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ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.
※既に分類され,移動された項目を除く.
Kampfgruppe 28
目次
【追記】 中東短信
【質問】 イエメン軍によるアル・カーイダ拠点空爆について教えられたし.
【追記】 現在の日本は大変豊かな状態にある.こんな平和で豊かで平等な日本にあって,どうして一部に日本共産党を支持する人たちがいるのか.そのことについて本書は興味深い指摘をしている.
【追記】 要するに,本や記事の中身なんか二の次三の次で,いかに消費者をだまし,財布のひもを緩めさせて金を本や雑誌を手にとって金を投じさせることができるかが出版人の生死を別けるのである.
【追記】 ■スパイの危機管理
【追記】 ■北鮮の武器輸出
【追記】 ■北鮮の武器輸出行動(2009年)
【質問】 イラク油田をイラン軍が占拠した顛末について教えてください.
【追記】 【民間和解外交】
【追記】 著者は,どうしても日本人と英国人の間で「和解」を成し遂げたいらしい.
【追記】 米国のアフガン新戦略に対する,インドとパキスタンのメディアの辛口論評
【追記】 朝鮮統一,コストがネック.統一後の費用を韓国国民が負担したら,一人あたり4万ドルの支払いとなる[01/04]
【質問】 シャーハサンケル・バレーボール試合会場自爆テロ事件とは?
【追記】 テロ標的の基地,無人機拠点=タリバンが犯行認める−アフガン
【追記】 北,96年までにウラン濃縮着手か
【追記】 米中同盟で日本が置いてけぼりとは笑止である.
【質問】 石油利権を巡るナイジェリアの武装闘争は,どのような状況か?
【質問】 現在の米軍の階級章,部隊章,帽章等を,米軍以外のものが着用すると,どのような問題がありますか?
【追記】 ■空母2艦隊で経費は約2兆円
【追記】 ■シナの諜報活動は冷戦時代レベル
【追記】 米英,イエメンで合同テロ対策 対テロ特殊部隊を資金援助
【追記】 アフガンCIA基地攻撃,自爆犯はアルカイダ二重スパイ=報道
【質問】 グアンタナモ収容所から釈放されたテロリスト容疑者の行方は?
【追記】 サダム・フセインが雇った外国人
【追記】 北朝鮮「デノミ」実施は政治目的,すべては後継体制づくりのため
【追記】 アフガンのCIA基地攻撃,自爆犯のビデオ声明を公開
【追記】 ソマリアに海賊株式会社 昨年身代金1億ドル強奪
【追記】
2009年12月25日(金),*イスラエルのクリスチャン人口は15万4千人,全人口の2.1%と統計局が発表.
うち81%がアラブ人.外国人労働者は含まず.(P)
2009年12月27日(日)には,ガザとエジプトの間に1200本の密輸トンネルがあるとエジプト紙
が報道.トンネルは高収益のビジネスだが,落盤事故などで117人
の犠牲者が出ており,子供が働かされているという.(Y)
2009年12月29日(火),イランが新たに存在を公表したコムの核施設は,地下深くにあり通常
の攻撃では破壊できないと,バラク国防相が国会で証言.(P,H,Y)
2009年12月31日(木),ハマス高官誘拐のため,イスラエルがガザで構築していたスパイ網を
摘発し,数十人のメンバーを拘束したとハマスが発表.(P,Y,H)
2009年12月31日(木)の報道によれば,……
「2009年のガザからのロケット砲攻撃は566回.そのうちガザ戦
争後は160発で,2008年の2048発に比べて激減した.ガザ
戦争で治安が大幅に改善されたことが実証された.(P,H,Y)」
2010年1月1日(金),カッサムよりも大型のグラッド型ロケットがガザから10キロ余り離
れたネティボット市に着弾.このクラスのロケット砲がガザから発射
されたのは,昨年のガザ戦争以来.被害は無かった.(P,H,Y)
2010年1月1日(金),オーストリアの高校生が使うサイトで「ユダヤ人を皆殺しに」等の反
ユダヤ的な書き込み.ユダヤ人団体が苦情を申し立てた.(Y)
2010年1月3日(日),金曜日のネティボット市へのロケット砲撃のため,IDFはガザの密輸トンネルを攻撃.パレスチナ情報筋は2人が負傷と報道.(Y,P)
2010年1月6日(水),IDFのガザへの攻撃で1人死亡,4人負傷とパレスチナ側の報道.
ロケット砲発射準備中のグループを攻撃した.(Y,H,P)
2010年1月7日(木),ロケット砲迎撃システム「アイアン・ドーム」の実験が成功し,ハマ
スのいるガザ地区,ヒズボラのいる南レバノン国境付近に配備される
予定.カッサム砲やカチューシャ砲を迎撃可能.(Y,H,P)
2010年1月7日(木),エジプトがガザとの境に密輸トンネル防止柵を建設したため衝突.エ
ジプト人兵士1人が死亡,パレスチナ人15人が負傷.(Y,H,P)
2010年1月8日(金),ガザからアシケロン近郊にロケット砲撃.空地に着弾し被害は無し.
IDFの報復で1人死亡,2人負傷とパレスチナが発表.(P,H,Y)
2010年1月8日(金),ロケット砲迎撃システム実験成功に対し,イスラム聖戦が「我々が地
元で製造するロケット砲は迎撃できない」とのコメントを発表.(Y)
2010年1月10日(日),エジプト内務相は,ガザとの境界で発生した暴動を受け,ガザへの物
資輸送を禁止.「これからガザへの援助は赤新月社(イスラーム圏での
赤十字社)に引き渡されなければならない」と語った.(H)
2010年1月11日(月),ガザ南部から発射体を準備していたテロ組織をIDFが攻撃.3人の
テロリストが死亡,5人が負傷した.死亡者の中には野戦指揮官も含
まれる.「テロ行為には毅然とした態度で臨む」とIDF.(Y,H,P)
2010年1月11日(月),エジプトとの国境の一部にフェンスを築くと首相が決定.侵入者とテ
ロリストを防ぐため.予算は15億シケル(約300億円).(Y,H)
2010年1月12日(火),エジプトとの国境フェンスの建設は「麻薬や武器の密輸防止に不可欠」
とイスラエル南部地区の警察責任者.エジプト政府は,フェンスがイ
スラエル側にある限り,問題にはしない考え.(P,H)
2010年1月12日(火),バラク国防相は,ロケット砲迎撃システム「アイアン・ドーム」が,
ガザとの戦いを著しく減少させるだろうと語った.ただし完全に配備
されるには数年必要だとも説明した.(P,H)
2011年9月1日(木),対ミサイル防衛システムのアイアン・ドームがアシドドに配備.今回
の配備は9月の新学年の開始に合わせて行われた.(Y,H,P)
2011年9月2日(金),ガザ行き船団急襲事件の国連報告書が,今日にも正式発表されること
を受け,トルコ政府が再びイスラエルに謝罪を要求.謝罪しなければ
外交関係の格下げなど新たな対応をすると警告した.(Y,H,P)
2011年9月2日(金),米紙が船団急襲事件の国連調査報告書の内容を報道.ガザ封鎖を正当
と認める内容であったため,船団に参加したアラブ系のゾアビ議員が
怒りを表明.ガザ封鎖は不当なものだと語った.(Y,H)
2011年9月4日(日),ガザ行き船団急襲事件についてのイスラエル謝罪拒否を受けて,ガザ
封鎖の「不当性」を国際司法裁判所に訴えるとトルコ外相.すでにト
ルコはイスラエル大使を追放し,軍事関係を断絶.(Y,H,P)
2011年9月4日(日),ガザ封鎖を正当とする国連報告書は,イスラエルと米国の圧力により
「偏向」した内容だとハマス指導者のアルザハル.トルコの圧力でイ
スラエルが謝罪したとしても何の役にも立たないと語った.(Y,P)
2011年9月4日(日),ナチ戦犯とされていたハンガリー人の男が92歳で死去.1942年,
ユダヤ人とセルビア人30人以上の殺害を命じたとされる.(Y,P)
2011年9月4日(日),レバノン軍の元高官が政治情報をイスラエルに漏えいしたとして2年
の懲役刑を受けた.「敵の諜報機関と接触した」とレバノンの軍事法
廷.2009年から百人以上がスパイ罪で逮捕されている.(Y)
2011年9月5日(月),イスラエルと関係が悪化しているトルコ政府が,エジプトと戦略的協
定を結ぶと発表.軍事,外交,商業面を含む内容.トルコのエルドア
ン首相は協定締結のためカイロを訪問,またガザも訪問か.(Y)
2011年9月5日(月),アシケロンでのロケット攻撃の際に転倒し,頭部を負傷した79歳の
男性が2週間後に死亡.本棚に頭を打ち付けていた.(Y)
2011年9月5日(月),エジプト軍がガザにつながる数百の密輸トンネル封鎖作戦を開始した
と匿名のエジプト高官.武器やロケット砲の入手経路となっている密
輸トンネルをセメントと水で封鎖すると語る.(H)
2011年9月6日(火),アラブ諸国の民衆蜂起とトルコとの国交悪化により,地域戦争の可能
性が高まっていると国防軍高官.ガザでも以前,殺傷能力の高い武器
が発見されたと語り,国防軍は市民に警戒を呼び掛けている.(Y,H)
2011年9月6日(火),スウェーデン政府が国内の反ユダヤ主義の高まりを受け,63万ドル
(約5千万円)をユダヤ人防衛費に充当.スウェーデンでは2年前の
ガザ戦争から反ユダヤ主義的傾向が高まっている.(Y)
【質問】
イエメン軍によるアル・カーイダ拠点空爆について教えられたし.
【回答】
イエメンの国営サバ通信の報道によれば,2009.12.24,同国軍が,東部シャブワ州にあるアル・カーイダ系勢力の拠点に空爆を実施.
イエメンでは2009年初め,隣国サウジアラビアの武装勢力も合流して「アラビア半島のアル・カーイダ」が創設されており,本空爆は,この組織を狙ったとみられる.
政府軍による最近の摘発作戦に対する,石油関連施設への報復テロを画策していた会合を狙ったという.
現場では幹部ら数十人が会合を開いていたという.
AP通信は治安当局者の話として,34人を殺害したと報じている.
ロイター電によれば,ある匿名のイエメン当局者は,死亡した30人のなかに,2009年11月,米テキサス州の陸軍基地で13人が死亡する銃乱射事件を起こした犯人と接触があるとされた,急進的なイスラム教指導者がふくまれているもようだ,と述べたという.
アルジャジーラ電子版によれは,同導師は23日,被告から米兵を殺害することはイスラム法で適法かどうかの意見を求められていたことを明らかにしていた.
陸軍基地での銃乱射事件の犯人ニダル・マリク・ハサンは,この導師と首都ワシントンのモスク(イスラム教礼拝所)で9年前に知り合い,昨年12月17日以降は電子メールなどを通じて接触を保っていたとされる.
同犯人はパレスチナ系でイスラム教徒.
導師が被告に伝えた当時の回答内容は不明だが,アルジャジーラに対しては兵士を狙ったとしてフォートフッド基地の攻撃をたたえた.
「米軍はイスラムに対して不正義の戦争を続けている」
「圧迫されているイスラム教徒と戦うように訓練され,殺害の準備をしている.
アフガニスタンでは犯罪も犯している」
などとも述べていた.
導師はその後,米国から中東に居住を移していた.
【参考ページ】
2009年12月24日17時18分,CNN
2009年12月24日19時1分,ロイター
2009年12月24日21時27分,読売新聞(カイロ=田尾茂樹)
2009年12月25日16時33分,CNN
【追記】
現在の日本は大変豊かな状態にある.
その豊さ,平等さは,少し海外を旅すれば,誰でも簡単に実感することができる.
こんな平和で豊かで平等な日本にあって,どうして一部に日本共産党を支持する人たちがいるのか.
そのことについて本書は興味深い指摘をしている.
「世の中は千差万別だ.
ついている人がおり,大勢のついていないひとがいる.
知識も教養もあって,志を得ず,不遇をかこっている人,コツコツまじめに働いてきて,挙句は,世間から無視されて,孤独な毎日を送っている人,そういう人たちがたくさんいる.
潔癖で正義感が強い.
中高年層,特に女性に多い」
と.
早坂氏いわく,こういう「不遇な潔癖症」な人たちが共産党支持者だというわけだ.
これはなかなか至言だと思わないかね,諸君.
http://www.bk1.jp/review/0000467563
【追記】
■スパイの危機管理
スパイは危機管理に強くなければならない.
どんな困難な状況でも任務を遂行しなければならない.
そのような諜報マンにお薦めなのが,中谷彰宏『スピード危機管理』である.
年末の忙しい諜報マンや年末の警備に励んでいる警視庁第九機動隊(疾風の九機
)の方々に読んでもらいたい.
■中谷彰宏『スピード危機管理』の注目すべきポイント
・戦争も仕事もスピードが勝負
・連絡のスピードをアップしよう
・情報収集にお金をかけよう
・物流を速くすることで,情報の流れを速くしよう
・食料や薬の輸送を速くしよう
・輸送路をまず確保しよう
・簡単に読めるマニュアルを作ろう
・末端のスタッフを大切にしよう
・メンテナンスのスピードを上げよう
・準備しているか,していないかで,危機管理の差がつく
・航空7大戦略は,養成・設計・生産・出撃・空戦・補給・休養
・休んだほうが勝つ
・勝敗は物資の補給で決まる
・民間人のノウハウを利用した方が勝つ
・織田信長の楽市楽座は,物流と情報をスピードアップさせた
・偵察機を多く出した方が勝つ
・個人名で報告しないと,スピードが遅くなる
・最高責任者が動かないことで情報は一元化する
・戦争は,輸送を早くしたほうが勝つ
・輸送路を確保した方が勝つ
・戦争とは,土木作業である
・攻撃担当と復旧担当を分けると,スピードアップする
・情報のリレーに強くなろう
※分析メモ
今,日本でも情報マンの育成が急務になっている.
激しい国際情報の戦いのなかで優秀な情報官が不足している.
情報を制する者,外交を制すると言われる.
やはり日本人一人一人が,インテリジェンス論を理解すること,それが日本の実
力アップに繋がるであろう.
それでは,皆さん良いお年を...
【編集】国際インテリジェンス研究所
(http://intelligence.livedoor.biz/)
【発行開始・解除はこちらから】
http://www.mag2.com/m/0000258752.html
◎国際インテリジェンス機密ファイル
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000258752/index.html
Thu, 31 Dec 2009 02:01:43 +0900 (JST)
【追記】
■北鮮の武器輸出
複数情報によれば以下のとおり.
1.今月11日,平壌からバンコクに給油のため到着した貨物機「イリュー
シン76」(グルジア国籍)から,M1985・240ミリ12連装ロケット発射機
(ロケット砲49発,発射台,発射筒),地対空ミサイル20基,弾薬・火薬
などが入った12の箱,信管など,総重量約35トンの武器が発見された.
貨物はあわせて145箱あった.
1.タイのアピシット首相は13日,地元テレビで「積み荷は北鮮製と理解
している」と述べ,今回の措置は北鮮による武器取引を禁じた国連決議(※)
に従ったものと強調した.
1.タイ国軍および警察当局者は,同貨物機が北鮮兵器を積んでいるとの情報
は,事前に米国からもたらされていたことを認めた.
1.タイ空軍当局者は,同機が北鮮からパキスタンに向かっていた
可能性が高いと米国から伝えられたことを明らかにした.タイ警察幹部は,
途中スリランカに寄るが,最終的には南アジアか中東の国に向かっていたと
している.
1.貨物機の出発地とされるウクライナのポロシェンコ外相は14日「貨物機
は10月13日にウクライナの空港に積み荷なしで到着し,今月8日に貨物を
積まずに出発した」と説明した.
1.タイ当局筋は,貨物機はウクライナを出発した後,10日にバンコクで給
油し,北鮮で兵器を積み込んだ上,給油のため11日に再びバンコクに立ち寄
ったことを明らかにした.
1.22日の産経は,半島情勢に詳しい情報筋の話として,以下のことを伝えた
.
・積み荷の最終目的地は,パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマス
向けであった
・積み荷は一旦イランに運び,その後シリア,スーダン,エジプトを経てガザ
に輸送する予定だった
・積み荷表記にあるイランの石油産業会社は革命防衛隊のトンネル会社である.
・今回の取引には北鮮の「朝鮮鉱業貿易開発会社」(蒼光信用会社)等が
関わっている
1.貨物の送り先はイランの空港で,受取人の名前はイランに住む男性だった.
1.タイ当局はカザフスタン人4人,ベラルーシ人1名をのあわせて5名を
武器不法所持などの容疑で拘束しており,武器密輸の罪で告発する方針.
1.拘束されたカザフスタン人機長は25日,タス通信に対し「ウクライナ
企業「アビアテク」に雇われ,首都キエフの空港が最終目的地だった」と
明らかにした.カザフ外務省は,カザフ人の乗員らは無実だとして保釈を働き
掛けている.
1.28日に,積み荷の詳細などの捜査結果をタイ政府が公表する予定
(※)6月の国連安保理決議は北鮮の武器輸出を禁じており,今回の行為は
これに違反する.
⇒米ブッシュ前政権による昨年10月の「北鮮テロ支援国家指定解除の
是非も問われる可能性があります.
ちなみにM1985は車両に搭載して使用するロケット発射機で,
主に38度線付近で展開しています.在韓米軍が脅威と見る武器の一つとされます
【追記】
■北鮮の武器輸出行動(2009年)
1.今年1月,コンゴ(旧ザイール)に3400トン以上の武器・弾薬を輸出
していたことが,091207に発表された国連報告書(安保理対コンゴ制裁委の
専門家パネルの報告書)で判明.
北鮮船籍の貨物船は,090121コンゴのボマ港に入港,090203出港した.
その際にコンゴ国軍向け武器・弾薬3434・6トンを陸揚げしたことが
パネルの現地調査で判明し,5月に軍事教官を派遣したことも判ったとのこと.
1.今年6月,北鮮からシンガポール方面に向かっていたミサイル・核関連
物資を搭載した疑いのある北朝鮮船舶「カンナム」を,米海軍イージスDDG
が補足追跡し,本国に引き返させた.
1.今年7月,北鮮製武器を積んでイランに向かっていた船舶がアラブ首長
国連邦(UAE)に拿捕される.この船には,ハマスやレバノンのシーア派武
装勢力ヒズボラ向け武器が積まれていた.
⇒北鮮は5月25日に2度目となる地下核実験(1度目は2006年10月9日)を
行い,これを受けた国連安保理が武器輸出制裁決議を行なっています.
【質問】
イラク油田をイラン軍が占拠した顛末について教えてください.
【回答】
2009.12.18,イラク南部マイサン州のファッカ油田をイラン軍が占拠したとのロイター報道あり.
同日 イラク政府ダバグ報道官は,「主権侵害だ」と非難し,イランに即時撤退を要求.
「平和的な解決を求める」
と述べたが,撤退の期限やイラン側が応じなかったときの対応などについては言及せず.イラク政府は油田付近への治安部隊増強を実施.
同日 国営イラン通信,石油公社占拠を否定する声明「イランの兵士はイラク国内のどの油田も占拠していない」を出す.
同日 イラクのハファジ内務副大臣
「ファッカ油田は両国の係争地で,ここ数日イラン軍が越境を繰り返していた」
2009.12.19 イラン軍,ファッカ油田をイランの兵士が18日に占拠したというイラク政府の非難に,対し,
「1975年のアルジェ協定で定められた国境に従えば,同油田はイランの領土だ」
とし,イラン軍部隊は国境を越境したことにならないとする声明を出す.
油田を占拠したかどうかは明らかにせず.
同日 イラン外務省メフマンパラスト報道官,油田の占拠について
「外国メディアによる根拠のない報道だ」
と否定.
同日 駐イラク・イラン大使
「このようなプロパガンダは両国関係に一切影響をもたらさないだろう」
と述べ,事実無根とした.
2009.12.20 イラク マリキ首相,エジプトの首都カイロを訪問,ナジフ首相と会談.
21日までの滞在中,ムバラク大統領とも会談,
2国間関係の改善などについて協議.
同日 エジプト ムバラク大統領,イスラム諸国会議機構(OIC)会合出席のためカイロを訪問した,イランのラリジャニ国会議長と会談.
同日 マイサン州の治安当局幹部,ファッカ油田を占拠していたイラン軍が前夜から同日朝までに撤退したと述べた.
同日 イラク政府報道官,「撤退は部分的」と述べた.
【追記】
小菅信子によれば,
http://www.bk1.jp/review/0000468142
http://www.bk1.jp/review/0000468142
【民間和解外交】
中尾が力をこめて批判する日本人の民間による和解外交も,私は,これは中尾本の書評にも書いたことだが,やらないよりはやったほうがはるかにマシだし,それなりに「和解」「癒し」の効果を持っているとする小菅の評価のほうがはるかにバランスがとれている.中尾はあくまで「捕虜」「対日戦争経験者」という「当事者」にこだわって取材を続けている.しかし,英国における最大のポイントは,英国にとって戦争といえば対戦相手はドイツであり,アジアにおける日本との戦いは大半の英国人にとって「どうでもいい戦争」「忘れられた戦争」であり,それがゆえに,いくら当人が騒いでも,周囲の英国人がほとんど同情してくれないがゆえに,元英国人捕虜らは益々大騒ぎするというスパイラルがあるのである.逆に言うと,英国ではそれだけ日本との戦いは「水に流しやすい戦争」でもあるわけで,この点についても中尾の力みかえりよりも小菅の観察のほうがはるかにバランスがとれているといえよう.「日の丸を焼いたジャック・カプラン」に至っては,まあ変人の類である.「日本は反省しる」という看板を掲げて日本で笑いものになった「反省シルおじさん」を思い出した.
【中国との『和解』は可能か】
和解とは何か.生身の人間でいつまでも憎しみを持続することは,ものすごくエネルギーを要することで,憎しみを持続しようとするとかなり当人を消耗させるものである.それがゆえに,普通は「和解」を通じストレスを解消しようとするベクトルが働く.しかし深い深い傷を受けた場合,これは不可能であり,その場合,実は何をやっても和解は難しい場合が多い.早い話,娘や息子を殺された場合,その両親に犯人と和解しろいわれても,それはできない相談なのである.これが人間の限界であり,それは心に傷を負った当人の「自然死」という形の整理を待たない限り憎しみは解消しないのである.人間の憎しみ悲しみは,普通,世代を超えて「共有」されたりはしない.人間は経験していないことを経験することはできないのであり,世代が代われば記憶も変わるものなのである.本書にも書いてある通り,近代以前の戦争の傷は忘れることで和解するという形を欧州でもとってきたと書いてある.ところが政治がこれに絡んでくると,民族の記憶は世代を超えて記憶しうる.国家が「戦争被害」を国をあげて教育という形で次の世代にも憎しみを植え付けるよう洗脳を行えば,戦争被害を経験していない世代でもかつての加害国を「憎む」ことは可能になるのである.これを実践しているのが悲しいことにわれわれの隣国中国である.だから我々日本人が肝に銘じておかねばならないのは,日中関係に幻想をいだかないことである.向こうは小学校から大学まで日本を民族の敵として位置づけ憎しみの拡大再生産を国をあげて行っている国なのだ.こんな国との「友好」など,成り立つはずがない.日本ではアメリカが嫌いで,日米同盟に反対で,なんとかこれを解消したがっている人々がいる.こういう連中に限って,反米の反作用として親中であったりするのだが,これは中国の現実を無視した空想的外交選択である.そもそも中国人の大半は日本人に親近感なぞ抱いていないことを知るべきだ.
結局「和解」とは政治の延長線上にある.憎い憎い日本でも,日本と友好関係を演出することが中国にとって「得」であると相手政府に思わせれば,中国政府はころっとその態度を変える.現に「日中国交回復」のときは中国はそういう選択をした.もっと著しいのが米国の態度だ.米国こそが日本を「猿」と憎み「日本を石器時代に逆戻りさせろ」を合言葉に日本全土に容赦ない絨毯爆撃を仕掛けた張本人である.その米国が戦後冷戦がはじまると日本への態度をころっと変える.冷戦という現実を前に,日本を石器時代に戻し,フィリピンよりも貧しい状態に追い込んで共産主義陣営に追いやるよりも,アジア最大最強の工業力を持つ日本を再興させ,アジアにおける米国の反共の防波堤として再生させ協力させたほうがアメリカにとって得になるから,アメリカは日本への態度を変えたのである.日本への復讐に燃える英国,オランダ,豪州,カナダを抑え,日本を国連に復帰させ,GATT(WTO)に加盟させ,日本の高度経済成長を後押ししたのはアメリカである.アメリカの後援なしに,日本の今日の繁栄はなかったのである.重要なポイントは,日本がアメリカに謝罪したからアメリカが日本を支援したのではなくて,日本を支援すること自体がアメリカの得になるので「戦争の傷」「戦争の記憶」は現実政治の要請の前に,二の次三の次となったのである.このことをわれわれは肝に銘じておくべきであろう.
【追記】
http://www.bk1.jp/review/0000468096
http://www.bk1.jp/review/0000468096
著者は,どうしても日本人と英国人の間で「和解」を成し遂げたいらしい.きっかけは著者が英国留学中に,ビルマで戦ったという元英国兵に厭味を言われいやがらせを受けたことで,爾来,著者は英国と日本の間の「真の和解」を目指して,元兵士,元捕虜の聞き取り調査=オーラルヒストリーを生涯の仕事としている.まことにもって,ご苦労さんなことである.
それにしてもだ.ちょっと想像力のある人なら,著者の取り組みが如何にむなしく,かなりの確率で徒労に終わるであろうことはわかりそうなものである.早い話,宮崎勤とその被害者の間では永遠に和解などありえない.何をやっても癒えないし癒されない傷というものはあるのであって,それが人間の限界であるということに著者自身,気付いていないようで,可笑しく,そして,悲しい.
最近,死刑判決が出るたびに「解明されない心の闇」などという見出しが新聞紙上に踊る.じゃあ問いたい.今まで,ただの一度でもよい.重大犯罪で犯人の心の闇が解明され,すべてが明らかになったことなどあるのか.私の記憶する限り,そんなことは.ただの一度もなかった.仮に犯人の心の闇が解明されたとしよう.それでも被害者,特に殺された被害者が生き返ったりするわけではない.被害者が生き返り,完全に元の状態に戻らない限り,いくら犯人の「心の闇」なるものが解明されようと,そんなことは知ったことではないし,そもそもそんなことに興味も関心もない被害者家族も多いことだろう.
戦争だって同じことだ.戦争とは殺し合いである.殺されたほうは永遠に憎しみ悲しみを忘れることはない.欧州を見よ.あの,暗黒大陸には憎しみ悲しみが渦巻いている.殺戮は日常茶飯事で,国境を挟んだ「隣人」が,ある突然「殺人鬼」と化す光景を欧州は過去300年ずっと続けてきたし,今日もコーカサスで,コソボで,それは続いている.
著者はドイツと英国の和解をうらやましく思っているようだが,アホちゃうかと思う.ドイツとフランス,あるいはドイツと英国,ドイツとポーランドの間に「和解」なぞ永遠にない.あるのは「和解ごっこ」という政治ショーだ.ドイツとフランスは憎みあって,この100年の間に三度も戦争している.たった一度だけ朝鮮半島や中国大陸に「進出」した日本とはわけが違うし,被害の桁が違う.先の大戦で,ドイツ占領下でドイツ人の子供を孕んだフランス女性は2万人超で,彼女たちはドイツ撤退後ただちに村々の広場に引き出され,ニタニタ笑うフランス人の男たちによって頭を丸刈りにされたあげく「追放」されている.ちなみに,彼女たちが頭を坊主にされている陰で,ドイツ兵に協力したフランス男性たちは裁判なしの即決でその場で射殺されている.同じことはベルギーでも起きた.オランダでも起きた.ヴァイツゼッカー演説を称揚する日本人がいるが,バカも休み休み言え.あんなもの「政治ショー」の類いだ.米国という巨大なる存在の前に団結を迫られた欧州,あるいはソ連という陰惨な敵を前にして結束を迫られた欧州.そのためには小異を捨てて大同につくことが求められ,そのために恩讐を越えてドイツと「和解」することが双方の政府ぐるみで求められた,ただそれだけのことである.ちなみにドイツに殺された英国人に比べ,日本人に殺された英国人ははるかに少ない.それなら忘れるのも早いだろう.
著者がいみじくも指摘している通り,日本人は,もう英国はもちろんオランダにだって謝ることなど永遠にないし,そもそもこれ以上,彼らと「和解」する必要なんてない.和解は極東軍事裁判ですべて終わっている.昔から「罪を憎んで人を憎まず」というだろう.これ以上,言うなら,だれかこの金言を彼らに教えてやるべきだ.
ついでながら本書で「なぜ日本人は,あんなに残酷になれたのか」などとノーテンキな質問を繰り返す英国人が出てくるので,彼のためにわたくしなりの答えを教えてやろう.そもそも日本人が「近代化」に目覚めたのはアヘン戦争という歴史上決して消すことのできない人類史上の恥辱ともいえる戦争によってであった.貿易赤字を麻薬の輸出で解消しようとして,それを中国側の官憲が制止すると麻薬商と軍が結託して戦争をしかけ,見事中国を打ち負かして「麻薬の自由貿易」を認めさせるなんてことを白昼堂々やられてしまえば,日本人が目覚めないほうがおかしい.「この世はすべて軍事力」という当時のルールを身につけた日本人は,その後なんとか植民地化を逃れるのだが,それでもその後何度も英国人らによる度し難い「人種差別」に逢い続け,怒りのこぶしを握りしめ続けてきたのだ.上海の公園には「犬と中国人,入るべからず」という看板が恥ずかしげもなく掲げられいた.日本政府がヴェルサイユ講和会議に提出した「人種差別撤廃決議」はあっけなく却下.こうした積年の恨みつらみが,戦争という非常事態を契機に一気に噴き出したのである.これを理不尽というなら言え.しかし,事実として日本は白人どもを東南アジアからたたき出すことに成功し,結果として「アジアの植民地解放」はなったのである.もちろん日本はアジアを解放するために戦ったのではない.白人どもに替わってアジアを支配し,「善導」しようとしたのであるが...
著者は「水に流す」のは日本だけのやり方で,他国には通用しないなどと馬鹿なことを言っている.んなら欧州ではどの国もお互い過去について謝罪しあい理解しあって今日に至っているとでも言うのか.そんなことはない.チェコやポーランドから追放されたドイツ人は今も怒りを内に秘めているし,ソ連に占領されたベルリンで連日連夜ソ連兵に強姦され続けたドイツ女性の恨みは最近徐々に出版という行為を通じて明らかにされ始めている.欧州の闇は遥かに深いのだ.
著者は恵子ホームズさんらによる「民間外交」を,あたかも「真の和解」にとっては障害であるかのごとく難癖をつけている.そしてその証拠として彼女が直接英国人から聞き出した「生の声」を動かぬ証拠して挙げている.馬鹿だなあ.そりゃ,人間だもの.文句のひとつやふたつは言うよ.そして和解したくない人はいるのであって,彼らは私たちが何をしたって絶対に和解なぞしない人たちだ.だから無視するに限る.それより,私は,どういう行為にせよ,それが善意から出たものである限り,やらないよりはマシだと思っている.所詮世の中「目明き千人」なのだから.
【追記】
http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=SP268209
Dec/29/2009
米国のアフガン新戦略に対する,インドとパキスタンのメディアの辛口論評
インドの古参編集者M.J.アクバル(Akbar)は,バラック・オバマ(Barack
Obama)米大統領が2009年12月1日に宣言したアフガニスタン戦略に関する記事で,同戦略が2011年7月をデッドラインとしたことを批判し,(アフガニスタンの)神権政治(復活)の日程設定に繋がるものだと述べた.
幾つかの著者を持つアクバルは,「オバマは神権政治(の復活)の日程を設定した」との見出しで,タリバンが自らを「唯一神を畏れ,正直で,クリーン(な組織)」と提示していることを指摘しながら,「アフガニスタンで戦われている真の戦争は,近代性と神権政治の戦いである.しかし,勝ちつつあるのは過った側だ」と書いた.
アクバルはまた,オバマの政策「パキスタンとの戦略的パートナーシップ」を批判し,同政策を「最大の難問」と呼び,米国の資金と兵器をパキスタンの支配層に供与することはアフガニスタンのタリバンを強化すると警告した.
また,パキスタンの指導的日刊紙,ラホール発行のデイリー・タイムズ(Daily
Times)は「大急ぎで逃げ出す」と題した論説で,オバマが(アフガニスタン)撤退に期限を設けたことは,カブールにおけるタリバンの台頭に繋がると警告.米国の撤退計画に照らし,「(タリバン最高指導者)ムッラー・オマル(Mullah
Omar)と彼の戦闘員がいま為さねばならないことは,米国と北大西洋条約機構(NATO)(の撤退)をじっと待つことだ.カルザイ(Karzai)政権は熟しすぎたスモモのように彼ら(タリバン)の手に落ちるだろう」と指摘した.
同紙はまた,こう警告した.タリバンのアミール(首長)ムッラー・オマルはアルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン(Usama
bin Laden)との関係を維持し続けるだろう.また,タリバンの最重要グループ,ハッカニー・ネットワーク(Haqqani
Netwaork)はパキスタン(連邦直轄)部族地域の北ワジリスタンの基地から,アルカーイダと公然と協力し続けるだろう,と.
肝心なことがある.2009年10月18日に開始された(パキスタン)軍の南ワジリスタン作戦の直前,同軍は北ワジリスタンを支配する2人の重要なタリバン指揮官,ハフィズ・グル・バハドゥル(Hafiz
Gul Bahadur)とマウルヴィ・ナジル・アフマド(Maulvi
Nazir Ahmad)と和平協定に合意したことだ.
以下はM.J.アクバルの記事と,デイリー・タイムズの論説の抜粋である.
M.J.アクバル:「オバマは(アフガニスタンの)神聖政治(復活)の日程を設定した」
「オバマは,アフガニスタンでアメリカが2011年までに勝利することには関心がない.彼の関心はアメリカにおける2012年の(自らの)勝利だ」
「米国のバラック・オバマ大統領がポスト・モダニズムの最高司令官であることは明白だ.彼は勝利の希望を託す軍増派を発表したが,(実のところ)これはアフガン戦争敗北の日程の宣言だった.オバマ氏が約束したように,アメリカ軍が2011年アフガニスタンから撤退を始める日,タリバンは(アフガニスタンの首都)カブール(奪回)へのカウントダウンを始めるだろう.
「今やタリバンにとって明白になったことがある.オブザーバーにとっては既に明白だったことだが,オバマ氏は,2011年までの,アフガニスタンにおけるアメリカの勝利に関心がないということだ.彼が関心を抱いているのはアメリカにおける2012年の(自らの)勝利である.オバマ氏は,若者たちを故郷に返した大統領として,しかも,その過程で自分が弱腰(の大統領)だったとの印象を与えることなく,次期大統領選挙を戦いたいと思っている.
「オバマ氏が引き継いだアフガン戦争は,約1万人のアメリカの兵士が戦う戦争だった.この数字はあっという間に10万人に引き揚げられた.こうすることが出来た理由の一端は,オバマ氏がイラク(戦争)を批判する一方で,アフガニスタン(戦争)を“不可欠の戦争(war
of necessity)に格上げすることで,アメリカの強力な,戦争支持の有権者層に対し自分のやり方を売り込むことが出来たからだ.彼は(アフガニスタンで)見せかけの戦争を戦うことで,そうしたアメリカの世論に応えている.タリバンはしばしば“NATOの手に時計がある間,彼らに時間がある”と言って来た.戦況がどうであれ,2011年,NATOの時計は逆回転を始めるだろう.
「このアフガン戦争━西側大国に対する,1840年以来5番目の戦い━の不可解な点は,これまでの4回の戦争と全く同じである.勝利と敗北が意味するものは何かという点だ.(一般的に)占領者にとって勝利の意味は(現地の)支配当局を自分の意志に服従させることだ.防衛する者にとっての勝利の意味は,アフガンの土地から外国勢力が離れることである.19世紀,アフガンの戦士たちが望まなかったのは,英国のRaj(支配)の受け入れ.アフガンの戦士たちが,どのようにアフガンを運営するか(英国人に)指図されることを嫌ったのだ.20世紀(アフガニスタン戦争の)ムジャーヒドゥン(イスラム聖戦士)はモスクワにおける共産主義の破壊を望んだわけではなかった(実際のところ彼らはモスクワの共産主義破壊に大きな役割を果たした.しかし,それは偶然だった).彼らは,共産主義の兵士がカブール,カンダハル,マザリシャリフにいることを望まなかっただけだ」
パキスタンの支配層は「アフガニスタンのタリバンに対するアメリカの戦争に関し,態度を留保し,沈黙を続けるだろう.なぜなら,タリバンは南アジアの地政学においてパキスタンの同盟者であったし,今後も,そうあり続けるからだ」
「21世紀のアフガン戦争は(勝利と敗北が何を意味するのかと言う点で,過去4回の戦争とは)異なっており,また異なっているのは当然だ.なぜなら,(この戦争が起きたのは)タリバンが“聖域”を与えたテロ・グループがアメリカを挑発したからだ.8年後,タリバンはその役割を回復しつつある.また,タリバンの同盟者(アルカーイダの意)はアフガン人の心の中で,民族主義者の位置を占め始めている.米政府は初めから基本的な失敗を犯し,次第に戦争の焦点を移すことで,アフガニスタン全体とアルカーイダを混乱させた.これは2001年(9・11テロ直後,米国を包んだ)熱気の中では理解できた.しかし,時間が経つにつれ,理解し難いものとなった.(パキスタンの前大統領)ペルベス・ムシャラフ(Pervez
Musharraf)将軍はこのことを個人的に示唆したが,ブッシュ(Bush)のホワイトハウスは(その示唆を受け入れる)敏感さを失っていた.
「オバマ氏は,もうひとつの点で過ちを犯しているのかもしれない.彼はアフガン政策の3つの柱を宣言した.財政と兵器(支援)によって強化される,パキスタンとの戦略的パートナーシップ,また,『変化』を可能にする,1年半内の『軍事状況』の創造,そして,『前向き行動を補強する文民の増派』だ.うち3番目の柱はスピーチライター組合員を慰める類の,大げさなまわりくどい表現で,友人すら困惑させる.オバマ氏は,2011
年ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領が平和の鳩に投げキスし(タリバンの本拠地)カンダハルに(文民を)増派するとでも期待しているのだろうか.
「最大の難問は最初の柱にあるのかもしれない.パキスタンは(米国のように)アフガニスタンから8000マイルも離れているという幸運に恵まれてはいない.イスラマバードの支配層は軍部を含め,アルカーイがいつ,どこで発見されようと,同組織に対する戦争と,パキスタン・タリバンに対する戦争には完全にコミットするだろう.なぜなら,アルカーイダも,パキスタン・タリバンも,同国家とその体制に対して深刻な脅威であるからだ.しかし,パキスタンの支配層は,アメリカの対アフガニスタン・タリバン戦争に対しては態度を保留し,沈黙し続けるだろう.なぜなら,アフガン・タリバンは南アジアの地政学におけるパキスタンの同盟者であったし,そうあり続けるからだ」
「パキスタン自体の国内戦争は,いやおうなしにアメリカの戦争となった.しかし,アフガニスタンにおけるアメリカの戦争は,パキスタンの戦争とはならなかった」
「パキスタン自体の国内戦争は,いやおうなしにアメリカの戦争となった.しかし,アフガニスタンにおけるアメリカの戦争は,パキスタンの戦争とはならなかった.米政府は,知られざる,不可解な理由で,これ(パキスタンのアフガニスタン戦争参戦)を実現できないでいる.
「実際,アフガン・タリバンに対する戦争におけるアメリカの第一のパートナーはインドがなるべきであって,パキスタンではない.なぜなら,アメリカとインドはイデオロギーの面で,神聖政治勢力への反対にコミットしているからだ.両国はまた,タリバンをカブールに近づけないことに戦略的利益を持っている.一方,パキスタンにはそうしたモチヴェーションはない」
「混乱したパキスタン・アフガニスタン関係史における最良の時代は,タリバンが(アフガニスタンで)権力の座にあった時だった.なぜなら,タリバンは外交政策を,国家の利益という単純な強制力からではなく,イスラム同胞のプリズムを通じて考えたからだ」
「アフガニスタンで本当に戦われているのは近代性と神権政治の戦いだが,勝ちつつあるのは過った側だ・・・(米国は)世界中で,自身の価値観を反映する友人を求める一方で,その声望を台無しにする者たちを友人としている」
「アフガニスタンで本当に戦われているのは近代性と神権政治の戦いだが,勝ちつつあるのは過った側である.過去8年間に,近代性は多くのアフガン人にとって,カルザイ政権の顕著な特徴である汚職,えこひいき,そして非パシュトゥンの軍閥と同じ意味になった.一方,タリバンは唯一神を畏れる,正直で,クリーンな,そして村落に安定と治安を提供できる組織というイメージを回復した.
「アメリカの悲劇は,自身の価値観を反映する友人を世界中で求める一方で,アメリカの声望を台無しにする者たちを友人としていることだ」.※1
パキスタンの日刊紙:「大急ぎで逃げ出す」
「ムッラー・オマルと彼の戦士たちが現在為さねばならにことは,ただ米国と北大西洋条約機構(NATO)が出て行くのを待つことだ.そうなれば,カルザイ政権は熟しすぎたスモモのようにムッラー・オマルの手に落ちるだろう」
「長く待った,米国大統領バラック・オバマの新たなアフガン戦略の発表は,警戒と失望を等しく引き起こした.オバマは3万人の追加派遣を約束した.しかし,同時に,2011年7月からの撤退開始を発表した.彼のメッセージの趣旨は,米国はアフガニスタンで際限のない戦争を戦うことはできず,したがって名誉ある撤退を求めねばならないということだ.論争点は,その撤退が,実際の戦況の中で,いかに名誉あるものになるかだ.
「米国大統領の“大急ぎで逃げ出す”戦略が(タリバンに)十分に警戒心を抱かせるものではなかったとして,NATO同盟国の増派意欲はさらに薄く,駐留継続すら望まない国もある.米国が主導する西側は全体として(再び)暗闇に入ったアフガニスタンから再び顔を背ける傾向にある.
「タリバンに対する事実上の降伏を意味する(オバマのアフガニスタン新戦略の)『甘味料』は,いずれ口当たりの良い虚構の繰り返しとなる.増派米軍が2011年7月までに,アフガニスタンの軍隊と警察部隊を,タフなタリバンと自分たちで戦えるようにするという虚構だ.この点に関する,過去8年間の軌跡から判断して,これは達成できないようだ.訓練を受ける者たち(アフガニスタンの軍隊と警官)の数はまだ達成されておらず,また,その質は低い.彼らがタリバンに立ち向かい,自分たちの国(アフガニスタン)を1996年に起きたような過激主義の制圧から守ることが出来るとは想像すらできない.米政府の希望的観測にもかかわらず,彼ら(アフガニスタンの兵士と警官)がそうなる(つまり,タフなタリバンと立ち向かえる)可能性は全くない.(オバマの新戦略は,実際のところ,アフガン国民を見捨てることを正当化しようとする試みなのかもしれない).
「(オバマの新アフガニスタン戦略の発表で)パキスタン軍部は笑いが止まらないに違いない.同軍部は9・11以来,まさにこうした結末に向け,アルカーイダを攻撃する一方で,アフガニスタン・タリバンを将来に備えて救ってきたからだ.笑いが止まらないのはアフガニスタン・タリバンも同じだ.ムッラー・オマルと彼の戦士たちが現在為さねばならないことは,ただ米国とNATOの(撤退を)じっと待つことだ.そうすれば,カルザイ政権は熟しすぎたスモモのように彼ら(アフガニスタン・タリバン)の手に落ちるだろう」
ムッラー・オマルが・・・ウサマ・ビンラーディンとの同盟を放棄した兆候は全くない.「北ワジリスタンを根拠地とするハッカーニー評議会は,アルカーイダと公然と協力していると広く信じられている」
「こうしたシナリオが意味することは,地域,世界,そしてパキスタンのほぼ全ての国民にとって恐ろしいことだ.ムッラー・オマルは9・11以来,アルカーイダと公には距離を置いている.しかし,彼の昔の『客』ウサマ・ビンラーディンとの同盟を放棄した兆候は全くない.北ワジリスタンを根拠地とするハッカーニー評議会(Haqqani
Shura)は,アルカーイダと公然と協力していると広く信じられている.これが意味するのは,ムッラー・オマルとハッカーニー勢力が再び(2年後でも)カブールで権力を握れば,ビンラーディンがその後間もなくカブールに入ると考えて間違いなかろう.時代遅れの政過激主義政権が,武力と,パキスタン軍部の支援によって,苦難を受け続けるアフガン国民に再び押し付けられるのだ.
「こうした時代遅れの政権はアルカーイダを匿い,世界的に米国と西側の利益を再び脅かすことになろう.かかる政権はわれわれ(パキスタン)の軍部が統制できず,乗りこなせない荒馬であることがわかるだろう(2001年,パキスタンがビンラーディンを引き渡せ,少なくともアフガニスタンから追放するよう忠告した際,ムッラー・オマルが示した非妥協的態度を覚えているだろうか).さらに問題なのは,カブールを取り戻したタリバンの支配者たちが,テフリーク・エ・タリバン・パキスタン(パキスタン・タリバン運動)支援に乗り出し,それによってパキスタンが陥っている混乱に乗じて利を図る誘惑に抵抗できないかもしれないということだ.つまるところ,破壊し尽されたアフガニスタンに比べ,核武装のパキスタンを支配することは極めて魅力的であり,無視できないかもしれない」
「米国と西側は(アフガニスタンにとって)移り気な同盟であることが証明された・・・アフガニスタンは再び,支援も与えられず,放って置かれることとなる」
「米国と西側は(アフガニスタンにとって)移り気な同盟であることが証明された.米国と西側の国民は,とりわけブッシュとブレア(Blair)のごまかしの後,外国で戦争を行うことを嫌がっている.帝国主義は過ぎ去った.アフガニスタンは再び放って置かれることとなる.しかし,世界は,アフガニスタンを放置したことを再び後悔することになるかもしれない.※2
注:
※ 1 サンデー・パイオニア.インド,2009年12月6日
※ 2 デイリー・タイムズ.パキスタン,2009年12月3日.明快性を増すためテキストを若干編集した.
【追記】
朝鮮統一,コストがネック.統一後の費用を韓国国民が負担したら,一人あたり4万ドルの支払いとなる[01/04]
新着レス 2010/01/04(月) 21:44
1 名前: どす狼こい喫茶-ジュテーム-φ ★
投稿日: 2010/01/04(月) 21:24:17 ID:??? ?PLT(14031)
【オピニオン】朝鮮統一,コストがネック
ピーター・M・ベック
2010年 1月 4日 20:30 JST
北朝鮮の核は長年外交上の優先課題となってきたが,朝鮮半島の抱える問題はそれだけではない.
金正日体制はますます不安定になり,崩壊の可能性も見えてきた.これは南北朝鮮の統一につながり,
各国首脳は北朝鮮経済の近代化という,莫大な投資を要する責務に向き合わねばならない可能性もある.
ASSOCIATED PRESS
北朝鮮に対する人権運動の旗の前で(12月30日,韓国ソウル)
南北朝鮮統一のシナリオは3つある.一つはドイツのような,突然だが友好的なパターンだ.
一方,最悪なのはベトナムがかつて経験したような暴力的なものだ.
3つ目は両者の中間で,ルーマニアやアルバニアで見られたような混乱したポスト社会主義の過渡期と類似したものだ.
北朝鮮経済は瀕死の状態にあり,上記のどのパターンも費用がかさむことになる.
北朝鮮経済は,何千万人もの犠牲者を出したとみられる1990年代の飢饉のなか破綻した.
経済再建には電力網や鉄道,港湾をはじめとする新しいインフラが必要になり,これだけでも何十億ドルを要する.
北朝鮮に現代の基準を満たす工場はほとんどなく,農耕地の回復にも長い年月がかかるとみられる.
だが,最も高コストとなるのは,支援金を通してであれ,教育や医療分野への投資を通してであれ,南北の賃金格差是正だろう.
最善のドイツのパターンで統一したとしても,韓国はダメージを受ける.
過去20年間で2兆ドルを払った西ドイツだが,当初の環境は比較的良好なものだった.
東ドイツの人口は西ドイツの4分の1に過ぎず,1989年時点での一人当たりの収入は西ドイツの3分の1だった.
東西ドイツの間には,盛んな貿易関係もあった.
北朝鮮の一人当たりの収入は韓国の5%以下だ.
ドル換算した韓国国内総生産(GDP)の毎年の拡大額は,北朝鮮の経済全体に匹敵する.
高い出生率のおかげで北朝鮮の人口は韓国の半分に達し,なお増加傾向にあるが,両国間に貿易関係はほとんどない.
南北朝鮮の生活水準が均質化し,北朝鮮が韓国に追いつくためには,北朝鮮は東ドイツが要したよりも多くの支援を必要とするだろう.
近年政府,学界,投資銀行などが南北朝鮮統一のコストを試算したリポートを数多く出している.
少ないところではランド研究所が500億ドル(約4兆6500億円)と見積もっているが,これは北朝鮮の賃金が現在の2倍
すなわち韓国の10%弱となった場合を想定しているにすぎない.
高いところでは,クレディ・スイスが昨年,1兆5000億ドルと見積もったが,これは北朝鮮での賃金が韓国の60%に
引き上げられた時の金額だ.
政治的に必要な水準と思われる,韓国の80%まで引き上げるには,私は30年間で2兆ドルから5兆ドルが必要になると
みている.この費用をすべて韓国の国民が負担した場合,少なくとも一人当たり4万ドルを払うことになる.
この費用を誰が負担し得るのだろうか.現在,北朝鮮体制の最大の支援者は中国で,貿易,投資,経済支援などで
年間30億ドル相当を捻出している.
だがこの流れが続いたとしても,30年間で2兆ドルなら年換算で必要となる670億ドルのほんの一部にすぎない.
日本は20世紀初めに朝鮮を植民地支配したことへの賠償金として100億ドルを支払う構えだが,これも必要経費の一部となるのみだ.
加えて,世界銀行などの国際機関や韓国,米国も一翼を担う必要がある.
北朝鮮経済の近代化は,北アジアの平和と繁栄に向けて賢明な投資だろう.
政治家はその費用の財源と,資金が統一後の混乱に浪費されるリスクを最小限に抑えるための使途を考えなければならない.
(ピーター・M・ベック氏はスタンフォード大学のパンテック・リサーチ・フェロー.アメリカン大学,韓国・梨花女子大学で教鞭を執る)
原文: Contemplating Korean Reunification
http://jp.wsj.com/Opinions/Opinion/node_18547/(language)/eng-US
http://jp.wsj.com/Opinions/Opinion/node_18547
【質問】
ジャスティン・フランチ・ソロンズとは?
【回答】
米国の過激派環境保護組織「ファミリー」のメンバーで,1996〜2001年に,米西部5州で少なくとも25件の放火や器物損壊などの事件に関与したとされるテロリスト.
中でも98年にコロラド州のスキー場を襲撃した事件は,AP通信曰く,「米国史上最悪の環境テロの一つ」.
「ファミリー」は,動物愛護を唱えて食肉業者などへの攻撃を繰り返す「動物解放戦線(ALF)」や,そこから派生した「地球解放戦線(ELF)」など,米当局が「環境テロ組織」とみなす団体と関係が深い.
一連の事件による被害額は,8000万ドル以上に達するという.
2005年,捜査線上に浮かんでいたソロンズは,母親のいたイタリアを旅行した後,米国には戻らず,そのまま逃亡.
米西部で数十件の放火事件に関与したとして,FBIから国際指名手配を受け,06年には容疑者不在のまま起訴された.
そしてFBIは,ソロンズと仲間3人に,5万ドルの懸賞金を懸けて行方を追っていた.
ソロンズは少なくとも2つの偽名を使い,3年以上にわたって逃亡生活を続けた.
両親とも音信を断ち,欧州やアジア各国を転々とした末,雲南省大理に潜伏した.
産経新聞によれば,「同地はバックパッカーや,安価な薬物を求める一部の人間に人気が高い」という.
カナダの偽造パスポートを所持し,いつも黒っぽい服で身を固め,
「何かから逃げているように見えた」(大理での友人)
という.
2009年3月,ソロンズは欧米人バックパッカーに人気のバーで,少量のアヘンと大麻を所持しているのを見つかり,逮捕された.
家宅捜索では,約15kgの大麻が庭に埋められているのが発見された.
逮捕直前当時は,大麻吸引にふけりながら,おびえるように暮らしていたという.
その後,ソロンズ被告は麻薬密造の罪で起訴された.
起訴内容の詳細は不明だが,父親がAP通信に語ったところによると,公判では,ソロンズが薬品を使って大麻草から液体を抽出しようとしていたなどとする証拠が提出されたという.
同年1111月下旬,薬物犯としては中国では刑の軽い,禁固3年の実刑判決が言い渡された.
ある中国人弁護士はニューヨーク・タイムズに対し,
「外交的な意思疎通が(公判の)結果に影響したはずだ」
と語り,ソロンズに対する量刑判断には,中国当局の米国に対する配慮があったとの見方を示した.
このとき,彼は30歳.
ソロンズは,中国での刑期を終えた時点で本国に送還され,一連の環境テロ事件について裁かれることになる公算が大きい,と産経新聞は予測している.
【参考ページ】
2010年1月3日12時24分,産経新聞(大内清)
【質問】
シャーハサンケル・バレーボール試合会場自爆テロ事件とは?
【回答】
2010.1.1,北西辺境州ラッキマルワト近郊の,シャーハサンケル町の住宅街の屋外運動場で開かれていた,バレーボールの試合会場で起きた自爆テロ事件.
警察によれば,スポーツタイプ多目的車(SUV)が自爆に使われたという.
(トラックだとする報道もある)
車輛ごと運動場に突っ込んだともみられる.
爆風で周辺の民家8棟が倒壊などし,18キロ離れた地点でも爆風が感知された.
爆薬約300キロを使ったと推定されている.
警察は,計88人が死亡,37人が負傷したと発表した.
死傷者が増える可能性もある.
事件当時は,お年寄りや子供も含む大勢の住民が試合を観戦しており,地元警察によると,200人以上が試合を観戦していたという.
犠牲者には子供6人が含まれ,10代の若者が多かったという.
当局によると,この村では,ターリバーン掃討のための民兵組織を結成していた.
【参考ページ】
2010年1月2日13時13分,ロイター
2010年1月2日13時33分,CNN
【追記】
テロ標的の基地,無人機拠点=タリバンが犯行認める−アフガン
1月2日11時33分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100102-00000010-jij-int
【ワシントン時事】アフガニスタン東部にある米中央情報局(CIA)の前線基地内で昨年12月30日に起きた自爆テロで,ワシントン・ポスト紙は1日,標的となった基地が無人爆撃機の作戦拠点だったと報じた.
米軍はアフガンとパキスタン国境地帯に広がる武装勢力の聖域を中心に,無人機による空爆を繰り返している.無人機は米本土から遠隔操作され,CIAは現地で主に標的の情報収集を行っているとされる.
同紙によると,反政府勢力タリバンは1日までに犯行を認めた上で,自爆攻撃を行ったのは同勢力に加わったアフガン軍兵士だと主張.自爆犯は情報提供者を装って侵入した可能性がある.
CIA基地攻撃 パキスタン勢力が犯行声明
1月2日17時7分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100102-00000546-san-int
パキスタンを拠点とするイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)」は1日,アフガニスタン東部ホスト州で12月30日に米中央情報局(CIA)関係者らが死亡した自爆テロの犯行声明を出した.TTPの司令官だった人物が昨年,米軍無人機の爆撃で死亡したことへの報復とした.米メディアによると,テロの標的となったのは無人爆撃機の作戦拠点で,死亡したCIA関係者は7人.(ニューデリー 田北真樹子)
【追記】
北,96年までにウラン濃縮着手か
1月7日7時56分,産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100107-00000038-san-int
韓国の柳明桓外交通商相は6日,聯合ニュースとのインタビューで,「(北朝鮮が)1994年の米朝枠組み合意後,遅くとも96年から(核爆弾の原料になる)ウランの濃縮作業を始めたようだ」と語った.北朝鮮のウラン濃縮計画については,これまで90年代末から2000年代初頭に着手したとみられてきた.ウラン濃縮計画をめぐっては,02年10月にケリー米国務次官補(当時)が訪朝した際,北朝鮮側が認めたとされる.その後,北朝鮮は一貫して否定してきたが,昨年6月,計画開始を初めて表明した.(ソウル 水沼啓子)
柳明桓長官「北朝鮮,相当早くから濃縮ウラン開発」
1月6日9時22分,聯合ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100106-00000000-yonh-kr
【ソウル6日聯合ニュース】外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は,北朝鮮が濃縮ウランを秘密裏に開発しているという疑いに関し,「確実なことは,北朝鮮が濃縮ウラン開発を相当早くから始めたということ」と述べ,1994年の米朝枠組み合意直後,遅くとも1996年から開発を始めたとみられるとした.新年を迎え6日,聯合ニュースのインタビューに答えた.
北朝鮮の濃縮ウラン開発疑惑をめぐってはさまざまな憶測があるが,1990年代末あるいは2000年代初めに開発着手と推定されてきた北朝鮮のウラン濃縮能力と兵器化が予想より強力な水準である可能性を,韓国政府高官が公に示唆したものとなる.
柳長官はしかし,現在の水準がどの段階で,濃縮ウランをどの程度保有しているか,どれほどの核兵器があるかなどの情報は分からないと述べた.ただ,関係国の間で情報共有はしていると強調した.さらに,「濃縮ウラン問題は新たな課題で,北朝鮮が実験に成功したと主張しているだけに,(6カ国協議が再開されれば)当然,議題に含められなければならない」と述べた.
柳長官は,北朝鮮核問題の解決に向け韓国が提案している「グランドバーゲン(一括妥結案)」についても説明した.これは,米朝枠組み合意から15年の間,結果的に北朝鮮に時間を稼がせたにすぎないという見方がある状況で出た案だとし,簡単なことから進めて難しいことを後回しにしてはならないと指摘した.グランドバーゲンについて,「基本構想と概略的なシークエンシングに対し,われわれなりの腹案ができている.まず,(6カ国協議参加国のうち)中国,ロシアと協議した.今後5カ国で協議しながら少しずつ修正し,6カ国協議が開かれれば共通の案を提示できるよう準備していく」と説明した.同案を含め,北朝鮮への経済支援構想はまだ手始めの段階だという.5カ国間協議を通じ,国際的な金融支援を提供する案を検討しているが,具体的には進んでいないとした.
北朝鮮の6カ国協議復帰の見通しとしては,個人的には早期に戻るものと予想するが,具体的な時期の言及には慎重にならざるを得ないと答えた.ただ,北朝鮮としては協議に復帰できる体面を確保したと考えており,中朝がこの先,さらに積極的に接触していくべきだと指摘した.
一方,韓日関係について,天皇の訪韓問題は日本側の事情もあるため,ことし実現できるか断言できないとした.訪韓も重要だが,どのような姿で訪韓するかがより重要との考えを示した.独島(日本名:竹島)問題に対しては,「われわれの独島領有権を損なおうとする試みには,断固として厳重に対処していく」と強調した.
【追記】
http://www.bk1.jp/review/0000469748
米中同盟の話も笑わせる.日本では対米従属が悔しくて我慢ならなくて,なんとかアメリカを否定し,アメリカをくさし,日米安保を解消に持ち込もうと運動する人が昔からいたが,西尾もその類である.しかし,米中同盟で日本が置いてけぼりとは笑止である.アメリカはそんな国ではない.
アメリカがロシアに強く当たり,中国に融和的なのは,中国がアメリカに肝心なところで全部譲歩しているからである.中国は今後ともアメリカの市場と資本なしには生きていけないし成長もできない.能なしの貧乏人が毎年7%前後のスピードで人口が増えている今の中国では,国民の生活水準を維持するには8%前後の経済成長を続けないと持たないのである.すでに中国共産党の腐敗は相当程度進行しており,経済成長の分け前を国民に配れなくなった途端,共産党の正当性は崩壊する.そういう危ない状態にあるのが今の中国である.そのために中国はあえてアメリカの資本を大量に受け入れ,最も付加価値の低い製造工程に低廉な労働力を大量供給することで,経済をつなぎとめている.アメリカもアメリカで,中国の脆弱性は百も承知.彼らと無駄に事は構えたくないし,利用できるところは徹底的に利用し尽くす.これを言葉を変えていえば「WIN-WIN」の関係というのだが,そういう便宜的な結婚状態にあるのが米中関係とみてよいだろう.中国は世界の工場ではない.世界の下請け工場というのが,より正確な表現である.
【質問】
石油利権を巡るナイジェリアの武装闘争は,どのような状況か?
【回答】
前回は,MOSOP(ニジェール・デルタ人生存運動)について書いた.
これは政治運動によって,政府の偏った開発を止めさせようとした運動であり,合法活動だったが,ナイジェリア政権によって完全に下火になってしまった.
さて,過去の歴史を振り返ってみても,民衆が「自らの生存」を合法で得られなければたどり着く先は同じだ.
すなわち「武装蜂起」.
成功するかどうかは別として,暴力以外の手段で解決しなければ,暴力に訴える.
そこで「当然の結果」として,武装蜂起が起きた.
これが,2004年9月にナイジェリア政府と石油企業にに対して「宣戦布告」を行った「ニジェール・デルタ人民志願軍」とMEND(ニジェール・デルタ解放運動)だ.
今回は「ニジェール・デルタ人民志願軍」について書いておく
このうち,「ニジェール・デルタ人民志願軍」を率いるドグボ・アサリは,政治活動を行い,ニ度に渡って立候補しているが,いずれも落選している.
――――――
ドグボ氏は1964年,デルタ地域の少数民族イジョー人の中流家庭に生まれた.
ポート・ハーコートで初等中等教育を終えた後,ナイジェリア国内の大学に進学するが,3年生だった1990年,政治活動により退学処分を受けた.
その後,1992年にリバーズ州会議員選挙,98年には地元自治体の首長選挙に立候補したが,いずれも落選.
1998年にイジョー人の若者を集めて,「イジョー青年同盟」と称する青年団体を組織し,石油産業による利益の地元還元を主張する運動を開始した.
――――――『ルポ 資源大国アフリカ』(白戸圭一著,東洋経済新報社,2009.8),117ページ
その後,この組織はどんどん急進的となり,2003年にオバサンジョ大統領が再選されると,
「不正選挙で当選した大統領が率いる政府が,石油企業と一緒に原油採掘で不当に利益を得ている」
と主張し,前述の通り,政府と石油企業に対して「宣戦布告」した.
この運動に参加したのは,イジョー人の若者を中心とした2000名とされる.
(この手の急進的な武力蜂起に,若者は惹かれるのが常なのは,世銀のレポート「戦乱下の開発政策」にも記述がある)
これに対して政府は軍を派遣して対抗.
掃討作戦を展開し,2005年にドグボを逮捕.
国家反逆罪で起訴を行っている.
泥沼化していっている様子が見て取れるだろう.
本来であれば「開発の公正化」を目指すべき政府が(少なくとも,不公正さをなにかでごまかす努力を行うべきだろう),この手の運動を誘発する.
一旦,武力を用いてこれらは鎮圧するが,これは「薬を用いて,一時的に幹部を治癒した」だけであって,根本的な解決になっていない.
軍事力の持つ強制力は巨大ではあるが,一方,根本的な問題の解決には何ら寄与しない(と私は思う).
軍事力が行えるのは,所詮「治安維持」までであって,それ以降の問題は,政治で解決(軍事も政治の一部だから,表現は間違っているかもしれんが)すべきだが,当の政府が様々なしがらみ,既得権益に縛られるため,新たな武装蜂起を呼ぶだけの結果となっている.
ますたーあじあ in mixi,2011年05月25日00:10
青文字:加筆改修部分
5c
【質問】
現在米軍が使用している階級章,部隊章,帽章等について,米軍以外のものが着用すると,どのような問題がありますか?
もし,法律等がございましたら,英文でも構いませんので教えてください.
【回答】
以下のとおり国内法の犯罪に該当します.
なお,他国のことは把握しておりません.
「これは官名詐称という犯罪です.
軽犯罪法
第1条 左の各号の一に該当する者は,これを拘留又は科料に処する.
15.官公職,位階勲等,学位その他法令により定められた称号若しくは外国
におけるこれらに準ずるものを詐称し,又は資格がないのにかかわらず,
法令により定められた制服若しくは勲章,記章その他の標章若しくはこ
れらに似せて作つた物を用いた者
つまり大っぴらに米軍コスプレをやれば,特段の直接的不利益を与えなくても,建前上は罰せられます.
たとえ自衛官OBでも,”現役時代の制服”を着ると「官名詐称」になります.
なお,戦前の旧軍将校は原則終身服役でしたので,退官後も予備役や後備役の軍籍があり,軍服を着ても大丈夫でした.」
(ヨーソロ)
【質問】
台湾への潜水艦輸出問題について教えてください.
【回答】
台湾の米武器購入のキモは潜水艦にあります.
長きに渡って動きがありませんでしたが,ようやく動きそうです.
台湾軍備の致命的欠陥は,「対空・ミサイル能力」「対潜能力」とされます.
現在台湾対岸の大陸沿岸部には,台湾を射程に入れた1300基を超える戦術弾道ミサイルが配備されています.
また,国防白書でシナは,一線配備されている潜水艦は60隻以上としています.
台湾の海上封鎖をするに十分な隻数を,すでに保有しているわけです.
対ミサイル能力について台湾は,PAC3を6セット,PAC2を3セット保有しています.
しかしPAC2では飛行機は落ちるかもしれませんが,シナの戦術弾道ミサイルは落ちません.
台湾の対潜能力については,打撃力を持つ艦艇・潜水艦が緊要の装備となります.
艦艇は,米から4隻のキッド級駆逐艦を購入し,2005年12月より順次就役しており,すでに大きな力を発揮しています.
ところが台湾海軍が保有している潜水艦のうち,機能するのは2隻しかないといわれています.
前の民進党政権は,両能力の増大をがんばって図ってきました.
具体的に言えば,「PAC2のPAC3へのアップグレード」「新鋭軍艦,潜水艦の増強」です.
米は,「台湾関係法」に基づき,台湾に防衛的性格の武器供与を約束しており,2001年4月に開催された米台軍事協議で,キッド級駆逐艦4隻,対潜哨戒機12機,ディーゼル潜水艦8隻等の大型武器供与を認めています.
しかしその後,台湾側の手続きの遅れ(国民党のサボタージュ)や,9.11テロ対処で中共の協力を得る必要が米に出てきたこともあり,中共との対立姿勢を明確にする陳政権と米との関係は悪化し,キッド級駆逐艦の納入以降,他の武器の売却が先延ばしになっていました.
陳政権は2期目の2004年になって,米が売却可能とした駆逐艦4隻,ディーゼル潜水艦8隻,対潜哨戒機12機,PAC3 6基などにつき,15年計画で購入する特別予算を組み国会に提出しましたが,野党・国民党が審議そのものを拒否するという異常な状況に直面します.
そんななか台湾国防部は,060414に行なった記者会見のなかで,
●米国はPAC3については99年に,ディーゼル潜水艦と対潜哨戒機は2001年にそれぞれ台湾への売却を同意したものの,米国からの見積書が提出されなかったため,国防部は予算案作成のための手続きを進めることができなかった.
●国防部はその後米国側と協調を図り,2003年1月に潜水艦,04年2月に対潜哨戒機,同3月にPAC3に関する見積書を受け取った
ことを明らかにします.
その後,2007年6月に対潜哨戒機P-3C,2007年12月にPACー3の購入予算,ディーゼル潜水艦の購入調査費が立法院を通過します.
しかし,ディーゼル潜水艦の購入予算は現時点で通過していません.
というわけで,台湾がもっとも求めているPAC3と潜水艦のうち,PAC3についてはそれなりに目途がついており,潜水艦についても進展の端緒が見られる状況になっています.
2008年3月
総選挙で,国民党の馬政権が誕生.
080416
米『ディフェンス・ニューズ』誌が,潜水艦の台湾への売却については,米次期政府が決定することとなる可能性を指摘.
080521
陳肇敏・国防部長が立法院で2008年度立法計画を報告.
米からの潜水艦購入について国防部は,潜水艦の作戦ニーズを再検討して決定する方針を表明.
あわせて,4〜6年の間に国軍を全部志願兵に変更し,総員を20万人まで削減する旨表明.
2008年6月
米ブッシュ政権は8月に開催される北京五輪を控え,米中関係を考慮して台湾向け武器供与120億ドル相当分を凍結.
080716
米太平洋集団司令官のキーティング大将が講演で,米政府が台湾への武器売却を凍結していることに言及.
それを受け米の保守系論客は,
「台湾側の武器購入予算期限が,今年末に迫っている」
「売却に関する米議会手続きを急ぐべき」
「議会承認が遅れると次期政権に先送りとなり,シナの圧力で売却は難しくなる」
とブッシュ政権に意見.
080729
池玉蘭・国防部スポークスマンが,台湾の独自潜水艦建造について,米は台湾が潜水艦建造の技術を所有することに同意せず,また自ら潜水艦を建造することは,費用対効果と需要につり合わないため,実現する可能性は小さいと指摘.
081003
米国防総省「国防安全協力庁」が,長年の懸案となっていた台湾への武器売却計画を議会に通告.
売却が決まったのはPAC3のミサイル330発のほか,攻撃型ヘリコプター「アパッチ」30機,対艦ミサイル「ハープーン」32発,潜水艦用魚雷32発等,早期警戒機E-2T4機など総額約65億ドル(約6800億円)相当.
ディーゼル潜水艦は,米政府の内部審査を理由に見送られた.
台湾は長きにわたり多用途ヘリUH60「ブラックホーク」と潜水艦の供与を米に求めていることから,台湾国防部は,供与計画に台湾側が希望していた潜水艦,多用途ヘリUH60「ブラックホーク」,F-16C/D型戦闘機が含まれなかった件について,引き続き米と交渉し,年末までに米議会に通知してほしい旨表明.
081006
米国務省は台湾側が希望していた潜水艦,多用途ヘリUH60「ブラックホーク」やF-16C/D型戦闘機が含まれなかった件に関し,供与計画を否決せず引き続き検討する旨表明.
081104の選挙で米民主党が勝利.
090120オバマ政権発足.
090405 米『ディフェンス・ニュース』
米国が台湾に潜水艦を供与する意向があまり高くないため,台湾は8月に自らディゼール潜水艦を建造することを発表予定するも,各種の技術問題が関っているため米の協力が必要になる,と台湾の元国防部関係者が表明.
台湾軍は,自ら建造する潜水艦の品質に自信がないため,積極的に検討しない方針.
090406
台湾の国家安全会議,潜水艦に関する会議を5回にわたって開催し,国内の国防関連工業の発展を促進するため,台湾が自ら潜水艦を建造する意向を示す.
(潜水艦を独自建造する方針を台湾政府が決めたとの話は,昔からいろいろ報じられています.
米国からの購入を決めている8隻の潜水艦の内,6隻は米国から調達し,2隻は米国に技術移転を求めて台湾が独自に建造するというものです.
これについて,060627に当時のローレンス米国防次官補は,当時の李傑国防部長宛に書簡を送り,台湾の潜水艦自主建造に反対を表明しています)
090916
ゲイツ米国防長官が「シナの対艦兵器増強は,前方展開する米の空軍基地と空母機動部隊の脅威になりうる」と発言.
091020
米『ディフェンス・ニュース』が,台湾は米国から潜水艦の購入許可を得る機会が少なくなることから,駐米国海軍潜水艦執行オフィス(PEO Subs)を経費節約のため撤去する予定と報じる.
台湾海軍はこれを否定.
091207
馬英九総統が日本のメディアに対し,米国が近く台湾に対して多用途ヘリ「UH60ブラックホーク」とディーゼル潜水艦を供与する見通しであると,明らかにしたと読売が報じる.
091211
米政府が,ディーゼル潜水艦の事前研究計画の執行,UH-60ブラックホーク,PAC-3ミサイル2セット及び「博勝計画」に盛り込まれたシステム供与に関する方針を米議会に通知する予定,とロイターが報じる.
国家安全会議の関係者は「米国は未だ検討中であり,何も確定していない」と語った.
国家安全会議副秘書長・何思因氏はこの週,定例業務の名目で米国を訪問し,軍備供与問題について米国と協議している.
100107
米国の台湾代表部のPAC3に関する発表
1.米が台湾に売却するPAC3の製造をロッキード・マーチン社が受注した
(先月下旬に,米の軍需大手レイセオン社が同じくPAC3の契約を11億ドル(約1100億円)で受注しています.)
100109
ロイターが,米国務省筋が6日水曜日に語った話として以下のことを報じる.
1.オバマ政権は,台湾に対し,新型ディーゼル潜水艦の設計(3億ドル規模)を含む武器供与を行なう方向である
1.潜水艦は,シナ軍の着上陸作戦に対抗するための装備である
1.潜水艦のほか,他用途ヘリ「UH-60ブラックホーク」,PAC3の売却も米議会に通告する予定である.
1.潜水艦8隻の建造には100億ドル規模のコストがかかり,十数年に渡る取引となろう
以下余談です.
2001年にブッシュ政権は台湾へのディーゼル潜水艦供与を決めましたが,米の潜水艦はすでにすべてが原子力推進でディーゼル推進潜水艦はもう作っておらず,建造能力はありませんでした.
ですので,台湾へのディーゼル潜水艦供与は,潜水艦を建造する能力を持つ国に依頼して作ってもらうというスタイルになります.
これは戦闘システムを米製にするということであり,以前から台湾が口にしていたことです.
一部で,ギリシャ海軍が受け取りを拒否したドイツ製潜水艦4隻を,米国経由で受け取るのではないか,という話が出ているのは,こういう背景があるためです.
ちなみに2001年当時,潜水艦を建造できる諸国は,中共の恫喝にビビり,台湾向け潜水艦の建造を行なわず,米はすでに退役したディーゼル潜水艦を設計しなおして供与しようとしました.
そんな古臭い潜水艦など欲しくないところですが,中共の軍備激増に直面し,潜水艦を2隻しか展開できない状況で,台湾は藁をも掴む思いだったのだと思います.
しかし2000年から2008年にかけての陳政権は,立法院のねじれ現象(野党多数)による野党国民党の妨害にあって,立法府で購入予算を通すことがついにできませんでした.
ある意味,安倍政権と共通する苦しみを味わったといえましょう.
最後に思うことですが,わが国には世界有数の潜水艦建造能力があります.
かなうのであれば,台湾の潜水艦建造はわが国が一手に引き受けたいものです.
【参考】
http://www.taiwanembassy.org/fp.asp?xItem=43911&ctNode=3591&mp=202
http://www.armscontrol.org/print/3420
http://www.koryu.or.jp/
さて,中共は,2008年10月にブッシュ前米大統領が,長らく先送りしていた,台湾への65億ドル相当の武器輸出計画を議会に通告して以来,米との軍事交流を中止しており,今回のオバマ政権の姿勢にも反発しています.
いま,軍・政府を挙げてその姿勢を示しています.
【追記】
■空母2艦隊で経費は約2兆円
7日発行の中共紙「国際先駆導報」(中共通信社の新華社が発行)が
掲載したシナ空軍の戴旭大佐の発言の要点は以下のとおり.
1.空母機動部隊の創設には1個あたり100億ドル(約1兆円)必要
1.内訳は,空母本体が20億ドル(約2000億円)以上,艦載機に
30億ドル(約3000億円),戦闘艦や補給艦等機動部隊総体で100億ドルとしている
1.シナ軍は空母艦載機の操縦士訓練をすでに実施している
1.6〜7万トン級の中型通常動力空母が最善の選択肢
1.空母保有の有無は伝統的海軍か近代的海軍かを分ける指標
1.空母保有は,1960年代の核武器開発同様,大国たるシナにとって必ず必要
1.艦載機技術,レーダー,通信,コンピュータを一体運用することが現時点
でできていない
1.空母機動部隊創設には相当長い期間が必要
⇒大佐の言は,シナが2個空母機動部隊創設を目標としていることを示してい
ます.わが国は,潜水艦の増強を持って対抗するのがもっとも効果的と思います
.
【追記】
■シナの諜報活動は冷戦時代レベル
米の調査機関「ジュディシャル・ウォッチ」が,
昨年末(091223)に,シナの諜報活動に関する記事を公開しています.
http://www.judicialwatch.org/foiablog/2009/dec/china-espionage-cold-war-levels-0
なかで,連邦情報公開法に基き司法省が公開した
2008年4月3日付書類(全7枚 英文)が紹介されています.
“China Illegal Export/ Espionage Talking
Points (April 3, 2008)”
http://www.judicialwatch.org/files/documents/2009/480_doj_nsd_talkingpointschina_9_25_2009.pdf
とても興味深い内容です.
箇条書きなので,読みやすいと思います.
目次は以下のとおりです
●論点
A.シナの不法輸出・諜報活動に関する演説,公開文書
B.司法省が起訴したシナ関連事案
C.司法省の国家輸出規制構想(National
Export Enforcement Initiative)
の観点から
●2006/10〜2008/3におけるシナの不法輸出,経済スパイ,諜報活動の実態
1.諜報活動
2.不法輸出・経済スパイ
【追記】
米英,イエメンで合同テロ対策 対テロ特殊部隊を資金援助
1月3日19時41分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100103-00000548-san-int
【ロンドン=木村正人】米英両政府は3日,昨年12月のデルタ航空機爆破テロ未遂事件を受け,イエメンの対テロ特殊部隊に資金援助することで合意した.両政府は,ソマリアでの国連平和維持活動(PKO)の拡大も求めるなど,国際テロ組織アルカーイダの拠点となっているイエメン,ソマリアでのテロ対策を強化する方針だ.
英首相官邸が同日の声明で明らかにした.オバマ米大統領は2日,アルカーイダへの掃討作戦を続けているイエメン政府に対する軍事協力などを,強化する意向を表明した.英政府の声明はこれを受けたもの.
声明によると,具体的な措置としては,欧州連合(EU)にも協力を呼びかけ,ソマリアのテロ勢力が海上ルートでイエメンに上陸するのを阻止するため,同国の沿岸警備隊を支援.犯罪組織のマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金を追跡している国際機関を活用し,イエメンへのテロ資金の流れを監視する.
米英両政府はこれまで,アルカーイダ指導者のウサマ・ビンラーディン容疑者が潜伏しているとみられるアフガンとパキスタンを,テロ対策の最前線として重点的に対策を進めてきた.
しかし昨年1月,イエメンとサウジアラビアのアルカーイダが「アラビア半島のアルカーイダ」を結成.デルタ航空機爆破テロ未遂事件のアブドルムタラブ容疑者が,イエメンで同組織から訓練を受けていたことが判明した.このため,英政府は声明で「イエメンはテロの温床になり,安全な隠れ家になる可能性がある.地域と世界に対する脅威だ」と,テロ対策を強化する必要性を強調した.
英政府はイエメンへの支援額を,現在の2000万ポンド(約30億円)から5000万ポンド(約75億円)に増額する方針.ブラウン英首相は1日,イエメンでのテロ対策に関する国際会議を,ロンドンで28日に開催する計画を発表している.
一方,中東地域を管轄する米中央軍のペトレイアス司令官はイエメンを訪問し,2日には首都サヌアでサレハ大統領に,オバマ大統領の親書を手渡した.軍事協力の強化を確約し,昨年は6700万ドル(約62億3000万円)だった米国からイエメンへの支援を,今年は倍増する方針も伝えた.
イエメンでアルカーイダは地元部族とのつながりを深めている.このため掃討作戦を強化すれば,地元部族のアルカーイダへの傾斜を後押しするという悪循環に陥りかねない,との懸念も指摘されている.
在イエメン米英大使館,アルカイダの攻撃懸念で閉鎖
1月4日10時41分配信 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100104-00000744-reu-int
[サヌア 3日 ロイター] 米国と英国は3日,クリスマスに発生した米航空機爆破未遂事件を受け,攻撃の懸念があるとして在イエメン大使館を閉鎖した.
米当局は,アルカイダがイエメンで勢力を拡大しつつあるとみており,米大使館は,アルカイダの攻撃の恐れがあると述べた.
ホワイトハウスのブレナン大統領補佐官(テロ対策担当)はCNNに対し「われわれはアルカイダが(イエメンに)いることを把握しており,警戒の必要性を認識している」と語り,攻撃の兆候が見られることを明らかにした.
イエメンは,北部ではシーア派抵抗勢力に,南部では独立派の抗議行動に直面.ソマリアからのイスラム過激派潜入を防ぐため沿岸警備を強化したり,米国と協力強化を協議するなどしている.
西側同盟諸国は,アルカイダがイエメン情勢の混迷に乗じてさらに世界的な攻撃を企てる可能性があるとして同国政府への支援を模索している.ただイエメンのキルビ外相は,米国との間で対アルカイダ攻撃を調整してはいないと述べた.
米政府,在イエメン大使館を再開
1月5日18時26分配信 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100105-00000012-reu-int
[サヌア/ドバイ 5日 ロイター] 米政府は,アルカイダによる攻撃を受ける恐れがあるとして閉鎖していた在イエメン大使館を再開した.大使館当局者が明らかにした.
英国とフランスの在イエメン大使館も業務を再開したが,一般の人々の出入りは依然として禁止している.
米国大使館はウェブサイトで5日,「イエメン政府の治安部隊が1月4日に成功した対テロ作戦は,特定の安全保障問題に対応したものであり,大使館の業務再開決定に貢献した」とイエメン政府の対応を賞賛した.
イエメン,対アルカイダ作戦で数千人の部隊を派遣=治安当局筋
1月6日0時41分配信 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100106-00000040-reu-int
[サヌア 5日 ロイター] イエメンはアルカイダに対する作戦に参加するため数千人の治安部隊を派遣した.また,アルカイダのメンバーとみられる5人の身柄を拘束した.同国の治安当局筋が5日明らかにした.
同筋はロイターに対し「首都やシャブワ州,マーリブ州での作戦は続いている」と述べた.捜索は南部アブヤン州でも行われているもよう.
「諜報失敗の弁解は受け入れない」 オバマ大統領,テロ対策の改善を指示
1月6日8時54分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100106-00000504-san-int
【ワシントン=犬塚陽介】オバマ米大統領は5日,ホワイトハウスに情報・治安機関の関係閣僚を招き,昨年末の米デルタ航空機爆破テロ未遂事件に関する調査報告を受けた.その後に会見したオバマ大統領は,情報・治安当局がそれぞれテロ情報を把握しながら,組織として情報の共有,分析を怠ったことが今回の失敗を招いたと指摘.「破滅的な失敗につながりかねないようなシステムの機能不全があった」と述べ,欠陥の洗い出しを週内に終えるよう指示したと述べた.
会合にはテロ対策を担当するナポリターノ国土安全保障長官のほか,ゲーツ国防長官,パネッタ中央情報局(CIA)長官ら約20人が出席し,なぜ未然に事件を阻止できなかったのかについて,オバマ大統領が報告を受けた.
オバマ大統領は会見で,国際テロ組織アルカーイダ系列の「アラビア半島のアルカーイダ」が米国でテロを実行する可能性があり,爆破未遂事件の実行犯,アブドルムタラブ容疑者とも活動をともにしていた事実を米情報機関が把握していたことを公表した.
その上で,「米政府として攻撃を阻止する十分な情報を持ちながら,情報当局は点と点を線にすることに失敗した.受け入れがたいことであり,許容はできない」と異例の強い口調で情報当局に不満を示した.
また,「何が誤りだったのかを突き止め,是正することが私の責任だ」と述べ,週内にも問題点の検証を終えて改善策を実行するよう関係機関に指示した.
ただ,グアンタナモ米海軍基地のテロ容疑者収容所に関しては,国外移送を待つイエメン人の早期送還を見送る方針を示したが,今年中に「グアンタナモ収容所は閉鎖する」とも述べ,従来の方針に変更がないことを強調した.
米旅客機爆破テロ容疑者氏名,事前に把握か
1月8日8時30分,ウォール・ストリート・ジャーナル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100108-00000301-wsj-int
【ワシントン】米ホワイトハウス高官らは7日,先月25日のデトロイト行き米ノースウェスト機で起きた爆破テロ未遂事件で,同機が飛行中に国境警備監視員らはアブドルムタラブ容疑者の名前の割り出しを済ませており,同機着陸後,質問するための準備を進めていたと明らかにした.
しかし,同高官らによれば,国境警備監視員らはウマル・ファルーク・アブドルムタラブ容疑者を逮捕する計画はなく,同容疑者は最も厳重な取り調べの対象にもなっていなかった.
より徹底的な尋問を準備できなかったことは,オバマ大統領が米国情報機関の「システミック」な欠陥と呼ぶ問題があることを強調する格好となった,と政権高官は語った.ホワイトハウスは7日午後,オバマ大統領が再度,米国民向け演説を行った後に,25日のテロ未遂事件に関する機密扱いでない部分のリポートを公表する計画.
米国家安全保障会議のジェームズ・ジョーンズ事務局長はUSAトゥデー紙に対し,同リポートの調査結果は,「ある種のショック」をテロに疲れた米国民に伝えることになるだろう,と語った.
オバマ政権高官らは,米国土安全保障省が今回のテロ未遂事件への対応策として,米国の民間航空機に搭乗する航空警察官の増員を検討していると述べた.
記者: JONATHAN WEISMAN
20人が航空機爆破訓練=アブドルムタラブ被告が供述−米TV
1月9日11時30分,時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100109-00000044-jij-int
【ワシントン時事】米CBSテレビは8日,英情報機関当局者の話として,米航空機爆破テロ未遂事件のアブドルムタラブ被告(23)が取り調べの中で,約20人の若者がイエメンで,航空機爆破テロの訓練を受けていたと供述していたと報じた.
同被告は逮捕後,若いイスラム教徒が同じ技術を用いて航空機を爆破するための準備をイエメンで行っていたと誇らしげに供述したという.
焦点:イエメンの対アルカイダ戦争,米国を待ち受ける落とし穴
1月8日13時58分,ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100108-00000596-reu-int
[ベイルート 5日 ロイター] 昨年末の米航空機爆破未遂事件で,イエメンに拠点を置くアルカイダ系組織が犯行声明を出したことを受け,米国はイエメンのサレハ政権への支援を加速させている.しかし,貧困や内戦に苦しむ同国への支援は,一つ間違えばアルカイダ勢力の拡大にもつながりかねない.
汚職にまみれ,正当性に欠けるとされるイエメン政府への支援は,一時的に同国の独裁体制を維持することになるとみられる.
これについて,イエメンのアナリスト,アブドルガニ・イリヤニ氏は「米国がイエメンの治安に関与を強めれば,アルカイダの勢力増強につながるだろう」とみる.同氏は,イラク戦争で米兵がイラク市民を支配したというイメージから生まれた反米感情に触れ,「多くのことが悪い方向に進む可能性がある」と言う.
イエメンの当局者は,武装勢力との戦いに米国の支援が必要とは認めるが,アルカイダの勢力を拡大させる貧困への対策にも資金は不足しているという.
米国はこうしたイエメンに対し,軍事物資や情報員,イエメン部隊への訓練を提供し,アルカイダと疑われる武装勢力の一掃に努めようとしている.
イリヤニ氏は「イエメン政府への支援は,こうした米国による作戦の避けられない副産物」と指摘.「このことが,イエメンがそもそもの混乱に陥った原因である悪い習慣をこれまで同様に継続させることになる」と語る.
67歳になるサレハ大統領は,部族や軍部の党派に利益供与を与えることで,約30年にわたり権力を維持してきた.匿名の米当局者は,「サレハ大統領に(武装勢力の掃討作戦に)専念してもらい,すべてが正しい方向に行っているか監視する必要がある」と,実利的な考えを示す.
<支援の条件>
クリントン米国務長官は,アルカイダ以外にも北部のイスラム教シーア派反政府組織「ホースィー」や南部の分離主義運動を抱えるイエメン政府に対し,西側諸国が支援を続けるべきとの考えを表明.7日には「イエメンが平和と安定をもたらすための好機につながる行動を取れるよう,継続的な支援を行う考えと条件があることを,国際社会ははっきり示すべきだ」と述べた.
英王立国際問題研究所のジニー・ヒル氏は,イエメンがサウジアラビアや聖地メッカに近いという,イラクやアフガニスタンよりも繊細な問題から,米国がイエメンでの新しい戦争を強く求めていないとみる.
同氏は「西側がどういう規模であれ派兵を求めれば,イエメン政府は非常に難しい状態に置かれる」と話す.
アルカイダを狙った空爆や特殊部隊の投入といった選択肢も,特に民間人に犠牲が出た場合,政治的に微妙な状況を生み出す可能性がある.
米当局によると,国防総省は現在,対テロ支援に昨年投じた6700万ドル(約62億円)をさらに増やすよう求めている.この金額には,米特殊部隊や米中央情報局(CIA)による作戦は含まれていないという.
先月には,米国が支援したアルカイダのものとみられる拠点への空爆で60人以上が死亡した.
「リスクはイエメン国内において米国とサレハ政権への敵対心が増長していることだ」と話すのは,米研究者でイエメンについての著書もあるロバート・バーロウズ氏.同氏は「ホースィーとアルカイダ,おそらく南部の分離運動も,その主な狙いはサレハ政権と米国の関係に打撃を与えることだ」と分析する.
サレハ大統領は,同国北部の反乱や南部の分離主義の方がアルカイダよりも深刻な脅威と見ているかもしれない.しかし,新しい過激派はより急進的で,1980年に米国の支援を受けたアフガンのジハード(聖戦)に参加した兵士よりも懐柔が難しいことは明らかだ.
一方で,サレハ大統領は,西側から財政的な支援をさらに得るためにアルカイダとの戦いを利用し,国内での利益供与に使う資金に回そうとしている可能性もある.
これに対し,英王立国際問題研究所のヒル氏は「もしその国が弱体化しつつあれば,テロリストのネットワークは利益になる.しかし,政府を弱まらせるのはテロではなく,石油収入の減少による経済危機」だと指摘する.
米国はイエメンが国として存続可能かという不安を増大させているが,それは主に,同地域の不安定化が石油大国のサウジアラビアや周辺の国際航路にどう影響するのかという点に絞られている.
イエメン側にとってのリスクはより高く,一部には米国の関与が一時的で信頼できないという声もある.
イリヤニ氏は「機会の扉はすぐに閉まる.すべてが終われば米国は去り,イエメンは水や石油といった再生不可能な資源をめぐり,後戻りできないところを過ぎてしまったということになる.そして,ただ戦う訓練を受けた世代だけが残される」と話している.
【追記】
アフガンCIA基地攻撃,自爆犯はアルカイダ二重スパイ=報道
1月5日13時54分配信 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100105-00000951-reu-int
[ワシントン 4日 ロイター] 米NBCテレビは4日,アフガニスタンの軍事基地で米中央情報局(CIA)職員7人が死亡した昨年末の自爆攻撃につりて,イスラム系武装組織アルカイダのヨルダン人二重スパイによる犯行だったと報じた.
NBCが西側情報筋の話として伝えたところでは,自爆犯はアルカイダに賛同する36歳のヨルダン人.同国当局が自陣に寝返らせ,工作員としてアルカイダに潜入させるため,アフガンやパキスタンに送り込んでいたという.CIAは,同報道に関するコメントを差し控えている
この自爆攻撃は,アフガン東部ホースト州にあるパキスタン国境に近い軍事基地で昨年12月30日に発生.武装勢力タリバンが犯行声明を出していた.
アフガンのCIA基地自爆テロ犯の正体判明 テロリストは二重スパイ
1月6日7時56分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100106-00000054-san-int
【ワシントン=佐々木類】NBCテレビなど米メディアは4日,米情報当局者の話として,アフガニスタン東部ホスト州の米中央情報局(CIA)のチャップマン基地で昨年12月30日,CIA要員ら7人が殺害された自爆テロの実行犯は,CIA工作員を装った二重スパイだったと報じた.国際テロ組織アルカーイダに忠誠を誓うヨルダン人の男で,米情報機関へのテロリストの“潜入”は,アフガンなどにおける対テロ戦で苦しい状況におかれているオバマ米政権に,衝撃を与えている.
【質問】
グアンタナモ収容所から釈放されたテロリスト容疑者の行方は?
【回答】
米当局者が2010.1.6明らかにしたところによれば,その5人に1人が,アル・カーイダなどの過激派武装組織に入ったとみられるという.
米国防総省が2008年12月に行った調査では11%,2009年4月の調査では14%だった.
2人の当局者が匿名を条件にロイターに語ったところによると,最新の調査報告書(機密扱い)では,この数字が20%に上昇したという.
【参考ページ】
1月7日13時3分,ロイター
【追記】
サダム・フセインが雇った外国人
サダム・フセインはイラクの指導者として,残虐であったと記録されてはいるが,同政権は,特に国際社会の制裁に関係するホットボタン・イシュー(激論を引き起こす恐れのある問題)で,好意的な海外メディアの取材を獲得することにしばしば成功している.一日一日と日を経るに従って,イラク政府がいかに海外のメディアや政治家をプロパガンダの手段として利用したかを示す多くの情報が表に出てきている.最も広く公にされた話は,ジョージ・ギャロウェーの件で,ロンドン・デーリー・テレグラフ紙によって先週,イラク外務省で発見された手紙によると,この人物は,イラク側に立ってプロパガンダを行うために1000万ドル以上受け取っていた左翼の英国の下院議員であった.これは,サダム政権がいかに同政権のメッセージを欧州やアラブ世界に行き渡らせるのに成功していたかを物語る一例にすぎない.
欧州やアラブ世界の政治家や記者がサダムの誘惑に弱かったということは,経験豊富なオブザーバーにとっては,別に大した驚きではない.外国の政権からカネを受け取ることは,ことわざで言う死の接吻(せっぷん)に等しいものになる米国の報道関係者と違って,海外のメディア関係者は,長年,金銭のやり取りが続いている間は,喜んで見て見ぬふりをしてきている.それでも,サダムが疑いの余地なく,海外の世論を操作していたことが暴露され続けたら,大抵の人が真実を知るようになるだろう.
1979年に政権を掌握するや否や,サダムはその政権を支えるために,ジャーナリスト,実業家,政治家,そして,外交官に対して,猛烈なわいろ作戦を開始した.1980−88年のイラン・イラク戦争の間中,サダムは支援と引き換えにアラブの指導者らに惜しみなく贈り物をした.1990年8月のサダムによるクウェート侵攻の直前,サダムはエジプトやヨルダンのトップレベルの編集者らに向けて,100台のメルセデスの新車を船で送った.1991年の湾岸戦争後も,このやり方は,続いた.サダムは,国際社会の制裁を緩める努力を続けたからである.戦後の支払いの一部は,「ずばり現金で,しかも,多くの場合米ドルで,アラブ諸国の首都にあるイラク大使館から手渡された」と,スティーブン・F・ヘイズ氏は週刊スタンダードに書いている.「ほかの取引は−のどから手が出るほど欲しい輸出許可証を政治家の親族に与える,第三者を通じて石油取引のキックバックをする,手の込んだ『奨学金』制度を利用するなど−秘密裏に行われたり,あるいは,用心して複雑になったりした」と同氏は言う.
サダムのカネは,また,うまく米国にも入りおおせたかもしれないと,ヘイズ氏は報告する.独裁者の1人の著名な米国人の友人は,デトロイト出身のイラク系米国人実業家のシャキル・アルカファジ氏で,バグダッドで2年ごとに開かれていたイラク政府後援の「国外在住者会議」の会長をしていた.2000年会議の説明書によると,アルカファジ氏と,当時のタリク・アジズ外相は,制裁について毒舌を吐いたという.公的な会議のウェブ・サイトは,米国はイラクで「テロとジェノサイド(集団殺害)」を行っていると非難した.イラク政府は,国外にいる人々に会議に出席させるために,旅費に補助金を支給した.(過去10年間にサダムと7000万ドル近くの取引をした南アフリカで設立された貿易会社を経営している)アルカファジ氏は,査察の過程で米政府が果たした役割を激しく非難する映画を製作する費用として,元兵器査察官のスコット・リッター氏に40万ドル渡し,昨年は,対イラク制裁に批判的なジム・マクダマット下院議員と他に2人の民主党下院議員を連れて行った.米国に戻るや否や,マクダマット氏は,ブッシュ大統領は,この国をイラク戦争に突入させるために「米国民にうそをつく」だろうと,断言した.その中傷的言葉を吐いてから,1カ月とたたないうちに,マクダマット氏は,自分の法的弁護資金としてアルカファジ氏から5000ドル受け取った.
サダムの権力の座からの失脚に引き続いて,私たちは,この国の誰が彼からカネをもらい,イラク政府が見返りに何を期待していたかということをますます多く知ることになる可能性がある.イラク政府からのカネに関する情報がより多く出てくるにつれて,西側諸国の多くの人間が,多くの眠れぬ夜の苦しみを味わうであろう.
http://www.worldtimes.co.jp/itenews/sample/2003/030504/04men/hired.html
【追記】
北朝鮮「デノミ」実施は政治目的,すべては後継体制づくりのため
東洋経済オンライン1月15日(金) 11時 3分配信
/ 経済 - 経済総合
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100115-00000000-toyo-bus_all
2009年11月30日に,17年ぶりのデノミを実施した北朝鮮.新旧通貨の交換比率を100分の1にし,インフレ抑制を行うという目的だったが,それから1カ月.実施直後の住民からの不満をはじめとする混乱はやや沈静化したものの,デノミの効果はまだ不透明なようだ.
中国の「参考消息」紙によると,現地駐在記者が訪れた平壌市内でも規模が大きい「統一市場」では,店舗数も買い物客もデノミ前より減少しているという.国家の統制下にある物価がまだ決まっておらず,売る側も困惑しているようだ.
野菜などの食料品の価格も変動している.たとえば,タマネギ1キロ70ウォン(新券)というところもあれば,同40ウォンで売るところもあり,白菜も同10ウォンで売っていたり,5ウォンで売っていたりと売る側も値付けに困惑している状況が見て取れる(いずれも09年12月下旬の動向).「逆にどれくらいなら買うか」と売り手から質問される状況も見受けられるようである.
北朝鮮当局は新券の国外持ち出しと国内での外貨使用を禁じているが,韓国の対北朝鮮放送「開かれた北韓(北朝鮮)放送」は,デノミ実施直前の為替レートは1人民元=588ウォン(新券では5.88ウォン)だったが,09年12月末には1人民元=1000ウォン(旧券で10万ウォン)にまでハネ上がっているという.
1月7日には北朝鮮の貿易決済を取り扱う朝鮮貿易銀行が1ドル96.9ウォンに設定したと中国紙が報道した.また1人民元は14.19ウォン,1ユーロ138.35ウォンとそれぞれ設定.しかし,デノミでの100対1という交換比率を考えると1ドル1.4ウォン程度となるはずだが,それでもウォン価値をずいぶんと下げた設定となっている.
一方,09年12月に市民に支給される給料は「勤務状態にかかわらず,全額支給せよ」との指令が労働党中央から来ており,しかもデノミ前の額面のまま,新券で支払われたようだ.つまり,給料が100倍になったことになる.そのため,デノミ後の物価は前よりも上昇傾向にあるものの,「実質的に給料が上がったので物価上昇は許容範囲」と言う市民もいるという.
新年を迎えて,さらに「貨幣改革(デノミ)は経済的理由はないのでは」と言える状況であることがわかった.米国の自由アジア放送(RFA)によれば,北朝鮮内部の事情通の言葉を引用,「給料だけでなく鉄道料金をはじめとする公共料金の値段が変わっていない」と打ち明けている.公共料金も100倍になったわけだ.モノの供給がきちんとなされておらず,一方で実需はあるので物価は上がる一方だという.
それならば,北朝鮮当局が言う「インフレ抑制」という目的はまったく成し遂げられないということになる.そのため,今回のデノミは「(実施されたのは)政治的な理由が大きい」との指摘が出ている.
北京大学朝鮮半島研究所副所長の金景一教授は,「今回のデノミは複合的な理由がある」とし,「物価抑制のほかにも国民統制の強化が狙い」と指摘する.
北朝鮮国内のヤミ金融やヤミの外貨流通,それに「チャンマダン」と呼ばれるヤミ市場が市民生活に浸透し,その存在があまりにも大きくなりすぎため,国民への統制が不可能になった点を問題視した,と金教授は指摘する.そのため,旧券を無効化することで,市民がタンス預金の形で保有する資金を吸収し,地下経済の温床となるヤミ市場の縮小を図ったのではないかと説明する.
また,京都産業大学の後藤富士男教授も「餓死者が出るほどの厳しい経済状態だった90年代後半に比べれば,2000年代に入って経済も安定し,それなりの成長もしてきた.それはある程度の市場経済化を当局が容認してきたこともあるが,一方で,混乱も生じた.その混乱状態が拡大するのを恐れたための措置とも言えるのでは」と言う.
デノミを実施してカネを市民から吸収させ,市場をも縮小させる.その裏には,「流通体系の整備と配給制度の拡充に自信があるのでは」(金教授).であれば,社会主義計画経済の強化が進められ,国家の統制力も今後強まっていくのだろうか.
金正日体制になってから毎年元日に発表される党・軍・青年団体機関紙による「共同社説」は,1年間の同国の国家運営を示す重要な資料.10年1月1日の共同社説には「人民生活の向上」が最初にうたわれた.この数年,従来のスターリン型とも言える重工業,国防経済優先路線から,今年は一転して軽工業と農業という,国民生活に密接な関係がある分野を重点課題として指摘している.
慶應義塾大学の礒崎敦仁専任講師は「衣食住を満ち足りたものにし,国民の民心を体制側に引きつけておくべきものがあるのだろう」という.それは,安定的な後継者づくり,ということだ.
礒崎氏はさらに,金正日総書記が後継者としての足場を固め始めた70年代と現在の状況を比べる表現が,今年の共同社説には含まれていると言う.金総書記の三男・ジョンウン氏が後継者の有力候補とされているいま,円滑に体制を後継者に渡すためには「できるだけ不安要素を取り除いておこう,という金総書記の“親心”」(礒崎氏)という説明だ.
デノミという経済的手段が,統治能力の確保,円滑な後継者体制づくりという主要な政治手段の隠れ蓑とされる.いかにも北朝鮮らしい.しかし,民心をつかめるほどの生活向上を図るためには,「対外市場を拡大して対外貿易活動を積極的に展開」(共同社説)することが不可欠になる.
体制護持を第一に,市場経済を取る外国との関係を深めなかった北朝鮮.対外貿易を積極的にできる自信があるのかどうか.その覚悟の度合いがわかるのは,今後の北朝鮮自身の出方次第だ.
(福田恵介 =東洋経済オンライン)
【質問】
アンワル・アウラキとは?
【回答】
イエメンのイスラーム過激原理主義宗教指導者.
ロンドン大キングス・カレッジの過激化・政治的暴力研究国際センター,ピーター・ネイマン所長によれば,イエメン出身の両親を持つ,米国生まれの人物.
米国なまりの英語とアラビア語を話し,イスラーム教の聖典コーランに精通しており雄弁に説教するという.
同師は欧米生活がどんなものかを理解しているため,米英で過激化したイスラーム教徒に対し大きな影響力を持つようになったという.
ユーチューブなどインターネットで彼の説教を聞くことができ,英米在住のイスラーム過激派のテロ活動に大きな役割を果たしているとされる.
米陸軍基地で米兵13人を射殺した軍医は彼と連絡を取っており,犯行前に計画を打ち明けた際,同師は「コーランの教えと調和している」と祝福を与えた,とネイマンは述べている.
【参考ページ】
2010年1月8日21時13分,産経新聞(ロンドン=木村正人)
【追記】
ソマリアに海賊株式会社 昨年身代金1億ドル強奪
1月11日7時56分,産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100111-00000046-san-int
■テロ組織の資金源? 周辺は住宅ブーム
【ロンドン=木村正人】アフリカ・ソマリア沖で昨年,海賊が奪った身代金総額が推定で1億ドル(約92億6千万円)に達し,資金が流れ込んだ周辺国で住宅ブームが起きていることが関係者の話でわかった.ソマリアには武器購入の資金調達のため“株式会社”が設立され,住民や海外から出資を募集.米英両政府はソマリアやイエメンに拠点を広げる国際テロ組織アルカーイダにも身代金が流れる恐れがあるとして警戒を強めている.
[フォト]ソマリア沖派遣部隊が帰港 248隻の民間商船警護
国際海事局(IMB)によると,昨年1〜9月にソマリア沖とスエズ運河に通じるアデン湾で起きた海賊事件は147件(前年同期63件).うち32件で船が乗っ取られ,533人が人質になった.ロケット弾や自動小銃を発射した事例は倍増して85件を数えた.
ソマリアの海賊に詳しい英王立国際問題研究所のロジャー・ミドルトン研究員は「実際,海賊に支払われた身代金は1件当たり平均100万ドルから200万ドル(約1億8500万円)に上昇し,昨年1年間で総額1億ドルにのぼったとみられる」と推測する.
国連が海賊の拠点である北東部エイルで身代金の分配方法を実地調査したところ,海賊の取り分は3割▽海賊の出身地を支配する軍閥に1割▽地元の長老や役人に1割▽出資者に3割▽融資元に2割−が流れていた.英海上警備会社イダラト・マリタイムのクリストファー・レジャー副会長は「ソマリアでは海賊を行うための武器,燃料などを調達するため“海賊株式会社”を設立して地元住民や海外から資金を募っている.身代金が入れば出資者は配当にありつける」と語る.
身代金はソマリアだけでなく,イエメンの密輸組織やレバノン,アラブ首長国連邦に環流.経済危機で欧米の住宅市場は下落したのに,ケニア・ナイロビの住宅価格は過去5年で2〜3倍も急上昇した.
英ロイズ保険組合の保険業者に情報提供するロイズ・マーケット協会のニール・スミス氏は「身代金がテロ組織の資金源になっているという証拠はない.身代金を含め海賊被害は戦争保険の対象だが,テロ組織との関連がはっきりすれば対象から外される」という.
海賊はカネが目的の世俗集団で飲酒や買春もすることから,アル・シャバブなどイスラム原理主義勢力とは基本的に相いれない.だが,テロや海賊に詳しい竹田いさみ独協大教授(国際政治)は「身代金の一部が地元軍閥や有力者を通じてアル・シャバブに渡っている可能性は十分にある」と指摘する.
海賊問題で北大西洋条約機構(NATO)の上級顧問を務めるジョプリング英上院議員は昨年11月,身代金を支払い続けることはテロ組織に海賊行為を促すことになるとして,英政府に身代金の流れを徹底調査するよう要求.米政府はアルカーイダと関係しているアル・シャバブの資金源を調査している.
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