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●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 174

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「v.e.r. = 8」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【質問】
 可視光CCDと画像赤外線って何が違うんでしょうか?

 【回答】
「ナントカとカントカは何が違うんですか?」
という質問は,どっちかについてはちゃんと分かってるという前提で,初めて意味をなす.
 どっちもよく分からないなら,ナントカとは何ですか?,カントカとは何ですか?と聞かないとイクナイ.

 CCDとは光を電気信号に変える仕組みのひとつ.
 光を電気信号に変える仕組みには,他に撮像管というようなものもある.
 このCCDを使って画像を得るのがCCDカメラ.
 カメラの中にCCDがどのように使われているかは,テレビやデジカメの仕組みを調べてくれ.

 で,単に可視光CCDというなら,可視光域の電磁波(つまり可視光だけど)に感度を持つCCDということになる.
 実際には,たいがいのCCDは可視光より広い波長域に感度があるので,可視光だけを通すようなフィルターをかけて使われる.

 こういう言い方はしないだろう.
 赤外線映像とか言わないか?
 赤外線で撮った画像が赤外線画像だろう.
 赤外線を撮るには,赤外線に感度のあるCCDや撮像管を使う.
(写真なら赤外線フィルム)
 わざわざ「画像」と付くのは,画像ではなく,単に赤外線のあるなし,強い弱いを検知するだけの装置もあるから.

軍事板,2005/03/28(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 統帥権干犯問題とは結局どういう問題なのでしょうか?
 自分で調べてみたのですが,イマイチ分り辛かったので.

 【回答】
 陸海軍を統率する権利は,天皇が持っています.
 天皇を輔弼するのは,参謀本部と軍令部であり,政府や議会が軍事に口出しすることではありません.
 浜口内閣が推進したロンドン軍縮条約は,軍令部(つまり天皇の代行役)の意向に反して結んだものとして,
「たかが政府が,軍事に口出しするな」
というのが軍令部の不満.
「これに乗じて浜口の与党を倒して政権を取ろう」
と狙ったのが犬養さん達野党.
 犬養さん自身は軍縮条約に賛成でしたが,政権奪取のためにあえて持論をえたわけです.

鷂 ◆Kr61cmWkkQ :軍事板,2005/03/28(月)
青文字:加筆改修部分

 すなわち,明治憲法の
第11条,『天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス(統帥大権)』

第12条『天皇ハ陸海軍ノ編制及常備兵額ヲ定ム(編制大権)』
を混同して軍と野党が騒ぎ立てた.
 統帥大権と編成大権は別々の大権で,各々の大権が別の大権を犯すと言うのは明らかにおかしな話.
 それが正しいとしたら,第十五条は『天皇ハ爵位勲章……ヲ授与ス』とあるが,恩賞権は独立していて総理大臣が関与できない事になってしまう.

 統帥権はドイツ法の影響と,帷幄権限(軍事に関する事項を閣議に通さず天皇に上奏できる権限)から生まれた慣習的な考え方で,当時でも
a)統帥権自体を認めない説
b)統帥権という概念は認めてもその政府からの独立を否定する説
c)統帥権の独立を肯定するものも統帥権の独立とは,もっぱら作戦行動についての独立であって,個別の作戦行動を離れた予算や人事に関しては統帥権の問題とはならないと考える説
d)軍の編成については帷幄機関にも発言権があってしかるべきだとする説
などがあり,c)説が通説だった.
 軍令部や政友会の主張のd)説は少数の異端説であり,犬養毅と鳩山一郎が,軍部と一緒に与党を潰すため作った屁理屈でしかない.

軍事板,2005/03/28(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦車や戦闘機などの新型が開発されるのは,だいたい何年おき位なんでしょうか?
 それぞれ一台あたり結構な価格しますが,耐用年数を何年ぐらいに設定してるのか教えてください.
 現在の主要国の情報が知りたいです.
 開発や採用するときに何年後まで通用すると考えているのか?
 パソコンとかだと三年くらいで買い換えどきですが,今の兵器は何年くらいのサイクルで各国主力を変えているのか知りたいです.

 【回答】
 F-15主力戦闘機の初飛行が1972年.
 F-22次期主力戦闘機の初飛行が1990年.

 ただ,これはあくまで参考程度.
 冷戦期に米ソ両国が開発した戦闘機を調べ始めたら,本棚いっぱいの本が書けてしまうので……

 戦車は日本で言えば61式,74式,90式とそれぞれ1960年,1974年,1990年に正式採用ってかんじ.
 ただ,61式戦車は90年代初頭まで使われてた.
 ソ連はT-54,T-55,T-62,T-64,T-72,T-80,T-90ってあるけど,数字がそのまま採用年か,採用年に近い数字.
 こっちも,冷戦期のソ連の戦車を語り出すと,本棚いっぱいの本が書けてしまう……

 それと,兵器って言うのは何年ぐらい通用するとかじゃなくて,敵の兵器を見て作ってみたり,将来こうなるだろうかもしれないと考えて作るので,どれくらい通用するかとかは考えてない.
 使えるまで使うという考え方か?
 そいうわけで必要になったら作る.
 冷戦が終わってハイテク兵器同士の戦争が起こりにくくなったこと,開発費の高騰などで,開発の間隔が開いてきている.
 1960年代初めのM60戦車の後継であるM1戦車は,1980年代初めに登場したが,2020年くらいまでは使用する計画.
 イギリスはチャレンジャーの後継開発はしておらず,2030年くらいまで使用するつもり.
 B-52なんかに至っては1950年代初飛行のくせに,あと半世紀使うとか言ってる.
 もちろん必要な改修などはやるけどね.

軍事板,2005/03/29(火)
青文字:加筆改修部分

 とは言え,米国はM60の後釜として,1970年頃の制式化を目指し,野心的なMBT70と言うのを西ドイツと共同で開発していましたけどね.
 共同開発が空中分解(主砲は米側は152mmガンランチャー,西ドイツは120mm滑腔砲を,エンジンは米側はContinental製空冷ディーゼルを,西ドイツが自国製液冷ディーゼルを主張して,結局自国での開発となり,コスト上昇で1969年西ドイツ撤退.
 1971年米国もナム戦の戦費増大で撤退)しましたので,結局M60が延々使われた訳で.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2005/03/29(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 超甲巡が殆ど流行らなかった上に役に立たなかったのはなぜ?

 【回答】
 超甲巡は建造中止されてますよ.

…と,まぁ,これじゃ余りにもアレなので・・・・・・・・

 質問の「超甲巡」の部分を
「超甲巡相当,12インチクラスの主砲を搭載した大型艦」
と凄まじく拡大解釈して回答すると,すげぇ乱暴に言えば,
「って言うか高速戦艦使えばよくね?」
ってことになって廃れた.

 当時の戦艦,軽巡のような主な艦種には大概利用目的が決まっているが,超甲巡はその利用目的がイマイチ不明確だった.
 その為,戦艦と共同行動できるわけではないが,巡洋艦とも組めない,という変な存在に.

 「12インチ・クラスの主砲を搭載した大型艦」は各国で作られてるんだけど,大西洋と太平洋ではまったく別のルートを辿って発生してる.

 大西洋側は,
・独逸がドイッチュラント級を建造

・鈍足旧式戦艦しか持ってなかったフランスが大慌てしてダンケルクを建造
(戦艦ではポケ戦に追いつけない,巡洋艦ではポケ戦に勝てないって考えたから)

・独逸がダンケルクに対抗する為にシャルンホルスト級を建造
(当初は38cmを積む予定だったが,英国の顔色を窺った結果,28cm搭載になっちゃって中途半端化)
という流れ.

 イタリアのコンテ・ディ・カブール級やカイオ・デュイリオ級は,手持ちの旧式艦を何とか使い物にする為に四苦八苦した結果なので,この流れとは余り関係無い.

 まぁ,条約の制限の下でアレコレやりくりした末の産物だね,どれも.
 だから条約の縛りが無くなった結果,上記の結論に辿り着き,廃れた.

 んでもって太平洋側.

 当時の日本の作戦漸減作戦であり,夜戦を重視してた.
 ところが,「高雄」級では通信能力が追いつかなくなってきていて,その上,
「夜戦部隊の指揮に重巡使うと防御力が弱いんだよなぁ.
 指揮艦がサッサと戦闘不能になったら困るよなぁ」
ってことで,夜戦部隊の指揮艦として必要な防御力と速度を持たせた結果,ああなった.

 で,アメリカが
「重巡と超甲巡が戦隊組んで押し寄せたら,こっちの重巡じゃ勝てなくね?」
って考えた.
 アイオワ級は金剛級潰すのに必要だったから,アイオワと重巡の隙間を埋める為にアラスカ級が建造された.
 しかし,空母大建造に押され就役は遅れに遅れ,何とか二隻が就役したが,戦いの帰趨は既に決しており,碌に活躍も出来ず,戦後しばらくして退役した.

 戦後にソビエトが計画したスターリングラード級は,
「高速で米機動部隊に近づき,超長射程の武器で先制の一発をかましてそのまま遁走」
ってプランで計画されたけど,これも結局金かかるしミサイルあるしでポシャった.

軍事板,2005/03/29(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次大戦中の日本の軍港には,どのような防御設備があったのでしょうか?
 対空砲や見張り塔などは当然として,海軍力に重きを置く日本だから当然?鉄筋コンクリートとかでできた,なんていうんでしょう陸でいうトーチカみたいのもあったんでしょうか?
 あるいは洞窟のような地形を利用したものとか.

 【回答】
 とりあえず横須賀の沖にある猿島,って島には横須賀軍港を守る為の要塞があった.

 また,東京湾には第一から第三までの海保とかいうのが有ったんだが,沈んじゃったんだよね.
 あれはいくらくらい費やしたんだろう.
 時代は少し違うが,大和の建造費より高いんじゃないかと思う.

 ちょっとずれたが,軍港も,出来れば軍港で砲撃戦をやりたいとは思っていない.
 砲撃戦で勝っても被害が出るからだ.
 だからたいていの軍港では,侵入経路の適当な島を要塞化して防波堤にする.
 島が無かったので島ごと作っちゃったのが海保.

 巨大な戦艦などを丸ごと守るようなものは無い.
 停泊中の船舶を守るのはせいぜい対魚雷用のネットとカモフラージュのための偽装ネットくらい.
 ドックの屋根の目的は雨風を防ぐ事だから,爆撃に耐えるようには作ってない.
 基本的に敵国の軍隊に軍港まで侵入を許してる時点で負け.

 日本軍の場合,かなりの数の軍艦が,日本本土の軍港に停泊中に空爆を受けて沈んでいる.
 例えば榛名,伊勢,日向の3隻の戦艦は呉に停泊中,1945年7月28日の一日の空襲で沈められた.
 時期的には制空権を奪われ軍艦を動かす石油すら無くなった時期だが,悲しいものが有る.

 ちなみにドイツ海軍は巨大なコンクリート(ドイツ語だとべトン)製の建物を作って,それでUボート用の岸壁をすっかり覆ったりした.
 これをボートブンカーと呼ぶ.
 ブンカーとはドイツ語でシェルターの事.
(ちなみに「トーチカ」と言うのはロシア語で,「石の家」と言う意味)

軍事板,2005/03/29(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 主な小銃の距離と命中率の関係について書いたサイトとかないですかね?

 【回答】
 命中精度には,基本的な精度(固定した銃,射程,外乱なし)と,実際使用時の精度があります.
 100m射距離で銃をベンチに固定した際の標準値(通常5発の射撃でもっとも離れた弾痕二つの距離)は,
ボルトアクション7.62mm狙撃銃で25mm,
同半自動銃で40mm,
ボルトアクション小銃で80mm,
半自動小銃,自動小銃で120mm
となっています.
 0.25〜1.2milということになります.

 従って,単純には距離に比例してこの数字を倍加すればよいわけです.

 実際には,口径が小さければ一般に弾重が小さく,風や木の葉に当たるなどの外乱に弱くなります.
 逆に口径が大きければ一般に反動が大きく,これによる精度低下が生じます.

 もちろん個々の銃の設計,工作精度,維持管理,照準装置,使用弾薬にも大きく左右されます.
 狩猟用ライフルが対象ですが,比較した記事が下記にあります.
www.chuckhawks.com/practical_accuracy.htm
 また,下記には5.56mm弾の風による誤差の表が.
www.ak-47.net/ammo/ss109.txt

軍事板,2005/03/30(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ハンドガンのオートとリボルバー,それぞれの短所と長所は何なんでしょうか?
 なんとなく自力で分かるのは
・オートは装弾数が多いがジャムなどのトラブルが怖い
・リボルバーはトラブル少ないが装弾数少ないうえにリロードしづらい

 【回答】
 基本的にはその理解でいいと思う.

 ただし,最近のオートマチックは信頼性という点で飛躍的に向上している.
 ジャムの確率はかなり低下しているし,耐久性もリボルバーに見劣りしないようになった.

 オートマチックで怖いのはジャムという点のみ.
 それが解決されるのならは,弾数+携行弾数が多いというのは絶対的強み.
 だから従来リボルバーに固執していた警察でも,オートマチックへの移行が進んだわけ.

 リボルバーは確かにサイレンサー装着による消音効果は薄い.
 というかあまり効き目がない.
 リボルバーはシリンダとバレルの隙間からガス漏れして大きな音が出るので,サイレンサ使いようが無いからだ.

 ただ,リボルバーが長期戦に向いているというのはあまり聞かないな.
 弾数が多い方が長時間戦えるでしょ?

 リボルバーが有利な点を探すなら,リボルバーは取り扱いが簡単で,訓練にかける時間が少なくて済むという点がある.
 民間の護身用などには重要な点.
 リボルバーの操作部分は
トリガー,
ハンマー,
シリンダーラッチ,エジェクターロッド
の3箇所しかないうえ,一見してその機能が分かる.
 一方,現代のダブルアクションオートの操作部分は
トリガー,
ハンマー,
セーフティー,
マガジンキャッチ,
デコッキングレバー,
スライドストップ
と6個所もあり,これにフィールドストリッピング用の分解用ピンないしレバーが加わる.
 また,それぞれのレバー等の機能は,外観からは分かりにくい.
 十分に操作の訓練をしないと,暴発などの事故につながり易い.
(ただしオートでも,グロックはトリガーとマガジンキャッチしか操作部分がない.
 また,ダブルアクション・オンリーのオートはリボルバーとほぼ同様の操作でよいので,リボルバーからの転換が容易.
 警察用として好まれる)

 あとは,戦闘中にちょっと時間が空けば,弾丸の種類をすばやく変えられる事くらいかな.
 そんな状況は殆ど有り得ないと思うが,一応書いてみる.

軍事板,2005/03/30(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 100万円出せば,Su-27かMiG-29で超音速突破コースかアクロバットコースか好きなほう体験できるって本当ですか?
 空挺師団などの特殊部隊も見学や取材などできるんでしょうか?
 どなたかご存知の方ご教授ください.

 【回答】
 ひと昔前ですが,大手旅行代理店JTBがロシア軍事ツアーを企画していたことがあります.
「MiG-29体験搭乗ツアー」
「ロシア原潜で行く北極点ツアー」
「厳寒のシベリアにてサバイバル・キャンプツアー」
「スペツナズがお相手するサバイバル・ゲーム参加ツアー」
と盛り沢山で,MiG-29体験搭乗ツアーの前に,安全性確認のためJTBの社員が搭乗.
 その様子を「BART」(廃刊)に寄稿,参加者募集を始めていました.

 ・・・が,オウム真理教がロシアにて軍事訓練を実施していたことが判明.
 JTBのツアーどころか,旅行業界全体で軍事ツアーの主催自粛が決定され,今に至るも尾を引いています.

 よって,日本の大手旅行代理店を通じてのツアーはないのですが,海外の旅行代理店によるものは行われているようで,この他,MiG-29がアメリカでデモ・フライトを行ったときには,100万円程度の搭乗料金で搭乗者を募集しています.

 軍用機で垂直降下して無重力を体験させてくれるコースというのもあります.
 日本のツアー会社では扱ってないと思いますが,英語で検索すれば出てくると思います.
 日本語でもなんかヒットするんじゃないでしょうか.
 ツアー,ロシア,軍とかで.

 摸擬空戦コースも有りましたな.
 アメリカ人が大騒ぎしてました.
 楽しそうだった...

 また,飛行機ですと限界高度まで昇ってくれるのもありましたな.
 到達高度の上が真っ暗の宇宙.
 薄青くぼやけた大気に包まれた地球が下に見える,みたいな.

 一等自営業先生お勧めのモンゴルツアーもあります.
 T-55の操縦やRPG-7が撃てるらしい.
http://www.mongolia-mp.com/
 将来的にはMig-21に試乗も出来る様に成るとか.

 なお,JTB社員のレポートによりますと,MiG-29に体験搭乗した場合,機内インカムにてしょっちゅう,パイロットが話し掛けてくるのですが,何でもいいから答えないと,気絶したとみなされて即,基地に帰投するものだったとか.
 なかなか過激な体験搭乗のようですが,それでもよろしければ・・・.

軍事板,2005/03/30(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次世界大戦で使っていたM1のような照星と照門や,ドイツ軍のタンジェント式の照準器だと,500m先の敵を撃つのは難しいと思うんです.
 しかも年間数十発の射撃訓練しかつんでいない歩兵では.
 それなのに,7.62mmぐらいの小銃だと,スコープをつければ1000mも狙えそうな精度あるし.

 銃の精度や威力と,照準器や歩兵の訓練がちぐはぐな気がするんですが,第二次世界大戦中の一般の歩兵が,当時の小銃を使って戦闘中に狙える距離の限度はどのぐらいですか?

 【回答】
 逆だと困るだろう?
 200mの精度の銃持って400mで交戦する状態になったら.

 ただし,当時のライフルの射程の想定が長すぎたのは事実.
 実際の一般的な歩兵の交戦距離は200〜300m程度.
 突撃銃ではこの辺もあって射程は短くなるが,反動が軽くなり,全自動でも撃てる短小弾を使うようになった.

 訓練に関しては,↓を見ると大体想像がつくと思う.
 ただし日本の警官じゃあるまいし,「年間数十発の射撃訓練」なんてことはないです.
http://www13.ocn.ne.jp/~seiroku/shabeki.html

軍事板,2005/03/31(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦争が起こると各国ともにいろいろな戦訓が得られると思いますが,第二次大戦・朝鮮戦争では主にどのような戦訓が得られたのでしょうか?

『第二次大戦』
・機甲部隊による電撃戦
・国土が極端に広い陸軍国(ソ連・中国)は容易に降伏しない
・大艦巨砲主義は航空機に弱い
・制陸権<制海権<制空権
・発達した電子機器(電探とか)は人力より優れている

『朝鮮戦争』
・レシプロ機<ジェット機

 私の頭ではこれが精一杯ですが,他に何があるでしょうか?

 【回答】
 lessons learned korea warでググルとよいのでは.

 君が得た「戦訓」も間違えだらけなのだが.

>・機甲部隊による電撃戦

 機甲部隊=電撃戦ではない.
 やり様では歩兵でも電撃戦は出来る.
 そもそも電撃戦とは,なんであると定義しているのか?
 まあ,機甲部隊を使えば電撃戦は行い易いとは言える.

>・国土が極端に広い陸軍国(ソ連・中国)は容易に降伏しない

 国土が極端に広くない国(フィンランドなど)でも,容易に屈服しなかった例はあまた有るし,国土が広くてもあっさり滅びた国も有る(ローマ帝国,インカ帝国).
 ソ連,中国が容易に屈服しなかった理由は他に有る.

>・大艦巨砲主義は航空機に弱い

 用語の使い方が間違い.
 大艦巨砲主義とは,海軍力とは主力艦の砲撃力によって算定出来るので,砲撃力と艦艇の防御力を上げれば海軍力を強化出来るとした思想の事であって,強弱は無い.

>発達した電子機器(電探とか)は人力より優れている

 電子機器を操作するのも人力.

>・レシプロ機<ジェット機

 レシプロ機とは内燃機関を動力とする航空機限定だから,ここではプロペラ機まで広げると,近接支援ではプロペラ機の方が優れている場面も多い.

 ただ,戦訓ちゅうのは誰がそれを抽出するかで大きく変わるので,そこいらを押さえて置いた方がよい.

 また,戦訓は軍隊の各単位,中隊やら大隊やらから軍や統合軍に支援関係に至る,あらゆるレベルと集団で得られるものなので,それを全部見るのは手間が掛かる.
 個々の戦闘の話だったら,日本でも朝鮮戦争に対する関心はそれなりに高いので.まず通史の類を読んでみるとよい.
 とっつき易いところでは

若き将軍の朝鮮戦争
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=%8E%E1%82%AB%8F%AB%8C%52

歴史群像シリ−ズ ソウル奇襲と仁川上陸
朝鮮戦争
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=%8E%E1%82%AB%8F%AB%8C%52

 難しい目の話だったら
毛沢東の朝鮮戦争―中国が鴨緑江を渡るまで
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9978513116

 ということで,ネットにいろいろ書籍紹介はあるので,あたりをつけて読んでみるのもまた一興.

軍事板,2005/03/31(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ショットガンの給弾の方法をポンプアクションというそうですが,仕組みなどを分かり易く解説したサイトを教えてください

 【回答】
 分かり易いイラストがネット上にちょっと見当たらないので,文字で説明すると…

 ポンプアクションの閉鎖機構は一般的なロータリーボルトではない.
 ウィンチェスターのレバーアクションのように,ボルトの後にロッキングピースが上昇してボルトをロックする方式,あるいはボルト自体の後部が上下してレシーバーにはまり込んでロックする方式が一般的.

 先台(フォアエンド)から伸びたアクションバーがボルト,シェルリフター(弾の移動),ロッキングピース(ボルトの閉鎖部品)を動かす.

 先台を引く
→ チューブマガジンの入り口にあるストッパーが外れて,弾が1発リフターに載る
→ ロッキングピースが下がり(あるいはボルト後端が下降し),ボルトが開放される
→ 後退するボルトがハンマーを起こす
→ 先台をさらに引く
→ リフターが弾を銃身の位置に押し上げる
→ 先台を押す
→ ボルトが弾を押してチャンバーに装填
→ さらに押す
→ ロッキングピースが上昇してボルトを閉鎖する
→ 引き金を引く→ハンマーが倒れてファイアリングピンを叩く
→ 発射
→以降繰り返し

 イラストは,大きな図書館でGUN誌の別冊かバックナンバーを探すとよい.

軍事板,2005/04/01(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 提督と元帥と,どのくらい扱いが違うの?

 【回答】
 「提督」を辞書で引いてみてください.
 「艦隊を統率する人」というニュアンスのある漢語です.
 下は戦隊司令から上は軍令部総長まで,海軍を実際に動かす幹部を指します.
 つまり,海軍の少将・中将・大将に対する通俗的な尊称で,陸軍将官には用いません.

 「元帥」は陸海軍に関係なく,優れた大将に贈られる公的な尊称です.
 元帥の身分を決定付けるのは,明治31年1月の「元帥府設置ノ勅語」で明治天皇自ら,4人の大将(山県有朋・小松宮彰仁親王・大山巌・西郷従道)に元帥府を持たせ,軍務顧問をするよう定めています.

鷂 ◆Kr61cmWkkQ :軍事板,2005/04/01(金)
青文字:加筆改修部分

 外国では元帥を置く場合,大将の上位の階級とするのが一般的.
(英,米,ソ連)

軍事板,2005/04/01(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 アメリカの核実験「Operation Castle」の「Koon」が失敗した原因は何でしょうか?
http://nuclearweaponarchive.org/Usa/Tests/Castle.html
によると,
「一次系のデザインに欠陥があり二次系の点火に失敗」
のようなことが書いてあるのですが,具体的にどのようなデザインの欠陥だったのでしょうか?
 二次系への圧縮時間の遅れが致命的だったようですが・・・

 【回答】
 核融合爆弾(staged design)の設計で重要なのは
1.起爆装置(原爆)の放出X線が妨害なく核融合燃料に到達すること
2.起爆装置からの中性子線が尚早な部分核融合を発生させないこと
3.核融合燃料が効率よく全体が同時に最高度に圧縮されて発火すること
です.

 Castle Koonの場合,2.の部分での失敗があったようです.
 つまり起爆装置からの中性子流が効率よく遮断できず,核融合燃料を尚早に反応させたため,3.の効率的な圧縮ができなかったのでしょう.
 核分裂反応における早発(predetonation)に相当する現象だったと思います.
端的に言えば,起爆装置と核融合装置の間の中性子隔壁の失敗.

 これには起爆装置のタンパー,反射材の問題が関わります.
 単なる原爆であれば,高原子量の素材をタンパーに使用し,あるいは反射材も兼用して効率的な爆縮原爆が作れます.
 しかし,核融合爆弾の起爆装置として作る場合,高原子量のタンパーは起爆装置からのX線流を減衰させることになり,好ましくないのです.
 従って,効率的に中性子流を遮断しながらX線には透明な素材,つまり低原子量のベリリウムや炭化水素(プラスティック)が望ましいわけです.
 憶測すれば,原爆を核融合装置の起爆用に共用できるという実験だったのかも知れません.
 んん,違ってそうだ.

 しかし,起爆装置の原爆の出力が100ktというのはやはり過大なわけで,多段増幅による現代の高出力水爆に至る段階で,一段階,というか原爆→核融合燃料のみによる核反応で大きな出力を得ようとした実験というのが,ありそうな答でしょう.
 一段階の場合,総出力は起爆装置の出力に比例します.
 起爆装置の出力を最大化するためには,高原子量素材を使用せねばなりません.
 分裂/融合/融合という大出力核融合爆弾の前に,分裂/融合という開発時期があり,効率よい核分裂装置と効率よい核融合反応の矛盾が生じたのがCastle Koonだったと考えるのもおもしろそうです.

 Castle Koonの時期は湿式水爆から乾式水爆,三重水素依存から脱出,の時期でもあります.
 核分裂装置からの中性子を利用してLi-6を三重水素に転換し,重水素-三重水素融合を起こさせるという仕掛けができかけていた時期です.
 であれば,適当な質,量の中性子をD-Li-6に誘導できず,十分な三重水素が形成されないうちに核融合段階に進めてしまって不発した実験,というのがなんだかとてもありそうです.

 水爆起爆用原爆の出力は総出力によります.
 総出力の狙いが小さければ,一段階の水爆として起爆装置は数キロ〜十数キロトンに留め,総出力数百キロトン狙いが妥当でしょうし,大出力を考えるなら多段装置.
 しかし起爆原爆は同様の出力でよいような.

 ただ,起爆装置の目的はとにかく短時間に大きなX線出力を得ることなので,単体の原爆としての出力はあまり議論にならないようにも思います.
 数十ktで.

軍事板,2005/04/01(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 「ローレライ」という映画を見ていてふと思ったのですが,第二次世界大戦で発射された魚雷(軍艦,潜水艦,航空機すべて含む)って,発射された総数よりも当たった総数の方が少ないわけですよね.
 すべての魚雷が全弾命中したわけではないわけですから.

 で,疑問なんですが,外れた魚雷っていうのはどうなるんでしょうか?
 自爆装置がついてる,っていう話は聞いたこと無いですし・・・.

 太平洋や大西洋の底,ソロモン諸島等の海の底には,今も外れて沈んだ魚雷がゴロゴロ転がってたりするのでしょうか?

 【回答】
 ある程度行った所で自沈バルブが開いて沈むようになってます.
 今の有線式だと自爆も出来るようです.

軍事板,2005/04/02(土)
青文字:加筆改修部分

 二十年くらい前に新潟の海岸に,日本海軍の魚雷が打ち上げられた事があった.
 爆薬は半分以上溶け出していたね.
 海底に沈んでいても溶けており,爆発の危険は少ないと思います.

 しかし,あの映画はいい加減やね.
 爆雷の被害半径は150mくらいで,映画の画面だと直撃に等しいよ.

一等自営業 ◆JYO8gZHKO. :軍事板,2005/04/02(土)
青文字:加筆改修部分


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