c

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ

「未分類草稿別館 wiki」トップ・ページへ

目次へ

●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 154

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「v.e.r. = 7」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【質問】
 ロシアは中国に輸出型でないキロ級を売却したり,漢級の後継にあたる原潜開発に技術協力しているようですが,隣国の潜水艦を増強させるようなことを何故行うのでしょうか?

 【回答】
 そうでもしないと食っていけないからです.
 現在ロシア海軍では,極度の財政難で水上艦艇・潜水艦とも自国海軍向けの新造艦建造が事実上ストップした状態です.

 このような状況下でロシア造船界が食いつなぎ,なおかつ技術を維持するには,積極的に輸出を行うほかありません.
 輸出兵器の開発で技術水準を維持しつつ,国家の財政力が回復し自国向けの艦艇が建造できるようになるのを待とうという事です.

 現在中国とともにインドが重要な艦艇の輸出先となっており,キロ級潜水艦の輸出・駆逐艦/フリゲイトの設計支援・更には空母アドミラルゴルシコフの改装/売却を行う予定などがあります.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2004/11/20
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 韓国が採用するイージス艦と日本の所有しているイージス艦は,どっちが高性能ですか?

 【回答】
 海上自衛隊はこれまでの経験にくわえ,不断の努力と数年の歳月をかけて,高度システム艦としてのイージス艦を戦力化するノウハウを構築しました.
 イージスシステムは極めて高度かつ大規模なシステムですので,運用側が運用能力を持たないと無用の長物となります.
 韓国がイージス艦を配備しても,とりあえずのレベルに達するまででもかなりの時間を要するでしょう.

 モノとしてのレベルでは,韓国のKD-3と日本のたとえば14DDGは,アメリカから購入したイージスシステムの内部構成に差異があります.
 もともと大規模なシステムなので,「名前が同じイージスシステムだから同じ」というわけではありません.

 まあ,アメリカが輸出時に落としている機能があったとしても不思議ではありませんね.
 たとえばトマホーク関係など,予定では使用しない部分など.
 対空ミサイルの発射管制周りは同格なんじゃないでしょうか,と憶測混じりになります.
 「どこそこで性能を限定している」云々は,イージスシステムの開発に入り込まないと確証が付きませんので.
(日本メーカーは開発に参加します)

 なお,韓国の購入したイージスシステムは,対潜システムなどが丸ごとオミットされています.
 足りないぶんは欧州から購入し,アメリカのインテグレータにイージスシステムと結合してもらうようです.
 日本のそれは対潜システムを含みます.
 こんごう級の時は「自前で出来る部分は自前」でやったんですが,建造費が高騰しましたので,今回は一式購入です.
(なおアメリカは,本式の電子戦システムの輸出には敏感です.
 だもので,護衛艦の電子戦システムは今は国産となってます)

軍事板,2004/11/20
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次大戦後の戦闘機の機種の使用期間についてですが,戦後は同一機種の使用期間が長いのはどうしてでしょうか?

 【回答】
1)
 同程度の戦力を有する国家同士の戦争というものがあまり発生していないので,積極的に新型の開発を行う必要が無くなった.

2)
 冷戦以降,アメリカの戦力と国力があまりにも圧倒的であり,それ以外の国が多少頑張ったところでどうにもならなくなってしまったので,積極的に新型の開発を行う意味が減退した.
 また,アメリカにとっても,自国に正面切って対抗できる勢力が存在しない以上,やはり積極的な開発を行う意味はない.

3)
 現在の戦闘機は高スペック化が進み,技術的にも予算的にも求められる次元が高い.
 そのため高価になり,結果生産数が減少し,結果さらに高価になり,さらに生産数が減少し……というスパイラル.
 また,現代の戦闘機として通用する期待を開発しうる技術力と経済力を有する国家は極めて少ない.
 1から10まで自力で開発できる国家となれば,アメリカ,ロシア,フランス,イギリス,スウェーデン,日本くらい.
 しかもイギリスとスウェーデンと日本は,予算の面でも技術の面でもちょっと心もとない.
 ロシアはご存じのように青息吐息.
 フランスも似たり寄ったりだし,アメリカも最近は議会や財務省の目が厳しい.

4)
 そもそも総力戦であるWW2と,概ね平和な現代を比べるのはどうよ?

軍事板,2004/11/20
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 潜水艦の航行方法について教えてください.
 海底付近を航行する時,海底の地形はソナーで確認するんですか?
(コウモリの超音波みたいな方法)
 漫画ではソナースキャンをコンピュータで解析して,海底の地形がディスプレイにワイヤフレーム表示されていたけど,既に実用化されている技術なんでしょうか?
 あと,コンピュータが無い時代はソナーマンの経験でしょうか?

 【回答】
 潜水艦の航行の基本は,慣性航法装置を利用した推測航法です.
 そのためにあらかじめ詳細な海図を作成しておき,これに従って航行します.
 しかし,海図が不正確だったり特に起伏が激しく難所の場合は,測深儀と呼ばれるアクティブソナーの一種を用います.
 しっかりした海図を用意するのが第一で,測深儀はそれを補うという形.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2004/11/20
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ランチェスターの法則ってなんですか?

 【回答】
 イギリスのランチェスターという学者が,古今の戦史から割り出した兵力比の法則.

 内容は
(多数兵数の二乗)−(少数兵数の二乗)=a
√a=(多数兵力の生存数)         

 具体的には
5人と3人が戦えば,5人の側が勝利して,生き残りは4人.
   (5×5)−(3×3)=16    √16=4

 この法則はあくまでも,大雑把な目安です.
 運動会の騎馬戦のような状況であれば成立するでしょうが.

 実際の戦場では,地形・戦術の優劣・兵器の性能・築城の優劣・指揮官の能力・兵の士気,練度等の要素が複雑に絡み合うので,簡単には割り切れません.
 硫黄島の日米の死傷数を参考のこと.

 しかし,この法則は幕僚教育の基礎となっているのも事実なのです.

軍事板,2004/11/20
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 今回の中国の潜水艦との緊張状態が,自衛隊は60時間続いたと聞き及んでいますが,このような場合の船員(艦長も)の勤務時間体制はどうなっているのか気になります.
 ちゃんと睡眠時間はあったと思われますか?

 【回答】
 一般的に,艦長は代替が効きませんから,基本的に短時間の仮眠くらいで,正規勤務状態では無いと思われます.
 後,技量優秀なソナー員は,休めと言われても該当部署に詰めてしまうことがあるので,強制的に仮眠を取らせることがあるようです.
 後は基本的にはローテーションを守って交代していたのではないでしょうか.
 とりあえず,極限状態ではないですし.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/11/22
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 もし硫酸などの化学薬品を直接吹きかけることで敵に傷害を与える武器があった場合,これも化学兵器禁止条約に引っかかるのでしょうか?

 【回答】
 引っかかると思いますよ.

------------
化学兵器の開発,生産,貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約

第2条 定義及び基準

 1 「化学兵器」とは,次の物を合わせたもの又は次の物を個別にいう.

   (a) 毒性化学物質及びその前駆物質.ただし,この条約によって禁止されていない目的のためのものであり,かつ,種類及び量が当該目的に適合する場合を除く.

   (b) 弾薬類及び装置であって,その使用の結果放出されることとなる(a)に規定する毒性化学物質の毒性によって,死その他の害を引き起こすように特別に設計されたもの

   (c) (b)に規定する弾薬類及び装置の使用に直接関連して使用するように特別に設計された装置

 2 「毒性化学物質」とは,生命活動に対する化学作用により,人又は動物に対し,死,一時的に機能を著しく害する状態又は恒久的な害を引き起こし得る化学物質(原料及び製法のいかんを問わず,また,施設内,弾薬内その他のいかなる場所において生産されるかを問わない) をいう.
------------

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2004/11/23
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次世界大戦後期〜大戦直後あたりから,レシプロ航空エンジンが空冷主流になったのはなぜなのか教えてください.

 【回答】
 広く見れば,戦前・大戦前半・大戦後半,それぞれ空冷・液冷どちらも広く使われていた.
 米海軍・日本海軍は全期を通して空冷愛好家であり,RAF・ソ連は液冷愛好家だった.

 液冷を用いたのは主に戦闘機で,これらがジェットエンジンに置き換えられた為,主流として残ったのは空冷になった.

 液冷の利点は機体形状を流線型に近づけ高速を得る事が出来るからで,それ程速度の出ない(出す必要が無い)爆撃機,攻撃機は空冷のままでも問題がなかった.
 液令は空冷に比べて被弾,損傷に弱くメンテナンスにも手間がかかるから.

 液冷ガソリンだと排気量が制約されて,出力向上が難しかったという理由もある.
 振動問題からいうと,1バンクに6の倍数の気筒数が望ましい.
 水平対抗,Vなら12気筒 Wなら18気筒になる.
 Wは前方投影面積が増えるという問題があり,V型12気筒が現実的.
 ボアのほうは燃焼時の火炎伝播速度の問題から,ある程度以上広げられない.
 ストロークを伸ばすとエンジンが大きくなるので望ましくない.
 これにより排気量が決定されて,あとは過給で稼ぐしかないが,燃料により制約される.

 WW II末期の液冷エンジンはどれも同じような排気量だったのは,それが限界だったから.
 対して空冷星型は,冷却さえできれば排気量の増大がより容易だった.

軍事板,2004/11/23
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 アメリカ南北戦争での戦死者の死因は,殆どが銃や大砲によるもので,銃剣やサーベルでの死者はコンマ以下だったらしいのですが,ほぼ同時期に起きた日本の戊辰戦争も,刀や槍による死者は,殆どいなかったのでしょうか?
 また,戊辰戦争の戦死者数はどのくらいなのでしょうか?

 【回答】
 概算ですが,鳥羽伏見戦を除いた,東海道東上〜第二次函館戦争までの兵員参加者は164,456名
(但し,奥羽列藩同盟の兵員は記録が散逸しており,推定…以下同じ)
戦死者(戦病死,刑死含む)は8,717名,
戦傷者4,718名,
自刃163名,婦女子の自刃172名,
その他93名,
行方不明19名,
となっています.

 戊辰戦争の戦死者に関しては,地域によって異なります.
 奥羽列藩同盟と戦闘を行なった弱小諸家(津軽とかその辺)は結構,刀槍での負傷が多かったようですし,水戸家中の内紛でも同じく刀槍による負傷が多かったみたいです.
 対して,会津戦争や長岡戦争になり,西方諸家と対峙すると,今度は銃創による死者が多くなっています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/11/25
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 祖父から我が家に伝わる言い伝えを聞きました.
 西南戦争当時,我が家は熊本で材木屋を営んでいたのですが,田原坂の戦いの頃に家に運ばれてきた材木には銃痕が残っていたそうです.
 ありそうな話ですし,わざわざ戦場の近くを通って運搬したのかと思うと眉唾っぽくもあります.

 真偽の程は今となっては分かるわけないのですが,当時,最新の銃はどの程度の威力があったのでしょうか?
 材木に痕が残る程度の威力を保ったまま飛ぶ弾の有効射程距離はどの程度だったのでしょうか?

 【回答】
http://homepage3.nifty.com/sweeper/gun/rifle/snm1866.htm
 西南戦争で政府軍が使用したスナイドル銃.
 初速は380m/sとあるので今のアサルトライフルの三分の一くらい.
 射程距離は180mくらい.
 これでも人に当たれば死ぬか負傷するし,木に当たれば穴くらい開く.
 確か上野の寛永寺には戊辰戦争の時の弾痕が残っているし,俺の実家のある新潟の白山公園には,戊辰の時の弾痕が残っている木が三十年位前まで残っていた.

 あと材木の話だが,まさか戦闘の最中に運んでいたってことはないだろうから,戦場にあった木を伐採したものとか,材木置き場で戦闘があったってところじゃないだろうか.
 田原坂では空中で正面衝突した弾丸がくっつきあった「出合い弾」というのが今でも見つかるくらい,激しい銃撃戦だったそうだ.

軍事板,2004/11/26
青文字:加筆改修部分


目次へ

「未分類草稿別館 wiki」トップ・ページへ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ