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【質問】
ソ連/ロシアの主なエクラノプラン(Экраноплан,エクラナプラーン)の種類は?
【回答】
●SM-1 1961年,初飛行.全長20 m.翼幅10m弱.
●SM-2 1962年,初飛行.
●SM-3
●SM-4
●SM-5 1964年,墜落.
●SM-2P7 1964年,SM-5の事故の教訓も取り入れて完成.
●SM-6 1972年,完成.全長31 m,翼幅14.8
m.「オルリョーノク」のプロトタイプ.
●SM-8
●KM 1966年,完成.全長92m.1980年,事故で喪失.
●proiekt 904 A-90「オルリョーノク」 1972年完成.強襲揚陸型.
●proiekt 902R 「ルン」 1987年完成.全長73.8
m,翼幅44 m.対艦攻撃型.
●スパサーチェリ(Спасателъ).原潜事故に対する高速救難用に,「ルン」2号機を改造.完成前に財政難で工事中止,放置状態.
●VVA-14 1972年完成.全長25.97m,翼幅28.50m
●"T"シリーズ VVA-14をもとにした輸送型.
●Be-2500 次世代地面効果翼機.開発中.全長
123m.全幅 156 m
【参考ページ】
http://ja.wikipedia.org/wiki/エクラノプラン
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%AD%D0%BA%D1%80%D0%B0%D0%BD%D0%BE%D0%BF%D0%BB%D0%B0%D0%BD
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%92%D0%92%D0%90-14
http://snowsoulrecords.blog104.fc2.com/blog-entry-3.html
http://members.at.infoseek.co.jp/aozora5103/VVA-14.html
http://members.at.infoseek.co.jp/aozora5103/Caspian_monsters.html
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Guitar/7004/vva14.html
http://m3i.nobody.jp/military/be2500menu.html
【ぐんじさんぎょう】,2010/05/27 21:00
を加筆改修
【質問】
ソ連ではWIGを飛行機扱い? それとも船扱い?
【回答】
ソ連のWIGには,海軍の艦艇に付けられる「プロイェクト××」という計画番号が付いているから船扱いです.
ソ連のWIGは,当初,飛行機屋と艦艇屋が競作する形で開発が進められましたが,飛行機屋の方は早々に開発を中止し,水中翼船から発達した船屋のWIGが残りました.
ちなみにソ連WIGは,船舶用のアルミ合金で作られています.
カスピ海で試験していた途中でソビエトが崩壊したので,そこで開発は途絶えました.
▼ カスピ海沿岸にあるロシア海軍カスピ小艦隊基地カスピースク基地には,「カスピ海の怪物」とも呼ばれる旧ソ連の表面効果翼艇(WIG,エクラノプラン)が駐留しています.
現在,"Google Earth"でカスピースク基地を見ると,プロジェクト904「オリョーノク」型のS-26とプロジェクト902R「ルン」型のMD-160が確認できます.
この他,廃棄された試作エクラノプランSM-6と思しき物も有ります.
「ルン」型MD-160が載せられている十字型の物体は,「ルン」専用浮きドックです.
MD-160の横に見える物は,「オリョーノク」専用浮きドックでしょう.
旧ソ連の表面効果翼艇は,「モンスター」と呼ばれる程の巨大さも然ることながら,実際に配備,運用するとなると,このような専用の特殊設備を用意する必要が有り,運用コストが掛かり過ぎるのが最大のネックでした.
この他,材料に起因する脆弱性(航空機用アルミ合金に比べ,強度が半分程度の船舶用アルミ合金で造られた為,重量の割には強度不足)も有りました.
「カスピ海のモンスター」は,実は,「ひ弱なくせに金喰い虫のモンスター」だったのです.
ここに見える「オリョーノク」型S-26ですが,現在,モスクワへ回航されています.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/23725065.html
この次に"Google Earth"画像が更新された時,もはや,カスピースク基地で「オリョーノク」を見る事は無いでしょう・・・
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/25(木) 午後 8:02
▲
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:オリョーノク in カスピースク(2006年5月)
「ロシア・ソ連海軍」:オリョーノク近影・その1(2008年6月1日)
「ロシア・ソ連海軍」:オリョーノク近影・その2(2008年6月1日)
WIG「アルバトロス」
飛行機屋的WIG
(画像掲示板より引用)
【質問】
試作エクラノプランSM-6について教えられたし.
【回答】
旧ソ連の試作表面効果翼艇(WIG,エクラノプラン)SM-6(СМ-6)は,1972年に製造され,カスピ海でテストされました.
SM-6の主要目は以下の通りです.
全幅:14.80m
全長:31.00m
全高:7.90m
翼面積:73.80平方m
排水量:26,500kg
巡航速度:350/h
最大速度:700km/h
旧ソ連(ロシア)のエクラノプランと聞くと,「オリョーノク」や「ルン」のような巨大艇を思い浮かべる方が多いでしょうが,これら「カスピ海の怪物」の他にも,小型のエクラノプランが多数造られ,カスピ海でテストされました.
このSM-6をベースにした拡大型が,プロジェクト904「オリョーノク」型です.
いわば,「オリョーノク」型のプロトタイプといった位置付けになるエクラノプランです.
写真3枚目は,2006年5月に撮影されたSM-6です.
・・・・・廃棄,放置されているようです・・・・・
faq39m904preSM6.jpg
faq39m904preSM6b.jpg
faq39m904preSM6c.jpg
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/4(火) 午後 7:17
【質問】
「ルン」型WIGについて教えられたし.
【回答】
プロジェクト902R「ルン」Лунь型表面効果翼艇(WIG,エクラノプラン)MD-160(МД-160)は,超音速対艦巡航ミサイル「モスキート」(SS-N-22)を主兵装とする対艦攻撃型エクラノプランで,1989年にソ連海軍へ引き渡されました.
今でも,書類上は,ロシア海軍カスピ小艦隊・第11独立航空群に所属している事になっています.
写真は,2006年5月頃,カスピ小艦隊基地カスピースクで撮影されたものです.
・・・・放置状態のようです・・・・・
faq39m902R.jpg
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Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/23(火) 午後 8:44
【関連リンク】
「六課」:「カスピ海の怪物」in カスピースク・その2
【質問】
表面効果翼艇「ルン」の性能は?
【回答】
基本重量:286t
全長:73.8 m
全幅:44 m
全高:19.2 m
エンジン: クズネツォフ Kuznetsov NK-87 ターボジェット×8,
推力 127.4 kN (28,600 lbf)
速度: 297 kn (550 km/h; 342 mph)
航続距離: 1,000 nmi (1,900 km; 1,200 mi)
搭載重量: 100 t
乗員:士官6,下士官9
レーダー: プルチャス Puluchas search radar
武装: SS-N-22「サンバーン Sunburn」対艦ミサイル×6,23
mm PI-23 連装機銃×2
装甲なし
ちなみにサイトをあちこち見て回ると,проекта
902Rという記述と,проекта 903という記述の両方があり,真偽不明.
数だけで言えば,後者が優勢だが.
【参考ページ】
http://en.wikipedia.org/wiki/Lun-class_ekranoplan
http://ru.wikipedia.org/wiki/Лунь_(экраноплан)
http://igor113.livejournal.com/51213.html
http://www.newsru.com/russia/22nov2011/ekranoplan.html
http://ship.bsu.by/print.aspx?guid=102786
【ぐんじさんぎょう】,2012/04/06 20:40
を加筆改修
object903
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滝部 in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2012年02月27日
表面効果を利用した軍事舟艇があるなんて知りませんでした.
感激・感心しました・・・.
デザインカッコイイ・・・.(感涙
輝晶石(仮) in mixi,2012年03月25日 23:21
ターボジェット×8って,明らかに効率悪いような…
改修されずに退役しちゃったんですねぇ.
おいなり in mixi,2012年03月26日 00:33
【珍説】
「中国,怪鳥艇導入」???
かれこれ4年前の2001年8月9日,こんなニュースが報道された事が有ったが・・・(ちなみに,サンケイだけが(笑))
http://maneuver.s16.xrea.com/diary/
■超低空で時速700キロ 「怪鳥艇」技術を導入 中国
ロシア支援 台湾攻略視野に?
【ワシントン8日=古森義久】
中国が水面上の超低空を高速で飛ぶ大型の特殊飛行艇の技術をロシアから導入し,国内で製造する見通しが八日までに明らかにされた.
同飛行艇は日本では「怪鳥艇」としても知られ,兵員二百五十人を乗せて時速七百キロ以上で走るとされる.
中国側ではこの新兵器を台湾攻略の手段にも使う意図とみられ,「怪鳥艇」は台湾海峡の軍事バランスをも崩しかねない.
この特殊飛行艇は,ロシアが旧ソ連の一九六〇年代から軍民両用に開発を断続的に進めてきた海上輸送機で,物体の翼による揚力が,地表に近いと強くなる原理を利用した点から,国際的には「表面効果翼艇」(WISE)と呼ばれる.
旧ソ連では強襲揚陸艇オルリヨーノク(ワシの子)とかエクラノプラン(表面翼)と呼ばれたが,日本では作家の深田祐介氏が小説「蘇る怪鳥艇」で主題として命名した「怪鳥艇」が通俗の呼称ともなった.
日本での表面効果翼艇研究の権威の久保昇三・鳥取大学教授によると,同翼艇はホーバークラフトに似ているが,同翼艇が翼の効果だけで飛ぶのに対し,ホーバークラフトは機体下に高圧空気の囲みをつくる点で異なるという.
中国の軍事動向を研究している「漢和情報センター」(本部・トロント)が,八日までにロシアの軍事産業筋から得た情報として公表したところによると,中国の人民解放軍はロシア側からの技術支援を得て,この表面効果翼艇を広州地区で製造するための作業に着手した.
中国がどんなタイプの同翼艇を生産するかはまだ不明だが,ロシアはこれまで輸出用に百四十トンの中型を建造しており,中国側では三百七十トンと四百トンの大型二機の製造を意図しているという.
この種の大型は最高時速七百キロ以上,兵員二百五十人の輸送が可能とされ,旧ソ連はすでに海上発射ミサイルのSSN22の同翼艇搭載に成功している.
漢和情報センターによると,中国側の「怪鳥艇」国内生産の最大目的は台湾攻略能力の向上であることが明白で,海面上の数メートルから数十メートルを飛ぶ同艇は,レーダーで探知される確率も低いため,台湾防衛には大きな脅威になるだろうという.
なお中国では同翼艇は「天翼」とか「天鵞」と呼ばれ,民間用の二十人乗り中型が昨年すでに試乗公開された.
http://www.sankei.co.jp/html/0809side011.html(註:現在はリンク切れ)
【事実】
ガセと思われ(笑)
旧ソ連が,「カスピ海のモンスター」と呼ばれる海面効果翼艇(表面効果翼艇,地面効果翼艇とも呼ばれる.
あと,「艇」ではなく「機」と呼ばれる事も有る)の開発を進めていたのは事実だが,結局,実用化には至らずにソ連邦自体が消滅した.
試作された海面効果翼艇にしても,本当に(実戦で)使い物になるかどうかは疑問.
「カスピ海のモンスター」の代名詞とも言える揚陸用海面効果翼艇・プロジェクト904「オリョーノク」型は,1970年代に開発がスタートし,100隻以上量産の計画が立てられたが,実際には3隻しか造られなかった.
しかも,このうち1隻はテスト中の事故で全損している.
そもそも,旧ソ連の海面効果翼艇は,カスピ海でしかテストされていない.
本気で実用化するのならば,北海方面や極東方面でもテストされてもおかしくはないだろう.
まさか旧ソ連は,仮に予定通り「オリョーノク」を100隻以上量産したとして,それらを全てカスピ海に配備するつもりだったわけではあるまい?
「機密保持の為にカスピ海でのみテストしたのだろう」
などと言われるかもしれないが,それならば,黒海沿岸のフェオドシア基地(旧ソ連海軍の新型兵器実験用基地)の存在をどう説明するのか?
なぜ,旧ソ連の海面効果翼艇は,フェオドシア基地でテストを行わなかったのか?
否,「出来なかった」のではないか?
現在,稼動状態にある唯一の海面効果翼艇である対艦攻撃用プロジェクト902「ルーン」型も,カスピ海小艦隊に配備されている.
同型は,ソブレメンヌイ級にも搭載されている超音速対艦ミサイル「モスキート」(SS-N-22)を搭載するが,いったい,カスピ海に強力な打撃力を持つ超音速SSM搭載艇を置くことに何の意味が有るのか?
なぜ,他の艦隊に配備しないのだろうか?
「ルーン」にせよ,その前の「オリョーノク」にせよ,実際はカスピ海以外では,危なくて(怖くて),とてもじゃないが運用できないのではないか?
酷評すれば,「カスピ海のモンスター」は,「カスピ海でしか使えないヘタレなモンスター」だったと言える(笑)
旧ソ連ですら実用化出来なかった海面効果翼艇が,ロシアより遥かに劣る航空技術しか無い中国で,果たしてマトモなモノが造れるかどうかは甚だ怪しいだろう.
少なくとも,ロシアの「オリョーノク」をそのまんまコピーしたモノを造ったところで,東シナ海では使い物にならないだろうしね(笑)
ちなみに,当時,日本でこのニュースを取り上げたのは,サンケイと,「嫌中厨雑誌」(笑)SAPIOのみ.
軍事専門誌は完全無視だったコトからも,「デムパ記事」であるコトが伺えるだろう(笑)
まあ確かに,実際に建造されたら,上記の記事どおり「台湾海峡の軍事バランスをも崩しかねない」だろうね.・・・・・・・・・・・・・中国側が不利な方向に(笑)
こんな危なっかしいシロモノに,兵員250名を乗せて送り出すのは,「神風特別攻撃隊」と変わらないと思われ(笑)
【関連画像】
【質問】
ロシアにおける新しいエクラノプラーン計画について教えられたし.
【回答】
ソヴィエト連邦時代,ソ連海軍はカスピ海で海面効果翼艇(エクラノプラーン)を試作していました.
西側からは「カスピ海のモンスター」と呼ばれましたが,結局,実用化には至りませんでした.
それから20年以上の時を経て,ロシア連邦は再びエクラノプラーンを建造します.
・・・・企業救済および失業者対策および雇用創出策として・・・・
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【ロゴージンはエクラノプラーン計画を復活させ,カレリアで建造する】
モスクワ,1月26日-ロシア通信社ノーボスチ
エクラノプラーン-エアクッション動力高速船-の建造は,ペトロザヴォーツクで行なわれる予定であり,ロシア連邦保安庁は,その必要性を認めた.
木曜日,新聞「イズヴェスチア」は,政府関係者の発言を報じた.
先週金曜日,政府の防衛産業企業体の開発を統括するロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージンは,国防省の決定の手続きがあれば,ロシアはエクラノプラーン建造を再開できると記者団に語った.
「連邦保安庁境界科学研究センターは,境界警備におけるエクラノプラーンの必要性を認めた.これらのマシンは,河川及び海上境界線をパトロールし,違反者を逮捕する為に必要とされる」
新聞は報じた.
(エクラノプラーンの)建造は,現在,経営危機にあるペトロザヴォーツクの造船工場「アヴァンガールド」を拠点として開始される計画である.
「適度な大陸性気候は,年間を通してエクラノプラーンの試験が行なえます.
更に,オネガ湖からだけでなく,南方や北極海へのルートという点でも有利です.
加えて,もう一つメリットとなる要因が有ります.
カレリアの"労働者資源"であるペトロザヴォーツクの地元産業は造船業であり,そして,国防省関連部署の職員は削減されていますから」
「エクラノプラン」企業協会会長ユーリー・バラコソフは,『イズヴェスチア』に伝えた.
彼によれば,エクラノプランは,5000人以上を雇用する準備が出来ている.
(モスクワ時間2012年1月26日03時47分)
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今度のエクラノプラーンは,ロシア海軍ではなく,ロシア連邦保安庁国境警備隊向けとして建造されます.
決して「カスピ海のモンスター」を復活させる,という話ではありません.
しかも,この記事を読む限りでは,
「失業者対策」
「雇用創出」
「経営危機にあるアヴァンガールド造船所の救済策」
という面が強い計画のようです.
なお,日本ではエクラノプラーンを「飛行機」だと勘違いしている人が多いようですが,上の記事の通り,ロシアでは「艦船」судноとして扱われています.
今度のエクラノプラーンは,アヴァンガールド造船所で建造されますが,旧ソ連時代のエクラノプラーンも,ヴォルガ造船所で建造されていました.
ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課
2012/1/29(日) 午前 9:43
青文字:加筆改修部分
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