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 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

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※レス回収基準は「Ver.5」


■○創作関連質問&相談スレ 62○■

目次

 【質問】 マスケット銃の代わりにクロスボウ,大砲の代わりにカタパルトで,擬似テルシオ戦術,又は擬似三兵戦術を行うことは可能でしょうか?

 【質問】 クロスボウが移動しながら再装填できないのであれば,グスタフ・アドルフ式の三段撃ちでカバーできないでしょうか?
 【質問】 古代ローマでは,小型のカタパルトや車載したバリスタを,馬で引いて野戦で使用していたので,何とかなるんでは?

 【質問】 ツヴァイハンダーでは,どのようにしてパイク歩兵の陣形を崩すんでしょう?

 【質問】 古代ローマ時代に,黒色火薬の精製技術,鉄の精製・加工技術,銃器の概念を思いつくのは無理だったの?

 【質問】 陸軍を増強する必要に迫られた場合,「既存の旅団を拡大し,師団に格上げする」「旅団数を増やす」の,それぞれの長所短所は何になるでしょうか?

 【追記】 ロシア帝国には三十年式と三八式合わせて60万挺も輸出されてる.

 【追記】 三八年式実包は弱威力?

 【質問】 宇宙空間での戦争って,どんな感じになりますか?

 【質問】 戦列歩兵が廃れた理由は,ライフルと大砲の発達により,密集しなくても敵の突撃を防げる火力を得た為?

 【追記】 「優しさとか思いやりのないレス」論議

 【質問】 装甲列車が,戦力の展開や回収に使われることはあったのでしょうか?

 【質問】 宇宙空間での艦隊戦って3次元戦闘?

 【質問】 宇宙戦艦ヤマトに「戦闘班」というセクションが出てくるのですが,実際の軍艦にも,こういうセクションがあるのでしょうか?

 【質問】 とあるラノベのアニメ化作品を見てたんだが,17才の空軍伍長で,航空機移送部隊の新人パイロット.その16年後,空軍大尉で試作機のテストパイロットって経歴の場合,やはり,途中で士官学校なりの幹部養成課程修了と考えるのが普通かな?

 【質問】 自動小銃や軽機関銃等で,肉食恐竜は対処できるでしょうか?

 【追記】 ヤマトは武装なんかの装備はほとんど自動化,人数の大半はブラックタイガー隊と陸戦隊じゃないの.

 【質問】 零戦を航空機で牽引して飛行させることは可能でしょうか?

 【質問】 「第1121部隊,という言い方はするかもしれないけれど,第1121小隊,という言い方は変」なの?

 【質問】 「移動砲台」って,軍事用語としては使われているのでしょうか?

 【質問】 旧日本軍の代表的な銃器を,日本人の中学〜高校生くらいの男女が,何らかの偶然で手に入れたとしたら,使うことは可能でしょうか?

 【質問】 WW1以前の近代戦術上,歩兵が掘った塹壕とはどんなものなのでしょうか?

 【質問】 背広組という概念が,良く理解できません.


 【質問】
 古代ローマ帝国と中世ヨーロッパを混ぜたような,いわゆる剣と魔法のファンタジーのTRPGの世界観を考えています.
 そこに登場する,皇帝が治める中央集権国家が持つ常備軍の内容として,
・ランスを持ちプレートアーマーを着た重装騎兵.
・軽装騎兵.
・パイクを持ち密集する歩兵.
・クロスボウを持つ弓兵.
・野戦築城やカタパルト運用を担当する工兵.
の,5種類(+輜重)を基本にしようと考えています.
 そこで質問なのですが,マスケット銃の代わりにクロスボウ,大砲の代わりにカタパルトで,擬似的にテルシオ戦術,あるい三兵戦術を行うことは可能でしょうか?

・世界観的に火薬を使う武器は登場させたくない.
・絵的に派手な重装騎兵は捨てられない.
・職業軍人なので訓練は思う存分可能.
・魔法は存在するけど一般的ではない世界.
という条件で,できるだけ合理的に戦おうして,擬似テルシオ戦術を思いついた次第です.

 【回答】
 それするなら,普通にマスケット銃兵作って,その火薬を魔法や魔法を使った処理を施したものを使用している事にすればいいじゃない.

 巻き上げ機構付きのクロスボウというのは,再装填が簡単には出来ない.
 大威力のクロスボウっていうと,中世世界あたりならアルバレスト(西欧で普及)やウィンドラス・クロスボウ(欧州)かな?
 アルバレストの場合,装填する際には停止してクロスボウの先端にある,足掛け(足で抑えるための輪っか)に足を入れて,両方の腕の力で弓を引き絞る必要がある.
 ウィンドラス・クロスボウに至っては,板金鎧も貫通するほど十分な威力があるが,重量が8〜15kgもあるうえ,巻き上げ機構が付いているものの,立ち上がり,敵に背を向けるような格好での再装填が必要だったので,移動しながらというような,機動的な行動は取れなかったはずだ.
 どうしても殺傷力を高めた矢を発射するためには,手では容易に引けないような弓が必要で,そういった弓を引き絞る機構を付けると,再装填が困難になってしまう.
 板金鎧などを貫通できなくてもいいくらいの低威力のものなら,腕の力でも装填が出来ないこともないけれど,移動しながらというのは,いくら訓練された兵士でも難しいだろう.

 そもそも,クロスボウというのは防御兵器であって,移動を前提として組み込んだ戦術には使いにくいのよね.
 出来るかできないかで言うなら,出来無い事もないけれど,巻き上げ機構付きなどの大威力の物は,無理だろう.

 一応,史実でも質問者が考えたような,クロスボウ兵士を使った軍隊を投入した戦いがあったが,散々な目にあって敗退している.
 詳しくは「クレッシーの戦い」でググッてくれ.
 史実では2万人ものクロスボウ兵(傭兵だけど)を,フランス軍が投入している.
 威力があるけれど再装填が比較的容易で,武器自体の重量も兵士に負担が少なく,移動後も発射しやすいという点だけで見ても,マスケット銃が普及した理由に成ると思うよ.

 カタパルトは攻城兵器で機動力はほぼないし,対人にはまず使わない.
 大砲という位置づけが,ちょっと違うし.

 カタパルトで十分な威力のある物はかなり大型で,分解運搬が必要な物が多い.
 カタパルトはあくまで限定された移動火点のようなものであって,機動戦には追従できん.
 これが出来るようになるのは,騎馬砲兵とか移動可能な山砲や牽引車両が出てくるようになってからだ.
 工兵付きとはいえ,初期の鋳造大砲は,カタパルトより取り回しが容易で,威力もそれなりにあったんで,それをあえてカタパルトにする場合,テルシオ以前の戦術をとらないと,マトモな戦闘って無理なんじゃないの?
 鋳造砲が史実に登場するのは15世紀前半で,それ以前の大砲は重くて,取り回しの効かない代物だったから,戦術にしてもそれを運用する場合は,機動戦術より伝統的な攻城戦になると思う.
 利用出来る兵器によって,戦術って変化しねぇかな.

 テルシオが出来たのは,16世紀に入り青銅砲が普及し,マスケット銃兵も出てきた時代からだから,カタパルトのような,大量の人員が必要な攻城兵器を運用する軍隊には,適応しにくいと思うよ.
 護衛として槍兵必要だから,テルシオを維持するのにどんくらい兵士が必要になるんだろう.
 いくら常設軍とはいえ,中世くらいの国だと,軍事費が莫大になりそうな気がする.

 比較的少ない人員でも運用できるカタパルトとしては,バリスタ方式の物がそうだけれど,射程が短いし,そのまますぐに移動できるような物でもない.

 大量の投石器を野戦に持ち込んで,火弾で砲撃してるうちに,クロスボウを左右に展開して十字砲火.
 そして重騎兵の側面突撃で,敵の士気崩壊させて,とどめにパイク歩兵前進→制圧……なんて贅沢なことができるのは,史実以上の領土と収入を得られる,ゲーム内の話だけだ.
(そもそも情報・指揮伝達の問題が壁となる)

 そういう世界観を小説とかTRPGのネタにするなら,新紀元社から出てる『武器事典』を参考にするといいよ.

 中世レベルに,近代以降の野戦特科部隊を出現させるのは,まあロマンはあるね.
 軍事的整合性を求めるには,かなりの考察が必要で,実現が難しいのは,他の人の指摘の通りだ.

軍事板,2010/11/09(火)〜11/11(木)
青文字:加筆改修部分

 おいおい,Wikipediaの「クロスボウ」の項目に,クロスボウの欠点が全て書いてあるじゃねーか.
 TRPGのネタに使うのなら,こんくらいは調べておかないと,プレイヤーに突っ込まれんぞ.
http://ja.wikipedia.org/wiki/クロスボウ

 上で言われているウィンドラスの欠点を,如実に表した絵まで付いているぞ.
 たしかにこの絵を見る限りじゃ,野戦築城でもしていない限り,使い物にならんわな.
 射出武器として見た場合,クロスボウの射出速度は速くとも1分に1, 2発となるから,明らかにマスケット銃に劣る.

Brown Bess Musket: Three shots in 46 seconds
 Youtubeに,前装式マスケット銃を撃つ,熟練兵の動画があった.
 この動画のおっちゃんの練度は,戦列歩兵として見ればかなり高いため,46秒間に3発の射撃をしている.
 マッチ・ロック(火縄銃)式では無いし,紙薬莢を使用しているとはいえ,この射撃速度は命中率が低くなっても,当たり所の大きい重装騎兵の阻止射撃には使えそう.
 軽騎兵と違って重装騎兵の場合,馬がすぐに疲れてしまうから,突撃距離もそんなに長くないしね.

How to fire a Matchlock musket - English Heritage Event
 マッチ・ロック(火縄銃)式の動画に関してはこっち.

軍事板,2010/11/10(水)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 ありがとうございます.
 はやい.
 うーん,当方はクロスボウに夢を見すぎていたようですね.
 こうして見ると,マスケット銃は本当によくできた武器で,普及したのも理解できます.
 一応『武勲の刃』という本で,どういうものかは把握していたつもりだったんですが,再装填をなめていましたか.
 ところで移動しながら再装填できない,というのは,グスタフ・アドルフ式の三段撃ちでカバーできないでしょうか?
 前列の兵は撃ったらその場で必死に再装填を行い,その間に後ろの兵が前に出て射撃,というのは.
 それとも普通にロングボウ兵を育成して,イングランド風の軍隊にするのが妥当なんでしょうか?

 【回答】
 それらの兵士が人間ではなく,ファンタジーに出てくる巨人族(オーガでもトロールでもジャイアントでもいいけど)とかなら,そういう事出来るかもね.
 地球世界にいる,人間と同等の人類種族だとすれば,そんな芸当は恐らくクロスボウの威力と射程を削りでもしない限り,難しいんじゃね?

>三段撃ちでカバー

 それって防御向けの戦術じゃねぇの?
 貴方はTRPGで,テルシオもどきをしたいんでしょ?

 何よりクロスボウの再装填は基本,「立ったまま行う」ので,それすると後ろの兵士の射撃の邪魔にならないか?
 威力があり,そして腕の力だけでは引けないようなクロスボウは,立ったまま人間がその弓を,ぐいっと力いっぱい引いて装填するので,座ったままの装填だと,前列は移動はおろかケツを降ろして座り込んだような形になるぞ.
 伏射とかそんなレベルじゃない格好をしている事になる.

 似たような問題は,戦列歩兵が戦場の主役に成った,ナポレオンの大陸戦争の時代にも起きていて,この場合は前列がしゃがむ事で解決しているが,かなり練度の高い部隊でないと,こういった行動は取れない.

 第一,グスタフ・アドルフは17世紀の人で,戦列歩兵やマスケット銃兵が普及していた時代の人だから,その戦術を取れるのかとなると怪しい.

 クロスボウってのは,馬鹿でも引き金を引けば矢が発射されるように作っている兵器だから,動員兵や傭兵向きなので,平時から常備軍を維持出来,一定以上の練度を常に保てるほど,中世的世界観の中で「お金持ち」な国なら,ロングボウ部隊を編成するだろうね.

 マスケット銃があるなら,それを組み込みつつ編成していくだろうが,史実世界での火薬が使えないのなら,練度で対抗するしか無いだろう.

 建設的な意見として,まず貴方が述べた設定を下敷きにし,クロスボウの再装填に関する問題を解決するには,どうするかを考えてみると……

・職業軍人なので訓練は思う存分可能.
・魔法は存在するけど一般的ではない世界.

 上記設定を利用し,「魔法のアイテムで武装したお金持ちな常設軍」というの考えられる.
 魔法は一般には普及していないが,国や軍隊など一部ではなんとか利用出来るし,金と手間,時間さえかければ,ある程度の数を揃えることが出来るものとする.

 そして,クロスボウの再装填にはかなりの力が必要ということから,弓を魔法の力によって自動で引かせる事が可能な,「魔法のクロスボウ」を装備した兵士にすればいい.
 例えば単純な言葉を登録しておいて,それを兵士がクロスボウに命じた時に,弓が自動で引かれる仕組み.
 誤作動が起きないように単語を登録し,た本人で無いと効果が発動しないようにする.
(他の人間が使うためには設定解除の動作や儀式が必要)

 こうしておけば,数は多く無いが,常備軍の基幹部隊には回せるだけの「魔法のクロスボウ」は捻出できるんじゃないかな.
 中世的な軍隊なら常備軍といっても,数はたかがしれているだろうし.

 ただ,魔法が一般的ではないというのなら,通信にも使えないことになるだろうから,ますます(野戦における)軍の統制は難しくなる.
 通信機器が普及するまでの軍隊では,太鼓や銅鑼,笛,喇叭などの楽器を用いて,軍を統制していたわけだから,そこから軍の編成を考えるに,いくら練度の高い常設軍と言えど難しい.

 あと,中世世界だと,そもそも部隊の損耗率の判定とかが,近代とは異なるので注意ね.

軍事板,2010/11/09(火)
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 【質問】
 バリスタが簡単に持ち運べるようなものではないことは理解しています.
 攻城に使うときは,現地で作ったとかいう話も聞いています.
 ですが古代ローマでは,小型のカタパルトや車載したバリスタを,馬で引いて野戦で使用していたという話を耳に挟んだので,何とかなるんでは?

 【回答】
 そりゃローマ帝国だから出来る話で,中世世界の国に出来るわけがねぇ.

 そんな大規模な運用を,一国の軍隊で出来るようになるのは,もっと時代が下って,生産力と兵站に余裕が出来てからだ.
 あとは連合軍でも作っておき,各国で役割分担をしていればの話だ.
 十字軍の時はそれで運用していたし,なんとかなりもしたが,単一国家でそんな運用をしようと思ったら,ローマ帝国クラスの行政システムを持った大帝国で無ければできんぞ.
 ローマ帝国は全盛期において,中世世界の単一国よりずっと大きな軍隊と兵站を維持していたんだから.あれと中世の国家を比較したら駄目だよ.
 むしろローマ時代の方が,交通網のインフラが整理されてて,移動が楽だったくらいだ.
 ローマが衰えるにつれて,舗装道路整備維持がほったらかしになっていくんで.

 そもそもローマ帝国の時代には,大砲はなく「投石機」しか選択肢が無かった.
 だから,もし当時大砲があったなら,そちらが使われていただろうし,ローマ帝国ほどの規模の国と経済力があれば,野戦でも取り回しが効くだろう.

 王に絶対的な権限のない封建制の中世世界の国では,国家の破綻,貴族の反乱を出してしまうだろう.

軍事板,2010/11/09(火)〜11/10(水)
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 【質問】
 ツヴァイハンダーでパイク歩兵の陣形を崩すっていうのは本では読んだことあるんですけど,実際どのように攻めるんでしょう?
 パイクに正面から斬り込んでいったら,ぶっ叩かれて終わるような気がするんですが.
 そういうのをしのいで,懐に飛び込んでいける豪の者だけが使う武器,という認識でいいんでしょうか?

 【回答】
 波状で,パイクを斬り払って突撃する.
 1回目で叩かれても,2回目・3回目なら肉薄出来るだろ.
 パイクを振り下ろしちゃった直後に突撃されるんだから.

 これの対処法として,パイク兵の中にハルバード兵を混ぜるなどがある.

 まあ,他にも色々とやりようはあるけどな.
 先に弓兵で戦列を崩してから突撃させても良いし,パイク兵の側面・背面に回っても良い.
 それに合わせてパイク兵が方向転換しようとすれば,それで戦列が乱れるしな.

 準備万端の戦列に,正面から突っ込む義務なんて無いから,可能ならばそういう事をやるべきだ.

 まあ,それを阻止するために,敵も他兵科を用いて来るだろうが.

軍事板,2010/11/10(水)
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 【質問】
 古代ローマにはなかった
・黒色火薬の精製技術
・鉄の精製・加工技術
・銃器の概念
について.
 3番は分かるんだけど,1番を思いつくやつがいなかったし,2番も土台無理だったの?

 【回答】
 日本は中国の文化圏にあるから実感涌かないかもしれないが,古代の製鉄技術じゃ中国とインド・シリアの二つがオーパーツ並.
 一方,欧州は鋳造技術をものにしたのさえ,14世紀以降.
 つか古代中国は,青銅器文明が物凄い高度で,現代人でも感嘆する様な逸品が,殷周やそれ位前の遺跡からガンガン出てくるし,凄いのはそれが多種多様な文化にそって,各地で盛大に花開いてる事だな.
 思想史や玉の加工技術も凄いが,金属加工技術もまじ芸術.

 水資源にしても,中国北部・中部はともかく南部やインドは欧州に比べれば,まだ水資源はある地域だし,何より穀物の生産量が違いすぎる.
 古代・中世くらいまでは,人的資源=国力だった時代があったので,それから見ると,ローマ帝国というのは必ずしも並外れていたわけではない.
 技術的な部分,特に建設・土木に関しては進んでいたけれど,化学などの研究は東アジアの方が進んでいたしね.
 鉄器と鉄の精錬技術を発明したのもヒッタイト人(アナトリア半島に住んでいた)だし,鉄を利用し始めたと言われているのはメソポタミア(ペルシア湾の北中東辺り)の人たちだったし.

 古代インドや古代中国の人口が多いのは,イネと小麦の収穫量の加算によるものが大きいのかしら.

軍事板,2010/11/11(木)
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 【質問】
 近隣諸国の脅威に対抗し,陸軍を増強する必要に迫られた場合,
甲案=既存の旅団を拡大し師団に格上げする.
乙案=旅団数を増やす.

 甲・乙,共に増強分の人員機材の総和が同じである場合,それぞれの長所短所は何になるでしょうか?

 例えば中国地方担当の陸自13旅団.
甲案だと,これを新生13師団として復活させる.担当区域は同じ.
乙案だと,中国地方の担当区域を二分し,片方を13旅団に,もう片方は新設第16旅団(仮称)担当区域にするとか.

 分かりやすく陸自を例にとりますが,別にどの国の陸軍でもかまいません.

 【回答】
 どっちにしても,将校(幹部)や下士官といった「職業軍人」は,それも実戦部隊の指揮を取れるような人材は,急に増やせないから,部隊数をいきなり倍に・・・とか部隊の規模を拡大して・・・というのは,大きな困難がつきまとう.
 兵隊も,今の日本みたいに,「働きたくても働き口のない人が溢れてる」ならともかく,たとえ徴兵制があっても ,いきなりは増やせない.
 当然,予算の問題もあるし.

 で,君の質問内容のみに限って答えるなら,
>甲・乙共に増強分の人員機材の総和が同じである
のであれば,
>甲案=既存の旅団を拡大し師団に格上げする.

 拡大する分の人員機材を何処から?

>乙案=旅団数を増やす.

 編成内の部隊の数が半分になった旅団が,2つあるだけになるんだから,どっちも戦力の「増強」には全くなってない.
 特に後者は,「増やした旅団司令部の要員の分人件費が嵩んだ」だけにしかならない.

 つうか,根本的に旅団/師団ってのは用兵思想に基づくので,究極的には,そのエリアに置く最小戦術単位に,どんな役割を求めるか,という一点に集約される.
 多少重苦しくても,重厚な編成をしたいなら師団,
 少なくても軽快に動かしたいなら,旅団を配置するわけ.
 だからアメリカ海兵隊みたいに,大隊が最小戦術単位という場合もある.

軍事板,2010/11/17(水)〜11/18(木)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

2642010/11/19(金) 20:59:29 ID:???
ロシア帝国には三十年式と三八式合わせて60万挺も輸出されてる.

2662010/11/19(金) 21:11:03 ID:???
1914年までにロシアは600,000挺の6.5x50mm弾使用ライフルを受け取っていたが,その大半は30年式歩兵銃だった.
また,35,000挺の7x57mm弾を用いるメキシコ輸出仕様の38式歩兵銃も,メキシコ革命のために受け取られずロシアに流れている.
それに加えて,150,000挺の30年式/38式ライフルが1914年までに英国へ輸出されているが,そのうち128,000挺はロシアへ輸出された.
そんなわけで,ロシアには少なくとも763,000挺の日本製小銃があったことになる.

2812010/11/20(土) 16:25:44 ID:???
それと,詳細がよくわからない情報ではあるが,7.92x57mmマウザー仕様の三十年式歩兵銃と三十五年式海軍銃が,
スペイン内戦の最中にソ連から共和国派へ供与されている.これなら威力も弾の入手性も申し分ないはずだ.
この銃は現物が残っているので実在は間違いないものの,具体的にいつロシアへ輸出されたのかは判らない.
口径からして清〜中華民国が絡んでくるのは間違いないが,そうしたらWW1には間っていない可能性もあるな.

軍事板,2010/
青文字:加筆改修部分


 【追記】

2792010/11/20(土) 13:54:05 ID:???
>>276
三八年式実包 - Wikipedia
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%85%AB%E5%B9%B4%E5%BC%8F%E5%AE%9F%E5%8C%85
三八式歩兵銃 - Wikipedia
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%85%AB%E5%BC%8F%E6%AD%A9%E5%85%B5%E9%8A%83

ソースがアレだが,弱威力というのも当時のライフル弾に比べればという程度で,実用には充分.
小口径弾だと反動が少ないので扱いやすく,こちらの方が狙撃に向いているという考え方も出来る.
あと弾が軽いという事は携行弾薬の総重量も減る事になるので,その意味でも女性が使う得物として悪くないと思う.

取り回しの問題も,やはり当時のボルトアクションライフルはどれも全長1200mm前後,重量4kg弱で
特に三八式が悪いというわけでもない.


2802010/11/20(土) 15:19:21 ID:???
6.5mm弾は機関銃用としては,射程や徹甲弾による貫通力,対空戦闘力が不足していたもので,小銃用としては威力不足が問題だったわけではない.
三八式をベースにした九七式狙撃銃もあるわけだし.

軍事板,2010/
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 宇宙空間での戦争ってどんな感じになりますか?
 軌道上戦闘だと,自転方向が帆船における風向きくらい,重要になったりしそうなんですが.
 それとも,軌道上ってことはイコール自由落下状態なんだから,向きは一切関係ない

 【回答】
 いや,衛星とかは概ね自転方向と同じ向きで回ってる.
 打ち上げの時に,そっちの方が遠心力を得られるから.
 そこから逆向きに推進すると,相対的には速度を落として遠心力を弱める事になるから,落下速度が速くなる.
 軌道上で南北に下手に動いたら,今度は衛星の公転半径と釣り合う公転軌道が乖離するから,外宇宙に衛星がすっ飛んで行く恐れがある.
 自転方向に向けて加速し過ぎても同じ.

まあ,最初っから自転方向と反対側に飛ばして,遠心力で釣り合うだけの速度で飛ばせば,落下したりはしないんだが,それだと他の衛星を捉えるのに苦労するかもしれん.
 お互いに相対方向から向き合って,凄い速度ですれ違った後,一気に離れて,次に出会うのはもう半周した後だ.
 この繰り返しを,クソ広い宇宙空間でやるハメになる.

 まともな攻撃なんぞ不可能だよ.

 少なくとも軌道変更や減速すら燃料を必要とする環境だから,燃料の心配自体がいらないか,人間が乗っていないうえ,同じく燃料の心配が無い状況でないと,戦闘にすらならない.

 まあ,せいぜい,飛んでいる航宙船を迎撃するために,場所が地球やその他の惑星や衛星の軌道上であれば,爆発後無数の破片になって,(秒速数十キロの)襲いかかるような機動爆雷みたいな無人兵器と,無人航宙船による爆破合戦みたいな戦闘になるんじゃないか?

 これが軌道上だけで無く,自由に行動できる航宙船同士となると,もうまともな物理学の範疇の問題では無くなるだろう.
 少なくとも慣性制御とかの,「超テクノロジー」でも出ないことには無理.
 速度的な問題と技術的な問題があるとはいえ,火星近傍の小惑星に行って帰るのも大変なのに,これに加えて戦争までしないといけない場合,どれくらいの技術が必要になると思う?
http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~fukue/POPULAR/98sf/callisto/callisto.htm

軍事板,2010/11/22(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦列歩兵が廃れた理由は,ライフルと大砲の発達により,密集しなくても敵の突撃を防げる火力を得た為

 【回答】
 戦列歩兵に限らず,歩兵が攻撃兵科として廃れたのは,銃の問題ではありません.
 障害物+投射兵科戦術が普及したためです.
 投射兵科は銃である必要はありません.
 障害物は重装甲長槍兵で代用することもできます.
 投射兵科は相手が重装甲で,殺傷できなくても価値を失いません.
 相手の突撃衝力さえ奪えれば,なんの問題もないのです.
 威力にこだわると,色々なものを見失いますよ.

 障害物の所で軽くふれましたが,歩兵は攻撃兵科として期待されなくなったというだけで,銃が普及する前後でも,軍の屋台骨を支える主力兵科としての役割を果たしています.
 てっぽうでうたれると歩兵は死んじゃうからイラネ,とか,すごい装甲で弾跳ね返せるから歩兵超強い,とかにはなりません.

軍事板,2010/11/26(金)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

3852010/11/27(土) 10:44:21 ID:???
>>384
いやいやいやwwww
だからー,あんたらのそういう理屈は分ってるんですよー,ほんとに.

でもね,要するに,
そういう優しさとか思いやりのないレスをするのをやめましょう,
あんたらの狭量な考えを押し付けるだけの自己満足,センズリ行為をやめたらどう?

ってお話なんですけど.わかりますかぁ?




3862010/11/27(土) 10:49:30 ID:???
軍ヲタに知識披露以上の物を期待すんなって
連中と数ヶ月も付き合えばわかると思うがね


3872010/11/27(土) 10:55:56 ID:???
>>385
そういう事なら2ちゃんねるに来ない方がというか
2ちゃんねるの質問スレで質問を書き込むのが間違っている

基本的にラフでざっくばらんな物言いをする事が多い文化だからな
匿名で顔が見えないし,そもそもどこの誰とも知らない他人だから
言い方がきつくて相手を傷つけるかもとか,全く考慮されない
例え,相手を思いやった言い回しをするにしても
幼稚園や保育園の先生が幼児に諭すような言葉遣いで言われる事は無い
(むしろそんな言い方をネット上でやったら,逆に馬鹿にしてんのか?と言われるのがオチ)

少なくとも乱暴な言葉遣いの裏に優しさが隠れ見えてる事もあるって事を許容できない人には
まったく2ちゃんねるという場所に対する適性や耐性は無く,苦痛なだけなんだから
場所を自分の標準に要求するんじゃなく,自分が自分に合う別の場所を探しにいった方が賢明


というかここはネット初心者のための質問スレじゃないんですけど,
なんでこんな解説しなきゃならんのだ? 馬鹿だろお前

3902010/11/27(土) 11:03:07 ID:???
なんつーか,2ちゃんねるの全板全スレが排他的とは言わないけど
2ちゃんねるは一つの板を何万〜何十万人が接続し,一つのレスを何百〜何千人が閲覧し,
その中には優しくされる事もあれば厳しく突っぱねられる事もあるし
煽られからかわれまくる事もある,それこそ善人悪人馬鹿にお人好し色んな人がレスをつけるわけで
それに対してイチイチ怒ったり気を悪くしてたら神経が持たないっての

何か酷い事言われても笑って受け流せる人だけが生き残れる,そんな場所です


3912010/11/27(土) 11:07:53 ID:???
特に軍板は無知な素人が聞きかじり知識で考えた「各国が採用したら凄い進歩になるだろう名案(笑)」を
主張して思いっきり馬鹿にされるってことが,毎日どこかのスレで起きているからな

馬鹿すぎる質問者や主張者は真面目に対応するに値しない,適当な玩具にしかなりません



3922010/11/27(土) 11:10:43 ID:???
むしろ軍板の有名コテハン勢なんかは丁寧語使ってほんとうに容赦なくボロクソに相手の間違いを追い詰めるから
そっちの方が悪質で相手の傷が大きいよな
一般名無しの方が追い詰めすぎないからまだ優しい

3952010/11/27(土) 11:57:18 ID:???
傷つけまいと適当なこと言ってごまかすか
罵倒混じりに相手の間違いを遠慮無く指摘するか
どっちが思いやりあるかっつたら俺は後者だと思うな
匿名なんだからただの中傷はほっといていいわけだし

そんなに罵倒されたくないならSNS行けとしか

4002010/11/27(土) 14:58:03 ID:???
そりゃリアルでも,作品の持ち込みに行って編集者に対し「こんな設定でこんな展開なんですが,どうでしょうか」と
聞くならまだしも,何も考えず「どんな話を書けばいいんでしょうか」と聞きに行ったら「帰れ」だわな.

軍事板,2010/
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 装甲列車,戦力の展開や回収に使われることはあったのでしょうか?

 【回答】
 ありました.

 装甲列車とは,脅威の想定される地域で,鉄道車両に対し,装甲や武装などなんらかの対抗手段を付与し,生存性上昇を狙ったものです.
 よく創作作品に出てくる,「レールの上の戦車」状の重装備重装甲ものは,主に鉄道警備用やレジスタンス駆逐用として実在しましたが,それが装甲列車の全てではありません.
 例えば機関車のみを簡易に装甲化し,一般の貨車を引いただけの車両も,装甲列車の一種ですし,むしろこの様な形態のものが主流です.
 もう少し凝ったものになると,機関車の前方にトラップ対策の平台車を1-2両つけたり,戦車やその砲塔を搭載して,自衛用の装飾兼火力にしたりと工夫が見えます.
 これらは主にドイツで盛んでした.

軍事板,2010/11/27(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ところで宇宙空間での艦隊戦って3次元戦闘じゃない?

 どんな陣形がアリなんだろうか?
 既存の二次元的な包囲だと,片翼包囲ぐらいの威力にしかならなそうだし,砲兵に当たる艦種をどこに置くか……
 普通に後ろに置いても,宇宙空間での戦闘なら間隔が広いから,割と平気か?

 どう思う?

 【回答】
 宇宙空間で陣形戦やることの妥当性については,ぶっちゃけ交戦距離(および構成される戦線の広さ)にもよる.
 銀英伝では光秒単位,身近な例えだと,地球と太陽くらい離れた距離で撃ち合いしてるから,一隻対一隻ではお互い避けまくりで,何時まで経っても相手に命中すら出来ない.
 接近すれば別かもしれないが,それではそもそも1億5000万kmぐらい離れた目標に攻撃できる,過大な射程は不必要.
 ていうか,あんまり近づくと地球上のドッグファイト状態.
 戦闘機でもパイロットが時々失神しかねない数倍のG過負荷があるんだから,宇宙空間で戦闘するような艦艇兵器では,船体と中の人間がGで損壊したり死んだり酷い事になる.
 結局,むちゃな回避運動したり,回避運動のために推進剤を使いすぎないよう,余裕を持って避けられる猶予時間のある交戦距離をお互いとり,それが定石として落ち着く事になる.

 なので数千数万隻規模で密集して,火力と射線の密度を増し,相手がどこに回避運動をとっても当てる事が出来る様,命中率を高くしている,という考察がなされている.
 兵器の威力や性能は進化した,はるかな未来世界だが,戦場は戦列歩兵の時代に退化…というか,戦場の作り出す状況が,ちょうど旧時代に似た感じになってるから,同じ結論に達したという訳だ.

 とりあえず三次元戦闘で,二次元戦闘的な陣形を再現しようとするなら,例えば半包囲戦法である鶴翼の陣形なんかは,左右の翼だけでなく,上下もふくめた360度に包囲を広げる事になるから,凹面レンズのような立体形状を形成する事になるだろう.
 ただし,それは半包囲が敵に阻害されず完成したときには,の話であり,実際に三次元戦闘での陣形戦において,そのような半包囲戦法が成立するのかどうかはまた別だが.

 ちなみに他の陣形の場合,方陣は正方形6面体の立体を形成する事になるのか,球形を形成する事になるのか,どっちが効果的なのかは微妙というか,実際にやってみない事にはわからん.
 射線,火力密度では6面体の方が高いような,全方位に均等に火力を投射できるという点では,球形の方が良いような…

 紡錘陣形は突撃に向いているというが,三次元立体陣形でもそうなるのかどうかは,やっぱり微妙だ.
 縦深の厚さだったら,長方形立方体でも充分じゃね?とは思うし.

 とりあえずHOMEWORLDっていう海外ゲームがあって,公式サイトから体験版がDLできるから,それをプレイしてみて,宇宙空間での三次元戦闘がどうなるのか参考・考察に使ってみたら?

軍事板,2010/11/29(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 宇宙戦艦ヤマトに「戦闘班」というセクションが出てくるのですが,実際の軍艦にも,こういうセクションがあるのでしょうか?

 【回答】
 ない.
 旧軍だと分隊単位で編成されていた.
 例えば第1分隊が砲術,第2分隊は水雷……だとか.
 戦艦のように大きな艦だと,編成が細かくなって,主砲だけで何分隊も振り分けられる.
 海自では航海科や機関科のように,専門ごとに分けられる.
 この中に戦闘科や戦闘班という名称はない.

 史実海軍の「砲術科」にあたる部署を,ヤマトの世界では「戦闘班」というらしい.
 「水雷科」も「戦闘班」に含めているのかもしれない.
 史実海軍の「主計科」が「生活班」と呼ばれているように,全般的に視聴者に分かりやすい言葉に置き換えたのだろう.

軍事板,2010/12/02(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 とあるラノベのアニメ化作品を見てたんだが,17才の空軍伍長で,航空機移送部隊の新人パイロット.その16年後,空軍大尉で試作機のテストパイロットって経歴の場合,やはり,途中で士官学校なりの幹部養成課程修了と考えるのが普通かな?

 【回答】
 『アリソン』シリーズか.
 幹部養成コースやっているだろうね,いくら隠れた英雄であっても.

 これが戦時になると,短期間の略式 は,場合によってはモノスゴイ略式のこともあったっぽい.
 BoBやマルタのRAFだと,隊長の推薦が認められると,原隊にいるままで士官任官していたりする.
 推薦を断ったビューリングのような者もあるところからしても,相当にいい加減だった模様.
 事務手続きに時間がかかる場合,「当座は下士官扱いだが,不時着や被撃墜で捕虜になった瞬間から士官」という立場もあった.
 具体的な講義内容や時間は,なかなか見つけられないでいるが,着陸した飛行機が止まったままなので,中を見たら寝込んでたとか,みんな下痢して痩せていくばかりといった状況では,
「今後は士官としての自覚を持って軍務に邁進するように.以上」
だけ,ってこともあったと思われる.

軍事板,2010/12/03(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 歩兵が徒歩で持ち運べる軽火器(自動小銃や軽機関銃等)で,肉食恐竜は本当に対処できるのでしょうか?
 最近読んだ超空自衛隊やネット情報を元に,第二次世界大戦中のニューギニアを舞台にして,忽然と現れたティラノサウルスらしき肉食恐竜を相手にして,日米の偵察班(それぞれ分隊規模)が,やむを得ず共闘して,苦闘の末に倒す話を書いたら,周囲から
「軍用ライフル一撃で,肉食恐竜は充分に倒せる.
 ネット情報や小説をうのみにするな」
と,半分罵倒されてしまいました.
「三八式歩兵銃では,熊でも威力不足とされている」
と反論したら
「急所を落ち着いて狙えば済む話.
 日本陸軍の弱装弾のせい」
と等々と一蹴されました.

 本当のところ,軍用ライフルの1弾で,ティラノサウルス級の肉食恐竜でも急所を狙えば,充分に倒せて済む話なのでしょうか?

 【回答】
 肉食の恐竜って言ってもピンキリで,ちっこいのは体長1〜2メートルやそれ以下の種類もあったんだが,とりあえずTレックス並の大きさと考えると…….
 重機関銃や無反動砲,あるいは対物ライフルなどで,当り所が良ければの話になるだろうね.
 これは強度的な問題ではなく,単純に身体が大きいからで,対人用火器というのは,人体を効率良く壊す程度の体内空洞に,余裕としてのプラスアルファ程度しか造れないよう設計されてる.
 なぜって,そうしないと重量と容積を食いすぎるから.

 三八式歩兵銃?
 無理無理.

 現在,熊猟に用いる強力なスラッグ弾の発射時のエネルギーが約4000ジュール(J).
 ただし,ショットガンはエネルギーの減衰も大きく,50mも離れると威力は半減する.
 また,熊撃ちのバックアップ用に使う.44マグナム弾のエネルギーは約1500J.
 こちらは拳銃用なので,確実に当てるつもりなら25m以内で使うべき代物.

 対して,38式歩兵銃で使う6.5mm×50弾のエネルギーは約2600J.
 AK47用の7.62mm×39弾は約2000J,M16A2用の5.56mm×45弾も約2100Jなので,38式は決して弱い銃ではない.
 一発の威力なら,同時期のM1カービンよりよほど強力なくらいだ.
 また,ライフルは距離による威力の減衰が少ないので,遠距離ならショットガンより強いといえる.

 翻って質問の件だが,ティラノサウルス級となると,小銃弾で骨は貫通できないだろうと思う.
 そして,狙いづらい目や腹部に当てても,一発で倒す,とまではいかないと考えられる.
 ただ,何発も撃たれていれば,恐竜といえど怯んで逃げるだろうが.

 『ベア・アタックス』(上・下) 法政大学出版局 がよい参考になると思う.
 また,稲見一良のエッセイ(たしか「ガンロッカーのある書斎」)に,ゾウやサイなどの厚皮動物を撃つ際に,弾の前後を入れ替える話があった.
 ソフトノーズだと深くまで到達しないから.
 密猟者のAKによるゾウの密猟や,人への加害ゾウを軍がM-16で駆除する場合は,相当な弾数を要することが多い.
 一弾で倒すことを――但し,適切な距離で,人間から仕掛けて,急所に当たった場合に限る――企図した弾種となる.470マグ,.600マグになり,機関銃弾に近くなる.
 兵隊さんでは急所をねらえない,突進してくるゾウやティラノサウルスを確実に倒すには,三脚に据えた機関銃や火炎放射器が欲しいだろう.
 むろん,古生物学の知識あるいは現物死体の解体経験があり,落ち着いて,適切な距離から,急所を撃つのなら,三八式どころか百式,いや,屠畜時のようなゼロ距離なら九四式だって足りるだろうが.

 ちなみに,たがみよしひさの『化石の記憶』という作品だったかな.
 どこぞの傭兵じみたおっさんとか,警官のグループが白亜紀にタイムスリップして,恐竜とたたかうというのがあったが,とりあえずよんでみるといいかも.
 醤油がほしくなるけどな.

軍事板,2010/12/10(金)〜12/11(土)
青文字:加筆改修部分



 【反論】
 5.56mmNATOじゃあるまいし,38式のタマなら一発で馬は倒れるぞ.
 機関銃採用前の最後の世代の小銃弾なんで,突撃してくる騎兵を一発で食い止める能力が要る.
 おかげでアメリカじゃ,鹿狩り用に愛好者が多かったりする.
 6.5mm弾に不足してるのは,対空・対装甲の威力.
 重機関銃弾としては射程と威力で,他国の7.62mm以上のものに負けること.
 小銃用としては大口径の弾より傷が浅くなるものの,命中率や発砲時の発光や煙が少ない,反動が小さいという利点が多かった.
 まず事実として,ティラノサウルスの頭骨を画像検索してもらえれば判ると思うが,側頭部(人間で言うこめかみ)に,眼窩とは別にでかい穴が空いてて,皮膚一枚隔てて脳と外部が隣り合ってる.
 ここに弾を撃ちこめば,狩猟用ライフル銃でも一撃で倒せる筈だ…と,昔読んだ恐竜SFに書いてあった.
 本当に皮膚一枚だから,三八式のタマでもなんとかなると思う.

 そんな恐竜知識の持ち主がいなくて,正面から相手にすれば,普通に苦労するんじゃないの.
 目だ,目を狙え!ってのは誰でも思いつくだろう(思いつかせたよな?)けど,そんな弱点があるとは普通思いつかんだろうから.
 ただ,日本人の常識として,こめかみ撃ったら効くんじゃね?って,周りこんで軽機でも一連射すれば,かなり高い確率で倒れると思うが,その辺の匙加減は創作の範囲だろう.

 あと,日本軍の場合,擲弾筒を直接照準射撃する手があるし,1943年以降の米軍ならバズーカ持ってる可能性が高い.
 この辺は流石に効くと思うぜ.

 【再反論】
 あれ,側頭窓つって,顎の筋肉を通す穴なんだけど.
 「皮膚一枚隔てて,脳と外部が隣り合ってる」
とか,どっから仕入れた出鱈目だ?
 ティラノサウルスの大きな側頭窓は,強靭な筋肉の存在を示してるんだけどな.
 あと,爬虫類ならではの頑丈な皮膚と,脳を覆う硬膜の存在も忘れずに.
 んでもって野生動物は,脳幹でもやられないかぎり,頭撃たれて即死はしないよ.

 また,
急所を落ち着いて狙えば済む話
と,
簡単に言うが,これが非常に難しい.
一発必中がどんな兵士にも可能なら,そもそも機関銃や突撃銃は不要という事になる.
 しかしそうならなかったのは,歴史が示している通り.

 更に言えば,只の歩兵が戦車やヘリを相手にするのは,物理的な意味でも心理的な意味でも大変.
 ましてや,未知の生物である巨大な恐竜を前にして,冷静沈着に急所を衝けるような人間が,滅多にいないと考えても不自然じゃない.

軍事板,2010/12/10(金)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

5912010/12/09(木) 12:50:27 ID:???
ヤマトは武装なんかの装備はほとんど自動化,人数の大半は
ブラックタイガー隊と陸戦隊じゃないの.
ブラックタイガーって60機ぐらい搭載してるんだよな.
陸戦隊もどう見ても30人ぐらいはいるな.ヤマトって110人ぐらいしか
乗ってないはずなんだが・・・.

というわりにはちゃんと主砲塔に人員いたりするし.機関科は波動エンジンが
火吹くとぞろぞろ消火係りが出てくるんだが・・・.

6132010/12/11(土) 14:39:38 ID:???
>>591
そりゃ,あれだ,ほら,「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」のあれと一緒だよ
“死者の道”と呼ばれる場所から,亡霊をたくさんつれてきてんだよ

軍事板,2010/
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 零戦を航空機で牽引して飛行させることは可能でしょうか?
 無人ではなく操縦士が乗り込み,必要な姿勢制御は行う設定です.
 可能な場合,およそどれほどの規模のパワーであれば妥当でしょうか?

 【回答】
 牽引が零戦じゃ,いくら何でも無理だろ.
 スバル360でスバル360を引っ張って,箱根の峠越えしろと言うようなもんだ.
 とはいえ,仮に大型双発機で牽引して離陸できたとしても,牽引したままの着陸がまず無理.

 また,零戦自体が牽引されるように設計されて無い.
 グライダーは牽引されるし,自動車にしても緊急時は牽引で運べるように,何かしら設計段階で工夫できるが,零戦は牽引される可能性はまず無い.
 牽引するとしたら,かなりの改造を必要とするだろう.
 とりあえずペラは外す.
 ハミルトンの旧式だよね,フルフェザーできない筈.
 燃料,滑柚はミニマム.
 武装その他も降ろす.
 2機で引っ張るわけにはいかんから,何か1機で.
 牽引役も零戦で足りるかね?
 こっちも軽量化して.

 とりあえず,最低限飛行可能な自重×2と,過荷重の最大離陸重量を比べてみてはどうか.

 零戦の空虚重量は2トン前後.
 空気抵抗とか揚抗比とか,みんな無視して,史実で同クラスの機体が曳航された例を探すと,ドイツの輸送グライダー,DFS230の最大離陸重量がほぼ一致する
 で,こいつが何に曳航されていたのかを調べると,Ju 52が一般的で,He111やBf110なんかもたまに使われたらしい

 じゃあ一式陸攻のスペックと比較してみるとどうなるかっていうと,比較的機体規模が近いHe111あたりだとエンジンの馬力,速度輸送力がほぼ互角.
 数字だけ見た限りでは,零戦プラス一式陸攻の組み合わせでも,なんとか曳航は出来そうだな.

 とはいえ,最初から曳航されることを前提としているグライダーと,零戦じゃ条件が違いすぎるから,単純に連結する以外に,読者を納得させるギミックは不可欠だろうね

 そもそも,なんのために牽引しなきゃいかんのかがわからんと,これ以上ネタ絞り出しようがないぞ.
 通常は自力飛行が無理なら,一部分解して牛車に乗せて,船舶か列車のところまで運ぶものなので,それすらできないならあきらめる,そこが前線なら可能な限り破壊して放棄するだけのことだ.

 軍用機を1機を救うために,牽引役ふくめて2機,下手したらパイロットに2名以上を危険に晒すような,冒険じみた真似は絶対にしないよ.

軍事板,2010/12/16(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 「ソラノオト」というアニメがあって,そのなかで主人公は「第1121小隊」というところの所属,ということになっているのですが(多分戦車部隊),知り合いのミリオタの人に言わせると,
「第1121部隊,という言い方はするかもしれないけれど,第1121小隊,という言い方は変だ」
なのだそうなのですが,そうなのでしょうか?

 【回答】
 まあ,編成のやり方にもよるんじゃないかな.

 中隊ごとに隊の番号を分けてるのか,分けずに通し番号にしてるのか.

 「第?中隊の?番目の小隊」って意味で第?中隊所属第?小隊ってのもあるし,「軍隊創設時から通しで?番目に創設された小隊だから第?小隊.第?小隊は第?中隊に所属させます」って場合もある.

 前者なら,1個中隊に所属する小隊は,4個辺りが限度だから,間違っても四桁にはならない.

 後者ならその小隊が,1121番目に創設されたってだけだから,有り得ない訳ではない.

 第2次大戦時の米陸軍日系部隊の「第100大隊」の場合,設立当時に所属する連隊も師団も無い独立大隊だったので,特殊なナンバー(後に第422連隊第1大隊として編入後も,名前変わらず)だった.
現実には小隊単位(しかも人数は分隊以下)での独立部隊ってのは無いと思うが,架空世界でそういった編成ならばありなのだろう.

軍事板,2010/12/20(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 よくロボットアニメ,ゲームなどで,「移動砲台」と称されるものがありますが,これって軍事用語としては使われているのでしょうか?
 また,使われているとして,実際の内容はどのようなものでしょうか?

 【回答】
 要塞陣地に固定された砲台はあるが,自在に移動できる,またはレールなどに載せて位置を変えられる「砲台」は実在しない.
 「砲台」ってのは,陣地に固定された砲座(さらに旧日本軍の場合,沿岸防衛用を指す)のことなんで,「移動砲台」という用語には矛盾がある.
 現実では移動できるのは,「砲台」じゃなくて普通の「砲」だしね.

 移動砲台ってのは確か,ゲーム用語というか,STGやSLGやアクションゲームで出てくる敵・味方ユニットの名称だったはず.
(移動砲座とも言う)

 とりあえず,砲台という言葉にも移動という言葉にも矛盾せず合致する形式のは,
「砲台が固定されている台座が,さらにレールの上に乗せられて走り移動し,設置位置を変える(レールが走ってる場所以外移動不可能)」
あるいは,
「台座に脚部が備わっており,目的地に移動すると脚部を折りたたんでその場に固定される,あるいは立ったまま陣取る」
「宇宙空間で自力推進する能力を持った,砲を固定した台座で,移動後に隕石などに設置固定される(以後,移動不可)」
ってものが記憶にあるな.
 どのゲームだか忘れたが.

 あと,移動砲台というより陸上戦艦なんじゃないのか?っていうのでは,
「巨大なトレイに複数の砲台が固定されており,トレイそのものは,これまた巨大なキャタピラで移動可能」
というのが…

軍事板,2010/12/21(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 三八式歩兵銃や十四年式拳銃など,旧日本軍の代表的な銃器を,日本人の中学〜高校生くらいの男女が,何らかの偶然で手に入れたとしたら,無事に使う(発砲する)ことは可能なのでしょうか?
 銃そのものがキチンと整備されていたとしても,安全装置が外せないとか,撃ち方によっては反動で肩がおかしくなるとか,ありそうな気がするのですが・・

 【回答】
 使いかたが解らないものが使えるか?って質問なら,「使えないでしょう」としか.

 試行錯誤と練習する時間があるなら,撃つだけなら撃てるだろう.
 精密機械みたいに複雑な動作が求められるわけじゃないし.
 偶然手に入るなら,実包が込めてない状態からだろうから,まず弾込めで時間食うだろう.
 けど,まあ,銃の概念について多少の知識があれば,それは不可能ではない.
 三八式や十四年式だったら,救急車レベルで肩を壊す,ってこともまずないだろう.

 いきなり渡されて2秒で撃て,なんて状況なら絶対に無理だろう.
 初めて見るレベルだとまず使えない.

 うろ覚えなんで鵜呑みにはしないでほしいが,素人に何の説明もせずに銃を渡して,手探りで操作法を見つけ出して撃てるようになるまでが,15分くらいだったかと.
 何かの緊急時にいきなり見つけても,間に合わない.
 平時に物置かどこかで見つけていて,事前にがちゃがちゃいじっていたら撃てるかもしれない,という程度のこと.
 爺さん(曾祖父さん)世代が戦中現役世代で,従軍経験があって三八式歩兵銃について詳しい知識を得ていたとしても,初めて現物を見ても使えるとは思えない.

 もちろん,発砲できると当たるは全然別の話な.
 まともに目標に当てるためには一定の訓練が必要だし,至近距離だったとしても,初めて撃つ小銃の音・反動などに戸惑いをうけて,外す可能性が高い.
 至近距離で人間相手に打撃を与えるなら,銃剣を装着してそれで刺す方が,訓練していない人でもリーチが長く使えるし,手の延長という形で扱える.
 訓練された軍人や警官でも無い限り,銃剣を装着した小銃を突きつけられて,怯まない相手は少ない.

 あと,分解整備ができないだろうから長期的に使い続けるのも難しそうなんで,そのへんからめるとそれだけでひとつのお話にはなるね.

 というか,時間経ってるならまず弾薬が駄目かもよ.
 銃専門誌の射撃レポートの記事を読むと,大戦中に作られた欧米製の弾薬は,きちんと保存されていれば発砲可能な物が多いが,日本製は不発が多い.

軍事板,2010/12/22(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ワーテルローの戦い前後の科学技術(18世紀くらい)を持った,架空世界を舞台にした小説を構想しています.
 魔法などの非現実的な力は存在していません.

 史実とほぼ同様に,戦列歩兵が活躍する戦場に,塹壕戦・戦術を登場させた軍人を,主人公として出したいと考えているのですが,私が持っている塹壕戦の知識とイメージがWW1の物でしかなく,それ以前の野戦築城以外での塹壕の形というのが,具体的には分からないのですが,どのような資料をあたるべきなのでしょうか?
 また,WW1以前の近代戦術上,歩兵が掘った塹壕とはどんなものなのでしょうか?
 塹壕自体は後装式マスケットでも使い物になるのでしょうか?

 【回答】
 とりあえずWikipediaから.
塹壕 - Wikipedia

 大規模な塹壕戦は南北戦争あたり.
 映画「続・夕陽のガンマン」劇中(TV放映時にはカットされた),橋を巡る攻防のシーンでも,本格的な塹壕陣地あったな.
 マカロニ・ウェスタンなんで,考証的にいいのかどうかわからんけど.

 それ以降〜WW1以前だと,日露戦争など.
 野戦築城以外の塹壕の使い方では,攻城戦の時の対壕などが代表的.

 たぶん,
http://regimentalrogue.tripod.com/duffersdrift/Duffers_Drift.htm
が参考になる.
 これはボーア戦争だから,19世紀末から20世紀頭だけども.

 ちなみに塹壕という名前ではないが,空堀に兵を伏せて,敵が近づくと下から槍を突き上げるとか,通過した敵の後方を襲うというのは,三国志とかにも出てくる戦法だよね.
 鉄道などの陸路輸送網の発達がなければ,本格的な塹壕は無いだろうし,この質問者の言うようなナポレオン戦争前後での,遮蔽向けの限定的使い方な塹壕は,現場の工兵が掘るか歩兵が用意する程度だろうしなぁ.

 あと,近世の野戦築城レベルだと,強固な陣地を作れば作るほど,出入りが難しくなって,いざという時の白兵突撃には不便になるんじゃないだろうか.
 更に言えば,基本的にまとめて動かすしかない戦列歩兵を,塹壕に篭らせると指揮統制が難しくなる.

 この辺を合わせて考えると,塹壕戦を主張する主人公は相当の変人,又は臆病者扱いされてもおかしくない.
 創作だから,歴史的経過が全部同じというわけでも無いだろうが,その世界でも,時間を掛けて作られた筈の固定観念を,主人公がどう崩すのかが,重要なポイントになるような気もする.

 火器普及後〜ナポレオン以前の戦闘について手に入りやすい,読みやすいのは,「戦闘技術の歴史 3 近世編」かな.

 ついでに,ナポレオン時代の戦闘全般なら,チャンドラーの「ナポレオン戦争」が良書.
 また,当時の雰囲気を知りたいなら,小説だがコーンウェルの「炎の英雄シャープ」や,ドイルの「勇将ジェラール」がお薦め.

軍事板,2010/12/26(日)〜12/28(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 背広組という概念が,良く理解できません.
 自衛隊的な訓練は積んでおらず,官僚的なポジションという認識で合っているでしょうか?
 また,背広組は防衛大などを通らず,普通の国家公務員試験を通ってきた素人なのでしょうか?
 文民統制という観点から考えれば,彼らは自衛官よりも上の立場にあるということでしょうか?

 【回答】
 背広組ってのは文官,鉄砲持たない役人.
 制服組ってのは武官,鉄砲使う役人.
 文官だから,軍事的な訓練は受けてないと言う意味では素人.
 普通の会社の総務とかだと思ってくれればいい.

 文民統制のこの場合の「文民」ってのは,国民の代表って意味であって,文「官」だったところで,同じ役人で別の仕事してるだけ.
 別に上って訳じゃない.

 日本では軍が消滅したから「元大尉」等がいるし,自衛隊員は例外的に「元一尉」等となるが,多くの国では退役しても階級は保持される.
 硬く書けば「退役大尉」「大尉(退役)」だし,会話では普通に「大尉」のままだったり.
 元主計中尉が宰相となっても,文民統制には問題ないし,元アベンジャー乗りが大統領やったり,ボーア戦争の捕虜収容所から脱出した軍人が,宰相をやっても文民統制的にはok.
 他方,現役の軍人だとまずいと言われる.

軍事板,2010/12/31(金)
青文字:加筆改修部分


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