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初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 151

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「v.e.r. = 9」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【質問】
 チェコ?のCzとゆう拳銃はなんて読むんですか?
 有名だし,性能的にも素晴しいという評判は聞くけど,名前がワカラン.

 【回答】
 まずWW1が終結し,チェコスロバキアが独立した後,Ceska zbrojovkaがストラコニツェ,Ceskoslovenska Zbrojovkaがブルーノに設立される.
 両社は銃器製造でチェコ国防軍御用達となり,銃器製造を制限されたドイツにも販路を確保して発展.
 WW2中も第三帝国に接収され,兵器生産を担った.
 国内では前者が拳銃,後者がライフルや機関銃などの独占的サプライヤーだったそうだ.

 大戦後の共産革命で国営企業となり,中央政府の一括管理の下に置かれる.
 両社の生産施設を接収してBrno Zbrojovkaが設立され,チェコ産の銃器にブルーノ印が表示されるようになった.
 因みにこの時点でCeska zbrojovkaの生産主力拠点はウヘルスキ・ブロッド(Uhersky Brod).
 で,ベルベット革命が起こるまで何度が組織改革が行われはしたが,基本的に両社は国営企業の一生産工場という扱いで操業を続ける.

 ということで,チェスカ・ズブロヨフカ・ブルーノなどと呼ぶやつが出てきたようだ.

 アトラスの地図くらいしか発音の参考になるものが無いという非常に心もとない状況では有るが,ceはチェと日本語表記されているし,子音のないzはズと,joはヨと書かれている地名を参考に,今後,俺は
「Cz75のCzって何て意味?」
と妙齢の女性に聞かれたら
「チェスカ・ズブロヨフカ,チェコ語でボヘミア兵器工廠という意味だ」
などとワイングラスを片手に良く通るバリトンで答えてみたい.

 注 Vz-61のVzとはVzorつまりモデルの略号だそうだ.

http://www.gunsworld.com/cz/cz_history.htm ←キリー・エリス氏という方がちょっとした企業史を書かれてます.グーグルのキャッシュにも残ってます.
http://www.czub.cz/index_en.php ←現在のメーカーCZUBのサイト
http://www.cz-usa.com/company.aboutcz.php ←米国法人のサイト

軍事板,2004/11/02〜11/03
青文字:加筆改修部分

 ブルーノは工業が進んでおり,MicroSoft Encartaではウール産業の中心であるとともに,機械・マシンガン・化学・ビールなどの工業がある,とあります.
 実際,チェコの兵器工廠と呼ばれた時期もあり,日本軍が「チェコ機銃」と呼んだZB26は別名ブルーノ軽機関銃なのだそうです.

 ここのどこかで作られていると思しき「スタロブルノ」というビールは,素朴ながらも豊かな味わいと確かな麦の香で,プルゼンやバドワ以上に私には好ましく思えました.
 町自体は工場視察のため,駆け足で(てーか本気で駅まで走って)通り抜けただけですが,まあ工場都市っぽい(チェコにしては)印象でした.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/11/02
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 イラクにアメリカ軍は13万8000人派遣していますが,予備役を招集してイラクに派遣させたり,バグダットの一部の治安維持をイギリス軍に任せたりなど,兵員不足に陥っている印象を受けます.
 なぜでしょうか?
 そもそもイラク戦争を始める時,アメリカ陸軍は50万人規模の派遣を考えていたのでは?
(国防長官の反対で現在の規模になりましたが)

 【回答】
 そこいらの事情については,「攻撃計画」が詳しいでしょう.
 基本的に同書ではラムズフェルド国防長官とトミー=フランクス中央軍司令官率いる中央軍が,相互にやりとりしながら立案を進めていったとされています.

 ちなみにブッシュ政権は立案のとき,すでにアフガンでタリバン相手に,空軍力と特殊部隊の支援を受けた現地勢力の組み合わせで打倒に成功していました.
 また,イラクのフセイン前政権に対する武力行使と政権打倒については,同書ではチェイニー副大統領が一番の推進力となったとされています.

 ともかくバグダッドを速攻で落とした点と,事後の占領計画については切り離すべき点もあると思います.
 占領計画については,陸軍は最初から
「最低50万人(軍人だけ),戦後もイラク占領を継続するなら150万人(非軍人含む)のマンパワーが必要」
と試算し,そう主張していましたが,コスト・カッターの異名を持つ国防長官が,大幅にそれを削りました.
 結果的に陸軍が正しかったわけです.

 兵力不足については米陸軍は現在旅団数を拡充中ではあります.
 咄嗟の役に立つわけではないですが,戦争中にある陸軍という掛け声はあるようです.
 また,予備役や州兵については湾岸戦争の折も召集されていますし,これは今回に限りませぬ.
 但し,職種によっては予備役と現役への振り分けを見直すなどのことも伝えられています.

 『攻撃計画』はこの本です.
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532164737/249-6032042-1210748

軍事板,2004/11/02
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 現在,ニミッツ級で運用されている航空機は85機前後で,いわゆる戦闘機は50機前後と聞きました.
 F-35が配備される頃には,予算の関係でもっと運用機数が減るかもしれないそうですが,では,純粋にニミッツ級空母の能力としては,最大で何機ぐらいの航空機が運用可能なのでしょうか?
 100機ぐらいまでは使えるのでしょうか?

 F-14とF/A-18Cでは大きさもだいぶ違うので,何を運用するかによって最大運用数も変わるとは思うのですが,F-14が退役してF/A-18E/Fが配備されている現在の基本構成で,攻撃力をさらに高めるためにF/A-18E/Fを追加配備するとすれば,何機ぐらい増やせるのでしょうか?

 【回答】
 ニミッツでは確か,実際に100機を超える艦載機を運用していた時代があったはずです.
 F/A-18E/Fを15機程度増やしても,問題なく運用できるでしょう.
 もちろん,航空団員も必要数増やす必要はありますが.

 最大でどのぐらいまで可能なのか?は,米海軍に本気でシミュレーションしてもらわないと分かりません.
 私も興味ありますので,トリビアの種にでも応募してみてください.

 現在の空母運用においては,艦載機をどのぐらい多く運用可能かよりも,どのぐらいソーテイを増やせるかに重点が置かれているようです.
 整備や補給の都合上,100機の艦載機を運用するよりも,85機に抑えた方がソーテイを増やせるということもありますので,艦載機の増加がそのまま攻撃力の増加に繋がるとは限りません.
 強力な敵がおらず,艦載機を失うリスクが小さくなっていることもまた関係しているのでしょう.

 もちろん,予算も関係しています.
 F-35の時代には確かに減勢される見込みです.
 しかし,アメリカ空母に強力な戦闘力を求められるような国際環境になるならば,順次追加される可能性もあり,予定は予定でしかありません.


180 名前:名無し三等兵 :04/11/02 19:03:26 ID:???
>>174
>トリビアの種にでも応募してみてください.

 200機を超えるスパホが上空待機する中,必死こいて着艦作業の限界に挑戦するクルーたちの姿が目に浮かんでおもわず笑った.
 着艦させて補給して発艦させるだけで「運用」と認められるなら,格納庫も倉庫代わりにして200機はイケルと思うんだがナー.
 200を全部着艦させた後,200を全部発艦ってことな.

軍事板,2004/11/02
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 散々言われている事ですが,Su-27に西側のアビオニクスを載せれば,原型機より遥かに高い性能を出す事が本当にできるのでしょうか?
 電子機器だけ交換しても,あまり意味が無いような気がするんですが・・・.

 【回答】
>電子機器だけ交換しても,あまり意味が無いような

 とんでもない.
 十分意味があります.
 F-15JのMSIPや近代化改修が良い例です.
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/9578/f15.html
 電子機器の交換により,処理能力の向上や新しい装備の運用,電子戦能力の向上が期待できます.

 また,Su-27のアビオニクスは古いです.
 ロシア空軍の運用しているSu-27は,財政難のためアップデートはされていないのが現状です.
(海外に輸出されているSu-30系よりも性能が低いとも言われています)
 そのため最新の西側の電子機器に換えれば,遙かに良い性能の機体になるのではないか?と想像してしまうわけです
 実際にやろうとすると,機体とのマッチング等,簡単にはいかないでしょうけど・・・

名無しAPG● ◆yvNqrnvsYY :軍事板,2004/11/02
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 質問です.
1.赤,加賀,飛龍,蒼龍などの日本海軍の主力空母は,艦載機用の銃弾,爆弾,魚雷などを何発ずつ搭載していたのでしょうか?

2.また,その場合,爆撃隊や雷撃隊は何回出撃できる計算になるのでしょうか?

3.作戦中に爆弾や魚雷が足りなくなった場合,輸送艦などから補給することはできるのでしょうか?

4.上記の質問の答えは,同時代ならば,だいたいどこの国の空母でも当てはまるのでしょうか?
  
 以上,よろしくお願いします.
 時期によって異なる場合は,太平洋戦争の開戦時の場合で教えてください.

 【回答】
 大型空母ではありませんが,1933年に設定された一万トン級空母艤装方針によると,以下の通り.
 太平洋戦争開戦時に関しては資料が手元にないので….

艦上戦闘機:搭載可能機数の1/3(複座戦闘機搭載のため,全幅11m,全長8m,機高3.5m,重量1.7tとして計量)
        うち,補用機が常用機の1/3
艦上攻撃機:搭載可能機数の2/3(全幅6.2m(折畳時),全長12m,機高4m,重量5tとして計量し,双発攻撃機なら6機搭載可能)
        うち,補用機が常用機の1/3
爆弾:800kg:常用艦攻1機に付1発(1t爆弾も同様に考慮する)
    500kg:常用艦攻1機に付2発
    250kg:常用艦攻1機に付8発
    60kg:常用艦攻1機に付16発
    30kg:常用艦戦1機に付4発,常用複戦1機に付20発
    30kg煙爆弾:常用艦攻1機に付16発
    焼夷散爆:常用艦攻1機に付4発
    10kg擬爆:常用艦戦1機に付5発,常用複戦1機に付10発,常用艦攻1機に付15発
     4kg爆弾:常用艦戦1機に付10発,常用複戦1機に付20発,常用艦攻1機に付10発
     1kg爆弾:常用艦戦1機に付10発
魚雷:53cm航空機魚雷:常用艦攻1機に付1発
弾薬包:7.7mm機銃弾薬包:常用機銃1に付8,000発(徹甲弾/4,500発,曳光弾/1,250発,焼夷弾/750発,普通弾/1,000発)

2. 出撃回数に関しては,各々20〜30機程度で3回くらいが限度ではないでしょうか.

3. 魚雷,爆弾は足りない様に使用する必要があります.
  基本的に作戦途上で,しかも荒れる洋上で補給することはありません.
  根拠地で補給することはありますが.

4. 米国は魚雷より爆弾を重視していました.英国はどうだったか忘れましたが.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/11/03
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 最近WWTに興味を持って,主にWebを見て回っていたのですが,その中で
「日本は陸軍を欧州に派兵しなかったために欧州からの信頼を失い,日英同盟は解散したのだ.
 まったく愚かしいことである.
 ぜひ派兵すべきだった」
という件の文を散見します.
 FAQでは,金はかかるし儲かってる産業界から労働力を兵として引き抜く事は出来ないし,とありますが,
「もしも派遣するとしたらどの程度の規模になるか,それとも派兵は絶対有り得ないのか.」
お教え願えないでしょうか.
 FAQお勧めの「一次世界大戦と日本海軍―外交と軍事との連接」を本屋に注文したら,在庫なし,との返事が来たもので.

 【回答】
 陸軍の派兵問題は,1914年8月末,ロシア外相と駐露英仏大使の間で日本陸軍の欧州派遣問題が提起されます.
 その結果,11月4日に駐日英大使グリーンを通じて加藤外相に三個軍団(15個師団)の派兵を要請しました.
 その出兵費用はグレー英外相が英国政府で配慮する,と発言していました.

 これに対し,日本側は,
「国防に合わない目的の為に日本軍の国外派遣は出来ないし,日本軍の派遣が決勝的効果を上げるには十個軍団以上の兵力が必要となるが,これでは日本の全陸軍力を派兵することになり,日本の国防が空白となる.
 また,輸送には船舶二百万トンが必要であるが,現実問題として派兵は不可能」
との回答を行なって,事実上これを拒否しています.
 当然これは詭弁で,実際的には日本の国防上大きな問題は無く,大島陸軍次官が発言していたように,大陸権益に目が向いていた訳です.

 しかし,連合軍は東部戦線,西部戦線で苦境に喘いでおり,17年10月にはリボー仏外相が駐仏の松井慶四郎大使に対して日本陸軍の派兵を要請していましたし,セルビアもサロニカ方面への派兵を希望,これをイタリアと米国のランシング国務長官も支持していました.
 更に11月にはバルフォア英外相が,駐英大使珍田捨巳にロシアあるいはメソポタミア戦線への派兵を希望して来ましたが,これを拒否し続けました.

 結果的に,
「日本は自国の利害だけを考えて与国共通の目的を重視せず,自国利益の発展のみ腐心して,東亜に於ける地盤の強化のみを考えている」
と批判し,反感を募らせることになりました.

 とは言え,日本側にも言い分があり,日英同盟の適用範囲はインド以東であり,日本として欧州戦線に参戦する義務はありませんでした.

 しかし,連合国からの批判が強まるにつれ,それを座視することは出来ず,参謀本部では17年10月に「欧州出兵に関する研究」を政府に提出します.
 これは,日本の出兵で一挙にドイツ軍を圧服出来る兵力,即ち四十個師団の欧州派兵を基準に検討しています.
 それに依れば,西部戦線,バルカン戦線への海上輸送,シベリア鉄道による東部戦線への陸上輸送を検討し,結果的に日本の要求を全面的に受け入れれば,東部戦線への派兵は可能という結論になっていました.
 その日本の要求は,
 1. 与国が一致協力して最後の資源までも傾注する
 2. 日本が希望する一方面で作戦する自由を認め,ロシア軍は日本軍の行動を基準として策動する.
 3. 戦費や軍需原料の供給に便宜を与える.当初一年間の出兵経費は約62億円,輸送船舶は約60万トンを必要とする.
 4. 中国を日本の補給策源地として認め,シベリア鉄道などを日本軍の管理下に置く.

 要は,欧州戦線は米国の参戦で兵力が足りているだろうから,日本は東部戦線で主に戦う,と.
 そして,これらの要求については,ロシア情勢の混乱と連合軍側の海陸輸送力欠乏があるのだから,この要求は受け入れられないだろう.
 となれば,日本側は派兵をしないと言う正当な理由付けになるから,孤立は避けられるだろう,というものでした.

 もう一つ,参謀本部とは別に駐露大使の本野一郎は,日本が出来る範囲内で援軍を送るべきである,と意見具申を行なっています.
 また,それよりも大規模な派兵は,田中義一と宇垣一成で,前者は東部戦線に兵力を以てロシアを支援し,間接的に英仏を助けることで,戦後,仏の財力を利用して米国に対抗すると言うモノでした.
 後者は,限定的な派兵として,国民精神の一新と自給自足体制の確立と発言権の強化を図る,と言うもので多分に消極的なモノでした.
 更に陸軍の実力者だった山県有朋は,ロシアへの派兵を支持していましたが,それは,モスクワが危険になったら,と言う理由でした.
 即ち,ロシアが崩壊した後,その兵力を利用してドイツが満州に攻め入ってくることを恐れた為です.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/11/03
青文字:加筆改修部分

http://ww1.m78.com/
の下にあるコンテンツの
「日本の参戦とシベリア出兵の出兵要請」
http://ww1.m78.com/sib/exhortation%20for%20expedition.html
を読むことをお勧めする.

軍事板,2004/11/03
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 中世の戦場では槍専門の槍歩兵はけっこうメジャーだったらしいですが,剣歩兵やメイス歩兵というのは殆どいないのでしょうか?

 【回答】
 中世の戦場ではメジャーなハンドウェポンはメイスやフレイル,モーニングスター等で,剣は「持ってるだけ」.
 「歩兵は殆どがメイス歩兵だった」というのが正しい.
 槍,特に長槍はちゃんと訓練して部隊組まないと戦力にならないので,中世後期になるまではあまり普及してません.

 中世初期の歩兵は大部分専門職ではなく,騎士(貴族)の家臣か,領地の農民でした.
 専門職は長槍兵か,クロスボウを扱う傭兵など.

 しかし,剣は騎士の高貴な武器であると認識されると同時に,農民たちの反乱を抑える目的で長剣や短剣の携帯は禁止されていたため,中世の歩兵は基本的にはメイスしか持てなかったのです.
 そしてメイスと言っても,ただの木を削った棍棒から脱穀に使う殻竿,金属製のメイスなど,色々でした.
 彼らの仕事は落馬した敵の騎士を撲殺することと,自分の使える騎士の荷物を担ぐことくらいです.
 彼らメイスを持った兵士たちは「歩兵」と呼べるほど統一された訓練を施されたわけでもなく,戦闘において何か重大な任務を任されていたわけでもありません.
 騎士の添え物として,荷物を運んだり,雑用をしていただけです.

 なお,自由都市や都市国家の市民は都市防衛のため武装していましたが,基本的に彼らは都市の城壁を守備するのが仕事ですから,弓かクロスボウを所有するように都市の法律で決められていたようです.

 1422年,当時のスイス傭兵達は独自のパイク戦術の中で,前面にハルベルトとバスタードソードを持った兵士で統合した部隊を配置し,ベリーンウェーナにおける戦いで勝利しています.
 パイクとは長槍の一種で,ハルベルトというのも槍の一種です.
 スイス兵は専門の歩兵でしたが,彼らはブルグンドや神聖ローマ帝国の支配から独立するため市民や農民が自主的に集まり,共同体ごとに部隊を作ったので団結心もあり,訓練も定期的に行ったので専門化可能でした.

 また,ドイツの三十年戦争で傭兵達はカッツバルケルという剣を好んで携行しています.
 ランツクネヒトはスイス兵の活躍を見たローマ皇帝が作り上げたものです.
 彼らは専門家としての訓練を受ける代わり,部隊ごとに自治権とでもいうものを持っていました.
 兵士一人一人が隊の運営(戦闘の指揮は隊長が執りますが,それ以外の生活レベルのこと),犯罪者の処罰などについて,発言する権利がありました.
 個々の兵士が部隊運営に携わることで,団結心をはぐくんだのです.

 つまり,中世から前近代まで,規律正しく,士気にあふれ,訓練も充実した部隊を作ろうと思えば,兵士にある程度の自由を与えざるを得なかったのです.
 部隊という共同体の自治に参加して初めて,兵士は団結し,訓練を受ける意欲を持ち得ました.
 中世初期の歩兵が専門家ではなかったのは,彼らに義務に服させるだけの権利が与えられていなかったから当然と言えます.

 メイスなどの打撃系武器も,割とポピュラーでした.
 欧州での登場は13〜14世紀のことです.
 歩兵達が用いる打撃武器は強力で訓練も少なくて済み,1302年に起きたブルーニュという町の一揆で,一揆を起こした側が使用し,鎮圧に来たフランス騎士達を皆殺しにしました.
 ある試算によれば,この時,兵士一人でフランス軍の騎士二人を倒した計算になるそうです.
 ある程度は誇張でしょうが,打撃武器が強力なのは事実でしょう.
 打撃武器はこの後,パイクとそれに続く火器の登場により,歩兵の間では廃れていきます.
 しかし,騎士の間では使われ続け,16世紀まで使用さえされています.

軍事板,2004/11/04
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 潜水艦に航空機を搭載してたのは日本だけ?
 潜水艦に航空機を載せるメリットとデメリットってなんですか?

 【回答】
 英国,フランス,ドイツで研究されたり,実際に試作されていますが,実用化したのは日本だけです.

 航空機搭載潜水艦は,イギリスなんかでも建造しています.
 ドイツではオートジャイロを搭載した例も.
 沈没事故があったり,実際に使ってみたら大して役に立たなかったりで,すぐにやめていますが.

 メリットとしては,搭載機を偵察や爆撃なんかに使えて便利というのがあります.

 しかし,
艦載機を搭載するのは必然的に艦の大型化を招きますが,それは水中機動性の低下と同義ですし,何より通商破壊など,隻数が必要とされる潜水艦を整備するのに,そんな大型艦が必要か,と言う疑問が出されたのもあります.
 他にも
・搭載機の発艦・収容にはかなりの時間がかかり,その間,敵の攻撃に対して弱い
・敵に見つかりにくいことが潜水艦の最大のメリットなのに,わざわざ浮上してそのメリットを無くしてしまう
・船体の構造が複雑になるので,建造費がかさみ,建造にも時間がかかる
といったデメリットがあります.
 加えて艦隊に随伴するにも,中途半端な速度しか出ず,ロンドン条約で補助艦の制限が行なわれたので,大型艦の整備は不利と考えられたが為に,廃れました.

 日本は,通商破壊よりも艦隊支援という面が強いのと,個艦の優秀で,隻数に対抗しようとした関係で,艦載機を搭載したものです.

眠い人 ◆gQikaJHtf2(黄文字部分)他 :軍事板,2004/11/04
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
「俺だけだ(笑)
 ステパンチコフ(笑)とシュンチャエフ(笑)*2は死に
 ドイツ兵(笑)は教会に入った(笑)
 手榴弾一発(笑)残るのみ(笑)
 捕虜にはならないぞ(笑)」

 これの元ネタって何ですか?

 【回答】
 (笑)を除くと,ブレスト・リトフスク要塞の壁に刻まれた兵士の遺書.
 ブレスト・リトフスク要塞は,1939年ドイツとソ連により分割占領されたポーランドにあり,ソ連軍が駐屯していた.
 1941年6月22日の独ソ戦勃発と同時に,交通の要衝であったこの要塞をドイツ軍は攻撃したが,駐屯部隊は激しく抵抗.
 ドイツ軍はその占領に一週間と1500名近い死傷者を費やした.
 ソ連兵の多くは死ぬまで戦い,一部は地下室などにこもって7月末まで戦った.
 要塞の壁には兵士たちの言葉が刻まれ,その多くは今も保存されている.
 他にもこのようなものがある.
「情勢は不利だが,われわれは勇気を失わずに死ぬ. 1941年7月」
「俺は死ぬ.降伏するものか.許せ,祖国よ」
 400名ほどが捕虜となり生き延びたが,戦後降伏を裏切りと見なしたスターリンにより迫害され,その名誉が回復されたのは戦後十数年経ってからであった.

 パウル・カレル著「バルバロッサ作戦」より.

軍事板,2004/11/05
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次大戦で,ドイツがソ連に侵攻準備をしていた段階でドイツ上層部は,ソ連領内の鉄道の規格が違う事や道路事情が悪い事を充分に認識していたのでしょうか?
 その解決策を持ってからソ連に侵攻したのでしょうか?
 実際にはその輸送関係で苦戦したので,解決策は用意できなかったのだと思いますが,鉄道・道路事情は何とかなると思って侵攻したということでしょうか?

 【回答】
 絶版になってますが「補給戦」には割と詳しく書かれています.
 鉄道に道路網は考えずに侵攻を開始したようです.
 ドイツ陸軍には鉄道連隊があって,侵攻に合わせて鉄道の幅を改修して,トラック輸送部隊で不足分は補えると考えてました.
 実際は鉄道連隊は数が少なく(西部戦線で手がいっぱい),前線部隊の進撃に追いつけませんでした.
 ロシアの道路網も舗装道路はモスクワ-スモレンスク間だけで,その他は良くて砂利道でした.
 西ヨーロッパの地図表記と,ソビエトの道路の表記は同じだと勘違いをしており,道路網の不備と泥道が進撃を阻んだと言って間違いがありません.
 ドイツ陸軍の戦車も機械化部隊も基本的には,舗装道路を進撃する軍隊だったのです.
 不整地の走破力は非常に非力でした.

一等自営業 ◆JYO8gZHKO. :軍事板,2004/11/06
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 欧州はミラージュ2000やラファールタイフーンなど,比較的新しい機体はデルタやカナード付デルタばかりですが,なぜなのでしょう?
 アメリカ機よりエンジンに劣るぶん,欧州機は空力の面でカバーせねばならないというのは分かりますし,米軍はすでにステルス重視になっているので,形状が一歩や二歩以上進んでいるというのは分かるのですが,デルタがそんなに優秀だというのなら,F-106あたりからこれまで,米戦闘機に純粋なデルタ機やカナード付デルタの機体がないのが不思議です.

 【回答】
 尾翼のいらない三角翼機は,尾翼のある後退翼機や切欠き三角翼機に比べて,構造的に軽量で部品点数や工数が比較的に少なく安価に作れるなどの特長があり,できるだけ調達価格を抑えたい欧州諸国では半世紀近く前から人気があります.
 欠点としては,尾翼付きの機体に比べて低速時に迎え角を大きくとらねばならないため,機首上げ姿勢の角度が大きくて下方視界があまり良くないので着陸が少し難しいのと,地上の目標をパイロットが目視で探して攻撃するような任務には使いにくいことでしょう.
 カナード付きデルタ翼機のカナードには,尾翼の代わりにこの欠点を補う役割もあります.
 しかし,ただカナードを付けるのではデルタの特長を相殺してしまうので,結構苦心しているようです.

 米空軍が,迎撃専用の戦闘機であるF-102やF-106にはデルタ翼を採用しながら,それ以外の機種には現在までデルタ翼機を採用していない理由は,米空軍と欧州諸国の空軍の戦闘機に対する設計思想の違いが原因です.
 仮想敵国と国境を接していることの多い欧州空軍は,戦闘機の迎撃性能を主に重視し,海外に遠征して戦う米空軍は,様々な任務を幅広くこなせる万能性を戦闘機に求めたのです.
 この万能性という点で,米空軍はデルタ翼機に満足できなかったのです.

軍事板,2004/11/07
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 初歩的な疑問で申し訳ないのですが…,オート拳銃のシングルアクションとダブルアクションってどう違うのでしょうか?

 【回答】
 自動拳銃の場合,引鉄を引くことで撃鉄を起こすことと,起こした撃鉄を落とすことの両方ができるものをダブルアクション,すでに起こされている撃鉄を落とすことだけができるものをシングルアクションと呼びます.
 いずれのタイプも,初弾発射時にはスライドを引いて弾丸を薬室に送り,撃鉄を起こすこと(コッキングと呼びます)は同じですし,その状態で引鉄を引けば発射できることも同じです.
 違いがあるのはコッキングした状態で携帯する場合です.
 シングル・アクションの自動拳銃は,コッキングした状態で携帯すると,誤って落とした衝撃でも撃針が落ちて暴発する危険があるため,原則として発射の直前にのみコッキングし,止むを得ない場合は二重三重の安全装置をかけて携帯します.
 ダブル・アクションの自動拳銃は,一度コッキングしてから撃鉄を元の位置に指で戻すことができます.
 これにより,落下時の暴発の危険がなくなり,銃弾を薬室に装填した状態で安全に携帯することができます.
 このことは,とっさの時の即応性を高めますが,反面,引鉄が重くなり,また,引鉄の動く距離が長くなるので,力を込めて引くことが必要になり,命中率が落ちる原因になると言われています.

 これも読むといいでしょう.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%BCP38

軍事板,2004/11/07
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 F-16には敵味方識別装置の,応答装置しか搭載していないと言うのは本当でしょうか?
 インテーク下のアンテナは応答するだけなんでしょうか?

 【回答】
 両方搭載している機体と応答装置だけの機体があります.
 F-15などと装備品リストを見比べてみてください.

http://nsd.es.northropgrumman.com/Automated/categories/Military_Air.html
 IFF装置は大抵の場合トランスポンダと書かれていますが,2チャンネル動作しています.

 判りやすい記事としては
http://www.dean-boys.com/extras/iff/iffqa.html
など.

TFR ◆ItgMVQehA6 :軍事板,2004/11/07
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 サンフランシスコ講和条約で,イタリアとスイスは日本に賠償を求めたそうですが,いったい何を理由としていたのでしょうか?
 何かを請求するからには,根拠がいりますよね?
 愚にも付かないこじつけでも,何かしら請求する理由をでっち上げたのだと思ったのですが.
 何の理由も示さないままに請求されたのでしょうか?

 【回答】
 スイスの場合,彼の国の国民が,日本政府に抑留されたことを根拠として賠償請求をしています.
 イタリアの場合は,1943年の降伏時に接収された艦艇,商船の喪失に際しての賠償請求と,国民が日本政府に抑留されたことを根拠として算出したのでしょう.
 南米のABC諸国は,日系人抑留の経費とかでしょうか.
 その他のアジア諸国は,国内が戦場となった際の復興費用とか.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/11/07
青文字:加筆改修部分


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