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初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 150

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「v.e.r. = 7」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【質問】
 アメリカは空母12隻体勢をとっていますが,この12隻体勢は何時頃どんな理由で決まったのでしょうか?

 【回答】
 クリントン政権下でアスピン国防長官が作成し,93年9月に発表した「ボトムアップ・レビュー(BUR)」において決定されたものです.
 これによって,それまで維持されていた空母16隻が11隻+1隻(予備)に削減されました.

 BURでは,2ヶ所の大規模な地域紛争と1つの小規模紛争に対処しうる規模の兵力を維持すべきであるとして,空母12隻体勢が決定されました.
 しかし,実際にはQDR(4年ごとの国防力見直し)により海軍の規模は縮小しつつあり,2ヶ所の大規模な地域紛争への同時対処は厳しくなっています.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2004/10/23
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
(1)劣化ウラン弾を使用する軍事的意味
(2)劣化ウラン弾の製造過程と原爆製造との関係
解説をお願いしたいと思います.
 韓国が劣化ウラン弾を製造していたというニュースがありましたが,韓国軍が劣化ウラン弾を製造する軍事的理由や,核兵器開発との関係が問題になりそうなので,劣化ウラン弾について正確な知識を得たいと思います.
 よろしくお願いします.

 【回答】
 現在,徹甲弾にはタングステンのものと劣化ウランのものがあります.
 それぞれに以下のような長短があります.

・タングステン
 素材がとても高価であり,弾を成形するのにも技術が必要で高価,結果的に弾自体はかなり高価になります.
 しかし,環境汚染などへの心配はありません.

・劣化ウラン
 核燃料を作る上で,通常のウランに手を加え,ウラン235という物質の濃度を高める必要があります.
 ここでウラン235を抽出した残りかすのウランが,劣化ウランと言われるモノです.
 材料はいわゆる廃品の再利用ですので,かなり安く済みます.
 大きな差があるわけでは無さそうですが,タングステンよりは安くあげることが出来ます.
(成形にお金がかかるそうな)
 また,タングステンに比べて,比重が重いので,タングステン砲弾よりは貫通力が高いと言われています.
 あと,タングステンは希少金属で,ずっと安定して入手するのに難があるが,劣化ウランは原子炉がある国なら,多くの場合安定して入手出来るというメリットがあります.
 タングステンでは火災を引き起こすのは困難ですが,劣化ウラン弾には焼夷効果もありますね.
 反面,環境への被害や人体に対する影響,放射線被害,重金属汚染などへの危険性が指摘されています.
 この危険は統計的資料によって確認されているわけではありません.

軍事板,2004/10/23
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 劣化ウラン弾とタングステン弾の価格を教えてください.

 【回答】

 04/8の「グラパ」に「大砲と装甲」サイトの管理人の装甲講座が載ってて,そこにAPFSDS弾の価格一覧が載ってたんですが,それによれば,アメリカが調達しようとしてるM829E3の単価は約55万(5000$).
 それに対し,タングステン弾は,
独のDM53が2001年だと34万(3048$),
仏のOFL120F1が2001年だと52万(4000ユーロ),
日本のJM33が1999年だと95万.
豪の105mmAPFSDSとTPDSが2003年だと両者を平均して51万(4605$)

軍事板,2004/10/23
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次世界大戦当時,石炭焚の蒸気レシプロ機関を装備した艦艇には自動給炭装置などの省力化が図られていたのでしょうか?
 石炭を使えるから,決戦主義の日本で使う護衛艦用には主力艦の燃料事情を圧迫しないし,適しているかな,とも思ったのですが,機関要員が増えるのでやっぱダメかな,とも思い判断がつきません.
 あのころの蒸気タービン艦と蒸気レシプロ艦の機関要員の差はどれくらいなんでしょうか?

 【回答】
 1939年に三菱横浜造船所などが,御法川式自動給炭装置を開発します.
 これを装備した商船が実際に建造されていますので,装備しようとすれば可能ではないかと思います.

 ただ,この装置を装備したのは,日本郵船の永福丸くらいではないでしょうか.
 他の船は石炭使用を余り念頭に置いていないと思います.

 機関要員は資料が無いので不明ですが,2ET型戦時標準船はディーゼル機関で乗員23名.
 4ET型戦時標準船は石炭専焼缶で,乗員43名ですから,約20名は人員増になったのではないでしょうか.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/10/24
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 海上自衛隊の掃海母艦うらが級は掃海艇の補給休養を目的に建造されたそうですが,
1,補給は普通に補給艦でできないのでしょうか?
2,艦首に搭載されている76ミリ砲は何に使うのでしょうか?
 機雷を爆破するには大きすぎると思うのですが.

 【回答】
 糧食,燃料の補給は補給艦でも可能ですが,掃海具の整備,掃海艇乗組員の休息設備はありませんので,専用艦が必要となります.
 また,機雷敷設艦そうやの後継艦ですから,機雷敷設設備も設けていますし,掃海艇部隊の旗艦設備も充実しています.
 単純な補給艦と言う訳ではありません.

 艦首の76mm砲については,有事の際,護衛艦の補助兵力として,船団護衛などに用いる為にも最低限の武装を必要としますので,装備しているのではないかと思われます.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/10/25
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 八八艦隊計画戦艦を見ていると,前に連装砲塔2基,後ろに3基と言うように,後部の火力の方が充実しているように感じます.
(実際には射角の関係上,余り関係はないかも知れませんが)
 如何に言っても前部火力の方が後部火力より重要だと思いますが(追撃してくる敵を追い払う必要のある駆逐艦は別として),なぜ前3基,後ろ2基とならなかったのでしょうか?
 また,八八艦隊の計画戦艦の設計について詳しい本がありましたら,教えて頂ければ幸いです.

 【回答】
 基本的に戦艦の撃ち合いは,全砲門を使える横並びの状態で実施します.
 日本海海戦やスリガオ海峡海戦のような丁字戦は珍しいケースです.
 横に並んで撃ち合う同航戦,またはすれ違いざまに撃ち合う反航戦が主流です.
 なのでネルソン級のように前に集める必要はありません.
 ネルソン級はバイタルパートの縮小を狙ったためのレイアウトに過ぎません.
 アメリカの場合でも,アーカンソー級は前2+後4,テキサス級は前2+後3です.

 また,艦首は浮力をアップするためにシア・フレアを大きくする必要があり,前方への主砲射撃は艦首に阻まれてうまくいきません.
 大和型やアイオワ級を見れば,艦首のせり上がりがきつく,前に撃てないのは一目瞭然です.
 逆に正面射撃のために艦首を低く抑えたキングジョージX世級は,さんざん波に翻弄されてます.

鷂 ◆Kr61cmWkkQ :軍事板,2004/10/26
青文字:加筆改修部分

 さらに,前部に主砲塔を集中させるのは,爆風の問題で艦橋に悪影響を与えるので,戦艦クラスでは限界が有った様です.
(重巡までは大丈夫だったのですが).
 実際,ネルソン級は運用に制限を受けていたようですし.

 八八艦隊の設計プランについては,今手元にないんで確認できないが,「福井静夫著作集 日本戦艦物語」(光人社)の1か2に記述があったと思います.

 入手し易いものなら,学研刊の「日本戦艦パーフェクトガイド」とか光栄刊の「未完成艦名鑑」があると思います.

軍事板,2004/10/26
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 太平洋戦争が勃発した時点では,日本の方が保有空母の数では10:8で米国を上回っていますよね?
 米国に敗北した原因が物量の差ばかり強調されがちですが,空母自体を建設する事は容易に可能でも,空母の乗組員を育成するとなると容易には行かなくなる訳でしょ?
 となると太平洋戦争に負けたのは物量の差ではなく,単なる戦下手が招いた事になると思いますが,どうでしょうか?

日米空母保有数比較

1.レキシントン
2.サラトガ
3.エンタープライズ
4.ワスプ
5.ヨークタウン
6.レンジャー
7.ホーネット
8.ロングアイランド

1.赤城
2.加賀
3.飛龍
4.蒼龍
5.鳳翔
6.瑞鳳
7.龍驤
8.大鷹
9.瑞鶴
10.翔鶴

参考文献
http://miizu.hp.infoseek.co.jp/kaisensi/hikakuhyou.htm

 【回答】
 全く理解できないのだが.
・空母を建設することは容易に可能ではない.
・乗組員の育成が容易ではないから何だというのか?
・前半部分を以ってなぜ「戦下手」とは言うのか?

 日米の機動部隊同士が殴り合った場合,「数があるから勝てる」という物ではない.
 当時の空母は防御面では非常に弱かった.
 この点について日米ともに開戦以前に十分に認識しており,それぞれが可能な限り手を尽くしていたが,実際のところは,艦のダメージコントロール,護衛艦艇の防空能力といったある種,間接的な面の差でアメリカ側が優位にあったといえるだろう.
 日本海軍も,艦隊防空の指揮系統や方法論といったソフト面にも多いに改善の余地があるのにもかかわらず,その発想が無く,たとえあっても「海軍の伝統」という強固無比な障害物が…
 というわけで,相手の空母を沈めたはいいがこちらは満身創痍,ということも考えられる.
 仮に艦自体は無傷でも,艦載機とパイロットの損耗は,日本にとってはそれこそ一会戦すれば回復に三ヶ月単位で時間がかかるレベルだった.
 二直制を導入しようにも,当時日本にはそれだけのリソースは存在しなかった.

 だいたい,空母だけ比較してどうするんだってェの.
 詭弁もいいところだ.

 この板では何度も出る話だが,まず,日本がアメリカに負けたのは「物量の差」だけではない.
 物量以前に,生産力,技術,効率的な組織運営,人材,全てで劣っていたため.

 で,アメリカは,人材を急速に育成するシステムでも日本に遥かに勝っていた.
 その面から見ると,開戦時の戦力差など屁のつっぱりにもならない.

 確かに日本海軍が戦下手だったのは確かだが,戦上手だったら勝てたのか・・・となると,全然そんなことはない.

 結局,何をどうやろうが,日本はアメリカに勝利などできない.
 史実よりも健闘する事は出来たかもしれないが,所詮大事の前の小事.

軍事板,2004/10/27
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
 軍事思想家の神さま孫子に言わせれば,彼を知り己を知れば百戦危うからずと言うのに,米国を知らず日本を知らなければ百戦全敗じゃないか!
 開戦当初の空母の保有数では日本の方が勝っていたのに,兵力の多さだけでは勝てなかっただなんて!
 それでは,日本は逆立ちしても米国に勝てなかった(講和と言う目的達成)と言うのですか?!

 【回答】
 そのとおり.

 まず,講和が目的なのに,真珠湾を奇襲したのは誤りでしたね.

 それと,あの戦争は総力戦.なので,開戦時点での戦力で勝負が決まるものじゃないんだよね.
 もちろん,開戦時点での戦力が大きいにこしたことはないけど,それだけではダメです.
 総力戦というのは,すり減っていく戦力をどんどん補給しながら戦うもので,開戦時点での戦力よりも,戦力の補給が続くかどうかが鍵です.
 戦力の補給には,大きな工業力や莫大な資源が必要です.日本と米国ではこういった面で逆転できない差がありました.
 第一次世界大戦の過程と結末を見て,列強各国は総力戦のなんたるか,そしてその総力戦でのアメリカの優位点というものを実感しました.

 大日本帝国という国家は,一応の参戦国であるにもかかわらず,それら本質的な点を何も学びませんでした.
 ドイツ帝国の例を見て「総力戦で負けたら大変なことになる」ことだけは見たようですが,それも戦局が我に有利な頃は,イケイケドンドンですっかり忘れているという脳天気ぶり.

 総力戦研究所は
「統計と科学的考察を元に検証した結果,総力戦では絶対勝てない」
と警鐘をがんがん鳴らしたんですけどね.
「兵力は日本海軍のほうが多いじゃないか! 米国海軍ごとき何するものぞ! ワハハ!」
と素面で酔っぱらっていた人の耳には入らず,右から左に抜けていったようで.
 ‥‥いや,「人間は信じたいものを信じる」効果で,激高して否定するほうが多かったかも.
 【反論】
 上記回答は根拠のない思い込みに基づいています.

 日本の軍部は第一次世界大戦については積極的に戦訓調査を行い,今後の戦争が国家間の総力戦であることを明確に認識していました.
 結果,1918年には軍需工業動員法が成立し,内閣に軍需局が設けられています.
 また,総力戦を行うには日本の国力は弱いという認識から,陸軍・海軍の部内に深刻な対立が生じており,このことが,日本のその後の国家運営の方針に大きな影を落とすことにもなっています.

 それにですね,上記は「総力戦研究所」なる組織の名を挙げておきながら,この組織がなぜ設立されたのかということにすら思い至っていないわけで,軽率という謗りをうけないわけにはいかないでしょう.

 それもこれも全て,日本が太平洋戦争に敗北したという決定的な事実から逆立ちしてそれ以前を見るという歴史認識上の間違いを犯しているのが原因です.

軍事板,2004/10/27
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 歩兵や砲兵の職業病として銃砲声による難聴があると聞きました.
 それに関して質問なのですが,その銃砲音による難聴と言うのは,いつの時代の銃砲から始まったのでしょうか?
 火縄銃の頃から射手に難聴は見られたのか,それとももう少し後の時代になって銃砲が強力になってから現れた症状なのでしょうか?
 火縄銃と現用小銃(あるいは初期のの大砲と今の大砲)では,連射速度や発射火薬の爆発力(音)が段違いでは無いかと思います.
 したがって,火縄銃の頃にそんなに難聴とかは無かったのではないかと思ったのですが,火縄銃の銃声を生で一度も聞いた事が無いので,実際のところはどうなのだろうと思いました.

 【回答】
 小生,大学で西洋史学を専攻しており,いくつかの戦争の史料も読みましたが・・・

 ヨーロッパで火縄銃や大砲が使われ始めた時代に,難聴になった話は読んだことがありません.
 そんな話は史料に残らないから,あったかもしれないし無かったかもしれないとしか言えないのです.

 ただ,13世紀ごろの大砲の大きな要素は,音で敵騎兵の軍馬を驚かせることだったと考える研究者もいるようですね.
 のちの時代の軍馬は(ナポレオン戦争や第一次大戦のころ)は大砲の音で驚かない訓練をしていたそうです.
 つまり敵陣にまで轟く音が初期の火器でもしたわけで,近くで何度も聞いていれば耳がおかしくなったのではないでしょうか.

 しかし,中世からルネサンスそして三十年戦争までの火器は,実際はそれほど頻繁に発射されたわけではありませんでした.
 18世紀ごろの軍事理論書でも,要塞攻撃の場合,一日で大砲の発射数は10発以下で十分とされていたそうです.
(これはクレヴェルトの『補給戦』に書いてあったことなので,本当かどうかは知りません)
 銃兵たちも一回の遠征でそんなに頻繁に銃を発射したわけではないようです.
 とすると,そう頻繁に銃声を聞くこともなく,耳がおかしくなる前に戦争が終わっていたのかもしれません.

 あと,一度研究大会で国友鉄砲会の火縄銃の音を聞きましたが,運動会のスタート用ピストルを少し大きくしたような感じでした.
 もちろん,火縄銃でも戦闘用の装薬量と,演技で紙を丸めた弾を飛ばすための装薬量は全然違うでしょうが.

 砲兵の難聴は近代以降のことではないでしょうか.

 あんまり参考にならんと思うけど,ネットで見かけた話では,昔の作曲家が作った砲兵が太鼓の代わりをする行進曲か何かを,陸自の音楽隊とFH70がどっかで演奏してみたらしいです.
 そしたら演奏者も聴取者もみんな耳がおかしくなったそうな.
 昔の砲と現代の野砲では音質も音量も違うみたいですね.

軍事板,2004/10/29
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 『宣戦布告』っていう映画を見ました.
 北朝鮮の特殊部隊って強いですね.
 超人みたい.
 やはり小さな頃から訓練をしているから練度が高いのでしょうか?

 【回答】
 北朝鮮軍全体の練度・士気は,お話にならないくらい低いと言われいていますよ.
 食糧不足で訓練もままならないという話を聞いたことがあります.
 ある本によれば,食糧供給と士気は正比例の関係にあるそうです.

 しかし,一部の特殊部隊はかなりきつい訓練を受けていて,練度・士気共に高いそうです.
 小さい頃から訓練をしているからと言うよりは,レベルの高い訓練を継続して受けているからでしょうね.
 世界でもトップレベルの部隊ではないでしょうか.

 ただ,訓練が科学的根拠に基づいていないので,ただ単に身体に負担を強いるだけの訓練もあり,そういう訓練で身体を壊してしまう隊員も少なくないそうです.
 ということは,適正でない訓練が行われているということであり,つまり練度は思ったよりも低いかもしれませんが,本当のところは分かりません.

軍事板,2004/10/29
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
・居住区が有るのが艦
・無いのが艇
で宜しいか?

 【回答】
 宜しくないです.
 巡洋「艦」厳島や砲「艦」宇治は,最終的に潜水艦母「艇」に落ちていますし,逆に駆逐「艇」白雲は,あっさり駆逐「艦」に上がってます.
 駆逐艦/駆逐艇,潜水艦/潜水艇は実質違いはありません.
 敷設艦/敷設艇もサイズと使用範囲の違いです.

 ただし,
・海防艦=船団護衛船/海防艇=特攻兵器母船,
・砲艦=大河遡行警備船/砲艇=小河川遡行攻撃船
のように性格が異なるペアもありますのでご注意ください.

鷂 ◆Kr61cmWkkQ :軍事板,2004/10/30
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 どの文献かすぐに確認できないのですが,アメリカ軍によってバターン死の行進の報復として,日本兵が健康な者でも登る事が難しい谷や山を数日間にわたって歩かされた,バターン死の報復といわれる日本兵捕虜による虐待が行われたという事実はあったのでしょうか?
 あと,13年程前なんですが,NHKである海戦後(たぶんダンピール海峡での反銚爆撃)に,日本人漂流者をオーストリア空軍の爆撃機が銃撃を加えて虐殺したという事が,日豪間で問題になっていると放送していた事があったと記憶していますが,事実でしょうか?
 もしあっても,敗戦国の立場からして泣き寝入りでしょうか?

 【回答】
 日本兵の死の行進と言えば,以下のケースがありました.

「ナウル守備兵の死の行進」
 これは豪州軍によって行なわれましたが,関係者は処罰されていません.
 別項を参考のこと.

 このほか,漂流民への機銃掃射については豪州軍が行なっていますし,米軍でも行なわれています.

 ついでに,ソ連に抑留された日本兵に対する処遇は結構有名ですが,英国も結構嫌らしく,南方で抑留された日本兵は,「捕虜」ではなく,「降伏軍人」という扱いになっています.
 「捕虜」とするとジュネーブ捕虜条約の規定に従わなければなりません.
 また,自軍による監視など経済的負担も可成りのものになります.

 このため,東南アジア連合軍(SEAC)のScott参謀長は,彼らをP.O.W.ではなく,降伏日本軍人(Japanese Surrendered Personal(JSP))と規定し,国際法で定める捕虜待遇から外します.
 また,45年12月31日には「日本軍人は極限まで使役すべし」という命令が出されます.

 これにより,ポツダム宣言第九条(捕虜の武装解除後の即時帰還)を無視し,彼らのうち10万人を「作業隊」として,1日12時間労働,素手による地面掘削,休憩・飲料水接種・用便の不許可,談話・喫煙の厳禁,作業現場までの片道15kmの往復駆け足,広場での長時間正座,駆け足移動に遅れれば殴打,疲労で倒れると強制的に立たされ,それでも倒れると放置されるなど,凡そ捕虜条約の規定では厳禁となっているものを,全て無視することが出来た訳です.
 また,作業中,休業中の暴行も茶飯事で,言葉が通じないとてまごついていると,命令不服従として,炎天下に広場を1時間走らせたり,食事の量を減らすなどの罰則がありました.
 作業内容は,無意味なモノのほかに,汚水処理場,糞尿処理場での糞尿処理,ゴミ集荷,炭塵の立ちこめる船倉内での石炭積載作業,100kg入り米袋,岩塩袋の運搬などがあり,休日は1946年10月までは1日も与えられていません.
 また,明らかに国際法に違反する作業,軍港においてのインドネシア軍との戦闘用に用いる弾薬の積み卸し作業,Guerrilla鎮圧も行なわれています.

 ついでに,「捕虜」であれば使役中の労賃は払われますが,「降伏軍人」では支払わなくても良いと.
 民間人が使役した場合も,日本側には支払わず,英軍側に支払う形が取られました.
 労賃は1947年5月まで支払われず,それも現地支給ではなく,6月以降の賃金を日本政府が支払うと言う形になりました.
 その労賃たるや,残業,手当は一切無し,熟練職が1時間1.5ペンス,非熟練職が0.75ペンスで,これは英本国の賃金水準の僅か32分の1に過ぎません.

 給養についても同等.
 SEACの支給は1600〜1700calの支給で,特に認めた場合は50%増しでしたが,Kレーションは3300calなので,英軍の半分の食料.
 例えば,マラヤでは46年に米が一日分茶碗2杯強,昼食はビスケット6枚と小判型の魚の缶詰を5人で1缶.
 これはインド兵の64%の量でしか有りません.
 衣服,寝具,日用品の支給は皆無,住居も掘立小屋.

 当然,伝染病が蔓延しますが,英軍は毎日の作業隊内の患者最高率を提示し,それ以上は認めませんでした.
 最高率は各地区で異なりますが,1〜3%程度.
 こうして,1947年10月10日までに,全体で8,971名が死亡,負傷者は延べ20,084名に上りました.

 あ,片手落ちにならない為に補足しておきますと,日本軍上層部も「捕虜」の扱いではなく,相当の名誉と待遇を要求していた点もあり,「捕虜」に課せられる強制労働を嫌って,「降伏軍人」という扱いに同意した,と言うお馬鹿で脳天気な点も見逃せませんがね.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/10/30
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** 【質問】
 艦船に搭載されているCIWSの弾頭が劣化ウラン弾もしくはタングステンだと聞きましたが,戦車相手でもないのにこれらを用いる理由はなんでしょうか?
 また,対空戦車でも劣化ウラン弾等を使用するのでしょうか?

 【回答】
 短い時間に確実にミサイルを破壊しなければならないからです.
 ファランクス20mmCIWSの射程は1.8Kmほど.
 亜音速の対艦ミサイルを迎撃する時間はきわめて限られています.
 また,1〜2発程度の命中では,残骸がそのまま直進してスプリンター被害をもたらす危険性があります.
 このため,重量が重い(運動エネルギーが大きい)弾頭を使用して確実に目標を粉砕する必要があるのです.

 アメリカ以外の各国のCIWSが30mm以上が主流なのも,より破壊力の大きい弾頭を使用したいためです.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2004/10/31
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 F-16やSu-27なんかで,胴体とエアインテークの間に僅かな隙間がありますが,これは何のためですか?

 【回答】
 空気の流れを整える為.
 空気抵抗を考えると機体には段差がないほうがいい.
 特に,空気の抵抗をモロに受ける正面から見える範囲には.
 しかし,全ての段差を滑らかにしてしまうと,それはまたそれで問題が起きる.
 特に,空気取入口の付近の段差を完全に滑らかにすると,空気の流れがよくなりすぎて吸気できる空気の量が少なくなり過ぎる,といった問題が起きる.

 F-16などの胴体とエアインテークの間の隙間は,そういった問題を解決するための工夫.
 ちなみにF−4のエアインテークも胴体との間に隙間が作ってあるぞ.

軍事板,2004/10/31
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 初心者向きの回答をお願いします
・攻撃機としてのF-2とF-15Kの長短所.
・戦闘機としてのF-15JとF-15Kの長短所.
 以上,よろしくお願いします.

 【回答】
 攻撃機としての・・・
F-2の長所:対艦攻撃の面では世界最高クラス
    短所:絶対的な搭載能力の面で劣る

F-15Kの長所:対地攻撃の面では世界最高クラス ただF-15Eからどれほどダウングレードしているか分からない
      短所:特に無し あえて言えばステルス性が無いところか?

 戦闘機としての・・・
F-15Jの長所:航続距離長くて機動性もよいレーダーの性能もOK
      短所:今のところARHAAMが使えないのがほとんど ステルス性が無い

F-15Kの長所:F-15Jより航続距離が長い
      短所:CFTをつけている分機動性でやや劣る というか基本的に攻撃機であるため戦闘機としては無駄が多い

 こんなところか?

軍事板,2004/10/31
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 これは本当?

<日本人拉致・CIAとモサドが関与か
ttp://plaza.rakuten.co.jp/heiwanotoride/diary/200410300000/

日本人拉致事件にCIAが関与している可能性があります.
ttp://www.irib.ir/Worldservice/japaneseRADIO/news.thu.htm#3
情報筋は,アメリカCIAが日本人拉致事件に関与している可能性があると報じました.
26日火曜夜,日本人男性がイラクの武装グループによって拉致された事件で,この拉致にアメリカ中央情報局CIAが計画,実行した可能性が出てきました.
通信の専門家によりますと,拉致された日本人男性のビデオ映像は,アメリカのインターネットサイトから発信されているということです.
政治アナリストは,CIAはイスラム教徒の面子をつぶし,イラクの人々の虐殺を正当化しようとして,このような事件を計画したとみています.
--------------------------------------------------
更にイランの国営通信は人質男性の行動の裏にイスラエルの諜報機関モサドの影があるのではとの分析も行っています.
詳しくはこちらへ
ttp://www.irib.ir/Worldservice/japaneseRADIO/news.wed.htm#kaisetu>

 【回答】
 文中にあるニュージーランドで我が国の情報部員が捕まって揉めたってのは本当だが…
 それを根拠に,これだけの妄想を構築できるというのは大した才能ではある.
 キバヤシ氏なみだな.

 ところで該当サイト,英語版ではこの事件にさっぱり触れてないことを考えると,モサド関与説も日本語版制作者が独自にでっちあげたのかも知れず.

 いずれにせよ,仮にも国営放送のサイトがこんなこと書いてたら,当の日本政府を怒らせてしまうと思うんだが…
 世界では数少ない味方だろうに.

イスラエル国防相 ◆3RWR.afkME :軍事板,2004/11/01
青文字:加筆改修部分

 中東のハートランドともいえるイラクの安定は,イスラエルの安全保障に大きな影響を与える.
 さらにはアメリカにとっても,世界レベルの覇権の安定化という点で大きなファクターでもある.
 それを波及をまったく考えていない単なる思いつきのような下手くそな手法で不安定化させるなんて,CIAとモサドの皆様がヤクをキメてラリっててもやらんでしょう.

 情報操作,印象操作のための嘘を作るときは,もっともらしさを基調に置くのがセオリーなんですが,どうしたもんでしょうかね,これ.
 まあ感性・感覚・感情が判断基準の人たちは,自ら進んで騙されるでしょうけども.

 それにしても,自分探しのプータローにモサドが伝書鳩を依頼したとしたら,相当笑えるのは間違いないね.

軍事板,2004/11/01
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 対空メーザー兵器は開発されていますか?
 コンピュータを壊せば落とせるのでしょう?

 【回答】
 メーザーではありませんが,HPM(High Power Microwave)兵器はむしろ対地上攻撃用に開発が進んでいます.
 意外と英国に技術蓄積があるらしく,米と共同で仕事している部分もあるようです.
 ステルスも英がけっこうやってたし,侮れない国です.
 HPMの場合,電波受信機で待ってくれている対空レーダー潰すにはうってつけ,ということのようです.

 また,車両の電子/電気関係を壊して動けなくするような使い方も期待されています.
 爆薬に比べると周辺被害がかなり少なかろうと.

 ただ,指向性制御にはやはり苦労しているようです.
 まあ10年先かと思っているのですが.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/11/01
青文字:加筆改修部分


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