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青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「Ver.5」


■○創作関連質問&相談スレ 64○■

目次

 【質問】 レーザー兵器を歩兵の小銃に採用する,と仮定した場合,どのくらいの出力値を求められる事になるでしょうか?

 【質問】 要塞に都市を置くのは,上策とは言えないという話が,前あったと思うが,じゃあ,城下町の建設ってのは下策で,それを積極的にやった戦国時代の武将達は馬鹿揃いって事か?

 【追記】 近代以降要塞が廃れた理由

 【質問】 戦国時代に騎兵と歩兵が一緒に行動する場合,一日の行軍距離ってどの程度になるんでしょうか?

 【質問】 数km四方の市街地において,町の端から端まで無線機を使って連絡したいのですが,現在一般的に使われている無線機であれば,どの程度の大きさのものが必要でしょうか?

 【質問】 非常事態や臨戦態勢の要塞とか基地の描写で,よくサーチライトで空をぐるぐる照らしてるのがありますけど,あれはどういった意味があるのでしょうか?

 【質問】 味方の戦車や歩兵戦闘車ごと,自走砲やロケットでクラスター弾をばんばん撃って,そのまま戦車とかを突貫させるって,現実的にやりうることなのですか?

 【質問】 中世ヨーロッパなら,徴発隊というか普通の軍隊が村襲って皆殺し,てのが普通?

 【反論】 数十人から多くて百数十人の,大して金持ちでもない武装集団が,「戦後統治を考えて生かさず殺さず」とか,「出来る限りの対価を払う」とか考えるでしょうか.
 【反論】 自分のテリトリーならともかく,次に通る機会があるかもわからない他所の土地で,盗れるだけ盗るのを控える理由が思いつきませんが.

 【質問】 アサルトライフルの代わりに,WW2時代のマガジン式の軽機関銃を使うとしたら,メリット・デメリットはどのようなものがありますか?

 【質問】 突撃銃と軽機関銃,それぞれに相応しいのは,どんな状況なのですか?

 【追記】 最近の武器の基礎について学べる良い書籍などはありますか?

 【追記】 敵前逃亡者は,見せしめの意味もあってその場で射殺したり,余裕があれば一旦捕まえといて,後でそれなりの手続きを取ってから銃殺する事もある.

 【追記】 アメリカでは,原爆落としてやったお陰で死傷者抑えられたろ?っていうのが一般認識だから

 【質問】 神聖視或いは穢れた物として扱われている動物を利用して,敵の戦意を挫き,勝利するというのは現実的でしょうか?

 【追記】 小銃で履帯破壊は可能?

 【質問】 非殺傷弾頭を使用した限定戦争は可能?

 【質問】 もしも日露戦争前に,脚気

 【質問】 第2次大戦のUボートの話なんかで,輸送船を攻撃した時に,輸送船側が救難信号を出しちゃうと,位置がばれちゃうとか,作戦の前は敵に傍受されないように無線封鎖するとか言うけど,どういうプロセスで敵側は無線やら通信を傍受するの?

 【質問】 10〜15mの巨人相手に痛打を与えるとなると,どのくらいの口径の銃砲が必要だと思いますか?

 【質問】 兵器って,民生品並みに大量生産したら,理屈の上ではどれぐらい安く造れますか?

 【質問】 兵器の開発者が,自分が開発した兵器を操縦することって,現実的にはありえるでしょうか?

 【追記】 第1次世界大戦時に日本軍欧州派兵は可能?


 【質問】
 科学系板で質問すべきかもしれませんが,お願いします.
 レーザー兵器を歩兵の小銃に採用する,と仮定して,現行のアサルトライフル程度の破壊力と,同程度の有効射程で運用することを仕様とする場合に,また照射時間も実用に耐えうる程度,銃弾の標的到達速度と同じくらいとした場合に,レーザー兵器はどのくらいの出力値を求められる事になるでしょうか?
(普通の銃弾使ったほうが,よっぽどエネルギー効率はいい結果になるだろう事は,予想できますが…)

 これによって,創作で登場させるレーザー兵器を,アサルトライフルの代替として更新に成功したか,あるいは失敗したかを決める,参考意見にさせて貰いたいと思います.

 【回答】
>・極端に軍事常識から外れたSF兵器,魔法兵器,人型兵器などはそれぞれの該当板へ.

 上の条件に該当しそうなので,本気でレーザーライフル使うなら,該当掲示板に行くことをお勧めする.

 レーザー兵器のスペックなどは分からないので,レーザー加工機を参考にしてはいかがでしょうか.
戦術高エネルギーレーザー - Wikipedia
光線銃 - Wikipedia
Sony Japan | 産業用超高出力レーザ
高出力半導体レーザー加工機 L1
広島県/生産技術アカデミー/加工部門設備/大出力YAGレーザ加工機
小型レーザー加工機のQuick-laser.com|レーザーの能力

 参考になるけど,価格が高い書籍:
高出力レーザ加工 書籍-
http://www.gijutu.co.jp/doc/b_1242.htm

 ただし,レーザー加工機が参考になるかわからない点は,対象までの距離が非常に短い部分だな.
 小銃の代用とするからには,目標までの距離は数cm〜数十cmしかないということはありえないので,大気中でのチリや大気そのものによる屈折,減衰を考慮しないといかん.
 レーザー加工機だと,対象となる部材までは,小銃が必要とする距離ほども無いから,大気中の減衰を考慮しなくてもいいけれど.

 あと,そういう事をここで聞くなら,時代設定くらいはちゃんとしてくれ.
 少なくとも現在の技術では,それを歩兵でやろうとすると,歩兵は常時大きなバッテリーを,背中や身体に身につけるか,ライフル本体にバッテリーを装着し,数発撃ったらその都度バッテリーを交換するとかでも無いと,無理だぞ.
 銃本体も多分かなりの大きさ,それも軽機関銃並にまで小型化出来れば,御の字だと思えるレベルになるだろう.
 100年後とかの技術ならわからんけど,そうなったらもうSFの世界だな.

軍事板,2011/04/04(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 要塞に都市を置くのは,上策とは言えないという話が,前あったと思うが,じゃあ,城下町の建設ってのは下策で,それを積極的にやった戦国時代の武将達は馬鹿揃いって事か?
 城下町という物に関しての評価を知りたい.

 【回答】
 まず,ヨーロッパや中国では,都市は城壁に囲まれているのが当たり前だったということ.
 戦は基本城壁の外で行われ,内部が戦場になるのは末期的な状態です.
 君主の拠点は,都市の中か都市の外にあって,前者なら要塞としての機能などさして重要ではなく,後者なら 都市の中枢としての機能を持ちません.
 詰まるところ,難攻不落の要塞の「周り」に,都市を作るなんてことは考えられなかったわけです.

 日本の場合,都市の発達が大幅に遅れたため,君主の軍事拠点にして政治拠点である,城の周りに人が集まり,都市が建設されていくことになったわけです.
 このため戦の際も,前線は基本的に街の外縁ではなく,城の外縁や内部ということになります.

 要するに,ヨーロッパや中国では,城もしくは要塞というのは都市とは別に設けられた軍事拠点で,都市のほうが要塞に合わせてあげる理由などありません.
 日本の場合,(少なくとも城下町の場合)要塞である城の経済的な追加オプションであるため,城の周囲に(戦場となることを前提として)発達したわけです.

軍事板,2011/04/04(月)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

212011/04/04(月) 18:21:55.77 ID:???
>>19
前線が固定できるほどの野戦軍が無いのなら,なおさら要塞・城・砦を作れる産業基盤も
それをささえる人工基盤もない事になるぞ?

少なくとも実際の戦争の形態ぐらいしらべてから「合理的」とかほざけ
お前が言っても何の説得力もない
「僕の考えた最強のいいアイディア」とか言われて当たり前だ


要塞ってのは攻略し難い事が長所なのであり,
しかし相手が要塞を攻略する事を考えずスルーして経済拠点となる地域に侵攻し,制圧しちゃったら無意味
だからこそ要塞は地理的あるいは地形的に,スルーができない,攻略しないと先に進めなかったり,
攻略しないまでも一定戦力で要塞を包囲し要塞内部の兵力が打って出て来れないよう
戦力を割き釘付けにさせるような目的を果たせるための配置が必要

でも逆に言えば,敵の侵攻を足止めし,あるいは釘付けにさせることができるなら
それは別に要塞でなくてもいい
機動性をある程度有した,野戦兵力でも構わないのだし
縦深を持った塹壕陣地でもいい

これが,近代以降要塞が廃れた理由のひとつなんだ
そして,大要塞が作れるだけの産業や社会の発達を迎えているなら,すでに要塞を必要としない時代に到達してるんだよ

んで,同様に中世や近世での野戦ってのは「侵攻したいけど敵戦力があるのでこれをスルーできない」から
発生するものだし,だからこそ拠点をでて迎撃し,野戦を挑む
また,経済拠点を破壊されたくないから,野外に出る
あるいは経済拠点が防備に向かず,城や砦を構築するのに的確でないから,より防御に向いた野戦地形で防備をかまえる

要塞と言うのは,拠点機能を持った城・砦がさらに自前での防御能力を増強させたものでしか無いし
その防御能力は要塞自身を守るための物でしか無い
要塞の力を活かしたかったら,敵を経済拠点に近づけないために要塞を配置しなきゃ意味無いんだ
わかってるのか?

222011/04/04(月) 18:26:05.01 ID:???
>>17
「都市防衛用の兵力」は都市の中に置かれますし,逃亡以外の理由で城壁の外に逃げ出す市民もあまりいません.
ていうか数千数万の市民を収容できる要塞なんて「都市そのもの」以外ほぼあり得ませんし,必要だと考える人間もまずいません.
ま要するに,>>16に加えて「都市そのものも独自の要塞として機能する」わけで,都市のそばに大要塞を造るのも,都市の中に造るのも
ナンセンスなわけです.
付け加えるなら,都市には都市としての機能を維持する必要があるわけで,それを無視して戦闘力だけを追求できませんし,
都市機能を守りつつ難攻不落にするためには莫大なコストがかかります.


232011/04/04(月) 18:34:12.16 ID:???
孫子にも書いてある
「敵の居ないところを優先して叩け」
敵の野戦兵力が遊撃的に移動してるならその動向を掴んで,居ない場所を進軍する
敵が城塞に兵力を集中させてるなら,その集中のために抽出されて兵力が少なくなった他の城塞を攻撃する
そしてそれは,敵が同様の事をしてきたときの対策でもある
敵はこっちの兵力が集中されてない場所,防備が足らないところを攻撃して来るんだから
それを防ぎたかったら,「どうしても敵は,兵力の集中した防衛拠点となる場所を攻略しないと先に進めない」
という状況を作り出さなきゃならない

そのために,防御に向いた地形を要塞化するわけで,後からその地域に補給や経済能力のために
周辺に都市が建築される事はあっても,経済機能にむいた地域を要塞化するのは順番が逆だ
経済機能に向いた地理的要素や地形ってのは,防衛にも適しているとは限らない
また,防衛拠点と経済拠点が同一の場所だったら,攻略されたらどっちも失うわけで一緒にするメリットがない


要塞・防衛拠点を都市より離れた所に置いて,敵の侵攻を食い止めるのは当たり前の話
さらにいうなら要塞の前に要塞を置き,その要塞の前にも要塞を…と,防備のための要塞は
何段重ねにも配置してこそ意味がある
敵との国境から都市に至るまでの「絶対通らなきゃならない」街道全部に要塞をいくつも配置できればなおいい
そしてそれがあれば,都市は別に要塞機能は持たなくても構わなかったりする
都市と要塞合体させた大要塞つくれば最強じゃね?ってのは無駄が多く,浅知恵もいいところだよ

272011/04/04(月) 18:58:25.55 ID:???
>>25
>だから,さっきから都市と要塞を離すという話をしてるだろうが
まず,お前が「要塞」が何のためにあるのかわかってないからだろ


>城郭都市の存在を何だと思ってるんだ
中世の城郭都市というのは,城壁・市壁に寄ってその上に登ったり
壁内部の銃眼から矢や銃弾を打ち込むことによって敵の攻勢に耐えうるための物であり,
なおかつさらに二重三重に城壁を内外に配置したり,あるいは地形的に複数の城壁面から
十字砲火を浴びせられるようにするなどして,敵の寄せてを食い止めるためのもので
「要塞」とは全然質が違う

こういった城壁は大砲の登場で,直射によって壁そのものを破壊する攻撃で無力化された
壁も,大砲に耐えるような構造設計ではなかったしな

以後の時代は大砲に耐えるような設計をされた壁が登場するが,壁は分厚くなり
都市の市壁とするには不都合も存在し始めた
よって,一番外周の壁のみ城塞化したものが作られることになる

が,そのうち「それならいっそ,この壁だけ独立した砦にして都市から話して建築したほうがいいんじゃね?」
ってことになり,これが後の「要塞」というものが作られていく基礎になる
ここまでわかるか?

302011/04/04(月) 19:08:25.63 ID:???
>>27続き

で,この要塞によって大砲の直射には耐えられるようになったが,
曲射砲の存在によってまた振り出しに戻る
放物線を描いて上から落ちてくる砲弾そして破片を撒き散らす榴弾によって
城壁構造物や,城壁の内側にある建造物や兵員が殺傷されてしまうのだ
函館戦争でも五稜郭が政府軍の艦砲射撃で攻撃されまくったが,それと同じ

これに対抗するためには上から来る大砲への防備,地下に主要な機能を移し
厚い屋根を備えたトーチカ建造物を作るなどし,さらに面積を広くし縦深を長くし
要塞の全敷地を大砲の射程では捉えきれないようにし,一部が被害を受けても全部にボカスカうちまくられて
あっというまに破壊されるのを防ぐ,耐久能力を向上させる必要があった

なお,日本の戦国時代の平城は,曲射砲は日本で余り使われる事はなかったものの
直射砲での流れ玉や鉄砲に耐えるために同様の構造思想をもっている


でも,結局は大砲の性能が向上していく内に要塞はその構造で大砲に耐えうるのに限界が生じ
結局要塞の時代は終わった
五稜郭が西洋の築城設計技術を習得するためとはいえ,あの規模で終わってしまったのは
既に要塞が意義を失った時代になってしまったからなんだ
ただし,要塞の砲撃に対する防備の構造は現在でもトーチカ陣地などに活かされている


これが,「要塞」の歴史と存在意義だ
再度になるが,ここまではわかるな?

322011/04/04(月) 19:19:14.93 ID:???
>>30続き
だが,「敵の接近を食い止め,通せんぼするための要塞」ってのは,
大砲の発達以前からとっくに存在している

城や砦がそうだからだ


地形的にどうしてもそこを通らないと,侵攻できない
それゆえに防御拠点として成立する
また,地形をたくみに利用し,責め難い地形を築城によって補強しさらに攻めにくくする

そして何よりも,「経済拠点から遠い」のが最大の防備である
拠点から遠いと兵站補給が危うくなるが,砦は補給物資の集積所としてもある程度機能する
なにより,敵が領地内に侵攻してから出撃するより,敵との国境に近い所に
兵力を駐屯させておき,対応できる方が早く,的確に迎撃が可能となる

城・砦というのはもともと都市と合体させてる意味は無いんだよ
都市と合体してるのは,それは都市の自前の防備能力を増強させたに過ぎず,
都市そのものを要塞化させて充分としたような国家しゃ社会は歴史上,どこにもない
必ず都市から離れた所に砦や城,要塞化した防衛陣地を置く

前スレ>>939で書いたような「最強のお城を考えた」ってのも,そもそも都市の城壁を強化した城郭都市とは
構造的にも思想的にも相容れないし両立し得ない
堅固ではあるが,都市外部とのアクセスが不便すぎる
防衛機能に特化した「要塞」と「都市」は両立し得ないんだよ
城郭都市はあくまで要塞の出現以前の古い構造なんだから,アップデートされた「要塞」と合致する訳ないだろう

422011/04/04(月) 20:26:08.55 ID:???
>>35
>普通にkm単位だよ.まあ,20kmくらいは離すだろうな
それは中途半端すぎて都市の周囲に要塞を置く意味がありません

まず,要塞と都市を同時攻撃するのはさほど難しくないのですから


要塞など,城・砦を攻略するには通常,城に篭る兵力の3倍から5倍が必要といわれていますが,
「包囲して要塞から出られなくする」だけなら別にそこまでの兵力は必要ではないのです
なぜなら,要塞側も要塞の外に打って出るには,敵に攻め込まれないように通行しにくくした
道や城門を通らなくてはならず,スムーズに戦力を外に展開させる事が出来ないので,
容易に包囲側に逆に殲滅されてしまいます

これが,要塞が孤立すると弱い理由のひとつです
そうして最小の兵力で要塞を包囲無力化しておけば,本体兵力は都市の攻略に全力を注げます
これを防ぐためには,他の防衛拠点である要塞との連携が不可欠になりますが,
その別の要塞も,近すぎると意味がありません
同時期に同様に最小兵力で包囲され,外に出ることも叶わず無力化されるからです

そのためには同時に手を出せない一定の戦術的距離をとることが必要であり,
似たようなことをキ角の計と言います
そして,それには縦深(充分な距離的な厚み)が必要であり,最前線の要塞は距離からもっと遠くし,
さらに中間にもう一つか二つの防衛拠点たる要塞・砦を配置できるだけの距離の余裕が必要となります

442011/04/04(月) 20:27:29.21 ID:???
>>38
要塞というのは防衛拠点であり,出撃拠点でもありますが,生産拠点や流通拠点ではありません.
つまり,強力な要塞であることは,大軍を養えることを意味するわけではないのです.ですから要塞には通常,最低限の守備隊と物資しか起きません.
大軍が「逃げこむ」可能性のある場所にのみ物資を貯めこむようにします.
こういう不幸な事態以外で大軍を養う場合,方法は二つ.周辺を略奪しながら放浪するか,生産拠点にして流通拠点である都合のいい場所に居座ることです.
ということで,中国や中近世ヨーロッパ,さらには戦国期後半の日本でも,平時の軍隊は都市に駐屯します.わざわざ都市から数十kmも離れた場所に常駐するなど,
輸送力の無駄遣いでしかないからです.

542011/04/04(月) 20:57:35.76 ID:???
>>52に補足して

野戦展開で敵を補足し拘束でき,なおかつ要塞を包囲されても陥落せず,
味方の増援によって最終的に敵を作戦断念・撤退に追い込むと言う構えが可能であれば
それに越した事はないでしょう

ただしそれは,「要塞」が後方にある上で,野戦部隊が要塞より前の距離・地点で
敵を迎え撃つ事が出来る場合の,二段三段構えでこそ生きる話です
さらに要塞の後ろにも予備の要塞があるともっと強力な防備になります
野戦部隊の後にも後備の野戦部隊が予備兵力として控えているとなおいいでしょう

こうした縦深を厚くしていくと,結果的に前線の野戦部隊や要塞と後方の都市拠点は離れていきます
それによる兵站線が伸びるリスクは伴ないますが,途中に砦・要塞があることで
補給路の安全と一時集積地が確保されリスクを減らす事も出来ます

そして,前線となる方向に対して防備を固める事ができるなら,都市そのものの防備は最小限以上には
増大させる意味が無くなっていきます
これが,中世〜近世の戦争から近代の戦争に移り変わっていく(突き詰め,進歩していく)時のプロセスの一例です

軍事板,2011/04/04(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 中世,戦国時代の日本を舞台として,騎兵と歩兵が一緒に行動する場合,一日の行軍距離ってどの程度になるんでしょうか?
 目的地に着くまで戦闘は行われず,山間部を進んでいるとします.

 【回答】
 孫子には「15kmが妥当,無理すれば25km.50kmは無謀」とあるな.
http://www.kokin.rr-livelife.net/classic/classic_oriental/classic_oriental_451.html

 中国の1里は,時代によって結構違うので注意.
 孫子の書かれたとされる春秋時代なら,1里=400mちょい.
 注釈いれた魏武(曹操)の時代でも,420mいかないくらい.

 旧軍の基準である24kmも参考になる.
 40kmなら小休止どころか,睡眠時間を削る必要が出てくるだろう.
 ・・・・・秀吉はやったけどね.

 行軍の際の歩兵の装備は,一般論としては体重の1/3が望ましいとされる.
 が,マリウスのロバ以来,兵隊は家財道具を背負って行軍するものと決まっていて,実際には「限度一杯の40kg」という話になる事が多い.

 ただ,奇襲を受ける可能性等を考えると30kgが,徒歩で行軍する歩兵の限界との話だった.
 奇襲を受けた場合,応戦しないといけないが,身動きが取れないと一方的に殺戮される.
 安全が確保された状況で行軍するのと,いわゆる前線で行軍するのとでは,状況が違うと思う.

 そういえば,行軍する際の隊列はかなり長くなりそうだけど,本当のところ,どうなのだろう.
 戦国時代,1万の軍勢が行軍すると,隊列の長さは8kmに達した
 従って,関ヶ原の合戦において,東軍78,000は,実は行軍途上にあり,合戦終結時には,まだ全軍が関ヶ原に勢ぞろいしていなかった――という説を同人誌で読んだのだが.
 しかし,豊臣秀吉が柴田勝家を打ち破る際,2万近い軍勢の全軍を,5時間で40km走破させている先例がある.
 徳川家康なら,小牧,長久手の戦いからみても,それを上回る能力を発揮し,8kmの距離を東軍に走破させている,と思うのだが,本当のところ,どうなのだろう.

 【反論】
 まともな歴史研究家なら,関が原決戦までのタイムスケジュールをちゃんと調べて書いてますので,そんな説は唱えません.
 ちゃんと記録残ってるし,真田の足止め食らった秀忠以外は,ちゃんと決戦当日までに到着して,布陣完了してます.
(というか,決戦が行われた15日の前の14日には,主要な連中はほぼ布陣完了してるし)

軍事板,2011/04/05(火)〜04/06(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 数km四方の市街地において,町の端から端まで無線機を使って連絡したいのですが,現在一般的に使われている無線機(軍民問わず)であれば,どの程度の大きさのものが必要でしょうか?
 トランシーバー・サイズでも大丈夫ですか?
 また,この市街地にはやや数階建てぐらいの,鉄筋コンクリのビルがたくさんあるのですが,無線機を使用する場合は,屋上か屋外に出ないといけませんか?

 【回答】
 ハンディの小型で十分ですね.
 URIとか,米軍で使っている小隊間(?)通信のインカム付き個人装備でも届くと思いますよ.
 5wの出力でだいたい数km届きますよ.
FMハンディ機

 地下や金庫の中でない限り,市内は大丈夫だと思います.
 見通しがあると,東京湾や大阪湾を挟んでも届きます.
 運送会社やタクシーで使っている業務無線だと,隣の市街地まででも届きますよ.
 もちろん,できれば周囲がひらけた高台のほうがいいのは当然ですが

 ただし,あんまり使われない帯域選ばないと,混線して連絡どころじゃなくなります.

軍事板,2011/04/07(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 非常事態や臨戦態勢の要塞とか基地の描写で,よくサーチライトで空をぐるぐる照らしてるのがありますけど,あれはどういった意味があるのでしょうか?

 【回答】
 飛行機を探すため(機影の確認)のほか,敵夜間パイロットの目を眩ましたり,サーチライトで補足されたパイロットに退避行動を強制したりして,爆撃の精度を落としたりする効果を狙っている.
 後は国民に,「軍は敵をきちんと攻撃しているぞ」とアピールする心理的効果もある.

 例外的な使い方としては,強烈な明かりでパイロットの目を眩ませる効果を利用して,敵夜間戦闘機を拿捕したりした例もあるねぇ.
 WW2のドイツ軍夜間戦闘機エースのW. ヨーネンは,誤ってスイスに領空侵犯した際,スイス軍による巧みなサーチライト照射で,操縦不能に追い込まれ,スイスに強制着陸・拿捕されている.

 まぁ,実際のサーチライトは聴音機やレーダーと連動するため,アニメとかであるように無秩序に動かすことは少ない.
 きちんと各個が連動して動く.
 アニメの動きはあくまで演出.
 アニメは,製作者がよほど軍事に詳しいというかオタクでも無い限り,描写はてけとーな事が多いので,真に受けたらあかんよ.

軍事板,2011/04/07(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 味方の戦車や歩兵戦闘車ごと,自走砲やロケットでクラスター弾をばんばん撃って,そのまま戦車とかを突貫させるって,現実的にやりうることなのですか?
 小説では奥の手の戦術みたいに使われて,修理代が掛り過ぎるから,あんまりやりたくはないとか書かれてたのですが.

 【回答】
 結果的にそうなってしまった事例はいくつかあるけど,意図的にやることは先ずないと思う.
 防御力の高い機甲部隊であっても,突撃する味方の真正面には砲撃しない.
 進撃路となるこの空間のことを,コリドーと呼ぶ.
――と,小林源文の本に書いてあったよ.

 ”移動弾幕射撃”と言って,作戦計画に基づき,攻撃部隊の移動に合わせてその前縁間近に射撃することはあるけど,自軍の火線の中を攻撃部隊に突っ込ませるなんて,訳の分からんことはしないよ.
 そんなことしたら,あっという間に部隊が消耗して,攻撃がとん挫するのは目に見えている.

 防御戦闘時で,自軍が掩体壕に籠って戦闘している時なら,陣地に侵入してきた敵を撃退するために,緊急避難として自陣地上に砲撃させたと言う例はあるけど,基本暴露している攻撃部隊にそれやったら,自殺以外の何物でもない.

 巻き込まれた連中は,再編が必要(下手すれば再編も困難)なぐらい痛めつけられるから,修理代どころの話じゃないというか,修理ができない.
 基本的に装甲車輌って,とても重い物を無理矢理走らせてるんで,ちょっとした損傷でも動けなくなったり,戦闘力を失う事は多い.
 エンジンの空気取入口,キャタピラやタイヤ,カメラなどの観測機器etc….
 敵の攻撃でそうなるのはやむを得ないけど,敵陣へ突撃中の自軍車輌を,わざわざ味方の攻撃で壊すような真似は愚かな行為.
 そんな事する位なら,その弾で敵陣を攻撃する方が全然まし.

 人的資源も減る.

 創作の上でなら考えられるのは,
・装甲車両が全面,子弾で被害を受けないぐらい丈夫
・クラスター弾の子弾が非常に小型で,装甲車両は被害を受けない
・中身が停電爆弾のような非致死性兵器
・通信技術や誘導技術が飛躍的に高く,自軍には命中しないようにコントロールできる
ぐらいじゃないか.

 ただし,がっつり被せることはないけど,多少散布界にかかるくらいは,あり得る.
 装甲車両どころか,生身の歩兵でも.

 ってか,そのくらい(歩兵が突貫して到達できるくらいの距離まで)緊迫させないと,突撃支援射撃の意味ないし,その距離で敵陣を黙らせられるくらいの砲迫かぶせりゃ,ある程度はにじり寄ってる味方の上にも落ちる.

軍事板,2011/04/08(金)〜04/10(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 中世ヨーロッパなら,徴発隊というか普通の軍隊が村襲って皆殺し,てのが普通

 【回答】
 徴発・略奪って敵国の領内ではともかく,味方領内ではそんなに人を殺さないし,皆殺しや虐殺なんてもってのほか.
 農奴制は土地とセットになった労働源という考え方をされていたので,「生かさず殺さず」でおくのがベスト.
 自国か,敵国でも戦後に維持予定なら,生かさず殺さず程度には残すか,代金をくれたりするもんだよ.
 無論,空手形に終わることもあるが.

 何故かと言うと,殺しちゃったら来年以降,略奪する相手が居なくなってしまう.
 目的は物資とか金,ついでに女とかの奴隷であって,命を奪う事じゃあないので.

 だいたい,食い物たって小麦刈るだけじゃどうしようもないんで,地元住人に粉ひかせたりパン焼かせたりする もんだぜ.
 殺しちゃ,そんなことさせられんだろ.

 大体,この時代の農業というのは,現代ほど効率が良いわけでも無いし,人手がかかる上に土作りなどのノウハウも必要なので,代替が利きにくい.
 流民捕まえてきて,いきなり使い物になるのかというと・・・・.

 あと,中世欧州では不衛生な環境に置かれていたことから,ペストが大流行して,伝染病だけで人口ががっつり減っていた時代でもある.

 まー,ローマ帝国時代のインフラの多くが無くなって,高度な土木技術の多くも消失してしまっていた時代だしね.
 ローマ時代に作られた橋なんかを見て,
「こんなすげー橋,人間に作れるもんじゃねぇべ」
「きっと悪魔に作らせたにちげぇねぇ」
なんて,素で言い合いをするような文明レベルだ.

軍事板,2011/04/12(火)
青文字:加筆改修部分



 【反論】
 まあ問題は,中世ヨーロッパにおいて,「敵国でも戦後に維持予定」ってのがどの程度あったかですが.
 中世ヨーロッパの戦争ってのは,軍の基本単位が,騎士とその手勢,もしくは傭兵団なわけで,「それぞれの集団がおおよそ独自の判断で,可能かつ必要と認めた」やり方で,占領なり略奪なりするわけです.
 さて,数十人から多くて百数十人の,大して金持ちでもない武装集団が,「戦後統治を考えて生かさず殺さず」とか,「出来る限りの対価を払う」とか考えるでしょうか?
 こういったことからしても,黒犬騎士団的なやり方が一般的だったろうかと思われます.

 【再反論】
 「思われます」じゃなく,ちゃんと史料読みなさい.

 まず,傭兵って言っても他国人じゃなく,自国人も普通.

 例えば100年戦争では,北フランスがイギリスについて,南フランスがフランス王朝に付いてるというか,そもそも英王が,
「親戚のうちにもフランスの王位継承権ある!」
というのから発生.
 そんなわけでフランス人同士が傭兵として,イギリス側に付いたりフランス側についたりしている.
 北フランス出身でフランス側に傭兵として参加とか,南フランス出身でイギリス側に参加とか,割と普通.

 また,外国人傭兵もヨーロッパのほかの地域,特にイタリア半島地域からよく来ていたが,彼らは傭兵としての給料を領主から貰うだけで,全ての生活を賄ってる訳じゃない.
 戦争やらない期間(特に冬,また休戦中で「今年は戦争やらない」な時など)は,「山賊」として生計を立てている.
 外国人傭兵は戦争の無い時期は解散して,故郷に帰るのはごく一部.
 帰っても食っていけないから傭兵になるわけで,じゃあ戦争が無い期間は何をするかというと,これが山賊.

 あるいは何処かの領主だが,戦争になると部下引き連れて,出かけていって傭兵参加ってのもいる.

 そんな彼らが,「戦争してる場所である目的地までの旅費」や,「給金払われるまでの生活のための蓄え」を,どこから調達すると思う?
 それが,村や町を襲う略奪なんだよ.
 村を完全破壊して住民皆殺しにしたら,翌年以降,そこを通って戦争に参加するための資金調達が出来なくなる.
 山賊にしても,自分の活動地域の,収奪する相手を皆殺しにしてどうすんだ.
 皆殺しなんて,山菜を取りすぎて翌年以降,生えて来なくなるというようなことをやらかすのと同じくらい,アホのする事.
 傭兵ってのは商売で生活の手段なんだから,自分で自分の首を絞めるようなことはしない.
 少し考えれば分かるだろう.

 あんたの中の傭兵ってのは,モヒカンにパンク・ファッションの,世紀末のヒャッハー集団なのか?

 ただし,中国の歴史に置いては少し事情が違う.
 人口が多すぎるし,戦乱のたびに流民が発生して,他の地域に移住したりするんで,多少,村が滅んでもあまり気にされないってのが,支配者レベルにまで定着した認識になっている.

 そんなわけで戦争になったら,傭兵どころか正規軍が村を脅して,徴発どころか殺して略奪など,当たり前というか,それが前提.
 補給は現地調達が基本というのは,孫子にも書いてる常識だし,そもそも飢えた流民が,侵入した地域の元住民を虐殺して食い物を奪い,そのまま土地に住み着くとか,あるいは食い尽くしたので食糧求めて,他の地域に移動を繰り返すとかが,戦乱期には割りと当たり前に見られるというふうに,地域によって多少略奪行為の事情や形は異なる.

 ただまあ,そういう略奪集団化(数十とかじゃなく,多いときは数万〜数十万単位になるけどね)した連中が流入して領地を荒らすのは,侵入される領主側にとっては,無視できない深刻な問題になるけどね.

 まとめると,
来年もまた同じ村を通過して,路銀を強請るから,「金づる」として残しておく → 西洋中世〜近世期

どうせ人間一杯居るし,減ったら減ったで,滅んだ村に難民を住ませて開墾させるから問題なし → 中国古代〜近世期

 喩えるなら,
前者がカツアゲするDQNやヤクザ,
後者が社畜を使い捨てするブラック企業だな.

軍事板,2011/04/12(火)〜04/13(水)
青文字:加筆改修部分



 【反論】
 それはあくまで,「来年もまた通る」場合限定の話ですね.
 自分のテリトリーならともかく,次に通る機会があるかもわからない他所の土地で,獲れるだけ獲るのを控える理由が思いつきませんが.

 【再反論】
 お前の考えている戦法で行くと,街道沿いに行くことはありえない,とか思っているなら間違いだ.
 交通網が発達してない時代なら,補給が楽にできる村落沿いに進撃路を設定するんだから,また通るに決まってんだろ.
 中世期の戦争は,交通網がかなり限定されているので,主要な街道以外は歩けない.
 街道以外は,全く開拓されてない未開地や,整備されてないので雨が降れば通行不可能になる,獣道以下の「原野」状態だ.
 そんな所を進撃路にできるわけがない.
 荒野の一歩手前のような場所で軍隊が,それも補給も無しで行軍などできない.

 第一,中世欧州の戦争は農閑期にやってんだから,短期決戦なんてそうそう出来ねぇよ.
 現代の感覚からしたら,何年もダラダラやっている戦争もザラだ.

 大体,住民を虐殺してしまったら,次から補給が上手くいかなくなるぞ.
 特に水の確保が厳しい.
 中世欧州では,ローマ時代のインフラの崩壊で,水資源の確保が難しいうえ,あっちは硬水なので,泉や池などがあっても,すぐには飲めない.
 どんなに綺麗に見えても煮沸しなければならない.
 他方,行軍などの激しい運動をした日には,最低でも一人当たり5〜13リットルもの水が必要になってくる.
 井戸を確保できても,手持ちの容器などで持ち運べる量は限りがあるし,機動性が低下するので,出来れば村落沿いにちまちまと水を補給していく方が,効率が良い.

 農奴は土地とセットになった,「領主」の財産の一部なので,その領主に雇われた「傭兵」が,領主の財産である農奴を,無断でぶち殺したらどうなるかは,お前でもわかるよな?
 現代で言えば「業務上横領」になるんだぞ.

 どうしても自分の創作の都合により,史実を捻じ曲げたいというのなら,おファンタジアなハナシにしちゃえばいいよ.
 ライトノベルお得意の,「似非中世世界」にでもするがいい.

 「おファンタジアな」世界なら頭使わなくて済むぞ(笑)
 荒野を軍隊が無双行軍しても,誰も突っ込まない(笑)

軍事板,2011/04/12(火)〜04/13(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 現在一般的なアサルトライフル(AK-47とします)の代わりに,WW2時代のマガジン式の軽機関銃(例えばブレン軽機関銃など)を使うとしたら,メリット・デメリットはどのようなものがありますか?
 「連射時の命中精度が良い」とか「弾の威力が高い」とか,あるいはデメリットとして,「設計された時代が古いので動作不良しやすい」などということはあるでしょうか?
 ブレン機関銃以外には九六式軽機関銃,チェコ機関銃やBARなどを考えていますが,それ以外にも,
「例えばこの銃なら,この点でこういうメリットが考えられるかもしれない」
というものがありましたら教えてください.

 今の時点で思いついたもの,
・古い弾薬のストックが使える
・二脚が使える(しかしAK-47よりも撃ちやすいかは分からない?)
・見た目がかっこいい
・デメリット:重い
・古いから調子が悪いかもしれない

 【回答】
メリット
・バイポッドの使用や重厚な機関部からもたらされる高い精度
・銃身が厚く通常のライフルより連続射撃に耐えうる
・本体重量があり反動が少ない

デメリット
・重量があり,通常のライフルのように立射するには,恵まれた体格と体力が必要
・腰だめで射撃する場合の精度は,全く期待できない
・BRENや99式,ZB26等は上部に弾倉があり,バランス的な問題で立射は困難だろうし,サイトもオフセットされているため,精度もアレになりそう
 もちろん腕力だけで,伏射のように安定させられる人間なら大丈夫だろうが,そんな人間がいるのかどうか
(ただし,九六とか九九式軽機には腰だめ撃ちとか,一人で撃つ方法もあった気がするが…)
・BAR以外のマガジンの換装なんかは,いったん銃を降ろさないと無理だろうという点
 BARにしても,慣れないと無理だろうけど.

 結論:BARでも使っとけ.

http://ja.wikipedia.org/wiki/アサルトライフル
には,確かに

――――――
アサルトライフル(Assault rifle)とは,単発射撃と連発射撃の切り替え(セレクティブ・ファイア)が可能で,短機関銃と従来の小銃の中間の威力の弾薬を着脱式弾倉から給弾する小型,軽量な歩兵用自動小銃を指す総称である.
――――――

ってあるね.
 でも,これだって常時連射するより,単発射撃か三点射撃したほうが狙いやすい.

 九六式軽機関銃とか日本軍の軽/重機関銃の実際の運用方法と,チェコ機関銃やBARなんかは全く違う物だし,上記のアサルトライフルの代用となるような物でもない.
 日本軍での軽/重機関銃の運用だって,陸軍の歩兵操典にあるけど,アサルトライフルのような運用はしてない.
陸軍歩兵操典 昭和15年改定

 腰だめだって,体格と体力がなければ出来ないし,ましてや立射は10kg近い物体を,目線まで上げて,ライフル弾の反動を抑えこまないといけない.
 自動小銃として作られたBARは,立射でのバランスとかも考えられているから可能だけど,それだって余程体格が良くないと出来ない.
 召集された兵士が増えたWW2中期以降は,バイポッドがつけられたし.

 ちなみにゲームの「バトルフィールド1942」では,ドイツ軍の突撃兵はStG44だが相当する物の無いアメリカ軍はBAR,日本軍は九九式軽機使ってた.
 強力な弾丸を連射でき,本体も重い分隊支援火器や軽機を,アサルトライフルのように使いこなせるキャラ,となると,ハリウッド映画ならシュワルツェネッガーみたいなマッチョ.
 現実にそれを行なうのは無理があるが,エンターテイメントならまあキャラ次第であり.

 あとね,
>・二脚が使える(しかしAK-47よりも撃ちやすいかは分からない?)
だが,二脚が付いてる「アサルトライフル」ってのは,仏のFAMASとか日本の64式や89式とか一部のものだし,二脚を使うって事は,防御陣地での使用か,機関銃として使うって事なんだから,「アサルトライフルと同じようにして使う」ためのメリットは一切ない.
 というか二脚は重いし,邪魔なんだよ.
 FAMASも後期型は取っちゃってるし,89式も簡単に外せるようにしてるし,有事は付けたまま使わない事にしてることも多い.

 【反論】
>・バイポッドの使用や重厚な機関部からもたらされる高い精度
>・銃身が厚く通常のライフルより連続射撃に耐えうる
>・本体重量があり反動が少ない

 全部間違いであり,かつ全部正しい

 だって,それは機関銃としての長所であり,単純なスペック数値化して,アサルトライフルと比較したら,アサルトライフルよりも優れていることは間違いない長所だが,それは「アサルトライフルというカテゴリに合致するような範囲での長所」ではないので,機関銃の重さや頑丈さをそのままアサルトライフルで再現したようなものは,「アサルトライフルとしては失格」.
(「バトルライフル」としては辛うじて,優秀である可能性がギリ残されているが)

 力士やプロレスラーとしての長所を,そのままアマレスの世界に持ち込んでも,求められるものが全然違うから,体格や筋力や体重差が長所にはなっても,「アマレスのルール上で戦うアマレス選手」としては役立たず,土俵が違うので実力が発揮できないものを,無理矢理戦わせているに等しい.

 まあ,中にはアサルト・ライフルの領域でも,長所を失わず活かせる機関銃が無いとは言えないけどね.
 他の人も言ってるように,BARとかあるし.

軍事板,2011/04/13(水)〜04/14(木)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 突撃銃と軽機関銃,それぞれに相応しいのは,どんな状況なのですか?

 【回答】

 突撃銃は,どんな状況にもそこそこ対応出来るというのが最大の特徴.
 それなりの火力を一人で扱え,それなりの射程と威力がある.
 加えて扱い易さや携帯性,頑丈さもそれなりで蛮用にも耐え得る.
 結果,攻撃時でも防御時でもそこそこ使える武器となる.

 一方,軽機は二脚があるのを見れば分かるように基本的には据え付けて使う物.
 火力,射程,威力全てが突撃銃より上だが,運用に複数の人員がいるのが望ましい,
 重い,扱いに気を使うなど問題点も多い.
 もし一人で扱うとしたら,上記の問題点を引き受ける分弱みを抱える事になる.

 だからこそ,普通のライフル兵と組み合わせてチームにする事で,お互いをカバーし,全体で攻防どちらにも対処出来るようになるのが普通.
 援護無しの単独で使う場合は,防御時にこそ有効な兵器だと考えた方がいい.

 つまり,軽機を持つ人間が敵を待ち伏せするなど,予め準備出来る状況ならいいかもしれないが,逆に自分から攻撃を仕掛けたり,遭遇戦や遊撃戦に使うには不向き.

軍事板,2011/04/14(木)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

また質問になりますが,最近の武器の基礎について学べる良い書籍などはありますか?


2862011/04/14(木) 21:58:59.61 ID:???
えええee‥最新の武器てナイフからICBMまで全部「最新の武器」なんですけどいくらなんでも漠然としすぎでしょう.


287 名前:279 :2011/04/14(木) 22:44:54.95 ID:9SNjoG1B
>>286
内容固めないまま質問してしまってすみません
とりあえず銃器全般について知りたいです(これでも漠然としてそうですが…)


2882011/04/14(木) 22:46:44.31 ID:???
>>285
分かりやすさと面白さ優先で二つ紹介

・新紀元社 F-Filesシリーズの「図解〜」
戦闘機や機関銃がそれぞれどういう役割をになっているか,基本的な所から解説している.
図解 戦闘機,図解 軍艦,図解 ハンドウェポン,図解 ヘビーアームズ etc...

・戦うコンピュータ 井上孝司著
軍事におけるコンピュータと通信について,機械仕掛けだった時代から現代まで段階を追って解説している.
図や写真が豊富で随所に挟まれているコラムが楽しい


それと江畑謙介氏の著書と軍事学入門(防衛大学校防衛学研究会)は絶対に読んでも損しない.出来れば地政学入門(曽村保信著)も


289 名前:283 :2011/04/14(木) 22:54:16.18 ID:???
>>285
> また質問になりますが,最近の武器の基礎について学べる良い書籍などはありますか?

武器の範囲が広いですね.
(>>279)「国家の陰謀論(主に軍事関係)についての小説」との事ですので,戦略兵器に関する事ではないですか.

再度申し上げますが,お読みになられた軍事小説の判らない単語を一つ一つ調べて見ると良いと思います.
まだ,軍事板で質問する段階ではないと思います.
頑張って下さい.

「戦術兵器」と「戦略兵器」 | OKWave-
http://okwave.jp/qa/q4307924.html

2902011/04/14(木) 22:55:08.55 ID:???
>>285
ちょっと古い本だが,武器全般について概観するならマール社の「武器」とか.

とりあえずWikppediaには兵器や銃器の項目も当然あるので,片っ端から読んでみる.
そこで挙げられている参考文献を自分で捜し,直接当たってみるのも有効な方法.
個人サイトでもかなり頑張ってる所があるので,そういう所を覗いてみて
興味が湧いた物を改めて調べるのもいい.


291 名前:283 :2011/04/14(木) 23:01:25.88 ID:???
>>289
失礼しました,レスポンスが付いていましたね.

>>287
>>288さんが挙げておられる,「図解○○」が分かりやすいですよ.
運用に関しては「コンバットバイブル」シリーズでしょうか.
どちらも入門向けなので,小説に活用するのならそこから広げて調べられた方が良いと思います.

軍事板,2011/04/14(木)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

3162011/04/15(金) 23:25:46.96 ID:???
>>312
そういう発言が出る時は大抵士気が低くなってるので,逃げる奴を一人見逃すと全軍潰走とか最悪の事態になりかねない.
だから敵前逃亡者は,見せしめの意味もあってその場で射殺したり
余裕があれば一旦捕まえといて,後でそれなりの手続きを取ってから銃殺する事もある.

こういうのは昔から結構あって,オスマントルコは征服したキリスト教徒の部隊を先頭に立たせて
一番損害の多い任務をやらせ,その後方にエリート部隊であるイエニチェリを配置して
逃亡を防ぎつつ督戦,なんてのが常套手段だった.

3172011/04/16(土) 10:25:38.82 ID:???
>>312
本当に撃ち殺さないまでも,壊乱する部隊を押しとどめるために
威嚇発砲して「持ち場に戻れ! 戻らないと殺す!」ってのはどこの軍隊にでも
あったんじゃなかろうか.
辻ーんもやってるし.

軍事板,2011/04/
青文字:加筆改修部分


 【追記】

4522011/04/25(月) 08:08:00.85 ID:HHBbqR4I
乗組員?はもちろん知ってたぞ

 腹立たしいことだがアメリカでは,
原爆落としてやったお陰で死傷者抑えられたろ?
っていうのが一般認識だから


4532011/04/25(月) 08:33:44.35 ID:???
>>452
アメリカの学校教育ではそういう風に教えているからだが
実際に原爆投下後の惨状の写真や記録を目にすると
「いくらなんでもやりすぎだったんじゃ…」とか
「こんな結果になると知らないで投下したのはあきらかに早計だった」
と考え直す人も少なくないぜ


4542011/04/25(月) 08:34:44.82 ID:???
なにしろ今も昔もアメリカの一般大衆には原爆・水爆は「なんか凄い威力の爆弾」ぐらいにしか認識されて無いから
「結果」とのギャップに一種のカルチャーショックを受けるらしい
まあちゃんと認識したら反核兵器運動が今以上に大きくなってしまって国民抑えられないからだろうけど
(自分が使うだけじゃなく,他の国も持ってて自分に使われるかもしれない恐怖を考えたらねえ…)

4592011/04/25(月) 09:36:43.09 ID:???
爆弾落とした時に大量死するだけでなく落とした後も死に続けるってのは
本当に必要な犠牲だったのかどうか疑問って
欧米の歴史や戦史研究者の間でも,批判している人はいるからねえ
空襲後の火災による二次死傷者よりスパンが長いし

4602011/04/25(月) 10:52:23.64 ID:???
>>452
「(一般人の)多量の犠牲があったが,それ以上の人数の(自国兵士の)犠牲を無くす事が出来た」と言う認識でしたっけ.
括弧の中が抜け落ちている事が,どうにも納得できかねるなあ.

4612011/04/25(月) 11:21:46.71 ID:???
大戦末期の日本相手に原子爆弾を使う必要はまったくなかったのは事実だよ
終戦より半年以上前に日本はすでに天皇制の存続だけを条件とした降伏をアメリカに打診している
アメリカ側は開戦前から,天皇制は存続させた方が日本統治には良いと考えていたわけだし
拒否する理由は本当のところ何もないはずだ

加えて言えば,広島長崎の原爆にしても,何も落す必要はない
原爆でなくても,東京でやったような焼夷弾による爆撃でも,同等の破壊を為す事が可能だ
原爆を落とした理由は,対日戦略というよりも,ソ連に対する優位性を確保するためだったと考えた方がよいだろうが

しかしドイツを屈服させる前に日本を屈服させた方が太平洋側では優位に動いたはずだから
日本が降伏を打診した時点で,天皇制の存続を含めた条件くらい受け入れた方がよいと思うが
結局のところ,これを為さなかったのは,政治的というよりも感情的なものであるとしか考えるしかないな

4642011/04/25(月) 12:24:36.08 ID:???
>>461
>終戦より半年以上前に日本はすでに天皇制の存続だけを条件とした降伏をアメリカに打診している
それでも原爆落とさなきゃならなかった理由は
政府と軍部と一般大衆の中に,まだ納得しない奴が居たからだぜ
というか強硬な継戦派のおかげで降伏がなかなか実現しなかったし
早期講和も何度も失敗してるんだが

アメリカを本気で打ち負かせると勘違いしてるのが居なけりゃ
程度のいいところで戦線拡大を止めて防戦に回って,アメリカに厭戦世論を湧かせて
講和に持ち込めたんだよ…というのには,異論もあるが…

4702011/04/25(月) 14:44:53.55 ID:???
>>454
「宇宙忍者ゴームズ(ファンタスティック4)」だったか古いアニメ作品で
顔が怪物になった人に「大丈夫だ,放射能のせいだよ」となだめる場面があったwww
ゴームズ自体,放射線で変身したヒーローという世界の話だが
同じエピソードかは忘れたが実際に核爆弾を投げて怪獣を倒す話もあったな


4712011/04/25(月) 16:37:58.08 ID:???
>>470
アメコミは放射線関係のヒーロー・ヴィランには事欠かないからなあ
マーヴルでざっと思いつくだけでも
・ファンタスティック4(宇宙線)
・ハルク(ガンマ爆弾)
・シーハルク’(ハルクの血を輸血)
・スパイダーマン(放射能に汚染された蜘蛛にかまれた)
・サンファイア(胎児時に広島で原爆食らった)

軍事板,2011/04/
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ここここでエジプト軍が,猫を利用したペルシャ軍に負けたというネタを見かけました.
 そこで質問です.
 ヒンドゥー教にとっての牛や,イスラム教にとっての豚の様に,神聖視或いは穢れた物として扱われている動物を利用して,敵の戦意を挫き,勝利するというのは現実的でしょうか?
 例えば平野における会戦では,牛や豚を最前列に並べ,十分に距離が縮まってから,牛の尻を槍で突いて突進させて,敵の隊列を崩壊させて潰走させる,
 籠城した敵に対しては,解体した牛や豚の頭部や足などを,カタパルトで打ち込んで士気を低下させる,という方法を考えています.
 世界観は中世風ファンタジーな物です.

 アホな質問なのは重々承知しています.
 ですがよろしくお願いします.

 【回答】
 とりあえず問題点を.

・神聖な生き物を害する事で,相手の憎しみを掻き立ててしまい,逆に戦意が増す可能性がある.
 インドで英に対する一大叛乱となった,セポイの乱のきっかけの1つは,現地人傭兵が支給された小銃用の薬包に,
「宗教的禁忌に触れる,牛の脂と豚の脂が塗布してある」
との
デマから発生したという説が結構有力.
 それがきっかけになる位デリケートな話題だったし,不満も相当溜まってたんだな.
 異文化圏の相手の宗教的,文化的要素の利用は,しっかり研究した上で行なわないと,どこで地雷を踏むか分からず危険.

・動物の群れを集めた時,どうやってそれらを制御するのか.
 御者がいる馬車や牛車,乗り手が操る乗騎などと違って,動物の群れを一箇所に集めておくのは簡単ではない.
 戦場でそれをやるのは大変だし,その上傷付けてパニックに陥った動物達の動きをコントロールするのは,更に困難.
 下手すると味方が暴走に巻き込まれる.

軍事板,2011/04/25(月)〜26(火)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

5362011/05/04(水) 14:10:15.31 ID:???
履帯を破壊するだけならどれでもいけるんじゃないかね?
もちろん現実的ではない手段が含まれるけど.(小説なら可能とか)

ドーベルマン刑事の44マグナムで履帯を破壊するシーンはさすがにどうかとおもうが.


5372011/05/04(水) 15:53:48.74 ID:???
>>527
例えばM1A1やレオパルド2の場合,履帯を繋いでるピンなりなんなりを50口径で狙撃できれば,履帯はやがて自壊する.ただ走行中は絶対無理だろう.
履帯は高い耐久性を要求されるので,そのものを狙撃しても同じか近い場所にばかすか撃ち込まない限り破壊出来ない.
MBTを停止させるのなら,可能性の少ない履帯を狙うより機関部上部か視察装置を直接狙った方が現実的.
接地輪も普通に強固なので,ちゃんとした対戦車火器がなければ不可能.

というか想定上第一〜三世代のどの辺りなのかで大分違う.
例えば貧者のMBTであるT-54/55なんかは,50口径でも弾種(APFSDS)によっては貫徹出来る箇所がある.


5382011/05/04(水) 15:56:37.39 ID:VK+LKm+m
>>527
 ドレでも無理.破片手榴弾や50口径で履帯が破壊できるなら,対戦車地雷は要らな
いよ.
>>ttp://www.nicozon.net/watch/sm2796673
 対人地雷以下のモノを踏んで擱座する装甲車両なんて無いだろ.

>>529
 上から落ちてくるモノが,車体を通り抜けて履帯に当たる道理は無いだろ・・・・・.
「斜め上」からでも相当に無理があると思うぞ.


5392011/05/04(水) 16:16:56.46 ID:???
>>527
現代じゃないけど,.50口径の倍近く強力な14.5mm対戦車ライフルを使って履帯破壊を試みた例はある
http://img181.imageshack.us/img181/5475/elefant2kj5.jpg
この例では左側履帯の切断に成功してるね

ただ,走行中の履帯は回ってるから,同じ場所に何度も命中させるのは困難だろう
写真の例でも切断箇所は射撃部位より少し後ろの方のようだし,命中から即切断に至ったというよりは
着弾によって弱った履帯が走行時の負荷に耐えきれず切れたというほうが正しいだろうな
エレファントなら唯でさえ負荷も大きいだろうし

だから,履帯射撃後に履帯に負荷のかかる機動をさせれば,なお切れやすくなるかな
創作的には,幅の広い壕を掘っておく,乗り越え可能な障害物を配置する,斜面で戦うといった手が考えられる


5402011/05/05(木) 09:41:46.37 ID:???
まあ,WW2ごろならいざ知らず現代の各国主要MBTの履帯を歩兵の
装備だけで破壊は困難だろう.
そんなんするくらいなら地形を活かして戦うべき.



5412011/05/05(木) 10:53:46.12 ID:???
現代においては下手に歩兵用武器を使うより携帯型対戦車ロケットを
使うほうがよっぽど簡単だから無理して対抗せんでもいいと思う.
そういった兵器が無ければ随伴歩兵との連携を断ち切るように仕向け
つつ,死角の多い戦車の弱体部分を狙って攻撃するとかかな.

最もこれは相手側の戦車の数が少ない場合であってある程度以上の
数が投入されている戦場では無理だと思う.



5422011/05/05(木) 11:12:29.67 ID:kyMWFNfF
>>まあ,WW2ごろならいざ知らず現代の各国主要MBTの履帯を歩兵の
>>装備だけで破壊は困難だろう.
 無反動砲や対戦車ミサイルだって「歩兵の装備」です.質問者は「それらが無い」という危機的
状況と「決死の肉薄攻撃」という創作上の見せ場を作りたいのでしょう.

>>ttp://www.horae.dti.ne.jp/~fuwe1a/newpage414.html
>>ttp://steiner.web.fc2.com/uni/w/a009/a36/a-036.html
>>ここに遅延式信管をセットする事で,TMi-43を肉迫兵器として運用する場合にも使われた.

 まぁ,肉攻で戦車を撃破したのであればこの位は使ってください.


5432011/05/05(木) 12:03:19.60 ID:???
対戦車ロケットやミサイルで無いならば
12.7mm・13mm・14mmといった各種の大口径銃弾を使用する
対戦車(対物)ライフルぐらいだろうな,履帯を攻撃して辛うじて効果があるだろう物は

5482011/05/05(木) 13:50:11.35 ID:???
>>539
WW2頃でさえ,対戦車ライフルで履帯が切れたのは3号や4号の中戦車クラスが精々で
ティーガーやエレファントみたいな重たい連中はかなり運が良くない限り切れなかったというが

履帯は比較的良質な鋼材で作られるし,まして重戦車のそれは普段から大重量,大負荷に耐えられるよう出来てる
現代のMBTはWW2期の重戦車と似たような重量だから,履帯の強度も近いかむしろ上回っているくらいじゃなかろうか


5492011/05/05(木) 14:17:43.70 ID:???
そういや四号戦車の履帯を巻くと50mm位の防御力があるらしいね


5502011/05/05(木) 15:00:14.92 ID:???
いや10ミリ程度だろ.防弾鋼じゃないマンガンの鋳物だし.


5512011/05/05(木) 15:21:27.16 ID:???
20o×110のAPとかHEはどうなん?


5522011/05/05(木) 15:56:36.82 ID:???
ゴルゴ13は走行中の戦車の履帯ピンを狙撃して行動不能にしてたなぁw



5532011/05/05(木) 21:10:31.72 ID:???
>>539
あの対戦車ライフルかて敵戦車までの距離は数十メートルという
ところからの射撃だから随伴歩兵がいたら破壊を試みることも
難しいよ.



5542011/05/05(木) 21:25:39.83 ID:???
>>539
その対戦車ライフル対策としてシュルツェンがあったわけだけれどあれだって
履帯というより軌道転輪を狙うようにマニュアルに書いてあったとも聞く.
基本1個小隊辺り6丁(二人に1丁)で地形に隠れて4,50メートルの至近距離
からの集中攻撃での撃破だから人的リソースがよほど豊富で,かつ地形を
利用出来るだけの物資がなければ無理.

質問者の場合これに加えて現代が舞台で,相手が仮にも第三世代以降
の戦車や近代改修を施された第二世代以降の戦車である場合肉弾攻撃
による現代戦車への攻撃は決死的というか自爆攻撃並の根性と度胸が
必要だと思う.

それこそ完全な待ち伏せでIDEのような即席爆弾を使って戦車随伴歩兵を
殺傷したあと戦車をどうにかするくらいの入念さが無いといけないと思う.
歩兵戦闘車くらいなら対車両地雷やIDEでも対応できるけれど戦車は
損傷を与えるのはともかく撃破は困難だ.
出来れば対戦車ヘリとかそれでなくとも武装ヘリくらいは欲しい.

http://ja.wikipedia.org/wiki/即席爆発装置


5552011/05/05(木) 21:31:19.86 ID:TlPB23zH
>>554
戦車の構造を知り尽くしてたらセンサーとかを壊してめくら状態にできるってばっちゃが言ってた

5612011/05/06(金) 11:38:31.95 ID:???
どうにかして一旦停車させて,正面ないし背面の履帯がよく見える位置から,
回転の止まった履帯に対して一箇所を50m以内からcal.50あたりで集中射撃すれば,普通に切れるんじゃないかな.
防弾鋼じゃないんだから,何発も食らえば削り負けるでしょ.

停車させる方法,重機関銃の50m以内まで誘い込む方法を考えるのは作者の仕事.


5622011/05/06(金) 12:30:01.09 ID:???
みんな,対戦車地雷の存在を忘れていると思うんだ
それか,白燐手榴弾を収束させ,焼夷弾の代用にして
履帯か通過予想地点にタイミングよく投げ込むってのも一興かと


5632011/05/06(金) 13:19:39.49 ID:???
昔のドイツ軍だと,手榴弾用の摩擦発火式時限信管を対戦車地雷に装着して投げつけたりしてるな.


5642011/05/06(金) 17:00:19.81 ID:???
>>527
履帯を切るだけなら>>562の挙げている対戦車地雷を使ったほうが
楽だよ.
赤外線射撃装置付いていたら煙幕はあまり関係ないと思うので
待ち伏せして地雷踏ませるのがベターだと思う.
これでも履帯を破壊できるだけだから戦車を無力化したわけじゃない.

質問者が来てないから不明なんだけれどそもそも,戦車は1両だけ
なのかもっとたくさんいるのかによってこれでもOKなのかが変わって
きそうなんだよね.
隘路で戦車が縦列になって進撃していて先頭車両の履帯を切れば
後方が通れないというような状況(迂回路がない)とかならいいけれど
相手の数が多いとこの戦法だと主人公側の死傷者が増えるだけかも.

5652011/05/06(金) 21:06:19.65 ID:???
そういえば西部警察第一話は,暴走した米軍の装輪装甲車相手に
大門軍団がIEDで立ち向かうっていう超展開だったな

(自衛隊だせよ,とみんな思うが,実は犯人側の黒幕が右翼の大立者で,
鎮圧のために自衛隊を治安出動させて国軍化するのが狙いなので,
意地でも警察力だけで解決しなけりゃならないという話だったような)

軍事板,2011/04/
青文字:加筆改修部分

「西部警察」に出たた戦車 (w`;


ベタ藤原 in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2011年07月09日 17:07


 【質問】
 非殺傷弾頭を使用した限定戦争,という感じのシチュエーションで,銃弾を「当たっても死なないけど,骨折して痛みでのた打ち回って戦闘不能にはなる」みたいな(他のアイディアでも構わないが)措置を取るとして,小銃以外の兵器はどのようにして非殺傷にしたらいいだろう?
 手榴弾や擲弾をスタングレネードか催涙弾にするとして,迫撃砲や野戦榴弾砲の砲弾もスタンや催涙弾にしても,安全上問題はないのだろうか?
 流石に砲弾の大きさがある程度以上になると,死人が出そうな気がするんだが…

 【回答】
 まあ,無理だと思う.
 小銃くらいなら「運が悪ければ死ぬかも」程度のゴム弾が使えるが,貴方の言う戦争には榴弾砲まで出るんだろ?
 榴弾を一口で言うと,鉄の塊の中に爆薬があって,時限式にしろ,接触信管にしろ,VT信管にしろ,信管を中の爆薬の起爆剤にして,鉄の塊を吹き飛ばして,周囲に被害を与える品物で・・・
 155mm榴弾砲(西側の装備)の榴弾による攻撃だと,弾体がゴムで出来ていても,着弾時に破片になったら,それはもう通常より弱いにしても,殺傷能力は十分ある代物になるよ.
 人間は時として頑丈であるけれど,皮膚の露出している部分や,弱い部分があるから.

 爆薬を低威力にしても,破裂すると同時に,高速でゴムの破片が飛ぶんだから,ボディーアーマーで守られていない部分に,そのゴムの破片が当たったら,それだけで致命的だ.
 弾丸そのものが大きいと,それが破裂したときにたくさんの破片になるうえ,それが一定以上の速度で飛び散るんだからよ.
 ゴムの破片が小口径の拳銃弾ほどの運動エネルギーを持ってぶつかったら,ひどいことになるだろ?
 だって155mmって,直径15.5センチもの弾頭になるんだぞ.

 それに,プニプニのシリコン製ゴム(ただし表面はある程度の硬さに加工)で飛ばしたら,弾道が乱れて,射程も精度も大幅にスペックダウンだ.

 催涙弾にしても,使う場所考えないと溺死したり転落死したりするから,大規模にやったら数百人は死者出ると思うよ.

 ゴム弾も,急所にあたれば死ぬ.
 「非致死性兵器」といいながらも結構な数の人が,撃たれた後のショックで亡くなっている.
 痛みに対するショックを舐めたらあかんよ.
 暴徒鎮圧用のゴム散弾ですら危険なのに,ゴム弾頭の榴弾砲なら,3桁くらいの死者が出てしまうだろう

 そんな限定戦争考えるなら,物凄く精巧な3D-FPSゲーム作って,メタバースの中で戦争やる方が,ずっと敷居は低いよ.
 SFな設定にしたいのなら,ロボットに代理戦争させるとかね.

 古い漫画だが,藤子不二雄ランドの短編集に「ひとりぼっちの宇宙戦争」ってのがある.
 宇宙人に選ばれた地球人の学生が,自分のクローンと,剣と盾だけを使って戦って勝利するというストーリー.
 ここまで極端でないにしても,一つの街を使って,個人で携帯できる,対戦車兵器を除く装備だけを使った模擬戦みたいな形にまで落とし込まないと無理だろう.
 要は,「とても大規模で,まれに死人がでるサバゲー」だな.
 赤軍,青軍みたいなチーム分けにして,1個中隊の歩兵同士が戦うとかね.

 または,いっそ攻殻機動隊みたいに,人間の脳ミソをデジタル化させ,肉体のデーターと感覚をサーバーにあげて,そこで超リアルなネトゲにしちゃえば良いと思う.
 戦場サーバー(仮)の設定環境は地球と同じ自然環境で,兵士の体力や感覚も生身と同じ設定.
 詰まる所,戦場と兵士のエミュレート.
 動き回ったら,体力・装備に応じて疲労を感じたり,メシ食わないと空腹感を感じたり,逆に食べたら満腹に感じたり,被弾したらリアルな痛覚だったり.
 応急処置が遅れて出血多量とか,手当てを間違えられたり,脳・心臓に弾が当たったりとか,致命傷&即死はログアウト(死亡判定)とか,自分で勝手にログアウトしたら,逃亡兵として扱われるとか.
 これならショック死以外は大丈夫.

 実際のところVR(バーチャルリアリティ)とAR(強化現実,拡張現実感)とが進歩したら,殆どの戦闘行為はデータ上で行われる電子戦が主体になるのかもね.
 肉体の機械化というか情報化か.
 SFで言うところの「技術的特異点」かもね.

 そして,この手の小説は結構あったり.
 「ネットからの未帰還」は今や,一ジャンルをなすほどあるな.
 FPSのネットゲームで,死者の出たソードアート・オンライン,ファントム・バレット編とか,押井守の小説版アヴァロン Avalonとか.
 古典的SFである,ハインラインの「宇宙の戦士」でさえ,パワードスーツの訓練で,空軍の模擬空戦みたいに,電子機器を用いて命中や被害の判定を行てた.
 例えば榴弾だったら,爆発地点からの被害半径を計算して,範囲内の標的はこれだけの被害が出たと対象に通知するシステム.
 やられた奴は,スーツの機能を停止させられて身動き出来ず,訓練が終わるまでずっと死体役になってたり.

 小説ばかりでなく,TRPGの「シャドウラン4th」の世界でのゲームにも,同種のものがある
 やり過ぎてネット廃人ならぬ,本物の廃人になるけどな(笑)

 SFなら,特定の戦闘用ドロイドを,脳波で遠隔操作できるシステムもアリだよね.
 まぁここまでくれば,遠隔操作する物はドロイドに限定しなくても良くなるけど.
 そういや映画『アヴァター』も,一種の遠隔操作だね.
 アバターみたいに,開拓とかリアルに物質に関わる事なら,現地のロボットや機材を遠隔操作って事で,コミュニケーションを必要とする仕事とかは,脳ミソと感覚を超巨大共有サーバーにあげて仕事とか.
 んで,そこまで人類が発展すると,世界クラスでリアル(現実世界)で戦争ってバカバカしくね?的な発想になり,戦争は未だ外交手段の延長線上ではあるが,国連的な組織が運営する戦争サーバー(仮)で関係国がネット上で戦争すると・・・
(人員装備はリアル(現実世界)を反映,地形・環境についてはランダムに設定とかで)

 兵士は戦地で死なない代わりに,何度も何度も強烈な痛みや苦しみを,サーバー上で味わうハメになって,その感覚は記録され,兵士の階級・給与に反映されたり,希望者にはビデオオンデマンド的に配信できて追体験できたり,特別に編集された,感覚付き負傷・死亡シーン集がコンピュータウィルスや刑務所での罰となったりして・・・

 ・・・俺が小説書けそうだな,オイ(笑)

軍事板,2011/05/10(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】

 【回答】
>日露戦争の時に問題になった脚気は既に仁が効果がある食べ物を広めているので起きないと思います
ありゃあ結局の所,輸送兵站能力の限界の問題があるんで
脚気の原因と対策が日露戦争の前までに判明してたとしても,脚気を防ぐ事は実質的に不可能

脚気は麦飯食えば防げたって微妙に正しく微妙に間違った説が流布してるんだけど
どのみち栄養が偏ってる事が脚気の原因なんで,麦飯は一時療法に過ぎず
麦飯に気づいていた海軍も実際には脚気を根絶できて無い(発症者を減らしただけなのが実態)
んで,多彩な食品を兵站物資として輸送する事は当時の日本の輸送能力上,難しいので
結局栄養の偏重による脚気は発症してしまう

白米か麦飯かでそこまで兵站の負担が変わるとも思えんが…

日露の前くらいまで陸軍も海軍式にやって
脚気かなり抑えられてたんじゃなかったっけ?
脚気の根絶が難しいのは
不足した栄養素が人体に吸収されにくいシロモノで
一度不足がちになるとそう簡単に治らないからだったはず

>白米か麦飯かでそこまで兵站の負担が変わるとも思えんが…
麦飯「だけ」食わせても結局は脚気以外の諸々の栄養失調になるよ
白米とか麦とか,「穀物」以外の主菜類も運ぼうとすると輸送能力に限界が来るから問題だったわけ
おかずも一緒に食えるなら,別に白米を中心にした兵食でも別に良かったんだ

例えるならある地域に居る人たち10人に,カップラーメンを送ってやりたいが,10人調度ぶんしか運べない
だがカップラーメンだけでは確実に栄養が偏るので,生卵も10人分送ってやりたい
ただし,生卵を追加するためにはカップラーメンを一人か二人ぶん,減らして荷物のスペースを
空けてやら無いといけない 当然,現地で人数分に足りなくなる…
という状態


6542011/05/11(水) 16:33:40.79 ID:???
>>652
まあ「白米6合」は大本営陸軍部が決定し天皇陛下の名で「勅令」として出されたものだから
一軍医部長にどうこうできるもんでもないという指摘もあるけどね
マニュアルに従っただけで彼の独断ではない

6552011/05/11(水) 16:58:40.51 ID:???
麦飯についてはこういう資料もあって
ttp://d.hatena.ne.jp/bn2islander/20081217/1229526856

>麦200グラムに含まれるビタミンB1の量は

>麦の種類の違いにより,ビタミンB1の含有量は0.12mg〜0.44mgとかなりのバラツキがありますが,
>一番大きな値を採用してもビタミンB1の一日の所要量とされる0.8mg〜1.0mgには達しません

というわけで,副食の肉や野菜でビタミンを補わないと意味が無いって意見もある

6562011/05/11(水) 17:04:41.07 ID:???
麦食では一日の必要量を満たせない.
だから麦食で脚気患者は減らせないって事?


6572011/05/11(水) 17:41:49.42 ID:wRQ8PcTi
>>655
 そいつが言ってるのは摂取量ってのは摂取基準.下限,上限ってのもあるの.
>>ttp://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/hoei/hoei_015/hoei_15a.html

 「なぜビタミンB1をプラスするのだろうか」っていったって精白しちまえば白米だろうが麦だろうが
一緒なのは当たり前なわけで・・・・.


6582011/05/11(水) 17:59:31.47 ID:???
軍医総監の権限じゃどうのこうのできないだろ

6602011/05/11(水) 19:06:41.94 ID:???
>>658
海軍の軍医総監の高木兼寛は兵食改良してるし,天皇に上奏もしてますよ


6612011/05/11(水) 19:13:03.45 ID:???
>>653
待った,その例えはそれこそ白米+おかずでより顕著に起きる問題だろう

兵站能力に限界があって野菜やらの副食を用意できずに
栄養バランスに問題が起きるならやっぱり麦飯推進するべきじゃないか?

「毎日カップラーメンばっかじゃ飽きるだろうから
半分おにぎりにして送ろう」
どっちも主食なんだから麦飯って要はこう言うことだろ
これなら人数分足りなくなることもないし


6622011/05/11(水) 20:08:27.10 ID:???
>>658>>660
鴎外が陸軍軍医総監になったのは日露戦争の後
日露戦争中は単なる軍医部長

でもって軍医総監になるとともに陸軍省医務局長になった直後から
臨時脚気病調査会の創設に動いており,この調査会が後に脚気の原因がビタミンB1欠乏であることを
突き止めることに繋がっていく(ただし,逆に否定意見もある)


6632011/05/11(水) 20:11:56.90 ID:???
>>656
実を言うと麦飯を食う量を増やせば足りるっちゃあ足りる
でも副食が足りないと足りない事が起こるときもある

なにより麦だけで炭水化物とたんぱく質の全てを賄えってのも無茶なんで


6642011/05/11(水) 20:15:25.85 ID:???
>>651
麦だと,押し麦に加工する手間と,コメと麦を一定の割合で,補給する手間がかかる.
コメだけとか麦だけとか届いても栄養が偏る飢えに,麦しか支給されなかった部隊の士気が落ちる.


6652011/05/11(水) 20:17:31.02 ID:???
>>664
加えて麦だと白米より保存,虫の問題が多いんで
送っても食い物にならないロスが大きいんだよねえ


6662011/05/11(水) 20:18:54.43 ID:???
軍馬の飼料も麦だったんでなおさら人間の食う分が圧迫されてるしな


6672011/05/11(水) 20:42:04.09 ID:???
あらゆる時代のあらゆる事に言えるんだけど
「仮に正解がわかってても,それが実行可能であることとは別」
ってことが結構あるよな
脚気にしてもビタミンの発見後も(主に製薬技術の限界で)脚気は無くならなかったし
アリナミンが誕生し1960年代になるまで国民病であり続けた

>>638に言う事は,知識として浸透してれば脚気の被害を史実より減らせるかもしれんけど
製薬技術を50〜100年くらい革新させないかぎり史実とあんまり変わらないだろう,って辺りじゃないだろうか?

軍事板,2011/05/11(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第2次大戦のUボートの話なんかで,輸送船を攻撃した時に,輸送船側が救難信号を出しちゃうと,位置がばれちゃうとか,作戦の前は敵に傍受されないように無線封鎖するとか言うけど,どういうプロセスで敵側は無線やら通信を傍受するの?

 【回答】
 単純に,相手の発信した電波を受信すりゃいいだけの話.
 もし2点や3点で受信出来れば,測量で位置を絞ることも可能.
 内容は,暗号なら当然解読しないといけないが,戦闘中なら結構平文でやっていることも多い.
 無線通信の中に色々な暗号を含ませる事で,複雑な情報を送る方法もある.

 無線電信は,基本的に洋上でも使える.
 ただし電離層の状態などにより,長距離通信が不可能な場合も.

 無線電話は普通,超短波(VHF)・極超短波(UHF)を使用するので,見通し距離内の通信しかできない.
 つまり,水平線の向こう側にいる飛行機や船との通話はできないってこと.
(一応,短波帯の無線電話なら,見通し距離外の通話もできるけれど,あまり一般的な装備ではない)

 無線や電信を使ったネタを出すなら,突発的に発生する電離層(スポラディックE層)を利用して,「偶然」に重要な通信を傍受したとかもよさげね.

 潜水艦のように,水中では通常,陸上で多く使われている周波数の電波は使えないが,超長波などの波長の長い電波は水中でも,比較的浅い水深まで――塩分濃度にもよるが,水深40m前後――信号が届くので,作戦の開始時間を知らせたり,集結海域を指定したりといった指示を出すのに使われたり,かつてはオメガ航法なんかの航法・誘導電波にも使われてた.

 超長波では電信というか,文章一応送れる.
 非常に波長の長い電波なので,日本本土から発信した超長波通信を,太平洋上の潜水艦が受信し,行動してた.

 欠点としては,超長波通信の為のアンテナが巨大になるので,建設出来る立地が限られることかな.
 日本海軍の場合,超長波通信は依佐美送信所から発信されていて,有名な「ニイタカヤマノボレ一二○八」も潜水艦に対しては,ここから発信してた.

 ただし,1分間に数十〜百数十文字程度までの文章しか送受信できないので,複雑な命令伝達には向いてないし,暗号を使っていても長文向きじゃない.
 集結地点の指定とか封緘命令などの特殊な命令書への通信とか,そういうのに使う.
 いくら超長波といっても,潜水艦が水中深く潜ると,信号を受信出来ないので注意.

 潜水艦向けとしては,超長波よりさらに波長の長い極超長波もあって,この周波数帯は,地面や水中を貫通する.
 硬い地面も貫通して通信ができるので,鉱山の比較的浅い層などと地上が通信で結ばれる.

 あと,暗号といえば吉村昭「深海の使者」にて,日本の外務省とドイツの日本大使館との国際電話に,鹿児島弁を使って盗聴対策をしたという話もあるよ.
 なので乗組員の中に,珍しい言語を話せる人間がいれば,その人間を利用して情報収集を図るというのもありうる話.

軍事板,2011/05/14(土)〜05/15(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 『進撃の巨人』という漫画を読んで思ったのですが,10〜15mの巨人相手に痛打を与えるとなると,どのくらいの口径が必要だと思いますか?
 個人的には12.7mm以上かなとは思うんですが…

 【回答】
 その漫画の作者の設定によるとしか・・・.
 あの漫画はちらっとしか見てないけれど,何かしらの文明が崩壊した後の世界観だから,現実の兵器を引き合いに出してもなぁ.
 たとえば砲はあるけど,ずいぶんと退化している.
 技術レベルがナポレオン戦争以前で止まっているうえ,砲弾は球形,砲身も前近代的な滑腔砲って話だから,大口径云々を語る事自体,あんまり意味が無い.
 人類の大半が滅んだ後,壁に囲まれた都市単位で生き延びているから,知識,技術や設備が十分じゃないんだろう.

 12.7mmとかは,M2重機関銃なんかに使われている弾の話になるから,作品の設定している世界では,そんな大きさの弾丸は,発射する方も大変になる.
 人間サイズでとてつもない怪力の持ち主が,単発発射の抱えの大筒みたいな物から発射する形になるんじゃないかね.
 当然,威力なんてのはそれなり.

(そういや,現代社会が崩壊して,今ある技術と機材で何か作れる武器を,とか考えるとどうしても,銃を作るより釘やボルトを空気圧とかで発射する武器を製作するほうが,難易度が低く,かつリアリティがあるんだよな.
 銃は銃身,ライフリング,薬莢,雷管,火薬が一部の実際に銃の製造を請け負ってる企業しか技術を持ってないから,文明が崩壊すると割と簡単に作れなくなってしまうし,材料の調達の段階から難しくなってしまう .
 また,銃器が作れないけど鉄鋼の技術は高いような状態で,使える武器が欲しい時に何を造るかって言ったら,現代技術を使って刀剣や槍などの原始的な白兵武器という,ちぐはぐな結果になるだろうし…)

 まともな話をするなら,大口径の機関砲とかそんなんより,普通に空爆するなり榴弾砲の一斉砲撃で足止めするなり,もっと違うアプローチを取る方がいいと思う.
 あの作中の巨人は,自己再生が追いつかないくらいに撃ち込むか,急所のピンポイント攻撃じゃないと倒せないし.
 例えばゼントラーディの指揮官クラスだと,12.7mmじゃとても倒せない.
 大体,相手の方が図体でかくて力もあって生命力もあるんなら,こっちが相手と同じ土俵で戦う理由なんて無いでしょ.
 生物で血液が流れているなら,シアン化水素なんかの血中毒とかサリン(G剤),タブン,VXガス(V剤)なんかの神経毒,金属元素が外装に使われているなら,強腐食性のガスなんかを散布すれば,何かしら効果があるだろ.
 空爆が出来ないのなら,砲撃で気球を使って観測射撃すればいいだけだし.

http://ja.wikipedia.org/wiki/進撃の巨人
 設定見る限りでは,「作者のなんでもありな脳内設定世界」のようだから,現実的な兵器を出して比べあうというのは不毛だよ.
 たとえば,Wikipediaのこの作品の項目で,
>主要な兵器においては自動車や航空機などの機械化戦力はなく,
>歩兵や騎馬兵による白兵戦が主体となる.
ってあるのに,そのすぐ下には
>立体機動装置
というパワースーツモドキみたいな物があるらしい.
 この装置作る技術を使って,既存の兵器を改良しろよというツッコミは,無粋かもしれんが普通は誰でもそう考えるし,そうする.

 ガスを注入するためのボンベなどを生産する技術があれば,WW1程度の技術で,この世界の兵器を大きく改善できるじゃないか.
 この世界の科学者の頭がおかしいのか,この世界の人間の発想が死んでいるのかは知らんが,頭の悪い対処方法だという事だけは分か

 ちなみに,映画秘宝って雑誌に作者のインタビューが載ってたが,曰く
「現代を舞台にすると,近代兵器で巨人を倒せるし,自分には軍隊の知識がない.
 だからファンタジーの設定に逃げた.
 岩明均の『へウレーカ』なんかを読むと,ああいう兵器を考案する頭脳がないことが悔しい.
 だから,スーパー主人公で問題を解決している」
とかって言ってたぞ.
 とりあえず大まかな設定とストーリーがあって,それにリアリティを付加できるかどうか,なんて考えて――というより考えられない――ないんだろ.
 作品の元ネタは,何か設定がやたら大量にあるらしいエロゲーで(インタビュアーの町山が,何だかスターシップトルーパーズに似てるとか言ってたが,ゲームやらんので何だったか忘れた),影響をうけた映画は「クローバーフィールド/HAKAISHA」らしいから,ただ人間が怪物に追い詰められる漫画を描きたかったんだろう.

 兵器の威力がアレなら,戦術でカバーするのが合理的なんだけれど,そういう知識や方法(ノウハウ)も作者は持ってないって明言してるんだから,生暖かい目で見るしか無いんじゃね?

 別に設定が精緻である必然性など無い.
 もちろん優れた設定は,美点になるかもしれないが,どんな作者にだって,知識的な限界は間違いなくあるわけで,一定の割り切りは必要なのだろう.
 今回はそれがたまたま軍事だった,と.
 これを自認してるなら見上げた男じゃないか.
 元ネタまで明かしてしまうのだから,誠実さは評価に値する男だと思う.
 なんていうか,自分の分を弁えてるって感じだよね.
 能力的にはどうかわからないけど,少なくとも意識の面では,この作者は間違いなくプロだと思う.
 『巨人』が終わったら,充分に勉強したうえで作品を作ってほしいものだ.


780 :名無し三等兵: 2011/05/18(水) 18:36:23.08 ID:???

 巨人ごときにメーサー車まで出して,取り逃がした東宝自衛隊は無能.


781:名無し三等兵: 2011/05/18(水) 19:10:01.46 ID:???

 シーッ.

軍事板,2011/05/18(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 兵器って,民生品並みに大量生産したら,理屈の上ではどれぐらい安く造れますか?
 第3世代MBTを1億円で製造することも可能ですか?
 現代の地球の基準で,現行の最新兵器(第3世代MBT,第5世代戦闘機)を,現代のマスプロ技術を駆使して,西側の民生品と同じように海外への外注ができて,民生品の製造と同じ労働環境で,万単位の製造数で,新規に製造した場合で考えられる,一番安い製造コストについて考えています.
(軍事機密とか兵器の必要性については論じない)
 この質問を聞こうと思ったのは,兵器の価格が高価なのは,生産数が少なくて現代でも生産の自動化が進んでいないからと聞いたので,それなら,もしも民生品と同じ基準で生産できたら,理屈としてはどれだけ安くできるのか?という疑問からです.

 【回答】
 民生品と一括りに簡単に言うけれど,兵器の耐用年数てのは,かなり長いこと使えるように,設計段階で余裕を持たされているから,コストがかかっているわけで,「耐用年数」がある程度決まっている民生品と比較する事 自体が,話にならん.
 トップバリューの1,000円程度で変えるヤカンと,南部鉄器のヤカンとを比べるようなもん.
 大量生産品は価格を押さえて,強度をギリギリ問題が起きないレベルまで下げて価格設定している.
 少数生産の工業製品は,生産コストはかかるが,手入れ次第では長持ちするし,何より多少手荒に使っても問題が起きないようにしている.
 兵器は何よりも信頼性がモノを言う世界なので,「何が起きても正常に動作」する事を前提として作らないといけないので,それが価格に反映される.

 また,一口に第3世代のMBTって言っても,東はロシアのT-90からドイツのレオパルト2まで色々ある.
 T-90は第3世代戦車の中は,輸出向けとして製造コストを安くしているが,性能は西側に劣らない設計してる.
 T-90は約140万ドル(現在のドル相場で1.14707087 億円)で生産出来ているが,民生品並の大量生産手法でも無いが,あんたの出した1億近い価格設定クリアしてるし.

 それぞれの戦車が設計・製造されたドクトリンも使用条件も違うのに,一律で
「民生品の技術を使えば,安く上がりますか?」
なんて質問されて,答えられると思うか?
 なんでも大量生産すれば,安く上がって品質も一定になるってんなら,世の中に初期不良なんてものは無いよ.

 それをもし仮に,技術的な問題を見ぬふりするなら出来るだろう.
 でも,10年使っても問題起きない兵器と,10年以内に何度か不具合を出す兵器では,どっちがいいのかは分かると思う.
 戦車に乗っていてそれが不良品で,問題が起きて作戦に支障をきたしたら,誰が責任とるんだろうねぇ.
 普通は製造メーカーが取るんだが,部品の強度を下げたらコストカットになったけれど,乗員の死傷率が上がりましたなんて事になったら,軍備に税金を投入している政府や国民は何と思うのか・・・.

 大量生産にしたって国によっては,それを容易に行える所とそうでない国もあるし,軍事費ジャブジャブ出せる「チート国家な米国」とそうでない国,例えば輸出能力と自己開発能力があっても,軍事費を必要以上に出せない ロシアとを比べても,意味が無い.
 軍備ってのは「欲しいから持つ」んじゃなくて「必要だから持つ」物なので,そこで使われる兵器の価格も,民生品のような大量生産すればいいってもんじゃない.

 では,民生品製造用に使われているマスプロ技術の流用はどうか?というと,それも無理だ.
 戦車の主砲,装甲板に使われる特殊鋼やセラミック材は,民生品用としては需要がないから,生産に専用の設備が必要になる.
 そうしたら価格上昇の原因になる.
 生産設備の初期投資が安くみえるほど,大量にするのか?
 需要はどこにあるんだ?
 たとえば戦車の複合装甲の技術を,日常生活のどういう分野が必要とするんだ?
 生産設備作ったとしても,それを維持するためには毎日稼動させ続けなければならないが,「戦車用の複合装甲板」を軍事向け以外のどこの分野,業界が毎日欲しがるというんだい?

 自動車用の鋼板作ってる鉄鋼メーカーだって,鋼材を調達する時点では,それが毎日製造・生産されて必要とされるから,大規模生産しているのであって,軍用に下ろすのとは別だ.
 戦車が自動車並みに毎日製造されないと駄目な世界状況ならともかく,必要とされてない資産なんて,まさに「無駄」でしかない.

 戦闘機のジェットエンジンや機体構造に必要な,特殊合金や複合材なんかも一緒.
 そういったものには,ゴルフクラブや高級自転車のフレームに使われている炭素繊維なんかも使用されているが,まさかそれらのメーカーが兵器を造れると思ってるのか?
 その技術がそのまま,兵器技術に転用できるわけじゃないぞ.

 そもそもの疑問の立脚点が,根本的に間違ってるんだよ.
 各国の国防政策決定・兵器調達の責任者や兵器メーカーだって,兵器を安価に出来る魔法の手段があったら採用してるわ.
 確かに戦闘機も戦車も自動車なんかに比べたら,一見時代遅れで非効率的に見える生産法をとってるように見えるかもしれんが,それは少ない需要に合わせた最適な生産法が,現状のやりようなんだってだけの話なんだよ.
 需要がなければ,超の付くマスプロダクトなど,かえって無駄だ.
 開発・生産設備分の元が取れるまでに大量生産した兵器はどうするつもりなんだ?
 海にでも捨てるか?
 要不要を問わず国家や団体に押し付けて,世界秩序の不安定化に一役買ってもらうか?

 最近では一応,民生品を兵器のなかに多数組み込むCOTSって手法が試されたりしてるが,これも必ずしもコスト削減の銀の弾丸になるわけでないってことがわかり始めてきた.

 上述したように,ロシアのT-90が安い兵器の例として上げられているが,これはソ連時代にアホみたいに大量に量産するための設備が既に造ってあったのと,ロシアの経済崩壊でルーブル安になって,輸出価格が落ちてたおかげだ.
(ちなみに最新のT-90は400万ドル以上するそうで).

 ウニモグ改造の防弾装甲車(薄い防弾板貼っただけ)くらいなら,民生品の軍事転用ってのに入るけれど,これってテクニカルと対して変わらん話だからな.

 生産設備の維持と雇用についてわかり易い例としては,イオンとかダイエーなんかの小売り大手が,メーカーに作らせているプライベートブランド(PB)製品なんかがそうだ.
 あれは,各製造メーカーが作った生産ラインが,暇なときにも出続ける工場の生産ラインの維持費を捻出するための,いわば小遣い稼ぎとして請け負っている.
 製造メーカー側の儲けは少ないが,社員を遊ばせるわけにはいかないし,彼らの雇用を確保する意味でも行っていることだが,似たようなことを軍事でやっても儲けなんて出ない.
 需要と供給について,もっと根本的に考えてたら,そんな発想は出てこない.

 それこそ戦時体制で,「自動車作るくらいなら,その分の鉄鋼を戦車や軍用艦に回せ」ってくらいの状況でもないと,質問主旨に沿った「需要」なんて出ない.
 コレにしたって,原材料の鉄鋼なんかの増産は出来ても,戦車などはすぐに増産なんて出来るようなラインではないし.
 平時からそんな大規模生産ラインを維持していたら,企業が潰れてしまう.

 一応,質問者の条件に合う答えをするとしたら,兵器として機能するか怪しいハリボテなら安く造れるだろうよ.
 買う人間がいるか疑問だが.

軍事板,2011/05/23(月)〜05/24(火)
青文字:加筆改修部分


保留

 【質問】
 兵器の開発者が,自分が開発した兵器を操縦することって,現実的にはありえるでしょうか?
 たとえば自分で開発した戦闘機や戦闘ヘリを操縦したりとか,機体のシステムを開発しただけあって,テストパイロットより操縦が上手かったりとか.

 【回答】

8882011/05/25(水) 13:06:18.19 ID:???
>>886
結局はモノによる,大抵の戦車とか戦闘機とかは開発者が操縦資格を持ってるわけじゃないので無理
軽車両とか小銃とか小さいものになる程ある事もあり得る様になる
でいいんじゃないかね?

 荷車から戦車(Chariot)を開発した人が,自分で乗ったのはよく知られた話.
 もちろん誰より上手かった.
 他に戦車は無かったから.


他の人の指摘してるように「現代の」常識からするとありえない
が,WW1かその前くらいまでは開発者がそのままパイロットってのは割りとあった
とくに飛行機黎明の時代はね
なにしろ「パイロット専門の人間」なんてものがまだ居ない
開発した人間が自分で操縦するしかなかったし,そのままWW1に参加していた

あと,車両関係で言うなら製作して完成したのを乗り回して製品テストしたり
工場敷地内を自走して移動させたりする関係で
「運転する」だけなら本職の軍人の操縦士より手馴れている(長年動かしてる)って人もいる
もちろん戦闘なんかは無理なのは言うまでも無いが

 さらに,大戦末期の日本でも,たまにそういう事はあった.
例えば震電の開発者なんかがそう.
ただし,震電自体はまともに飛んでいないし,試作機に近い扱いだったから
あまり参考にはならんかもね.
先行量産機を含めても数が足りないから試作機に武装させて飛ばしたり
したこともあったそうな(震電はポシャったけど).

震電に関してはこちらの動画も参考に(軍事面というより歴史の確認という程度
の物だけれど,ニコ動なので閲覧にはアカウントが必要)
http://www.nicovideo.jp/watch/nm14394069

でも,
>機体のシステムを開発しただけあってテストパイロットより操縦が上手かったり
ってことは無いだろう.
普通こういう兵器の開発パイロットなんてのは開発した会社の身内や関係者
が務めるからテストパイロットの方の技量が高ければそちらのほうが操縦は
上手いだろう.

現代の兵器は分業化が進みアビオニクスも複雑化してきてソフトウェアや
プログラムの開発・改良など多種多様な人間が関わってくるので戦闘機の開発者
=機体設計に熟知しているという訳でもない.
戦闘機の機体制御プログラム関係にしか関わってないプログラマーが戦闘機
の操縦がプロパイロット並なんてのはほとんど無いだろう.

そういう設定を創作に出すなら時代設定をWW2位迄に下げるか,複雑な電子機器を
搭載していない兵器にするとかかな.

8832011/05/25(水) 12:48:49.89 ID:???
兵器といっても戦車や戦闘機じゃなく銃だったら
元兵士とか元特殊部隊の人とかが
退役後に自分で銃を設計してメーカー立ち上げちゃってるのは
大手にも中小マイナーにも少なくない
もちろん自分で射撃してテストもしているし
兵士だった経験と目線から理想的な物を作る


8842011/05/25(水) 12:54:48.80 ID:???
自動車の開発者がプロの資格も持ってるドライバー,という例もあるし
ユーザー・趣味人が開発側になることもある世界では
開発者が操縦もするしそこらのユーザーより上手いって事はあるだろう
その点では「一般常識」>>864としては普通にありえるし
常識的にありえないというのは語弊がありすぎる

8932011/05/25(水) 14:19:59.33 ID:???
>>892
だからさ,「設計だけする開発者ならそうなる」わけで
特に多数の人間が設計や開発に関わるような製品だと比例してその傾向が大きくなっていく訳よ

創作モノの場合はロボットにせよ戦闘機にせよ,開発者個人とか一人とかが
殆ど全部自分で手がけたってケースも少なくないけどな
だから機体特性を完全に理解している=性能を一番引き出せる,という理由付けがなされる訳


8942011/05/25(水) 14:26:01.85 ID:???
どちらかというと開発者が自分で操縦して,しかも一番上手いと言うのは
昔のレトロな冒険小説やそれの流れを汲んだ漫画・アニメに多い
でもってその源流は>>868前半なんだろうし,
軍事に無知と言うよりは「今では古くなって,もうあり得なくなったが」の世界なんじゃないの
一種の様式美や定番王道なのであって軍事的に正しい考察とかは筋違いな話ではないかと

8992011/05/25(水) 18:20:35.60 ID:???
ドイツ軍のヴァッフェントレーガー(アルデルト社型)が,メーカーの社長(工学博士)自ら7輌を率いてブランデンブルク市で戦闘に参加,全滅した例もある.

9032011/05/25(水) 22:46:55.19 ID:???
>>858
操縦してみることはあるかもしれない.
テストパイロットより操縦が上手いかどうかは個々の資質によるが,
開発のプロと操縦のプロどちらが優れているかと考えりゃいいんじゃないでしょうか.
テストパイロットって抜群の成績を取ってる人だから.
ただし開発者がベテランの戦闘機乗りだったり,神に愛されているとしか考えられないぐらいの操縦の天才とかならわからない.

一般常識的にといっても色々あって
ゲームなんかは開発者自身がテストプレイやバグ取りのためのチェックの必要上
やり込むことが少なくないので(余裕があるメーカーはアルバイトを雇うが)
ユーザーよりも,相当にやり込んだ総時間の関係上,開発者が一番上手く
大会では開発者との対戦で誰も勝てなかった,とかのエピソードもある

なので一概に「常識的にありえない」というのはどうかと…

それはまさにロボットとか操縦のプロがいない新機軸の物な訳で,世界最初の戦車とかで説明があったと思う.
FPSとかプロゲーマーがいるジャンルでは,プロゲーマーに対する開発者のアドバンテージは一週間も好きに遊ばせてたら消えてしまうと思う.(機種転換訓練に相当する期間ですね)

>>858では既存兵器(戦闘機やヘリ)が例なので,もう無理.

8742011/05/25(水) 11:57:03.72 ID:???
>>873
ところがぎっちょん,STGやアクションは開発側もプロゲーマーですんで
むしろプロゲーマーだった連中が開発に入ってきている事も結構ある

プロゲーマー向けの超高難易度マニア用無理ゲーをテストプレイできるのは,
同等以上のプロゲーマーで無いと無理なんですよ


8752011/05/25(水) 12:02:28.33 ID:???
1ドット単位で避ける発狂難易度のSTGを開発者自身がプレイしてクリアした動画を公開してから
その攻略法っつーかなんつか…を習得したゲーマーが出始めたって作品もあるらしいからなあ


8762011/05/25(水) 12:06:32.46 ID:???
でも流石に日本中にクリアできる人間が数名(開発者もその中に含む)
しか居ないというレベルの最高難易度プレイを例に持ち出すのは,例外過ぎる気もするが

8792011/05/25(水) 12:32:00.88 ID:???
そこまでマゾい仕様の機体なんて,赤かったり3倍早かったりで有名な「S様専用」だけですよ..
普通の兵隊に使わせる量産品ではとても納品できない.


8802011/05/25(水) 12:36:44.95 ID:???
まあ「ユーザーが求めている物が判る」「一ユーザーとして自分でもそれをプレイしたり動かすために作る」
ような開発者がいる業界では,そうって事だろう
主に一般というか民間の世界ではね

軍事業界では無いというか,大昔にはあったけど今は消えた>>868
というわけだし


そしてどうでもいいというか細かい揚げ足取りだが
>>878
ゲームは「現実の製品」だぞ
それは言葉の使い方を間違えている

軍事板,2011/05/25(水)
青文字:加筆改修部分

C クルト・タンクの例を追加すべし


 【追記】

9252011/05/28(土) 19:51:38.14 ID:TkrzTFNa
>>915です.IDを出さずに失礼しました.

黒野氏の著作からの孫引きになりますが,第一次世界大戦時に日本の参謀本部が欧州派兵を研究した際に,
1個師団を西部戦線に派遣して活動させるには,年間に商船30万トン分の船舶(なお,輸送中に損害が出ないという前提)が必要と試算したとのことです.
当時,日本単独でも40万トンが使用可能でしたし,英仏の協力を得れば,量的には可能だと思うのですが.

日本の参謀本部の試算は誤っているのでしょうか.

9452011/05/29(日) 20:42:50.76 ID:???
岡崎久彦によると,日本陸軍を西部戦線に派遣するのなら,戦費は全額持つ,とまで英国は言ったらしい.
また,アメリカ参戦に伴って,フランスはM1897野砲だけで1000門以上をアメリカ陸軍に提供した.
その他に,新兵器の戦車や戦闘機まで,第一次世界大戦において,英仏はアメリカ陸軍に提供している.
日本陸軍に,戦時中の英仏は物資を供給する余裕が無い,という根拠は何があるのだろう.


9462011/05/29(日) 21:44:44.03 ID:???
>>945
米国の場合は東海岸から大西洋を渡って兵力投入が出来るが日本は
その限りではないというのが理由かも知んない.
無論,日本陸軍を欧州に派遣するには海軍の手を借りてインド経由で
行くか太平洋を横断して米国を通って行くか(後はパナマ経由)しかない
んだけれどそんな長旅を陸軍が経験していないというのもあるかも.

9342011/05/29(日) 02:57:12.43 ID:???
でもイギリスが日本に一個師団でもいいから派兵してくれって
打診してたのは事実なんだよな
実際フランスはロシアに派兵要請してそれにロシアは答えてるんだし
ttp://ww1.m78.com/topix-2/russian%20expenditionary%20force.html

ちょっとぐぐってみたら派兵してくれたら戦後の発言権は強力になるとか
費用は配慮するから,とまで言ってるみたいだ


9352011/05/29(日) 09:22:53.82 ID:???
費用を配慮されても艦船の損害まで補填してはくれんだろ.
大体,「配慮」って言葉自体をどう捉えるかだよな.
全額か大半の戦費を支給しますよだけど指揮権はこちらに
頂けませんか? というのなら分かるがどれくらい資金が出る
のかというのも分からないのに基本貧乏な日本がホイホイ
兵力を出せるとは思えない.

9292011/05/29(日) 00:46:02.89 ID:???
>>925
英仏自身が大損耗してる中,いくら部隊を派遣してくれるからってほいほい装備を供与出来る余裕なんか無いと思う.

あと商船を欧州に派遣するなら護衛艦隊も当然必要になるし,艦隊を機能させる為の物資を更に輸送する事になる.
その上,海難事故や通商破壊戦で失われる損害分を加えたら40万トンでは済まないだろう.

更に言えば,これら全部を賄う予算はどこから出てくるんだ?
戦後賠償も大して得られないのに,大損してそのままだとあっという間に国家財政が破綻する.

少なくとも,国家レベルで見ればとんでもなく負担の大きい割にメリットが見い出し辛いという点は把握しておいた方がいい.
もちろん創作なんだから,面白い嘘を上手につければそれはそれであり.


9302011/05/29(日) 01:10:13.36 ID:???
忘れていたけど,WW1の時点では日露戦争の時の借金がまだ相当残っていたはずで,あんまり気前よく
戦費使ってる余裕はないと思われます.


9312011/05/29(日) 01:47:19.79 ID:???
>>930
そもそも終了したのが,1986年だよ>日露戦争の返済
ttp://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=161807

9272011/05/28(土) 20:19:59.67 ID:???
そもそも欧洲大戦真っ只中で英仏も本国の方で大量に物資を
集積していて,それを本国で消費していた状態でさ,どうやって
英仏の協力を得るってんだい?
足りない物資の一部を日本や米国が生産して送り出している
ような状況を悪化させるような補給を英仏がしてくれるのか?

さらにガリポリの戦いの時ってもうドイツの無制限潜水艦作戦
が始まっている時期だった気がするけれどガリポリ半島に
どれだけの物資を送れるかすら怪しい.
兵力が足りず英国連邦から兵士をかき集めているというのに.

9492011/05/30(月) 13:25:12.90 ID:sdHsUC0T
 英仏,特にフランスの人的資源の枯渇を考えれば兵站の面倒は見てもらえる
と思うよ.その場合,単独での軍編成は難しいだろうけど.

>>ttp://ww1.m78.com/topix/french%20army.html
>>イギリス軍も前半で常備軍が消滅し,キッチナー軍がソンムで消耗すると,最
>>強軍団はカナダ軍団となった観がある.西部戦線では1915年央までインド
>>兵,主としてグルカ兵が活躍したが気候に不慣れなため,メソポタミアに転属
>>した.

>>フランス軍の第1次大戦の事跡として1914年5ヶ月間の被害をとりあげな
>>い訳にはいかない.この5ヶ月だけでフランス軍は全期間の被害の三分の一に
>>当たる48万人に及ぶ戦死者と95万人の戦傷者を出した.

 日本兵は植民地兵よりはマシな扱いだろう.カナダやアンザック程度には見てもらえる
だろう.

9532011/05/30(月) 20:37:19.06 ID:???
シベリア出兵で費やした兵士や費用を思えば,その分を第一次世界大戦で西部戦線に
投入できなかったのか,と思うのは不自然だろうか.
何か言うと日本は西部戦線には遠すぎるといわれるが,豪州やニュージーランドでさえ,兵士が赴いている.
インドからは144万人,豪州からは41万人が赴いたというネット資料もある.
それなのに日本からは3個師団,10万人に満たない兵士すら西部戦線に派遣できないというのは,
理解に苦しむのだが.日本から西部戦線への輸送はそんなに豪州やインドと比較して物理的に難しいのだろうか.

軍事板,2011/05/
青文字:加筆改修部分


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