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●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 139

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「v.e.r. = 8」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【質問】
 第二次世界大戦の段階では,どこの国の潜水艦も,人間が発生させる程度の二酸化炭素ですら,潜航時の処理法は苛性ソーダなどを使った化学的処理でしたが,現代のスターリング機関などAIPの潜水艦は,どのようにして処理するのですか?

 【回答】
 軍事研究2001年2月号の「潜水艦大国ロシアのAIP開発」(江畑健介)によると,スターリング機関もCCDもやっぱり二酸化炭素は海水に融解させると書いてある.
 ただ,気泡を発生させないためにはある程度の深度が必要みたい.
 たとえばコックムス社(現HDW社)のスータリング・エンジンV4-275Rでは,気泡を発生させないためには200m以下の潜行深度が必要だとか.

アドバンスト社聖 ◆REH634FRNQ :軍事板,2004/08/10
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 「近い将来において北朝鮮と日本が戦争状態になった場合」の話を知り合いとしたのですが,その知り合いは
「特殊潜航艇(途中まで擬装船で運んでもらう)で潜入したゲリラ部隊に日本海側の原発がやられておしまいだよ((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル」
と主張してました.
 当方もその可能性は否定しないものの,さすがに自衛隊もその程度の状況は想定しているでしょうから,状況がヤバくなってきたら日本海の哨戒を厳しくするなど,事前に手を打つと思うのですが,実際のところどうなんでしょう?
 また,在日米軍はどう動くのでしょうか?
「当事者同士で,勝手にやってね」
と,基地他が直接被害を受けるような事態にならない限り,日本政府の要請があっても静観でしょうか?


 【回答】
 その手の有事想定に関しては,本職の人は話せませんし,我々のような素人では部分的な情報しか持っていないため憶測混じりになります.

 アメリカからの情報や,通信傍受・情報収集衛星などによって事態の変化を感じ取った場合,海上自衛隊・航空自衛隊とも哨戒を強化するでしょうし,陸上自衛隊も即座に周辺警備あるいは迎撃が可能な体制にはいるでしょう.
 警察や海上保安庁も原発テロに対する訓練を実施しています.

 なお,特殊潜艇ないし不審船程度で侵入できるのは重装備を持たない軽歩兵でしかなく,これではゲリラ戦で正規軍を翻弄することは可能でも,重装備を持つ正規軍と相対すると,瞬殺されます.

 ちなみに原子力発電所は非常に頑丈な建造物で,軽歩兵が持ち込める装備では破壊することは非常に困難でしょう.
 日本の原発は,意図的に核反応を暴走させるのも困難な造りです.

 それでも小規模な破壊は可能でしょうし,それによる放射能もれはあり得ます.
 しかし,メルトダウンのような大規模原子力災害はどうか?というと蓋然性は非常に低い,と考えられます.

 なお,アメリカが事態を傍観することはあり得ません.
 アメリカ軍はアメリカの国益と権益を守るために存在しているのであり,極東有事を傍観した場合,アメリカにとっても非常に深刻な打撃になるからです.
 日本政府が要請するより以前に,積極的に動いて事態を終息させようとするでしょう.

軍事板,2004/08/11
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** 【質問】
 何故,工作員が危険を犯してまでも敵地に潜入して,爆撃地点にレーザーを照射するのですか?
 戦闘機が上空からレーザーを照射して爆撃すれば良いのに.

 【回答】
 例えば,
・建築物が密集していて,その中の特定の建造物が目標だった場合,
・例えば,ミサイル発射機など,事前に位置を把握できない半固定目標だった場合
・特殊部隊が潜入→スカッドミサイル発射機発見→空爆を要請→レーザー照射
とか,いろいろ状況は考えられるわけで.

 ついでに言えば,戦闘機はまずレーダー画像で目標を見つけてロックオンするわけですが,レーダーはそんなにモノが詳しく見えるものではないです.
 赤外カメラにしても十数キロ手前からじゃ,ビルでも豆粒にしか見えないわけで.
 その上,偽装された標的は航空機からでは識別しにくいケースもあるります.
 事前の偵察写真などによる詳細な検討無しで,いきなり行けと言われても困るわけです.
 湾岸戦争で精密誘導兵器が当たりまくったのは,だだっ広い砂漠に戦車などがぽつんと止まってたから当然です.
 緑の濃いコソボ空爆では,命中率は大幅に下がりました.

 逆に,レーザーを照射している数十秒間,飛行機は地上から丸見えになりますが,地上の照射チームは,上手く偽装すればかなり見つけ辛くなります.
 敵が地対空ミサイルを持っている可能性が有れば,この差は大きいです.

 それに,誘導手段は複数あったほうが融通が利きます.

 最近は,レーザーで直接指示もありますが,
地上から目標にレーザーあてて測距,方位確定.目標のGPS座標算出
⇒攻撃機に座標転送
というのが一番多いパターンみたいです.

軍事板,2004/08/12
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** 【質問】
 WWII開戦前に仮想戦記が流行ったそうですが,どのような内容だったのでしょうか?

 【回答】
 戦前の仮想戦記については,真面目にシミュレートしたものからトンデモまで様々なものがあり,その点では現在と大差はない.
 ただし,現在のそれの多くが,「過去にあった戦争をどうするか」というものが多いのに対し,戦前のそれは「これからおきる戦争はどうなるか」を書いたもの,(明示していなくとも)日米戦争を題材としたものが殆どである.
 エンターテインメントというよりはむしろ,警告の書として書かれる場合が多いからだろう.

 戦前の日米における仮装戦記の歴史については
「黒船の世紀 ガイアツと日米未来戦記」猪瀬直樹著(文春文庫)
があるが現在絶版状態のようだ.

「海野十三戦争小説傑作集」(中公文庫)
は,日本のSF作家の草分けであり仮装戦記も書いている海野十三の短編集で,こちらは最近出たばかり.

『明治・大正・昭和 日米架空戦記集成』(中公文庫)
は,上述の海野十三短編集を編集した長山靖生氏が,代表的な戦前仮想戦記をチョイスしたもの.

『太平洋大戦争』(H. C. バイウォーター著,コスミック出版,2001)
当時は有名で,海軍関係者にも広く読まれた.

 変り種では,第一次大戦前からナチ体制下にかけてのドイツでのユートピア思想と仮装戦記を紹介した,
「理想郷としての第三帝国―ドイツ・ユートピア思想と大衆文化 」(ヨースト・ヘルマント Jost Hermand 著,パルマケイア叢書)
などがある.

軍事板,2004/08/13
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** 【質問】
 旧ソ連時代,サハリン・北方領土等日本付近に配備されていたソ連戦力を教えて下さい.
 四島に軍事基地とかは有ったのでしょうか?
 サハリンなら確実にありそうなのですが・・・
 規模なども教えていただくと有り難いです.

 【回答】
 サハリンと国後,択捉に軍事基地,特に国後に空軍基地があったのかな.
 ちょっとうろ覚えですけど,MiG-23が国後に配備されていたか,と.
 最初は国境警備隊だけでしたけれども,軍備増強は1987年に顕著になったのかな.

 1981年に防衛庁が発行している「日本の防衛」に,その辺のことが詳しく書かれていた筈なので,最近の防衛白書とかにも書かれていたのではないでしょうか.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/08/13
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** 【反論 kifogás】
 今日の新聞(東京)で,
「戦前,有事に関する法律があったが意味がなかった.
 今の有事法制もそうだろう.
 軍隊は国民を守らない.
 当然今の自衛隊も」
といった記事がありましたが

 【再反論 Surrebuttal】

 その新聞の言い様は,悪意に基いているとはいえ,ある意味正解です.
 軍隊は国民を直接守ることはできません.
 間接的に侵略者を撃破して,国土を守ることが,結果的に国民を守ることに繋がります.

 戦争における軍隊の役割は,「勝つ」ことです.
 直接一人一人の国民を守ることでは有りません.
 これは自衛隊に限りません.
 どこの民主国家の軍隊でもそうです.

 もちろん,ことさら国民を見殺しにする訳では無く,勝利と国民の保護が両立するよう努力はするでしょう.
 日本の自衛隊ならば,多大な犠牲を出してでも,国民を保護しようとするかもしれません.

 が,軍が国民の保護にかまけて敗北するようなことがあっては,結局私たちが困るのです.
 政府を,つまり国家主権を失うということは,侵略者の考えに私たちの生殺与奪を完全に委ねるということになるからです.

 このあたりの政治原則は,第二次世界大戦の英国防空戦に多くの教訓が残されています.
 「コベントリーのジレンマ」やロンドン防空など,現代に通じる学ぶべき貴重な歴史遺訓です.

 それに,むしろ,
「軍隊のように強力な暴力を持った組織が,『有事』の際に法律的規制を受けない状態になることのほうが,危険だとは思わないのか?」
と言えるかと.

 ただ2004年現在,この
「有事法制とは,有事の際に国民を規制するのではない.
 軍隊をこそ規制するのだ」
という基本原則を,法案を制定しようとしている与党の議員が全く理解していないので,話が非常にややこしいのですが.

 政治家は自衛隊(軍隊)を自分たちの忠実な下僕だと思っていて,有事権限を拡大すればより自分たちのいいように動かせる・・・くらいにしか思っていませんから・・・

軍事板,2004/08/14
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** 【質問】
 CH-46とCH-47の違いを教えて下さい.

 【回答】
 CH-46に対して,CH-47は一回り大きいヘリです.
 なにせ全備重量が倍ですから.

*CH-47JA(陸自公式HPより)
機体
 全幅 :16.26m(胴体4.78m)
 全長 :30.18m(胴体15.88m)
 全高 :5.69m
エンジン
 名称 :T55-K-712
 出力 :4,336SHP(10分定格)×2
最大全備重量 :22,680kg

*CH-46E(FAS.org参照)
機体
 全幅 :15.54m(胴体4.49m)
 全長 :25.69m(胴体13.89m)
 全高 :5.08m
エンジン
 名称 :GE-T58-16
 出力 :1770SHP(定格)×2
最大全備重量:11,032kg

 見分け方は,後部ローターのパイロン基部にエンジンポッドが取り付けられているのがCH-47,エンジンが胴体と一体になっているのがCH-46です.
 あとは,CH-47は胴体側面の大きなフェアリングとかが特徴です.


名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2004/08/14
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** 【質問】
 パンツァーファウスト3でM1A1HA戦車を撃破する事はできますか?
 理論上の話でも良いので教えてください.

 【回答】
 理論上は素手でも可能.

軍事板,2004/08/15
青文字:加筆改修部分

 現実的に見れば,M1A1の側面と後部は貫通可能だそうですが,M1A2は側面は硬いんじゃーないだろうかと分析されてます.
 撃破は一発では無理で,数発の命中が必要らしい.

 成型炸薬の前では,第三世代の戦車は砲塔と車体正面以外はペケです.

一等自営業 ◆JYO8gZHKO. :軍事板,2004/08/15
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** 【質問】
 空母ってなんであんなに搭乗人員が多いの?
 必要と思っているからあれだけ乗せているのだろうが,私はあれだけ必要とは思わないの.
 タンカーより小さいのに,何でタンカーの100倍の人間を乗せるのか?と.
 艦載機が100機なら3交代で300人いれば充分だろうと.
 ずっと飛行機乗っているわけじゃないのだから,3交代でパイロットに戦闘機の整備や甲板の整備,食事作りなどローテで回せばよいだろうと.

 【回答】
 あなたが必要だと思わなくても,実際は必要なんです,と言うほかは無いよなぁ……
 つか,マジで自分で調べ直すことをお勧めする.
 例えば,機関員が何人いて,整備兵が何人いて,とか.
 整備にどれくらいの時間と人がいるとか.
 そうすると疑問が晴れてくると思うよ.

 ほぼ運行が自動化されてるタンカーに対し,飛行機ってのは運用するのにえらく人員が掛かるもんなんだよ.
 整備だけで1飛行時間あたり20マンナワー(人時)ほどかかる.

 一応張っとく.↓

 赤城型航空母艦定員表(昭和12年4月23日 内令第169号改定,昭和16年 第784号改正)によれば……
艦長 大佐 1 ,
副長 中佐 1 ,
航海長 中少佐 1 ,
砲術長兼分隊長 中少佐 1,
通信長兼分隊長中少佐 1
運用長兼分隊長 中少佐 1 ,
飛行長 中佐 1,
副砲長兼分隊長少佐・大尉 1,
飛行隊長 中少佐 5 ,
分隊長 少佐・大尉 15 ,
乗組 兵科尉官 12,中・少尉 9 ,
整備長 機関中佐 1 ,
機関長 機関中佐 1
工作長兼分隊長 機関少佐 1 ,
分隊長 機関少佐・機関大尉 9,
乗組 機関科尉官 5 ,
機関中・少尉 5
軍医長兼分隊長 軍医中少佐 1 ,
乗組 軍医少佐・軍医科尉 3 ,
主計長兼分隊長 主計中少佐 1
乗組 主計科尉官 1 ,
乗組 特務中・少尉 4 ,
飛行特務中・少尉 22 ,
整備特務中・少尉 9 ,
機関特務中・少尉 3
工作特務中・少尉 1 ,
看護特務中・少尉 1 ,
主計特務中・少尉 2 ,
兵曹長 4 ,
飛行兵曹長 33 ,
整備兵曹長 14 ,
機関兵曹長 4 ,
工作兵曹長 1 ,
看護兵曹長 1 ,
主計兵曹長 1 ,
兵曹 110 ,
飛行兵曹 145
整備兵曹 131 ,
機関兵曹 84,
工作兵曹 21,
看護兵曹 4,
主計兵曹 12,
水兵 318,
整備兵 328,
機関兵 211
工作兵 31,
看護兵 9,
主計兵 49,

合計 1630

 ちなみに,これでも当時の同程度の空母の中では少ない方.

軍事板,2004/08/15
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** 【質問】
 太平洋戦争後半は度々増援部隊などの輸送船が沈められてますが,大西洋戦域に比べ,船団護衛方法にどのような違いがあったのですか?

 【回答】
 WW II後期の大西洋の護衛船団の場合(Uボートの活動が封じ込められたころ)
・船団前面には護衛艦艇の配置はなし
・左右にそれぞれコルベット2隻,フリゲートまたは護衛駆逐艦1隻
・船団の後ろに護衛空母1隻 護衛駆逐艦2隻
 日中は護衛空母から哨戒機が飛び立ち,常時海面監視をします.
 輸送船の船団の組み方は正面幅12km,側面幅2kmと側面からの攻撃をしにくい形に.
 船の数は60隻ほどです
 潜水艦からの攻撃機会減少させるために側面幅を減らしています.

 日本の場合はというと,10から20隻程度の船で前後方向に長い船団を組み,5隻程度の護衛艦艇が標準.
 護衛艦艇に関しては無線方位探知機がないことと,爆雷の前方投射装置のないことが決定的に違います.
 水上艦艇搭載ソナーは探知目標に近接すると,方位が分からなくなる欠点があります(真下と出てしまう)
 したがって前方投射装置がないと,なかなか有効な爆雷攻撃が行えないです.

軍事板,2004/08/16
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 日本は輸送船一隻あたり大体どのくらいの護衛をつけていたのですか?

 【回答】
 とりあえず,すごーく簡単に↓

米軍通商破壊活動従事数

戦争初期 艦隊型(大型 航洋性)39隻 S型(旧式中型 局地戦用)12隻
43年4月 単独襲撃戦法から複数連携襲撃戦法を採用
43年9月 艦隊型約100 S型18
43年後半 潜水艦の第1目標を敵艦艇から商船や油槽船に変更
        また潜水艦の配備も,敵戦闘艦艇をねらって配置された本土太平洋沿岸から,日本の商船航路帯へと移行.
44年8月 約140隻 12月 約 156隻
終戦時   艦隊型169隻 S型13隻

<日本海軍の船団護衛活動>
 なお,会敵と記す場合は,潜水艦との遭遇と言う意味で用いている.

・開戦~42年10月
 1船団に商船5隻,護衛艦1隻の編成.
 特別な場合,2~4隻の護衛が付く.
 中には丸裸の船団も多数あった.

・~43年11月
 この期間に編成された936コの船団,4591隻のうち,護衛がついたのが65.6%の614船団.
 丸腰が34.4%の322船団.
 1船団平均5隻で,護衛艦1隻.
 運がよければ2~3隻.

 一例を挙げると,26隻からなる第328船団の場合,護衛がたったの2隻
 42年10月~43年5月の商船隊の会敵比率 6%  損失 0.5%
 43年6月~10月     商船隊の会敵比率 12%      損失 1%

・~44年10月
 編成された486船団 3567隻のうち,70%に護衛が付く.
(ただし43年12月は資料紛失のため,之に含めず)

 11月~3月にかけては護衛艦数はやはり1~2隻止まり.
 会敵比率35%
 4月以降は 大船団主義を採用し,一個船団の商船数と護衛艦数を増やす.
 会敵比率は月ごとに大きく変化し,
5月40%
6・7月50%
8月126%(一度の航海で2度以上会敵する)
 敵航空機との会敵を含めると会敵比率140% 
9月93% 航空機込みで130%
10月116% 航空機込みで151%
 通して換算した場合 会敵比率52% 被害比率6%

・~終戦
 このころ,守るべき船団が減少したことにより,ほぼ全ての船団に護衛艦が付くようになる.
 11月 会敵比率87% 航空機込み108%
 12月 資料欠
 1月 53% 航空機込み109%
 2月 109% 航空機込み152%
 3月 126% 航空機込み216%
 3月27日以降対日機雷戦を発動,瀬戸内海は航行不能に
 通して会敵比率90% 被害比率13%

 このテーマでは,「海上護衛戦」という古典が学研M文庫から再版され,入手し易くなっておりますので,書店で探してください.

軍事板,2004/08/16
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 艦上機と陸上機の違いを教えてください.
 構造的な面や,どれくらいまでの大きさとか・・・

 【回答】
 艦上機=航空母艦から運用する航空機.
 着艦フックや母艦の位置を探すための航法装置等,空母で運用する為の特別な装備を搭載する.
 また,海上で運用する為,対腐食性の高い塗装や電子機器には塩害対策が施される.
 さらに,カタパルトによる発艦,着艦フックを用いた着艦の衝撃に耐える為,陸上機に比べ,機体強度が大きい設計になっている.
 現在の固定翼の艦上機では,着艦フックを使用しての着艦,カタパルト(またはスキージャンプ台)+合成風力を利用しての発艦ができなくてはならない.
 空母の甲板は広大に見えるが,航空基地の滑走路と比べると恐ろしく小さい.
 そのため,発艦・着艦ともに機械力で補わなくてはならない.
 そのため艦上機は,機体構造のレベルからそれらに対応できるように作られている.
 下手をすると数十トンに達する機体が,力づくで時速200kmとかで空中に放り投げられたり,甲板上のワイヤーをひっつかんで無理矢理速度ゼロまで減速したりするわけで,凄まじいストレスが機体にかかる.

 さらにまた,低空低速での飛行特性や,アビオニクスなどもそれに適した能力が必要.
 そのほか,整備性や運用性など諸々考慮する必要がある.
 その分,重量的に不利.

 陸上機=陸にある飛行場で運用する航空機.
 一般的に言う「飛行機」のこと.

 艦上機の大きさは,空母の大きさに左右される.
 仮に200万トンの大きさの空母が建造,運用されるなら(そんな大きいの作れるのか?とか,そんな大きさの空母に実用性は?とか言うのはこの際無視),ジャンボジェットぐらいあるような艦上機だって存在できる.
 そんなの何に使うかは別として.

 アメリカは第二次大戦後,核兵器を運用できる艦上機を設計したら,どれも既存の空母では到底運用できない大きさになり,巨大な空母を建造することになった.
 第二次世界大戦の頃は,どうやって空母で運用できるコンパクトな大きさにして,なおかつ性能を落とさないようにするかが,艦上機設計の肝だった.
 グラマンの艦上機の独特な翼の畳み方も,そういう思考錯誤から生まれたもの.

軍事板,2004/08/16
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 核兵器の運搬手段の研究・開発は,マンハッタン計画と共に進められていたのでしょうか?
 それとも初めは,制空権取ってから使用するので,既存の爆撃機で構わないという認識だったのでしょうか?

 【回答】
 マンハッタン計画当時,現実的な核兵器使用手段は航空機投下爆弾のみだったと言ってもいいでしょう.ミサイルはまだまだ原始的な段階で,しかも核兵器は
巨大かつ数トンもある重量物でした.敵の戦力,あるいは戦略目標にこれを
適用する手段は爆弾と爆撃機しかなかったわけです.

ソ連がロケットショックをもたらすまで,アメリカは爆撃機が運ぶ核爆弾しか
考えていなかったのです.制空権を取ってから使用,という前提ではなく,
奇襲,護衛戦闘機,自衛,などが考えられていました.当時は対空ミサイルも
なかったし,対空レーダーの性能も悪かったので,敵制空戦闘機が到達しにくい
高空から侵入すれば攻撃可能と判断していたのでしょう.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/08/16
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 何故,日本は兵器を輸出しないんですか?

 【回答】
武器輸出三原則が許さない
・世論が許さない
・与党が嫌がる
・未開拓な市場に乗り入れていっても,ライバル多過ぎ,兵器の実戦経験無しのため信頼されず.

 高価で高性能の分野はアメリカがライバル.
 そこそこの値段でそこそこの性能ならフランスがライバル.
 安価で低性能なら中国がライバル.
 ニッチが狭すぎなんですよ.

 セコハンなら,売れる(需要がある)し,考えてるみたいだけどね.

軍事板,2004/08/16
青文字:加筆改修部分

 その後の2014年4月1日,武器輸出三原則に代わる防衛装備移転三原則が閣議決定され,自主規制が緩和されることになった.

2017.3.13


** 【質問】
 アメリカがアフガン(タリバン)戦争で6tもある,通常爆弾では最強の破壊力というのを使用したらしいですが,何でもその爆弾はもともとは山の中でヘリポートを作るために開発されたと聞きました,
 ヘリポートなど,ヘリから隊員がロープなどをつたって降り,木を切り倒して,丸太などを組んで木製のヘリポートを作ればいいと思うのですが,木ではヘリの重さに耐えれないんでしょうか?

 【回答】
 その爆弾はジャングル(ベトナム戦争)において,ヘリポートを一瞬で作るために開発されました.
 立っている木々を根こそぎ吹き飛ばし,平地を作ります.
 1968年にはCH-54がジャングル地帯にヘリの着陸場を確保するため,4.5t爆弾を投下した記録があります.

 この爆弾は爆圧は通常爆弾と比較して小さいけど,効果範囲は広いです.
 はっきり言って,離着陸する(歩兵を下ろす)だけなら平地でかまいません.
 木でヘリポートを作る意味はないですし,時間と労力の無駄です.
 それに,手持ちの道具で木を切ってヘリポート造営は大仕事です.
 機械力がありませんから.
 また,必要な木材が必要なだけあるとは限らず,多大な時間がかかります.
 その上,確実性に欠ける.
 不可能とは言い切れませんが,時間,労力,信頼性,全て爆弾のほうが格段に上です.
 造営はやる価値がありません.

 また,ヘリボーンを行う際に,大兵力を投入するには,ヘリが離発着できる大きな平地が必要です.
 ヘりボーン作戦はスピードを要求される部分も多く,ヘリポートを一々作っていられない.
 やってたら作戦がばれます.
 早急に離発着場が必要な場合,爆弾でドーンとやって平地を作るわけです.

 この爆弾は爆圧が広い範囲に作用することから,アフガンでは地雷処理に用いられました.
 期待されたほどの効果はありませんでしたが.

 ちなみに平地での被害半径は500mと読んだことがありますが,本当かどうかは分かりません.

軍事板,2004/08/17
青文字:加筆改修部分

 【反論 kifogás】
 ジャングルの木をなぎ倒してヘリ着陸地点を作るのに使われたのは,スラリー爆薬使用のBLU-82が主です.
 質問者が書いておられるのはFAEのことのようですが,爆圧使用兵器では木をなぎ倒すことは困難です.
 衝撃波を強く発生するタイプでないと.
www.212veterans.org/Mission.htm
の中の
www.212veterans.org/images/075.jpg
な感じに出来上がるようです.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/08/17
青文字:加筆改修部分



** 【反論 kifogás】
 いえ,BLU-82を意識して書いていたつもりですが……
 そうですか,こいつで木をなぎ倒すのは難しいんですね.
 補足,ありがとうございます.

 【再反論 Surrebuttal】
 よく混同されるのですが(軍事雑誌でもふつーに混同して記述されている),BLU-82はFAEではないのです.
 FAEはCBU-55, 72(ベトナムで使用されたもの),BLU-73(左記のクラスター爆弾の子爆弾名称), BLU-95, 96(改良型FAE)であり,ご指摘通り,比較的長く続く爆圧で殺傷し,あるいは地雷の誘爆を期待するものです.

 ただ,圧縮する力が主ですから,バンカーや人体など,開口部が小さく,中に空間があるものには効果大ですが,樹木のように圧縮の余地がないものに対しては,破壊効果が少ないのです.
 従ってヘリが降下しやすいように樹木を倒すには,一点から水平方向に拡がる壁のような力が望ましく,つまり強い衝撃波の発生が必要になるわけです.
 これはFAEでは得られず,爆薬を使用することになります.
 BLU-82やMOABなどがこれに相当します.

 ついでに言うと,今ではFAEは使われておらず,thermobaric弾頭が使用されています.
 基本的にはFAEと似た,爆圧による殺傷力を利用するものです.
 ただ,FAEほど広範囲に効果を及ぼす運用法は考えられていないようです.

 米以外ではFAEをまだ使用している軍もあるようです.
 ただ,殺傷用というより,地雷原啓開補助などが主用途のようです.
 たしかイスラエルも地雷原啓開用のFAE弾頭ロケットを持っていたはず.
 全ての地雷を処理することは無理ですが,減らすことによって,その後の処理を楽にする効果があるようです.
 thermobaric弾頭は防弾装備し,遮蔽を取った兵にも十分有効ということで旬を迎えつつあり,先行したロシアを追って,米,英,欧,中などが開発,配備を急いでいます.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/08/17
青文字:加筆改修部分



** 【反論 kifogás】
 横レスすまんが,回答者は最初っからBLU-82について説明してると思うよ.
 あなたが勝手にFAEについてだと勘違いしてるだけに見えるが.
 元質問に返って言えば,ベトナムでジャングルに迅速にヘリのランディングゾーン作るのに大型爆弾が使えるのではないかと考え,大戦中の大型爆弾を使って上手くいったので新規に作ったのがBLU-82.

 【再反論 Surrebuttal】
 んー,よく読まれるとBLU-82には当てはまらず,FAEの説明になっている部分が多いことがわかると思います.
 爆圧が低い,効果範囲が広い,云々.

 後半はおっしゃる通りで,その大型爆弾を効果的に爆発させるために,地面に潜る前に爆発するよう作られたのが延長信管=デイジーカッター信管.
 それがBLU-82の(誤った)別名となり,なぜかFAEと混同されてデイジーカッター=FAEという間違った認識が一部に出来上がってしまったわけです.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/08/17
青文字:加筆改修部分



** 【反論 kifogás】
 判りにくい書き方をして,重ね重ね申し訳ありません.
 あと,補足を色々ありがとうございます.

 燃料気化爆弾とBLU-82の違いについては知っています.
 BLU-82は含水爆弾であり,単純に言えばただの6t爆弾に過ぎないことも.
 燃料気化爆弾はアフガンでは使われておらず,現在米軍が装備していないことも知っています.
 『軍事研究』で読みました.

>爆圧が低い,効果範囲が広い,云々

 これに関してはBLU-82にもあてはまるかと思いますが……
 もちろん燃料気化爆弾にもあてはまりますけど.
 平地を造成するうえで,爆圧が高すぎると地面をえぐってしまうので,BLU-82は他の爆弾より爆圧が低いと聞きました.
 地上から1メートル程度の高さで爆発させるのもそのためだとか.

 【再反論 Surrebuttal】
 こちらこそ違いがわかっておられるようなのに,よけいな指摘をしてしまい,失礼しました.

 爆圧については,爆薬の爆轟圧自体は含水スラリーのBLU-82は低いと思いますが,薬量が多いため,衝撃波の伝達範囲はかなり広くなります.
 FAEの有効範囲にはとても及びませんが.

 通常爆弾の効果は破片飛散によるものが大きく,BLU-82の衝撃波による加害範囲をはるかに超えます.
 逆に衝撃波や爆風による加害範囲は比較的狭いので,爆轟圧ではなく,爆発ガスの圧力,爆心から離れた距離にも大きな気圧変化を及ぼすいう意味で「爆圧」というのであれば,BLU-82は通常爆弾よりもむしろ高いと言えると思います.
 つまりBLU-82は通常(の破片)爆弾よりも爆圧は高く,効果範囲は狭い.

 私は爆圧を爆風圧,という意味で使用しているわけですが,誤って使っているようでしたらごめんなさい.
 『火器弾薬技術ハンドブック』にも火薬学会の用語集にも爆圧という単語がないので,推測で爆風圧と解釈しています.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/08/17
青文字:加筆改修部分



** 【再反論 Surrebuttal】
 ベトナムでFAEは実際に使われてたんだからしょうがないだろ.

>http://www.fas.org/man/dod-101/sys/dumb/fae.htm

>Fuel-Air Explosives [FAE] disperse an aerosol cloud of fuel
>which is ignited by an embedded detonator to produce an exp
>losion. The rapidly expanding wave front due to overpressure
> flattens all objects within close proximity of the epicente
>r of the aerosol fuel cloud, and produces debilitating damag
>e well beyond the flattened area.

 【再々反論 ismét kifogás】
 その文は構造物の破壊(爆圧による家屋の圧潰など)を指してはいますが,ヘリ着陸地点啓開のような用途にはふれていません.
 家屋のように,中が空で,広い屋根面積を持ったものなら「flatten」できるでしょうが,樹木を「swath」するには向きません.

 ベトナムでFAEが使われていた事自体は,おっしゃる通りです.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/08/17
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦時中,敵同士での通信(艦対艦とか艦対空で)は行われましたか?
 国際信号旗や哨信儀,電信などを使ったのでしょうか?
 それとも,そういうのはお話の世界だけ?

 【回答】
 行われました.

 第二次大戦初期のUボートは,無警告で連合軍徴用船舶を撃沈することを許されておらず,1936年締結のロンドン協定に依って,まず,信号灯などで,停戦命令を発します.
 次いで,臨検部隊が対象船舶に移乗し,積荷と航海日誌を調べ,必要に応じて積荷は押収.
 軍用品を輸送していた場合,船舶は乗組員退去の後,撃沈する形を取っていました.
 これは,仮装巡洋艦でも同じです.

 使われたのは主に信号灯,信号旗で,電信は自らの位置を暴露するため,積極的に用いられていません.

 また,飛行機同士の場合,降伏を行う印として,翼を振る,車輪を出すなどの所作でそれを明らかにすると言ったことがありました.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/08/17
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 RPG-7の燃料気化弾頭って威力どのくらいなんですか?

 【回答】
 Jane'sのサイト
www.janes.com/defence/land_forces/news/jidr/jidr010104_2_n.shtml
によると,RPG-7のサーモバリック弾頭の威力はTNT2kg相当です.
 RPG-7シリーズの通常の弾頭にもさまざまなバリエーションがありますが,弾体全体で重量2kg前後,爆薬量は0.2kgとかが普通ですから,サーモバリック弾頭はそれに比べて威力が大きいことになります.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/08/17
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 アメリカには「州軍」(ナショナルガード)という組織がありますが,では,各州に「**州軍参謀本部」とか「**州空軍司令部」という機関があるのでしょうか?
 もしあるとすれば,そういった組織の長は,州知事によって任命され,州政府から給与を貰っているのですか?

 【回答】
 州軍は州単位で作戦するわけではなく,動員されて連邦軍に組み込まれるので,州単位の司令部や参謀本部はない.

 ただし,各州の州軍部隊をまとめる本部は存在する.
 例えばこれはインディアナ州の州軍本部のHP.
http://www.inarng.org/

 ここにも見られるように,州軍制服のトップにいるのはAdutant Generalであって,州軍参謀長や司令官ではない.
 州軍は平時には州知事,有事には大統領の指揮下に置かれるので,州軍の制服トップはあくまでのその補佐役と言う意味.

 州軍は国防省の組織の一つ(予備役の一形態)なので,給与は当然連邦予算から出る.

軍事板,2004/08/18
青文字:加筆改修部分


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