 それとも,全部製造現場が一元管理でしょうか?

 【回答】
 結論から言うと,よくわかってない.
 以下,参考程度.

 日本の化学剤の生産量はざっと7千トン.
 うち4千トンは終戦時に,大久野島(陸軍)と相模(海軍)の工場周辺に残ってた.
 残り3千トンは各地に出荷され,うち相当量は国内16か所の兵器工場・研究機関にあった.
 大戦後半には基本的に軍レベルで管理してて,中国戦線だと南京の兵器廠なんかに多くはあった.
 でも,中国各地から結構発見されてるとこからして,前線にも少し残ってたようだな.
 特殊なものとして,対戦車用のちび弾はソ連参戦時に満州で前線に配布されたようだ.

 構ってほしくて質問してるんじゃなく,まじめに調べてんなら,下のスレッドでじっくりやるのを勧める.

【BC兵器】生物・化学戦総合スレ【731部隊】

軍事板,2010/01/12(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日中戦争で毒ガスを使用したのは,主にどんな部隊でしょうか?
 師団つきの100名足らずの師団制毒隊が頑張って使っていたんでしょうか?
 それとも,関東軍給水防疫本部(731部隊)の何割かが,その編成のまま前線に出てきて使っていたわけでしょうか?
 使っていた部隊の種類を知りたいです.
 ご存知の方,教えて下さい.

 【回答】
 攻勢的な化学兵器使用は,野戦瓦斯(ガス)中隊と,迫撃大隊が主に担当.
 前者は発煙筒式の化学兵器,後者は化学砲弾を撃つ迫撃砲部隊.
 大規模な作戦時には,一般の砲兵部隊にも化学砲弾が支給された.
 師団制毒隊は主に関東軍の師団に見られたもので,中国方面にはあんまりいない.
 防疫給水部は生物兵器関係がメインで,化学戦とはあまり関係ない.

軍事板,2010/01/12(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 既に絶版された偕成社の太平洋戦史『戦艦大和の最期』には,硫黄島の戦いにおいて,末期,てこずった米軍が,日本軍の洞窟の上から,ドリルで穴を開けて,ガスを注入した,という話が出てきますが,本当でしょうか?
 他の本経由で,そのような話を聞いた方はいらっしゃいますか?

 中には,こんな話もあります.
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1327866458

 ただ,硫黄島自体がガス(硫黄)の島なので,米軍でなくてもガスの出所はあるわけですが,やはり誤認でしょうか?,他の本にないということは.

 【回答】
 毒ガスを使うかどうかはともかく,洞窟の上から穴をあけて云々というのは,日本軍が「馬乗り攻撃」と称して恐れた戦術で,硫黄島や沖縄で広く使用された.
 爆薬やガソリン,時に海水をぶち込むことが多かったようだが,発煙筒や催涙弾を放り込んだ例もあったようで,これを「毒ガス」と誤認したんだろう.
 ガスマスクはみんな持ってたので,催涙ガスに対抗するために着用することは自然.

 例えば秋草鶴次「十七歳の硫黄島」(中公新書,2006年)のp.208に,米軍が「毒ガス攻撃」をした話がある.
 著者は陸戦隊で硫黄島にいた少年兵.
 いわく2種のガスが使われたと言い,最初にバルサンのような白煙,続いて「茶筒のような缶」が出入り口から放り込まれて黄色い煙が出たと.
 黄色なんていうとマスタードガスを思わせるが,天井伝いに広がる軽い気体で,びらん症状も無いので,ただの着色煙だろう.

 さらに硫黄島の場合,致死性毒ガスを大規模使用する計画が検討されていた.
 これは上陸前に検討されたもので,艦砲などでマスタードガスをぶち込むというもの.
 孤立した島なんで住民犠牲も無くて,いいんじゃねと提案されたが,結局は実行されずに,通常の上陸作戦が実施されることになった.
 おそらくこれが伝言ゲームを経て,実戦使用したという話になったんだろ.

>硫黄島自体が,ガス(硫黄)の島なので,米軍でなくてもガスの出所はある

 指摘の通り,硫黄島の遺骨収集が難しい一因として,火山性ガスがある.
 掘り返す時には火山性ガスの検査は不可欠で,実際に下記のように自衛隊が検査を担当している.

>13 硫黄島における遺骨収集に対する協力
>自衛隊は,遺骨収集の際,(中略)有毒ガスの検知など,
>自衛隊でなくてはできない各種の支援活動を行っている.
出典:防衛白書

 その辺がこれまた伝言ゲームで変わったんだろ.

軍事板,2010/01/12(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 太平洋戦線の日本海軍機,零戦について質問です.
 無駄に航続距離ばかり長く,貧弱な武装と低速,防弾装備の無さで酷評されている日本軍機ですが,いくら航続距離が長くても被弾したらすぐ落ちるし,落ちたら救助も来ないでパイロットは溺死かサメの餌ですよね?
 じゃあ,せめて最良の戦果をあげるためには,この中のどの要素を重視すべきだったのでしょうか?

・航続距離
・速度
・武装
・防弾
・コンバット・レスキュー
・根性
・愛国心

 【回答】
 元々が長時間滞空して,艦隊を防空する戦闘機,転じて,大陸侵攻時の護衛機となった.
 長大な航続力も,長時間飛行で疲労したパイロットが燃料タンクの切り替えを失念して墜落したり,重心位置から遠いタンクの燃料の重さで安定飛行に苦労したりと言った問題があり.そもそも,防弾を考えるならタンクの容量を小さくするのは必須.
(防弾装備による重量増加を抑えるし,被弾炎上率自体が下がる.)
 航続距離を抑えると,作戦の柔軟性を下げるが,パイロットの生存性は大きく向上する.

 実際には,前線飛行場を短期間で作る土建技術とか,
対潜能力が高く,より目標付近まで近づいてくれる空母艦隊とか,
 戦闘機以外に整備しなければならない物がある.

軍事板,2010/01/12(火)
青文字:加筆改修部分


保留

 【質問】
 よく海軍は「大鑑巨砲主義」を捨てられなかったという捏造ですが,なんでこれが広まったんですか?
 全ての海戦で航空母艦が主力になってて,戦艦は無用の長物的扱いされてて,そういう捏造は広まりようがなさそうなもんですが.

 【回答】

463 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2010/01/13(水) 19:22:44 ID:???
>>462
>全ての海戦で航空母艦が主力になってて

昭和18年まで,日本海軍で「主力部隊」と公式に呼ばれていたのは戦艦主体の第一艦隊ですが何か?
464 名前: 名無し三等兵 投稿日: 2010/01/13(水) 19:24:51 ID:HHekMqvo
>>463
そういう意味での主力という意味ではないんだけど
ではつまりやっぱり大鑑巨砲主義「戦艦万歳」だったってことですか?


465 名前: 名無し三等兵 投稿日: 2010/01/13(水) 19:27:05 ID:3WK8g+qL
>>460
START-Uのときに,「ミニットマンの方を退役させます.」と言えば良かったんじゃ?
466 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2010/01/13(水) 19:34:26 ID:???
>>462
「捨てられなかった」というよりも,「大鑑巨砲も,大鑑巨砲主義者も,捨てきれなかった」じゃないですかね.
ただまあ,現に戦艦という艦種は存在しており,その運用に携わる将兵たちはたくさんいたのですから.
日本においては,たまたま航空主兵論者が,連合艦隊司令長官の立場にあり,
航空機の有効性が開戦当初に示すことができた.
そのお陰で,米軍においても航空主兵論者が主流を占めることができるようになった.
しかし,戦前は航空主兵論者と大鑑巨砲主義者が角突き合わせている状態で,
ヨーロッパの戦場では,せいぜいターラント軍港空襲くらいしか,大型艦艇に対する航空機の優越を示す事例もなかった.
さらに,戦前からの建艦計画のいわば惰性を容易に停められるわけもなく,
日本では大和,武蔵は戦艦として完成したし,米海軍だってサウスダコタ級やアイオワ級が就役してますよね.
無用な長物であろうと,そこに厳として大鑑巨砲が存在したのだから,「捨てられなかった」と言っても大きくは間違いではないでしょう.

469 : ◆yoOjLET6cE :2010/01/13(水) 19:55:56 ID:???
>>462
海軍の中の人たちが,戦後にそういう反省を言ったからというのが一つあります.

例えば福留繁,軍令部第一部長や連合艦隊参謀長をやったりした超エリートで,
自ら第二航空艦隊司令長官もやり,戦略戦術の神様と称された人ですが,
「多年戦艦中心の艦隊訓練に没頭してきた私の頭は転換できず,
南雲機動部隊が真珠湾攻撃に偉功を奏したのちもなお,(中略)
決戦兵力は依然,大艦巨砲を中心とすべきものと考えていた.」
と戦後に回想してます.

戦後も旧海軍高級軍人グループの中心にいた一人で,
そういう人たちの通説的な意見として言って良いものかと.

479 :名無し三等兵 :2010/01/13(水) 20:33:43 ID:???
>>469
それは個人としての考えであって
海軍としての考えは戦艦建造をやめ空母建造を重視してるし
戦法も空母主体のもので戦艦は地上砲撃以外は使えないと判断してるんだから

大鑑巨砲主義だったとは間違ってもいえないんじゃないの?

軍事板,2010/01/13(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 こんな感じ↓で,歩兵が直接戦車の上に乗って移動するのって,正式な移動手段として考慮されてたんでしょうか?
(作戦立案時に,移動手段には戦車を使う,とか書類に書いてたりしますか?)
それとも,その場でただ単に便利だから勝手に乗ってただけですか?
ソ連のタンクデサントみたいな意味不明すぎるのは除きます.

 【回答】
 これは停車中に,部隊の兵士が登って記念撮影してるとこで,移動するために載せてるんじゃない.

 歩兵が直接戦車の上に乗って移動するのは,日本陸軍の用語では「跨乗」という.
 用語があるくらいだから,当然考慮はしていた.
 基本的には,トラックやAPCが無い時の代用.

 だが,戦車上に人を載せて移動することは,普通は推奨されず,禁止される場合もあった.
 操縦手や車長の視界を妨げるし,砲塔の旋回も危なくてできないから,砲撃のじゃまになる.
 なにより戦闘になれば,敵は戦車めがけていろんなものを撃ってくるから,載ってる人の命が危ない.

  ただし戦車ではないが,突撃砲の随伴歩兵などは,車上に搭乗して移動する事になっていたようだ.

 ソ連で戦車に人を載せたのは,ドイツのハーフトラックのような,戦場を移動できる兵員輸送車がなかったから.
 そのかわり,損害は出ても戦車とともに迅速に兵力を投入できるし,戦車への敵歩兵の肉薄攻撃を阻止することができる.

軍事板,2010/01/13(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 国土を人工衛星などで常時監視できる国に侵攻して補給ルートを敷設したとしても,そういう国は長距離ミサイル持ってますから,輸送中の部隊にポンポコミサイル落としませんかね?
 孤立した部隊は地上戦に持ち込める?し.

 【回答】
 補給路というのは普通は戦線の後方にある.
 ということは補給路の周囲には,まとまった規模の敵はいない.
 なら取り残された部隊やゲリラなどの,散発的な攻撃を想定した防衛体制をとれば十分.
 補給線にダメージを与えるには直接補給部隊を攻撃するか,道を使用不可能にする(橋を落とす,トンネルを埋める等)しかない.
 だから補給部隊に護衛を付け,橋やトンネルに守備隊を付ければ十分.
 後は対車両地雷が怖いから,パトロールを出して敷設を阻止するくらい.

 まとまった攻撃があれば,改めて敵の拠点にナリそうな地域に部隊を送り込んで捜索する.

 道路沿線すべてに部隊を貼り付けるような,戦力の無駄使いは普通はしない.
 そんなことをするより,現地住民に宣撫活動を行って,協力を取り付ける方が効果的.

>>国土を人工衛星などで常時監視できる国に侵攻して

 そんな衛星を持つ国は普通は,侵攻しようなんて気を起こさないような軍事力を持っている.

 あと,偵察衛星と長距離ミサイルを補給線寸断に使うなら,物質集積所を叩くだけで終わる.

軍事板,2010/01/13(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ハイローミックスってロー側を割り当てられる側にとっては面白くないような気がしますが,ハイ側の機材を与えられるのはエリート,精鋭でロー側はその逆ですか?
 米空軍ではF-15を使っているのが精鋭,エリート部隊で,F-16はそうでもないという理解でいいのでしょうか?

 【回答】
 F-15とF-16の場合ではそうではないです.
 F-15は強力な対空レーダーと高いBVR戦闘能力を持たせたために機体が大型化し,高価となりました.
 積んでいるレーダーとアヴィオニクスもさらに価格を押し上げました.

 爆撃,攻撃任務には強力な対空レーダーと対空兵装は要りません.
 戦闘爆撃機は爆装したまま敵戦闘機を排除して攻撃する能力は期待できませんから.敵戦闘機には兵装を投棄して逃げるか,せいぜい自衛戦闘ができる程度です.
 こうした攻撃任務には,F-16は低性能ではありませんでした.

 米空軍ではファントムIIを爆撃と制空,掩護の両方に使っていました.
 ファントムIIを全てF-15で置き換えるのは高価なので,制空戦闘の担当をF-15で,爆撃,攻撃担当をF-16で更新しました.
 コスト面で見たハイローミックスであって,それぞれ別の任務が与えられているのですから,性能面でのハイローではないんです.

 また,制空戦闘機のパイロットは出世できないとされていて,エリートではありませんし,爆撃,攻撃任務を担当するパイロットの方が評価される傾向があるようです.

軍事板,2010/01/14(木)
青文字:加筆改修部分

※要出典


 【質問】
 東側諸国の戦車って西側のに比べて砲塔が小さいですけど,防御力とか居住性,格納能力で差が出たりしますか?

 【回答】
 東側諸国の戦車の砲塔が小さいのには3つの理由がある.

1.元々発見されにくく,被弾しにくいように砲塔の高さを低く抑えて設計する傾向が強かった.

2.東欧,ロシアは軟弱地が多く,泥に沈まないように車体重量に制限があるので,車体自体が小さくなる為に砲塔も大きくは作れない.

3.T-72系の主砲弾装填装置は砲塔下部に設けられている為,西側戦車のような砲塔後部のバスケットと呼ばれる張り出し部がない.

 以上の理由から居住性,砲弾収納数,主砲俯仰角,装甲防御力の点で不利が生じるが,近年では装甲防御力に関してはT-90クラスになると,複合装甲やERAの性能向上のおかげで,西側第3世代戦車と比べても引けを取っていない.
 事実,T-90を120mm滑腔砲で正面から撃破しようとしたら,かなりの近距離まで接近して,主砲防盾や砲塔旋回リングを狙い撃ちするしかない.

軍事板,2010/01/15(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦前は,現代の海保が担っている海上警察活動を海軍が担っていたと聞きましたが,海軍のどういう部署がそれを行っていたのでしょうか?
 独立した組織があったのですか?
 それとも鎮守府とかの下に,そういう組織が置かれていたのでしょうか?
 また,装備はどういうものだったのでしょうか?

 【回答】
 比較的平時の警備が重視されていた北方については,大湊水雷団(横須賀鎮守府管下)が1902年におかれ,水雷艇隊1個(4隻)が配備された.
 これが1905年に大湊要港部に昇格し,国境警備や救助活動を担った.先の大戦中は警備府に昇格.
 主要兵力は,水雷艇や旧式駆逐艦が1個駆逐隊4隻.
 先の大戦前に,初の専用警備艦として占守型海防艦4隻が整備され,交代するはずだった.

軍事板,2010/01/15(金)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 海防艦の主任務は護衛とばかり思ってたんですが,現代の巡視船的な役割も期待されてたわけですか?

 【回答】
 占守型は戦時急造用の船団護衛艦のプロトタイプを兼ねて,平時用の北洋警備艦として建造するつもりでした.
 従来は旧式とはいえ駆逐艦を充てていたのを,もったいないので安い船にしようと.

 ところがどっこい,いつのまにやら凝った作りの船になってしまって,駆逐艦よりも建造工数が多いなんておかしなことに.
 戦時には,大幅に設計変更が必要になってしまいましたとさ.
 初期のものは甲板凍結防止配管などの北方装備を外しただけで建造着手したものの,おそろしく建造に時間がかかってます.

 まあ,イギリス海軍のスループと似たパターンです.
 戦時急造艦のプロトタイプのつもりが,実際にはもっと簡単なフリゲートが主力に.

軍事板,2010/01/15(金)
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 第2次大戦のソ連戦車部隊は,ロシア伝統の数で押す主義です.
 個々の戦車の性能は劣っても,安価な戦車を多数揃えて,数で一挙に押すコンセプトです.

霞ヶ浦の住人 ◆iQXTBGahk in 軍事板,2010/01/16(土)
青文字:加筆改修部分

 【事実】
 ソ連では数を揃える事が第一義というわけではないんだよ.
 それなりに性能にも気を使っている.
 数を揃えさえすればいいならば,中〜重戦車は必要ない.
 軽戦車だけ大量配備すればよい.
 だが実際にはドイツがIII号,IV号戦車で攻め込んだ時に,すでにT-34/76やKV-1を配備していたし,のちにIS-2のような化物まで投入して来た.

 ソ連の戦車の設計コンセプトを決定したのは東欧からロシアまでの地形,地質,戦場面積,輸送インフラ,工業生産力,国内資源等を総合的に考慮した結果だよ.
 国情が変われば戦車のコンセプトも変わる.
 日本の74式や90式が,M1やレオ2と異なる性格を持った事と同じ原理だよ.

軍事板,2010/01/16(土)
青文字:加筆改修部分


* 【質問】


 【回答】
819 名前: 名無し三等兵 投稿日: 2010/01/16(土) 06:48:11 ID:+/Ubcfc7
タリバン政権が崩壊してもうずいぶんになりますが,いまだに活動できる
だけの資金や武器を提供しているのは誰なんでしょう?

820 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2010/01/16(土) 07:02:41 ID:???
>>819
タリバーンの(というか,世界のイスラム原理主義系組織の)資金源である
アラブの金持ち(その大半は湾岸産油国の石油利権者と王族)はそれらへの
資金協力を普通に続けている.

アフガンとパキスタンの間には「部族領域(トライバルエリア)」って言われる
パキスタン政府の統治がちっとも及んでない地域があって,ここ経由なら武器でも
なんでもノーチェック.
というかチェックする人間も組織もそもそも存在してない.
最近はパキスタン政府も完全な野放しにはしなくなって来ているが,それでも
「国境検問」なんてないも同然なので,素通りしてるのと同じ.

そもそもアメリカが全土制圧したはずのイラクだって周辺国から武器の流入がダダ漏れ
だったりしてるわけで,あの辺の国でその手の「ルート」を経つことは現実には無理.
821 名前: 名無し三等兵 投稿日: 2010/01/16(土) 07:29:58 ID:3cOkoT5n
>>819 タリバンなど武装勢力はアフガン国内に支配地域をもち,道路や橋梁に検問所を設けて通行税を徴収している.
このほか,国内でのケシや大麻生産とその密輸などのあがりもあるし,パキスタンからアフガニスタンへの各種商品密輸
など運送業者との関係もあるとされる.

また,イラクであったのと同様に,ISAF各国軍と契約を結ぶ民間業者や請負者への恐喝,浸透などもあると思われる.

軍事板,
青文字:加筆改修部分

※要改修


* 【質問】


 【回答】
879 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2010/01/16(土) 15:43:47 ID:???
>>874
稼働率と駆逐戦車とかの数を考えると切り替わってないと思うが.
880 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2010/01/16(土) 15:49:22 ID:???
>>879
切り替わってるとまでは言わんよ.
4号と5号は二本立てで主力を構成しているということ.

その駆逐戦車だが,
4号突撃砲L48が1139両(内31両が戦車から改造)
L70(V)が930両,L70(A)が278両.
ヤクトパンターは415両な.

さらにヘッツァーが2584両,ティーガーTが1353両,ティーガーUが496両.
際立って多いのは3号突撃法G型の7893両で,まさに数的主力と言える.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


目次に戻る

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページに戻る

n

軍事板FAQ
軍事FAQ
軍板FAQ
軍事初心者まとめ