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青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.


軍事板 書評スレッドII

※レス回収基準は「Ver.3」

目次


 【link】

「超・アタマにくる架空戦記小説」
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi/army/1003038285/


faq21

** 【書評】

789 名無し三等兵=age=02/09/13 22:30 ID:???

プロメテウスの墓場 小学館文庫
なかなかいい.

ロシアの核管理の無茶苦茶さは殆どギャグマンガの境地.
原子力燃料をポッケに入れて持ち帰ろう!
核弾頭は15万ドルで買えるよ!

軍事板,2002/09/13
青文字:加筆改修部分


faq14u

** 【書評】

898 名無し三等兵=あ=02/10/08 03:00 ID:???

トマス・E. リックス 「派兵の代償」ハヤカワ文庫NV

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150410089/qid=1034013307/sr=1-14/ref=sr_1_2_14/249-2138949-3052323

小説でしかも9/11以前の執筆だけど,これって読んだ人いる?
なし崩しのアフガン派兵で米兵にソマリア式の戦死者がでてペンタゴンの若手官僚やら議会やら
ホワイトハウスが対応に苦慮する間,ペンタゴンでも内紛が・・・いう話.
本屋で手に取ったら,なかなか興味深そうな内容だったけど

899 名無し三等兵=あ=02/10/08 04:41 ID:???

知識皆無だが,黒ビールって美味いよねえ.

900 名無し三等兵=sage=02/10/08 04:44 ID:???

>>898
いちおう読んだけど,内容が薄くてちょっとお薦めできん.
あまり詳しく書くとネタばらしになるからアレだけど

出世欲にかられた軍人が軍内部の政治に対する不満を利用して
国防長官を追いだして後がまに座ろうという陰謀と,
それを阻止しようとする主人公ペア,みたいな話.

政治的理由から軍の反対を押し切って派兵された兵隊が
予備役兵で,しかもゲリラにかもられて壊滅ってのはリアルだったけど(笑

軍事板,2002/10/08
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

889 ベタ藤原 ◆MNjfnp0E :02/10/06 19:26 ID:???

>以外と美味そうなもの食っていた帝国陸軍.
レシピ上ではな~
極貧最前線での食事(「七色飯」とか「ホタル飯」とか)に関しての記述がなか
ったのは残念かも~
あと軍用犬に関しての記述も面白かったっす.

896 名無し三等兵=age=02/10/07 22:14 ID:???

>ベタ藤原氏
その「七色飯」「蛍飯」というのは?
また,それは何という書籍に載っていますか?

903 ベタ藤原 ◆RoMNjfnp0E :02/10/08 21:02 ID:???

>>896
七色飯…一握りの米に,高粱,麦,藁を混ぜて炊いた飯のこと.
    昭和19年頃,二等兵が駐屯地で食べてたそうです.

蛍飯…煮た野草の中に米粒が転々と浮かんでるお粥のこと.
   極貧の戦地(インパール等)で出された食事を,兵士達が自嘲気味にそう呼んだそうです.

モトネタ>50年目の「日本陸軍」入門
http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=09893377

914 名無し三等兵=sage=02/10/12 04:01 ID:???

>>903
蛍飯に浮かぶ野草を兵は「牟田口草」と呼んだそうな(涙

黒岩正幸「自決命令 インパール兵隊戦記」光人社
敗走行のなか,落伍する兵は自決または銃殺,無惨なり.

軍事板,2002/10/08
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

911 名無し三等兵 :02/10/11 11:54 ID:HYvMEPX3

今村均陸軍大将を知るならこれっていう書籍はありますか?

915 名無し三等兵=sage=02/10/12 12:47 ID:???

>>911
本人の回想にあたるのが一番いいかと

・私記一軍人60年の哀歌(正・続)

・今村均回想録
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4829500042/ref=sr_aps_b_1/249-7077079-3839531
いずれも芙蓉書房

後は有名どころだと角田房子の「責任-ラバウルの将軍今村均」新潮社あたりか

一軍人~の方しか持ってないけど,回想録は内容は同じかも

軍事板,2002/10/11
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

950 名無し三等兵 :02/11/04 06:28 ID:Is1Y7lOA

古処誠二「ルール」

ルソン島でマルフク金貨を運ぶある中隊の話.
涙なしには読めません.
オススメ.

951 名無し三等兵=sage=02/11/04 07:03 ID:???

↑小説ね.でもハマった.

軍事板,2002/11/04
青文字:加筆改修部分


軍事板書評スレⅢ

※レス回収基準は「Ver.4」

目次


** 【link】

一般書籍板
諜報,軍事系のお勧め本教えて
http://mimizun.mine.nu:81/2chlog/books/natto.2ch.net/books/kako/998/998232940.html
国際情勢板
皆さんのお勧めの本を教えて下さい
http://yasai.2ch.net/kokusai/kako/982/982598200.html
軍事板
軍事マニア推薦図書スレッド
http://mentai.2ch.net/army/kako/966/966664863.html

877 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/05/05 13:18 ID:???
本じゃなくてサイトだけども

神戸大学 デジタル版新聞記事文庫
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/sinbun/index.html

明治末期~昭和四十五年頃までの新聞切り抜きがテキスト(HTML)・取り込み画像で閲覧できます
全記事でなく経済記事がメインですが(切り抜きだし),軍ネタも結構拾えたり

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00065554&TYPE=HTML_FILE&POS=1&TOP_METAID=00065554

「戦前期においては,これだけ大規模な切抜事業を行っていたのは神戸高等商業学校・神戸商業大学と満鉄調査部しか見当たらない」
らしいです.
既出だったらすまん


** 【質問】
 【回答】

17 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/05 23:26 ID:???
俺も朝日ソノラマの「帆船時代のアメリカ」を
注文したんだけど,どうも調達が無理っぽい.

どっか絶版の本を通販してるサイトないかね~
18 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/06 20:22 ID:???
書店,古書店のリンクは「ブックマップ・コム」をどうぞ.
http://www.book-map.com/

19 : ベタ藤原 ◆RoMNjfnp0E [sage] 投稿日:02/11/07 21:10 ID:???
>17
 古本で貧乏になる方法.

▼初級
 近所の古本屋を回る.

▼中級
 古本検索サーチエンジンを使う!
(例)
 スーパー源氏
>http://www.murasakishikibu.co.jp/oldbook/sgenji.html
 日本の古本屋
>http://www.kosho.or.jp/servlet/bookselect.Shiborikomi

▼上級
 機械検索エンジンで,書名を検索してみる.
 すると,HPは開設してあるけど,上記の検索エンジンに参加してない書店
のHPの目録に当たる事が……

 ちなみに「帆船時代のアメリカ」は,
>http://www.katch.ne.jp/~bmhouse/nisimura2.htm
 の「目録2」(AC-36) にあるよん.

 あ~源氏でも見付かるわ……

22 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/08 15:15 ID:???
>>16関連スレ

http://www.logsoku.com/r/kokusai/1036578841/l50

>>19

▼外道

図書館から借り出して全ページ・コピー

139 : 名無し三等兵[] 投稿日:02/12/17 08:34 ID:jmAWBU66 [1/1回]
>>22
>▼外道
>図書館から借り出して全ページ・コピー

分野によっちゃそれしか選択の余地がないこともあるのYO!

軍事板,2002/11/07
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

52 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/19 12:30 ID:???
大日本絵画の「パンツァータクティク」,買った人感想お願いします.
本屋でざっと見良さそうでしたが,値段が値段だけにちょっと考え中です.
53 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/19 19:25 ID:???
>>52
アレを読まずして戦車について語る無かれ,って本だよ.
戦車について何かしら意見を言うつもりなら,あれは絶対に読まないと駄目だね.

61 : 名無し三等兵[] 投稿日:02/11/21 18:26 ID:xj+COA1U [1/1回]
>>52
パンツァータクティク非常にいい本で金額分はあります.
内容は「53」氏の言うとおりなのですが,個人的にはすべての意見を理解・納得・同意は出来ません.
しかし戦車について広い側面と細かい内容の記述がカバーされていて,単なるスペックマニアでない戦車ファンは必読でしょう.


62 : 一等自営業 ◆JYO8gZHKO. [sage] 投稿日:02/11/21 19:09 ID:???
>52
先日MGの社長と話しましたが,売れてるって言ってましたな.
ウチには英文の原書と,その送られた日本語訳がありますがお勧めです.
戦車内部の写真や戦車兵の日常生活(?)などから,基本的な戦術まで.
あと無線通信担当が飯の用意など雑用全般を担当されると記述が・・・
私としては新鮮で参考になりますです.

65 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/22 11:41 ID:???
>>61
どの辺りを理解・納得・同意は出来ないのか教えてくれないか?

66 : 61[] 投稿日:02/11/22 14:33 ID:9h/zC4Un [1/1回]
明瞭に覚えているのは,訓練のやり方で,段階的に練度を向上させるのは良くないっていうとこ.
記述の方法は戦時の訓練システムとしては良いが,平時の方法としては適切なのか?と思ってしまう.

全般に戦時のドイツ軍システムを絶対視し過ぎているように感じられた.
戦時中のドイツ軍についての記述としてなら良いのだろうが,端々にそれが現代各国軍の共通事項として一般化できる事項と考えているように感じられる.
例えば今の自衛隊にあれはそのまま適用できん.だから自衛隊はダメとか,あるいはあの本は間違ってるでなく,いろんな前提が違う.
あと,戦時中のドイツ軍の「品行」についての記述は心情的には理解できるが,事実の記述としては信じられない.
はっきりいって「おいおい」と言いたくなる.

67 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/22 14:45 ID:???
そりゃだって元がドイツ軍のマニュアルだから

軍事板,2002/11/19
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

64 : ばばぼん♪[sage] 投稿日:02/11/21 23:16 ID:???
>>54
もし可能であれば,大学か自治体の図書館のネット検索で
原書房の「日本工兵物語」を検索してみましょう.
1980年初版発行の本です.
日中戦争期以降の簡単な工兵沿革としてお勧めです.
対談形式で書かれている(確かそのはず)ので,読みやすいです.

軍事板,2002/11/19
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 【回答】

63 : 名無し三等兵[] 投稿日:02/11/21 22:56 ID:/pDjYAxC [1/1回]
古い本で恐縮なのですが,
柳田邦男の「零戦燃ゆ」っていう本を,
どなたか読んだ方はいらっしゃいますか?
書評を聞きたいのですが・・・

69 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/22 16:18 ID:???
>>63
レスが付かないので…….零戦の各型の進化,航空戦の推移,後継機の開発の進捗,
戦闘ごとに失われた搭乗員の官姓名,米軍側の対零戦戦の研究などを体系的に
捉えたいなら良書.うる覚えだがこんな感じ.

零戦及び十二試艦戦,さらにその前の海軍航空隊黎明期については,柳田邦男
『零式戦闘機』(文芸春秋)や吉村昭『零式戦闘機』(新潮社)に詳しいが,これは
よほどの零戦マニアでもなければ片方だけ読めばよい(内容が結構かぶってるので).

この手の本で白眉なのは日本海軍航空史編纂委員会編『日本海軍航空史』(時事通信社).
古本屋で四巻組みが数万円するけどね.他に戦史叢書の『海軍航空概史』もあるが,
これはホントに通史なので読んでも面白くない.つーかこの二冊は普通の図書館には
置いてないし.

70 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/22 16:25 ID:???
>>69追加
文庫では内容の訂正があるらしいので,文庫をゲットする事をお薦めします

軍事板,2002/11/22
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

72 : 名無し三等兵[age] 投稿日:02/11/23 04:04 ID:???
漏れ的には
「戦艦大和ノ最期」吉田満著.これ.
これに勝る戦艦大和最期の記述をしたものは未だない.
73 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/23 05:05 ID:???
>>72
事実と言う点でみるとかなり勘違い・誤りの点がありますが.
74 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/11/23 06:15 ID:???
>>73
記録と言うより文学だからね.
20年近く前にラジオで朗読しているのを聞いたが,
読み手の巧さもあり感動したよ.

軍事板,2002/11/23
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

79 : 名無し三等兵[age] 投稿日:02/11/26 18:08 ID:???
ヘンリー・サカイダ「日本陸軍航空隊のエース」梅本弘訳

原文に対するデータなどの訂正が多くて参考になるが,笑ったのが,
パイロットの軍装イラストについても,「この顔はまったく似ていない」
「この顔もまったく似ていない」とかコメントしてあるところ.イイ

軍事板,2002/11/26
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

87 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:02/11/28 23:54 ID:???
今日は財布の箍が緩んで一杯購入.

光人社NF文庫「ドイツの火砲」はがいしゅつ.

祥伝社 秋月達郎著「マルタの碑(いしぶみ)」

多聞丸が主人公の小説.

軍事板なら当たり前かも知れないが,第一次大戦において,日本海軍は
第二特務艦隊を編成し,地中海に派遣して,船団護衛を行っていた.
その事実を下敷きに,ただ,闇雲な仮想戦記ではなく,実際にあった話を少しデフォルメしている
もの.
それだけに普通の仮想にはない重みがあるというのは穿ち過ぎか.

光人社 野原茂著 「囚われの日本軍機秘録」

真珠湾攻撃以降の日本陸海軍の鹵獲機を取り上げたもの.
有名なダッチハーバーの零戦以外にも真珠湾攻撃などで,鹵獲された
機体を取り上げており,まとまった資料としては,なかなか面白い.
以前,発行された日本軍鹵獲機秘録の姉妹編と言える存在.

PHP社 Peter G. Tsouras他著 左近允 尚敏訳「Rising Sun Victorious」

米国人の目から見た太平洋戦争の考察.
ただ,普通のものと違っているのは,太平洋戦争でこうしていたら日本が
勝っていたのではないか,と言うもの.
著者は,退役陸軍中佐で陸軍地上戦情報センターワシントン事務所の
上級情報分析官.
訳者も元海将なので,きちんとした訳に期待が持てる.

軍事板,2002/11/28
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

94 : 名無し三等兵[] 投稿日:02/12/05 09:17 ID:9g1+T9mV [1/1回]
「秘めたる空戦・三式戦「飛燕」の死闘」
・松本良男(手記) 幾瀬勝彬(編集)
・光人社NF文庫

これはぜひお勧めしたいです.泣けます.
読み物として非常に優れていると思います.

登場人物がいちいち魅力的なんですね.
演出された魅力なら見飽きていますが,この本にはそれがない.
リアリティに裏打ちされた魅力に満ち溢れています.

あ~もう舌足らずだな・・・
とりあえず読んでください!




95 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/12/05 12:58 ID:???
>>94
そうかな?
自分の機動をわざわざ一生懸命説明するのが非常に嘘くさい.
ほかのパイロットの空戦記でも,野球とかゴルフとかほかの分野
の人の自伝でも,普通そういうことはしない.フィクションなので,
あの手この手でノンフィクション風にしようとしているのではないか
というのが感じられて,なんだかな~という印象でした.

軍事板,2002/12/05
青文字:加筆改修部分

106 : ◆ItgMVQehA6 [sage] 投稿日:02/12/06 09:05 ID:???
>>94
その本はフィクションですよ.
戦闘機を現地であれほど大規模に改造できるかどうか,これだけでも
根拠として足ります.

ただし,機動および改造内容は凡百の火葬戦記が足元にも及ばない
レベルの考察が為されていますね.

軍事板,2002/12/06
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

167 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/12/21 18:06 ID:???
佐藤鉄太郎氏の「帝国国防史論」について書評お願いします.
正直,買おうかどうか・・・

171 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/12/23 02:02 ID:???
>>167
貴方が何を求めているかによります.
基本的に,日露戦争後の海軍軍備の必要性を(陸軍軍備との予算獲得競争にお
いて)提言する本なので,当時の状況に対する一定の理解がないと誤読する部
分があります.
逆に言えば,佐藤個人の書とは言え,全体として海軍の主張と要求を纏めた
半オフィシャルな本でもあります.

内容的には具体的な戦史を引いて,分析を行っておりそんなに難解ではありま
せん.まぁ,政治的な主張を訴えるものなので,判りやすいのは当然ですが.
が,引かれている戦例はWW2しか知らない本朝の一般のミリオタにとっては
縁の薄いものも多く,佐藤の抽出している事実分析が正しいかどうかの判断は
困難であるかも知れません.
当時の海軍の作戦・用兵に関する基本的な認識を拾うだけなら,より一般向け
な全一冊の「帝国国防史論抄」をまず読んでみるというのも手です.

ただし,何れにせよ明治の漢字仮名交じり文ですから読みつけないと相当苦戦
することになり,本棚の肥やしと化す可能性があります.

軍事板,2002/12/23
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

172 : 名無し三等兵[] 投稿日:02/12/23 11:43 ID:ij2T7uqG [1/1回]
「首都防衛302空」 渡辺洋二著 朝日ソノラマ
  上下巻 文庫版 価格980円

 日本海軍の中でも異端と呼ばれた小園安名司令と,その下に続々と集まる異機種(水上機や爆撃機,偵察機等)からの
転向組のパイロット達が,B-29やP-51等の自分達より性能の良い米軍機を相手に,技量と度胸で迎撃した
文字どうりの,血と汗と涙の戦いの記録です.
 私はこの本を読んで,今まで迎撃戦しかしていなかったと思っていた302空が,銀河や彗星に爆装を施して関東沖の
米艦隊に攻撃を仕掛けた記録が有ったのを初めて知りました.それと,8月15日以降も敗戦を潔しとせず,徹底抗戦の考えを
近隣部隊に報告し,同調を促そうとするも,しだいに孤立し,結局は小園司令自身の気が触れていく場面は,江戸から明治へ以降
することに素直に適合できない「武士」のイメージとなんとなくダブりました.
 作者は,かなり綿密な当事者への訪問や文献の調査等をしてこの本を作成したため,読み物としても資料としても,一級の物
だと(私的には)考えます.ただ,この文庫本の中には写真の数が少ないので,「写真史302空」 :渡辺洋二編集 文林堂 価格2400円:
と合わせて読むと,隊員や機体,日常生活のイメージが掴みやすいと思われます.
 なお,米軍に対する徹底抗戦の後日談が「大空のドキュメント」 :渡辺洋二著 朝日ソノラマ 価格660円:に書かれています.
 個人的に名言だと思うのは,赤松貞明少尉が新米パイロットへの忠告「深追いするな」「俺から離れるな」ですかね….

軍事板,2002/12/23
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

173 : イソロク[age] 投稿日:02/12/23 16:34 ID:???
「烈風と烈風改」23日に発売です.その内容は・・・

従来初期案からの想像図だけが発表されて来た「烈風改」について,未発表の資料
により5面図(1/72 胃袋さん作図)を起こし烈風改の本当の姿が明らかになりま
す.あのキットを改造しましょう.今回の取材の賜物,重要史料2点の世界初公開.
「烈風計画説明書」を全文掲載.開発の経緯には意外な事実が幾つも発見できます.
たとえば,A7M1の発動機選定時に三菱側が主張した発動機はMK9Aではない
(!)と言われて「えッ?」と思った方,ぜひお読みください.
「烈風改計画説明書」もまた全文掲載.「堀越二郎最後の叫び」とも言える激烈な
文章を読む事ができます.公式文書でこれだけ書けるものかと驚く内容です.この
史料で機体について通説を覆す新事実も数多く明らかになりますが,それよりも何
よりも堀越技師の「肉声」に触れるような文章を読んでいただきたいと思います.
烈風の完成機全機についてその足跡と「その号機が造られた意味,目的」を1機
ごとに明らかにした追跡記事と一覧表.これで各号機が何の為に造られたのか,
何でこのように改造されたのか,といった事が詳細にわかります.この記事の為
に取材を重ねたようなもの.最重要記事でもあります.
幻の次期戦闘機「二〇試甲戦」について各案の想像図と共に昭和二十年五月に検討
された最後の海軍レシプロ戦闘機計画を新発見の史料から考察します.
未発表写真も沢山あります.「烈風の未発表写真が沢山ある」と言う事がどんなに
凄い事か・・・って好きな人間にとってだけの話ですけれどね.
そしてオマケ.最末期の零戦について最近判明した事を報告しています.
零戦の500kg爆弾懸吊装置図は世界初公開.そして水メタ噴射装置装備型が
復活している事を史料から証明しています.

軍事板,2002/12/23
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

178 : 176[sage] 投稿日:02/12/23 23:40 ID:???
学生さんには「時間」という最強の武器があるじゃないですか.

「ビルマ航空戦」 梅本弘 大日本絵画
 四六ハードカバー 上下巻 上巻3900円 下巻4100円

太平洋戦争開戦から敗戦に至るまでの,ビルマ戦域「だけ」の日米英の航空戦記録.両軍にとって支戦線であった
ビルマ戦線の性格を反映し,戦闘の規模は大きくなく,機材も旧式(昭和一八年末まで英軍の主力はハリケーン)
なマイナーな戦い.
だが,戦力が拮抗しているこの戦線で,陸軍航空隊は,その本来的運用である野戦的航空戦を縦横に展開,非力な
旧式機一式戦「隼」は敗戦のその時まで,陸軍将兵の希望だった.というお話.

これを生存者へのインタビュー,日米英を中心とした交戦国の部隊記録・公文書によって再構築した労作.
何年何月何日に誰それがどこへ出撃,戦果がどうで,損失がどうで,とういう話を,可能な限り対戦相手の記録と
の照合によって検証.淡々とした記述の行間から滲む,緒戦期の九七戦の苦闘と退場,嵐のように南雲機動部隊の
インド洋作戦,そして隼の活躍と死闘.
押さえた冷静な筆致の間に,挿入される様々なエピソードは,本書を決して無味乾燥な記録集に止めない.これは
上下巻巻末に付された,当時の搭乗員へのインタビュー記事によっても補強される.

内容的には,航続距離を生かして,後方の拠点飛行場と前進飛行場を活用し局地優勢を確保し連合軍の反撃の中,
奮戦する日本陸軍飛行隊の合理的な作戦運用.戦争末期に主任務となる,孤立した友軍への物資空投やタ弾によ
る地上部隊攻撃の実際など,日本側に限っても新たな発見も多く,同方面の英米軍について知識のある読者なら
さらなる発見もあるかと.

こんな感じでしょうか.

個人的には,本文ラスト,コヒマ戦没者墓地に建てられたティルモピレーの
それを模した碑文に一寸と泣きました.

軍事板,2002/12/23
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

184 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:02/12/24 22:13 ID:???
○ゆ艇の本も買いたいけど,今月は予算オーバー.

なので,岩波新書「日本の軍隊-兵士達の近代史-」を買って来ました.
著者は吉田裕,一橋大学社会学研究科教授.

明治から昭和に掛けて末端の兵士の視点で,日本の軍隊を描いたもの.
明治期の人々が兵役を如何に逃れようと努力したか,とか,軍隊を構成した
貧しい農民出身の兵士が如何に軍隊内で上昇しようと努力したか,とか….

大正時代のデモクラシーによって,少しは柔軟な思考を受け入れようとした
軍の改革が失敗し,硬直化した官僚機構になっていき,やがて自滅する
過程が新書の割には詳しく書かれている.
戦争神経症などの事象にも触れられており,読み物としてもなかなか面白い.

軍事板,2002/12/24
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 【回答】

186 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/12/24 23:42 ID:???
ついさっき,「支那事変戦跡の栞」昭和十五年陸軍発行の本を注文したんですが
戦前の軍事関係の書物って,信用どれくらいありますか?
それと「支那事変戦跡の栞」を読んだ人がいるなら感想も聞きたいんですけど.



187 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:02/12/24 23:57 ID:???
>>186
昭和15年頃ならまだ信用置けるかと思います.
昭和19年頃からでしょうか,信用が置けなくなってくるのは….

ただ,太平洋戦争勃発後からは海外の情報が入りにくくなってきているので,
軍艦,軍用機に関しては割り引いてみる必要があると思います.

190 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/12/26 02:44 ID:???
>>186
何を持って信用とするかによると思いますが,当時の雰囲気を把握するには一級品だと思います.
ただ昭和もその頃には思想統制が厳しくなっているので,そこら辺割り引いた見方を持ったほうが
よろしいかと.

軍事板,2002/12/24
青文字:加筆改修部分


** 【追記】

188 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/12/25 21:42 ID:???
機甲戦術について詳しく書いてある本ってありますか?
189 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/12/25 22:21 ID:???
>>188
取りあえずは
「パンツァータクティク―WW2ドイツ軍戦車部隊戦術マニュアル」



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4499227933/ref=
sr_aps_b_/249-4603638-2513945

評価についてはこのスレでも結構出てるので参照のこと

191 : 名無し三等兵[] 投稿日:02/12/26 09:44 ID:hcqNZLAw [1/2回]
>>188
俺も欲しいです(機甲戦術の変遷を歴史的に記述した本,洋書でもいい)

和書だと…絶版ばかりですけど
メレティン「ドイツ戦車軍団(上下)」(朝日ソノラマ文庫)
マクセイ「英米機甲師団」(サンケイ第二次大戦ブックス)
戦後だとアダン「砂漠の戦車戦(上下)」(原書房)が第4次中東戦争時の雰囲気が分かって
よさげですけど…
192 : 186[sage] 投稿日:02/12/26 10:15 ID:???
>>187>>190
どうもありがとうございました.参考にさせてもらいます.
193 : 191[] 投稿日:02/12/26 10:34 ID:hcqNZLAw [2/2回]
そうそう,あと面白かったのが…
John F. Antal 
Armor Attacks: The Tank Platoon :
An Interactive Exercise in Small-Unit Tactics and Leadership

新米小隊長のための対話式教本なのですが,要するにゲームブック(笑)です.
ベテラン下士官に教えを乞いながら戦車小隊の攻撃・防御を学びます.
攻撃準備にはまず時間割を作れとか,事前の徒歩による綿密な偵察とか,素人の俺には勉強になりました.
ダイス目が悪くて死ぬと,実戦では運も重要だ,みたいな説明もあります(笑)

同じ著者の中隊規模の戦闘を扱う
Combat Team: The Captains' War :
An Interactive Exercise in Company-Level Command in Battle
もあります…
194 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/12/26 17:11 ID:???
>>188
次号の歴史群像に機甲部隊の戦術が説明されているはず

196 : 191[sage] 投稿日:02/12/26 23:04 ID:???
>>191の「英米機甲師団」は「米英機甲部隊」の間違いでした.スイマセン…
197 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:02/12/27 12:38 ID:???
>>194
次号じゃなくて今号じゃなかったっけ?

198 : 194[sage] 投稿日:02/12/27 22:53 ID:???
>>197
今号(no.56)の「戦術入門」は歩兵師団の
戦術についてだったよ

軍事板,2002/12/25
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

201 : 名無し三等兵[] 投稿日:02/12/29 00:24 ID:b35Yv+UG [1/1回]
相澤淳 「海軍の選択」 中公叢書
英米協調主義,穏健派が多かったとする日本海軍像は間違いだ(帯より)

従来の海軍観に対し,軍縮問題,日中戦争・三国同盟問題への対応を中心として再検討を試みる
著者は防衛研究所戦史部主任研究官
さらっと読めます.年末年始,重い本を読んでる時の気分転換にどうぞ

軍事板,2002/12/29
青文字:加筆改修部分


206 : 名無し三等兵[    ] 投稿日:03/01/03 20:37 ID:???
ソ連のパグラチオン作戦について詳しく知りたいのですが,
良い本があれば教えてください.お願いします.
207 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/04 06:17 ID:???
>>204
Pltoon sergeantなので小隊軍曹ですね.
私がお世話になっているRileyさんは軍歴17年,T-72戦車6両とBTR装甲車2両の撃破スコアを
お持ちだそうです・・・

208 : 名無し三等兵[] 投稿日:03/01/04 09:00 ID:pXQSJKH9 [1/1回]
>>206
パウル・カレル「焦土作戦」,文庫で店頭にもまだあるはず.ドイツ側「戦記」で読みやすい.購入済み?
ソ連側から見た本なら「第2次世界大戦史」ソ連共産党編,古本屋もしくはインターネットで購入.全10巻なので,可能であれば該当巻のみを購入もしくは図書館で借用が適当.
ソ連公式「戦史」.偏りを指摘されることが多いが,資料的価値は他とは比較できない.

「詳しく」という事からは外れるかもしれないが,ほかにジューコフ回想録等にも該当記述があるし,学研の「欧州戦史シリーズ」にもあったはず.
ついでにソ連映画「ヨーロッパの解放」の第3部はバクラチオン作戦を描いている.
こういう方向の資料は?という希望,あるいは推薦図書の追加があればよろしく.

209 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/05 03:48 ID:???
>>206
ハヤカワ文庫NF「燃える東部戦線」
今手元にないけど,確かソ連側視点で書かれた東部戦線通史だったはず.
パグラチオン作戦についてはあまり詳しい描写が無かった気もするけど,参考までに.

軍事板,2003/01/04
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

209 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/05 03:48 ID:???
朝日選書「ベルリン戦争」邦正美
38年から終戦までベルリンで生活した日本人留学生による戦時下ベルリンでの
生活についての手記.
空襲下の生活や配給制度の実体,市民のナチに対する感情やベルリン市街戦での
市民の行動などを日本人の視点から描いてます.ドイツの戦時生活に興味がある人なら買いです.

どーでも良いが,この人もともと舞踏関係の留学生なんだけど大使館関係の仕事もやったり
文化人とのつきあいも多かったりユダヤ人逃亡に手を貸したりゲシュタポからマークされてたりと
周囲から見るとかな~~り怪しい人物な気がする.

219 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/08 04:36 ID:???
>>209
邦正美氏の本良いですよね.私も持ってます.
氏の交友関係の広さは,当時の知的エリートならではとの感じもします.
ハンマシュタイン男爵家(元独軍司令官にして反ヒトラー派)にも出入りしていたとは驚きでしたが.
デ・コバ・田中路子夫妻も登場するあたり,「ストックホルムの密使」みたいな雰囲気も.

戦争当時のベルリンを日本人外交官から見たものとしては,新関欽哉「ベルリン最後の日」NHKブックス
という本もあり.

軍事板,2003/01/05
青文字:加筆改修部分


faq12

** 【書評】

226 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/08 13:06 ID:???
>>211
>デルタ・フォース極秘任務―創設メンバーが語る非公式部隊の全貌
>エリック L.ヘイニ (著), 伏見 威蕃 (翻訳)早川書房

著者はデルタフォース創設時からのメンバー.
デルタフォース初期の選抜試験とか訓練の話が前半を占める.
後半は実際にどのように活動したかを詳細に記述している.
ただ,政治的なものに左右されたりと,色々煩悶することもあったようだ.
人間関係含め,隊員がどのように考え,行動していたかが書かれており
隊員個人の体験記を求める人には面白いと思う.

軍事板,2003/01/08
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

231 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/08 15:18 ID:???
>>205
米英空軍の通史ってなかなか無いですね…洋書すら良さげな本は絶版が多いし
通史とは違いますけど,持っている本でお勧めできるのは

C.G. Jefford, RAF Squadrons, Airlife Publishing

英空軍創設から現在までの各飛行隊の使用機種・配置・移動のリストです.
使用機種や配置から飛行隊を検索することもできます.
これに,飛行隊毎の出撃状況・損失・戦果を纏めた本があれば最高なんですが…

軍事板,2003/01/08
青文字:加筆改修部分


faq12

** 【追記】

213 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/07 21:09 ID:???
松村 劭氏の著作はぜひ読むべし.
戦争学 新戦争学 名将の戦争学 ゲリラの戦争学 勝つ戦争学
これらは文芸春秋から出ている,勝つ戦争学を除く4つは文庫化されている.
あと戦術と指揮というのもある.
214 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/07 22:25 ID:???
>>213
> 松村 劭氏の著作はぜひ読むべし.

なんで?
(´-`).。oO(理由が無きゃ只の広告)
215 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/07 22:34 ID:???
>>213
一般書籍板の新書スレで批判されているが.
買ってはいけない新書
http://www.logsoku.com/r/books/1039766618/130

まあ人により物の考え方が違うので,批判が正しいとは限らないが.
216 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/08 00:39 ID:???
>>213
作戦・戦術・戦略本の著者としては悪くはないがハードウェア絡み
(特に自衛隊関連)については厨房並.

ってのが漏れの印象.

218 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/08 03:46 ID:???
>>215
そこ酷いな.
いや,内容に関する指摘は漏れには全くわからんから言及は避けるが,
罵倒合戦場だった.粘着酷いし.
すれ違いスマソ.

234 : ミリ屋哲@モバイリ ◆4EZIX.r92I [sage] 投稿日:03/01/09 09:52 ID:???
>>213-216

松村のおっさんは,ハードウェアはともかくソフト,特に戦史から戦術的な
原理・原則を導き出す手法は秀逸だぞ.その辺,火葬戦記と同レベルの分析
している自称「戦史研究家」とは一線を画する.

まぁ>>215の所の批評は,戦術的内容に関してはなんら言及していないわけだが.
「グーデリアンじゃねえよ,グデーリアンだよバーカ」とか言っている奴とかわらん.
235 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/09 12:56 ID:???
>>234
漏れもそう思う.
つーか,「戦術と指揮」で,漏れの脳は,遣られてしまいました.
いまはすっかり,松村信者.

236 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/09 15:20 ID:???
漏れは自衛隊の教本類を手にできる立場ではないので,「戦術と指揮」は貴重だったのですが
やはりふつうの教本類と比べても水準は高いのですか?
237 : 名無し三等兵[age] 投稿日:03/01/10 11:24 ID:???
松村氏って,ここ4~5年のうちに,5~6冊出してる.
正常な歴史書なら,そんなペースでは出せないよねえ.
あれは,松村解釈の,古戦史四方山話なわけで,インスパイアされるひとは,される.されないやつはされない,でよいのでは?
238 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/10 13:51 ID:???
>>237

だから歴史書じゃないって.戦術の本だよ,あくまでも.部内の戦術教範に
戦例集を加えた解説書,という味付けの本だ.
239 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/10 14:20 ID:???
しかし「戦例」を引くなら歴史事実の正確な理解は必要じゃないか?

241 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/10 18:26 ID:???
>>239

正確な理解とは?表記揺れだけではそんな事を言うべきではない.完全に
歴史的事実を誤認しているんなら話は別だが.
242 : 216[sage] 投稿日:03/01/10 19:16 ID:???
>>237
四方山話で切ってしまうには惜しいと思うけどなあ.

軍事板,2003/01/08
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

240 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/10 15:20 ID:???
「決戦兵器 陸軍潜水艦―陸軍潜航輸送艇マルゆの記録」
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=%97%A4%8C%52%90%F6%90%85%8A%CD

本屋で立ち読みしみましたが丸ゆ艇を知るには貴重な一冊だと思います.
惜しむらくはハードカバーで嵩張る,値段が高い(贅沢かな)って事で
文庫本サイズで出して欲しいですね.

これに限らず,最近,立川のキ94とかネ20と橘花とか烈風とか興味
深い開発史の本が出てるんですが,いずれもハードカバーに上質紙と豪華版
なんで是非文庫本サイズの廉価版出して欲しいです.

軍事板,2003/01/10
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

243 : 名無し三等兵 [sage] 投稿日:03/01/10 19:41 ID:???
偕行社の『南京戦史』買おうと思って注文したんですけど書店扱いしてませんて
いわれちゃいました.偕行社の本て,どこで買えるんでしょうか?
244 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/10 19:50 ID:???
>>243
偕行社って旧陸軍が出版してる本じゃないのかな!?
古本でさがすしか…

近くに専門的な古本屋が無いのなら
日本の古本屋
http://www.kosho.or.jp/
スーパー源氏
http://www.murasakishikibu.co.jp/oldbook/sgenji.html
とかで探すのもどうでしょうか

245 : 244[sage] 投稿日:03/01/10 19:55 ID:???
スマソ.
財団法人偕行社が昭和64年(平成元年)に出版した本のようでつ…
ちなみにいま上記2サーチエンジンで調べた所では
「日本の古本屋」では2件,「スーパー源氏」では0件でした…
246 : 名無し三等兵[age] 投稿日:03/01/10 21:25 ID:???
>>244
南京戦史は偕行社に直に問い合わせればまだ在庫してる可能性がありまつ.
つか,多分ある.

知らない人向けに説明すると,「南京戦史」は旧軍将兵の生の手記による南京戦
の記録.いわゆる「南京事件」関連の記述についても貴重な記述が多数.
「南京事件」関連の書籍で,この本を参考資料にしてないものは,右左の別なく
無視して構わないくらいの必須文献.

軍事板,2003/01/10
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

248 : 名無し三等兵[] 投稿日:03/01/10 22:11 ID:v9z4A4N6 [1/1回]
忘れられた兵士-ドイツ少年兵の手記-ギイ・サジェール著
/三輪秀彦訳 早川書房刊  今は絶版


既出かもしれないけど
昔,工房のころ図書館にあって読んだけど,
とても面白かった記憶がある.
アルザス・ロレーヌ地方の少年が
ドイツ軍に志願するというような話だったと思う.
ノンフィクションなのかよーわからん
(よく考えてみると,GD師団に独仏ハーフが入れるのか疑問だな)

源文氏がよく中から流用してたね

軍事板,2003/01/10
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

254 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/01/11 11:10 ID:???
>>240
講談社系とか文春系なら1年経てば文庫本になる可能性が高いよ.
技術系だし,開発者が今でも使われている製品の開発に携わっている
人だから,少なくともキ94は出るでしょうね.

今月の朝日選書の紹介.

二・二六事件全検証 北博昭著.
この人の著書には他に「軍律法廷」とか昭和史の軍事法務関係の本
が多い.

1995年に同じ朝日選書から,「二・二六事件 判決と証拠」という本を
共著で出している.

これは,当時記録がないとされてきた,二・二六事件の正式判決書の
所在を突き止め,校訂したもので,初出であった.
併せて読むのも良いのかも.

257 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/01/11 12:31 ID:???
>>255
弱小出版のものでも文春は丁寧に拾ってますよ.
渡邊洋二の一連の本は,グリーンアローとかそう言うところから出てた
ハードカバーを文庫化してますもの.
ただ,版権がどうなるかにもよりますけどね.

軍事板,2003/01/11
青文字:加筆改修部分


faq16

** 【書評】

258 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/12 09:33 ID:???
「ドキュメント 戦争広告代理店」 高樹徹 著 講談社
ボスニア紛争におけるアメリカPR会社の情報操作のルポ.
文章読みやすいしすごく面白かった.
筆者は元NHKプロデューサーで,
日本政府ののPRの下手さへの視点もあり,興味深し.
オリジナルのNHKスペシャル(2000年放映)見逃したのが残念.

軍事板,2003/01/12
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

278 : 名無し三等兵[age] 投稿日:03/01/19 20:51 ID:???
最近戦車に興味をもったんですが
上田信著『ドイツ陸軍戦史』とはどのような本なのでしょうか?
検索で見つけたサイトには軍装に多くのページが割かれていると書かれてあって,
戦車とドイツ陸軍の歴史を知りたいの僕としては買うのを躊躇してしまうのですが...
内容について知っている人がいたら教えてください.
279 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/01/19 20:58 ID:???
>>278
アーマーモデリング紙に連載されてたイラスト&戦記もの
上田氏が得意にしてる形式の,タミヤから出てるマンガ第2次大戦史と同スタイル

現在同誌に連載してる日本陸軍戦史?だったかが同じスタイルなので
見てみるのがいいかと.

軍事板,2003/01/19
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

316 : ベタ藤原 ◆RoMNjfnp0E [sage] 投稿日:03/01/31 22:40 ID:???
「彗星夜戦隊」 渡辺洋二 図書出版社

 戦争末期にありながらも,高い技量と整備力で「彗星」による沖縄への夜間
攻撃を続けた「芙蓉部隊」の戦記.
 本の半分が「芙蓉部隊」結成までの経緯に当てられ,芙蓉部隊の攻撃も空港
攻撃がメインなもんで,非常に地味なんですが,特攻に反対する部隊長の美濃
部少佐の姿に熱いモノを感じます. 
 お勧めです.

軍事板,2003/01/31
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 【回答】

335 : ベタ藤原 ◆RoMNjfnp0E [sage] 投稿日:03/02/11 17:52 ID:???
 すいません.
 特攻関係の事を不意に勉強したくなったので「特攻関係で,コレは良い!」って
な本を,お教え頂けませんか?
336 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/02/11 19:05 ID:???
>>335
基本で,森本忠夫の貧国強兵と特攻は如何?
337 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/02/11 23:23 ID:???
>>335
妹尾&ウォーカーの「神風」はお勧めらしいが,漏れも古本屋で見つけたことがない.
338 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/02/12 00:33 ID:???
>>333
情報有り難う御座います.
まとめて読めるものは無いのですね,残念.
探索のヒントも頂きましたので,地道に探していこうと思います.

どうも有り難う御座いました.
339 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/02/12 17:17 ID:???
>>337
日米で照合した神風特攻による損害とその日出撃した特攻隊の一覧
東西参考文献の付表など,かなり参考になると思います.

写真資料だとこれが一番だと思う



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4584170703/qid=1045037502/sr=1-2/ref=sr_1_0_2/249-4817156-5312332



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/458417072X/qid=1045037624/sr=1-1/ref=sr_1_0_1/249-4817156-5312332

352 : ベタ藤原 ◆RoMNjfnp0E [sage] 投稿日:03/02/14 21:40 ID:???
>>336
>>337
>>339
 情報ありがとうございます.
 前回の書きこみの書き方が悪かったのですが,今回私が知りたいのは,
「現場レベルで,特攻は実行されていたのか?」
 なので,紹介して頂いた本は,ちょっと的をハズしてるような気が……
 すいませんです.
353 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/02/14 23:05 ID:???
>>352
入門編の高木 俊朗 「 陸軍特別攻撃隊 文春文庫」
しか持ってません.
特攻専用兵器が開発されていることから,現場じゃなくて,
軍部挙げての確信的作戦指導は明確ですよね.

上の本では,特別攻撃=超至近肉薄攻撃(当初の作戦目的)として,
攻撃後に無事生還した隊員が,再度必死攻撃を強要されるという
描写がありました.
敵に損害を与えることより味方を確実に殺すことが目的になる,
作戦目的の喪失が読んでて衝撃的でした.

写真集カミカゼ(上/下) 出撃/損害資料が充実してて良いですよ.
高いだけのことはあります.オススメ.
354 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/02/15 01:31 ID:???
(´-`).oO戦史叢書の該当の巻読んでいけばいいんじゃないの.
     てゆーか,「特攻が現場レベルで行われていたか」ってのも
     意味不明な日本語だね.「現場」って言葉が曖昧過ぎ.
355 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/02/15 10:39 ID:???
漏れの友人が似たようなテーマで卒論書いてたなあ

363 : ベタ藤原 ◆RoMNjfnp0E [sage] 投稿日:03/02/16 11:23 ID:???
>>354
 ミクロ的部分,部隊司令以下の,直接的に特攻隊を送り出してた人達のこと,を
知りたいのですわ.
「ゼロ戦特攻」は持ってるのですが,他になんかないですかね?
364 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/02/16 12:14 ID:???
>>363
新人物往来社の陸軍部隊戦史とかは?
2章が陸軍特攻の現場にいた人の回想記ですけど.

軍事板,2003/02/11
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** 【質問】
 【回答】

342 : 名無し三等兵[] 投稿日:03/02/13 12:10 ID:/IDrQXAt [1/1回]
軍事関係の書籍は買ったこと無いんですが,
最近の世界情勢に影響されてか,しばしばこちらの板に足を運ぶうちに色々と兵器とか戦略,作戦等興味を持つようになりました.
そこで,軍事入門みたいな本無いかなーと思ってたら丁度初心者質問スレで似たような質問が出てて,
その人が買おうとしている本が結構評判が良いみたいなので,どれ買えば良いか解らない自分もそれにしようかなーとか思ってたんですが・・・

その本が7千円くらいで,今まで高くて2千円くらいの本しか買わなかった自分には結構悩まされるものがありまして.
先ほどどんな本なのか見て,良さそうなら買おうと中古本屋に数件足を運んだのですが,
何処にもありませんでした.仕方なく通販で探すと2箇所あったんですが,内容がわからなくて躊躇してしまいます.
その本は「新・戦争のテクノロジー」です.

・軍事関係については殆ど知識が無い者でも勉強になりますか?
・どのような内容なのでしょう?目次とか章とかではなくて,うーんと・・・
文章メインで,時折挿絵があるとかそんな感じなんでしょうか?
あわよくば何処かのページの画像でも見れたらとか思ってます.無理でしょうけども.
343 : 名無し三等兵[age] 投稿日:03/02/13 12:13 ID:???
>>342
戦争のテクノロジーは,まっとうな軍オタであるなら,必須的参考書です.
軍オタでなくとも,もちろん参考になりますが,脳味噌が大人風味でないと,
若干もてあまし気味となる,データ本です.
執筆が冷戦中だったため,データそのものは若干古いのですが,あの本の良い所は,分析です.
できれば,図書館などで手にとって,相性を確かめるのがよろしいでしょう.

軍事板,2003/02/13
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** 【書評】

345 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/02/13 13:46 ID:???
第二次大戦駆逐艦総覧はどんな感じですか?
346 : 名無し三等兵[age] 投稿日:03/02/13 13:48 ID:???
>>345
好き者が,マイナー海軍についてちょっと知りたくなったとき,いい感じです.
でも,日本海軍の駆逐艦についてなど読むと,スカスカなので,外国についても同じかもしれません.
著者の国,あるいはその同盟国の船を調べるにはいいかもしれません.

軍事板,2003/02/13
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** 【書評】

349 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/02/14 12:22 ID:???
既出かも知れないがパンツァータクティク
いわずとしれた第二次世界大戦のドイツ軍の
戦車部隊部隊マニュアル
少々値段が高く,大きいのが難点だけど
写真入りでわかりやすいので
財布に余裕あるひとは買ってみては.

軍事板,2003/02/14
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faq12

** 【追記】

356 : ごっぐ ◆2aCs6PCFec [sage] 投稿日:03/02/15 13:48 ID:???
肩の凝らない架空戦記の紹介はここで良いのかな?

最終戦争:原題ARC LIGHT
エリック・L・ハリー著,二見書房(上下)
侵攻作戦レッドフェニックス:原題RED PHOENIX
L・ボンド著,文春文庫(上下)

どちらも北朝鮮から開始.前者は米露全面核戦争,後者は第二次朝鮮戦争.

メイポート沖の待ち伏せ:原題SCORPION IN THE SEA
P・T・デューターマン著,新潮文庫(上下)
某国潜水艦とアメリカ旧式駆逐艦の死闘.

どれも著者が元軍人とか軍事研究家だそうで,緊迫した戦闘シーン以外にも
軍隊組織の動きやら政府の対応やらの描写が面白かった.
上下巻ばかりでたっぷり時間が潰せるのでお薦め.

軍事板,2003/02/15
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

536 名前:名無し三等兵 :03/02/19 22:08 ID:???

太平洋に消えた勝機 光文社ペーパーバックス
佐藤 晃 (著)




http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334933076/qid=1045658201/sr=1-1/ref=sr_1_0_1/249-5321471-5689120

を読んだ.この本はお勧め.良い本だと思う.ペーパーバックだし買って読め.


537 名前:ミリ屋哲 ◆qmwryStCos :03/02/19 22:13 ID:???
>太平洋に消えた勝機

漏れも推薦する.が,これを読むと海軍に怒りを覚える諸刃の剣.打通
主義者にはお勧め出来ない.大東亜戦争全史あたりと併せて読むのが吉.

420 : True/Fasle ◆ItgMVQehA6 [sage] 投稿日:03/02/22 18:53 ID:???
>>392,>>397
えー,対象書籍を買ってきて読んでみました.
海軍善玉論を否定する立場で書かれていることは確かなんですが,
お話の「いなすためのネタ」にはちとキツイかもしれません.
海軍善玉論者がいきなりこれを読むと,「陸軍シンパの著作」と
感情的に切り捨ててしまう可能性があります.

その用途に使うのであれば,適度に薄めてご使用ください.

軍事板,2003/02/19
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

385 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/02/20 00:13 ID:???
Combined Arms Warefare
やっと読み終えました.米師団編制の変遷の話が語られています.
海軍関係雑誌の英文の難しさに比べて陸軍関係は図解たっぷりなのはどうしてだろうと
思っていたけど,その理由も書かれていました.
つうか,プロシーデイングは陸軍と比べるとごった煮に近いですね.
広いテーマを纏めて論じてます.

402 : 海の人●海の砒素[sage] 投稿日:03/02/20 10:37 ID:???
>>385
 そうですねぇ,あれはあくまで「海軍研究」の雑誌で戦略・戦術のレベルを問わない
記事が売り物ですから.
 前節でlittoral defenseの未来を論じたかと思えば,nobody asked me butでは
潜水艦内での男女混合の是非について論じたりとか(笑)
 話のネタにするも良し,肩書きから「こういうポジションにいるやつは,こういう考え方
をしているのか」と深読みするのも良し,もちろん書いてあるままに資料として読むのも
なかなか勉強になりますしね:-)

軍事板,2003/02/20
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

417 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/02/21 22:24 ID:???
>>416
そう言えば,その本の類書が出てたな.
海軍の食事に関する本だった.
タイトルは思い出せないが.

今月の光人社NF文庫は三冊.
英独航空戦 バトル・オブ・ブリテンの全貌 飯山幸伸著
第二水雷戦隊突入す 礼号作戦 最後の艦砲射撃 木俣滋郎著
陸軍大将 今村均 人間愛を以て統率した将軍の生涯 秋永芳郎著

このうち,英独航空戦は読み応えがあるかな,と.
この話,語り尽くされている感もあるが,航空戦のみならず,上陸作戦,
列車砲の砲撃,昼夜間空襲など,各局面が限られた紙幅にもかかわらず,
まんべんなく描かれており,英仏海峡を巡る戦いの全貌をかいま見ることが
出来る.

しかも裏方のHe-59の活躍も描かれているなど,表だけでなく裏の戦いの話
も面白い.

軍事板,2003/02/21
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

512 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/07 13:12 ID:???
>>510 大東亜戦史

戦争の全体を通観するものではありません.戦後に従軍記者らがそれぞれの取材先に
ついて書いたものです.戦闘経過や戦況分析を期待すると大外れです.戦闘について
の記事もあるにはありますが,それも「記者が見た」というタイトルで読むべきものです.

しかし,戦地と占領地の様子を知りたいという歴史的興味があるなら,買って損はない
です.おもろしい話がたくさん転がっています.

というわけで,買いかどうかは趣味しだい.

軍事板,2003/03/07
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

514 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/07 20:49 ID:???
今月の「英独航空戦」読みました.
色々裏話に触れてて面白かったです.
ただ,その他の記述についてはイマイチですた.
ただ日付とその日の互いの被撃墜数を羅列されても・・・
日本語としてもいくつか疑問符がつきました.
しかしHe59の写真とかあって(;´Д`)ハァハァ
体系的に見るBoBと言うよりはBoBよもやま話として読んだ方が良いかもしれません.

軍事板,2003/03/07
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

527 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/10 17:25 ID:???
学研より本日「日本の航空母艦パーフェクトガイド」が発売になりました.
内容は日本の海軍,陸軍の全航空母艦と搭載機の解説です.
今までフネとして航空母艦を解説する本はありましたが,今回は浮かべる航空基地
として一隻ごとの「建造目的と任務」をテーマに掘り下げています.
基本的には「図艦」の体裁なのですけれども,どの艦の解説にも最低一つずつは
未発表の事実を折り込んでいますし,その艦まるごと未発表の空母計画
(例えば大淀空母案など)も含まれています.
また,航空母艦の搭載定数については開戦~母艦部隊の壊滅に至るまでほぼ毎月
ごとの変遷を追えるように基本資料を巻末に用意しています.これからは
「空母○○の定数は・・」ではなく「空母○○の何年何月の定数は・・」となる
便利な基礎資料が巻末のオマケとしてついております.実はこの資料だけで
2000円払う価値があることは原典を見た経験のある人にはおわかりでしょう.
価値あるオマケです.

更に謎の新ライターによる母艦の対空射撃と電探装備についてのわかりやすい
考察付きです.役に立ったのは高角砲か,それとも機銃か,これもまた必見です.

528 :  [ ] 投稿日:03/03/10 18:44 ID:???
>学研より本日「日本の航空母艦パーフェクトガイド」が発売になりました.
この本は歴史群像なんだね.いつもの赤色じゃなかったから初めに見たとき
歴史読本別冊か現代戦史シリーズかと思ったよ.
歴史群像もこういうものまで扱うようになったかと思ったよ.
そろそろ中国戦線も扱って欲しいな.中国戦線を扱わないのは左派系,中国
政府の見えない圧力があるからかな?多分 そうだと思うのだが.
雑誌の方の歴史群像では中国戦線扱っているだから,単行本でも出して欲しい.
毛沢東ですら歴史群像にならないと言うのは,よほど扱いにくく,思想が
絡んでくるからか?
最近,ぱっとした作品があまりない.
チャーチルやルーズベルト,近衛文麻呂,東条英機,ドゴール,スターリン
トロツキー,モサド,CIA,FBI,国際連盟...........など.
近代と言われる範囲のものを扱って欲しいな.近代戦史シリーズに
期待するしかないな.でもやっぱり個人個人の単行本を歴史群像で出して.

532 : 528[] 投稿日:03/03/10 18:58 ID:SBV0hAV9 [1/2回]
もう一つ言いたいことがある.
文禄・慶長の役の歴史群像のように 歴史地理教育(国土社だっけか?)
お抱えの高校教師みたいな人に書かせるなよ.
戦略,戦術マガジンなんだから.いつものように軍事史研究者や歴史研究者
防衛庁関係者に書かせるべきだよ.そういった人達の見解が知りたいのに.
かなりチェックして公平になるようにしたんだと思うのだが.
文禄・慶長の役の歴史群像だけは他の歴史群像とは別物という感じを受ける.
左翼系や反日の人達がうるさい中,文禄・慶長の役を出したのは戦史ファン
として嬉しいことだ.
中国戦線やレーニンなどの共産主義者を扱う際は,戦史家,軍事関係者などの
見解もちゃんと入れてくれ.

軍事板,2003/03/10
青文字:加筆改修部分


faq12

** 【質問】
 【回答】

529 : 名無し三等兵[] 投稿日:03/03/10 18:50 ID:1TMqtMit [1/1回]
軍事関係の事に興味を持ちました(WW2~現代の国とわず兵器とか作戦とか)

何か良さそうな雑誌無いかと思って書店に行ってきたんですが,
陸なら陸,空なら空,海なら海と個別に専門としてるものが多いんですね.
特に訳隔てなく知識を得たいと思ってるんですがそれぞれ買う程余裕も無いのでちょっと困ってます.
色々見てると週間ワールドウェポンてのが良さそうだと思ったんですが,ワールドウェポンスレ見るとどうもあんまり評判良くないようで・・・

あまり知識の無い者が参考にするために毎週買う価値はありますか?
また,他に良い雑誌なんかはありますか?

536 : 528[ ] 投稿日:03/03/10 19:52 ID:???
>529
江畑謙介氏の著作がいいじゃない?講談社現代新書からも数冊だしている.
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-keywords=%E6%B1%9F%E7%95%91%E8%AC%99%E4%BB%8B&bq=1/ref=sr_aps_all_b/249-1360012-5624325
強い軍隊,弱い軍隊―抑止力としての軍備 なんかは幅広く軍事を扱ってる.

運用などについては坂本明氏の著作が入門的.
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E6%98%8E%2C%20%E5%9D%82%E6%9C%AC/249-1360012-5624325
大図解 世界の潜水艦 や 大図解 世界の空母 などに運用について簡潔にまとめられてる.

現代航空戦なんかは
図解 現代の航空機



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4562026758/qid=1047292129/sr=1-29/ref=sr_1_2_29/249-1360012-5624325
江畑さんが訳しているから用語なんかは安心できる.
現代の航空戦 湾岸戦争



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887214030/qid=1047292084/sr=1-1/ref=sr_1_0_1/249-1360012-5624325

現代軍事シリーズ
http://www1.cts.ne.jp/~fleet7/Museum/GKrg/GKrg006.html
自衛隊パーフェクトシリーズやアメリカものなど.

雑誌は軍事研究が政治的な背景を詳しく書いてる.左派系の人でもこの書籍を
引用したり,情報元として扱う人もいるぐらい.読者層は殆ど防衛関係者.
大きな本屋,紀ノ国屋などでしか売ってないかも.一冊取り寄せてみて気に入ったら
購買したほうがいい.
http://www42.tok2.com/home/fleet7/Museum/Jmr/Jmr000.html


537 : 528[] 投稿日:03/03/10 20:13 ID:SBV0hAV9 [2/2回]
地図で読む世界の歴史 第二次世界大戦 ロシア 古代ギリシア 古代エジプト ローマ帝国
ヒトラーと第三帝国  これらの書籍は持ってると便利.



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309611869/qid=1047293424/sr=1-12/ref=sr_1_0_12/249-1360012-5624325



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309611842/qid=1047293424/sr=1-11/ref=sr_1_0_11/249-1360012-5624325



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309611834/qid=1047293366/sr=1-6/ref=sr_1_2_6/249-1360012-5624325



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309611834/qid=1047293366/sr=1-6/ref=sr_1_2_6/249-1360012-5624325



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309611818/qid=1047293366/sr=1-5/ref=sr_1_2_5/249-1360012-5624325



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309611850/qid=1047293366/sr=1-3/ref=sr_1_2_3/249-1360012-5624325

軍事に解ってくると補給について知りたくなる.学研の戦術戦略辞典シリーズでも
触れられているけど不満が残る.宮崎 駿が妄想ノート(これもおすすめ)の巻末で
良書と評した補給戦が詳しくてよい.だけど絶版.復刊ドットこむで復刊させるしか
手に入らないかも.原著は多分これだったと思う.(自信なくてすまんね.)
Supplying War: Logistics from Wallenstein to Patton



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0521297931/qid=1047293942/sr=1-26/ref=sr_1_2_26/249-1360012-5624325
訳書には参考文献が載ってなかった.原著にはちゃんと載ってる.
(なんで載せなかったなー.ホントに爪が甘い)

どうやって戦術を決めるのか?人によっては批判もあるかもしれないけどこれ
戦術と指揮―命令の与え方・集団の動かし方 バトル・シミュレーション



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4890369007/qid=1047294486/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-1360012-5624325
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=%90%ED%8F%70%82%C6%8E%77%8A%F6
ビジネスマンが云々と言っているけど十分軍事ファンにも面白い内容.

軍事板,2003/03/10
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** 【質問】
 【回答】

583 : 名無し三等兵[] 投稿日:03/03/16 03:37 ID:AGW/9mQq [1/1回]
戦時中の技術畑の人の回顧禄みたいの知ってる人いますか?
特にメッサーシュミットの探してるんですが・・・
584 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/16 04:35 ID:???
>>566
軍事研究は確かにいい本なんですがあの雑誌たまにメーカーの提灯記事が載ることが
あるのですべて鵜呑みにするのは危険ですね.
海自の次期掃海ヘリの選定次期にはやたらとS-92を押す記事があってちょっとなぁと思った
ことがありましたし.

まぁ一番の難点は置いてる本屋が少なすぎることなんですが.
585 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/16 10:36 ID:???
>>583
フジ出版からハインケルの自伝「嵐の生涯」が出てたけど,もちろん絶版.
日本軍関係だと結構入手しやすいと思うが.
586 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/03/16 12:31 ID:???
>>583
おなじみNF文庫に軍用機開発物語,軍艦開発物語,研究機開発物語,
巨人機開発物語の各種のものが出ています.
元々,昔の「丸」に旧軍技術者の回想録を載せていたのを再編集したもの
です.

ハインケルの「嵐の生涯」もありますけど….

662 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/01 12:56 ID:???
>583
旧日本軍の方でよろしければ
「造船士官の回想上・下」 堀 元美(ほり もとよし)著 朝日ソノラマ 新戦史シリーズ
軍需生産の現場に関った人物の貴重な回想だと思う.
日本海軍のマスプロ増産の話が興味深かった.

物心ついた頃に,この方が書いた戦艦大和の本を買ったことが人生の(略)


下記は個人的にお奨めのもの.

「死闘の駆逐艦」 ロジャー・ヒル/雨倉孝之 訳  朝日ソノラマ 新戦史シリーズ

英駆逐艦艦長の回想録.冒険小説のような味がある.
駆逐艦好きにはたまらない…はず.

雑学知識で
「海軍飯炊き物語」
「海軍飯炊き総決算」
「海の男の海軍料理」(書名があやふや)  高橋 孟 著  新潮社

上の2巻は海軍主計兵(衣糧)の回想録.
最後のものは旧海軍主計科の教科書を復刻したもの.

軍事板,2003/03/16
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** 【質問】
 【回答】

587 : 名無し三等兵[] 投稿日:03/03/16 22:35 ID:yDsniDfx [1/1回]
戦史をこれから読みたいと思ってるんですが,
WW2モノでお勧めがあったら教えてください.
588 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/03/16 23:14 ID:???
>>587
第二次大戦ものと言っても些か広う御座います.
ドイツ,イタリア,英国,フランス,日本,アメリカ,ソ連….

例えば,ドイツ陸軍なら,パウル・カレルの著作を,海軍ならデーニッツの
自叙伝が,空軍ならH.ルデルの「急降下爆撃機」がお勧め.
イタリアなら,木村裕主著講談社文庫の「ムッソリーニを逮捕せよ」「ムッソ
リーニの処刑」.
英国なら,チャーチルの「第二次大戦回顧録」とか,日本なら,大井篤の
「海上護衛戦」とか.

全体の通史なら,リデル・ハートの「第二次世界大戦」が良いと思います.

590 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/16 23:22 ID:???
>>587だったか

戦記本探す時には書評本も便利
日本陸軍の場合,「戦記が語る日本陸軍」銀河出版や
「ヒトラーを読む3000冊」刀水書房など

「ヒトラーを~」は戦記に限らないブックガイドだけど,
当時のドイツの概観を知る本を探す時にも参考になると思う

軍事板,2003/03/16
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faq12

** 【書評】

595 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/17 14:57 ID:???
>>594
ところで,「国防の変容と軍隊の管理~冷戦後の防衛管理のために」買われたようですけどどうでした?

あと,軍研売っていたのがPXだってオチはなしで.
596 : ミリ屋哲 ◆qmwryStCos [sage] 投稿日:03/03/17 20:59 ID:???
>>595
内容の細部は,かなり深いのでもう少し読み込まないと語れない.大きな部分で言うと,
まさしく防衛「管理」が主題,もっと言ってしまうと政治側から見た防衛政策論議と
言って良いと思う.軍の「運用」という見地はやや薄い様に思われる.

軍事板,2003/03/17
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** 【書評】

599 :  [ ] 投稿日:03/03/18 00:39 ID:???
イカロス出版からミリタリークラシック創刊号が出てるね.
創刊号に各国の列車砲が出てた.
600 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/18 01:24 ID:???
>>599
買いましたけど少し高いですな,零戦の書籍紹介で架空戦記を紹介してたのが
なんだかなと思った,しかも志茂田景樹の本.

軍事板,2003/03/18
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** 【書評】

607 : ばばぼん♪ ◆gdH1Km1a0U [sage] 投稿日:03/03/20 22:09 ID:???
川津幸英著,アリアドネ企画発行,三修社発売「アメリカ海兵隊の太平洋上陸作戦(中)」\2,600+税

グァム島攻略から硫黄島上陸(前半)まで.硫黄島(攻略)は後編みたい.
図表や見出しがDQNな香里がただようが,この種のデータを詳細にまとめたものが少ないだけに重宝な感じ.
ただ,ちょっと値段が…….

池袋ジュンク堂でレジで値段を告げられ,「高けえよ」と呟いてしまった漏れなのです.

軍事板,2003/03/20
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** 【書評】

615 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/03/21 22:35 ID:???
今日買ってきた本,は色々あるが,その中から数点.

中国/台湾海軍ハンドブック(改訂第二版)
 前巻の図版が全て白黒だったのに比べ,今回はカラーがふんだんに使われている.
 記事の中身は,余り変わらないような気が.
 ただ,Gearing級を侮りがたいというのは眉唾物だと思うが….

ドイツのジェット/ロケット機(野原茂)
 光人社の本で,著者は日本鹵獲機秘録,囚われの日本機を書いた人.
 内容は技術的な観点,戦史的な観点両面から丁寧に描かれており,He-176/178
 にもきちんと触れられているところが良い.

ドイツ軍装甲車輌と偵察用ハーフトラック1939-1945(オスプレイ)
 内容は良い本なんだけど,イラストが….

------------眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2003/03/21
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faq12

** 【質問】
 【回答】

626 : 名無し三等兵[] 投稿日:03/03/24 18:37 ID:3Y3o9fp3 [1/1回]
書籍に関する質問です
最近の英米軍の,特に特殊部隊の内容や装備などについての本を買いたいのですが
おすすめはありませんか?
用語の日本語訳を確認する意味もあるので,洋書はノーサンキューでつ
サバイバル戦闘技術―SAS・特殊部隊実戦マニュアル



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4562031867/
素顔のスペシャル・フォース



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887215819/250-9851251-2252220

これらはどんなあんばいでしょ?

尚,時節柄とは関係ないでつ

630 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/24 22:26 ID:???

>>626
「サバイバル戦闘技術―SAS・特殊部隊実戦マニュアル」は買っても良いと思うよ.
トムクランシーの本は人の好みの問題.

「大図解特殊部隊の装備」グリーンアロー出版
「アメリカの対テロ部隊その組織,装備,戦術」並木書房
なども良いと思うが.

軍事板,2003/03/24
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** 【書評】

654 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/03/30 23:19 ID:???
敬遠する人もいるかも知れないけど.

「しらべる戦争遺跡の事典」十菱駿武・菊池実編 柏書房

所謂,市民団体がお手軽に地元の戦争遺跡を確認し,平和学習に役立てる
ために編纂されたものではあるが,なかなかどうして,非道いバイアスが
掛かっている訳でもなく,学術的見地から冷静にものを見ている本だと思う.

また,遺構,遺物の調査法として,高射砲陣地の調査,本土防衛用陣地の調査
を実例としてあげ,調査を行う際の注意点などを明確にしているし,資料を当たる
場合も,何に着目するか,証言はどのようにとるか,と言うことを考古学的観点から
述べている.

具体的には,各地区毎に戦争遺跡の調査結果が盛り込まれている.
松代大本営などのメジャーなものから,関東にある秋水用特殊防空壕のような
マイナーなものまで,そして海外の虎頭要塞跡などに至るまで,各地の戦争遺跡
が紹介されており,その内容もなかなか面白い.
655 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/03/31 01:53 ID:???
「日本海軍軍装図鑑」と言う本が5月に出るのだが値段が一万二千円するので,
どうしようか迷っている.

幕末明治から大平洋戦争までの日本海軍の軍装研究の本だが.

軍事板,2003/03/30
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faq16

** 【質問】
 【回答】

672 : 名無し 三等兵[sage] 投稿日:03/04/02 20:08 ID:???
ところでよく最近戦争がらみで宣伝や情報工作や情報統制などがテレビで
ちらほら取り沙汰される事が多いのですが
戦争や戦時中における宣伝や情報を使った戦略などについて書いたオススメ
の本はあるでしょうか? この分野にからっきし無知だった事に自分は最近
気付いたもので・・・・


674 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/02 20:19 ID:???
>>672
アンヌ・モレリ「戦争プロパガンダ10の法則」
別に戦争でなくてもプロパはいたるところにあふれていることにこれを読めば
容易に気付けます.この本は入門書みたいなもんなので,興味がわけばもっと他の本を探してもいいかも.
個人的には,直接プロパなどを扱った本ではないけど「魔女狩り」(岩波新書)はおすすめ.

675 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/02 20:22 ID:???
>>672
過去に一度感想を書いたが,中公新書の池田徳眞「プロパガンダ戦史」はお勧め.
著者は日本の対敵宣伝放送「日の丸アワー」の企画責任者の一人.
だた,現在古書店以外で入手は困難かな.

676 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/02 20:51 ID:???
>>672
既出かもしれないが最近の本なら『戦争広告代理店』もお勧め.
ユーゴ紛争の舞台裏的な内容で,ミリオタ的には薄い部分もあるが
入手しやすいし,この種の知識がなければ衝撃的だとおもう.

軍事板,2003/04/02
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faq15

** 【質問】

671 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/02 20:06 ID:???
ジェットランド沖海戦について解説した本はないでしょうか?
あまり難しくなく,入手が容易で,できれば安い奴をお願いします. m(__)m

 【回答】

674 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/02 20:19 ID:???
>>671
入手は難しいかも知れないけど,そのものズバリ
「ジュットランド沖海戦」ハヤカワNF文庫
であります.古本屋探すか,新品もまだあるかも.

681 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/03 08:43 ID:???
>>671
海戦のおおまかな流れをつかむのであれば,Ospreyのキャンペーン・シリーズ72号
「JUTLAND1916」,
英軍の戦略面であればAndrew Gordonの「The Rules of the Game(Naval Institute Press)」
戦闘の詳細に関してはJohn Campbellの「JUTLAND(LYONS Press)」などがお薦めと思います.
どれもペーパーバックなので,価格はAmazonなら2000~4000円程度と安いです.

軍事板,2003/04/02
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** 【書評】

685 : パヴロフ2等兵[] 投稿日:03/04/04 21:18 ID:G0YkT/vl [1/1回]
『モスクワ上空の戦い 知られざる首都航空戦1941~1942年』(D・ハザーノフ 大日本絵画)

モスクワ防空部隊が当時ソ連軍では珍しかったレーダーまで動員して,
赤軍が断固たる首都防衛の意思を固めていたことを,皆知ってるだろうか.

これ一冊丸暗記するまで読んでおけば,冬将軍だの泥将軍だの赤軍の人的抗戦
能力を何とかして過小評価しようとするドイツヲタの妄言はすべて論破できる.
航空撃墜戦果が過大になるのはどこでも同じ,ドイツ空軍エース記録だけを
読んで独ソ航空戦を語るのは間違い.
686 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/05 08:25 ID:???
>>685
なんか挑発的な文だけどその評価には同意.
同書におけるソ連防空部隊の奮戦ぶりは一読の価値があるね.

軍事板,2003/04/04
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

687 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/04/06 09:43 ID:???
PHP文庫より

土門周平著 「天皇と太平洋戦争」

元々は,1989年に講談社より出版された「戦う天皇」であるが,その後に出てきた
資料を基に加筆・修正を加えたもので,開戦から原爆投下に至る,天皇を中心と
した日本の戦争指導部(大本営政府連絡会議)の様相を各局面で明らかにした
もの.
1941年9月初旬の時点で天皇が戦争を欲していなかったこと,そして,東條陸相を
始めとする陸軍首脳も,その意を汲み取っていたこと,それが段々と開戦寄りに
変化していったことなど,結構興味深いことが描かれている.
このほかにも,真珠湾,マレー作戦,ガ島を巡る戦い,ニューギニア作戦,インパール,
島嶼戦などの局面で,指導部がどのような考えで進んでいたか,どういう要因で決断
を誤って,深みに嵌っていったのかが文庫とは言えない筆致で描かれている.

海上護衛戦スレへの燃料投下と打通さんへの反論資料に最適(w

軍事板,2003/04/06
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

657 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/01 01:28 ID:???
途中で書き込んでしまった(汗

http://www.logsoku.com/r/army/1047524583/97-99
↑ここにある最近一月ほどの間に出版された潜水艦の食事について書かれた別冊ってどの本でしょうか?
658 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/01 02:09 ID:???
>>657
たぶんコレだと思うが.
「海軍食グルメ物語──帝国海軍料理アラカルト」
ISBNコード:4-7698-1086-5
著者 高森直史
本体価格1800円
出版社 光人社

690 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/07 01:12 ID:???
>>658
早速買いました.
少々調査不足かな?という面がありますが,あまり触れられることがなかった
明治期の海軍糧食にページが割かれているので結構面白いです.
海軍が糧食に至るまで,如何にイギリスをそのまんま参考にしたかが分かるのが
興味深いところです.

※明治時代の日本人があんなモノ食わされたらびっくりするわな….

あと,「海軍めし炊き物語」からの引用も多いので,併せて読むと面白いかも.

軍事板,2003/04/07
青文字:加筆改修部分


faq16

** 【書評】

691 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/07 22:47 ID:???
 有賀つたお(変換不可)著「日本陸海軍の情報機構とその活動」 近代文藝社
を購入.
著者は元航空総隊の情報幕僚で,執筆時は防衛研究所の研究員.
まだかいつまんで読んでいる程度ですが,これは凄い.
読むに当って簡単な基礎知識として,あらかじめ桧山良昭の「暗号を盗んだ男たち」
あたりを読んでおくといいかも.

軍事板,2003/04/07
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

688 : 名無し三等兵[] 投稿日:03/04/06 12:20 ID:cGYa4UnK [1/1回]
朝日新聞社の「スターリングラード」はどうですか?

692 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/08 08:40 ID:???
>>688
一言でいえば「朝日新聞社発行」の本ですね.
戦史として読もうとすると,その価値はかなり低いと思います.
興味深いエピソードは紹介されているので戦記好きなら,というところでしょうか.

697 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/09 07:30 ID:???
>>694
私はお薦めします.
イギリス人がロシアから得た新資料を大量に使用して書いた本であり非常に面白いと思います.
戦史についての基本的知識を有しているなら,兵士達の手紙の引用から,多くを得ることが出来るでしょう.
全般にドイツに辛口の評価ですので,「ドイツ軍ファン」には不快かもしれません.
「朝日新聞社」の本と評価するのではなく,イギリス人が未公刊だったロシア資料を駆使して書いた本と表すべきと思います.


698 : 697[sage] 投稿日:03/04/09 07:35 ID:???
追記
第6軍の脱出問題に関し,マンシュタインの責任に関する考察は戦史を研究する者にとっては必見でしょう.
ヒトラーの責任にし,マンシュタインを免罪する者が多いですが,
軍の指揮権限からマンシュタインの責任を考える点は指摘されることの少なかった点です.

758 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/25 08:33 ID:???
>>697
あの本って,結局「スターリングラードは悲劇だった.ドイツ軍もロシア軍も
ひどいことをした.ドイツ兵もロシア兵も苦しんだ.
でもいちばん苦しんだのはロシアの民衆だ.」って内容で,
そうした視点はかまわないのだが,そのことを検証,つまり,
なぜそのような戦いになったのか,ドイツ軍やロシア軍はどのように大都市での
市街戦を戦おうとしていたのか,といった歴史的,軍事的研究が殆どない.

692のいう「朝日的」あるいは「戦史ではなく戦記」という批判は,
「ロシアびいき」ということではなく,上記のような点を指すと思われ.

軍事板,2003/04/08
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

699 : ミリ屋哲 ◆qmwryStCos [sage] 投稿日:03/04/09 20:16 ID:???
図説・ヨーロッパ地上戦大全を入手した.歴群系はそれほど買っていなかったから
前レスに言われたようなことも気にならなかったなぁ.

むしろ,個々の局地戦闘から戦術を学ぶ,戦術入門書的見方をすると良いんではな
いかと思う.
本文はともかく,ワンポイントの「戦略・戦術解説(だったっけ?職場に忘れてきた
から確認出来ない)」はそれなりに「分かっている」人間が書いているように思うなぁ.

あれ,誰が書いたんだろうね.本文と同じ人なら債鬼や視雷死を少し見直した.

軍事板,2003/04/09
青文字:加筆改修部分


faq02

** 【書評】

744 : ベタ藤原 ◆xT/ZtgSAnQ [sage] 投稿日:03/04/19 13:06 ID:???
『ペンタゴン・カタログ 戦争のお値段』
ISBNコード 4-89319-101-2  価格 838円 (税別)
>http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=07112447

 今回のイラク戦争で使われた兵器と,そのお値段を紹介した本です.

 B-2,一機 12億ドル
 シーウルフ攻撃型原潜 一隻 21億ドル
 ワプス級強襲揚陸艦 4億ドル

 と云う大物から, 

 殺虫剤 1,31ドル

 と云う小物の値段まであり,アメリカ軍が装備する兵器・物資の図鑑という趣きがあります.

「アノ爆弾は一発幾らだ!」
 とか,
「この前落されたけど,アパッチ一機幾らだっけ?」
 などが気になるあなたにお勧めな本だったりします.

 オマケ
 星条旗 160.98ドル  

軍事板,2003/04/19
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

745 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/04/19 23:03 ID:???
今日もストレス解消に数冊の本を購入.
その中で一冊を紹介.

丸善ブックス 土井全二郎編「ダンピールの海-戦時船員たちの記録-」

編者は,朝日の編集委員で,水産,海運関係の記事を担当していた人.
とは言え,朝日だからと色眼鏡で見る無かれ.
元はと言えば,平成3年の朝日夕刊での短期連載,「海を墓場に-戦時船
員の記録-」から始まっている.

この連載をきっかけにして,その後,大戦中に船員だった方々からお便りを
いただき,彼が聞き書きをしたもので,軍艦を含む100隻の船の71名の船員
が本書に登場している.

太平洋戦争勃発,ガ島輸送,ダンピール,末期の決死輸送,引き揚げ船などの
局面で,徴用された民間船の船員が如何に苦労したか.
「輜重輸卒が兵隊ならば,蝶々蜻蛉も鳥のうち,電信柱に花が咲く」の更に下位に
置かれた軍属の一番下に見られていた彼らの話を,余計な記述も一切無く,抑えた
筆致で冷静に書いているのが,逆に凄みを増す.

雷撃にあって彼らがどんな思いで船を救おうとしたか,そしてやむを得ず,退船する
際の無念さなどがひしと伝わってくるものがある.
また,初期の高速優秀船の優雅さ,後期の戦時標準船の低品質による苦労など,
知られざる一面も見えてなかなか読み応えがある.

軍事板,2003/04/19
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

757 : 眠い人 ◆gQikaJHtf2 [sage] 投稿日:03/04/23 22:44 ID:???
光人社NF文庫から色々出てました.

石井正紀著 「陸軍燃料廠 太平洋戦争を支えた石油技術者たちの戦い」

これも昔NF文庫から出ていた,「石油技術者たちの太平洋戦争」の続巻.
今まで余り注目されていなかった,陸軍の燃料廠について研究したもの.
ただ,この機関,最高の人材を有し,先進的な研究を行っていたにも関わらず,
その技術を生かし切れなかった,と言うか生かさなかった指導者のおかげで,
かなり徒労に終わった部分も否めない.
冒頭には,戦前に大慶油田をもう少しの所で発見できている状況だったのに,
それを為し得なかったと言う悔悟が語られている.
もし,日本が戦前にこの油田を発見していたら,南進論はなかったかもしれない.

軍事板,2003/04/23
青文字:加筆改修部分


faq12

** 【書評】

754 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/23 02:09 ID:???
ネット書店の書評と言えば,amazonの「軍事革命(RMA)―"情報"が戦争を変える 」の書評で
”兵器ヲタのたわ言,読む価値なし”って書評があるが,
書いた奴のイラク戦についての感想をぜひ聞いてみたいと思ったり.
755 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/23 08:25 ID:???
>>754
あれ,多分レフトな人が「革命」ってので買ってみたけど…だと思われ
コメントが本の趣旨を理解していないそのものの証左だわな
756 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/23 11:02 ID:???
>>754
なんでRMA関係で一番よい入門本にそんな書評がついちゃったんだろ.

760 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/26 08:21 ID:???
756には同意だが・・・

『軍事革命(RMA)』は今日の情報化戦争を簡潔に記した好著であるが,
軍事に明るくない一般向けの書籍として,問題なしとはいえないと思う.

まず,「軍事革命」とはなにかを明確にしておらず,
軍事革命という用語について無批判に使用していること.
著者はこれを「ナポレオン以来」のものとしておきながら,
あとがきにおいてプロイセンの後装式小銃をも「軍事革命」と呼んでいる.

次に,筆者はクラウゼヴィッツを「時代遅れ」としているが,
その著書『戦争論』に関する理解が浅く,
その内容に対して読者が誤解を受ける可能性が生じていること.

著者は『戦争論』に記された「交互作用」を無視し,
たとえば,筆者はRMA軍が非RMA軍に対して圧倒的に優位であることを強調し,
RMA軍同士の戦闘がどうなるかについては考察していない.

761 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/26 08:22 ID:???
(続き)
また,クラウゼヴィッツ自身が戦争の方法については時代の変化によって
変わっていくといっているにもかかわらず,その本質,「戦争は本質的には
互いの相互作用によってエスカレートするが,一方で戦争は政治の一手段であり,
その制約を受ける」という点を無視し,あたかもクラウゼヴィッツの時代が
終わったかのような記述をしている.

さらにリデル・ハート同様,クラウゼヴィッツの「血を流さずに戦争ができると
思うのは愚か者」という記述を,文脈を無視して引用し,「撃滅戦論者」
あるいは「決戦論者」であるかのように誤解している.

以上の点から,軍事思想の書籍としては考察が浅いといえるように思う.

これを読んでも結局,RMA軍が戦術的に「優位(必勝ではない)」であり,
友軍の損害を「減少させる(0ではない)」ことしかできないという
現状を覆すような「軍事革命」を知ることはできない.

ただし技術的な解説としてはわかりやすくよい内容で,決して駄作,
あるいはトンデモ本のたぐいではない,良い本であることは確かと思う.

764 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/04/26 14:56 ID:???
>RMA軍同士の戦闘がどうなるかについては考察していない.
折れも読んでそう思った.
できれば,想起しえるその状況を考察し,その先を提示して欲しかったような.

ただ>>760-761のような“高度な”理由で「一般向けの書籍として」少々問題
ありだというのはちょっと違うような.
例のレビューの人なら
「爆弾でどんどん人を殺す,そこからは何も変わっていないじゃないか」っていう感覚じゃん.
これは一般人が読んだ感想なら至極普通だと思うし,
そ~いう感覚の読者に対しては軍事#革命#という壮大な語の割には説明不足だとは思う.

まあ著者も一般人向けに書いたつもりは露も無いんだろうけど.

軍事板,2003/04/23
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

763 : ばばぼん♪ ◆gdH1Km1a0U [sage] 投稿日:03/04/26 09:48 ID:???
飯山幸伸著,光人社NF文庫「英独航空機 バトル・オブ・ブリテン参加機のすべて」



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4769823746/ref=sr_aps_b_/249-0873679-6705111

「英独航空戦 バトル・オブ・ブリテンの全貌」の続編ともいうべきもの.
個人的にはDo.17とHs.126の比較的まとまった記述があっただけでもうれしい.
ただ,不思議に思うのは「Jagdgeschwader ##」を,文中,しかもかなり近い場所で
「第##戦闘航空団」と「戦闘第##戦隊」と訳していること.

軍事板,2003/04/26
青文字:加筆改修部分


faq12

** 【質問】
 【回答】

837 : 名無し三等兵[age] 投稿日:03/04/30 23:40 ID:???
フジ出版から出ていたものを,中央公論新社が再販していますが,
フジ出版のものと変更点などはあるのでしょうか?
やはり,新しいほうが買いですか?


839 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/05/01 00:23 ID:???
>>837
ひとことでいえば,「モノによる」というところでしょう.
たとえば「彼は来た」はフジ出版社版が出た以降に著者が改訂を行っており,
中央公論版はそれを反映しているので,かなり加筆されています.

一方,「電撃戦」や「失われた勝利」は用語のチェックなどが行われただけで,
本文は殆ど変わらず,2段組1冊だったものが1段組2冊になり,別冊だった
図版類が本文に挿入されているという違いがあるだけです.
その結果値段はほぼ倍になっているため,古書店でフジ出版社版を見つけたら,
そちらを購入する方が金銭的にはお得です.

もちろん文字の大小や図版の別刷などは好みもあるでしょうから,
見比べて選ぶのが適切かと.

840 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/05/01 02:08 ID:???
中公はまだいい方ですよ.
講談社文庫で出たハインツ・ヘーネの『髑髏の結社SSの歴史』は
巻等写真がカットされていて驚いた.いい本なのにこれはないだろ.

軍事板,2003/04/30
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

841 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/05/01 03:23 ID:???
>>762
>光人社NF文庫
>「陸軍燃料廠-太平洋戦争を支えた石油技術者たちの戦い」

買った.

まぁいつものことだが・・・海と陸はもうちっと仲良くできませんでしたか.という溜息.
著者までがなんとなし海憎しに引きずられてる気がした.

冒頭,満州で水井戸掘ったけど石油あるとは気付かなかった話,
南方燃料廠での軍属・民間の人の話など,初めて知る話が多かったっす.
いい本だと思いますた.

微妙に関係ないが,個人的にパレンバンといえば古澤憲吾監督なんだけど
話題には出てこなかったなぁ.

軍事板,2003/05/01
青文字:加筆改修部分


** 【書評】

872 : 名無し三等兵[] 投稿日:03/05/04 18:19 ID:dLWb88Hx [1/1回]
学研
独ソ戦全史
読む価値あり.こんな本が欲しかったんだ.

876 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/05/05 12:38 ID:???
>>872
図表とか多かった?

878 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/05/05 15:00 ID:???
>>876
『独ソ戦全史』は図表は少ないです.地図は各作戦の全体図,表は赤軍の時期ごと,
および方面軍ごとの兵力損失数がある程度です.
図表をお求めでしたら,同じDavid M.Glantz氏のZhukov's Greatest Defeatや
Fron the Don to the Doneplなど,戦役,作戦レベルの著作をお薦めします.

軍事板,2003/05/04
青文字:加筆改修部分


faq12

** 【書評】

885 : 名無し三等兵[sage] 投稿日:03/05/06 17:38 ID:???
傭兵の二千年史 菊池良生 講談社現代新書

古代から現代までの傭兵の変遷が概観出来る本.
傭兵を生んだ原因や実態,傭兵発生時の社会状況が判りやすく叙述されている.
文献からの丸写しと思われる部分も多いが,良書だと思われ.

軍事板,2003/05/06
青文字:加筆改修部分


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米国を巡る地政学と戦略
ースパイクマンの勢力均衡論ー
ニコラス・J・スパイクマン 著
小野圭司 訳
出版年月日:2021/07/17
判型・ページ数 A5・510ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3qDcpMu

おはようございます,エンリケです.

地政学の始祖として有名なスパイクマンの主著の
「日本語完訳版」が初めて出ました!抄訳ではなく
全訳です.待ってました!という感じです.

スパイクマン地政学の真髄を学ぶには必読です.今
すぐ手に入れてください!

◆著者略歴
ニコラス・J・スパイクマン(1893-1943)
Nicholas John Spykman
オランダ出身の元ジャーナリスト/イエール大学教
授.20世紀のアメリカを代表する外交戦略家および
地政学者.カリフォルニア大学で博士号取得後,
イエール大学の国際学部主任教授,国際研究部の初
代所長などを歴任.地政学ではユーラシア大陸の周
縁部の重要性を説く「リムランド論」を主張したこ
とで有名.第二次大戦勃発直後に地理学の分析を元
にして「将来は日・独との同盟が必要になる」と主
張して,当時の米国内で激論を巻き起こす.アメリ
カの冷戦期の「封じ込め政策」の創始者と言われ,
現在のアメリカの世界戦略理論の基礎を作る.
1943年にガンのために49歳の若さで死去.

◆訳者略歴
小野 圭司 (おの けいし) 防衛省防衛研究所 特別
研究官
1988年3月京都大学経済学部卒業,住友銀行(88〜9
6年)を経て,97年1月に防衛庁防衛研究所に入所,
社会・経済研究室長などを経て2020年4月より現職.
この間,青山学院大学大学院修士課程,ロンドン大
学大学院(SOAS)修士課程修了.専門は戦争・軍事の
経済学.
著作に『日本 戦争経済史』(日経BP日本経済新聞出
版本部,2021年),共著書に「20世紀と日本」研究
会編『もうひとつの戦後史──第一次世界大戦後の
日本・アジア・太平洋』(千倉書房,2019年),
David Wolff, et. al. eds., Russia's Great War
and Revolution in the Far East: Re-imagining
the Northeast Asian Theater, 1914-22
(Bloomington, IN: Slavica Publishers, Indiana
University, 2018),Oliviero Frattolillo and
Antony Best eds., Japan and the Great War
(London: Palgrave Macmillan, 2015),三宅正樹
他編『検証 太平洋戦争とその戦略1 総力戦とその
時代』(中央公論新社,2013年)など.


地政学といえば必ず取り上げられるのが,
マッキンダー,ハウスホーファー,スパイクマン
の三者です.

中でもスパイクマンの地政学は,今のアメリカの対
外思考の基礎を成しているといって過言でなく,現
実の世界を動かしている土台を生み出した人物とし
て,もっと注目を集めてもいいと思いますが,若く
して亡くなったこと,地政学の主著が一冊しかない
ことなどからか,価値のわりに注目度が低い気がし
ます.

なぜ日米同盟の盟邦であるわが国で,この本の全訳
がもっと早く出なかったのだろう?
という違和感と不思議な気持ちはありますが,今回
全訳版が出たことを素直に喜びたいです.


地政学の始祖として有名なスパイクマンの主著の初
めての日本語完訳版です.

1942年に書かれたこの本,
America's Strategy in World Politics:
The United States and the balance of powerは,
WW2初期の米国を巡る国際環境を網羅的に記述して
いるものですが,

たとえば,

●大陸勢力のソ連・中国・ドイツと,海洋勢力の米
国・英国・日本という戦後世界の枠組みを予見

●米国が西太平洋の覇権を争う相手は,日本ではな
く中国である

といった点で,現代の国際政治への優れた先見性が
随所に見られる名著,として評価が定着しています.


地政学を学びたい,使いたい,知りたい人,地政学
に興味がある人は必ず読む必要と価値があります.

ひと昔前と違い,「地政学」をめぐるはなしは百家
争鳴,玉石混交状態です.そんないまこそ,スパイ
クマン地政学の真髄を学んでおく必要があると強く
感じます.地政学のしっかりした物差しを自分の中
に培う必要があるからです.

今のわが国の生き筋を考え,未来のわが国の軸を打
ち立てるうえで欠かせぬ必読書といってよいでしょ
う.この種の感覚が自分の中に入っているかいない
かで,現実を見る目は180度変わります.

では,國語で読めるようになった地政学の名著の内
容を見ていきましょう.

◆目次

序 章

◎第1部 米国を巡る勢力均衡
第1章 権力政治(パワー・ポリティクス)と戦争
第2章 西半球に於ける米国
第3章 モンロー主義から西半球防衛へ
第4章 米国と大西洋対岸地域
第5章 米国と太平洋対岸地域
第6章 世界の中の米国

◎第2部 中南米を巡る争い
第7章 2つのアメリカ
第8章 宣伝工作(プロパガンダ)と対宣伝工作
第9章 新世界経済の様相
第10章 天然資源の確保
第11章 米州の経済統合
第12章 新世界政治の様相
第13章 新世界対旧世界
第14章 軍事戦線
第15章 西半球防衛
終 章 結 論

【訳者解題】創成期の地政学とスパイクマン(小野
圭司)


------------------------------

いかがでしょうか?

ちなみに私は三読中ですが,一読目につけた線引き
が実に多く,ノートに抽出記録するための再読,
再々読でも一冊丸々読みみとほとんど変わりません.
自らの愚鈍さとともに本著の古典としての確かさを
覚えています.

ノートをとるに値する地政学の基本書,古典,教科
書です.

今年は,この本で地政学の世界に乗り出しませんか?


今回ご紹介したのは,

『米国を巡る地政学と戦略
 ースパイクマンの勢力均衡論ー』
ニコラス・J・スパイクマン 著
小野圭司 訳
出版年月日:2021/07/17
判型・ページ数 A5・510ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3qDcpMu

でした.


エンリケ

追伸

地政学で考え,地政学を感じ,
世界と日本の現在と未来を考えるなら,
本著を読まない選択肢はありません.


『バトル・オブ・ブリテン1940
ドイツ空軍の鷲攻撃と史上初の統合防空システム』
ダグラス C ディルディ 著
橋田和浩 監訳
出版年月日:2021/03/25
判型・ページ数 :A5・180ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3mBCx9w


おはようございます,エンリケです.

1940年8月〜9月,イギリス本土上空とドーバー海峡
で展開されたドイツとイギリスの戦い「バトル・オ
ブ・ブリテン」はWW2の結果に大きな影響を与えまし
た.

この有名な航空作戦は如何に計画され,実行された
のでしょうか?
そして,いったい何が勝敗を分けたのでしょうか?

この本は,ドイツの公文書館所蔵史料も使い,英独
双方の視点からドイツ空軍の「鷲攻撃作戦」を徹底
分析したものです.

著者,監訳者,訳者すべてが空軍軍人です.

■著者
ダグラス・C・ディルディ 米空軍退役空軍大佐
現役時代はF-15のパイロットのほか,NATO
の防空任務などの豊富な経験を有した指揮官

■監訳者
橋田和浩 航空自衛隊中部航空警戒管制団副司令
(前防衛大学校防衛学教育学群教授)


写真80点のほか,航空作戦ならではの三次元的経
過が一目で理解できる図を多数掲載している点も
忘れてはならないおススメポイントです.

オスプレイ社が刊行する人気シリーズ「Air Campaign」
第一巻の完訳で,空自の研究者の方が一部を解説し
ています.

BOB(バトル・オブ・ブリテン)はいかに計画され,
実行されたか?

が描かれており,注目すべきは英独双方の資料を基
にした客観性,戦闘機パイロットと指揮官経験を有
し,航空戦史を専門とする著者の分析を通じ,BOBの
包括的様相が記されています.


監訳者の橋田一佐のあとがきが実に素晴らしいです!

一部紹介しますと,,,

<・・戦闘を中心として,作戦の準備段階から実行
段階までを多角的な視点から捉えている本書は,空
軍種に所属する者だけでなく,リーダーシップやマ
ネジメントを総合的に学ぼうとする人たちにとって
も有益な参考書となり得るだろう.>

<戦いの様相を知ることができるだけでなく,部隊
運用のコンセプトや指揮官の判断の影響等も含めて
総合的に学ぶことができる内容>

<・・(BOBは)空軍種の軍人や隊員が学ぶべき戦
史の1つとして位置づけられる.(中略)統合防空
システム(以下「IADS」と略記)が初めて運用され
た戦いであり,数多くの学ぶべき教訓がある>


<BOBは守勢側のイギリスが勝利した戦いであるこ
とが特筆される>

<このIADSは如何にして生み出されて守勢側の不利
を克服したのだろうか.本書では,このIADSが構築
されるまでの変遷とドイツ空軍の鷲攻撃への対処に
際して如何に運用されたのかが述べられている.>


<IADSはCHレーダーという新兵器が開発されたから
だけではなく,この新兵器と既存の兵器を新たな作
戦構想で「組み合わせ」ることによって生み出され,
その目的に沿って運用されたからこそ不利を克服で
きたと言える.(中略)新兵器と既存兵器,従来の
作戦構想のもとでの試行錯誤を経て新しい構想で運
用するように進化してゆくという流れは,今も昔も
変わらない.>

<新たな課題を克服するためには新しい「組み合わ
せ」が鍵となる.>

<全体として新しいシステムであっても構成要素の
全てが新しいわけではない>


<領域横断作戦の先にある「全領域統合作戦(Jo
int All-Domain Operation:JADO)」に臨む際に
も,BOBは学ぶべき戦史であり続けることを意味し
ていると言える.>


<今の環境の先にある将来を切り拓くために求めら
れるのは,知識そのものの量ではなく,過去から学
び取って今後に活かせる思考力と行動力である.>


という感じです.

この本を読むと何が得られるか?
この本で何を身につけるか?
この本が我が国の何に活かせるのか?

といった疑問すべてに応えてくれていると感じませ
ん?


ではこの本の内容を見ていきましょう.


◆目次

序論
 軍事行動の起源

年表

攻撃側の能力 ドイツ空軍
ドクトリン:戦略攻撃と戦術支援/航空機開発/能
力,役割及び任務/指揮官/1940年8月のドイツ空
軍戦力組成(AOB)

防御側の能力 戦闘機集団
ドクトリン:早期迎撃,激しい消耗/早期警戒レー
ダーシステム/イギリス空軍戦闘機:能力,役割,
任務/指揮官たち/イギリス戦闘機集団戦力組成

作戦目的

戦 役
レーダー(Chain Home)への第一撃:8月12日/鷲
の日:8月13日/「鷲攻撃」フェーズI:8月15−18
日/鷲攻撃フェーズII:8月24日−9月6日/鷲攻撃
フェーズIII:9月7日−30日/鷲攻撃の終わり

余波と分析

参考文献と読書ガイド

【解説】
 第二次世界大戦をめぐるイギリスとドイツ(篠崎正郎)
 チェーン・ホーム・レーダーの概要(福島大吾)
 航空自衛隊戦闘機(F-4EJ)パイロットの経験から
(村上強一)
 技術革新が1930年代後半以降の軍用機に与えた影
 響(由良富士雄)
 バトル・オブ・ブリテンにおける電子戦(天貝崇
 樹)

-----------------------------------


この種の研究書で忘れちゃならない重要なことは,
次のステップに間違いなく引き上げてくれる充実し
た「参考文献」と「ブックガイド」があるか否かで
す.

あるとないとでは,価値が随分変わってきます.

本著には,充実した「参考文献」と「ブックガイド」
が用意されています.つぎどこに行けばいいかの道
しるべがキチンと用意されてます.

楽しみながら次のステップに進めるワクワク感と喜
びをこの本を通じてぜひ味わってください!


今回ご紹介したのは,

『バトル・オブ・ブリテン1940
ドイツ空軍の鷲攻撃と史上初の統合防空システム』

ダグラス C ディルディ 著
橋田和浩 監訳
出版年月日 2021/03/25
判型・ページ数 A5・180ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3mBCx9w

でした.


エンリケ

追伸

よき戦史研究はよき民間活動に活かせます.
本著のような,本格的なのに専門外の人もワクワク
させてくれる中身を持つ戦史.
何度も何度も読みたいと思わせてくれる戦史.
これからもっともっと世に出てほしいです.

ほんとうに楽しかった(interesting!)です!
薄くなく厚くなく,いい感じの厚みの本です.

あなたとこの喜びを分かち合いたいですね!


『鷲の翼 F-15戦闘機─歴代イーグルドライバーの証言』
小峯隆生著(柿谷哲也・撮影)
四六判372ページ 
発行日 :2020.6
発行:並木書房
https://amzn.to/3JB9Ram


おはようございます,エンリケです.

『蘇る翼 F-2戦闘機』『永遠の翼 F-4戦闘
機』に続く「翼」シリーズの第3弾です.

F‐15Jイーグルは,1980年代初頭から空自
に導入され,わが主力戦闘機として40年近くわが国
の空を守ってきました.航空防衛力のまさに一翼を
担ってきたといって差し支えない存在です.

基本設計の優秀さと電子機器や搭載装備の近代化に
より,いまもトップクラスの実力を保有しています.

わが空を守って40年.
F‐35が増強され主力の座につくまでは,これから
も”荒鷲”F‐15の時代がまだまだ続くのです!

そんなF-15の物語を,著者の小峯さんが,新田原基
地の飛行教育隊をはじめ第305飛行隊,小松基地
のウェポンスクール,アグレッサー部隊まで,現役
の「イーグルドライバー」への現地取材をとおして
まとめあげたのがこの作品.

空自F‐15の軌跡と,ステルス時代の空戦の実相に
迫っています.

それだけではありません.
?鷲神?と呼ばれる空中戦の達人らの証言も収録さ
れているんです!


著者の小峯さんはこうおっしゃいます.

----------------------------------
本書では「イーグルドライバー」と呼ばれる現役の
パイロット,退官した元パイロットたちへのインタ
ビューや談話,F‐15を運用する飛行隊の姿をと
おして,日本の空を守るF‐15戦闘機の軌跡,現
在,そして将来の展望を解き明かしていきたい.
  そこで,F‐15の導入から戦力化に至る過程
で大きな役割を果たし,その後もF‐15によって
切り開かれた新しい空中戦のパイオニアとして活躍
した二人の戦闘機パイロットの話から始めよう.
  その二人とは,森垣英佐元1等空佐(75歳,
取材時.以下同じ)と西垣義治元1等空佐(72歳
)である.彼らはその強烈な個性と秀でた能力によ
って,空自のF‐15運用の歴史に大きな足跡を残
している.彼らを知るイーグルドライバーたちの中
では真の戦闘機操縦者の範として畏敬の念を込めて
?鷲神?と呼ぶ者もいる.
  二人がなぜ?神?たり得たのか? それはとり
もなおさず空中戦での圧倒的な強さだった.
(本文より)
-----------------------------------

読んでよくわかるのは,真のエリート中のエリート
しか登場しないこと,そういう人にしかできないこ
とが取り上げられていることです.

雲の上の出来事,話ばかりです.

真似できる一般人はいませんし,読んで日常生活に
活かせることもありません.

でもまあ,
空軍戦闘機,戦闘機パイロットというのは基本的に
一般人が「見上げる」しかできない存在ですね.

一般の方は,

人にここまでできるのか!
日本にもこういう人がいるんだ!

という驚きを味わえ,

航空ファンや空軍ファンは,

空中戦,トレーニング,整備,指揮統制,
航空機技術,わが防空の理解に資するところ大きい
でしょう.

とくに,戦闘機パイロット志望の若者には必読の書
です.


それではF-15ストーリーの内容を見ていきまし
ょう.

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◆はじめに(一部)

 空中戦で迅速,確実に敵機を撃墜できる戦闘機パ
イロットとは,サッカーにたとえれば,得点を挙げ
るセンターフォワードと,チャンスを作り,同時に
防御もするミッドフィルダーの役割を同時にこなす
ようなものなのだろうか?
「それといっしょです.戦闘機パイロットでサッカ
ーをやっている者は多くいます.空中戦のテクニッ
クにつながる部分がありますからね」
  筆者はこれまでの取材の中で,同じ話を聞いた
ことがある.
  サッカー元日本代表メンバーでイタリアのセリ
エAで活躍した中田英寿選手に取材した時だ.中田
選手はキラーパスで有名だ.ここぞという一点にボ
ールを蹴り出して,得点につなげる.それがどうし
てできるかというと,ゴール前の敵味方の動きと位
置関係を瞬時に見極める.同時に1秒後,2秒後,
3秒後の動きと位置も予測する.そこでゴールを狙
える一点にキラーパスを送るという.
  同じような話は,名著『大空のサムライ』の著
者で太平洋戦争中,零戦のエースパイロットだった
坂井三郎氏にインタビューした時にも聞いた.
「空戦域をさーっと見渡して,敵味方機が入り乱れ
ている.その中で早く撃墜できる敵機の順番を見い
だして,その一点に零戦を突っ込ませる」と坂井氏
は言っていた.サッカーと空中戦は異なるが,その
やり方は中田選手と同じだった.(中略)
  イーグルドライバーから見て?神?と呼べるよ
うなパイロットは何がちがうのでしょうか?
「一度でも,いっしょに飛んで動きを見ればわかり
ます.無線を通じて『オイ,なにやってんだ,右,
ちょい,左』とか『こら,遅い』などと,敵機や僚
機を見て,どのように戦闘を展開するか,敵機へど
う対処するか,指示を的確に出すレベルがちがいま
す.質の高いアドバイスが瞬時にできるんです.敵
味方,すべてを見ているからこそできる.大半の者
は見えていても判断ができないから,指示やアドバ
イスが出せない.だから,そのような指導ぶりを見
ると,パイロットならば『むっ,見てる,できる』
と思うわけですよ.これを訓練で何度か経験すると
尊敬するようになります.1回でも指導されたら,
レベルの違いがわかる世界なんです.ところが,新
米のパイロットは,それがすぐにはわからない.2
,3年経ってくると『あっ,あの時,こういう指導
をしていた.見えていたんだ.わかっていたんだ』
となる.すると『あの人は凄かったなー』と実感す
るわけです」
  空中戦とサッカーの共通点に注目したが,こう
なると,1960年代のハリウッドやイタリア製西
部劇映画に登場するような名人のガンマンと新人の
ガンマンの拳銃射撃修行に似ている.イーグルトラ
イバーは,さながら?空飛ぶガンマン?といえるか
も知れない.
?鷲神?と呼ばれる元イーグルトライバーに会う前
に,現在の新人イーグルドライバーがどう育てられ
ているのか,?ヒナ鷲?たちが翼を広げ,大空に羽
ばたこうとしている姿から取材を始めた.
----------------------------


◆目次

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はじめに

?鷲神?と呼ばれたパイロット/空中戦の様相

第1章 空飛ぶ教室──飛行教育航空隊第23飛行
隊(新田原基地)

F‐15のふるさと/飛行隊の朝/F‐15発進/
指導者の喜び/変えてはいけないもの/戦闘機乗り
に求められる資質/戦闘機操縦者にゴールはない/
パイロット学生の原点/初めての飛行訓練の感動/
空飛ぶ教室/スランプを脱するには?/理想のパイ
ロット像/若きサムライの夢/F‐15のコックピ
ット/太田教官のファミリーヒストリー/その心は?/
諦めない心/柔よく剛を制す/原点回帰/一人ひと
りに合った教育を/ラガーマン/?父子鷹?戦闘機
乗り/感謝の気持ちを持って/空中戦とは?


第2章 航空自衛隊とF‐15イーグル

最強戦闘機F‐15の誕生/各国のF‐15戦闘機/
日本のF‐15戦闘機/ストライク・イーグルへ
の発展/F‐15戦闘機の実戦/航空自衛隊へのF
‐15導入の経緯/最強戦闘機を選ばなければなら
ない理由/F‐14対F‐15/1年遅れたF‐1
5戦闘機の配備/最終調達数は213機

第3章 伝説のイーグルドライバー

?15人の鷲侍?/米国留学/性能抜群のF‐15/
F‐15の難点/「燃料漏れじゃないからOKだ」/
F‐15臨時飛行隊/第202飛行隊/北の守りの最
前線/F‐15対F‐104/新旧交代/戦闘能力点
検/飛行教導隊,謎の連敗続き/T‐2教導隊の強
さ/飛行教導隊の改革/T‐2からF‐15DJへ/
F‐15で変わった訓練方式/第202飛行隊の伝統/
2番機の人選/多忙な第202飛行隊/第202飛
行隊の教育訓練/空中戦訓練/全主力戦闘機に乗っ
た男/亜音速機から超音速機へ/複座戦闘機/パイ
ロットは新しもの好き/第202飛行隊

第4章 空中戦の極意──真剣勝負を制する

負けず嫌いのイーグルドライバー/?名刀?F‐15/
西垣隊長着任/部隊精強化の秘策/「コンバッ
ト・デパーチャー」の実践/硫黄島での実戦想定訓
練/「やるべきことはやる」/「ベリーサイドアタ
ック」/グリッド式エリアコントロール/飛行教導
隊の巡回教導/すでに地上で全機撃墜?/真剣勝負
の空中戦だった/西垣隊長が目指した日本一/戦技
研究チーム/支援戦闘機の護衛任務完遂/ミサイル
のミニマムレンジ実証研究/米海軍F‐14との対
戦/F‐14から再戦の申し込み/FA‐18との
対戦/強敵だった米空軍F‐15C/米海兵隊ハリ
アーとの対戦/最大の難敵はF‐104/空中戦の
極意/次世代の空中戦

第5章 防空の最前線──第305飛行隊(第5航
空団・新田原基地)

飛行隊始動/第305飛行隊発進/飛行隊の伝統/
タックネームは「009」/爽快感と緊張感/空中
戦で勝つには?/飛行隊長の役割/ミッション・ブ
リーフィング/パイロットへの道/ウイングマーク/
戦闘機操縦課程/第305飛行隊に着任/戦闘機
乗りの条件/さらなる目標/戦闘機パイロットにし
かできない仕事/継承される伝統/ウェポンスクー
ル/パイロットと兵器管制官/第305飛行隊に緊
張走る!/RF‐4飛来/中国艦隊の出現

第6章 ウェポンスクール──第306飛行隊(第
6航空団・小松基地)

小松基地/タックネーム「備前」の由来/第306
飛行隊/ウェポンスクール教官に聞く/空中戦訓練
の方法/空中戦の極意/最新装備がもたらすもの/
ウェポンスクールVS飛行教導群/本来の訓練目的/
第306飛行隊長室/航空優勢

第7章 アグレッサー飛行隊──航空戦術教導団
(小松基地)

飛行教導群/赤い星/ファントムライダー出身/教
導資格/F‐15を活かすには?/父子二代の「ア
グレッサー」/教育効果の重視/空中戦に白旗なし/
未来の空戦とは?/戦闘機との出会い/部隊統率/
巡回教導/F‐15と将来の航空戦/強さの源泉/
F‐15の役割

おわりに──明日のパイロットたちへ 

教訓を学ぶ/パイロットを目指す若者へ

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◆著者略歴
小峯隆生(こみね・たかお)
1959年神戸市生まれ.2001年9月から週刊「プレイ
ボーイ」の軍事班記者として活動.軍事技術,軍事
史に精通し,各国特殊部隊の徹底的な研究をしてい
る.著書は『新軍事学入門』(飛鳥新社)『蘇る翼
F-2B─津波被災からの復活』『永遠の翼F-4フ
ァントム』(並木書房)ほか多数.日本映画監督協
会会員.日本推理作家協会会員.筑波大学非常勤講
師,同志社大学嘱託講師.

◆カメラマン略歴
柿谷哲也(かきたに・てつや)
1966年横浜市生まれ.1990年から航空機使用事業で
航空写真担当.1997年から各国軍を取材するフリー
ランスの写真記者・航空写真家.撮影飛行時間約30
00時間.著書は『知られざる空母の秘密』(SBクリ
エイティブ)ほか多数.日本航空写真家協会会員.
日本航空ジャーナリスト協会会員.


本の役目の1つに,

「時空を超えて記録を伝えること」

があると考えます.

特に今の我が国(戦後日本)で出版される
「誠実な」軍事系書籍は非常に重要ではないでしょ
うか?

後世に生きる後輩たちが,国防や安保に関心を持っ
た時,今わたしたちが生きているこの時代の安保国
防軍事を振り返るよすがになる「素材」になるから
です.

あの時代の戦闘機はどんな感じだったのか?
あの時代の一般人は,戦闘機にどんなレベルの関心
と理解を持っていたのだろうか?・・・

後世に生きる後輩たちにこそ,
この本を残したい.

そんな意義を持つ本でもある,と感じました.

三冊目となる「翼」.
わが戦闘機の歴史理解に厚みを加えてくれるシリーズですね.
これからも継続してほしいです.

おススメです.

今回ご紹介したのは,

『鷲の翼 F-15戦闘機─歴代イーグルドライバーの証言』
小峯隆生著(柿谷哲也・撮影)
四六判372ページ 
発行日 :2020.6
発行:並木書房
https://amzn.to/3JB9Ram

でした.


エンリケ

追伸

とくにいまは,F−Xが動き始める端緒点にあります.
その意味からも,わが現有航空戦力に対する深い理解を
主権者として持つ必要があると思いますね.


小峯さんの「翼」シリーズ残り2冊
『蘇る翼 F-2B』
『永遠の翼 F-4ファントム』

と,

先日ご紹介した
『次期戦闘機開発をいかに成功させるか』
森本敏 (著), 岩崎茂 (著)

もあわせ読んだら,
わが航空戦力理解は立体的に深まるでしょうね.

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.6

『国家戦略で読み解く日本近現代史』
黒川雄三(著)
出版年月日:2019/09/06
判型・ページ数:A5・300ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3pLXoZB


おはようございます,エンリケです.

『令和の時代の日本人への教訓
ー国家戦略で読み解く日本近現代史ー』

と題された本著最大の特徴は,
幕末・明治から平成まで,我が国の歩みを「国家戦
略」を切り口にして分析している点です.
過去から現在までが8つに区分されています.

そのため,たとえば

・日露戦争から一次大戦までの時代,
・ベルサイユ・ワシントン体制下の時代

という分類.

しっくり感ありませんか?

さっそく内容を見ていきましょう.


◆目次

序章 幕末日本の国家戦略ー明治維新が現在の経
済・文化大国を産んだー 11

 1.幕末日本を取り巻く国際環境 12
  (1)幕府を取り巻く国際経済の環境 12
    東アジアの経済圏は戦国期から存在した/
鎖国はただ徳川家を守るために行われた/鎖国太平
は百年しか続かなかった/西力東漸の最大の原因は
第一次産業革命/海外貿易は海軍力によって拡大さ
れた
  (2)幕末日本の外交・安保環境 16
    欧米列強が東アジアに来襲/韓国・日本は
東北アジアの戦略的要衝

 2.幕末の外交・安保戦略 18
  (1)幕末日本社会の状況 18
    幕藩システムの矛盾が顕在化していく/シ
ステムの矛盾は経済から始まった
  (2)幕府の外交・安保戦略 21
    激烈・壮大な「十五年騒乱」の始まり/外
交・安保のイデオロギー理論(四つの戦略理論)と
は/二大闘争の時代区分/右往左往した幕府の戦略

 3.幕府の経済・通商戦略 32
  (1)幕末期の国内経済状況 32
    財政赤字とインフレが幕府経済を潰した/
都市商人から地方商人の時代に/開港経済(通商貿
易)の時代の功罪
  (2)幕府の経済・通商戦略 35
    幕府に経済戦略はなかったが,経済政策は
あった/田沼(意次)の改革が最も革新的/幕府の
通商・産業政策


第1章 明治新政府の国家戦略ー日清戦争までー 41

 1.明治初期の国際環境ー外交・安保・経済の環
境 41
    ヨーロッパ大変動の時代(ヨーロッパの春)/
帝国主義と植民地獲得競争の時代

 2.明治新政府の外交・安保戦略(日清戦争まで) 43
  (1)明治新政府の国是・国家目標・国政の大
方針 44
    開国進取・富国強兵・列強化が大目標
  (2)明治新政府の外交の基本方針 46
    列強化と不平等条約改正が外交の大命題
  (3)外交・安保戦略としての大陸政策(日清
戦争まで) 46
    太平洋戦争の遠因は幕末・明治にあった
  (4)第1期の大陸政策(日清戦争まで) 48
    征韓論=朝鮮半島への「こだわり」の始ま
り/日本による韓国開国の軍事・外交工作/韓国の
政変と日本の対清軍備の強化/日本の国軍の建設と
強化/日清の対立の激化と日本の戦争決意/日清戦争
直接の契機は東学党の乱
  (5)明治新政府の安全保障・国防戦略・国防
方針 56
    明治新政府の国防方針/守勢防御の戦略方
針/守勢防御から前方防衛(大陸防衛)戦略へ
  (6)不平等条約の改正 59
    押し付けられた不平等

 3.新政府の経済・通商戦略(日清戦争まで)63
    三つの戦略目標と八つの政策目標/財政赤
字と貿易赤字の解消こそが大命題/官営(国営)か
ら民営重視への転換/現代に通じる社会・金融イン
フラの整備/日本の技術を先導された軍需産業


第2章 日清・日露戦間期の国家戦略 73

 1.戦間期の北東アジアの国際環境 73
    ロシア主導の三国干渉/ロシアと清・韓と
の密約/列強の中国分割と北清事変(義和団の乱)
/ロシアの満洲軍事占領

 2.外交戦略 78
    大陸政策と南方政策/南方政策(北守南進
戦略)への一時転換/日英同盟の締結/ロシアとの
最終交渉と日露開戦

 3.安保・国防戦略 84
    国土防衛戦略から大陸攻勢戦略への転換/
日露戦争での攻勢戦略/太平洋戦争の敗戦は日露戦
争の勝利に始まった

 4.戦間期の経済・通商戦略 89
    軍備と重工業の育成が大命題/重工業化に
必要な金本位制/双子の赤字に苦しむ日本


第3章 日露戦争後の日本の国家戦略ー第一次大戦
までー 95

 1.日本を取り巻く国際環境 95
  (1)ヨーロッパ情勢 95
    ヨーロッパでの対立の激化
  (2)日米関係 97
    米国との対立の芽生え/米国の対日攻勢の
始まり/日米対立の進行
  (3)日露関係 101
    日露の協調と相互の警戒
  (4)日英関係 102
    空洞化の始まり
  (5)日韓関係 104
    韓国併合のプロセス

 2.外交戦略 107
  (1)大陸政策 107
    日本の満洲支配/満洲支配の積極化
  (2)日露戦後の外交戦略 110
    外交の基本は列強との協調
  (3)辛亥革命と大陸政策 112
    辛亥革命に乗じた日本
  (4)第一次世界大戦と大陸政策ー日本,二十
一カ条の爆弾要求を発す 114
  (5)中国政策の転換とロシア革命の勃発ー日
本,ロシア革命に軍事介入する 116

 3.安保・国防戦略 119
  (1)国家目標,国家戦略と国防方針
    北進と南進が国家の基本戦略/想定敵国と
情勢判断

 4.通商・経済戦略 125
  (1)国内の経済環境 125
    二つの危機,双子の赤字に苦しむ日本
  (2)対外経済の環境 126
    貿易赤字の拡大/資本収支はなぜか黒字
  (3)通商・経済戦略 128
    日露戦後経営/正貨危機と財政危機が切迫
した/産業の寡占化と財閥(コンツェルン)の発展


第4章 ベルサイユ・ワシントン体制下の日本の国
家戦略ー1927年の恐慌までー 133

 1.第一次大戦後の国際環境 133
    日米対立の激化
  (1)日米関係 135
    四国借款問題/ベルサイユ講和会議/ワシ
ントン軍縮会議/ワシントン会議・米外交への大反


 2.外交戦略 141
    国際協調時代の幕開け/四国借款団と大陸
政策

 3.安全保障・国防戦略 144
  (1)安保・国防環境の大変化 144
    戦争の様相が大きく変わった/海軍部内の
対立/陸軍部内の対立
  (2)帝国国防方針 160
    国防の本義/帝国国防方針/情勢判断/想
定敵国別の脅威度の判断

 4.通商・経済戦略(世界恐慌まで) 153
  (1)大戦期とその後の経済環境 153
    大戦ブーム,大正の「神風」が吹いた/重
化学工業化の進展/物価の急騰と通貨の膨張/一九
二〇年の反動恐慌/日本経済の実態と実力
  (2)日本の通商・経済戦略 158
    二大政党政治の戦略/国際収支の危機と一
九二七年の金融恐慌


第5章 昭和初期日本の国家戦略ー日中戦争までー 163

 1.昭和初期の国際環境 163
  (1)外交環境 163
    日本の国際的孤立とソ連の軍事大国化/日
米関係/日ソ関係

 2.外交戦略 171
  (1)幣原外相の国際協調外交ー三つの「外交
方針」と四つの「外交原則」,二つの「基本原則」 171
  (2)田中軍人内閣の外交政策・大陸政策ー満
洲事変のシナリオが出来上がる 174
  (3)中国の国権回復運動と満洲事変ー追い詰
められた日本と軍部の独走 176
  (4)犬養政友会内閣の外交政策ー軍人テロの
横行と政党政治の終焉 177
  (5)斎藤軍人内閣の外交政策ー日中戦争への
導火線が生まれた 178
  (6)広田弘毅の外交政策ー陸軍に足をとられ
た広田外交 179
  (7)無条約時代の国家戦略ー日本の運命を決
定した「国策の基準」 181

 3.安全保障,国防方針策定(改訂)とその経緯 183
  (1)石原大佐の日米決戦戦略と陸海軍の対立 183
  (2)海軍の国策要綱と陸海軍の妥協 186
  (3)帝国国防方針の策定(改訂)の経緯 187

 4.帝国国防方針 188

 5.通商・経済戦略 191
  (1)井上準之助の経済政策 191
    金本位制への復帰/世界大恐慌と金本位制
の崩壊
  (2)高橋是清の経済・通商戦略 194
    高橋財政の登場/日銀引受国債や赤字国債
の発行政策/低為替と高関税による保護主義/産業
構造の変化


第6章 八年戦争期の国家戦略ー日中戦争から終戦
までー 199

 1.一九三〇年代のヨーロッパ情勢 199
    激動するヨーロッパ

 2.日中戦争期の外交・軍事戦略 202
    日中戦争(支那事変)から太平洋戦争へ

 3.近衛(第一次)内閣の外交戦略 208
    陸軍と日中戦争処理に苦闘する近衛

 4.第二(三)次近衛内閣の外交戦略 211
    松岡外交と日米開戦

 5.太平洋戦争と国家戦略 217
  I.戦争と外交の戦略 
   (1)戦争の国家戦略 217
     戦争指導計画と戦争終結の腹案
   (2)外交戦略 219
     大東亜共同宣言
  II.攻勢期日本の軍事戦略
   (1)初期南方攻略作戦とハワイの奇襲 220
   (2)外郭要地に対する作戦 221
     大拡張戦略の失敗/ミッドウェイの攻略
戦/ガダルカナルの攻防戦
  III.防勢期日本の軍事戦略
   (1)太平洋正面の戦備強化と連合軍の反攻 223
     南東太平洋正面(ソロモン群島,ニュー
ギニア)の防備/中部太平洋正面(マレーシア,ギ
ルバート群島)の防備
   (2)絶対国防圏の設定ー実体なき防御ライ
ンの設定 225
   (3)絶対国防圏の「前哨地域」の失陥ーマ
ーシャル.ギルバート,東部ニューギニアの喪失 226
   (4)絶対国防圏(マリアナ)の失陥 227
     サイパンとグアムの喪失
   (5)フィリピンの失陥ーレイテ決戦の敗北 228
   (6)ビルマの失陥ーインパール作戦の悲劇 229
   (7)日本軍の戦略思想ー教条主義の失敗 230

 6.八年戦争期の通商・経済戦略 232
     戦時統制経済への転換/統制経済の展開/
統制経済の破綻と敗戦


第7章 戦後昭和期日本の国家戦略ー大発展した戦
後昭和期の日本ー 237

 1.外交戦略 237
  (1)敗戦と占領政策ーアメリカによる占領は
日本の復興にとって僥倖だった 237
  (2)東西冷戦と朝鮮戦争ーアメリカ,占領政
策を大転換する 238
  (3)対日講和と日米安保条約ー吉田ドクトリ
ン(国家戦略の原点)の誕生 239  
  (4)鳩山・岸内閣と日米安保の改訂ー外交三
原則で東南アジア市場を再開拓 240
  (5)池田・佐藤内閣と経済の大躍進ー所得倍
増と沖縄返還 242
  (6)田中・福田内閣のアジア外交ー福田ドク
トリンと日中国交回復 243
  (7)環太平洋構想と莫大な海外経済支援ー日
本が東アジアの経済発展を先導し成功させた 244
  (8)国際巨大経済酷寒い本と日米経済摩擦ー
プラザ合意,前川レポートからバブル崩壊へ 245

 2.安保戦略 246
  (1)自衛隊の発足と国防の基本方針ー長期・
具体的な防衛計画や有事法制は作られなかった 247
  (2)防衛計画の大綱以前の防衛計画(一九五
八年〜六〇年) 148
  (3)防衛計画の大綱以前の防衛・軍事戦略ー
専守防衛のドクトリン 250
  (4)防衛計画大綱の初度制定ー基盤的防衛力
構想が出現した 252
  (5)日米ガイドラインの初度制定ー日本の軍
事戦略が公表された 253

 3.経済・通商戦略 254
  (1)占領軍の日本経済改革ー東西冷戦と朝鮮
戦争が神風となった 254
  (2)焦土日本の経済復興ーハイパーインフレ
の克服と生産力の増強 255
  (3)ドッジ不況と朝鮮特需ー戦後第二の神風
が吹いた 255
  (4)史上初めて空前絶後の高度成長ー高度成
長の要因とは何であったか? 256
  (5)高度成長の終焉ー巨大経済大国からバブ
ル崩壊へ 258


第8章 平成日本の国家戦略ー衰退する平成期の日
本ー 261

 1.国際環境 262
    冷戦の終結と紛争・テロの多発時代/「多
国間協調」と「自国ファースト」のせめぎ合い

 2.外交戦略 266
  (1)湾岸戦争での失敗と橋本内閣の外交ー米
軍の有事後方支援が可能になった 263
  (2)日米関係の強化と小泉内閣の外交ー世界
における日米の戦略目標が設定された 263
  (3)安倍内閣の戦略外交ー集団自衛権が限定
的に容認された 264

 3.安保戦略 266
    日本の安保大変革の一五年を振り返る/日
米同盟が大変革した/大きく拡大・深化した日米同
盟の歴史とは
  (1)二〇〇一年のQDRと2+2合意ー東ア
ジア太平洋有事における日米両軍の一体化 268
  (2)二〇〇六年のQDRと2+2合意ー同盟やパー
トナーとの多国間・多層的な安保協力 269
  (3)二〇一〇年のQDRと2+2合意ー地域やグロ
ーバルな日米の国際安全保障協力 270
  (4)二〇一二年,米国の新軍事戦略と2+2合
意ーオフショア戦略と第三オフセット戦略へ 271

 4.経済・通商戦略 274
    平成大不況と新興国の大成長/小泉内閣の
構造改革/アベノミクスの登場


終 章 日本未来の国家戦略

 1.二〇五〇年の世界のトレンド 279
    イスラム世界の貧困と紛争は世界の長期的
リスク/中国,米国,インドなど超大国の覇権化は
制限される

 2.ICTとAIの技術が産業と社会の構造を変
える 282
    ロボット・AIの開発と実用化が飛躍的に
進展する/ICT(情報通信)技術の分野は引き続
き全産業を牽引する/無人兵器技術の高速の進化は
倫理上の大問題

 3.日本の外交・安保戦略の方向性は? 284
    まずは集団防衛から始め,最終目標は地域
的集団安全保障




おわりに 291

参照文献 293

------------------------------


◆著者略歴

黒川雄三(くろかわ・ゆうぞう)
1945年京都生まれ(滋賀県立膳所高校卒).防衛大学
校卒,指揮幕僚課程・防衛研修所(現防衛研究所)
一般課程(安全保障)修了.防衛大学校指導教官,
防衛庁陸上幕僚監部防衛部員,調査部員,調査部班
長,自衛隊地方協力本部長,陸戦学会理事,陸上自
衛隊幹部学校主任開発研究官などを歴任.元陸将補.
著書に『誰でもわかる防衛論』(2017年),『近代
日本の軍事戦略概史』(2003年),『戦略思想家事典』
(共著,2003年),『21世紀マネジメント戦略』(200
6年),論文に「孫子の軍事理論」(2005年),「日中
戦争初期の戦略問題」(1999年),「日中戦争中期の
戦略問題」(1999年)などがある.


本文最終ページに,著者の提案がコンパクトに示さ
れています.

 あらしめたい国家像(方向性・ビジョン)とは?
 あらしめたい社会像(方向性・ビジョン)とは?

について各々4つの項目が挙げられています.



今回ご紹介したのは,


『国家戦略で読み解く日本近現代史』
黒川雄三(著)
出版年月日:2019/09/06
判型・ページ数:A5・300ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3pLXoZB


でした.


エンリケ

追伸

国家戦略という物差しで時代を区分するアイデアが
素晴らしいと感じます.

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.8
おはようございます,エンリケです.

きょうは,陸軍の石原莞爾中将,海軍の高木惣吉少将
に関する作品をご案内します.

石原莞爾と言えば
・「天才」の名を欲しいままにした
・満洲国設立の中心人物
・敗戦時の裁判での態度が有名
・東條英機と犬猿の仲
という印象です.

石原莞爾
山形県出身.明治22年1月18日〜昭和24年8月15日.
大正7年陸大卒業.陸大教官となりドイツに出張.
戦史研究を行う.
昭和3年(1928),関東軍参謀.同6年満洲事変を実行
し,翌年の満洲国設立に至る事態を主導する.
同10年参謀本部作戦課長.11年,戦争指導課長とし
て,世界最終戦論に基づく軍事政策を立案する.
12年に作戦部長に就任も支那事変拡大に反対し東條
英機と対立し関東軍参謀副長に転出.14年陸軍中将・
第16師団長を最後に16年予備役編入.このあたりか
ら東亜聯盟運動に力を注ぐ.


『石原莞爾 満州ふたたび』
早瀬利之 著
出版年月日:2019/10/18
判型・ページ数 :四六版・320ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3JKUlsX

◆目次

----------------------
第1章 満州丸
第2章 刺 客
第3章 満州協和会
第4章 前線基地へ
第5章 綏芬河
第6章 満州里へ
第7章 軍略会議
第8章 哈爾濱の春
第9章 日産,満州の宴
第10章 黄砂吹き荒れる
第11章 満州建国大学
第12章 東條の陰謀
第13章 最後の講演
第14章 星降る街に
------------------

この本は,
満洲国の再建に孤軍奮闘する石原莞爾の苦悩と葛藤
を描いたノンフィクションです.

支那事変の発端となった第二次上海事変(昭和12年
8月)で作戦失敗の責任を負い参謀本部作戦部長を辞
任した石原莞爾は,関東軍に左遷され,東條英機参
謀長の下で参謀副長となりました.

この人事は,実は石原本人の希望だったそうです.
東條と甘粕正彦によって植民地化されていた満洲国を,
“五族協和”“王道楽土”の独立国に戻すことが目
的だったとか.

ところが,犬猿の仲といわれた東條との確執はより
激しくなり,夢破れた石原は昭和13年8月参謀副長
を辞めて帰国の途に就きました.

この1年間の石原の動きを克明に追い,彼
を取り巻く人々との熱い交流を描いています.


『石原莞爾 満州ふたたび』
早瀬利之 著
出版年月日:2019/10/18
判型・ページ数 :四六版・320ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3JKUlsX



つぎは高木さんです.

『終戦の軍師 高木惣吉海軍少将伝』
工藤 美知尋 著
出版年月日:2021/04/22
判型・ページ数:四六版304ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3sMevMY



高木惣吉(たかぎ・そうきち)
海軍少将・軍事評論家.
明治26(1893)年11月10日熊本県人吉市出身.大正4年12月海軍兵学校(第43期)卒,昭和2年海軍大学校卒.
昭和5年,財部海相秘書官,この間,ロンドン会議後の海軍,政界の経験をするも結核のため1年療養.
12年臨時調査課長.14年海大教官.15年調査課長.17年舞鶴鎮守府参謀長.19年海軍省教育局長などを歴任.
同年9月海軍省出仕となり,米内光政,井上成美らの内意を受けて終戦工作に動き,
近衛文麿,細川護貞らと連絡,東条内閣の打倒に尽力.東条暗殺計画にも関係した.
昭和18年海軍少将.20年9月東久邇内閣の内閣副書記官長.戦後は著述活動に従事.昭和54(1979)年7月27日逝去.
著書に「太平洋海戦史」「私観太平洋戦争」「自伝的日本海軍始末記」「高木惣吉日記」などがある.

海軍省調査課長として海軍政策立案に奔走し, 東条
内閣打倒工作,東条英機暗殺計画,終戦工作に身を
挺したといわれる高木惣吉少将.

地味な経歴のわりに不釣り合いな名声を得ている感
を持つこの人物についての評伝,ということで興味
を惹かれました.

中身はこんな感じです.


◆目次
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プロローグ 高木惣吉の人物像──七十七忌法要で
語られた素顔
「今の日本が平和なのは高木さんの終戦工作のおか
げ」─森元治郎氏
「?京都学派?は高木人脈」─鈴木成高氏
「死の休息」─石田百合子さん
「高木さんの存在は日本海軍の神経中枢だった」─
扇一登氏
「戦前,戦後,外務省の仕事に協力してくれた人」
─宮崎勇氏
「京都学派は高木さんの戦略と戦術の網にかかった」
─高山岩男氏
 内田一臣,中村悌次,二人の元海幕長のスピーチ
「何事にも必死な高木さんは偉大な師」─新名丈夫氏

第一部 高木惣吉の原点と海軍人生
貧窮の家庭に生まれる/海軍兵学校,海軍大学校と
エリートコースに乗る/フランス駐在,妻静江への
想いを手紙に託す/第一次世界大戦後の情勢/海軍
省に戻り,大臣秘書官に/結核による長期療養後,
海軍大学校教官として復帰/海軍良識派提督の更迭/
二・二六事件の発生/軍務局員と海大教官を兼任

第二部 海軍省調査課長時代
初代海軍省調査課長に就任/防共協定強化問題と高
木惣吉/日独伊三国同盟の成立/ブレーン・トラス
トと高木惣吉/「日米了解案」と高木惣吉/難航す
る日米交渉/東条内閣の出現と日米開戦

第三部 東条内閣打倒工作と高木惣吉
舞鶴鎮守府参謀長時代/憲兵による「京都学派」に
対する弾圧/松前重義と海軍省調査課/高松宮と細
川護貞/高木,東条・嶋田の戦争指導体制に絶望/
高松宮,東条独裁体制の崩壊を図る/高木,岡田啓
介元首相に伏見宮工作を依頼/高木,嶋田海相更迭
工作に着手/東条・嶋田の総長兼任に海軍内でも怒
り沸騰/東条暗殺に突き進む高木惣吉/高木,東条
暗殺を決意!/高木・岡田に東条暗殺を表明/「聖
断」による終戦構想の萌芽/岡田・東条の対決/最
後の手段は暗殺!

第四部 終戦工作に奔走する高木惣吉
高木に終戦工作の密命下る/小磯内閣の命脈尽きる/
各方面で胎動する終戦への模索/対ソ交渉案/八
月九日午前零時,ソ連軍侵攻/無条件降伏か,条件
付き降伏か/歴史的な深夜の御前会議/阿南陸相,
ポツダム宣言に断固反対/再び「聖断」下る

エピローグ 脳裏に浮かぶ四人の顔

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本著によると,高木さんは
熊本県人吉の貧しい家庭に生まれ,苦学の末海軍大
学校を首席で卒業した帝国海軍エリートでしたが,
健康上の理由(結核)から軍政畑が長く,海軍省調
査課長として海軍政策の立案に深く関与したらしい
です.

結構知られているのが,米内・井上から秘密裏に命
じられた終戦工作にかかわったとされることで,政
財界,官界の情報収集,分析に才を発揮したと言わ
れます.

終戦直前には,東条英機暗殺計画の立案もしていた
そうです.

注目すべきは
安倍能成,和辻哲郎,矢部貞治ら民間の知識人を糾
合して結成された「ブレーン・トラスト」の発案者
であり,西田幾多郎らの“京都学派”の学者と太い
パイプを持っていた,という点です.


今回ご紹介したのは,

『石原莞爾 満州ふたたび』
早瀬利之 著
出版年月日:2019/10/18
判型・ページ数 :四六版・320ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3JKUlsX


『終戦の軍師 高木惣吉海軍少将伝』
工藤 美知尋 著
出版年月日:2021/04/22
判型・ページ数:四六版304ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3sMevMY



でした.


エンリケ

追伸

「国家エリートの仕事」は結果評価です.
こういう大前提をもったうえで過去の人
のはなしに接することが重要と感じます.


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.8
おはようございます,エンリケです.

宇宙空間,サイバー空間での戦いが熾烈を極め,領
域横断的作戦用兵も指向される今後の軍事の世界に
不可欠といえるドローン,人工知能,ロボット,
3Dプリンターなど軍事転用可能な革新的な民生技
術に注目が集まっています.

こうした技術革新は戦争や平和のあり方にどのよう
な影響を与えるのでしょうか?

国際政治,軍事・安全保障分野の気鋭の研究者18人
が,テクノロジーの視点でこれからの時代を展望し
ているのがこの本です.

軍事技術は時代の最先端技術を真っ先に取り入れて
実用化したものといわれますが,昨今の技術の進化
はすさまじく,これから先の軍事世界で実用化され
るであろう最先端技術は,昔と比べて山ほどあるよ
うです.

この本は,一般人でも理解できることばと長さで軍
事技術の動向を分野ごとに記した小論集.

著者は全部で18名.
16本の小論,まえがき,あとがきという名の道下
さんの小論,そして関東防衛局長へのインタビュー
記事からなる,読みやすい軍事技術論集といえます.

何が変わって何が変わらないのか?
を考える上で大切な視座へのヒントも多々ありますね.

軍用犬の復活も,実に興味深い視点です.

一見軍事とは無関係な印象を与える技術が軍事の進
歩につながっていることもわかります.けっきょく,
時代の最先端技術に,包括的に最も敏感な分野が軍
事分野なんだなあとあらためて感じます.

だからこそ,
技術や理論の実用化を考えるエンジニアの方は,
軍事分野の技術動向のフォローが必須なのでしょう.

内容は次の通りです.


■目次

はじめに(道下徳成)

第1部 技術が変える戦略領域
 技術が変える宇宙の軍事利用(村野将)
 変わりゆくサイバー空間での戦争(川口貴久)
 脳・神経科学が切り開く新たな戦略領域(土屋貴裕)

第2部 技術が変える軍事環境
 技術革新と軍の文化の変容(安富淳)
 技術革新とハイブリッド戦争
  ロシアを中心として (小泉悠)
 技術が変える南アジアの安全保障(長尾賢)
 韓国の戦力増強政策の展開と軍事産業の発展
  新技術獲得を目指す執念とその弊害(伊藤弘太郎)

■特別インタビュー
 日本の防衛装備品の課題と今後の展望(堀地徹)

第3部 技術が変える戦争形態
 ドローン技術の発展・普及と米国の対外武力行使
  その反作用と対応(齊藤孝祐)
 3Dプリンタが変える戦争(部谷直亮)
 AIとロボティクスが変える戦争(佐藤丙午)

第4部 技術が変える国際紛争
 技術革新と核抑止の安定性に係る一考察
  極超音速兵器を事例として(栗田真弘)
 トランスナショナル化するテロリズム
  現代技術はテロの脅威をどう変えたのか?
  (和田大樹)
 技術進歩と軍用犬
  対テロ戦争で進むローテクの見直し(本多倫彬)

第5部 技術革新は何を変えたか
 技術が変えた戦争環境(中島浩貴)
 技術が変えない軍の特質
  海兵隊を事例に (阿部亮子)
 軍における技術進歩の知的背景
  米陸軍のドクトリンと「作戦術」中心の知的
  組織への挑戦(北川敬三)


いかがでしょうか?

今年は,時間を作ってぜひご一読してはいかが
でしょうか?
あなたの新たな知的生活を支える知的インフ
ラになるかもしれませんよ!

今回ご紹介したのは,

「「技術」が変える戦争と平和」
著者 道下 徳成 編著
出版社 :芙蓉書房出版 (2018/10/5)
発行:2018/10/05
判型・ページ数 A5判240ページ
https://amzn.to/3GqRi6I

でした.



エンリケ


追伸
軍事技術の論文は,とっつきにくいものですが,
そういう先入観を抜いて読んでみると,
意外に身近なところとつながっていることがわかっ
て距離が近くなるきっかけになるケースが多いです.
専門家による軍事技術のはなしにはそういうところ
がありますよ.面白いですね!

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.15

『米軍から見た沖縄特攻作戦
 ─カミカゼ vs. 米戦闘機,レーダー・ピケット艦』
ロビン・リエリー著
小田部哲哉訳
判型・ページ数:A5判420ページ
発行日 :2021.8
発行:並木書房
https://amzn.to/3pDrf6z


おはようございます,エンリケです.

「特攻機の戦果を誰がどんな形で確認していたのだ
ろう?」

という疑問を持ったことはありませんか?


・あなたは「レーダー・ピケット(RP)任務」とい
う言葉を聞いたことがありますか?

・あなたは「レーダー・ピケット(RP)任務」をご
存じですか?

・あなたは,特攻攻撃でもっとも損害を受けた米海
軍の艦艇がレーダー・ピケット(RP)任務にあたっ
た艦艇だったことを知っていますか?


もし気になるなら,読み進めてください.

この本を読む最大の意義は,
大東亜戦争当時に「レーダー・ピケット(RP)任
務」というものがあったことを知ること,そして,
わが特攻機の行動と最期を米戦闘記録をつうじて再
現することにあります.

これまで明らかにされることのなかった,出撃後の
日本軍機の行動とその最期を米軍の戦闘日誌,戦闘
報告などに基づき克明に再現しています.

知られざる特攻作戦の実像を明かしてくれる貴重な
記録・資料といってよいでしょう.

沖縄戦で日本陸海軍機の特攻の損害を最も受けたの
は空母・戦艦でなく,沖縄本島周辺の21か所の海域
に配置された駆逐艦や各種小型艦艇などのレーダー・
ピケット艦艇だったのです.

配置された206隻のうち29パーセントが沈没・
損傷し,戦死者1348人,負傷者1586人とい
う甚大な被害を出しました,,,,,


ではこのノンフィクションの内容を見ていきましょう.

(著者のことば)より
<カミカゼ攻撃は,気の狂った者が命令した狂信的
な任務ではなかった.アメリカ人に日本侵攻が高く
つくことを示して,侵攻を思い止まらせる唯一理性
的で可能な方法だった.この考えで,日本人は多く
の航空機とパイロットを片道攻撃に投入した.カミ
カゼの数は,フィリピンの時よりもはるかに多かっ
たので,アイスバーグ作戦の防空計画は不十分なも
のになった.戦闘機指揮・管制駆逐艦の防空強化に
役立つと考えられた武装小型艦艇だったが,その優
位性を活かせる場面が少なかった.
これから述べることは,ほぼ間違いなく第2次世界
大戦で最も困難な海上任務の1つに携わった人々と,
艦艇と海軍・海兵隊・陸軍の航空機,そして戦闘がど
のように展開したかを再現したものである.>

(訳者のことば)より
<日本の特別攻撃隊に関する書籍の場合,その多く
が描いているのは,基地を発進するまでの状況であ
る.帰還を想定していない特別攻撃隊の特殊性など
から,発進後の米艦艇・戦闘機との交戦状況とその
最期を記載したものはわずかである.本書は,米軍
の目を通したものであるが,日本軍機の搭乗員が何
とか米艦艇に突入しようとして,米軍の戦闘機およ
び艦艇の対空砲火を避ける行動をとり,どのような
最期を遂げたかを明らかにしてくれる.
  特別攻撃隊員の中には,自ら進んで,国・家族
を守るため特別攻撃隊員を志願した者もいる.一方
,死を望まないものの置かれた立場上,特別攻撃隊
員として出撃するしかないと考えた者もいる.いず
れの場合であれ,特別攻撃隊員になることが決まっ
た以上,いま自分ができること,すべきことは敵艦
に突入することだけだ,と言い聞かせて出撃したで
あろう.本書が描いている日本軍機の飛行状況から,
そのような任務達成の使命感,その一方で任務を
果たさずに撃墜されることの懸念を読み取ることが
できる.もちろんこれは通常攻撃の隊員も同じ思い
であっただろう.>


◆著者のことば(一部)

-----------------------------------
 米軍が作成した報告書と戦後の文献は,カミカゼ
を「自殺(suicide)パイロット」としており,本
書では便宜上「自殺」の言葉を使用している.しか
し,「自殺」は特別攻撃を行なった者の行為に対す
る表現としてふさわしくないと考えている.
  国土が侵攻される状況に直面した時,軍国主義
の日本政府は,家と家族を守る唯一の方法は,航空
機,舟艇,その他の武器を使って自らの体を米艦艇
に突入させることが最も効果的だとして特別攻撃を
行なう者を説得した.
  日本軍パイロットの多くはこの政府の主張が正
しいとは思っていなかったが,彼らは男性がしばし
ば戦場で見せる行為を実践した.命令に従い,家族,
友人,そして国のために自分自身を犠牲にしたの
だ.これは自殺とはまったく異なる.
  特別攻撃隊員の行為を自殺と記載している報告
を必要上引用しているが,最初にこれを区別してお
くことは重要だと考えている.日本人でこの任務を
自殺と考える者はいない.この方法を「必要に迫ら
れた特別兵器」と考えている.私は自殺と表現する
ことに同意できないが,すべての公式記録が自殺を
使用しており,表現を変えると混乱が生じるため,
この言葉を使わなくてはならない.
  陸軍航空本部長だった河辺正三大将は,戦後の
米軍の尋問に対して次のように語った.
「連合軍は,カミカゼ攻撃を『自殺』攻撃と呼んで
いる.これは誤解であり,これを『自殺』攻撃と言
われることは不快である.彼らは『自殺』ではない.
自殺をしようと思って任務に就いたパイロットは
いない.彼らは自分自身を,祖国のために敵艦隊を
少しでも破壊することのできる人間爆弾と考えてい
た.これを名誉あることと考える一方で,自殺は名
誉なことだと考えなかった」(1)
  この尋問に対して,ラムセイ・D・ポッツ陸軍
大佐は「このような行為を表現できるほかの言葉が
ないので,『自殺』と言っていた」と述べた.

(1) Lt.Gen. Masakazu Kawabe USSBS Interrogation # 277.2 November 1945 P
------------------------------------



◆目次

---------------------------------

著者のことば 1
翻訳にあたって 6

序章 レーダー・ピケット(RP)任務 13

 沖縄侵攻「アイスバーグ作戦」13
  ピケット艦艇が攻撃目標になった 15
  陸上レーダー施設の必要性 17
  過労と神経衰弱 20
  最も困難な任務 21

第1章 駆逐艦と武装小型艦艇 23

 さらに激しいカミカゼ攻撃を予想 23
  戦闘空中哨戒(CAP)との調整 24
  レーダー・ピケット艦艇(RP艦艇)の概要 25
  機動砲艇 28
  ロケット中型揚陸艦 29
  大型揚陸支援艇LCS(L)Mk.3 31
  駆逐艦 34
  敷設駆逐艦(DM)40
  掃海駆逐艦(DMS)40
  護衛駆逐艦(DE)41
  RP艦艇の戦術 42
  効果的なCAPの運用 46
  友軍誤射 47
  カミカゼに対する戦術 48

第2章 航空戦闘 51

 戦闘空中哨戒(CAP)51
  CAPの戦闘機部隊組織 53
  海兵戦闘飛行隊が沖縄に到着 58
  サンダーボルトが伊江島に到着 64
  救難作業 67
  米軍の航空機 68
  FM-2ワイルドキャット 68
  F4Uコルセア 70
  F6Fヘルキャット 73
  P-47Nサンダーボルト 75
  F6F-5Nヘルキャット 76
  P-61ブラック・ウィドウ 76
  日本軍機と米軍機の比較 77
  カミカゼ 80
  天号作戦 82
  日本海軍航空隊 88
  日本陸軍航空部隊 91

第3章“地獄の戦い”始まる 96

 1945年3月24日(土)96
  3月26日(月)96
  3月30日(金)98
  3月31日(土)99
  4月1日(日)100
  4月2日(月)102
  4月3日(火)103
  4月4日(水)106
  4月5日(木)107
  4月6日(金)109
  4月7日(土)123
  4月8日(日)126
  4月9日(月)128
  4月10日(火)129
  4月11日(水)129
  4月12日(木)130
  4月13日(金)154

第4章 彼らは群になってやって来た 159

  4月14日(土)159
  4月15日(日)161
  4月16日(月)164
  4月17日(火)183
  4月18日(水)185
  4月20日(金)187
  4月21日(土)187
  4月22日(日)188
  4月23日(月)193
  4月24日(火)194
  4月25日(水)194
  4月26日(木)195
  4月27日(金)〜28日(土)195
  4月29日(日)〜30日(月)204

第5章 死んだ者がいちばん幸せだった 210

 5月の概況 210
  5月3日(木)〜4日(金)210
  5月5日(土)〜6日(日)245
  5月7日(月)〜9日(水)246
  5月10日(木)〜11日(金)247

第6章 心からの「よくやった」266

 サンダーボルトが到着 266
  5月12日(土)〜14日(月)266
  5月15日(火)〜19日(土)270
  5月20日(日)〜22日(火)279
  5月23日(水)〜25日(金)280
  5月26日(土)〜31日(木)290
  5月のRP艦艇状況 301

第7章 勇気の代償 303

 6月の概況 303
  6月1日(金)〜2日(土)303
  6月3日(日)〜7日(木)304
  6月8日(金)〜12日(火)317
  6月13日(水)〜17日(日)328
  6月18日(月)〜22日(金)328
  6月24日(日)337
  6月25日(月)337
  6月30日(土)339
  7月1日(日)339
  7月2日(月)〜13日(金)340
  7月14日(土)342
  7月29日(日)343
  7月30日(月)〜31日(火)347
  8月1日(水)〜6日(月)347
  8月7日(火)〜8日(水)348
  8月9日(木)〜13日(月)348
  8月15日(水)349

第8章 RP艦艇がこうむった大きな損失 351

  損失は許容範囲内である 351
  カミカゼ攻撃の特性 351
  日本軍パイロットの経験不足 353
  武装小型艦艇の不適切な運用 353
  任務に適していない艦艇の配置 355
  不適切なRPSの戦力 357
  陸上レーダーの早期設置に失敗 359
  乗組員の疲労 360
  訓練時間の不足 362
  RP艦艇が多くの艦艇を損害から救った 363

資料1 レーダー・ピケット(RP)任務における
艦艇の損害 365
資料2 沖縄のレーダー・ピケット(RP)任務に
就いた艦艇 368
資料3 日本軍機 RPS攻撃に使用された機体 371
資料4 機体識別(海軍省海軍情報部)373
資料5 日本軍飛行場と主要用途 380

脚注 382
参考文献 396
翻訳で利用した主な引用・参考文献 419

---------------------------------

◆著者略歴
Robin L. Rielly(ロビン・L・リエリー)
1942年生まれ.沖縄戦当時,父親がLCS(L)-61に乗
艦していたことから,USS LCS(L) 1-130協会で約
15年間歴史研究を行なう.1962〜63年,海兵隊員と
して厚木で勤務.シートン・ホール大学修士課程卒
業.ニュージャージー州の高校の優等生特別クラス
で米国史,国際関係論を32年間教え,2000年退職.
本書を含め日本の特攻隊,米海軍揚陸作戦舟艇関係
の本を5冊執筆.『Kamikaze Attacks of World
War II』『Mighty Midgets At War』『American
Amphibious Gunboats in World War II』『Kamika
ze Patrol』.空手に関する著書も多く,International
Shotokan Karate Federationで技術副委員長を務め
るかたわら自ら空手を教えている.現在8段.

◆訳者略歴
小田部哲哉(おたべ・てつや)
1947年生まれ.三菱重工業(株)の航空機部門で勤
務.退職後は月刊誌『エアワールド』に「アメリカ
の航空博物館訪問記」を,月刊誌『航空情報』に「
アメリカ海兵航空隊の歴史」をそれぞれ連載したほ
か,ヘリコプター関連記事を月刊誌『Jウイング』
に掲載した.母方の伯父が第14期海軍飛行専修予備
学生出身の神雷部隊爆戦隊員として鹿屋から出撃,
未帰還となったことから航空機や航空戦史に関心を
寄せていた.


いかがでしょうか?

昭和20年(1945年)4月に始まった米軍の沖縄侵
攻作戦.これにともない米海軍は,沖縄に上陸した
陸軍,海兵隊,海軍艦艇を守るため,沖縄周辺海域
に21か所のレーダー・ピケット・ステーション(RP
S)を設定し,レーダー・ピケット艦艇(RP艦艇)
を配置しました.

わが陸海軍機は,沖縄米軍を攻撃するにしてもその
前にRP艦艇に探知されます.そのためまずRP艦艇を
攻撃する必要がありました.

それだけではありません.大型艦(空母や戦艦,巡
洋艦)には損傷しか与えられませんが,RP艦艇のよ
うな小型艦艇なら撃沈できます.
そのため,RPSに配置された駆逐艦と小型艦艇部隊が
わが軍機最大の目標になったのです.

淡々とした記録が,胸に迫ります.

これまでほとんど明らかにされてこなかった
帝国陸海軍の特攻機の最期を,敵の戦闘日誌,戦闘
報告等に基づいて詳細克明に描き出した作品.

あなたにも,あなたのお知り合いにも読んでいただ
きたいです.心からおススメします.


今回ご紹介したのは,

『米軍から見た沖縄特攻作戦─カミカゼ vs.
米戦闘機,レーダー・ピケット艦』
ロビン・リエリー著
小田部哲哉訳
判型・ページ数:A5判420ページ
発行日 :2021.8
発行:並木書房
https://amzn.to/3pDrf6z

でした.


エンリケ

追伸

希少な戦闘詳報.
沖縄特攻作戦の模様を米軍側が記録したもの.
航空総攻撃,菊水作戦など「特攻」の実像と
戦果確認に資する資料的価値を持つ.
特攻で散った勇猛果敢な英霊を思い,感謝と
慰霊の涙が止まらない.

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.13

『国家戦略で読み解く日本近現代史』
黒川雄三(著)
出版年月日:2019/09/06
判型・ページ数:A5・300ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3pLXoZB


おはようございます,エンリケです.

『令和の時代の日本人への教訓
ー国家戦略で読み解く日本近現代史ー』

と題された本著最大の特徴は,
幕末・明治から平成まで,我が国の歩みを「国家戦
略」を切り口にして分析している点です.
過去から現在までが8つに区分されています.

そのため,たとえば

・日露戦争から一次大戦までの時代,
・ベルサイユ・ワシントン体制下の時代

という分類.

しっくり感ありませんか?

さっそく内容を見ていきましょう.


◆目次

序章 幕末日本の国家戦略ー明治維新が現在の経
済・文化大国を産んだー 11

 1.幕末日本を取り巻く国際環境 12
  (1)幕府を取り巻く国際経済の環境 12
    東アジアの経済圏は戦国期から存在した/
鎖国はただ徳川家を守るために行われた/鎖国太平
は百年しか続かなかった/西力東漸の最大の原因は
第一次産業革命/海外貿易は海軍力によって拡大さ
れた
  (2)幕末日本の外交・安保環境 16
    欧米列強が東アジアに来襲/韓国・日本は
東北アジアの戦略的要衝

 2.幕末の外交・安保戦略 18
  (1)幕末日本社会の状況 18
    幕藩システムの矛盾が顕在化していく/シ
ステムの矛盾は経済から始まった
  (2)幕府の外交・安保戦略 21
    激烈・壮大な「十五年騒乱」の始まり/外
交・安保のイデオロギー理論(四つの戦略理論)と
は/二大闘争の時代区分/右往左往した幕府の戦略

 3.幕府の経済・通商戦略 32
  (1)幕末期の国内経済状況 32
    財政赤字とインフレが幕府経済を潰した/
都市商人から地方商人の時代に/開港経済(通商貿
易)の時代の功罪
  (2)幕府の経済・通商戦略 35
    幕府に経済戦略はなかったが,経済政策は
あった/田沼(意次)の改革が最も革新的/幕府の
通商・産業政策


第1章 明治新政府の国家戦略ー日清戦争までー 41

 1.明治初期の国際環境ー外交・安保・経済の環
境 41
    ヨーロッパ大変動の時代(ヨーロッパの春)/
帝国主義と植民地獲得競争の時代

 2.明治新政府の外交・安保戦略(日清戦争まで) 43
  (1)明治新政府の国是・国家目標・国政の大
方針 44
    開国進取・富国強兵・列強化が大目標
  (2)明治新政府の外交の基本方針 46
    列強化と不平等条約改正が外交の大命題
  (3)外交・安保戦略としての大陸政策(日清
戦争まで) 46
    太平洋戦争の遠因は幕末・明治にあった
  (4)第1期の大陸政策(日清戦争まで) 48
    征韓論=朝鮮半島への「こだわり」の始ま
り/日本による韓国開国の軍事・外交工作/韓国の
政変と日本の対清軍備の強化/日本の国軍の建設と
強化/日清の対立の激化と日本の戦争決意/日清戦争
直接の契機は東学党の乱
  (5)明治新政府の安全保障・国防戦略・国防
方針 56
    明治新政府の国防方針/守勢防御の戦略方
針/守勢防御から前方防衛(大陸防衛)戦略へ
  (6)不平等条約の改正 59
    押し付けられた不平等

 3.新政府の経済・通商戦略(日清戦争まで)63
    三つの戦略目標と八つの政策目標/財政赤
字と貿易赤字の解消こそが大命題/官営(国営)か
ら民営重視への転換/現代に通じる社会・金融イン
フラの整備/日本の技術を先導された軍需産業


第2章 日清・日露戦間期の国家戦略 73

 1.戦間期の北東アジアの国際環境 73
    ロシア主導の三国干渉/ロシアと清・韓と
の密約/列強の中国分割と北清事変(義和団の乱)
/ロシアの満洲軍事占領

 2.外交戦略 78
    大陸政策と南方政策/南方政策(北守南進
戦略)への一時転換/日英同盟の締結/ロシアとの
最終交渉と日露開戦

 3.安保・国防戦略 84
    国土防衛戦略から大陸攻勢戦略への転換/
日露戦争での攻勢戦略/太平洋戦争の敗戦は日露戦
争の勝利に始まった

 4.戦間期の経済・通商戦略 89
    軍備と重工業の育成が大命題/重工業化に
必要な金本位制/双子の赤字に苦しむ日本


第3章 日露戦争後の日本の国家戦略ー第一次大戦
までー 95

 1.日本を取り巻く国際環境 95
  (1)ヨーロッパ情勢 95
    ヨーロッパでの対立の激化
  (2)日米関係 97
    米国との対立の芽生え/米国の対日攻勢の
始まり/日米対立の進行
  (3)日露関係 101
    日露の協調と相互の警戒
  (4)日英関係 102
    空洞化の始まり
  (5)日韓関係 104
    韓国併合のプロセス

 2.外交戦略 107
  (1)大陸政策 107
    日本の満洲支配/満洲支配の積極化
  (2)日露戦後の外交戦略 110
    外交の基本は列強との協調
  (3)辛亥革命と大陸政策 112
    辛亥革命に乗じた日本
  (4)第一次世界大戦と大陸政策ー日本,二十
一カ条の爆弾要求を発す 114
  (5)中国政策の転換とロシア革命の勃発ー日
本,ロシア革命に軍事介入する 116

 3.安保・国防戦略 119
  (1)国家目標,国家戦略と国防方針
    北進と南進が国家の基本戦略/想定敵国と
情勢判断

 4.通商・経済戦略 125
  (1)国内の経済環境 125
    二つの危機,双子の赤字に苦しむ日本
  (2)対外経済の環境 126
    貿易赤字の拡大/資本収支はなぜか黒字
  (3)通商・経済戦略 128
    日露戦後経営/正貨危機と財政危機が切迫
した/産業の寡占化と財閥(コンツェルン)の発展


第4章 ベルサイユ・ワシントン体制下の日本の国
家戦略ー1927年の恐慌までー 133

 1.第一次大戦後の国際環境 133
    日米対立の激化
  (1)日米関係 135
    四国借款問題/ベルサイユ講和会議/ワシ
ントン軍縮会議/ワシントン会議・米外交への大反


 2.外交戦略 141
    国際協調時代の幕開け/四国借款団と大陸
政策

 3.安全保障・国防戦略 144
  (1)安保・国防環境の大変化 144
    戦争の様相が大きく変わった/海軍部内の
対立/陸軍部内の対立
  (2)帝国国防方針 160
    国防の本義/帝国国防方針/情勢判断/想
定敵国別の脅威度の判断

 4.通商・経済戦略(世界恐慌まで) 153
  (1)大戦期とその後の経済環境 153
    大戦ブーム,大正の「神風」が吹いた/重
化学工業化の進展/物価の急騰と通貨の膨張/一九
二〇年の反動恐慌/日本経済の実態と実力
  (2)日本の通商・経済戦略 158
    二大政党政治の戦略/国際収支の危機と一
九二七年の金融恐慌


第5章 昭和初期日本の国家戦略ー日中戦争までー 163

 1.昭和初期の国際環境 163
  (1)外交環境 163
    日本の国際的孤立とソ連の軍事大国化/日
米関係/日ソ関係

 2.外交戦略 171
  (1)幣原外相の国際協調外交ー三つの「外交
方針」と四つの「外交原則」,二つの「基本原則」 171
  (2)田中軍人内閣の外交政策・大陸政策ー満
洲事変のシナリオが出来上がる 174
  (3)中国の国権回復運動と満洲事変ー追い詰
められた日本と軍部の独走 176
  (4)犬養政友会内閣の外交政策ー軍人テロの
横行と政党政治の終焉 177
  (5)斎藤軍人内閣の外交政策ー日中戦争への
導火線が生まれた 178
  (6)広田弘毅の外交政策ー陸軍に足をとられ
た広田外交 179
  (7)無条約時代の国家戦略ー日本の運命を決
定した「国策の基準」 181

 3.安全保障,国防方針策定(改訂)とその経緯 183
  (1)石原大佐の日米決戦戦略と陸海軍の対立 183
  (2)海軍の国策要綱と陸海軍の妥協 186
  (3)帝国国防方針の策定(改訂)の経緯 187

 4.帝国国防方針 188

 5.通商・経済戦略 191
  (1)井上準之助の経済政策 191
    金本位制への復帰/世界大恐慌と金本位制
の崩壊
  (2)高橋是清の経済・通商戦略 194
    高橋財政の登場/日銀引受国債や赤字国債
の発行政策/低為替と高関税による保護主義/産業
構造の変化


第6章 八年戦争期の国家戦略ー日中戦争から終戦
までー 199

 1.一九三〇年代のヨーロッパ情勢 199
    激動するヨーロッパ

 2.日中戦争期の外交・軍事戦略 202
    日中戦争(支那事変)から太平洋戦争へ

 3.近衛(第一次)内閣の外交戦略 208
    陸軍と日中戦争処理に苦闘する近衛

 4.第二(三)次近衛内閣の外交戦略 211
    松岡外交と日米開戦

 5.太平洋戦争と国家戦略 217
  I.戦争と外交の戦略 
   (1)戦争の国家戦略 217
     戦争指導計画と戦争終結の腹案
   (2)外交戦略 219
     大東亜共同宣言
  II.攻勢期日本の軍事戦略
   (1)初期南方攻略作戦とハワイの奇襲 220
   (2)外郭要地に対する作戦 221
     大拡張戦略の失敗/ミッドウェイの攻略
戦/ガダルカナルの攻防戦
  III.防勢期日本の軍事戦略
   (1)太平洋正面の戦備強化と連合軍の反攻 223
     南東太平洋正面(ソロモン群島,ニュー
ギニア)の防備/中部太平洋正面(マレーシア,ギ
ルバート群島)の防備
   (2)絶対国防圏の設定ー実体なき防御ライ
ンの設定 225
   (3)絶対国防圏の「前哨地域」の失陥ーマ
ーシャル.ギルバート,東部ニューギニアの喪失 226
   (4)絶対国防圏(マリアナ)の失陥 227
     サイパンとグアムの喪失
   (5)フィリピンの失陥ーレイテ決戦の敗北 228
   (6)ビルマの失陥ーインパール作戦の悲劇 229
   (7)日本軍の戦略思想ー教条主義の失敗 230

 6.八年戦争期の通商・経済戦略 232
     戦時統制経済への転換/統制経済の展開/
統制経済の破綻と敗戦


第7章 戦後昭和期日本の国家戦略ー大発展した戦
後昭和期の日本ー 237

 1.外交戦略 237
  (1)敗戦と占領政策ーアメリカによる占領は
日本の復興にとって僥倖だった 237
  (2)東西冷戦と朝鮮戦争ーアメリカ,占領政
策を大転換する 238
  (3)対日講和と日米安保条約ー吉田ドクトリ
ン(国家戦略の原点)の誕生 239 
  (4)鳩山・岸内閣と日米安保の改訂ー外交三
原則で東南アジア市場を再開拓 240
  (5)池田・佐藤内閣と経済の大躍進ー所得倍
増と沖縄返還 242
  (6)田中・福田内閣のアジア外交ー福田ドク
トリンと日中国交回復 243
  (7)環太平洋構想と莫大な海外経済支援ー日
本が東アジアの経済発展を先導し成功させた 244
  (8)国際巨大経済酷寒い本と日米経済摩擦ー
プラザ合意,前川レポートからバブル崩壊へ 245

 2.安保戦略 246
  (1)自衛隊の発足と国防の基本方針ー長期・
具体的な防衛計画や有事法制は作られなかった 247
  (2)防衛計画の大綱以前の防衛計画(一九五
八年〜六〇年) 148
  (3)防衛計画の大綱以前の防衛・軍事戦略ー
専守防衛のドクトリン 250
  (4)防衛計画大綱の初度制定ー基盤的防衛力
構想が出現した 252
  (5)日米ガイドラインの初度制定ー日本の軍
事戦略が公表された 253

 3.経済・通商戦略 254
  (1)占領軍の日本経済改革ー東西冷戦と朝鮮
戦争が神風となった 254
  (2)焦土日本の経済復興ーハイパーインフレ
の克服と生産力の増強 255
  (3)ドッジ不況と朝鮮特需ー戦後第二の神風
が吹いた 255
  (4)史上初めて空前絶後の高度成長ー高度成
長の要因とは何であったか? 256
  (5)高度成長の終焉ー巨大経済大国からバブ
ル崩壊へ 258


第8章 平成日本の国家戦略ー衰退する平成期の日
本ー 261

 1.国際環境 262
    冷戦の終結と紛争・テロの多発時代/「多
国間協調」と「自国ファースト」のせめぎ合い

 2.外交戦略 266
  (1)湾岸戦争での失敗と橋本内閣の外交ー米
軍の有事後方支援が可能になった 263
  (2)日米関係の強化と小泉内閣の外交ー世界
における日米の戦略目標が設定された 263
  (3)安倍内閣の戦略外交ー集団自衛権が限定
的に容認された 264

 3.安保戦略 266
    日本の安保大変革の一五年を振り返る/日
米同盟が大変革した/大きく拡大・深化した日米同
盟の歴史とは
  (1)二〇〇一年のQDRと2+2合意ー東ア
ジア太平洋有事における日米両軍の一体化 268
  (2)二〇〇六年のQDRと2+2合意ー同盟やパー
トナーとの多国間・多層的な安保協力 269
  (3)二〇一〇年のQDRと2+2合意ー地域やグロ
ーバルな日米の国際安全保障協力 270
  (4)二〇一二年,米国の新軍事戦略と2+2合
意ーオフショア戦略と第三オフセット戦略へ 271

 4.経済・通商戦略 274
    平成大不況と新興国の大成長/小泉内閣の
構造改革/アベノミクスの登場


終 章 日本未来の国家戦略

 1.二〇五〇年の世界のトレンド 279
    イスラム世界の貧困と紛争は世界の長期的
リスク/中国,米国,インドなど超大国の覇権化は
制限される

 2.ICTとAIの技術が産業と社会の構造を変
える 282
    ロボット・AIの開発と実用化が飛躍的に
進展する/ICT(情報通信)技術の分野は引き続
き全産業を牽引する/無人兵器技術の高速の進化は
倫理上の大問題

 3.日本の外交・安保戦略の方向性は? 284
    まずは集団防衛から始め,最終目標は地域
的集団安全保障




おわりに 291

参照文献 293

------------------------------


◆著者略歴

黒川雄三(くろかわ・ゆうぞう)
1945年京都生まれ(滋賀県立膳所高校卒).防衛大学
校卒,指揮幕僚課程・防衛研修所(現防衛研究所)
一般課程(安全保障)修了.防衛大学校指導教官,
防衛庁陸上幕僚監部防衛部員,調査部員,調査部班
長,自衛隊地方協力本部長,陸戦学会理事,陸上自
衛隊幹部学校主任開発研究官などを歴任.元陸将補.
著書に『誰でもわかる防衛論』(2017年),『近代
日本の軍事戦略概史』(2003年),『戦略思想家事典』
(共著,2003年),『21世紀マネジメント戦略』(200
6年),論文に「孫子の軍事理論」(2005年),「日中
戦争初期の戦略問題」(1999年),「日中戦争中期の
戦略問題」(1999年)などがある.


本文最終ページに,著者の提案がコンパクトに示さ
れています.

 あらしめたい国家像(方向性・ビジョン)とは?
 あらしめたい社会像(方向性・ビジョン)とは?

について各々4つの項目が挙げられています.



今回ご紹介したのは,


『国家戦略で読み解く日本近現代史』
黒川雄三(著)
出版年月日:2019/09/06
判型・ページ数:A5・300ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3pLXoZB


でした.


エンリケ

追伸

国家戦略という物差しで時代を区分するアイデアが
素晴らしいと感じます.

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.17


おはようございます,エンリケです.

2018年12月,安倍政権下,次期戦闘機(F‐X)は「日
本主導の国際共同開発」との方針が決定され,20
21年,三菱重工のもとにIHI,川崎重工,三菱電機
など協力会社7社が集まり本格的に開発が始まりま
した.

今後15年かけて開発するのは2035年頃に退役が始ま
るF‐2戦闘機の後継機です.次期戦闘機にはステル
ス性だけでなく,高度な電子戦,ネットワーク戦を
制する能力が要求され,将来的には無人機との連携
も求められます.

F‐2戦闘機開発での苦い教訓から自主開発の道を選
んだ日本.2009年から研究が始まっていた開発計画
の経緯と今後の展望を戦闘機開発に関わった専門家
6人が語りつくします!

新戦闘機の開発がこれから始まるという時期に出た,
極めて専門的であるにもかかわらず国民皆が把握し
て理解しておかなければならない内容を持つ本です.

森本敏さんが「国内で最高峰の戦闘機専門家」と太
鼓判を押す方々が,戦闘機はいかに開発されるか?
の内幕,そして新しい戦闘機を作るにはいかなる考
え方・アイディア・プロジェクトが必要なのか? 
について,書いています.


▼嫡男

傑作「主任設計者が明かす F-2戦闘機開発」(*)
の嫡男と言ってよい,わが戦闘機開発秘話.エンジ
ニアはもちろん,航空ファンには欠かせぬ一冊です.

(*)https://amzn.to/3rGEXHd

次期戦闘機開発のすべてはまさにこれから始まると
いうときに出たこの本は,各著者の方々の,現役の
方々への思いがひしひしひたひたと読み手に迫って
くる内容です!


「次期戦闘機開発をいかに成功させるか」
森本 敏 (著), 岩崎 茂 (著),
山崎 剛美 (著), 田中 幸雄 (著),
桐生 健太朗 (著), 川上 孝志 (著)
出版社:並木書房
発売日:2021/12/8
単行本(ソフトカバー):四六判464ページ
https://amzn.to/3GnLvOY


■応援歌とよびかけ

今まさに進展中のポストF2戦闘機開発の歴史が細や
かに伝わるこの本.類書はなく,極めて貴重な資料
的価値を持ちます.とくに軍事ファンや関係者なら
本棚に必須です.

ただこれは,「読んだらわかる」と言うのとは少し
ニュアンスが違います.妥協なきプロの言葉が詰ま
っているこの本は,読みやすいとは言えません.
歯応えありです.

ただこの本を読めば,本物の迫力が伝わる妥協なき
内容を通じて,次の時代に技術を受け継ぐことを考
えた戦闘機開発,兵器開発,それらと不可分一帯の
武器輸出,兵器ビジネスをいかに実践したらよいの
か?の核心まで見えてきます.

新兵器開発,武器取引の実際はどういうものなのか?
が,わが国有数のプロたちの口を通じて語られてい
るのです.

この本には,これからはじまる新規戦闘機開発プロ
ジェクトの内側を知る人から,これからプロジェク
トに関わる全ての人に送られたエールであり,教え
であり,忠告であり,応援のメッセージという面が
あります.

そしてもうひとつ.
新戦闘機の恩恵を受けることになる国民,政治家に
向けた,戦闘機の作り方(装備開発)マニュアルで
す.カタログスペックでなく,いかに戦闘機(装備)
を作るか?の実際を知ることで勘所を抑えた理解を
図り,プロジェクトを応援し,支援し,最高の次期
戦闘機を手に入れよう,との呼びかけです.


▽兵器体系をどういう考えで作るのか?

本著のまとめ役・森本敏さん(元防衛相)は,この
本を作った目的についてこうおっしゃっています.

<最新鋭の戦闘機を国産することは戦後日本の夢の
1つです.そして,その夢はこれから,10年以内に
実現するものと確信します.言うまでもなく,戦闘
機は今日の国家防衛の要です.航空優勢なしに国家
を守ることはほぼ不可能であるからです. しかし,
戦闘機を自国で開発生産することは容易ではあり
ません.急速に発展する技術を克服し,新たな概念
に挑戦する必要があるからです. 我々の希望は,
日本が戦闘機という現代技術の粋を結集した兵器体
系をどのような考えで作ろうとしているのか,その
場合の問題はどこにあるのかを国民の皆様に知って
もらうことです.(森本 敏)>

こういう志に貫かれた本著は,戦闘機開発の内側を
伺い知ることができる貴重な内容であり,プロジェ
クトにあたって政治の決断力,洞察力がいかに重要
で不可欠か?を身に染みて感じさせてくれる内容で
もあります.

我々主権者国民が,戦闘機(装備品)開発プロジェ
クトへの正確で正鵠を射た理解を持つ大切さを思い
知らせてくれます.

2021年12月8日段階で日米共同,日英共同の2つが進
んでおり,日米共同についてはこれから乗り越えな
ければならない壁がまだまだある一方,日英共同に
関しては大臣間合意ができており具体的協議が進ん
でいる段階.

ただ思うのだが,相手が米国か?英国か?
米国はダメだ!英国はダメだ!
そういった第三者的,情緒的反応に終始しているよ
うではダメ.

日英共同でできること,日米共同でできること,は
どういうものなのか?どこにどういう違いがあるの
か?わが国は何をどちらを選んで何を追求していく
べきなのか?

我が国を主人公とする方向で考えられなければ,画
期的な新戦闘機開発プロジェクトの内幕を読んでも
得られるものは少ないです.その意味で読む人を選
ぶと思います.

あわせて思ったのは,
この本は桜林さんの防衛産業本(*1)そしてF2開発
本(*2)と合わせ読むべき内容ということです.

(*1)http://okigunnji.com/misa/
(*2) https://okigunnji.com/post-4225/


新戦闘機の開発がいかに行われているのかを知る上
でも参考になりますが,武器開発,武器ビジネスを
行う防衛産業を守り育成してゆくために今国民は何
をしなければならないのか?を改めて感じさせてく
れる本です.

今とこれからのわが国を真剣に考える日本人の必読
書といえましょう.


「次期戦闘機開発をいかに成功させるか」
森本 敏 (著), 岩崎 茂 (著),
山崎 剛美 (著), 田中 幸雄 (著),
桐生 健太朗 (著), 川上 孝志 (著)
出版社:並木書房
発売日:2021/12/8
単行本(ソフトカバー):四六判464ページ
https://amzn.to/3GnLvOY


著者略歴

森本 敏
防衛省を経て外務省に入省し,在米日本国大使館一
等書記官,情報調査局安全保障政策室長などを歴任.
退官後,慶應義塾大学等で教鞭を執る.平成12年か
ら拓殖大学教授,同大学総長を経て現在,同大学顧
問.初代防衛大臣補佐官,第11代防衛大臣,防衛大
臣政策参与などを歴任.

岩崎 茂
防衛大学校卒,元航空自衛官,空将.航空自衛隊で
は戦闘機パイロットとして勤務,約100回に及ぶ
ロシア・中国機などに対する対領空侵犯措置任務の
経験を有し,第2航空団司令,航空総隊司令官,第3
1代航空幕僚長,第4代統合幕僚長,防衛大臣政策参
与などを歴任.


■森本敏さんによる「はじめに」を

---------------------------

はじめに(一部)

 2018年12月,安倍晋三政権の下,次期戦闘機
について,「国際協力を視野に,我が国主導の開発
に早期に着手する」との方針が中期防衛力整備計画
において決定され,これを踏まえて2020年から
防衛省は本格的な開発に着手しました.
  最新鋭の戦闘機を国産することは戦後日本の夢の
1つです.そして,その夢はこれから,10年以内に
実現するものと確信します.言うまでもなく,戦闘
機は今日の国家防衛の要です.航空優勢なしに国家
を守ることはほぼ不可能であるからです.
  しかし,戦闘機を自国で開発生産することは容
易ではありません.急速に発展する技術を克服し,
新たな概念に挑戦する必要があるからです.
  将来の航空戦闘は,有人機にコントロールされ
た無人機のスワーム(蜂のような群れ)が限定され
た空間を埋め尽くすといった様相になるかもしれま
せん.戦闘機も第6世代,第7世代などという概念
がなくなり,最新の技術を使って常続不断に既存機
の改良と改修が行われ,航空機というより空中指揮
統制システムの飛行体といったものに変わっていく
可能性もあります.すでにこうした変化の萌芽は見
え始めています.
  いずれにしても戦闘機という技術の先端を行く
兵器システムをアジアで,自力開発できた国は戦前
では日本だけ,戦後は中国,台湾,韓国,インドく
らいでしょう.しかもこれら戦後の開発生産国は米
国,ロシアから何らかの協力や支援を得ているか,
あるいは一部は他国の技術盗用があるといわれてい
ます.
  戦後,日本は戦闘機を米国から取得してきまし
た.最初はMAP(無償供与),そして日本の経済
成長にともなってFMS(有償供与)により入手し
てきました.
  1988年頃からF‐2(FS‐X)戦闘機を
日米で共同開発を始めましたが,日米両国にはそれ
ぞれ事情があり,その過程で困難で複雑な交渉が行
われました.相互に誤解や対立も生まれましたが,
結果としては素晴らしい戦闘機ができたと思います.
この開発で日米両国は多くの教訓と経験を学びま
した.そのF‐2戦闘機は今も日本の防空の重要な
役割を担っています.(中略)
  次期戦闘機開発は緒に就いたばかりです.特に
我が国主導の開発という方針を貫きながら,米・英
両国との国際協力をどのように進めるか,とりわけ
米国政府による技術支援の許可が下りて,ISPが
本気になって開発協力に取り組んでくれるかという
点で,最初の岐路に直面していると思います.この
プロセスを乗り切って真の意味で第5世代戦闘機の
開発に成功するには,これから多くの困難と苦渋に
満ちた選択を乗り越えなければ完成には至りません.
(中略)
  我々は,F‐X開発に関わるすべての事象を把
握して執筆する必要があり,結局,3年に近い時間
を費やしました.戦闘機開発の実情には機微な内容
が多く含まれており,事実関係のすべてを書くわけ
にはいきません.部分的には抽象的な表現を使って
記述せざるを得ませんでした.そのため個人名や正
確な日時などはほとんど省きました.特定の人物し
か知らないことも割愛しました.
  しかし,次期戦闘機の開発に情熱をもって取り
組んでいる人の気持ちと考え方をできる限り代弁し,
開発事業の複雑さを国民の皆様に分かっていただ
けるよう努めました.>

-------------------------------------------


■それでは新戦闘機「F-X」開発ガイドブックの内
容を見ていきましょう.


◇目 次

はじめに 森本 敏 1

資料 次期戦闘機(F‐X)研究開発の経緯 17
略語集 25

第1章〈討論〉次期戦闘機開発,その経緯と展望 33

 討論のはじめに 33
  FS‐X開発のトラウマ 35
  新戦闘機実用化への過程と教訓 38
  次期戦闘機は第5世代機か? 42
  有人戦闘機プラス無人戦闘機共同運用の可能性 44
  次期戦闘機の基礎研究と先進技術実証機X‐2 48
  F‐2後継機国産化を後押しした「ビジョン」49
  次期戦闘機開発に関する政府の体制と開発構想 57
  国際協力による共同開発か,純国産開発か 59
  拡張性,改修の自由度への対応 61
  開発計画が遅れた背景と理由 63
  RFIの提示と米国企業の反応 65
  F‐22生産打ち切りの影響 67
  採用されなかったF‐22+F‐35派生型機構想 70
  次期戦闘機開発方針の転換期は2019年末 72
  日米双方の思惑と認識の差 76
  リスクとコスト低減のための検討 79
  日英共同開発のメリット 82
  国際共同開発における日本の選択肢 84
  次第に固まっていった日本主導の日米共同開発 87
  相互運用性の重視とビジネスの両立 90
  次期戦闘機開発の諸問題─システム・インテグレ
  ーション 93
  英国との協議,交渉の行方 96
  データリンク開発に欠かせない米国の協力 100
  システムに関する2つの考え方 102
  次期戦闘機が備えるべき機能 105
  米国にどのような支援を求めるか 108
  試験・評価に欠かせない米国の設備と支援 110
  次期戦闘機の生産機数と開発コスト 114
  次期戦闘機の所要機数 117
  調達機数と量産価格の適正化 120
  次期戦闘機の海外輸出 124
  実績のない戦闘機は売れない 126
  次期戦闘機開発のための企業連合と防衛産業 130
  オールジャパン体制の理想と現実 133
  責任の所在とリスク回避 136
  開発計画と技術者の持続性の構築 139
  防衛産業を維持育成する環境作りが急務 143
  企業が防衛産業から撤退する理由 144
  次期戦闘機開発事業の本格化─日米企業協議と
  ISP 148
  相互運用性の実現と課題 151
  日本だけですべての開発は困難 155
  インテグレーション支援パートナーの役割 157
  共同開発と情報管理 160
  米・英両国との協議の現況と課題 164

第2章 日本の戦闘機開発と次期戦闘機の運用構想 168

 1,航空防衛力の意義─多次元統合作戦を牽引 168
  (1)戦争における航空機の役割 168
  (2)航空防衛力の重要性 172
  (3)航空防衛力における戦闘機の役割 173
  2,今後の航空防衛力に対する期待 199
  (1)我が国を取り巻く軍事環境 199
  (2)科学技術の進化・発展 205
  3,F‐2後継機の運用構想 207
  (1)F‐2後継機(F‐X)に求められる能力 209
  (2)開発にあたり考慮すべき事項 215

第3章 F‐2開発の経緯と教訓 田中幸雄,山崎剛美 220

 1,FS‐X(F‐2)日米共同開発の概要 220
 2,FS‐X開発の経緯 221
  (1)共同開発までの経緯 221
  (2)F‐16改造案決定と実務協議 224
 3,FS‐X共同開発からの教訓 240
  (1)日本側の反省・教訓 241
  (2)米国側の反省 248
 4,FS‐XからF‐Xプロジェクトへ 249

第4章 次期戦闘機開発の技術的課題(1) 250

 1,次期戦闘機の開発構想 250
  (1)将来戦闘機研究開発ビジョンの概要 250
  (2)31中期防における目標 252
  (3)令和2年度行政事業レビュー 255
  (4)次期戦闘機の開発構想 255
  2,技術開発のプロセス 259
  (1)防衛省における技術開発のプロセス 259
  (2)次期戦闘機における先行研究 260
  (3)ソフトウェアオリエンテッド開発 261
  (4)改修の自由度 269
  3,リスクとコストの削減 272
  (1)技術活動 272
  (2)プロジェクト管理 275
  (3)スマート・ファクトリー 279
  4,システム・インテグレーション 280
  (1)システム・インテグレーションとは 280
  (2)システム・インテグレーションの観点か
     ら押さえておくべきこと 283
  5,機体・エンジンの開発設計 284
  (1)エンジンの機能と機体とのインターフェ
     ース 284
  (2)機体とエンジンの開発プロセス 286
  6,次期戦闘機のエンジン設計 292
  (1)エンジンの研究開発と実績 292
  (2)飛行環境下のエンジンの運転試験 294
  (3)エンジンの耐久性 295
  (4)代替エンジンの検討 296

第5章 次期戦闘機開発の技術的課題(2) 298

 1,次期戦闘機のための国内研究開発の実績と成
   果 298
  (1)次期戦闘機の研究開発ビジョン 298
  (2)次期戦闘機に必要な技術 300
  (3)ステルス性に関する研究 302
  (4)機体に関する研究 310
  (5)エンジンに関する研究 316
  (6)アビオニクスに関する研究 324
  (7)機体構想に関する研究 330
  (8)ウエポンに関する研究 332
  (9)2019〜21年度のシステム・インテ
     グレーションなどの研究 335
  2,次期戦闘機開発にあたっての基本的な事項 339
  (1)次期戦闘機はどのような機体か 340
  (2)戦闘機の世代区分 341
  (3)航空自衛隊の戦闘機体系と次期戦闘機の
     役割 344
  (4)次期戦闘機の要求性能 346
  3,独自開発と共同開発をめぐる議論 350
  4,日本主導開発の課題 356
  (1)開発技術者人材の確保 356
  (2)新たな効率的開発態勢の構築 358
  (3)開発インフラの不足 361
  (4)日本主導開発を追求する意義 363

第6章 次期戦闘機の運用上の課題 366

 1,インターオペラビィリティ(相互運用性)の
   確保 366
  (1)MADLとの連接 367
  (2)ミサイル,弾薬の相互運用性と国産装備
     品の運用 371
  (3)ステルス性能 372
  2,ミッション・システム 373
  3,電子戦 378
  4,無人機運用 379
  5,オープン・システムズ・アーキテクチャ
   (OSA)381
  (1)OSA規準の選択 381
  (2)次期戦闘機のOSA 385
  6,ソースコード 389
  7,維持整備体制 390
  (1)後方情報システム 390
  (2)搭載装備品の共用化 390
  (3)サプライチェーンの確保 391
  (4)3Dプリンターを利用した部品製作 392

第7章 次期戦闘機開発の運営管理上の課題 394

 1,開発経費,生産機数及び量産単価 394
  (1)開発経費 394
  (2)生産機数 398
  2,開発のプロセスの概要と開発期間 407
  3,企業連合と契約制度 411
  (1)要求性能の検討 411
  (2)開発・生産体制の構築 413
  (3)企業連合体運営上の課題 419
  4,国際装備移転 423
  (1)防衛装備移転三原則 423
  (2)海外輸出の可能性 425
  (3)輸出の形態とその課題 427
  (4)輸出に必要な要件 433
  (5)装備品輸出管理の制度と運用 436
  5,情報管理 446
  (1)企業に求められる情報セキュリティ 446
  (2)情報セキュリティ上の米国との関係 451

おわりに 岩崎 茂 455
執筆者のプロフィール 461



▽いかがでしょうか?

わがF-X開発の全貌を伝えるこの本がもつ一番大きな
特徴は「これからはじまる「世界の中の日本」が行
う武器開発」にかかわる人々に不可欠な考え方やア
イデア,感覚,発想等を,これまでの各種開発で様々
な壁にぶちあたり,それを乗り越えてきた業界の先
輩・権威が惜しみなく伝えている点です.

武器輸出全般にかかわるすべての関係者にとって,
「必ず読まねばならないガイドブック」と言って差
し支えないでしょう.

装備開発,取引の現実を知ることで,
問題にぶつかったとき,なにをどう解決してゆけ
ばよいか?の方向付けに不可欠な知恵を得られるは
ずです.


ことしぜひ読んでいただきたい超おススメ本で
間違いありません.

実はこの本.
発売前からベストセラーでした.
あなたも今すぐ手に入れてください!


「次期戦闘機開発をいかに成功させるか」
森本 敏 (著), 岩崎 茂 (著),
山崎 剛美 (著), 田中 幸雄 (著),
桐生 健太朗 (著), 川上 孝志 (著)
出版社:並木書房
発売日:2021/12/8
単行本(ソフトカバー):四六判464ページ
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エンリケ


追伸
著者のおひとり岩崎閣下のお名前を拝見し,
メルマガ創刊当初のことを思い出しました.

発売前からベストセラーです.
今すぐどうぞ,,,


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森本 敏 (著), 岩崎 茂 (著),
山崎 剛美 (著), 田中 幸雄 (著),
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発売日:2021/12/8
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おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.16


『インド太平洋戦略の地政学
中国はなぜ覇権をとれないのか』

ローリー・メドカーフ 著
奥山 真司 監訳
平山 茂敏 監訳
?橋 秀行 訳
後瀉 桂太郎 訳
長谷川 惇 訳
中谷 寛士 訳

出版年月日:2022/01/25
判型・ページ数:A5・450ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3npUmJe

インド太平洋エリアの海を中核とする歴史,治乱興
亡,地理,地勢,通商を地政学的視座から有機的に
学べる読み物です.教科書としてだけでなく,よみ
ものとして楽しんでほしいとおススメできる珍しい
本ですね.

明るく楽しい専門書.読みやすいことこの上ありま
せん.

インド太平洋にかかわる諸国の現状を把握できる.
著者,訳者をはじめ,関わった人が明るい気持ちで
笑顔で作った本ではないか?と感じました.

「インド太平洋学原論」ともいうべき内容で,
学校で教科書として使われてもおかしくない内容です.

「インド太平洋」というアイデアはいかに生まれ,
いかに成長し,いかに関係各国を動かすに至ったのか?
について,エリアスタディよみものテイストでスッ
と楽に読めます.

その視座は「オーストラリアから見たインド太平洋」
であり,インド太平洋に対するオーストラリアの
姿勢の根っこにある論理,アイデア,概念は何か?
が記してあります.豪州から見たインド太平洋への
視座が理解できる内容です.

「インド太平洋」とかかわる宿命に置かれているわ
が国の盟邦予備軍たるオ−ストラリアの地政学視座
を把握するうえで必読の本といえましょう.

豪州発の「インド太平洋」地政学本.
インド太平洋という場における海洋地政学を解説し
たインド太平洋地域のエリアスタディ本.

「インド太平洋」という概念の何たるかが見え,地
政学的にインド太平洋とは何か?がわかる本です.

想定される主読者は,
豪州の安保政策を深く理解する必要に迫られている
政治,軍,外交,インテリジェンスの当局者,そし
て政策を生み出す論を生み出す必要に迫られる専門
研究者,心あるジャーナリストなど,安保政策に深
くかかわる方々でしょう.

これほど豪州の安保への考えの核心を描き出した本
はありません.担当者だけでなく,そうなる可能性
が高い予備軍の方々も必読です.

インド太平洋というアイデア概念への確固たる理解・
把握をして教養を深めておきたい知的な方にも,
もちろんおススメです.


◆本著について

2020年初めに出版された

INDO-PACIFIC EMPIRE: China, America and the Co
ntest for the world Pivotal Region 

の全訳版です.

この種の本ではじめから全訳版が出るのは珍しいこ
とかもしれません.
通常は抄訳版が出てから,,という印象ですが・・

理由は不明ですが,「豪州発」という点が大きいの
かもしれません.

前内閣官房副長官補の兼原さんは「日本語版刊行に
寄せて」のなかで

「本書に展開されたメドカーフ教授の主張は,オー
ストラリアがインド太平洋戦略をどう構想し,どの
ような哲学と政策を持って臨もうとしているかを知
ろうとしている人々にとって最良の入門書となるで
あろう」

と言っています.


◆著者

著者,ローリー・メドカーフ(RORY MEDCALF)さん
はオーストラリア国立大学教授.
ナショナル・セキュリティ・カレッジの代表を務め
てらっしゃいます.
外交,情報分析,シンクタンク,学者,ジャーナリ
ストなどのキャリアを持っており,シドニーの名門
ローウィー研究所では,安全保障プログラムの創設
ディレクターを務めた方です.

豪州政府では,上級情報アナリストや外交官として
,インド,日本,パプアニューギニアに赴任経験が
あり,一九九九年には日本の外務省に出向.「核不
拡散・核軍縮に関する東京フォーラム」への専門的
な支援を行ったとのことです.

「クアッド」と呼ばれる安全保障パートナーシップ
を早くから提唱し,現在では,わが国を含む多くの
インド太平洋諸国との非公式な「トラック2」外交で
主導的な役割を果たしている方だそうです.

2016年に発表された豪州防衛白書のアドバイザーも
務めておりインド太平洋戦略コンセプトのオピニオ
ンリーダーとして,国際的なメディアで頻繁に意見
を発表しています.


ASEAN地域フォーラムの専門家/著名人(EEP: Experts/
Eminent Persons)会合(トラック 1.5) のメンバー
でもあります.


◆翻訳にあたった方々

翻訳に当たられた方々の顔ぶれも「なるほど」と感
じさせるものです.

■監訳者
奥山真司/国際地政学研究所上席研究員
平山茂敏/防衛大学校防衛学教育学群教授

■訳者
?橋秀行/海上自衛隊幹部学校
後瀉桂太郎/海上自衛隊幹部学校
長谷川惇/海上自衛隊幹部学校
中谷寛士/航空自衛隊幹部学校


奥山さんについては言うまでもないですね.
英国で学ばれ,いまはわが国社会で地政学を普及す
る主軸的な役割を果たされている方です.

その他の方々は海空自の士官の方々です.
知り合いの将校さんと全く同じ読みの名前の方がい
らっしゃいましたw
「あれ?」と思いましたが,よく見ると字が違いま
したw


では,地政学の視座からインド太平洋戦略を解説す
るガイドブックの内容を見ていきましょう.

◆目次

◎日本語版まえがき(ローリー・メドカーフ)

◎日本語版刊行に寄せて(兼原信克)

第1章 名称,地図,そして権力
「インド太平洋」という超特急に乗れ/その名前に
は何が含まれているのか?/メンタルマップと物理
的な事実/境界線を打ち壊す/過去の海図を描く/
現状の争い:多くのプレイヤーや階層/地経学/軍
事力/外交/ナラティブをめぐる戦い/未来を守る:
戦争と平和,生存と戦略/ブリッジングとバランス,
陸と海


〈 過 去 〉

第2章 アジアの水面下の歴史
地図を傾けて見る/奥深い歴史,幅広い水平線/イ
ンド洋の重心/中国の初期の進出/西方よりの風:
インド太平洋の植民地化/地図づくりによるつなが
り/帝国の系譜/地政学の闘技場

第3章 国家による波乱の航海:地域の故郷を求め
る探求の旅
偽りの春/反目と分離/インドと中国:巨大な分断/
インド太平洋に響き渡る反響と予感/太平洋と出
会うアジア/「アジア太平洋」という舞台/東アジ
アの進撃:奇跡,はかない希望,誤った呼び名/大
嵐と首脳会談

第4章 インド太平洋の台頭
海賊とパートナーシップ/海における事実:中国の
危機的状況/押し戻しとピボット/ワシと象/象と
ドラゴン/四カ国の仲間たち/プレゼンスと「真珠」/
海上シルクロードをたどる/オーストラリアが命名
した場所/海を越えた言葉/不確実性の時代/イン
ド太平洋の移り変わり


〈 現 在 〉

第5章 ゲームと主なプレイヤーたち
パワーゲーム/国家はビリヤードの玉ではない/中
国/インド/アメリカ

第6章 数多のプレイヤー 
日本/オーストラリア/インドネシア/多様な国が
集う海/グローバルなインド太平洋地域

第7章 狙われるウォーターフロント
海を観察する/風向が変わる貿易風/火に油を注ぐ/
多帯多路

第8章 拡大する戦線
中国のインド太平洋軍事地図/基地をめぐる競争/
戦略的空間と現実/水面下の闘争/核の影/外交を
つくりあげるもの/丼の中をさまよう/ナラティブ
を巡る戦い:最前線に立つオーストラリア/あらゆ
る分野で,あらゆる手段で


〈 未 来 〉
第9章 不信の海を航行する
ブラック・スワンとブラック・エレファント/共倒
れもしくは崩壊:不安の連続/次なる段階へ/共存
への道筋を描く/原則その一:開発/原則その二:
抑止/原則その三:外交/原則その四: 団結/原
則その五:レジリエンス/開かれた海

訳者解説(後瀉桂太郎)
監訳者あとがき(奥山真司・平山茂敏)

---------------------

いかがでしょうか?

●「インド太平洋」という概念は地政学そのもの

●自由で開かれたインド太平洋”の未来像とは?

●強大な経済力を背景に影響力を拡大する中共にど
う向き合うのか?

●インド太平洋地域において性急な拡張政策をとる
中共の内在するリスクとは?

●アメリカ・バイデン政権はパワーを維持すること
ができるのか

●インド太平洋というグローバル経済を牽引する地
域のダイナミズムが2020年代以降の世界情勢に
どのように影響するのかを,地政学的観点から説明
する

●インド太平洋地域を独占しようとする中国の挑戦
に断固とした態度で臨むことの重要性を,国際政治,
外交・安全保障,経済,技術など多角的観点から説


●現代のグレートゲームが,インド太平洋という場
で行われようとしている


という内容を記しているこの本.

インド太平洋戦略という概念を「理解」するうえで
欠かすことのできない基本書と言えましょう.


◆グレートゲーム

インド太平洋エリアは今や現代の「グレートゲーム」
の舞台となっており,「インド太平洋」というアイ
デアといかにかかわるか?は,安倍さんが主要なプ
レーヤーへとわが国を押し上げた根幹ともいえる知
性です.

アジア太平洋とかかわるわが国の姿勢をいかにより
普及し,発展させ,国益の維持拡大をいかに図るか?
という問題意識を持つ人には格好の書と言えます.
「インド太平洋」のエリアスタディ,地政学基本書
として挙げられる内容ですから.

「インド太平洋」というアイデアが初めて公的に明
らかになったのは,2016年に安倍さんがTIC
ADで行ったスピーチでした.


◆安倍元首相

その後も,安部さんの外交戦略としてしか「インド
太平洋」という概念を知らない人は多いことでしょ
う.

しかし,,,じつは,インド太平洋戦略についてき
ちんとまとめた本格書籍はこれまでほぼありません
でした.

この本は,そんな「インド太平洋戦略」を地政学で
描き出した初の書籍といって差し支えありません.
中共の侵攻に対処する「知的武装」として役立つ基
本書ともいえます.


◆対中共知的武装の土台となる内容

中共の地図(口絵の一番初めにある)を見ると,中
共の意図が見えてきます.かの国はまさに遅れてき
た帝国主義国を志向しており,過去の歴史をなぞっ
て世界中に植民地を作り自国繁栄につなげようとし
ています.

かの国の海における動きを見れば一目瞭然です.
一帯一路構想は,海が主軸の中共帝国主義の建設路
です.中共はインド太平洋という海を使って何をし
ようとしているのか?本著を読むとそれが見えてき
ます.

海国は海の視点・視座が不可欠です.
この本で,インド太平洋の海洋地政学的視座を養っ
てください.

日本発のこの種の専門書がなぜ出ていないのか?
非常に不可解で不満です.


◆オーストラリアの安保国防

豪州の仮想敵国はインドネシア.
やはりその感覚が強く,本著も,豪州周辺の地政分
析が主となっており,わが国とのかかわりをあまり
感じない記述が多いです.

著者はこういいます.

「本書は,2030年以降の世界の深層を流れる地政学
的潮流をたどりながら,海洋にまたがる国際的な連
接と競争の歴史を語るために地図を傾けて見よう,
という本なのだ.…本書は戦争を奨励したものでは
ない.いわゆる“反中”本でもない.むしろ多極化
を支持する本なのだ」(「日本語版まえがき」より)

◆特徴

現在過去未来の時間軸で内容を整理している点です.

目次を見ればわかる通り,思考の流れと思考範囲を
きちんと整理できるからすっきり理解が進みますね.

過去のはなしと今のはなしと未来のはなしがごっち
ゃになって何が何だか分からなくなる.

この種の情勢把握本を読むときは,そういうことが
よく起こりますからね.


◆豪州から見たインド太平洋

全編通じていえるのは,
すべてに「豪州から見たインド太平洋」が頭につく
ことです.
その点をキチンとわきまえて読むべきでしょう.

インド太平洋というアイデア・概念に関する
一般状況解説や知識については,非常に学びになる
内容といえます.

一つだけ残念なのは,安倍さんを通じて,米太平洋
軍の名称変更を通じて,「インド太平洋」という概
念・アイデアは,わが国一般人にも身近な存在であ
ったにもかかわらず,わが専門研究者の方の手にな
る本著と同様の啓蒙書が日本発で出なかったことで
す.

超おススメです.


『インド太平洋戦略の地政学
中国はなぜ覇権をとれないのか』

ローリー・メドカーフ 著
奥山 真司 監訳
平山 茂敏 監訳
?橋 秀行 訳
後瀉 桂太郎 訳
長谷川 惇 訳
中谷 寛士 訳

出版年月日:2022/01/25
判型・ページ数:A5・450ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3npUmJe


エンリケ


追伸
「インド太平洋」というアイディアが具体的政策と
して明らかになったのは,安部さんが2016年に
TICADで行ったスピーチのようです.

それ以来,わが周辺を意味する概念として急速に浸
透.地政学的な概念として定着し,米軍も太平洋軍
をインド太平洋軍に名称変更しました.

そのあたりのことも巻末の訳者解説で書かれていま
す.
読みどころは本編だけではありません!

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.22


『特殊部隊vs.精鋭部隊─最強を目指せ』
荒谷卓・二見龍(共著)
判型:四六判152ページ
発行日:2021.01
発行:並木書房
https://amzn.to/3sAVz3E

おはようございます,エンリケです.

この本は,電子書籍・二見龍レポート#9
『現代のサムライ荒谷卓 特殊部隊を語る』
(2020年4月)を再編集したものです.

荒谷さんの言葉,感覚,発想が二見さんとの対話の
中で浮き彫りにされています.

その意味では,二見さんが聞き手の荒谷さんインタ
ビューといって過言ではない内容と感じます.

聞き手がこちらもまた超一流の,精強を追求する部
隊育成経験者の軍人であるためか,対話が実にかみ
合っている印象を持ちます.快感を覚えるほどです.

戦後日本(自衛隊含む)に決定的に欠けているもの
も見え,心から深く共感しました.


二見「特戦群相手に互角かそれ以上の戦いができる」
荒谷「特戦群は一般部隊とは違う.唯一無二の部隊だ」.

同じ時代に最強の部隊作りを目指した2人が退官後
はじめて再会──.

軍人であって軍人でない特殊部隊員,部隊が強くな
るかどうかの分かれ道,リーダーの条件,実戦形式
の訓練,陣地攻撃・防御だけでは戦えない,一番相
手にしたくない敵,使う側が主導できる装備開発…
…熱血対談を紙上で再現しました!

精強な部隊を作る勘所・着眼点は? が見える本で
す.特殊部隊を理解できる本です

伝説の軍人二人が縦横無尽に語り合っています.


著者略歴

荒谷 卓(あらや・たかし)
昭和34年秋田県生まれ.大館鳳鳴高校,東京理科大
学を卒業後,昭和57年陸上自衛隊に入隊.第19普通
科連隊,調査学校,第1空挺団,弘前第39普通科連
隊勤務後,ドイツ連邦軍指揮大学留学(平成7〜9年).
陸幕防衛部,防衛局防衛政策課戦略研究室勤務を経
て,米国特殊作戦学校留学(平成14〜15年).
帰国後,特殊作戦群編成準備隊長を経て特殊作戦群
初代群長となる.平成20年退官(1等陸佐).
平成21年明治神宮武道場「至誠館」館長.平成30年
国際共生創成協会「熊野飛鳥むすびの里」創設.著
書に『戦う者たちへ』『サムライ精神を復活せよ!』
(並木書房),『自分を強くする動じない力』(三
笠書房).鹿島の太刀,合気道六段.
HP:http://musubinosato.jp

二見 龍(ふたみ・りゅう)
昭和32年東京都生まれ.防衛大学校卒業(25期).
第8師団司令部3部長,第40普通科連隊長,中央即
応集団司令部幕僚長,東部方面混成団長などを歴任
し平成25年退官(陸将補).現在,株式会社カナデ
ンに勤務.著書に『自衛隊最強の部隊へ』シリーズ
(誠文堂新光社),『自衛隊は市街戦を戦えるか』
(新潮新書),『弾丸が変える現代の戦い方』(誠
文堂新光社),『警察・レスキュー・自衛隊の一番
役に立つ防災マニュアル』(DIA Collection)など.
現在,毎月Kindle版(電子書籍)を発刊.戦闘にお
ける強さの追求,生き残り,任務達成の方法などを
ライフワークとして執筆中.
Blog:http://futamiryu.com/
Twitter:@futamihiro


特殊部隊とは何か?

について,特殊部隊を創った本人から直接聞けます.
これほど正確な知識,情報源はないでしょう.

また,40普通科連隊長として最強の部隊育成にま
い進した伝説の連隊長・二見さんの地に足の着いた
言葉から得るところも極めて大きいです.

この本からもっとも有益なエキスを得られるのは現
役自衛官でしょう.もちろん軍事ファンの私やあな
たにもビンビン届くことば満載です.

個人的には,目的と目標について,かくも腑に落ち
る形でつかめたのは初めての経験でした.精強を成
し遂げる過程では,何が必要で何が必要でないのか?
も見えます.日常生活,人生設計にも応用できます
ね.


対談終了後二見さんは,

----------------------------

特殊部隊で最も難しいと思われる「部隊の練度評価」
を質問したときの荒谷氏の答えは本質を衝いたも
のでした.「対抗戦を行ない,その結果で評価しま
す.対抗戦ですから,当然,相手が強ければ,それ
以上に自分たちのレベルを上げなければ勝てません
.やられたら,相手よりも訓練練度が不十分である
ということになります.強くなるには対抗戦でしょ
う」.そう言い切ったときの荒谷さんは,一瞬,特
戦群時代の荒谷群長の姿と重なって見えました.私
も同じ思いで「対抗戦方式」で連隊を精強化し,あ
と一歩のところまでFTCの評価支援隊を追いつめ
た自負があるからです.(二見龍)

----------------------------

と述べてらっしゃいます.


ではこの本の内容を見ていきましょう.

------------------------------

はじめに(一部)二見 龍

 2007(平成19)年10月,陸上自衛隊の観閲式
会場に向かうバスの中で,突然,荒谷1佐から
「もう陸上自衛隊で私のやることはありません」と
切り出されました.
「えっ」.私は絶句しました.荒谷氏とは,どんな
障害があっても,ともに協力して?実戦に強い部隊?
を作ろうと誓った仲間だったからです.
  私は自衛隊に残るよう引き留めましたが,その
決意は固く,話を聞くうちに,荒谷氏の場合,それ
が自然な流れなのかもしれないと思い始めました.
  荒谷氏は強い男です.自衛隊を離れても一般社
会で十二分に活躍できる実力の持ち主です.彼には
もっと広い世界が必要で,外から自衛隊を支えるこ
とができる人だと,最後にはその決断に納得し賛同
しました.

 機会があれば,退官された荒谷氏と会って,特殊
作戦,訓練に対する考え方,実戦で戦い抜くために
必要なこと,自衛隊に望むこと,これからの活動に
ついて話がしたいとずっと思っていました.
  再会の機会は必ずあると信じていました.意思
があれば再会はいつでもできる.しかし,再会は「
時」が設定してくれる,その日のために私も,自分
なりに新しいことにチャレンジし,荒谷氏を見倣っ
て,自己能力の向上と活動の場を広げる日々を過ご
そうと思いました.
  それから12年の月日が流れ,2019年の夏,
思いもよらぬかたちで「再会の機会」が訪れました.
  私がミリタリー関連のイベントに参加していた
時,突然,声をかけられました.
「二見さんですね.私はこのような仕事をしていま
す」.その人は出版社の社長で,最近の出版活動や
自衛隊について話をするなかで,「電子書籍を出さ
れているなら,荒谷元群長と会われたらどうですか」
と勧められました.
  私は願ってもない申し出に驚きました.荒谷氏
との線が再びつながったのです.すぐに連絡先を教
えていただき,荒谷氏が設立したばかりの「熊野飛
鳥むすびの里」(三重県熊野市飛鳥町)への訪問が
決まりました.
  本書は,自衛隊,明治神宮武道場館長をへて,
「むすびの里」を活動拠点として,新たな人生を歩
み始めた荒谷卓氏との対談をまとめたものです.

------------------------------

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●目 次

はじめに(二見 龍)1

第1章 本物の強さを求めて 9

   殺傷を目的としない日本の武道 9
    自衛隊に戦う覚悟はあるか? 12

第2章 初代群長として目指したもの 18

   軍人であって軍人ではない特殊部隊員 18
    特殊作戦に対する理解不足 25
    特戦群に向いている隊員 27
    訓練基準を超えた訓練 30
    1個チームで師団の機能を果たす 34
    イラク派遣で戦力化が進む 40

第3章 精強部隊を作るには 45

   特殊作戦に必須の民事・心理戦機能 45
    部隊が強くなるかどうかの分かれ道 50

第4章 国を守る戦闘者とは? 61

   合理性・効率性だけではない生き方を貫く 61
    モチベーションの高い人間がリーダーになる 66
    基礎トレーニングは課業外に行なう 73
    ラックサックマーチで体と精神を鍛える 75
    ストレスを「餌」にする 77

第5章 実戦に近づけて訓練する 82

   危険でなくなるまで訓練する 82
    自由意志の対抗戦で実力を高める 90
    実戦形式の訓練 95
    使う側が主導できる装備開発へ 98

第6章 戦える自衛隊を目指す 111

   いちばん敵にしたくない部隊は? 111
    実戦をどう捉えるか? 113
    政治と特殊作戦の関係 118
    陣地攻撃・陣地防御だけでは戦えない 121

第7章 熊野飛鳥むすびの里 128

  「探していた場所はここだ!」128
    武道を通じて日本の文化を世界に伝えたい 135
    休耕田を青々とした稲田に蘇らせる 140
    大調和の発想──神道と武道の本質 144

コラム
同じ時代に最強を目指した40連隊と特戦群(二見 龍)55

より強い相手を求めて/一般部隊vs特殊部隊/最も
充実していた連隊長時代

コラム
唯一無二の精鋭部隊─特殊作戦群(荒谷 卓)104

なぜ特殊作戦群をつくったか?/特殊部隊と一般部
隊の違い/特殊作戦群長の覚悟/鍬のひと振りが日
本を守る

おわりに(二見 龍)149


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これだけ内容が詰まっているのに,
驚くほど薄く小さな本です.

こういう本,好きですねえ.

ことし一読をお勧めする
「間違いない」本です.

まだお持ちでないならどうぞ

『特殊部隊vs.精鋭部隊─最強を目指せ』
荒谷卓・二見龍(共著)
判型:四六判152ページ
発行日:2021.01
発行:並木書房
https://amzn.to/3sAVz3E



エンリケ


追伸

荒谷さんの既刊書すべてを,繰り返し繰り返し再読
してます.昨今は特に「テロリズム」関連書と併読
するケースが多いです.

なぜって?

今から先の戦場で主流となる低強度紛争に対処する
のは「特殊部隊」だからです.我が国も例外ではあ
りません.

荒谷さんの本や著作物は必読と思っています.

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.21


『日本軍と軍用車両─戦争マネジメントの失敗』
林譲治(著)
出版社: 並木書房 (2019/9/10)
発売日 : 2019/9/10
判型・ページ数(ソフトカバー) :A5判344
ページ
https://amzn.to/3sncTJb



おはようございます,エンリケです.

帝国陸軍の機械化史を,日本自動車産業史と連ねて
解説した通史.帝国陸軍輜重兵史の側面も持つわが
軍用車両の歴史が描き出されています.

地味ではあるけど決定的に重要な兵站,輜重兵科を
知るきっかけにもなる技術史であり,帝国陸軍が,
機械化(=自動車化)部隊を具体的にいかに作って
いったのか?が手応えあるかたちでよくわかる良書
です.

戦後日本では,

「帝国陸軍は野蛮な精神主義の権化で,近代的な装
備機械化などは軽視していた」

という,批判に見せた「根拠なき誹謗中傷」が,わ
が軍事セクターに対して行われています.

・帝国陸軍は世界的に見ても歩兵師団をはじめとす
る諸兵科の機械化に熱心な軍隊であった

・帝国陸軍は海外事情にも通じており,たとえば戦
車でも列強に劣らない火力と装甲を重視していた.

・自動車産業の立ち上げと陸軍部隊機械化がほぼ同
時並行で行われていた歴史

・たしかに兵站は最後まで軍馬中心であり,数少な
い自動車は故障で苦労したという証言が少なくない.

・機械化が思うように進まなかった根源の理由は,
シナ事変拡大に伴う師団数の急増と根こそぎ動員を
通じた兵站,人材不足の問題にあった.

という事実を無視した誹謗中傷に,少なくともあな
ただけは染まらないでいただきたいものです.
本著を読めば正鵠を射た背景事情を把握できますの
で,一読をおススメします.

もしシナ事変を早期に終わらせていれば,
当時のわが自動車生産能力のポテンシャルでわが陸
軍全師団の自動車化は十分可能でした.

ところがシナ事変が拡大し,派遣部隊が急増.自動
車隊将兵の経験知識は不十分になり,自動車の適切
な運用ができなくなり,「根こそぎ動員」を通して
自動車の需要に供給が追い付かなくなりました.

人材育成・兵站の裏付けを欠いた部隊の急増が自動
車の形式の混在,稼働率の低下を招き,それが,前
線での補給部品や燃料入手を困難にし,また稼働率
を下げる,というマイナススパイラルに入ったとい
うことです.

とくに見落とされがちなのが「人材不足の問題」と
感じます.

著者はこれについて「はじめに」で次のように指摘
します.

<日本陸軍の優位は,基礎教育の普及を背景とした
将兵の教育・訓練水準の高さにあった.しかし,根
こそぎ動員でそれが実現不可能となった時,自動車
一つ満足に運用できない事態に陥ったのである.>


シナ事変拡大の責任は派遣軍などの戦術レベルには
なく,大本営レベルの戦争マネジメントが失敗した
ことにあります.これが自動車の不足と稼働率の低
下を招き,そのツケを最前線の将兵が支払わされた,
ということではないでしょうか?

ただここで一呼吸置きたいところです.

おそらくシナ事変当時も,政府や大本営の意思決定
を拡大方向に突っ走らせたのは,当時の国民世論だ
った気がしてなりません.背後でそれを煽ったのが
マスメディアであったろうことも.

本著のような本を一般国民が読まなきゃいけない理由は
そのあたり(知的判断力の自律自立独立)にあると
私は考えています.


『日本軍と軍用車両─戦争マネジメントの失敗』
林譲治(著)
出版社: 並木書房 (2019/9/10)
発売日 : 2019/9/10
判型・ページ数(ソフトカバー) :A5判344
ページ
https://amzn.to/3sncTJb


では内容を見ていきましょう.

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◇はじめに

 島国である日本が外征部隊に対して兵站輸送を行
なうにあたり,大きく二つの段階に分けられる.
  それは日本から船舶・鉄道を用いて大本営や方
面軍などが管轄する領域における,いわば「戦略的
な兵站輸送」と,師団が担当する前線までの領域,
つまり「戦術的な兵站輸送」の二つである.
  この二つの分水嶺となるのが兵站末地であり,
自動車による兵站輸送が活躍するのも主としてこの
領域になる.今風に言えば,「ロジスティクスのラ
スト一マイル」の担い手である.
  日本陸軍の輜重兵部隊は,多くが馬による動物
輜重に依存していたことは知られている.アメリカ
軍やイギリス軍がトラックを自在に操るなかで,日
本軍は馬匹で物資を輸送し,時には人力で運んでい
た.
  それは確かに事実ではあるのだが,だから「日
本軍は精神主義一辺倒で機械力に理解がなかった」
と結論するのはいささか早計である.
  事実関係をみれば,日本陸軍は欧米諸国とほぼ
同時期に自動車の研究を始めている.工業基盤の遅
れから,自動車の国産化や量産化には時間を必要と
したものの,構想レベルでは諸外国に劣っていたわ
けではない.
  たとえば,とかく非力な存在として槍玉に上が
る九七式中戦車にしても,開発時の要求仕様は十分
に満たしていた.さらに言えば,同時期の世界の戦
車と比較すれば三七ミリが主力の中で,五七ミリ砲
を搭載するなど(歩兵直協のためではあったが)火
力重視の思想も読み取れるのである.
  また,運動戦を重視する立場から,歩兵師団の
自動車化にも日本陸軍は熱心であり,生産力の範囲
で着実に自動車導入が進められてきた.
  一つの転機は満洲事変とそれに続く熱河作戦で
あった.満洲事変で日本陸軍は初めて大規模な自動
車運用を経験した.さらに熱河作戦により,自動車
の可能性を学ぶこととなった.
  満洲事変の経験により日本陸軍の自動車政策は
一つの転機を迎える.ここでのキーマンは伊藤久雄
輜重兵大尉である.彼は陸軍自動車学校を経て,一
九三二年から三九年まで陸軍省整備局動員課に勤め
ていた人物である.
  彼は満洲事変でフォード・シボレークラスの自
動車が活躍したことから,後方の兵站輸送をこうし
た量産に適した大衆車に委ね,前線はディーゼルエ
ンジンを備えた重量級の軍用車が担うという,自動
車の棲み分けを提案している.
  この提案による大衆車クラスの量産はのちの自
動車製造事業法にて実現することになる.
  伊藤輜重兵大尉と並んで日本陸軍の機械化を語
るうえで忘れてはならないのが吉田悳騎兵監であろ
う.彼は機甲軍創設の立役者でもあるが,重要なの
は彼が機械化部隊を必要とするその理由にある.
  一九四〇(昭和一五)年一〇月,吉田騎兵監は
『装甲兵団ト帝国ノ陸上軍備』を発表する.この中
で彼は,一国の人口問題から軍の機械化を説く.一
国の人口は一朝一夕には増えない.そして工業社会
の戦争だからこそ,軍事力を下支えする工業を維持
するための労働人口は減らせない.ゆえに戦場に無
闇に兵力を送ることは労働人口を減らし,戦力低下
につながる.したがって限られた兵力で高い戦闘力
を維持するには軍の機械化を行なうよりない.
  この吉田騎兵監の提言は,諸外国に比較して労
働生産性の低さが問題となる今日の日本においても
傾聴に値する意見だろう.
  このように日本陸軍の自動車化・機械化への関
心は高く,決して精神力一辺倒ではなかった.
  だが一方で,日本軍の兵站は動物輜重中心であ
り,数少ない自動車についても故障で苦労したとい
う証言には枚挙に暇がない.
  この矛盾はどこから生じるのか? 本書の目的
もこの矛盾について考える点にある.
  一つ言えるのは,日華事変から終戦までの師団
数の急増と根こそぎ動員こそが,諸悪の根源であっ
たということである.
  日本陸軍の優位は,基礎教育の普及を背景とし
た将兵の教育・訓練水準の高さにあった.しかし,
根こそぎ動員でそれが実現不可能となった時,自動
車一つ満足に運用できない事態に陥ったのである.

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

●目 次

 はじめに 1

第一章 日本軍と自動車産業 9

  発明家の時代 9

   自動車産業の黎明/日本最初の自動車メーカー

   軍用自動車の研究開発と自動車産業の誕生 13

   軍馬の数と質の不足/国産軍用車の第一号

  輸入から国産化へ 20

   自動車メーカーの誕生

  国家による自動車産業の育成 24

   陸軍の試算と思惑

  アメリカ自動車産業の進出 28

   欧米の自動車産業発達の背景/世界をリード
   したアメリカ

  アメリカメーカーの日本進出 33

   自動車輸入の拡大/フォード,GM日本上陸

  商工省標準型式自動車とその周辺 38

   軍用車は輸入か国産か?

  標準車の誕生 40

   国産振興委員会の答申/標準車量産の不振と
課題/陸軍の求める軍用車

  自動車製造事業法とその周辺 48

   一九三〇年代の自動車の分類/満洲事変での
自動車運用実績/日産と豊田の登場

  国産車量産に向けた法整備 58

   自動車製造事業法の目的/経済,産業の戦時
体制への移行

  戦時体制下の自動車生産 62

   自動車の需要供給の統制/戦争長期化の影響

第二章 日本軍の軍用車両 68

  ディーゼル車とガソリン車 68

   戦時下のメーカー統廃合

  自動貨車 71

ちよだ,スミダ六輪自動貨車/九四式六輪自動貨車
/九七式四輪自動貨車/一式四輪・六輪自動貨車/
日産80型・180型トラック/トヨタGBトラッ
ク・KBトラック/戦時規格型トラック─180N
・KC型/フォード,シボレーのトラック

  火砲の牽引車 94

黎明期の牽引車/九二式五トン牽引車/九二式八ト
ン牽引車/九四式四トン牽引車/九五式一三トン牽
引車/九八式四トン牽引車/九八式六トン牽引車/
牽引自動貨車

  戦車および装軌車両,装甲車両 113

日本陸軍の機甲化構想/輸入戦車/八九式中戦車/
九二式重装甲車/九四式軽装甲車・九七式軽装甲車
/九五式軽戦車/九七式中戦車/一式中戦車/一式
砲戦車/三式中戦車以降/装甲車/装甲兵車

  乗用車と小型車 169

戦前,戦時期の小型車生産/乗用車/自転車/オー
トバイ/三輪自動車

第三章 日本陸軍機械化への道 195

  馬匹から自動車へ 195

常設されなかった機械化部隊/動物輜重の実態

  自動車隊の黎明期 200

青島攻略─初の自動車運用/自動車隊の創設/シベ
リア出兵─自動車の本格的実戦投入/第一,第二自
動車隊の編制/陸軍自動車学校の創設/戦力近代化
と騎兵の役割

  陸軍の自動車化の進展 220

満洲事変で増強される自動車隊/上海事変の戦車部
隊運用/熱河作戦の兵站・輸送計画/川原挺進隊の
突進/百武戦車隊の戦果と教訓/独立混成第一旅団
の新編

第四章 日本陸軍機械化部隊の興亡 243

  陸軍の自動車運用の実際 243

兵站輸送での自動車運用/自動車隊の指揮統制/連
絡・調整の手段と方法/砲兵部隊との連携と要領

  自動車部隊の拡充 264

日華事変と自動車隊の改編/輜重兵科の自動車化と
その限界/騎兵機械化への改編と問題点

  ノモンハン事件の敗北と教訓 278

日本陸軍が遭遇した初の近代戦/ノモンハン戦の兵
站と自動車運用/ソ連軍の機動力,火力に圧倒され
た日本軍/戦車部隊の改編・新編/機甲兵科の創設
と部隊整備

  陸軍機械化部隊の太平洋戦争 300

マレー作戦─日本陸軍の電撃戦/「電撃戦」の実相
と生かされなかった教訓/兵站輸送と自動車の活躍
/有効活用できなかった機甲戦力

  大陸打通作戦 318

京漢作戦・湘桂作戦の企図と目的/主要作戦部隊の
戦力とその実情/困難続きの兵站線の維持/兵器行
政における日本陸海軍の不作為/故障を招いた背景
と要因/終始つきまとった整備の問題

 主な参考文献 340

 おわりに 342

---------------------------------

いかがでしょうか?


この本で特筆すべきは,
軍用車両というツールの全体を包括的に捉えてつか
もうとする「マネジメント」の視点から描き出して
いることです.

現在のわが自動車産業が,軍と国家が生み出したと
いう事実に驚く戦後日本人も多いのではないでしょ
うか?


戦史と聞けば,戦闘兵科のことばかり取り上げられ
がちです.

ところが,戦闘力を維持するために兵站は不可欠で,
そのため活躍した輜重兵科への視座抜きで,戦史か
ら実像を把握することは不可能でしょう.

この種の兵站・輸送系の軍事本は類書が少なく,な
かでも一般向けに優しく分かりやすく記された書も
少ないですから非常におススメです.興味あればぜ
ひ読んでください.

「欧米諸国と我が国では,自動車産業の立ち上げに
あたって決定的な違いがあった」

など,実に新鮮な視座,面白い知識をたくさん得ら
れることでしょう.

著者はこの方.

林譲治(はやし・じょうじ)
1962年2月,北海道生まれ.SF作家.
臨床検査技師を経て,1995年『大日本帝国欧州
電撃作戦』(共著)で作家デビュー.
2000年以降は『ウロボロスの波動』『ストリンガー
の沈黙』と続く《AADD》シリーズをはじめ,
『記憶汚染』『進化の設計者』などを発表.
最新刊は『星系出雲の兵站』(以上,早川書房刊).
家族は妻および猫のコタロウ.





エンリケ


追伸

プロよりもアマのほうが,囚われのない柔軟な発想
で物事をとらえることができる面もあります.

アマを馬鹿にしないプロ,プロを尊重するアマ.
ひたむきで誠実で奥深さを備えた両者が,精力的に
ことばを飛び交わしあう軍事言論空間に我が国をし
たいですね.

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.20


『AK-47ライフル─最強のアサルト・ライフル』
G・ロットマン著
床井雅美監訳
加藤 喬訳
四六判204ページ(オールカラー)
定価1800円+税込
発行日 :2018.2
定価 ¥1800+税
https://amzn.to/33EeXCr

おはようございます,エンリケです.


世界で最も普及している銃.

それがAKライフルです.

ソ連時代のロシアで開発され,最悪の環境で十分な
性能を発揮する理想的な小火器として世界中で使わ
れています.

世界の戦場で実証されているこの銃の実力を徹底詳
解したのがこの本です.

『AK-47ライフル─最強のアサルト・ライフル』
G・ロットマン著
床井雅美監訳
加藤 喬訳
四六判204ページ(オールカラー)
定価1800円+税込
発行日 :2018.2
定価 ¥1800+税
https://amzn.to/33EeXCr

おなじみのシリーズのひとつで,個人的には
『M-16ライフル』とあわせて読むと面白かった
です.

ミハエル・カラシニコフが作ったAK-47アサルト・ラ
イフルは近代史上もっとも画期的な武器のひとつと
いって差し支えありません.

第二次大戦時の東部戦線でソ連赤軍が苦戦を強いら
れた体験をふまえ,極めて高い信頼性と強大な火力
をもつ全将兵向けフルオート火器として設計されま
した.

取り扱いが容易で故障知らず.
そういうイメージが非常に強いAK-47ライフルは使
い手を選びません.女性でも取り扱いが簡単だそう
です.
世界中の軍隊や反乱軍,ドラッグディーラー,少年
兵,自由の戦士,テロリストらが高い殺傷力を誇る
AK-47とその派生型を使っています.

著者のロッドマンは,AKライフルを撃つだけでな
くAKに撃たれる戦闘も体験しているそうです.
カラシニコフのライバルだったM16ライフルとの比
較を交えながら,全世界の戦場でAKライフルが見せ
た有効性,第2次世界大戦後からの開発史,最新の派
生型を徹底検証しています.

監訳者の床井雅美さんは,

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アメリカ側から見たAK-47ライフルの評価が明確に
書かれてあり,その評価は,私が想像した以上に高
いことに驚いた.何よりM16ライフルを整備してい
た当事者が,M16ライフルはAK-47ライフルにまさる
点がほとんどなかったと正直に書いていることは強
く印象に残った.たとえ手入れが悪く錆だらけにな
っていても射撃でき,ハンマー代わりにテントの杭
を地面に打ち込んでも壊れない頑丈なAK-47は優れた
軍用ライフルと評価している.一方のM16ライフル
の優位点は,その軽量さと命中精度にあるが,現代
戦では命中精度が必ずしも軍用ライフルの最重要性
能でないことも本書で明らかにされている.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と指摘されています.

武器の評価にあたってはカタログスペックでなく,
最悪の環境でどれだけの力を発揮するかが大切,と
聞いたことがありますが,改めてその事実を思い起
こしました.


では内容を見ていきましょう.

-----------------------------
◆はじめに

 多くの銃器が歴史に重要な影響を与えた.ウィン
チェスター・ライフルとコルト・リボルバー・ピス
トルはアメリカ西部を征服した.エンフィールド・
ライフルは大英帝国を維持・防衛し,クラッグ・ヨ
ルゲンセン・ライフルは文明をもたらした.モーゼ
ル・ライフルは第2次世界大戦で世界制覇を狙った
が,アメリカのM1ガーランド・ライフルによって
阻止された.
  M16ライフル(アーマライトAR-15)は,戦後世
代の代表的なライフルとなり,そのライバルはいさ
さか不格好なロシア製アサルト・ライフルだった.
  それは,オートマチック・カラシニコフ・モデ
ル1947,通称「AK-47」である.「カラシニコフ」
または「カラッシ」とも呼ばれ,AK-47の名は最初
の生産モデルに与えられたものだ.
  同型のライフルは,ロシアだけでなく世界中で
さまざまなコピー製品が製造され,それぞれが異な
るモデル名で呼ばれている.しかし名称に関わりな
く,AKライフル・シリーズが,主要な通常戦争から
ギャング抗争にいたるまで,現代の紛争に必ずと言
ってよいほど登場する銃器のイメージとして確立さ
れたことは確かだ.

 AK-47ライフル(カラシニコフ)とその派生型は,
それなりの欠陥と性能的限界を抱えており,兵器と
して完璧ではない.だが,AK-47ライフルは,アサ
ルト・ライフルと分類される軍用ライフルの最も典
型的な製品である.事実,AK-47ライフルは,「ア
サルト・ライフル」と呼ばれる武器分類の基準を打
ち立てた製品の1つでもある.
  AK-47ライフルとその派生型は,ほかのどんな小
火器よりも数多く製造されている.ロシア製のオリ
ジナルに加え,海外でコピーされたり,ライセンス
生産されたりした製品を総計すると7500万挺と推定
される.
  このほか改良型のAKアサルト・ライフルや派生
型軽機関銃タイプのRPK,狙撃銃,さらに発展型の
サブマシンガンが2500万挺ほど存在する.
世界でこれに次ぐ生産量のアサルト・ライフルはア
メリカのM16ライフルとその派生型だが,製造総数
は800万挺あまりにとどまる.
  基本設計が1947年に採用されて以来,AK-47ライ
フルは少なくとも20カ国で作られ,多くの国でいま
も製造が続けられている.第2次世界大戦直後に制
式となってすでに70年以上が経過している.この現
役期間も戦後の軍用小銃が達成した
最長記録である.今後も長く使い続けられ,その期
間をさらに更新するだろう.AK-47ライフルのライ
バル製品の多くは,1960年代初頭以降に登場した比
較的新しいライフルだ.
  当初ロシアに侵攻したナチスドイツを駆逐し,
ソビエト連邦を防衛する武器として開発が始められ
たカラシニコフ・ライフルは,抵抗と反西欧イデオ
ロギーのシンボルともなった.AK-47ライフルは,
現在までに世界中の少なくとも80の軍隊と何百とい
うゲリラ,反政府グループ,民兵組織,テロリスト
集団,そして犯罪組織によって使用されている.
  AK-47ライフルを讃える意見は批判する意見と同
様に多い.性能上の限界にもかかわらず,AK-47ラ
イフルは大小さまざまな武力衝突で多大な影響を与
えてきた.戦闘で発揮したインパクトとは別に,カ
ラシニコフは国や文化のシンボルともなった.人々
を解放し現指導者を権力の座に押し上げたAK-47ラ
イフルを,その社会が重要視しているというメッセ
ージである.

-------------------------------------
◆目次

はじめに 1

第1章 アサルト・ライフルの誕生 10

黎明期のアサルト・ライフル/ドイツの新型武器
「マシン・カービン」/「マシン・カービン」から
「マシン・ピストル」へ/短小弾薬のメリット/ド
イツの短小弾薬と同一の7.62mm×39弾薬/ソビエト
の7.62mm弾薬と7.62mmNATO弾薬の違い/7.62mm×39
弾薬の威力

第2章 AKアサルト・ライフル 36

姿を消す競合ライバル/意図的に「公差」を大きく
とった設計/部隊全体の火力を増大させた/AK-47
ライフルの技術的特徴/3タイプのAK-47ライフル/
AKMアサルト・ライフルの開発/AKMライフルの特徴/
RPK分隊支援機関銃の開発/AKライフル榴弾発射器

第3章 AK-74アサルト・ライフル 76

新型小口径弾薬の開発/進化する5.45mm×39弾薬/
AK-74アサルト・ライフルを採用/AK-74ライフルの
派生型/AK-74アサルト・ライフルの特徴/AKS-74
ライフルの派生型

第4章 AK100シリーズ・ライフル 94

輸出専用の改良型AKライフル/増えるAK-100のライ
センス生産/AK派生型ライフル/汎用性の高いカラ
シニコフ・システム

第5章 AKライフルの使い方 104

全自動火力を重視するソビエト軍/AKライフルの
照準方法/AKライフルの射撃と分解法

第6章 世界の戦場へ 116

AK-47ライフルの配備/「反帝国主義者」のライフ
ル/中東全域に浸透したAKライフル/AKライフルで
武装した少年兵/南米のAKライフル

第7章 AKライフルの対空射撃 138

AK-47ライフルの標準的な射撃法/AKライフルの
対空射撃法/7.62mm口径か,5.45mm口径か?/頑丈
なAKライフル/7.62mm弾薬の威力

第8章 AK-47 vs M16 156

実戦で証明されたAKライフルの威力/AK-47ライフ
ル対M16ライフル/5.56mm弾薬よりはるかに大きな
破壊力/ベトナム戦で実証されたAKライフルの性能/
M16ライフルをしのぐAKライフルの実力

第9章 人民のアサルト・ライフル 176

「カラシニコフ・カルチャー」/「世界を変えた製
品」に選ばれる/AKライフルの輸入は止まらない/
AKライフルはニワトリ1羽の値段?/後継銃AN-94
ライフルは生産中止/「カウンター・リコイルAK」
の開発

[コラム]
カラシニコフ・アサルト・ライフル使用国リスト 
9
ミハエル・カラシニコフ 22
7.62mm×39 M1943弾薬 34
AK-47ライフルとAK-47SライフルIII型の諸元 51
AKMとAKMSアサルト・ライフルの諸元 62
RPKとRPKS分隊支援機関銃の諸元 70
5.45mm×39弾薬 79
AK-74,AKS-74ライフルとAKS-74
uサブマシンガンの諸元 87
RPK-74とRPKS-74分隊支援機関銃の諸元 92
AKMライフル,M16A1ライフル,M14ライフルの諸
元 173
AK-74Mライフル,M4カービン,M14A4ライフル
の諸元 174

参考文献 195
監訳者のことば 196
訳者あとがき 200

-----------------------------------------

監訳者のことば(一部)

 本書の監訳を引き受けた最大の理由は,著者が実
際にベトナム戦争に従軍し,AKライフルで射撃され
る側にいた点にある.ベトナム戦争の前線にいたア
メリカ側の兵士がM16ライフルを酷評し,AK-47ラ
イフルを高く評価していたことは,ベトナム戦争の
最中からしばしば伝えられていた.しかし
,その話が単なる噂なのか,真実なのかは,部外者
にはなかなか判断が難しかった.
  著者のゴードン・ロットマン氏は,ベトナム戦
争にアメリカ陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の兵
器担当要員として従軍した小火器の専門家である.
ここには,アメリカ軍側から見たAK47ライフルの評
価が記されているに違いないと思いながら興味をも
って読んだ.
  想像どおり,本書には,アメリカ側から見たA
K-47ライフルの評価が明確に書かれてあり,その評
価は,私が想像した以上に高いことに驚いた.何よ
りM16ライフルを整備していた当事者が,M16ライ
フルはAK-47ライフルにまさる点がほとんどなかっ
たと正直に書いていることは強く印象に残った.
  私の持論として,軍用ライフルが備えるべき最
重要な性能は,「耐久性」と「頑丈さ」である.ど
んな過酷な状況でも射撃を続けられるライフルこそ,
最良な軍用ライフルと考える.その上に優れた
「命中精度」が備わっていれば言うことはない.
  特殊部隊の兵器係である前に前線の兵士だった
著者もまったく同じ意見で,たとえ手入れが悪く錆
だらけになっていても射撃でき,ハンマー代わりに
テントの杭を地面に打ち込んでも壊れない頑丈なA
K-47は優れた軍用ライフルと評価している.一方の
M16ライフルの優位点は,その軽量さと命中精度に
あるが,現代戦では命中精度が必ずしも軍用ライフ
ルの最重要性能でないことも本書で明らかにされて
いる.詳しくは本文を読んでいただこう.
  本書の中には,小口径高速弾薬と中口径弾薬の
長所と短所についてもわかりやすく記述されている

床井雅美


◇著者略歴

ゴードン・ロットマン(Gordon L. Rottman)
1967年に米陸軍入隊後,特殊部隊「グリーンベレー」
を志願し,各国の重・軽火器に精通する兵器担当と
なる.1969年から1970年まで第5特殊部隊の一員と
してベトナム戦争に従軍.その後も空挺歩兵,長距
離偵察パトロール,情報関連任務などにつき,退役
時の軍歴は26年に及ぶ.統合即応訓練センターでは,
特殊作戦部隊向けシナリオ製作を12年間担当.

著書にオスプレイ・ウエポンシリーズの『M16』
『AK-47』『ブローニング.50口径重機関銃』など多
数.

◇監訳者

床井雅美(とこい・まさみ)
東京生まれ.デュッセルドルフ(ドイツ)と東京に
事務所を持ち,軍用兵器の取材を長年つづける.と
くに陸戦兵器の研究には定評があり,世界的権威と
して知られる.

主な著書に『世界の小火器』(ゴマ書房),ピクト
リアルIDシリーズ『最新ピストル図鑑』『ベレッタ・
ストーリー』『最新マシンガン図鑑』(徳間文庫),
『メカブックス・現代ピストル』『メカブックス・
ピストル弾薬事典』『最新軍用銃事典』(並木書房)
など多数.


◇訳者

加藤 喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉.都立新宿高校卒業後,1979年に渡米.
アラスカ州立大学フェアバンクス校ほかで学ぶ.
88年空挺学校を卒業.91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作
戦に参加.米国防総省外国語学校日本語学部准教授
(2014年7月退官).

著訳書に『LT』(TBSブリタニカ),『名誉除隊』
『アメリカンポリス400の真実!』『ガントリビア9
9』『AK-47ライフル』『MP5サブマシンガン』
『ミニミ軽機関銃』『MP38/40機関銃(近刊)』
(並木書房)がある.


いかがでしょうか?

訳者の加藤さんは,毎週金曜日の「加藤大尉の軍隊
式英会話」の加藤大尉です.

信頼できる著者
信頼できる監訳者
信頼できる訳者

三つの信頼を通じてあなたにAKライフルを
伝えてくれるこの本を心からおススメします.


『AK-47ライフル─最強のアサルト・ライフル』
G・ロットマン著
床井雅美監訳
加藤 喬訳
四六判204ページ(オールカラー)
定価1800円+税込
発行日 :2018.2
定価 ¥1800+税
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エンリケ



追伸

単純に兵器のメカニズムが好きです.
その期待に応えてくれるコンパクトで中身が詰まっ
たこのシリーズをこれからも読み続けてゆきます.



おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.19


『インド太平洋戦略の地政学
中国はなぜ覇権をとれないのか』

ローリー・メドカーフ 著
奥山 真司 監訳
平山 茂敏 監訳
?橋 秀行 訳
後瀉 桂太郎 訳
長谷川 惇 訳
中谷 寛士 訳

出版年月日:2022/01/25
判型・ページ数:A5・450ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3npUmJe

インド太平洋エリアの海を中核とする歴史、治乱興
亡、地理、地勢、通商を地政学的視座から有機的に
学べる読み物です。教科書としてだけでなく、よみ
ものとして楽しんでほしいとおススメできる珍しい
本ですね。

明るく楽しい専門書。読みやすいことこの上ありま
せん。

インド太平洋にかかわる諸国の現状を把握できる。
著者、訳者をはじめ、関わった人が明るい気持ちで
笑顔で作った本ではないか?と感じました。

「インド太平洋学原論」ともいうべき内容で、
学校で教科書として使われてもおかしくない内容です。

「インド太平洋」というアイデアはいかに生まれ、
いかに成長し、いかに関係各国を動かすに至ったのか?
について、エリアスタディよみものテイストでスッ
と楽に読めます。

その視座は「オーストラリアから見たインド太平洋」
であり、インド太平洋に対するオーストラリアの
姿勢の根っこにある論理、アイデア、概念は何か?
が記してあります。豪州から見たインド太平洋への
視座が理解できる内容です。

「インド太平洋」とかかわる宿命に置かれているわ
が国の盟邦予備軍たるオ−ストラリアの地政学視座
を把握するうえで必読の本といえましょう。

豪州発の「インド太平洋」地政学本。
インド太平洋という場における海洋地政学を解説し
たインド太平洋地域のエリアスタディ本。

「インド太平洋」という概念の何たるかが見え、地
政学的にインド太平洋とは何か?がわかる本です。

想定される主読者は、
豪州の安保政策を深く理解する必要に迫られている
政治、軍、外交、インテリジェンスの当局者、そし
て政策を生み出す論を生み出す必要に迫られる専門
研究者、心あるジャーナリストなど、安保政策に深
くかかわる方々でしょう。

これほど豪州の安保への考えの核心を描き出した本
はありません。担当者だけでなく、そうなる可能性
が高い予備軍の方々も必読です。

インド太平洋というアイデア概念への確固たる理解・
把握をして教養を深めておきたい知的な方にも、
もちろんおススメです。


◆本著について

2020年初めに出版された

INDO-PACIFIC EMPIRE: China, America and the Co
ntest for the world Pivotal Region 

の全訳版です。

この種の本ではじめから全訳版が出るのは珍しいこ
とかもしれません。
通常は抄訳版が出てから、、という印象ですが・・

理由は不明ですが、「豪州発」という点が大きいの
かもしれません。

前内閣官房副長官補の兼原さんは「日本語版刊行に
寄せて」のなかで

「本書に展開されたメドカーフ教授の主張は、オー
ストラリアがインド太平洋戦略をどう構想し、どの
ような哲学と政策を持って臨もうとしているかを知
ろうとしている人々にとって最良の入門書となるで
あろう」

と言っています。


◆著者

著者、ローリー・メドカーフ(RORY MEDCALF)さん
はオーストラリア国立大学教授。
ナショナル・セキュリティ・カレッジの代表を務め
てらっしゃいます。
外交、情報分析、シンクタンク、学者、ジャーナリ
ストなどのキャリアを持っており、シドニーの名門
ローウィー研究所では、安全保障プログラムの創設
ディレクターを務めた方です。

豪州政府では、上級情報アナリストや外交官として
、インド、日本、パプアニューギニアに赴任経験が
あり、一九九九年には日本の外務省に出向。「核不
拡散・核軍縮に関する東京フォーラム」への専門的
な支援を行ったとのことです。

「クアッド」と呼ばれる安全保障パートナーシップ
を早くから提唱し、現在では、わが国を含む多くの
インド太平洋諸国との非公式な「トラック2」外交で
主導的な役割を果たしている方だそうです。

2016年に発表された豪州防衛白書のアドバイザーも
務めておりインド太平洋戦略コンセプトのオピニオ
ンリーダーとして、国際的なメディアで頻繁に意見
を発表しています。


ASEAN地域フォーラムの専門家/著名人(EEP: Experts/
Eminent Persons)会合(トラック 1.5) のメンバー
でもあります。


◆翻訳にあたった方々

翻訳に当たられた方々の顔ぶれも「なるほど」と感
じさせるものです。

■監訳者
奥山真司/国際地政学研究所上席研究員
平山茂敏/防衛大学校防衛学教育学群教授

■訳者
?橋秀行/海上自衛隊幹部学校
後瀉桂太郎/海上自衛隊幹部学校
長谷川惇/海上自衛隊幹部学校
中谷寛士/航空自衛隊幹部学校


奥山さんについては言うまでもないですね。
英国で学ばれ、いまはわが国社会で地政学を普及す
る主軸的な役割を果たされている方です。

その他の方々は海空自の士官の方々です。
知り合いの将校さんと全く同じ読みの名前の方がい
らっしゃいましたw
「あれ?」と思いましたが、よく見ると字が違いま
したw


では、地政学の視座からインド太平洋戦略を解説す
るガイドブックの内容を見ていきましょう。

◆目次

◎日本語版まえがき(ローリー・メドカーフ)

◎日本語版刊行に寄せて(兼原信克)

第1章 名称、地図、そして権力
「インド太平洋」という超特急に乗れ/その名前に
は何が含まれているのか?/メンタルマップと物理
的な事実/境界線を打ち壊す/過去の海図を描く/
現状の争い:多くのプレイヤーや階層/地経学/軍
事力/外交/ナラティブをめぐる戦い/未来を守る:
戦争と平和、生存と戦略/ブリッジングとバランス、
陸と海


〈 過 去 〉

第2章 アジアの水面下の歴史
地図を傾けて見る/奥深い歴史、幅広い水平線/イ
ンド洋の重心/中国の初期の進出/西方よりの風:
インド太平洋の植民地化/地図づくりによるつなが
り/帝国の系譜/地政学の闘技場

第3章 国家による波乱の航海:地域の故郷を求め
る探求の旅
偽りの春/反目と分離/インドと中国:巨大な分断/
インド太平洋に響き渡る反響と予感/太平洋と出
会うアジア/「アジア太平洋」という舞台/東アジ
アの進撃:奇跡、はかない希望、誤った呼び名/大
嵐と首脳会談

第4章 インド太平洋の台頭
海賊とパートナーシップ/海における事実:中国の
危機的状況/押し戻しとピボット/ワシと象/象と
ドラゴン/四カ国の仲間たち/プレゼンスと「真珠」/
海上シルクロードをたどる/オーストラリアが命名
した場所/海を越えた言葉/不確実性の時代/イン
ド太平洋の移り変わり


〈 現 在 〉

第5章 ゲームと主なプレイヤーたち
パワーゲーム/国家はビリヤードの玉ではない/中
国/インド/アメリカ

第6章 数多のプレイヤー 
日本/オーストラリア/インドネシア/多様な国が
集う海/グローバルなインド太平洋地域

第7章 狙われるウォーターフロント
海を観察する/風向が変わる貿易風/火に油を注ぐ/
多帯多路

第8章 拡大する戦線
中国のインド太平洋軍事地図/基地をめぐる競争/
戦略的空間と現実/水面下の闘争/核の影/外交を
つくりあげるもの/丼の中をさまよう/ナラティブ
を巡る戦い:最前線に立つオーストラリア/あらゆ
る分野で、あらゆる手段で


〈 未 来 〉
第9章 不信の海を航行する
ブラック・スワンとブラック・エレファント/共倒
れもしくは崩壊:不安の連続/次なる段階へ/共存
への道筋を描く/原則その一:開発/原則その二:
抑止/原則その三:外交/原則その四: 団結/原
則その五:レジリエンス/開かれた海

訳者解説(後瀉桂太郎)
監訳者あとがき(奥山真司・平山茂敏)

---------------------

いかがでしょうか?

●「インド太平洋」という概念は地政学そのもの

●自由で開かれたインド太平洋”の未来像とは?

●強大な経済力を背景に影響力を拡大する中共にど
う向き合うのか?

●インド太平洋地域において性急な拡張政策をとる
中共の内在するリスクとは?

●アメリカ・バイデン政権はパワーを維持すること
ができるのか

●インド太平洋というグローバル経済を牽引する地
域のダイナミズムが2020年代以降の世界情勢に
どのように影響するのかを、地政学的観点から説明
する

●インド太平洋地域を独占しようとする中国の挑戦
に断固とした態度で臨むことの重要性を、国際政治、
外交・安全保障、経済、技術など多角的観点から説


●現代のグレートゲームが、インド太平洋という場
で行われようとしている


という内容を記しているこの本。

インド太平洋戦略という概念を「理解」するうえで
欠かすことのできない基本書と言えましょう。


◆グレートゲーム

インド太平洋エリアは今や現代の「グレートゲーム」
の舞台となっており、「インド太平洋」というアイ
デアといかにかかわるか?は、安倍さんが主要なプ
レーヤーへとわが国を押し上げた根幹ともいえる知
性です。

アジア太平洋とかかわるわが国の姿勢をいかにより
普及し、発展させ、国益の維持拡大をいかに図るか?
という問題意識を持つ人には格好の書と言えます。
「インド太平洋」のエリアスタディ、地政学基本書
として挙げられる内容ですから。

「インド太平洋」というアイデアが初めて公的に明
らかになったのは、2016年に安倍さんがTIC
ADで行ったスピーチでした。


◆安倍元首相

その後も、安部さんの外交戦略としてしか「インド
太平洋」という概念を知らない人は多いことでしょ
う。

しかし、、、じつは、インド太平洋戦略についてき
ちんとまとめた本格書籍はこれまでほぼありません
でした。

この本は、そんな「インド太平洋戦略」を地政学で
描き出した初の書籍といって差し支えありません。
中共の侵攻に対処する「知的武装」として役立つ基
本書ともいえます。


◆対中共知的武装の土台となる内容

中共の地図(口絵の一番初めにある)を見ると、中
共の意図が見えてきます。かの国はまさに遅れてき
た帝国主義国を志向しており、過去の歴史をなぞっ
て世界中に植民地を作り自国繁栄につなげようとし
ています。

かの国の海における動きを見れば一目瞭然です。
一帯一路構想は、海が主軸の中共帝国主義の建設路
です。中共はインド太平洋という海を使って何をし
ようとしているのか?本著を読むとそれが見えてき
ます。

海国は海の視点・視座が不可欠です。
この本で、インド太平洋の海洋地政学的視座を養っ
てください。

日本発のこの種の専門書がなぜ出ていないのか?
非常に不可解で不満です。


◆オーストラリアの安保国防

豪州の仮想敵国はインドネシア。
やはりその感覚が強く、本著も、豪州周辺の地政分
析が主となっており、わが国とのかかわりをあまり
感じない記述が多いです。

著者はこういいます。

「本書は、2030年以降の世界の深層を流れる地政学
的潮流をたどりながら、海洋にまたがる国際的な連
接と競争の歴史を語るために地図を傾けて見よう、
という本なのだ。…本書は戦争を奨励したものでは
ない。いわゆる“反中”本でもない。むしろ多極化
を支持する本なのだ」(「日本語版まえがき」より)

◆特徴

現在過去未来の時間軸で内容を整理している点です。

目次を見ればわかる通り、思考の流れと思考範囲を
きちんと整理できるからすっきり理解が進みますね。

過去のはなしと今のはなしと未来のはなしがごっち
ゃになって何が何だか分からなくなる。

この種の情勢把握本を読むときは、そういうことが
よく起こりますからね。


◆豪州から見たインド太平洋

全編通じていえるのは、
すべてに「豪州から見たインド太平洋」が頭につく
ことです。
その点をキチンとわきまえて読むべきでしょう。

インド太平洋というアイデア・概念に関する
一般状況解説や知識については、非常に学びになる
内容といえます。

一つだけ残念なのは、安倍さんを通じて、米太平洋
軍の名称変更を通じて、「インド太平洋」という概
念・アイデアは、わが国一般人にも身近な存在であ
ったにもかかわらず、わが専門研究者の方の手にな
る本著と同様の啓蒙書が日本発で出なかったことで
す。

超おススメです。


『インド太平洋戦略の地政学
中国はなぜ覇権をとれないのか』

ローリー・メドカーフ 著
奥山 真司 監訳
平山 茂敏 監訳
?橋 秀行 訳
後瀉 桂太郎 訳
長谷川 惇 訳
中谷 寛士 訳

出版年月日:2022/01/25
判型・ページ数:A5・450ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3npUmJe


エンリケ


追伸
「インド太平洋」というアイディアが具体的政策と
して明らかになったのは、安部さんが2016年に
TICADで行ったスピーチのようです。

それ以来、わが周辺を意味する概念として急速に浸
透。地政学的な概念として定着し、米軍も太平洋軍
をインド太平洋軍に名称変更しました。

そのあたりのことも巻末の訳者解説で書かれていま
す。
読みどころは本編だけではありません!


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.2.2


「次期戦闘機開発をいかに成功させるか」
森本 敏 (著), 岩崎 茂 (著),
山崎 剛美 (著), 田中 幸雄 (著),
桐生 健太朗 (著), 川上 孝志 (著)
出版社:並木書房
発売日:2021/12/8
単行本(ソフトカバー):四六判464ページ
https://amzn.to/3GnLvOY

おはようございます、エンリケです。

2018年12月、安倍政権下、次期戦闘機(F‐X)は「日
本主導の国際共同開発」との方針が決定され、20
21年、三菱重工のもとにIHI、川崎重工、三菱電機
など協力会社7社が集まり本格的に開発が始まりま
した。

今後15年かけて開発するのは2035年頃に退役が始ま
るF‐2戦闘機の後継機です。次期戦闘機にはステル
ス性だけでなく、高度な電子戦、ネットワーク戦を
制する能力が要求され、将来的には無人機との連携
も求められます。

F‐2戦闘機開発での苦い教訓から自主開発の道を選
んだ日本。2009年から研究が始まっていた開発計画
の経緯と今後の展望を戦闘機開発に関わった専門家
6人が語りつくします!

新戦闘機の開発がこれから始まるという時期に出た、
極めて専門的であるにもかかわらず国民皆が把握し
て理解しておかなければならない内容を持つ本です。

森本敏さんが「国内で最高峰の戦闘機専門家」と太
鼓判を押す方々が、戦闘機はいかに開発されるか?
の内幕、そして新しい戦闘機を作るにはいかなる考
え方・アイディア・プロジェクトが必要なのか? 
について、書いています。


▼嫡男

傑作「主任設計者が明かす F-2戦闘機開発」(*)
の嫡男と言ってよい、わが戦闘機開発秘話。エンジ
ニアはもちろん、航空ファンには欠かせぬ一冊です。

(*)https://amzn.to/3rGEXHd

次期戦闘機開発のすべてはまさにこれから始まると
いうときに出たこの本は、各著者の方々の、現役の
方々への思いがひしひしひたひたと読み手に迫って
くる内容です!


「次期戦闘機開発をいかに成功させるか」
森本 敏 (著), 岩崎 茂 (著),
山崎 剛美 (著), 田中 幸雄 (著),
桐生 健太朗 (著), 川上 孝志 (著)
出版社:並木書房
発売日:2021/12/8
単行本(ソフトカバー):四六判464ページ
https://amzn.to/3GnLvOY


■応援歌とよびかけ

今まさに進展中のポストF2戦闘機開発の歴史が細や
かに伝わるこの本。類書はなく、極めて貴重な資料
的価値を持ちます。とくに軍事ファンや関係者なら
本棚に必須です。

ただこれは、「読んだらわかる」と言うのとは少し
ニュアンスが違います。妥協なきプロの言葉が詰ま
っているこの本は、読みやすいとは言えません。
歯応えありです。

ただこの本を読めば、本物の迫力が伝わる妥協なき
内容を通じて、次の時代に技術を受け継ぐことを考
えた戦闘機開発、兵器開発、それらと不可分一帯の
武器輸出、兵器ビジネスをいかに実践したらよいの
か?の核心まで見えてきます。

新兵器開発、武器取引の実際はどういうものなのか?
が、わが国有数のプロたちの口を通じて語られてい
るのです。

この本には、これからはじまる新規戦闘機開発プロ
ジェクトの内側を知る人から、これからプロジェク
トに関わる全ての人に送られたエールであり、教え
であり、忠告であり、応援のメッセージという面が
あります。

そしてもうひとつ。
新戦闘機の恩恵を受けることになる国民、政治家に
向けた、戦闘機の作り方(装備開発)マニュアルで
す。カタログスペックでなく、いかに戦闘機(装備)
を作るか?の実際を知ることで勘所を抑えた理解を
図り、プロジェクトを応援し、支援し、最高の次期
戦闘機を手に入れよう、との呼びかけです。


▽兵器体系をどういう考えで作るのか?

本著のまとめ役・森本敏さん(元防衛相)は、この
本を作った目的についてこうおっしゃっています。

<最新鋭の戦闘機を国産することは戦後日本の夢の
1つです。そして、その夢はこれから、10年以内に
実現するものと確信します。言うまでもなく、戦闘
機は今日の国家防衛の要です。航空優勢なしに国家
を守ることはほぼ不可能であるからです。 しかし、
戦闘機を自国で開発生産することは容易ではあり
ません。急速に発展する技術を克服し、新たな概念
に挑戦する必要があるからです。 我々の希望は、
日本が戦闘機という現代技術の粋を結集した兵器体
系をどのような考えで作ろうとしているのか、その
場合の問題はどこにあるのかを国民の皆様に知って
もらうことです。(森本 敏)>

こういう志に貫かれた本著は、戦闘機開発の内側を
伺い知ることができる貴重な内容であり、プロジェ
クトにあたって政治の決断力、洞察力がいかに重要
で不可欠か?を身に染みて感じさせてくれる内容で
もあります。

我々主権者国民が、戦闘機(装備品)開発プロジェ
クトへの正確で正鵠を射た理解を持つ大切さを思い
知らせてくれます。

2021年12月8日段階で日米共同、日英共同の2つが進
んでおり、日米共同についてはこれから乗り越えな
ければならない壁がまだまだある一方、日英共同に
関しては大臣間合意ができており具体的協議が進ん
でいる段階。

ただ思うのだが、相手が米国か?英国か?
米国はダメだ!英国はダメだ!
そういった第三者的、情緒的反応に終始しているよ
うではダメ。

日英共同でできること、日米共同でできること、は
どういうものなのか?どこにどういう違いがあるの
か?わが国は何をどちらを選んで何を追求していく
べきなのか?

我が国を主人公とする方向で考えられなければ、画
期的な新戦闘機開発プロジェクトの内幕を読んでも
得られるものは少ないです。その意味で読む人を選
ぶと思います。

あわせて思ったのは、
この本は桜林さんの防衛産業本(*1)そしてF2開発
本(*2)と合わせ読むべき内容ということです。

(*1)http://okigunnji.com/misa/
(*2) https://okigunnji.com/post-4225/


新戦闘機の開発がいかに行われているのかを知る上
でも参考になりますが、武器開発、武器ビジネスを
行う防衛産業を守り育成してゆくために今国民は何
をしなければならないのか?を改めて感じさせてく
れる本です。

今とこれからのわが国を真剣に考える日本人の必読
書といえましょう。


「次期戦闘機開発をいかに成功させるか」
森本 敏 (著), 岩崎 茂 (著),
山崎 剛美 (著), 田中 幸雄 (著),
桐生 健太朗 (著), 川上 孝志 (著)
出版社:並木書房
発売日:2021/12/8
単行本(ソフトカバー):四六判464ページ
https://amzn.to/3GnLvOY


著者略歴

森本 敏
防衛省を経て外務省に入省し、在米日本国大使館一
等書記官、情報調査局安全保障政策室長などを歴任。
退官後、慶應義塾大学等で教鞭を執る。平成12年か
ら拓殖大学教授、同大学総長を経て現在、同大学顧
問。初代防衛大臣補佐官、第11代防衛大臣、防衛大
臣政策参与などを歴任。

岩崎 茂
防衛大学校卒、元航空自衛官、空将。航空自衛隊で
は戦闘機パイロットとして勤務、約100回に及ぶ
ロシア・中国機などに対する対領空侵犯措置任務の
経験を有し、第2航空団司令、航空総隊司令官、第3
1代航空幕僚長、第4代統合幕僚長、防衛大臣政策参
与などを歴任。


■森本敏さんによる「はじめに」を

---------------------------

はじめに(一部)

 2018年12月、安倍晋三政権の下、次期戦闘機
について、「国際協力を視野に、我が国主導の開発
に早期に着手する」との方針が中期防衛力整備計画
において決定され、これを踏まえて2020年から
防衛省は本格的な開発に着手しました。
  最新鋭の戦闘機を国産することは戦後日本の夢の
1つです。そして、その夢はこれから、10年以内に
実現するものと確信します。言うまでもなく、戦闘
機は今日の国家防衛の要です。航空優勢なしに国家
を守ることはほぼ不可能であるからです。
  しかし、戦闘機を自国で開発生産することは容
易ではありません。急速に発展する技術を克服し、
新たな概念に挑戦する必要があるからです。
  将来の航空戦闘は、有人機にコントロールされ
た無人機のスワーム(蜂のような群れ)が限定され
た空間を埋め尽くすといった様相になるかもしれま
せん。戦闘機も第6世代、第7世代などという概念
がなくなり、最新の技術を使って常続不断に既存機
の改良と改修が行われ、航空機というより空中指揮
統制システムの飛行体といったものに変わっていく
可能性もあります。すでにこうした変化の萌芽は見
え始めています。
  いずれにしても戦闘機という技術の先端を行く
兵器システムをアジアで、自力開発できた国は戦前
では日本だけ、戦後は中国、台湾、韓国、インドく
らいでしょう。しかもこれら戦後の開発生産国は米
国、ロシアから何らかの協力や支援を得ているか、
あるいは一部は他国の技術盗用があるといわれてい
ます。
  戦後、日本は戦闘機を米国から取得してきまし
た。最初はMAP(無償供与)、そして日本の経済
成長にともなってFMS(有償供与)により入手し
てきました。
  1988年頃からF‐2(FS‐X)戦闘機を
日米で共同開発を始めましたが、日米両国にはそれ
ぞれ事情があり、その過程で困難で複雑な交渉が行
われました。相互に誤解や対立も生まれましたが、
結果としては素晴らしい戦闘機ができたと思います。
この開発で日米両国は多くの教訓と経験を学びま
した。そのF‐2戦闘機は今も日本の防空の重要な
役割を担っています。(中略)
  次期戦闘機開発は緒に就いたばかりです。特に
我が国主導の開発という方針を貫きながら、米・英
両国との国際協力をどのように進めるか、とりわけ
米国政府による技術支援の許可が下りて、ISPが
本気になって開発協力に取り組んでくれるかという
点で、最初の岐路に直面していると思います。この
プロセスを乗り切って真の意味で第5世代戦闘機の
開発に成功するには、これから多くの困難と苦渋に
満ちた選択を乗り越えなければ完成には至りません。
(中略)
  我々は、F‐X開発に関わるすべての事象を把
握して執筆する必要があり、結局、3年に近い時間
を費やしました。戦闘機開発の実情には機微な内容
が多く含まれており、事実関係のすべてを書くわけ
にはいきません。部分的には抽象的な表現を使って
記述せざるを得ませんでした。そのため個人名や正
確な日時などはほとんど省きました。特定の人物し
か知らないことも割愛しました。
  しかし、次期戦闘機の開発に情熱をもって取り
組んでいる人の気持ちと考え方をできる限り代弁し、
開発事業の複雑さを国民の皆様に分かっていただ
けるよう努めました。>

-------------------------------------------


■それでは新戦闘機「F-X」開発ガイドブックの内
容を見ていきましょう。


◇目 次

はじめに 森本 敏 1

資料 次期戦闘機(F‐X)研究開発の経緯 17
略語集 25

第1章〈討論〉次期戦闘機開発、その経緯と展望 33

 討論のはじめに 33
  FS‐X開発のトラウマ 35
  新戦闘機実用化への過程と教訓 38
  次期戦闘機は第5世代機か? 42
  有人戦闘機プラス無人戦闘機共同運用の可能性 44
  次期戦闘機の基礎研究と先進技術実証機X‐2 48
  F‐2後継機国産化を後押しした「ビジョン」49
  次期戦闘機開発に関する政府の体制と開発構想 57
  国際協力による共同開発か、純国産開発か 59
  拡張性、改修の自由度への対応 61
  開発計画が遅れた背景と理由 63
  RFIの提示と米国企業の反応 65
  F‐22生産打ち切りの影響 67
  採用されなかったF‐22+F‐35派生型機構想 70
  次期戦闘機開発方針の転換期は2019年末 72
  日米双方の思惑と認識の差 76
  リスクとコスト低減のための検討 79
  日英共同開発のメリット 82
  国際共同開発における日本の選択肢 84
  次第に固まっていった日本主導の日米共同開発 87
  相互運用性の重視とビジネスの両立 90
  次期戦闘機開発の諸問題─システム・インテグレ
  ーション 93
  英国との協議、交渉の行方 96
  データリンク開発に欠かせない米国の協力 100
  システムに関する2つの考え方 102
  次期戦闘機が備えるべき機能 105
  米国にどのような支援を求めるか 108
  試験・評価に欠かせない米国の設備と支援 110
  次期戦闘機の生産機数と開発コスト 114
  次期戦闘機の所要機数 117
  調達機数と量産価格の適正化 120
  次期戦闘機の海外輸出 124
  実績のない戦闘機は売れない 126
  次期戦闘機開発のための企業連合と防衛産業 130
  オールジャパン体制の理想と現実 133
  責任の所在とリスク回避 136
  開発計画と技術者の持続性の構築 139
  防衛産業を維持育成する環境作りが急務 143
  企業が防衛産業から撤退する理由 144
  次期戦闘機開発事業の本格化─日米企業協議と
  ISP 148
  相互運用性の実現と課題 151
  日本だけですべての開発は困難 155
  インテグレーション支援パートナーの役割 157
  共同開発と情報管理 160
  米・英両国との協議の現況と課題 164

第2章 日本の戦闘機開発と次期戦闘機の運用構想 168

 1、航空防衛力の意義─多次元統合作戦を牽引 168
  (1)戦争における航空機の役割 168
  (2)航空防衛力の重要性 172
  (3)航空防衛力における戦闘機の役割 173
  2、今後の航空防衛力に対する期待 199
  (1)我が国を取り巻く軍事環境 199
  (2)科学技術の進化・発展 205
  3、F‐2後継機の運用構想 207
  (1)F‐2後継機(F‐X)に求められる能力 209
  (2)開発にあたり考慮すべき事項 215

第3章 F‐2開発の経緯と教訓 田中幸雄、山崎剛美 220

 1、FS‐X(F‐2)日米共同開発の概要 220
 2、FS‐X開発の経緯 221
  (1)共同開発までの経緯 221
  (2)F‐16改造案決定と実務協議 224
 3、FS‐X共同開発からの教訓 240
  (1)日本側の反省・教訓 241
  (2)米国側の反省 248
 4、FS‐XからF‐Xプロジェクトへ 249

第4章 次期戦闘機開発の技術的課題(1) 250

 1、次期戦闘機の開発構想 250
  (1)将来戦闘機研究開発ビジョンの概要 250
  (2)31中期防における目標 252
  (3)令和2年度行政事業レビュー 255
  (4)次期戦闘機の開発構想 255
  2、技術開発のプロセス 259
  (1)防衛省における技術開発のプロセス 259
  (2)次期戦闘機における先行研究 260
  (3)ソフトウェアオリエンテッド開発 261
  (4)改修の自由度 269
  3、リスクとコストの削減 272
  (1)技術活動 272
  (2)プロジェクト管理 275
  (3)スマート・ファクトリー 279
  4、システム・インテグレーション 280
  (1)システム・インテグレーションとは 280
  (2)システム・インテグレーションの観点か
     ら押さえておくべきこと 283
  5、機体・エンジンの開発設計 284
  (1)エンジンの機能と機体とのインターフェ
     ース 284
  (2)機体とエンジンの開発プロセス 286
  6、次期戦闘機のエンジン設計 292
  (1)エンジンの研究開発と実績 292
  (2)飛行環境下のエンジンの運転試験 294
  (3)エンジンの耐久性 295
  (4)代替エンジンの検討 296

第5章 次期戦闘機開発の技術的課題(2) 298

 1、次期戦闘機のための国内研究開発の実績と成
   果 298
  (1)次期戦闘機の研究開発ビジョン 298
  (2)次期戦闘機に必要な技術 300
  (3)ステルス性に関する研究 302
  (4)機体に関する研究 310
  (5)エンジンに関する研究 316
  (6)アビオニクスに関する研究 324
  (7)機体構想に関する研究 330
  (8)ウエポンに関する研究 332
  (9)2019〜21年度のシステム・インテ
     グレーションなどの研究 335
  2、次期戦闘機開発にあたっての基本的な事項 339
  (1)次期戦闘機はどのような機体か 340
  (2)戦闘機の世代区分 341
  (3)航空自衛隊の戦闘機体系と次期戦闘機の
     役割 344
  (4)次期戦闘機の要求性能 346
  3、独自開発と共同開発をめぐる議論 350
  4、日本主導開発の課題 356
  (1)開発技術者人材の確保 356
  (2)新たな効率的開発態勢の構築 358
  (3)開発インフラの不足 361
  (4)日本主導開発を追求する意義 363

第6章 次期戦闘機の運用上の課題 366

 1、インターオペラビィリティ(相互運用性)の
   確保 366
  (1)MADLとの連接 367
  (2)ミサイル、弾薬の相互運用性と国産装備
     品の運用 371
  (3)ステルス性能 372
  2、ミッション・システム 373
  3、電子戦 378
  4、無人機運用 379
  5、オープン・システムズ・アーキテクチャ
   (OSA)381
  (1)OSA規準の選択 381
  (2)次期戦闘機のOSA 385
  6、ソースコード 389
  7、維持整備体制 390
  (1)後方情報システム 390
  (2)搭載装備品の共用化 390
  (3)サプライチェーンの確保 391
  (4)3Dプリンターを利用した部品製作 392

第7章 次期戦闘機開発の運営管理上の課題 394

 1、開発経費、生産機数及び量産単価 394
  (1)開発経費 394
  (2)生産機数 398
  2、開発のプロセスの概要と開発期間 407
  3、企業連合と契約制度 411
  (1)要求性能の検討 411
  (2)開発・生産体制の構築 413
  (3)企業連合体運営上の課題 419
  4、国際装備移転 423
  (1)防衛装備移転三原則 423
  (2)海外輸出の可能性 425
  (3)輸出の形態とその課題 427
  (4)輸出に必要な要件 433
  (5)装備品輸出管理の制度と運用 436
  5、情報管理 446
  (1)企業に求められる情報セキュリティ 446
  (2)情報セキュリティ上の米国との関係 451

おわりに 岩崎 茂 455
執筆者のプロフィール 461



▽いかがでしょうか?

わがF-X開発の全貌を伝えるこの本がもつ一番大きな
特徴は「これからはじまる「世界の中の日本」が行
う武器開発」にかかわる人々に不可欠な考え方やア
イデア、感覚、発想等を、これまでの各種開発で様々
な壁にぶちあたり、それを乗り越えてきた業界の先
輩・権威が惜しみなく伝えている点です。

武器輸出全般にかかわるすべての関係者にとって、
「必ず読まねばならないガイドブック」と言って差
し支えないでしょう。

装備開発、取引の現実を知ることで、
問題にぶつかったとき、なにをどう解決してゆけ
ばよいか?の方向付けに不可欠な知恵を得られるは
ずです。

ことしぜひ読んでいただきたい超おススメ本で
間違いありません。

実はこの本。
発売前からベストセラーでした。
あなたも今すぐ手に入れてください!


「次期戦闘機開発をいかに成功させるか」
森本 敏 (著), 岩崎 茂 (著),
山崎 剛美 (著), 田中 幸雄 (著),
桐生 健太朗 (著), 川上 孝志 (著)
出版社:並木書房
発売日:2021/12/8
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エンリケ


追伸
著者のおひとり岩崎閣下のお名前を拝見し、
メルマガ創刊当初のことを思い出しました。

発売前からベストセラーです。
今すぐどうぞ、、、



おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.31


『日本軍と軍用車両─戦争マネジメントの失敗』
林譲治(著)
出版社: 並木書房 (2019/9/10)
発売日 : 2019/9/10
判型・ページ数(ソフトカバー) :A5判344
ページ
https://amzn.to/3sncTJb

おはようございます、エンリケです。

帝国陸軍の機械化史を、日本自動車産業史と連ねて
解説した通史。帝国陸軍輜重兵史の側面も持つわが
軍用車両の歴史が描き出されています。

地味ではあるけど決定的に重要な兵站、輜重兵科を
知るきっかけにもなる技術史であり、帝国陸軍が、
機械化(=自動車化)部隊を具体的にいかに作って
いったのか?が手応えあるかたちでよくわかる良書
です。

戦後日本では、

「帝国陸軍は野蛮な精神主義の権化で、近代的な装
備機械化などは軽視していた」

という、批判に見せた「根拠なき誹謗中傷」が、わ
が軍事セクターに対して行われています。

・帝国陸軍は世界的に見ても歩兵師団をはじめとす
る諸兵科の機械化に熱心な軍隊であった

・帝国陸軍は海外事情にも通じており、たとえば戦
車でも列強に劣らない火力と装甲を重視していた。

・自動車産業の立ち上げと陸軍部隊機械化がほぼ同
時並行で行われていた歴史

・たしかに兵站は最後まで軍馬中心であり、数少な
い自動車は故障で苦労したという証言が少なくない。

・機械化が思うように進まなかった根源の理由は、
シナ事変拡大に伴う師団数の急増と根こそぎ動員を
通じた兵站、人材不足の問題にあった。

という事実を無視した誹謗中傷に、少なくともあな
ただけは染まらないでいただきたいものです。
本著を読めば正鵠を射た背景事情を把握できますの
で、一読をおススメします。

もしシナ事変を早期に終わらせていれば、
当時のわが自動車生産能力のポテンシャルでわが陸
軍全師団の自動車化は十分可能でした。

ところがシナ事変が拡大し、派遣部隊が急増。自動
車隊将兵の経験知識は不十分になり、自動車の適切
な運用ができなくなり、「根こそぎ動員」を通して
自動車の需要に供給が追い付かなくなりました。

人材育成・兵站の裏付けを欠いた部隊の急増が自動
車の形式の混在、稼働率の低下を招き、それが、前
線での補給部品や燃料入手を困難にし、また稼働率
を下げる、というマイナススパイラルに入ったとい
うことです。

とくに見落とされがちなのが「人材不足の問題」と
感じます。

著者はこれについて「はじめに」で次のように指摘
します。

<日本陸軍の優位は、基礎教育の普及を背景とした
将兵の教育・訓練水準の高さにあった。しかし、根
こそぎ動員でそれが実現不可能となった時、自動車
一つ満足に運用できない事態に陥ったのである。>


シナ事変拡大の責任は派遣軍などの戦術レベルには
なく、大本営レベルの戦争マネジメントが失敗した
ことにあります。これが自動車の不足と稼働率の低
下を招き、そのツケを最前線の将兵が支払わされた、
ということではないでしょうか?

ただここで一呼吸置きたいところです。

おそらくシナ事変当時も、政府や大本営の意思決定
を拡大方向に突っ走らせたのは、当時の国民世論だ
った気がしてなりません。背後でそれを煽ったのが
マスメディアであったろうことも。

本著のような本を一般国民が読まなきゃいけない理由は
そのあたり(知的判断力の自律自立独立)にあると
私は考えています。


『日本軍と軍用車両─戦争マネジメントの失敗』
林譲治(著)
出版社: 並木書房 (2019/9/10)
発売日 : 2019/9/10
判型・ページ数(ソフトカバー) :A5判344
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では内容を見ていきましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◇はじめに

 島国である日本が外征部隊に対して兵站輸送を行
なうにあたり、大きく二つの段階に分けられる。
  それは日本から船舶・鉄道を用いて大本営や方
面軍などが管轄する領域における、いわば「戦略的
な兵站輸送」と、師団が担当する前線までの領域、
つまり「戦術的な兵站輸送」の二つである。
  この二つの分水嶺となるのが兵站末地であり、
自動車による兵站輸送が活躍するのも主としてこの
領域になる。今風に言えば、「ロジスティクスのラ
スト一マイル」の担い手である。
  日本陸軍の輜重兵部隊は、多くが馬による動物
輜重に依存していたことは知られている。アメリカ
軍やイギリス軍がトラックを自在に操るなかで、日
本軍は馬匹で物資を輸送し、時には人力で運んでい
た。
  それは確かに事実ではあるのだが、だから「日
本軍は精神主義一辺倒で機械力に理解がなかった」
と結論するのはいささか早計である。
  事実関係をみれば、日本陸軍は欧米諸国とほぼ
同時期に自動車の研究を始めている。工業基盤の遅
れから、自動車の国産化や量産化には時間を必要と
したものの、構想レベルでは諸外国に劣っていたわ
けではない。
  たとえば、とかく非力な存在として槍玉に上が
る九七式中戦車にしても、開発時の要求仕様は十分
に満たしていた。さらに言えば、同時期の世界の戦
車と比較すれば三七ミリが主力の中で、五七ミリ砲
を搭載するなど(歩兵直協のためではあったが)火
力重視の思想も読み取れるのである。
  また、運動戦を重視する立場から、歩兵師団の
自動車化にも日本陸軍は熱心であり、生産力の範囲
で着実に自動車導入が進められてきた。
  一つの転機は満洲事変とそれに続く熱河作戦で
あった。満洲事変で日本陸軍は初めて大規模な自動
車運用を経験した。さらに熱河作戦により、自動車
の可能性を学ぶこととなった。
  満洲事変の経験により日本陸軍の自動車政策は
一つの転機を迎える。ここでのキーマンは伊藤久雄
輜重兵大尉である。彼は陸軍自動車学校を経て、一
九三二年から三九年まで陸軍省整備局動員課に勤め
ていた人物である。
  彼は満洲事変でフォード・シボレークラスの自
動車が活躍したことから、後方の兵站輸送をこうし
た量産に適した大衆車に委ね、前線はディーゼルエ
ンジンを備えた重量級の軍用車が担うという、自動
車の棲み分けを提案している。
  この提案による大衆車クラスの量産はのちの自
動車製造事業法にて実現することになる。
  伊藤輜重兵大尉と並んで日本陸軍の機械化を語
るうえで忘れてはならないのが吉田悳騎兵監であろ
う。彼は機甲軍創設の立役者でもあるが、重要なの
は彼が機械化部隊を必要とするその理由にある。
  一九四〇(昭和一五)年一〇月、吉田騎兵監は
『装甲兵団ト帝国ノ陸上軍備』を発表する。この中
で彼は、一国の人口問題から軍の機械化を説く。一
国の人口は一朝一夕には増えない。そして工業社会
の戦争だからこそ、軍事力を下支えする工業を維持
するための労働人口は減らせない。ゆえに戦場に無
闇に兵力を送ることは労働人口を減らし、戦力低下
につながる。したがって限られた兵力で高い戦闘力
を維持するには軍の機械化を行なうよりない。
  この吉田騎兵監の提言は、諸外国に比較して労
働生産性の低さが問題となる今日の日本においても
傾聴に値する意見だろう。
  このように日本陸軍の自動車化・機械化への関
心は高く、決して精神力一辺倒ではなかった。
  だが一方で、日本軍の兵站は動物輜重中心であ
り、数少ない自動車についても故障で苦労したとい
う証言には枚挙に暇がない。
  この矛盾はどこから生じるのか? 本書の目的
もこの矛盾について考える点にある。
  一つ言えるのは、日華事変から終戦までの師団
数の急増と根こそぎ動員こそが、諸悪の根源であっ
たということである。
  日本陸軍の優位は、基礎教育の普及を背景とし
た将兵の教育・訓練水準の高さにあった。しかし、
根こそぎ動員でそれが実現不可能となった時、自動
車一つ満足に運用できない事態に陥ったのである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

●目 次

 はじめに 1

第一章 日本軍と自動車産業 9

  発明家の時代 9

   自動車産業の黎明/日本最初の自動車メーカー

   軍用自動車の研究開発と自動車産業の誕生 13

   軍馬の数と質の不足/国産軍用車の第一号

  輸入から国産化へ 20

   自動車メーカーの誕生

  国家による自動車産業の育成 24

   陸軍の試算と思惑

  アメリカ自動車産業の進出 28

   欧米の自動車産業発達の背景/世界をリード
   したアメリカ

  アメリカメーカーの日本進出 33

   自動車輸入の拡大/フォード、GM日本上陸

  商工省標準型式自動車とその周辺 38

   軍用車は輸入か国産か?

  標準車の誕生 40

   国産振興委員会の答申/標準車量産の不振と
課題/陸軍の求める軍用車

  自動車製造事業法とその周辺 48

   一九三〇年代の自動車の分類/満洲事変での
自動車運用実績/日産と豊田の登場

  国産車量産に向けた法整備 58

   自動車製造事業法の目的/経済、産業の戦時
体制への移行

  戦時体制下の自動車生産 62

   自動車の需要供給の統制/戦争長期化の影響

第二章 日本軍の軍用車両 68

  ディーゼル車とガソリン車 68

   戦時下のメーカー統廃合

  自動貨車 71

ちよだ、スミダ六輪自動貨車/九四式六輪自動貨車
/九七式四輪自動貨車/一式四輪・六輪自動貨車/
日産80型・180型トラック/トヨタGBトラッ
ク・KBトラック/戦時規格型トラック─180N
・KC型/フォード、シボレーのトラック

  火砲の牽引車 94

黎明期の牽引車/九二式五トン牽引車/九二式八ト
ン牽引車/九四式四トン牽引車/九五式一三トン牽
引車/九八式四トン牽引車/九八式六トン牽引車/
牽引自動貨車

  戦車および装軌車両、装甲車両 113

日本陸軍の機甲化構想/輸入戦車/八九式中戦車/
九二式重装甲車/九四式軽装甲車・九七式軽装甲車
/九五式軽戦車/九七式中戦車/一式中戦車/一式
砲戦車/三式中戦車以降/装甲車/装甲兵車

  乗用車と小型車 169

戦前、戦時期の小型車生産/乗用車/自転車/オー
トバイ/三輪自動車

第三章 日本陸軍機械化への道 195

  馬匹から自動車へ 195

常設されなかった機械化部隊/動物輜重の実態

  自動車隊の黎明期 200

青島攻略─初の自動車運用/自動車隊の創設/シベ
リア出兵─自動車の本格的実戦投入/第一、第二自
動車隊の編制/陸軍自動車学校の創設/戦力近代化
と騎兵の役割

  陸軍の自動車化の進展 220

満洲事変で増強される自動車隊/上海事変の戦車部
隊運用/熱河作戦の兵站・輸送計画/川原挺進隊の
突進/百武戦車隊の戦果と教訓/独立混成第一旅団
の新編

第四章 日本陸軍機械化部隊の興亡 243

  陸軍の自動車運用の実際 243

兵站輸送での自動車運用/自動車隊の指揮統制/連
絡・調整の手段と方法/砲兵部隊との連携と要領

  自動車部隊の拡充 264

日華事変と自動車隊の改編/輜重兵科の自動車化と
その限界/騎兵機械化への改編と問題点

  ノモンハン事件の敗北と教訓 278

日本陸軍が遭遇した初の近代戦/ノモンハン戦の兵
站と自動車運用/ソ連軍の機動力、火力に圧倒され
た日本軍/戦車部隊の改編・新編/機甲兵科の創設
と部隊整備

  陸軍機械化部隊の太平洋戦争 300

マレー作戦─日本陸軍の電撃戦/「電撃戦」の実相
と生かされなかった教訓/兵站輸送と自動車の活躍
/有効活用できなかった機甲戦力

  大陸打通作戦 318

京漢作戦・湘桂作戦の企図と目的/主要作戦部隊の
戦力とその実情/困難続きの兵站線の維持/兵器行
政における日本陸海軍の不作為/故障を招いた背景
と要因/終始つきまとった整備の問題

 主な参考文献 340

 おわりに 342

---------------------------------

いかがでしょうか?


この本で特筆すべきは、
軍用車両というツールの全体を包括的に捉えてつか
もうとする「マネジメント」の視点から描き出して
いることです。

現在のわが自動車産業が、軍と国家が生み出したと
いう事実に驚く戦後日本人も多いのではないでしょ
うか?


戦史と聞けば、戦闘兵科のことばかり取り上げられ
がちです。

ところが、戦闘力を維持するために兵站は不可欠で、
そのため活躍した輜重兵科への視座抜きで、戦史か
ら実像を把握することは不可能でしょう。

この種の兵站・輸送系の軍事本は類書が少なく、な
かでも一般向けに優しく分かりやすく記された書も
少ないですから非常におススメです。興味あればぜ
ひ読んでください。

「欧米諸国と我が国では、自動車産業の立ち上げに
あたって決定的な違いがあった」

など、実に新鮮な視座、面白い知識をたくさん得ら
れることでしょう。

著者はこの方。

林譲治(はやし・じょうじ)
1962年2月、北海道生まれ。SF作家。
臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州
電撃作戦』(共著)で作家デビュー。
2000年以降は『ウロボロスの波動』『ストリンガー
の沈黙』と続く《AADD》シリーズをはじめ、
『記憶汚染』『進化の設計者』などを発表。
最新刊は『星系出雲の兵站』(以上、早川書房刊)。
家族は妻および猫のコタロウ。



『日本軍と軍用車両─戦争マネジメントの失敗』
林譲治(著)
出版社: 並木書房 (2019/9/10)
発売日 : 2019/9/10
判型・ページ数(ソフトカバー) :A5判344
ページ
https://amzn.to/3sncTJb



エンリケ


追伸

プロよりもアマのほうが、囚われのない柔軟な発想
で物事をとらえることができる面もあります。

アマを馬鹿にしないプロ、プロを尊重するアマ。
ひたむきで誠実で奥深さを備えた両者が、精力的に
ことばを飛び交わしあう軍事言論空間に我が国をし
たいですね。


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.30


「漫画 グデーリアンと機甲戦」
石原 ヒロアキ (著), 大木 毅 (監修)
出版社: 並木書房
発売日:2021/12/10
言語:日本語
単行本(ソフトカバー):A5判212ページ
https://amzn.to/3IBg1XC

おはようございます、エンリケです

昨今評価が変わりつつあるグデーリアン。ただ、装
甲部隊指揮官として戦場で上げた輝かしい実績の数
々が色褪せることはありません。そんな彼の生涯と
ドイツ装甲師団の戦いを元1佐の漫画家が描き出し
ました。

監修者と著者はこの方々です。

大木毅(おおき・たけし)
現代史家。1961年東京生まれ。立教大学大学院博士
後期課程単位取得退学。DAAD(ドイツ学術交流会)奨
学生としてボン大学に留学。千葉大学その他の非常
勤講師、防衛省防衛研究所講師、国立昭和館運営専
門委員等を経て、著述業。
『独ソ戦』(岩波新書)で新書大賞2020大賞を受賞。
主な著書に『「砂漠の狐」ロンメル』『戦車将軍グ
デーリアン』『「太平洋の巨鷲」山本五十六』
『日独伊三国同盟』(以上、角川新書)、『ドイツ軍
事史』(作品社)、訳書に『戦車に注目せよ』
『「砂漠の狐」回想録』『マンシュタイン元帥自伝』
『ドイツ国防軍冬季戦必携教本』(以上、作品社)な
ど多数。

石原ヒロアキ(本名:米倉宏晃)
1958年、宮城県石巻市生まれ。青山学院大学卒業後、
1982年陸上自衛隊入隊。化学科職種幹部として勤務。
第7化学防護隊長、第101化学防護隊長を歴任。地下
鉄サリン事件(1995年)、福島第1原発事故(2011年)
で災害派遣活動に従事。2014年退官(1等陸佐)。

学生時代赤塚賞準入選の経験を活かし、戦争シミュ
レーション漫画『ブラックプリンセス魔鬼』および
自衛官の日常を描いた『日の丸父さん』(電子書籍
で発売中)、『日米中激突! 南沙戦争』『漫画クラ
ウゼヴィッツと戦争論』『漫画マハンと海軍戦略』
(以上、並木書房)を発表。現在、名将マンシュタイ
ンを題材に執筆中。


「ドイツ装甲部隊の父」と謳われた名将グデーリアン──。

戦後刊行された回想録『電撃戦』には理想的な軍人
像として美化されていますが、最近の軍事史研究では、
その評価は変わりつつあります。
実際のグデーリアンは我が強く、利己的で、実に人
間臭い男でした。参謀総長代理になっても東方重視
で、個々の作戦の勝利のみを追求し、自分の育てた
装甲部隊を偏重しました。

しかし、その一方で装甲部隊指揮官として幾多の戦
場で歴史的勝利を重ねた輝かしい実績は誰も否定で
きません。

本著は、戦車運用で戦場に革命をもたらしたグデ
ーリアンの生涯を漫画で再現したものです!

監訳者の大木毅さんは、

<現時点でのグデーリアンに対する評価は、本人が
喧伝し、流布させた「自画像」ほどに輝かしくはな
いけれども、けっして愚将・凡将のカテゴリーには
入らないという微妙なものとなる。それだけに、グ
デーリアン伝をものするには、よほどバランスの取
れた、醒めた視点が必要とされるわけだが、このた
び、旧知の石原ヒロアキ氏がこの難しいテーマに挑
戦された。その際、強みとなったのは、氏が幹部自
衛官(陸上自衛隊の元一佐)として、将校の実務を
経験していることであったろう。……石原ヒロアキ
氏の努力により、漫画というわかりやすいかたちで
新しいグデーリアン像が提示された。(大木毅)>

と語っておられます。


今やグデーリアン研究で本著を外すことはできない
ようです。漫画が最先端の軍事史を描き出せる時代
になったことに感無量です。


作者・石原ヒロアキさんは「作者ノート」でこう語
っています。

<作者ノート

 私は陸上自衛官OBで、当然戦車には興味があり、
いつか戦車が主役の漫画を描きたいと以前から思
っていました。いろいろと構想を練っていたのです
が、ある日、ウォーゲーム仲間でもある大木毅氏が
『戦車将軍グデーリアン』を出版し、一読したとこ
ろ大変面白く、これならグデーリアンと戦車に関す
る漫画を描けそうだと思うようになったのです。大
木氏に漫画の監修をお願いしたところお忙しいにも
かかわらず快く引き受けていただき、早速描き始め
ました。
  描いているうちに驚いたのは、以前持っていた
グデーリアンの軍神的なイメージがかなり違うとい
うことでした。歴史の研究は終わりがなく、新しい
資料が発見されれば常に書き直されていくというこ
とを改めて認識させられた次第です。
  戦車に関しては、自衛官時代、第7機甲師団や
装備実験隊での勤務で、ある程度知識はありました。
新しい戦い方や装備の開発は大変な苦労がありま
すが、グデーリアンも若いころは同じような苦労を
したのではないかと共感するところがありました。
  グデーリアンは指揮官として、タイフーン作戦
まで参戦していますが、その後は第一線から退き、
病気療養ののち、戦車の運用や開発の総元締めのよ
うな補職につき、さらに参謀総長代理としてドイツ
陸軍全般をみる立場になります。よってスターリン
グラードの戦い、ハリコフの戦い、クルスクの戦い
など独ソ戦の後半のクライマックスは間接的にしか
経験していません。この時期は絵的にもとても面白
く、よりダイナミックな戦車戦のシーンがいくつも
あるので、今まで何回も映画や漫画のテーマになっ
てきました。本書の後半では壮絶な戦車戦のシーン
が少なくなるので、将来、最新の資料をもとに新し
い視点からハリコフ戦やクルスク戦の戦いを描いて
みたいと思っています。
  本書の完成には、大木氏に大変お世話になりま
した。特に最新の研究によるグデーリアンの情報や
ドイツ軍に関する情報は大変参考になりました。深
く感謝申し上げます。
  ほかにも多くの人から激励をいただき、新型コ
ロナという悪条件のなか、なんとか完成させること
ができました。
この場を借りて御礼申し上げます。

(石原ヒロアキ)>

と語っておられます。



大木さんがおっしゃる

<強みとなったのは、氏が幹部自衛官(陸上自衛隊
の元一佐)として、将校の実務を経験していること
であったろう>

は正鵠を射たもののようです。

石原さんの存在意義はこれからますます上がりますね!!



内容は次の通りです。

目 次

〈監修者のことば〉
漫画で示される新しいグデーリアン像(大木 毅)

グデーリアン略年譜

第1話 第1次世界大戦
第2話 ドイツ装甲部隊に誕生
第3話 戦車に注目せよ!
第4話 ポーランド侵攻
第5話 フランス侵攻
第6話 バルバロッサ作戦
第7話 タイフーン作戦
第8話 装甲兵総監
第9話 参謀総長代理

付録:第2次世界大戦後の機甲戦

作者ノート

主な引用・参考文献



たっぷり時間を使って、
ぜひお楽しみください!
おススメです。


ご紹介した本は、

「漫画 グデーリアンと機甲戦」
石原 ヒロアキ (著), 大木 毅 (監修)
出版社: 並木書房
発売日:2021/12/10
言語:日本語
単行本(ソフトカバー):A5判212ページ
https://amzn.to/3IBg1XC

でした




エンリケ


追伸
石原さんの次の作品はマンシュタインになるようで
すね。グデーリアンとともにこちらもすごく楽しみ
です。


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.29


『国家戦略で読み解く日本近現代史』
黒川雄三(著)
出版年月日:2019/09/06
判型・ページ数:A5・300ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3pLXoZB


おはようございます、エンリケです。

『令和の時代の日本人への教訓
ー国家戦略で読み解く日本近現代史ー』

と題された本著最大の特徴は、
幕末・明治から平成まで、我が国の歩みを「国家戦
略」を切り口にして分析している点です。
過去から現在までが8つに区分されています。

そのため、たとえば

・日露戦争から一次大戦までの時代、
・ベルサイユ・ワシントン体制下の時代

という分類。

しっくり感ありませんか?

さっそく内容を見ていきましょう。


◆目次

序章 幕末日本の国家戦略ー明治維新が現在の経
済・文化大国を産んだー 11

 1.幕末日本を取り巻く国際環境 12
  (1)幕府を取り巻く国際経済の環境 12
    東アジアの経済圏は戦国期から存在した/
鎖国はただ徳川家を守るために行われた/鎖国太平
は百年しか続かなかった/西力東漸の最大の原因は
第一次産業革命/海外貿易は海軍力によって拡大さ
れた
  (2)幕末日本の外交・安保環境 16
    欧米列強が東アジアに来襲/韓国・日本は
東北アジアの戦略的要衝

 2.幕末の外交・安保戦略 18
  (1)幕末日本社会の状況 18
    幕藩システムの矛盾が顕在化していく/シ
ステムの矛盾は経済から始まった
  (2)幕府の外交・安保戦略 21
    激烈・壮大な「十五年騒乱」の始まり/外
交・安保のイデオロギー理論(四つの戦略理論)と
は/二大闘争の時代区分/右往左往した幕府の戦略

 3.幕府の経済・通商戦略 32
  (1)幕末期の国内経済状況 32
    財政赤字とインフレが幕府経済を潰した/
都市商人から地方商人の時代に/開港経済(通商貿
易)の時代の功罪
  (2)幕府の経済・通商戦略 35
    幕府に経済戦略はなかったが、経済政策は
あった/田沼(意次)の改革が最も革新的/幕府の
通商・産業政策


第1章 明治新政府の国家戦略ー日清戦争までー 41

 1.明治初期の国際環境ー外交・安保・経済の環
境 41
    ヨーロッパ大変動の時代(ヨーロッパの春)/
帝国主義と植民地獲得競争の時代

 2.明治新政府の外交・安保戦略(日清戦争まで) 43
  (1)明治新政府の国是・国家目標・国政の大
方針 44
    開国進取・富国強兵・列強化が大目標
  (2)明治新政府の外交の基本方針 46
    列強化と不平等条約改正が外交の大命題
  (3)外交・安保戦略としての大陸政策(日清
戦争まで) 46
    太平洋戦争の遠因は幕末・明治にあった
  (4)第1期の大陸政策(日清戦争まで) 48
    征韓論=朝鮮半島への「こだわり」の始ま
り/日本による韓国開国の軍事・外交工作/韓国の
政変と日本の対清軍備の強化/日本の国軍の建設と
強化/日清の対立の激化と日本の戦争決意/日清戦争
直接の契機は東学党の乱
  (5)明治新政府の安全保障・国防戦略・国防
方針 56
    明治新政府の国防方針/守勢防御の戦略方
針/守勢防御から前方防衛(大陸防衛)戦略へ
  (6)不平等条約の改正 59
    押し付けられた不平等

 3.新政府の経済・通商戦略(日清戦争まで)63
    三つの戦略目標と八つの政策目標/財政赤
字と貿易赤字の解消こそが大命題/官営(国営)か
ら民営重視への転換/現代に通じる社会・金融イン
フラの整備/日本の技術を先導された軍需産業


第2章 日清・日露戦間期の国家戦略 73

 1.戦間期の北東アジアの国際環境 73
    ロシア主導の三国干渉/ロシアと清・韓と
の密約/列強の中国分割と北清事変(義和団の乱)
/ロシアの満洲軍事占領

 2.外交戦略 78
    大陸政策と南方政策/南方政策(北守南進
戦略)への一時転換/日英同盟の締結/ロシアとの
最終交渉と日露開戦

 3.安保・国防戦略 84
    国土防衛戦略から大陸攻勢戦略への転換/
日露戦争での攻勢戦略/太平洋戦争の敗戦は日露戦
争の勝利に始まった

 4.戦間期の経済・通商戦略 89
    軍備と重工業の育成が大命題/重工業化に
必要な金本位制/双子の赤字に苦しむ日本


第3章 日露戦争後の日本の国家戦略ー第一次大戦
までー 95

 1.日本を取り巻く国際環境 95
  (1)ヨーロッパ情勢 95
    ヨーロッパでの対立の激化
  (2)日米関係 97
    米国との対立の芽生え/米国の対日攻勢の
始まり/日米対立の進行
  (3)日露関係 101
    日露の協調と相互の警戒
  (4)日英関係 102
    空洞化の始まり
  (5)日韓関係 104
    韓国併合のプロセス

 2.外交戦略 107
  (1)大陸政策 107
    日本の満洲支配/満洲支配の積極化
  (2)日露戦後の外交戦略 110
    外交の基本は列強との協調
  (3)辛亥革命と大陸政策 112
    辛亥革命に乗じた日本
  (4)第一次世界大戦と大陸政策ー日本、二十
一カ条の爆弾要求を発す 114
  (5)中国政策の転換とロシア革命の勃発ー日
本、ロシア革命に軍事介入する 116

 3.安保・国防戦略 119
  (1)国家目標、国家戦略と国防方針
    北進と南進が国家の基本戦略/想定敵国と
情勢判断

 4.通商・経済戦略 125
  (1)国内の経済環境 125
    二つの危機、双子の赤字に苦しむ日本
  (2)対外経済の環境 126
    貿易赤字の拡大/資本収支はなぜか黒字
  (3)通商・経済戦略 128
    日露戦後経営/正貨危機と財政危機が切迫
した/産業の寡占化と財閥(コンツェルン)の発展


第4章 ベルサイユ・ワシントン体制下の日本の国
家戦略ー1927年の恐慌までー 133

 1.第一次大戦後の国際環境 133
    日米対立の激化
  (1)日米関係 135
    四国借款問題/ベルサイユ講和会議/ワシ
ントン軍縮会議/ワシントン会議・米外交への大反


 2.外交戦略 141
    国際協調時代の幕開け/四国借款団と大陸
政策

 3.安全保障・国防戦略 144
  (1)安保・国防環境の大変化 144
    戦争の様相が大きく変わった/海軍部内の
対立/陸軍部内の対立
  (2)帝国国防方針 160
    国防の本義/帝国国防方針/情勢判断/想
定敵国別の脅威度の判断

 4.通商・経済戦略(世界恐慌まで) 153
  (1)大戦期とその後の経済環境 153
    大戦ブーム、大正の「神風」が吹いた/重
化学工業化の進展/物価の急騰と通貨の膨張/一九
二〇年の反動恐慌/日本経済の実態と実力
  (2)日本の通商・経済戦略 158
    二大政党政治の戦略/国際収支の危機と一
九二七年の金融恐慌


第5章 昭和初期日本の国家戦略ー日中戦争までー 163

 1.昭和初期の国際環境 163
  (1)外交環境 163
    日本の国際的孤立とソ連の軍事大国化/日
米関係/日ソ関係

 2.外交戦略 171
  (1)幣原外相の国際協調外交ー三つの「外交
方針」と四つの「外交原則」、二つの「基本原則」 171
  (2)田中軍人内閣の外交政策・大陸政策ー満
洲事変のシナリオが出来上がる 174
  (3)中国の国権回復運動と満洲事変ー追い詰
められた日本と軍部の独走 176
  (4)犬養政友会内閣の外交政策ー軍人テロの
横行と政党政治の終焉 177
  (5)斎藤軍人内閣の外交政策ー日中戦争への
導火線が生まれた 178
  (6)広田弘毅の外交政策ー陸軍に足をとられ
た広田外交 179
  (7)無条約時代の国家戦略ー日本の運命を決
定した「国策の基準」 181

 3.安全保障、国防方針策定(改訂)とその経緯 183
  (1)石原大佐の日米決戦戦略と陸海軍の対立 183
  (2)海軍の国策要綱と陸海軍の妥協 186
  (3)帝国国防方針の策定(改訂)の経緯 187

 4.帝国国防方針 188

 5.通商・経済戦略 191
  (1)井上準之助の経済政策 191
    金本位制への復帰/世界大恐慌と金本位制
の崩壊
  (2)高橋是清の経済・通商戦略 194
    高橋財政の登場/日銀引受国債や赤字国債
の発行政策/低為替と高関税による保護主義/産業
構造の変化


第6章 八年戦争期の国家戦略ー日中戦争から終戦
までー 199

 1.一九三〇年代のヨーロッパ情勢 199
    激動するヨーロッパ

 2.日中戦争期の外交・軍事戦略 202
    日中戦争(支那事変)から太平洋戦争へ

 3.近衛(第一次)内閣の外交戦略 208
    陸軍と日中戦争処理に苦闘する近衛

 4.第二(三)次近衛内閣の外交戦略 211
    松岡外交と日米開戦

 5.太平洋戦争と国家戦略 217
  I.戦争と外交の戦略 
   (1)戦争の国家戦略 217
     戦争指導計画と戦争終結の腹案
   (2)外交戦略 219
     大東亜共同宣言
  II.攻勢期日本の軍事戦略
   (1)初期南方攻略作戦とハワイの奇襲 220
   (2)外郭要地に対する作戦 221
     大拡張戦略の失敗/ミッドウェイの攻略
戦/ガダルカナルの攻防戦
  III.防勢期日本の軍事戦略
   (1)太平洋正面の戦備強化と連合軍の反攻 223
     南東太平洋正面(ソロモン群島、ニュー
ギニア)の防備/中部太平洋正面(マレーシア、ギ
ルバート群島)の防備
   (2)絶対国防圏の設定ー実体なき防御ライ
ンの設定 225
   (3)絶対国防圏の「前哨地域」の失陥ーマ
ーシャル。ギルバート、東部ニューギニアの喪失 226
   (4)絶対国防圏(マリアナ)の失陥 227
     サイパンとグアムの喪失
   (5)フィリピンの失陥ーレイテ決戦の敗北 228
   (6)ビルマの失陥ーインパール作戦の悲劇 229
   (7)日本軍の戦略思想ー教条主義の失敗 230

 6.八年戦争期の通商・経済戦略 232
     戦時統制経済への転換/統制経済の展開/
統制経済の破綻と敗戦


第7章 戦後昭和期日本の国家戦略ー大発展した戦
後昭和期の日本ー 237

 1.外交戦略 237
  (1)敗戦と占領政策ーアメリカによる占領は
日本の復興にとって僥倖だった 237
  (2)東西冷戦と朝鮮戦争ーアメリカ、占領政
策を大転換する 238
  (3)対日講和と日米安保条約ー吉田ドクトリ
ン(国家戦略の原点)の誕生 239 
  (4)鳩山・岸内閣と日米安保の改訂ー外交三
原則で東南アジア市場を再開拓 240
  (5)池田・佐藤内閣と経済の大躍進ー所得倍
増と沖縄返還 242
  (6)田中・福田内閣のアジア外交ー福田ドク
トリンと日中国交回復 243
  (7)環太平洋構想と莫大な海外経済支援ー日
本が東アジアの経済発展を先導し成功させた 244
  (8)国際巨大経済酷寒い本と日米経済摩擦ー
プラザ合意、前川レポートからバブル崩壊へ 245

 2.安保戦略 246
  (1)自衛隊の発足と国防の基本方針ー長期・
具体的な防衛計画や有事法制は作られなかった 247
  (2)防衛計画の大綱以前の防衛計画(一九五
八年〜六〇年) 148
  (3)防衛計画の大綱以前の防衛・軍事戦略ー
専守防衛のドクトリン 250
  (4)防衛計画大綱の初度制定ー基盤的防衛力
構想が出現した 252
  (5)日米ガイドラインの初度制定ー日本の軍
事戦略が公表された 253

 3.経済・通商戦略 254
  (1)占領軍の日本経済改革ー東西冷戦と朝鮮
戦争が神風となった 254
  (2)焦土日本の経済復興ーハイパーインフレ
の克服と生産力の増強 255
  (3)ドッジ不況と朝鮮特需ー戦後第二の神風
が吹いた 255
  (4)史上初めて空前絶後の高度成長ー高度成
長の要因とは何であったか? 256
  (5)高度成長の終焉ー巨大経済大国からバブ
ル崩壊へ 258


第8章 平成日本の国家戦略ー衰退する平成期の日
本ー 261

 1.国際環境 262
    冷戦の終結と紛争・テロの多発時代/「多
国間協調」と「自国ファースト」のせめぎ合い

 2.外交戦略 266
  (1)湾岸戦争での失敗と橋本内閣の外交ー米
軍の有事後方支援が可能になった 263
  (2)日米関係の強化と小泉内閣の外交ー世界
における日米の戦略目標が設定された 263
  (3)安倍内閣の戦略外交ー集団自衛権が限定
的に容認された 264

 3.安保戦略 266
    日本の安保大変革の一五年を振り返る/日
米同盟が大変革した/大きく拡大・深化した日米同
盟の歴史とは
  (1)二〇〇一年のQDRと2+2合意ー東ア
ジア太平洋有事における日米両軍の一体化 268
  (2)二〇〇六年のQDRと2+2合意ー同盟やパー
トナーとの多国間・多層的な安保協力 269
  (3)二〇一〇年のQDRと2+2合意ー地域やグロ
ーバルな日米の国際安全保障協力 270
  (4)二〇一二年、米国の新軍事戦略と2+2合
意ーオフショア戦略と第三オフセット戦略へ 271

 4.経済・通商戦略 274
    平成大不況と新興国の大成長/小泉内閣の
構造改革/アベノミクスの登場


終 章 日本未来の国家戦略

 1.二〇五〇年の世界のトレンド 279
    イスラム世界の貧困と紛争は世界の長期的
リスク/中国、米国、インドなど超大国の覇権化は
制限される

 2.ICTとAIの技術が産業と社会の構造を変
える 282
    ロボット・AIの開発と実用化が飛躍的に
進展する/ICT(情報通信)技術の分野は引き続
き全産業を牽引する/無人兵器技術の高速の進化は
倫理上の大問題

 3.日本の外交・安保戦略の方向性は? 284
    まずは集団防衛から始め、最終目標は地域
的集団安全保障




おわりに 291

参照文献 293

------------------------------


◆著者略歴

黒川雄三(くろかわ・ゆうぞう)
1945年京都生まれ(滋賀県立膳所高校卒)。防衛大学
校卒、指揮幕僚課程・防衛研修所(現防衛研究所)
一般課程(安全保障)修了。防衛大学校指導教官、
防衛庁陸上幕僚監部防衛部員、調査部員、調査部班
長、自衛隊地方協力本部長、陸戦学会理事、陸上自
衛隊幹部学校主任開発研究官などを歴任。元陸将補。
著書に『誰でもわかる防衛論』(2017年)、『近代
日本の軍事戦略概史』(2003年)、『戦略思想家事典』
(共著、2003年)、『21世紀マネジメント戦略』(200
6年)、論文に「孫子の軍事理論」(2005年)、「日中
戦争初期の戦略問題」(1999年)、「日中戦争中期の
戦略問題」(1999年)などがある。


本文最終ページに、著者の提案がコンパクトに示さ
れています。

 あらしめたい国家像(方向性・ビジョン)とは?
 あらしめたい社会像(方向性・ビジョン)とは?

について各々4つの項目が挙げられています。



今回ご紹介したのは、


『国家戦略で読み解く日本近現代史』
黒川雄三(著)
出版年月日:2019/09/06
判型・ページ数:A5・300ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3pLXoZB


でした。


エンリケ

追伸

国家戦略という物差しで時代を区分するアイデアが
素晴らしいと感じます。


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.28


『鷲の翼 F-15戦闘機─歴代イーグルドライバーの証言』
小峯隆生著(柿谷哲也・撮影)
四六判372ページ 
発行日 :2020.6
発行:並木書房
https://amzn.to/3JB9Ram


おはようございます、エンリケです。

『蘇る翼 F-2戦闘機』『永遠の翼 F-4戦闘
機』に続く「翼」シリーズの第3弾です。

F‐15Jイーグルは、1980年代初頭から空自
に導入され、わが主力戦闘機として40年近くわが国
の空を守ってきました。航空防衛力のまさに一翼を
担ってきたといって差し支えない存在です。

基本設計の優秀さと電子機器や搭載装備の近代化に
より、いまもトップクラスの実力を保有しています。

わが空を守って40年。
F‐35が増強され主力の座につくまでは、これから
も”荒鷲”F‐15の時代がまだまだ続くのです!

そんなF-15の物語を、著者の小峯さんが、新田原基
地の飛行教育隊をはじめ第305飛行隊、小松基地
のウェポンスクール、アグレッサー部隊まで、現役
の「イーグルドライバー」への現地取材をとおして
まとめあげたのがこの作品。

空自F‐15の軌跡と、ステルス時代の空戦の実相に
迫っています。

それだけではありません。
?鷲神?と呼ばれる空中戦の達人らの証言も収録さ
れているんです!


著者の小峯さんはこうおっしゃいます。

----------------------------------
本書では「イーグルドライバー」と呼ばれる現役の
パイロット、退官した元パイロットたちへのインタ
ビューや談話、F‐15を運用する飛行隊の姿をと
おして、日本の空を守るF‐15戦闘機の軌跡、現
在、そして将来の展望を解き明かしていきたい。
  そこで、F‐15の導入から戦力化に至る過程
で大きな役割を果たし、その後もF‐15によって
切り開かれた新しい空中戦のパイオニアとして活躍
した二人の戦闘機パイロットの話から始めよう。
  その二人とは、森垣英佐元1等空佐(75歳、
取材時。以下同じ)と西垣義治元1等空佐(72歳
)である。彼らはその強烈な個性と秀でた能力によ
って、空自のF‐15運用の歴史に大きな足跡を残
している。彼らを知るイーグルドライバーたちの中
では真の戦闘機操縦者の範として畏敬の念を込めて
?鷲神?と呼ぶ者もいる。
  二人がなぜ?神?たり得たのか? それはとり
もなおさず空中戦での圧倒的な強さだった。
(本文より)
-----------------------------------

読んでよくわかるのは、真のエリート中のエリート
しか登場しないこと、そういう人にしかできないこ
とが取り上げられていることです。

雲の上の出来事、話ばかりです。

真似できる一般人はいませんし、読んで日常生活に
活かせることもありません。

でもまあ、
空軍戦闘機、戦闘機パイロットというのは基本的に
一般人が「見上げる」しかできない存在ですね。

一般の方は、

人にここまでできるのか!
日本にもこういう人がいるんだ!

という驚きを味わえ、

航空ファンや空軍ファンは、

空中戦、トレーニング、整備、指揮統制、
航空機技術、わが防空の理解に資するところ大きい
でしょう。

とくに、戦闘機パイロット志望の若者には必読の書
です。


それではF-15ストーリーの内容を見ていきまし
ょう。

---------------------------
◆はじめに(一部)

 空中戦で迅速、確実に敵機を撃墜できる戦闘機パ
イロットとは、サッカーにたとえれば、得点を挙げ
るセンターフォワードと、チャンスを作り、同時に
防御もするミッドフィルダーの役割を同時にこなす
ようなものなのだろうか?
「それといっしょです。戦闘機パイロットでサッカ
ーをやっている者は多くいます。空中戦のテクニッ
クにつながる部分がありますからね」
  筆者はこれまでの取材の中で、同じ話を聞いた
ことがある。
  サッカー元日本代表メンバーでイタリアのセリ
エAで活躍した中田英寿選手に取材した時だ。中田
選手はキラーパスで有名だ。ここぞという一点にボ
ールを蹴り出して、得点につなげる。それがどうし
てできるかというと、ゴール前の敵味方の動きと位
置関係を瞬時に見極める。同時に1秒後、2秒後、
3秒後の動きと位置も予測する。そこでゴールを狙
える一点にキラーパスを送るという。
  同じような話は、名著『大空のサムライ』の著
者で太平洋戦争中、零戦のエースパイロットだった
坂井三郎氏にインタビューした時にも聞いた。
「空戦域をさーっと見渡して、敵味方機が入り乱れ
ている。その中で早く撃墜できる敵機の順番を見い
だして、その一点に零戦を突っ込ませる」と坂井氏
は言っていた。サッカーと空中戦は異なるが、その
やり方は中田選手と同じだった。(中略)
  イーグルドライバーから見て?神?と呼べるよ
うなパイロットは何がちがうのでしょうか?
「一度でも、いっしょに飛んで動きを見ればわかり
ます。無線を通じて『オイ、なにやってんだ、右、
ちょい、左』とか『こら、遅い』などと、敵機や僚
機を見て、どのように戦闘を展開するか、敵機へど
う対処するか、指示を的確に出すレベルがちがいま
す。質の高いアドバイスが瞬時にできるんです。敵
味方、すべてを見ているからこそできる。大半の者
は見えていても判断ができないから、指示やアドバ
イスが出せない。だから、そのような指導ぶりを見
ると、パイロットならば『むっ、見てる、できる』
と思うわけですよ。これを訓練で何度か経験すると
尊敬するようになります。1回でも指導されたら、
レベルの違いがわかる世界なんです。ところが、新
米のパイロットは、それがすぐにはわからない。2
、3年経ってくると『あっ、あの時、こういう指導
をしていた。見えていたんだ。わかっていたんだ』
となる。すると『あの人は凄かったなー』と実感す
るわけです」
  空中戦とサッカーの共通点に注目したが、こう
なると、1960年代のハリウッドやイタリア製西
部劇映画に登場するような名人のガンマンと新人の
ガンマンの拳銃射撃修行に似ている。イーグルトラ
イバーは、さながら?空飛ぶガンマン?といえるか
も知れない。
?鷲神?と呼ばれる元イーグルトライバーに会う前
に、現在の新人イーグルドライバーがどう育てられ
ているのか、?ヒナ鷲?たちが翼を広げ、大空に羽
ばたこうとしている姿から取材を始めた。
----------------------------


◆目次

---------------------------

はじめに

?鷲神?と呼ばれたパイロット/空中戦の様相

第1章 空飛ぶ教室──飛行教育航空隊第23飛行
隊(新田原基地)

F‐15のふるさと/飛行隊の朝/F‐15発進/
指導者の喜び/変えてはいけないもの/戦闘機乗り
に求められる資質/戦闘機操縦者にゴールはない/
パイロット学生の原点/初めての飛行訓練の感動/
空飛ぶ教室/スランプを脱するには?/理想のパイ
ロット像/若きサムライの夢/F‐15のコックピ
ット/太田教官のファミリーヒストリー/その心は?/
諦めない心/柔よく剛を制す/原点回帰/一人ひと
りに合った教育を/ラガーマン/?父子鷹?戦闘機
乗り/感謝の気持ちを持って/空中戦とは?


第2章 航空自衛隊とF‐15イーグル

最強戦闘機F‐15の誕生/各国のF‐15戦闘機/
日本のF‐15戦闘機/ストライク・イーグルへ
の発展/F‐15戦闘機の実戦/航空自衛隊へのF
‐15導入の経緯/最強戦闘機を選ばなければなら
ない理由/F‐14対F‐15/1年遅れたF‐1
5戦闘機の配備/最終調達数は213機

第3章 伝説のイーグルドライバー

?15人の鷲侍?/米国留学/性能抜群のF‐15/
F‐15の難点/「燃料漏れじゃないからOKだ」/
F‐15臨時飛行隊/第202飛行隊/北の守りの最
前線/F‐15対F‐104/新旧交代/戦闘能力点
検/飛行教導隊、謎の連敗続き/T‐2教導隊の強
さ/飛行教導隊の改革/T‐2からF‐15DJへ/
F‐15で変わった訓練方式/第202飛行隊の伝統/
2番機の人選/多忙な第202飛行隊/第202飛
行隊の教育訓練/空中戦訓練/全主力戦闘機に乗っ
た男/亜音速機から超音速機へ/複座戦闘機/パイ
ロットは新しもの好き/第202飛行隊

第4章 空中戦の極意──真剣勝負を制する

負けず嫌いのイーグルドライバー/?名刀?F‐15/
西垣隊長着任/部隊精強化の秘策/「コンバッ
ト・デパーチャー」の実践/硫黄島での実戦想定訓
練/「やるべきことはやる」/「ベリーサイドアタ
ック」/グリッド式エリアコントロール/飛行教導
隊の巡回教導/すでに地上で全機撃墜?/真剣勝負
の空中戦だった/西垣隊長が目指した日本一/戦技
研究チーム/支援戦闘機の護衛任務完遂/ミサイル
のミニマムレンジ実証研究/米海軍F‐14との対
戦/F‐14から再戦の申し込み/FA‐18との
対戦/強敵だった米空軍F‐15C/米海兵隊ハリ
アーとの対戦/最大の難敵はF‐104/空中戦の
極意/次世代の空中戦

第5章 防空の最前線──第305飛行隊(第5航
空団・新田原基地)

飛行隊始動/第305飛行隊発進/飛行隊の伝統/
タックネームは「009」/爽快感と緊張感/空中
戦で勝つには?/飛行隊長の役割/ミッション・ブ
リーフィング/パイロットへの道/ウイングマーク/
戦闘機操縦課程/第305飛行隊に着任/戦闘機
乗りの条件/さらなる目標/戦闘機パイロットにし
かできない仕事/継承される伝統/ウェポンスクー
ル/パイロットと兵器管制官/第305飛行隊に緊
張走る!/RF‐4飛来/中国艦隊の出現

第6章 ウェポンスクール──第306飛行隊(第
6航空団・小松基地)

小松基地/タックネーム「備前」の由来/第306
飛行隊/ウェポンスクール教官に聞く/空中戦訓練
の方法/空中戦の極意/最新装備がもたらすもの/
ウェポンスクールVS飛行教導群/本来の訓練目的/
第306飛行隊長室/航空優勢

第7章 アグレッサー飛行隊──航空戦術教導団
(小松基地)

飛行教導群/赤い星/ファントムライダー出身/教
導資格/F‐15を活かすには?/父子二代の「ア
グレッサー」/教育効果の重視/空中戦に白旗なし/
未来の空戦とは?/戦闘機との出会い/部隊統率/
巡回教導/F‐15と将来の航空戦/強さの源泉/
F‐15の役割

おわりに──明日のパイロットたちへ 

教訓を学ぶ/パイロットを目指す若者へ

----------------------------


◆著者略歴
小峯隆生(こみね・たかお)
1959年神戸市生まれ。2001年9月から週刊「プレイ
ボーイ」の軍事班記者として活動。軍事技術、軍事
史に精通し、各国特殊部隊の徹底的な研究をしてい
る。著書は『新軍事学入門』(飛鳥新社)『蘇る翼
F-2B─津波被災からの復活』『永遠の翼F-4フ
ァントム』(並木書房)ほか多数。日本映画監督協
会会員。日本推理作家協会会員。筑波大学非常勤講
師、同志社大学嘱託講師。

◆カメラマン略歴
柿谷哲也(かきたに・てつや)
1966年横浜市生まれ。1990年から航空機使用事業で
航空写真担当。1997年から各国軍を取材するフリー
ランスの写真記者・航空写真家。撮影飛行時間約30
00時間。著書は『知られざる空母の秘密』(SBクリ
エイティブ)ほか多数。日本航空写真家協会会員。
日本航空ジャーナリスト協会会員。


本の役目の1つに、

「時空を超えて記録を伝えること」

があると考えます。

特に今の我が国(戦後日本)で出版される
「誠実な」軍事系書籍は非常に重要ではないでしょ
うか?

後世に生きる後輩たちが、国防や安保に関心を持っ
た時、今わたしたちが生きているこの時代の安保国
防軍事を振り返るよすがになる「素材」になるから
です。

あの時代の戦闘機はどんな感じだったのか?
あの時代の一般人は、戦闘機にどんなレベルの関心
と理解を持っていたのだろうか?・・・

後世に生きる後輩たちにこそ、
この本を残したい。

そんな意義を持つ本でもある、と感じました。

三冊目となる「翼」。
わが戦闘機の歴史理解に厚みを加えてくれるシリーズですね。
これからも継続してほしいです。

おススメです。

今回ご紹介したのは、

『鷲の翼 F-15戦闘機─歴代イーグルドライバーの証言』
小峯隆生著(柿谷哲也・撮影)
四六判372ページ 
発行日 :2020.6
発行:並木書房
https://amzn.to/3JB9Ram

でした。


エンリケ

追伸

とくにいまは、F−Xが動き始める端緒点にあります。
その意味からも、わが現有航空戦力に対する深い理解を
主権者として持つ必要があると思いますね。


小峯さんの「翼」シリーズ残り2冊
『蘇る翼 F-2B』
『永遠の翼 F-4ファントム』

と、

先日ご紹介した
『次期戦闘機開発をいかに成功させるか』
森本敏 (著), 岩崎茂 (著)

もあわせ読んだら、
わが航空戦力理解は立体的に深まるでしょうね。


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.27


『米軍から見た沖縄特攻作戦
 ─カミカゼ vs. 米戦闘機、レーダー・ピケット艦』
ロビン・リエリー著
小田部哲哉訳
判型・ページ数:A5判420ページ
発行日 :2021.8
発行:並木書房
https://amzn.to/3pDrf6z


おはようございます、エンリケです。

「特攻機の戦果を誰がどんな形で確認していたのだ
ろう?」

という疑問を持ったことはありませんか?


・あなたは「レーダー・ピケット(RP)任務」とい
う言葉を聞いたことがありますか?

・あなたは「レーダー・ピケット(RP)任務」をご
存じですか?

・あなたは、特攻攻撃でもっとも損害を受けた米海
軍の艦艇がレーダー・ピケット(RP)任務にあたっ
た艦艇だったことを知っていますか?


もし気になるなら、読み進めてください。

この本を読む最大の意義は、
大東亜戦争当時に「レーダー・ピケット(RP)任
務」というものがあったことを知ること、そして、
わが特攻機の行動と最期を米戦闘記録をつうじて再
現することにあります。

これまで明らかにされることのなかった、出撃後の
日本軍機の行動とその最期を米軍の戦闘日誌、戦闘
報告などに基づき克明に再現しています。

知られざる特攻作戦の実像を明かしてくれる貴重な
記録・資料といってよいでしょう。

沖縄戦で日本陸海軍機の特攻の損害を最も受けたの
は空母・戦艦でなく、沖縄本島周辺の21か所の海域
に配置された駆逐艦や各種小型艦艇などのレーダー・
ピケット艦艇だったのです。

配置された206隻のうち29パーセントが沈没・
損傷し、戦死者1348人、負傷者1586人とい
う甚大な被害を出しました、、、、、


ではこのノンフィクションの内容を見ていきましょう。

(著者のことば)より
<カミカゼ攻撃は、気の狂った者が命令した狂信的
な任務ではなかった。アメリカ人に日本侵攻が高く
つくことを示して、侵攻を思い止まらせる唯一理性
的で可能な方法だった。この考えで、日本人は多く
の航空機とパイロットを片道攻撃に投入した。カミ
カゼの数は、フィリピンの時よりもはるかに多かっ
たので、アイスバーグ作戦の防空計画は不十分なも
のになった。戦闘機指揮・管制駆逐艦の防空強化に
役立つと考えられた武装小型艦艇だったが、その優
位性を活かせる場面が少なかった。
これから述べることは、ほぼ間違いなく第2次世界
大戦で最も困難な海上任務の1つに携わった人々と、
艦艇と海軍・海兵隊・陸軍の航空機、そして戦闘がど
のように展開したかを再現したものである。>

(訳者のことば)より
<日本の特別攻撃隊に関する書籍の場合、その多く
が描いているのは、基地を発進するまでの状況であ
る。帰還を想定していない特別攻撃隊の特殊性など
から、発進後の米艦艇・戦闘機との交戦状況とその
最期を記載したものはわずかである。本書は、米軍
の目を通したものであるが、日本軍機の搭乗員が何
とか米艦艇に突入しようとして、米軍の戦闘機およ
び艦艇の対空砲火を避ける行動をとり、どのような
最期を遂げたかを明らかにしてくれる。
  特別攻撃隊員の中には、自ら進んで、国・家族
を守るため特別攻撃隊員を志願した者もいる。一方
、死を望まないものの置かれた立場上、特別攻撃隊
員として出撃するしかないと考えた者もいる。いず
れの場合であれ、特別攻撃隊員になることが決まっ
た以上、いま自分ができること、すべきことは敵艦
に突入することだけだ、と言い聞かせて出撃したで
あろう。本書が描いている日本軍機の飛行状況から、
そのような任務達成の使命感、その一方で任務を
果たさずに撃墜されることの懸念を読み取ることが
できる。もちろんこれは通常攻撃の隊員も同じ思い
であっただろう。>


◆著者のことば(一部)

-----------------------------------
 米軍が作成した報告書と戦後の文献は、カミカゼ
を「自殺(suicide)パイロット」としており、本
書では便宜上「自殺」の言葉を使用している。しか
し、「自殺」は特別攻撃を行なった者の行為に対す
る表現としてふさわしくないと考えている。
  国土が侵攻される状況に直面した時、軍国主義
の日本政府は、家と家族を守る唯一の方法は、航空
機、舟艇、その他の武器を使って自らの体を米艦艇
に突入させることが最も効果的だとして特別攻撃を
行なう者を説得した。
  日本軍パイロットの多くはこの政府の主張が正
しいとは思っていなかったが、彼らは男性がしばし
ば戦場で見せる行為を実践した。命令に従い、家族、
友人、そして国のために自分自身を犠牲にしたの
だ。これは自殺とはまったく異なる。
  特別攻撃隊員の行為を自殺と記載している報告
を必要上引用しているが、最初にこれを区別してお
くことは重要だと考えている。日本人でこの任務を
自殺と考える者はいない。この方法を「必要に迫ら
れた特別兵器」と考えている。私は自殺と表現する
ことに同意できないが、すべての公式記録が自殺を
使用しており、表現を変えると混乱が生じるため、
この言葉を使わなくてはならない。
  陸軍航空本部長だった河辺正三大将は、戦後の
米軍の尋問に対して次のように語った。
「連合軍は、カミカゼ攻撃を『自殺』攻撃と呼んで
いる。これは誤解であり、これを『自殺』攻撃と言
われることは不快である。彼らは『自殺』ではない。
自殺をしようと思って任務に就いたパイロットは
いない。彼らは自分自身を、祖国のために敵艦隊を
少しでも破壊することのできる人間爆弾と考えてい
た。これを名誉あることと考える一方で、自殺は名
誉なことだと考えなかった」(1)
  この尋問に対して、ラムセイ・D・ポッツ陸軍
大佐は「このような行為を表現できるほかの言葉が
ないので、『自殺』と言っていた」と述べた。

(1) Lt.Gen. Masakazu Kawabe USSBS Interrogation # 277.2 November 1945 P
------------------------------------



◆目次

---------------------------------

著者のことば 1
翻訳にあたって 6

序章 レーダー・ピケット(RP)任務 13

 沖縄侵攻「アイスバーグ作戦」13
  ピケット艦艇が攻撃目標になった 15
  陸上レーダー施設の必要性 17
  過労と神経衰弱 20
  最も困難な任務 21

第1章 駆逐艦と武装小型艦艇 23

 さらに激しいカミカゼ攻撃を予想 23
  戦闘空中哨戒(CAP)との調整 24
  レーダー・ピケット艦艇(RP艦艇)の概要 25
  機動砲艇 28
  ロケット中型揚陸艦 29
  大型揚陸支援艇LCS(L)Mk.3 31
  駆逐艦 34
  敷設駆逐艦(DM)40
  掃海駆逐艦(DMS)40
  護衛駆逐艦(DE)41
  RP艦艇の戦術 42
  効果的なCAPの運用 46
  友軍誤射 47
  カミカゼに対する戦術 48

第2章 航空戦闘 51

 戦闘空中哨戒(CAP)51
  CAPの戦闘機部隊組織 53
  海兵戦闘飛行隊が沖縄に到着 58
  サンダーボルトが伊江島に到着 64
  救難作業 67
  米軍の航空機 68
  FM-2ワイルドキャット 68
  F4Uコルセア 70
  F6Fヘルキャット 73
  P-47Nサンダーボルト 75
  F6F-5Nヘルキャット 76
  P-61ブラック・ウィドウ 76
  日本軍機と米軍機の比較 77
  カミカゼ 80
  天号作戦 82
  日本海軍航空隊 88
  日本陸軍航空部隊 91

第3章“地獄の戦い”始まる 96

 1945年3月24日(土)96
  3月26日(月)96
  3月30日(金)98
  3月31日(土)99
  4月1日(日)100
  4月2日(月)102
  4月3日(火)103
  4月4日(水)106
  4月5日(木)107
  4月6日(金)109
  4月7日(土)123
  4月8日(日)126
  4月9日(月)128
  4月10日(火)129
  4月11日(水)129
  4月12日(木)130
  4月13日(金)154

第4章 彼らは群になってやって来た 159

  4月14日(土)159
  4月15日(日)161
  4月16日(月)164
  4月17日(火)183
  4月18日(水)185
  4月20日(金)187
  4月21日(土)187
  4月22日(日)188
  4月23日(月)193
  4月24日(火)194
  4月25日(水)194
  4月26日(木)195
  4月27日(金)〜28日(土)195
  4月29日(日)〜30日(月)204

第5章 死んだ者がいちばん幸せだった 210

 5月の概況 210
  5月3日(木)〜4日(金)210
  5月5日(土)〜6日(日)245
  5月7日(月)〜9日(水)246
  5月10日(木)〜11日(金)247

第6章 心からの「よくやった」266

 サンダーボルトが到着 266
  5月12日(土)〜14日(月)266
  5月15日(火)〜19日(土)270
  5月20日(日)〜22日(火)279
  5月23日(水)〜25日(金)280
  5月26日(土)〜31日(木)290
  5月のRP艦艇状況 301

第7章 勇気の代償 303

 6月の概況 303
  6月1日(金)〜2日(土)303
  6月3日(日)〜7日(木)304
  6月8日(金)〜12日(火)317
  6月13日(水)〜17日(日)328
  6月18日(月)〜22日(金)328
  6月24日(日)337
  6月25日(月)337
  6月30日(土)339
  7月1日(日)339
  7月2日(月)〜13日(金)340
  7月14日(土)342
  7月29日(日)343
  7月30日(月)〜31日(火)347
  8月1日(水)〜6日(月)347
  8月7日(火)〜8日(水)348
  8月9日(木)〜13日(月)348
  8月15日(水)349

第8章 RP艦艇がこうむった大きな損失 351

  損失は許容範囲内である 351
  カミカゼ攻撃の特性 351
  日本軍パイロットの経験不足 353
  武装小型艦艇の不適切な運用 353
  任務に適していない艦艇の配置 355
  不適切なRPSの戦力 357
  陸上レーダーの早期設置に失敗 359
  乗組員の疲労 360
  訓練時間の不足 362
  RP艦艇が多くの艦艇を損害から救った 363

資料1 レーダー・ピケット(RP)任務における
艦艇の損害 365
資料2 沖縄のレーダー・ピケット(RP)任務に
就いた艦艇 368
資料3 日本軍機 RPS攻撃に使用された機体 371
資料4 機体識別(海軍省海軍情報部)373
資料5 日本軍飛行場と主要用途 380

脚注 382
参考文献 396
翻訳で利用した主な引用・参考文献 419

---------------------------------

◆著者略歴
Robin L. Rielly(ロビン・L・リエリー)
1942年生まれ。沖縄戦当時、父親がLCS(L)-61に乗
艦していたことから、USS LCS(L) 1-130協会で約
15年間歴史研究を行なう。1962〜63年、海兵隊員と
して厚木で勤務。シートン・ホール大学修士課程卒
業。ニュージャージー州の高校の優等生特別クラス
で米国史、国際関係論を32年間教え、2000年退職。
本書を含め日本の特攻隊、米海軍揚陸作戦舟艇関係
の本を5冊執筆。『Kamikaze Attacks of World
War II』『Mighty Midgets At War』『American
Amphibious Gunboats in World War II』『Kamika
ze Patrol』。空手に関する著書も多く、International
Shotokan Karate Federationで技術副委員長を務め
るかたわら自ら空手を教えている。現在8段。

◆訳者略歴
小田部哲哉(おたべ・てつや)
1947年生まれ。三菱重工業(株)の航空機部門で勤
務。退職後は月刊誌『エアワールド』に「アメリカ
の航空博物館訪問記」を、月刊誌『航空情報』に「
アメリカ海兵航空隊の歴史」をそれぞれ連載したほ
か、ヘリコプター関連記事を月刊誌『Jウイング』
に掲載した。母方の伯父が第14期海軍飛行専修予備
学生出身の神雷部隊爆戦隊員として鹿屋から出撃、
未帰還となったことから航空機や航空戦史に関心を
寄せていた。


いかがでしょうか?

昭和20年(1945年)4月に始まった米軍の沖縄侵
攻作戦。これにともない米海軍は、沖縄に上陸した
陸軍、海兵隊、海軍艦艇を守るため、沖縄周辺海域
に21か所のレーダー・ピケット・ステーション(RP
S)を設定し、レーダー・ピケット艦艇(RP艦艇)
を配置しました。

わが陸海軍機は、沖縄米軍を攻撃するにしてもその
前にRP艦艇に探知されます。そのためまずRP艦艇を
攻撃する必要がありました。

それだけではありません。大型艦(空母や戦艦、巡
洋艦)には損傷しか与えられませんが、RP艦艇のよ
うな小型艦艇なら撃沈できます。
そのため、RPSに配置された駆逐艦と小型艦艇部隊が
わが軍機最大の目標になったのです。

淡々とした記録が、胸に迫ります。

これまでほとんど明らかにされてこなかった
帝国陸海軍の特攻機の最期を、敵の戦闘日誌、戦闘
報告等に基づいて詳細克明に描き出した作品。

あなたにも、あなたのお知り合いにも読んでいただ
きたいです。心からおススメします。


今回ご紹介したのは、

『米軍から見た沖縄特攻作戦─カミカゼ vs.
米戦闘機、レーダー・ピケット艦』
ロビン・リエリー著
小田部哲哉訳
判型・ページ数:A5判420ページ
発行日 :2021.8
発行:並木書房
https://amzn.to/3pDrf6z

でした。


エンリケ

追伸

希少な戦闘詳報。
沖縄特攻作戦の模様を米軍側が記録したもの。
航空総攻撃、菊水作戦など「特攻」の実像と
戦果確認に資する資料的価値を持つ。
特攻で散った勇猛果敢な英霊を思い、感謝と
慰霊の涙が止まらない。


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.26


『中国に勝つための地政学と地経学』
著者 佐藤正久
発行 徳間書店
出版年月日 2022/02/02
判型・ページ数 四六版・248ページ
https://t.co/WS54laVwvd

著者の佐藤参議は言います。

「日本国民はもっと中国の脅威を認識すべきだ。そ
の点を国民に発信することが今の私の最大の務めだ
と考えている」

外交、安全保障、経済安全保障の最前線に立つ現職
の自民党外交部会長・佐藤正久参議が日本人の知ら
ない「今」日本列島に迫っている危機を余すことな
く伝える本です。



本著のテーマの一つ「地経学」。

インテリジェンス研究家・上田篤盛さんによれば

<近年は、地政学リスクに加え得て地経学リスクを
考慮する必要性が強調されるようになりました。こ
れは、経済的依存度が政治・外交・安全保障上の政
策に及ぼす影響と、逆に政治・外交・安全保障の影
響が経済性政策や経済活動に及ぼす影響を考察せよ
というものです。>

(211012配信 「武器になる「状況判断力」(13)」
状況の特質を把握する より)


日本人に隠されている真のチャイナクライシスとは
何なのでしょうか?
中共に勝つための地政学と地経学とはどういうもの
でしょうか?

明日のビジネス、国際状況を読むには「安全保障」
を知ることが不可欠な時代がついにやってきました。

この本は、
イラク復興支援群先遣隊長として陸自初の海外展開
成功の地ならしをした殊勲者であり功労者でもある
佐藤正久参議(元一等陸佐、元7普通科連隊長)の
手になる「中共という脅威にいかに対峙するか?」
の解説書です。

今の国防の「リアル」を伝える一般人向け啓蒙書で
す。

正直、胸が苦しくなるような記述もありますが、
これが我々が今直面している現実なんだ、というこ
とをこの本を通じてつかみとってほしいです。

気づかなかった、知らなかった、思いもよらなかっ
た脅威の数々。

いま生きる日本人がわきまえておかなきゃいけない
心構えを培ってくれる本として、いまこの本以上の
存在はない気がします。


非常に残念なことですが、
一般人レベルで「中共という脅威」をきちんと理解
把握対処しなければならない時代に
すでに入っています。

「日常生活レベル」で意識する必要がある時代にす
でに入っています。

わが国は独裁国家でも、エリート階級が国を引っ張
る国でもなく、国民主権の国であり、国民がきちん
と脅威を理解把握認識しておかないと、その代弁者
でしかない政治が今と違う対応をとることができま
せん。

これによりいまわが国は、国家レベルで危機対応の
ために動けない国になっています。

そんな状況でグローバリズムの真っただ中に丸裸で
放り込まれているわが国。
「一手間違うと国を失う」危うい時代にすでに入っ
ています。


本著を読むと、
自分のなかにある国防軍事安保と
いま祖国が対峙している国防軍事安保のあいだに
相当なズレがあることを、あなたは認めざるをえな
いでしょう。


『中国に勝つための地政学と地経学』
著者 佐藤正久
発行 徳間書店
出版年月日 2022/02/02
判型・ページ数 四六版・248ページ
https://t.co/WS54laVwvd


◆著者略歴

佐藤正久
政治家。参議院議員(当選3回)。1960年、福
島県出身。1983年に防衛大学校応用物理学科を
卒業(27期)、翌84年に帯広の第4普通科連隊
に配属。1996年に国連PKOゴラン高原派遣輸
送隊初代隊長を務め、98年にカンザス州のアメリ
カ陸軍指揮幕僚大学を卒業。そして2004年、「
戦闘区域かどうか」の議論を経て派遣が決定した湾
岸戦争直後のイラクに、先遣隊長として派遣。メデ
ィアの窓口となり、その冷静な状況分析と合わせて
「ヒゲの隊長」として人気となる。 2007年、
第21回参議院議員選挙で初当選。12年、第2次
安倍内閣で防衛大臣政務官を務める。2019年第
25回参議院議員通常選挙で3選。 2020年1
0月、自由民主党政務調査会外交部会長に就任。2
018年に発生した韓国海軍レーダー照射問題や習
近平政権で膨張主義に変貌した中国の南シナ海、東
シナ海への進出、2020年からのコロナ禍や、2
021年8月のアフガニスタン脱出問題などについ
て危機管理、外交・安全保障の専門化としてメディ
アで解説・提言を行っている。 最新の解説、情報
を発信するTwitterのフォロワーは45.4万人。


◆内容

--------------------------------

「安全保障」や「国防」は日常生活から遠いところ
にあるものだった。
だがついに「軍事力」というパワーが日本経済を揺
るがす時代に突入した。
安全保障や経済安全保障を理解することが、これか
ら先の経済、あるいはビジネスを予測するためにも
必要になってしまったのだ。

 その理由は中国だ。

 かつての中国と、習近平政権の中国はまったく違
う。膨張主義を隠さず軍事一辺倒の実効支配だけで
はなく、経済圏構想「一帯一路」を通じて経済圏・
情報圏を拡大し続けている。
 もはやアメリカ一国では対抗できないほどの「脅
威」は日々増大。自由主義陣営も「地政学」と「地
経学」をミックスさせながら、中国への抑止力を高
めているのが現実だ。

「地政学」とは地理学と政治学を合成した言葉で、
国際政治を考察する上で地理的条件を
重視する学問である。「地理」の「地」が使われて
いることから「国家のパワーは領土の
広さ」と誤解されやすいのだが、海が物流の鍵であ
ることから地政学とは「領海」やシーレーンも含め
て考えられなければならない。

「地経学」とは地政学的な目的を、経済を使って達
成しようという新たな学問だ。中国の「一帯一路」
はまさに「地経学」の実践である。
 この「中国の脅威」を正確に評価するためには日
本列島を「地政学」的に考え、その価値を理解しな
ければならない。

---------------------------------------



ここまで「国防安保のリアル」を伝えてくれる本も
珍しいです。



それではこの「いまの国防の現リアルを伝える書」
の中身を見ていきましょう。

◆目次

第1章 地政学から見た日本列島の価値
 日本が意識していない現実的な危機
 安全保障と向き合う時代が来てしまった
 「逆さ地図」でわかる日本列島の価値
 朝鮮半島を無視することはできない
 左派政権で防衛費が伸びる理由
 台湾と日本は連ならなければならない
 相手の立場から考えるのが安全保障の本質
 日台による対中戦略交渉はすでに始まっている

第2章 アフガニスタンを見れば明日の日本がわか

 自ら敵を作り、その敵を倒し、再び敵を作るアメ
リカ
 アメリカの同盟関係が問われている
 自分の国は自分で守れ
 難民へのスクリーニング
 救出作戦の深層
 自衛隊機出動の内幕
 ミッション失敗のバックグラウンド
 国際社会での信頼獲得に必要なのは「良心」だ
 すべての国がタリバーンに負けた
 日本のインテリジェンスの限界
 イギリスに学べ
 台湾有事はこれ以上のパニックになる
 インフラ整備の優先順位は戦略的観点から
 6年以内に有事が起こるリスク

第3章 「345+11」中国多重包囲網
 中国は日本に多面戦をしかける
 中国の嫌がることに先手を打った日本
 戦略対話を防衛安全保障は連動する
 鍵はインド
 オーストラリアへの「静かなる侵略」
 原子力潜水艦は外交
 原潜のターゲットは中国
 潜水艦問題でわかる外交の暗喩
 日本のAUKUS加盟は
 345包囲網+11
 TPPは中国を受け入れるのか
 経済協力体から新・安全保障体制の構築へ

第4章 バイデン政権の憂鬱
 日米関係は冷えたのか
 大統領選勝利のために左派を取り込んだツケ
 左派勢力の台頭と増える予算案
 莫大な予算は国内にしか向かわない
 日米防衛協力ガイドラインの見直しと「まだら外
交」
 日豪・日英の円滑化協定
 FOIPとヨーロッパを結べるのは日本だけ
 地経学で考えるEUとFOIP
 メルケル退任でEU内の力学が転換

第5章 日本人が知らない中国の軍事技術の脅威
 ミサイルとAIを軸にした兵器開発
 防御不能のミサイル
 武装強化ドミノで先鋭化する朝鮮半島
 中国の極超音速ミサイルが狙うのは・・・
 空の新脅威への国防対応
 ネットワークという障壁
 社会管理とAI
 2020年に戦争の形が変わった
 AIを育てるもの
 国家主席自ら軍民学複合体制を主導
 殺人AIドローンが続々と開発されている
 中国に「軍縮」という概念はない
 「米軍AIは幼稚園レベル」
 人が脇役になる時代に

第6章 地経学を利用した日本の「シン」防衛構想

 岸田政権の安全保障政策
 外交ボイコットの是非
 盾なしでグローバリズムに放り込まれた日本
 次なる課題は「みなし輸出管理」だ
 経済安全保障の攻防強化を
 次世代の戦略物資とは
 日本のサプライチェーン移転政策
 防御構築から攻撃への転換
 日台経済安全保障2+2
 太平洋島嶼と中東欧に向かう日台経済安全保障
 アメリカに頼らない独自防衛の構築を




・イラク派遣に関して佐藤さんに今も残る「トゲ」
とは?
・軍事組織のリアルを知らない無知な人が陥る「現
場のワナ」とは?
・日本国民が安全保障への無関心が許されない時代
になったのは2013年。
・わが安保を確保するには半島の脅威を取り除く必
要がある。その理由は?
・在韓米軍がわが国にとって極めて大きな価値を持
つ理由とは?
・アフガンの姿は明日のわが国の姿です。どういう
ことでしょうか?
・ご存じですか?撤退作戦は、単に人を国外に送り
出すという単純なミッションではないことを、、、
・アフガンで起きたことは、台湾で起きることです
。それにはわが国が直接かかわるのです。おわかり
ですか?
、、、、、、、


さまざまな形でインテリジェンス能力のなさを暴露
しているわが国。

移民や難民受け入れこそが、わが国にとって最大の
インテリジェンス強化策になる、との見方に、実に
説得力を覚えます。

ビジネス、経済に必要だからでなくインテリジェン
ス面で、という点に新鮮さを覚えています。

文化文明の違う異分子といかに協力して信頼と情報
を得てゆくか?の基盤づくりは、わが国が最も苦手
とする「国家レベル最大の課題」かもしれません。


どちらかといえば硬い内容ですが、ビックリするほ
どすいすいすらすら読めます。

佐藤さんの深い理解と啓蒙経験の豊富さによるのか、
編集者が優秀なのかはわかりませんが、読み手とし
たら、幾度も読み返すことができる点に大きな価値
を覚えます。

この本には、必要で重要な内容が書かれています。

何度も何度も読むことで、国防軍事安保のリアルを
あなたの脳髄にしみ込ませることができます。


まさにいま読むべき本です。
超おススメです。


ご紹介したのは、

『中国に勝つための地政学と地経学』
著者 佐藤正久
発行 徳間書店
出版年月日 2022/02/02
判型・ページ数 四六版・248ページ
https://t.co/WS54laVwvd

でした



エンリケ


追伸

佐藤さんが参議としてご活躍されている意義の大き
さを改めて感じています。


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.1.25


『インテリジェンス用語事典』
川上高司(拓殖大学教授)監修
執筆:樋口敬祐、上田篤盛、志田淳二郎
四六判444ページ
並木書房
https://amzn.to/3sA5UeF

誰が言ったか忘れましたが、、

<レファ本ほど大切な本はない>

とのことば。

非常に印象に残っています、、、


おはようございます、エンリケです。

レファ本とは辞書や事典の類の本で、
それを見れば妥当で正確な知識や概念の理解ができ
ます。

どんな分野でも、言論を形成するうえで不可欠のも
ので、これがないとことばが生まれず、ことばがな
いところに言論は生まれず、言論なきところに思考
は生まれません。こういう世界では意義ある行動の
居場所がなくなります。

ことばや言論界が劣化すると、政治やビジネスとい
った実践する世界も劣化するのはこういう原理が
あるからです。

その意味で文学や言論界、学会、論壇は、ことばを
培い育むという国家・社会・民族の土台ともいうべ
き存在であり、極めて重要なものです。

わが国が今迎えている危機の本質はここが劣化の一
途をたどっているところにこそある、と私は感じて
います。


さて
国家国民が真剣に考えなきゃいけない分野に不可欠
なのは国を思う真摯な思いと能力に裏打ちされた
「基本書」と「用語集」です。

軍事や国防の世界に定評と権威あるレファ本を作っ
てほしい、との希望と念願をわたしはずっと持ち続
けております。

防衛や安保の世界ではそれなりの本は出ているよう
ですが、軍事や国防の世界では耳にしたことがあり
ません。

個人的に、戦略研究学会さんに大きな期待を寄せて
いる分野のひとつがそれです。今後を期したいとこ
ろです。

インテリジェンスの世界にもすでに「意義と価値あ
る基本書」は存在します。しかし価値ある用語集が
ありませんでした。

インテリジェンスが、わが国が速やかに取り組む
必要に迫られている分野のひとつであることは衆目
の一致するところです。

ところがこれまで、国語の用語集が存在しませんで
した。


これまで

インテリジェンスを語る
「ことば」はなかった

といって過言ではないのです。



『インテリジェンス用語事典』
川上高司(拓殖大学教授)監修
執筆:樋口敬祐、上田篤盛、志田淳二郎
四六判444ページ
並木書房
https://amzn.to/3sA5UeF
※インテリジェンスに関心興味ある方は必携。


■インテリジェンス用語事典

そんななかこのたび、インテリジェンスの世界で
画期的な事典ができましたのでお知らせします。


先日、樋口さんがメルマガで案内されていたとおり
です。

この事典がわが国インテリジェンスの飛躍的一歩に
なることは間違いありません。

項目の一番最初は「数字」。その次が「英数字」。
その後に国語の項目が「ア」から始まります。

ふつう、英数字や数字の項目はいちばん最後に来が
ちなので、この本は使い勝手がいいです。
使う人ならこの価値はよくわかるでしょう。


これをお読みのあなたは
とにかく早く手に入れてください!


■誰が書いたのでしょう?


監修者の川上高司先生は、業界に詳しい方なら誰も
がご存じの方ですね。


執筆者のお三方は、

現在木曜日配信中の連載
「情報機関はインテリジェンスの失敗をどう克服し
てきたか」
著者の樋口敬祐さん

インテリジェンスに関する連載を過去提供くださっ

上田篤盛さん

ハイブリッド戦争の連載を過去提供くださった
志田淳二郎さん


メルマガではおなじみの方々です。


◆監修者・執筆者プロフィール

川上高司(かわかみ・たかし)
1955年熊本県生まれ。拓殖大学教授、中央大学
法学部兼任講師、NPO法人外交政策センター理事
長。
大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースク
ール外交政策分析研究所研究員、世界平和研究所研
究員、RAND研究所客員研究員、海部俊樹総理政策秘
書、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部
教授、拓殖大学海外事情研究所所長・教授などを経
て現職。
著書に『トランプ後の世界秩序』(共著・東洋経済
新報社)、『2021年パワーポリティクスの時代』
(共著・創成社)、『無極化時代の日米同盟』(ミ
ネルヴァ書房)、『日米同盟とは何か』(中央公論
社)、『アメリカ世界を読む』(創成社)他。


樋口敬祐(ひぐち・けいすけ)
1956年長崎県生まれ。拓殖大学大学院非常勤講師。
NPO法人外交政策センター事務局長。元防衛省情報
本部分析部主任分析官。防衛大学校卒業後、1979年
に陸上自衛隊入隊。95年統合幕僚会議事務局(第2
幕僚室)勤務以降、情報関係職に従事。陸上自衛隊
調査学校情報教官、防衛省情報本部分析部分析官な
どとして勤務。その間に拓殖大学博士前期課程修了。
修士(安全保障)。拓殖大学大学院博士後期課程修
了。博士(安全保障)。2020年定年退官。
著書に『国際政治の変容と新しい国際政治学』(共
著・志學社)、『2021年パワーポリティクスの時代』
(共著・創成社)。

上田篤盛(うえだ・あつもり)
1960年広島県生まれ。株式会社ラック「ナショナル
セキュリティ研究所」シニアコンサルタント。防衛
大学校卒業後、1984年に陸上自衛隊に入隊。87年に
陸上自衛隊調査学校の語学課程に入校以降、情報関
係職に従事。防衛省情報分析官および陸上自衛隊情
報教官などとして勤務。2015年定年退官。著書に
『中国軍事用語事典』(共著・蒼蒼社)、『戦略的
インテリジェンス入門』『中国が仕掛けるインテリ
ジェンス戦争』『武器になる情報分析力』『情報分
析官が見た陸軍中野学校』(並木書房)、『未来予
測入門』(講談社)他。

志田淳二郎(しだ・じゅんじろう)
1991年茨城県生まれ。名桜大学(沖縄県)国際学群
准教授。中央ヨーロッパ大学(ハンガリー)政治学
部修士課程修了、中央大学大学院法学研究科博士後
期課程修了。博士(政治学)。中央大学法学部助教、
笹川平和財団米国(ワシントンDC)客員準研究員、
拓殖大学大学院非常勤講師などを経て現職。専門は、
米国外交史、国際政治学、安全保障論。著書に『米
国の冷戦終結外交─ジョージ・H・W・ブッシュ政権
とドイツ統一』(有信堂、第26回アメリカ学会清水
博賞受賞)、『ハイブリッド戦争の時代』(並木書
房)他。



■4年にわたる時間を、、

現在、インテリジェンスの世界は、インテリジェン
スの世界はニード・トゥ・ノウからニード・トゥ・
シェアに移っています。

そんな時代に顕れた、専門家たちが結集して4年にわ
たる月日を費やし紡ぎあげたインテリジェンスの基
礎知識を網羅した「用語集」の誕生。

心から嬉しく頼もしく思う次第です。



これまでインテリジェンスの世界は、
個人個人の職人的技芸に頼るブラックボックス部分
が多い業界でした。

そのため一般人にとっては敷居が高く、特別な能力
を持つ人でないと語ってはいけないんだろうな、と
思わせる壁を感じさせる世界でした。

関心ある人が、定評ある基本書や入門書を読んでも

基礎知識や用語理解があやふやなため、誤解を起こ
したり、理解が進まなかったりしていました。

その場で誤解を解き、理解の妨げとなる知識不足を

う術がなかったからです。

しかし「インテリジェンス用語事典」が出た今、
そういう時代は終わったといえます。


■大学受験に

インテリジェンスを理解するための基礎知識満載の
このレファレンスブックには、コンピュータ技術を
意味する「情報」もきちんと取り上げられています


大学受験科目の1つに「情報」が入る今後、この事
典は受験生たちが手に取り目を通すレファ本になる
ことでしょう。

これからさきの「わが情報」に本著がもたらす価値
は計り知れないといって差し支えありません。

情報分析のプロが執筆している点も、画期的かつ極
めて価値あることと思います。

もう一度執筆者を紹介しておきます。


樋口敬祐(ひぐち・けいすけ)
1956年長崎県生まれ。拓殖大学大学院非常勤講
師。
NPO法人外交政策センター事務局長。元防衛省情
報本部分析部主任分析官。防衛大学校卒業後、197
9年に陸上自衛隊入隊。95年統合幕僚会議事務局
(第2幕僚室)勤務以降、情報関係職に従事。陸上
自衛隊調査学校情報教官、防衛省情報本部分析部分
析官などとして勤務。その間に拓殖大学博士前期課
程修了。修士(安全保障)。拓殖大学大学院博士後
期課程修了。博士(安全保障)。2020年定年退官。
著書に『国際政治の変容と新しい国際政治学』(共
著・志學社)、『2021年パワーポリティクスの時代』
(共著・創成社)。

上田篤盛(うえだ・あつもり)
1960年広島県生まれ。株式会社ラック「ナショナル
セキュリティ研究所」シニアコンサルタント。防衛
大学校卒業後、1984年に陸上自衛隊に入隊。87年に
陸上自衛隊調査学校の語学課程に入校以降、情報関
係職に従事。防衛省情報分析官および陸上自衛隊情
報教官などとして勤務。2015年定年退官。著書に
『中国軍事用語事典』(共著・蒼蒼社)、『戦略的
インテリジェンス入門』『中国が仕掛けるインテリ
ジェンス戦争』『武器になる情報分析力』『情報分
析官が見た陸軍中野学校』(並木書房)、『未来予
測入門』(講談社)他。

志田淳二郎(しだ・じゅんじろう)
1991年茨城県生まれ。名桜大学(沖縄県)国際学群
准教授。中央ヨーロッパ大学(ハンガリー)政治学
部修士課程修了、中央大学大学院法学研究科博士後
期課程修了。博士(政治学)。中央大学法学部助教、
笹川平和財団米国(ワシントンDC)客員準研究員、
拓殖大学大学院非常勤講師などを経て現職。専門は、
米国外交史、国際政治学、安全保障論。著書に『米
国の冷戦終結外交─ジョージ・H・W・ブッシュ政権
とドイツ統一』(有信堂、第26回アメリカ学会清水
博賞受賞)、『ハイブリッド戦争の時代』(並木書
房)他。


インテリジェンスに関心興味ある方は必携です。


『インテリジェンス用語事典』
川上高司(拓殖大学教授)監修
執筆:樋口敬祐、上田篤盛、志田淳二郎
四六判444ページ
並木書房
https://amzn.to/3sA5UeF
※情報分析のプロがひも解くインテリジェンスを理
解するための基礎知識!



編著者の樋口さんはこうおっしゃっています。

<この事典は、初めてインテリジェンス業務に関わる
実務担当者やインテリジェンス研究の初学者を念頭
に置いて、陰謀論的なあやふやな用語を排除して、
わかりやすい説明と解説を心がけた。インテリジェ
ンスに関する文献の中から、使用されている用語を
抽出し、略語や俗語などを含めて掲載し、インテリ
ジェンス的な意味を一義的に記述し、その解釈を加
えることに尽力した。記述した内容は、すべてオー
プンソースに基づくものであり、できるだけ調査時
点での最新の資料を盛り込むように努めた。>

(「編著者のことば」より)


高校では「情報科」が必修科目となっており、20
25年の大学入学共通テストからは「情報」が出題
教科に追加されることが決まってます。

ところがわが国で「情報」への認識はきわめて低い
です。

国語でいう「情報」は、英語でいう「インフォメー
ション」と「インテリジェンス」双方の訳語として
使われているので、意味が混在しています。

ところが欧米有識者の間で両者明確に区別されてい
ます。
欧米問いの情報共有や交換等を積極的に展開してゆ
かねばわが生存は危うくなる可能性が高いです。

状況を正鵠を射た形で判断し適切な行動につなげる
には、インテリジェンスの知識は不可欠¥といえま
しょう。

この、本邦初の画期的な「インテリジェンス用語事
典」は、自衛隊情報分析官を長く務めた専門家らが
中心となり、インテリジェンスの業界用語・隠語、
情報分析の手法、各国の情報機関、主なスパイおよ
び事件、サイバーセキュリティ関連用語など、イン
テリジェンスを理解するための基礎知識を多数の図
版をまじえて1040項目収録。わが国初のインテ
リジェンス用語事典!

プロが作った、プロの使用に耐えうる、一般に公開
された本格仕様のインテリジェンスレファ本です。

慣習にあたられた川上先生はこうおっしゃっていま
す。

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◆監修者のことば

 社会のデジタル化は急速に進んでいる。世界各国
でCovid19の拡散防止のためロックダウンがなされ、
わが国でもたび重なる緊急事態宣言の発令で、IT化、
AI化に拍車がかかり、働き方改革も進行している。
それにともないITの関連用語も日常的にマスコミや
SNSなどに溢れるようになった。
  教育界においてもDX(デジタルトランスフォー
メーション)が加速している。2017年度から小学校
にプログラミング教育が導入された。高等学校では
すでに2003年度から「情報」が必修科目となり、20
22年度の高校の新学習指導要領では、「情報」が、
プログラミングなどを学ぶ必修科目「情報I」と選
択科目「情報II」に再編されるなど、情報やデジタ
ルに関する教育は深化・高度化している。さらに、
文部科学省は2025年1月の大学入学共通テストから、
新教科として「情報」を新設することを決定した。
  その一方で、日本における「情報」に関する認
識はまだまだ低い。たとえば、日本語の「情報」と
いう言葉は、英語の information 及び intelligence
の両者の訳語として使われているため、それぞれの
意味が混在している。つまり、欧米の有識者の間で
は明確に区別されている両者の使い分けがなされて
いないのが現状である。(「インテリジェンス」
「インフォメーション」の項参照)
  また、わが国では学術的研究もほとんど行われ
ず、国際政治や政治学といった社会学の分野でも
「インテリジェンス」の研究は重要視されなかっ
た。いやむしろ、まともな研究の対象とすらされて
こなかった。
  しかしながら、諸外国においては、情勢分析を
行う上で「インテリジェンス」に関する知識は必要
不可欠であり、大学の教育でも専門教育の中に広く
取り入れられている。また、アメリカの大学生には
就職先としてCIAやFBIなどのインテリジェンス関係
の政府機関や民間企業は人気が高い。
  2001年9月11日に発生した米国同時多発テロ
(9.11テロ)は、インテリジェンス機関に問題が
あったのではないかという議論が起こり、インテリ
ジェンスの強化が訴えられ、インテリジェンス機関
が拡大された。また、それと同時に、学術面からも
9.11テロを境に「インテリジェンスの失敗」の研究
も盛んに行われるようになった。
  そうした流れから諸外国の大学ではインテリジ
ェンス関連の学部の新設が急増している。しかしな
がら、わが国においてインテリジェンスを教育科目
として教えているところは、私が教鞭をとる拓殖大
学大学院を除き、ほとんど皆無であるのが実情であ
る。
  それでもわが国でもインテリジェンスに関する
教科書的な書籍が出版されるようになってきた。た
とえば『インテリジェンス入門─利益を実現する知
識の創造』(北岡元著)、『インテリジェンス─機
密から政策へ』(元CIAの分析官マーク・ローエン
タール著、茂田宏監訳)、『インテリジェンスの基
礎理論』(小林良樹著)、『戦略的インテリジェン
ス入門』(上田篤盛著)などである。しかし、イン
テリジェンスに関する事典はなかったため、実務面
でも、また国際政治を学ぶ上でも本格的な用語事典
が求められていた。
  そのような中にあって、本書『インテリジェン
ス用語事典』の刊行は画期的なことである。拓殖大
学大学院や中央大学大学院などの私のゼミ生や卒業
生などを中心に議論を重ね、4年越しにインテリジ
ェンスに関する事典が完成した。サイバー関連用語
についても、サイバーセキュリティ会社の専門家に
協力や執筆をいただいた。
  インテリジェンスは、わが国において諸外国の
ように研究が進んでいる分野ではないので、研究者
や読者の意見を得て、さらに充実させる必要性があ
ることは十分認識している。本事典は初学者の参考
になると思料しており、今後の研究の礎になること
を期待している。

拓殖大学大学院教授 川上高司

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編著者の樋口さんはこうおっしゃっています。


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◆編著者のことば

 近年は「インテリジェンス」に関連する書籍も多
く出版され、情報という意味での「インテリジェン
ス」という言葉も世間に市民権を得たと思っていた。
もちろん、本書を手に取っていただいた読者の皆さ
まは、安全保障、国際政治などに関心があり、「イ
ンテリジェンス」についてさらに理解を深めたいと
思われている方が大半だと思う。
  しかし、安全保障や国際政治にあまり関心がない
方にとっては、「インテリジェンス」が「情報」も
意味することは、あまり浸透していないようである。
試しに広辞苑でインテリジェンスと引いてみると、
「知能。知性。理知」が先に来て、次に「情報」と
なっている。また、インテリジェンス=諜報・スパ
イと思っている方も多いようである。
  私は、2020年に自衛官として定年を迎えたが、
1995年頃から20年以上にわたり自衛隊でインテリジ
ェンスに関わってきた。最初の頃は、現場で使われ
ているインテリジェンス関連の用語の意味がわから
なかった。旧軍で使われていた用語、アメリカで使
われている用語、隠語などが現場では当たり前のよ
うに飛び交い、そのつど意味を聞ける雰囲気ではな
かった。
  辞書で調べても、どうも現場のニュアンスと異
なる。まだインターネットも普及していない頃であ
る。そこで時間を見つけては先輩に尋ねるのだが、
聞く人によって微妙に解釈が異なることもわかって
きた。特に自分にとって衝撃的だったのは、外国の
インテリジェンス機関の人との雑談で、「日本の情
報関係者は、フュージョンとオールソース分析の違
いもわかってないので、説明に疲れる」と聞いたこ
とである(違いがあやふやな人は本書の該当項目を
参照されたい)。
  当時は、私も両者の明確な違いなど意識していな
かった。そのような経験からインテリジェンスに関
する用語集や事典がないかとかなり探したが、日本
語で記述されたものは皆無だった。もちろん、安全
保障やサイバーなどに関連して記述したものはあっ
た。また、スパイに関連した本の末尾に用語集らし
きものは見かけたが、あまり信憑性はなかった。イ
ンテリジェンスに特化した事典がいつか出版される
だろうと思い、日々の業務に打ち込んでいたが、刊
行されることはなかった。
  しびれを切らして、誰も出さないなら後輩たち
のために自分たちで作ろうと上田篤盛氏と意気投合
したのが、本書を出版するに至ったきっかけだった。
それまでに15年以上、2人とも自衛隊でインテリジ
ェンスに関わってきたので、お互いの知識や経験を
持ち寄ればなんとかなると思っていた。しかし、い
ざ取りかかると簡単なことではなかった。すぐに直
面した大きな問題は、次の3つである
。1つ目は用語集には必要だが、秘密扱いとされて
いる用語やトピックをどのように扱うか、2つ目は
秘密の解除やインターネットの普及によって最新の
データがどんどん更新されていること、3つ目はデ
ータの中に偽情報や誤情報が紛れ込んでいることで
ある。
  これらの問題に対処するためには、2人だけで
は、すぐに行き詰ってしまった。そこで私の大学院
の恩師である拓殖大学教授の川上高司先生に相談し
たのが、2018年のことである。インテリジェンスに
興味を示してくれた、当時中央大学法学部助教の志
田淳二郎氏や同大学の大学院生などと共に「インテ
リジェンス研究会」と称して定期的に集まり、イン
テリジェンス関連の読書会やインテリジェンスに関
連する用語について意見を出し合い作成を試みた。
  最初は軽易に使っている日本語の「情報」とい
う言葉の由来もわからなかったので、研究者に教え
を乞うたこともある。事典づくりに関しても素人の
集まりであったが、議論を重ねるうちに何とか形に
なってきた。
  本書は、初めてインテリジェンス業務に関わる
実務担当者やインテリジェンス研究の初学者を念頭
に置いて、陰謀論的なあやふやな用語を排除して、
わかりやすい説明と解説を心がけた。インテリジェ
ンスに関する文献の中から、使用されている用語を
抽出し、略語や俗語などを含めて掲載し、インテリ
ジェンス的な意味を一義的に記述し、その解釈を加
えることに尽力した。記述した内容は、すべてオー
プンソースに基づくものであり、できるだけ調査時
点での最新の資料を盛り込むように努めた。

 さて、アメリカの歴史研究家ロベルタ・ウールス
テッターは、1941年の日本軍の真珠湾攻撃を研究し、
多くの玉石混交の情報の中から、真に役に立つ情報
を探し出すことは困難であるとして、「ノイズとシ
グナルの問題」を指摘している。
  その後の科学技術の進歩はすさまじく、インテ
リジェンス機関が収集できる情報は、幾何級数的に
増加し、当時よりもはるかに膨大な情報を収集でき
るようになった。インターネットやSNSの発達で、
人々は情報の洪水に溺れそうになり、フェイクニュ
ースの海に漂っているといえるだろう。それはなに
も一般の人だけでなく、情報関係者も同じ状況であ
る。
  さらにインテリジェンス機関においては、情報
の収集だけでなく情報の分析すらも、もはや個人
の能力や経験に基づく職人的技術で何とか対応でき
るものではなくなっている。「群集の英知」を発揮
してこそ、良質のインテリジェンスを作成できる。
その際の共通理解の促進のために、この事典を活用
していただければ望外の喜びである。
  特に分析手法(中でも構造的分析技法)につい
ての項目をできるだけ盛り込んだのは、本書の大き
な特徴の1つである。構造的分析技法は、チームと
して分析する際に作業が分担しやすいこと、個人で
は陥りやすいバイアスを回避するためにも有益であ
るとされ、特に9.11テロ以降、欧米のインテリジ
ェンス機関においては、その活用が推奨されている
(「分析手法」「ストラクチャード・アナリティク・
テクニック〔構造的分析技法〕」の項参照)。

 本書の構成は、数字・英語・五十音順に用語を並
べ、それぞれの用語には一般的な訳語や意味に続い
て、簡単な解説を加え、末尾には矢印(⇒)をつけ
て関連用語がわかるようにした。
  本文において使用する用語については、できる
だけ統一するように努めたが、原文に使われている
用語、慣例的に使われている用語、文脈の中で適切
と思われる用語などを使用したため、必ずしも統一
されていないことをご容赦願いたい(インテリジェ
ンス機関と情報機関、諜報機関など)。
  諸外国のインテリジェンス機関については、略
語や通称を付記すると共に、できるだけ組織図を入
れることとした。同じ国においてさえ組織図の書き
方は、上から下、左から右へなど表現方法が異なり、
詳しい組織図や編成が明らかにされていない機関、
文章でのみで説明している機関など様々である。そ
れらをできるだけピラミッド型の組織図に統一して
記述し、比較しやすいように工夫した。
  本書が、インテリジェンスに関する誤解を解き、
インテリジェンスをより理解していただく基礎にな
ることを願っている。

拓殖大学大学院講師・樋口敬祐

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いかがでしょうか?

樋口さんのご案内を読んで手に入れた人は、
もう一冊手に入れて、大切な方にプレゼントしてあ
げてください。

インテリジェンスを考え理解し把握する「ことば」
の知的土台は、この事典で培えます。

きょう手に入れたら成長が一日早くなります。


こういう言葉はあまり言いませんが


今すぐ手に入れてください!

一日も早くこの本の内容に目を通してください!

各種情報に接したとき、この事典を開いて照らし合
わせてください!

あなたのこれからの人生に計り知れない余沢をもた
らす価値ある一冊です。


心からおススメします。


『インテリジェンス用語事典』
川上高司(拓殖大学教授)監修
執筆:樋口敬祐、上田篤盛、志田淳二郎
四六判444ページ
並木書房
https://amzn.to/3sA5UeF
※インテリジェンスに関心興味ある方は必携。



エンリケ



追伸

近年こんなに興奮したことはありません。
会う人会う人に激推しているところです。

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.2.18


『米軍から見た沖縄特攻作戦
 ─カミカゼ vs. 米戦闘機、レーダー・ピケット艦』
ロビン・リエリー著
小田部哲哉訳
判型・ページ数:A5判420ページ
発行日 :2021.8
発行:並木書房
https://amzn.to/3pDrf6z


おはようございます、エンリケです。

「特攻機の戦果を誰がどんな形で確認していたのだ
ろう?」

という疑問を持ったことはありませんか?


・あなたは「レーダー・ピケット(RP)任務」とい
う言葉を聞いたことがありますか?

・あなたは「レーダー・ピケット(RP)任務」をご
存じですか?

・あなたは、特攻攻撃でもっとも損害を受けた米海
軍の艦艇がレーダー・ピケット(RP)任務にあたっ
た艦艇だったことを知っていますか?


もし気になるなら、読み進めてください。

この本を読む最大の意義は、
大東亜戦争当時に「レーダー・ピケット(RP)任
務」というものがあったことを知ること、そして、
わが特攻機の行動と最期を米戦闘記録をつうじて再
現することにあります。

これまで明らかにされることのなかった、出撃後の
日本軍機の行動とその最期を米軍の戦闘日誌、戦闘
報告などに基づき克明に再現しています。

知られざる特攻作戦の実像を明かしてくれる貴重な
記録・資料といってよいでしょう。

沖縄戦で日本陸海軍機の特攻の損害を最も受けたの
は空母・戦艦でなく、沖縄本島周辺の21か所の海域
に配置された駆逐艦や各種小型艦艇などのレーダー・
ピケット艦艇だったのです。

配置された206隻のうち29パーセントが沈没・
損傷し、戦死者1348人、負傷者1586人とい
う甚大な被害を出しました、、、、、


ではこのノンフィクションの内容を見ていきましょう。

(著者のことば)より
<カミカゼ攻撃は、気の狂った者が命令した狂信的
な任務ではなかった。アメリカ人に日本侵攻が高く
つくことを示して、侵攻を思い止まらせる唯一理性
的で可能な方法だった。この考えで、日本人は多く
の航空機とパイロットを片道攻撃に投入した。カミ
カゼの数は、フィリピンの時よりもはるかに多かっ
たので、アイスバーグ作戦の防空計画は不十分なも
のになった。戦闘機指揮・管制駆逐艦の防空強化に
役立つと考えられた武装小型艦艇だったが、その優
位性を活かせる場面が少なかった。
これから述べることは、ほぼ間違いなく第2次世界
大戦で最も困難な海上任務の1つに携わった人々と、
艦艇と海軍・海兵隊・陸軍の航空機、そして戦闘がど
のように展開したかを再現したものである。>

(訳者のことば)より
<日本の特別攻撃隊に関する書籍の場合、その多く
が描いているのは、基地を発進するまでの状況であ
る。帰還を想定していない特別攻撃隊の特殊性など
から、発進後の米艦艇・戦闘機との交戦状況とその
最期を記載したものはわずかである。本書は、米軍
の目を通したものであるが、日本軍機の搭乗員が何
とか米艦艇に突入しようとして、米軍の戦闘機およ
び艦艇の対空砲火を避ける行動をとり、どのような
最期を遂げたかを明らかにしてくれる。
  特別攻撃隊員の中には、自ら進んで、国・家族
を守るため特別攻撃隊員を志願した者もいる。一方
、死を望まないものの置かれた立場上、特別攻撃隊
員として出撃するしかないと考えた者もいる。いず
れの場合であれ、特別攻撃隊員になることが決まっ
た以上、いま自分ができること、すべきことは敵艦
に突入することだけだ、と言い聞かせて出撃したで
あろう。本書が描いている日本軍機の飛行状況から、
そのような任務達成の使命感、その一方で任務を
果たさずに撃墜されることの懸念を読み取ることが
できる。もちろんこれは通常攻撃の隊員も同じ思い
であっただろう。>


◆著者のことば(一部)

-----------------------------------
 米軍が作成した報告書と戦後の文献は、カミカゼ
を「自殺(suicide)パイロット」としており、本
書では便宜上「自殺」の言葉を使用している。しか
し、「自殺」は特別攻撃を行なった者の行為に対す
る表現としてふさわしくないと考えている。
  国土が侵攻される状況に直面した時、軍国主義
の日本政府は、家と家族を守る唯一の方法は、航空
機、舟艇、その他の武器を使って自らの体を米艦艇
に突入させることが最も効果的だとして特別攻撃を
行なう者を説得した。
  日本軍パイロットの多くはこの政府の主張が正
しいとは思っていなかったが、彼らは男性がしばし
ば戦場で見せる行為を実践した。命令に従い、家族、
友人、そして国のために自分自身を犠牲にしたの
だ。これは自殺とはまったく異なる。
  特別攻撃隊員の行為を自殺と記載している報告
を必要上引用しているが、最初にこれを区別してお
くことは重要だと考えている。日本人でこの任務を
自殺と考える者はいない。この方法を「必要に迫ら
れた特別兵器」と考えている。私は自殺と表現する
ことに同意できないが、すべての公式記録が自殺を
使用しており、表現を変えると混乱が生じるため、
この言葉を使わなくてはならない。
  陸軍航空本部長だった河辺正三大将は、戦後の
米軍の尋問に対して次のように語った。
「連合軍は、カミカゼ攻撃を『自殺』攻撃と呼んで
いる。これは誤解であり、これを『自殺』攻撃と言
われることは不快である。彼らは『自殺』ではない。
自殺をしようと思って任務に就いたパイロットは
いない。彼らは自分自身を、祖国のために敵艦隊を
少しでも破壊することのできる人間爆弾と考えてい
た。これを名誉あることと考える一方で、自殺は名
誉なことだと考えなかった」(1)
  この尋問に対して、ラムセイ・D・ポッツ陸軍
大佐は「このような行為を表現できるほかの言葉が
ないので、『自殺』と言っていた」と述べた。

(1) Lt.Gen. Masakazu Kawabe USSBS Interrogation # 277.2 November 1945 P
------------------------------------



◆目次

---------------------------------

著者のことば 1
翻訳にあたって 6

序章 レーダー・ピケット(RP)任務 13

 沖縄侵攻「アイスバーグ作戦」13
  ピケット艦艇が攻撃目標になった 15
  陸上レーダー施設の必要性 17
  過労と神経衰弱 20
  最も困難な任務 21

第1章 駆逐艦と武装小型艦艇 23

 さらに激しいカミカゼ攻撃を予想 23
  戦闘空中哨戒(CAP)との調整 24
  レーダー・ピケット艦艇(RP艦艇)の概要 25
  機動砲艇 28
  ロケット中型揚陸艦 29
  大型揚陸支援艇LCS(L)Mk.3 31
  駆逐艦 34
  敷設駆逐艦(DM)40
  掃海駆逐艦(DMS)40
  護衛駆逐艦(DE)41
  RP艦艇の戦術 42
  効果的なCAPの運用 46
  友軍誤射 47
  カミカゼに対する戦術 48

第2章 航空戦闘 51

 戦闘空中哨戒(CAP)51
  CAPの戦闘機部隊組織 53
  海兵戦闘飛行隊が沖縄に到着 58
  サンダーボルトが伊江島に到着 64
  救難作業 67
  米軍の航空機 68
  FM-2ワイルドキャット 68
  F4Uコルセア 70
  F6Fヘルキャット 73
  P-47Nサンダーボルト 75
  F6F-5Nヘルキャット 76
  P-61ブラック・ウィドウ 76
  日本軍機と米軍機の比較 77
  カミカゼ 80
  天号作戦 82
  日本海軍航空隊 88
  日本陸軍航空部隊 91

第3章“地獄の戦い”始まる 96

 1945年3月24日(土)96
  3月26日(月)96
  3月30日(金)98
  3月31日(土)99
  4月1日(日)100
  4月2日(月)102
  4月3日(火)103
  4月4日(水)106
  4月5日(木)107
  4月6日(金)109
  4月7日(土)123
  4月8日(日)126
  4月9日(月)128
  4月10日(火)129
  4月11日(水)129
  4月12日(木)130
  4月13日(金)154

第4章 彼らは群になってやって来た 159

  4月14日(土)159
  4月15日(日)161
  4月16日(月)164
  4月17日(火)183
  4月18日(水)185
  4月20日(金)187
  4月21日(土)187
  4月22日(日)188
  4月23日(月)193
  4月24日(火)194
  4月25日(水)194
  4月26日(木)195
  4月27日(金)〜28日(土)195
  4月29日(日)〜30日(月)204

第5章 死んだ者がいちばん幸せだった 210

 5月の概況 210
  5月3日(木)〜4日(金)210
  5月5日(土)〜6日(日)245
  5月7日(月)〜9日(水)246
  5月10日(木)〜11日(金)247

第6章 心からの「よくやった」266

 サンダーボルトが到着 266
  5月12日(土)〜14日(月)266
  5月15日(火)〜19日(土)270
  5月20日(日)〜22日(火)279
  5月23日(水)〜25日(金)280
  5月26日(土)〜31日(木)290
  5月のRP艦艇状況 301

第7章 勇気の代償 303

 6月の概況 303
  6月1日(金)〜2日(土)303
  6月3日(日)〜7日(木)304
  6月8日(金)〜12日(火)317
  6月13日(水)〜17日(日)328
  6月18日(月)〜22日(金)328
  6月24日(日)337
  6月25日(月)337
  6月30日(土)339
  7月1日(日)339
  7月2日(月)〜13日(金)340
  7月14日(土)342
  7月29日(日)343
  7月30日(月)〜31日(火)347
  8月1日(水)〜6日(月)347
  8月7日(火)〜8日(水)348
  8月9日(木)〜13日(月)348
  8月15日(水)349

第8章 RP艦艇がこうむった大きな損失 351

  損失は許容範囲内である 351
  カミカゼ攻撃の特性 351
  日本軍パイロットの経験不足 353
  武装小型艦艇の不適切な運用 353
  任務に適していない艦艇の配置 355
  不適切なRPSの戦力 357
  陸上レーダーの早期設置に失敗 359
  乗組員の疲労 360
  訓練時間の不足 362
  RP艦艇が多くの艦艇を損害から救った 363

資料1 レーダー・ピケット(RP)任務における
艦艇の損害 365
資料2 沖縄のレーダー・ピケット(RP)任務に
就いた艦艇 368
資料3 日本軍機 RPS攻撃に使用された機体 371
資料4 機体識別(海軍省海軍情報部)373
資料5 日本軍飛行場と主要用途 380

脚注 382
参考文献 396
翻訳で利用した主な引用・参考文献 419

---------------------------------

◆著者略歴
Robin L. Rielly(ロビン・L・リエリー)
1942年生まれ。沖縄戦当時、父親がLCS(L)-61に乗
艦していたことから、USS LCS(L) 1-130協会で約
15年間歴史研究を行なう。1962〜63年、海兵隊員と
して厚木で勤務。シートン・ホール大学修士課程卒
業。ニュージャージー州の高校の優等生特別クラス
で米国史、国際関係論を32年間教え、2000年退職。
本書を含め日本の特攻隊、米海軍揚陸作戦舟艇関係
の本を5冊執筆。『Kamikaze Attacks of World
War II』『Mighty Midgets At War』『American
Amphibious Gunboats in World War II』『Kamika
ze Patrol』。空手に関する著書も多く、International
Shotokan Karate Federationで技術副委員長を務め
るかたわら自ら空手を教えている。現在8段。

◆訳者略歴
小田部哲哉(おたべ・てつや)
1947年生まれ。三菱重工業(株)の航空機部門で勤
務。退職後は月刊誌『エアワールド』に「アメリカ
の航空博物館訪問記」を、月刊誌『航空情報』に「
アメリカ海兵航空隊の歴史」をそれぞれ連載したほ
か、ヘリコプター関連記事を月刊誌『Jウイング』
に掲載した。母方の伯父が第14期海軍飛行専修予備
学生出身の神雷部隊爆戦隊員として鹿屋から出撃、
未帰還となったことから航空機や航空戦史に関心を
寄せていた。


いかがでしょうか?

昭和20年(1945年)4月に始まった米軍の沖縄侵
攻作戦。これにともない米海軍は、沖縄に上陸した
陸軍、海兵隊、海軍艦艇を守るため、沖縄周辺海域
に21か所のレーダー・ピケット・ステーション(RP
S)を設定し、レーダー・ピケット艦艇(RP艦艇)
を配置しました。

わが陸海軍機は、沖縄米軍を攻撃するにしてもその
前にRP艦艇に探知されます。そのためまずRP艦艇を
攻撃する必要がありました。

それだけではありません。大型艦(空母や戦艦、巡
洋艦)には損傷しか与えられませんが、RP艦艇のよ
うな小型艦艇なら撃沈できます。
そのため、RPSに配置された駆逐艦と小型艦艇部隊が
わが軍機最大の目標になったのです。

淡々とした記録が、胸に迫ります。

これまでほとんど明らかにされてこなかった
帝国陸海軍の特攻機の最期を、敵の戦闘日誌、戦闘
報告等に基づいて詳細克明に描き出した作品。

あなたにも、あなたのお知り合いにも読んでいただ
きたいです。心からおススメします。


今回ご紹介したのは、

『米軍から見た沖縄特攻作戦─カミカゼ vs.
米戦闘機、レーダー・ピケット艦』
ロビン・リエリー著
小田部哲哉訳
判型・ページ数:A5判420ページ
発行日 :2021.8
発行:並木書房
https://amzn.to/3pDrf6z

でした。


エンリケ

追伸

希少な戦闘詳報。
沖縄特攻作戦の模様を米軍側が記録したもの。
航空総攻撃、菊水作戦など「特攻」の実像と
戦果確認に資する資料的価値を持つ。
特攻で散った勇猛果敢な英霊を思い、感謝と
慰霊の涙が止まらない。


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.3.7


おはようございます、エンリケです。

東日本大震災時の初動。
72時間が勝負と言われる人命救助。

この人の”異例の指示”がなければ、
あれほど多数の人命が救われることはなかったでしょう。

腹を切る覚悟で目の前の事態に対処。
「即動必遂」を実践した頼もしいリーダー。

これこそ真のエリートの姿と思うのは私だけでしょうか?

いま、その方が主役のオーラルヒストリーが世に出ました。

本著を読んで、自衛隊と自衛官に寄り添い、共に国を盛り立て、
祖国日本の悠久の発展に生きてゆこうとする日本人が増える
よう心から望みます。


メルマガ軍事情報
エンリケ


『神は賽子を振らない』
渡邉陽子 (著),、火箱芳文 (監修)
発行:株式会社アルゴノート
発行日:2022/3/17
寸法:12.8 x 1.3 x 18.8 cm

https://amzn.to/3i9DzH6


木曜日の連載「ライター・渡邉陽子のコラム」著者・渡邉陽子さんの最新刊。
彼女の真骨頂を堪能できる本という印象を受けます。

主人公は、東日本大震災当時の陸幕長・火箱芳文元陸将。
聞き手はライター・渡邉陽子さん。


詠めば読むほど、等身大の自衛隊と自衛官、その仲間た
ちへの理解と共感が広がる作品です。

現役退役軍人・ご家族の方はもちろん、
一般企業のサラリーマンとそのご家族も共感できるところ多いです。


まずは内容をご覧ください。

目次

はじめに

第一章 自衛官人生の始まり
第二章 第一線部隊勤務と上級幹部登竜門への挑戦
第三章 第一空挺団中隊長と陸幕広報室
第四章 上級司令部幕僚として、学生として
第五章 北方最前線部隊、第三普通科連隊長
第六章 孤独な人事業務と初めての中部方面隊
第七章 陸上自衛隊に近づいてきた海外
第八章 作戦基本部隊の師団のトップ、第一〇師団長
第九章 母校、防衛大学校の幹事(副校長)
第一〇章 二府一九県を束ねるメジャーコマンダーへ
第一一章 第三十二代陸上幕僚長の誕生
第一二章 東日本大震災、発生
第一三章 自衛官人生、最後の日々
あとがき


いかがでしょうか?

「はじめに」は渡邉さんが、「あとがき」は火箱さんが記されています。


『神は賽子を振らない』
渡邉陽子 (著),、火箱芳文 (監修)
発行:株式会社アルゴノート
発行日:2022/3/17
寸法:12.8 x 1.3 x 18.8 cm

https://amzn.to/3i9DzH6


おススメできる理由は3つです

1.伝記というより「自衛隊オーラルヒストリー」だから

2.自衛隊・自衛官の仕事の現実がよく理解把握できるから

3.組織人として、ポジション変化に伴って直面する「壁」にいかに対処するか?
について意識、取り組みの着眼点を学べるから


まずは3番目から。

正直、これまで普通より多くの軍人伝を読んできた私ですが、
この本から受ける印象は、それらとは全く異質のものです。

柔道好きなひとりの少年がいかにして陸自トップの陸幕長に上り詰めたか?
という単純な出世物語に見えがちのこの本。実はそうではありません。

一軍人の軍務の記録というより、
目の前の状況を主人公はいかに捉え、対処したか?
を忌憚なく描き出した「教本」としての価値が大きいです。

その描写の細やかさが本著最大の特徴かもしれません。


外から見れば出世、「万々歳!!」としか見えないポジションの上昇。
しかし新しいポジションに就くと、これまで見えなかった課題や壁にぶつかるものです。

火箱さんもそうでした。
補職に就くごとに壁に直面します。

その時氏は、

いかに課題を捉え、
何を拠り所にし、
いかに克服したのか?

といったことが、この本には過不足なく絶妙なボリュームで描き出されています。

現役、退役自衛官とその家族だけでなく、
一般企業で働くサラリーマンとその家族が
同じように共感できる内容が非常に多いです。

わたしが特に学びになったのは、
西方勤務時の火箱さんが後方支援への理解を深めてゆくところです。

もしかしたら、
こういった毎日の積み重ねが職業人の一生かもしれません。
そんなことを感じました。


『神は賽子を振らない』
渡邉陽子 (著),、火箱芳文 (監修)
発行:株式会社アルゴノート
発行日:2022/3/17
寸法:12.8 x 1.3 x 18.8 cm

https://amzn.to/3i9DzH6



つぎは
「2.自衛隊・自衛官の仕事の現実がよく理解把握できる」
です。

なぜでしょうか?
渡邉さんの視座が、地を這うそれだからだと思います。

おうおうにしてこの種のはなしでは
上空から仕事を俯瞰する視点が多いですが、
渡邉さんの記述は、ねじ一本、砂粒一粒の違いをくっきり
浮かび上がらせます。

だから、具体的に自衛隊の仕事をつかめるのです。


第一空挺団の普通科中隊長に補されたとき。
陸幕広報に補されたとき。
連隊長に補されたとき
師団長に補されたとき
・・・・

生涯を通じ、
主人公の何が変わって何が変わらなかったのか?
何を根底に意思決定していたのか?

といった、軍民問わない社会人としての知的基盤を
つかめます。


学びを得たい読み手は「自分に適合する部分」と
「ここは違う」ところを明確に区分できるわけです。

だから、
つかめそうでつかめない「無機質でつるつるした読後感」を持ちがちな
所謂軍人伝とはひと味もふた味も違うコクと深みを味わえます。



そして最後のポイントが
「1.伝記というより「自衛隊オーラルヒストリー」」
です。

この本がもつおおきな特徴は、

「自衛隊のオーラルヒストリー」

という面です。

火箱さん個人の生涯を追いながら、描き出されているものは
わが危機に立ち向かい、そのための力をはぐくみ続けてき
た自衛隊と自衛官の歴史です。

<高田や習志野の部隊にいたときは、まったく意識していなかった広報の役目とその重要性。それがわかった上で働くと
、これまで見えなかったものが見えてくる・・・・>(P66)

<着任にあたり、火箱は一〇師団には三つの任務・役割があると考えた。>(P135)

<陸幕広報で働き始めたばかりの頃、火箱は日々打ちのめされた。>(P51)


などなど、

主人公がそう考えていた時、彼はどういう環境に置かれていたか?
がしっかり見えるから、今の自分に応用しやすいです。
同種の仕事をする職業人の得られる学びは大きいでしょう。


「陸幕長に上り詰めた田舎の少年奮闘記」

というビルディングロマンスというよりは、

主人公が生涯を賭け、全身全霊を捧げた

国防

という任務に彼が一軍人としていかに対処してきたかの備忘録です。


彼が愛した

自衛隊

という組織がこれまで行い育んできたことの記録です。


彼が命を分け合った

全身全霊でご奉公し、使命感を果たしてきた
名もなき自衛官とその仲間たちの記録です。

こういったほうが、
私にはシックリきます。


巷にあふれる「俺様軍人伝」とはひと味違う「軍人伝」

と著者の渡邉さんはおっしゃってますが、
讀んだ後のいま、私もそう感じています。



『神は賽子を振らない』
渡邉陽子 (著),、火箱芳文 (監修)
発行:株式会社アルゴノート
発行日:2022/3/17
寸法:12.8 x 1.3 x 18.8 cm

https://amzn.to/3i9DzH6



エンリケ


追伸

讀めば読むほど面白味が増えて深まってゆく
不思議なコクを持つ味わい深い本です。

『神は賽子を振らない』
渡邉陽子 (著),、火箱芳文 (監修)
発行:株式会社アルゴノート
発行日:2022/3/17
寸法:12.8 x 1.3 x 18.8 cm

https://amzn.to/3i9DzH6


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.4.3


『中国の航空エンジン開発史 中国は戦闘機用エン
ジンを国内開発できるか?』
榊純一 著
四六判160ページ 
定価1800円+税
発行日 :2022.04
本体価格 ¥1800
発行:並木書房
https://amzn.to/3uRcnTm

おはようございます、エンリケです。


ご存じですか?

機体とエンジンの双方を自国で開発し、量産化でき
た国は米英仏露の四か国しかないことを。

ロケットやミサイルの独自開発ができる国は多いで
すが、航空エンジンを自国開発できる国は限られて
いるのです。

機体のみを開発できる国は前述4か国より増えます
が、エンジンの自国開発、ライセンス製造ができる
か否かはその国の航空産業の技術レベルを計るバロ
メータとなります。
イスラエルの「ラビ」が開発中止に追い込まれたり、
わが「F-2」が日米共同開発になった理由は「エン
ジンを用意できなかったから」です。

なぜそうなのか?
ひとことでいえば「航空エンジンに求められる「作
動時間の長さに必要な耐久性」の要求がきわめて厳
しいものだから」です。

ちなみにわが国は、2016年4月に、機体、エンジン
とも国内開発した「X-2」(先進技術実証機:
Advanced Technological Demonstrator-X= ATD-X)
の初飛行に成功してますが、これはあくまでも試作
機で現時点で量産の計画はありません。


この本は、
中共におけるエンジン開発はいかなる形で行われて
きたか?を、IHI(石川島播磨重工)でエンジニア
としてエンジン開発に携わった著者が記した基礎資
料です。


榊 純一(さかき・じゅんいち)
1954年生まれ。東北大学大学院工学研究科修了。
80年石川島播磨重工業(現IHI)入社。航空エンジ
ンや車両用過給機(ターボチャージャー)の事業に
従事。同社常務執行役員を経て、2021年退職。共著
書に『中国空軍』、『中国の核ミサイル・宇宙戦力』、
『中国軍事用語辞典』、『中国の軍事力−2020年の
将来予測−』など


『中国の航空エンジン開発史 中国は戦闘機用エン
ジンを国内開発できるか?』
榊純一 著
四六判160ページ 
定価1800円+税
発行日 :2022.04
本体価格 ¥1800
発行:並木書房
https://amzn.to/3uRcnTm



中共の軍事科学技術発展史として見ても意義大きい
内容、といって差し支えありません。

中共のエンジン自主開発能力はいかなるレベルにあ
るのか?
をつかむうえで必須の資料といえ、エンジン技術の
キモとなる部分を理解できる手引書にもなっていま
す。


まずは
中共軍事研究の第一人者。
元陸将補・拓大名誉教授、茅原郁生先生の
推薦のことばをご覧ください。

---------------------------
推薦の辞

・・・中国空軍機はロシア航空技術の系統にあるが、
その独自開発能力には限界や課題を抱えている。
特に戦闘機エンジンの開発では後れをとっている。
・・・本書は、石川島播磨重工業(現IHI)でジェッ
トエンジン開発の陣頭に立ってこられた専門技術者
である榊純一氏が、長年観察されてきた「中国のジ
ェットエンジン開発」の歴史をまとめたものである。
本書は、単に中国の脅威をあおるのではなく、中国
エンジン開発の実態を客観的に分析している点でほ
かに類書がない。

(拓殖大学名誉教授 茅原郁生)

---------------------------

専門家はもちろん、
一般人で、わが脅威に対抗できる安保国防を成し遂
げたい思いを持つ日本人に読んでほしい内容です

何よりうれしいのは、高度な専門性とクオリティの
高さを兼ね備えたインテリジェンス資料であるにも
かかわらず、片手でつかんで持ち運べるコンパクト
なところ。

なんとページ数はたった160頁!! です。

これだけの内容をこれだけコンパクトに作り上げた
版元の力にわが国の知的活力の基盤を感じています。


それではこの、インテリジェンスブックの内容を見
ていきましょう。

--------------------------------

目 次

推薦の辞(茅原郁生)1
はじめに(榊 純一)3

第1章 国産エンジン開発に苦しむ中国 15
 ボーイングB707を手本に国産旅客機開発 15
  開発計画は挫折の連続 18
  中国独自のARJ21計画 20
  中国の軍用機開発 23
  まとめ 25

第2章 各国のジェットエンジン開発 27
  ジェットエンジンの基礎知識 27
  ドイツのジェットエンジン開発 30
  イギリスのジェットエンジン開発 32
  アメリカのジェットエンジン開発 35
  日本のジェットエンジン開発 36

第3章 ジェットエンジンが中国に渡るまで 39
  第2次世界大戦前後の英ソ関係 39
  ソ連におけるジェットエンジン開発 42

第4章 中国ジェットエンジン開発の始まり 44
  建国当時のガスタービンの研究事情 44
  中国空軍の創設と戦力整備 46
  ゼロから始まったジェット機開発 48

第5章 呉大観─中国航空エンジン開発の先駆者 52
  新中国の建国まで(1916〜49年)53
  新中国の誕生と航空工業の確立(1949〜61年)55
  文化大革命と不遇の時期(1961〜75年)58
  イギリス製エンジンの国産化(1976年以降)61
  党員および教育者としての呉大観 64
  研究・開発に対する呉大観のアプローチ 65

第6章 中国のジェットエンジン開発史 68
  ターボジェットエンジン(1)渦噴5 68
  ターボジェットエンジン(2)渦噴6 70
  ターボジェットエンジン(3)渦噴7(マッハ2の
  戦闘機用エンジン開発)74
  ターボジェットエンジン(4)渦噴8(大推力エン
   ジンの開発)76
  ターボジェットエンジン(5)渦噴11 78
  ターボジェットエンジン(6)渦噴13 78
  ターボファンエンジン(1)渦扇5 81
  ターボファンエンジン(2)渦扇6 82
  ターボファンエンジン(3)渦扇8 84
  ターボファンエンジン(4)渦扇9 85
  ターボファンエンジン(5)渦扇10 87
  ターボファンエンジン(6)渦扇11 88
  ターボファンエンジン(7)渦扇13 89
  その他のターボファンエンジン開発計画 90
  ターボプロップエンジン(1)渦しょう(將の下に
  木)5 91
  ターボプロップエンジン(2)渦しょう(將の下に
  木)6 92
  ターボプロップエンジン(3)渦しょう(將の下に
  木)9 93
  ターボシャフトエンジン(1)渦軸5 94
  ターボシャフトエンジン(2)渦軸6 94
  ターボシャフトエンジン(3)渦軸8 95
  渦扇10甲ターボファンエンジンに見る技術レベル 96
  中国の技術獲得とアメリカの懸念 99

第7章 中国航空産業の歴史 103
 核・ミサイル開発との対比 103
「四つの近代化」以前 107
「改革・開放」以降 110
  21世紀の近代化計画 114

第8章 ジェットエンジン研究体制の拡充 116
  研究開発の概要 116
  近代化のための研究開発体制と製造設備の状況 118
  ジェットエンジンに関係する主要な研究機関 122
  ジェットエンジンの開発体制 125
  ジェットエンジン開発体制の再編 126

第9章 ジェットエンジンの技術レベルと今後の展望 129
 ジェットエンジンの技術レベル 129
「中国製造2025」に見る航空エンジンの位置付け 134
「中国製造2025」に対する米国の反応 136
  技術導入(1)ヨーロッパ 138
  技術導入(2)ウクライナとロシア 140
  技術導入(3)イスラエルほか 142
  技術導入(4)軍民転換 143
  リバース・エンジニアリングとアメリカの禁輸
  措置の影響 147
  リバース・エンジニアリングの“ハードル”148
  総括──中国の前に立ちはだかる“壁”151

参考文献 154
おわりに 157

--------------------------------


個人的に思ったのは、本著レベルまでテーマを絞っ
た、同じくらいのサイズのコンパクトな啓蒙書を、
シリーズもので刊行してほしいなあ、ということ。

「中国のエンジン開発史」「ソ連の軍艦開発史」
「朝鮮のミサイル開発史」「インドの核武装史」
「昭和20年代の中国インテリジェンス」「ロシア
の軍用車輛開発史」などなど

イメージとしては、オスプレイ社のシリーズもの。
わが周辺に限った細切れのテーマごとに、本書レベ
ルの薄くて小さな本をたくさん出してほしいです。
それほど本書のサイズに惚れています。


本書は、
エンジニアや専門家、研究者はもちろん、航空ファ
ンやインテリジェンスファンにも必携のインテリジ
ェンスブックといえます。

とくに、1956年にはじめてジェットエンジンを
国内で組み立てて以降、約60年にわたる中共の航
空エンジン開発の歴史を振り返った内容は、他に類
書がありません。

わが安保国防にとってきわめて大きな価値を持つも
のと感じます。

心からおススメします。


『中国の航空エンジン開発史 中国は戦闘機用エン
ジンを国内開発できるか?』
榊純一 著
四六判160ページ 
定価1800円+税
発行日 :2022.04
本体価格 ¥1800
発行:並木書房
https://amzn.to/3uRcnTm


エンリケ



追伸

航空宇宙における中国の発展は目覚ましいといって
いいでしょう。

宇宙関連では米ロに次いで有人宇宙船を打ち上げ、
航空関連でも第4、第5世代の新鋭戦闘機を多数
保有するアジア最大の空軍に成長しました。

しかし、機体もエンジンも大半はロシア製をコピー
あるいはライセンス生産したもの。国産開発した民
間旅客機のエンジンも欧米製で、中国にとって航空
エンジンの開発は唯一の弱点といえます。

国内で初めてエンジンを組み立てた1956年以降
、現在に至るまで、公開資料をもとに約60年に及ぶ
ジェットエンジン開発の歴史を明らかにした本であ
る本著。心からおススメします。


おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.4.28


『朝鮮戦争休戦交渉の実像と虚像』
本多巍耀 著
出版年月日 2022/02/10
判型・ページ数 A5・230ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3KdUCE2

おはようございます。エンリケです。


朝鮮戦争休戦交渉で、
誰がどのような発言をしたのか?

休戦交渉に立ち会ったバッチャー国連軍顧問の証言
とアメリカの外交文書を克明に分析したこの本は、
北鮮軍の南日中将と李相朝少将、韓国政府の李承晩
大統領と卞栄泰外交部長という4人に焦点を当て、
《罵詈雑言》《論点ずらし》《嘘言》《歪曲》とい
う交渉技術を駆使して超大国アメリカを手玉にとっ
ていく彼らの姿を再現しています。


『朝鮮戦争休戦交渉の実像と虚像』
本多巍耀 著
出版年月日 2022/02/10
判型・ページ数 A5・230ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3KdUCE2


現在でも多くの日本人には理解できない
「韓国・北朝鮮の振る舞い」。

その原点が何なのか?
この本を読むとその糸口がつかめるかもしれません。


この本は、
1953年7月の朝鮮戦争休戦協定調印に至るまでの想像
を絶する“駆け引き”を再現したドキュメントです。

アメリカはこの過程で北朝鮮と韓国に翻弄されまし
た。

朝鮮戦争休戦交渉の実像と虚像を明らかにした本著
は、支那・朝鮮と対峙するにあたっての課題を克服
する基本書として使える珍しい書です。


朝鮮というエリアが持つ「特有の異様な精神構造」
が、共産主義などの「イズム」にうまく隠されてい
る。

それが、かの国との交渉ごとにきわめて重大な錯誤
を招いている。これが彼等との交渉ごとに対処する
うえで非常に大きな落とし穴になっている。

ここを見落としているから、
諸国は彼らの意のままに落とし穴に落とされ、
思うがままに操られる。

中共、北鮮の核武装しかり、中共の尖閣侵攻しかり、
韓国、中共、北鮮による歴史認識問題しかり。

彼らの特異性をしっかり認識して対処しなければ、
彼らの意のままに操られ、国益を損なうという間抜
けな羽目に陥ります。

長い歴史の過程で彼らに沁みついた
「世界の他エリアでは見られない異様な精神構造、
発想」をこそ我々は知らなければならない。

彼等との共通点でなく違いをこそ、骨髄に徹するま
でわきまえなければいけない。
すべての発想はそこからスタートさせなければなら
ない。

そういう新たな知的姿勢を持たない限り、
わが国は常時守勢に立たされる間抜けな羽目に陥る
のではないでしょうか?

彼等に公という感覚はありません。
彼等に倫理という感覚はありません。
彼等に信頼という感覚はありません。

恥知らずという感覚もなければ
ウソつき呼ばわりされても痛痒を覚えません。

利益さえ得られたら、過程は何でもあり。
捏造する、ウソをつく、裏切る、だます、恫喝する、
脅迫する、、、

人の悪徳と言われることをすべて使ってでも
自分の利益を確保しようとする。

それが彼らの核にあるものです。

普通の倫理と人としての常識を持つ人間が、
その感覚をもって対処する相手ではないようです。

彼らと何か交渉するには、
戦後日本で常識とされている感覚では
やればやるだけわが国益を損なう羽目になるといっ
て過言ではないでしょう。

彼らと交渉ごとに入るときは、
彼らのペースに流されないよう、
必要な知的武装を整えておくことが不可欠ではない
でしょうか?

そのための貴重な資料がこの本です。


『朝鮮戦争休戦交渉の実像と虚像』
本多巍耀 著
出版年月日 2022/02/10
判型・ページ数 A5・230ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3KdUCE2


それではこの珍しいインテリジェンスブックの内容
を見ていきましょう。

------------------------------

◆目次

第一章 ソ連大使マリクの休戦提案
 1 休戦交渉・前哨戦
(1)マッチポンプ/(2)ミグ戦闘機と李承晩か
らの衝撃/(3)会議場は開城
 2 中朝共産側交渉術の正体
(1)会話、成り立たず/(2)三本の線/(3)
パンチボール山岳戦
 3 板門店
(1)軍事境界線をめぐる攻防/(2)休戦監視体
制をめぐる攻防

第二章 長期化した休戦交渉
 1 捕虜をめぐる攻防
(1)任意送還か否か/(2)無視されたトルーマ
ン声明
 2 巨済島事件
(1)新任国連軍司令官クラーク/(2)ジョイ提
督、退任

第三章 変化した潮目
 1 トルーマンからアイゼンハワーへ
(1)国務長官ダレスの勧告/(2)李承晩の東京
訪問
 2 瀬戸際外交
(1)李承晩は理解不能/(2)裏切りという名の
大博打
 3 休戦協定成立
(1)ねじ伏せられた北進/(2)消え去った政治
会議

《参考資料》
休戦協定(全文)
付属協定書(1)/中立国捕虜送還委員会に関する
付託条項
付属協定書(2)/休戦協定補足のための暫定合意
米韓相互防衛条約(全文)
関連年譜

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内容説明

------------------------------


いかがでしょうか?

朝鮮戦争休戦に関する資料集という一面もありますから、
事実収集している方にとっても有益な内容でしょう。


『朝鮮戦争休戦交渉の実像と虚像』
本多巍耀 著
出版年月日 2022/02/10
判型・ページ数 A5・230ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3KdUCE2

ちなみに著者の本多さんはユニークな経歴をお持ち
です。

本多巍耀(ほんだ・たかあき)
1945年神奈川県横浜市鶴見区生まれ。
横浜市立豊岡小学校卒業、東京都品川区立伊藤中学
校卒業、鎌倉学園高校卒業、東京理科大学理学部卒
業。富士通株式会社入社(流通業関連営業部門配属)、
2005年定年退職。
現在は戦略研究学会会員、日本尊厳死協会終身会員。

著書に『皇帝たちの夏/ドイツ軍戦争計画の破綻』
『大統領と共に/動物の謝肉祭イン・ホワイトハウ
ス』『消えた帝国/大統領ウィルソンの挫折』
『原爆投下への道程/認知症とルーズベルト大統領』
『原爆を落とした男たち/マッド・サイエンティス
トとルーズベルト大統領』『スターリンの原爆開発
と戦後世界』がある。 


見識さえあれば、公開資料を基にここまで価値ある
インテリジェンスブックを創れるんですね!
その意味で、読み手に勇気と知恵を与えてくれる本
でした。

いい機会ですから、
このGWに一読するのはいかがでしょうか?

『朝鮮戦争休戦交渉の実像と虚像』
本多巍耀 著
出版年月日 2022/02/10
判型・ページ数 A5・230ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3KdUCE2


エンリケ


追伸

戦争終結に関する交渉ごとの内幕を明らかにした本
って、非常に珍しいですよね。
史料としても価値ありますね。

個人的には、支那や朝鮮をこういう立ち位置にした
張本人はどの国なんだろうか?
という点にも興味あります。

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.4.29


『ブランデンブルク隊員の手記─出征・戦争・捕虜
生活─』
ヒンリヒ=ボーイ・クリスティアンゼン著/大木毅
監訳/並木均訳
四六判244ページ(上製)定価2400円+税
発行日 :2022.3
定価 ¥2400+税
発行:並木書房
https://amzn.to/3NQ1Xwa

おはようございます。エンリケです。

WW2時のドイツ軍には「ブランデンブルク」とい
う名の特殊部隊がありました。

具体的に何をしていたか?
についてこれまでほとんど知られてません。

ちなみに特殊部隊とは、戦略拠点の確保、破壊、要
人暗殺や拉致、、、といった戦略レベルの特殊任務
を遂行する部隊のことで、いわゆる「精鋭部隊」と
は違う次元の言葉です。

この本は、「ブランデンブルク」元隊員の手になる、
当事者の目から見た活き活きした独ソ戦回想録です。
戦時中の日記などを基に活写されています

WW2に参加した人たちの高齢化が進み、
おそらくいまが、当事者から話を聞き取りうる最後
の機会でしょう。

監訳者の大木毅さんもおっしゃる通り、その意味で
本著は歴史的に見て貴重な史料であり、読む価値の
ある戦史記録と感じます。

個人的に興味深かったのは、本著の後半部を構成する
「ソ連強制収容所の話」です。
収容前後の様子が詳細に記されています。

著者は収容後しばらくして脱走を試みて失敗したの
ですが。強制という割には想像以上にザルで、抜け
たところ多いロシア人たちの姿に、なんとなく笑み
が浮かびました。

大東亜戦争後、南方等の強制収容所で、陰湿で残虐
な扱いを受け、非業の死を遂げたまま歴史から抹殺
された、多くの名もなきわが先人たちを思うと複雑
な思いがします。


『ブランデンブルク隊員の手記─出征・戦争・捕虜
生活─』
ヒンリヒ=ボーイ・クリスティアンゼン著/大木毅
監訳/並木均訳
四六判244ページ(上製)定価2400円+税
発行日 :2022.3
定価 ¥2400+税
発行:並木書房
https://amzn.to/3NQ1Xwa


注目点は、

・ブランデンブルク部隊の特性がわかる
・独ソ戦での対パルチザン活動の実像
・不快極まる湿地帯での作戦行動

・イタリア山岳地帯での活動
・ブランデンブルク隊員であったことから
「戦犯」として一〇年の長きにわたってソ連に抑
留された記録。

・ソ連の労働収容所や刑務所での過酷な体験
・父親との再会と別れ
・収容所からの脱走の試み

などなど、当事者の得難い証言をまとめており、
きわめて貴重な史料といって差し支えないところです。



著者、監訳者、訳者は以下の通りです。


◆著者 

Hinrich-Boy Christiansen
(ヒンリヒ=ボーイ・クリスティアンゼン)
1924年ドイツ/キール生まれ。1942年に「ブランデ
ンブルク」特殊部隊に入隊、ソ連およびイタリアに
て特殊作戦に従事。敗戦後は捕虜および「戦犯」と
してソ連に抑留され、その間に脱走を試みるも、19
55年まで労働収容所や刑務所で服役。
帰国後は大学教育を経て国家公務員として西ドイツ
政府に奉職。1992年および1998年にロシア連邦政府
により名誉を回復。2014年リューベックにて没。


◆監訳者

大木 毅(おおき・たけし)
現代史家。1961年東京生まれ。立教大学大学院博士
後期課程単位取得退学。DAAD(ドイツ学術交流会)
奨学生としてボン大学に留学。千葉大学その他の非
常勤講師、防衛省防衛研究所講師、国立昭和館運営
専門委員等を経て、著述業。『独ソ戦』(岩波新書)
で新書大賞2020大賞を受賞。主な著書に『「砂漠の
狐」ロンメル』『戦車将軍グデーリアン』『「太平
洋の巨鷲」山本五十六』『日独伊三国同盟』(以上、
角川新書)、『ドイツ軍事史』(作品社)、訳書に
『戦車に注目せよ』『「砂漠の狐」回想録』『マン
シュタイン元帥自伝』『ドイツ国防軍冬季戦必携教
本』(以上、作品社)など多数。


◆訳者

並木 均(なみき・ひとし)
1963年新潟県生まれ。中央大学法学部卒。訳書
に『大西洋の脅威U99』『Uボート、西へ!』
(以上、潮書房光人新社)、『Uボート戦士列伝』
(早川書房)、『Uボート部隊の全貌』(学研パブ
リッシング)、『戦略インテリジェンス論』(共訳・
原書房)、『情報と戦争』『ナチスが恐れた義足の
女スパイ』(以上、中央公論新社)、『始まりと終
わり』『急降下爆撃』(以上、ホビージャパン)な
ど多数。



ここで、
監訳者・大木毅さんの言葉をご紹介します。

なぜか?

追記の一文をぜひ読んでほしかったからです。

----------------------------------------------

〈監訳者のことば〉
  大戦を生き抜いた若者の記録(大木 毅)

 戦略的に重要な地点や施設を急襲、あるいは敵の
重要人物の拉致や暗殺をはかるといった、コマンド
やレンジャーによる特殊作戦は、戦後ながらく、米
英を中心とする西側連合軍の専売特許のように思わ
れてきた。それは日本のみならず、欧米においても
同様であって、そうした特殊部隊のイメージは、ノ
ンフィクションや映画、小説によって、広く流布さ
れたのである。
  しかしながら、少数精鋭の将兵により、敵の急
所に痛打を与え、作戦的・戦略的な効果を上げるこ
とを目的とする特殊部隊は、ドイツ側にも存在して
いた。

  ブランデンブルク部隊だ。

  この部隊の起源や編制については、本書の付録
5ならびに6に詳しく記されているので、ここでは
屋上屋を架すことを避けて、同部隊の歴史のあらま
しだけを述べることにしよう。ブランデンブルク部
隊は、一九三九年九月の対ポーランド戦を見据えて、
国防軍最高司令部外国・防諜局によって創設された。
「ブランデンブルク(Brandenburg)」の秘匿名称
は、基幹要員がブランデンブルク/ハーフェル
(ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル。
ハーフェル河畔のブランデンブルクの意)市に集め
られたことに由来するといわれる。

  私服、さらには対手の軍服を着用、主力に先ん
じて敵地深く潜行し、橋梁やトンネルなど、作戦・
戦術上の要点を押さえるという戦法がポーランド侵
攻で功を奏したことから、ブランデンブルク部隊は、
大隊規模から連隊に拡大され、一九四二年末から
四三年初頭になると、師団規模の兵力を擁するまで
になった。

  けれども、戦勢がドイツにとって不利な方向に
傾き、特殊作戦の余地が少なくなるにつれ、ブラン
デンブルク部隊も通常戦闘を行なう野戦師団となり、
一九四四年には装甲擲弾兵師団に改編された。た
だし、特殊作戦要員およそ八〇〇ないし一〇〇〇名
が、オットー・スコルツェニー親衛隊中佐が統轄す
る「SS遊撃隊(ヤークトフェアベンデ)」(SS
-Jagdverbande)に転属している。また、特殊作戦
の教育訓練要員は「選帝侯(クーアフュルスト)」
連隊にまとめられ、こちらは敗戦まで存続した。

  このような変遷をたどってきたブランデンブル
ク部隊が、いかなる作戦を実施したかについては、
特殊部隊という性格からか、必ずしもあきらかにさ
れてはこなかったが、最初はドイツ、ついで冷戦期
の西側諸国において研究が進んだ。以後、「ドイツ
版コマンド部隊」への冒険小説的興味も手伝って、
ブランデンブルク部隊の歴史や戦例は急速に解明さ
れるに至った。あいにく、そうした文献の多くは日
本には紹介されていなかったが、最近ニュージーラ
ンドのノンフィクション作家によるものが翻訳出版
され、貴重な一書となっている。

(中略)

  ここに訳出された『ブランデンブルク隊員の手
記──出征・戦争・捕虜生活』は、ブランデンブル
ク隊員として、その「前線捜索」をたびたび経験し
たばかりか、敗戦後にはソ連に抑留され、虜囚の辛
酸をなめた著者の回想記である。

  著者ヒンリヒ=ボーイ・クリスティアンゼンの
生い立ちや経歴については、本書の記述を参照して
いただきたいが、実際にブランデンブルク部隊の特
殊作戦を体験した人物による手記であり、貴重な史
料となっていることは敢えて強調するまでもなかろ
う。加えて、ソ連の収容所や監獄、脱走の試みなど
の描写は、やはり得がたい証言と評価できる。

  さりながら、著者クリスティアンゼンには、自
身の数奇な前半生を世間に公開する気はなく、当初
は家族のために伝え残すという目的で、この手記を
したためたという。それが、軍事史研究に携わり、
多くの元国防軍将兵の手記や回想録を刊行していた
編者ルドルフ・キンツィンガー(元連邦国防軍〔ブ
ンデスヴェーア〕将校で、本職は技師である)の眼
にとまり、オンデマンドの限られたかたちながら、
出版されることになったのである。

  ところが、そうした、いわばマイナーな形態で
公表されたにもかかわらず、二〇一〇年に上梓され
るや、本書は大きな評判となり、軍人や戦史の専門
家のみならず、一般読者にまで注目された。たとえ
ば、ドイツ・アマゾンで本書のページをみると、実
に四一もの評価がついており、そのほとんどが五つ
星を与えている(二〇二一年一二月一九日閲覧)。

  監訳者も数年前に本書の原書を一読、深い感銘
を受けた。単にブランデンブルク隊員による手記で
あるというだけでなく、ナチズムと戦争の時代を生
きた「普通の」若者の率直な心の動きが活写されて
いると思われたからである。

  昨今の歴史研究では、日記や手紙、手記といっ
た「エゴ・ドキュメント」を活用した分析が脚光を
浴びている。その意味では、本書も重要な「エゴ・
ドキュメント」とみなすことができよう。

  以後、本書を出版できないかと考えていたが、
すでに多数の「筆債」を抱えた身であり、自分で訳
すことは難しい。そこに、並木均氏という訳者を得、
また並木書房編集部の賛同を得て、ようやく刊行に
こぎつけた。

  もしも、本書に接した読者が、監訳者同様の感
銘を覚え、戦争と人間を考える一助としてくださる
のであれば、これ以上の歓びはない。

 追記。二〇二二年二月二四日、ロシアがウクライ
ナに侵攻し、本書の舞台となったキエフ(キーウ)
北方の地は再び戦場と化した。不幸なことではある
が、本書におけるプリピャチ湿地の戦闘やウクライ
ナ人のロシア人に対する感情などの描写はアクチュ
アルな意味を持つことになってしまった。

  本書が一日も早く「歴史書」に戻ることを祈り
つつ、後世のために、この邦訳が刊行された時期の
状況を付記しておく。

-------------------------------------

いかがでしょうか?


それではこの歴史的史料の内容を見ていきましょう。

----------------------------

◆目次

〈監訳者のことば〉
大戦を生き抜いた若者の記録(大木 毅)1

はじめに 9
1 運命の決断 11
2 対パルチザン作戦 20
3 ヴィテプスクをめぐる戦い 34
4 泥濘の主陣地の中で 58
5 湿地帯からイタリアへ 82
6 将校選抜課程 92
7 ヴィシャウでの士官教育 96
8 少尉として部隊に復帰 101
9 降伏の混乱 104
10 ソ連の捕虜に 108
11 ソ連の収容所 113
12 矯正労働二五年の有罪判決 131
13 脱走の準備 147
14 脱 走 153
15 再逮捕 161
16 二度目の有罪判決 172
17 ノヴォ=チェルカスクの刑務所へ 187
18 帰 郷 204
編集者による結び 213
付録1 参考・推奨文献 215
付録2 著者履歴 216
付録3 本書に登場する場所について(時系列順)
218
付録4 第90歩兵補充大隊(自動車化)228
付録5 特殊部隊「ブランデンブルク」(1939
年から)「ブランデンブルク」師団(1943年4
月1日から)230
付録6 特殊部隊「ブランデンブルク」装甲擲弾兵
師団 234
付録7 「シル」部隊(遊撃隊)237
訳者あとがき(並木 均)240

----------------------------------

軍事ファンや戦史ファンのあなたなら、
決して外せない一冊だということは、
ここまでご覧になればおわかりと思います。

このGWのお供にぜひおススメしたい一冊です。


『ブランデンブルク隊員の手記─出征・戦争・捕虜
生活─』
ヒンリヒ=ボーイ・クリスティアンゼン著/大木毅
監訳/並木均訳
四六判244ページ(上製)定価2400円+税
発行日 :2022.3
定価 ¥2400+税
発行:並木書房
https://amzn.to/3NQ1Xwa


エンリケ


追伸

さいごに、並木均さんの手になる「訳者あとがき」を
どうぞ。

-----------------------------------------------

 第二次世界大戦中のドイツ軍人による手記は、本
邦においてもこれまで多数が翻訳出版されてきたが
、本書は具体的な活動がほとんど知られることのな
かった特殊部隊「ブランデンブルク」の元隊員によ
る回想録であり、その意味においても極めて稀有な
ものである。

  本書の構成は二つに大別される。前半はブラン
デンブルク隊員としての記述であり、同部隊の特性
やソ連における対パルチザン活動、不快極まる湿地
帯での作戦行動、イタリア山岳地帯での活動などが
本人の戦時中の日記などを基に活写されている。
  一方、後半においては、ブランデンブルク隊員

であったことから「戦犯」として一〇年の長きにわ
たってソ連各地の労働収容所や刑務所に収監された
体験が記されている。その中には、収容所からの脱
走の試みや「エース」戦闘機パイロットのエーリヒ・
ハルトマンとの交流、収容所で出会った日本人捕虜
についての描写などもあり、実に興味深い。

  戦後もすでに七六年が経過し、当時の兵士たち
の最後の生存者も次々と鬼籍に入る現状からすれば、
彼らの肉声を聞ける機会は今が最後となろうし、本
書がそうした当事者の証言をまとめた貴重な一冊で
あることに間違いはなかろう。

  ちなみに、著者ヒンリヒ=ボーイ・クリスティ
アンゼンは無名の人物だが、晩年にインタビューを
受けた折の映像がYouTubeで視聴可能なので

、ご興味のある方はご覧いただきたい(Hinri
ch-Boy Christiansenで検索のこと)。(以下略)
---------------------------------------------

おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2022.4.28


『元狙撃教官が語る 狙撃の道』
松岡勝樹(元狙撃教官)+二見龍(40普連元連隊長)
四六判260ページ 定価1600円+税
発行:並木書房
発行日:2022/5/20
https://amzn.to/3938MKH


おはようございます、エンリケです。


狙撃とは何か?


あなたはこの問いに答えられますか?

もし口ごもったとしたら、ぜひこの本を読んでくだ
さい。


二見龍さんと松岡さんの対談本である本著は、
「事実上、本邦初の一般向け狙撃紹介本」かもしれ
ません。

どこを切っても
「充実した記述がぎっしり詰まった」
素晴らしい内容です。

読んで興奮します。
じつに面白いです。


まず、著者のお二人を紹介しましょう。

二見 龍(ふたみ・りゅう)
1957年東京都生まれ。1981年防衛大学校卒
業(25期)、陸上自衛隊入隊。第8師団司令部第
3部長、第40普通科連隊長、中央即応集団司令部
幕僚長、東部方面混成団長などを歴任。2013年
退官(陸将補)。現在、株式会社カナデン勤務。ま
た防災士として自治体、一般企業などで危機管理の
アドバイザーを務める。著書に『自衛隊最強の部隊
へ』シリーズ(誠文堂新光社)、『自衛隊は市街戦
を戦えるか』(新潮社)、『弾丸が変える現代の戦
い方−進化する世界の歩兵装備と自衛隊個人装備の
現在』(誠文堂新光社)、『特殊部隊vs.精鋭部
隊−最強を目指せ』(並木書房)、『自衛隊式セル
フコントロール−絶体絶命の場面でも「最善手」を
打てる極意』(講談社)など。毎月Kindle版
(電子書籍)を発刊中。戦闘における強さの追求、
生き残り、任務達成の方法などをライフワークとし
て執筆中。
Blog:http://futamiryu.com/
Twitter:@futamihiro
YouTube:二見龍YouTube

松岡勝樹(まつおか・まさき)
1966年三重県生まれ。1984年陸上自衛隊入
隊。第35普通科連隊に勤務しながら、名城大学理
工学部二部に通学(1987年中退)。1988年
3等陸曹、富士学校普通科部火器班・軽火器助教。
中央即応連隊、普通科教導連隊、富士学校普通科部
訓練班などに勤務。約15年にわたり狙撃の教育・
訓練を担任。2021年退官(3等陸尉)。現在、
商社勤務。栃木県在住。


本著は二見さんと松岡さんの対談と「解説」9本か
らなっています。

3年で世界に通用する狙撃手を育成しろ−−。
全くの手探り状態から狙撃課程を立ち上げ、陸上自
衛隊の?狙撃の道?を切り開いた初代狙撃教官・松
岡勝樹元3尉。

荒谷さんとの対談本「特殊部隊と精鋭部隊」に登場
した、部隊精鋭化のエキスパートとして知られる二
見龍元連隊長。とくに、40普通科連隊長の時に積
極的にCQBを訓練に取り入れ部隊の精鋭化に務めた
ことは有名です。



この本は、
当事者の口から「狙撃とは何か?」が語られている、
じつに貴重な本です。

最大の特徴は、

狙撃とは何か?

という大きな問いへの答えが得られることです。

あなたがいまお持ちの「狙撃」と実際の「狙撃」との
間にはおそらく相当な乖離があります。

たとえば
<SWATの突入チームはどちらかというと狩猟民族的
な特性が発揮され、スナイパーは農耕民族的な特性
が発揮される要素が強いと感じます。>(P122)
という言葉がでてきます。

いかがでしょう?

わたしの場合、このことばをはじめ、
頭の中の狙撃と実際の狙撃との間に、
シャレにならないくらい距離があることが
本書を読んでわかりました。

この本を通じて、まっさらな土壌に軍事を流し込む
喜びを久方ぶりに味わえたのです、、、


「スナイパー(狙撃手)に求められる資質は?」
との問いへのお二人の答えにも、ほとんどの人はビ
ックリすると思います。

逆に言えば、いかに私たちが荒唐無稽なフィクショ
ンばなしに毒されているか?がよくわかる機会にな
ると思いますね。


陸自の狙撃課程はどういう経緯で始まったのか?
がよくわかる点も見落とせません。

陸自の初代狙撃教官である松岡さんが、全くの手探
り状態から陸自狙撃を創り上げていった歴史は、実
に興味深いものです。

02年に陸自がM24対人狙撃銃を導入した時点で、銃
の手入れや射撃方法を知る人が誰もいなかった、と
いうことばも実に意外でした、、、


●実際のスナイパーの行動は狙撃というより●●●●
です。

●劇画では狙撃でターゲットを倒したところで終わ
りですが、実戦では射撃した時点でスナイパーの存
在が露見するため、敵に追撃されながら離脱する必
要があります。狙撃よりこちらのほうが困難な行動
といえるでしょう

● スナイパーに求められるのは射撃の技術だけでは
ありません。何だと思いますか?

●狙撃チームの任務と役割、情報収集と火力誘導、
狙撃手の資質と適性、理想のスナイパー銃と弾薬な
どなど々、ウクライナ戦争でもその有効性が実証さ
れている現代スナイパーの実像が理解できます


『元狙撃教官が語る 狙撃の道』
松岡勝樹(元狙撃教官)+二見龍(40普連元連隊長)
四六判260ページ 定価1600円+税
発行:並木書房
発行日:2022/5/20
https://amzn.to/3938MKH



それではこの「狙撃が理解できる本」の中身を見て
いきましょう。

--------------------------------------


◆目 次

 はじめに(二見 龍)1

第1章「狙撃・スナイパー」との出会い 13

「誰が狙撃銃の教育を担当するのか?」13
  FBIスナイパーアカデミーの射撃術を学ぶ 18
  偶然の出会いから道が開ける 26
「対人狙撃銃集合教育」の開始 28
  中央即応連隊への異動 32
  米海兵隊「アーバン・スナイパーコース」へ 35
  中央即応連隊で狙撃教育を開始する 40
「狙撃課程」創設、再び富士学校へ 45

第2章 狙撃手になるには? 58

 狙撃教育の内容と狙撃手候補者の資格 58
  スナイパーの資質と適性 63
  海上自衛隊哨戒機クルーのチームワークに学ぶ 66
  視力とメガネの着用 70
  チャレンジする者を正しく評価する 75

第3章 スナイパーの任務と行動 91

 スナイパーの主任務は「情報収集」91
  敵に発見されたら離脱を優先する 93
  狙撃以上に有効な火力誘導 96
  観測手(スポッター)の役割 98

第4章 スナイパーの能力を高める 109

 スナイパーとスカウトの共通点 109
  アメリカ先住民の髪が長い理由 111
  スナイパーのサバイバル技術 114
  ストーキング技術 116
  狙撃と日本人の潜在的特性 119
  対スナイパーの行動 122
  生き残る訓練 124

第5章 スナイパーの育成 135

 島嶼戦で日本兵はスナイパーとして戦った 135
  狙撃手の養成 138
  失敗した者を褒める 142
  教育訓練のレベルは落とせない 145
  効果的な教育・訓練を実現するには 149

第6章 スナイパーライフルと装備品・装具 162

 スナイパーの装備 162
  装備品の品質 166
  狙撃銃とサプレッサーはセットで配備する 170
  耳栓は高性能なものを 174

第7章 実戦で本当に使える銃とは 188

 銃のメンテナンスもできていなかった自衛隊 188
  イラク派遣で増えた実弾射撃訓練 191
  海水に浸かっても確実に作動する銃 194

第8章 スナイパーの運用が作戦の可能性を広げる 213

 スナイパーの役割を積極的に伝えていく 213
  重要施設警備・防護にも適しているスナイパー
の能力 215
「この兵士ならいっしょに戦える」218

第9章 さらなる?狙撃の道?を究める 230

 退職後も特技を活かせる制度づくり 230
  組織を改革する「1パーセント、5パーセント
理論」235
  実戦で戦い抜く力をつける 238
  日本船舶にスナイパーチームを 241

[解説1]情報活動とスナイパー 52
スナイパーの任務/情報小隊とスナイパーの連携/
斥候やスナイパーに求められる能力

[解説2]スナイパーの適性とマインド 79
兵士の「道徳心」/スナイパー特有の心理状態/任
務への集中と心の安定/任務必達の
マインド/射撃技能と「射撃のセンス」

[解説3]情報活動とスナイパー 103
情報活動のプロセス/スナイパーの情報活動

[解説4]スナイパーの実戦 126
狙撃のテクニック/観測手の役割と任務/市街地と
フィールドにおける戦闘のちがい/
スナイパーチームの運用
[解説5]スナイパー教育 153
教育・訓練レベルの向上/米軍の狙撃課程(松岡勝
樹)/より専門性の高い知識と技能
(松岡勝樹)/IR、サーマルの活用とその対策

[解説6]スナイパーライフル 177
狙撃銃と狙撃手の出現/陸上自衛隊の狙撃銃/スナ
イパーとマークスマン/射程距離延
長の趨勢

[解説7]スナイパーライフルに求める性能 196
理想的なスナイパーライフルとは?/米軍はなぜボ
ルトアクションの狙撃銃を採用するのか?(松岡勝
樹)/スナイパーライフルに適した弾薬/M118
LR弾薬について(松岡勝樹)/サプレッサーとス
コープ/「故障排除」への対応は十分か

[解説8]陸上自衛隊が強化すべき訓練 222
本物の訓練を追求するには/戦術教育への理解と普
及/幹部と陸曹の意識統一

[解説9]戦力強化のための施策 245
これからの戦争へ対応できる実力の創出/再任用自
衛官の活用

 おわりに 252


---------------------------------------

いかがでしょうか?

現在進行形のウクライナ戦争でもわかるとおり、市
街戦における狙撃部隊は有力な戦力です。

今後自衛隊は、対人に続き、対物狙撃銃を導入して
ゆくことでしょう。

軍事や戦争については

「正確で的を射た戦術知識」

を持たないと正確な理解、洞察につなげられない

とききます。

かの天才・三島由紀夫さんも同じような話をしてい
た記憶があります。

狙撃のような「戦術」への深い理解を通じて
あなたの軍事・戦争ひいては国防安保理解が、
いまより深まることは間違いありません。

現役・退役陸軍軍人、関係者、軍事ファン、兵器ファ
ン、地上軍ファンはもちろん、ご自身の「軍事の幹」
をもっと太くしたいと思う方すべてに最適のガイド
ブックです。

超おススメです!
ぜひお読みください!!


きょうご紹介した本は


『元狙撃教官が語る 狙撃の道』
松岡勝樹(元狙撃教官)+二見龍(40普連元連隊長)
四六判260ページ 定価1600円+税
発行:並木書房
発行日:2022/5/20
https://amzn.to/3938MKH


でした。


エンリケ


追伸

「はじめに」の一部をご紹介しておきます。

----------------------------------
はじめに(二見 龍)

 射撃に人並み外れた熱意を注いだ陸上自衛隊の元
狙撃教官、松岡勝樹氏は、私が第40普通科連隊長
として在職中(2003〜2006年)、連隊が小
倉駐屯地(曽根訓練場)で実施していた市街地戦闘
訓練などの研修に積極的に参加していました。

  松岡氏に最初に会って感じたのは、火の玉のよ
うな情熱を持ち、目的を達成するまで突き進むタイ
プであるということでした。

  松岡氏と交わした会話の多くは射撃に関するこ
とばかりでした。小銃の弾道特性について熱く語る
彼の姿を見ていると、間違いなく陸上自衛隊で重要
な役割を果たす人物だと感じました。彼は射撃技術
の向上に関することであれば、どこへでも足を運び、
どん欲に知識を吸収しようとする高い志を持って
います。そして、会うたびに成長している頼もしい
男でした。

  その抜群の行動力と周囲の人間を感化する松岡
氏は、指導者としての適性も備えていました。

  問題は自衛隊にこのような人材を受け入れる懐
の深さがあるかどうかでした。その影響力が大きい
ぶん、わずかなボタンのかけ違いで「組織に合わな
い人物」と周囲から評価されるおそれもあったから
です。

  しかし、そのような心配は無用でした。チャレ
ンジ精神に溢れた松岡氏には、その転機に必ず運命
の女神が現れ、最高のチャンスを彼に与えるのです

。そこから新しい展開が始まり、確実に力をつけ、
彼の?狙撃の道?を切り開いていったのです。

(後略)

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『元狙撃教官が語る 狙撃の道』
松岡勝樹(元狙撃教官)+二見龍(40普連元連隊長)
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発行日:2022/5/20
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おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
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2022.5.13





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