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◆◆◆◆◆タイフーン型
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<◆◆◆潜水艦
<◆◆装備
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ロシアFAQ目次


 【link】

「English Russia」◆(2009/04/14) World's Biggest Submarine

「カラパイア」◆(2009/04/19) 世界最大の潜水艦、ロシアの「タイフーン級原子力潜水艦」の船内画像

「六課」◆(2010/1/2) セヴェロドヴィンスクのタイフーン級原潜

新「六課」◆(2012/03/07) ロシア海軍はタイフーン級戦略原潜を近代化しない

「六課」ACS◆(2013/05/21) タイフーン級戦略原潜セヴェルスターリとアルハンゲリスクは除籍,解体される

「六課」ACS◆(2013/06/21) タイフーン級原潜はロシア新世代原潜の海洋試験をサポートする

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/6/09)  タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは出航した

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/6/19)  タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは帰港した

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/7/22) タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ戻ってきた


 【質問】
 ロシアのタイフ−ン型原潜て凄いの?

 【回答】
 タイフーン型は多重船殻構造で,ちゃちな魚雷では沈まないと言われている.
 ソ連原潜の欠点だった騒音も大幅に改善され,吸音タイルも装備されていて,見つけにくい,沈めにくい,そして20発のSLBMを発射できる,優れた戦略原潜といえる.

 また,浮上時ですら2万トンをはるかに超える排水量は,潜水艦としてはもちろん,軍艦全体から見ても巨大の一言.
 潜航時排水量は48000トン!
 アメリカ軍の最新戦略原潜,オハイオ級は潜航時でも2万トン足らずだ.

 とはいえ,それだけ建造費が高くつくわけでもあるし,シリーズ6隻の就役は1981-1989で,すでに古くなって来てるけどね.

 ここに詳しいデータと絵があるよ.
http://naval-technology.com/projects/typhoon/index.html
http://naval-technology.com/projects/typhoon/specs.html

 この海軍技術のサイトはよくまとまってるし,範囲も広いし,探し易い.


 ホームページは,
http://naval-technology.com/index.html
ここから,INDUSTORY PROJECTSのリンクをたどると楽しい.

軍事板,2001/04/18(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 タイフーン型の正式名称は?

 【回答】
 プロジェクト941「アクラ」型.
 フツー,「"アクラ"型原潜」と言えば,ロシア最新の攻撃原潜を思い浮かべる人が多いよね.
 でも現実は上記の通り.
 当然ロシア側の資料では,タイフーン型を「"アクラ"型原潜」と呼称しているケースが多い.この点,注意が必要だね.

 このクラスが「タイフーン」のコード名を付けられたのは,元々,ソ連側の発表によるもの.
 同型の出現当初,西側はこのタイプを「シエラ」型と呼称するつもりだったが,当時のソ連邦軍参謀総長オガルコフ元帥が
「この度,新型原潜タイフーンが就役した」
と発表した,と伝えられたので,タイフーン型と呼ぶコトになった.
 が,繰り返すように,同型のロシア側名称は「アクラ」型だ.

 じゃ,「タイフーン」はナニ?というコトになるが,どうもコレは,「"アクラ"型戦略原潜」が搭載する弾道ミサイルの名前だったらしい.
 オガルコフ元帥は,おそらく,
「この度,"タイフーン"(ミサイル)を搭載した新型原潜が就役した」
と言ったのではないだろうか.
 それが誤って伝えられ,「"タイフーン"型戦略原潜」になってしまったのではないか?と推測される.

(夏光華(シア・クァンファ) i n FAQ BBS)


 【質問】
 なぜタイフーン型原潜は,あんな大型艦となったのか?

 【回答】
  「世界の艦船」2004年10月号(p.31)によれば,

 ソ連初の固体推進SLBMであるSS-N-20(射程4,500浬)を搭載するため.1基90tに達するこのミサイルを,タイフーン Typhoon 型は20基搭載している.
 かつ,氷海における浮上発射を可能とするため.

だという.

 しかし,肝心のSS-N-20の運用実績が芳しくなく,既に3隻が現役を退いている

というオチがついている.

 以下は岡部いさくによる,もう少し詳しい解説.

 ソ連は液体燃料のR-29シリーズよりも即応性が高い固体燃料の長距離射程複数弾道ミサイルを,多くの困難の末に開発し,1984年から実戦化した.
 これがR-39(SS-N-20)で,射程は4600浬,10個の弾頭を装備できるが,直径,全長共にR-29RMを上回る物となった.
 これを搭載する潜水艦も当然大型化せざるを得ず,従来からの配置では船型が過大になるため,全く新しい配置を採用した.
 2本の耐圧船体を左右に並べ,その中間の前部にミサイル発射筒20基を並べ,後部には発令所を含む,もう一つの耐圧部分を載せるというものである.
 こうして設計されたのがタイフーン Typhoon 型で,排水量は水上23,200t,水中48,000tと史上最大の潜水艦となった.
 この巨体と強固なセイル構造により,タイフーン型は北極海の,厚さ2.5mの氷を割って浮上することが可能であった.
 氷海では西側の水上艦艇や対潜哨戒機による探知を受け難く,しかも巨大なタイフーン型は魚雷1,2本の命中では撃沈されにくいため,タイフーン型の出現は西側にとっては大きな脅威であった.
 巨大なだけあって,タイフーン型の居住性は非常に高く,艦内にはサウナやプールまで設けられていた.

 タイフーン型は1976〜85年に6隻が起工され,1982〜1990年に就役した.
 当初の構想では20隻を建造するはずだったが,R-39はアメリカのトライデントに比べて性能が劣るとされ,建造経費も高価だったために6隻で打ち切られた.
 運用経費も高くつき,冷戦後のロシア体制では予算が得られず,既に1隻が除籍され,3隻が予備役となり,現役とされているのは1隻のみという.

( from 「世界の艦船」2004年10月号,p.86-87)


 【質問】
 タイフーン型原潜の原子炉について教えられたし.

 【回答】
 ▼VM-4S加圧水型原子炉2基.
 OK-650VV加圧水型原子炉2基.▲
 タービン出力,50,000馬力×2

 タイフーン型の船体は耐圧殻を2本平行に並べており,原子炉は左右の船体に1基ずつ納められている.
 原子炉区画や魚雷発射管室,発令所はそれぞれ完全に独立し,それらを耐圧の通路が結ぶ構造になっている.
 原子炉は第3世代で,出力に比してコンパクトになり,モジュール化された各機器は2段式サスペンションで支持されることにより,静粛性も向上した.
 また,万一電力が失われても,自動的に原子炉を冷却するシステムや,場合によっては停止させる総合コントロール装置が開発され,安全性を高めている.

 【参考ページ】
『ソ連/ロシア原潜建造史』(A.V.ポルトフ著,海人社,2005.11.15),p.136-137

※ 原文ママ.「ブロック化」が適訳か?

【ぐんじさんぎょう】,2010/02/07 23:00
に加筆改修

 空中戦艦マイティジャックですね,判ります.

新所沢の三等兵◆Uk in mixi,2010年02月05日 23:25

 ブロック化とするか,モジュール化とするか,この場合は原子炉そのもののお話しではありませんので,どちらでも構わないかと考えます.
 まあ,振動を吸収する支持構造物でそれぞれ支えられていることを考えると,どちらかと言えばブロック化の方が適訳でしょうが,原文を間違いとして修正する必要まではないと考えます.

へぼ担当 in mixi,2010年02月06日 00:22

▼>VM-4S加圧水型原子炉

 ・・・・あのー,ココは笑うところですか・・・・?(笑)
 「VM-4S」は,第2世代原潜デルタIII級(プロジェクト667BDR)の原子炉なんですけど・・・・

 それに,「VM-4S」の「タービン出力」は20,000馬力ですが・・・
 「50,000馬力」って,ギャグで書いているんですか・・・・?(笑)

 つーか,『ソ連/ロシア原潜建造史』の記述にしては,御粗末過ぎるね.
 『世界の艦船』編集部は,この間違いに気が付く・・・・筈が無いよね(笑)

[ソ連/ロシア海軍の潜水艦用原子炉の系譜]
 プロジェクト941(タイフーン級)の原子炉は「OK-650VV」です.

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/2/23(火) 午後 5:16


 【質問】
 タイフーン型は何隻建造されたのですか?

 【回答】
 タイフーン型戦略原潜として知られている,史上最大の潜水艦(水中排水量48,000トン!)プロジェクト941重原子力戦略任務ロケット潜水巡洋艦「アクラ」型は6隻建造されています.

 941型全艦リスト

★TK-208「ドミトーリー・ドンスコイ」 → 別項へ

★TK-202
1983年12月28日就役,既に退役,解体.

★TK-12
1984年12月27日就役,既に退役.

★TK-13
1985年12月29日就役,既に退役.

★TK-17「アルハンゲリスク」
1987年11月6日就役.1992年,弾道ミサイル搭載作業中に火災発生,船体損傷.
2004年初頭に行われた戦略原潜のミサイル発射演習においてプーチン大統領が乗艦し,演習を視察.
既に予備役編入.

★TK-20「セヴェルスタル」
1989年9月4日就役

★TK-210
建造中止

 現在,「Google Earth」でタイフーン型6隻全てを見ることができます.
 ザーパドナヤ・リッツァ基地ニェールピチャ湾には現役艦3隻(ドミトリー・ドンスコイ,アルハンゲリスク,セヴェルスタル)が,
 セーヴェロドヴィンスク市には退役艦3隻(TK-202――解体中――,TK-12,TK-13)が係留されています.

941型の写真
http://tuku.military.china.com/military/html/3/32/102/3-32-102-330_1.html

シア・クァンファ in mixi

▼ 写真は,ザーパドナヤ・リッツァのニェールピチャ湾に停泊する5隻のプロジェクト941(タイフーン型)戦略原潜.
(ニェールピチャ湾 http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/28076805.html)

 撮影時期は不明ですが,以下の941型6隻の行動記録から推察すると・・・

[TK-208]1981年12月29日就役,1982年12月22日配備
1989年9月,改装のためセヴマシュ造船所へ回航

[TK-202]1983年12月28日就役,1984年1月18日配備
1989〜1994年,ズヴェズドーチカ工廠で修理
1995年3月,ニェールピチャ基地へ戻る
1999年8月,セヴマシュ造船所へ回航,そのまま除籍

[TK-12]1984年12月26日就役,1985年1月15日配備
1991年9月,セヴマシュ造船所へ回航
1998年,ニェールピチャ基地へ戻る
2005年,解体の為セヴマシュ造船所へ回航

[TK-13]1985年12月26日就役,1986年2月15日配備
2007年,解体の為セヴマシュ造船所へ回航

[TK-17]1987年12月15日就役,1988年2月19日配備
2002年,修理の為セヴマシュ造船所へ回航

[TK-20]1989年12月19日就役,1990年2月28日配備
2001年,修理の為セヴマシュ造船所へ回航

……というわけで,5隻がニェールピチャ基地に揃っている時期は,1998年後半〜1999年7月末に限られており,この期間に撮影された写真でしょう.

 ニェールピチャ湾に停泊する941型を撮影した写真は結構ありますが,たいていは2,3隻程度しか停泊しておらず,5隻も停泊している写真は珍しいでしょう.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/25(日) 午後 7:33

 【関連リンク】

「カラパイア」:【画像】 世界最大の潜水艦,ロシアの「タイフーン型原子力潜水艦」の船内画像

「ワレYouTube発見セリ」:Русская Акула (ロシア海軍,941型タイフーン級戦略ミサイル搭載原子力潜水艦)


 【質問】
 「ドミトリイ・ドンスコイ」とは?

 【回答】
1)
 ドミトリイ・ドンスコイ(ドン河のドミトリイ)ことドミトリイ・イヴァーノヴィチは,第4代モスクワ大公(在位1359年〜1389年)
 即位してまもなく,トヴェリ公国の侵攻を受けたが,これを撃退.
 このとき9歳.
 1368年にはトヴェリ公国とリトアニア大公国の侵攻を撃退.
 1380年には,ママイ・オルダの支配者ママイを,クリコヴォの戦いで破り,ロシアが「タタールのくびき」から脱却する最初のきっかけとなった.
 しかしその後,ママイを滅ぼしてジョチ・ウルスを再統一したトクタミシュ・ハンによって,モスクワは占領され,ドミトリイはトクタミシュに対し,改めて臣従を誓うこととなったとさ.

2)
 ロシア帝国海軍の沿岸防衛用の装甲フリゲート.
 1886年,就役.
 常備排水量5,683トン
 最大速力16.0ノット
 主砲:20.3cm単装砲2基,後に15.2cm(45口径)単装砲6基
 同型艦なし.
 沿岸防備用のはずだったのに,極東まで回航されて日本海海戦に参加.
 最後は鬱陵島付近で自沈した.

3)
 タイフーン型戦略原潜として知られている,プロジェクト941重原子力戦略任務ロケット潜水巡洋艦「アクラ」型の1番艦.

 1976.7.30 起工
 1981.12.12,TK-208の名で就役.
 1982年12月,海軍旗掲揚
 1983年1月から作戦配備.
 1989年9月20日,セヴマシュへ回航,バルク(R-39M)を搭載する941U改装へ着手
 1991年,改装中止
 1996年,ブラヴァーMを搭載する941UM改装へ着手
 2002年6月26日,941UM改装工事終了
 2002年6月30日,海上テスト開始
 2002.7.26 北方艦隊再編入.
 2002.10.7 「ドミトリー・ドンスコイ」の名を与えられる.
 翌2003年も引き続き海上テスト続行
 2005年9月,ブラヴァーM海上発射テスト成功
 2003年,現役復帰.
 新開発の弾道ミサイル「ブラーワ」の試験艦として各種テストに従事.

「Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜」2008/1/22(火)
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜2008/5/25(日)
青文字:加筆改修部分

 新型潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験に従事していましたが,今度は,別の試験を行なう為の試験艦となり,現役に留まり続けます.

--------------------------------------------------------------------------------
【原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」は新たな原子力潜水艦の為の試験に従事する】
モスクワ,12月2日-ロシア通信社ノーボスチ,セルゲイ・サフロノフ

 「ブラヴァー」ミサイルの発射試験用に近代化された,戦略原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」(プロジェクト941UM)は,海軍の軍備として留まり,セヴェロドヴィンスクで新型潜水艦の為の試験に参加する.
 「セヴマシュ」および海洋工学中央設計局「ルビーン」総取締役アンドレイ・ジャチコフは,ロシア通信社ノーボスチのインタビューで語った.

 潜水艦は,「ブラヴァー」試験の為に特殊な近代化が行われた.
 この兵器の専用キャリアである原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」(プロジェクト955「ボレイ」)は,工事が完成している.

「ドミトリー・ドンスコイにおけるこれらの試験は完了しており,従って,再利用が可能であると考えております・・・
 我々は,この艦が白海海軍基地を拠点にし,新たに建造される潜水艦の為の試験を目的とする工事を,再び実施する事で,国防省と合意いたしました」
と,ジャチコフは言った.

 彼は,試験を実施する必要のある問題が,幾つか存在する事を説明した.
 それは,言わば「潜水艦から潜水艦」の作業である.
「これは,水中音波ステーション(ソナー)の検査と,兵器の検査です.
 このモードでは,試験の為に,潜水艦からの視点が必要です.
 以前,このような目標は,習慣として,北方艦隊の戦闘当直から外れている潜水艦が来ていました」
と,ジャチコフは言った.

 彼は,現在「ドミトリー・ドンスコイ」は,「ブラヴァー」試験場としての作業を完了した事を強調した.
 ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は,この先,同艦がセヴェロドヴィンスクを基地とする事に同意した.

「同プロジェクトの残り2隻の潜水艦-"アルハンゲリスク"と"セヴェルスターリ"-は,セヴェロドヴィンスク港に配置されております.これらの艦の処遇は,まだ決まっていません」
ジャチコフは言った.

[後略]
--------------------------------------------------------------------------------

 タイフーン級は,これまでに何度も退役,解体の話が出ていました.
 今年9月末にも,2014年に全て除籍されるという情報が流れましたが,国防省は即座に否定しました.

2011年9月29日20時52分配信
【潜水艦「アクラ」解体の決定は無い-国防省】
モスクワ,9月29日-ロシア通信社ノーボスチ

 少なくとも「ドミトリー・ドンスコイ」は現役に留まり続けます.

ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課
2011/12/4(日)

 【参考ページ】
加筆改修に関し,
Дмитрий Иванович Донской - Википедия
Дмитрий Донской (подводная лодка) - Википедия
Russian submarine TK-208 Dmitri Donskoi - Wikipedia, the free encyclopedia
を参照した.


 【質問】
 戦略原潜「アルハンゲリスク」について教えられたし.

 【回答】
http://www.severnyflot.ru/news.php?extend.754
によれば,プロジェクト941「アクラ」型,西側が呼称するところのタイフーン型で,1987年11月6日就役.
 1987年12月,海軍に引き渡され,北方艦隊所属となった.
 当初の艦名は「TK-17」.

 1992年,弾道ミサイル搭載作業中に火災発生,船体損傷.

 アルハンゲリスク市が(TK-17に対する)多大の支援を決定したことから,2002年12月,ロシア連邦海軍総司令官によって「アルハンゲリスク」と命名された.

2004年2月に行われた戦略部隊演習において,ロシア大統領ウラジーミル・プーチンが「アルハンゲリスク」に乗艦.
2007年10月7日には,「アルハンゲリスク」の将校達は,国家元首の55歳の誕生日パーティーに招待された.

2007年12月2日,艦の就役20周年及び「アルハンゲリスク」命名5周年の記念日を祝う行事が,ザオゼルスク市役所で行われ,潜水艦の乗組員は代表団より贈り物を受け取ったという.

 ザオゼルスク市Заозёрскは,TK-17が駐留するザーパドナヤ・リッツァ海軍基地が所在する閉鎖都市で,人口は2005年1月1日現在で13,075人です.

 TK-17アルハンゲリスクは,2002年1月8日から11月9日に掛けてセヴマシュ(セヴェロドヴィンスク造船所)で改修が行われており,艦自体は行動可能状態に維持されているようです.

 ただ,搭載ミサイルR-39は既に運用期限を過ぎているので,事実上の予備役といって宜しいでしょう.
(弾道ミサイルの無い戦略原潜なんて・・・・)


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/3(月) 午前 7:06

青文字:文章改修部分

 【関連リンク】
「六課」:タイフーン型原潜「アルハンゲリスク」はセヴェロドヴィンスクに回航された


 【質問】
 タイフーン型の現状は?

 【回答】
 タイフーン型のコード名で知られるプロジェクト941アクラ型戦略任務重原子力海中巡洋艦(ТАПКСН)
 同型は6隻が就役しましたが,3隻は除籍,うち2隻は解体されています.

 現在もロシア海軍籍に有る3隻の状況は,以下の通りです.

【TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」】(1981年12月29日就役)

1989年9月20日,セヴマシュへ回航,バルク(R-39M)を搭載する941U改装へ着手

1991年,改装中止

1996年,ブラヴァーMを搭載する941UM改装へ着手

2002年6月26日,941UM改装工事終了

2002年6月30日,海上テスト開始
翌2003年も引き続き海上テスト続行

2005年9月,ブラヴァーM海上発射テスト成功


【TK-17「アルハンゲリスク」】(1987年12月15日就役)

2002年1月8日〜11月9日,セヴマシュで修理

2003年10月15日,カムチャツカ(クラ)へミサイル発射

2004年2月17日,ロシア大統領ウラジーミル・プーチン乗艦

2004年4月29日,予備役

「ブラヴァーM」を搭載する941UM改装が計画されている.

【TK-20「セヴェルスターリ」】(1989年12月19日就役)

2001年10月〜2002年12月,セヴマシュで修理

2004年4月29日,予備役

「ブラヴァーM」を搭載する941UM改装が計画されている.


 3隻は,ニェールピチャ湾を母港とする第18潜水艦師団に所属しています.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/28076805.html

 改装されたTK-208は無論の事,TK-17とTK-20も,2000年代初頭に修理を受けており,艦の状態は良好のようです.

 新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルキーの初代艦長コンスタンチン・ミトキン氏(1969年生まれ)は,艦長に任命される前は,ずっとTK-17で勤務しておりました.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/24971635.html

 改装済みのTK-208の他,TK-17とTK-20の2隻も「ブラヴァーM」搭載艦(941UM)に改装する計画が有り,当面はロシア海軍に留まり続けるようです.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/25(日) 午前 11:25


 【質問】
 「タイフーン」型「セヴェルスターリ」について教えられたし.

 【回答】
 プロジェクト941「アクラ」戦略任務重原子力海中巡洋艦(ТАПКСН)TK-20「セヴェルスターリ」ТК-20"Северсталь"
 西側では,「タイフーン」型のコード名で知られる史上最大の潜水艦です.
 本艦は,その「タイフーン」型の最終艦になります.

 「セヴェルスターリ」は,ロシアの鉄鋼会社です.
http://www.severstal.com/

1985年1月12日,海軍籍登録
1985年8月27日,起工
1989年4月11日,進水
1989年12月19,日就役
1990年2月28日,北方艦隊の第18潜水艦師団へ配属.
1995年8月25日,北極海でR-39弾道ミサイル発射テスト.
1999年7月24日,セヴェロモルスクでパレードに参加.
2000年5月31日,株式会社「セヴェルスターリ」は,TK-20と支援協定を締結.
2000年6月20日,ロシア海軍総司令官,TK-20を「セヴェルスターリ」と命名.
2001年10月〜2002年12月,セヴマシュで修理
2004年4月29日,予備役
2004年8月,セヴマシュへ回航
2007年8月,当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・マソリン上級大将は,在籍する941型を,2015年までに「ブラヴァーM」搭載艦へ改造する意向を明らかにした.
2008年1月18日,株式会社「セヴェルスターリ」は,2008年もTK-20への後援を継続する事で同意.

 そして今も,「セヴェルスターリ」は第18潜水艦師団に所属し,ニェールピチャ湾に駐留しています.

 上述のように,弾道ミサイルを「ブラヴァーM」に換装する941UM改造を行なう構想は有りますが,まだ実行に移されてはいません.









Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/4/13(日) 午後 7:39


 【質問】
 「タイフーン」型の輸送船改造案について教えられたし.

 【回答】
 ロシア海軍の「タイフーン」型弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)(プロジェクト941重戦略任務原子力ロケット潜水巡洋艦)は,既に3隻が除籍され,2隻が解体されています.

 同級は運用コストの高さもあって,1990年代後期から活動は不活発となり,90年代末には動ける艦は2隻だけ(TK-17とTK-20)という有様でした.

 そこで事実上退役状態にある941型戦略原潜の「民間転用」策として,輸送船への改造案が出てきました.

 これは,ロシアのニッケル採掘企業「ノリルスク・ニッケル」の原子力砕氷/潜水輸送船として,シベリア地方のドゥディンカ(Дудинка)-ディクソン(Диксон)からムルマンスクまでニッケル鉱石輸送を行なうというものでした.
 このルートは,原子力砕氷船アルクチカ級で航路を啓開しながらニッケル鉱石を輸送する必要がありました.
 つまりニッケル鉱石を運ぶには,原子力砕氷船と鉱石輸送船が必要となるのですが,941型戦略原潜改造の潜水(砕氷)輸送船を造れば,原子力砕氷船は要らなくなるから,その分,輸送コストは安くなるだろう,と考えられたわけです.

 この941型戦略原潜改造輸送船は,
"Подводное Транспортное Судно"(Submarine Cargo Vessel)
と呼ばれていました.

 941型戦略原潜を設計したルビーン設計局が作成した設計案(上の図面)によると,同型の弾道ミサイル発射筒及び魚雷発射管区画を撤去し,代わりに鉱石搭載スペースを設け,船首を砕氷構造にする予定でした.
 鉱石搭載量は15,000tです.
 改造費用は1隻当たり約8,000万ドルと見積もられていました.

 当時,ロシア海軍は財政難に喘いでおり,「副業」として貨物輸送の「アルバイト」をする弾道ミサイル原潜まで居る有様だった事もあり,戦略原潜を輸送船に改造するアイディアが出てくる素地は有ったと言えます.

 しかし,海軍が運用コストの高さから手放す巨大原潜を,民間企業が運用して採算が取れる筈が無く,構想倒れに終わりました.




Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/9(金) 午後 9:19

 ちょっと残念.


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