c

「欧露別館」トップ・ページへ   サイト・マップへ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   本館サイト・マップへ

◆◆◆◆◆キロ型
<◆◆◆◆艦型別
<◆◆◆潜水艦
<◆◆装備
<◆海軍 目次
ロシアFAQ目次


こちらから引用


 【link】

「六課」◆(2009/10/9) アドミラルティ造船所は,キロ級を近代化する

「六課」◆(2012/1/25) キロ級潜水艦,宗谷海峡を西進

「六課」◆(2012/02/23)キロ級潜水艦,宗谷海峡通過(2012年1月21日)・続報

新「六課」◆(2012/03/20)ロシア海軍潜水艦ノヴォロシースクは2013年末に進水する

新「六課」◆(2012/05/28) 北方艦隊のキロ級潜水艦カルーガは再進水した

新「六課」◆(2012/08/12) プロジェクト06363潜水艦スタリー・オスコルは8月17日に起工される

新「六課」◆(2012/08/16) 改キロ級潜水艦スタリー・オスコルは8月17日に起工される

新「六課」◆(2012/08/18) プロジェクト06363潜水艦スタリー・オスコルは起工された

新「六課」◆(2012/08/22) ポンプジェット潜水艦アルローサは黒海へ戻る

新「六課」◆(2012/08/28) ポンプジェット潜水艦アルローサは英仏海峡を通過した

新「六課」◆(2012/09/05) ポンプジェット潜水艦アルローサはスペインのセウタを訪問した

新「六課」◆(2012/09/07) ポンプジェット潜水艦アルローサはスペインのセウタ港を出港した

新「六課」◆(2012/09/22) ポンプジェット潜水艦アルローサはセヴァストーポリへ戻った

「六課」ACS◆(2013/02/18) ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは2013年に進水する

「六課」ACS◆(2013/05/15) 北方艦隊のキロ級潜水艦5隻は2020年までに修理される

「六課」ACS◆(2013/05/15) 改キロ級潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは2014年に就役する

「六課」ACS◆(2013/06/13) キロ級潜水艦カルーガは6月13日に航海試験へ出発する

「六課」ACS◆(2013/07/24) プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクとロストフ・ナ・ドヌーの艦長が任命された

「六課」ACS◆(2013/08/14) ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは2013年11月に進水する

「六課」ACS◆(2013/11/08) プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは2014年6月末にロシア海軍へ引き渡される

「六課」ACS◆(2013/11/28) プロジェクト06363(改キロ級)潜水艦ノヴォロシースクは進水した

「六課」ACS◆(2014/01/04) 新たなプロジェクト06363潜水艦はヴェリキー・ノヴゴロドと命名された

「六課」ACS◆(2014/01/30) ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは2014年2月下旬に起工される

「六課」ACS◆(2014/02/20) プロジェクト06363潜水艦クラスノダールは起工された

「六課」ACS◆(2014/02/20) プロジェクト06363潜水艦は2015年に黒海艦隊基地へ到着する

「六課」ACS◆(2014/02/22) プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはバルト海での海洋試験を準備する

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/03/13) プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルの乗員団が編成される

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/5/28) プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクの航海試験が始まった

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/6/12)  ロシア海軍北方艦隊のキロ級潜水艦ヤロスラブリは2015年から近代化改装を開始する

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/6/22)  ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦(改キロ級)2隻は2014年6月末に進水する

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/6/25)  プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは最初の航海試験を終えた

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/6/27)  ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは近代化改装を行なう

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/8/8) ロシア黒海艦隊の為の1隻目のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは2014年8月22日に就役する

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/8/19) プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは2014年8月22日にロシア海軍へ就役する

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/8/23) プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは北方海域で深海試験を行なう

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/8/24) ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは係留試験を開始した

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/9/14) 元ウクライナ海軍潜水艦ザポリージャ艦長はロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の艦長に任命されるかもしれない

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/9/17) プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア黒海艦隊へ編入された

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/10/30) ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは起工された

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/10/19) ロシア海軍潜水艦,スウェーデン首都沖に出現?


 【質問】
 中国も導入しているキロ型潜水艦って,どの程度のものなのか?

 【回答】
 一言で言えば「優秀な平凡作」.
 ディーゼル潜水艦の「西の横綱」がドイツの209型シリーズなら,「東の横綱」はキロ型,と言ったところか.

 キロ型の正式名称は,プロジェクト877「パルトゥース」型と言うが,ロシアにおいては「ワルシャヴァンカ」型という呼び名の方が広く用いられている.

 「ワルシャヴァンカ」型は,大きく分けて,以下の4タイプが有る.(この他にもサブタイプが幾つか有るが省略)
・877:ロシア(ソ連)海軍向けの基本型
・877EKM:輸出用ダウングレード版
・877(4B):ロシア海軍向け後期型
・636:4Bの輸出用バージョン
 変り種としては,あまりというか全然知られていないが,試験的にポンプジェット推進を導入した877V型が1隻だけ建造されている.
(現在,ロシア黒海艦隊所属のB-871)

 877(4B)と636をゴッチャにしている資料が多いようだが,上記のように,まったくの別物.
 なぜゴッチャにされるようになったのかと言うと,1997年のタイ国際兵器見本市に,ロシアが877(4B)のBN-529を,636の「見本」として「出品」したためと思われる.
 この時点では,ホンモノの636は,中国向けにロシア国内で建造中だったので,タイまで持ってきて展示する事は不可能だね.

 1番艦の就役が1982年で,最終艦は1994年頃の就役.
 輸出型の最新版636は1998年の就役.
……といった具合に,長期間に渡り改良されながら建造されてきたタイプなので,初期型と最新型では,かなり能力に差が有ると見るべきだろう.
 1980年代の艦,といって侮っちゃいけません.
(そんなコト言ったら,1番艦が1976年就役で,今なお米海軍原潜の主力であるロサンゼルス級も「旧式艦」という理屈になる(笑))

 速力や航続距離などと言った,目に見えるスペックはショボイが,数字には表れない静粛性には優れている.
(スペックだけ見れば,「ワルシャヴァンカ」よりも旧日本海軍の水中高速潜水艦伊二〇一型の方が速いし,航続距離だって,旧日本海軍の巡潜型や海大型の方が長い(笑))
 自国近海で敵の潜水艦とかを待ち伏せするのには最適の艦と言える.
(逆に言えば,外洋での攻勢任務には不向き)

 兵装は基本的には魚雷のみで,533mmウェーキ・ホーミング魚雷(航跡追尾魚雷)も運用可能.
 イランには,「ワルシャヴァンカ」と533mmウェーキ・ホーミング魚雷がセットで売られ,さらにイランが,米海軍が見ている鼻先で,これ見よがしにウェーキ・ホーミング魚雷の発射訓練を行って見せ,アメリカの神経を逆撫でしたコトもあった.
 ちなみに,巷で話題の「シュクヴァール」の運用能力は無い模様.

 さらに今後,インドと中国の「ワルシャヴァンカ」には,ロシア版GPSのGLONASSで誘導される対艦巡航ミサイル「クラブS」(射程300km)の運用能力が付与される.
 インドの艦は,最終艦が新造時から搭載,それ以前の艦は,ロシアで順次改装工事を行って搭載される.
 中国の艦は,今後就役する8隻は新造時から搭載,既に就役済みの4隻には,今後導入される.
 これにより,潜水艦のみならず,水上艦艇にとっても「怖い存在」になる.

 中国海軍は,導入当初,「ワルシャヴァンカ」を使いこなせずにトラブルが続出していたが,これは,今まで博物館行きの超骨董品潜水艦を使っていたのに,いきなり「最新鋭艦」を導入したための技術ギャップと,本来,このような新鋭艦を導入する場合,乗員予定者を全員ロシアに派遣してみっちり訓練すべきなのに,将兵の派遣費用をケチって艦長予定者や一部の幹部予定者だけを留学させたために,末端の乗員が操作に慣れていなかった事などが挙げられよう.
 軍艦は,艦長以下乗員が一体とならなければ,まともに動かせない.キャプテンだけ分かっていたってダメ(笑)

 さすがに,導入からかなり経っているので,最近ではどうにか使いこなせるようになった模様.
 ただ上記のように,基本的には「待ち伏せ用潜水艦」なので,これで日本近海まで行って海上自衛隊に挑むのは,不可能ではないが,極めて無謀な行為と言わざるを得ない(笑)
(つーかハッキリ言って,本型の長所を殺す自殺行為でしか無い)
 まあ,日本が再び中国本土上陸でも目論むのなら,「重大な障害」となって立ち塞がる事であろうが(笑)

 AIP搭載のオプションも有るけど,これは,船体を中央あたりでブッタ切り,その間に全長20mのAIP区画を挿入するというモノ.
 設計主任マカロフ技師曰く「私個人としては,あまりお勧め出来ない」とのコト.
 そこまで大規模な改造工事を行い,船体を延長してまでAIPを導入するのは割りに合わない,というコトだろうね.
 さすがにコレは,どこの国も導入していないし,今後も,誰も導入しないと思われ.

夏光華(シア・クァンファ) in FAQ BBS


 【質問】
 キロ型を使っている国を教えてください.

 【回答】
 ロシアを初め7ヶ国で使われている.

 プロジェクト877「ワルシャワンカ」型(キロ型)使用国一覧

・ロシア(24隻建造,5隻除籍)
・インド(10隻)
・ポーランド(1隻)
・ルーマニア(1隻)
・アルジェリア(2隻,更に2隻購入?)
・イラン(3隻)
・中華人民共和国(6隻就役済み,更に6隻購入予定)

★「ワルシャワンカ」の写真

・ロシア海軍
http://tuku.military.china.com/military/html/3/33/106/3-33-106-345_1.html
・中国海軍
http://tuku.military.china.com/military/html/1/13/182/1-13-182-443_1.html

 アメリカは,1995年に「潜水艦脅威の拡散」などというレポートを書いたくらい,「ワルシャヴァンカ」型の「拡散」に神経を尖らせていたものだが,さすがに今後,これ以上ユーザーが増える事は無いと思われ.

シア・クァンファ in mixi

 【関連リンク】

「六課」:輸出用のキロ型潜水艦は進水する

「六課」:セヴマシュ」は,2隻のキロ型潜水艦を建造する


 【質問】
 キロ型はロシア海軍向けには何隻作られたのですか?

 【回答】
 ロシア(旧ソ連邦)海軍の「ワルシャワンカ」全リスト

●現役艦

B-445:1988年1月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第19潜水艦旅団

B-187:1991年12月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第19潜水艦旅団

B-260:1981年12月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),太平洋艦隊・第19潜水艦旅団

B-345:1994年1月22日就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第19潜水艦旅団

B-494 :1990年12月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第182潜水艦旅団

B-190:1993年就役(アムール造船所),太平洋艦隊・第182潜水艦旅団

B-394:1988年12月就役(アムール造船所),太平洋艦隊 ・第182潜水艦旅団

B-402「ヴォログダ」:1984年12月就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),北方艦隊・第161潜水艦旅団

B-459「ウラジカフカース」:1990年9月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)北方艦隊・第161潜水艦旅団

B-471「マグニトゴルスク」:1990年12月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)北方艦隊・第161潜水艦旅団

B-800「カルーガ」:1989年9月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)北方艦隊・第161潜水艦旅団

B-808「ヤロスラヴリ」:1988年就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),北方艦隊・第161潜水艦旅団

B-177「リペツク」:1991年12月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)北方艦隊・第161潜水艦旅団

B-806:1991年就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),バルト海艦隊・潜水艦大隊

B-227:1983年2月23日(就役アムール造船所),バルト海艦隊・潜水艦大隊

B-871「アルローサ」:1990年12月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),黒海艦隊・第247潜水艦大隊

B-401「ノヴォシビルスク」:1984年10月30日就役(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所),2002年よりオーバーホール,北方艦隊

B-439:1986年12月30日就役(アムール造船所),2004年よりダーリザヴォートでオーバーホール,太平洋艦隊

B-340:2004年竣工?(クラースノエ・ソルモーヴォ造船所)

 このうち,
オーバーホール中のB-401「ノヴォシビルスク」,
B-439,
2004年にいちおう竣工したらしいB-340
以外の艦は稼動状態に有ると見て良いでしょう.
 各艦隊合計で16隻になりますね.

●退役艦

B-248:1982年9月就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2001年除籍

B-229:1983年10月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2002年10月除籍

B-404:1984年(?)就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2002年10月除籍

B-405:1984年12月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2002年10月除籍

B-464:1990年1月30日就役(アムール造船所),太平洋艦隊,2002年10月除籍

 「ワルシャワンカ」も,1990年代末から2000年代初頭には稼動率が落ち込み,リストにあるように,太平洋艦隊所属の877型が2001年~2002年に5隻除籍されております.
 太平洋艦隊のウラジオストク(ウリス湾)駐留潜水隊は,1998年には稼動隻数は2隻にまで減少し,「潜水艦大隊」に「格下げ」されたそうですが,その後,稼動隻数が増えた為か(4隻)「今現在」では「第19潜水艦旅団」なる部隊が存在しているようです.

 2002年に巡洋艦ワリャーグ,ミサイル艇R-29と共に横須賀を訪問したB-345も,「第19潜水艦旅団」所属です.

●仮番号艦

 上記の他,外国向けに建造された877型が,引渡し前,仮にロシア海軍のBナンバーを付与されていたケースも有ります.

B-888:インド海軍 S-55「シンドゥゴーシュ」
B-898:インド海軍S-56「シンドゥヴァジ」
B-860:インド海軍S-58「シンドゥヴィル」
B-804:インド海軍S-60「シンドゥケサリ」
B-468:インド海軍S-61「シンドゥキルティ」
B-597:インド海軍S-62「シンドゥヴィジャイ」
B-477:インド海軍S-63「シンドゥラクシャク」
B-470:インド海軍 S-64「シンドゥシャストラ」
B-175:イラン海軍「タレク」
B-224:イラン海軍「ヌール」
B-220:イラン海軍「ユネス」
B-185:中国海軍364号
B-188:中国海軍365号

 ネットなどで
「ロシア向けの877型は30隻以上造られた」
などと書かれているサイトが有りますが,それは,外国向け建造艦の仮のBナンバーもゴッチャにしている為と思われます.
 特に,イラン海軍向けの877に関しては,
「ロシア海軍の中古艦が引き渡された」
などと記されているサイトを目にしますが,事実は上記の通り.

シア・クァンファ in mixi


 【質問】
 キロ型潜水艦B-187について教えられたし.

 【回答】
 ロシア海軍のプロジェクト877ディーゼル・エレクトリック潜水艦B-187(Б-187)は,西側ではキロ型(Kilo class)というコード名で知られています.

 極東方面のアムール造船所で建造.
1991年5月7日起工
1991年10月5日進水
1991年12月30日就役

1992年,太平洋艦隊編入.ペトロパブロフスク・カムチャツキーの第182潜水艦旅団配属.

 本艦は,プロジェクト877後期建造型(4B型)です.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/10945814.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/15324588.html

 就役から5年後の1997年10月,本艦は,タイ国際兵器展示会 に「出展」されました.
 『世界の艦船』1998年(平成10年)1月特大号でも取り上げられています.
http://www.ships-net.co.jp/detl/199801/indexj.html
http://www.ships-net.co.jp/detl/199801/thai97j.html

 この時,本艦のタラップには「БН-529 РОССИЯ」と書かれており,これを見た西側観測筋は,本艦の名前を「BN-529"ロシア"」だと勘違いしてしまいました.

『グローバルセキュリティー』より
http://www.globalsecurity.org/military/world/russia/877-list.htm
>Project 636, NATO code "Kilo"(export type)
>1 BN-529 Rossiya display ship of Rosvoorouzhenie

「プロジェクト636の1番艦BN-529"ロシア"は,ロシア兵器輸出公社の展示艦である」
と記載されています.
 もちろん,これはウソです.

1998年,ウラジオストクのウリス湾の第19潜水艦旅団に転属.

 B-187は,現在,修理中です.

5~7枚目:B-187艦内


Небесный бытьネベスニィ・ビィチ~ロシア・ソ連海軍~
2008/7/2(水) 午後 9:09


 【質問】
 キロ型潜水艦B-227について教えられたし.

 【回答】
・B-227(Б-227):
極東アムール造船所で建造
1982年2月23日起工,
1982年9月16日進水,
1983年2月23日就役
 当初は太平洋艦隊へ配属され,1986年2月14日,バルト艦隊へ転属
2004年,オーバーホール
 ロシア海軍バルト艦隊の第123独立潜水艦大隊所属.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ~ロシア・ソ連海軍~
2008/5/24(土) 午後 8:29


 【質問】
 キロ型潜水艦B-806について教えられたし.

 【回答】
・B-806(Б-806)
:ロシア内陸部クラスノエ・ソルモヴォ造船所で建造
1984年10月15日起工,
1986年4月30日進水,
1986年9月25日就役
 黒海で公試が行われ,当初は黒海艦隊へ配属される予定だったが,就役後はバルト艦隊へ配備
2000~2003年,アドミラルティ造船所でオーバーホール
 ロシア海軍バルト艦隊の第123独立潜水艦大隊所属.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ~ロシア・ソ連海軍~
2008/5/24(土) 午後 8:29


 【質問】
 「アルローサ」について教えられたし.

 【回答】
 プロジェクト877Vの B-871「アルローサ」Б-871"Алроса"は,ロシア内陸部のゴーリキー(現ニジーニー・ノヴゴロド)にあるクラースノエ・ソルモーヴォ造船所で建造され,1988年5月17日起工,1989年9月進水,1990年12月30日に就役しました.

 水面上だけ見れば,他の877型(キロ級)と変わりませんが,写真で見ればお分かりの通り,艦尾だけが異なっています.

 ポンプジェット推進は,静粛性の点では有利ですが,推進効率は悪いので,パワーの有る原子力潜水艦向けと言えます.
 ディーゼル潜水艦877型にポンプジェットを付けたのは,単なる実験用です.

 1隻だけ建造された877V型は,黒海艦隊に配備されました.
 同艦隊は,ソ連邦時代には,各種新型機器の実験試作も行なっており,ウクライナのフェオドシヤ軍港には,ソ連海軍の新型機器実験センターが置かれていました.
 ポンプジェット試作艦が黒海艦隊に配備されたのも当然でしょう.

 黒海艦隊に配属されたB-871でしたが,配備から1年後にはソ連邦解体.本艦もロシア・ウクライナ間の「黒海艦隊帰属問題」に無関係で居られるはずも無く,おまけにバッテリーの調子が悪かった事も重なり,1990年代前半は,港に係留されたまま時を過ごしていました.
 まともに動けるようになったのは,1996年以降でした.

 この事が,例によって西側には曲解されて伝わり,
「ポンプジェット推進のキロ級は運用実績が悪かった」
などと誤解されている事が多いようです.

 2004年1月5日,B-871は,「アルローサ」の個艦名を付けられました.
 ちなみに,「アルローサ」は,ロシアのサハ共和国にある貴金属・宝石製品の会社名です.
「АК "Алроса"」
 ロシアの潜水艦には,地名を付けている艦が多いのですが,稀に企業名を付けているのも有ります.
 本艦以外では,タイフーン型原潜の「セヴェルスタル」も会社名です.

 なお,2005~2006年頃には,セイルの横に艦名の"АЛРОСА"が書かれていましたが,2007年の最新の写真(いちばん下)では見当たらず,消されたようです.
(会社名を宣伝していたんでしょうか?(^^;)

 ロシア海軍は,B-871以外にはポンプジェット潜水艦を建造していませんでしたが,今年4月15日に進水した新型戦略原潜ユーリー・ドルゴルキィ(955型)は,これまでの予想を覆すポンプジェット推進である事が判明しました.
 877V型のテストの成果が,ようやく日の目を見ることになったわけです.

1枚目:プロジェクト877V


2枚目:B-871のポンプジェット推進器


3枚目:航行中のB-871(2005年7月31日撮影)


5~7枚目:ドック入りしたB-871(2005年12月10日撮影)

Морские Силы~ロシア・ソ連海軍~
2007/4/28(土) 午前 11:29

 【関連リンク】

「ロシア・ソ連海軍」:今月のアルローサ(2008年6月23日)

「ロシア・ソ連海軍」:潜水艦B-871(1991年)

「ロシア・ソ連海軍」:潜水艦B-871「アルローサ」Б-871"АЛРОСА"

「ロシア・ソ連海軍」:潜水艦B-871「アルローサ」Б-871"АЛРОСА"その2

「ロシア・ソ連海軍」:ポンプジェット実験艦「アルローサ」近影(2008年1月25日)

「ロシア・ソ連海軍」:ポンプジェット実験艦「アルローサ」近影(2008年2月~3月)

「ロシア・ソ連海軍」:ポンプジェット実験潜水艦「アルローサ」近影(2008年4月)

「ロシア・ソ連海軍」:ポンプジェット潜水艦「アルローサ」近況

「六課」:ポンプジェット潜水艦「アルローサ」近影(2009年5月9日)

「六課」:ポンプジェット潜水艦「アルローサ」は,潜航試験を終えた

「六課」:ポンプジェット潜水艦「アルローサ」エンジントラブル・その4

「六課」◆(2010/2/5)ポンプジェット潜水艦「アルローサ」近影(2010年1月13日)


 【質問】
 潜水艦「カルーガ」とは?

 【回答】
 潜水艦B-800「カルーガ」は北方艦隊のディーゼル電気推進潜水艦です.
 サンクト・ペテルブルク海洋工学中央設計局「ルビーン」で設計されました.
 ニジニ・ノヴゴロドの「クラスノエ・ソルモヴォ」工場で,1987年3月5日に起工され,1989年5月7日に進水,1989年9月30日に当時のソ連邦海軍へ納入されました.

 「カルーガ」は,プロジェクト877LPMBと呼ばれるサブタイプに属しており,それまでの6枚羽根スクリューに代わり,7枚羽根スクリューが装備されました.
 続いて建造された,ロシア/旧ソ連海軍向けのプロジェクト877後期建造艦(4Bとも呼ばれる)8隻の,試験艦的な役割の艦です.
 就役時は黒海艦隊所属でしたが,1991年6月に北方艦隊へ転属しました.

 2002年,オーバーホールの為,セヴェロドヴィンスクの「ズヴェズドーチカ」へ回航されましたが,資金不足の為,実際には修理に着手される事はありませんでした.
 そのまま「ズヴェズドーチカ」に係留され続けた「カルーガ」は,2010年から待望の修理及び近代化作業が開始されました.

 「ズヴェズドーチカ」では,この他に北方艦隊所属のB-450「ウラジカフカース」の修理及び近代化が行なわれており,2014年末に再就役する計画です.

 ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より.
【プロジェクト877「パルトゥス」(NATO「キロ」)】
北方艦隊所属のキロ級潜水艦6隻のうち,B-401,B-800,B-459の3隻が修理中です.

 『Fotografersha』より.
【「ズヴェズドーチカ」で修理中の潜水艦】
写真1~12枚目が「カルーガ」
13~20枚目がインド海軍の「シンドゥラクシャク」
21~23枚目が「ウラジカフカース」です.

<性能要目>

水上排水量2300トン,
全長73メートル,
水中速力18ノット/時速33キロ,
自立行動期間45日,
潜航深度300メートル,
乗組員52名,
標準武装:口径533mm魚雷発射管6門

新「六課」,2012/04/12
青文字:加筆改修部分

▼ 『中央海軍ポータル(フロートコム)』より.

------------
【艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は潜水艦カルーガをドックから出渠させる】
2012年5月3日

 『中央海軍ポータル』が知る限り,艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は,5月26日にディーゼル電気推進潜水艦「カルーガ」をドックから出渠させる.

 ディーゼル電気推進潜水艦「カルーガ」は,この20年間で最初に近代化作業及び中規模修理が実施されたロシアのプロジェクト877ディーゼル電気推進潜水艦「ワルシャワンカ」である.

 同艦は2000年に「ズヴェズドーチカ」へ到着した後,約10年に渡り工場の岸壁で修理を待っていた.
 資金不足により,「カルーガ」の作業開始は10年遅れた.
 潜水艦の本格的な修理作業は,2010年から開始された.

 造船台から出渠し進水した後,同艦は水上で作業を続行する.
 2012年6月に「カルーガ」の係留試験が開始され,潜水艦は秋に,工場海洋航海試験プログラムの為,海へ出るだろう.

 ディーゼル電気推進潜水艦「カルーガ」は2012年末に海軍へ引き渡され,その後,10年間に渡り就役する.

<プロジェクト877LPMBディーゼル電気推進潜水艦B-800「カルーガ」の戦術-機器特性>
NATO分類:キロ
水上速力:10ノット
水中速力:17ノット
通常潜航深度:240メートル
限界潜航深度:350メートル
自立行動日数:45日
乗組員:57名
水上排水量:2300トン
水中排水量:3040トン
全長(吃水線):72.6-73.8メートル
全幅:9.9メートル
平均吃水:6.2メートル

 潜水艦プロジェクト877LPMBは,6門の艦首魚雷発射管(口径533mm)を有する.
 装弾数-18基の魚雷,或いは24基の機雷.
 発射可能なミサイルは,ミサイル複合体「クラブ-S」,携帯対空ミサイル複合体「ストレラ-ZM」或いは「イグラ-1」である.

--------------------------------------------------------------------------------

 〔中略〕

 上の記事によると,「カルーガ」は近代化改装により寿命を10年延長しているようです.
 更には,対艦(対地)ミサイル「クラブ」の運用能力も付与されるようです.
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]

 ロシア海軍に就役中のキロ級潜水艦には,クラブの運用能力は備わっていませんでしたが,艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」はこれまでに,インド海軍のキロ級潜水艦の近代化改装を,何度も行っており,この時にクラブ運用能力付与も実施されています.

新「六課」,2012/5/4
青文字:加筆改修部分

 その後,2012年5月28日に進水しました.
[北方艦隊のキロ級潜水艦カルーガは再進水した]

 2013年6月13日,最後の航海試験へ出発しました.
[キロ級潜水艦カルーガは6月13日に航海試験へ出発する]

http://www.youtube.com/watch?v=8sj_znVB9q4

 最終航海試験は成功裏に完了し,ロシア海軍へ引き渡されます.

「六課」ACS◆(2013/07/01) 北方艦隊のキロ級潜水艦カルーガは最終航海試験を終えて艦隊へ復帰する
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 AIP潜水艦「サロフ」について教えられたし.

 【回答】
 ブリテンのメディア『デイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)』が,9月12日付けでこんなニュースを報じました.

大失敗-ロシア人は,ウェブ上に「秘密」の潜水艦計画を公表した

 ロシアに居る外国のスパイは,サロフ市の職員から,予想外の贈り物を貰った.
 彼らは,地方行政府のウェブサイトにおいて,極秘の新型潜水艦の詳細を誤って公表してしまったのである.

・ロシアは,ウラジーミル・プーチンの第1の選択に茫然とした.

 厄介なリークは,ロシアの主要核研究施設が在る閉鎖都市で行われた機密潜水艦の艦長と市当局職員の間の秘密の会合に続いて起こった.

 過度に熱心な職員は,会合の内容を詳細に記したプレス・リリースを書いてしまった.
 試作型潜水艦の艦長セルゲイ・クロシュキン大佐の名前を出しただけに留まらず,プロジェクトのコード番号20120まで明らかにした.
.
 潜水艦の排水量が3,950トンである事を含め,他の技術的・戦術上の仕様書も公表された.
 この話が地元新聞によって取り上げられるまで,職員は誤ちに気が付かなかった.

 問題のプレス・リリースは,今,ウェブサイトから削除されている.
 また,ロシア海軍,国防省,及び軍需産業は全て,プロジェクト20120の存在を否定した.

 データを検討した軍事評論家は,「サロフ」という名の新しい潜水艦の外見は,遥かに大型ではあるものの,最も静粛な潜水艦の1つとして世界でも定評がある,伝説的なソ連のキロ型潜水艦「タルボット」に類似している事を示唆した.

 ロシアの主要な新聞である「コメルサント」は,漏らされた20120型の詳細は,就役中の他の潜水艦と根本的に異なる技術が含まれている事を示唆している,と報じた.
 同紙は,ロシア海軍が,ディーゼル機関潜水艦に小型原子炉を搭載し,20日間浮上せずに水面下をパトロール出来るようにするソ連時代の計画を成功裡に復活させたのではないかと見ている.

 現用のロシア潜水艦は,少なくとも3~4日に一度は海面に浮上しなければならない.

 〔略〕

======================

 本文記事中で,ソ連のキロ級潜水艦「タルボット」Soviet Kilo Class “Turbot”と書かれていますが,この「タルボット」は個艦名では無く,プロジェクト877のロシア側計画名「パルトゥス」Paltus(Палтус)の英語訳です.

 あと,これまたブリテンの軍事掲示板でも,20120型について触れられています.
http://forum.keypublishing.co.uk/showthread.php?t=74256

[プロジェクト20120「サロフ」Саров主要目]
全長:72.6m
幅:9.9m
喫水:7m
排水量:水上2,300t/水中3,950t
潜航深度:300m
速力:水上10ノット/水中17ノット
最大行動日数:45日

排水量以外は,877型と変わりません.

 これらの情報を総合すると,20120型は,877型に「小型核動力プラント」を搭載したAIP(Air-Independent Propulsion非大気依存推進)潜水艦のようです.

 上記掲示板では"Nuclear Submarine"(原子力潜水艦)などと書かれていますが,これは「通常動力潜水艦」です.
 「小型核動力プラント」は,あくまでも「補助機関」です.

 現在,通常動力潜水艦用AIP(非大気依存推進)としては,以下の5種類が考えられています.

閉サイクル・ディーゼル
閉サイクル蒸気タービン
スターリング機関
燃料電池
小型核動力プラント

 小型核動力プラントは,フランスで「提案」されていますが,同国はこれの実物を製造していません.
 フランスは実用AIPとして,閉サイクル蒸気タービン「MESMA」を開発し,パキスタン向けのアゴスタ90B型に搭載しています.

 ロシアは,燃料電池式AIP「クリスタール27E」を開発していますが,原子力大国だけに,小型核動力プラント方式AIPを開発していたとしても不思議では無い.

 旧ソ連は,1985年,小型核動力プラント「VAU-6」ВАУ-6を開発し,通常動力潜水艦B-68(プロジェクト651E,ジュリエット型)に搭載してテストを行いました.〔下図〕

 つまり,小型核動力プラントVAU-6或いは,その改良型を,877型に搭載したのがプロジェクト20120「サロフ」という事でしょう.

 おそらく,ロシア海軍に在籍するプロジェクト877前期建造型の近代化改装プランとして考えられたものでしょう.

 ちなみに,サロフ(旧アルザマス16)は,ロシアの核兵器開発の中心地で,モスクワから東へ約500キロ,ソ連最初の原爆が製造された軍事機密都市です.

Морские Силы~ロシア・ソ連海軍~
2007/9/17(月) 午後 8:00

▼「サロフ」は,小型原子炉を搭載していると見られていました
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/24675232.html
が,実際には搭載されていません.

 現在のところ,試験潜水艦「サロフ」には,燃料電池「クリスタール27」
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/27767198.html
が搭載されています.

 今回の「近代化」で,「サロフ」が何を搭載するのかは明らかにされていません.

【海軍の秘密潜水艦は,更なる近代化を開始する】
>更なる可能性として,秘密のベールに包まれているB-90は,
>新たな潜水艦用原子炉の試験計画と関連付ける事が出来る.
 上記記事中で触れられている「新たな潜水艦用原子炉の試験計画」との関連性についても,あくまでも「そういう可能性もゼロではない」といった程度のものです.

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/3/27(土) 午後 1:04

青文字:加筆改修部分

Морские Силы~ロシア・ソ連海軍~
2007/9/17(月) 午後 8:00

 【関連リンク】

「ロシア・ソ連海軍」:試験潜水艦B -90「サロフ」就役


 【質問】
 計画06363潜水艦とは?

 【回答】
 現在,ロシア海軍には,旧ソ連時代の1980年代からソ連邦解体後の1990年代前半に掛けて建造されたキロ級ことプロジェクト877「ワルシャワンカ」潜水艦が在ります.

 プロジェクト877「ワルシャワンカ」(キロ級)は,1980年から1994年に掛けて計24隻がロシア(ソ連)海軍へ就役しました.
[ワルシャワンカ型リスト(ロシア海軍)]
[「ワルシャワンカ」各タイプ]

 ロシア海軍向けの最後のキロ級が就役してから16年後,新たなキロ級がロシア海軍向けに起工されました.
 これが,プロジェクト06363です.
 プロジェクト06363は,すべてサンクトペテルブルク市のアドミラルティ造船所で建造されます.

【プロジェクト06363】

・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
 建造番号01670
 2010年8月20日起工/2013年就役予定
 黒海艦隊に配備予定

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
 建造番号01671
 2011年11月21日起工/2014年就役予定
 黒海艦隊に配備予定

・3番艦
 2011年末起工予定/2015年就役予定
 黒海艦隊に配備予定

 4~6番艦も建造される予定です.

[改キロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」起工]

 『ロシア通信社ノーボスチ』
キロ級およびラーダ級を設計した海洋工学中央設計局「ルビーン」の総取締役アンドレイ・ジャチコフへのインタビュー記事
[モスクワ時間2011年12月2日08時00分配信]

 一番下に,ロシア海軍向けの新たなキロ級についての質問があります.

------------
-それでは,(ロシア)海軍が今になってまた,とうに検査済みのプロジェクト636潜水艦「ワルシャワンカ」型を発注したのは何故ですか?

-納入の為の時間と費用の点においてです.
 これらの潜水艦は,安価かつ速やかに建造できます.
 しかし,これは輸出用のプロジェクト636ではない事を覚えておく必要があります.
 これは近代化された艦です.
------------

 プロジェクト06363は,プロジェクト636をさらに改良したタイプのようです.

プロジェクト06363の模型

ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課
2011/12/8(木) 午後 8:59


 【質問 kérdés】
 潜水艦「ノヴォロシースク」について教えてください.
Kérem, mondja meg a tengeralattjáró "Novorossziyszk"-ról.

 【回答 válasz】
 B-261「ノヴォロシースク」 Б-261 "Novorossiysk Новороссийск"はプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦の1番艦.
 プロジェクト636.3はNATOコードでは改キロ Improved Kilo 型と呼ばれるもの.
 輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり,今後建造される第5世代非核動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされている.
 排水量3950トン,速力20ノット,潜航深度300メートル,乗員52名,最大作戦日数45日.
 兵装として533mm口径の魚雷18発(発射管6門),機雷,打撃ミサイル複合体「カリブル」8発を有する.
 キロ型に比べてレーダーやソナーが改良され,また静粛性も向上しているという.

 2010年8月20日,サンクトペテルブルクの「アドミラルティ造船所」にて起工.

 2013年11月28日進水.

 同年5月末,工場航海試験開始.

 同年6月22日,最初の航海試験完了.

 同年7月下旬,再び航海試験実施.

 2014年8月21日,受領-引渡証書へ署名.

 2014年8月22日,ロシア連邦海軍へ就役.
 式典にはロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ,知事代行ゲオルギー・ポルタフチェンコ,公開株式会社・統合造船業営団総裁アレクセイ・ラフマノフが出席し,「ノヴォロシースク」へ海軍旗が掲揚された.

 2014年9月17日,ロシア黒海艦隊編入.

 同年11月6日,深海試験を行なう為,北方艦隊の基地ポリャールヌイへ到着.

 2015年8月初頭,チジャ射爆場へ有翼ミサイル「カリブル」を試射し,バレンツ海方面での各種試験を全て完了.

 同年8月10日,黒海へ向け出航.

 同年8月26日,ジブラルタル海峡を通過して地中海入り.

 同年8月27日,乗組員の休養と物資の補充のため,スぺインのセウタ港へ寄港.

 同年9月初頭,アルジェリアのオラン港へ寄港.

 同年9月16日,「ノヴォロシースク」はダーダネルス海峡とボスポラス海峡を通過し,黒海入り.

 同年9月21日,ノヴォロシースク海軍基地へ到着.

 同年9月28日,点検整備の為,セヴァストーポリへ到着.

 同年10月8日,船体の仕上げ(清掃)と塗装の為,「セヴァストーポリ海洋工場」の岸壁へ回航.

 【参考ページ Referencia Oldal】
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1685.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1686.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-2498.html
http://news.militaryblog.jp/e578947.html
http://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j16_2_2.pdf

https://www.youtube.com/watch?v=0lubwGl_v_c

mixi, 2017.11.17


▼ 【質問 kérdés】
 「ロストフ・ナ・ドヌ」とは?
 潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌ」について教えてください.

 【回答】
 「ロストフ・ナ・ドヌー」は,ロシア海軍向けのプロジェクト06363(改キロ級)の2番艦です.
 B-237「ロストフ・ナ・ドヌ Росто́в-на-Дону́, Rostov-na-Donu 」はプロジェクト636.3「ワルシャワンカ」型(改キロ型)潜水艦の2番艦.
 艦名はロストフ州の州都にちなむ.
 プロジェクト636.3は,輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり,今後建造される第5世代非核動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされている.

 2011年11月21日,サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所にて起工.
 2013年7月下旬までに乗員団が編成され,艦長が任命された.
 「ロストフ・ナ・ドヌ」艦長に任命されたのは,同じ黒海艦隊の潜水艦「アルローサ」艦長上級補佐官(副長)アンドレイ・アダムスキー2等海佐.
 2014年6月進水.
 同年8月下旬,係留試験開始.
 同年10月21日,工場航行試験開始.
 同年12月23日,国家受領試験終了.
 同年12月30日,海軍旗初掲揚式典が開催され,正式にロシア海軍へ就役.
 黒海艦隊の第4独立潜水艦旅団へ編入された.
 黒海艦隊の潜水艦部隊は,これを受け,第247独立潜水艦大隊から第4潜水艦旅団へ改編された.
 以下の動画は,海軍旗初掲揚式典の模様.
https://www.youtube.com/watch?v=D-je55iCXso


 2015年4月17日,「ロストフ・ナ・ドヌ」はクロンシュタットを抜錨し,深海試験を行なう為,北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ.
 2015年5月22日,ポリャールヌイ到着.

 その後,バレンツ海で各種試験実施.

 2015年10月2日,有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型の発射試験を実施.

 2015年10月9日,「カリブル」対艦型を海上目標へ発射.

 2015年10月16日,ポリャールヌイ出航.

 2015年10月29日,補給の為,クロンシュタット入港.

 2015年11月5日,クロンシュタットを出航し,黒海へ.

 2015年12月8日までに地中海東部(シリア沖)へ到達.

 2015年12月8日,黒海艦隊基地へ回航中の「ロストフ・ナ・ドヌ」は,シリア沖からシリア国内のISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型を発射.

 ちなみに,2015年11月17日,ロシアの一部のメディアは,「ロストフ・ナ・ドヌ」が地中海東部から「カリブル」によりシリアのラッカに在るISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃したと報じたが,11月17日にはジブラルタル海峡付近に到達するのが精一杯であるため,おそらくこれは,
「(今後)ロストフ・ナ・ドヌは地中海東部へ行き,シリアのイスラム国拠点へ有翼ミサイルを発射する予定である」
という情報が中途半端に外部へ漏れ,
「(今後近い内に)地中海東部から有翼ミサイルを発射する予定」

「地中海東部から有翼ミサイルを発射した」と伝わってしまったための誤報と思われる.

 2015年12月25日,セヴァストーポリ到着.
 その後,北方艦隊訓練射爆場で機器及び兵器システムの深海試験を実施した後,何度も演習へ参加.

 2017年10月6日,「ロストフ・ナ・ドヌ」と「ノヴォロシースク」は黒海艦隊の戦闘訓練計画に沿って,黒海エリアの戦闘訓練射爆場の地上及び水上目標へミサイル"カリブル"を発射.

 【参考ページ Referencia Oldal】
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1582.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-3777.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1969.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1956.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-2590.html
https://militarysnkobe.wordpress.com/2015/12/18/rostov-na-donu/
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20151209-00052254/ ▲

mixi, 2017.10.25

 ロシア海軍ポータルサイト『フロート・コム』より.
「潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」はアドミラルティ造船所で起工された」

 2011年11月21日,非核動力(ディーゼル・エレクトリック)潜水艦B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」Б-237 "Ростов-на-Дону"の起工式典が,サンクトペテルブルク市の株式会社「アドミラルティ造船所」で開催されました.

 1番艦B-261「ノヴォロシースク」Б-261 "Новороссийск"は,2010年8月20日に起工されています.
 これまでにプロジェクト06363は3隻の建造が決定しており,2014年までに竣工する予定です.
 全てアドミラルティ造船所で建造されます.

 3隻のプロジェクト06363は,黒海艦隊に配備されます.
 更に,2015年までに3隻を追加建造するという話もあります.

プロジェクト06363側面図

ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課
2011/11/21(月) 午後 8:44

青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 潜水艦「スターリイ・オスコル」について教えてください.
Kérem, mondja meg a tengeralattjáró "Sztary Oszkol"-ról.
meséljen egy

 【回答 válasz】
 B-262「スターリイ・オスコル Старый Оскол」はプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦の3番艦.
 プロジェクト636.3は「ワルシャワンカ」型,NATOコードでは「改キロ Improved Kilo」型と呼ばれるもの.
 輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり,今後建造される第5世代非核動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされている.
 海洋工学中央設計局「ルビーン」(サンクトペテルブルク)の設計.

[性能要目]
水上速力:17ノット
水中速力:20ノット
通常潜航深度:240メートル
最大潜航深度:350メートル
乗組員:52名
自立行動期間:45日
経済続力での水中航続距離-400海里
水上排水量:2350トン
水中排水量:3950トン
全長:73メートル
船体最大幅:10メートル
平均吃水:6.2メートル
兵装は6門の口径533mm自動装填魚雷発射管,18本の魚雷,24個の機雷,4基のミサイル「カリブル」,携帯高射ミサイル複合体「ストレラ-3」或いは「イグラ」のミサイル8基

 2012年8月17日,サンクトペテルブルクの「アドミラルティ造船所」で起工.

 2014年3月,乗員団編成.
 乗組員はアンドレイ・キリチェンコ3等海佐が率いる.
 アンドレイ・アレクサンドロヴィチ・キリチェンコは,ベルゴロド州で生まれた.
 2002年,A.S.ポポフ記念海軍電波電子学校を卒業した.
 北方艦隊の潜水艦「カルーガ」艦長上級補佐官から黒海艦隊の潜水艦艦長に任命された.

 2014年8月28日進水.
 進水は祈祷で始まり,潜水艦の艦上では,潜水艦の名付け親である「スターリイ・オスコル」市長代理ナタリヤ・ズバリョワが,シャンパンのボトルを割った.

 2015年3月6日,航行試験へ出発.

 2015年6月25日,受領-引渡証書へ署名され,ロシア海軍へ納入.

 2015年7月3日,聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典,即ち,ロシア連邦海軍への正式な就役式典が開催された.

 同年7月27日,「ロシア海軍の日」でのバルチースクの観艦式へ参加.

 同年10月16日,深海試験や有翼ミサイル「カリブル」試射を含む兵装試験の為,北方艦隊の潜水艦基地ポリャールヌイへ到着.

 2016年5月5日,バレンツ海で有翼ミサイル「カリブル」対艦型を海上目標へ発射
 同年5月6日,「カリブル」対地型を沿岸目標へ発射.

 2016年5月末までに北方海域(バレンツ海)における「スターリイ・オスコル」の試験は全て完了.

 その後,ポリャールヌイを出航.

 同年6月初頭,英仏海峡を浮上航行中,英国海軍のフリゲートに視認さる.

 その後,大西洋を南下して地中海へ入り,地中海へ.

 同年6月29日,ボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過して黒海へ入った.

 黒海艦隊に配備予定.

 【参考ページ Referencia Oldal】
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1696.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-2962.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-2977.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-2507.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-2328.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1374.html

https://www.youtube.com/watch?v=cpT7kQ3EaMc

mixi, 2017.11.8


目次へ

「欧露別館」トップ・ページへ   サイト・マップへ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   本館サイト・マップへ