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●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 142
※青文字:加筆改修部分
ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.
※既に分類され,移動された項目を除く.
※レス回収基準値 v.e.r. = 8
※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.
※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.
目次
** 【質問】
艦爆の彗星が挙げた最大の戦果は軽空母プリンストン撃沈だと思いますが,艦攻の天山が挙げた最大の戦果は何になるでしょうか?
単独ではなく編隊で挙げたものでも構いませんので教えてください.
【回答】
(1) 昭和19年10月14日台湾沖で米巡洋艦2隻に魚雷命中させたと思われる.
(2) 昭和19年10月25日サマール島沖で米巡洋艦2隻に魚雷命中させたと思われる.
(3) 昭和20年2月18日硫黄島周辺の高速輸送艦,施設艦に損傷を与える.
(4) 昭和20年2月18日硫黄島周辺に零戦,彗星を含む特攻で空母ビスマルク・シーを撃沈,同サラトガを大破,他数艦に損害.
(5) 沖縄戦で夜間出撃を繰り返し戦艦轟沈,巡洋艦炎上等々を報じる.
(特攻拒否した継続された作戦と言う意味で価値があるかも)
(6) 昭和19年7月16日硫黄島付近で水没間際の敵潜を250キロで攻撃し,油を吹かせる
等です.
漏れがあるかもしれませんが,どれが一番の大戦果かはご自分で判断を.
軍事板,2004/9/1
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
731部隊関連の文書をアメリカが隠してるって本当ですか?
アメリカでは50年くらい経てば,公文書は公開されると聞きましたが.
【回答】
講談社現代新書『731部隊』によれば,米国からの返還資料については,
「日本に返還されたが,その後行方不明」
となったという.
86年の米下院で,
「731部隊に虐待を受けた」
と主張する米兵の調査の公聴会が行われた時,文章管理官が
「それら(731部隊関連資料)は50年代後半から60年代にかけて日本に返還した」
と発言.
これは,公文書館を徹底的に探した上での答えだった.
で,後になって日本の報道機関が日本の国会図書館に問い合わせたところ,
「確かにそうした文章は返還されている.
初めに厚生省に入り,その後は防衛庁に行ったはずだ」
と回答.
しかし防衛庁は,報道機関の問い合わせに対して
「知らない」
と返答.
ここからは全くの想像だが,防衛庁の返答は嘘ではないと思われる.
なにより,隠すメリットがない.
防衛庁か厚生省かは分からないが,どちらかが誰かに文書の調査を依頼した.
ところが,その人物が死亡し,遺族が知らないまま他に蔵書と一緒に古本屋に売ってしまったのではないか?
事実,こういったケースはいくつか存在し,731部隊関連のかつての機密文書の幾つかは,神田で発見されているものもある.
なお,アメリカでも全ての文書が無条件で公開されるわけではなく,国家の安全等について重要な影響があると考えられる一部の文書については,秘蔵されたり廃棄されたりする.
軍事板,2004/09/02
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
義勇兵,義勇軍の定義がよく分かりません.
辞書には
>ぎゆう-へい 【義勇兵】<
>戦時に際して,自らの意志により軍事行動に参加する正規の軍人でない兵士.
とあるのですが,これってゲリラ・テロリストどう違うの?
【回答】
義勇兵はゲリラである場合もあるしそうでない場合もある.
例として,南ベトナム解放戦線はゲリラ組織だけど,義勇兵からなりたっているとも言える.
しかし,この場合,戦争法規の「軍」とする規定を満たしていないので,「義勇軍」じゃあない.
戦争法規を満たした場合,義勇軍と言う扱いになると思います.
義勇軍は正規に組織されていない(政府が作ったわけではない)組織で,戦争法規の「軍としての規定」を満たしている状態.
一般に言うゲリラ組織とはこれを満たしていない.
狭義でゲリラというのは戦術の一つなので,正規の軍隊がゲリラを行うこともあると言える.
なので,明確に線を引くことは出来ない.
一応,テロリストは別に考えるべきだと思う.
ゲリラ・義勇軍は敵軍隊を主に狙うけど,テロリストは主に一般市民を狙うから.
軍事板,2004/09/04
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
車板にて
「日産の施設って米軍基地の近くが多いような気がする(横須賀,厚木,座間)のですが,どうしてでしょう?」
と質問したところ,
「中島飛行機が解体した一部で云々・・・.」
とご回答いただきました.
ただ,詳しいことはこちらの方が分かるかも?という事なので,よろしくお願いします.
【回答】
日産の追浜工場は,旧海軍航空隊の跡地で,国有地の払い下げです.
元々,追浜の他に,駐留軍の基地が返還された群馬県大泉町も候補に挙がっていましたが,比較検討の結果,敷地が海に面して大半が平地なので,此処に決しました.
横浜工場は戦前の建設で,中島飛行機とは関係ないです.
元々,前身の戸畑鋳物の越中島工場に隣接する10万坪の埋立地が候補でしたが,低地で地盤が弱く,民家が多いので騒音被害の可能性があると言うことで,横浜市が造成した臨海工業用地として戸畑鋳物が購入したうちの60万坪を手に入れ,工場を建設しました.
これが順次拡張されていき,横浜第一〜第三工場と従前からの浜松町工場を使って生産を行っています.
また,吉原工場は,戦時中,エンジン生産を行うために,東京人絹の工場を接収したものです.
なお,横浜工場は厚木からも近く,海からの輸送に便利で,首都東京に近いため,進駐軍の兵站部によって接収されています.
もう一つのプリンス自動車の系統では,旧中島飛行機と立川飛行機の工場を使って生産が行われています.
荻窪工場は航空機エンジン製造工場でしたし,三鷹工場も同様です.
なお,村山工場は村山と砂川にまたがる145万平方メートルの工場ですが,此処は土地が痩せていて,牧畜を行っている農家が一軒あるだけで,自治体も誘致に熱心だったのが建設の決め手でした.
座間はトラック専用工場として,1965年だかに建設されたけど,土地まではよく分かりません.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/09/05
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
高校世界史の教科書に,
「古代ギリシャやローマ帝国の軍の主体が最初は徴兵制だったのが,そのうち傭兵制に変わった.
傭兵は戦意が低くて規律も悪く,軍の弱体化を招いたうんぬん・・・」
みたいな事が書かれてありました.
それについて分からなかった事が2つあります.
1 この当時の傭兵とは,現在のジュネーブ条約で定義されているような複雑な事情の傭兵ではなくて,読んで字のごとく「お金で雇われた兵・サラリーマン軍人」であり,傭兵軍は現在の自衛隊や米英軍の様に志願者のみで構成され,なおかつ給料をもらっている軍という解釈でよいでしょうか?
2 1が正しいとすれば,なぜ傭兵軍は以前の徴兵軍に比べて戦意や規律が低いのでしょうか?
普通,自分の意思とは関係なく傭兵されるより,志願して給料もらっている傭兵の方が戦意や規律が良いと思うのです.
【回答】
自衛隊も米英軍も傭兵ではありません.
また,ギリシアの傭兵は農地を失って,仕方なく兵隊やって飯の種を稼ぐ者が多かったようです.
ただ,後述のようにいわゆる小作農の没落以前から,ギリシア人は傭兵をやって金を稼いでいました.
>自分の意思とは関係なく傭兵されるより,
傭兵ではなくて徴兵ですかね.
ローマにせよギリシアのポリスにせよ,最盛期の軍隊は,兵器を自弁しうる市民によって構成されていました.
彼らは,
「自分のポリスは自分で守る」
という意識を持っていたため(これは当時の演説や記録によって実証されます.たとえば,『戦史』の有名なペリクレスの追悼演説),戦争において精強さを発揮したとされています.
つまり,彼らは何らかの権威によって意思に反して強制的に徴兵されたのではなく,自発的に武器を取って戦争に参加したのです.
18世紀以降のナショナリズムの時代も同様で,自分達の社会,国家の為に奉仕する気概が高かったのです.
散兵戦術なんかは徴兵軍にしか出来なかった訳ですし.
(傭兵部隊では脱走されてしまう)
で,古典ギリシア期の傭兵が市民軍より弱かったかといえば,けしてそんなことはなかったようです.
エジプトなどでは紀元前七世紀ごろから出稼ぎのギリシア人傭兵が重用されています.
ただ,傭兵は文字通り金の切れ目が縁の切れ目だったため,多少の困難があっても粘り強く戦う市民軍より扱いにくかったでしょう.
ローマの場合にはやや事情が異なり,軍団兵は最初は自弁の市民軍で構成されていましたが,領域の拡大に伴い,それだけでは間に合わなくなって賃金を支払われるようになります.
ただし,ローマ軍団は戦争においては比類のない精強さを発揮し続けました.
それは,彼らが高度な訓練と規律によって,高い軍事的技術を保持し続けたからです.
一方,中世ヨーロッパでは,傭兵隊長が自費で傭兵を集め,その軍隊を皇帝や諸侯に売り込むようになりました.
傭兵は命を失わない程度に戦争するために,死者の出ない戦争も多発しました.
一般的に傭兵軍の規律は低く,給料は戦時のみに支払われたので,戦争のないときには傭兵達は村落を襲ったため,国家を内から破滅へと導く結果となりました.
軍事板,2004/09/05
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
小型核兵器「Mini-Nuke」の臨界量が50〜100グラムって本当ですか?
このサイトを見る限り↓
http://www.geocities.com/ResearchTriangle/Station/7743/atomic/atomic.html
タンパー(?)の形状と爆薬の量が関係しているようですが,よく分かりません.
普通の原爆の爆縮レンズなら,なんとか仕組みが分かるのですが,上記サイトのMini-Nukeの項を見ると菱形のような形(実際は円錐を二つ合わせた形と書いてありました)をしています.
この形状だと通常の手法(インプロージョン方式)では,均等にプルトニウム球を圧縮できないのでは?
【回答】
リニア・インプロージョン型の原爆は臨界質量を少なくするためではなく,サイズを自由にするために設計されています.
質量の面では既存の球形原爆がやはり最も効率的ですが,球の周りにいろいろ取り付けますから,一定の直径が必要となり,例えばスーツケースには入らない,ボストンバッグなら入るけど,という状態になります.
あるいは砲弾に詰めたい,長さは余裕があるが,口径が不足,ということもあるでしょう.
そのような際にリニア・インプロージョンタイプだと総体積はむしろ増加しても,厚さや口径を小さくでき,設計の自由度が上がるということです.
また,リニア・インプロージョンタイプは,効率は悪いものの,球形の原爆より簡単に作れる可能性があり,テロリストなどが作成するならこのタイプかも知れないと言われています.
理論的な面は
http://gawain.membrane.com/hew/Nwfaq/Nfaq4-2.html#Nfaq4.2
の
>4.2.6.2 Terrorist Bombs
の項の後半にあります.
system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/09/06
青文字:加筆改修部分
** 【質問】
通常動力潜水艦は,なぜ原潜のような100〜150m級の大きさの物が作られないのでしょうか?
【回答】
かつてありましたよ,帝国海軍が世界に誇った航空機搭載潜水艦「伊400」が….
現実問題として,そのような大型の通常動力潜水艦を作って何に使うのか?と言うことです.
大型化したからといって,連続潜航時間がそう変わるものではないし,AIPを使用すれば多少は潜航時間が伸びますが,原潜に匹敵するわけではない.
大型化して得られたペイロードを何に使うのか?
なんと言っても,そのような大型潜水艦は,多くの国が通常潜水艦を使用する水深の浅い沿岸域では,もてあますだけの存在だと言うわけです.
建造にかかるコストに引き合う存在ではないですね.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2004/09/07
青文字:加筆改修部分
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