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「ロシア・ソ連海軍」:キール運河のナヌチュカ型(2008年6月26日)
「ロシア・ソ連海軍」:整備中のロプーチャII型揚陸艦「アゾフ」
【質問】
ノブゴロド Novgorod は何故,船体平面が円形になったのか?
【回答】
ノブゴロドは,ポポフ中将のアイディアで作られた,「ポポフキ」という平底の浮き砲台で,船体直径は30.8m.
黒海沿岸,ニコライエフで1873年に進水した.
円形になった理由だが,河川や沿岸における陸上作戦支援のための重砲のプラットフォームとして,最も安定した形態と考えられたため.
しかし実際に使ってみると,水流の中で船体が回転してしまい,実用にならなかったという.
常備排水量2,491t.
計画速力7ノット.
28cm砲×2.
以上,ソースは「世界の船 1981年版」(朝日新聞社,1981/7),p.15より.
日本国内の「ウォーター・ライン・シリーズ」と同スケールの,1/700のプラモもあるとさ.

http://www.steelnavy.com/Modelkrak%20NovgorodJB.htm

【質問】
「コレーツ」について教えられたし.
【回答】
西側では,「グリシャV」Grisha-V型のコード名で知られている
プロジェクト1124M「アリバトロース」小型対潜艦のMPK-222(МПК-222)
MPK(МПК)は,「小型対潜艦」(Малый
Противолодочный Корабль)の略です.
本艦は,極東方面のハバロフスク造船所で建造されました.
1987年1月7日起工,1989年12月20日就役.
1990年2月28日,太平洋艦隊に編入.
その後は,ウラジオストク港内のウリス湾を母港とし,ソヴィエト解体後も活動を続けました.
露日戦争中の1904年2月9日,韓国仁川沖で日本海軍と交戦,沈没した砲艦「コレーツ」というロシア軍艦が有りました.
「コレーツ」とは,ロシア語で「高麗(狭義では936年〜1392年まで有った朝鮮の王朝,広義では,朝鮮そのものを指す名称)」を意味します.
2004年2月10日,「コレーツ」は親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」,大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と共に韓国を訪問しました.
(写真2,3枚目)
ちょうど先代「コレーツ」が仁川沖で日本海軍と交戦,沈没した日から100年が過ぎていました.
(というか,それを狙って訪問したのですが)
MPK-222「コレーツ」は,ウリス湾の第165水上艦艇旅団・第11対潜艦大隊に所属し,今もなお,稼働状態にあります.



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/26(月) 午後 7:48
【質問】
なぜ露艦に「コレーツ」という名称が復活したのか? 韓国人は,それについての反感はないのか?
【回答】
反感も何も,命名は韓国海軍の提督の提言による.
ロシア太平洋艦隊司令部を訪問した韓国海軍の宗根浩中将が,フィヨドロフ太平洋艦隊司令官に,
「コレーツの将兵の霊を慰め,新たな韓露親善の意味で艦名を復活してはどうか?」
と提案したところ,ロシア海軍は2003年8月に,グリシャV Grisha V型警備艦のMPK222をコレーツ Korietz と改名した.
そして〔略〕仁川沖海戦から百周年を記念し,本年2月に,太平洋艦隊司令官がワリヤーグ Varyag,コレーツなどを率い,仁川港を訪問し,ロシア海軍の水兵帽を刻んだ,幅,高さ,奥行き各3mの記念碑を建てたが,そこにはロシア語,韓国語,英語で,戦没水兵達の愛国精神を称える碑文が刻まれているという.
※ ※ ※
百年前にロシア海軍がコレーツ(高麗)と命名したのは,韓国侵略に備えて,その沿岸の測量などを行う意図からで,ロシア海軍の基地を建設する事前調査でもあったのだろう.
砲艦外交を展開したワリヤーグと,基地を得るため,韓国領海内を測深したコレーツ,言葉を変えれば侵略の先兵であった艦名が復活したわけだが,韓国マスコミは「ロシアの善意」と伝え,反対論は少ない.
(平間洋一〔元防衛大学校教授〕 from「世界の艦船」2004年12月号,p.97)
ちなみに,韓国人は百年前の「コレーツ」については,次のように考えているという.
百年前のロシア海軍が何故それを艦名にしたのかについて真相は不明だが,韓国海軍の関係者は,
「ロシア人達が沿海州にいた高麗(韓国)人達の勤勉さなどを高く評価していたからではないか」
という.
(黒田勝弘著「韓国は不思議な隣人」,産経新聞出版,2005/7/30, p.84)
▼
一方,「お願いしたというのは曲解だ」とする見解もある.
それから198年後,韓国海軍の宗根浩中将がウラジオストクを訪問した際
ロシア側に「"コレーツ"という艦名を復活させてはどうでしょう?」と提案しました.
この時,ロシア太平洋艦隊旗艦は,1904年2月9日,韓国仁川沖で「コレーツ」と共に
日本海軍と戦い,「コレーツ」と共に沈没した巡洋艦と同名の「ワリャーグ」だったのですが
宗根浩中将は「ワリャーグが有るならコレーツが有ってもいいじゃないか」と思ったようです.
これを受けて2003年8月,「名無し」だったMPK-222は「コレーツ」Кореецと命名されました.
ただ,一部では
「韓国はロシアにお願いして,(ロシア軍艦に)"コレーツ"という名前を付けて貰った」
などと曲解されているようですが・・・・
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/26(月) 午後 7:48
▲
Grisha V Class(画像引用元:FAS)

【質問】
救助船「コムーナ」について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍救助船「コムーナ」
Спасательное Судно"Комунна"
は,今年(2008年)で艦齢93年の超々オールドタイマーです.
本艦は,カタマランcatamaranと呼ばれる双胴船です.
1911年に計画され,ドイツの双胴救助船「ヴルカン」をタイプシップとして設計されました.
1912年11月12日,サンクト・ペテルブルク市の「プチロフスキー・ザヴォート」
(Путиловском заводе,現セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工
1913年11月17日,進水
1915年3月1日,洋上テスト開始
1915年7月1日,海軍へ引渡し
1915年7月14日,軍艦旗掲揚,バルト艦隊配属
当初の船名はヴォルホフ(Волхов)でした.
当然,この時はロシア帝国海軍所属艦です.
第一次大戦時は,バルト海でサルベージ船として活躍し,潜水艦АГ-15などを引き揚げました.
ロシア革命後,ソ連海軍赤旗バルト艦隊に編入.
1922年12月31日,「コムーナ」と改名
1928年5月15日〜9月13日まで(1919年6月4日に)フィンランド湾で沈没したイギリス潜水艦L-55の引き揚げ作業に従事.
潜水艦は,1928年7月21日に深さ62メートルから海面へ上がりました.
1941年から始まった大祖国戦争でも,サルベージ船として活躍しました.
レニングラード防衛戦では,コムーナの乗組員23名が地上戦闘へ参加しました.
ドイツ空軍の空爆で幾度も損傷を受けたコムーナでしたが,乗組員は船の修理に努めました.
1942年には,コムーナの乗組員は,ほとんど入れ替わっていました.
食糧は欠乏し,乗組員は1日あたり300グラムのパンしか配給されないという有様でしたが,船を修理し,潜水艦Щ-411,曳船「アウストラ」,帆船「トルード」「ヴォドレイ2」,工船「プラウダ」などをサルベージしました.
1943年には,襲撃機Il-2,曳船「イワノヴォ」を引き揚げました.
1944年,コムーナは,14回に渡り,総計11,767トンの沈没物を引き揚げ,34隻の船を救助しました.
同年,コムーナは,「レニングラード防衛功労賞」を授与されました.
1954年,「コムーナ」はオーバーホールを実施.
オランダ製ディーゼルエンジンを国産の物に換装しました.
1956年11月,潜水艦M-200を深さ45メートルから引き揚げ.
1959年8月,潜水艦M-256(1957年9月沈没)を深さ73メートルから引き揚げ.
1967年,「コムーナ」は黒海沿岸セヴァストーポリに回航され,近代化改装を実施.
この改装工事で,「コムーナ」は深海救助艇を搭載・運用出来るようになりました.
1973年4月27日,改装は終了しました.
「コムーナ」には,プロジェクト1832(ポイスク-2型)深海救助艇AS-6が搭載されました.
1977年,「コムーナ」は,コーカサス地方沿岸で墜落したSu-24爆撃機を,1700メートルの深さから引き揚げました.
1979年11月,「コムーナ」は,再び近代化改装工事に入りました.
1984年,ソ連海軍は「コムーナ」をソ連邦科学アカデミーへ譲渡する為,乗組員を解散させました.
しかし結局,科学アカデミーへの譲渡は取りやめとなり,
1985年4月,「コムーナ」は,海軍へ復帰しました.
1991年12月,ソ連邦は解体され,本艦はロシア海軍艦艇となりました.
1997年,「黒海艦隊帰属問題」解決後,本艦はロシア海軍旗(聖アンドレイ旗)を掲げました.
ここまでは,他の黒海艦隊所属艦艇と同様ですが,本艦の場合は,ロシア革命以来,実に60年振りの聖アンドレイ旗掲揚でした.
ロシア帝国海軍,ソヴィエト連邦海軍,ロシア連邦海軍に所属した唯一の艦「コムーナ」は,今も,黒海艦隊所属艦として稼働状態に維持されています.
2007年撮影



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/13(金) 午後 7:21
【質問】
イワン・スサーニン級国境警備艦「ネヴァ」について教えられたし.
【回答】
ロシア国境警備隊(ロシア連邦保安庁)の国境警備艦(ПСКР)「ネヴァ」
Пограничный Сторожевой
Корабль "Нева"
は,砕氷能力を有する国境警備艦プロジェクト97P(イワン・スサーニン級)の1隻です.
レニングラード市のアドミラルティ造船所で建造
1977年11月14日起工
1978年7月28日進水
1978年12月27日就役
就役後は極東方面へ回航され,カムチャツカへ配備されました.
当時は,KGB(国家保安委員会)に所属していました.
そして30年後の今,ロシア連邦保安庁・極東連邦管区地域国境局・北東沿岸警備国境局に所属し,オホーツク海で活動しています.
現在,ロシア連邦保安庁所属のプロジェクト97Pは,極東方面に4隻が配備されています.
1枚目:国境警備艦ネヴァ

4枚目:オホーツク海のネヴァ(2000年2月27日撮影)

6枚目:オホーツク海のネヴァ(2008年4月撮影)

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/7/6(日) 午前 8:22
【質問】
「ゲパルト」型警備艦について教えられたし.
【回答】
プロジェクト11661「ゲパルト」型警備艦は,ロシア・ソ連海軍向けに大量建造されたプロジェクト1124(グリシャ型)小型対潜艦の拡大発展型であり,1124型を拡大し,対潜,対空能力に加え,対水上打撃力も付け加えた小型汎用艦となっております.
11661型の主要目は以下の通りです.
基準排水量:1,500t
満載排水量:1,930t
全長:102.2m
幅:13.8m
喫水:5.3m
機関:CODOG,巡航用ディーゼル×1基・7,375馬力,高速用ガスタービン×2基・36,000馬力
速力:28ノット
航続距離:14ノットで3,800海里
兵装:ウラン(SS-N-25)対艦ミサイル4連装発射筒×2基
オーサM(SA-N-4)短距離対空ミサイル2連装発射機×1基
AK-176 76mm単装砲×1基
AK-630 30mmガトリング砲×2基
RBU-6000ロケット爆雷12連装発射機×1基
533mm2連装魚雷発射管×2基
乗員:110名
1番艦タタールスタンは,ロシア内陸部のゼレノドルスクに位置するゴーリキー名称記念造船所で
1992年9月15日に起工
1993年7月進水.
しかし,その後の工事は財政難により遅れに遅れ,2002年7月12日にようやく就役に漕ぎ着けました.
11661型は,低コストのお手軽なコルベットとして海外への輸出も期待されていたのですが,2000年代に入り,新世代ステルスコルベット20380型が登場,1番艦が完成する前から陳腐化してしまいました.
そのような状況の中,1番艦タタールスタンは,2002年にようやく就役.
同艦はカスピ小艦隊に配備され,同艦隊旗艦を務めています.
2番艦ダゲスタンも2007年に竣工したようです.
現在就役中のタタールスタンは,艦後部に可変ソナーを搭載していますが,海外向けに,ソナーを撤去して艦後部をヘリコプター発着甲板とし,対空兵装を「ソスナP」近接防御システム3基にしたタイプ(ゲパルト3.9型)も提案されており,ベトナム向けに2隻が建造中です.
同国海軍へは,2007年と2008年に引き渡される予定です.
1枚目:プロジェクト11661(タタールスタン)

2枚目:プロジェクト11661(ゲパルト3.9型)

就役後のタタールスタン

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/5/16(水) 午後 8:06
【質問】
「アストラハン」級について教えてください.
【回答】
1番艦が2006年9月1日にロシア海軍へ引き渡された新型哨戒艇(砲艦)
ロシア側名称は,プロジェクト21630「ブヤン」型です.
ロシアの200海里経済海域保護を目的とする沿岸警備用艦艇で,設計はゼレノドルスコイェ設計局.
写真(下掲)を見ると,艦前部のA-190型100mm単装砲がひときわ目立っておりますが,海外のサイトを見ても"Gun-Boat"と表記されています.正に「砲艦」ですね.
満載排水量550トン,速力28ノット.
一見して分かる通り,ステルスデザインが採用されています.
ロシア海軍の正式な類別である「小型砲艦」(Malyy
Artilleryysky Korabl')という名称の通り,主兵装は,艦首のA-190100mm単装砲1基です.
この他,30mmガトリング砲2基,イグラ1M近接対空ミサイル連装発射機1基などが装備されております.
現在のところ,以下の艦が建造されています.
(全艦サンクトペテルブルク市のアルマーズ造船所で建造)
・アストラハン:2004年1月30日起工/2005年10月7日進水/2006年9月1日就役
・カスピースク:2005年2月23日起工
・マハチカラ:アルマーズ造船所(サンクト・ペテルブルク市)公式サイト
http://www.almaz.spb.ru/home/news-e/n2006-03.asp
によれば2006年3月24日,起工.
起工式には,ロシア海軍総司令官ウラジミール・マソリン大将も出席.



御覧の通り,全てカスピ海沿岸の地名が付けられております.
ロシア海軍は,カスピ小艦隊用に本型を7隻調達する予定です.
シア・クァンファ in mixi &
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:哨戒艇「アストラハン」その1
「ロシア・ソ連海軍」:哨戒艇「アストラハン」その2
【質問】
SESコルベット「サムム」について教えられたし.
【回答】
SES(Surface-Effect Ship,表面効果船)と呼ばれる特殊船型を採用したロシア海軍ミサイル・コルベット「サムム」Самумは,プロジェクト1239「シヴーチ」Сивуч型の2番艦です.
西側では「ダーガチ」Dergach型のコード名で知られています.
ロシア海軍では,
"Ракетный корабль на
воздушной подушке" (エアクッション・ロケット艦)
に分類されています.
起工当初は,MRK-17(МРК-17)という名前でしたが,1992年3月18日,「サムム」(Samum,砂漠の熱風)と改名されました.
1991年9月,ゼレドノルスク工廠で起工.
1992年3月,洋上公試開始.
1992年10月12日,艤装工事終了.
1992年11月,ケルチ進出.
1993年3月,セヴァストポリ進出.
1993年10月,再びゼレノドルスク工廠へ回航.
1994年9月,バルト海へ回航.
1996年12月より,バルチースクで各種テスト.
2000年2月26日,バルト艦隊の第36ロケット艦旅団に編入.
2002年,黒海に回航され,黒海艦隊の第41ロケット艦旅団に編入.
55ノットの高速と,超音速対艦ミサイル「モスキート」4連装発射筒2基(ミサイル8発)などの重武装を誇るミサイルコルベットですが,2隻しか建造されませんでした.
写真は2007年9月12日に撮影された最新のものです.



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/9/20(木) 午後 8:52
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:SES型コルベット「サムム」近影(2008年1月28日)
▼ 【質問】 ステレグシュチィ級「ステレグーシチィ」型とは?▲
【回答】
プロジェクト20380近海警備艦〔コルヴェット〕.
ソヴィエト連邦崩壊後に計画されたロシア海軍の水上戦闘艦艇の第一号.
最近の流行に漏れず,外見はステルス性を重視したモノになっている.
1番艦ステレグシュチィ Стерегущийは2001年12月起工,
2番艦ソーブラジテルヌイは2002年起工.
3番艦は2005年起工.
当初計画では,少なくとも20隻以上は調達予定だったはずだが,新空母&8,000t級フリゲートの計画もあるので,調達数が減らされるかもしれない.
1番艦ステレグーシュチィは2005年竣工予定.
他に,輸出用&ロシア海上国境警備隊向けヴァージョンも複数提案されている.
ステレグーシュチィ


夏光華(シア・クァンファ) i n FAQ BBS & mixi
2007年5月現在,1番艦ステレグシュチィは洋上テスト中.
以下の写真は,全て2007年5月28日に撮影された最新のものです.
場所はサンクト・ペテルブルク近郊のクロンシュタットです.
艦内(艦橋内部,ヘリコプター格納庫,戦闘指揮所など)の写真は初公開と思われます.
一番下の写真は,艦橋構造物の後ろに収納されている「ウラン」対艦ミサイル4連装発射筒です.




Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/1(金) 午後 6:58
なお,「ステレグシュチイ」級は船体がモジュール化されており,外国向けに幾つかの派生型が提案されています.
【XXI-1】武装強化型
基準排水量1,930トン,全長115m,幅15m
クラブ対艦ミサイル用垂直発射機×8基
クリノーク個艦防空ミサイル8連装垂直発射機×4基
A-190E 100mm単装砲×1基
AK-630M 30mmガトリング砲×2基
【XXI-2】長距離防空ミサイル装備型
基準排水量1,980トン,全長115m,幅15m
クラブ対艦ミサイル用垂直発射機×8基
リーフM長距離防空ミサイル8連装垂直発射機×2基
A-190E 100mm単装砲×1基
AK-630M 30mmガトリング砲×2基
【XXI-3】20380型の廉価型
基準排水量1,500トン,全長112m,幅13.6m
ウラン対艦ミサイル4連装発射筒×2基
カシュターン近接防御複合体×1基
A-190E 100mm単装砲×1基
AK-630M 30mmガトリング砲×2基
【XXI-4】軽装備型,国境警備隊や海上警察向け
基準排水量1,000トン,全長98.0m,幅11.8m
カシュターン近接防御複合体×1基
A-190E 100mm単装砲×1基
この中で一番注目されるのは,XXI-2型でしょう.
何せ,2000トン程度の船体に,ロシア海軍のキーロフ級原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと基本的に同一の「リーフM」長距離防空ミサイル(SA-N-20)の8連装垂直発射機を2基搭載しており,上記4タイプで一番の重武装艦です.
艦後部には,管制用レーダーの「30N6E」(フラップリッドB)が1基搭載されています.
それにしても,色々とヴァリエーションがある20380型ですが,新型超音速対艦ミサイル「ヤホント」(オーニクス)を装備したタイプは有りません.
さすがに,発射重量3,000キロの大型ミサイルを搭載する余力は無いようです.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/26(火) 午後 6:04
▼
[quote]
【ロシア新型コルベット「ステレグシュチィ」は,北方艦隊の一員となる 】
2007年11月20日
政府公式発表によると,最新のコルベット「ステレグシュチィ」は,サンクト・ペテルブルク市で就役した.
艦は,潜水艦の捜索及び破壊を含む様々な戦闘任務を遂行する為にある.
このコルベットは,それ自体が造船技術の業績を具現化したものである.
ステルス技術の使用は,「ステレグシュチィ」をレーダーで見分け難い艦にする.
[/quote]
元記事は,РГРК ≪Голос России≫("Voice
of Russia"<ロシアの声>,旧「モスクワ放送」)です.
(2007年11月18日13時14分)
http://www.ruvr.ru/main.php?lng=rus&q=50082&cid=9&p=18.11.2007
「モスクワ放送」は,私も昔(1980年代)よく聴いていたものです.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/20(火) 午後 6:32
▲
▼ イタルタスの報道によると,「ステレグーシチィ」は,クロンシュタット基地を母港とするそうです.
イタルタスの記事によると,「ステレグーシチィ」型コルベット(Корветы
типа "Стерегущий")は2030年まで改良されながら建造を続けるようです.
ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は,
「ステレグーシチィ型近海用コルベットは,2030年までロシア海軍の基礎を構成する」
(Корветы морской зоны типа
"Стерегущий" составят
основу ВМФ России до 2030
года)
と発言しております.
更には,「ステレグーシチィ」型の次の艦(2番艦ソーブラジテルヌイ)は,装備・兵装システムが近代化されるとも書かれています.
Уже на следующих кораблях
серии "Стерегущий"
предусмотрена значительная
модернизация систем оборудования
и вооружения.
(既に「ステレグーシチィ」シリーズの次の艦では,重要な装備および兵器システムの近代化が提供される)
つまり,2番艦以降は,1番艦とは兵装が異なる事を示唆している.
ちなみに,1番艦ステレグーシチィの兵装
・対艦ロケット複合体「ウラン」4連装発射筒×2
(ПУЗРК "Уран")
・高射ロケット・機関砲複合体「コールチク」×1(ЗРАК
"Кортик")
・対潜・対魚雷複合体「パケート-NK」4連装発射管×2
(ТА "Пакет-НК")
・A-190 100mm単装砲×1 (А-190)
・AK-630M 30mm6連装機関砲×2(АК-630М)
・Ka-27PLヘリコプター×1(Вертолет
Ка-27ПЛ)
〔略〕
最後に,ロシア国防省公式サイトより
「ステレグーシチィ」型コルベット主要目
Водоизмещение ? около 2000
т.
Общая длина ? 105 м.
Длина по ватерлинии ? 90
м.
Максимальная скорость
? 27 узлов.
Дальность автономного
плавания (на скорости 14
узлов) ? 4000 мор. миль.
Экипаж (с учетом группы
обслуживания вертолета)
? 100 чел.
排水量:約2,000t
全長:105m
水線長:90m
速力:27ノット
航続距離:14ノットで4,000海里
乗員:航空要員を含め100名
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/2/28(木) 午後 5:21
▲
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:海軍記念日のステレグーシチィ(2008年7月27日)
「ロシア・ソ連海軍」:新型コルベット「ステレグスチイ」,公試開始
「ロシア・ソ連海軍」:ロシア海軍新鋭コルベット「ステレグーシチィ」近影(2008年5月25日)
「ロシア・ソ連海軍」:ロシア海軍新型コルベット「ステレグーシチィ」最新写真(2008年7月20日)その1
「ロシア・ソ連海軍」:ロシア海軍新型コルベット「ステレグーシチィ」最新写真(2008年7月20日)その2
「ロシア・ソ連海軍」:ロシア海軍新型コルベット「ステレグーシチィ」最新写真(2008年7月21日)
【質問】
プロジェクト20380は「ステレグーシチィ」級なのか? 「ステレグーシチィ」型なのか?
【回答】
〔略〕 ロシア側では,ステレグーシチィ「級」(класса
"Стерегущий")ではなく,ステレグーシチィ「型」(
типа "Стерегущий")と呼んでいる事に注目.
〔略〕
従って,これからは,「ステレグーシチィ」級では無く,「ステレグーシチィ」型コルベットと呼ぶ事にします.
〔略〕
基本的にロシアは,少なくとも自国艦艇を指す時に「級」(クラス)という呼称は使いません.
最も多用されるのは,プロジェクト番号ですね.
「ステレグーシチィ」は,プロジェクト20380です.
ただし「20380型」と表記される事は有っても,「20380級」と呼ばれる事は無い.
ロシア側の報道を見ていると,「級」(クラス)というのは,規模とか,とある型と類似したクラスの艦艇を指す時に使われるようです.
例えば,
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/29119581.html
では,
「中型クラス航空母艦」авианосцев
среднего класса
という使い方をしているし
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/29653739.html
では,
「ステレグーシチィは,同クラスの類似した艦艇を超える戦術上の技術的特徴および戦闘能力を有するロシア海軍の為の全く新しい艦である」
と報じられていますね.
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/2/28(木) 午後 5:21
▼ 【質問】
ステレグシュチイ級「ステレグーシチィ」型の建造予定数は?
【回答】
ロシア海軍新型警備艦・プロジェクト20380
ステレグシュチイ級「ステレグーシチィ」型は,今のところ5隻が起工されています.
当ブログでは,以前にもステレグシュチイ級「ステレグーシチィ」型の解説ページを書いたのですが,その後,5番艦「ストイキー」が起工されました・・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/5803540.html▲
1番艦は,ただいま洋上テスト中であり,今年中の就役が見込まれていますが,2番艦以降の就役・配備スケジュールは,今のところ,こうなっております.
・ステレグシュチイ(Стерегущий)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年2月から洋上テスト開始
2007年就役予定,北方艦隊配備予定
・ソーブラジテルヌイ(Сообразительный)
2003年5月20日起工
2008年就役予定,バルト艦隊配備予定
・ボイキィ(Бойкий)
2005年7月27日起工
2009年就役予定,バルト艦隊配備予定
・ソヴエルシェンヌイ(Совершенный)
2006年6月30日起工
2010年就役予定,太平洋艦隊配備予定
・ストイキー(Стойкий)
2006年11月10日起工
2011年就役予定,バルト艦隊配備予定
▼ ロシア海軍は,本級を20隻調達する構想のようですが,そうなると,あと15隻起工する必要が有ります.▲
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/31(水) 午後 8:53
▼ また,『Российского судостроения』(Russian
shipbuilding)の記事,
【セーヴェルナヤ・ヴェルフィは,コルベット「ステレグーシチィ」を建造した】
2008年2月18日08時35分
によれば,
――――――
2月中に,サンクト・ペテルブルクの造船工廠「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で,コルベット「ステレグーシチィ」のアンドレイ旗掲揚式が執り行われる.
〔略〕
「ステレグーシチィ」以外にも,このプロジェクトのコルベットは,ロシア海軍向けに3隻が「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されており,各艦隊-北方,太平洋,黒海およびバルト-へ,合計7〜8隻の同型艦の配備が計画されている.
―――――――
と述べられています.
以前は,20隻が建造されると言われていたプロジェクト20380(ステレグーシチィ級)ですが,この文章を読む限り,最大でも9隻程度の建造に留まるようです.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/2/19(火) 午後 4:55
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
ナヌチュカIII型「ミラージュ」について教えられたし.
【回答】
西側ではナヌチュカIII型ミサイルコルベットとして知られる,プロジェクト12341小型ロケット艦「ミラージュ」
(Малый ракетный корабль"Мираж")
は,サンクト・ペテルブルク市のアルマーズ造船所で建造(工場番号77号)
1983年4月11日,海軍籍登録
1983年8月30日,起工
1986年8月19日,進水
1986年12月30日,就役
1987年2月24日,黒海艦隊編入
1988,1989,1990,1991,1992,1993,1997年,海軍総司令官からロケット射撃成功賞を授与.
1997年6月12日,ロシア海軍旗掲揚.
「ミラージュ」は,黒海艦隊の第41ロケット艦旅団・第166小型ロケット艦大隊に所属する.
2008年8月初頭の南オセチア紛争勃発後,「ミラージュ」は,他の黒海艦隊所属艦艇と共にアブハジア共和国沿岸へ出動した.
8月10日,他の黒海艦隊所属艦艇と共にアブハジア共和国沿岸をパトロール中の「ミラージュ」は,グルジア・アブハジア境界を越えて高速で接近するグルジア海軍戦闘艇を撃沈した.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/33842605.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/33695948.html
その後,ミラージュは,8月22日,セヴァストーポリへ帰港した.
1〜3枚目:小型ロケット艦ミラージュ

4,5枚目:ドック入りしたミラージュ(2007年2月撮影)

6枚目:セヴァストーポリへ帰港するミラージュ(2008年8月22日撮影)

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/8/23(土) 午後 9:13
【質問】
ナヌチュカIII型コルベット「ラススヴェート」について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍北方艦隊所属の小型ロケット艦「ラススヴェート」
(Малый Ракетный Корабль"Рассвет")
は,プロジェクト1234.1(ナヌチュカIII型)の1隻です.
1986年9月29日起工
1986年11月26日,海軍籍登録
1988年8月22日進水,
1988年12月28日就役
1989年3月1日,北方艦隊へ編入
1992年7月26日,新生ロシア海軍旗(聖アンドレイ旗)を掲揚.
1995年,海軍総司令官より,ロケット射撃功労賞を授与される.
写真は,2006年3月28日にセヴェロモルスク基地で撮影された「ラススヴェート」です.
本艦は,2001年以降,NPO「プロムアヴトマチカ」の後援を受けています.
НПО"Промавтоматика"
http://www.promavtomatika.com/

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/4/25(金) 午後 8:39
【質問】
パルヒムII型コルベット MPK-67について教えられたし.
【回答】
小型対潜艦MPK-67(301)
Малый противолодочный
корабль "МПК-67"
は,旧東ドイツで建造されたプロジェクト133.1Mの1隻であり,西側では,パルヒムII型のコード名で知られています.
1985年3月28日起工
1986年4月16日進水
1987年6月30日就役
1987年10月2日,バルト艦隊編入
2005年,ロシア海軍より除籍され,
2006年からクロンシュタットで解体が始まりました.
2005年8月27日,クロンシュタットで撮影



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/14(土) 午後 7:58
【質問】
「アルクチカ」級について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍艦艇ではありませんが,原子力砕氷船プロジェクト10520「アルクチカ」級
(Атомный-Ледокол Проект-10520"Арктика")
ロシア側の分類も,Атомный-Ледокол(原子力砕氷船)です.
本級はムルマンスク船舶公社「アトムフロート」に所属していますが,西側では海軍の補助艦艇として扱われており,実際,海軍用のレーダーが装備され,戦時にはすぐに武装できるようになっていました.
ロシア(ソ連)の砕氷船で,本級だけが海軍のプロジェクト番号を付与されています.
海軍用ではない「民間」の原子力船は,西側でも何隻か建造されましたが,原子力機関は民間用としては採算が取れず,短期間しか運用されませんでした.
(アメリカの貨客船「サヴァンナ」,旧西ドイツの鉱物運搬船「オットー・ハーン」)
日本でも,原子力機関のテスト船として「むつ」が建造されましたが,原子力機関を撤去してディーゼルに換装し,1997年,海洋研究船「みらい」として再就役しました.
一方,ロシア(ソ連邦)においては,原子力機関搭載の民間船は,北極海方面で使う砕氷船としての需要があり,西側とは違って建造が継続されました.
いちいち燃料を補給する手間の要らない原子力機関搭載の砕氷船は,長期間に渡って北極海で砕氷活動を継続できるというメリットが有ります.
ちなみに,ロシア・ソ連の最初の原子力艦船は,1959年に就役した砕氷船「レーニン」でした.
本級は,最初の原子力砕氷船「レーニン」の運用実績というか苦い経験(原子炉事故を何度も起こしている)を取り入れて改良されたタイプであり,1970年代前半から長期間に渡って合計6隻が竣工しました.
建造所は全てレニングラード(サンクトペテルブルク)のオルジョニキーゼ工廠(バルチースキィ・ザヴォート)です.
・アルクチカАрктика:1975年就役
・シヴィーリСибирь:1977年就役
・ロシヤРоссия:1985年就役
・ソヴィエツキー・ソユーズСоветский
Союз:1990年就役
・ヤーマルЯмал:1993年就役
・50リェート・ポベードゥイ50 лет Победы:2007年就役
ただしシヴィーリは,予備役係留状態されています.
ソヴィエツキー・ソユーズは,当初の予定名がレオニート・ブレジネフЛеонид
Брежнев,
ヤーマルは,オクチャーブリスカーヤ・レヴォリューツィヤОктябрьская
Революцияでしたが,就役後に改名されました.
最終船「50リェート・ポベードゥイ」は1989年に起工されたのですが,ソ連邦解体後の財政難で建造工事は停滞し,就役は2007年にまでずれ込みました.
なお,本船の当初の船名は「ウラル」でしたが,1995年に改名されました.
船名は「(大祖国戦争)勝利50周年」という意味です.
本級の原子炉は,OK-900A型と呼ばれるタイプであり,ロシア・ソ連の艦船用原子炉としては第二世代になります.
本級の機関は「原子力ターボエレクトリック」という形式であり,原子炉で発生させた蒸気でタービンを回し,それによって電動機を回し,スクリューを回転させます.
第二世代原子炉OK-900Aは,第一世代の「レーニン」の原子炉よりも炉の圧力を下げ,冷却用循環ポンプの数も減らしてメンテナンスを簡略化することによって,寿命と安全性を向上させています.
本級の主要任務は,北極海の砕氷活動ですが,35名の船客を乗せる事も出来ます.
ヤーマルやソヴィエツキー・ソユーズは,1990年代から,北極海観光クルーズ船としても活動しており,外国人観光客をターゲットにしています.
本級は,今後も長期間に渡って運用される予定であり,最終船以外の退役予定年は,以下の通りです.
アルクチカ:2008年
シヴィーリ:2020年
ロシヤ:2017年
ソヴィエツキー・ソユーズ:2018年
ヤーマル:2019年
予備役のシヴィーリは,改装工事を実施して復帰予定です.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/5(月) 午後 8:11
「アルクチカ」級は,
1,2番船が全長148m,幅30m,
3,4,5番船が全長150m,幅30m
最終船が全長159.6m,幅30m
したがって,L/B比(全長÷幅)は5.0前後になります.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/8(木) 午後 9:36
"Google Earth"でサンクト・ペテルブルク市にあるバルチースキィ・ザヴォートを見ると,艤装中の最終船「50リェート・ポベードゥイ」50
лет Победыが確認できます.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/26455727.htmlで紹介した,ムルマンスクに停泊する「アルクチカ」級と比べると,船首形状が違います.
「50リェート・ポベードゥイ」は,船体が初期型より延長され,全長159.6m,幅30mとなっております.
(1,2番船は全長148m,3,4,5番船は全長150m)
「50リェート・ポベードゥイ」は,1989年に起工され,1994年に進水,しかし,その後の工事は遅れに遅れ,2007年4月,ようやく就役しました.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/11(日) 午後 1:20
1枚目:アルクチカ

2枚目:シヴィーリ

3,4枚目:ロシヤ


6,7枚目:ソヴィエツキー・ソユーズ

8枚目:ヤーマル

9,10枚目:50リェート・ポベードゥイ

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/5(月) 午後 8:11
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:"Google Earth"で見た原子力砕氷船「アルクチカ」級
【質問】
ロシアの砕氷艦が原子力なのは,どういう理由から?
【回答】
アレは「流氷に取り囲まれて身動きがとれなくなると燃料が無くなって乗員全員凍死」
という北極圏ならではの恐怖によって建造されたわけで.
つか,軍艦じゃないよ.
【質問】
スヴェトリャク型哨戒艇について教えられたし.
【回答】
スヴェトリャク型哨戒艇はロシア国境警備庁所属.
(写真は,極東方面に配備されているスヴェトリャク型)
スヴェトリャクСветляк(Svetlyak)は「蛍」という意味です.
ロシアではПограничный Сторожевой
Корабль (国境警備艦)に類別されています.
スヴェトリャク型には,
前期型のプロジェクト10410
後期型のプロジェクト10412
が有ります.
両タイプの違いは,砲兵装です.
・10410型:AK-176 76mm砲とAK-630M 30mmガトリング砲を1基ずつ装備
・10412型:AK-630M 30mmガトリング砲を2基装備(76mm砲は廃止)
スヴェトリャク型は,ロシア国境警備庁に26隻が就役中であり,更に,5隻が建造中です.
ただし,ロシア海軍には在籍していません.
ロシア以外では,ベトナムが10410型を2002〜2007年に4隻購入しております.
●ロシア国境警備庁に在籍するスヴェトリャク型●
ПСКР(PSKR)は,Пограничный
Сторожевой Корабль
(国境警備艦)の略です.
<極東方面>
[10410型]
162 ПСКР-901:1989年就役
088 ПСКР-903「ホルムスク」Холмск:1989年就役
132 ПСКР-904:1989年就役
104 ПСКР-907:1990年就役
106 ПСКР-908:1991年就役
016 ПСКР-914「コルサコフ」Корсаков:1991年就役
023 ПСКР-915「ネヴェリスク」Невельск:1992年就役
[10412型]
026 ПСКР-918「ユジノ・サハリンスク」Южно-Сахалинск:1994年就役
076 ПСКР-922:2003年就役
126 ПСКР-923:2004年就役
069 ПСКР-926:2007年就役
※10412型×1隻建造中
<バルト海方面>
[10410型]
141 ПСКР-909「ヴィボルグ」Выборг:1992年就役
137 ПСКР-912「アナトリー・コロレフ」Анатолий
Королев:1992年就役
143 ПСКР-913「アルマーズ」Алмаз:1993年就役
※10412型×2隻建造中
<カスピ海方面>
[10410型]
100 ПСКР-902「スタヴロポリ」Ставрополь:1990年就役
109 ПСКР-905「ラスゥル・ガムザトフ」Расул
Гамзатов:1991年就役
013 ПСКР-916:1994年就役
102 ПСКР-919「デルベント」Дербент:1995年就役
[10412型]
136 ПСКР-924「ワレンチン・ピクリ」Валентин
Пикуль:2001年就役
<北洋方面>
[10410型]
065 ПСКР-910「ブリーズ」Бриз:1993年就役
017 ПСКР-911「ポドリスク」Подольск:1993年就役
099 ПСКР-920「シクチヴカル」Сыктывкар:1995年就役
077 ПСКР-917「ネプトゥン」Нептун:1995年就役
[10412型]
139 ПСКР-921「ナリャン・マル」Нарьян-Мар:1998年就役
<黒海方面>
[10410型]
028 ПСКР-906「ソチィ」Сочи:1992年就役
[10412型]
044 ПСКР-925「ヤーマレッツ」Ямалец:2004年就役
※10412型×2隻建造中
"Google Earth"で小クリル諸島のシコタン島(Остров
Шикотан)を見ると,10410型2隻が停泊しているのが見えます.
〔略〕
10410型



10412型


Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/4/13(日) 午後 1:05
【質問】
ロシア海軍の対機雷戦能力は?
【回答】
旧ソ連海軍時代に比べ,見る影もないほど減勢している.
主力は鋼製船体の航洋掃海艇ナチャ型.新鋭艦としてはゴーリャ型がある.
また,艦艇の輸出も行われている.
以下引用.
旧ソ連海軍は,帝政ロシア時代からの伝統を引き継ぎ,第2次大戦後に膨大な対機雷戦艦艇部隊を建設したが,ロシア海軍となった現在,その勢力は見る影もないほど減勢している.
その中で主力となっているのが,1970年代から多数建造された鋼製船体の航洋掃海艇ナチャ型で,現在は9隻が就役しており,さらに1隻が2000年5月に進水した.
就役中の9隻のうち,1隻が掃討タイプと言われ,掃海能力のみの従来型をI型,掃討タイプをII型と称しているが,II型の詳細は明らかではない.
I型は砲,簡易SAM,対潜ロケット発射機,爆雷,さらには機雷も搭載するなど兵装は強力で,むしろ哨戒艇任務を重視している.
同型はインド,リビア,シリア,イエメン,エチオピアに引き渡されている.
満載排水量 804t 全長 61m 幅 10.2m 吃水 3m 主機 ディーゼル2基,出力5,000馬力
2軸可変ピッチ・プロペラ速力 16ノット 乗員 67名
ロシア海軍ではこの他,ソーニャ Sonya 型を20隻保有しており,こちらは満載排水量450tの木造船体にFRPコーティングを施しており,最終艇は1995年に完成した.
本型もブルガリア,キューバ,シリア,ベトナム,エチオピア,ウクライナに引き渡されている.
( from 「世界の艦船」2004年9月号,p.80-81)
http://www.hazegray.org/worldnav/russia/littoral.htm
によれば,「2000年5月に進水」した「ナチャ型」(プロジェクト266M)は,「ワレンチン・ピクル」,
この他,「ヴィッツェアドミラル・ザハリン」「ヴィッツェアドミラル・ズーコフ」が建造中らしい.
「掃討タイプ」の「II型」(プロジェクト266DM)は,艦名「ストレローク」.1982年就役,黒海艦隊所属.
プロジェクト12660(ゴーリャ型)は,1番艦「ゼレズニャコフ」が黒海艦隊,2番艦「ウラジミール・グマネンコ」が北方艦隊所属.
掃海艦としてはゴーリャ Gorya 型がある.
世界の艦船の記事から纏めると,要目は以下の通り.
1988年と94年に1隻ずつ就役した掃海艦で,3番艦は起工後,建造を中止された.
船体は非磁性鋼,上構は軽合金製と言われる.
船体下に機雷探知ソナーを備え,掃海具一式と水中航走体1基を搭載している.
満載排水量 1,130t 全長 66m 主機 ディーゼル,2軸,出力5,000馬力 速力 15ノット 兵装 SA-N-5簡易SAM 4連装発射機2基,
76mm単装砲1基,
30mm CIWS 1基
掃海機器射出用に406mm魚雷発射管2門を装備していると言われるが,その詳細は不明.
( from 「世界の艦船」2004年9月号,p.28)
冷戦中には多くの対機雷艇がワルシャワ条約諸国に譲渡されたが,その殆どは古くなって運用されていない模様である.
運用中と伝えられているものとしては,1988〜96年にブルガリアで建造されたオリヤ Olya 型6隻がある.
冷戦後は,国営の武器輸出会社ロスブーロウジェニィを設立して,積極的に輸出に取り組んでいる.
その実績は,
・ナチャ Natya 型がリビアに8隻,ウクライナに2隻,
・ソーニャ Sonya 型がウクライナに2隻,
・エフゲーニャ Yevgenya 型がウクライナに1隻,グルジアに4隻
である.
(同,p.96)
なお,旧ソ連海軍は航洋型のT-43型も多数整備した.
これらは既に一隻も残っていないが,中国は,そのコピー版である撫順 Fushun 型を1980年代後半までに40隻建造し,現在も27隻保有している他,一部を輸出した.
(同,p.81)
【質問】
「ゼレズニャコフ」について教えられたし.
【回答】
トルコ主導の密輸取締り作戦”ブラック・シー・ハーモニーBlack
Sea Harmony”にも参加するプロジェクト12660外海掃海艦「ゼレズニャコフ」
Морской тральщик "Железняков
は,西側では「ゴーリャ」Gorya型掃海艦として知られており,満載排水量1,150トンの大型掃海艦艇です.
レニングラード(サンクト・ペテルブルク)市のスレドニェ・ネフスキィ造船所で
1985年2月28日に起工.
1986年7月17日進水.
1988年12月30日に就役後,黒海艦隊ヘ配備.
1996年10月,地中海合同演習"Sea-Breeze-96"に参加.
2001年,黒海沿岸諸国海軍合同演習"Blackseafor-2001"に参加.
2002年,"Blackseafor-2002"に参加.
「ゼレズニャコフ」は,ロシア海軍黒海艦隊の第184水域警備旅団・第170掃海艦大隊に所属し,ノヴォロシースク海軍基地を母港としております.
4枚目:ノヴォロシースク海軍基地のゼレズニャコフ(2005年7月31日撮影)

5〜7枚目:洋上行動中のゼレズニャコフ(2005年9月27日撮影)


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/1(木) 午後 8:46
【質問】
「アガート」型について教えられたし.
【回答】
プロジェクト02668「アガート」Агат型はロシア海軍の新型外海掃海艦です.
ソ連邦時代に大量建造されたプロジェクト266(ナチャ型)外海掃海艦の改良発展型となる艦です.
1番艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」Вице-Адмирал
Захарьинは,ヴィツェ・アドミラル・ザハリンは,サンクト・ペテルブルクのスレドニェ・ネフスキィ造船所で2001年に起工され,
2006年5月26日に進水しました.
2007年就役の予定です.
基準排水量:705t
満載排水量:822t
全長:61.0m
幅:10.2m
喫水:3.0m
機関:M-503Bディーゼルエンジン×2基,合計5,000馬力
速力:16ノット
航続距離:巡航速度で3,000海里
兵装:AK-306 30mmガトリング砲×1基
乗員:60名
02668型には,以下の掃海装置が搭載されます.
・高速掃海具BKT
・磁気掃海具TEM-4
・音響掃海具AT-3
・機雷探知機「リヴァディヤ」Ливадия
1枚目:2006年5月26日に進水するヴィツェ・アドミラル・ザハリン

4,5枚目:艤装中のヴィツェ・アドミラル・ザハリン(2007年5月6日撮影)


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/5/11(金) 午後 7:34
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:新型掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリン近影(2008年6月12日)
「ロシア・ソ連海軍」:新型掃海艦ヴィツェ-アドミラル・ザハリン,黒海艦隊へ
【質問】
タランタルIII型「イワノヴェッツ」について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇R-334「イワノヴェッツ」
Ракетный катер Р-334"Ивановец"
は,西側ではタランタルIII型のコード名で知られるプロジェクト12411の1隻です.
レニングラード(サンクト・ペテルブルク)市のスレドニェ・ネフスキィ造船所で建造.
1988年1月4日起工
1989年7月28日進水
1989年12月30日就役.黒海艦隊に編入.
1998年10月29日,「イワノヴェッツ」と命名されました.
現在,ロシア黒海艦隊の第41ロケット艦旅団・第295ロケット艇大隊に所属し,セヴァストーポリのカランチンノイ湾に駐留しております.
(Карантинной бухте)
2008年8月27日,黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は,ロケット艇「イワノヴェッツ」とR-109を率いてアブハジア共和国首都スーフミへ入港しました.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/33946017.html
R-109も,プロジェクト12411(タランタルIII型)です.
写真は,8月27日14時過ぎ,スーフミ港へ接岸した「イワノヴェッツ」です.



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/9/3(水) 午後 7:38
【質問】
CIWS試験艇R-60について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍黒海艦隊所属の大型ロケット艇R-60
Большой Ракетный Катер
"Р-60"
は,プロジェクト12411(タランタルIII型Tarantul-III)の1隻です.
1985年12月10日,スレドニィエ・ネフスキー造船所(レニングラード)で起工
1986年12月30日,進水
1987年12月12日,就役.黒海艦隊へ配属.
以後,黒海艦隊所属艇として活動しました.
2005年末,セヴァストーポリの第13修理工廠で近代化改装を実施
新開発の近接防御兵器である,高射ロケット・砲複合体「パラシ」が搭載されました.
ЗРАК(Зенитно-Ракетно-Артиллерийский
Комплекс) "Палаш"
改装終了後は,黒海で「パラシ」の洋上テストに従事しております.
ソ連・ロシア海軍は,新しい艦載兵器を開発すると,まず最初に黒海艦隊の艦艇へ搭載し,海上テストを実施してから配備する,という「伝統」が有りました.
新兵器試験用ミサイル艇R-44
「コールチク」CIWS試験艇R-71
この「伝統」は,21世紀初頭の今も,R-60に受け継がれています.
1枚目:「パラシ」搭載前のR-60

2枚目:改装中のR-60(2006年1月8日撮影)

3枚目:改装終了後のR-60(2006年6月15日撮影)

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/22(日) 午後 10:30
【質問】
CIWS試験艇R-71について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍黒海艦隊所属の大型ロケット艇R-71
(Большой Ракетный Катер
"Р-71")
は,西側では「スティックス」Styxのコード名で知られる対艦ロケット複合体「テルミート」Термитを主兵装とする高速ミサイル艇です.
元々は,プロジェクト12411Т(タランタルII型Tarantul-II)として起工されましたが,建造途中で,新開発の高射ロケット・砲複合体「コールチク」
(Зенитно-Ракетный Артиллирийский
Комплекс "Кортик"
の洋上試験艇に設計変更され,プロジェクト12417として就役しました.
1981年8月12日,スレドニィエ・ネフスキー造船所(レニングラード)で起工
1983年9月14日進水
1985年6月10日就役
黒海艦隊へ配属
以後,黒海でコールチクの海上テストに従事しました.
R-71は,1989年から1992年に掛けてオーバーホールが実施されました.
この時に,コールチクはプロトタイプから量産型へ換装されました.
その後,2005年に,(量産型)コールチクは撤去されました.
以後,R-71は,近接防御兵器が無いまま,現在も黒海艦隊に在籍しています.
R-71でテストされた「コールチク」は,ソ連・ロシア海軍の大型水上艦の近接防御兵器として採用されています.
R-71

3枚目:海上テスト中のR-71(1988年撮影)

6枚目:コールチク撤去後のR-71(2006年1月20日撮影)

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/22(日) 午後 2:23
【質問】
ナヌチュカ型「ナカト」について教えられたし.
【回答】
プロジェクト1234(ナヌチュカ型)小型ロケット艦(Малые
ракетные корабли) 「ナカト」Накат(526)は,
1982年11月4日起工,
1987年9月30日就役.
1987年12月30日,北方艦隊編入.
就役当初は,他の1234型と同様の兵装(マラヒート対艦ミサイル×6基など)でしたが,1990年代半ば,新型の超音速対艦ミサイル「オーニクス(ヤホント)」の洋上テスト艦に改造されました.
改造後の本艦は,プロジェクト1234.7と呼ばれています.
写真は,改造後の「ナカト」です.
艦橋の両側に,オーニクスの円筒コンテナ6基を載せる架台が設置されています.
従って本艦は,最大で12基のオーニクスを搭載できる事になりますが,写真では,ミサイルコンテナは1基しか装備されていません.
本艦でテストされたオーニクスですが,このミサイルを装備するロシア海軍の新型艦艇は,現時点では1隻も就役しておらず,今現在,ロシア海軍のオーニクス装備艦は本艦だけという事になります.


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/19(火) 午後 5:51
【質問】
水中翼ミサイル艇R-44(Р-44)について教えられたし.
【回答】
1970年代末期から1980年代初頭にかけて20隻が就役したプロジェクト206MP(マトカ型)の1隻です.
ロシア海軍(旧ソ連海軍)における類別は "Большой
Ракетный Катер"(大型ミサイル艇)です.
レニングラード(サンクト・ペテルブルク)市のスレドニェ・ネフスキィ造船所で建造され,
1978年8月31日に就役後,黒海艦隊ヘ配備.
1985年,「02066」改造を受け,当時開発中だったAK-630-M1-2「ロイ」近接防御用ガトリング砲及び3M24「ウラン」対艦ミサイルが搭載されました.
ソ連海軍は新しい艦載兵器を開発すると,まず,黒海艦隊所属艦艇に搭載してテストを行なうというケースが多く,このR-44も同様でした.
ただし下の写真を見ると分かるように,まず,AK-630-M1-2「ロイ」を艇尾に搭載してテストを実施し,その後,3M24「ウラン」を搭載して発射テストを行いました.
1996年には,新開発の76mm砲及び30mmガトリング砲射撃指揮システム
SP-521「ラクルス」СП-521 "Ракурс"を搭載して海上テスト実施.
しかし,本艇でテストされたAK-630-M1-2「ロイ」は,ロシア海軍では不採用,
「ウラン」対艦ミサイルも,ロシア海軍では一部の艦にしか搭載されませんでした.
・1枚目:1986年当時のR-44

・2枚目:AK-630-M1-2を搭載したR-44

・3枚目:近接防御用ガトリング砲AK-630-M1-2「ロイ」

・5枚目:「ウラン」対艦ミサイル搭載したR-44

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/8(月) 午後 7:03
下の写真は, ここ数年間に撮影されたものです.
見ての通り,AK-630-M1-2「ロイ」近接防御用ガトリング砲,及び,3M24「ウラン」(SS-N-25)対艦ミサイルは撤去されています.
書類上,本艇は,ロシア海軍黒海艦隊の第41ロケット艦旅団の第295"スリンスク"ロケット艇大隊所属ですが,兵装は76mm単装砲しか無く,もはや「ロケット(ミサイル)艇」と呼べるものではありません.
ただし,『世界の艦船』2007年6月号を初めとして,本艇がまだ「SS-N-25」4連装発射筒×2基を搭載していると記述している所は多いです.
写真を見ても,ここ数年は全く動いておらず(同じ場所に係留されている),除籍されるのは,もはや時間の問題でしょう.
ロシア海軍には,「マトカ」型ミサイル艇が4隻在籍しておりますが,本艇以外の3隻は,カスピ小艦隊に配備されています.
2004年撮影

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/9(火) 午後 7:13
【質問】
ロシア海軍の病院船について教えられたし.
【回答】
ロシア連邦国防省公式サイト
(Министерство обороны
Российской Федерации,www.mil.ru)
によれば,病院船は,ロシア海軍に3隻が在籍している.
黒海艦隊の病院船「エニセイ」,太平洋艦隊の「イルティシュ」,北方艦隊の「シヴィーリ」.
他の病院船と同様,ポーランドのシチェチン造船所で造られた.
排水量11.600トン,
長さ152メートル,
巡航時の航続距離は11.600海里
独立航海期間は45日
船上に置かれる病院は,100人の患者を同時に収容できる.
船上には,10以上の治療および診断部門,3つの手術室と薬局が有る.
船の総合病院には,200ヶ所の薬局が有る.
いつもウラジオストク市のロシア太平洋艦隊司令部ビル前の艦艇停泊地に居る白い船が,病院船「イルティシュ」です.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/28(水) 午後 6:54
より再構成
【質問】
オビ級病院船について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍のプロジェクト320A病院船
(Госпитальное Судно пр.320А)
は,1980年から1990年に掛け,ポーランドのシチェチン造船所で4隻が建造されました.
現在,ロシア海軍には,以下の3隻が在籍しております.
[エニセイ]Енисей
1981年就役,黒海・第472支援艦艇旅団所属
[シヴィーリ]Свирь
1989年就役,北方艦隊・第16支援艦艇旅団所属
[イルティシュ]Иртыш
1990年就役,太平洋艦隊・第31支援艦艇旅団所属
あとの1隻,1980年に就役したオビ(Объ)は,太平洋艦隊へ配属されましたが,1997年に除籍されました.
ロシア連邦国防省公式サイトによると,オビ級は,
満載排水量11.600トン,
全長152メートル,
巡航速度での航続距離は11.600海里,
独立航海期間45日,
船内に100人の患者を収容可能です.
その船内には,10以上の治療・診断部門が有り,手術室は3室あります.
滅多に海上へ出る事は無いようですが,停泊中も,浮かぶ海軍病院として「営業」しています.
現在,"Google Earth"では,オビ級3隻を見る事が出来ます.
1枚目:病院船エニセイ

3枚目:病院船イルティシュ

5枚目:セヴェロモルスクの病院船シヴィーリ(Google
Earth)

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/28(土) 午後 5:11
【質問】
ロシア海軍の補給艦の現状は?
【回答】
寂しい(笑)
とりあえず,在籍する艦は,だいたい以下の通り.
★太平洋艦隊
補給艦ウラジミール・コレチツキィ,ボリス・ブトマ(プロジェクト1559V/1593,22,460t)
補給艦ペチェンガ(ドゥブナ級,フィンランドで建造,11,140t)
給油艦イリム(プロジェクト160,7,225t)
給油艦ドゥナイ,ヴィシェーラ(プロジェクト577,7,160t)
★北方艦隊
補給艦ゲンリク・ガサーノフ,セルゲイ・オシポフ(プロジェクト1559V/1593,22,460t)
給油艦ヴャズマ(フィンランドで建造,8,913t)
給油艦コラ,プルート(プロジェクト160,7,225t)
給油艦テレク,シェクスナ(プロジェクト577,7,160t)
★黒海艦隊
補給艦イワン・ブブノフ(プロジェクト1559V/1593,22,460t)
補給艦ドゥブナ(ドゥブナ級,フィンランドで建造,11,140t)
給油艦オレクマ,イマン(オレクマ級,フィンランドで建造,6,440t)
★バルト海艦隊
給油艦イェルニャ(プロジェクト160,7,225t)
給油艦レナ(プロジェクト577,7,160t)
いちばん大きなプロジェクト1559V/1593は,ソ連初の本格的補給艦ボリス・チリキン級として知られ,1970年代に6隻建造されたが,在籍するのは5隻.
ドゥブナ級も1970年代建造艦であり,上記のリストでいちばん新しいフネは,1983年就役のヴャズマになる.
プロジェクト160,プロジェクト577,オレクマ級は1960年代建造艦であり,老朽化が進んでおり,行動は不活発.
実際には,頼りになるのはボリス・チリキン級(プロジェクト1559V/1593)だけというのが実情.
ロシア太平洋艦隊の水上艦艇が長期の外洋行動を行う時には,必ずと言っていいほど,補給艦ウラジミール・コレチツキィが随伴している.
旧ソ連海軍は,1970年代末期に,より大型(4万t級)の高速補給艦ベレジナを建造したが,2番艦以降の建造は財政上の理由などで中止された.
これ以降は,アフガニスタン出兵のあおりを受けた海軍予算(建艦予算)の削減により,補給艦艇の建造にまで手が回らなくなり,そのままソ連邦崩壊を迎えた.
その大型補給艦ベレジナも,ソ連崩壊後は行動するコトも無くなり,1997年頃に現役を去った.
余談だが,現在,中国海軍に就役している補給艦「南倉」は,もともとは旧ソ連がウクライナで建造中だった補給艦を,ソ連崩壊後に中国が買い取り,大連に回航して完成させたものである.
【質問】
「ボリス・チリキン」級について教えられたし.
【回答】
旧ソ連海軍初の本格的補給艦とされるプロジェクト1559V「ボリス・チリキン」級
ロシア海軍における正式類別は,"Большой
Морской Танкер "(大型海上給油艦)です.
西側では,"AOR"に分類されています.
1559V型は,1971年から1978年掛けて6隻が建造されました.
建造所は全て,レニングラード市のバルチースキィ・ザヴォートです.
現在ロシア海軍には,以下の5隻が在籍しております.
[ウラジーミル・コレチツキィ]Владимир
Колечицкий
1972年就役,太平洋艦隊・第31支援艦艇旅団所属
[セルゲイ・オシポフ]Сергей Осипов
1973年就役,北方艦隊・第16支援艦艇旅団所属
[イワン・ブブノフ]Иван Бубнов
1975年就役,黒海艦隊・第472支援艦艇旅団所属
[ゲンリク・ガサーノフ]Генрих Гасанов
1977年就役,北方艦隊・第16支援艦艇旅団所属
[ボリス・ブートマ]Борис Бутома
1978年就役,太平洋艦隊・第31支援艦艇旅団所属
あとの1隻,ボリス・チリキンБорис Чиликин(1971年就役,黒海艦隊配属)は,1997年に除籍されました.
旧ソ連海軍時代には,正規の海軍将兵によって運用されていましたが,1990年代中期以降,民間人の船員が運航しています.
民間用のヴェリキー・オクチャブルВеликий
Октябрь級タンカー(1967〜1978年に23隻就航)をベースにした補給艦であり,主要目は,ロシア側の情報によると以下の通りです.
[1559V型給油艦]
満載排水量:22,450t
全長:162.3m
幅:21.4m
吃水:9.0m
主機:スルザー型ディーゼル1基,1軸
出力:9,600馬力
速力:17ノット
航続距離:16ノットで10,000海里
乗員:93名
搭載補給物資:
艦艇用燃料8,250t
ディーゼル油2,050t
航空機用(ジェット)燃料1,000t
水450t
飲料水450t
潤滑油250t
糧食220t
というわけで,補給物資として航空機用燃料も搭載しており,航空機搭載艦への補給も考慮されています.
ソ連時代には,キエフ級VSTOL軽空母やモスクワ級ヘリ巡洋艦に随伴,洋上補給を行っており,2004年10月,空母アドミラル・クズネツォフが北大西洋で行動した際にも,「セルゲイ・オシポフ」が随伴しています.
この他にも,ロシア海軍水上艦が長期洋上行動を行う際には,1559V型給油艦が随伴する事が多く,例えば2003年,黒海艦隊所属艦がインド洋へ行った時には,「イワン・ブブノフ」が随伴しています.
艦齢30年以上のオールドタイマーですが,今のところ代替艦の計画は無く,当面は現役に留まり続けるでしょう.
現在,"Google Earth"では,黒海のセヴァストーポリと沿海州ウラジオストク(ウリス湾)の2ヶ所で「ボリス・チリキン」級3隻を見る事が出来ます.
VSTOL軽空母「バクー」へ洋上給油中の「ボリス・チリキン」

黒海艦隊所属「イワン・ブブノフ」

空母アドミラル・クズネツォフと共に北大西洋で行動中の「セルゲイ・オシポフ」

ウダロイ級駆逐艦へ洋上補給中の「ウラジーミル・コレチツキィ」

太平洋艦隊所属「ボリス・ブートマ」

セヴァストーポリの「イワン・ブブノフ」

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/28(日) 午前 5:51
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:補給艦「イワン・ブブノフ」(ボリス・チリキン級)
【質問】
アルタイ型について教えられたし.
【回答】
プロジェクト160給油艦(アルタイAltay型)は,1967〜1972年に掛けてフィンランドのラウマ造船所(Rauma-Repola)で建造されました.
[プロジェクト160給油艦]
満載排水量7,250t
全長:106.2m
幅:15.5m
喫水:6.7m
主機:バーマイスター・アンド・ウェイン製ディーゼル1基,1軸
出力:3,200馬力
速力:14ノット
航続距離:12ノットで8,600海里
乗員:60名
補給物資:燃料4,400t,固形物資(糧食など)200立方メートル
「バーマイスター・アンド・ウェイン」Burmeister&Wainはデンマークのディーゼルエンジンメーカーです.
現在,6隻がロシア海軍に在籍しております.
・プルートПрут:1967年就役,北方艦隊
・エリニヤЕльня:1968年就役,バルト艦隊
・イジョーラИжора:1969年就役,太平洋艦隊
・コラКола:1970年就役,バルト艦隊
・イリムИлим:1971年就役,太平洋艦隊
・エゴルリークЕгорлык:1972年就役,太平洋艦隊
1960年代に建造されたオールドタイマーですが,代替艦が無い為,未だ現役に留まっています.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/15(土) 午後 10:26
【質問】
ウダ型について教えられたし.
【回答】
プロジェクト577給油艦(ウダUda型)は,1962〜1967年に掛けてヴィボルク市のカラマキ・ザヴォートで建造されました.
[プロジェクト577給油艦]
満載排水量:7,130t
全長:122.1m
幅:15.8m
喫水:6.2m
主機:ディーゼル2基,2軸
出力:9,000馬力
速力:17ノット
航続距離:15ノットで4,000海里
乗員:85名
補給物資:燃料2,900t,固形物資(糧食など)100立方メートル
現在,3隻がロシア海軍に在籍しております.
・テレクТерек:1962年就役,北方艦隊
・レナЛена:1966年就役,バルト艦隊
・ビシェーラВишера:1967年就役,太平洋艦隊
1960年代に建造されたオールドタイマーですが,代替艦が無い為,未だ現役に留まっています.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/15(土) 午後 10:26
【質問】
ソ連ではWIGを飛行機扱い? それとも船扱い?
【回答】
ソ連のWIGには,海軍の艦艇に付けられる「プロイェクト××」という計画番号が付いているから船扱いです.
ソ連のWIGは,当初,飛行機屋と艦艇屋が競作する形で開発が進められましたが,飛行機屋の方は早々に開発を中止し,水中翼船から発達した船屋のWIGが残りました.
ちなみにソ連WIGは,船舶用のアルミ合金で作られています.
カスピ海で試験していた途中でソビエトが崩壊したので,そこで開発は途絶えました.
▼ カスピ海沿岸にあるロシア海軍カスピ小艦隊基地カスピースク基地には,「カスピ海の怪物」とも呼ばれる旧ソ連の表面効果翼艇(WIG,エクラノプラン)が駐留しています.
現在,"Google Earth"でカスピースク基地を見ると,プロジェクト904「オリョーノク」型のS-26とプロジェクト902R「ルン」型のMD-160が確認できます.
この他,廃棄された試作エクラノプランSM-6と思しき物も有ります.
「ルン」型MD-160が載せられている十字型の物体は,「ルン」専用浮きドックです.
MD-160の横に見える物は,「オリョーノク」専用浮きドックでしょう.
旧ソ連の表面効果翼艇は,「モンスター」と呼ばれる程の巨大さも然ることながら,実際に配備,運用するとなると,このような専用の特殊設備を用意する必要が有り,運用コストが掛かり過ぎるのが最大のネックでした.
この他,材料に起因する脆弱性(航空機用アルミ合金に比べ,強度が半分程度の船舶用アルミ合金で造られた為,重量の割には強度不足)も有りました.
「カスピ海のモンスター」は,実は,「ひ弱なくせに金喰い虫のモンスター」だったのです.
ここに見える「オリョーノク」型S-26ですが,現在,モスクワへ回航されています.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/23725065.html
この次に"Google Earth"画像が更新された時,もはや,カスピースク基地で「オリョーノク」を見る事は無いでしょう・・・
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/25(木) 午後 8:02
▲
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:オリョーノク in カスピースク(2006年5月)
「ロシア・ソ連海軍」:オリョーノク近影・その1(2008年6月1日)
「ロシア・ソ連海軍」:オリョーノク近影・その2(2008年6月1日)
WIG「アルバトロス」

飛行機屋的WIG

【質問】
試作エクラノプランSM-6について教えられたし.
【回答】
旧ソ連の試作表面効果翼艇(WIG,エクラノプラン)SM-6(СМ-6)は,1972年に製造され,カスピ海でテストされました.
SM-6の主要目は以下の通りです.
全幅:14.80m
全長:31.00m
全高:7.90m
翼面積:73.80平方m
排水量:26,500kg
巡航速度:350/h
最大速度:700km/h
旧ソ連(ロシア)のエクラノプランと聞くと,「オリョーノク」や「ルン」のような巨大艇を思い浮かべる方が多いでしょうが,これら「カスピ海の怪物」の他にも,小型のエクラノプランが多数造られ,カスピ海でテストされました.
このSM-6をベースにした拡大型が,プロジェクト904「オリョーノク」型です.
いわば,「オリョーノク」型のプロトタイプといった位置付けになるエクラノプランです.
写真3枚目は,2006年5月に撮影されたSM-6です.
・・・・・廃棄,放置されているようです・・・・・



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/4(火) 午後 7:17
【質問】
「ルン」型WIGについて教えられたし.
【回答】
プロジェクト902R「ルン」Лунь型表面効果翼艇(WIG,エクラノプラン)MD-160(МД-160)は,超音速対艦巡航ミサイル「モスキート」(SS-N-22)を主兵装とする対艦攻撃型エクラノプランで,1989年にソ連海軍へ引き渡されました.
今でも,書類上は,ロシア海軍カスピ小艦隊・第11独立航空群に所属している事になっています.
写真は,2006年5月頃,カスピ小艦隊基地カスピースクで撮影されたものです.
・・・・放置状態のようです・・・・・



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/10/23(火) 午後 8:44
【珍説】
「中国,怪鳥艇導入」???
かれこれ4年前の2001年8月9日,こんなニュースが報道された事が有ったが・・・(ちなみに,サンケイだけが(笑))
http://maneuver.s16.xrea.com/diary/
■超低空で時速700キロ 「怪鳥艇」技術を導入 中国
ロシア支援 台湾攻略視野に?
【ワシントン8日=古森義久】
中国が水面上の超低空を高速で飛ぶ大型の特殊飛行艇の技術をロシアから導入し,国内で製造する見通しが八日までに明らかにされた.
同飛行艇は日本では「怪鳥艇」としても知られ,兵員二百五十人を乗せて時速七百キロ以上で走るとされる.
中国側ではこの新兵器を台湾攻略の手段にも使う意図とみられ,「怪鳥艇」は台湾海峡の軍事バランスをも崩しかねない.
この特殊飛行艇は,ロシアが旧ソ連の一九六〇年代から軍民両用に開発を断続的に進めてきた海上輸送機で,物体の翼による揚力が,地表に近いと強くなる原理を利用した点から,国際的には「表面効果翼艇」(WISE)と呼ばれる.
旧ソ連では強襲揚陸艇オルリヨーノク(ワシの子)とかエクラノプラン(表面翼)と呼ばれたが,日本では作家の深田祐介氏が小説「蘇る怪鳥艇」で主題として命名した「怪鳥艇」が通俗の呼称ともなった.
日本での表面効果翼艇研究の権威の久保昇三・鳥取大学教授によると,同翼艇はホーバークラフトに似ているが,同翼艇が翼の効果だけで飛ぶのに対し,ホーバークラフトは機体下に高圧空気の囲みをつくる点で異なるという.
中国の軍事動向を研究している「漢和情報センター」(本部・トロント)が,八日までにロシアの軍事産業筋から得た情報として公表したところによると,中国の人民解放軍はロシア側からの技術支援を得て,この表面効果翼艇を広州地区で製造するための作業に着手した.
中国がどんなタイプの同翼艇を生産するかはまだ不明だが,ロシアはこれまで輸出用に百四十トンの中型を建造しており,中国側では三百七十トンと四百トンの大型二機の製造を意図しているという.
この種の大型は最高時速七百キロ以上,兵員二百五十人の輸送が可能とされ,旧ソ連はすでに海上発射ミサイルのSSN22の同翼艇搭載に成功している.
漢和情報センターによると,中国側の「怪鳥艇」国内生産の最大目的は台湾攻略能力の向上であることが明白で,海面上の数メートルから数十メートルを飛ぶ同艇は,レーダーで探知される確率も低いため,台湾防衛には大きな脅威になるだろうという.
なお中国では同翼艇は「天翼」とか「天鵞」と呼ばれ,民間用の二十人乗り中型が昨年すでに試乗公開された.
http://www.sankei.co.jp/html/0809side011.html(註:現在はリンク切れ)
【事実】
ガセと思われ(笑)
旧ソ連が,「カスピ海のモンスター」と呼ばれる海面効果翼艇(表面効果翼艇,地面効果翼艇とも呼ばれる.
あと,「艇」ではなく「機」と呼ばれる事も有る)の開発を進めていたのは事実だが,結局,実用化には至らずにソ連邦自体が消滅した.
試作された海面効果翼艇にしても,本当に(実戦で)使い物になるかどうかは疑問.
「カスピ海のモンスター」の代名詞とも言える揚陸用海面効果翼艇・プロジェクト904「オリョーノク」型は,1970年代に開発がスタートし,100隻以上量産の計画が立てられたが,実際には3隻しか造られなかった.
しかも,このうち1隻はテスト中の事故で全損している.
そもそも,旧ソ連の海面効果翼艇は,カスピ海でしかテストされていない.
本気で実用化するのならば,北海方面や極東方面でもテストされてもおかしくはないだろう.
まさか旧ソ連は,仮に予定通り「オリョーノク」を100隻以上量産したとして,それらを全てカスピ海に配備するつもりだったわけではあるまい?
「機密保持の為にカスピ海でのみテストしたのだろう」
などと言われるかもしれないが,それならば,黒海沿岸のフェオドシア基地(旧ソ連海軍の新型兵器実験用基地)の存在をどう説明するのか?
なぜ,旧ソ連の海面効果翼艇は,フェオドシア基地でテストを行わなかったのか?
否,「出来なかった」のではないか?
現在,稼動状態にある唯一の海面効果翼艇である対艦攻撃用プロジェクト902「ルーン」型も,カスピ海小艦隊に配備されている.
同型は,ソブレメンヌイ級にも搭載されている超音速対艦ミサイル「モスキート」(SS-N-22)を搭載するが,いったい,カスピ海に強力な打撃力を持つ超音速SSM搭載艇を置くことに何の意味が有るのか?
なぜ,他の艦隊に配備しないのだろうか?
「ルーン」にせよ,その前の「オリョーノク」にせよ,実際はカスピ海以外では,危なくて(怖くて),とてもじゃないが運用できないのではないか?
酷評すれば,「カスピ海のモンスター」は,「カスピ海でしか使えないヘタレなモンスター」だったと言える(笑)
旧ソ連ですら実用化出来なかった海面効果翼艇が,ロシアより遥かに劣る航空技術しか無い中国で,果たしてマトモなモノが造れるかどうかは甚だ怪しいだろう.
少なくとも,ロシアの「オリョーノク」をそのまんまコピーしたモノを造ったところで,東シナ海では使い物にならないだろうしね(笑)
ちなみに,当時,日本でこのニュースを取り上げたのは,サンケイと,「嫌中厨雑誌」(笑)SAPIOのみ.
軍事専門誌は完全無視だったコトからも,「デムパ記事」であるコトが伺えるだろう(笑)
まあ確かに,実際に建造されたら,上記の記事どおり「台湾海峡の軍事バランスをも崩しかねない」だろうね.・・・・・・・・・・・・・中国側が不利な方向に(笑)
こんな危なっかしいシロモノに,兵員250名を乗せて送り出すのは,「神風特別攻撃隊」と変わらないと思われ(笑)
【関連画像】
【質問】
「コスモノート・ユーリ・ガガーリン Kosmonaut
Yuri Gagarin 」について教えられたし.
【回答】
ロシアが持っている(持っていた?)衛星追跡船.
宇宙計画支援船としては世界最大.
『ソ連海軍事典』(原書房,1988/12/20),p.452-453によれば,この種の船は全てソ連科学アカデミーの指令にしたがって行動するとされているが,一方で,
>これらの船舶は情報収集と軍事通信中継という副次的活動にも十分に適している
と,軍事転用の可能性を暗示した表現になっている.
同書によればまた,この種の科学調査船の命名基準は,ソ連の宇宙飛行士と科学者の名前がつけられることになっているという.
本船は前部の艦橋構造上から後部にかけ,巨大なパラボラ・アンテナ,および,それより小型のパラボラ・アンテナ各2基などを装備.
船体はバルバス・バウ型.
ターポ・エレクトリック推進(?) 1軸.
19,000馬力.
速力 17.7knot
航続距離 17.7knotで24,000海里
基準排水量 53,500t
載貨重量 31,300t
全長 231.7m
幅 31.1m
吃水 10m
乗員数,約160
便乗者(科学技術者)数,約180
ヘリコプター設備なし
同型船なし.
月刊『世界の艦船』の増刊号である『ソ連海軍』(海人社,1987/9/15),p.148によれば,ソフィア
Sofia 級タンカーの船体を流用し,1971年にレニングラードで完成,大気圏上部の調査,人工衛星の追跡など,各種の宇宙関連計画の支援に当たったという.
先述の『ソ連海軍事典』,p.454によれば,このソフィア級タンカーは,2箇所の造船所で22隻が建造された(うち1隻は海軍所属)ものだという.
また,同書によれば,大型の球状船首(バルバス・バウ)であり,船首と船尾にスラスターを装備,レクリエーション設備としてプール3個,300席の劇場1個,体育館1個を装備するという.
同書では衛星追跡/通信装備については,クワッド・リング,シップ・ボウル,シップ・シェル,Vチューブの各種アンテナがあり,シップ・シェルとVチューブHFアンテナ各1対は,煙突の外側に装備されているという.
さらに同書 p.619では,本船を建造したのはバルチック造船所であると述べている.
ただし『ソ連海軍事典』は,編者がノーマン・ポルマーであるため,信頼性にやや難があるだろうと推測されるので,その点は留意されたし.

written by レブ・アンドロボフ in 映画『アルマゲドン』(うそ)
【質問】
複合測量艦「マルシャル・クリロフ」について教えられたし.
【回答】
複合測量艦「マルシャル・クリロフ」
(Корабль Измерительного
Комплекса"Маршал Крылов")
は,弾道ミサイルや人工衛星の追尾に使われる特務艦です.
「マルシャル・ネジェーリン」級(プロジェクト1914)の2番艦であり,アドミラルティ造船所で建造され,
1989年12月30日就役,
1990年2月23日,海軍旗を授与され,太平洋艦隊に配備されました.
その後は,ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留し,弾道ミサイル発射テストの支援任務に就いていました.
1枚目の写真は,2007年10月にペトロパヴロフスク・カムチャツキー港で撮影されたものです.
そして「マルシャル・クリロフ」は,最近,ウラジオストクへ回航されてきました.
2枚目は,2008年2月24日に撮影された「マルシャル・クリロフ」です.
ウラジオストク湾内の艦船修理工廠「ダーリ・ザヴォート」に係留されています.
「マルシャル・クリロフ」は,これからオーバーホールされるようです.
「マルシャル・クリロフ」の手前には,今年初めにオーバーホールを終えた太平洋艦隊旗艦のロケット巡洋艦ワリャーグが停泊しています.


Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/3/18(火) 午後 6:56
【質問】
21270型補助連絡艇とは?
【回答】
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は,ロシア海軍の為のコルベット・プロジェクト20380および連絡艇プロジェクト21270の唯一の製造者になると断言
サンクト・ペテルブルク,6月20日(イタル・タス)
という記事によれば,補助連絡艇プロジェクト21270は,ロシア連邦海軍のパレード用および司令部の命令伝達用の艇で,中央海洋設計局「アルマーズ」によって生み出されたという.
最大速力は22ノット.
燃料満載状態での航続距離は,巡航速力15ノットで350海里.
乗組員6人の他,乗客12名(短期間で最大20名)を乗せられる.
特に,連絡艇プロジェクト21270「アリバトロース」は,VIPクラスのロシア連邦海軍主要スタッフの為に,ロシア連邦国防省の発注により建造されたという.
サンクト・ペテルブルクの株式会社「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ造船所」報道部は,今後,コルベット・プロジェクト20380「ステレグーシチー」型および補助連絡艇プロジェクト21270の唯一の製造者になると断言したという.
詳しくは「ロシア・ソ連海軍」2008/6/20(金) 午後 7:18付を参照されたし.


◆◆◆◆揚陸艦
【質問】
ロシアというかソ連が持っていたエアクッション艇について質問なのですが,ポモルニク級は大型でアメリカのLCACのように揚陸艦に搭載するものではないというのを読みました.
となるとポモルニク級は,どういう目的のために使うことを想定しているんでしょうか?
【回答】
あれらは普通のLSTがエアクッション式になってると思えばいい.
「搭載艇」ではなくて,それそのものが単独――実際には複数の艦で船団を編成するが――で運用される.
バルト海とか黒海とかで沿岸揚陸艦として運用する.
軍事板
【質問】
アリゲーター型揚陸艦「サラトフ」について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍黒海艦隊所属の大型揚陸艦「サラトフ」
Большой десантный корабль
"Саратов"
は,アリゲーター型のコード名で知られるプロジェクト1171(проекта
1171)の1番艦です.
起工当初は,「ボロネジスキー・コムソモーレッツ」
"Воронежский Комсомолец"
という艦名でした.
1964年2月5日,カリーニングラードのヤンターリ・ザヴォートで起工(建造番号281)
同年7月1日進水
1965年11月15日〜12月8日,造船所で係留テストを実施.
同年12月28日から海上テストを開始.
1966年8月18日,バルト艦隊のL.V.メドヴェージェフ少将が率いる国家受領委員会の試験に合格した「ボロネジスキー・コムソモーレッツ」は,海軍に引き渡されました.
初代艦長はI.G.マホーニン3等海佐が務めました.
1967年2月22日,BDK-10(БДК-10)と改称.
1992年2月15日,BDK-65(БДК-65)と改称.
2003年7月26日,BDK-65は「サラトフ」と命名されました.
そして,就役から42年を迎える今年(2008年)も,なお健在です.
写真はいずれも,今年春以降に撮影された「サラトフ」です.
現在も稼働状態に維持されている事が分かるでしょう.
2枚目:2008年3月13日撮影

3枚目:2008年4月16日撮影

4枚目:2008年5月5日撮影

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/12(木) 午後 6:13
【質問】
アリゲーター型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」について教えられたし.
【回答】
ロシア連邦国防省公式サイト
(Министерство обороны
Российской Федерации)
によれば,プロジェクト1171「タピール」大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」は,カリーニングラード造船工場「ヤンタリ」で起工,建造された.
1974年6月30日に就役し,太平洋艦隊に配属された.
艦の名前は,1945年のクリル上陸戦において,アレクサンドル・マトロソフの偉業を繰り返した,名誉ある太平洋艦隊水兵のソ連邦英雄ニコライ・ヴィルコフに因む.
配属以来,艦は,サハリンとクリルを含む揚陸演習に,繰り返し参加.
また同艦は,太平洋艦隊の戦闘艦艇部隊の構成に入り,インド洋で7回の戦闘任務を遂行した.
1993年の南方海域への遠征の内の1つでは,2隻の海賊船が,「ニコライ・ヴィルコフ」を奪取する為に乗り移ろうとした.
海賊船がいつも乾燥積荷を受け取っている船に,同艦が類似していたための出来事.
「ニコライ・ヴィルコフ」は海賊船を停船させる為,戦闘警告を発し,機関銃は阻止銃撃を開始.
海賊船との間で銃撃戦となったという.
1994年1月,「ニコライ・ヴィルコフ」は,大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」と共に,ペルシャ湾におけるアメリカ,イギリス,フランス海軍の合同演習「ガルフェクス-22」に参加.
1994年秋,南クリルの地震で住民を救助する作業に従事.
2008年6月末,同艦は,ロシア海軍太平洋艦隊に在籍する唯一のアリゲーター型揚陸艦として,就役34周年を迎えた.
ちなみにアレクサンドル・マトロソフは,対ドイツ戦争で功績を立て,1943年2月27日に戦死したソヴィエト赤軍兵士です.
戦死後,「ソ連邦英雄」称号を授与されています.
また,ニコライ・アレクサンドロヴィッチ・ヴィルコフは,1918年12月2日生まれ.
太平洋艦隊の輸送船「セヴェル」(排水量3,554t,1930年就航,1941年7月徴用)甲板長を務めていた水兵で,1945年8月18日,北クリルのシュムシュ島上陸戦で戦死しました.
戦死した翌月の9月14日付けで「ソ連邦英雄」称号を授与されました.
〔略〕

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/27(金) 午後 10:24
より再構成.
【質問】
「アリゲーター」型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」について教えられたし.
【回答】
ロシア海軍黒海艦隊所属のプロジェクト1171(Проекта
1171)大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(152)
(Большой Десантный Корабль
"Николай Фильченков")
西側では,「アリゲーター」型のコード名で知られています.
カリーニングラードのヤンタリ・ザヴォートで1974年1月30日に起工.
1975年3月29日に進水.
1975年12月30日に就役,黒海艦隊へ編入.
写真は,2008年4月16日にセヴァストーポリで撮影されたものです.
1,2枚目の写真では,上方に,大型対潜艦ケルチ(713),警備艦スメトリーヴイ(810),大型揚陸艦オルスク(148)の姿が見えます.
オルスクは,ニコライ・フィリチェンコフの同型艦です.
ロシア黒海艦隊所属艦は,「外国」に駐留している事も有ってか,他の艦隊よりも「露出」の機会が多いようです.



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/4/27(日) 午後 0:35
【質問】
アレクサンドル・ニコラエフの略歴を教えられたし.
【回答】
プロジェクト1174(イワン・ロゴフ級)大型揚陸艦の2番艦,アレクサンドル・ニコラエフАлександр
Николаев(舷側番号050)は,
1976年3月起工
1982年12月30日就役.
1983年10月17日〜1984年1月27日,極東方面に回航.
1990年代にはウラジオストクに係留され続け,
1990年代末にはストレロク基地(アブレーク湾)に回航され,同地で予備役係留保管されていました.
1997年予備役.
既に西側では退役した事になっています.
しかし,以下の写真は,2006年10月9日にフォーキノ(シュトコヴァ17基地,アブレーク湾)で撮影されたものです.
左端にロシア軍艦旗(聖アンドレイ旗)が見えますが,これは本艦がロシア海軍籍にある事を示しています.
塗装が一部剥がれているものの,それほど酷い状態では無いようです.
なお,手前に砲身(57mm連装砲)が写っている艦は,プロジェクト775(ロプーチャ型)揚陸艦です.
上の写真は,この775型揚陸艦の甲板上から撮影したようです.
(右端に見えるロシア軍艦旗は,この775型のもの)
〔90年代以降,〕全く動きの無かったアレクサンドル・ニコラーエフですが,今年(2007年)に入り,修理計画が浮上してきました.
ここに来て同艦の修理計画が出てきた背景には,東アジア諸国が大型の揚陸艦を続々と建造している事が有るのではないでしょうか.
日本の「おおすみ」型(13,000t)然り,
大韓民国の「独島(ドクト)」(18,800t)然り,
さらに中国も,071型揚陸艦(17,000t)を建造中です.
(ちなみに,イワン・ロゴフ級は14,060t)
この一連の動きに,ロシア海軍も刺激された・・・・かな?

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/5/5(土) 午後 4:47
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/5/15(火) 午後 11:16
【質問】
ミトロファン・モスカレンコの略歴を教えられたし.
【回答】
プロジェクト1174(イワン・ロゴフ級)大型揚陸艦の3番艦ミトロファン・モスカレンコ
Митрофон Москаленко は,
1984年5月起工,
1988年9月進水,
1990年9月23日就役.
1991年3月,北方艦隊基地セヴェロモルスクに配備.
現在,現役にある唯一のイワン・ロゴフ級揚陸艦であると見られています.
写真は,1枚目が2005年7月22日,2枚目は2007年3月10日に撮影されたものです.
1,2枚目とも,同じ位置(セヴェロモルスク基地ワエンガ湾泊地)に停泊しているようです.


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/5/26(土) 午後 7:51
【質問】
ロプーチャ型揚陸艦について教えられたし.
【回答】
プロジェクト775は,ロシア・ソ連海軍の揚陸艦であり,西側ではロプーチャ
Ropucha 型と呼ばれている.
現在のロシア海軍における類別は
「Большой Десантный Корабль」(БДК,大型揚陸艦)
であるが,西側で言えば,戦車揚陸艦(LST)に該当する.
なお,ソ連邦時代には「Средний Десантный
Корабль」(СДК,中型揚陸艦)に分類されていた.
現在のロシア海軍の揚陸艦部隊の中核的存在となっている艦である.
==概要==
一般には,1171型(アリゲーター型)揚陸艦の後継と見られる775型だが,実際には,1171型と同時期の1960年代後半から1970年代前半にかけて大量建造された771型(ポルノクニィPolnocny型)中型揚陸艦(СДК)の拡大発展型であり,本型とほぼ同時期に計画された大型揚陸艦プロジェクト1174(イワン・ロゴフ級)を補完する,中型揚陸艦として計画された.
艦のサイズは771型の4倍となり,収容兵員数及び車輌数も増加した.
最終建造艦3隻は,775M型,西側コード名・ロプーチャII型と呼ばれている.
775M型は,兵装の一部が原型と異なる.
775型の艦内部には,全長95m,幅4.5m,高さ4.5mのタンクデッキが設けられ,482トンの積載能力を有する.
775型は武装した海軍歩兵150名を輸送可能であり,775M型では225名に増加された.
775型は前作771型に続いて,1975〜1991年の長期に渡り,ポーランドのグダニスク市にあるストツィニア・ポルノクナ(北方造船所)で24隻が建造された.うち1隻は,1980年にイエメンに売却された.
ソ連邦解体後,艦種が「中型揚陸艦」から「大型揚陸艦」に格上げされた.
旧ソ連黒海艦隊所属の1隻は,1996年にウクライナに譲渡され,初期建造艦は退役していった.
現在,ロシア海軍には16隻が在籍しており,北方,太平洋,黒海,バルト海の各方面艦隊に4隻ずつが配備されている.
本型は比較的活発に活動しており,特に太平洋艦隊所属艦は,沿海州からカムチャツカ方面への物資輸送に重宝されている.
2004年8月30日,太平洋艦隊所属のBDK-11ペレスウェートが日本の広島県呉市を訪問し,9月4日には,海上自衛隊と共同訓練を行なった.
==主要諸元==
・基準排水量:2,200t
・満載排水量:4,080t
・全長:112.5m
・全幅:15m
・喫水:3.7m
・主機:ディーゼル×2基,2軸推進
・機関出力:19,200馬力
・最大速力:17.8ノット
・航続距離:17.8ノットで6,100海里
・タンクデッキ寸法:全長95m,全幅4.5m,高さ4.5m(各種カーゴ482t及び装甲戦闘車輌×24輌)
・搭載兵員:150名(775M型は225名)
・兵装
・・ストレラ(SA-N-8)近接用艦対空ミサイル8連装発射機×4基
・・AK-257 57mm連装砲×2基(775M型はAK-176
76mm単装砲×1基)
・・AK-630 30mmガトリング砲(CIWS)×2基(775M型のみ)
・・「グラード-M」122mm対地ロケット30連装発射機×2基
・乗組員:98名
==同型艦(現役に有る艦)==
全艦ポーランドのストツィニア・ポルノクナ(グダニスク市)で建造
http://www.northship.com.pl/
・ロシア海軍
<註:艦番号は,ソ連邦海軍時代には「SDK(中型揚陸艦)」だった
[775型]
・BDK-91オレネゴルスキー・ゴルニャク:1982年就役,北方艦隊配備,第121揚陸艦旅団所属
・BDK-100アレクサンドル・シャバリン:1983年就役,バルト艦隊配備,第71揚陸艦旅団所属
・BDK-14ムフタル・アヴェゾフ:1983年就役,太平洋艦隊配備,第100揚陸艦旅団所属
・BDK-105:1983年就役,バルト艦隊配備,第71揚陸艦旅団所属
・ニコライ・コルサコフ:1984年就役,太平洋艦隊配備,第100揚陸艦旅団所属
・BDK-58カリーニングラード:1985年就役,バルト艦隊配備,第71揚陸艦旅団所属
・BDK 64ツェザール・クニコフ:1986年就役,黒海艦隊配備,第197揚陸艦旅団所属
・BDK-46ノヴォチェルカススク:1987年就役,黒海艦隊配備,第197揚陸艦旅団所属
・BDK-67ヤーマル:1987年就役,黒海艦隊配備,第197揚陸艦旅団所属
・BDK-55アドミラル・オチャコフスキー:北方艦隊配備,第121揚陸艦旅団所属
・BDK-32:北方艦隊配備,第121揚陸艦旅団所属
・BDK-45ゲオルギー・ポベドノーセッツ:北方艦隊配備,第121揚陸艦旅団所属
・BDK-101オスリャブラ:太平洋艦隊配備,第100揚陸艦旅団所属
[775M型]
・BDK-54アゾフ:1990年就役,黒海艦隊配備,第197揚陸艦旅団所属
・BDK-11ペレスウェート:1991年就役,太平洋艦隊配備,第100揚陸艦旅団所属
・BDK-61コロレフ:1991年就役,バルト艦隊配備,第71揚陸艦旅団所属
・ウクライナ海軍[775型]
・U402コンスタンチン・オリシャンスキィ(旧ソ連SDK-47):1985年就役/1996年再就役
・イエメン海軍[775型]
・139号艦:1978年就役/1980年再就役



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/3/17(土) 午前 9:53
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:ノヴォロシースク基地の揚陸艦ツェザーリ・クニコフ(2008年6月)
「ロシア・ソ連海軍」:ロシア太平洋艦隊のロプーチャII型揚陸艦「ペレスウェート」近影(2008年7月27日)
【質問】
ロシア海軍の新型揚陸艦,プロジェクト1171.1について教えてください.
【回答】
現用のプロジェクト775(ロプーチャ型)等の後継.1番艦2004年12月起工.今のところ5隻建造予定.
1989年就役のミトロファン・モスカレンコ(イワン・ロゴフ級)以来,ロシアが15年ぶりくらいに建造する揚陸艦艇となる.
ちなみに「プロジェクト1171」は,旧ソ連海軍の「アリゲーター」型の計画ナンバーだが,船体サイズは,1171の4,360tに対し約6,000tと大型化されている.
ロシア側の能書きによると,積載能力は戦車×13両or装甲兵員輸送車×60両+兵員300名.この他,ISO仕様のコンテナを載せるためのスペースも有るとの事.
シア・クァンファ in mixi
【主要目】
満載排水量:約5,000t
全長:120m
幅:16.5m
喫水:3.6m
主機:ディーゼル2基,2軸
出力:5,000馬力×2基
速力:18ノット
行動日数:30日
航続距離:3,500海里/16ノット
乗員:約100名
兵装:AK-176 76mm単装砲×1基
AK-630 30mmガトリング砲×2基
搭載機:Ka-29強襲ヘリコプター
車輌積載数:戦車×13両あるいは装甲兵員輸送車×60両
輸送兵員数:300名
ロシアがこの手の揚陸艦を建造するのは,1989年就役のミトロファン・モスカレンコ(イワン・ロゴフ級)以来15年ぶりになります.
(現在のロシア海軍の主力揚陸艦ロプーチャ型は,ポーランドで建造された)
積載能力は上記要目の通りですが,この他,ISO仕様のコンテナを載せる為のスペースも設けられるとの事.
2004年12月23日に1番艦「イワン・グレン」が起工.
ロシア海軍は,本型を5隻建造する計画で,建造費は5隻合計で50億ルーブル(18億ドル)と見積もられております.
5隻揃ったら,少なくとも1隻くらいは太平洋艦隊に配属されるでしょう.
プロジェクト1171.1

◆◆◆◆偵察艦
【質問】
原子力偵察艦SSV-33「ウラル」について教えてください.
【回答】
本艦は情報収集や衛星・弾道ミサイル追尾,艦隊指揮,通信に使われる多用途特務艦として建造され,1988年10月に就役.
翌年,極東に回航され太平洋艦隊に配備されました.
通常,偵察艦は偵察艦旅団に編入されますが,本艦は,巡洋艦や駆逐艦の部隊である第36艦艇師団に編入されました.
主要目は,以下の通りです.
満載排水量:34,640t
全長:265m
幅:29.9m
吃水:7.81m
主機:原子炉+重油専焼ボイラー
出力:66,500馬力
速力:21.6ノット
兵装:AK-276 76mm連装砲2基,AK-630 30mmCIWS4基
乗員:923名
〔略〕
太平洋艦隊配備後の本艦の行動は極めて不活発であり,ソ連邦解体と前後して早くも予備役編入.
その後は,上の写真の場所〔ストレローク基地〕にずっと係留されております.
1990年代末には,洋上原子力発電所として使うという構想が出てきましたが,実現には至らず,既に海軍籍にも無いようです.
上空から見た「ウラル」



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/16(木) 午後 4:46




〔上掲写真は〕
「IMDS(International Maritime Defence Show)2003」(2003年にサンクトペテルブルク市で開催)
で展示された原子力偵察艦SSV-33「ウラル」の模型.
IMDSは,海外向けにロシアの海軍兵器をアピールし,売り込みを計るのが目的ですが,幾らなんでも,三万五千トン級の大型艦艇,しかも,「偵察艦」などという特殊目的の艦艇を,ロシアが本気で海外に輸出しようなどと考えているわけなど有るはずも無く,
「我が国は,こんな艦も造っていますよ」
と技術力を誇示するのが狙いでしょう.
(造艦技術の無駄遣い,という気もするけど・・・(^^;)
余談ですが,本艦は,日本の軍事オタクの間では,戦記漫画家・小林源文氏の『レイド・オン・トーキョー』に登場した艦として知られているようです.
確かに,同作品では,SSV-33,原子力巡洋艦フルンゼ,空母「リガ」(クズネツォフ級)などが「密集陣形」(笑)で航行しているシーンが有りますね.
(現実の戦闘時には,「空母機動部隊」は,こんなに密集しない)
しかも,艦隊に向かっている1発の対艦ミサイルが,上空警戒中のSu-33戦闘機2機にはキャッチされるものの,これだけの艦艇が居るにも関わらず,誰も気が付かないという不思議(笑)
艦隊乗員は居眠りでもしていたんでしょうね(笑)
さらに,ハープーン1発で空母リガが轟沈するという不思議(笑)
リガの艦内では,タラのフライでも揚げていたんでしょうか(笑)
・・・やはり,「一等自営業」先生の本領は,陸戦モノですね(笑)
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/14(土) 午前 10:17
次にロシア海軍描くときには,アドバイスしたらええやん.
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:ストレロクを去る原子力偵察艦SSV-33「ウラル」
【珍説】
原子力偵察艦「ウラル」はキーロフ級の船体を用いて建造された.
【事実】
上記の要目を御覧頂ければお分かりの通り,キーロフ級とは船体サイズがぜんぜん違いますので,完全なガセです.
(キーロフ級は全長251m,幅28.5m,吃水10.1m)
この「ガセ情報」の出所は,このページかなあ・・・・
http://www.globalsecurity.org/military/world/russia/ssv-33.htm
"This 36,000 ton nuclear-powered command
ship, built on the hull of a Kirov class
cruiser,"
▼ 元々は,1977年に計画されたプロジェクト1153重原子力航空巡洋艦(空母)の船体設計を流用した艦のようです.
確かに,本艦の船体サイズは,プロジェクト1153(全長265m,幅30m)と一致します.
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/16(木) 午後 4:46▲
【質問】
原子力偵察艦「ウラル」が「カプスタ(Kapusta)」という名前で呼ばれることがあるのは何故?
【回答】
「カプスタ(Kapusta)」は西側コード名であり,本艦の正式な艦名ではありません.
(この辺りをゴッチャにして勘違いしている人も多いようですが・・・)
ちなみに本艦は,就役当初は「SSV-33(第33号偵察艦)」という番号だけで呼ばれておりましたが,その後,「ウラル」という固有名が付けられました.
本艦のロシア海軍における正式名称は,プロジェクト1941「チターン」型です.