c

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ

「未分類草稿別館 wiki」トップ・ページへ

目次へ

●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「v.e.r. = 8」

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【追加】

59 名前:46 :04/07/17 15:34 ID:3E6zTlrT
イラク戦争およびその後の統治を見て思ったんですが
日本は敗戦後,スムーズに武装解除できたのはなぜですか?
また敗戦後,進駐軍に対するゲリラ行為ってあったんですか?



60 名前:名無し三等兵 :04/07/17 15:43 ID:???
>>59
 日本は最高指導者である天皇陛下の名で国民に降伏が宣言され,それで(心中の問題はあれど)
みんなが「敗戦」を受け入れたから.
 それと,イラクと違って大日本帝国の行政組織は健在で,そういう意味では市民の生活にも
軍事力の制御にも変化はなかった.
 イラクがあんな状態になっちゃってるのは,政府首脳がみんな逃げて,無政府状態になっちゃった
所が大きい.

 日本軍人で「マッカーサーを殺してやる!」と叫んでた人は少数いましたが,実行した(できた)人は
いませんでした.
 上にもあるように軍人も国民も「敗戦・占領」という事態にある程度は納得していたことと,
進駐してきた米軍が日本人が思っていたのに比べると遥かに紳士的で,食料の提供など
”いい面”をもたらしてくれたから.
 もちろん進駐軍兵士による犯罪は結構あったけど,「旧軍に比べればずっといい人たちかも
しれない.それに,生活も戦時中よりずっとマシになったし」と国民は思ったので.

 そういったメリット感をほとんど与えることが出来なかったのが,アメリカのイラク占領統治の
大きな失敗です.

軍事板,2004/07/17
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 米空軍が開発しているXF-19オーロラという偵察機のスペックや実機の画像があるサイトはないでしょうか?

 【回答】
 「超音速偵察機オーロラ」については様々な風説が流れています.
 スペックの想像,みたいなのもあったと思います.
 実機に基づいたデータはもちろん,実機が存在するかさえ不明です.
 一時AW&STでも,北海油田の技術者が見た,とかいう記事が載ったことがありますが,それきりです.
 存在しないか,少なくとも見られるような状態では,存在していないのでしょう.

 これがオーロラ妄想サイトの一例です.
www.abovetopsecret.com/pages/aurora.html

 存否については上記サイト末尾の質問一覧でもふれています.
www.abovetopsecret.com/forum/thread4461/pg1

 F-19は上記で紹介した妄想(分かってやってるのだが)サイト
www.abovetopsecret.com/forum/thread23022/pg1
によると,F-5発展型に新世代らしい雰囲気を与えるためにF-19となるべきだったのを,一つ飛ばしてF-20としたために欠番となった,という話があるようです.

 もう少しマジメなサイトで,もう少し詳細に論じているのが
www.aerospaceweb.org/question/history/q0082.shtml
です.
 ここでは上記のスキップ説はじめ,
・ソ連を混乱させるためにわざと抜かした,
・秘密の開発機に割り当てられた,
などの説が紹介されています.
 このサイトは,「この番号がなぜ」FAQに対する良い回答になっていますので,ご一読をお薦めします.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/07/17
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 戦史とか見ると,よく港を確保しろとか言うけど,(例えば)10個師団が活動するには,1日にどれくらいの荷揚げ能力が必要なんですか?

 【回答】
 師団の必要補給量は1980年代の米軍歩兵師団で
攻撃 3300t/day
防御 4000t/day
追撃 1400t/day
準備  750t/day

 NATOの資材の分類の公式用語
Class1:食料
Class2:主用装備品以外の装備品 事務用品など
Class3:燃料
Class4:築城資材 丸太,コンクリート,鉄筋など
Class5:弾薬
Class6:日用品
Class7:主用装備品 戦車など
Class8:医薬品など
Class9:整備部品
Class10:地図 水
で,上記の内訳(Class1,3,5,9についてのみしか手元資料ないけど)
.   Class1 Class3 Class5 Class8
攻撃 51    660    2500  55
防御 49    366    3500  50
追撃 50    816    410   44
準備 48    240    438   20

 防御の場合は敵の攻撃を火力殲滅するので,弾薬消費が増えます.
 攻撃時なら計画射撃で効率が良いので,弾薬消費はそれほど大幅に増えません.
 一番の物資食いは砲兵です.

軍事板,2004/07/17
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 軍隊への慰問団についてですが,どのような芸人さんが,どこへ行ったんですか?

 【回答】
 今月の新潮新書に,玉岡かおる著「タカラジェンヌの太平洋戦争」という本が出ています.
 それによれば,日中戦争時,宝塚歌劇団が,陸軍の慰問部隊として,北京,大連,青島,張家口,徐州,石家荘に派遣されていますし,太平洋戦争中も移動歌劇団として,千島から満州まで各地を回っています.
 1944年には満州の主要都市ばかりでなく,満州国境の最前線まで出かけています.

 また,新劇出身者と宝塚の女優で構成された移動演劇隊「さくら隊」というのがあります.
 これは,広島を拠点に,中国地方を回っていましたが,原爆で9名中,5名が死亡しています.

 昭和13年には東京朝日新聞の後援で,柳家金悟楼,横山エンタツらの芸人が「笑わし隊」という慰問団を組んで,北支戦線に慰問に行っています.

 このほか,歌舞伎,新劇,漫談,歌手など多様な人々が各地を回っています.
 徳川夢声の本などにも詳しいです.

 米国では第二次大戦中から色んな女優,俳優,歌手などがチームを組んで前線を慰問に訪れています.
 代表的なのは
,先年亡くなった喜劇俳優のボブ・ホープです
 彼は第二次世界大戦から湾岸戦争に至る,殆どの戦争に現地慰問を行っています.
 米空軍は輸送機に"Spirit of Bob Hope",海軍は輸送艦に"USNS Bob Hope"と名付け,感謝を捧げています.
 また,マリリン・モンローのジョー・ディマジオとの新婚旅行も,朝鮮戦争で前線にいた兵士の慰問も兼ねていたかと.

 映画「地獄も黙示録」(原文ママ)でプレイメイトが米兵を慰問してたシーンがありましたが,これも実際あったみたいです.
http://www.kaigisho.ne.jp/literacy/midic/data/k19/k19517.htm
に,プレイメイト慰問団に関する記述があります.

 イラク戦争での慰問団としては,プロレス団体のWWEが,激戦地に近い基地にまで訪れたといった事例があります.


眠い人 ◆gQikaJHtf2(黄文字部分),ベタ藤原 ◆RoMNjfnp0E(赤文字部分)他 :軍事板,2004/07/18
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ミサイルについて質問です.
 アレの弾頭は自力で飛行する事が出来ると記憶しているのですが,であるなら発射機の役割は一体どのような物になるのでしょうか?

 【回答】
 意味不明.
 弾頭は自力で飛ばない.

 ミサイル=ミサイル・システム,弾頭=ミサイル,と仮定して答えると,ミサイルの種類にもよるが,発射機の役割は
・火器管制装置からミサイルへのデータのインターフェース
・精密機械であるミサイルを環境から守るカバー
(艦船に搭載している対艦・対空ミサイルのランチャーの一部)
・発射の瞬間まできっちり機体にミサイルを繋いでおくもの(空対空ミサイル・ランチャーの場合)
・発射の瞬間,ミサイルが機体に衝突したりしないように一定の方向へ向けておくもの
(空対空ミサイルランチャーの一部)
・持ち運びに便利なうえ,照準装置も兼ねているので(携帯型地対空ミサイル)
・発射時には安定性がやたら低いので,少しでも支えになるように(非携帯地対空ミサイル)
などなど.

軍事板,2004/07/19
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ショットガン(散弾銃)は,多数の小さな鉛製のたまが霰(あられ)のように飛び散る弾丸を発射する銃らしいんですけど,実際にはどのように,どの方向に飛び散るのでしょうか?

AUU : 軍事板,2004/07/19
青文字:加筆改修部分

 【回答】
 銃口が向いた方向に飛び散ります.
 飛び散り方は主に銃身の絞り方,あとは送りや散弾の性状に依ります.

www.gundogsonline.com/ArticleServer.asp?strArticleID=299D2D07-F7FE-4499-9901-F165379ACED5
にある図が分かり易いと思います.
 銃身の延長線に沿った紡錘形が基本となりますが,上記サイトの説明にあるように,種々の作用が加わって,どちらかと言えば円錐形(先端が銃身を向いた)に近いパターンになるようです.
 ただ,面積的な広がり(というか円錐の底面積というか)は絞りの影響を強く受けます.
 長さ方向の広がり(紡錘の長さあるいは円錐の高さというか)も,同じく絞りや送り(散弾と火薬の間に詰めるパッキング),銃身長や火薬量,火薬の性質などによって変化します.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/07/19
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 地雷源の突破方法ですが,実際に手探りで地雷を見つけ,処理できるのですか?
(映画ではそうしてた)
 踏んだ場合,代用品で載せて(石など)逃げる事はできるのですか?
 地雷の耐久年数って何年ほどですか?
 今だに大戦中の地雷が生きてる可能性はありますか?

 【回答】
 手探りというか,銃剣や長い棒で突いて調べる方法がある.

軍事板,2004/07/19
青文字:加筆改修部分

 対戦車地雷は人が踏んだぐらいでは起爆しないのでOKとして,対人地雷にも踏んだ時爆発と,踏んでから足を上げて圧が抜けた時に爆発するのと二種類(選択可能なのもある)があります.
 前者では踏んだ時に終わってます.
 後者では上手に足で踏む圧力を抜かないまま,足と地雷の間にナイフの刃などをねじ込み,これを手で押しつけて足をどけ,十分な重しを・・・と考えたくなります.
 実際には,踏んだ時にすぐ気づくことはまれ(枯れ木でも踏んだと思う)な上,起爆バネはそこそこ強力なので,片手でちょいと押えておけるものでもないでしょう.

 寿命は数十年.
 例えばポーランドでは第二次大戦時の地雷で,1977年にも死者は出ています.
(www.nd.edu/~ndmag/minesu95.html)
 さすがに敷設済みの地雷では60年を経た現在,起爆する可能性はまずないでしょう.
 しかしゼロとは言えません.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/07/19
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 宗谷海峡,間宮海峡にに横断トンネルをつくった場合,軍事的に防衛が困難になると思いますか?

 【回答】
 爆破という手もありますが,まず出口入口が固定され,侵略側の行動は著しく制限されます.
 また,そこに安易な目標が生じます.
 つまり,入り口付近で順番待ちする侵略軍集団.
 出口で混乱する侵略軍集団.
 もちろんこちらも出口を中心に,いくらでも阻害手段をあらかじめ講ずることができます.
 圧倒的な物量でそれをさらに排除することも可能でしょうが,であれば最初からそんなハンディなしに好きなところをめるために物量を使用するのが吉でしょう.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/07/19
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 海自のP-3C後継機が国産機からボーイング社のMMAに見直される様なのですが.
 国産機のPX-LもMMAもジェットエンジンですよね.
 プロペラ機の場合,対潜哨戒に不都合な点があるのでしょうか?

 【回答】
 プロペラ機はパワーが弱いため,
・速度が遅い
→ 哨戒海域に進出,あるいは海域間を移動するのに時間がかかる
→ 同じ面積をカバーするのに,より多くの機体が必要になる.&即応も遅れる.
・ペイロードが少ない
→ 低機能になる,あるいは複数の機体でカバーしなければならない
といった欠点があります.

 一方,ジェット機は安定飛行できる最低速度がプロペラ機より速いので,低速飛行を必要とする探索の場合,確実に行えないのではないかという不安が出ているようです.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/07/20
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次大戦末期に全翼機Ho229が高速度を発揮したという話がありますが,朝鮮戦争において全翼機が活躍したという例は寡聞にして聞きません.
 あと,震電で使われたカナードと言う発想の機体も,朝鮮戦争では使われませんでしたよね?
 これらには何か致命的な問題があったんでしょうか?

 【回答】
 当時の技術では全翼機は操縦,安定性に問題があり,まだ一般的な形に一日の長がありました.
(漠然とした言い方ですが)
 戦後,J.K.Northropが全翼機にはまり,N-1,XB-35,YB-49 などを作っていますが試作,実験機どまりです.
 実用軍用機で純全翼機はNorthropB-2待ちになると思います.

軍事板,2004/07/20
青文字:加筆改修部分

 全翼機は胴体が廃止されて空気抵抗が減るように見えます.
 安定性その他にも問題が生じ易いですがすでに回答があるので省きます.

 着陸のためにフラップをおろすと,普通は機首下げモーメントが働きます.
 水平尾翼ないしカナードがあればこれを打ち消せますが,全翼機ではそうも行かないのが普通で,フラップを付けられない,または付けられてもあまり効果がないものを用い,大きな翼面積を与えることで安全な着陸速度を可能にします.

 胴体を廃止したことによる有害空気抵抗削減と翼面積増大による有害抵抗増大は等しいか,あるいは後者の方が大きいのが通例です.
 ですから,速度性能の向上と言う形でメリットを活かすことは大抵は出来ません.
 ノースロップXB−49などは似たような総重量,エンジン性能の通常形式機より低速でした.
 Ho229のように搭載量が小さい機体は別ですが.

 一方,胴体のある機体に比して大きな翼面積を許される,と言うことなので,機体規模の割りに翼幅を大きくし易く,航続性能を向上させるメリットは活かし易いです.

 カナード形式機には大きくわけて,揚力を分担する「揚力 カナード」と,揚力を負担せずピッチ制御のみ行う「制御カナード」があります.
 震電は前者です.

 いずれの形式においても,通常形式の機体(縦静安定がプラスのもの)では不可欠に近い水平尾翼ダウンフォースが無くなり,揚力が増します.
 言いかえると主翼を小さく出来て空気抵抗が減ります.
 これがメリットです.

 が,揚力カナード機は全翼機と同じ欠点,主翼のフラップその他制御翼面の生み出すモーメントを打ち消す能力が,通常形式機よりも低いと言う欠点があります.
 震電の場合,ファウラーフラップを採用できなかった理由のひとつになっています.

 よって,主翼面積を増やす(元の木阿弥)か,同規模の通常形式機よりも高い着陸速度を受け入れるかということになってしまいます.

 制御カナード機は通常形式機と同等のピッチモーメント制御能力を与えることが出来ます.
 が,縦の静安定はゼロかマイナスになってしまいます.
 動的制御を前提としないかぎり,高度を維持して飛ぶことが出来ません.

True/False ◆ItgMVQehA6 : 軍事板,2004/07/20
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 もう死んでしまったうちの祖父の話なんですが,
「二次大戦中,徴兵の時の身体検査を受けたんだが,健康体であまりにいい肉付きをしているので,本土決戦用にとっておこうという軍の意図で徴兵を免れた」
と生前言ってたんですが,そんなことは実際にあったんでしょうか?
 ちなみに祖父は,1910年の明治43年生まれ.
 病気も死ぬまでまったくせず,死因は「老衰」というふうに確かに健康体ではあったようです.

 【回答】
 1910年生まれなら,漏れの死んだ祖父と同い年だな.
 1930年に徴兵検査を受け,甲種合格であるならば,召集名簿に充員召集対象者として記載された可能性があります.

 これは,本来の意味での一般的な徴兵制度に基づくもので,各年度に陸軍省で各師団への兵役対象者を設定します.
 徴兵名簿を作るのは各聯隊区司令部で,陸軍省で決定した必要数に応じて,充員召集令状を作成し,封印します.
 この状況であれば,必要がない限り,臨時召集対象者からは外されます.

 何らかの理由で充員召集が行なわれなかった場合は,そのまま徴兵は行なわれません.
 なので,本土決戦用は冗句かもしれませんが,それに近い状態ではあったのでしょう.

 後,勤労動員などで航空機関連,食糧増産関連,造船業関連などの職に就いた場合でも,召集を免れる場合がありました.
 詳しくは別項をご参照下さい.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/07/20
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
>“大”の字の読み方は,陸軍と海軍で異なる.大尉/大佐/大将を,陸軍ではタイイ/タイサ/タイショウといったのに対し,
>海軍ではダイイ/ダイサ/ダイショウと発音した.
>http://www.lepetitprince.net/sub_miscellaneous/doolittle.html


 これ本当ですか?
 でも神風特攻隊の関行男は,ニュース映画で「カイグンタイイ」といっていた憶えがあるのですが.
 式典などの改まった席では「ダイイ」と呼んだということでしょうか?

 【回答】
 大将以外は本当です.
 大将だけは,「たいしょう」となります.
 ただ,人口に膾炙していたのは,「たいい」「たいさ」ですから,一般的にはその言葉の方を用いたのかも知れません.

 例えば,陸軍の歩兵大尉,騎兵中佐は正式な将校ですが,軍医,獣医,技術将校は正式には,将校ではなく将校担当官と言います.
 しかし,一般には軍医少佐とか技術中佐とか言う呼称で世間一般には通用しています.

 これは,海軍も同じで,航海科,兵科の将校は正式な将校で,主計,軍医,造船,造機などに属していると,これは将校担当官と言われましたが,大勲位なんかも海軍主計中尉とか何とか世間では言われていますな.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/07/20
青文字:加筆改修部分

 戦争後半さすがに機関将校も,正規の将校として扱われたらしいですがね.
 遅すぎ .

 ちなみに「大将」が「だいしょう」じゃないのは,「代将」と紛らわしいから.

軍事板,2004/07/20
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次大戦時,多くの空母や戦艦が弾薬の誘爆や航空機燃料の引火で沈没していますが,現代の艦船はそういうことにどのような対策をしてるんでしょうか?
 WW2時にはしてなかったけど現代ではしている,という対策があったら教えてください.

 【回答】
 アメリカの戦後型空母は第2次大戦の戦訓を取り入れて被害対策が相当に進歩しているけど,ヴェトナム戦時に何度か発生した事故の結果から考えると,やはり被弾したら相当な被害が出るのは避けられなさそう.

 まず,第二次大戦時と違って今は航空機の燃料はみんなジェット燃料になったので,レシプロ時代のガソリンのようには引火,爆発はしない.

 弾薬庫に関しては自動化が進んで的確に注水,消火ができるようになった.

軍事板,2004/07/21
青文字:加筆改修部分

 弾薬自体についても「IM」(Insensitive Munition,低感度弾薬)が普及しつつあります.
 第二次大戦後も空母だけでも
1966年オリスカニ,
1967年フォレスタル,
1969年エンタープライズ,
1981年ニミッツ
と,弾薬の事故による爆発で多大の人的,物的損害が発生しており(上記4件合計で死者220名,負傷者702名,損害金額200億円以上),IMに対する要求は非常に強いのです.
 IMの性能は加熱,銃撃,破片衝撃,装甲板スポール衝撃,成形炸薬ジェット衝撃,殉爆(隣接する弾薬の爆発による誘爆)によって評価され,火災や落下,被弾によって大きな被害が出ないような爆薬成分,および弾薬の構造が開発,実用化されています.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/07/21
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

590 名前:名無し三等兵 :04/07/21 17:18 ID:???
よく小説をみると
  海軍と空軍は伝統的に仲が悪い
という記述をみるのですが,実際そうなのでしょうか?
またその理由となる事件でもあったのでしょうか?

あと陸軍は・・・・?


591 名前:名無し三等兵 :04/07/21 17:24 ID:???
>>590
ID
それとどこの国の海軍と空軍のこと?


592 名前:名無し三等兵 :04/07/21 17:27 ID:???
>>590
別に何か特定の事件があったからじゃなくて,ライヴァル意識の問題.
自分たちこそ国防を担っているのだ,と言う意識があるから,おのずと他の軍より前に出ようとして揉める.

陸軍も例外じゃない,むしろ伝統的な陸海対立の中に,20世紀になって空軍が参戦した形.
程度に差はあれど,何処の国でもそう言う対立はある.
(統合軍制度が定着してるところは分からないけど)


593 名前:system ◆systemVXQ2 :04/07/21 18:23 ID:eLisVJRg
さらに言えば,限られた軍事予算を取り合う仲,でもあります.


594 名前:名無し三等兵 :04/07/21 18:36 ID:???
他にも,結局軍隊も役所なので「縦割り行政」という言葉も・・・・
日本で言うと役所同士の利権や予算の奪い合いに近いものがあります.


595 名前:名無し三等兵 :04/07/21 18:38 ID:???
>>590
system氏が言う通り,軍事予算を取り合う仲でもあるというのが大きいかもしれない.
アメリカの場合核戦争が本格化した際,海軍の核攻撃機の発着艦が出来る超大型空母対
空軍の核ミサイルが運用できる爆撃機の予算について海軍と空軍と争った事があるし,

また,第二次大戦時,海兵隊がガダルカナル島へ上陸した際,空襲の危険を避けたため
海兵隊の物資を運ぶ海軍の船が,大部分の物資の下ろさず離脱したので,
海軍と海兵隊は仲が悪くなったことがあるそうな.


596 名前:名無し三等兵 :04/07/21 19:13 ID:???
>>590
空軍自体が比較的あたらしい軍種というのもあるね.
ヨーロッパなどの大陸国の多くは早くから空軍持ってたけど,
海軍国は陸軍と海軍がそれぞれ航空部隊を持っていた.
後に独立軍となったときも,母体は陸軍航空部隊だから陸軍の支援が主任務.
上手に棲みわけができてるので,陸と空とでケンカする理由はとくにない.

逆に空母を有する海軍は,独自で航空打撃力持ってるので空軍に頼る必要ない.
任務によってはどちらの軍でもこなせる場合があり,そのへんで綱引きが生じる.
その他,新鋭機導入のタイミングや共通化も常に揉め事のタネになる.
予算からいえば同じ機種導入するのがいいのだが,要求性能が違うからな.

上記の理由からして,「伝統的」というほど古くもない.せいぜいWW2以降の話.

軍事板,2004/07/21
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ベトナム戦争時,B-52による絨毯爆撃でナパーム弾を投下したことはあるのでしょうか?
 映像などで戦闘機から投下されたシーンの印象が強く,大型爆撃機ではどうだったんだろう?と思いましたので.
 そして検索したら「大型の800ポンド弾の場合,幅1km,長さ2kmの範囲を焼き尽くす.」と出てきて,被害範囲が広すぎるように思えますが正しいのでしょうか?

 【回答】
www.wpafb.af.mil/museum/history/korea/no71-67.htm
によると,朝鮮戦争で使用された110ガロンのナパーム弾は幅70m,長さ250mほどの範囲を焼き尽くしたそうです.
 500ポンドナパーム弾で内容量は75ガロン.
 その記述はどうも過剰なようです.
 しかも実際には上記サイトにあるように,実験してみると有効範囲はもう少し狭かったようです.

www.csis.org/features/cord_011102.htm
によると,B-52は普通にナパームも絨毯爆撃に使用していたようです.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/07/21
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 空母と航空巡洋艦の違いを教えてください.

 【回答】
 基本的に艦種類別と言うのは各国が勝手にやっているものなので,国際標準というものは無い.
 海軍軍縮条約の時に定義したりする程度.
 たとえば,国際条約でダーダネルス=ボスフォラス海峡を空母が通れないので,ソ連はキエフ級を航空巡洋艦と称していた.

軍事板,2004/07/21
青文字:加筆改修部分

 まぁ,誤解を招くようなことを書きますが,巡洋艦の中の偵察巡洋艦を発展させていって,直接敵を観測する代わりに,もっと遠くの敵を発見したいと言う欲求から生まれたのが空母な訳で,空母とは航空巡洋艦の一種と言っても良いかも知れません.

 実際の航空巡洋艦は,艦の前半部に巡洋艦並みの武装を施し,艦の後半部に飛行甲板を取り付けて,航空機の発着を可能にしたものという感じでしょうか.
 空母は,航空機運用に特化した艦と言えるのではないかと思います.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/07/21
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次大戦で使われたデ・ハビランド・モスキートに関して質問です・・・
 同機は木と紙で出来ていて大変軽かったので高性能を発揮したと聞きますが,なぜ単発機(特に戦闘機)で同様の構造材を利用した航空機は現れなかったのでしょうか?
 防弾の欠如,エンジンを支える上での問題など,色々想像はしているのですが・・・

 【回答】
 モスキトは「木と紙」ではなく「木と合板と糊」が主成分です.
 詳細で掘り下げの深いサイト
www.2worldwar2.com/mosquito.htm
がありますからご一読下さい.

 速かったのは,速度優先のデザインと,そこそこ強力なエンジンのためです.
 上記サイトには,木が軽かったからという表現がありますが,
www.fleetairarmarchive.net/Aircraft/Mosquito.htm
によれば,全長12.5m,翼幅16.5mで空虚重量6.5トン(1460または1680馬力).
 ユンカースJu88は全長14.2m,翼幅18mで空虚重量9.8トン(1200馬力).
http://perso.wanadoo.fr/christophe.arribat/stofju88.html
 とすると,単純に全長三乗で計算すると,重さは同等でしょうか.
 やはり戦略物資が不足していたから,やむを得ず木製になったのでしょう.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2004/07/23
青文字:加筆改修部分

>同機は木と紙で出来ていたので大変軽かったので高性能を発揮したと聞きますが,

 軽くはない.
 つーか,強度比で木がアルミより軽かったら,誰も車輌の装甲にアルミを使わない.
 正確には接着剤でくっつけるから継ぎ目がなく抵抗が少ない=速いって話.
 重量の事を考えると高速爆撃機なら兎も角,戦闘機で積極的に使いたい材料じゃないわな.

 ちなみに,対日戦で東南アジアに送られたモスキートは,高温多湿のためにカビが生えたり接着部分が剥離したなどのトラブルが発生したとのこと.
 この辺も木製機が廃れた原因の一つじゃないかな.

軍事板,2004/07/23
青文字:加筆改修部分


目次へ

「未分類草稿別館 wiki」トップ・ページへ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ