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青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は「Ver.5」


■○創作関連質問&相談スレ 60○■

目次

 【質問】 米空軍は何故,沖縄のF-15の訓練地をグアムに移転するの?

 【追記】 初期のライフル銃には決定的な欠陥があってな.装填が遅いんだ.

 【質問】 不満が無ければ革命など起こりようが無いもの?

 【反論】 明確な不満も無しに,革命は起こりません.

 【追記】 戦国自衛隊

 【質問】 第2次大戦までの中小国は,戦艦を持とうとはしなかったの?

 【質問】 ギュスターヴ・ガムランが梅毒のため,総司令官として任務に支障を来していたというのは事実でしょうか?

 【質問】 戦闘機シミュレーションなどでの,機銃射撃音の違いは,種類が違うためでしょうか?

 【質問】 爆弾処理において,冷却処理が不可能な爆弾はあるのでしょうか?

 【質問】 ガンタンクって軍事的な分類で言うと,突撃砲ですか? 自走砲ですか?

 【質問】 WW2までに艦載無誘導対艦ロケットを,日本が実用化するというのは可能でしょうか?

 【質問】 夜間に空母を捜索攻撃する,水上艦部隊を編成できないでしょうか?

 【追記】 総人口と動員兵力の比率

 【質問】 ジャガイモって何でチート扱いされてるんだ?

 【質問】 適切な国防費を支出するということが,なかなかできないのは何故ですか?

 【質問】 歩兵部隊が航空機に爆撃を要請する場合,どのようにして目標座標を指定するのでしょうか?

 【質問】 初代スーパーXって,建造可能なんですか?

 【質問】 予備軍が必要なのは何故?

 【質問】 18世紀くらいの技術レベルでの火薬の作り方や性質,保管方法,扱いその他,細部が解る本を探しています.お勧めのものがありましたら,教えてください.

 【質問】 軍事関係書籍を集める上で,ブックオフはどの程度,頼りになりますか?

 【質問】 戦艦『伊勢』の後甲板に,大発等を載せるアイディアはどうでしょう?

 【反論】 航空戦艦よりは若干頭いい改造だと思うよ.

 【追記】 「自衛官と行政職の各等級に相当する職務の級及び階級比較」

 【質問】 散弾銃にコインを装填して,安全に発砲することは実際に出来ますか?

 【質問】 銃はどのような原因で暴発が起き,どう負傷するのでしょう?

 【追記】 自衛隊クーデターの可能性

 【質問】 1940年代中盤の技術力で,航空管制艦というコンセプトに実用性はあるでしょうか?


 【追記】
 初期のライフル銃には決定的な欠陥があってな.装填が遅いんだ.
 ライフリングにタマが密着しないと意味が無いから,一発撃ったら銃口きちきちのタマを長時間かけて押し込まなくちゃならん.
 その間に敵さんの数頼みの盲弾で粉砕されちまう.
 民間の猟師なら,獲物が撃ち返して来る可能性はない一方,火薬もタマも高価だから,ライフル銃でよく狙うメリットは大きい.
 それを転用して,敵の将校を一発で狩ったらすたこらずらかるのが猟兵だ.
 1850年代に,発砲時に底が少し膨らんでライフリングに密着する仕掛けの椎の実ミニエー弾が出来て,全歩兵にライフル銃が普及する.
 それ以降,旧来の甲冑は完全にデッドウェイト化,頭を爆風から守るヘルメット以外姿を消す.

軍事板,2010/08/31(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 不満が無ければ革命など起こりようが無いもの?
 政治に不満も無いなら,単に「皇帝など必要性が無いのでは?」という疑問だけで,革命が起こる事はないの?

 【回答】
 不満が無くても,「別に必要なくね?」って思えば革命は発生しちゃうよ.

 革命ったって,暴力的クーデターだけを示す言葉じゃない.
 国民の生活レベルと文明レベルが向上し,皇帝の権威が「別に無くても俺らは食っていける」状態の認識になれば,国民はそれに依存する意義も意味もなくなるし,誰も皇帝を必要だと思わなくなる.

 国に所属している以上,皇帝には従うかもしれないし,尊敬もするかもしれないけど,別に絶対に大事なものでなくなってしまえば,「権威」を軸に統治してたその政権は,支配の基盤を失う.

 市民が皇帝殺して政権を手に入れるので無いにせよ,「無くても良いや」程度に軽く見るようになって,皇帝やその家臣の統治を必要としなくなり,廃止させようとしたり,自分たちで代わりにやろうとし始める.
 国民が王・皇帝の存在を無視して,勝手に自分らで議会作って,勝手に新しい国家を制定する.
 軍も「国民から構成」されてるものなら,国民と同様の認識になり,国民の側に付く.
 穏健的革命ってそういうもんだよ?

 史実では,かつては王族・貴族によって戦闘階級,軍隊が構成されていたから,武力でそういう「勝手に議会と新しい政権を作る国民」を弾圧もできたけど,軍隊の兵卒に市民が参画するようになると,貴族士官VS平民兵卒の構図になってしまって,度々軍は兵卒の反乱や寝返りに悩まされたけどね.

軍事板,2010/09/01(水)
青文字:加筆改修部分



 【反論】
 それは王の無能が議会の無能を時に上回る例があったからこそ,史実で起こったんですよ.
 明確な不満も無しに,そんな事は起こりません.
 それとも,過去から穏健革命が起こるまで,実際にすばらしい善政が続いていた国家が実在したんですか?

 【再反論】
 あるよ.
 中東やアフリカや中央アジアや東南アジアに沢山.
 年代としては近代以降で,欧米や日本はとっくに先進近代工業国家化を終えて,戦艦を建造し,航空機で戦争をしている時代だったけどね.

 第2次世界大戦ぐらいまでの例なら,東欧や北欧のケースもあるかな.
 そもそも歴史上で,独裁政権下,永続的民衆が不満を持たない,素晴らしい善政と言うの自体起きてないからねえ.
 そら,大きな不満を噴出させずに,国力を発展させていった「良い独裁者」だって歴史には沢山居るよ.
 問題は,これが二代三代と続く保障はまったくない,というか確率論的にいずれ救いがたい愚者が出てくるのが必然である事.
 数代連続して名君が出て善政を敷く事があっても,問題は出てくるし,不満も生まれるし,名君が途切れると政治が乱れる.
 善政を敷いてても,それで不利益を被る人間は出てくるし,深刻な問題が起きて解決できないまま治世を終えると言う事も珍しくない.
 これが歴史.
 仮に全知全能者が現れて,完全な政治をしても,受け入れない者は必ず出る.
 「家畜になりたくない」とか政治的理解力がないとかで.
 民衆愚かなら,統治者がどんなに有能でも,その施政の意味が理解できず(理解するだけの基礎知力もない),
「わけのわからない事をやって俺たちを苦しめている」
って受け取って,無意味な反乱起こす.
 国民を豊かにしてやろうと頑張ったのに殺されてしまった指導者は,東南アジアやアフリカあたりに結構な例があるし…

 それを防ぐために学校を建てて,国民に等しく教育の機会を与えて,海外に留学なんかもさせたら,偏ったマルクス思想なんかにかぶれて還って来た学生が,革命運動起こした上に,滅茶苦茶な政治で国をダメにしちゃった例も…
 さらに言えば,不満を起こさせないって事は施政や国家の発展に退屈させない,停滞を起こさせないって事を実現させなければならないわけで,それには偉大な皇帝様が常に,日進月歩でめぐるましくその文明社会を進歩させ続けなければいけないわけなんだが,そうすると16世紀どころか18世紀も20世紀もあっという間に過ぎ去って,未来に爆走していく事になるぞ?
 文明や社会に停滞期を起こさせないってのは,そういう事だからな.
(しかし,停滞期の後のルネッサンスが近代文明発展の推進剤であったのに,停滞期なしでどうやって発展速度を維持し続けるつもりなんだ?)

 まあ,国民を革命起こさせないように「飽きさせない」ように頑張る皇帝さまが書きたいなら,好きにすれば?
 現実的に書くよりもっと大変で難易度の高い作業になると思うけどね.

軍事板,2010/09/01(水)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

2182010/09/03(金) 19:26:38 ID:???
そういや戦国自衛隊は原作の半村良氏から映画版,続戦国自衛隊,
映画1549,TV版と,結構な割合で「現実ではまずこんな自衛官はいないし部隊編成はあり得ない」
をやってるんだが

例えば1549の場合
小説で「海兵旅団Fユニットが創設されたけど時期尚早と判断され解散」ってのは
時期尚早ならそもそもなんで創設されてんの?という矛盾(しかも「旅団」だぜ)
は福井晴敏が軍事に詳しくないゆえのミスだそうだし
映画の90式戦車が正面から無反動砲で撃破されてるのは終盤の尺の都合上だそうだ
他にも予算とか撮影期間や尺の都合上,間違ってるけど無視されたシーン多いというし

2272010/09/03(金) 20:38:48 ID:???

>>218 半村版は統一した部隊じゃないぞ.
「たまたまそこに居合わせたばらばらな所属の連中」がトバされて,
階級が一番高いんで伊庭三尉が全体の指揮をとる羽目になっただけの話だ.
だから前半,人心掌握に思い切り紙数を使いまくってる.

2282010/09/03(金) 20:47:40 ID:???
半村版の変な点っていうと
いくら全国規模の大演習といっても実弾を輸送したり集積してるのは
実際の自衛隊ではやらない,ってことぐらいかな?
まあ執筆当時の60〜70年代の自衛隊はどうだったのか詳しく無いが

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第2次大戦までの中小国は,戦艦を持とうとはしなかったの?
 今日,中小国が殆ど空母を持っていないのと同じように.


 【回答】
 第2次大戦以前の戦艦というのは,ただ1隻を港に置いておくだけで,相手もそれ相応の覚悟をしないと艦艇が動かせなくなるような,絶対的な戦力だった.
 同クラスの戦艦か,ワンランク下の重巡を複数は用意しないと,まず対抗不可能で,中途半端な戦力を出しても一方的にボコられる可能性があると考えられてた.
 だから中小国の幾つかも,戦艦を持とうとした.

 中南米は実際に戦艦持ってた.
 調べてみれば分かるが,戦艦を買ったら回航直後に反乱に使われて艦砲射撃喰らったでござる,とか,解体時行方不明になったりとか中々面白い.
 まあ,ブラジルだが.
 確か,横須賀の陸上施設になってる三笠の舵輪だか探照灯だかも,チリかどっかの戦艦のを解体時に譲って貰ったものだったと思う.
 だが,これは南米ABC三国全てに言える事だが,同時代では近代的な巡洋艦兵力を持っておらず,海軍としてのトータルバランスが異常に悪くなってる.
 アルゼンチンがリバダビア級戦艦の旧式化に伴い,デ・マヨ級やラ・アルヘンティーナ級の巡洋艦を整備したのは,トータルバランスを取る為だと思う.

 オスマン帝国は地中海睨んで大海軍だった時代もあったし,衰退してはいたけど,1890年代からギリシャ相手に海軍軍拡競争が行われていた.
 その流れで前弩級も持ってたし,WW1前に英国に戦艦2隻発注してる.
 実際にギリシャと戦争になったりイタリアとも戦争になったりして,戦争よくやってたので無理もない.
 英の2隻は開戦時に接収されたため,オスマン帝国が実際に保有したのは,転がり込んできた独の巡洋戦艦になった.
 接収されたうちの1隻は,オスマンが自分とこのドックに合うように寸法変えたんで,英海軍では微妙に使い勝手が悪く,戦争後に改めて引き取りを要請して 拒否されたとき,余所に売りこめなかった原因の一つになったとか.
 もう一隻は流浪の多砲塔戦艦.

 ギリシャは超弩級戦艦サラミスをドイツに発注している.
 ドイツのWW1敗戦のために完成せず消滅したが,ドイツが生き残れば,ギリシャに引き渡されていたのは間違いない.

 オランダでは第1次大戦前に,戦艦9隻を配備する計画を立てたが,資金不足と,発注先のドイツが戦争を始めたために流れてしまった.

 中小国とはいえないが,ロシアは日本海海戦での壊滅後,直ちに艦隊再建に着手.
 戦艦建造に乗り出し,
准弩級戦艦エフスターフィイ級×2
准弩級戦艦インペラトール・パウエル1世級×2
弩級戦艦 ガングート級×4
弩級戦艦 インペラトリッツァ・マリーヤ級×3(准同型艦インペラートル・ニコライ1世は未完成)
巡洋戦艦 ボロディノ級(未完成)
を次々完成させる.
 が,WW1とロシア革命とでガングート級3隻にまで減少.
 新生ソ連海軍は戦艦ソビエツキー・ソユーズ級8隻の建造を計画するが,2隻削減,4隻起工の後,工事中止という結果に終わる.

 一方アジアでは,中華民国やタイが日本に巡洋艦を発注するのが精々だった.

軍事板,2010/09/03(金)〜09/04(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ギュスターヴ・ガムランが梅毒のため,総司令官として任務に支障を来していたというのは事実でしょうか?
 ちょっとにわかに信じがたいんですが,フランスという仮にも大国の要職で,解任されない理由がわかりません.
 遅くとも対独宣戦布告の段階で,なにかしら理由を挙げて解任できたはずでは?

 【回答】
 一応,首相がレイノーに変わってからウェイガンに変えられてる.

 それに,梅毒は説として有名なだけで,確認されてない.
 ちなみにガムランは戦後,回顧録を書いてる程度には正常だったので,開戦時に脳梅毒の末期で判断力を失ってたという話は,ちょっと眉唾.

 彼に関しては,
・平時において彼が社会党政権下でも上手く付き合える希有な高級士官であった.
・ダラディエと仲が良かった.(ダラディエ,レイノー両者の愛人か夫人の確執もあるかも)
・下手に変えるとそれまでの計画に基づく,準備,配置が駄目になり,陸軍が適応するのに時間がかかる.
辺りじゃないのかと思う.

 そもそも,いかなる時代・国であれ,軍のトップクラスや大臣・上級官僚について,常に適切な人事が行われていると思う?
 梅毒説が事実であったとしても,大過なく勤めてトップになった人間を引きずりおろすには,それなりの大義名分(この場合は戦争指導の失敗)が必要だったのは,よくあることじゃないかな.
 立場を変えれば,モルヒネ中毒になったゲーリングは,最後まで地位を保っていたわけだし.
 また,現代日本ですら,あそこまで常軌を逸した言動を繰り返してた田母神航空幕僚長を更迭するのに,ものすご〜く苦労したのだから.
 実際に問題起こしてないければ,どんなに無能でもそう簡単には解任できん.

 また,少々の無能は,参謀等がカバーできるように,最初から組織はできてる.
 フランスの一方的な敗戦の原因は,ガムランが極端に無能だったというより,もっと根深いところに原因がある.
 命令系統が鈍重で,上層部が適切に介入する余地がない.
 ガムランがある日ハンニバルに化けても,どうにもならん(笑)

軍事板,2010/09/06(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機シミュレーションなどでは,機種によって機銃を撃つ際の効果音が,
「ヴォルルルル…」
という感じのと,
「ダン!ダン!ダン!ダン!」
というのがあったりしますが,両者の種別の違いは何でしょうか?

 【回答】
 発射速度.

「ヴォルルルル」
がガトリング式.
 砲身をたくさん束ねた奴.
 連射速度は速いけど,重くてデカい.
 「ヴォルルルル」というよりヴモ〜!(牛の鳴き声に例えられる)って感じだが.
http://www.youtube.com/watch?v=rwO1qZpU-EA

「ダン!ダン!ダン!ダン!」
ってのはリボルバーカノン式.
 砲身一本で連射するので,連射速度は早くない.
 でも機構が単純なので,軽くて小さい.

 でもDEFA,ADEN,BK-27といったリボルバーカノンの発射速度は1700発/分(約28発/秒)なんで,「ヴォルルル」だな.
 27〜30mm級リヴォルバーカノンの発射速度は,第二次大戦中の20mm機関砲の中でも速い方(MG151/20,ホ-5,ShVAKあたり)の,さらに倍の発射速度.
 「ガトリング式に比べれべ遅い」のであって,銃身ではなく薬室が多いため,遊底往復型の機関砲よりはずっと速い.
 BK-27だとこんな感じ.
http://www.youtube.com/watch?v=msP_m_Mo0d0

 どっちの方式が優れているのかというのは,お互い一長一短があるし,国によっても採用の基準が変わってくるので,どっちが有利って程のものでもない.
 機銃で戦ってた当時は,
機銃の発射速度=時間当たりの密度=命中率&威力
だったので,発射速度の早い機銃開発された.
 しかし現代の戦闘では,機銃はサブウェポンというか,ミサイル撃ち尽くした後に戦闘になった場合に使う武器なので,発射方式とか速度はあまり重要じゃない.

軍事板,2010/09/06(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 爆弾処理の描写について悩んでいるのですが,冷却処理が不可能な爆弾はあるのでしょうか?
 あるとして,それはどのような爆弾ですか?

 【回答】
 最初から冷却処理されることが想定されているなら,温度センサーを付けるとか,対策は一杯あるはず.
 即時性のある起爆装置・爆薬に,山盛りのトラップを盛り込んだもの.
 冷却処理中のなにがしかの「刺激」に反応して即あぼん.
 瞬時に全部を冷却するなんて物理的に不可能だからな.

 そういう方法でなく,一般的な爆弾で,かつ冷却処理に強い物なら,とりあえず電池式でない方がよい.
 冷却により爆発しなくなるのは,信管や時限装置を作動させる電源・電池が作動不能になるから.
 時限爆弾なら電池時計でなく,昔ながらの機械時計を使うとかね.

 ただ,雷汞とかの化学反応も,低温になると阻害されそうだから,難しいかもしれないな.
 たぶんアンプルが割れて,中の薬品が化学反応を起こして点火させるタイプも,凍って作動不能になると思う.

 他の手だと,起爆には電気雷管を使って,電源はバネとコイルと磁石を組み合わせた簡易発電装置にすれば,電池を使わなくて済む.

 それにしても随分な回り道なので,最初から冷却処理される前提で作らない限り,普通はこんな面倒な事はしないだろうな,やっぱり.

軍事板,2010/09/06(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 某コミュで大喧嘩になったんですが,ガンタンクって軍事的な分類で言うと,突撃砲ですか?
 それとも自走砲ですか?
 僕は自走砲だと言ったんですが,
「直射でモビルスーツ撃ってるから突撃砲だ」
と言い張るやつがいて…

 【回答】
 そもそもはガンダムを砲撃支援する為の自走砲だったんだろうけど,MBTとして使われたという後付け設定が…
 漫画版の「ジ・オリジン」ではモビルスーツですらなく,ジオン建国以前から使われ続けてる「MBT(主力戦車)」.

 純軍事的に回答するならば,
「所属部隊が砲兵師団・砲兵連隊じゃないから,自走砲でも突撃砲でもありません」

 見た目と劇中の動きだけで判断するに,
「自走砲として設計されたが(仰角から判断),戦場では突撃砲的に運用されることが多々あった」
以外の落としどころは無いと思われる.

 そもそもガンダムって,
「映像になったものが公式設定です」
とバンダイがいってる作品だからな.
 ここで議論するだけ無駄.

軍事板,2010/09/08(水)
青文字:加筆改修部分


(画像掲示板より引用)


 【質問】
 1940年までに,
艦載(陽炎型駆逐艦に4発搭載)
無誘導
炸薬800kg
航続距離25000m(作中では10000m以下の距離からの発射を考えています)
時速600km程度
の対艦ロケットを,日本が実用化するというのは可能でしょうか?
 単艦ではなくて最低でも4隻,状況によっては1個水雷戦隊で同時射撃での運用を考えています.
 史実の日本のままで,ワシントン条約失効の時期辺りから研究を始めているぐらいをとりあえず考えています.

 【回答】
 技術的な可否だけならば,要は無誘導で発射される桜花みたいなもので,桜花が1年足らずでとりあえず実戦化されたことをかんがえると,1930年代初めから開発に着手すれば,1940年ごろの実現は十分可能だろう.

 ただしだ.
 無誘導って事は,一度発射したらあとはロケット任せ.
 で,酸素魚雷と違ってロケットは,「盛大な煙を吐きながら目視出来る速度で飛んでくる」わけだ.
 相手が発射を確認して,舵を切ってしまえば命中率は極端に落ちるだろうし,最悪,対空砲火で打ち落とされる可能性もある.
 ぶっちゃけてしまえば,戦艦砲弾に比して炸薬量くらいしか優っている点がない.

 1隻あたりの同時発射が4発だと,4隻で16発.
 1個水雷戦隊で旗艦を含めても4×17で68発.
 艦隊を組んでいる場合,個艦ごとの距離は数kmに達するコトも多いから,面制圧的に使用するにしても数が足りないと思われ.
 10km×10kmの範囲に敵艦隊がいるとして,その面積内にどれだけの密度で着弾するか,考えてみると良い.

 そして何より問題なのは,上部構造物を破壊しても,それで戦闘能力を奪える保証がないってこと.
 魚雷の場合,たとえ一発でも命中すれば,艦船にとって火災と並んで一番厄介な浸水が,多かれ少なかれ必ず発生する.
 けどロケット弾の場合,命中爆発して火災が発生するかどうかは運任せの上,相手が戦艦だと装甲を抜ける可能性も低い.
 装甲が抜けなければ,戦艦級の相手に対する打撃力が不足し,魚雷の代用足りえない.
 日本海軍の魚雷戦重視は,戦艦の数で対抗出来ないコトから発生してる面があるから,戦艦を食えない兵器は,早々に見切りを付けられる可能性が高いんじゃなかろうか.

 まあ,逆にここで突っ込まれたことを,開発の経緯にうまく組み込むのも手だと思うけどね.

 魚雷の代わりに無誘導ロケットを思いついた
→命中率が低すぎる,戦艦には威力不足,etc
→誘導方法を試行錯誤したり喫水線下を狙える方法を考えたり.

 谷甲州の『戦塵』シリーズで,1〜2巻かけて議論してるから,一読を勧める.
 読まずに設定を考えたら,高確率でパクリ認定される可能性が高いので.
 設定年代が10年早いから,より原始的な手段を模索すれば,オリジナリティーが出せるかも.

軍事板,2010/09/08(水)〜09/09(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 夜間に空母を捜索攻撃する,水上艦部隊を編成できないでしょうか?
 戦艦よりも高速な空母に魚雷じゃあたらないので,より早いロケット弾を駆逐艦に搭載すれば当てやすい.
 航空機を出せなくさせるだけでいいなら,ロケットでも十分な威力がある,と考えたのですが……

 【回答】
 米海軍も日本海軍も,空母の敵は空母と認識しているって事を考えると,水上戦闘艦で漸減前に空母を攻撃するという思想は出てこないと思われ.
 そもそも,その先制攻撃用の高性能艦爆として十三試艦爆(後の彗星)が生まれた訳で,空母の攻撃レンジを掻い潜って接近出来るような水上戦闘艦は,存在しないと考えた方が良い.

 あと,夜間に空母を水上戦闘艦で捜索するなんて事実上不可能.
 相手は高速を利して距離を取るだろうし,それ以上に,発見しても周囲の護衛兵力を駆逐出来るとは思えない.
 仮に空母を発見したとしても,周囲の護衛兵力を片付ける為の火力が不足するだろうから,足止め喰らって逃げられるのがオチだと思われ.

 史実の日本海軍が夜戦で,水雷戦隊を戦艦にぶつける為にどれだけの兵力を必要としたかというと,重巡洋艦を叩き潰すために金剛型戦艦を,水雷戦隊の突撃を援護する&魚雷発射本数を増やす為に重巡洋艦戦隊を投入してる.
 米海軍の軽快艦艇を排除する為にどれほどの戦力が必要になるか,それを考えると成立しないんじゃなかろうか…….

 なお,駆逐艦へのロケット弾搭載に関しては,別項参照.

軍事板,2010/09/09(木)
青文字:加筆改修部分


 【追記】 総人口と動員兵力の比率

4512010/09/11(土) 22:24:38 ID:???
>>447
1688年のプロイセンだと3%で,1740-86年で4%って数字があったりする.
ちなみに後者の大王の親父の代だと歳入における戦争関連費は86%だそうだ.



4522010/09/11(土) 22:28:38 ID:???
あ,書き忘れ.
86%は1739-40年の数字.


4532010/09/11(土) 22:42:29 ID:???
>>451
そりゃプロイセンだからなんじゃ・・・・・.
人口1000万で3%でも30万くらいじゃろ?
80万という数字は諸侯が兵力の過半数を提供していたとしても領地経営
に影響が出る数字だと思うな.




4542010/09/11(土) 22:49:17 ID:???
とりあえず,参考文献として「傭兵の二千年史」(菊地良生)を挙げとく.
手元にあると便利な一冊だし,何より安い.


4562010/09/11(土) 23:21:00 ID:???
>>453
私見だと80万は無理っぽいが,
だったら現実にあった高めの数字はどうなんだ?
と考えて資料あたって出してみた.
質問者の直接の質問とは関係ないんだけど,
実際の数字を出してやった方が質問者の参考になると思ったんで.
レス番つけた>>447の人にはちょっと申し訳なかったかも.

こんなことをするのはプロイセンだからだと思われるが,
だからといって衰退してる訳じゃないんだよな.
恐ろしいことに.

ついでに英国だと18世紀末のとある年で人口1000〜1200万に対し
陸海兵員が約13万(陸4海9).歳入に対し軍事予算94%
(ただし直接的な軍事費は約72%)という年があったりする.


4572010/09/11(土) 23:36:41 ID:???
>>454
軍事とはちょっと離れるが同著者の
『ハプスブルク帝国の情報メディア革命―近代郵便制度の誕生』
もおすすめ.

併せて読むとついでに,ちゃんとした文は忘れたけど
「フェリペ2世が新教徒の虐殺を讃えた奴だ」っていう意味合い(だったと思う)
の同じフレーズが何度も何度も出てきてフェリペ嫌いなのがよく分かる.


4582010/09/12(日) 03:11:49 ID:???
>>456
あの英国でもその数字だからいかに80万という数字が無茶ぶりなのかが
わかるような.
仮に30万の兵力を自国で賄って他を傭兵に変えたとしても戦費が莫大に
なってしまうから結局内乱がおきかねないな.
英国は別としてプロイセン軍の比率は陸が多いのならありうるのでは?

何を考えて>>440が80万なんてハッタリをきかせたのか知らないが主人公
の立身出世ストーリーをしたいのならもうちょっと兵力を落とせば済む
話だなー.
現地調達じゃーといって略奪アリにしても10万もの軍隊を養える食料が
敵国や戦地で確保できる確かな見込みが無い限り無理だしそこを突かれて
焦土作戦を取られると味方が窮する事になってしまう.
戦争準備だけでも色々と面倒くさいけれど戦争が始まる前に何を用意出来る
かが重要.
軍隊や兵士はゲームはともかくいきなり沸いてくる物じゃないよー.

4612010/09/12(日) 03:23:27 ID:???
1940年のドイツの数字で,人口約7000万人,軍+SS約330万人という数字があるな.
20世紀の戦争中の国でも,総人口:軍隊比は5%未満ってところか.大戦末期はアレだが.

いくら魔法で補うにしても,1000万人から80万人動員は厳しいところかねぇ.

4692010/09/12(日) 09:40:43 ID:???
人口1000万のうち80万が常備軍の国だと,健康男子の場合は10代半ばから後半にかけて
大部分が兵役について,そのまま最低10年はずっと除隊できないくらいの感じだな
世代別人口を考えるとそんなふうになる
国家総動員体制が常態化してるから,>>440の質問で言うと,兵卒から将軍に成り上がる前に
国そのものがそっくりなくなってる可能性が高いw

労働力の大部分を魔法の使えない奴隷階級に依存してて,それらは人口にふくまれない
って古代スパルタみたいな社会制度を想定するなら可能だけどなw

4702010/09/12(日) 11:15:28 ID:???
自衛官 25万人
農業人口 260万人

結局この比は農業生産性が決定するので,
チート作物がある,チート農地があるなどの設定を追加すれば
モンゴル帝国のように成年男子の全員を兵士にしても大丈夫.


4712010/09/12(日) 11:26:59 ID:???
チート農地の例
大河の下流で毎年洪水が起き肥沃な土を運んでくる.
洪水期間は農閑期で安く雇用できる.兵を募ると治安が回復し人民の受けがよくなる.

4852010/09/12(日) 11:59:12 ID:???
>>458
その無茶の指摘のための数字ゆえ.
色々言うより何処がどうおかしいか実際の数字上げてどうよ?と言ってやる方が
参考になるし,後から拾えるものも多いと思ったんで.
しかも質問から逸れた内容でつついてるんだしさ.

大選帝侯の頃で66%,初代王の時で55%,大王の親父で86%,大王で75%
こんなのがずーっと続いてて実際のところ,内乱が起きてないのが不思議.
小さい政府って奴なのか,国の軍事以外の支出・行動が
私が考えているより重要じゃなかったのかもしれない.
考えてみてインフラの維持とか教育とか社会保障とかぶん投げだしなぁ.

4982010/09/12(日) 15:26:27 ID:???
逆にどんなうそが必要か書き出してみる.
目的:主人公に100万の軍を指揮させる.
常備軍なら国の人口は1億人.農民が皆グリーンハンドならもっと少なくてもいい.
指揮系統に電波系通信テクノロジーが必要.ないならテレパシー能力でおぎなう.
たとえば,密集陣を組むぞ.一人が正面50cmを担当すると100万列なら500kmの幅になる.
音では遅すぎて協調した動きは困難.それ以前に地平線のかなたに沈んで見えない.10万
列10行でも50km.
100万人の軍隊では,ほとんどが兵站をになうことになる.軍の規模が大きくなるほど,兵站
の割合が増える.100万人の軍隊なら7割が兵站作業.正面で戦闘する兵士を100万人にした
いなら,軍全体はその数倍にしなければならない.現地の生活設備に余裕が無いから軍の側
で整えるわけで,普段から遠征向きの生活をしている遊牧民の国なら遠征による負荷につよ
い.どこでもドア的なものがあることにしておいて戦闘に使えないような限定をかける手も.
士気対策.宣伝メディアで日常的に教育とか洗脳とか布教とか市民化とか華化とかをやる.ラ
ジオ,大量印刷と配送,それを読める基礎教育がある社会.そういうのが無いなら,主人公に
すごいカリスマを持たせる.うわさを聞いただけで心酔してしまうぐらい.なんで戦争になるの
かわからんな.敵は,魔族とか昆虫とかロボットとか怪奇植物とか,カリスマ無効の存在でなく
ちゃいけないね.

5052010/09/12(日) 17:25:14 ID:???
> 58 世界@名無史さん sage 2010/01/17(日) 13:08:33 0
> >>55
> 甘いな.
> 1277年3月に元軍がビルマのパガン朝に攻め込んだンガザウンジャンの戦い.
> パガン軍は元史の記述によると兵数45万,象800,馬万匹.
> 対する元軍はビルマ側の記録だと騎兵600万,歩兵2000万.

面倒なので2chソースのコピペで済ませるが百万とかこの元帝国に比べれば寡兵だよな

5382010/09/12(日) 19:41:55 ID:???
>>503
ここで質問された以上,軍事的に答えるしかないからさ

軍事においてもっとも重要なのは兵站,その次が指揮系統の連絡手段
この二つがないと,どんなに最強の大軍を天才的指揮官が率いていても
動かせない,というか動かす前に自滅する

ここは最初から嘘をつくよと言っておいてくれればまた別なんだけどさあ
妄想的な設定ばかり考えてから,つい1000万の人口に80万の常備軍とかトンデモが
出ちゃうんで突っ込まれまくるんだよ

5412010/09/12(日) 19:59:45 ID:???
世にこれだけファンタジー小説があるのに
17〜19世紀位の技術力で銃砲と魔法が同居してる話はほとんど無いよなorz
『鉄のエルフ』と『ヴァンシスカの悪魔』位しか知らん.もっとあったら教えてくれ.
後者の砲で悪魔を薙ぎ倒したり,パリ市民が人海戦術で悪魔を屠る話は
結構好きだったんだがなぁ.
魔法の金属が出てきたら車軸と砲身に回すようなファンタジー希望.
魔法使い兼土木技術者の目から語られ,決戦は伝聞調で伝えられるファンタジーでも勿論良い.

これだけじゃ何なので,農地と都市人口のネタでも.
中世では3000人の都市人口を養うのに3000ヘクタールの農地と家畜のための牧草地が必要
と見積もられていたそうだ.
ついでに1801年の英国ヨークシャー州ハル(Hull)市とその郊外在住の人口35000人,
彼らが必要とする小麦を生産するには同地方の4800ヘクタールの農地を必要としたそうだ.
ただ,この地方の土地生産性は非常に良く,1ヘクタール辺り2100リットル以上の生産があり
この数字は他の平均のおおよそ2倍だったとのこと.
じゃがいもの数字はアイルランド農業史とかやらんと駄目だろうなorz
他のところでじゃがいもは飼料用とかで主食用に作ってなかったらしく出てこんかった.

もの書く人の何かの足しになれば幸い.

5462010/09/12(日) 20:40:16 ID:???
つうかファンタジーっていつから都合のいい言葉になったんだろ.
現実と異なるからこそルールを作って読者を納得させなきゃいけないのに.
上ででた十字軍100万人の例なら糧食の問題を無視できる世界観なら
最後までそれを厳重しなければいけない.
逆に焦土作戦が有効なら有効になるような世界観に従わなければいけない.
当たり前の事じゃないのかね.

5492010/09/12(日) 21:37:24 ID:nAMt0C3r
人口の一割の徴兵というと第一次大戦での主要国の動員がソレに達している.
鉱工業に余剰な人口を回せる程度には,農業生産性が改善された時代ではあるけ
ど,別に機械化が進んでいた訳でもない.

 農業技術が突出して進化してるとか,チート作物にチート農法とかでやれない
事も無いだろう.政体が近代国家か,逆に中華的な専制国家な必要があるけど,
意外にラノベファンタジーの国家観ってそんな感じなので,しっくり来るかも知
らん.

 しかし,ソレが常態だって言われると萎えるよな.平均寿命60歳程度だとして,
1歳当たり16万人.その半分が男で10年分.20歳から30歳までの男子全てが兵隊っ
てどういう国なんだよ.

5552010/09/12(日) 22:20:06 ID:???
>>545>>547
ありがとう.読んでみるよ.
調べてみたら両方とも面白そうだ.

>>552
推論なんだが,逆に近代国家だから破綻するんじゃなかろうか?
一次産業からはじき出された人口を,
二次産業・三次産業が多く吸収するようになるのは産業革命以後で
それまでは軍隊が大口の吸収先だったりはしないか?
近代国家だと逆に二次三次で生み出される必要なものが多くなりすぎて
返って剰員が生み出せなくなってたりとかしないかな?

健全な経済発展におけるの常備軍の限界が人口比1%になるのは
一体いつ頃からになるのかは結構知りたい.


5562010/09/12(日) 22:21:50 ID:???
>>552
戦時動員と常備兵力の差を理解してない人が多いね
まっとうな国は戦時動員を数年もやれば国家経済が立ちゆかなくなり,
もはや戦争どころじゃなくなってしまう

第一次大戦も第二次大戦も実際はそのような経過をたどり,他が自滅していく中,
唯一戦時動員をしなくてもよかったアメリカの一人勝ちという現在の結果に繋がる
(ただしソ連のみは崩壊するまで半世紀近く粘ったが)

5602010/09/12(日) 22:31:23 ID:???
>>555
近代以前の国家だと常備軍そのものをほとんど置けてない
総動員してせっかく包囲しても,収穫期前には兵を引かないと人手が足りないとかだから
見かけ上の兵力と動員可能な兵力がまるきり違うのが前近代の軍隊の特徴

そもそも農村に余剰人口が生まれたのがやっと産業革命前後のことだ
それまでは人口が増えすぎると飢餓が起こるため間引かないと立ちゆかないので,
世界的に中世期の人口推移は一時の増減はあっても比較的安定していた

5672010/09/12(日) 22:50:20 ID:???
まず,軍隊というものは浪費だ.(略奪を産業としない限り)
その社会の投資効率をpとする.
100円投資したら100p円になって帰ってくる.
軍事に投資しても帰ってこない.
軍事に投資する割合をqとする.
GDP100円あったら100q円が軍事予算.
残りを社会に投資して経済発展という形で回収.
100p(1−q)円の回収.
常備軍だから,これを継続してやりたいので
100p(1−q)円投資=100円回収
q=(p−1)/p
どうせなら社会を発展させたい
100p(1−q)>100
q<(p−1)/p 途中で−をかけるので符合が逆になる
pの値にもよるがqはほんの数%にしかならない
おいしい投資先を求めてホットマネーが駆け巡る世のなかでは
大きな回収が見込めるところに投資が集まりますます発展する.
ギリギリ軍事予算を切り詰めたほうが国家経済の助けになると考えてよい.

5692010/09/12(日) 23:02:05 ID:???
防衛産業を維持するというかそれを経済の中に組み込まないと
「儲けにならないから徹底します」って企業がどんどん手を引いてしまうし
兵器開発技術も生産されなきゃ技術が途絶えてしまうし
海外からの購入も,購入数そのものが少ない=購入交渉機会や外国メーカーとの
繋がりがないので,値段をかなり吹っかけられるぼったくりでしか買えなくなるし
ろくな交渉のできる仲介商社も育たない
とかで,どんどん軍隊の維持費が無意味にかかるようになって行くだけだしな

5712010/09/12(日) 23:03:45 ID:???
技術開発に関してはまだスピンアウトと言う形で経済効果はあるけどねぇ>軍事費
ちょっとやそっとじゃものにならない技術に金突っ込んでくれるパトロン役でもあるし.

軍隊が自分で金稼いで,って言う事になると人民解放軍並な話になっちまうなw

5732010/09/12(日) 23:13:09 ID:???
陸自アパッチなんかやっと購入したと思ったら
「あ,来月からそれの生産打ち切るから,うち新バージョンに移行ね」
とかで,ラ国してない輸入部品が供給されないだか
予備部品が買えなくなるだか
重大な故障のときはボーイング社に送ってメンテ&改修措置だか
そういう諸々な事が出来なくなるってんで打ち切られたしなあ…

あれも,数ヵ月後に旧バージョン生産打ち切りになるって事を事前に
教えてもらえるような関係を構築できてたら
最初から新バージョンで購入できたか,旧バージョンをもう少し生産伸ばし
して貰えたのかもしれんのに

5742010/09/12(日) 23:13:21 ID:???
仮定がすごすぎるな.
たとえば砲兵隊でも人民解放軍と自衛隊では人件費が違うから
予算が同じなら1:10とかの部隊数比.
通貨がつよいなら輸入しまくって通貨ギャップを埋めるのが
国防の一環なんだろうか

5752010/09/13(月) 02:29:40 ID:???
>>567
数字をこねくりまわす必要なんてまったくない.
たった一つのことわざで事が足りる.ギリシア人曰く,
「軍隊ほど儲からないものはない.しかし,軍隊がなければもっと儲からない」

米帝様が軍縮するたびに,ならず者国家がより一層大騒ぎして
そのたび泥縄的に軍拡して損をする,の繰り返しを知らないのかい?
下手な軍縮は損失しか生まない.かといっていつまでも肥大化した軍を維持しつ続けるなんて米帝様でも無理.
これはジレンマだが,ギリギリ軍事予算を切り詰めたほうが国家経済の助けになる,なんて単純な話ではない.

5792010/09/13(月) 07:57:12 ID:???
>>578
しかもそれが時々「為政者」側にいるからまた…


まあ軍事政権とか軍隊・軍事力が国家を統一し纏めて支えてる屋台骨だったりすると
安定基盤も出来てないのに軍縮・民主的政権に移行なんて出来ないし
難しいもんなんだけどね

軍事板,2010/09/12(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ジャガイモって何でチート扱いされてるんだ?

 【回答】
 寒冷地や痩せ地でも栽培可能で,単位面積当たり収量も多いから.
 アダム・スミスは「国富論」の中で,「小麦の3倍の生産性」と褒め称えてる.

 1粒の種籾から何粒収穫できるかを収穫倍率というのだが,中世のヨーロッパでの小麦の収穫倍率は3〜5倍程度.
 産業革命後の19世紀に,ようやく10倍を超える事になる.

 それに対してジャガイモは,最初から10倍以上.
 しかも,あらゆる土地でとても楽に育てられるし,加熱しても壊れにくい大量のビタミンCやカリウム等,栄養も豊富.
 さらに,何の加工もしなくても,ある程度の期間保存が可能.

 ちなみに稲作は,単位面積当たりの収穫は大きいが,手間が掛かるので他の産業(常備軍も含む)に人を回せない.
 その点,芋は手間も掛からんし,可食部が土の下なので鳥害も防げる.

 連作障害が問題だが,根モノなので麦を含めた輪作体系に組み込み易い.
 ただし,数年単位でサイクルを組んで休ませねばならない.
 で,そのサイクルを効率的に組むには,農業の大規模集約化が必要.
 それが達成できる要素を考えると,17世紀の文明レベルではむつかしくなる.
 フランス革命前後でもまだ,ジャガイモは高級作物扱い.

 また,主な増やし方が種芋を基本とする無性生殖,つまりいわゆるクローンだから,疫病や虫害がはまると国家規模の大災害になりかねない.
 現に史実だと,アイルランドのジャガイモ飢饉が,地獄を一つ生み出してるしな.
 遺伝子や農薬などの知識があれば,この辺りはスルーできるんだが,経験則の場合,一度痛い目見た設定にしとかないと厳しいだろ.

軍事板,2010/09/12(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 適切な国防費を支出するということが,なかなかできないのは何故ですか?

 【回答】
 抑止力として必要"十分"な軍事力,を確証を持って測る事は不可能だから.
 抑止力が機能しているかに見える状態でも,それが,軍事力が適正であるがためなのか,過剰で損をしているのか,はたまた,純軍事的には不足しているのに相手が勘違いしているだけなのか,確証を持って断言することは誰にもできません.

 実際に,純軍事的に必要十分な量を確保しつつ,過剰な分を整理できたとしても,相手が軍縮のマイナスを過大に見積もり,結果として抑止力不全となる場合すらある.

 つまり,抑止力を保ったままギリギリ軍事予算を切り詰める,などという行為は,全知全能の神でもなければなし得ない事であり,数式によって絶対真実の「必要ギリギリの軍事予算」を見積もることなど不可能なのです.
 矮小な人間の身では,自らの立場と考えからよりベターな軍事予算を策定するより他になく,当然のごとくその額面は人によって異なり,かくして会議は紛糾するのです.

軍事板,2010/09/13(月)
青文字:加筆改修部分


(画像掲示板より引用)

 上記画像ですが,下記サイトのものです.
社会実情データ図録

 このサイトの下記ページにおいて,かつて掲載されていた画像です.
図録▽世界各国の軍事力

 元のサイトでは,年度が経るに従い,改訂されていますが.

ゆきかぜまる in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2011年01月22日 00:38
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 歩兵部隊が航空機に爆撃を要請する場合,どのようにして目標座標を指定するのでしょうか?
 そういうシーンを描こうと思うのですが,いまいちどう描写していいのか分からないのです.

 【回答】
 GPS受信機があれば,自身の座標と目標までの距離から,目標の緯度,経度を算出して伝える.
 現代戦では,地図にグリッドが書いてあって,爆撃して欲しい地点の座標を指定する.
 X軸○○,Y軸××を爆撃してくれ!という風に.

 でもって,自分らが指定地点に近い場合,誤爆を避けるために,自分たちのいる座標と目印のスモーク焚いてる色を伝えて,このスモークから例えば南は味方だから爆撃するなよ,とも付け加える事もある.
 また,敵味方の距離が近くても苦戦しててそんな事言ってられない時は,
「構わないから俺たちごと爆撃しろ!」
みたいな事を言う事もしばしば.

 レーザ誘導爆弾が伝えるなら,目標をレーザー照射することで位置を伝えることもある.

 もっとアナログなら,何か目印を探して,その目印から東西南北に何メートルというふうに伝えることも.
 事前に目印を把握しておき,目印に対してコールサインを振っておく場合もある.
 あとは地図を縦横に区切って,マス目ごとにコールサインを振っておくというやり方もある.

 現代の米軍がどうやってるかについては,ダグ・スタントン「ホース・ソルジャー」が割と詳しい.

軍事板,2010/09/13(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 初代スーパーXって,建造可能なんですか?

 【回答】
 純技術的に言えば,建造は可能だろう.
 飛行はしいだろうけどね.
 きっとこれは,オブイェクト279が物凄く進化した姿に違いない.

 ただ,実はアレ,原子炉で動いてるからなぁ・・・.
(謎力でフワフワ浮いてるように見えけど,熱核ジェットの推力とかでホバリングしてるって設定)
 したがって原子力関連の様々な国内外の法律,協定に縛られるので,その点を解決することは非常に困難だろう.
 正式名称は
「陸上自衛隊幕僚監部付実験航空隊首都防衛移動要塞T-1号 MAIN SKY BATTLE TANK スーパーX」
だが,劇中描写によると内閣総理大臣すら知らなかった,自衛隊の秘密兵器なので,予算承認などされてない可能性が非常に高い.
 おそらく大和方式で,架空の別の何かの予算を二つ三つ,スーパーXの建造予算に充てたんだろ.
 極秘で原子炉を使っている兵器を作ってしまえるのは,色々やばい気がするが.

 名称からして陸自の特車扱いっぽいのは,そうしないと航空自衛隊がうるさいどころの騒ぎじゃなくなるからだろうか.

 しかもあれって,色々言っても移動式の核シェルター.
 核ミサイルが落ちてきてる中を,通常兵器装備で飛び回るだけの「秘密兵器」って,一体何を考えて作ったんだろう?
 どこかのアホな有力議員さんが,
「こういう物を作れ! でもって有事には我々議員を乗せて守れ!」
みたいな事でも言って裏から手を回させたのか.

 ちなみに,ゴジラに派手にレーザー砲をぶっ放していたが,あれは特技監督が勝手に追加した描写.
 デザイナーは内部の兵器搭載位置等まで,真面目に考えてデザインしたので,初号試写見て,
「あんなモン装備させた覚えはねーぞ!」
と激怒したとか.
 それに対する監督の返事は,
「だって派手さが足りなんだもん」
の一言,だったそうだ.
 南無.

 さらに余計な話をすると,スーパーXのあの”最後”も,現場で特技監督がノリで勝手に撮影した.
 シナリオやプロットにはない.
 助監督と話していて,
「あれ(住友ビル)倒すってのはどうでしょうか」
「あ,面白いな,そうしよう」
で,その場のノリで作ったシーン.
 なので根本的には助監督のせい.

 実のところ,高層ビルがあんなふうに倒れるわけもないので,映画の製作にあたって,ビルの構造計算を依頼した――ゴジラが倒れこんだらどうなりますかね? ということを計算してもらった――ビルの設計元の顔を潰してしまうことになり,やっぱり試写会で問題になったが,なんとかどうにかした.
 東宝のプロデューサーが謝り倒して何とか許してもらったそうだが・・・.

軍事板,2010/09/16(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 予備軍が必要なのは何故?

 【回答】
 予備軍が必要なのは
1)訓練しないと劣化するから.
2)有事の時に対応できないから.
この二つ.

 で,とりあえず重要なのは2)なんだけど,戦争が始まってから兵士達を集めて,全軍に行き渡るまでに,最低限前線で対処できるだけの人員が必要になる.
 これはもちろん,国土の広さや,対処すべき事柄の種類によって変化するわけだ.

 地方が軍編成を統率できるなら,多数の予備軍が本来の3割程度でたくさん組まれる.
 中央でないと駄目なら,少数の予備軍が7割程度で組まれる.

 多数の予備軍の長所は,充足までが速いこと.
 それから補給が確立されているので,機動的に動ける.
 欠点は,国土がある程度防衛に恵まれていないと一気に突破されること,地方が統率するための管理システムの構築は難しいこと.

 少数の予備軍の長所は精度がかなり高いこと.
 大規模で計画的に一気に動けるので大国向き.
 欠点は編成までが遅いこと,道路と補給機関の整備が大変なこと.

 多分こんな感じ.

軍事板,2010/09/16(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 オーストリア継承戦争時代にチート活躍する架空のオーストリア将校の話を考えています.
 高校で化学やら物理をやっていない人間でも,なんとかついていけそうな,銃や火薬に関する参考書で,お勧めのものがありましたら,教えてください.
 「武器と爆薬」「大砲の歴史」は既読です.
 「武器と爆薬」は時代がことなり,
「大砲の歴史」は大砲に特化した本だったので,
もう少し18世紀くらいの技術レベルでの火薬の作り方や性質,保管方法,扱いその他,細部が解る本を探しています.
 Amazon.comでそれっぽい本を探したところ,高価な本が多かったので,試しにちょっと買ってみるという手が使いづらく…orz
 貧乏人に愛の手をよろしくお願いします.

 【回答】
 見つけた本を図書館で借りればいい.
 最近はネットで蔵書の検索や予約も出来るし,地元に無くても他都市から取り寄せてくれる.

 質問内で挙げられていないもので,参考になりそうな本としては,
東郷隆「大砲松」「狙うて候」
木村哲人「テロ爆弾の系譜」
ウィリアム・マクニール「戦争の世界史」

 ぴったりくる本は日本にあるかどうかよく判らんが,この辺は参考になると思う.
 明治維新の頃の火薬なら,その時期とそう変わらんだろう.

 あと,まあ当然押さえてると思うが,オーストリアでいくつか.
http://www.amazon.co.jp/dp/4775300040
http://www.amazon.co.jp/dp/4764603136

 あ,オスプレイに『オーストリア軍の歩兵1740‐1780』ってのあるけど,質問とは方向性違うよなぁ.

 入手難の『火器の誕生とヨーロッパの戦争』は,点火機構の発達の説明はあった憶えがあるけど,火薬とかその取扱はちょっと憶えがない.

 そもそも質問自体が,和書の限界越えてるんではないかとも思う訳だが.

 本ではないが,ここのサイトのマスケットの辺とか参考にならんだろうか?
http://kodaman-empire.kir.jp/Napoleon/nh.shtml
 『ヨーロッパ史における戦争』で,兵装自体はフリードリヒ大王からナポレオンの頃までは,あんまり進化してなかったって話があったんで.
 オーストリアの銃とか,火薬自体についてはないけどさ.

 以下は本じゃなくて映像資料だが,これじゃいかんかね?
 あとニコニコ動画アカウント持ってりゃ,あっちにもまだいくつか,その手の歴史を紹介してる動画があったと思うぞ.

 弾薬;
http://www.youtube.com/watch?v=RPD1b1nbCjE
http://www.youtube.com/watch?v=vJzAQFpP_2k
http://www.youtube.com/watch?v=NKiIerW-K04
http://www.youtube.com/watch?v=rffddiVIax8
http://www.youtube.com/watch?v=rffddiVIax8

 ライフル銃;
http://www.youtube.com/watch?v=EvB11xqqw4Y
http://www.youtube.com/watch?v=NVTbOXwb3DE
http://www.youtube.com/watch?v=RjS2n7fn-JE
http://www.youtube.com/watch?v=Fo3QXKJAE7E
http://www.youtube.com/watch?v=Mc6IQDpnUUU

 大砲;
http://www.youtube.com/watch?v=yMoQcCH45M4
http://www.youtube.com/watch?v=vg3Tv_Fw8O0
http://www.youtube.com/watch?v=OI34uDq8FPo
http://www.youtube.com/watch?v=jJ2azfn9Ft0
http://www.youtube.com/watch?v=SzjH3W9jIX0

 ニコ動だったら戦列歩兵タグあたりなんだろうが,オーストリア継承戦争って時代設定がネックだよな.

軍事板,2010/09/19(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 軍事関係書籍を集める上で,ブックオフはどの程度,頼りになりますか?

 【回答】
 改めて手元にある本を見渡してみたけど,ブックオフで買ったの結構あるわ.
カラシニコフ1/2の文庫版や
戦場の現在,
アメリカ海兵隊,
石油技術者たちの太平洋戦争,
地雷を踏んだらサヨウナラ,
アフリカを食べる/アフリカで寝る,
戦争指導者リンカーン,
市民政府論,
共産党宣言,
兵器産業,
戦争ゲーム,
ケ小平…….
 ひどいとこだと,大場陸軍少将の「陸軍科学講座第6編 空中戦」が105円.
 諭吉さん放出しても買ってたぞ,俺は.

 ブックオフで『銃・病原体・鉄』,上下卷合わせて1000円で買った.
 980円×2→ハードカバー500円均一セールで.
 ここまであれだと,なんか悪い事してる気分になるな.

 まあブックオフあたりは,故人の蔵書を目方で買って,担当した店員が馬鹿だと,オークションにも出さず,そのまま適当に並べることもあるから,ありえないこともない.
 また,いくら稀書とはいえ,趣味性の強い分野の書物は,実際に探してる人がいないと,ただ在庫になるだけなので,オークションといえども値がつきにくい.

 ただ,ブックオフでのレアなエンカウントを目当てに行動するのは,時間が勿体ないと思うなぁ.
 ふらっと立ち寄ったときにあれば,実に幸運だと思うべきだろう.


854 :名無し三等兵 :2010/09/19(日) 15:04:48 ID:???

 ブックオフでどういうわけか,啓正社の「生物化学兵器」が売ってあって,それを購入して翌週また来たら,2冊も補充されていてぶったまげたことがあったなぁ(笑)

 生物・化学テロが起きた時のための初動要員用マニュアルが,どうしてあんなに連続で入荷していたのか・・・・
(しかも850円で買えた)


855 :名無し三等兵 :2010/09/19(日) 15:13:08 ID:???

 サリン事件直後にわけもわからず買って,訳もわからず減価償却が終わったかなにかで放出とか?


856 :名無し三等兵 :2010/09/19(日) 15:25:54 ID:???

 どっかの官公庁がまとめて買って,放出されたとか.
 あるいはどこかの本屋か問屋が,「これは売れる!」と無茶な量を仕入れて,倉庫の肥やしになってたのが放出されたか.

軍事板,2010/09/19(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦艦『伊勢』の後甲板(4番か5番主砲から後ろ辺りぐらい)に,揚陸艦のように大発等を載せた艦を出そうかと思っているのですが,神州丸のようにバラストタンクを設けて艦尾を下げ,滑走台を使って海面に降ろすか,それとも普通にクレーンもしくはデリックを使用して降ろすのか,どちらがよいのでしょう?

 【回答】
 書きたいおはなしのストーリーに都合のイイ方法でどうぞ.

 純軍事的に言えば,なぜ普通に揚陸艦を使わないのか理解できない.
 吃水が深いというだけでも,戦艦はその手の作戦に徹底的に不向きなのに.
 戦艦で海岸に近寄るなんて怖すぎる.
 「座礁させて砲台決定」ならともかく.

 なので,デリックで下ろした方が良いということにはなるが,大発を下ろせるデリックって,空荷ならともかくそんな重量物下ろせるデリック用意できるのか?って疑問が.
 素直に第1号輸送艦を用意したほうがよさそうだが.

 戦後初期の強襲揚陸艦には上陸支援用のロケット砲が装備された事もあるし,戦艦も揚陸時の支援用に使うという声もあって,一部が生き残らされているし,支援用としてはアリだろう.
 だが,わずかな大発積むために,火力減らしてまで揚陸用に改造するのは,まったく無意味.
 そんな勿体無い運用させるくらいなら,河川砲艦を改造して揚陸能力を付けさせた方が,いいんじゃなイカ?
 現実的じゃないかもしれないけれど,創作なら描き方にもよるだろうし.

 ちなみに米海軍では,アイオワ級戦艦を強襲揚陸艦に改装するプランを,1962年に検討している.
 しかしこれは,後部を飛行甲板にしてヘリコプター揚陸艦にするというものだから,揚陸艦って名前が同じだけで意味全然違う.

軍事板,2010/09/19(日)
青文字:加筆改修部分



 【反論】
 まあ,航空戦艦よりは若干頭いい改造だと思うよ,俺は.
 で,参考になるか分からないけど,両者の方法のメリットデメリットを挙げておく.

・バラストタンク
 素早い展開が見込まれるのが最大糊点.
 その反面,大掛かりな改造と使用可能な艦内空間の減少がデメリット.
 バラストタンクも水密区画を利用するならともかく,安易にバルジにしちゃうと,速力低下がすっごい心配.

・クレーンもしくはデリック
 単純・堅実・安価.
 ただし展開速度に付いてはお察し下さい.
 まあ,この戦艦改修型揚陸艦の揚陸能力は,艦隊の補助程度っていうなら,このデメリットも許容できるだろうね.

 史実の日本軍の台所事情を鑑みると,後者はともかく前者は出しにくい.
 どうしても出演させたいなら,それなりの理由をちゃんとフォローしておかないと,戦略的にも行程的にも不自然きわまりないだろうね.
 また,根本的問題として,揚陸艦として使用中に主砲撃つと大惨事になるだろうから,
「格好よく戦いながら揚陸作戦!」
ってのはやめといた方がいいと思う.

 艦だけでなく運用的な面も見てみると,WW2当時最先端だったアメリカ海兵隊の,水陸両用作戦の経緯が参考になる.
 戦前から水陸両用車両などを開発し演習を行いつつも,ノウハウ蓄積は半分ぶっつけ本番で,実戦の中でデータ収集して改良していってるので,日本軍の体制にも若干以上の改変が必要だろう.
 日本版エリス少佐を搭乗させるか否かも,慎重な考察が必要じゃないかな.

 個人的には中々ロマンを刺激されたので頑張ってほしいところかも.

 【再反論】
 航空戦艦の場合は,もともと第5砲塔が損傷して使えないから,代わりに対空兵装を積んだもの.
 それを無理矢理,航空機積めるように短期間で改造したけど,その用途には結局使えずじまい.

 とはいえ,あれはあれで洋上の対空砲台としてはそれなりに使えてる.
 開き直って航空機どけちゃえば,そのぶん対空機銃積み放題だったからな.

 ただ,揚陸艦となると話は別.
 戦艦のような,サイズの割に重すぎるフネは当然,吃水も深いので,上陸地点の地形によって,本来の用途の作戦内容がかなり制限されるのは間違いない.
 その上バラストにせよクレーンにせよかなり大がかりなものだから,揚陸に使えないからといって,出撃直前に別の装備に積み替えるわけにもいかん.

 戦艦を揚陸作戦に使いたいなら,最初から上陸支援目的に限定して使うべき.
 下手な改造はロマンどころか,ただの無駄にしか俺には思えんよ.

 【再再反論】
 5番砲塔失ってたのは日向だけだけどな.
 それに,活躍したのは対空砲台ってより,囮とかタンカーとかそんな役割だし.
 そもそも海軍が空母切望してたのが先にあって,伊勢型にも本格的な空母改装案があったのを無視して,結果だけ見ても仕方ないだろ.
 要は当時の日本が何を求めるかだよ.
 そして創作なら,そこは作者の嘘の付きどころだ.

軍事板,2010/09/20(月)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

8862010/09/20(月) 16:35:31 ID:???
「自衛官と行政職の各等級に相当する職務の級及び階級比較」によると,
巡査(巡査長)は3士から士長まで,
巡査部長は3曹から2尉まで,
警部補は2曹から1尉まで,
警部は1尉から3佐まで,
警視は3佐から2佐まで,
警視正は1佐,警視長は将補,警視監は将に相当する,とある.
まぁ,あくまで日本のものでしかないけれど,参考までに.


8872010/09/20(月) 16:39:50 ID:???
警察の場合軍隊と決定的に違うのは,若い兵をどんどん入れ替えるという発想がなく,
古参兵がほとんどの場合そのまま定年まで勤めることになる.
つまり警察には下士官相当の階級がとくに必要ない.
ヒラのベテラン巡査が巡査長として下士官相当の仕事もするし,階級上では
巡査の一個上にすぎない巡査部長が下士官から小隊長まの仕事をこなすから.

けど,いくら優秀でも経験と能力だけじゃ絶対なれないのが巡査部長.
人事上でも,巡査と巡査部長の間の壁がいちばん高いと言っても過言じゃない.
(キャリア組は昇進システムが違うから別格で,キャリア組との壁は警部と警視あたりにある)
よって,巡査部長から下級将校扱いにするほうが妥当だと思うよ.

軍事板,2010/09/20(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
1 散弾銃にコインを装填して,安全に発砲することは実際に出来ますか?
  安全に発砲できないとすると,どの様な状況になるでしょうか?
2 安全に発砲できるとして,コインは散弾銃として使えるだけの威力を持って撃ち出されるでしょうか?

<以下ネタバレあり>

 上記質問は,上映中バイオハザード4をみて疑問に思いました.

 【回答】
 見てないから,劇中ではどんなやり方だったのかよく判らんが,散弾実包を改造するやり方だとすると・・・
1,ワッズ(弾を包むケースみたいなもの)に納められれば撃つ事は出来るでしょう.
 ワッズを使わないと詰まっちゃう可能性はあると思われ.
2,至近距離であればふつーに殺傷能力はあるでしょう.
 でもコインだから散布パターン読めないかも.

 実包とは別に,銃口からコインを流し込むような方法だと,いろいろ面倒な気はするけどなぁ.

 仮に散弾銃が12番径だったとして,その銃身の内径は18ミリ,10番径は19.5ミリとなる.
 装填するコインの直径がそれ以下(1円玉より少し小さいくらい)で,なおかつ,散弾銃の銃身にチョーク(絞り)がなければ,安全に発射できる,と思われる.
 ただしコインの材質によっては,銃身内部に傷ができることも考えられる.

 余談として,コインを散弾銃で発射する,っつーネタは,西部劇でたまに見かけたりする.
 そういえば,攻殻機動隊で殺し屋が,左腕のショットガンにコイン装填してたな.

軍事板,2010/09/20(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 暴発による負傷のシーンを描きたいのですが,銃はどのような原因で暴発が起き,どう負傷するのでしょう?
 また,どういう条件下だと暴発が起きやすいのでしょうか?
 作品中で使用している銃はM4です.

 【回答】
 暴発を大きく分けると2つ.
 人為的暴発と機械的暴発に分けられる.

 人為的とはつまり,うっかり引き金引いちゃった,とか,
弾が出ないと思ってたけど実はでる状態だった,とか,
子供の手の届くところに置いておいたら遊ばれた,とかそんな類い.
 要はヒューマン・エラーなので,銃の機構自体は正常な原理で動作してる.

 逆に機械的暴発は人間がトリガー・インシデントとならず,放っておいたら自然に発射されたとかそういうの.
 が,この場合でも発射可能な状態で放置するなど,重大なヒューマン・エラーが介在するため,結果的に不注意と結論付けられるのに代わりはない.
 割合的には99%以上が前者.つうか普通に暴発といったら間違いなく前者.

>どういう条件下だと暴発が起きやすい

 まず何より使用者がちゃんとした教育を受けてないとき.
 銃というのは基本的に常時弾がでるものとして扱わなければならないし,逆に常に弾がでないように管理しなければならない.
・たとえ装填してなくても銃口を無闇に人に向けない
・必要のないときは装填しない
・安全装置は最後まで解除しない
・銃口は基本的に下に向け引き金には絶対に指をかけない
・撃つときは最小限の動作ですませ,必要がなくなったら直ちに銃を撃てなくする
 こういう基本中の基本を守れない人間,たとえばモラルの低い犯罪者などが扱うと,暴発の危険性が格段に高まる.
 また,使用者が興奮状態にあって,視覚や聴覚がオミットされるなどして,正常な語感や判断力が欠けている場合にも,暴発の危険は高まる.
 銃撃戦に巻き込まれた警官がパニックに陥り,拳銃が本当に発射されてるのか確かめようとした挙げ句,自分や仲間に向けて撃ってしまう,という悲しいケースも存在している.

 あとは,暴発と似たケースで,引き金のガク引きというのがあって,緊張等で引き金を力強く引き絞ってしまい,あらぬタイミングや方向に弾丸が飛んでいくこともある.
 これはよく初心者がやる.

 作中で使用するのはM4との事だが,小銃の場合,拳銃よりは安全装置が目立つ上,一部種類を除いて正規の教育を受けた使用者が多いため,暴発の危険は少し下がる.
 ただ,この辺りは純粋に作者の裁量だろうから,好きな様に背景設定すればいいと思う.

 登場キャラクターを間抜けにしたくなければ,機械的暴発のほうがマシかな.
 弾が前に出るタイプだと,コックオフなんかがある.
 連射とかで薬室内が過熱状態に陥ったせいで,薬室内の弾丸の装薬が自然発火,意図せず弾丸が発射される現象.
 この場合,装填した後すぐに発射される訳じゃないから,銃が過熱するほどの連射をしたあと,たまたま体の一部に銃身が向かってる状態で,弾丸が発射されたっていう暴発事故になる.
 被害程度は,まあ普通に撃たれたのと同じ.
 重機関銃なんかだと,装弾されてる弾が尽きるまで弾が出続けたりすることもあるけど,M4だったら機構的にシアまでぶっ壊れない限りそれはない,はず.
 ただ,歩兵の一般的な携行弾数でそこまで撃てるかどうかはよく分からん.

 そもそも,先進国のそれなりに訓練を受けた歩兵だったら,フルオートで弾をばらまくのは,味方の前進を助けるために,相手に顔を出させないための制圧射撃くらい.

 弾が後に出るタイプの暴発は,基本的には銃身の途中で弾丸が詰まった場合におきる.
 ちなみに,一般的な弾詰まりとかジャムっていうのは排莢不良.
 連射火器ってのは装填,発射,排夾のサイクルを繰り返すわけだが,薬莢が薬室からうまく排出されないせいで,次の弾が出なくなること.
 ともあれ,弾が銃身に留まる事故の場合,腔発って表現のほうが使われるかな.
 ちなみに膣じゃないぞ.口腔の腔な.
 鉄砲ってのは要するに,片方だけ空いた筒に火薬を詰めて弾を発射する機械だから前が詰まれば破裂する.
 銃身が損傷してたり,何かが詰まってたりする場合に起こる.

>どう負傷するのか

 様々.
 仲間に当たったとか,手や足に当たったとか,銃口うっかり覗き込んで頭撃ち抜いたとか.

軍事板,2010/09/21(火)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

9162010/09/21(火) 13:52:06 ID:???
>>915
君は知らないかもしれないが日本は国民主権と民主主義を採用しているんだ.
そしてそれ以外の政治体制を望む声は限りなく小さい.
そのため,日本を掌握するには全土を占領する必要があるが,自衛隊にはそのための能力がない.
そもそも占領とは人間を支配する行為であり,極論すれば街角という街角に歩兵を立たせて
「逆らいたいけど怖くて逆らえないよ」 つー状態を演出する行為と言える.
戦車や戦闘機といった兵器はそれを実現させる/させない為のツールにすぎない.
もちろん反感が少なければ投入する人員は少なくて済むし,逆なら当然増大する.
それらを鑑みた上で現状の自衛隊にそれを実現できるかといえば否.
だいたい普通科にその意志がないから普通科を督戦する普通科が必要になってくる.

9252010/09/21(火) 17:13:17 ID:???
>>915

政略レベルのお話は上の皆さんがしているので,
部隊運用のお話をすると,師団レベルが動くための
燃料・弾薬を利用するには方面隊(師団の上級式単位)や
防衛大臣直轄の総合補給所や各種後方支援設備を利用しなければならないし,
平時の部隊は訓練や教育などであちこちに散らばっていたり人員が欠けているので
まともに動かすには動員をかけなきゃならない.

そしてこれらを利用するには自衛隊・防衛省の官僚・指揮命令系統を
フル活用しなければならない(物理的に,そして仕事量的に.
各機関の連絡調整は本当に骨が折れる.)ので,
その膨大な指揮命令系統に属する人員の中に一人でも,
密告者が出たら,第一師団が武器弾薬を持つ前に警察部隊が
駐屯地に突入するよ.

そして現在の民主主義の軍隊として訓練されている自衛隊において,
頭の狂った中隊長が部隊を勝手に動かす(弾薬?知らんな)ならともかく,
内密に師団規模を動かすことはほぼ不可能.

戦前の2.26事件,軍隊の指揮官の権限が現代よりはるかに強く,
また軍の政治への介入の意志が強かった旧帝国陸軍でさえも,
反乱部隊は精々連隊規模しか動かせず,おまけに後方支援部隊を動員できなかったので
一日で食糧が尽きてしまったことを思い出すべきだ.
(上官の命令に従っただけの徴収兵が,真冬に飢えるのを見るのは忍びないと
陸軍が温情(?)の精神を以て握り飯を決起軍兵士に届けなかったならば,
栄養失調者が続出しただろう)

9382010/09/21(火) 20:39:29 ID:???
>>915
クーデター大好きな中二病患者の君にとっていいモデルケースとなる
国が政情不安なタイ王国だと思う.
タイ王国の場合政情不安になる前はす問題がありつつもそれなりに
発展してきつつある国と見られてきてはいたのにクーデターやその後の政情不安
から国際的信用が落ちまくっているのよ.
この辺りは資料を探せば出てくる話だから現実に起こっている事象すら参考に
してない作品って書く価値があるの?

はっきり言って日本のような貿易加工輸出国でそんなクーデターが
起きたらどこの国も相手してくれなくなって経済が破綻し,軍事政権なんて
物は早晩消えて無くなる.

君の演出で何が問題なのかというとまず「自衛隊でクーデター」を書きたい
がためにありえなさすぎる想定条件を積み上げているもんだから総ツッコミ
を貰うんだよ.

9422010/09/21(火) 20:52:56 ID:???
>>938
タイのグーデターはあの国独特の恒例行事で,
政情不安定化→平和的クーデター→国王(凄く尊敬されてる)に政権返還→仕切り直し
って循環でうまくやってた.
しかし国王自身は民主主義推進派で,王権が介入しないと安定しない
タイ社会の政治の未熟さを常に浮いていた.
そしてタクシンが失脚した際のクーデターで一部国民から軍と王の介入を
非難する声が上がり,それを知った国王は嬉し涙を流したといわれている.
が,クーデターはこれで最後にしようぜ,的な流れになったはいいものの,
その後しばらくして汚職選挙や暴動が問題になりもうグダグダで
結局今はあんな感じ.

9442010/09/21(火) 20:55:46 ID:???
>>915
こいつは日本が大量の食料や原材料を海外から「貿易」によって
取引し莫大な量を輸入している上に俺達の生活が成り立っている
という中学生レベルでも学校で習いそうな話も理解できてないのかなー.
・・・・・・ああ,ゆとり教育か.

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/貿易
貿易の特徴
通関制度,関税の賦課など,国家が介入する度合いが高い.この結果,関税などの直接的なコストのほか,通関書類などの作成にかかる間接コストも高い.
取引相手が遠方にいるため,支払い,商品の納品を確実にすることが困難.このため,信用状,D/P,D/Aなどの特殊な決済方法が発達している.

Wikipediaレベルの情報でも「信用第一」って書いてあるけどね.
一体全体クーデターによって政権をとったような国と信用取引してくれる国がどれだけ
あるかって話さぁね.
自衛隊に米国の第四艦隊並の戦力と核兵器(弾道弾搭載型)があれば同じような
政情不安の国となら取引してくれるかもね.

9492010/09/21(火) 21:03:44 ID:???
タイが政情不安定国の代表みたいな物言いはどうかな.
内戦状態に突入してるわけでもなし.いや安定してるとはお世辞にも言えないけど.
中南米やアフリカはもう次元が違うレベルの不安定さだからさ.

クーデターのモデルケースとしてわかりやすい国,ってぇんなら少しは理解できる.
中南米やアフリカのいわゆる「ならず者国家」は,もうgdgdでわけわからんからな.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 1940年代中盤の技術力
(というか,WW2中盤のドイツレベルまで電子戦能力を向上させた日本,という設定なのですが)
で,重巡洋艦か小型空母クラスの船体を丸々使って,強力な通信設備と大型電探,航空管制設備を載せ,百機単位のCAPを管制する…というコンセプトに,実用性はあるでしょうか?

 米国と正面切って電子戦の応酬ができる管制システムを,無理矢理製造したら,異常に大型かつ高価になってしまい,リスク分散ができないことを承知で単艦に詰め込んだ,という状況を想定しているのですが……

 【回答】
 見える!,見えるぞ!,小型空母クラスの船体がまんま小型空母に回収される姿が!

 ぶっちゃけ,ドイツ・レベルの電子戦能力とやらじゃ,悲しい水準からまともな水準にグレードアップしたにすぎないので,米軍と正面切っての電子は無理じゃないかなぁ.
 レーダーとかアンテナとか通信とか電子系も,あの国ほんとおっそろしいぞ.
 ついでに物量とか資金とか工業力とかノウハウ蓄積体制とか組織論とか人材とかも.

 あと,管制の数を増やしたいなら,機械がすごいとかなんとかより,大量の管制官を常駐させることのほうが大事かと.
 まともな無線機も必要だけど,それは最低条件というやつだし.

 さらに,技術的には可能であっても,100機単位のCAPを行うだけの戦闘機とそれに見合う母艦,加えてバランスの取れた攻撃隊を編成出来るのか?,という別の問題が生じると思われ.
 100機の戦闘機をCAPに出すって事は,戦闘機隊そのものの分母が,それより圧倒的に多くなければ,意味がない(攻撃隊の護衛分も考える必要がある)訳で,当然ながら機動部隊全体での,搭載機数に対する戦闘機隊の比率が上がれば,肝心の攻撃力が激減しかねない.
 アメリカ海軍が1944年以降,強力なCAPを編成・運用出来たのは,電子技術もさることながら,それを可能にするだけの母艦と搭載機が存在していたからだって事を,考えて見るべきだと思う.

 CAPが完全に成功した事例はマリアナ沖海戦なんだろうけど,米海軍の航空戦力は正規空母7,軽空母8を投入して,F6Fが443機.
 艦隊での航空機総数が約900機で,戦闘機の割合がほぼ50%.
 対する日本海軍側は搭載機数約500.
 でもって前衛部隊からの第1次攻撃隊が64機,本隊から第2次攻撃隊128機が出撃.
 この第1次&第2次が,CAPとそれを誘導する戦域管制によって叩かれ,第1次攻撃隊は41機喪失,第2次攻撃隊は99機喪失.
 結局,CAPを成功させるには電子技術や管制能力どうこう以前に,戦闘機の数が重要って事を示していると思う.
 何せ米海軍の戦闘機数は,日本海軍の艦載機総数にほぼ匹敵するような状態だし,それほどの戦闘機があるからこそCAPが成功したとも言える.

 あと,蛇足かもしれないけど,管制に必要なのは技術もそうだが,それ以上にノウハウ蓄積.
 体制が整ってないと,新しい玩具を与えられた子供にしかならない,
 そこをどう誤摩化して読者を納得させるのかは,作者の力量にかかってるから頑張れ.

軍事板,2010/09/22(水)
青文字:加筆改修部分


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