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青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.


Kampfgruppe 26

目次

 【追記】 中東短信

 【追記】 世界の海軍のニュースをUPしたサイトを発見しました.

 【追記】 ◆古賀茂明『日本中枢の崩壊』を読み解く

 【追記】 ☆ 中国がメディアを通してベトナムの南シナ海に於ける行動を非難

 【追記】 緊張高まるサウジ・イラン関係

 【追記】 軍事転用懸念リスト 中国,14社削除を要求 経産相に今年2度  産経朝刊 05/30 03:37

 【追記】 ●シナの軍事費14兆円超える

 【追記】 原子力発電をめぐる米国の新しい提案   近藤駿介

 【追記】 ●中国のアフリカ会議は米国などの牽制にもかかわらずその進出に歯止め効かず

 【質問】 パレスチナでイラン工作員が拘束された一件について教えてください.

 【追記】 陸士同期の中将飯村穣による安江評

 【追記】 中国に「スパイ」と認定された日本人外交官の「ある失敗」(後編)=佐藤優

 【珍説】 「2006年のアメリカの宇宙政策見直しの動きは,宇宙から他国を攻撃して,人を殺そうとするもの」???

 【追記】 「迫害されるから正しいものだ」という自己正当化

 【質問】 レイプ殺人などって,戦争では極普通にあることなの?

 【質問】 ニジェール軍の兵力は?

 【追記】 ミャンマーの東北部,カチン州に於ける正規軍とカチン武装グループの紛争

 【追記】 ■ペトレイアス大将退役

 【追記】  建設に関してと,炉心溶融防止に関して

 【追記】  「無駄骨」のようなこともやらなければ,仕事は進められない.

 【追記】 人気俳優,武器所持で有罪=テロ共謀は否定−インド裁判所

 【質問】 ソマリアのアルカイダ組織指導者を空爆で殺害,米軍確認

 【質問】 陸自の中隊の武器庫にある防護服って,合羽着てるのと同じぐらいの効果しかないんでは?

 【質問】 原爆,水爆の次に出てくる核兵器は?

 【追記】 戦闘機のパイロットは一流アスリート並みの体力と,少なくとも微分を理解できるだけの知性とピアニストの指を要求される.砲兵なら......

 【質問】 M203は,「あらゆるアサルトライフルに適合できる」として様々なライフル用のマウントアダプタが必要に応じて作ることができるとされ,対象にはAKファミリーも含まれています.

 【質問】 ミリ波レーダーやIRSTは,戦車に要らないの?

 【質問】 アメリカ独立戦争の時は,槍をもった歩兵が陸軍の重要な戦力だったのでしょうか?

 【質問】 大東亜戦争ですが,日本 1国に対し,米英支ソが束になって,ようやく勝てたと言えるのでは?

 【質問】 日本軍に米式装備と豊富な弾薬,食料が確保されていたなら,日本は大東亜戦争で勝てましたか?

 【質問】 ソ連軍の満州侵攻時には,陸軍航空隊の可動機はどの程度の戦果を挙げ,損失機は何機だったんでしょうか?

 【質問】 戦前の軍旗祭の日は無礼講で,兵隊達の仮装行列まであったって本当ですか?

 【質問】 装甲空母って,その目論見通りの効果があったんでしょうか?

 【追記】 核に無知な日本人に贈る基礎知識=江畑謙介(その2)


 【追記】

2011年6月19日(日),予定されているガザ行き船団に2隻のフランスの船舶が加わるもよう.
ひとつの船はギリシャから出航し,25人の乗客を乗せる.(Y,H)

2011年6月20日(月),今月末に出航が予定されているガザ行き船団を中止するようイスラエ
ル海軍司令官が警告.「彼らの目的は国防軍と衝突し,メディアの注
目を集め,イスラエル非難の世論を作ることだ」と語る.(Y,H,P)

2011年6月20日(月),ヒズボラがメンバー内で数人のイスラエルのスパイを逮捕したとクウ
ェート紙が報道.高官のうち10人以上は共謀者だという.(Y)

2011年6月21日(火),第二次大戦中,ユダヤ人ら数百人を強制収容所に送ったとされる元ク
ロアチア警察長(98歳)がオーストリアの老人施設で死去.(Y)


 【追記】

世界の海軍のニュースをUPしたサイトを発見しました.
多分マイミクさんなら以前から見つけていたかな,と.

World Naval News Archives:SUBSIM Review
http://www.subsim.com/nucleus/index.php?archivelist=1

このHPで7年前の漢級原潜事件でのBBCのニュースHPがまだ残っていました.
そこの文章に実に興味深い文章がありました.

Japan protests to China over sub:BBC News
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/4005533.stm

Japan's navy was put on alert for the first time in five years to chase it.

海自をJapan Marine Self Defence Forceと書かずJapan's navyと書いています.
漢級原潜を追っているSH-60Jのヘリの画像でもJapan's navyと記されています.

アメリカの新聞では日本からの要請もあるのか海上自衛隊を直訳して報じるメディアもありますが
イギリスでは日本側の事情なんか関係ないのか堂々とNavyと書いていますね.

まぁでもアメリカのメディアも面倒だからNavyと書いているのでしょうが・・・.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年08月08日20:56


 【追記】

◆古賀茂明『日本中枢の崩壊』を読み解く



古賀茂明氏は,経済産業省の現役官僚.
公務員制度改革の必要性を訴え続け,2010年の参院予算委員会で当時の仙石官房長官から恫喝を受ける.




※要旨


・リーダーに一番大切な資格,それはリスクを取って判断し結果責任を負うということ.


・総理が掌握しなければならない要素は3つある.
「モノ」「ヒト」「カネ」である.
つまり,「政策立案」,政策を実施するための「組織と人事」,「予算」である.
この3つの機能を官邸に集約し,総理の司令塔として各省庁に指示する仕組みに変えればよい.



・霞ヶ関言葉は,どんな些細な表現にも意図が込められている.
「霞ヶ関文学」では「○○等」と入れた場合,後で拡大解釈するための布石だし,
「前向き」は「やる」,「慎重に」は「やらない」という意味だ.



・金持ちを妬んだり敵視したりするのを止めて,日本経済を引っ張ってくれる新たな産業の担い手たちに一切足かせをはめず,自由に活躍してもらおうではないか.
そうならないための鍵は,リーダーの意思表示が握っている.
リーダーが何をいうかによって国民のメンタリティは大きく左右される.


・たくさん稼いでたくさん使う.
それだけで十分,所得税や消費税で貢献している.
さらに個人で社会貢献してもらえば,これほど素晴らしいことはない.


・リーダーシップといっても,様々な要素があるが,とくに今後,国のトップに求められるのは,国民を説得する力だ.


・トップに大事なのは,地位にこだわらないこと.
私心がないということ.
身を投げ出してやっていることが伝われば良し.



・政策に関する緻密な検討は役人が担当する.
その結果を最終的に閣僚がリスクを取って政治判断する.
その際,絶対的に信頼できるスタッフを持っている.
これが政治主導である.



・小泉内閣が強力なリーダーシップを発揮できた秘密も,小泉総理が自前のチームを持っていたことによる.
小泉総理は,竹中平蔵氏をトップとする竹中チームと,飯島勲秘書官を筆頭とする飯島チームを連れて官邸に入った.
政策は竹中チーム,マスコミ対策は飯島秘書官に分担させ,政策についても案件ごとに人をうまく使い分けながら行政組織をコントロールし,政策運営を行った.
小泉時代を見ると,政治主導を発揮するには,総理直結の自前のチームが不可欠だということがわかる.



※コメント
どんな組織にも,地位にこだわらない仕事人はいる.
良いと思ったことを思いっきりやるというサムライが,政府や民間にそれぞれ生まれていけば,日本はよくなっていくだろう.
そういった人物は,どうやって形成されるのだろうか.
今後の研究課題にしたい.

◎国際インテリジェンス機密ファイル
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⇒ http://archive.mag2.com/0000258752/index.html
2011年6月20日 月曜日 午後12:10


 【追記】

☆ 中国がメディアを通してベトナムの南シナ海に於ける行動を非難

今日の中国の発言は,余りにも厳しい,ますます中国は,核心的利益に対して,逃げ道がなくなる.昔は中国は,南シナ海を核心的利益
とは言っていなかった.それを言い始めたのは1990年になってからで,中国自身の研究の結果,南シナ海の西沙諸島,南沙諸島の地
下には,莫大な原油ガスが眠っていて,その量は200億トンを超し,原油ではイランを追い越し,ガスではサウジを追い越すことが明
らかになって以降だ.

中国は,ベトナムが不当に29の南シナ海の中国領を占拠している,と言っている.多国間で解決しようとするベトナムなどのASEA
Nの主張をはねつけ,二国間の問題としてベトナムに迫る.クリントン長官は,航行の自由も含め米国の関心は深く,フィリッピンやイ
ンドネシアなどと主に,米国の後押しで,中国に対抗することを明言している.これは中国にとっては,受け入れられない,と言うこと
だ.

南シナ海の領有権の問題は,遠い将来の話かと思っていたが,ベトナムとの対立で,突然に危機が目の前に現れた感じである.ベトナム
は既に探査を行っており,これに中国の警察船が対抗しているが,今日の中国側の発言では,如何に国際社会がベトナムに味方するも,
中国はいつでも海軍力を発動すると言っている,海南島には既に艦隊が待機している.実際の探査活動も,中国は間もなく開始すること
になっている.


☆ 参考資料

●110623A China, china.org.cn
中国がメディアを通してベトナムの南シナ海に於ける行動を非難
China must react to Vietnam's provocation
http://bit.ly/lKFjdO
The ongoing disputes about the South China Sea mostly originate from Vietnam. The biggest challenge of China's insistence
on a peaceful solution can also be laid at Vietnam's door.,sober,29 Chinese islands,South China Sea in 1988,"shelving
disputes and developing jointly.",maritime police forces,naval forces,despite possible objections from the international
community,touchstone

中国がメディアを通してベトナムの南シナ海に於ける行動を非難,ベトナムが中国領の29の島,そこに眠る原油ガスを,不法に占拠し
ている.中国は,米国など国際社会の反対があっても,ベトナムが挑発を続ける限り,海軍を動員することも厭わないと
http://bit.ly/lKFjdO

◎日刊 アジアのエネルギー最前線
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2011年6月23日 木曜日 午後2:29


 【追記】

http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=IA56209
Nov/16/2009 No.562

緊張高まるサウジ・イラン関係
―フーシ勢力とサウジ治安部隊の戦闘―
R・グリーン,Y・アドモン


 最近,フーシ反政府勢力がイエメンからサウジアラビアへ浸透し,サウジの治安部隊と戦闘中であるが,戦闘のエスカレートがイラン・サウジ紛争の激化の一因となっている.イラン・サウジ紛争は,親サウジ陣営と親イラン陣営が火花を散らす「中東の冷戦」の一部である.

 サウジとイエメンは,フーシ反政府勢力を支援しているとして,イランを非難する.支援には,資金援助,戦闘員の訓練,武器の供給が含まれる.サウジとイエメンによると,イランは中東地域の安定と安全を打撃し地域を不安定化しつつ自国の影響力を強め,スーダン以北への海上ルートを確保しようとしている.サウジ及びイエメンの各紙はフーシをイランの手先≠ニ呼び,ヒズボラと同じように血と土地を売り渡して,イランの権益増進に奉仕している,と論じている.各紙は,イランが革命の輸出努力の一環としてスンニ派諸国で紛争をたきつけていると非論,イランのスンニ派に暴動を起させて報復せよ,と呼びかけている.


 戦闘勃発以来,サウジは,親イラン陣営に属する国を含め,アラブ諸国から幅広い支持を得ている.つまりこれは,この親イラン派アラブの態度に変化が生じつつある証拠とも考えられる.例えばシリアは,サウジアラビアの領土主権に対する侵害≠非難し,主権と領土を守るサウジの正当な権利≠擁護した※1.カタールで開催された湾岸協力機構でも,サウジアラビアとの連帯が表明された※2.


 サウジ・イラン間の緊張は,最近宗教レベルでもたかまっている.サウジアラビアで始まるハッジの行事に関して,イランの最高指導者ハメネイと大統領アフマディネジャドがだした声明に端を発する.この声明は,サウジ側に反サウジ煽動,サウジに対する威嚇,脅迫と受けとめられている.1987年7月にイラン人巡礼団とサウジの治安部隊が衝突したが,それに似た政治暴動を誘発させるもの,と受けとめられているのである.サウジアラビアでは,イランが宗教行事を政治目的に利用し,サウジアラビアの信望,威信を汚すと共に,二つの聖地の守護者としての立場を傷つけるため,ハッジという重要な行事を妨害しようとしている,と非難の声があがっている.


 一方イランは,フーシの反乱に対する関与を全面的に否定し,地域の安定化に努めているだけ,と言っている.それと同時にイランの外相モッタキ((Manouchehr Mottaki)は,イエメンの隣人に警告を発し,当地の出来事に首を突っ込むな,火に油を注ぐような真似をすれば火傷をする,と言っている.更に外相は,ハッジに備え風通しをよくしておくため,近くリャドを訪れ,サウジ当局と協議する予定である,と述べた※3.


 次に紹介するのは,両国間の緊張に対するサウジの反応,そして緊張の元凶と非難されたイランの対応である.


イランはサウジを対決の場へ引きずりこもうとしている

 サウジ当局者は,サウジ治安部隊とフーシ勢力との戦闘について,今のところ誰も非難していない.但し,フーシ非難は別である.もっとも当局者は,サウジ国家を傷つけようとする者に対しては厳しく対処する,と強調している※4.しかしながらサウジの半官紙は,戦闘勃発と共にイランを公然と非難し,サウジアラビアの安定と治安を傷つけるためフーシを利用している,と糾弾している※5.


 例えばサウジ日刊紙Al-Watanの論説は,フーシをイランの手先≠ニ呼び,次のように主張している.

「イエメンのサアダ州に盤踞するフーシ反徒ギャング集団は,サウジ国境の火遊びが高いものにつくことを,理解しなければならない.イランは,核開発問題で西側と有利な取引をやり,政治的得点を確保するため,さまざまな策謀をめぐらす.宗派拡張計画はその一環であり,無知なフーシ反政府勢力を使うのも手のひとつである.この拡張計画(に奉仕するフーシ如き)小さな手先にとって,代償が如何に高くつくか,思い知る時がくるだろう.


 我が勇敢な部隊は,(浸透したフーシを)必ず駆逐する.フーシは,己の国境攻撃がテレビを初めとするメディア向けのスタントにすぎないことを知っている.自分達の蜂起を地域問題に仕立てあげるのが狙いだ.イランとサウジアラビアを対決の場へ押しやる魂胆である.サウジアラビアは,良い関係を維持したいから,対決など避けたい.そもそもフーシは地域問題ではなく,イエメンの国内問題なのである.


 サウジアラビアはずっと自重してきた.イランがたきつけたこの紛争にかかわらず,紛争拡大を狙うフーシの動きにのらなかった.イランのイデオロギーに対するフーシの共鳴,イランのフーシ保護,陸上及び海上で発見,摘発された(フーシ向けの)イラン製武器等々,既に知られていることであるが,いずれもフーシが過激派イランの手先である事実を裏付けている…フーシは,(彼等のやり方の)誤まりを正し,外国勢力との結びつきを切り,国内或いは域内戦争の発火用具としての役割を放棄しなければならない…」※6.


フーシはイエメンの新しいヒズボラ

 イランは,レバノンのヒズボラに類似する新ヒズボラをサウジ・イエメン国境域につくろうとしている.多くの論者がこの認識で一致している※7.例えばサウジのコラムニストであるシェイク(Muhammad bin 'Abd Al-Latif Aal Al-Sheikh)は,日刊紙Al-Jazirahで「フーシはイエメンのヒズボラ」と題し,次のように論じた.

「イエメンのフーシ指導者フーシ('Abd Al-Malik Al-Houthi)は,レバノンのヒズボラ書記長ナスララ(Hassan Nasrallah)と同じである.北イエメン及び南部(サウジアラビア)の状況は,この地域をとりこもうとするイランの野望に資する.ナスララがイランのため,ウンマの敵と戦うという口実のもとにレバノンの安定,安全そして未来を売りとばしたように,フーシも似たようなスローガンを唱えながら,イランのために国を裏切り,国と部族の血を売り渡したのである.


 北イエメンと我が国の南部の状況,そして又レバノンの状況は,イランの野望或いは宗派の亀裂を利用する方法などの点で,軌を一つにしている…イラン人は,知らぬ間にレバノンに浸透してヒズボラの民兵組織をつくりあげてしまった.強力なイランの道具に仕立てるのであるが,まず,レバノンついで地域(全域)で,その通りになった.ヒズボラはイランの仕事をうまくこなし,イランはヒズボラを介して,この地域のパワーバランス上強い影響力を持つファクターになった.今やイランが反対すれば,物事が決まらなくなり,(イランと)交渉せざるを得なくなった.つまり,イランの利益を考え,意向を伺わなければ物事が解決しなくなったのである.


 フーシはまだ形成段階にあるものの,イランの手先として全く同じ役割を果たしている.フーシが容認されその動きに真剣な対処がなければ,ヒズボラ型のイランの手先がイエメンと我々の南部国境に登場するであろう…」※8.


我々がイランのスンニを支援すればどうか

 2009年10月18日,イランのシスタン・バルチスタン州でジュンドッラー(神の兵士)による爆弾事件が起きた.サウジアラビアはこれを一切非難しなかった.サウジアラビアとイランの関係が緊張している一証左である.爆弾攻撃後サウジ半官紙に出た記事は,攻撃を全く非難せず,迫害されるイエメンのスンニ派との連帯表明に終始した.なかには,イランがサウジアラビアのシーア派を支援しているように,サウジアラビアはイランのスンニ派支援を開始する可能性あり,と威嚇する記事もいくつかあった.


 サウジのコラムニストであるウタイブ('Abdallah Nasser Al-'Utaib)は,日刊紙Al-Hayat掲載記事で,イランの少数派集団スンニ支援をアラブ諸国に呼びかけ,次のように論じた.

 「スンニは,イランの革命輸出思考に匹敵するような,スンニ50年革命といった思考を抱いたことはない.スンニアラブ諸国は誰に対しても宗派上の敵対心を抱いたことはない.スンニはどこかのムスリムのような革命教義の上に成立していない.しかしそれはそれとして,有力なアラブ諸国が,(イラン)西部のアフワズ運動や東部のバルチ運動などイランのスンニ運動支援に乗りだせばよい.そうなれば,不逞の隣人は国内問題に手一杯となり,対応に追われて宗教革命の輸出どころではなくなるであろう.輸出を押しつけられる諸国は,それでなくてもいろいろ問題を抱えているのである.東部イランで最近ジュンドッラー運動がとった行動は,アラブの怠慢を露呈した.(イランのスンニ派支援)義務を履行していないのである.この(バルチスタン)爆弾攻撃の機会に,アラブはイランの拡張主義に関する対応法を速やかに再点検すべきである…」※9.


 同じくコラムニストのハルビ(Khalaf Al-Harbi)は,日刊紙'Okazに「イランの介入で傷ついた国々が…イランで同じことをやればどうか」と題する記事を寄稿し,次のように論じた.

 「スンニ派のアラブ諸国が,(イランの)ヒズボラ支援に対する報復として,バルチ組織,ジュンドッラーを支援したら,イランは一体どんな顔をするだろうか.何と言うか考えようではないか.ヒズボラはレバノンでは白昼堂々と行動し,ほかのアラブ諸国では暗躍している.イランはこの手先を使って介入し,反徒分子に武器,資金を与え,軍事顧問を送りこむ.イランの介入で傷ついた諸国が,イランで同じことをしたらどうなる.諸国の自衛策とみなされるのではないか.


 イランは,宗派(摩擦)の石を隣人達に投げている.隣人達が何もせず,ガラスの家に同種の石を投げ返すことはないと考え,この投石を続けられると考えているのだろうか.ジュンドッラーが,とるに足りない組織ではないことは,イランが一番知っている.何度もこの組織と交渉しているのが,何よりの証拠である.更にイランの政界は,歴史的な分裂を経験中である.アラブ世界の宗派問題煽動をベースとする外交政策を継続するようであれば,そのイランこそ一番の負け犬になるだろう」※10.


イランは巡礼期間を政治問題化する意図あり―イラン人暴動の恐れ

 ハッジの行動が始まる前,イランの最高指導者ハメネイと大統領アフマディネジャドによる警告がサウジアラビアへ伝えられ,両国間の緊張は一挙にたかまった.2009年10月26日,ハメネイはシーア派巡礼に対するサウジの侮辱的¢ヤ度を批判し,このような態度は,「ムスリムの団結を破壊し,アメリカ,外国スパイ組織の願望と目的に役立つだけである」と述べ,「サウジ政府はこのような(現象と)戦って,義務を果たさなければならない」と言った.ハメネイは「メッカを訪れる巡礼者は,ムスリム世界特にイラク,アフガニスタン,パレスチナそしてパキスタンの一部で起きていることに,無関心ではいられない…」と警告し,イラン人巡礼者にサウジアラビアでバラーの儀式を行うように呼びかけ※12,「この儀式参加は,ダーワの偉大なる行為である.これを通して巡礼者は巡礼の意義を十二分に果たす」と言った※13.アフマディネジャドもバラーの儀式を行うように求め,「この儀式の潜在力を最大限にひきだし,それを特別の機会に使う必要がある」と言った※14.


 ハメネイとアフマディネジャドの声明は,サウジ側に政治メッセージと受けとめられた.即ち,イランの国内情勢から世界の目をそらすため,ハッジを政治問題化し,サウジアラビアの不安定化を画策しているという.サウジ日刊紙Al-Watanの論説は厳しい筆致でつぎのように主張した.

 「猊下は,80年代ハッジの雰囲気を腐らせたようなイランのデモの経験を除去したいのか?…はっきり言うが,サウド国家は(巡礼)期間中アッラーからムスリムの安全を託されており,如何なる自称力自慢の者といえども,ムスリムの平安なる儀式執行の邪魔はさせない.彼等がテヘランで何と言おうとも,そのようなことは関係ない.アッラーには,イランの兄弟達が国内紛争を解決できるようお願いしよう.しかしメッカとメディナでは,ハッジと(巡礼者の)安全は,サウジ当局の手にある.我々が愛する誠実な国家の役人達―最下級から最上級の役人まで―が仕切っているのである」※15.


イランはサウジで爆弾テロを意図するか―サウジ・コラムニストの警告

 同じくコラムニストのウタイビ('Abdallah bin Bazzad Al-'Utaibi)は,日刊紙'Okazの論説で,ハッジの期間中イランがサウジアラビアでテロを起す恐れがあると警告を発し,次のように書いた.

「第1,我々は(イランの)破壊的侵略政策を知らなければならない.第2,我々はイランの侵略に対して,力の限り断固として対応しなければならない.第3,我々は(イランが我々に対して使う)同じ戦術と方法を,イランに適用しなければならない」.


 続いてウタイビは,ハッジの期間中イランがサウジアラビアで騒ぎを起し,爆弾テロをやる可能性があると指摘し,次のように警告を発した.

 「イランの指導者達の声明は,ハッジ期間中サウジアラビアで騒動を起すことを狙ったものであるのか.イランは,かつてやったように,ハッジ期間中大衆政治デモや爆弾テロを計画しているのであろうか….或いはサウジアラビアの辺境域で今回の攻撃とシンクロナイズさせ,親イラン分子を使った攻撃を意図しているのか.アルカーイダ・イエメンを使ったテロ攻撃や爆弾テロを計画しているのか.周知のように,このグループはイランと密接な関係を持っているのである.イランがこのうちのひとつを計画しているのは,まず間違いない.イスラム共和国の歴史や国の動きについてフォローしている人であれば,革命から今日まで,これがその国の本質であることを知っている」※16.


サウジに警告するイラン

 イランの政府関係者はサウジの非難をはねつけ,威嚇的な声明をだした.イラン議会の議長ラリジャニ(Ali Larijani)は,「サウジはムスリム国(イエメン)にあえて侵攻しムスリムのイエメン人を虐殺した.この事実に,全ムスリムが(怒りの)気持を抱くだろう」と言った※17.

 イランの外相モッタキはイエメン国内の戦闘に触れ,次のように語っている.

 「我々は,イエメンの国内問題に介入する地域諸国と隣国に断固として警告を発する.イエメンの安定は地域の安定につながる.イエメン,イラク,アフガニスタンそしてパキスタンの不安定は,地域全体に(ネガティブな)影響を及ぼす.過激派テログループに対する資金,軍事援助,或いは軍事作戦で人民を迫害することは,極めて(望ましからざる)結果を生む」と述べ※18,更に「人間がフィトナ(試練)の火に油を注げば,本人もその煙にまかれ火に焼かれることに気付かなければならない」と強調※19,それと同時に「イエメンの領土主権と国家の統一に対する(イランの)立場,そして又,過激派のテロ攻撃に対する(イランの)反撥は極めて明確である」と述べた.更にモッタキはイエメンに「シーア派を含む国民と政府との関係修復は双方にプラスとなる」と勧告,「既にイランは関係修復の仲介をしてもよいと発表している」と述べ,「この目的のためのイエメン訪問がキャンセルされたわけではない」とつけ加えた※20.モッタキは「ハッジの準備により良き雰囲気が醸成されるよう,両国の協力と協調の道をさぐるためリャド訪問を考えているところで,目下訪問についてサウジ側と接渉中である」と語った※21.


2009年11月10日,アフマディネジャドは,イスタンブールでおこなった記者会見の席上,「相違点はすべて話合いと相互理解で解決できる…我々は,イエメンの戦闘に関する当事者会員に抑制を呼びかける.イランの政策は,全国家の連帯,友愛,協力の促進にある.イエメン情勢は,イラン,サウジアラビアそしてイエメン自身更には地域全体にとって好ましくない.有害である.殺し合いに終止符をうつことが,アッラーの思し召しであり,イスラムの教えであり,イランの文化である」と言った※22.


アフマディネジャド政府系の半官紙Iranは,サウジアラビアがイエメンで戦争を仕掛けようとしており,この地域におけるアメリカの策謀に加担しているとし,次のように主張した.

「サウジアラビアがイエメン戦争にちょっかいをだしているのは,誰の目にも明らかである…この戦争は,イエメンのシーア派に押しつけられたものであり,アメリカとワッハーブ国(サウジアラビア)を初めとするアラブ数ヶ国政府による共同謀議である.サウジアラビアがイエメン3州とイエメン領島嶼を10島ほど占領し,撤退する気がないことからも明らかである.豊かな石油資源があるためだ…イエメンに大きい危機をつくりだすことが…サウジの目的のようである」※23.


※R.グリーン,Y・アドモンはMEMRIの研究員.


※1 2009年11月11日付SANA(シリア)


※2 同日付Al-Hayat(ロンドン)


※3 同上


※4 例えばサウジのアブダッラー国王('Abdallah bin 'Abd Al-'Aziz)は「サウジアラビアは強力であり,如何なる敵も撃退できる」と言っている.一方,スルタン国防・航空次官(Prince Khaled bin Sultan)は,どのような手段を使ってサウジアラビアを傷つけようとしても,必ず撃破すると述べ,「フーシ民兵に対する砲爆撃は,彼等がサウジアラビアへの浸透をやめる迄続く」とし,「国王は他国領を1インチでも侵してはならないが,サウジ領を1インチでも侵されぬようにせよ,と指示された」と語った.2009年11月9日付Al-Hayat(ロンドン).


※5 ほかにもいくつかの記事や論説で,似たような非難がイランに浴びせられた.例えば,2009年11月8日付Al-Riyadhの「フーシ―戦争の愚かな道具」と題する論説,2009年11月6日付Al-Jazirahの「自分の墓穴を掘るフーシ」と題する論説がある.後者はイランを「アラブとイスラムの敵がフーシの背後にいる」と間接的表現で指摘している.ロンドン発行のサウジ紙Al-Sharq Al-Awsatは2009年11月8日付で編集局長アルホマイエド(Tariq Alhomayed)の論説を掲載し,イランが反サウジアラビア戦線形成のためフーシを使っている,と主張した.11月8日付Al-Sharq Al-Awsatでは,Al-Arabiya理事長ラシード(‘Abd Al-Rashed)が,サウジアラビアに対するフーシ攻撃はイランの行為であると指摘した.


※6 2009年11月5日付(Al-Watan)(サウジアラビア)


※7 イエメンの大統領サーレハ(‘Ali ‘Abdallah Saleh)は,フーシの反乱を支援しているとしてイランを非難し,「この反乱分子は,南レバノンのヒズボラと同じような軍事訓練をうけている」と述べ,ヒズボラの指揮官がサアダ地方のフーシ拠点に居り,戦闘員を訓練していることを示唆した.2009年10月20日付Al-Zaman(ロンドン).


※8 2009年11月8日付Al-Jazirah (サウジアラビア)

Al-Sharq Al Awsatの編集局長アルホマイエドも,同じ主旨のことを語っている.ウェブサイトで「サウジアラビアの治安を乱し安定を崩すため,イランがサウジ・イエメン国境域にもう一つのヒズボラを編成」しようとしており,「フーシがサウジアラビアに浸透し休眠細胞作りに成功すれば,この国にとって大きい脅威になる」と述べている.2009年11月8日付www.alarabiya.net


※9 2009年10月27日付Al-Hayat(ロンドン)


※10 2009年10月21日付’Okaz(サウジアラビア)


※11 2009年10月11日付Leader.ir


※12 イスラム革命体制の創設者ホメイニが提唱した儀式の一種.巡礼者は「アメリカに死を」とか「イスラエルに死を」などと政治スローガンを叫んで,異教徒とイスラムの敵に対する敵意,拒否姿勢を表明する.


※13 2009年10月26日付Khamenei.ir


※14 同上日付President.ir


※15 2009年10月28日付Al-Watan


※16 2009年11月9日付’Okaz


※17 2009年11月11日付ISNA(イラン)


※18 同上日付Etemad(同)


※19 2009年11月10日付Fars(同)


※20 2009年11月11日付Etemad(同)


※21 2009年11月10日付Fars  2009年11月11日付Al-Hayat


※22 2009年11月10日付IRNA


※23 同上日付Iran(同)


 【追記】

軍事転用懸念リスト 中国,14社削除を要求 経産相に今年2度  産経朝刊 05/30 03:37
ttp://news.goo.ne.jp/news/sankei/keizai/20060530/m20060530001.html
軍事転用懸念リスト,14社削除を要求 中国,経産相に今年2度  産経 05/30 08:19
ttp://www.sankei.co.jp/news/060530/sei039.htm
 製品や技術を核兵器開発などに転用される懸念があるとして,政府が輸出を規制している
外国企業の一覧表「外国ユーザーリスト」をめぐり,中国が14社の自国企業の掲載を削除す
るよう求めていることが29日,わかった.ただ,リストは欧米諸国との情報交換を経て作成し
ており,日本単独で中国を「懸念なし」とみなすことはできない.日本の安全保障政策の根幹
にもかかわるだけに,所管する経済産業省は中国の要求に応じない方針だ.
 経産省によると,中国の薄煕来商務相が今年2月,北京で二階俊博経産相と会談した際
に要求を伝えた.今月27日に京都迎賓館で行われた会談でも,薄商務相は「ぜひユーザー
リストから削除してほしい」と再び強く要請.このときは,両国の担当部局が意見交換を継続
することで合意した.
 外国ユーザーリストは貿易管理の新制度「キャッチオール規制」とともに,平成14年に導入
された.対共産圏輸出調整委員会(ココム)規制など従来の輸出管理制度は軍事転用の懸
念される品目を規制してきたが,キャッチオール規制では懸念される企業をリストに挙げ,輸
出する際には経産省の審査を受けることになっている.
 これまでも,イスラエルなどが日本の関係当局に自国企業の削除を求めてきた経緯はある
が,貿易管理の専門家は「閣僚同士の会談で正式議題に持ち込まれたのは初めてではな
いか」と指摘.そのうえで,「中国に核関連技術が渡ればパキスタンや北朝鮮に流出する可
能性が極めて高い」と警告する.
 ただ,日本のリストは米国務省や商務省が作成したリストの情報が反映されたもので,同
様のリストを持つイギリス,カナダ,ドイツなどとともに事実上,民主主義先進国による包囲
網として機能している. (つづく
>>43
 2度にわたる中国の要求に対し,経産省幹部は「交渉事項にはあたらない」として受け入
れない構えだが,貿易管理にあたっては協力関係も欠かせないことから対話は続けていく
としている.
 中国への輸出をめぐっては今年1月,ヤマハ発動機が大量破壊兵器に転用できる無人ヘ
リを中国企業などへ不正輸出したとして,経産省が同社を刑事告発している.

≪はっきりと断るべきだ≫
 ■安全保障に詳しい志方俊之・帝京大教授の話「中国の核技術は昔のソ連のコピーに過ぎ
ないが,最近はロシアとの関係が良好でないこともあり,日本の技術が欲しくなってきたので
はないか.中国にしてみれば『すでに核兵器を保有しているのだから,北朝鮮などと同列に核
不拡散の対象として扱われたくない』という理屈があるのだろう.ただ,中国から他の国へ核
技術が流出する恐れが高く,日本は対中輸出を規制する同盟国の枠組みから抜けるわけに
はいかない.無理な要求は軽く聞き流し,できないことはできないとはっきり断るべきだ」

 ■外国ユーザーリスト
 政府が輸出者(個人・企業)に対し,核兵器や大量破壊兵器開発の懸念がある外国企業・
団体の情報を提供するため公表しているリスト.最終的に利用する需要者(ユーザー)がリス
トに含まれている場合,外為法に基づいて経産省に輸出許可申請が必要とされる.今年4月
に改訂されたリストには北朝鮮58,イラン42,パキスタン24,中国14,シリア6など計9カ国
.185社が掲載されている.


 【追記】

●シナの軍事費14兆円超える

英国の国際戦略研究所(IISS)は1月31日,
年次報告書「ミリタリー・バランス2007」を発表しました.

内容のエッセンスは以下のとおりです.

1.06年のシナの軍事費は前年比18.4%増の推定1200億ドル(約1
4兆円).ちなみに,昨年中共が発表した国防白書では,06年度軍事費を
約2800億元(約4兆円)としていた.
1.北鮮は5〜10個の核兵器に十分な量のプルトニウムを保有している
1.昨年の北鮮核実験の爆発規模は,事前予想よりはるかに小さい1キロトン
未満で,最初の核実験としては,過去最も小規模なものであった.軍事的に見
ると,再度実験する理由がある.
1.イランが遠心分離機を三千基に増やす計画は,この3月前後に実現するだ
ろう.遠心分離機同士をつなぎ,核爆弾1個の製造に必要な25キロの濃縮ウ
ランを得るまでには,順調に進んでも9〜11ヶ月かかる.実際の核武器所有
は早くても2〜3年先になるのではないか.
1.イランの通常兵器能力はロシアとシナの支援により向上している.

おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)2月5日


 【追記】

原子力発電をめぐる米国の新しい提案   近藤駿介

 国際原子力機関(IAEA)によれば,現在,50以上の国が原子力発電に関心
を表明し,トルコ,エジプト,ヴェトナム,ナイジェリアを含む12の国が原子力
発電所新設計画に積極的に取組んでいるので,今後15年間に約70基の新設が予想
されるとのことです.原子力発電に対するこうした関心の高まりの理由としては

第1には,このところ各国で原子力発電所が安全に運転されていること,第2に
は,各国でエネルギー,とりわけ電力需要が高まっていること,第3にはエネル
ギー資源価格が上昇し,原子力発電の経済性が高まったこと,そして第4には,
地球温暖化対策の推進のために低炭素エネルギー源の採用が求められている状況
にあって,原子力発電は大規模な供給力の実現が実証されている有力な低炭素エ
ネルギー源として評価されるようになってきていることが挙げられます.

 世界がなお不況から脱出していないので,これが予想通りのスピードで進展す
ると考えることには躊躇しますが,このような理由に基づく計画だとすれば,遅
れがあるとしても5年程度ではないかと考えているところです.

 ところで,こうした国際動向を見据えて,これが核拡散リスクを増大させるこ
とを恐れる意見や,このリスクを増大させないため,原子力の平和利用に関する
新しい国際秩序の構築を提案する発言も増えてきています.本日来日された米国
のオバマ大統領も,今年4月にプラハで行った核軍縮・核不拡散努力を強化する
基本方針を述べた演説で,この事に関して原則的な姿勢と提案を明らかにしてい
ます.

 大統領は,核兵器不拡散条約(NPT)がIAEAに査察業務を付託している
ことに鑑み,IAEAへの資源配分を増大し,IAEAの権限を強化すべきとし

さらに,この条約の違反者に対しては直ちに的確な対応をとるが,核兵器を放棄
した国々には原子力平和利用の権利があり,ルールに基づいて行動する国々の権
利を否定するアプローチは成功しないと考えるとした上で,我々は気候変動との
戦い,全ての人々の生きる機会の増進を目指す努力の一環として原子力を使いこ
なさねばならない.そこで,諸国が核拡散リスクを増大させることなく原子力の
平和利用を享受できるように,国際核燃料銀行を含む原子力平和利用のための新
しい枠組みを構築しようではないかと提案しました.
 最近,クリントン国務長官が「米国平和研究所」において行った演説には,こ
の新しい枠組みのあり方に関する米国の考え方がより具体的に述べられています

そこで長官は,諸国が核燃料にアクセスできる権利は擁護されなければならない
とした上で,それにも関わらず途上国が濃縮・再処理を国内でしないですむよう
にするには,彼等が利用できる核燃料サイクルのオプションを拡大することが大
切.燃料供給保証のための多国間枠組み,国際核燃料銀行,国際使用済燃料貯蔵
センター等があれば,各国が濃縮・再処理といった燃料サイクル施設を自ら国内
に保有せずとも原子力発電の利益を享受できるという確信を強くもてるはず.よ
って,これらの整備がこれからの核不拡散政策の主要素になると言っています.

 ここにあげられた要素は過去に議論されたものばかりですが,新しい国際環境
の中で再評価してみることは大切ということでしょう.

 私としては,我国は,立地地域社会の持続的発展を支援しつつ原子力発電の利
用を進展させてエネルギー安定供給の確保や地球温暖化対策の推進といった公益
の実現を計るとともに,原子力を国民の福祉の向上に生かしたいとする国々を支
援することは勿論,自ら実施している濃縮・再処理事業を含む取組の経験を生か
して,諸国と共同してこのような新しい国際秩序を形成する構想の有効性や実現
に向けての検討を進め,国際社会における原子力技術の持続可能性を一層向上す
ることにも貢献していくべきと考えています.

@mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2009年11月13日号
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/2009-1113.html


 【追記】

●中国のアフリカ会議は米国などの牽制にもかかわらずその進出に歯止め効かず

The ministerial Forum on China-Africa Cooperation met in Sharm el-Sheik,
Egy
pt, last week, attended by Chinese Premier Wen Jiabao and representatives
of
more than 300 Chinese companies. Wen took the opportunity to chide the US
f
or its large budget deficit. He made it clear that China intended to press
a
head with its programme of investment in Africa despite American
opposition.


これまでも,中国のアフリカ進出については,何度も書いてきたが,先週,20
09
年11月に行われたエジプトの南部の観光地,シャムエルシェイク(注6)で行
われ
た,中国アフリカ首脳会議(注5)では,温家宝首相(注7)が中国企業300
社を
率いての,堂々たる大経済使節団となった.この会議に関連して,中国のアフリ
カ進
出について,問題点も含めた総括的な記事である.米国との争点も取り上げてい
る.
長文である.

温家宝首相(注7)はこの会議で,米国の膨大な国家債務についても,それをた
しな
める発言をしている.温家宝首相(注7)はまた,米国が反対の意向を持つこと
を頭
に置いた上で,中国はアフリカへの投資に邁進することを,内外に鮮明に宣言し
た.
温家宝首相(注7)は,総額100億ドルに達する3年間のソフトローン,それ
は利
子率と償還期間に於いて有利な,特別の借款を,アフリカ諸国に約束した.勿論
,ア
フリカ諸国は大歓迎である.

この会議の最中に,米国は鋭く反応した.IMF(注8)が,コンゴ民主共和国
(注
9)に対して,中国が投資額の規模を縮小しなければ,その信用ラインを下げる
,と
警告したのだ.この米国が背景に存在するIMF(注8)は,この戦火にまみれ
貧困
に陥っているコンゴ民主共和国(注9)を,ジンバブエが経験したような,悲惨
な経
済的結末を招く,財政的孤立状態に落ち込ませることになる,と脅かしているの
だ.

この中国のコンゴ民主共和国(注9)への投資の問題は,2010年以降に勃発
する
米国と中国の貿易戦争の始まりであり,世界経済にとっての最大の危機だ,と見
る向
きもある.中国のアフリカへの経済介入は急激な上昇を見せており,2003年
に1
8億ドルであったものが,2008年には1,070億ドルに達し,南アフリカは

現在中国が,最大の貿易相手国である.2009年3四半期では,2008年の
それ
の77%増である.

ここで最も重要なことは,中国の経済攻勢が,官民の強力な協力に基づくものだ
,と
言うことである.中国はアフリカのすべての公共工事の50%を勝ち取っており
,ア
フリカ大陸の道路プロジェクトは,中国が制覇していると言って良い.この官民
協同
の利益獲得の方式は,元々西欧諸国がしてきたもので,金融機関や民間企業に,
膨大
な利益をもたらすものだ.西欧の銀行の混乱に対応して,中国がとってきた方策
の結
果とも言える.

中国は,2,500万人が職を失い,輸出が低迷して,2008年の同時期に比べ

21%も輸出額が減っている.中国の開発銀行の支援を受けた膨大な数の中国企
業が
,世界経済の低迷で価格の下がった機会を捉えて,世界に飛び出し,特にアフリ
カに
突出したわけである.中国の統計によると,2009年の最初の2ヶ月で,中国
企業
は80億ドルの海外契約を勝ち取ったが,これは前縁実績の25%増に匹敵する


中国は,2兆ドルを超える外貨準備と米国債を所有し,米国ドルの信用低下と共
に,
中国の信用を爆発的に高めた.この膨大な外貨準備を後ろ盾に,中国は,世界で
紛争
状態にある資産を狙って攻勢を始めた.この意味で,鉱物の原材料価格が下がっ
たこ
とが,大きな投資機会となった.この2,3年,中国は,殆どすべてのアフリカ
諸国
の原油包蔵に対して,探査契約を仕掛けた.

優秀な沖合探査技術を保有するカナダとスイスの企業,ADDAX(注14)を
,中
国のシノペック(注13)が買収したことの意味は大きい.アンゴラ(注11)
はア
フリカ最大の中国との貿易国だが,中国の原油の16%がアンゴラ(注11)か
らの
ものである.2008年の両国の貿易額は,253億ドルに達し,アフリカ全体
の中
国との貿易額の23%に達する.アンゴラ(注11)の中国からの輸入は,96
%ア
ップの,250万トンに達している.

アンゴラ(注11)の大統領選挙は今年であるが,現在のサントス大統領(注1
5)
の選挙運動にとって,中国の建設プロジェクトは,欠かすことが出来ないものだ
.し
かしこのことは,アンゴラ(注11)の企業にとっては苦しい状態で,アンゴラ
(注
11)国内でも調達できるものを,中国から運んでくる.このような批判を押さ
え込
むための,中国の官民協力の事業と見られないこともない.

ナイジェリア(注12)は,アフリカ最大の天然ガス包蔵と,2番目の原油包蔵
を有
するが,西欧企業に免許が既に与えられている500億ドルを越す価値を持つ原
油包
蔵を買収する意図を持っている.中国のCNOOC(注16)は,シェブロンの
10
,シェルの8,エクソンの4,トタルの1,合計23の原油ライセンス,100
億バ
レルの確認原油埋蔵と天然ガスについて,49%の資本参加を狙っている.

ナイジェリアの大統領顧問(注21)によると,中国は西欧企業に比べて比較に
なら
ない高い額を提示していると.もしCNOOC(注16)が交渉に成功すれば,
ナイ
ジェリア最大の協力企業は,中国になる.一方中国は,エチオピア(注22)に
対し
ては,その水力包蔵を開発するために,多くの大規模ダムの建設を行っている.
この
ことは,中国がエチオピア(注22)国内の電力を支配するだけでなく,近隣諸
国へ
の輸出の圧力にもなってくる.

ケニア(注23)政府は,最近,中国に対して,35億ドルのプロジェクト実施
を要
請しているが,その中には,南部の海岸の観光都市であるラム(注24)の港の
整備
と,エチオピア(注11)及び南部スーダン(注25)との国境への,道路及び
鉄道
建設が含まれている.また,ケニア(注23)のナイロビは,カタールとの間で
,4
万ヘクタールの耕作地のリースについて,協議を進めている.

スーダン(注25)の中国開発の原油量は,中国の輸入原油の6%に匹敵するが
,こ
のケニア(注23)における輸送施設の開発は,このスーダン(注25)の原油
の輸
出ルート開発に資することになる.これとは別に,中国のCNOOC(注16)
は,
ケニア北部に於け原油包蔵を視野に入れており,また,港の近くのラム(注24
)海
盆の第2ブロックの探査権利を手にしている.

ウガンダについては,ウガンダとコンゴ民主共和国(注9)の間に横たわるアル
ベル
ト湖(注27)のそこに横たわると言われている10億バレルの原油包蔵を狙っ
て,
アイルランド企業ツロウの持つ権益の一部買い取りを交渉中だが,この原油に対
して
は,パイプラインと港の建設及び精製工場の建設で,40億ドルが必要,と言わ
れて
いる.

中国は,アフリカへの関心を守るだけの手段が必要,と意識している.アデン湾
(注
28)に関して,この地政的に微妙な地域での.海賊対応を名目にして,駆逐艦
によ
る小艦隊を派遣している.中国の貿易の約40%の物資や原材料が,この海域を
通過
する.これは,国連行動を除いて,中国海軍としては初めての海外作戦である.

西部アフリカ,内陸部のニジェール(注53)であるが,ウラニューム購買国と
して
,フランスとライバル関係にある.昨年,2008年,中国はジンダー近傍のア
ガデ
ム原油ブロック(注30)を,国家石油CNPC(注29)が,50億ドル契約
を行
っている.リベリア(注31)では,ボン地区(注32)の鉄鉱石開発で,中国
企業
連合が,26億ドルで契約している.

ザンビア(注33)では,中国企業が,2億ドル債務で苦慮していたルアンシャ
イア
銅鉱山(注34)を,最近,230百万ドルで買い取っている.中国輸出入銀行
(注
35)は,カリバ北水力プロジェクトで,4億ドルの85%を支援している.更
に,
南部アフリカ地域の鉄道計画,モザンビーク,アンゴラ,コンゴのキンシャサ,
コン
ゴのブラザビル,マラウイ,ザンビアを結ぶ計画,これについて関係国と協議中
だ.

農業とバイオ燃料についてだが,モザンビーク(注37)では,中国輸出入銀行
(注
35)が,ザンベジ川のムハンダ-ヌクワ・ダムで,23億ドルの借款を供与する

また8億ドルの農業支援を供与するが,これは,米生産を助けることが目的で,
マラ
ウイ湖とモザンビークの河川との結合,農業支援のためのダム建設について,協
議を
行った.

中国は,全世界の16%の人口を有しながら,世界の耕地面積の9%しか持って
いな
い.このため,中国企業は農耕地を求めているが,ザンベジ渓谷で牧場と植林を
行う
土地を捜しており,3000人の中国人を移住させることを考えている.この構
想は
,モザンビークの原住民達の反感を買うことに繋がっている.ウガンダでは,1
万エ
ーカーの土地を,中国がリース契約をしている.

ザンビアでは,バイオ燃料用の土地として,200万ヘクタールを中国企業が要
請し
ているが,香港の有力者(注39)が,40億ドルのバイオ燃料帝国を建設すべ
く,
400億ドルを投資する.このバイオ燃料は,全世界の10%を占めることにな
る.
中国企業は,これらの建設プロジェクトを促進するために,その促進と経済性の
圧力
をかけられているが,これは,アフリカの住民にとっては,低賃金と過酷な労働
を強
いられ,非難に繋がっている.

特に問題となっているのが,ガーナのブイ・ダム(注41)建設現場で,労務者
の住
居環境が悪く,組合結成は,シノハイドロの圧力に屈して放棄された.中国の融
資機
関は,経済の下降傾向の中,高い利益率獲得に積極的で,世界銀行のゼーリック
総裁
(注42)は3000億ドルの資金を扱っている中国のCIC(注43)と最近
,対
話を持っており,アフリカでの特別工業団地育成で,投資協力を行う提案をして
いる


米国ドルの弱体化で中国は勢いづいており,中国独自の経済圏の構築に前向きだ
.中
国の銀行のコンソーシアムが,10億ドルを提供して,南アフリカ銀行の中国支
配権
の確立を意図する動きもある.北京では,この世界最大の外貨準備を利用して,
対象
を,アフリカ,南アメリカ,アジアに限定した「世界調和プラン」基金(注45
)を
構築する構想を話し合っているという.

この基金は,総額で,5,000億ドルで,1,000億ドルは外貨準備から,残
りを
人民元,約2.7兆元,と考えている.これは,中国アフリカ基金などの既存の組

を使って,国家信用か事業益から返済されることを考えている.これは,戦後の
マー
シャルプランの構想を参考にしたもので,世界的な不況から中国企業を守ること
と,
人民元の国際化を目指すものだ,と説明されている.いずれにしても,米国との
間で
,厳しい緊張状態が生ずるだろう.

(注)F (1) 091117F China, wsws,(2) title: China continues its aggressive
pursuit of Africa’s resources,(3)
http://www.wsws.org/articles/2009/nov2009/afch-n16.shtml


,(4) By Brian Smith and Ann Talbot,16 November 2009,(5) ministerial
Forum
on China-Africa Cooperation,(6) Sharm el-Sheik,(7) Chinese Premier Wen
Ji
abao,(8) International Monetary Fund,(9) Democratic Republic of
Congo,(10
) Stephen Roach, the Asia managing director of Morgan Stanley,(11) Angola

(12) Nigeria,(13) Sinopec,(14) Addax,(15) President Dos Santos,(16)
Chin
a National Offshore Oil Corporation (CNOOC),(17) Chevron,(18) Royal Dutch
Shell,(19) ExxonMobil,(20) Total,(21) Tanimu Yakubu, chief economic
advis
er to the Nigerian President,(22) Ethiopia,(23) Kenya,(24) Lamu,(25)
Sud
an,(26) Tullow,(27) Lake Albert,(28) Gulf of Aden,(29) China National
Pe
troleum Corporation,(30) Agadem oil bloc near Zinder,(31) Liberia,(32)
Bo
ng County,(33) Zambia,(34) Luanshya Copper Mine,(35) China Exim
Bank,(36
) a power project at Kariba North,(37) Mozambique,(38) Mphanda Nkuwa dam
o
n the Zambezi River,(39) Hong Kong-based tycoon Stanley Ho,(40) African
La
bour Research Network (ALRN),(41) Ghana’s Bui Dam,(42) World Bank
Preside
nt Robert Zoellick,(43) China Investment Corporation,(44) Standard Bank
of
South Africa,(45) Harmonious World Plan,(46) economist Xu Shanda to the
C
hinese People’s Political Consultative Conference,(47) Renminbi,(48)
phot
o source: The fourth ministerial meeting of the Forum on China-Africa
Cooper
ation (FOCAC) opens in the Egyptian resort of Sharm el-Sheikh on Nov. 8,
200
9. (Xinhua Photo),(49) Sharm el-Sheik,photo source:
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/61/NaamaBay2005.JPG


,(50) Kenya, Lamu basin, photo source:
http://www.photos4travel.com/travelArticles/photos/lamubeach.jpg


,(51) Lake Albert, photo source:
http://www.caravanparkphotos.com.au/meningie/images/img_1853.jpg


,(52) Mozambique,Mphanda Nkuwa dam site,photo source:
http://www.internationalrivers.org/files/images/Zambezi14_small.preview.jpg


,(53) Niger,(54)

今日の参考資料

●091117F China, wsws
中国のアフリカ会議は米国などの牽制にもかかわらずその進出に歯止め効かず
China continues its aggressive pursuit of Africa’s resources
http://my.reset.jp/adachihayao/index091117F.htm
http://www.wsws.org/articles/2009/nov2009/afch-n16.shtml

Tue, 17 Nov 2009 18:38:36 +0900 (JST)


 【質問】
 パレスチナでイラン工作員が拘束された一件について教えてください.

 【回答】
 パレスチナ自治区ガザで1日,アッバス議長隷下にある治安部隊がイスラム原理主義勢力ハマスが活動拠点にするイスラム大学に突入し,イランの工作員7名を拘束しました.
 治安部隊によれば
「イラン人7人は武器の専門家で,ハマスに対し化学兵器製造・運用の指導をしていた可能性がある」
とのことです.ハマス側は否定しています.

 ⇒パレスチナでは,アッバス議長の「ファタハ」と現政府を率いている「ハマス」の2つの勢力が権力闘争をしており,武力衝突を引き起こしています.
 エジプトが仲介して先月30日に停戦が発効しましたけど,今月に入っても衝突は収まらず,多くの犠牲者が出ているようです.

 ハマスが政権を握ったあとマガジンでは数度,アッバス議長のクーデタに関する記事をお伝えしたことがありました.
 どうもその方向に動いているようですね.
 アッバス議長の後ろにイスラエルと米がいることは明らかでしょうね.

おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)2月5日


 【追記】

陸士同期の中将飯村穣〔略〕は関東軍参謀長就任前は陸軍大学校校長を務めており,離任後は内閣総理大臣直属で,各官庁の中堅の俊秀を集めた「総力戦研究所」の所長として「想定による日米戦争机上演習」で日本の敗戦を推論した,陸軍きっての兵学家であった.
 彼は人格円満にして冷徹な頭脳の持ち主で,終始陸軍の中枢を歩いたエリート中のエリートであった.

 その彼が,戦後だいぶたった頃,安江の遺族に対して,
「君達のお父上は私などよりよほど頭が良かった」
と語ったが,これは単なる頭の良さを言ったのではなく,安江の国際情勢に対する的確な判断と,それに基く積極果敢な行動を再評価した,旧軍のトップリーダーの一人としての自己批判の弁と考えられる.

安江弘夫著『大連特務機関と幻のユダヤ国家』(八幡書店,1989/8),p.209-210


 【追記】

中国に「スパイ」と認定された日本人外交官の「ある失敗」(後編)=佐藤優
2008年5月2日 SAPIO
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080502-02-0401.html
 筆者が尊敬するインテリジェンスのプロの一人がエフライム・ハレビー前モサド長官(イスラエル諜報特務局長官,現ヘブライ大学教授)だ.筆者が現役時代,外務省は本格的なインテリジェンス専門家を養成することを考え,各国のプロから話を聞いていた.ハレビー氏は,「とにかく人を大切にすることだ.それに尽きる.組織は自分の職員を徹底的に守る.それから,協力者も,自分の組織のメンバーと同じように全力をあげて守る.国によっては,イスラエルに協力することで命を失う危険がある.モサドは友人をいかなる対価を支払っても守るという文化が定着しない限り,まともなインテリジェンス活動などできない」と強調していた.
 
 2000年4月,イスラエルのテルアビブ大学が主催したロシア関連の国際学会に袴田茂樹青山学院大学教授,田中明彦東京大学大学院教授らを派遣する事業に外務省関連の支援委員会から資金を支出したことが背任に問われ,筆者は犯罪者にされた.この支出は,上司の決裁を得て行なわれたもので,外務事務次官の決裁がある.民間企業ならば,稟議書に代表取締役社長のサインと判子があるものだ.東京高等裁判所で行なわれた控訴審では,本件決裁権者である東郷和彦元欧州局長(現日本テンプル大学教授)が,「支出は適切で,佐藤君は何ら違法行為をおかしていない」と証言したが,裁判所はそれを認めなかった.国策捜査,政治裁判とはそういうものである.
 
 外務省が筆者を「トカゲの尻尾切り」したのと対照的に,イスラエルの友人たちは,筆者が2003年10月8日に東京拘置所の独房から保釈になった直後から,文字通り一人の例外もなく「あたかも何事もなかったが如く」筆者と付き合った.筆者が「無理をしないでいい.僕と付き合い続けると日本外務省との関係が難しくなる」と言っても,友人たちは「それはそれ,これはこれ.佐藤さんと付き合っていると面白い.理由はそれで十分」などという.情報屋の筆者には,イスラエル人たちが人情だけで筆者と付き合い続けたのではないことがよくわかる.そこには冷徹な計算があった.まず,「こいつ(筆者)は,イスラエルについて知りすぎているので,人間関係を崩して余計なことをしゃべると困る」と考える.次に「こいつは,もしかしたらこの事件に巻き込まれたので,社会的に抹殺されて『終わり』かもしれない.しかし,不思議な生命力があるので,もしかしたら甦るかもしれない.苦しいときにも友人付き合いを続けておけば,将来,甦ったときに一層,イスラエルとユダヤ人に対する親近感を強める」と考える.
 
 イスラエル側の思惑は見事に当たった.親アラブ,親イラン的傾向が強い日本の論壇において,国際情勢についてイスラエルの立場を踏まえた上で論評する数少ない立ち位置を筆者がとっているのも,筆者が心の底からイスラエルのインテリジェンス能力を尊敬しているからだ.そこには人心掌握力も含まれる.イスラエルは「これ」と思う有識者に対しては,つまらない情報操作など行なわない.イスラエルにとって都合の悪い情報もあえて提供し,その上でイスラエルの立場の理解を求めるという高等戦術を用いる.


無期懲役の中国人協力者に何の痛みも感じていない  

 このようなイスラエルと対極の自己保身,嘘つき文化が,3月11日の読売新聞報道で露見した日本外務省国際情報統括官組織と在中国日本大使館の複数の職員による「スパイ」活動で明らかになった.以下は,3月13日に筆者が田原総一朗氏から直接聞いた話である.田原氏がある外務省幹部に本件について事実関係と中国政府に抗議する意向の有無について問い質した.それに対し,外務省幹部はこう答えたという.
 
「中国政府に抗議することはもとより,この件について,照会するつもりもありません.『スパイ』とされた外交官は北京の大使館で,普通に仕事をしていますよ.われわれは身に何の危険も感じていません」
 
 この話を聞いて,筆者は頭に血が上ってきた.右翼の友人と相談して,街宣車で外務省に乗り付けて,中国課と国際情報統括官組織を徹底糾弾し,密教で修行を積んだ霊力の高い知り合いのお坊さんと,やはり知り合いの霊能力が高い沖縄のシャーマンに頼んでこの幹部に呪いをかけてもらおうかと一瞬考えたが,もっと陰険で効果的な手法で批判することにする(ただし,街宣活動と呪いも併用するかもしれない).手の内を今から見せることはしないが,まずは,国会の場で外務省のインテリジェンス活動が問題になるような状況が増えるのではないかと予測している.これは予測であって,筆者が「仕掛ける」ということではないので,河相周夫総合外交政策局長,竹内春久国際情報統括官におかれては,くれぐれも誤解なされることがないように!
 
 前出の読売新聞の報道によれば,日本外務省職員に協力したが故に48歳の中国人協力者の無期懲役が確定したのである.外務官僚は,日本に協力した中国人がおかれた境遇に対して,何の痛みも感じていないようである.このようなことでは,今後,中国人の協力者を獲得することができなくなる.外務官僚の自己保身が日本のインテリジェンスを内側から壊しているのだ.
 
 かつて外務省は,中国残留孤児2世の原博文氏(当然,日本国籍の保持者である)に情報収集活動を依頼した.その結果,原氏は北京で,1996年から2003年までの7年も投獄されたのである.この問題も近未来に今までとは違った形で取りあげ,外務省のインテリジェンス体制にきちっとした筋を通さなくてはならない.外務官僚に対しては,「対話と圧力」ではなく「圧力と圧力」,「アメとムチ」ではなく「ムチとムチ」で対応することが重要だ.国会議員の皆さんが心を鬼にして,出来るだけ厳しい姿勢で外務官僚に臨み,対中国インテリジェンス絡みで外務省の膿を出すことが国益に適うと筆者は確信する.


チベット語を理解する職員が日本外務省に存在するのか

 チベット情勢に関する外務省のインテリジェンス活動も,まったくなっていない.そもそも外務省にチベット語を理解する職員が何人いるのか? またウイグル語を理解する日本人外交官が何人いるのか? 筆者は恐らく一人もいないと推定している.筆者が現役外交官の頃,モスクワの日本大使館で民族問題を担当していた.ソ連が維持されるか否かで鍵を握るのはウクライナの動向だった.当時,日本外務省でウクライナ語を理解する外交官は一人もいなかった.モスクワのカナダ大使館,ドイツ大使館,チェコ大使館にはウクライナ語に堪能な外交官がいた.この人たちはウクライナ語の新聞を丹念に読んで,西ウクライナにおける分離傾向は相当深刻で,ソ連崩壊傾向が急速に進んでいるという分析を1990年秋には出していた.日本外務省にウクライナ語の専門家がいないならば,自分が専門家になるしかないと思い,上司に進言したら,昼休み時間中に家庭教師を雇ってウクライナ語の勉強をすることを認めてくれた.後に制度が整い,特殊語学研修手当が出るようになった.筆者はモスクワの日本大使館にいる間にウクライナ語,ベラルーシ語を本気で勉強し,現地語の新聞や雑誌を読んで,情勢分析のために用いた.現状でも,職員が少し努力をして,外務省が体制を整えるならば,チベット情勢,ウイグル情勢など,中国の国家統合に影響を与える問題について,日本が自前で分析をできるようになるはずだ. 
 更に,宗教という切り口からもチベット情勢を見るべきだ.中国政府がチベット仏教に対する宗教弾圧を行なっている.この辺の事情については,バチカンが情報を集約している.また,ジュネーブの世界のプロテスタント教会と正教会によるNGO「世界教会協議会(WCC)」にもチベット情勢の情報が集まっているはずだ.更に,モンゴルもチベット仏教の強い地域で,しかもモンゴルのインテリジェンス機関は,中国を潜在的脅威と認識し,中国の弱点について,精力的に情報を収集している.ロシア科学アカデミー傘下でも極東研究所(1960年代は中国研究所と称していた)は政治的観点からチベット情勢を継続的に観察している.今,日本が持っているカードにどのようなものがあり,それをどう活用するかについて考えるのがインテリジェンス感覚であるが,外務官僚の実態を見ると,実に頼りない.(起訴休職外務事務官)


 【珍説】
 アメリカはマジで宇宙から他国を攻撃して,人を殺そうとしているんでしょうね.
 アメリカが言う「自由」というのは,「アメリカが何をしようが自由だ」という事なんでしょうか?

米大統領,宇宙政策を見直し=活動制限拒否,兵器開発の懸念も−Wポスト
----------------------------------------------------ここから引用----
 18日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は,ブッシュ大統領が新たな国家宇宙政策の指針文書に署名したと報じた.
 宇宙での米国の活動を制限するような将来の軍備管理協定を拒否する内容で,宇宙政策全般の見直しは10年ぶりという.
 新たな政策指針文書は冒頭で,「宇宙での行動の自由は,米国にとって空軍力や海軍力と同様,重要だ」と指摘しているという.
 米高官は同紙に対し,「新たな政策は宇宙兵器の開発や配備に関するものではない」と述べた.
 しかし,米シンクタンク,ヘンリー・スティムソン・センターの共同創設者であるマイケル・クレポン氏は,政策見直しにより,米国が宇宙兵器の開発や試験,配備を目指すのではないかとの国際的疑念が高まるとの懸念を示したという.
-----------------------------------------------------引用ここまで---

あつこば in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 将来的に宇宙空間が戦場になる事は確実です.
 中国もそれを意識しています.
 近い将来にアメリカと中国が大規模な宇宙軍拡競争を行う事になるでしょう.
 宇宙空間で使用するレーザー砲も,もはや夢の兵器ではなくなりつつあります.
 中国は既にアメリカの偵察衛星へのレーザー照射を行っています.

 ・・・と言う事は置いておいて,今回の見直しの理由は,そういった少し遠い未来の話ではありません.
 狙いはミサイル・ディフェンスです.
 人工衛星にキネティック弾頭(EKV)を搭載し,弾道ミサイルを宇宙空間で撃破するシステム.これの構築に必要な措置です.
 あくまで防衛兵器と言い張りながら配備を進めるでしょう.

 2年前の記事ですが,こういうものもあります.

DARPA,宇宙をめぐる軍拡競争でリードするための諸計画を披露

 核電磁パルスに対する防御策を開発中,とあります.
 アメリカは,中国軍が超高高度核爆発による電磁シャワー攻撃を行う可能性について懸念しています.

JSF in mixi


 【追記】

 宗教本を多く手がけている出版ブローカーは,次のように証言する.

「例えば,テレビで教団を批判するような番組をやっているとしても,〔新興宗教では〕それをこんな解釈をして信者に教えるわけです.
 キリストを見てみろ,ブッダを見てみろ,今,有名になっている宗教というのは,その時代ではひどく迫害を受けているものなんだ.そういったものはあまりに正しいがゆえに,同時代には受け入れ難いものがある.
 しかし,長い歴史をたどってみれば,最終的に残っていく教えというのは,まさにそういうものなんだよ.
 だから,我々,教団もこのように批判されているということは,むしろ,それを正しい教えの証明として受け入れなければならないということなんだ」
 このようにして信者は自らの行いを完全に正当化するようになる.
 ※ 迫害されるから正しいものだという説明は,多くの新興宗教に見られるものである.

草下シンヤ著「裏のハローワーク」(彩図社,2004.6.13),p.84

書闘倶楽部「電車男」

 〔略〕
小谷野〔比較文学者,小谷野敦〕 2ちゃんねるは凶暴で,口汚くて,反射会的で,犯罪の温床で,人間のクズが集まっているところなんです.
 なのに電車男を応援するなんて,みんな,けっこういい奴じゃないかというのがミソなんです.
 〔略〕

in "SAPIO" 2004/12/22号,p.42


 【質問】
 ついこの前,イラクに侵攻したアメリカ兵が,少女を集団レイプした上に殺したってことで起訴されてたけど,こういうことって戦争では極普通にあることなの?
 規則ではダメってことなんだろうけど,現地では守られてないことが大半とか.
 そもそもなんでバレたのかもわからんけどさ.

 【回答】
 レイプ殺人はWW2でもあったし,ベトナムでもあった.
 今の平和な社会でも,時たま起こる.
 歴史的には普通にある.
 てか日本でも戦国時代には,そういうのが一部の雑兵の楽しみだった.

 動物としての人類として考えると,そういう行為により近親こう配から逃れてきたという説もある.
 近親こう配避けとしては,少女をかっさらって行くほうがポピュラーだと思言えるが.
 ヤッタ後殺したのが悪事がバレル事への口封じだとしたら,現代でこその弊害かも.

 何を持って普通にあるとするかは知らないが,軍隊という特殊な環境下でストレスたまる人もいるし,そうじゃなくても別のものもたまる.
 モラルの低いヤツだっている.
 で,そういうヤツが事件を起すのは,とりたてて不思議じゃない.

 そういうことが起こらないように兵隊を管理する側は,規則を作ったり慰安を行ったりしている.

>規則ではダメってことなんだろうけど,現地では守られてないことが大半とか.

 これは完全にケースバイケースです.
 WW2のソ連は,現地では守られてないことが大半でした(ていうか取り締まる気も無かったんだろうな).
 ベトナムに派遣された韓国軍は,最初は文化の違いなどから現地人に嫌われたので,規則に力を入れて現地人の信頼を築こうとしました.
 その一環として,レイプを行った兵士を銃殺刑と決め,実際に事件を起した兵隊を銃殺しました.
(米軍なら一ヶ月の重営倉入りで済む)
 結果として軍の規律は維持され,「ベトナム派遣された軍のうち,最優秀」という評価を下してる人も居ます.


 【質問】
 ニジェール軍の兵力は?

 【回答】

 wikiだと陸軍5,200人,空軍100人,憲兵隊1,400人,共和国警備隊2,500人,
 国家警察隊1,500人.
 2003年ミリバラだと,陸軍と空軍のみ記載で計5,300人.
 憲兵&警備隊は軽武装で,実効ある軍事力としての能力を持たない?

自動車歩兵中隊,自動車砲兵中隊,自動車工兵中隊,装甲自動車中隊,輸送中隊からなる自動車混成大隊が10個.
 装甲自動車中隊は90mm砲を搭載した,フランス製のパナールAML装甲自動車125輌を保有.
 装甲車両としては他には,フランス製のERC 90や中国製のWz523Pを若干保有,

 他に精鋭の機動予備部隊である第332空挺連隊がある.
→http://cdn.wn.com/pd/f4/e7/824dabf1a0e847473c1ef4604c03_grande.jpg

 ニジェール空軍は
政府専用機のボーイング737を1機,
C-130輸送機1機,
ドルニエ228双発小型輸送機1機,
ドルニエ28双発小型輸送機1機,
テトラ観測機4機,
ミル17ヘリ2機,
ミル24ヘリ2機
を保有.

 リベリアPKOに兵力供出してるから,若干減るね.

軍事板,2011/09/07(水)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

●110622C Myanmar, alaskadispatch.com
ミャンマーの東北部,カチン州に於ける正規軍とカチン武装グループの紛争
Border conflict threatens ties between Burma and China
http://bit.ly/kgDFsi
Deadly clashes between Burmese troops and ethnic rebels at a Chinese-run hydropower dam for nearly two weeks shine a
spotlight on China’s growing energy interests in Burma’s strife-torn borderlands. northern Kachin state,erupted on June
9,ethnic minority Kachin Independence Army (KIA),Kachin Independent Organization (KIO),smokescreen,a tributary of the
Irrawaddy River,formal letter to the Chinese government,President Thein Sein,Tarpein dam site,200 Chinese workers had
been evacuated,Thein Sein has struggled to consolidate

ミャンマーの東北部,カチン州に於ける正規軍とカチン武装グループの紛争は,次第に中国政府の重荷になって来つつある.カチンが占
拠しているタルペオインダムは既に運転中と思われるが停止,パイプラインにも影響,テインセイン大統領の足場固めか
http://bit.ly/kgDFsi

◎日刊 アジアのエネルギー最前線
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000226907/index.html
2011年6月22日 水曜日 午後3:37


 【追記】

■ペトレイアス大将退役

101空挺師団長,イラク駐留米軍司令官,中央集団司令官,ISAF司令官兼ねるアフガ
ン駐留米軍司令官などを歴任した米のペトレイアス陸軍大将が,110831付で退役し,
37年の軍歴に終止符を打ちました.

大将は9月から,中央情報庁(CIA)長官の任に就いています.

⇒大将といえば,6月の上院公聴会で倒れたことが印象に残ってますね.
時差ボケと脱水症状だったようです.立派ですよね.

軍事を,理由なく理屈なく政治の世界から忌避するしかできない戦後日本では,
想像すらできない光景です.なぜかといえば,最後の最後まで追い詰めると,
米国の軍事力をわが国国防力としてあてにしているからです.
右から左までこの奴隷根性では共通しています.唾棄すべき存在です.

自国の制服軍人が,国会への立ち入りを事実上禁止されている・・・
そのことに異論を唱え,反対する具体的動きすら出ない・・・・
そういう人を選んだのは国民・・・・

笑うしかないんちゃいます?笑

おきらく軍事研究会,2011年9月5日 月曜日 午前8:00


 【追記】

 建設に関してと,炉心溶融防止上,興味深いことが書かれているように思われるので,とりあえず保存.
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 私は,安全のためには,設備・機器のことだけではなく,むしろソフト面のほうが大切と考えているが,それは現実に長年,同じ原子炉に付き合っていると,ちょっとした不具合とか,こういうところに気をつけて欲しい,と向こうからなんとなく訴えてくるような感じを持つことが,度々あるからである.
 実例を2,3挙げておこう.

 原子炉本体と建屋は,統一された基本方針で,細部まで連携して設計・建設することが大切で,理想と考えるが,一般に請負業者は別々で,工程にも差があるので,なかなか理想通りにはいかない.
 大抵は建屋が先にできて,原子炉はその中に組み込む,という形になる.

 排水溝,排水槽なども,原子炉の設備に正確に適合できる配置・構造になっているとは限らない.
 排水溝は地下の低いところに全排水を一箇所に集める形で設けられると,どこから漏れてきた水か分からなくなる.
 普通の水の系統のポンプなどは,軸から常時少しずつ漏れているが,これは安全上は何も問題ないから,特別の注意は必要ない.
 しかし,炉心タンクから漏れる水は,一般に注意が必要である.
 ところが建屋の普通の設計だと,排水槽の水位が一定の高さになると,まとめて自動的に排水されてしまう.
 建屋を誰がどのように管理するのか分からない段階での設計では当然のこの方法も,原子炉では困る.
 設備・機器が決まり,配置も確定すると,それにあわせて,それぞれから出る排水,漏洩水を必要に応じて区別して,量を確認できるようにすべきである.

 運転の経験を積むうちに,このことに気がついた.
 コンクリート構造を修正するような大工事はやれないから,皆で知恵を出し合って,手作りで工作して,目的に合うものを作った.
 気象観測機器の雨量計の原理の借用とか,自動汲み出しはやめて警告音だけにし,担当者が確認の上,手動でポンプを起動させるとか,少々スマートさには難があるのだが.

 京大炉完成後,数年経った頃,大きな地震があった.
 耐震強度は十分に持たせてあるが,例えば,一時的においてあった重量物が倒れ掛かるなどの予期しないことで,一次系が一部破損し,炉水が地下室に落ちてしまったら,という心配が出てきた.
 前にも述べたように,正常な水位が保てなくても,シャワー状に水を振り掛けるくらいで炉心溶融は防げる,ということは米国が実験で明らかにしている.
 そこで,地下室へ落ちた水を汲み上げて,上から炉心に降りかけるようにしよう,と考えた.
 地下室の低い位置にポンプを据え付けて,溜まった水を汲み上げて,上から炉心に振りかけるよう配管を設けたのである.

 あるとき,定期検査の検査官の目に留まり,質問された.
 説明すると,追加の申請を出してください,ということで一件落着となった.
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『新原子炉お節介学入門』(柴田俊一著,一宮事務所,2005.3.25),p.302-303
http://www.bk1.co.jp/product/02539042/p-jokai28866/


 【追記】

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京大で臨界実験装置を建設するに当たって,地元からの要請もあって,一般住民も利用できる原子炉応用センターを建設することになった.
 そのときの建物について,建築申請には排水に関して,農業関係の水利組合の承認が必要とのことであった.
 そういう下ごしらえは町当局がやってくれるものと思っていたら,京大で交渉してまとめてくれ,とのことである.

 少し筋が違うと思ったが,突っ張っていては,いつになったら解決するか分からない.
 結局,水利組合の役員さんがたの自宅に出かけて,お願いすることにした.
 ちょうど農繁期であったので,一升瓶を下げていって,夜遅くまでじっと待つのだが,どの役員さんからも一回で承認は得られず,大体は2回,終わりのほうになると,
「私はいいと思うのだが,あの人はまだ文句があるようだ」
というようなことで,さらに1回と,数人の役員さん宅を毎晩のように回って,了承していただいた.

 率直に言って,少々不満もあった.
 しかし考えてみると,町役場の考えが,水利組合の役員さん方に完全に受け入れられているわけではない.
 町役場の側に立って考えると,役員さん方を役場に呼びつけることも無理だし,一軒一軒回って,というのも町の事情から見て,現実にはできそうもない.
 「無駄骨」のようなこともやらなければ,仕事は進められない.
 やはりこういうことは必要なのである.

 大切なことは,こういう,理論的にはおかしいようなこともやる必要があるのだが,その代わり,それで信頼してもらえるようになれば,例えば,原子炉の1次水が2次側に漏れ出して外に出ることはないか,という答えに困るような質問にも,
「人間のやることですから完全にとはいきませんが,警報設備を備えてありますし,所外に出す前に水をいったん貯留するプールでは,所員や官舎の子供も泳いでいますから」
というような説明で十分納得していただけるようになるのである.

 「むつ」放射線漏れ問題が一段落したとき,大蔵省の主景観から,詳しい話を聞きたいからと要請があってお会いした.
 説明を終わった後,主計官から「あと,どう進めたらよいと思うか」という質問があった.
 私は躊躇なく,かねての考えに従い,理事全員が青森に家族とともに住み,毎晩,一升瓶を下げて関係者宅を手分けして訪問して,話をして回れば,理解を得るのに1年もかからないと思います,と答えた.
 主計官は,
「それならいけるでしょうが,事業団はそういう目的では作られていませんからね」
と笑いながら話された.
 どういう意味かはさすがに聞くことは遠慮した.

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『新原子炉お節介学入門』(柴田俊一著,一宮事務所,2005.3.25),p.343-344
http://www.bk1.co.jp/product/02539042/p-jokai28866/


 【質問】
 オウム事件の際,捜査の連携を纏める部署はどこだったのか?

 【回答】
 警察庁捜査課.
 同課には捜査の調整をする役割があり,都道府県の警察本部の連携を纏め,指揮したという.

 以下引用.

――――――
 警察庁の中にも捜査課があるが,これらに所属する人は事件の捜査をするというよりも,むしろ捜査の調整をする役割だ.
 例えばオウム事件というのが読者の記憶にも残っていると思う.
 これは全国各都道府県に跨る一大テロ殺人事件だった.
 こういう場合,都道府県の警察本部の連携を纏める必要が出てくる.
 この役割を担うのが警察庁の刑事局捜査第一課で,全国でも事件捜査を指揮する.
 言い替えると,警察庁捜査課に所属する人達は,地方警察本部の捜査部局を中央集権的に取り纏めるのが役目という事になる.

――――――北芝健著「警察裏物語」(バジリコ,2006/6/16),p.188

 【追記】

人気俳優,武器所持で有罪=テロ共謀は否定−インド裁判所

 【ニューデリー28日時事】インドのムンバイで1993年3月,証券取引所など13カ所が爆破され,257人が死亡した同時テロを審理しているムンバイの対テロ特別法廷は28日,武器の不法所持の罪で同国の人気映画俳優サンジャイ・ダット被告(47)に有罪判決を言い渡した.ただ,同法廷は共謀罪では被告を無罪とし,テロへの関与を事実上,否定した. 
(時事通信)-11月28日23時1分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061128-00000194-jij-int


 【質問】
 【回答】

 【参考ページ】
2008.05.01,CNN/AP


ワールド
ソマリアのアルカイダ組織指導者を空爆で殺害,米軍確認
アフリカ東部,ソマリアの国際テロ組織アルカイダと関係があるとされるイスラム武装勢力アル・シャバブは1日,米軍の空爆で同勢力軍事部門の指導者が殺害されたと述べた.ソマリアからの電話会見で明らかにした.


米中央軍の報道担当は空爆を認め,同指導者を狙った攻撃だったことを明らかにした.


アル・ジャバブの報道担当によると,空爆で別の幹部1人を含めた6人が同じく死亡,6人が負傷した.空爆はソマリア中央部にあるドゥーサマレブ町の民家を狙い実施した.


米軍は過去数年,ソマリアに潜伏するアルカイダ関係者を標的に空爆を繰り返している.米国務省は今年3月,アル・シャバブをテロ組織に指定.同勢力は,イスラム系反政府勢力「イスラム法廷会議」の軍事部門で,殺害された指導者はソマリアでのアルカイダ最高指導者と受け止められている.


同指導者はアフガニスタンで軍事訓練を受けている.エチオピア軍が後押しするソマリア暫定政府への攻撃を仕切っていたと言われる.


ソマリアではイスラム法廷会議が2006年,首都モガディシオを含む広範な地域を実効支配したが,国連が支持する暫定政府軍がエチオピア軍の支援を受け駆逐していた.しかし,両派の戦闘は依然続いている.

C 殺害された人物の氏名を調べること


 【質問】
 陸自の中隊の武器庫にある防服って,幹部の分しか員数ないし.
 まぁ,合羽着てるのと同じぐらいの効果しかないんだろうな.
 マニュアルには被爆したら洗剤で洗うことしか書いてないし.
 だって除染キットって洗剤とブラシしか入って無いじゃん.

 【回答】
 だって除染キットだろ?
 当然じゃん.
 除染は洗浄が世界共通だよ.
 除染と治療を混同してないかい?
 どこの国のNBC防護衣でも放射線は防げないので,付着した放射能を帯びたダストを速攻で洗 い流すのだ.
 これは被爆した(放射線を浴びた)キミの為にじゃなく,救出,治療をする人 の二次被爆を避ける為だよ.

 化学防護服と違って放射線用の防護服には,対した防御能力はないよ〜ん.
 何故ならそんな物を作ろうとしたら動けなくなるから.
 厚さ三十センチの鉛の板を全身にぶら下げて,あなたは歩き回れますか?
 体内に放射性物質を取り込んで,体内被曝を起こさない様にするために防護服は必要なのです.
 放射線から身を守るんではなく,後まで尾をひきにくい様にする為の物なのです.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 原爆,水爆の次に出てくる核兵器は?
 何かある?
 何かのSFで,超新星を爆弾に仕立てて敵の銀河ごと吹っ飛ばすというのがあったが,これも核兵器だよな?

 【回答】
29:ご冗談でしょう?名無しさん:2005/09/27(火)20:25:12ID:???0

 核融合の結果だから・・・
 核兵器・・・?


30:ご冗談でしょう?名無しさん:2005/09/28(水)15:55:51ID:???

 超新星爆発のエネルギー源は,重力エネルギーだと思われ.


31:ご冗談でしょう?名無しさん:2005/09/28(水)18:13:02ID:???

 しかし,そこまでため込んだのは核融合だし・・・

 マジレスすると,純粋水爆.
 もう,ほとんど実用化されているかもしれないが.
 従来の水爆は,核融合が起きる高温高圧状態を実現するために,ウランの核分裂による連鎖反応を使っていた.
 つまり,水爆の起爆剤は原爆.
 原爆でウランの核分裂の連鎖反応をおこすためには化学火薬で十分だが,核融合の連鎖反応を起こすには,化学火薬では従来の技術では不十分だった.
 詳しいことはしらないが,最近ではウランの核分裂を用いないでも,水爆が可能らしい.
 核融合自体は出てくる放射線は少ないので,純粋水爆は従来の水爆より被爆地の放射能汚染が少なく,使う側に
「放射能汚染の少ない国土が手に入る」
という欲望が働くという意味で,従来水爆より危険.

 三重水素爆弾.
 主に水爆の核融合のエネルギー源となるのは重水素であります,
 なぜなら重水素は天然の水中に5000分の1の割合で含まれているため抽出が容易であるからです.
 しかし実際重水素は核融合反応を起こしにくく,天然ではほとんど存在しない三重水素のほうが核融合を起こしやすいのであります.
 しかし昔の技術では三重水素抽出は困難.
 そこで現代の科学が可能にしたのが,原子炉内でリチウムに中性子を照射することによって三重水素を大量に製造することだったのです.
 それをそっくりそのまま水素爆弾の重水素と入れ替えたものが三重水素爆弾なわけです.

 漏れとしてはp−p反応の一種であるD−T反応型爆弾より,さらにその上の段階のCNO反応を利用した爆弾がオススメかと.
 D−T反応ですら起爆剤にしてしまうその威力は,思わず爆弾マニアがハァハァしちゃう逸品だろう.
 今の科学技術じゃ,作るのは相当難しいと思われるが・・・

 まあ,でも水爆って,小さな太陽つくっちゃったようなもんでしょ?
 次はブラックホール作ろうよ.


84:ご冗談でしょう?名無しさん:2006/03/19(日)02:58:44ID:???

 水爆が太陽みたいに一定の形状を保てないのはなぜだか分かる?
 ブラックホールは無理.


85:ご冗談でしょう?名無しさん:2006/03/19(日)03:33:55ID:maqrVvvy

 確かにBHは無理だろう.
 ちなみに解り易いたとえで言うと,
地球の質量は約6000000000000000000000tもありますが,BHにするにはその質量を直径2cmまで圧縮しなければならない.
 試算するほどの知識はないが,そこからできあがるシュバルツシルト半径なんぞたかが知れてる.
 すぐ蒸発してしまうだろうし,そもそも吸い込むだけしか能のない物体を,どう兵器利用するのか?
 扱いが困難な上に,メリットがそんなに思いつかない.
 放射能を出さないという点においては,どの兵器よりも優れていると思うが,多分生成した瞬間に地球の中心核にまっすぐ落ちてって,中心核から順に地表まで食らい尽くして終わりだと思うが・・・

 そもそもBHと簡単にいうが,それを作るには,太陽の質量の30〜40倍程度の重たい星の超新星爆発が必要であり,それこそアクチノイドやランタノイドが生成できるくらいの,超重量級の核融合反応が必要になる.
 それだけのものを実現できる科学力があれば,兵器としてはもう充分と思われるが・・・


86:ご冗談でしょう?名無しさん:2006/03/19(日)11:42:10ID:58vNZI7o

 大和田爆


161:Nanashi_et_al.:2006/04/18(火)19:33:28ID:???

 貫通力ならニュートリノ.
 ニュートリノをぶち込んで,原子核を逆ベータ崩壊させよう.
 SiO2ならSiをPに,OをFに変換して石ではないものに変える.

物理板
青文字:加筆改修部分

 マジレスすると,強化放射兵器(中性子爆弾)
 英語だとenhancedradiationweapons(neutronbomb)だな.

 中性子爆弾は,その爆発によってDT反応によって作られた,高エネルギーの中性子の致死性効果を最大にし,爆風効果(荷電粒子の運動エネルギー)を減らすように設計された熱核兵器.

 典型的な低威力核分裂爆弾から放出されるエネルギーは
爆風:50%
熱放射:35%
直接放射(βγX):5%
残留放射:10%

 これに対して,中性子爆弾は
爆風:40%
熱放射:25%
直接放射(βγX):30%
残留放射:5%

 こんな感じでOK?
 てか,もう開発されてるんだけどね.

物理板


 【追記】

 戦闘機のパイロットは,一流アスリート並みの体力と,少なくとも微分を理解できるだけの知性と,ピアニストの指を要求される.
 砲兵なら40kgの塊を持ち上げる強靭さと作用反作用の法則がわかる高度な物理感覚が必要だ
 水兵ですら,10階建ての階段を15秒で上りきるすばやさがいる
 惰弱な一般人じゃつとまらねぇ


 【質問】
 【回答】
M203は,「あらゆるアサルトライフルに適合できる」として様々なライフル用のマウントアダプタが
必要に応じて作ることができるとされ,対象にはAKファミリーも含まれています.

実際にM16ファミリー以外のライフルに向けて採用されている例はそれほど多くありませんが,
イスラエルは小数ですがガリルにも装着していましたし,スウェーデンがG3(制式名AK4)と後継の
FNC(AK5)に取り付けていました.
オーストラリア軍やアイルランド軍のステアーAUG+M203のように,見た目にはちょっと無理矢理感
漂う装着例もあります.


 【質問】
 航空機のセンサーは皆,開けっ広げの空間で有効なだけであって,AFVに取り付けるのは意味が無いんですか?
 ミリ波レーダーやIRSTは,戦車に要らないの?ってことが聞きたいです.

 【回答】
 レーダーは,複雑な背景情報から目標識別・脅威判定を行うのが難しく,ミリ波レーダーの搭載もいまだ進んでいません.
 地上は空と違って障害物が多いから,航空機搭載型のをそのまま搭載というわけにはいかないのです

 ミリ波レーダーは,日本の高級乗用車の一部では,衝突防止装置として実用化されています.
 従来のレーザーレーダーは事実上,車しか探知できないのに対し,ミリ波レーダーは人間(歩行者,自転車)も探知できるので安全性は飛躍的に向上したそうです
(多分メーカーがそう妄想してるだけなんだけど)

 その代わり,近年のAFVの多くには赤外線イメージャーが備えられており,湾岸戦争等で大いにその威力を発揮しています.
 現在,味方部隊内での(目標・味方)情報共有の方向に力が入れられており,よりコストのかかるミリ波レーダーの普及にはまだ時間が掛かるでしょう.

青文字:加筆改修部分


 【質問】
 アメリカ独立戦争の時は,槍をもった歩兵が陸軍の重要な戦力だったと聞いたのですが,本当でしょうか?

 【回答】
 どうかなあ.
 アメリカ独立戦争の頃にはもう,ソケット式銃剣が普及してたから,槍兵の重要性はかなり減ってたはずだけど.
 アメリカ軍が得意だった散兵戦術だと槍兵の出番が少ないし.

 銃が戦場に現れた頃は,槍兵が主力で銃兵はサポートだった.
 それが銃の改良と戦術の洗練によって,銃が主力で槍がサポートになった.
 銃兵は弾を込めてる間に敵に突撃されたら,一方的にやられちゃうから,誰かに守ってもらわなきゃならない.
 そこで槍兵が必要になる.
 ただ,ソケット式銃剣(付けっぱなしで発砲できる.これ以前のは剣を付けると銃が撃てなくなる)が登場すると.敵が突っ込んできたときに銃を槍の代わりにして応戦出来るようになった.
 そうなると槍なんていらないわけで,みんなして銃を持つようになった.
 ソケット式銃剣は18世紀初頭には,もう普及してたらしい.


 【質問】
 大東亜戦争ですが,日本 1国に対し,米英支ソが束になって,ようやく勝てたと言えるのでは?

 【回答】
 緒戦で押し捲っていたように見えたのは,アメリカがオレンジ・プランに従って,当初の予定通りに撤退しただけの事.
 東南アジアの植民地の現地軍は,母国の弱体化によって,ろくに準備もできなかった.

 それに,戦前の海軍のシュミレーションでも,南方の資源地帯を確保しても,シーレーンの確保に回せる兵力が無く,3〜4年でジリ貧になる事を,かなり正確に予測していた.
(山本長官が言っていた事は,ここから来る)

 しかも,米陸軍は,太平洋戦線に,2割しか兵力を投入していない.
 だから
日本 1国に対し,米英支ソが束になって,ようやく勝てた
は,どうかと思う.

 まあ,米国が当初想定していたより,日本が強力だったてことは認めるけど.

軍事板


 【質問】
 日本軍に米式装備と豊富な弾薬,食料が確保されていたなら,日本は大東亜戦争で勝てましたか?

 【回答】
 確保した段階で,それを支える日本の国力は,雲散霧消していたであろう.

 残念なのは分かるがご同輩,「総力戦」に負けたのだぞ.
 装備を開発する科学,豊富な弾薬を製造する工業力,食料を製造する土地と人,それらを運ぶ輸送力を支えるこれまた工業力と人,それらが日本には欠けていた.

 ドイツは確かに技術では多くの面で連合軍を凌いでいたが,日本はというと,酸素魚雷,他に何かあるのか?というレベルだし.
 幾ら精神力と言ったって,米軍にだって精神力はあるから,そんな事は頼りにならん,と故坂井三郎氏も自著に書いていた.

 大体,坂井三郎氏の様な軍の末端の兵ですら,中国戦線で疲弊した日本軍が,米国と闘って勝てる訳が無い,と感じていたそうだ.

 無敵,と言われる零戦も,実際のところ,同時期のF4Fと較べれば,また大和だって,アイオワ級と較べればそんなにアドヴァンテージあったのかねえ?,ってレベルだし.

 仮に科学技術力において対等の立場に立てたとしても,それを有効に使えるかどうかはまた別だ.

 英国のレーダーはBofB直前になってようやく独軍の物に追いついたが,それだけでは有効な迎撃戦闘はできなかった.
 独軍が攻撃を開始する数ヶ月前,一機のブレニムがレーダーに引っかかった.
 事前に連絡を受けていないその機を捕捉するために,邀撃機が上がり,さらにそれがレーダーにうつりこみ,連絡を受けていないレーダー局が邀撃命令を下し・・・・と連鎖反応を起こして同士討ちをやらかしたのだ.
 結局,IFFの装備が促進された上,敵機と確認できるまでは迎撃を上げてはいけない,というノウハウが蓄積された.

 そういうノウハウを吸い上げて積極的に反映していかない限り,米装備があっても,有効に使うことは難しいよ.
 珊瑚海戦訓は「空母の分散配置を強く奨励」していたのに,それを無視してミッドウェーで集中配置して一撃壊滅したような海軍じゃ,だめでしょう.

 そもそも,英米並みの科学技術や米式装備や豊富な弾薬食糧を「持っている」って事は,それらを造り上げるだけの国力なり体制なりがあるって事.
 で,国力ってものは一朝一夕で出来上がるわけじゃないし(長い歴史の積み重ね),優れた科学技術や軍隊装備だって地面を掘て湧いて出て来るもんじゃないのだから,つまり,それを「持ってる」って事は国自体が,史実の日本とは根本的に違うって事になるさね.

 もしそうなったら太平洋戦争どころか,第二次世界大戦の行方も分からないでしょう.
 だって日本がそうなら,世界全部が我々が知ってる世界とは違ってしまうんだもん.
 これって完全に,パラレルワールドな世界で妄想小説ネタ以外の何ものでもないよね.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ソ連軍の満州侵攻時には,陸軍航空隊の可動機はどの程度の戦果を挙げ,損失機は何機だったんでしょうか?

 【回答】
 日本側資料(戦史叢書「満州方面陸軍航空作戦」防衛庁防衛研修所戦史室)によれば,

8月12日
◎独立第15飛行団(独立飛行第81中隊の司偵2機が発見した林西付近の敵機甲部隊) 
 出撃兵力:飛行第104戦隊の4式戦約30機,独立飛行第25中隊の2式複戦約12機
 戦果:「タ」弾又は15kg爆弾及び機関砲により車両20・速射砲を含む砲多数を転覆
 損害:飛行場不備による擱挫 4式戦2機・100式司偵1機,エンジン故障による大破 4式戦1機
◎独立第101教育飛行団(目標:醴泉西方約15kmの敵機甲部隊)
 出撃兵力:第13錬成飛行隊の1式戦約14機
※ 両部隊による戦果:撃破 砲27門・自動車42両 人馬殺傷 約500

8月13日
◎独立第101教育飛行団(目標:「シ兆」(サンズイに兆)南の西方の敵)
 出撃兵力:99襲3機・1式戦4機
 戦果:装甲車8両を破壊

8月14日
◎独立第15飛行団(目標:林西付近の敵)
◎独立第101教育飛行団(目標:「シ兆」南の西方の敵)
※両部隊の出撃兵力:4式戦5機・2式複戦7機・1式戦13機・99襲4機
※両部隊による戦果:破壊 装甲車35両

8月15日
◎独立第15飛行団(目標:白城子付近の敵,悪天候のため敵を発見できず引き返す)
◎独立第101教育飛行団の第4錬成飛行隊・第26錬成飛行隊(目標:「シ兆」(サンズイに兆)南付近の敵)
※両部隊の出撃兵力:4式戦12機・2式複戦9機・1式戦18機
※両部隊による戦果:破壊 飛行機2〜3・車両135両,殺傷 人員約500,炎上 倉庫2棟・陣地5か所 

青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦前の軍旗祭の日は無礼講で,兵隊達の仮装行列まであったって本当ですか?

 【回答】
 軍旗祭の夜は酒が配給され,無礼講に近くなった.

 例えば昭和14年の近衛歩兵第一連隊の軍旗祭当日

儀礼用の軍装(第一種)で全員営庭に整列して軍旗に敬礼
軍旗に対する分列行進
軍旗を奉安所に安置
※ここから一般市民に開放
模擬戦
中隊対抗相撲大会,模擬店,出し物,招待された芸能人の芝居,歌謡,踊りなど
将校団の宴会
中隊単位の宴会

 模擬戦は最後にやる部隊(佐倉連隊など)もあった模様.

 将校団の宴会ではおでん,寿司,ソバ,ジンギスカン,皿盛りの西洋料理などが出る.

 最後の宴会で無礼講になる.
 配給量は一人あて二合瓶一本とスルメなどの肴.
 候補生とか,中隊長とかは各内務班を回るけど,ここでかなり飲まされたとか.

参考:花の近衛兵よもやま物語

青文字:加筆改修部分


 【質問】
 装甲空母って,その目論見通りの効果があったんでしょうか?
 イラストリアスだったか,ドイツ軍の急降下爆撃で大破してたと思うんですが,800s爆弾でも使ったんでしょうか?

 【回答】
 目論見通りだったかどうかは別として,叩かれても沈みにくかったのは確かだと思われる.
 ご指摘のイラストリアスは,マルタ島への補給作戦「エクセス」において

Ju87による急降下爆撃 500kg爆弾×6
Ju88による緩降下爆撃 1000kg爆弾×1

を連続して被爆.
 さすがに1000kgにはブチ抜かれて大破したが,それでも17ノットの速力発揮が可能だった.
 なお,500kg爆弾では最後まで装甲は貫通されなかった,という説もあるらしいが….

 ただ,搭載機数(つまり戦力)を半分にしてまで備えるべき防御力だったか,と言われると,ちょっと微妙かもしれない.


 【追記】
核に無知な日本人に贈る基礎知識=江畑謙介(その2)

弾道ミサイル防衛と米国の核の傘の信頼度
「核兵器保有国」北朝鮮とは正規の外交関係がなく,それどころか拉致問題を始めとしてほとんど敵対的な関係にある日本には,安全保障上どのような選択肢があるのだろうか. 
 幸いにも北朝鮮の空軍力は極めて旧式で,また空中給油能力もないから,核爆弾を抱えた北朝鮮空軍機による脅威はほとんどない.もちろん,片道特攻の奇襲攻撃なら一回は成功する可能性があるが,反復攻撃はできない.航空自衛隊が警戒態勢を敷けば,まずその防空網は突破できないだろう.貨物船などに搭載して港で爆発させるという方法は,成功しても被害はほぼその港だけに限定されるから,軍事戦略的な効果は少ない.現在のように北朝鮮からの船の入港を禁止しているなら,この方法は実施できなくなる.
 北朝鮮の核攻撃手段で最も効果的,それゆえ日本にとって怖いのは弾道ミサイルである.現時点で北朝鮮の核兵器が,弾道ミサイルに搭載できるほどの大きさと重さであるかについては,それを推測する手がかりが全くないが,前述のように実験を繰り返していけば,いつかは必ず小型軽量型が開発できる.日本を射程に収める北朝鮮の弾道ミサイルが,まともに飛ぶ信頼性の高いものである事実は,七月五日の発射で実証された.命中精度は分からないが,核弾頭なら高い命中精度である必要はない.
 北朝鮮が(日本にも届くような)巡航ミサイルの開発を進めているのではという推測はあるが,巡航ミサイルをまともに飛ばすためにはスカッドやノドンとは比較にならない高い技術が必要で,それを北朝鮮が実用化できる可能性は「当面」ない(要するに,時間の尺度の問題であるが).
 弾道ミサイルの脅威に対抗する「防衛的手段」には,現在のところ米国が開発している(一部日米共同で研究開発が行われている)弾道ミサイル防衛(BMD)システムしかない.非常な高速で落下してくる小さな(核)弾頭を「無力化する」というのは大変に難しい技術であり,また高額の経費がかかるのだが,これ以外に方法がないという現実は重い.核兵器の技術と同じで,BMDも開発と実験を繰り返していけば,必ず迎撃率(防衛効率)は改善されていく.実際,最近,米国のBMD実験は「よく当たる」ようになった. 
 高価な点を批判する声もあるが,その批判は,ではBMD以外により安価で効果的で,国民が北朝鮮の核ミサイルに怯えずに済むどんな方法があるのかを提示していない.将来には弾道ミサイル迎撃の方法として,現在の迎撃ミサイルに頼る方法に加えて,地上や航空機,あるいは衛星から発射する強力なレーザーなどの新しい技術も実用化される可能性があるが,そのとき初めて,どれが最も効果的なのか,「費用対効果」を論じる余地が生まれる.
 とはいえ,現在のBMDでは心もとない.航空機による片道攻撃でも,たとえ一回でも成功すれば日本の都市一つが消えることになり,その打撃は計り知れない.港で貨物船が核爆発を起こしても港湾都市一つが消えてしまう.そんな被害に日本は耐えられない,一発でも日本で核兵器が爆発しないような方策を講じなければならない,と考える人もあるだろう.
 実は他国にこう思ってくれる人がいるだけで,北朝鮮としては核兵器を持つ意味があるのだが,国民に「核攻撃の恐怖」を無視せよというのもまた無理な話である.
 そこで,日本も核兵器を保有して相手(北朝鮮)と同じ力を持ち,攻撃してきたらやり返すという状態を作り出して,相手に核攻撃をさせないという「核抑止論」が生まれる.重要なのは,「相手が核攻撃を思いとどまる」という点であって,一発でも日本で核兵器が爆発してしまえば,元も子もない.ここから,「核抑止は機能するか」という問題が生まれてくる.
 日本はこれまで(核兵器廃絶を謳いながら)米国の核抑止力,すなわち「核の傘」に依存してきた.日本に核攻撃があったら,米国が攻撃してきた相手に報復の核攻撃を加えてくれるという(言葉による)保障で,日本に対して核攻撃をしようとする国が現れない(だろう)とする理論である.十月十八日に来日したライス米国務長官は,日本政府首脳に対して米国の核の傘による抑止力が依然有効であると保証した.しかし,北朝鮮が本当に米国による核攻撃(の可能性)を恐れて,日本に核の脅しをかけてこないものか,もちろん,誰にも断言はできない.
 東京に核弾頭が落ちてくれば,確実に日本の政治・経済体制は破壊されて機能しなくなるが,北朝鮮は国家主要幹部が退避できる地下施設を持っていると推測される.おびただしい地下施設,トンネルの存在がそれを裏付ける.さらに日本の都市が一つ消えたとして,それで米国はロサンゼルスが消えるのを覚悟で北朝鮮に核攻撃をするだろうかという点には,常に一抹の疑念が残る.日本がいくら核兵器を持ちませんと公言しても,米国を始めとする世界が「日本の核武装疑惑」を払拭できないのと同じことである.冷戦時代,欧州NATO(北大西洋条約機構)加盟国では常にこの疑問が提起されていた.
 確かに一九五〇〜八〇年代には,米ソの間で熱い戦争は起こらなかった.だが,それは米ソ両国が互いに突きつけていた膨大な核兵器の破壊力による恐怖のためであったのかについては,つまり,核抑止力が本当に機能していたのかについては,未だに議論がある.特に北朝鮮のように,これまで,国際常識を逸脱した言動を繰り返してきた国が,核抑止力を「尊重するか」については不確実性が大きい.
 
(その3)へ続く

中央公論(外部サイト)
12月号
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061215-02-0501.html


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