c
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ 本館サイト・マップへ
◆◆◆◆◆T-72 & T-90
<◆◆◆◆戦車
<◆◆◆車輌
<◆◆装備
<◆地上兵力
<ロシアFAQ目次
T-72の車体を流用したTOS-1「Buratino(ブラチーノ)」というサーモバリック弾頭多連装ロケットランチャー
(Picture Prepositioning Ship : PPS@軍事板常見問題
mixi別館より)
CRS@空挺軍 in mixi◆(2009年12月10日)T-90アップグレード
УКБТМ порадовало новым
проектом башни Т-90С
На специальном полигоне
для высоких гостей организовали
демонстрацию новых образцов
вооружения
T-95の戦力化までの中継ぎとして,さらなる強化を図るようです
CRS@空挺軍 in mixi(2010年07月22日)◆Нижнетагильскую выставку
"Оборона и защита"
хотят улучшить мини-боем
ニジニ・タギル市で開催された兵器展示会の記事.
T-95は一般公開されていないようです.
同展示会では,T-90の発展型であるオブイェークト188Mが関係者のみ公開された模様.
「Gur Khan attacks!: 」◆(2012/12/04) Омская
модернизация Т-90 (фото)
オムスク戦車工場がT-90用に開発した砲塔後部バスル部分設けた設計案と試作モデルの画像
「You Tube」◆T-72 Autoloader At Work
T-72戦車の自動装填装置動画
「You Tube」◆t-72 t-90 autoloader in action
3D model
同じくT-72戦車の自動装填装置3D動画.
こちらの方が解りやすいかも.
「You Tube」◆T72 tank totalcar
T-72を運転しよう!
「You Tube」◆insinde turel t72
T-72の車内を映した動画
「You Tube」◆Inside a T-72 Turret
T-72に乗車し走行中
「VOR」◆(2012/03/26)インドの武器展示会で 新しいロシア戦車がお目見え
「VOR」◆(2012/03/30)近代化されたロシアの戦車T-90C インドで初公開
「週刊オブイェクト」◆(2010年04月24日)ブルラク砲塔とは別のT-90用新型砲塔?
「地政学を英国で学ぶ」◆(2010/07/01)空飛ぶ戦車:T-90
「ワレYouTube発見セリ」◆Руски тенк Т-90: Russian Main Battle Tank T-90
「ワレYouTube発見セリ」◆T-90 Vladimir ( Object 188 )
「ワレYouTube発見セリ」◆VTTV-Omsk 1999 (T-90戦車)
【質問】
T-72関係の書き込みでしばしば目にする,「オブイェークト」という単語には,どういう意味があるのでしょうか?
【回答】
ロシア語Объект(Obiect)の発音を日本語に直した物です.意味は「対象」で,英語で言うObjectになりますね.
ソ連−ロシアでは,新規開発された採用前の戦車を,オブイェークト+数字で呼んでおりました.
ちなみに軍事板では,T-72こそ史上最強戦車と考えるT-72教の信徒が,神を称える言葉として,この言葉を使用します.
事の始まりは湾岸戦争などの結果から,T-72は最新の西側戦車に対抗できない,使えないと言う揶揄に対し,根拠が無くても「T-72は最強」と返すのが流行りました.
そしてT-72最強論のスレッドが幾度か立ち,皆適当なネタで遊んでいたのですが,遂に3年1月に立ったスレッドで,T-72を神格化する書き込みがなされます.
------------
554 名前:名無し三等兵 :03/04/01 15:14 ID:???
そう.
T-72は既に出来たものでもあり,未だ出来ていない物でもある.
T-72こそアルファにしてオメガ.
T-72こそ全てにして無.
T-72こそ,唯一の我等が主なり.
オブイェークト(Tの字を切りながら)
------------
これが,T-72教の最初です.
オブイェークトの聖句に感化されたスレッド住人が,直後に創世記を作成,信者となった者達が,黙示録,審判,聖母の歌,樹形図等々を歴代のスレッドで作り上げ,ネタの研鑚を行い,現在に至ります.
軍事板,2004/11/27
青文字:加筆改修部分
まあ,冷戦時代後半のソ連戦車部隊(ソ連脅威論)の象徴のような戦車ですし,思い入れのある年長の軍オタも多い.
それに,異様に車高の低い,あのフォルムに機能美を感じてしまう人も少なくない.
で,湾岸戦争でのやられ役となり,判官びいきなどもあって,ネタとして昇華したわけです.
CRS in 軍事板常見問題 mixi別館
【神殿】
http://obiekt.hp.infoseek.co.jp/t72/index.html
T-72
faq25g18.jpg
faq25g72g.jpg
faq25g.png
【質問】
T-72神はいかにしてこの世に降臨したのか?
【回答】
意外と開発背景が面白い.
「ハリコフ戦車工場VSウラル戦車工場」という図式ね.
別項目にも書いたけど,両者ライバル心むき出し(笑)
●ハリコフ戦車工場
T-34・T-44・T-54/T-55の開発実績あり
A.A.モロゾフ主任技師は,国防省のGBTU(装甲車・戦車総局)に大きな影響力を有している,
次期MBTについてもT-64が優先的とされたが,肝心のT-64は走行装置やエンジンやトランスミッションが不具合続出.
メンテナンス性は最悪なので軍から大不評.
●ウラル戦車工場
カルツェフ技師が設計局を率いていた.
T-64の作業から除外され,密かにT-62の後継について独自の設計・開発を行っていた.
「どうやらチャンスが巡ってきたようです(笑)」
CRS@空挺軍 in mixi,2007年05月31日22:15
初めにオブイェークト167があった.
1961年から開発作業を行っていたT-62の発展型だった.
この試作戦車はT-62と同じ砲塔と,比較的大型の転輪各6コを使った新型サスペンション,700馬力の新型ディーゼルエンジンV-26を搭載する新型の車体とを組み合わせた車輌だった.
この車輌を元にして生まれたのがT-72である.
カルツェフはこのオブイェークト167にコルジナ自動装填装置を組み込んだが,どうも不具合が多すぎて,芳しくない評価だったらしい
そこでコヴァリョフ&ビストリツキー両設計局に,新型自動装填装置の製作を依頼した(結果的にコレが良かった)
1967年頃に新型125mm滑腔砲が完成したのでウラル設計局でも,新型125mm滑腔砲とコヴァリョフ&ビストリツキーの新型自動装填装置を組み合わせた,システムの開発作業が開始された.
1967年11月に輸送機械工業相であるS・ズヴェレフがウラル戦車工場を訪問.
そこで125mm滑腔砲と自動装填装置を組み合わせたシステムを見せられたS・ズヴェレフは,ハリコフT-64に対して喧嘩を売っているのかとカルツェフに問いただし非難した.
対してカルツェフは答えた.
「ハリコフT-64の自動装填装置はダメじゃないですか,
あれでは西側の新型戦車に勝てません,
私達のシステムをご覧ください.ハリコフ製よりスムーズに作動しますよ」
ズヴェレフ「・・・・・・・・・(確かにウラルの方がよく動いている)」
↑
反論できないのは当たり前だよな(笑)
結局ズヴェレフは折れ,この自動装填装置の試作システムをT-64に搭載する試作車輌を6輌製作する許可を与え,またこの車体に,チェリャビンスクのトラシューチン設計局が開発した新型エンジンを搭載する許可も与えたのであった.
流石のソ連でもT-64に対して危機感を持っていた証拠ですね.
CRS@空挺軍 in mixi,2007年05月31日22:51
中央のお墨付きを得たカルツェフはさっそく,1967年にオブイェークト172の作業を開始.
ここまでの作業は国防省GBTUは殆ど関与しておらず,T-64の改良という建前でひっそりと行っていた,
しかし,そんなことでは満足しないカルツェフは,オブイェークト172に独自の新型トランスミッションを取り付けようと考える.
この独断を察知したズヴェレフは,1986年1月にカルツェフをモスクワに呼び出し,またもや非難をしたが,カルツェフはT-64の走行装置の不具合を指摘し,
「改良しないと戦車は満足に戦えません」
とズヴェレフを説得した.
この説得に応じたズヴェレフは,カルツェフに2種類の試作車輌を製作してもいいという許可を与えた.
この2種類の試作車輌を簡単にまとめると
●オブイェークト172
T-64の車体をそのまま採用し,ウラル製の新型自動装填付き砲システムを採用したもの,
エンジンはT-64から流用.
●オブイェークト172-2
カルツェフの考えを具体化させたもの.
ウラル設計局で開発されたオブイェークト167
の走行装置を採用し,エンジンはウラル設計のファン冷却装置付属V-45.
もちろんウラル設計局が開発した新型自動装填付き砲システムを搭載.
ここまで来ると,オブイェークト172-2はウラル設計局オリジナル戦車と言っても過言ではない.
このウラル製新型試作戦車オブイェークト172-2は,工場の名前を取って「ウラル」というニックネームが与えられた,
これはハリコフに対する強烈なライバル心と,この車輌に対する大きな自信の表れであった.
こうしてハリコフ打倒に燃えたカルツェフであったが,皮肉なことに1967年頃,A.A.モロゾフがハリコフ設計局を引退し,後任を打診された.
しかしカルツェフはこれを辞退,アカデミーの後輩であるショーミンを推薦した.
1968年春にカルツェフはGBTU科学技術委員会(NTK)の議長に就任,ウラル設計局はベネディクトフが設計局長に就任した.
この一連の人事により,ソ連戦車工業へのカルツェフの影響力は増大し,T-72の開発を後押したことは想像に難くない.
T-72の主任設計者はベネディクトフがよく知られているが,基本を形作ったのはカルツェフだと言える.
さて,オブイェークト172-2「ウラル」のプロトタイプは1968年モスクワ南方に存在するクビンカ試験場でテスト開始.
1969年には砂漠地帯でのテストも開始された.
砂漠地帯でのテストはもちろん,ソ連領域内の砂漠地帯での作戦行動を想定したからでもあるが,同時に中東諸国への輸出も考えたためだった.
テストの結果は良好であったが,重量増加に伴うパワー不足が指摘され,新型エンジンV-46へ換装された,
この変更を受けて1969年11月に,V-46エンジン搭載型オブイェークト172-2Mが完成.
オブイェークト172-2Mは1970年2月にザバイカル地方で寒冷地テストを開始,
ちなみにエンジンV-46はT-34に採用されたV-2エンジンの技術発展型なので,信頼性もとても高かった.
一連の全てのテストが終了し,いずれも良好な成績を収めた本車輌は,1973年にソ連軍に正式採用され,74年からシリーズ生産が開始された.
T-72神はこうしてこの世に降り立ったのである.
Объект
T-72
faq25g72d.jpg
faq25g72e.jpg
faq25g72f.jpg
CRS@空挺軍 in mixi,2007年06月01日20:40
【質問】
T-72ってどれくらい強いんですか?
72年に正式化されたのですか?
【回答】
T-72は第2世代の戦車です.
日本の90式戦車やM1A1といった第3世代の戦車と比べると,劣っていると考えるのが自然でしょう.
実際に,T-72は湾岸戦争で,アメリカのM1A1に一方的にぼこぼこにされました.
ただし,イラクのT-72はモンキーモデルであった可能性も指摘されていますので,ロシアが保有しているT-72はもう少しまともかもしれません.
軍事板,2003/09/23
青文字:加筆改修部分
T-72は元々,革新的なT-64のバックアップとして開発された戦車です.
T-64が不調だったため,T-64のコンポーネンツを流用して実績のあるエンジン(V-45)を搭載した車輌が,Obiekt172と呼ばれる車輌で,1970年に開発されました.
翌年,サスペンション・転輪を一新し,改良型エンジンを搭載した車輌がObiekt172Mと呼ばれ,さらに試験を重ねた車輌が1972年に登場します.
これがT-72であり,73年に制式化されました.
生産は74年からはじまり,77年11月の革命記念日パレードで,ベールを脱ぐことになります.
(もっともその一月前に,フランスのブールジェ国防相に対して,親衛師団のT-72を披露しています)
ただ,他のTシリーズも,必ずしも開発年度が番号になっているわけではないので(T-54は1947年,T-62は57年),だいたいの年度くらいに思ったほうがいいかと.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2003/09/23
青文字:加筆改修部分
T-72に関しては,総合的な戦闘能力(暗視能力・データリンク等)で,西側の最新の戦車より劣っているのは間違い無いです.
ただし,一部改善はされており,運用によっては危険な敵です.
ロシア軍が保有しているT-72は,複合装甲を装備しているので,一線級で使用できると思います.
(輸出モデルは通常装甲のモンキーモデル)
なお,軍板では,T-72最強説を信仰しているネタスレがあり,そこではT-72は宇宙最強ということになっています.
軍板ではこのようなネタスレが複数あり,T-72とチハと60式とガチャピンが最強と答える人が何人かいます.
軍事板,2003/09/23
青文字:加筆改修部分
蛇足)
他の兵器同様,あるいはそれ以上に,戦車にはバージョン(あるいはアップデート)による性能の違いがあります.
最強のT-72と言われるのがポーランド製のPT-91Mで,最近マレーシアへの輸出契約がなされました.
例によって画像板をお借りして上げた,プロトタイプの写真の通り,
http://banners.cside.biz/cgi/imgboard.cgi の#452
がっちり反応装甲で固めた上,対地雷防御を強化し,コンパクトで強力な1000馬力新型エンジンとオートマチックトランスミッション,仏SAGEM製火器管制装置,EADS製の砲塔作動システム,さらにレーザー軽快装置やパッシブ暗視装置などを搭載しています.
これが湾岸のイラク軍に装備されていたら,M1に太刀打ちは無理しても,ブラッドレーなんかはだいぶ食われたのではないかと思います.
system :軍事板,2003/09/23
青文字:加筆改修部分
ポーランド陸軍主力戦車PT-91トワルディ
(画像掲示板より引用)
【質問】
T-72って第2世代だったっけ?
行進間射撃とか出来ないんですか?,T-72は.
鉄底海峡
【回答】
技術的に見ればT-72は第2世代です.
T-80&T-90は第3世代ですね.
CRS@空挺軍
初期型は行進間射撃を出来ませんでした.
砲軸はスタビライズされていたのですが,レーザー測遠器からのデータをアナログ計算機のFCSに一々手で入力せねばなりませんでした.
これを瞬時に計算できるFCS(1A40-1)が導入された,1985年以降のT-72Bからは行進間射撃が可能となりましたので,第三世代戦車を名乗っても良いと思います.
JSF
▼ 回答補足〜
>砲軸はスタビライズされていたのですが
どうもこの砲スタビライザーにも問題があったようです.
初期型及び輸出型(T-72・T-72A・T-72M)は2E28Mが取り付けられており,後期型(1982年以降に生産されたT-72A・T-72B・T-72BM)は,2E42-2が取り付けられていました.
2E28Mは垂直・水平2軸制御のスタビライザーで,垂直軸は砲照準サイトと連動しており,水平方向は加速度計のデータで補正される構造なのですが,このスタビライザーは70年代初期の技術で作られたため,傾斜の補正が出来ないので,平坦地での低速移動,小見越し角のでないと正確な行進間射撃ができなかったようです.
ですからT-72(初期型,1982年以前のA型)はFCSを備えていても,半分の精度しか行進間射撃できませんでした・・・
この問題は2E42-2の開発とFCS(1A40-1)の開発によって,ようやく解決したのです.
またT-72Bになると,T-80で実証された砲発射型ミサイルが運用可能な主砲(2A46M)に変更.
FCSも1K13-49レーザー発信機が追加,車体全面の装甲強化,エンジン出力の強化.
さらにT-72BMになると第二世代ERA「コンタークト5」も導入され,全面強化されました.
ですのでT-72B&BMは,第三世代戦車と名乗ってもいい戦車に仕上がりました.
さらにT-72BはT-72BU(Объект188)という改良計画がありました.
これはT-72Bの防御システムを改良発展させるものでしたが,「新生ロシアの最初のMBT」という政府の考えから,1993年づけでT-90という新規の名称が与えられ,96年にはロシア軍正式名称となりました.
CRS@空挺軍 in mixi,2008年10月04日17:17
▲
▼
T-72B?@第1次チェチェン紛争
レンガじゃなくてERA!
そういえばT-72BVだと,ERAを227個取り付けるという話.
もっとも乗員次第で数は増える(笑)
2重3重に取り付けた例もある
CRS@空挺軍 in mixi,2008年10月05日17:57
▲
【質問】
最近戦車に興味を持ち始めたのですが,ロシアのT-72の写真を見てて思ったんですが,車体正面にある,V字になってるのはなんなのでしょうか?
また,なんのための物なのでしょうか?
【回答】
水切り板.
車体が水に浸かる程度の水深の場所を進む時,あれが無いと,車体前部周辺に大きく泡立った波ができるので,操縦手の視界を阻害する.
そこで,V字形状で水を「切り開く」ことによって水の抵抗を減らし,大きな波が立つのを抑える.
更に,操縦手ハッチの付近に水が流れ込んで来るのを防ぎ,ハッチの隙間からの浸水を防ぐ.
T-55/54やT-62にも板状のものがついているが,これは却って水の抵抗を大きく受けるので不都合が多く,研究の結果V字型になった.
軍事板,2009/10/24(土)
青文字:加筆改修部分
【質問】
T-72が湾岸戦争でボコボコにされたのは,やっぱり性能が劣っていたせい?
【回答】
それだけではなく,想定された戦場の違いもある.
戦後のソビエト戦車は,第2次大戦の戦車戦の研究から導き出された
「戦車戦というものは,そのほとんどが2000m以内で,それも圧倒的に遭遇戦が多い」
という結論に従って開発され,戦術理論も立てられている.
実際中部ヨーロッパは丘や林が多く,平原地帯といっても意外と見通しが効かない.
NATOが大規模演習をやったら「敵」戦車がなかなか発見できず,数十m単位での撃ち合いが続出したりした.
ソビエトの戦車はそういう状況を想定して開発されたので,射撃指揮システムも近距離での撃ち合いを想定して設計されており(つまり高度なシステムがいらない),砲弾も有効射程距離が短く設計されていた(どうせ余り遠くには撃たないのだ).
総じて遠距離射撃能力が低く,接近戦向きだった.
相手に先手を取られた不利は,何台か殺られるうちにダッシュで距離を詰めれば良いのだ.
こういった設計思想だったので,見通しがよく,遠距離から攻撃された中東戦争や湾岸戦争では,西側戦車に一方的にやられる羽目に陥った.
もちろん,高度な射撃指揮システムや砲弾を開発する技術力がない,というのは大きかったのだけれど,それを「要求しなかった(ので技術開発も進まなかった)」というのが大きい.
基本的には,北ヨーロッパでのみ戦う事を考えた兵器体系だった訳>ソビエト兵器
軍事板,2006/01/14(土)
青文字:加筆改修部分
ただ,ソビエト軍部は西側戦車の遠距離戦闘能力をだいぶん甘く見ていた感がある.
「いくら西側のハイテクと言ってもそんなに当たるわけが・・・」
と.
それと,シリアやイラクは実に教条的に戦車戦を仕掛けたので,戦う側にとっては行動が読み易かったというのもあるだろう.
双方の経験値や熟練度が同程度なイラン−イラク戦争では,別にソビエト製兵器が西側製兵器に激しく劣ったりはしてないので,結局は使う側のレベルの問題では?
軍事板,2006/01/14(土)
青文字:加筆改修部分
Т-72Б"Рогатка"
第三世代の爆発反応装甲「レリークト」を装着
T-72の最終生産型で,T-90並みの性能を持つ
faq25g72.jpg
faq25g72b.jpg
faq25g72c.jpg
【質問】
戦後第三世代のT-72は弾道計算機を備えているにも拘らず,戦後第二世代のレオパルト1に命中率で劣っているのは何故ですか?
【回答】
T-72は近距離で高速徹甲弾で戦闘することを考えてるので,精密射撃をあんまり重視してない.
西側の戦車は遠距離でHEAT弾で戦闘することを前提にしていたため,精密な弾道計算と射撃管制が重視された.
近距離で高速徹甲弾で撃ち合うなら,大概はまず「狙ったところに飛んでく」ので,複雑な射撃管制は要らない.
遠距離目標にはちっとも当たらなくなるけど,「確実に当たる距離」まで突撃すればOK,という考え方.
数で圧すのが前提だから,距離を積める間に何両かやられても構わない,と.
HEAT弾は弾速がトロいので,遠距離射撃がしたかったら精密な射撃管制装置が必要になる.
特に冷戦時代の西側戦車は,数で勝る相手に防御戦を強いられるのが前提だったので,「初弾必中」を求めたから,命中精度に拘った.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
T-72Mが測距データのみならず,風速・風向データなども手動入力なのは,モンキー・モデルだから?
【回答】
モンキーだからって話じゃなくて,その世代の戦車はみんなそう.
単純に弾種・射距離に応じた高低角付与ってだけの話にしたって,目標を照準してレーザー測距したら,自動的に見越角を計算してくれるんだけど,砲は動かない,
レティクルが落ちるだけ.
落ちたレティクルで再照準すれば,そのぶん砲が上がって高角とれる仕組み.
最近のは,照準器のデータを元に諸元を計算して,砲がそれに追随する方式(眼鏡優先方式)だから,事前に必要な諸元を入力するか自動取得させれば,砲手の視線は一定のまま,砲がピクピク動いて補正しづけてくれる.
砲優先の時代に,そこまでの自動入力機能を導入していれば,レティクルがフラフラ動き続けて砲手がゲロ吐く.
90式戦車で砲安定機能を切ってFCSだけフル稼働させたら,そんな感じ.
軍事板,2010/03/14(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
74式戦車等に使われている)105ミリ戦車砲・106ミリ無反動砲・カールグスタフ・パンツァファウストで,モンキーモデルでない本国純正のT72の正面装甲を撃ってみたら,1発で撃破出来るでしょうか?
【回答】
T72にもバリエーションがあり,厳密な数字はなかなか公表されていませんが,ひとまず砲塔正面で270〜350mmのRHA相当(正面他の部はこれと同等以上).
105mmにも砲弾,砲身の違いがあり,距離にもよりますが,上記厚さはぎりぎり.
高性能のタングステン,劣化ウランAPFSDSなら貫通可能だろう,という感じです.
105mmのHEAT弾でもぎりぎり.カールグスタフとかになると苦しいでしょう.
▼ 【余談】
RPGと対戦車ミサイルに耐えたT-72;
――――――
Russian Photos (updated on regular basis)
Unfortunately i have to agree with Python that you're a tool.Here is a photo of T-72s No.611 and 613.No.611 during two days of active fighting received 3 hits from ATGM Konkurs(one at left side under the turret) and 6 hits from various RPGs(3 to sides: 2 left,1 right) and remained operational,No.613 was hit 3 times by RPGs(one to side) and remained operational too(engine replaced).
No.611 and 613 はRPG並びに対戦車ミサイルの直撃にも耐えたようです.
611は戦闘続行を行えるほど目立った損傷は無し,
しかし613はエンジン修理が必要だった.
――――――
砲塔下左側面に対戦車ミサイルを被弾したにも関わらず,戦闘可能って運がいいのか,ERAの性能が良かったのか・・・本国仕様は違ったか.
――――――
During 2nd campagn federal forces lost 15 tanks apparently,3-5 of them T-62/62M,14 were returned to duty,1 T-62 was completely destroyed by several ATGM hits in Grozny.
第2次チェチェン紛争にて,ロシア側は15輌の戦車を損失(未確定)
内3〜5輌はT-62/62M,しかし14輌は修理により戦線復帰.
完全損失はグロズヌイ攻防戦にて対戦車ミサイルの直撃を受けたT-62 1輌のみ.
――――――
CRS@空挺軍 in mixi,2010年02月27日23:38
▲
【質問】
ソマリア海賊にT-72神が降臨したようです.
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1178282.html
T-72神に不埒な振る舞いをすれば,彼らに神罰がくだることでしょう.
オブイェークト.
ラッキーマン.
正直な話,神戦車はソマリア人が奪っても,操縦したりメンテしたり維持できるもんなんでしょうか?
外国へ売り払うという手もありますけど.
Tono
【回答】
新生アフガン国軍なんかでもわざわざT-55やT-62を運用しているところを見ると,難しいんじゃないですかね.
丼炒飯
北部同盟がT-72をもらって,「複雑で扱いきれない」ちゅうてT-55にした話も聞いたから,ソマリアのレベルじゃ高度すぎるんじゃないかなあ.
緑川だむ
T-55とネ申じゃ,電装系が格段に違ってますからね.
動かすだけなら,足回りの整備だけなのでどうとでもなるんでしょうが,レーザー測遠・照準機や自動装填装置,弾道計算機まで積んだT-72を,そのまま運用するのは難しいでしょう.
その点,T-55は人力装填,整備不要の基線長式測距儀なんで,運用する側は楽って言えば楽だ.
能力もそれなりだけど.
極東の名無し三等兵
動かせるだけでいいのかもしれませんねぇ.
戦車砲は撃てなくても,PKO軍の装備じゃ撃ち抜けないような,とんでもなくタフなテクニカルとして魔改造しちゃえば充分,脅威になりうるし….
Tono
――――――
“神戦車”に怯える米国防総省,警戒レベルは危険を示すオレンジに.(USO800)
33両ものT-72戦車が盗まれた事件,昨日の時点ではどこの軍のものかは不明とされていたが,日が開けた今日,ウクライナからケニアへ海上輸送中だったものと判明した.
T-72は旧ソ連製の戦後第二世代型戦車で,オリジナルのそれは神通力を持つことで知られており,そのため別名を神戦車と言われることで有名.
一部のモンキーモデルが,破壊神ルーデルの魂の欠片から作られ,T-72戦車と同様に神通力を持つとされる,米空軍のA-10攻撃機などによって,湾岸戦争などでの戦いで一方的に蹂躙されたことが,我々の記憶には新しい.
一方で,避弾経始を意識した低い車体に,強力無比な125mm砲を装備したその姿は神聖かつ優美であるとされ,多くの人々から
「この世に存在する全ての陸戦兵器の頂点に君臨する存在」
「ありとあらゆる陸戦兵器はT-72によって撃破され,逆にT-72に対して有効な火力を持つ兵器は存在しない」
と信仰を集めており,専門家の間でも最強にして神聖,革命的な神戦車であるとの呼び声が高く,この戦車が盗まれたことに対して,各国の国防・諜報機関は大慌てで情報収集にあたっている.
白い狐の取材に答えた米国防総省(ペンタゴン)の高官は
「もし盗まれた戦車に神通力を持つオリジナルが紛れ込んでおり,海賊を通じて非合法組織に流れたものが米本土に向かった場合,大西洋を守る米海軍第二・第六艦隊の総力をもってしても海上で撃破できるとは言い切れない.
最悪の場合は公海上で戦術核を使うことになるかもしれない」
と語った.
一方,同じく記者の質問に応じた米第二艦隊スポークスマンは
「一部の報道で米海軍は勝てないとの予測が報じられているが,そんなことはない.
そもそもオリジナルのT-72と決まったわけではない」
と話し,さらに記者からのオリジナルだった場合はとの問いに対しては
「負けることはない.
我々はどんな強敵と対峙する作戦であっても成功させる.
我が艦隊(第二艦隊)は全力で任務を遂行するだろうし,本土を守るためにあらゆる犠牲を甘受する用意もある」と答えた.
――――――
白い狐
オリジナルが混ざっていた事態に備え,CIAがルーデルを復活させる黒魔術を始めたとの未確認情報が(ry
ヨシフ
囲まれました.
「AFP」:ソマリアの海賊が乗っ取った貨物船,外国軍艦に包囲される
2008年09月28日 23:08 発信地:モガディシオ/ソマリア
消印所沢
さすがに海の上ではTー72神のご加護が得られなかったのか,それとも何か怒りに触れることをしてしまったのか,戦車神学に詳しい方の見解をお願いします.
クローム・ツァハル
地に足の付いていないことをするからです.
井上@Kojii.net
【質問】
中東等におけるソ連系125mm戦車砲の,50t越え西側戦車撃破率が悪いのは,
・砲弾が悪い
・砲自体が悪い
・威力が有っても照準機が悪くて当たらない
で良いのでしょうか?
又は西側戦車が硬すぎる?
逆に西側戦車がバカスカ破壊していけるのは
・重量的にソ連系戦車の防御力が低い
・弾薬配置等設計が不味い
それとも120mm戦車砲の砲と弾が凄いだけ?
【回答】
全部当てはまります.
・砲弾・・・劣化ウランかタングステンを使うはずなのに,モンキー・モデルは鋼鉄製弾芯だった.
・砲身・・・ロシア製の砲身・砲弾は工作精度が悪く,長距離射撃が当たらなかった.
・照準装置・・・煙幕や砂塵に遮られると,照準が不可能に(M1は平気で撃ってくる)
・装甲・・・複合装甲技術が低く,同じ厚さでも弱かった.
・砲弾配置が悪い・・・西側の戦車は砲弾が誘爆しても,弾薬庫が吹き飛ぶだけで済むように設計されているが,ロシア戦車は砲塔直下の車体に並べて収納していたので,車体に直撃弾を貰うと誘爆して砲塔が吹っ飛びます.
軍事板
アッガーイ,ではなく,T-90の正面断面図
砲弾位置に注意
T-90はT-72の改良版なので,基本構造は同じ
CRS by mailform
ロシア戦車の砲弾収納図及び装填図
faq25g06b.jpg
faq25g06c.jpg
faq25g06d.jpg
CRS in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
【質問】
T-72のアップグレード版について教えられたし.
【回答】
ロシアは2007年から2015年までの国家軍備計画において,T-90シリーズを1400両調達するとしている.
http://nvo.ng.ru/armament/2008-12-05/9_tanks.html
ただし,戦車の大半(95%)はソ連時代に製造された車輌である状況は変わらないため,戦力の陳腐化を少しでも抑えるべく,既存のT-72についても,予算の範囲内でアップグレードが図られている.
●T-72BM
http://www.otvaga2004.narod.ru/xlopotov_8/tank_t72ba_01.htm
1980年代から90年代初めにかけてに生産されたT-72Bを,暗視装置以外をT-90並に能力向上を測った戦車.
戦車のオーバーホールに合わせて,FCS,エンジン,砲安定装置を換装,「コンタクト5」ERAを装着,9M119/9M119M砲発射ATMの運用能力付与など.
ただし,改修は車体を分解してコンポーネントの換装を実施したうえで再組み立てを行うという,規模の大きい作業を必要とし,ために予算も掛かる事から,これまでに改修を受けたT-72はそれほど多くない.
●T-72B「Rogatka」
http://btvt.narod.ru/5/rogatka/rogatka.htm
2006年に初公開された,T-72Bのアップグレード型.
火力,防御力,機動力,指揮管制のあらゆる分野での能力向上が図られている.
・主砲は2A46M-5に換装,より強力な砲弾を発射可能に.
命中精度向上のため砲口照合装置採用.
暗視装置はベラルーシとフランス製に換装.夜間3kmの視認距離を得る.
FCSは1A40に換装,砲発射ATMの夜間射程は,アクティブ型赤外線暗視装置の場合1200m,パッシブ型で800m.
・防御:ERAはT-72BAの「コンタクト5」から「リレークト」に変更.
防御力向上と装着時の手間削減が実現.
地雷を早期爆発させる電磁式防雷装置も装備.
車体後部にはHEAT対策の鳥かご式装甲が装着.
塗料も赤外線ステルス性の高いものを採用.
・機動性:T-90Sと同じV92S2エンジン(1000hp)に換装.APUも搭載.
履帯や駆動部も改良.
T-72B「Rogatka」はこれまでに最大155両が改修を受けているとされる.
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A2-72
軍事板,2009/12/15(火)
青文字:加筆改修部分
おそらくT-72M2ベースで,爆発反応装甲を装着したもの
(履帯がシングルピンだし,T-80UDから発展していったオプロードでないことは確か)
【質問】
オブイェクト187 Объект 187 について教えられたし.
【回答】
Объект 188(T-72BU後のT-90)の橋渡し的な戦車.
6輌が製作されたが,それぞれ仕様が異なっている.
特に
Object 187 model No. 5
Object 187 model No. 6
は最新的な仕様であり,新型トランスミッションや1200馬力のエンジンを搭載し,新型の溶接砲塔や新型ERAに換装する予定であった.
数々のテストを繰り返したが,結局はОбъект
188が優先となり,得られた技術データのみ使用されることが決まり,車体は廃棄もしくは放置扱いとなる.
Object 187で得られたデータを流用し,完成に漕ぎ着けたのが,T-72BU後のT-90である.
【参考ページ】
Объект 187
Object 187
Прочти и передай другому:
запасники танкового музея
в Кубинке пошли в распил(写真引用元)
放置された試作戦車達.
ちゃんと博物館に保存して欲しい.
何時見ても,BMPTの設計変更前と後の違いが実に興味深い.
faq100923ob.jpgへのリンク
faq100923ob2.jpgへのリンク
CRS@空挺軍 in mixi,2010年09月16日00:38
【質問】
T-90って何?
【回答】
T-72をベースに大幅に改良して,T-80Uのレベルに近づけた第3世代戦車で、1993年にロシア軍が制式採用した.
1A4GT統合射撃管制システム(IFCS)を装備しており、移動中の射撃でも高い命中率を誇る他,AT−11「スナイパー」対戦車ミサイルを発射可能.
新開発のERA(爆発反応装甲)を採用している他,「シトーラー」1赤外線妨害システム,360度円形防御アリーナシステム等も搭載しており,防御力にも優れている.
【参考ページ】
http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/t-90.htm
http://homepage3.nifty.com/sweeper/panzer/ussr/t90.htm
http://www.rctank.jp/machine/t-90.htm
http://combat1.sakura.ne.jp/T-90.htm
http://www.militarize.org/waffen/main_battle_tank/t-90.htm
【ぐんじさんぎょう】,2010/03/30 21:00
を加筆改修
faq25g01t90p.jpgへのリンク
faq25g01t90p02.jpgへのリンク
(Tank factoriesより引用)
ウラルヴァゴンザヴォード社生産ラインが興味深い.
T-90に採用されている,「ウラジーミル」砲塔の形がよくわかる.
CRS@空挺軍 in mixi,2010年02月21日06:33
【質問】
T-90のヴァリエーションを教えてください.
【回答】
T-90
当初はT-72BUと呼ばれた初期型.
T-90A
2007年にロシア連邦軍への導入契約が結ばれた最新型.
爆発反応装甲,新型溶接放蕩,エンジン出力その他,多数を改善.
T-90E
英語版および日本語版wikiにあってロシア語版にはない.
英語版ではT-90の輸出型がT-90E,T-90Aの輸出型がT-90SAであるとされている.
T-90K
データリンク機能(радиостанция
Р-163-50К)とナビゲーション装置(ТНА-4-3)を追加した指揮戦車.
T-90M
「ブヒーシュマ」改良型.
http://mltr.ganriki.net/faq27f.html#T-90M
T-90S
1994年に確認された後期型.
インドの「ブヒーシュマ」も同型.
TShU-1-7シュトーラを装備していない.
T-90SK
通信機器とナビゲーション機器を追加した指揮型.
T-90SA
暗視装置冷却システム,レーザー放射・検出装置が変更された輸出型.
T-90SKA
T-90SAに通信機器とナビゲーション機器を追加した指揮型
【参考ページ】
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/row/t-90.htm
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A2-90
http://ja.wikipedia.org/wiki/T-90
http://en.wikipedia.org/wiki/T-90
http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/t-90.htm
【ぐんじさんぎょう】,2010/05/05 21:00
を加筆改修
▼ T-90強化プロジェクトの形式番号が判明.
С Новым годом ? с новым
танком!
――――――
http://igorrgroup.blogspot.com/2010/01/90-new-specs.html
T‐90の輸出向け新型バリアントT-90Mのスペック.
エンジンからベトロニクスまであちこち新しくなるけど,主砲が2A46から新型の2A82にバージョンアップしてるのが興味深い.
――――――軍事板,2010/01/04(月)
CRS@空挺軍 in mixi,2010年01月03日16:23
▲
▼ロシア陸軍近代化の現状
気になるのは,ここで言う「T-90」がT-90A(T-90のエンジンや砲塔を換装したタイプ.現在調達中)なのか,さらに進んだ「ウラジーミル」砲塔搭載のオブイェークト188M(図)なのかであるが,これはもう少し待ってみなければわかるまい.
両方混在という可能性もないではない.
「ウラジーミル」砲塔はオブイェークト188Mからではなく,T-90A/Sから搭載されています.
≪объект 188А1≫という計画が2004年からスタートし,視察装置の向上や新型溶接砲塔への換装を目的しておりました.
(ロシア語wikiによれば,≪объект 188А1≫では自動装填装置の改良も行っているようだが詳細不明)
この≪объект 188А1≫が承認され,以降生産されるT-90は「T-90A/S」へと形式番号が変化しております.
T-90Aが連邦軍納入型,T-90Sは輸出版で主にインド軍が採用しています.
T-90A/Sに初めて搭載された新型溶接砲塔がT-90Aの愛称である「ウラジーミル」から転じて,「ウラジーミル」砲塔と名づけられたと考えられます.
基本的性能はT-90A/Sとも変わりません.
T-90A/Sは,それまでのT-72の改修型に過ぎ無かったT-90のさらなる性能向上型です
外面は似ていても,“中身は別物”として認識する必要性があるでしょう.
http://www.otvaga2004.narod.ru/xlopotov_8/t90m.htm
この記事によれば,≪Объект 188М≫ではさらなる装甲強化を図っているようです
http://btvt.narod.ru/4/armor.htm
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A2-90#cite_note-7
http://en.wikipedia.org/wiki/T-90
インドとの協力で開発された≪Объект
188М≫は一つの指針となるでしょう.
基本性能はインド軍仕様と同じであると考えられますが,冷却装置がインド軍仕様ではイスラエル製のを使う話ですし,完全国産なのか一部外国製パーツを使うのかでまた変わってくると考えられます.
他国製パーツでは,フランスのタレス社製熱線暗視装置をT-90に搭載した実例がありますから,他国製パーツを搭載する可能性もありえると考えた方がいいでしょう.
CRS@空挺軍 in mixi,2010年03月03日22:00
▲
▼T-90 tank to get all new turret
今年,砲塔を新型に換装したT-90がデビューするそうだ.
弾薬庫がクルーセクションと完全に分離されてるらしい.
他にも装甲や暗視装置が新しくなるとの事.
T-90 tank to get all new turret
オブイェークト188Mに提案された砲塔の,さらなる改良型であろうか?
CRS@空挺軍 in mixi,2010年04月19日23:33
▲
【質問】
ロシア最新の戦車T-90Sとやらの火力と装甲はいかほどなんでしょうか?
エイブラムスM1A2や日本の90式なんかと比べて,たとえばT-90Sの装甲は90式のKE弾に耐えられますか?
【回答】
不明.
つうか知ってる人は立場上ここには書き込めない.
プーチンに医者を送りつけられると怖いからね.
装甲は通説では,西側水準よりはやわいと見られている.
火力も砲制御が甘く,実質的に西側の同一水準の方より劣るとされるのが一般的見解.
が,結局のところ戦ってみないと分からないってのが回答かと.
ただロシアはアクティブ防御とかERAとか砲発射ロケットとか,面白いっつーか邪道っつーか開き直った方面で頑張ってくれるのがお家芸だから,軍オタ的にはなかなか楽しませてくれる戦車開発国だと思う.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
T-90の海外での販売価格は?
【回答】
T-90は一両あたり約140万ドル
http://ja.wikipedia.org/wiki/T-90
だが,国外販売価格は以下のページによれば,
――――――
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2006/05/t90s.html
〔略〕
上記記事などによると
「400両でアメリカドルにして9億ドルから10億ドル」
とされており,1ドル110円レートで計算すると990億円から1100億円/400両,つまり1両あたり約2億5000万円から2億7500万円という計算になる.
――――――
つまりロシアも,国外には2倍近い値段で売っている.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ロシアの戦車T-90が,2億しないと伺ったのですが,どうしてそこまで安いのでしょうか?
鉄などは自国で調達できるから?
あるいは,ロシアの戦車は西側のそれに比べ,装甲の質に劣るというような文を見た気がするのですが,質=値段でもあるから,それもあるのでしょうか?
【回答】
つ 相場
あのね,兵器の値段をその国以外の通貨で見るのってあんま意味ないのよ.
政策次第でどうとでもなる為替レート換算では実勢価値と乖離する可能性があり,敢えて比較するなら購買力平価換算等じゃないと無意味.
要するに,その国にとって調達がどの程度の負担になるかを見ないと.
どうせそれを輸出する段になったら,あーだこーだついてきて倍以上のお値段になることは珍しくないんだから.
比較するなら
「その国の『国家予算』とか『GDP』に対して『調達価格』が幾らか?」
が一番なんだよ.
例えばルーブル=円の相場が年に何%の割で変動してるか知ってる?
にもかかわらず調達価格が一緒だとしたらそれは一体どういうこと?
他国の通貨に換算するってのは,そういう無意味さが付きまとうわけよ.
そりゃ,全く無意味とは言わないよ.
特に世界的に輸出されてるものなら相応の意味がある.
ただその場合でも,やはりドル換算なんかがいっちゃん真っ当.
円に換算するのは大分価値が下がる.
技術的な理由を探すとすれば,装甲ががERA装備を前提にしてたり,人間工学を無視した極端に小さい車体設計であったり,西側の戦車より手抜きという面もあるかもしれんね.
また,昔の日本でもあった例なんだが,砲とかの武装,FCSは,軍が持ち込み扱いで別勘定,公表価格は実質車体のみの値段ということがあるので,自国軍への納入価格は極端に安い例があるんだよ.
まあ,1000馬力級の第3世代戦車だから,湾岸戦争でボロカスにされたT-72のバージョンアップ車だから,安く売りさばいてるのかも.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
T-90のTShU-1-7シトーラは,ヘルファイアに対してどの程度効果がありますか?
【回答】
『グランドパワー』2003年8月号(No.111)のT-72特集記事のP125ページの記述を見ると,TShU-1-7シトーラは,赤外線ホーミングによる半自動式ミサイル(TOW,HOT,ミラン,ドラゴン)などに対しては,砲塔全面に搭載されたOTShU-1-7電気・赤外線照射装置によって誘導を撹乱(煙幕を展開して,そこに赤外線照射を行うことで乱反射界を形成する.)
ヘルファイヤなどのレーザー誘導ミサイルに対しては発煙弾発射装置からレーダー遮断煙幕弾3D17を発射して対抗するようになっている.
(ミリ波誘導方式のへルファイヤに関する記述は無い)
セミアクティブ誘導方式のヘルファイアに関しては対抗可能とされる.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ロシアの掲示板より.
http://www.paralay.iboards.ru/download/file.php?id=11198&mode=view
これはT-90Mの想像図?
リモート機銃らしきものが上に付き,バスルが張りだしてて,車体のスカートがT-80風になっているが.
【回答】
これは,T-90の発展型として開発中のT-90M(オブイェークト188M)の側面図.
オブイェークト188M自体は,既に試作車両が一両製造されており,昨年プーチン首相のウラルヴァゴンザヴォード視察時に公開されており,今年7月にニージニー・タギルで開催された兵器博覧会でも展示走行を行っている.
開発自体はポポフキン次官による大規模中断を免れたが,まだ量産許可は下りていない.
軍事板,2010/07/22(木)
青文字:加筆改修部分
T-90Mについて
http://tank-t-90.ru/publ/novaja_svarnaja_bashnja/1-1-0-23
上の砲塔は,T-90S用に開発されていたUKBTM砲塔.
オブイェークト188Mでは,この砲塔を元にして,砲塔バスルを追加している.
下のほうに図を上から見たものと,現物の写真がある.
こちらの下のほうにも,オブイェークト188Mの写真がある.
http://alternathistory.livejournal.com/462819.html
オブイェークト188M
仕分けの対象となったブルラク砲塔(模型)
CRS@空挺軍 in mixi,2010年07月22日23:32
【質問】
今月号の『丸』でのロシア特集では,
「T-90を試験配備的な要素が強く」
と言っていますが……?
【回答】
試験配備とかって・・・
海軍歩兵にも採用しますし,性能向上型のオブイェークト188Mも計画されています.
T-90は,試験配備の時期は過ぎました.
T-95の亡き後の,ロシア主力戦車の地位を確保しています.
もはやT-80が性能的に挽回できるチャンスは,二度とありません.
オムスク輸送機械が修理センターへ格下げとなった今,現ロシアの戦車メーカーであるウラルヴァゴンザヴォード(源流はウラル戦車工場)は,かつてのライバルであったハリコフ戦車工場のT-80を,再生産&販売する義理はありません.
ただし,中古での販売はあるでしょう.
しかし,T-80を売るよりもT-90を売った方が,ウラルヴァゴンザヴォードとしては嬉しいでしょうし,ロシアとしての立場も強くなることから,T-80は小規模の改修のまま,あるいは無改修のまま退役してくことでしょう.
CRS@空挺軍 in mixi,2010年09月01日00:04
青文字:加筆改修部分
【質問】
↓専用砲塔なのですか?
「ブルラク砲塔とは別のT-90用新型砲塔?」
http://obiekt.seesaa.net/article/147524514.html
>中止されたT-90戦車用「ブルラク(Бурлак)」砲塔とは別に,
>全くの新型砲塔が用意されているというのです.
【回答】
T-90専用というわけではありません.
Разработана новая танковая
башня (Бурлак)
「ブルラク(Бурлак)」砲塔はT-90用だけでなく,既存のT-72及びT-80にも搭載できるように開発されていました.
車体面での改修は難しい(つか不可能)ことを配慮し,砲塔を換装させることで,戦闘能力の向上を目指していました.
また,ブルラク砲塔では,弾薬庫の見直し,西側では主流である砲塔後部への移設を考えておりました.
件のT-90用の新型砲塔は,このブルラク砲塔を完全にT-90専用にしてしまう方針に切り替えたのではないでしょうか?
既存のT-72やT-80の改修は行わないというのが,明確になったと見て良いでしょう.
恐らくТ-72Б"Рогатка"(T-72最終強化モデル)も,“仕分け(笑)”の対象になったかも・・・
CRS@空挺軍 in mixi,2010年04月24日19:54
専用とは書いてないですよー.←この辺があざとい.
ブルラクの後部バスル案は,これしか想像図がないですから,確定情報とは・・・
http://img32.imageshack.us/img32/8905/burl.jpg
JSF in mixi,2010年04月24日 21:13
【質問】
ロシア軍戦車のアップグレードを巡る状況を教えてください.
【回答】
http://www.otvaga2004.narod.ru/xlopotov_8/tank_t72ba_01.htm
によれば,1980年代から90年代初めにかけてに生産されたT-72Bを,夜間暗視装置以外,T-90並に能力向上を図った戦車.
戦車のオーバーホールと合わせて,FCS,エンジン,砲安定装置を換装,「コンタクト5」ERAを装着,9M119/
9M119M砲発射ATMの運用能力などを付与している.
この記事では,改修作業の手順が紹介されている.
オーバーホール時に合わせて戦車を戦車整備基地に輸送して,装備を撤去,燃料やオイルなどを抜き取り,車体や部品を洗浄.
車体や砲塔の必要な部分は,切断・再溶接を行う.
必要な備品やコンポーネントを調達.
損耗した足回りや変速装置を換装.
エンジンについてもレストア,もしくは新品と交換.
車内の電気系統や配線も張りなおし.
消火装置,通信装置,自動装填装置などを再び搭載していく.
そして兵装や射撃統制装置を砲塔に組み込んで,車体と合体.
反応装甲や各種外装を装着.
性能確認試験を経た上で,軍の受領承認を受けて,部隊に配送.
車体をばらして,損耗部品を換装した上で,新たな装備を組み込んで再組み立てを行う工程は,新造車輌を生産するのと殆どかわらない手間を要する.
むしろ,生産ラインの上で効率的に組立作業が行える新造車輌のほうが,作業効率の点では高いとのこと.
改修では,殆どの作業が労働集約的な手間のかかる作業であり,軍の支払う修理費用の設定が低く抑えられている事もあり,メーカーにとっては戦車の近代化は,収益の少ない事業になる.
軍自身が軍の整備基地で作業を行う場合もあるが,そのため部品やコンポーネントを国が保管しておく必要が生じる.
また通常,戦車整備工場はメーカーほど複雑な車体改装能力を有していない.
これは,戦車のアップグレードがメーカーの収益の高い事業となっているアメ
リカなどとは,異なる状況である.
1992年に行われたT-72Aを,T-72B相当に近代化する実験では,改修費用は新規調達の44〜48%に達している.
また,新造のT-90A×63両が約37億8000万ルーブル(1両最低6000万ルーブル以上)なのに対して,T-72をT-72BAにアップグレードする作業は,62両で10億ルーブルとなっている.
新造戦車の3分の1〜半分近くの改修費用が必要で,寿命延長と引き換えに,上述のような問題があるとなると,改修を続けるのに異論が生じるのも頷けるところ.
T-95開発中止を決めたポポフキン国防次官も,このような状況を打開するため,T-95の調達中止や戦車の改修削減で浮いた費用で,完全に新型の戦車を開発するということを打ち出したわけだが,その様な戦車をこれから開発するにしても,一朝一夕に出来上がるわけでは無いので,戦力陳腐化を防ぐためにも,T-90改良型の新造と車輌改修をやめるわけにはいかないジレンマがある.
軍事板,2010/07/06(火)
青文字:加筆改修部分
レス回収;CRS@空挺軍 in mixi,2010年07月09日00:13
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ 本館サイト・マップへ