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世界史なんでも質問スレッド 71

目次

 【質問】 ヴェトナム戦闘当時,階級で徴兵される人とされない人に分かれたのですか?

 【質問】 何で中流・上流階級の連中は徴兵拒否したのさ? 卑怯じゃん

 【質問】 歴史上ユダヤ人が嫌われてきた原因の一つは,「戦場には行けません.税金払ってるんだし,じゅうぶんでしょ?」って態度だったから?

 【質問】 古代ユダヤ人がローマに侵略されて搾取されたなんてのは,これはもう完全に話にならん妄想?

 【質問】 中世以前の戦争において,敵軍を包囲するメリットって,いったい何??

 【質問】 異民族同士の戦争の場合,お互いの言語が違うのですが,どういう風に交渉したのでしょうか?

 【質問】 通訳のまずさが原因で,双方が望んでいなかった戦争がを始まったことってあったの?

 【質問】 イランあたりのミニアチュールの人物が,なよなよした柳腰の中国人風の容姿なのはなんで?

 【質問】 17世紀前半,英蘭戦争勃発以前,イングランドとオランダは敵対していたのでしょうか?


保留

 【質問】


 【回答】
中公新書の「物語アメリカの歴史」に書いてあったのですが,ニューヨーク市大の教授が戦争に関するインタヴューに答えて,
「労働者階級のみが戦闘に参加したヴェトナム戦争とは異なり,第二次大戦はすべてのアメリカ人が参加した.教授専用のクラブには第二次大戦で戦史した卒業生の長いリストがある」
と答えています.

そんで質問なんですが,
ヴェトナム戦闘当時って徴兵制がありましたよね.階級(身分・納税額・職業・人種・地域・その他)
で徴兵される人とされない人に分かれるのですか?
この人の言葉通りに受け取れば,労働者階級だけが(連邦軍の)兵役義務を負い,
中産階級や上流階級は兵役を免除される・または義務を負わない,
ということでしょうか?
また,卒業生について特に言及があることから,大卒者or大学生という高学歴者は連邦軍の兵役が免除されるか,
もしくは前線の兵ではなく士官待遇で召集されるんですか?

現代の,職業としての兵士なら「労働者階級のみが戦闘に参加する」のも分かりますが,
徴兵という強制的な義務において階級・学歴その他で差別があったとは信じられん
67 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 00:37:18 0
フランス第5共和制の,改正前の大統領選出方法について.
地方議員など8万人が有権者,とありますが,
県市町村の議員が8万人って異常に多すぎじゃないですか

社会の勝ち組である地方政治家が8万ですよ
68 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 00:41:19 0
兵役といっても全員が徴兵される訳ではない上に,中流以上は良心的兵役拒否や
医者の診断書で兵役から逃れていた.
ベトナム戦争は第二次世界大戦と違って動員数が少なく国家の存亡がかかっている
訳ではなかったので,兵役拒否しても抵抗は少なかった.
労働者階級はお金がないので戦争に行った.
69 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 00:45:37 0
で,あとあと選挙とか出たときに
「あいつはベトナム行かなかったんだぜ」と後ろ指をさされた
70 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 02:16:38 0
>>68
>中流以上は良心的兵役拒否
じゃあ,労働者階級も良心的兵役拒否をすればいいのでは?
中流階級以上が行かないから俺も行かない,って理由は自由平等を掲げる国家としては余裕で通るでしょ

>兵役といっても全員が徴兵される訳ではない上
基準はあるのですか? 例えば,ある年齢層の中でランダムとか

>労働者階級はお金がないので戦争に行った
ここはもう少し因果関係を詳しくお願いします
労働者階級の財産レベルの人が狙い撃ちで差別的に徴兵されたのか,
賄賂を払えば免除されたのか.

>医者の診断書
金払って虚偽の診断書を書いてもらったということですか?
ただの仮病で拒否るだけなら経済的階級は関係ないですよね

上記のどれにしたって,明白に徴兵の階級差別がなされて労働者階級だけ死地に
送られれば,反乱とか起きないのですか?
気付かれないとかは無理だし.

アメリカ民衆はかなり好戦的なのに,これほど重大な問題で黙っていたのか?
(ロス暴動の案件よりも,はるかに重大な権利が侵害されているから,蜂起すべきでは…)
71 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 02:36:41 0
前提から間違ってる
徴兵は必ずしも恐ろしくて嫌で迷惑という心情の上にあるものではない
アメリカの場合少なくともベトナム戦争以前まではな
国家の安全と正義は自分たちの血であがなうものだという,
国民軍の基礎にして古代より「血の税」として続いてきた精神が
まだあの時代にはあったわけだ
「自分たちが命をかけて国家を支える」というのは十分に誇らしいことであり,
兵役逃れだのなんだのというのは恥知らずのチキンがやることなわけ

まあ,そういう諸々を支える,アメリカの大儀と正義そのものが,
ベトナム戦争中に崩れたことがアメリカの敗因に繋がったんだな
72 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 02:37:58 0
ああ,あと徴兵は抽選だ
73 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 02:40:23 0
・良心的兵役拒否は違法.といってもベトナム戦争の世論の反発が強いので
すぐに刑務所にぶち込まれるという訳でもなかった.
だから弁護士を頼めたり,教会に保護して貰う必要があるので貧乏人には難しい.
逃げ回っている間の生活費も必要だ.

・選択的兵役抽選方式.誕生日で選ばれる.
(ニクソン以降.それ以前は詳しい人のフォローplz)

・戦争に行けば給料がでる.衣食住も保証される.復員後は奨学金も貰える.
あるいは奨学金目その他当てですでに予備役登録していたら逃げられない.

・診断書の偽造がばれたら医者も捕まる.貧乏人にそんなサービスするか?
そもそもアメリカは今でも国民皆保険ではないので,保険に入っていない
貧乏人には診断書書いて貰うだけで何十万も払う必要があるんだぞ.

・反乱は起きた.公民権運動だ.

75 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 02:55:57 0
>しかし実態は中流以上はほとんど逃亡
なんでこういう大嘘を前提にするんだ?
76 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 02:56:51 0


ってか,街医者の診断書で免除されるなら最初から階級で差別する気満々じゃんw

検査所で軍医がミッチリ調べるとかじゃない限り.

>>71の国民の義務が嘘っぱちなのは明白
77 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 02:59:52 0
>>75
アメリカ人自身が統計取って総括している
曰く

兵役可能人口2700万,実際に徴収された兵員250万,

うち労働者階級が80%

反戦運動の高まりで兵役拒否が活発になるが,知識階級中心の独善

労働者階級は兵役拒否が少ない


こういう結果らしい
78 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:04:08 0
ブルーカラーのほうが多いんだから当たり前だろ…
現代日本みたいな国民総大卒じゃねえんだぞ
一流どころの大卒は士官,ハイスクールかそれ以下は兵卒
士官と兵卒の数の割合がどうかくらいは説明しなくてもわかるな?

それから,社会の低層ほど愛国的義務に忠実なのは当時の(あるいは現代も)アメリカ社会の特徴だ
79 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:16:13 0
>>77
労働者階級って意味わかってるのかな?
会社員だって労働者には違いないんだよ?
働いたことないからわかんないのかな?
なんとなく低学歴低所得者だと思ってるんじゃない?

80 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 03:16:14 0
>>78
>一流どころの大卒は士官,ハイスクールかそれ以下は兵卒
>士官と兵卒の数の割合がどうかくらいは説明しなくてもわかるな?

まじで!?
士官は兵卒に対して1割未満だから
労働者階級:中流=大卒:高卒その他=兵:将校
って感じなのか?

アメリカの国力の源泉が中流体制だと思ってたから驚愕だ
81 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:18:13 0
>>79
分かってないのは君だw
労働者"階級"と言った場合にはミドルクラスのホワイトカラーと区別される
82 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:19:17 0
>労働者"階級"と言った場合にはミドルクラスのホワイトカラーと区別される
されねーよ
それ日本のサヨが勝手につけたイメージですから

83 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:22:26 0
>79
現代日本とは違うんですよ…
高度な技術者や知識人は給与所得者ではあるが労働者ではない.高学歴な社員,高級官僚もね
84 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:25:09 0
ブルーカラーと労働者階級はイコールではないし,ホワイトカラーも労働者階級と重なる
この概念をごっちゃにして論じると話が通じなくなる
85 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:26:27 0
>>82
いやいや現代日本の労組のイメージで語ってるのはお前だろ
ワーキングクラスとミドルクラスは所得形態は関係ない
経済状況や社会的ポジションの問題だ

例えば自営業の修理工は被雇用者という現代的意味での「労働者」ではないが労働者階級
一流企業の総合職なんかはミドルクラス
86 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:31:58 0
インテリの一部が兵役を嫌っただけだろ
インテリ全てが兵役逃れをやったというのは間違いだし,
>>77は分母を無視してる点でデータの解釈を間違ってる
低所得層の戦争や兵役に対する意識は,当時のコメント等の資料をあたればわかるが,
兵隊に取られること自体を嫌悪して兵役逃れを羨むような空気はない
87 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 03:35:41 0
近代〜(国によっては)現代初頭の労働者階級 の範疇と,
勤め人という意味で使う労働者(今の日本ではこっち)は違うやろ

当時の中流ってのは今の総中流って意味じゃなくて,富裕またはエリートだ.つまり庶民じゃなく勝ち組
零細な百姓,漁師,手工業者,小商人,行商人,一般職公務員,も労働者階級に入る.
88 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:39:23 0
どっちにしろ6,7割以上は労働者階級になるが
89 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 03:45:06 0
労働者階級が一方的に戦争の生贄にされたってことにしたい意図が見え見えで反吐が出る
というか,そんなこと実際にベトナム帰還兵の前で言ったら叩き殺されるぞ
90 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 03:48:13 0
国民は犠牲者です! 軍国教育で洗脳されて国に戦争を強要されました!
国民はなにも悪くありません!!!

って責任逃れするどこぞの国とは違うからなw
91 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 03:58:06 0
日本だってインテリほど戦争を嫌がったもんだよ
モノを考える頭があれば,わが身を取るか国家公共の利益を取るかの判断をする
国家的国際的視野を持たない低層の民衆は,結局周囲の熱狂や強制的雰囲気に乗るしかない
2chで偉そうにしてる奴らだって,世間がそういう空気になればほとんどが流されるに決まってるんだから

まあ,ベトナム戦争時のアメリカの場合,インテリ層と低所得層でその「空気」が,
とくに戦争後半になるにつれ180度違ったのがポイントなんだがな
92 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 04:24:27 0
【差別】山崎製パンがインターネットサイトから学歴差別を感じさせる画像を削除「大卒者はスーツで高卒者は工場で肉体労働」
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1257003379/
【経済】トヨタが大卒新人を一時的にラインに回す
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1257008578/
93 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 14:20:20 0
>>89
>そんなこと実際にベトナム帰還兵の前で言ったら叩き殺されるぞ

アメリカ人自身が言っているのだが.
兵役拒否者が中産階級以上で多かったのは事実だし,そのことが(兵役拒否が事実上,困難な)
労働者階級の反発・非難を招いた.兵役拒否は理論上『平等に』できるのだが,諸々の理由で中流と労働者では事情が違う
結果として極めて不平等な徴兵になり生贄にされた.

はたして帰還兵は俺を叩き殺すかな? むしろ当時の反戦者や兵役逃亡者を殺すのでは?
帰還兵がベトナムでの蛮行から差別されたわけだが,兵役を国家から『押し付けられた』件を無視している
帰還後,階級的特権を使って兵役逃亡した連中が帰還兵を批判する構造もあったから尚更,生贄の感が強い

>>91
インテリ=反戦 労働者民=戦争続行賛同 ってこと?
でも,共和党や右翼思想がいわゆる勝ち組に支持が多く,民主党・リベラル思想は低所得層に支持者が多いって言うじゃん
入れ替わったのか?
94 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 14:27:27 0
民衆ほど愛国的義務に忠実だという点は賛成できないね

例えば日本でも,『俺たちは忠君愛国のために戦地に行くんだ』とみんな言うわけだが,
内心は行きたくないわけ.

その証拠に,病気による免除者にたいして『ずるい』と言って糾弾してたとか.

まして金や生活環境の利点を使って不正に兵役拒否する知識階級への憎悪は強いと思われる.

口では愛国心から当然の義務として行くと言うが,『富裕層・インテリ層が逃げれて自分らが死ぬのは不平等だ.許せん』
と思っていても当然でしょう
95 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 14:34:42 O

96 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 14:35:44 0
>>90
>国民は犠牲者です! 軍国教育で洗脳されて国に戦争を強要されました!
>国民はなにも悪くありません!!!
>って責任逃れするどこぞの国とは違うからなw

すこぶる正しいが.
責任とは自由の結果だが,『思想・行動』の自由が制限されている当時の日本民衆に責任能力は問えない.
親にカルト洗脳された幼児に責任が無いのと同じだ.(当時は国家が強力に思想を教導)

もう一つ.民衆は『臣民』である.臣の罪は君の罪,兵の罪は将校の罪である.
兵卒下士官や実働者は一般に,命令に従っただけでは処罰されない.

さらに,『人民主権』でなかったこと.権利がなければ責任もないし,
『国』の『所有者』でない民衆は債務もまた負わないのである.

また,日本はアメリカやフランスと違って『人民自ら建国』したと言う建前ではない.
史実を見ると,支配層の争いで支配権を奪い合った結果,政体が作られている.
建前では日王様が天から降りてきて土民を支配している.これでも人民に責任があるのか

世界史板,
青文字:加筆改修部分



 【質問】


 【回答】
106 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/11/01(日) 15:56:59 0
>>102
>じゃあ何で中流・上流階級の連中は徴兵拒否したのさ? 卑怯じゃん
実際卑怯であり,ベトナム戦争下でこれをめぐって対立衝突もあった
わかるか? ここで下層民は「俺たちだけが戦場で死んで不公平だ」などとは言ってないんだよ
先に言った市民,国民として共同体に果たすべき当然の義務や,お前が聞きかじりで口にした「ノブレスオブリージュ」を果たそうとしない国内のエリートに対して,
純然たる嫌悪と,自分たちが兵士となって遂行していると自負する戦争を阻害する平和運動を憎悪した結果の衝突なんだ
107 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 15:58:51 0
イギリスでは王子がイラク戦争に行かないことになったので,兵士の遺族からかなり非難を浴びた
これなどは構成員が皆公平に血の犠牲を払わねばならないという良い例ではないか
108 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 16:02:08 0
日本では戦争は穢れごとなので,高貴な人はやらない.
武士も江戸時代にすっかり公家化したので,明治以降に華族将校は
数えるほどしかいなかった.
つまり今の戦争嫌いの日本が通常状態.

109 :世界@名無史さん :2009/11/01(日) 16:05:11 0
俺達は自分達がどう感じてるのか,示したかっただけさ.
つまり,俺達がニクソンを支持してるってことをさ.

あの金持ち連中の息子達は,うまいことやって徴兵を逃れて
反戦だなんてやりたい放題だ.
まるで自分達が国を動かしているかのようだ.

奴等が抗議する権利のあることは認める.
しかし,星条旗を汚すような行為は絶対に許すことは出来ない.

              ――ニクソン支持派労働者の証言より

114 :世界@名無史さん :2009/11/01(日) 16:28:27 0
ベトナム戦争が正当化できないところに問題がある
アメリカに正義はなく,それを拒否することにも一理ある状況だからこそアメリカの国論は割れたんだ
だから今でも,大統領の経歴で問題にされる程度で基本的に触れざるべきアメリカの病巣になっている
庶民とエリートの対立はどんな国家でも表層化すべからざる癌だからな

世界史板,2009/11/01(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 歴史上ユダヤ人が嫌われてきた原因の一つは,
「戦場には行けません.
 税金払ってるんだし,じゅうぶんでしょ?」
って態度だったから?
 ナチスの宣伝に過ぎないと思ってたけど.

 【回答】
 逆.
 ユダヤはかなり愛国者や軍人的な人間も多い.
 ユダヤ戦争やマサダ要塞みたいに,ローマの侵略に徹底抗戦,服従するより集団自決とか過激な所も多い.
 現代でもイスラエルじゃ結構,軍人は尊敬されてる.

 誤解が起きる原因は多神教国のローマとかに長年侵略されて搾取されて流民になるのが多かったのによる.
 日本人だってアメリカ人だって商売やってる外国で税金は許容しても,相手の国の為に死ねとか言われたら迷うだろう.
 ドイツみたいに,同化して根付いてる所には,志願してまで尽くす愛国者が多かった.
 徴兵忌避も一般ドイツ人だって多かったのに,ユダヤは志願率,最前線での従軍率は一般ドイツ人より高く,国防軍の愛国的将校にもユダヤは多かった.

 ヒトラーの軍隊時代の直属の上官がユダヤ人で,外国人で徴兵検査不適格のヒトラーにも偏見を持たず,後にヒトラーが恩義を感じるほどに公平に接して勲章授与を働きかけて引き立ててやったのは有名だが,当時のドイツのユダヤ人口は全体の1%程度.
 これに対し,第一次大戦の従軍者は約十万人で,ユダヤ人口中の17〜18%.
 ドイツ人の従軍者の15〜16%を上回る.

 その出征したユダヤ軍人で,全体の80%は前線で戦わされた.
 従軍した内で約4割は,鉄十字章授与されている.
 勲功者の内5%は第一級.
 全体の2割は,何らかの形での昇進に預かっている.
 その内一割は将校への昇進.
 その他一割弱は戦死.

世界史板,2009/11/01(日)〜11/02(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】


 【回答】
121 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/01(日) 23:55:38 0
>>118
ユダヤ人に愛国心がないとは言っていない
が,原理的なユダヤ信仰者は神以外に仕えるのを良しとしないがために,
それを理由に兵役を拒否することが多々あった
栄えた都市にはどこでも居ついてコミュニティを作り商売をやる連中が,
戦争になると参加を拒絶する
これが西欧では嫌われた

ローマに侵略されて搾取されたなんてのは,これはもう完全に話にならん妄想だな
122 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/02(月) 00:18:13 O
>>121
>原理的な
そりゃキリスト教徒も同じだな.
ニクソンのクエーカーの信条とか,キリスト教徒じゃなくても
クリントンにしろ上にあがってる例にしろ小手先姑息ないろんな
やり方で抜け道があるのは同じ.例外じゃなかった.ヒトラーが喚いてたみたいに
ドイツ人にもその手の国外流出をはじめいろんなやり方あったしな.

>妄想だな
ワロタ.おまえ本当に世界史板の住民か?

125 :世界@名無史さん :2009/11/02(月) 01:02:21 0
>>122
>ワロタ.おまえ本当に世界史板の住民か?
はいはい,じゃあローマ法におけるユダヤ人に対する特別課税法を挙げてもらおうか

128 :世界@名無史さん :2009/11/02(月) 03:55:43 O
>>125
当時属州の税として過酷な場合は農産物の7割ぐらい
持っていかれる事もあったが,おまえ給料のそのぐらい持っていかれても搾取に感じないか?

あげくに独立しようとした結果は徹底して殲滅され,多神教ローマから改宗を要求され,
ユダヤ文化的なものが弾圧されてユダヤ属州名まで破棄されて,
カルタゴ並の過酷な弾圧食って,過去に多神教徒から何度もやられたような,寛容から程遠い弾圧されてんだけど?
古代の歴史まで善悪持ち込む連中の方が気持ち悪いが,どこが弾圧搾取されてないわけ?
ユダヤもやってる,みたいな頭の悪いレスじゃどっちも同じって事になって結局否定する反論にはならんよ.

134 :世界@名無史さん :2009/11/02(月) 13:23:27 0
>>128
>当時属州の税として過酷な場合は農産物の7割ぐらい
違法,総督にそんな税率を課税する権限はない

>あげくに独立しようとした結果は徹底して殲滅され,多神教ローマから改宗を要求され,
大嘘,前段階としてローマはユダヤ人に信仰の自由と自治を認めてきた
ただし,それは「国家に害をなさない範囲で」だ
ローマはローマにできる限りの譲歩を百数十年来続けていたが,
しょせんユダヤ教自体がローマ世界,というより
他の価値観と完全に没交渉の異質な信仰であったがために,
最終的にユダヤ戦争という形で破局したんだ

日本でもあるよな,「公共の利益に反しない限り信仰の自由を認める」
オウムは弾圧されたが,それは誰のせいか?

182 :世界@名無史さん :2009/11/05(木) 00:35:21 0
>>134
>そんな権限は無い

アホ.そりゃただの形式上の話だ.
属州総督関係が競争激しい激しい職で,猟官の為に財産使い果たすぐらいの賄賂や裏金も普通だった.
なんでかって言えば一度総督地位に就ければ搾取し放題で甘い汁啜れて元がとれたから.
任期終わる頃には一財産稼げて悠々自適になれるいわざ属州利権だ.
あまりに私腹肥やす連中が多いせいで,税法が何度も改革されたり,たまりかねた
属州の人間が何度も訴訟起こして問題になってたぐらい.
あれだけパンとサーカスだ惚けられてたのも,属州から収奪された膨大な富や生産物がローマに流入してきたから.

じゃあ逆に例えば東欧で支配階級と土着の間に入ったユダヤも別にユダヤ教を強制したわけでもないし,
単に支配者の命令で憎まれる仕事に従事していただけ.
搾取というのはおかしいよな.現代やその他の商業で金稼いだだけの行為も「搾取」だの言い出すのもアホだって事だよな?

183 :世界@名無史さん :2009/11/05(木) 00:38:52 0
マジに寛容なら希望通り異民族の異教徒として独立させりゃいいだけの話だよな.
わざわざ支配して収奪せずに.
ローマの支配に服し,大人しく同化するなら寛容だっただけ.
だが独立を企図したり,反抗する相手や脅威になると見て取れば容赦なかったわけだ.
それは一神教ユダヤでもないカルタゴへの行為見ても,寛容で緩やかな対応に程遠い.
執念深く,破壊と殲滅行為だったよな?

だから別にローマが悪いとかの問題でもない.歴史では似たりよったりだし.
じゃあ支配者ユダヤが宗教とかその他ある程度自治を認めてりゃ,悪辣に税金とろうが何しようが
ローマと同じく搾取とか言う奴の方がおかしいし,「搾取」扱いする奴がアホって事になるって話だよな?

無理やりユダヤが悪だのにしたいだけじゃねーか.古代史にまで其の手の事持ち出して気持ち悪いんだよおまえ.

187 :世界@名無史さん :2009/11/05(木) 10:19:40 O
またローマの寛容を履き違えてるやつがいるな
ローマ人は善人ではない
博愛思想も人道主義も知らない
ただ多民族統治をするにあたって合理的で労力の少ない手段として
圧政よりも好待遇で接したほうがいいと考えただけだ
いつ寝首をかかれるかわからん相手に優しくするようなお人好しの馬鹿ではない
日本人のようなな

189 :世界@名無史さん :2009/11/05(木) 12:31:59 0
>>187
そりゃそうだがローマは寛大だったのに,ユダヤが
従わなかったのが悪いとか痛い奴がいるからなw

単に統治上の便宜にすぎないし利用しようとしただけなのにね.

194 :世界@名無史さん :2009/11/05(木) 16:10:17 0
>>190
全然論点が分かってないな.
ローマが悪い,もしくはユダヤが善だのの話でもない.
ローマだって世界帝国として勢力拡大敵対勢力潰すだろうし,
ユダヤだって独立勢力拡大目指すの居て当然だろう.
所詮世界史にいくらでもある諸民族の興亡と勢力争い.
それをユダヤがどうのと攻撃するために強引に悪いとかにしてる偏執的な連中が頭悪くて気持ち悪いって話.

237 :世界@名無史さん :2009/11/07(土) 02:21:41 0
>>200
いやそれ以前に「国家反逆」とかの視点がアホ丸出しだし.
なんでローマ人に従わなくちゃいけないんだよw
逆にそれぐらい反発喰う異なる宗教を奉じる異民族だったって事の証左じゃねえかw
カルタゴやゲルマニアの諸部族がローマに服属する義務もないのと同じで.単に勢力争いに勝ったりしたらで支配してる状態になってる程度の話.

ユダヤが悪いともいえないし,ローマが悪いとかの話もナンセンス.
ユダヤだって従属させられてローマの支配下になるより独立望む勢力居て当たり前だし.
ローマだって逆に,ある程度権利認められるなら,
カルタゴやユダヤに従属してユダヤ国家の下に支配されるとなると,許容したかって話.

単に一方の立場から肯定したかったり,現代の差別意識に囚われてそこから敷衍して否定したい奴が
「寛容だから逆らったユダヤが悪い」とか頭の悪い主張を展開してるだけなわけ.
自国関連ならまだともかく,大昔のあの辺の第三者として客観的に見れる歴史まで
そこまで偏執的な感覚持ち込んでる連中は相当精神病んでる感じ.

245 :世界@名無史さん :2009/11/07(土) 02:37:33 0
>>242
征服後支配の上手い下手の問題だろそれ
アメリカはこの上なく下手糞だぞ,日本だけが成功例だ
その点ローマは歴史上最もそれが上手かったと言っていい
で,それにさえ服さないユダヤが特殊と言ってるのであって,悪いとも言ってない
ただ,共同体の存続と繁栄という視点から見れば
ユダヤのこだわりは,「こちら側」の価値観では馬鹿馬鹿しいとしか言えない
現代で言えば宗教や民族主義に固執して全滅戦争を続けるのを愚かしく感じるのと同じことだ

ユダヤにはユダヤの言い分がある,死んでも神への忠誠が大事だから逆らって国ごと潰されたわけだろ
ならなんで後から恨みがましいことを言うんだって話だよ
ローマの下で存続する選択肢を採らなかったのは自分達だろと

248 :世界@名無史さん :2009/11/07(土) 03:12:08 0
ローマを拒み続けたのはユダヤとドルイドくらいだからなあ
法の支配は嫌,納税も嫌,軍事協力も嫌,
ローマ法の内容や税率が問題ならローマは対処できたが,
宗教的理由によりなにがなんでも絶対嫌っていうんだからもうどうしようもない
独力でやっていく力もないのに,やはり宗教的理由により
小国が当たり前にとる「寄らば大樹の陰」の生存戦略さえしない
彼らが彼らの望むように生きようと思えば,現代イスラエルのように在るしかない
当時のユダヤ人には好き勝手に生きる力がなかった,ただそれだけ
エルサレムの保守勢力の頭の固さでは,生き残る道はなかった

まあ,そうじゃないユダヤ人は普通にローマに溶け込んだり,
カエサルのものはカエサルと唱えてキリスト教へ流れたわけだけど

249 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/07(土) 03:21:24 0
ローマに楯突いて潰された連中はいくらでもいる
ユダヤ人の驚異的なところは
ローマに楯突いて潰されたのに
今でもアイデンティティを維持しているという事実そのもの
250 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/11/07(土) 06:39:16 0
ユダヤ教成立前にアッシリアに滅ぼされた古代イスラエル王国の民は
民族としての体を失い同化してしまった.生き残った南部ユダ王国の民が
ユダヤ教を成立させた.つまりユダヤ人は宗教によりアイデンティティを
保ってきた.アルメニア人も同じ.宗教という強固な信仰がなければ国を失った
民族は容易に同化されてしまう.


世界史板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 中世以前の戦争において有名な,カンネーの戦い.
 人数の上では劣勢なハンニバル率いるカルタゴ軍が,包囲作戦でローマ軍をフルボッコ.
 包囲すると優勢に戦えるという理屈が分からない.
 少人数の戦いなら包囲することは有効だが,万単位の軍勢同士なら,包囲されたって自分の目の前にいる敵を相手にするだけのことだ.
 互いに戦線を維持したままなら,戦線同士の接触にすぎず,戦線が崩れて乱戦になれば,人数に勝るギリシャ軍が消耗戦では有利.
 包囲するメリットって,いったい何??


 【回答】
 まず,指揮系統が混乱する.
 包囲ではなく挟撃であっても,一方向に対するのに比べて,指示は二倍必要になる.
 それが全方位となると,もはや統一指揮は不可能になる.

 全軍が圧縮され,戦術機動がとれなくなる.
 押す,引く,右へ回り込む,死体を避けて足場を確保する,劣勢な戦線に遊撃隊が向かう,等々.
 大隊単位での行動が不可能になる.
 歩兵は各自判断で,目の前の敵を戦うしかなくなる.

 隊列が乱れる.
 重装歩兵は特に,密集し隊列を組むことを前提とした兵種であり,これが崩れて円陣になると,それだけで攻撃も防御も万全でなくなる.
 また,飛び道具を主とする軽装歩兵が,敵前に晒されるようなことが起こる.

 飛び道具が集中する.
 包囲する側は包囲した中に投げ槍や矢,石を放てばよいのであり,逆に包囲された側は薄く,全方位に撃たねばならない.
 命中率に格段の差が出てくる.

 混乱する.
 側面背後からも攻められる恐怖は,正面のみの時のそれとは比較にならない.
 士気は容易に落ちる.

世界史板,2009/11/25(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 異民族同士の戦争の場合,お互いの言語が違うのですが,どういう風に交渉したのでしょうか?
 インカ帝国皇帝アタワルパとピサロらは,何語で交渉したのでしょうか?

 【回答】
 現地人を手なづけて通訳に仕立て上げるのです.
 そこら辺は長年のキリスト教の布教の経験で,ノウハウができているのです.
 ちょっと時間がかかっても,スペイン語もケチュア語もどちらも解する人材が育ちます.
 そうなれば,後は簡単.
 我々は神の使いである.我々の要求を汝らの皇帝に伝えよ,とかなんとか言えばよいだけです.
 そういえば,無邪気な現地人は本当に,彼らを神の使いだと思い込んで一生懸命,神の言葉を覚えようとします.
 ピサロは何の準備もなく,いきなり本丸に乗り込んで鉄砲をぶっ放したのではありません.
 そうやって周辺部から徐々に足場を築いて,準備を整えていったのです.

 コルテスの場合はこう.
 ある船がユカタン半島近海で難破し,マヤの地に漂着した.
 漂流者の大半は食人部族に食われたらしいが,アギラールというスペイン人神父がたまたま奴隷になって生き延びた.
 アギラールは数年そこで暮らし,現地のマヤ語を習得した.

 数年後,その近くにコルテスの一行がやってきて,アギラールは彼らに救出された.
 アステカ帝国の大西洋岸一帯はマヤ語圏であったので,アギラールはコルテス一行の通訳となった.

 さて,アステカ帝国は多民族国家であり,従って多言語国家であった.
 首都テノチティトランあたりで使われる主要言語はナワトル語であった.
 ある都市で現地の有力者がコルテス一行に捧げた生贄の中に,マリンチェという少女がいた.
 マリンチェはその街の生まれではなく,ナワトル語圏の大貴族の娘だったのだが,ちょっとした家庭の事情から,実の母に裏切られて奴隷に売られ,マヤ語圏でしばらく奴隷の暮らしをしていた.
 そのため彼女は,マヤ語とナワトル語のバイリンガル話者であった.
 マリンチェはナワトル語でアステカの使者と交渉し,それをマヤ語でアギラールに伝え,アギラールはさらにこれをスペイン語にしてコルテスらに伝えた.
 他のスペイン人たちが現地語を習得するまでの期間,マリンチェはほぼ一人でアステカとの交渉を取り仕切ったという.

世界史板,2009/11/28(土)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 でも通訳のまずさが原因で,双方が望んでいなかった戦争を始めることに成ったってこともあったのでは?

 【回答】
 本当に戦争になった例は思いつかないけど,冷戦緩和期の米ソ交渉の席で,ソ連側の発言を通訳が,
「おまえらを土に埋めてやる」
と訳し,核戦争が勃発しかけたことがあるそうだ.
 ニュアンスを正しく拾って訳すと,発言の正しい意味は,
「共産主義はいずれ,資本主義の葬儀を主催することになるでしょう」

世界史板,2009/11/29(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 イランあたりのミニアチュール(細密画)の人物が,ごついアラブのオッサンじゃなくて,なよなよした柳腰の中国人風の容姿なのはなんで?

 【回答】
 もともと,アッバース朝が成立したあたりから,中央アジアの戦線で獲得されたテュルク系の少年奴隷を,小姓として登用する習慣がソグド地方やイラン高原であったようで,君主や大貴族の場合,イスラーム時代に入ってからもこれらの地域では,これを大規模に行って君主直属の親衛軍団を組織したりしていた.

 こういった奴隷出身のテュルク系の少年たちは,君主の側近として直接に近侍し,そこで太刀持ちをするとか食事や宴席の配膳など日常の雑用を任されて,君主の薫陶のもとに小姓個々人が,「君主に直接仕える」という一対一の強固な主従関係を築いて,成長するに従い政権を支えるエリートとして成長して行った.

 こういった小姓たちは身なりを整えて,君主とか主人に侍る訳だけど,宴席で酌も良くやっていたので,宮廷などで詠まれた(古典的な)アラビア語やペルシア語の詩では,「酌人(サーキー)」と言えば,普通はテュルク系の小姓たちを前提にしていた.

 彼らは詩などの文学作品では,色白で髭も薄く淡く頬に紅がさす容貌と,なよやかな物腰が特に絶賛されていて,彼らの丸く白い容貌は良く満月など天の月に例えられた.
 今日,日本や欧米では11世紀の天文学者ウマル・ハイヤームのルバーイー詩(四行詩)形式の詩集(ルバーイヤート)がペルシア語詩としては一番知られているけど,邦訳のものを読めば分かる通り,「酌人(サーキー)」と飲酒のモチーフはこれでもかというくらい頻出している.
 これはウマル・ハイヤームだけに限らず,一世紀後のロマンス文学の巨匠ニザーミー・ギャンジャヴィーとか,13世紀の神秘主義詩の大家ジャラールッディーン・ルーミーの作品を見ても同様に頻出する.

 それで,セルジューク朝時代にその萌芽はあったようだけど,中東で文学作品にイラストを施す習慣が定着したのは,やはりイルハン朝時代くらいからで,イルハン朝時代は元朝でもそうだったけど,古典文学作品やその写本の製作が隆盛した時代で,特に『シャー・ナーメ』や上記のニザーミーなどロマンス文学が大変好まれた.
 この時代からの,これらの作品の挿絵付き写本はかなりある.

 イルハン朝やティムール朝などで製作されたミニアテュールは,もちろん政権自体がテュルク・モンゴル系ということもあるし,中国絵画の影響が強いと図像学的にも指摘もされているが,それだけでなく,これらの文学作品では美人(美女だけなく美男子も)の形容として「テュルク(turk)」という単語が頻出していることも,多分関係している.

「イランあたりのミニアチュール(細密画)の人物が,なよなよした柳腰の中国人風の容姿」
なのは,少なくともアッバース朝時代あたりからイルハン朝やティムール朝時代までのこれらの地域における,こういった政治的・文学的な様々な歴史的背景を負ったものだと言えるかと思う.
(現在見られる挿絵付き写本の多くは,サファヴィー朝のものが多いが,サファヴィー朝でも古典文学の愛好や写本製作が甚だ熱心だった)

世界史板,2009/12/02(水)
青文字:加筆改修部分


保留

 【質問】
 17世紀前半,英蘭戦争勃発以前,イングランドとオランダは敵対していたのでしょうか?
 例えば,アンボイナ事件ではイギリス東インド会社はオランダに東南アジアから追い出されました.
 イングランドでは反オランダ感情が高まったようですが,オランダ船からイギリス船への,もしくはイギリス船からオランダ船への私掠行為は違法になりますか?

 【回答】
812 :世界@名無史さん :2009/12/11(金) 16:18:08 0
>>809
30年戦争では,イングランドとオランダは対ハプスブルクの関係で協調していた.
しかし30年戦争が終わってみると両国間では東インド会社の対立関係がクローズアップされてしまうのであった.
だから敵対とか協調とかどちらか片方に単純に決められるものでなく,敵対関係もあり協調関係もあるのです.
どちらが前面に押し出されるかは,国際情勢次第.

815 :世界@名無史さん :2009/12/11(金) 17:59:08 O
>>812
回答,ありがとうございます.

と,いうことは,イギリスとオランダは「腐っても同盟国」という扱いになるなでしょうか?
利害的には敵対してるけど,オランダ船に手を出したら海賊認定で絞首刑だよ,みたいな.

816 :世界@名無史さん :2009/12/11(金) 18:10:16 O
>>809ですが追記です.

よく,イギリス東インド会社は,東南アジアでオランダから「猛烈な抵抗を受けた」「追い出された」などの記述をよく見受けるので,
それはつまり「武力行使」って意味なのかな?と疑問に思ったのです.

もし武力行使だとしたら,それって海賊行為にあたらないのかな?と.

817 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 18:59:12 0
>>815
違うってば.腐っても同盟国なんてものはない.どんな2国間でも共通する利害もあれば
相反する利害があるのです.国際情勢によって同盟したり戦争したりするだけの話です.
どうして,同盟国とか色をつけたがるのかなあ.お互いにとって共通の敵と手を結んで対決するなら
同盟し,そうでなくお互いが敵になれば戦争する.オランダ船に手を出したらってのが個人犯罪なら,
個人犯罪として何でも認定して処罰しますよ,そりゃ.同盟国だろうがなんだろうが全然関係ない.
とはいえ,政治的判断で容認するということだってある.今,問題をこじらせたら拙いという判断が
伴うこともあるのです.東インド会社なんていっても実態は国家公認の暴力団だ.
国の眼の届かない海外では,暴力団同士のいざこざなんて無数にある.
暴力団同士で解決できないほど,問題がこじれたら国家が調停に乗り出す.
それでもこじれたら戦争になる.それが17世紀だ.
818 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 19:02:39 0
>>816
武力行使に決まってるだろ!お願いだから出てってくださいと頭下げるとでも?
海賊行為ってのは商船を襲撃し積荷を略奪したり,沿岸の村を襲って人をさらったり,
略奪したりすることだ.

だからいったいなんなんだよ!じれったいなあ.
819 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 19:16:32 0
前近代の常識として,商船と海賊船は裏表という事実がある
海運商が海賊になり,国に雇われれば海賊になる
そういう時代であり,これらの行為には明確な境界はない
820 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 19:16:48 0
あ,間違えた
国に雇われれば海軍になる
821 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 19:29:39 0
ついでにいっとくが武力行使がどうのこうのと議論しているのは日本のお花畑政治家だけだ.
19世紀は商船だろうが漁船だろうが皆武装していたのです.
さては武力行使したら戦争になると思っているんだな.
奴らだってそれほど馬鹿じゃない.そうならないように話し合いで妥協点を見つける努力もするのです.
822 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 20:10:01 O
>>817>>818
丁寧な回答を,わざわざありがとうございました.
私が無知なせいでイライラさせてしまったようで,申し訳ありません.

海賊モア船長シリーズを読みまして,
「同盟国に手を出してしまったら海賊として絞首刑確定」
みたいな文章があったので,気になっていたのです.

バカでごめんなさい.さっさと消えます.
ありがとうございました.
823 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 20:58:02 0
ドレークがオランダ船攻撃してエリザベス一世から勲章もらってなかったっけ
824 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 21:00:32 0
>>822
「同盟国に手を出してしまったら海賊として絞首刑確定」

それは敵対している国の船を襲う分には,王様もおおめに見てくれるが,
同盟国に手を出してしまえば,それは同盟をぶちこわそうとする国家反逆罪になるから
厳罰を受けるだろうってこと.王様が同盟を最優先に考えているなら見てみない振りは
できないわけです.同盟国から抗議されたら断固たる処置を加えないことには王様の顔が立ちません.

そういうのは端的にそのまま質問として投げかけて欲しい.
妙な解釈を付け加えられてひねった質問をされると何が疑問なのかこちらはさっぱり分からないし,
的確な回答もしにくいのだ.
825 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 21:10:43 0
>>823
ドレークがオランダ船?スペイン船じゃないの?オランダはまだスペインから独立していない.
826 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/12/11(金) 21:19:10 O
>>824
ならばどこからどこまでが同盟国ですか?
16世紀前半,イギリスとオランダは微妙だって聞きましたが,オランダ船は襲ったらアウト?
イギリスとフランスも歴史的には対立してるけど,フランス船も襲ったらアウト?
827 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 22:46:59 0
可不可はその時々で政府や王宮からの通達に従うことになってるから
一律どうこうは言えない
オランダ船とイギリス船が終始互いに襲いあってたわけではないし
フランスとも小康を保っているときにわざわざ海賊をけしかけて火種を作るなんてバカな真似はしない
それに,英蘭に比べればハエにも等しいフランス船なんか襲ってもしょうがないしな
828 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 22:52:22 0
ああそれと,海賊には2種類ある
交易船を好き勝手に襲うノーマルな海賊と,
交易上,政治上対立関係にある国を国家の指示で襲う,海軍的性質をもつ海賊だ
英蘭間でやりあっていた海賊は,ほとんどが後者に当たる

829 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/11(金) 23:56:52 0
コルセア(イスラム人)・バッカニア(ヨーロッパ人)の好き勝手な海賊.
パイレーツ,国家公認の海賊.
こんな感じだったかな?.
830 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/12(土) 00:21:08 0
>>826
ちょっと待って.海賊モア船長シリーズは所詮小説だし,16世紀前半はオランダなんて国もない.
時代設定がいつか分からないけど,同盟国なんてころころ変わるものだ.
登場人物の口から語らせただけで,具体的にどの国が同盟国かなんて作者も考えてないんじゃないかな.
あまりこだわっても仕方ないような.
831 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/12/12(土) 01:02:50 O
たくさんの回答,ありがとうございます.

うーん,その時々で細かく異なるのであれば,難しいのですね.
結局,アンボイナ事件から17世紀後半までの海賊事情はよくわかりませんね.
でもしかたないみたいですね…….

>>830
申し訳ありません,私のタイプミスです.
17世紀の間違いでした.

わざわざありがとうございました.
832 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/12(土) 09:50:42 0
あんまり詳しくないから何ともいえないけど,17世紀に活躍した海賊の足跡からたどってみたらどうだろう?
例えばキャプテン・キッドは英国に忠誠誓ってる間は対フランスの私掠船免状を貰ってるよね.
833 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/12/13(日) 19:02:29 0
キッドは最終的には他国の船も襲いまくって仲間割れやらなんやらで,
海賊になり下がりロンドンで処刑されてテムズ川で死体を晒されたな.
834 名前: 世界@名無史さん [sage] 投稿日: 2009/12/13(日) 19:06:05 0
>>833
ラ  ム  だ  !

俺 の ラ ム を 持 っ て 来 い !!
835 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/12/13(日) 19:48:35 0
西部劇に出てくる保安官というのは日本の時代劇でいうと奉行や代官ということになるのでしょうか?
836 名前: 世界@名無史さん 投稿日: 2009/12/13(日) 20:03:13 0
>>835
イメージ的にはヤクザの親分が十手捕り縄を預かって,二足の草鞋はいてる感じだな.

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