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 【link】

「an Arms Watcher」◆(2010/07/04)中国海軍艦艇,再び沖縄近海を航行し太平洋に進出

「Defence News」◆(2012/09/08)Tension Rises Over China's Disputed Sea Claims

「Defense News」◆(2012/09/29)Images Provide Clues to China's Naval Might

「Naval War College」◆(2012/01/24)Prof. Holmes recommendation for countering China naval power with littoral combat ships is echoing in blogs

net bunker」(2010/09/23)◆南沙諸島における中国人民解放軍の活動

「Strategy Page」◆(2013/01/26) SURFACE FORCES : China Puts Female Sailors To The Seagoing Test

「Strategy Page」◆(2013/01/27) SURFACE FORCES : China Versus The Scuba Commandos

「The Jamestown Foundation」:中国とヴェトナム,南シナ海のトラブルの現状
Trouble and Strife in the South China Sea: Vietnam and China
By Ian Storey April 14, 2008

「The Jamestown Foundation」:中国とフィリピン,南シナ海のトラブル現状
Trouble and Strife in the South China Sea Part II: The Philippines and China
By Ian Storey 29 April 2008

「The Jamestown Foundation」:中国の「ソフト」海軍力は存在するか?
(2008年からのアデン湾沖への海洋警備活動への派遣と,その背景にある思想や目的について分析)

「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」◆(2011/06/14)【オピニオン】南シナ海波高し―中国の自制求む

「国際情報センター」◆(2010/07/31)南シナ海を巡る米中間のやりとり

「古森義久」◆(2010.2.7)中国が南シナ海で軍事進出

「人民網」◇(2013/01/18) 中国海洋発展研究会が設立

「人民網」◇(2013/01/18) 中国で最高精度の測量衛星「資源3号」

「人民網」◇(2013/04/17) 中国の国防白書発表,海洋問題を重視

「地政学を英国で学ぶ」●二〇一五年:中国海軍に敗れた米海軍

「地政学を英国で学ぶ」●二〇一五年:中国海軍に敗れた米海軍 その2

「地政学を英国で学ぶ」◆動き出す中国海軍

「地政学を英国で学ぶ」◆(2010/05/03)中国の海洋戦略:最近の動向

「地政学を英国で学ぶ」◆(2010/05/10)中国海軍の一連の動き:あるシンクタンクの分析

「地政学を英国で学ぶ」◆(2010/11/17)中国海軍による侵略の歴史

「中南海ノ黄昏」:南シナ海における米軍との衝突

「中南海ノ黄昏」◆(2010/08/04)米国,南シナ海を掻き回す

「東京の郊外より・・・」◆(2013-03-09) パキスタンの港が中国企業管理に

「日本周辺の軍事兵器」:中国海軍

「日本の情報・戦略を考える アメリカ通信」◆(2012/03/30) 「シーパワー」を目指す中国

「日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信」◆(2013/04/03) 中国は海洋強国たり得ない

「フォーリン・アフェアーズ・リポート」◆(2011/06/10)いまや大中国圏が形成され始めている.そして,影響圏形成の鍵を握るのが中国の海軍力だ.中国は,米海軍が東シナ海その他の中国沿海に入るのを阻止するための非対称戦略を整備している(R・カプラン)

「リアリズムと防衛を学ぶ」◆(2010/07/23)中国とアメリカは「海のナワバリ」を争う

「リアリズムと防衛を学ぶ」◆(2011/01/11)中国の離島侵攻プランと『戦略的辺彊』

「ロシアの声」◆(2011/06/12)中国海軍の拡大はどのような影響を与えるか

新「六課」◆(2012/04/23)ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」が始まった

新「六課」◆(2012/04/24)ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」の活動段階が始まった

新「六課」◆(2012/04/25)ロシア・中国海軍艦艇は黄海で演習を実施する

●書籍

『中国海軍と近代日中関係』(馮青著,錦正社,2011/11/29)

 清末の北洋海軍から,日清戦争後の海軍再建,その再建期に於ける日本海軍の役割,米国の関与,中華民国初期に於ける米国からの海軍再建借款履行に対する苦境と挫折,東北海軍の発展と日本との関係について述べた論考集.
 今まで余り光の当たっていない部分だけに,面白そうな命題.

------------眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2012/02/13(月)
青文字:加筆改修部分

『中国の海洋戦略にどう対処すべきか』(太田文雄&吉田真著,芙蓉書房出版,2011/8/9)

 まだ読んでませんが,良さげ.
 中国の最近の全般ドクトリン/海洋戦略/組織などを紹介しつつ,対策を提言.
 といっても,対策は内容に20%くらいの分量,
 対策よりも中国海洋戦略の分析に,重点が置かれています.
 なんか防衛白書の補足説明版な感じもしますが,最近の海自の中国に対する見方の一端が伺い知れる書籍ではないかと.
 防衛白書の補足資料という位置づけで取ると良いです.

 著者は元情報と元海幕の人ですね(現防大教授)
 これの陸空軍版も出ないかなぁ…特に陸希望.

------------Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2012/02/08(水)
青文字:加筆改修部分

 悪い本じゃないと思ったが,今年になって,防衛白書や防衛研究所の出版物からの無断引用が行われていたのが明らかになったのが残念.

------------軍事板,2012/02/08(水)

『万里の長城を,海に 21世紀の中国海軍』 Bernard D. Cole著<「リアリズムと防衛を学ぶ」◆(2011/01/17)

『東シナ海が危ない!』(上田愛彦他著,光人社,2007.1)

 パイプライン完成とともに操業開始を取り沙汰される,東シナ海ガス田をめぐる紛争,その実態とは?
 尖閣諸島に大挙上陸,占拠の可能性はどんなものか?
 厳然として今そこにある危機に,日本はどのように対処するべきでしょうか.
 専門家が,テーマ別に政治的,経済的,戦略的観点から複眼的視野で分析し,支那の危険度を透視した話題の作品です.
 著者は,上田愛彦予備役陸将[陸軍中将],高山雅司予備役海将補[海軍少将],杉山徹宗氏など,わが国唯一の軍事シンクタンク「ディフェンス・リサーチ・センター(DRC)」のメンバーです.

――――――おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)12月18日

 【質問】
 中国海軍のドクトリンはどこの影響を受けているのか?

 【回答】
 かつての仮想敵だったソ連時代の経験・思想から多くを学んでいるという.
 これは全世界的に展開しうる海軍の建設を,中国が企図しているため.

 中国の海洋軍事ドクトリンは,2015年までに1,000浬,2025年以降は全世界的にその力を行使しうる海軍の建設を計画している.
 そして年々増加する潤沢な軍事予算により,艦艇やインフラの整備は進んでいるが,戦略や戦術などに関する知識・経験不足は否めず,冷戦時代の戦略仮想敵であるソ連(ロシア)海軍の思想や経験を拝借しているのが現状だ.
 ロシア太平洋艦隊の高官は,次のように述べている.
「中国は山東省周辺海域で行われた初の露中軍事演習『平和ミッション2005』を機に,揚陸作戦に必要な準備,部隊の展開,戦術や連携を学び,貴重な経験を手に入れた.
 また,中国軍参謀本部や海軍司令部は,旧ソ連海軍の大規模な演習を研究しており,特に空母機動部隊の運用や対処策に高い関心を寄せている」

「世界の艦船」2006年3月号,p.152(A. V. Polutov著述)

 まあ,米国海軍のそれは真似しようにも真似できるものではないからね.


 【質問】
 1971年以降の中共海軍の略史を教えてください.

 【回答】
1971年
 中共が自国開発したとされる第一世代通常潜水艦が進水.
1974年
 中共初の原潜が就役.
1980年
 海軍艦艇18隻から編成された特殊混合編隊が,太平洋海域で中共初の長距離弾道弾試射任務を実施.
1981年
 近代化された軍艦「済南」に艦載機と衛星ナビゲーションを搭載.
1982年
 潜水艦発射弾道ミサイルの実験に成功.
 海軍艦艇70数隻が潜水艦発射弾道戦略ミサイルの実験任務に参加.
1983年
 中共最初のミサイル原潜が就役.
1984年
 海軍J506艦が中国初の遠洋実験通信衛星の打ち上げ任務に参加.
 海軍J121艦と艦載ヘリコプター及び308人の士官・兵士が南極遠征.
 中共南極観測所の長城駅を設立.
 中共海軍艦艇の遠距離航海の新記録を更新.
1985年11月16日
 ミサイル駆逐艦「合肥」,大型補給艦「豊倉(現在の名称は「(番+オオザト)陽湖」)」で編成された部隊がパキスタン,スリランカ,バングラデシュ3カ国を訪問.
 中共海軍部隊の外国訪問はこれが初めて.
1986年
 中共最初の完全密閉式NBC防御型フリゲート「黄石」が就役.
1988年
 SLBM(潜水艦発射型弾道弾)の試射に成功.
 水面下発射型戦略ミサイル能力を保有する,世界で5番目の国となった
 大陸まで1400キロ余りの南沙諸島に海軍部隊が海洋観測所を設立.
 中共の口実は「国際気象機関に100万組余りの気象資料を提供している」というもの.
1994年5月
 ミサイル駆逐艦「珠海」,ミサイルフリゲート「淮南」,潜水艦救難母艦(中共の呼び名は「遠洋救助船」)「長興島」で編成された部隊が,初めてロシアのウラジオストックを訪れ,北緯40度線を越えた.
1997年2月〜5月
 ミサイル駆逐艦「ハルビン」,「珠海」,大型補給艦「南倉(現在の名称は「青海湖」)」で編成された部隊が,初めて太平洋を渡り,98日間にわたってアメリカ,メキシコ,ペルー,チリ4カ国を訪問.航程は2万4000海里.
2000年7月
 ミサイル駆逐艦「深セン」,大型補給艦「南倉(現在の名称は「青海湖」)」で編成された部隊が,マレーシア,タンザニア,南アフリカを訪問.
 このときの遠洋航海で,中共海軍艦艇は初めて太平洋,インド洋,大西洋,南インド洋を通ったほか,アフリカ大陸を初めて訪れ,喜望峰を初めて越えた.
2001年8月
 ミサイル駆逐艦「深セン」,大型補給艦「豊倉(現在の名称は「(番+オオザト)陽湖」)」で編成された部隊が初めてドイツ,イギリス,フランス,イタリア4カ国を訪問.
2002年5月〜9月
 ミサイル駆逐艦「青島」,大型補給艦「太倉(現在の名称は「洪澤湖」)」で編成された部隊が,中共海軍初の世界一周を達成.世界5大州の10カ国・港を訪問した.
2003年10月
 中共とパキスタンの海軍部隊が東シナ海長江河口海域で海上合同演習実施.
 海空合同捜索・救助演習を行った.
 中共海軍初の外国海軍との合同演習だった.
2004年3月
 青島付近海域で,中仏海軍が初めて合同軍事演習.
2005年8月
 中共海軍が黄海海域で「平和使命-2005」中ロ合同軍事演習に初参加.
 中共海軍艦艇は相次いでパキスタン,インド,タイの海軍と合同捜索・救助を主目的とした軍事演習を実施.
 これは中共海軍が初めて海外で参加した演習となった.
2007年10月
 中共海軍は,中共が提唱して行われたシナ,オーストラリア,ニュージーランド三国による海上合同捜索・救助演習を南太平洋のタスマン海域で行った.
2008年
 中共海軍は4回にわたって,ブラジル,チリ,エクアドル,海自の四国海軍による航海訓練に参加.
 初めて士官・兵士を派遣した.
2008年5月14日
 中共海軍の特殊作戦隊が2750人の士官・兵士を四川地震の被災地に派遣.
 応急・震災救済の任務につく.
 特殊部隊の参加はこれがはじめて.
 北京五輪大会期間中,海軍は将校・兵士延べ10万人余り,艦艇941隻,航空機12機,車両1万台余りを動員.
 海上,競技場の保安,競技場施設の建設及び開幕式,閉幕式実演などの任務についた.
 海軍創設以来,最大の兵力と装備を派遣した.
2008年12月26日
 アデン湾,ソマリア海域における護衛任務につくため,ミサイル駆逐艦「武漢」,ミサイルフリゲート「海口」,大型補給艦「微山湖」からなる部隊が海南島の三亜から出航.
 4月初めまでに30回余り,計100隻余りの商船護衛任務を行った.
 派遣要員総数は700名規模.
2009年3月
 ミサイル駆逐艦「広州」がパキスタンに派遣され,多国籍合同軍事演習「平和-09」に参加.
 中共海軍は初めて特別作戦分隊を,陸上対テロ演習に参加させた.
 これは中共海軍が海上対テロにおける外国軍との協力と交流に,新しい進展を見せたことを示している.
2009年4月2日
 2次海賊対処派遣部隊のミサイル駆逐艦「深セン」,ミサイルフリゲート「黄山」が湛江を出航,太平洋を経由してインド洋のアデン湾に到着,海賊対処任務にあたった.
(1次隊の補給艦「微山湖」を現地で継続運用)
2009年7月16日
 3次海賊対処派遣部隊のミサイルフリゲート「徐州」,同「舟山」,大型補給艦「千島湖」が舟山を出航.090801より現地で任についた.
2009年10月30日
 4次海賊対処派遣部隊のミサイルフリゲート「馬鞍山」,同「温州」が舟山を出航.
(3次隊の大型補給艦「千島湖」を現地で継続運用)
2010年3月4日
 5次海賊対処派遣部隊のミサイル駆逐艦「広州」,ミサイルフリゲート「巣湖」,補給艦「微山湖」が海南島の三亜を出発した.
 部隊指揮官の張文旦上級大佐は,南海艦隊副参謀長である

 ちなみに,明の時代の支那で「鄭和の航海」というのがありました.
 鄭和が指揮する大艦隊は,明への朝貢を促すための大示威航海を1407年から7度にわたって行いました.
 その範囲は東南アジアをはじめ,インド・中近東,東アフリカにまで達しています.

 20世紀末から外洋海軍の海外派遣をはじめた中共は,2002年に艦艇部隊による「世界一周」を行い,「鄭和の再来」という形で仰々しく発表しました.
 現在の中共は,当時の明を意識しているフシが多々見受けられます.

 ちなみに当時のわが国は室町時代でした.

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)5月24日(月)


 【質問】
 以下の記事ですが,本当に黄海の制海権は中国に攻め込むのに必須?

------------
○小さくなる米国に,変わるアジアの安全保障−日本経済新聞社編集委員 鈴置高史さんに聞く朝鮮半島情勢【番外編その3】−

 黄海は首都,北京の玄関.
 中国にとって極めて重要な海です.
 日清戦争も日露戦争でも,日本が開戦劈頭にこの海で清国やロシアの海軍を打ち破り,海上優勢を確保しました.
 海洋勢力が中国大陸に攻め入るには,黄海の海上優勢が必須だからです.
 逆に中国からすれば,国を守るためには黄海の海上優勢を維持するのが必須です.(鈴置)
------------

 【回答】
 冒頭の
「黄海は首都,北京の玄関.中国にとって極めて重要な海です」
はまったく以ってそのとおりですが,それに続く
「日清戦争も日露戦争でも,日本が開戦劈頭にこの海で清国やロシアの海軍を打ち破り,海上優勢を確保しました」
はちょっとおかしい.
 確かに日清戦争の「豊島沖海戦」は,開戦劈頭に起きて日本が勝利しているが,これによって黄海の制海権を確保できたわけではない.
 清国北洋水師(現在の中国北海艦隊に相当する)は依然,日本よりも優勢な海軍戦力を保持しており,豊島沖海戦の約2ヵ月後の黄海海戦により,北洋水師の主力が撃破されるまで,日本の海上優勢は確定していない.
 そして何より,戦線が中国領まで拡大したとはいえ,日清戦争は朝鮮半島を巡る主導権争いでしかない.
 決して中国への侵略まで日本が考えていたわけでは無い,少なくともあの時点では.
 日本による海上優勢確保は,朝鮮半島への補給路確保のためのものであり,中国侵略のためではない.

 また,日露戦争では,確かに開戦劈頭に旅順港に奇襲攻撃をかけているが,その効果は極めて限定的であり,それにより黄海の海上優勢を確保出来たわけではなかった.
 旅順港には,未だロシア太平洋艦隊の主力が健在であり,ロシアが増援艦隊回航までは艦隊保全主義を採用していた事もあり,日本にとって脅威であり続けていた上に,ウラジオストックのイェッセン支隊による遊撃戦により,日本の海上輸送線は常に脅かされていた.
 日本が黄海の制海権を明確に確保したと言えるのは,陸軍第3軍により旅順要塞が落ち,太平洋艦隊主力が無力化してからだ.

 そもそも日露戦争も,日本の戦争目的は中国侵略ではなく,朝鮮半島へのロシア進出阻止である.
 日本海軍の海上優勢確保も黄海限定ではなく,大陸への補給線確保であり,日本海を含む,より広い範囲の海上優勢が求められていた.

 つまり,日清・日露戦争における海上優勢確保は中国(清国)への侵略目的ではなく,朝鮮半島及び旧満州地域に展開する陸軍への補給線の確保が目的であり,その手段として“敵海上戦力の撃滅”と言う手段がとられた結果,黄海の海上優勢“も”確保できたと言うに過ぎない.
 鈴置氏の主張は,結果から逆算した誤解でしかない.
 少なくとも,日本軍は日清戦争でも日露戦争でも,北京の攻略を実行する予定はなかった筈だ.
 日清戦争では直隷平野での決戦は考えられたが,それは敵野戦軍の撃滅を目的としたものであり,敵国の首都攻略を目的としていたわけではない.

 さらに言うのなら,“日本が”,“北京攻略を目的として”中国に攻め込むのなら,それは黄海の制海権は重要になって来るでしょうね,位置的に.
 ですが日本以外の国が,中国侵攻を意図とした場合,又は日本の場合でも,北京攻略を意図しない場合,果たしてそこまで重要かな?

 例えば昭和期の日中戦争は,第2次上海事変が発端です.
 第2次上海事変で出動した現地軍が暴走し,“当時の首都である南京”に進撃した.
 この場合,制海権確保は,中国側に碌な戦力が無かったので容易であったが,黄海は位置的に大して重要ではなく,東シナ海の制海権確保がより重要になって来る筈だ.
 現代の中国の第1・第2列島線構想でも,主戦場は東シナ海や南シナ海であり,黄海ではない.
 首都攻略と言うのは,中国のような広大すぎる国土を持つ国家に対して,大して有効な戦略ではない.と言うか,相手の面子を潰すだけで却って徹底抗戦を決断させる要因となりかねない.

 実際に日中戦争でも,南京陥落後も重慶に遷都して徹底抗戦,日本は手詰まりに陥ってしまった.
 また第2次大戦欧州戦線でも,ドイツがモスクワを落としても,それでソ連が敗北し得たかどうか怪しいと言われている.

 結論として,上記の記事における,
「海洋勢力が中国大陸に攻め入るには,黄海の海上優勢が必須」
「逆に中国からすれば,国を守るためには黄海の海上優勢を維持するのが必須」
と言うのは,必ずしも正解とはいえない.
「黄海は首都,北京の玄関.中国にとって極めて重要な海」
と言う点は同意できますけどね.

鉄底海峡 in mixi,2012年05月19日15:28
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 島嶼保護法とは?

 【回答】
 「海島(=島嶼)保護法」とは,離島の生態や資源保護・開発を規定した法律であり,2009.12.26,中共の全人代常務委員会によって可決,成立した.
 2010年3月1日に施行される

 1.国による無人島管理や離島の環境保護を柱とする内容で,無人島が国に属すること,環境破壊防止のための離島開発制限を規定している.
 主な狙いは「海洋権益の確保」で,離島やその周辺の,排他的経済水域(EEZ)のエネルギーや漁業資源を確保することにある.

 1.同法には「水に囲まれ,満潮時に水没する陸地」の保護・管理に,同法の規定を「照合」することを盛り込んでおり,
「法の運用次第では,満潮時に水没しないように『管理』し,領海を広げようとする可能性も否定できない」
との懸念が出ている.

 1.わが固有の領土である尖閣諸島や,フィリピン等と支那が領有権を争っている南沙諸島等も,同法でいう保護対象になる可能性がある.

おきらく軍事研究会,平成21年(2009年)12月28日
青文字:加筆改修部分

島嶼保護活動中
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 スプラトリー(南沙)諸島問題とは?

 【回答】
 沿岸諸国の国境線が入り組み,海上に無数の島が存在する南シナ海は,EEZ〔排他的経済水域〕の設定には悪夢のような場所だ.その上にスプラトリー諸島全体の領有権を主張する中国の存在がある.
 中国は徐々に圧力を増してきており,それが東南アジアの異常な軍拡競争を招いているという.

 以下引用.

 スプラトリー(南沙)諸島は100以上の島・岩礁・環礁から成り立つ,南支那海の諸島である.
 戦略性の高いシーレーン海域にあるだけでなく,70年代に次々と確認された海底油田の存在が,周辺諸国の強い関心を集めた.
 周辺諸国の内,これまでにスプラトリー諸島の全域ないし一部に対し,何らかの形で領有意図を表明したのは,中国,台湾,ヴェトナム,マレーシア,フィリピン,ブルネイであり,問題の複雑さが想像できよう.

 シーレーンや海底油田が問題にならなかった時代,スプラトリー諸島は曖昧に存在していたと言える.
 1930年代,インドシナ半島を植民地支配するフランスと,南への野心を持つ日本が領有争いをした末,日本が,1939年にこれら諸島を「新南群島」と命名,支配権を確立している.

 戦後のサンフランシスコ平和条約で,日本が全ての権利を放棄すると,真っ先に中国が領有意図を表明,
 その後も積極的かつ露骨な行動を見せる中国が,近隣諸国の警戒心を喚起してきた.
 例えば中国軍は,74年と88年の2度,スプラトリー諸島領有を巡ってヴェトナム軍と戦火を交えた他,95年にはスプラトリー諸島東端でフィリピンと係争中だったミスチーフ環礁に「漁業関連施設」を建設したと,強い抗議声明をフィリピンが発表している.
 この間,92年に中国は,自国の新しい領海法を制定,その中にスプラトリー諸島領有を一方的に規定し,続いて,同諸島西端のヴェトナムと係争中の海域の海底油田探査契約を,米国企業と結んでしまった.
 米国の技術に頼ると共に,紛争激化の暁には米政府の支援・保護を期待するという,中国の巧妙な計算が伺われる.
 当惑したASEANは,同年7月の外相会議で「領有問題の棚上げ」と「資源共同開発」を謳う宣言を発表している.

 中国脅威論の高まりを恐れてか,中国はその後,対話姿勢を強調している.
 しかし,2国間協議で優勢に処理したい中国と,多国間協議で強大中国の圧力をかわしたいASEAN諸国との対立は埋まっていない.
 95年のフィリピンに対する,中国の強引な攻勢による既成事実はそのままであり,円満に事後処理する動きは見えない.

 問題の海底油田は,中国南部の珠江油田に繋がる鉱脈とされるが,
「巨大な埋蔵を裏付ける地質学的証拠はない」(ハワイ大学東西センターの資源調査)
との情報もある.
 もし大油田発見の報が流れたら,たちまち紛争に点火するきっかけになるかもしれないし,例え大油田発見に至らなくても,主権が絡むゆえ,紛争要因は消えない.

 ASEANは,99年の外相会議で提示された,南シナ海の紛争を回避するための「地域行動基準」について協議を開始したが,基準を適用する範囲についてASEAN内部の意見対立を続けた.
 領土の領有権を巡る南シナ海情勢の不安と,中国の覇権拡大を警戒する米国は,沖縄駐留の電子偵察機EP-3を台湾海峡や中国沿岸まで飛行させている.
 その1機が2001年4月,同じように対抗して警戒中の中国軍のF-8戦闘機と接触,中国機は海中に墜落し,米軍機も中国領土の海南島に不時着した.
 米機の乗員・機体は難交渉の末,返還されたが,米中のピリピリした関係の中で,中台摩擦と南シナ海の領有権問題が連動する微妙な情勢を印象付けたと言える.

(「アジア情勢を読む地図」,新潮文庫,2001/12/1,p.90-93,抜粋要約)

 沿岸諸国の国境線が入り組み,海上に無数の島が存在する南シナ海は,EEZ〔排他的経済水域〕の設定には悪夢のような場所だ.
 例えば,中国とベトナムはトンキン湾の領海域を巡って衝突し,フィリピンとマレーシアは共に東ボルネオ沖の領有権を主張している.
 さらに,ベトナムとマレーシアがタイ湾の領有権を争っている.
 これだけでも複雑なのに,その上にスプラトリー諸島全体の領有権を主張する中国の存在がある.
 中国はそれによって南シナ海の大半をEEZとすることを狙っており,スプラトリー諸島の一部あるいは周辺海域の領有権を主張するインドネシア,台湾,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシアと正面から対立している.
 南シナ海におけるエネルギー資源争いはスプラトリー諸島を巡る争いである,と言っても過言ではない.
 スプラトリー諸島は,約8万平方マイルの海域に点在する合計約40もの小島や岩礁――その多くは潮が満ちると海面下に沈む――から成る.
 人が住める島はないが,全体あるいは一部の領有権を台湾,中国,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシアが主張している.

Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.177-178

〔台湾侵攻準備と共に,〕また同時に,中国政府の公式発表と軍の配備状況から,南部海域での軍事力展開を意図していることも明白だ.
 例えば海南島へのスホイ27の配備,同海域での新型艦による警戒監視行動などで,狙いはスプラトリー諸島とその鉱区の領有権主張を強めることにある.

 いずれにせよ,周辺諸国は中国の海軍増強を,南シナ海の軍事的支配を目指すものととらえ,自国の海軍強化を図っている.
 僅か15年前まで,東南アジア諸国は大型軍艦を殆ど保有していなかった.
 それが1980年代後半以降,公海上での作戦能力を持つ新鋭艦が導入され始めた.
 その目的は様々だが,南シナ海のシーレーンおよびEEZの防衛が意図されていることは明らかだ.

 先頭を行くのはマレーシアだ.
 〔略〕
 マレーシアの海軍艦艇建造計画は現在,アジアで進行中のものとしては数量ペースで最大規模である.

 タイとインドネシアも,それぞれ海軍の本格的整備を進めている.
 〔略〕

 他の小国も海軍増強に予算を注ぎ込んでいる.
 〔略〕

 これらの計画が全て完了するのは,まだ先のことだとしても,中国と東南アジア諸国の海軍増強により,今後10〜15年間に最大で100隻もの艦艇が新たに加わることになる.
 これは世界で他に例を見ない規模の軍拡だ.

 さらに,この軍拡の加速は,空軍力の拡大を伴うものでもある.
 各国とも長距離哨戒機や,高度な対空・対艦ミサイルを備えた戦闘機を導入している.
 これらの計画により,南シナ海の海上と上空における各国の軍事作戦能力は,大幅に高まっている.

Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.189-192

 なお,こちらに関係海域地図を示す.

 で,最近の報道によれば,フィリピンはどうも力負けしてしまった模様.

フィリピン,中国,ベトナムが南沙諸島海域の警備で協力

 19日のAFP通信によれば,中国,フィリピン,ベトナムは南沙諸島海域での安全面での協力関係を強化します.
「われわれはこの地域における直接対話を継続することで合意した.これにより,海賊,密輸,国際犯罪などの問題は解決されるであろう」(フィリピン軍参謀長)

 フィリピン軍参謀長は先々週,この4月に南沙諸島で発生した,中国漁船内に4名の中国人の死体と3名の怪我人が残されていた事件に関する話し合いを,ベトナム・中国のカウンターパートとの間で行なっていました.
 中国メディアは
「この攻撃はフィリピンによるもの」
と早い段階で伝えていましたが,フィリピンは,
「捜査の結果,フィリピン政府の艦艇はその海域に存在せず,この事件は『明らかに海賊によるもの』」
と主張したそうです.

 南沙諸島は南シナ海にある,100以上の島々とさんご礁からなるところで,ブルネイ・中国・台湾・ベトナム・マレーシア・フィリピンが一部もしくは全面的な領有権を主張し対立しています.
 ちなみに,ブルネイを除くすべての国は,南沙諸島に軍部隊を駐留させています.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)5月22日

China, the Philippines, and U.S. Influence in Asia
By Renato Cruz De Castro Posted: Thursday, July 5, 2007
AEI:中国とフィリピンの関係改善,アメリカの東南アジア外交にとっての意味

では,急速に関係改善の進んでいる,フィリピンと中国の外交経済関係について解説されている.
 これによれば,中国の東南アジア抱きこみ作戦は成功していて,アメリカが東南アジア外交に見るべき新政策を打ち出せていない中,中国が着々と得点を上げているという.
 以下引用.

――――――
Arroyo called on China to invest more in the Philippines, especially in agriculture, fisheries, and infrastructure. . . .
She also emphasized China's important strategic role in economic development and security in the Pacific Rim.
・・・
While the United States remains Southeast Asia's most important military actor, its power and influence are being gradually eroded by China's soft-power diplomacy and hard-power buildup. Unless the United States develops a comprehensive strategy that includes economic and diplomatic resources in addition to military capabilities, its strategic and diplomatic preeminence risks being outflanked by China's diplomatic gambit.
――――――

ニュース極東板
青文字:加筆改修部分

 今後の争奪戦は,ヴェトナムと中国との間で主に行われます,たぶん.
 そういえば,ヴェトナムが米軍に基地を提供するとかいう話もありますね.

(匿名)

▼ 東南アジア以南の地図があやしい人向けに,地図作っておいたよ.
 Google Mapから取得したものを加工.

まようさ or フィメたん
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 南沙諸島問題について,フィリピンが中国の軍事力に考慮してか領土問題は棚上げして,共同開発をする予定らしいです.
 そもそも,位置的に南沙諸島を中国領というのは無理があるのではないでしょうか?
 どういう理屈で中国は領有権を主張しているのですか?

 【回答】
 台湾と澎湖島を明治23年日清両国講和条約にて獲得します.
 その台湾の高雄市に,新南群島(今の南沙諸島)を編入(1938年)します.
 で,講和条約で日本は海外領土を放棄します.
 この時,新南群島がどの国のものか,きっちり規定していないのが発端.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)

 そして,「古来からスプラトリー諸島は中国のものだった」というのが中国的見解.

-----------
 中国は,唐朝時代(618〜907年)からスプラトリー諸島(中国名・南沙諸島)を領有してきたとしている.
 その裏付けとして中国は,唐朝以来の南沙諸島における様々な海運・軍事活動を挙げている.
 しかし大半の西側専門家は,そうした活動は間欠的であった上に,漁業が主だったと見ている.

-----------Michael T. Klare『世界資源戦争』(廣済堂出版,2002/1/7),P.178

 【質問】
 ミスチーフ環礁事件とは?

 【回答】
 ミスチーフ環礁領有権を巡り,フィリピンが非武装(のごとき貧弱な軍事力と)平和主義ではやっていけないことを思い知らされた事件.

 1995年初頭,フィリピンは驚愕する.中国がミスチーフ環礁に軍事監視施設をいつのまにか建設していることを知ったからだ.
 1995年まで,南シナ海での衝突は,いずれも中国とヴェトナムによるものだった.だから大半の西側アナリストは,中国政府は南シナ海での軍事行動を,当時,国際社会で孤立状態にあったヴェトナムだけに限定していると思いこんでいたのだった.

 1995/2/8,フィリピンは中国に艦艇撤収を要求する.
 中国はこれに返事して曰く,
「あれは漁船の避難施設です.軍事施設なんかじゃありませーん」
「じゃあ,ホントにそうか調査してやる!(怒)」
 フィリピンは調査船団を派遣したが,中国海軍によって追い返されてしまう.

 フィリピンには中国軍部隊を締め出す軍事力はなかった.※

 最初,フィリピンはアメリカに泣きを入れた.米比間には1951年に締結した米比相互防衛条約がある.この条約に基き,支援してくれ,と.
 だが,アメリカからは,スプラトリー諸島は同条約の範囲外であるとして,これを断られてしまう.軍事援助と訓練拡大には応じてくれたが.※2

 じゃあ,ということで,次にASEANにフィリピンは泣きを入れた.
 同年7月,ASEANは南シナ海における武力行使を非難した.
 中国は話し合いに応じると答えた.

 話し合いは今も続いているが,環礁は占領されたままだ.
 それどころか,1998年には軍事施設を拡充し,さらに,フィリピン寄りの島々でもプレゼンスを強めている.

 フィリピンは僅かに,同国の哨戒艇が中国漁船に衝突して沈没させただけだ.

 詳しくは,Michael T. Klare『世界資源戦争』(廣済堂出版,2002/1/7),P.183-186を参照されたし.
 なお,M. T. Klareは「平和と世界安全保障に関する5大学研究プログラム」理事.

 ※今もない.戦闘機が一時的に一機もなくなってしまったくらいに.

ミスチーフ環礁の「漁業関連施設」
(画像掲示板より引用)


+++

 【質問】
 中国が海洋権益を獲得するときの常套手段は?

 【回答】
 「『情報』と国家戦略」(太田文雄著,芙蓉書房)によれば,
 1.領有権を主張
 2.海洋調査を開始
 3.海軍艦艇によるプレゼンスを図る
 4.実効支配を確立


 【質問】
 南シナ海領有権問題におけるアメリカの戦略は?

 【回答】
 アメリカは,南シナ海のシーレーンの安全確保を死活的に重要な国益と見なしている.
 アメリカは条約によって,日本の安全保障に義務を負っており,その一つが日本の生命線である物資輸送ルートの安全確保である.
 また,南シナ海は,米軍艦船が在日基地とペルシャ湾を往来するために通過する航路でもある.
 そして米政府当局は,アジア太平洋地域における中国の冒険主義の阻止に目を向けている.

 しかし,そうした国益とは裏腹に,米政府当局はミスチーフ環礁で危機が生じるまで,南シナ海情勢には比較的無関心だった.中国の海上での軍事行動は対ベトナムに限られる,と見ていたからだ.
 それだけにミスチーフ環礁事件は衝撃的であり,米政府を南シナ海に関する政策見直しへと向かわせた.

 そしてアメリカは,南シナ海におけるプレゼンスを着実に強めている.
 1998年にはフィリピンと「訪問米軍の地位に関する協定」を締結,米海軍艦艇がフィリピン海軍との合同演習に参加し,また,フィリピンの基地および港湾を使用することも可能になった(1992年にフィリピン上院がスービック湾海軍基地などの米軍使用を打ちきる決定をして以来,米軍艦船はフィリピンに入れなくなっていた).
 アメリカはまた,拡張工事で空母の寄港が可能となるシンガポールの海軍基地使用についても同意を得ている.
 さらにアメリカは1999年7月,日本との間に「日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)」を策定した.
 このガイドラインは「事態」の性格を特定せずに,日本周辺で「情報収集,警戒監視,機雷掃海などの行動」を含む地域的軍事作戦を行う米軍に対する,日本の広範な協力を求めている.
 日米政府当局者は,このガイドラインを始めとする両国の軍事協力拡大が,中国を対象とするものでも,スプラトリー紛争のような特定の紛争に対するものでもないことを説明した.
 しかし中国および東アジア各国は間違いなく,このガイドラインはアジア太平洋地域での今後の衝突における共同軍事行動の布石である,と受け止めているはずだ.

 詳しくは,Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.192-198を参照されたし.
 なお,M. T. Klareは「平和と世界安全保障に関する5大学研究プログラム」理事.


 【質問】
 永楽紛争とは?

 【回答】
 南ヴェトナムから米軍が撤退した間隙を突いて,中国海軍が南ヴェトナム海軍艦艇を攻撃,永楽群島に上陸するまでの軍事行動.
 これによって中国は,西沙諸島を完全に支配することになった.
 以下引用.

 サンフランシスコ講和条約(1951年)の調印に際し,日本は敗北まで20年あまり領有していた西沙諸島と新南諸島(南沙諸島)を放棄した.だが帰属先を明確にしなかった.
 周辺諸国がそれぞれ領有権を主張,中国は同年8月,
「西沙諸島は,南沙・東沙・中沙諸島と同じく,従来から中国領土」
との声明を出した.
 ただ,西沙諸島の内,実際に中国が押さえていたのは宣徳群島(最大の永興島を含む)だけで,永楽群島は南ベトナム(当時)が支配していた.

 1974年1月,この永楽群島で中国の駆潜艇隊が南ベトナムの駆逐艦などを撃破,陸軍部隊が上陸した.
 前年のパリ和平協定で南ベトナムからは既に米軍が撤退していた.
 中国は,力の空白を巧みに突いて,西沙諸島を完全に支配したかたちだ.

 海軍は永興島に「西沙水警区」(師級)を設立,34の島嶼の守備を固めた.
 2,500m級滑走路を造成し,2001年からは女性通信兵も配属した.
 行政機関として海南省西沙工作委員会も置いている.

(竹田純一〔NHK考査室〕 from 「世界の艦船」2004年11月号,p.77)


 【質問】
 赤瓜礁海戦とは?

 【回答】
 南沙諸島の領有権を巡り,中国・ヴェトナム両海軍が交戦した戦闘.
 この結果,中国は島礁6つを確保した.
 以下引用.

 南沙諸島は230余りの島礁で構成される.
 ベトナム,フィリピン,マレーシアが軍隊を駐屯,ブルネイとインドネシアのEEZが一部海域に重なる.
 中国は全部の領有を主張するが,進出は遅れた.83年にようやく向陽紅05が海洋調査を開始した.

 そして88年3月,海軍艦船など11隻を南沙諸島北部の永暑礁に送り,海洋観測所の建設を始めた.
 付近の赤瓜礁でベトナム側が発砲したとして艦砲射撃,揚陸艦など3隻を撃破した.
 南海艦隊楡林基地(海南島)参謀長の陳偉文少将が,江南 Jiangnan (065) 型フリゲイト南充 Nanchong(満載排水量1,600t)を旗艦に指揮を取った.

 〔略〕

 赤瓜礁海戦には江東 Jiangdong (053K)型フリゲイト鷹潭 Yingtan (満載排水量1,500t)と,江滬 Jianghu I (53H1)型フリゲイト湘潭 Xiangtan (同1,702t)の第2世代のフリゲイト2隻も参加させていたことが,その後に判明している.
 西沙海戦と比べ,その海軍力は飛躍的に向上していた.

 中国が確保した6つの島礁は,東アジアとマラッカ海峡を結ぶシーレーンを睨む戦略的位置にある.
 岩礁が補強され,恒久的な軍事施設が建設された.
 米ソ冷戦体制崩壊の最終段階の時期だった.
 その後,中国は南沙海域の鉱区での探査権限を,米国の石油企業に与えている.

 中国は95年には今度は,フィリピンが領有を主張する,南沙諸島のミスチーフ礁(美済礁)に軍事施設を構築,中比関係が緊張した.
 直前には米海軍の第7艦隊が,フィリピンのスービック湾から撤退していた.

(竹田純一〔NHK考査室〕 from 「世界の艦船」2004年11月号,p.79-80)


 【質問】
 中国軍が日本に上陸部隊を送るためには,どれくらいの海軍が必要なのでつか?

 【回答】
 日本に辿り着くまでに一定数やられることを前提に,作戦を遂行できるだけの量と質を持った上陸部隊と,それを軍事行動として輸送できる船舶と,これらへの損害を許容値以下にできる護衛戦力.
 どれかが欠けても作戦は成り立たないが,不足部分を他の要素で埋め合わせる事はできる.10個師団を沈めたのに残りの上陸部隊が40個師団あるとか,日本の保有する対艦ミサイルの本数より多い高速輸送船とか,一隻で一個護衛隊群を壊滅させる水上戦闘艦艇とか.

 常識的に見て,最低限海上自衛隊の水上艦/潜水艦の攻撃を排除し,航空自衛隊の対艦攻撃を退け,陸上自衛隊の水際での行動を粉砕する必要がある.
 同程度の質の戦力を,せめて半数は保有できないと,中国軍幕僚は図演さえもやる気が失せるだろうな. 

ふみ

中国的揚陸演習

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 呉勝利とは?

 【回答】
 呉勝利(Wu Shengli)は1945年生まれ.河北省出身.
 海軍福建基地司令員,東海艦隊副司令員,南海艦隊司令員.
 2004年から副総参謀長を勤め,昨年8月から海軍司令員.
 2007年7月,上将昇進.

おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)7月9日


 【質問】
 中国のコースト・ガードはどんなものか?

 【回答】
 (1) 港湾の税関監視を担当する海関総署.国務院直属の執行機関であり,関税徴収,密輸出入監視,不法薬物摘発,検疫を担当.
 最近になり,高速監視船が相当数就役している模様.

 (2) 人民武装警察の海上警備部門.実体はほぼ何も分かっていない.ジェーン軍艦年鑑すら,その保有船艇について確実な情報を何も持っていない.

 (3) 公安部の海上警備部門.国境地域,領水域での警察活動を担う辺防局(辺防部,辺境防衛局,辺防管理局と記述する資料も見られる)が存在し,海上保安庁の警備部門に対応しうる下部組織が確認されている.
 その実態,勢力,船艇数,航空機運用の有無は不明.
 日本の海上保安庁の警備部門との結びつきを近年深めている.

 (4) 警察権行使と港湾土木事業以外の海事行政をほぼ網羅する中国交通部海事局.
 船艇総数は1000隻以上とも,1400隻に達するとも言われる.
 最大級の船は海巡21 Haixun21で1859総t.それより大型で,ヘリコプターを搭載する海巡31を現在建造中.
 ただし警察権を行使しないことから,いずれも非武装.

 詳細は,「世界の艦船」2004年11月号,p.92-95(渡辺一正〔艦艇研究家〕記述)を参照されたし.


 【質問】
 海南島秘密基地とは?

 【回答】
 中国が海南島南端に秘密裏に建設したらしい海軍基地.
 原子力潜水艦基地として使用されているほか,空母機動部隊も寄港できる規模だという.

 以下引用.

――――――
海南島に秘密原潜基地=周辺地域に懸念も−英誌
2008年5月2日22時0分配信 時事通信


 【ロンドン2日時事】英軍事情報誌「ジェーンズ・インテリジェンス・レビュー」は2日までに,独自に入手した衛星写真を基に,中国が海南島の南端に大規模な原子力潜水艦基地を秘密裏に建設したと報じた.
 写真は複数あり,港に停泊中の潜水艦や戦艦,斜面に作られた地下トンネル網の出入り口などが写し出されている.
 潜水艦は最新鋭の「晋」級原子力潜水艦とされる.
 報道によると,基地は「弾道ミサイル搭載型潜水艦や空母が多数寄港できる」規模〔略〕

――――――

 また,
China's Naval Secrets
(WSJアジア版,評論)中国海軍の(海南島原潜基地の)秘密

By RICHARD D. FISHER JR.
FROM TODAY'S WALL STREET JOURNAL ASIA May 5, 2008

はジェーンズの発表した,海南島の三亞基地についての評論だが,この中から指摘している事項のみを列挙しておくと:

・これは楡林海軍基地の拡大計画で,原潜基地のみならず艦船や空母の新たな基地になる可能性の高いもので,南シナ海からマラッカ海峡への戦略基地になるもの.

・三亞(Sanya)の海軍戦略基地は「アジアの三ヶ国」の軍事,諜報機関によって2002年に報告されており,大規模地下施設についても知られていた.
 2004年に人民解放軍は基地の開発計画を認めたが,地下施設を否定している.

・ジェーンズの示したディジタルグローブの高精細写真で洞窟の入り口が明らかにされており,これは渤海湾にある別の地下潜水艦基地と同じものである.
 地下基地の規模は不明だが,アジアの軍事筋は少なくとも8艦の潜水艦を擁するとみており,この地域の大きさから20艦程度までの規模があり得る.

・渤海湾の原潜基地に比べて三亞基地は094型SSBNが5000メートル級の海南島南部の深海に面している有利さがある.
 アジアの軍事筋はこの基地がSSBNの要所となり,将来は人民解放軍のもつ核ミサイルの半分までを集める基地になり得るとみている.

・三亞は大規模な港湾施設や地上施設を建設中であり,将来の艦船や空母の基地にもなり得ると見られる.

・海南島に人民解放軍が大規模な軍事施設を計画しているのでは,という疑いは昔から存在しており,2001年4月の米軍のEP-3電子情報偵察機が中国軍の戦闘機と接触した事故も,そうした疑いに関連している.

・海南島における人民解放軍の秘密の大規模な基地建設計画の存在は,日米豪が中国に対して,今まで以上に軍事計画の透明性,情報開示を要求するものとなる.
 特にこの基地が核ミサイルの集積を目指すなら尚更である.

ニュース極東板


 【質問】
 中国海軍が巨大な原潜基地を中国南部の海南島に建設って,そんなにまずいんですか?

 【回答】
 現状だと大陸中国の戦略原潜は,渤海と黄海にしか潜める海域がなく,どちらも中国海軍が確保できる代わり浅過ぎて,潜伏させるのに向かないという欠点がある.
 更に,黄海を抜けても東シナ海は日本とアメリカの勢力圏内だから,安全性が確保できない上,琉球,奄美両諸島が日米の勢力圏の限り,そこから外海には出られない.

 海南島に基地を作れば,渤海と黄海に閉塞させられるという状況からは逃れられる.

 海南島から近い南シナ海は,アメリカや日本の対潜哨戒が届きにくい場所――P-3C哨戒機による対潜哨戒を届かせにくいので,原子力潜水艦による哨戒しかできない――であり,戦力的に弱体な南アジア諸国ベトナムやフィリピンにとっては潜水艦に対応しにくい海域なので,少々設計的におんぼろな中国の原子力潜水艦でも比較的安全に活動しやすい.
 そういう場所に近い所に基地ができるので,中国にとっては潜水艦の稼働率が上がるというメリットがあり,アメリカにとっては中国の潜水艦の動きが把握しにくくなるというデメリットがある.

 まぁ,それはそれで今度南シナ海に閉じ込められることにはなるが,現状では米軍は南シナ海を完全に支配は出来ていないので,状況はずっとマシになる.

 あと,インドに対して,原潜による核反撃のリアクションタイムを大幅に減らすことができる.
 これは結構大きい.

軍事板

China's submarine progress alarms India By Siddharth Srivastava
(アジアタイムズ)中国の海南島に建設中のSSBN基地はインドに警鐘を鳴らす

May 9, 2008

という記事では,人民解放軍の海南島のSSBN秘密基地は,中国海軍の増強に神経を尖らせているインドを特に刺激する,と解説している.

 以下,荒っぽい要旨.

――――――

1)インドは陸上発射の核ミサイル(Agni, Prithvi)をもつが,潜水艦発射の核ミサイルやSSBNを現在保有しておらず,中国海軍のこの方面の大幅増強は脅威と感じる.

2)インドはSSBNの開発計画を持っていて,Advanced Technology Vessel (ATV)と呼んでいる.
 さらに近くロシアからAkula-II級のSSBNのリースが実現する予定.
 これは1200トン級の核燃料の攻撃用潜水艦である.

3)インドは最近,ロシアとの共同開発のBrahMosクルーズ・ミサイルの改造版である超音速の潜水艦発射ミサイルを発表している.
 またフランスから先進的なScorpene潜水艦技術を導入して,ムンバイの造船所で新型潜水艦を建造する.

――――――

 インドと中国の海軍(特に潜水艦と核ミサイル)の軍拡競争が既に起こっている,と言える.

ニュース極東板


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