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「an Arms Watcher」◆(2010/07/04)中国海軍艦艇,再び沖縄近海を航行し太平洋に進出

「an Arms Watcher」◆(2010/07/27)中国、この先10年で空母6隻建造 原子力空母視野 −米議会

「an Arms Watcher」◆(2010/07/30)中国、3艦隊合同演習 −南シナ海

「An Arms Watcher」◆(2010/11/27)中国空母「ワリヤーグ」 2011年に進水か

D.B.E. 三二型」(2011/01/16)◆「日本も空母持っていた.なぜ中国ばかり」中国高官反発

net bunker」(2010/09/23)◆南沙諸島における中国人民解放軍の活動

「OSINTSUM」◆(2010/08/18)人民解放軍の対艦弾道弾関連

「The Jamestown Foundation」:中国とヴェトナム,南シナ海のトラブルの現状
Trouble and Strife in the South China Sea: Vietnam and China
By Ian Storey April 14, 2008

「The Jamestown Foundation」:中国とフィリピン,南シナ海のトラブル現状
Trouble and Strife in the South China Sea Part II: The Philippines and China
By Ian Storey 29 April 2008

「The Jamestown Foundation」:中国の「ソフト」海軍力は存在するか?
(2008年からのアデン湾沖への海洋警備活動への派遣と,その背景にある思想や目的について分析)

The Mystery of the Hapless Varyag(リンク切れ?,ワリヤーグの現状を紹介)

「Togetter」◆(2011/01/10)対艦弾道ミサイルは本当に脅威か? 終端誘導方法からの検証

「アラスカ物語」:中国がなぜ空母を造るのか?

「海洋戦略研究」◆(2010/04/11)中国東海艦隊合同訓練

「海洋戦略研究」◆(2011/01/10)ゲーツ国防長官ASBM警戒

「国際情報センター」◆(2010/07/31)南シナ海を巡る米中間のやりとり

「古森義久」◆(2010.2.7)中国が南シナ海で軍事進出

「週刊オブイェクト」◆(2010年07月02日)中国海軍最大の揚陸艦「崑崙山」が海賊対策としてアデン湾に派遣

「週刊オブイェクト」◆(2010年09月27日)中国海軍,ドック揚陸艦と強襲揚陸艦の大量建造に着手か

宋の艦船−海洋王国のイメ−ジ

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「中南海ノ黄昏」◆(2010/08/04)米国,南シナ海を掻き回す

「日本周辺の軍事兵器」:中国海軍

「日々是チナヲチ」:大海原の死闘:中国駆逐艦 vs「巨大黒鮫」

メガとんトラック」◆中国でミサイル発射実験失敗,発射した潜水艦に落下…潜水艦は沈没寸前:アルファルファモザイク
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「リアリズムと防衛を学ぶ」◆(2011/01/11)中国の離島侵攻プランと『戦略的辺彊』

「六課」:中国は,2010年に訓練航母「施琅」(シーラン)の航海試験を開始する

「六課」:中国はロシアの「アドミラル・クズネツォフ」と同一の空母を造る

「六課」◆(2010-02-16)訓練航母「施琅」(旧ソ連空母ワリャーグ)近影(2010年2月2日)

●書籍

『万里の長城を,海に 21世紀の中国海軍』 Bernard D. Cole著<「リアリズムと防衛を学ぶ」◆(2011/01/17)

『東シナ海が危ない! 』(上田愛彦他著,光人社,2007.1)

 パイプライン完成とともに操業開始を取り沙汰される,東シナ海ガス田をめぐる紛争,その実態とは?
 尖閣諸島に大挙上陸,占拠の可能性はどんなものか?
 厳然として今そこにある危機に,日本はどのように対処するべきでしょうか.
 専門家が,テーマ別に政治的,経済的,戦略的観点から複眼的視野で分析し,支那の危険度を透視した話題の作品です.
 著者は,上田愛彦予備役陸将[陸軍中将],高山雅司予備役海将補[海軍少将],杉山徹宗氏など,わが国唯一の軍事シンクタンク「ディフェンス・リサーチ・センター(DRC)」のメンバーです.

――――――おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)12月18日

 【質問】
 中国海軍のドクトリンはどこの影響を受けているのか?

 【回答】
 かつての仮想敵だったソ連時代の経験・思想から多くを学んでいるという.
 これは全世界的に展開しうる海軍の建設を,中国が企図しているため.

 中国の海洋軍事ドクトリンは,2015年までに1,000浬,2025年以降は全世界的にその力を行使しうる海軍の建設を計画している.
 そして年々増加する潤沢な軍事予算により,艦艇やインフラの整備は進んでいるが,戦略や戦術などに関する知識・経験不足は否めず,冷戦時代の戦略仮想敵であるソ連(ロシア)海軍の思想や経験を拝借しているのが現状だ.
 ロシア太平洋艦隊の高官は,次のように述べている.
「中国は山東省周辺海域で行われた初の露中軍事演習『平和ミッション2005』を機に,揚陸作戦に必要な準備,部隊の展開,戦術や連携を学び,貴重な経験を手に入れた.
 また,中国軍参謀本部や海軍司令部は,旧ソ連海軍の大規模な演習を研究しており,特に空母機動部隊の運用や対処策に高い関心を寄せている」

「世界の艦船」2006年3月号,p.152(A. V. Polutov著述)

 まあ,米国海軍のそれは真似しようにも真似できるものではないからね.


 【質問】
 島嶼保護法とは?

 【回答】
 「海島(=島嶼)保護法」とは,離島の生態や資源保護・開発を規定した法律であり,2009.12.26,中共の全人代常務委員会によって可決,成立した.
 2010年3月1日に施行される

 1.国による無人島管理や離島の環境保護を柱とする内容で,無人島が国に属すること,環境破壊防止のための離島開発制限を規定している.
 主な狙いは「海洋権益の確保」で,離島やその周辺の,排他的経済水域(EEZ)のエネルギーや漁業資源を確保することにある.

 1.同法には「水に囲まれ,満潮時に水没する陸地」の保護・管理に,同法の規定を「照合」することを盛り込んでおり,
「法の運用次第では,満潮時に水没しないように『管理』し,領海を広げようとする可能性も否定できない」
との懸念が出ている.

 1.わが固有の領土である尖閣諸島や,フィリピン等と支那が領有権を争っている南沙諸島等も,同法でいう保護対象になる可能性がある.

おきらく軍事研究会,平成21年(2009年)12月28日
青文字:加筆改修部分

島嶼保護活動中

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 スプラトリー(南沙)諸島問題とは?

 【回答】
 沿岸諸国の国境線が入り組み,海上に無数の島が存在する南シナ海は,EEZ〔排他的経済水域〕の設定には悪夢のような場所だ.その上にスプラトリー諸島全体の領有権を主張する中国の存在がある.
 中国は徐々に圧力を増してきており,それが東南アジアの異常な軍拡競争を招いているという.

 以下引用.

 スプラトリー(南沙)諸島は100以上の島・岩礁・環礁から成り立つ,南支那海の諸島である.
 戦略性の高いシーレーン海域にあるだけでなく,70年代に次々と確認された海底油田の存在が,周辺諸国の強い関心を集めた.
 周辺諸国の内,これまでにスプラトリー諸島の全域ないし一部に対し,何らかの形で領有意図を表明したのは,中国,台湾,ヴェトナム,マレーシア,フィリピン,ブルネイであり,問題の複雑さが想像できよう.

 シーレーンや海底油田が問題にならなかった時代,スプラトリー諸島は曖昧に存在していたと言える.
 1930年代,インドシナ半島を植民地支配するフランスと,南への野心を持つ日本が領有争いをした末,日本が,1939年にこれら諸島を「新南群島」と命名,支配権を確立している.

 戦後のサンフランシスコ平和条約で,日本が全ての権利を放棄すると,真っ先に中国が領有意図を表明,
 その後も積極的かつ露骨な行動を見せる中国が,近隣諸国の警戒心を喚起してきた.
 例えば中国軍は,74年と88年の2度,スプラトリー諸島領有を巡ってヴェトナム軍と戦火を交えた他,95年にはスプラトリー諸島東端でフィリピンと係争中だったミスチーフ環礁に「漁業関連施設」を建設したと,強い抗議声明をフィリピンが発表している.
 この間,92年に中国は,自国の新しい領海法を制定,その中にスプラトリー諸島領有を一方的に規定し,続いて,同諸島西端のヴェトナムと係争中の海域の海底油田探査契約を,米国企業と結んでしまった.
 米国の技術に頼ると共に,紛争激化の暁には米政府の支援・保護を期待するという,中国の巧妙な計算が伺われる.
 当惑したASEANは,同年7月の外相会議で「領有問題の棚上げ」と「資源共同開発」を謳う宣言を発表している.

 中国脅威論の高まりを恐れてか,中国はその後,対話姿勢を強調している.
 しかし,2国間協議で優勢に処理したい中国と,多国間協議で強大中国の圧力をかわしたいASEAN諸国との対立は埋まっていない.
 95年のフィリピンに対する,中国の強引な攻勢による既成事実はそのままであり,円満に事後処理する動きは見えない.

 問題の海底油田は,中国南部の珠江油田に繋がる鉱脈とされるが,
「巨大な埋蔵を裏付ける地質学的証拠はない」(ハワイ大学東西センターの資源調査)
との情報もある.
 もし大油田発見の報が流れたら,たちまち紛争に点火するきっかけになるかもしれないし,例え大油田発見に至らなくても,主権が絡むゆえ,紛争要因は消えない.

 ASEANは,99年の外相会議で提示された,南シナ海の紛争を回避するための「地域行動基準」について協議を開始したが,基準を適用する範囲についてASEAN内部の意見対立を続けた.
 領土の領有権を巡る南シナ海情勢の不安と,中国の覇権拡大を警戒する米国は,沖縄駐留の電子偵察機EP-3を台湾海峡や中国沿岸まで飛行させている.
 その1機が2001年4月,同じように対抗して警戒中の中国軍のF-8戦闘機と接触,中国機は海中に墜落し,米軍機も中国領土の海南島に不時着した.
 米機の乗員・機体は難交渉の末,返還されたが,米中のピリピリした関係の中で,中台摩擦と南シナ海の領有権問題が連動する微妙な情勢を印象付けたと言える.

(「アジア情勢を読む地図」,新潮文庫,2001/12/1,p.90-93,抜粋要約)

 沿岸諸国の国境線が入り組み,海上に無数の島が存在する南シナ海は,EEZ〔排他的経済水域〕の設定には悪夢のような場所だ.
 例えば,中国とベトナムはトンキン湾の領海域を巡って衝突し,フィリピンとマレーシアは共に東ボルネオ沖の領有権を主張している.
 さらに,ベトナムとマレーシアがタイ湾の領有権を争っている.
 これだけでも複雑なのに,その上にスプラトリー諸島全体の領有権を主張する中国の存在がある.
 中国はそれによって南シナ海の大半をEEZとすることを狙っており,スプラトリー諸島の一部あるいは周辺海域の領有権を主張するインドネシア,台湾,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシアと正面から対立している.
 南シナ海におけるエネルギー資源争いはスプラトリー諸島を巡る争いである,と言っても過言ではない.
 スプラトリー諸島は,約8万平方マイルの海域に点在する合計約40もの小島や岩礁――その多くは潮が満ちると海面下に沈む――から成る.
 人が住める島はないが,全体あるいは一部の領有権を台湾,中国,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシアが主張している.

Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.177-178

〔台湾侵攻準備と共に,〕また同時に,中国政府の公式発表と軍の配備状況から,南部海域での軍事力展開を意図していることも明白だ.
 例えば海南島へのスホイ27の配備,同海域での新型艦による警戒監視行動などで,狙いはスプラトリー諸島とその鉱区の領有権主張を強めることにある.

 いずれにせよ,周辺諸国は中国の海軍増強を,南シナ海の軍事的支配を目指すものととらえ,自国の海軍強化を図っている.
 僅か15年前まで,東南アジア諸国は大型軍艦を殆ど保有していなかった.
 それが1980年代後半以降,公海上での作戦能力を持つ新鋭艦が導入され始めた.
 その目的は様々だが,南シナ海のシーレーンおよびEEZの防衛が意図されていることは明らかだ.

 先頭を行くのはマレーシアだ.
 〔略〕
 マレーシアの海軍艦艇建造計画は現在,アジアで進行中のものとしては数量ペースで最大規模である.

 タイとインドネシアも,それぞれ海軍の本格的整備を進めている.
 〔略〕

 他の小国も海軍増強に予算を注ぎ込んでいる.
 〔略〕

 これらの計画が全て完了するのは,まだ先のことだとしても,中国と東南アジア諸国の海軍増強により,今後10〜15年間に最大で100隻もの艦艇が新たに加わることになる.
 これは世界で他に例を見ない規模の軍拡だ.

 さらに,この軍拡の加速は,空軍力の拡大を伴うものでもある.
 各国とも長距離哨戒機や,高度な対空・対艦ミサイルを備えた戦闘機を導入している.
 これらの計画により,南シナ海の海上と上空における各国の軍事作戦能力は,大幅に高まっている.

Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.189-192

 なお,こちらに関係海域地図を示す.

 で,最近の報道によれば,フィリピンはどうも力負けしてしまった模様.

フィリピン,中国,ベトナムが南沙諸島海域の警備で協力

 19日のAFP通信によれば,中国,フィリピン,ベトナムは南沙諸島海域での安全面での協力関係を強化します.
「われわれはこの地域における直接対話を継続することで合意した.これにより,海賊,密輸,国際犯罪などの問題は解決されるであろう」(フィリピン軍参謀長)

 フィリピン軍参謀長は先々週,この4月に南沙諸島で発生した,中国漁船内に4名の中国人の死体と3名の怪我人が残されていた事件に関する話し合いを,ベトナム・中国のカウンターパートとの間で行なっていました.
 中国メディアは
「この攻撃はフィリピンによるもの」
と早い段階で伝えていましたが,フィリピンは,
「捜査の結果,フィリピン政府の艦艇はその海域に存在せず,この事件は『明らかに海賊によるもの』」
と主張したそうです.

 南沙諸島は南シナ海にある,100以上の島々とさんご礁からなるところで,ブルネイ・中国・台湾・ベトナム・マレーシア・フィリピンが一部もしくは全面的な領有権を主張し対立しています.
 ちなみに,ブルネイを除くすべての国は,南沙諸島に軍部隊を駐留させています.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)5月22日

China, the Philippines, and U.S. Influence in Asia
By Renato Cruz De Castro Posted: Thursday, July 5, 2007
AEI:中国とフィリピンの関係改善,アメリカの東南アジア外交にとっての意味

では,急速に関係改善の進んでいる,フィリピンと中国の外交経済関係について解説されている.
 これによれば,中国の東南アジア抱きこみ作戦は成功していて,アメリカが東南アジア外交に見るべき新政策を打ち出せていない中,中国が着々と得点を上げているという.
 以下引用.

――――――
Arroyo called on China to invest more in the Philippines, especially in agriculture, fisheries, and infrastructure. . . .
She also emphasized China's important strategic role in economic development and security in the Pacific Rim.
・・・
While the United States remains Southeast Asia's most important military actor, its power and influence are being gradually eroded by China's soft-power diplomacy and hard-power buildup. Unless the United States develops a comprehensive strategy that includes economic and diplomatic resources in addition to military capabilities, its strategic and diplomatic preeminence risks being outflanked by China's diplomatic gambit.
――――――

ニュース極東板
青文字:加筆改修部分

 今後の争奪戦は,ヴェトナムと中国との間で主に行われます,たぶん.
 そういえば,ヴェトナムが米軍に基地を提供するとかいう話もありますね.


 【質問】
 南沙諸島問題について,フィリピンが中国の軍事力に考慮してか領土問題は棚上げして,共同開発をする予定らしいです.
 そもそも,位置的に南沙諸島を中国領というのは無理があるのではないでしょうか?
 どういう理屈で中国は領有権を主張しているのですか?

 【回答】
 台湾と澎湖島を明治23年日清両国講和条約にて獲得します.
 その台湾の高雄市に,新南群島(今の南沙諸島)を編入(1938年)します.
 で,講和条約で日本は海外領土を放棄します.
 この時,新南群島がどの国のものか,きっちり規定していないのが発端.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)

 そして,「古来からスプラトリー諸島は中国のものだった」というのが中国的見解.

 中国は,唐朝時代(618〜907年)からスプラトリー諸島(中国名・南沙諸島)を領有してきたとしている.
 その裏付けとして中国は,唐朝以来の南沙諸島における様々な海運・軍事活動を挙げている.
 しかし大半の西側専門家は,そうした活動は間欠的であった上に,漁業が主だったと見ている.

Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.178


 【質問】
 ミスチーフ環礁事件とは?

 【回答】
 ミスチーフ環礁領有権を巡り,フィリピンが非武装(のごとき貧弱な軍事力と)平和主義ではやっていけないことを思い知らされた事件.

 1995年初頭,フィリピンは驚愕する.中国がミスチーフ環礁に軍事監視施設をいつのまにか建設していることを知ったからだ.
 1995年まで,南シナ海での衝突は,いずれも中国とヴェトナムによるものだった.だから大半の西側アナリストは,中国政府は南シナ海での軍事行動を,当時,国際社会で孤立状態にあったヴェトナムだけに限定していると思いこんでいたのだった.

 1995/2/8,フィリピンは中国に艦艇撤収を要求する.
 中国はこれに返事して曰く,
「あれは漁船の避難施設です.軍事施設なんかじゃありませーん」
「じゃあ,ホントにそうか調査してやる!(怒)」
 フィリピンは調査船団を派遣したが,中国海軍によって追い返されてしまう.

 フィリピンには中国軍部隊を締め出す軍事力はなかった.※

 最初,フィリピンはアメリカに泣きを入れた.米比間には1951年に締結した米比相互防衛条約がある.この条約に基き,支援してくれ,と.
 だが,アメリカからは,スプラトリー諸島は同条約の範囲外であるとして,これを断られてしまう.軍事援助と訓練拡大には応じてくれたが.※2

 じゃあ,ということで,次にASEANにフィリピンは泣きを入れた.
 同年7月,ASEANは南シナ海における武力行使を非難した.
 中国は話し合いに応じると答えた.

 話し合いは今も続いているが,環礁は占領されたままだ.
 それどころか,1998年には軍事施設を拡充し,さらに,フィリピン寄りの島々でもプレゼンスを強めている.

 フィリピンは僅かに,同国の哨戒艇が中国漁船に衝突して沈没させただけだ.

 詳しくは,Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.183-186を参照されたし.
 なお,M. T. Klareは「平和と世界安全保障に関する5大学研究プログラム」理事.

 ※今もない.戦闘機が一時的に一機もなくなってしまったくらいに.

ミスチーフ環礁の「漁業関連施設」


 【質問】
 中国が海洋権益を獲得するときの常套手段は?

 【回答】
 「『情報』と国家戦略」(太田文雄著,芙蓉書房)によれば,
 1.領有権を主張
 2.海洋調査を開始
 3.海軍艦艇によるプレゼンスを図る
 4.実効支配を確立


 【質問】
 南シナ海領有権問題におけるアメリカの戦略は?

 【回答】
 アメリカは,南シナ海のシーレーンの安全確保を死活的に重要な国益と見なしている.
 アメリカは条約によって,日本の安全保障に義務を負っており,その一つが日本の生命線である物資輸送ルートの安全確保である.
 また,南シナ海は,米軍艦船が在日基地とペルシャ湾を往来するために通過する航路でもある.
 そして米政府当局は,アジア太平洋地域における中国の冒険主義の阻止に目を向けている.

 しかし,そうした国益とは裏腹に,米政府当局はミスチーフ環礁で危機が生じるまで,南シナ海情勢には比較的無関心だった.中国の海上での軍事行動は対ベトナムに限られる,と見ていたからだ.
 それだけにミスチーフ環礁事件は衝撃的であり,米政府を南シナ海に関する政策見直しへと向かわせた.

 そしてアメリカは,南シナ海におけるプレゼンスを着実に強めている.
 1998年にはフィリピンと「訪問米軍の地位に関する協定」を締結,米海軍艦艇がフィリピン海軍との合同演習に参加し,また,フィリピンの基地および港湾を使用することも可能になった(1992年にフィリピン上院がスービック湾海軍基地などの米軍使用を打ちきる決定をして以来,米軍艦船はフィリピンに入れなくなっていた).
 アメリカはまた,拡張工事で空母の寄港が可能となるシンガポールの海軍基地使用についても同意を得ている.
 さらにアメリカは1999年7月,日本との間に「日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)」を策定した.
 このガイドラインは「事態」の性格を特定せずに,日本周辺で「情報収集,警戒監視,機雷掃海などの行動」を含む地域的軍事作戦を行う米軍に対する,日本の広範な協力を求めている.
 日米政府当局者は,このガイドラインを始めとする両国の軍事協力拡大が,中国を対象とするものでも,スプラトリー紛争のような特定の紛争に対するものでもないことを説明した.
 しかし中国および東アジア各国は間違いなく,このガイドラインはアジア太平洋地域での今後の衝突における共同軍事行動の布石である,と受け止めているはずだ.

 詳しくは,Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.192-198を参照されたし.
 なお,M. T. Klareは「平和と世界安全保障に関する5大学研究プログラム」理事.


 【質問】
 永楽紛争とは?

 【回答】
 南ヴェトナムから米軍が撤退した間隙を突いて,中国海軍が南ヴェトナム海軍艦艇を攻撃,永楽群島に上陸するまでの軍事行動.
 これによって中国は,西沙諸島を完全に支配することになった.
 以下引用.

 サンフランシスコ講和条約(1951年)の調印に際し,日本は敗北まで20年あまり領有していた西沙諸島と新南諸島(南沙諸島)を放棄した.だが帰属先を明確にしなかった.
 周辺諸国がそれぞれ領有権を主張,中国は同年8月,
「西沙諸島は,南沙・東沙・中沙諸島と同じく,従来から中国領土」
との声明を出した.
 ただ,西沙諸島の内,実際に中国が押さえていたのは宣徳群島(最大の永興島を含む)だけで,永楽群島は南ベトナム(当時)が支配していた.

 1974年1月,この永楽群島で中国の駆潜艇隊が南ベトナムの駆逐艦などを撃破,陸軍部隊が上陸した.
 前年のパリ和平協定で南ベトナムからは既に米軍が撤退していた.
 中国は,力の空白を巧みに突いて,西沙諸島を完全に支配したかたちだ.

 海軍は永興島に「西沙水警区」(師級)を設立,34の島嶼の守備を固めた.
 2,500m級滑走路を造成し,2001年からは女性通信兵も配属した.
 行政機関として海南省西沙工作委員会も置いている.

(竹田純一〔NHK考査室〕 from 「世界の艦船」2004年11月号,p.77)


 【質問】
 赤瓜礁海戦とは?

 【回答】
 南沙諸島の領有権を巡り,中国・ヴェトナム両海軍が交戦した戦闘.
 この結果,中国は島礁6つを確保した.
 以下引用.

 南沙諸島は230余りの島礁で構成される.
 ベトナム,フィリピン,マレーシアが軍隊を駐屯,ブルネイとインドネシアのEEZが一部海域に重なる.
 中国は全部の領有を主張するが,進出は遅れた.83年にようやく向陽紅05が海洋調査を開始した.

 そして88年3月,海軍艦船など11隻を南沙諸島北部の永暑礁に送り,海洋観測所の建設を始めた.
 付近の赤瓜礁でベトナム側が発砲したとして艦砲射撃,揚陸艦など3隻を撃破した.
 南海艦隊楡林基地(海南島)参謀長の陳偉文少将が,江南 Jiangnan (065) 型フリゲイト南充 Nanchong(満載排水量1,600t)を旗艦に指揮を取った.

 〔略〕

 赤瓜礁海戦には江東 Jiangdong (053K)型フリゲイト鷹潭 Yingtan (満載排水量1,500t)と,江滬 Jianghu I (53H1)型フリゲイト湘潭 Xiangtan (同1,702t)の第2世代のフリゲイト2隻も参加させていたことが,その後に判明している.
 西沙海戦と比べ,その海軍力は飛躍的に向上していた.

 中国が確保した6つの島礁は,東アジアとマラッカ海峡を結ぶシーレーンを睨む戦略的位置にある.
 岩礁が補強され,恒久的な軍事施設が建設された.
 米ソ冷戦体制崩壊の最終段階の時期だった.
 その後,中国は南沙海域の鉱区での探査権限を,米国の石油企業に与えている.

 中国は95年には今度は,フィリピンが領有を主張する,南沙諸島のミスチーフ礁(美済礁)に軍事施設を構築,中比関係が緊張した.
 直前には米海軍の第7艦隊が,フィリピンのスービック湾から撤退していた.

(竹田純一〔NHK考査室〕 from 「世界の艦船」2004年11月号,p.79-80)


 【質問】
 中国軍が日本に上陸部隊を送るためには,どれくらいの海軍が必要なのでつか?

 【回答】
 日本に辿り着くまでに一定数やられることを前提に,作戦を遂行できるだけの量と質を持った上陸部隊と,それを軍事行動として輸送できる船舶と,これらへの損害を許容値以下にできる護衛戦力.
 どれかが欠けても作戦は成り立たないが,不足部分を他の要素で埋め合わせる事はできる.10個師団を沈めたのに残りの上陸部隊が40個師団あるとか,日本の保有する対艦ミサイルの本数より多い高速輸送船とか,一隻で一個護衛隊群を壊滅させる水上戦闘艦艇とか.

 常識的に見て,最低限海上自衛隊の水上艦/潜水艦の攻撃を排除し,航空自衛隊の対艦攻撃を退け,陸上自衛隊の水際での行動を粉砕する必要がある.
 同程度の質の戦力を,せめて半数は保有できないと,中国軍幕僚は図演さえもやる気が失せるだろうな. 

(ふみ)


 【質問】
 中華人民共和国に於ける「艦艇大隊」という組織は,どのような組織なのでしょうか?

 【回答】

 ロスケの編制だと艦隊-水上艦師団-旅団-大隊.
 要はスコードロンなんだけど,西側じゃ下にデヴィジョン(駆逐隊)を設けて艦隊-戦隊-隊なのと扱いが違うから,戦隊とは訳せない.

 駆逐艦なら2〜3隻,魚雷艇なら10隻前後.

中国海軍編制


 【質問】
 予備役船艇大隊とは?

 【回答】
 渤海,黄海,東支那海において新編した,予備役からなる艦艇大隊(スコードロン).
 部隊規模などは不明.
 ガス田問題等を睨んでの,海軍力強化の一環と見られる.

 以下引用.

東シナ海で予備役部隊 中国軍,ガス田対立背景か

 【北京26日共同】中国国営の新華社通信は26日,中国軍が最近,「東海(東シナ海)方面」で予備役による艦艇部隊を新たに編成したと伝えた.
 東シナ海では日中両国がガス田をめぐって対立を深めており,新たな部隊編成はこうした事情を受けた措置の可能性もある.
 部隊設置の具体的な場所は挙げられていないが,上海にある中国海軍の東海艦隊の基地の可能性がある.
 部隊の規模などは不明.
 新華社電は
「戦時には兵士を速やかに動員,集結させる.海上支援,障害物の排除などに積極的に取り組む」
としている.

 中国軍はことし5月,渤海と黄海でも,予備役による部隊を編成している.
 海軍力の強化策の一環とみられている.

(共同通信,2005/9/26)


 【質問】
 呉勝利とは?

 【回答】
 呉勝利(Wu Shengli)は1945年生まれ.河北省出身.
 海軍福建基地司令員,東海艦隊副司令員,南海艦隊司令員.
 2004年から副総参謀長を勤め,昨年8月から海軍司令員.
 2007年7月,上将昇進.

おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)7月9日


 【質問】
http://www.sinodefence.com/navy/default.asp
 このHPで中国海軍の装備について勉強して心配になってきました.
 「中国の軍事力って,数は凄いけど装備は旧式だ」と聞いて侮っていたけど,実は凄いんじゃない?
 Type-052Cのヘリ・ハンガー付ステルス艦なんてジパングに出てくる「みらい」そっくり.あれって,フェーズドアレイを用いた防空システムがあるでしょ?
 対艦ミサイルもレーダーにかかりにくい超低空を巡航するし,命中率も7,8割だっていうし.
 海自の装備は極東一っていうけど,実際中国と事を構えるような事態になったら大丈夫なの?

(HNど素人)

 【回答】
 まず,艦船を運用した経験は一朝一夕で身に付くものではありません.
 ましてや,中国海軍が外洋海軍を志向し始めたのは,ほんの20年くらい前です.
 器だけ良い物を作っても,実際に運用するソフト(教育,人材配置,戦術その他)が整備されていなければ,そしてそれを使いこなすことが出来なければ,真に強国の海軍とは言い難いでしょう.

 Type-052BにしろType-052Cにしろ,その技術は10〜20年くらい前の欧米各国のものが基準になっています.
 砲である100mm砲はFranceの模倣,37mm機関砲はOTOブレダの40mm機関砲の模倣です.
 MissileもSAMの殆どはFranceの,SSMの殆どはRussiaのそれぞれ模倣というかコピーです.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)

 ちなみに,海自幹部に言わせると,100回やって100回勝てるそうな.自信満々ですな.

 第一,台湾ですら武力制圧出来ないのに,それが対日本なら論ずるまでも無いでしょう.

 【質問】
中国の対艦ミサイルに対応できますか?(HNど素人)

 【回答】
ミサイルを撃つ前に敵を見つけるのが先ですが,中国海軍の洋上索敵能力はきわめて低いです.
 友好訪問中の中国海軍がいきなりだまし討ちをしない限りは,確実に自衛隊が先に中国海軍を発見し,沈めるにしろどうするにしろ対応できます.
 また,実際のミサイルの命中精度は,電子兵装によって変って来ます.
 中国の兵装は外見コピーでも,電子戦能力が極めて低いので,ミサイルは対艦も対空もさほどに実戦環境下では威力を発揮しないと,みんな思っています.
 中国は,自分のところの近代兵器を海外に輸出したいので,ミサイル等の命中精度を高く発表していますが,実際には自衛隊を相手にするような能力はほとんど無いです.
 【質問】
 たとえば,中国海軍の装備する命中率80%の対艦ミサイル3M80Eが地上すれすれ20mを超音速で飛んできたら,海上自衛隊の護衛艦は対処できるの?(HNど素人)

 【回答】
 できます.飽和攻撃できるほどの数はありませんし,2000年代のコチラ側の技術ならCECで見通し線外の的に対する迎撃も可能になります.高度20mで飛ぼうがAEW機からの情報でミサイルが誘導されてしまえば無意味です.
 早い話が30年遅れてるって事です.

 CECに付いては此処を読んでください.
http://sendai.cool.ne.jp/ultramanjack/talk3.html

 3M80自体が80年に就役してるんですから,ソレへの対応を自衛隊が20年もしてない訳がありません.

 外国から型落ちを導入してる以上,自衛隊が新型を投入すれば対抗できてしまうんですよ.
 命中率80%? 当然でしょう,妨害も迎撃も無い状況で的に向かって撃ってそれ以下じゃ,ミサイルとしては話に成らない.
 【質問】
 中国の対空防衛された駆逐艦には,どう対処するのですか?(HNど素人)

 【回答】
 自衛隊の潜水艦が魚雷を撃ちこんで処分します.
 分かり易く言いますと,潜水艦を訓練中に事故で沈没させるような海軍は,自衛隊にとって,さほど脅威ではないです.潜水艦の訓練がきちんとできない → 対潜水艦戦の訓練ができない,ということです.
 【質問】
 Type-052Cのようなミサイル防空システムのある中国の駆逐艦に対して,海自の装備する対艦ミサイル(ハープーンとか)は有効?(HNど素人)

 【回答】
 あまり有効ではないでしょうが気にしなくても大丈夫です.次の対艦ミサイルの要素研究は終わってます.
 赤外線画像を加えた複合誘導,タグデットロケット,ステルスと必要な要素は揃ってます.

中国海軍現勢図


 【珍説】
 中国海軍の艦対艦ミサイルはロシア製だからかなり強いと思うよ.
 射程160kmで巡行速度マッハ3だっていうじゃないか.

 【事実】
 ロシア製であることと,旧ソ連軍の軍事ドクトリンを実践できる質と規模であることは全然別なわけで.

 たとえば射程が40キロ超えれば,水平線越えの索敵,誘導手段を持たなければ,射程が何百キロあっても関係ない.見つけられないし,見つけてもミサイルを誘導できない.
 ソビエトの場合はこれを行うために,原潜以外に大量の通常動力哨戒潜水艦を作ったし,Tu95をはじめとする長距離哨戒兵力を構築し,艦載ヘリやフォージャーによるミサイルの中間誘導システムを完成させた.
 そういったものが現在の中国に無い以上,「空母殺手」ことサンバーンがあろうが別に怖くは無い.

(ふみ)


 【質問】
 中国海軍の問題点は?

 【回答】
 藤木平八郎によれば以下の通り.

 ジェーン軍艦年鑑 2003-2004 によれば,
「海洋海軍重視の裏でミサイル艇,砲艇,掃海艇は陳腐化し,隻数減少.
 注目すべきは対機雷能力の弱体で,近代化に遅れ,2隻の渦掃 Wosao 型が比較的新しいのみ.
 他の掃海艇,約40隻は古船.
 掃海具も旧式でMCM能力は硬軟共に着実に低下.
 中国海軍の重大な弱点である」

 周辺海軍の機雷常備数は少ないから,まあよいか.

( from 「世界の艦船」,海人社,2003/10,p.143,抜粋要約)

 他にも電子機器の問題などありそうだが.


 【質問】
 2005年9月,春暁ガス田に出現した補給艦って何?

 【回答】
 写真から見て,福池 Fuchi 型補給艦,千島湖 Qiandaohuだと思われます.
 これは上海の滬東造船所で建造された最新鋭の補給艦です.
 補給だけでなく,司令部機能ないし,人員輸送など,別の機能も有している可能性があります.
 以下引用.

 起工は2002年,2003年3月に進水,2004年に就役している.

 船体形状,主要構造の配置は,両者〔同造船所で建造された,タイ海軍補給艦「シミラン」〕とも極めて相似している.
 実際,ジェーン軍艦年間によると,船体の主寸法はほぼ同一である.
 艦の内容は当然相異しており,船体の要目以外にはかなり違いは出てくるが,目安となるデータとしてはそれほどの大きな開きはない.
 現在記述されている,福池型の主要目は次の通り.
満載排水量  23,000t
全長 171.4m
24.6m
吃水 9m
主機 ディーゼル2基,2軸
出力 24,000馬力
速力 19ノット
航続距離 10,000浬/14ノット
乗員数 130
 補給物資の搭載量は,燃料油10,500t,真水250t,弾薬などドライカーゴ680t.
 兵装は37mm連装機銃4基で,艦橋前部と格納庫上の両舷に装備している.
 ヘリコプターの搭載機数は1機である.タイ海軍のシミランでは,福池型と同位置に同じ4基の37mm連装機銃の装備と,艦橋上に射撃用レーダーの搭載が考慮されている(両者とも未装備のまま).
 福池型では37mm機銃は装備されているが,射撃用レーダーの装備は,他の中国の補助艦船同様,考慮されていないようである.

 前述のように主船体の寸法はシミランと同一だが,艦尾部の形状に相異が見られる.ヘリコプター甲板下の艤装の違いによるものであろう.
 福池型のほうは縦曳き給油の関連艤装があるものと推定されるが,長船首楼後部もやや延長されており,艦内容積を増している.
 水線下の船体形状および船体の構造は,大部分シミランの設計を流用したものと考えられる.
 主船体中央部にも舷窓が設けられており,かなりの部分に居住設備があることも考えられる.
 艦橋構造,格納庫と煙突を含む後部上構は,福池型のほうが大きく,また,シミランには殆ど設けられていない舷窓(角型)が多くあるのも外見上目立つ大きな相違点である.

 福池型とシミランは同位置に2組の洋上補給ポストを配置しているが,後者が前後ポストとも給油・ドライカーゴ移送を兼用しているのに対し,前者は,前方のポストを給油,後方のポストをドライカーゴ移送用としている.
 また,補給ポストは南倉の給油ポストと同形式である.
 補給の指揮管制所は,シミランが2組のポストの中間の中央部に纏めているのに対し,福池型は片舷3ヶ所,計6ヶ所設けている.
 給油ポストは片舷の前後ポストに給油ホースを吊り下げており,給油ステーションは片舷2ヶ所ということになる.
 また,中央部には両舷に大型のデッキ・クレーンを装備している.

 搭載艇も4隻と,乗員数の割には多い(シミランは2隻).
 前後のマストの形状は同じであるが,福池型のほうが構造を強化している.

 給油ポストの位置と,主船体の舷窓から判断して,艦内の貨油タンクや補給倉庫などの配置は,シミランとかなり異なるようで,福池型では貨油タンクは前部に纏めていると予想される.
 補給装置は,受給する側の設備と連動するもので,中国艦艇は受給設備はあまり重視されていないのが実情である.新型の駆逐艦・フリゲイトにしても,給油についてはプローブ・レシーバの類は見当たらない.ドライカーゴ用の受給用ポストは装備されてはいるが,重量物の移送用ではない.
 これまでの中国艦艇の行動からも,洋上補給を重視している傾向はなく,福池型にしても,洋上補給能力は従来に比べて強化されたものではない.
 主船体の舷窓の位置や上部構造の舷窓を見れば,補給能力だけでなく,司令部機能ないしは人員輸送など別の機能を保有しているのではと想像される.

 今後,この補給艦が継続して建造される情報はない.
 空母の建造を始めとし,航洋での艦隊行動を可能とするには,中国海軍の洋上補給能力にはまだまだ課題が多いといえる.

 これとは別に,中国海軍は多数の中小型タンカーないし貨物船を保有しており,一部は商用にも使用されている.

(「世界の艦船」,2005年9月号,p.88-89)

 ……ところで,画像検索しても,こんなのとか,こんなのしか見つからないぞ!


 【質問】
 中国海軍の水準が,西側のそれに急速に追いつく可能性はあるか?

 【回答】
 財政事情さえ許せば,その可能性はあるという.
 以下引用.

 潜水艦や水上戦闘艦の近代化の程度は,ロシアからキロ型やソブレメンヌイ級を導入している事実が物語っているように,西側トップ水準のものに比べると依然,大きな懸隔があるように思われる.※
 しかし,かつてのソ連艦艇の質を評するのと同じ手法で,彼らの艦艇の今後を論じるのは危険である.
 冷戦下,ココムの厳しい規制によって,全てを独自に開発しなければならなかったソ連に比べて,現代中国は資本主義経済圏の中で活動しているのである.
 中国に対する武器輸出に種種の制約があるのは事実だが,旧ソ連に対するものに比して遥かに緩やかで,近い将来,大幅に緩和されることもありうるのである.
 したがって今日旧式であっても,財政事情さえ許せば明日には最新式の装備を導入する可能性があるわけで,その動向には大いに注意を払う必要がある.

(木津徹〔同誌編集長〕 from 「世界の艦船」2004年11月号,p.91)

 ※なお,キロ型は,西側のディーゼル潜水艦と比べても決して見劣りするものではないので念の為.
 中国が購入したのは,最初の2隻こそ海外向けダウングレード版の877EKMだったが, その後,最新型の636を2隻購入.更に,数年後には8隻が加わる.
 確かに,キロ型はカタログスペックはショボイが,いわゆる「優秀な平凡作」というヤツで, 表面上のカタログスペックには現れない静粛性とかは,現在でも第一級と言っていいだろうね.
 しかも,中国のキロ型は,今後,射程300kmの衛星誘導対艦巡航ミサイル3M54E1「クラブS」の運用能力を持つ.
(既に就役済みの4隻は順次追加,今後就役する8隻は,新造時より装備)
 ロシアの技術を舐めたらあかんぜよ(笑)>木津編集長殿.

 キロ型をハン(漢)型なんぞと同じ感覚で考えたら,ルビーン海洋工学中央設計局(877を設計したトコロ)とマカロフ技師(877設計主任)とアドミラルティ造船所(877を建造したトコロ)に失礼だよ(笑)

 ま,正直,海自でも,そうそうカンタンには探知出来まいて(笑)

 つーかね,キロ型に限らず,静粛性の高いディーゼル潜水艦を探知するのは難しいんだよ.
(むろん,中国海軍のロメオ型とかミン(明)型とかソン(宋)型と言ったヘボ潜水艦は除外(笑))
 フォークランド紛争時にも,世界に冠たるロイヤルネービーは,アルゼンチンの209型(ドイツ製)「サン・ルイス」を捕捉出来ずに取り逃がしている.
 この時は,まだ東西冷戦の真っ最中だったので,沿岸作戦(浅海域作戦)におけるディーゼル潜の脅威よりも, 外洋における「ソ連原潜艦隊の脅威」の方が「重大」だと思われていたので,あんまり注目されなかったけどね.

夏光華(シア・クァンファ) in mixi支隊


 【質問】
 中国のコースト・ガードはどんなものか?

 【回答】
 (1) 港湾の税関監視を担当する海関総署.国務院直属の執行機関であり,関税徴収,密輸出入監視,不法薬物摘発,検疫を担当.
 最近になり,高速監視船が相当数就役している模様.

 (2) 人民武装警察の海上警備部門.実体はほぼ何も分かっていない.ジェーン軍艦年鑑すら,その保有船艇について確実な情報を何も持っていない.

 (3) 公安部の海上警備部門.国境地域,領水域での警察活動を担う辺防局(辺防部,辺境防衛局,辺防管理局と記述する資料も見られる)が存在し,海上保安庁の警備部門に対応しうる下部組織が確認されている.
 その実態,勢力,船艇数,航空機運用の有無は不明.
 日本の海上保安庁の警備部門との結びつきを近年深めている.

 (4) 警察権行使と港湾土木事業以外の海事行政をほぼ網羅する中国交通部海事局.
 船艇総数は1000隻以上とも,1400隻に達するとも言われる.
 最大級の船は海巡21 Haixun21で1859総t.それより大型で,ヘリコプターを搭載する海巡31を現在建造中.
 ただし警察権を行使しないことから,いずれも非武装.

 詳細は,「世界の艦船」2004年11月号,p.92-95(渡辺一正〔艦艇研究家〕記述)を参照されたし.


 【質問】
 海南島秘密基地とは?

 【回答】
 中国が海南島南端に秘密裏に建設したらしい海軍基地.
 原子力潜水艦基地として使用されているほか,空母機動部隊も寄港できる規模だという.

 以下引用.

――――――
海南島に秘密原潜基地=周辺地域に懸念も−英誌
2008年5月2日22時0分配信 時事通信


 【ロンドン2日時事】英軍事情報誌「ジェーンズ・インテリジェンス・レビュー」は2日までに,独自に入手した衛星写真を基に,中国が海南島の南端に大規模な原子力潜水艦基地を秘密裏に建設したと報じた.
 写真は複数あり,港に停泊中の潜水艦や戦艦,斜面に作られた地下トンネル網の出入り口などが写し出されている.
 潜水艦は最新鋭の「晋」級原子力潜水艦とされる.
 報道によると,基地は「弾道ミサイル搭載型潜水艦や空母が多数寄港できる」規模〔略〕

――――――

 また,
China's Naval Secrets
(WSJアジア版,評論)中国海軍の(海南島原潜基地の)秘密

By RICHARD D. FISHER JR.
FROM TODAY'S WALL STREET JOURNAL ASIA May 5, 2008

はジェーンズの発表した,海南島の三亞基地についての評論だが,この中から指摘している事項のみを列挙しておくと:

・これは楡林海軍基地の拡大計画で,原潜基地のみならず艦船や空母の新たな基地になる可能性の高いもので,南シナ海からマラッカ海峡への戦略基地になるもの.

・三亞(Sanya)の海軍戦略基地は「アジアの三ヶ国」の軍事,諜報機関によって2002年に報告されており,大規模地下施設についても知られていた.
 2004年に人民解放軍は基地の開発計画を認めたが,地下施設を否定している.

・ジェーンズの示したディジタルグローブの高精細写真で洞窟の入り口が明らかにされており,これは渤海湾にある別の地下潜水艦基地と同じものである.
 地下基地の規模は不明だが,アジアの軍事筋は少なくとも8艦の潜水艦を擁するとみており,この地域の大きさから20艦程度までの規模があり得る.

・渤海湾の原潜基地に比べて三亞基地は094型SSBNが5000メートル級の海南島南部の深海に面している有利さがある.
 アジアの軍事筋はこの基地がSSBNの要所となり,将来は人民解放軍のもつ核ミサイルの半分までを集める基地になり得るとみている.

・三亞は大規模な港湾施設や地上施設を建設中であり,将来の艦船や空母の基地にもなり得ると見られる.

・海南島に人民解放軍が大規模な軍事施設を計画しているのでは,という疑いは昔から存在しており,2001年4月の米軍のEP-3電子情報偵察機が中国軍の戦闘機と接触した事故も,そうした疑いに関連している.

・海南島における人民解放軍の秘密の大規模な基地建設計画の存在は,日米豪が中国に対して,今まで以上に軍事計画の透明性,情報開示を要求するものとなる.
 特にこの基地が核ミサイルの集積を目指すなら尚更である.

ニュース極東板


 【質問】
 中国海軍が巨大な原潜基地を中国南部の海南島に建設って,そんなにまずいんですか?

 【回答】
 現状だと大陸中国の戦略原潜は,渤海と黄海にしか潜める海域がなく,どちらも中国海軍が確保できる代わり浅過ぎて,潜伏させるのに向かないという欠点がある.
 更に,黄海を抜けても東シナ海は日本とアメリカの勢力圏内だから,安全性が確保できない上,琉球,奄美両諸島が日米の勢力圏の限り,そこから外海には出られない.

 海南島に基地を作れば,渤海と黄海に閉塞させられるという状況からは逃れられる.

 海南島から近い南シナ海は,アメリカや日本の対潜哨戒が届きにくい場所――P-3C哨戒機による対潜哨戒を届かせにくいので,原子力潜水艦による哨戒しかできない――であり,戦力的に弱体な南アジア諸国ベトナムやフィリピンにとっては潜水艦に対応しにくい海域なので,少々設計的におんぼろな中国の原子力潜水艦でも比較的安全に活動しやすい.
 そういう場所に近い所に基地ができるので,中国にとっては潜水艦の稼働率が上がるというメリットがあり,アメリカにとっては中国の潜水艦の動きが把握しにくくなるというデメリットがある.

 まぁ,それはそれで今度南シナ海に閉じ込められることにはなるが,現状では米軍は南シナ海を完全に支配は出来ていないので,状況はずっとマシになる.

 あと,インドに対して,原潜による核反撃のリアクションタイムを大幅に減らすことができる.
 これは結構大きい.

軍事板

China's submarine progress alarms India By Siddharth Srivastava
(アジアタイムズ)中国の海南島に建設中のSSBN基地はインドに警鐘を鳴らす

May 9, 2008

という記事では,人民解放軍の海南島のSSBN秘密基地は,中国海軍の増強に神経を尖らせているインドを特に刺激する,と解説している.

 以下,荒っぽい要旨.

――――――

1)インドは陸上発射の核ミサイル(Agni, Prithvi)をもつが,潜水艦発射の核ミサイルやSSBNを現在保有しておらず,中国海軍のこの方面の大幅増強は脅威と感じる.

2)インドはSSBNの開発計画を持っていて,Advanced Technology Vessel (ATV)と呼んでいる.
 さらに近くロシアからAkula-II級のSSBNのリースが実現する予定.
 これは1200トン級の核燃料の攻撃用潜水艦である.

3)インドは最近,ロシアとの共同開発のBrahMosクルーズ・ミサイルの改造版である超音速の潜水艦発射ミサイルを発表している.
 またフランスから先進的なScorpene潜水艦技術を導入して,ムンバイの造船所で新型潜水艦を建造する.

――――――

 インドと中国の海軍(特に潜水艦と核ミサイル)の軍拡競争が既に起こっている,と言える.

ニュース極東板


 【質問】
 補給艦「青海湖(チンハイフー)」について教えられたし.

 【回答】
 1989年1月,ソ連海軍向けの「新型補給艦」ウラジーミル・ペレグドフが,ウクライナのケルソン造船所で起工されました.
 ウラジーミル・ペレグドフは,民間用のコマンダルム・フェドコ級タンカーをベースに設計された補給艦です.

 ソ連海軍は,1970年代,民間用のヴェリキー・オクチャブル級タンカーをベースにした補給艦ボリス・チリキン級を建造していますから,その後継として計画されたと思われます.

 しかし,建造途中でソヴィエト連邦は解体され,ソ連海軍も無くなりました.
 未完成のウラジーミル・ペレグドフは,造船所ごとウクライナに接収されてしまいました.
 ロシア海軍も,極度の財政難もあり,本艦を取得しようとはしませんでした.

 宙に浮いたウラジーミル・ペレグドフでしたが,1993年,中国が1,000万ドルでウクライナから買い取りました.
 未完成状態のウラジーミル・ペレグドフは,1993年春,中国本土の大連造船所へ回航され,ここで艤装工事が行われました.
 1996年6月,補給設備の艤装未了のまま中国海軍へ引き渡され,「南倉」と改名されました.
 その後,「青海湖」と改名され,現在も中国海軍に在籍しています.

 そして,「ウラジーミル・ペレグドフ改め南倉」就役から10年以上が経過した今,「元々はソ連海軍の補給艦として建造」という情報は,すっかり忘れ去られているようです・・・・

 〔略〕


Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/9/19(金) 午後 9:19


 【質問】
 中共海軍がASBM試射を実施したって本当?

 【回答】
 中国海軍東海艦隊は,浙江省舟山市と台州市の東側沖合いで,2010年6月30日から7月5日までの間,実弾射撃訓練を実施.
 米軍事専門家のAndrew Erickson氏は,中国軍が本演習において,空母を射撃対象とする対艦弾道ミサイル「東風-21D」の試射を行なった可能性を排除しないと指摘.

 【出典:台湾月報】
http://tinyurl.com/27ckc65

※ 第2砲兵に配備されている対艦弾道弾(ASBM) .
 地上発射型で車両搭載式.
 射程は3000キロとされ,米の空母機動部隊を標的としている.
 2005〜06にかけて試射が行われたのが確認されている.
 領域拒否能力※2を飛躍的に高める兵器とされる.

※2 「敵が軍事作戦を実施したい地点に向けて展開する能力を敵に与えないこと」に焦点を当てた戦力及び概念.
 中国は,敵を圧倒殲滅できなくても,領域拒否能力を持てば,情報化の条件の下で局地戦争に勝利しえると考えている.
 シーレーン防衛において,わが国や米等は,シーレーンの存在する海域に海軍力をプレゼンスさせ海上優勢を獲得することを重視するが,中国は,その海域で敵が自由に行動するのを抑止,阻止するための「海洋拒否能力」を重視する.

 目的とする海域に直接プレゼンスしてコントロールすることより,目的とする海域の入り口,或いは,それに至る経路,更には敵が海軍力を発出する基地,効果があるなら基地に働く従業員や家族等,敵戦力発揮に繋がるありとあらゆるものに脅威を与えて,損害又は損害が生じるリスクから敵の戦力投射を制限する考え方を重視する.
 即ち,空母機動部隊の圧倒的戦力で海域をコントロールしようとする米海軍力に対し,攻撃型潜水艦,対艦ミサイル艦・艇,巡航ミサイル,遠距離投射精密爆弾,陸上基地発の海洋攻撃機から特殊部隊,ゲリラ・テロ迄,あらゆる手段を尽くして海の不正規戦,ゲリラ戦を挑むような思考方式をとるのが,中国及び人民解放軍の教義である.

 【参考】
森野軍事研究所 洗 堯,
「21世紀に日本が生き残るために 〜20年後の安全保障を考える〜」, 2007.9.15

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)7月12日(月)

▼■支那メディアが「ASBM」を公開.試射を示唆

 2010.08.14の朝鮮日報「中国,「空母キラー」対艦弾道ミサイルを試験発射へ」
によれば,次のとおり.

1.中央人民ラジオ(電子版)は13日,中国航天科工集団(CASIC)が近く,国家の重大兵器プロジェクトの試験発射を行うと伝えた.

1.同局は「重大兵器プロジェクト」が何かを明かさなかったが,関連写真として東風21Dと同系列の東風21C中距離弾道ミサイルが,米空母を攻撃する想像図などを掲載し,今回のプロジェクトが米空母を狙った,東風21Dの試験発射であることを示唆している.
 報道によると,同社の許達哲総経理は今月5日から6日にかけ,試験現場4カ所を訪問し,研究陣を激励したらしい.

1.対艦弾道ミサイル(ASBM)「東風21D」の試験発射計画を,支那が事実上公開したものといえる.
 欧米メディアは最近,中国が東風21Dの開発を完了し,年内に試験発射を行うと報道してきたが,中共政府はこれまで確認も否定もしていなかった.

1.北京の外交関係者の間では,支那が東風21Dの試験発射計画を,国営メディアを通じて明らかにしたのは,米空母の演習派遣に対する警告とみられている.
 英字紙チャイナ・デーリーも同日,外電を引用する形で,「中共が対艦弾道ミサイルを開発中だ」と報じた.
 同紙は,外電は中共が対艦弾道ミサイルを開発し,来年にも実戦配備すると報じているが,中共国防省はそれを認めていないと伝えた.

1.中共が開発している東風21Dは,最大450キログラムの弾頭6個を搭載できる中距離弾道弾で,射程距離は1300−1800キロメートルとされる.
 空母の船体を貫き,内部で再び爆発する構造となっており,一発で空母を撃沈できるため,「空母キラー」と呼ばれている.

1.関連し,13日付香港紙文匯報は,支那が東風21Dで米空母を攻撃すれば,米国は核兵器での反撃も辞さないと報じ,支那の大型弾道ミサイルが米空母を撃破する想像写真を掲載した.
 同紙は米海軍幹部が米メディアに対し,
「支那が東風21ミサイルで米空母を攻撃すれば,米国は核兵器を使用して対応する」
と述べたと報じている.

⇒ 米国防総省は,黄海と南シナ海で,韓国やベトナムとともに,原子力空母ジョージ・ワシントンが参加する合同演習を行うことを明らかにしています.

おきらく軍事研究会,(2010年)8月16日(月)


 【質問】
 中国の対艦弾道弾は,米空母に対して有効なのですか?

 【回答】
 7日土曜日頃にも
「支那は900マイル(約1500km)離れたところから,最新鋭空母を攻撃できる弾道弾(東風21D)の保有を加速させている.
 目的は国際社会の新秩序に自ら関与すること」
とする情報が入っています.

 この弾道弾については,
「冷戦時代の設計思想に基づいて作られている"東風"は,性能的にみて米の海洋プロジェクション能力を止める力足りえず,張子の虎に過ぎない」
という見方もありますが,
「とんでもない.
 この種のミサイルには,艦艇を追跡したり,空母のような標的に弾頭を誘導するために必要な,幅広い技術が必要だ.
 支那は超水平線レーダーを含む,海上のみならず地上の標的も監視追跡可能な,複数のセンサーを保有している.
 宇宙衛星による空母戦隊の監視追跡のみならず,太平洋を監視する空中機動センサーも保有している.
 こういった技術を保有する脅威に目を向けなければならない」
とする見方もあります.
 いずれの見方も妥当で,われわれは両者の感覚を持っておく必要があると思います.

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)8月9日(月)


◆◆◆◆空母


 【質問】
 かなり以前から中国が空母を保有するという話が囁かれてますが,ロシアから中古の空母をスクラップとして購入した事以外には具体的な動きを聞きません.
 これは中国は本気で空母を欲しがっていないのか,それとも技術的に空母を作れないのでしょうか?

 【回答】
 保有したいのは確かだけれども,すぐには実現不可能でしょう.

 中国は80年代から空母保有のための研究を行っていました.
 また中国海軍は,96年3月の台湾海峡危機の際,台湾海峡に展開した米空母機動部隊に手も足も出せず切歯扼腕した経験から,空母保有に相当の関心があるのは間違いありません.
 しかし,政治的な判断から中央軍事委員会が空母建造を保留したとも言われています.

 さらにその実現には多くの技術的・経済的困難が伴います.
 中国には一万トン以上の排水量の水上戦闘艦を建造した実績が無いですし,水上戦闘艦の儀装品の多くが輸入もしくはライセンス生産品という現状では,航空機まで含めた独自の空母用戦闘システム開発はかなり困難かと.

 先日3胴船形式の軽空母を建造というニュースも流れましたが,実現性は相当に怪しいシロモノでしょう.

 ただし,長期的には中国海軍は空母保有のためのプランを捨てることなく,今後も建造への努力を続けていくものと思われます.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)

 空母保有の意思はある可能性が高い.なぜなら中国は空母に積極的にリソースを割き始めているからだ.

 世界の艦船2006年3月号のアンドレイ・V・ポルトフ氏の記事及び5月号の宇垣氏の記事によれば,中国海軍は急速に
「空母1隻と艦載機に1兆円かける」
方向に動きつつある.

 具体的には,ワリャーグへの中国側造船官や各分野による専門家による調査,分析は2005年2月に終了し,4月からは再生作業が始まってる.
 後7月までに船体全体の中国海軍色への塗装作業が行われているとの事だ.
 また,中国はロシアからワリャーグの設計資料や技術図,設計図などを全て購入したといわれているようで,ワリャーグの復活は容易とすら言われている.

 さらに言えば,中国の軍需関連産業を統括する国防科学技術工業委員会の張副主任が記者会見で,関係部門が空母の保有を真剣に研究・検討しているとすら明言している.

通りすがる人 in 2nd FAQ BBS


 【質問】
 中国軍の軍人は,自国の空母保有についてどう考えているのか?

 【回答】
 佐藤守のブログによれば,中国軍内部でも不要論・不経済論が大半を占めているという.
 保有賛成派もその点は認めているものの,
「空母は軍のシンボル」
「台湾問題を『解決』するためには必要」
だとして,保有に固執している模様.

 以下引用.

――――――
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20071129

(承前) 午後のセッションは,「中日政治,安全問題」であった.
 川村団長が「中国の空母保有と海洋進出」と題して,中国の空母保有への動き,空母建造の課題,中国海軍の任務に対する空母の適合性という,かなり露骨な内容について詳細に述べ,結論として
「限られた任務にしか効率性が認められない空母を保有するために,巨額の投資をすることは壮大な無駄遣いになる」
とやんわり?釘を刺した.

 これに対して元海軍戦闘機パイロットであった李少将が長々と反論した.
 専門家としては
「川村提督の指摘は正鵠を得ている」
「中国の軍内部でも不要論と不経済論が大半を占めている」
としながらも,呉海軍少将が訪米して米太平洋司令官と会談したとき,司令官は「建造すべきだ」と言った.

 例えば主要国はみな空母を持っている.
 日本も昔は強大な空母群を持っていた.
 米・英・仏・伊・・・インド,タイまで持っているのに,どうして中国は持てないのか?
 ケ小平主席は「軍は主権のシンボル」だといった.
 「空母は軍のシンボル」である.
 役に立つ立たないは論外,多数の軍人の願望である.
 米国は10隻の空母をもつのに中国が購入したら何故脅威なのか?

 建造の可不可は,科学技術のシンボルであり,決意次第である.
 1950年に毛沢東は一万年かかっても必ず原爆を持つと宣言したが,結果的に短期間に原爆を持った.

 艦載機については,今は持たないが,将来は必ず持つ.
 勿論米国に売ってもらえるものではなくとも,技術的に学び取ることは可能である.
 自力建造は可能だと信じている,資金の問題についても中国は出せる.
 巨大な外貨準備高を持っているから造れるのは事実である,と強硬論を述べた.

 そして
「自国の空母の姿を見られずに退官したのは残念.
 国民も空母を持ちたいと思っていると思う.
 その証拠に,30年前に小学生が空母建造費用として2元寄付したことがある.
 ある企業家は2000〜3000万元を出した.
 これこそ中国人民の民意の赴くところであるというのだから恐れ入る.

 更に空母は台湾問題解決に役に立つといい,あくまで問題を平和裡に解決したいが,万策尽きて必要な場合は,直接的軍事力行使ではなく「封じ込め」策を講じるだろう.
 空母なしでは台湾を封じ込めることは有効ではない,台湾を攻撃するということではなく,抑止(圧迫して降参させる)戦略である,軍事力が強ければ強いほど,台湾問題は解決する,とまで言った.
――――――

 この見解に対し,佐藤は
それを貫くものは「中華思想」そのものであった.
という感想を述べているが,どちらかといえば,昨今中国で台頭している悪性ナショナリズムの産物であろう.

 それはともかく,中国に浪費させることができるというのなら,今後,むしろ中国の空母保有に賛成する反中派が現れる可能性もある.

▼ 【追記】
 しかし,これまた思いきった建造に踏み切りました.
 中国海軍は空母を最高で5隻建造,海上戦闘能力の増強を開始しました.
 2015年には,中国海軍初の空母が稼働を開始します.
中国が空母5隻建造へ 空母は2015年に稼働=中国メディア

 とはいえ,空母には経費がかかるのは,この日記でもお伝えした通りです.
 また,空母の人員はいいとしても,5隻ともなるとさすがに資金力は持つのかどうか.
 確かに今は,中国の高度経済成長があるからいいのですが,この経済成長が5隻の空母を揃い上げ,それで維持できるのかという問題もあります.
 また,私のとあるマイミクさんとも話したのですが,中国空母と日米が激突するとなれば,それは南シナ海になる可能性があります.
 さらにインド洋では,インド海軍との空母機動部隊と衝突もありえます.

 尖閣諸島付近をうろつく中国海軍の監視船といい,朝鮮半島情勢といい,東アジアの軍事緊張は中国を中心に回っていると言ってもいいでしょう.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年11月28日14:22

 もしこの報道が本当なら,政治が軍事的合理性を乗り越えた事例が,もう一つ増えたということになるだろう.


 【質問】
 中国の空母保有賛成派は,なぜ空母を欲しているのか?

 【回答】
 zyesutaさんのブログの記事を見て思った事があります.
 中国海軍は何故熱心に空母を保有したがるかです.
 書かれてある通り,第一列島線の内側での局地戦争を戦い抜くための理由もありますが,実はもう一つ理由があるのです.
 それはインド海軍の空母への対抗策です.
中国海軍は何を考えているのか 建軍から未来まで:リアリズムと防衛を学ぶ

 中国海軍はおそらく,STOBAR型の空母の建造に力を入れていますが,現状ではせいぜい1隻建造し,さらに試験航海やら訓練やらで,「連合艦隊」の設置までに至るにはまだまだ時間はかかるでしょう.

 しかし中国の仮想敵国・インドでは,既に2隻の空母を保有しています.
 さらには国産空母「ヴィクラント」を就役させ,2番艦も2017年までに建造する予定で,最終的には3隻体制になります.
 〔略〕
インド海軍 - Wikipedia
ヴィクラント (空母・2代)- Wikipedia
インド海軍が空母3隻体制に・うち2隻は国産:Garbagenews.com

 そうなると,アフリカからの資源輸入のためのシーレーンは,仮想敵国であるインド海軍によって脅かされる事になります.
 日本や韓国,台湾みたく,シーレーンをアメリカに一任など中国は出来ません,
 というか大国であるという面子もあるので,アメリカに頭など下げられません.
 そんな事をしたら,人権問題でねじ込んでくる可能性があるからです.

 さらに中国は,同じく軍備増強で脅威を抱くロシアが,艦載機を売らないとみるや,Su-33のコピーに乗り出し,今年の5月にはコピーの生産が報じられました.
ロシア製戦闘機をこっそりコピー?空母の艦載機として使用:レコードチャイナ

 ちなみにインドは,ロシアから正規にMiG29Kを調達しており,ロシアにとっては中国よりインドが信用出来るというところでしょう.
 ですから中印対立時には,ロシアは中国よりインドを支援する可能性があります.
 またコピーだと所詮,オリジナルのような性能は期待できませんが,オリジナルだとたとえ輸出用にダウングレードされていても,オリジナルと同等の性能は期待できます.
 そして空母建造数でも中国はインドに負けています.

 中国が空母建造に力を入れるのは,こういう背景があるのです.
 台湾侵攻や尖閣上陸なら,空母は必要ありません.

 全ては独自でシーレーンを守るという,中国の決意があるからなのです.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年10月27日14:31
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 〔中国の空母保有をもって中国脅威論を唱える人がいますが,〕確かに空母があれば外征は可能です.
 しかし空母保有=外征ではないでしょう?

フロム in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【回答】
 〔攻撃型〕空母ってのはな,基本的に本土から離れた海域でそれなりのレベルの軍事行動を起こすのに必要な訳だ.
 当然,沿岸に留まるなり国土防衛に専念する限りは必要の無いシロモノ.
 ましてや英仏のように海外に植民地を持つわけでもない中韓がそれを持とうという訳だ,それは即ち「外征の意図在り」と見做されて然るべきもの.
 タイのように見栄だけで買って,維持費すら儘ならず,岸壁の女王と化すのなら兎も角な.

メッサー=ハルゼー in mixi

 〔また,中国は〕空母だけでなく,大型揚陸艦の建造も急ピッチで進んでいます.
 今まで中国海軍はLSTタイプの玉坎級という小さな揚陸艦しか持っていなかったのですが,最近,フランスが中国向けに輸出を決めた35000馬力級船舶用ディーゼルエンジンのリストには,「ドック型揚陸艦用」とはっきり書かれていました.
 これは玉坎級の倍以上の馬力なので,排水量は恐らく1万トンを超えます.

 彼らは外洋へ出ようとしている.
 原子力潜水艦を日本領海に侵入させて海峡を突破した事件もありましたし.

JSF in mixi


 【質問】
 中国が空母整備を検討し始めたのは何時頃か?

 【回答】
 「近海積極防衛戦略」を打ち出した80年代後半からだという.
 以下引用.

中国海軍が長期的に空母の整備を検討し始めたのは,先の「近海積極防衛戦略」が打ち出された直後の80年代後半だったと言われている.
 中国海軍はこれによって将来実現すべきものとして,南シナ海と東シナ海で作戦可能な能力,自立した制海・制空能力,強力な即応反撃能力,強力な水陸戦能力,一定の核抑止能力という5つの能力を明示したためである.

 この段階から中国海軍では,排水量2万t台のV/STOL軽空母から6万t台の大型正規空母までが研究されることとなったが,なにしろ1990年代までの中国は,巨大な農業国であり,国内には正規空母どころか軽空母の開発・建造基盤さえ存在しなかった.
 そこで1989年の天安門事件を契機に,再びソ連/ロシアとの間で軍事技術面の結びつきを強化し始めると,空母の設計・開発に関してもロシア側の協力を仰ぐこととなり,1994年にはネフスコイエ設計局との間で中国海軍の要求に基く空母の設計契約を結ぶことになったのだった.

宇垣大成 from 「世界の艦船」2005年4月号,p.111


 【質問】
 中国が空母を実用化させる上での難題は何か?

 【回答】
 艦載型早期警戒機をどうするのかという点だという.
 以下引用.

正規空母の艦載機としては,主力の戦闘機以上に難しい問題がある.艦載型早期警戒機(AEW)をどうするのかという点だ.
 空中での早期警戒と戦闘の指揮を司るAEWは,能力的に満足な空母艦載航空戦力を構成する上では不可欠な機種だが,現在までにこれを開発・生産してきた国はアメリカ以外にはなく,中国がアメリカからE‐2CホークアイAEWを導入できる可能性は,政治的な理由から殆どあるまい.
 一方ロシアでは,これまでに早期警戒用のレーダーを艦載ヘリコプターKa-31に搭載して運用試験を行っているが,能力的にこれがE-2Cに匹敵するはずはなく,中国海軍にとっても満足できるものではなかろう.
 こうなると中国は,国内で艦載AEW機を開発しなければならなくなるのだが,本質的に高度なエレクトロニクスの塊を,現在の中国が自力で開発できるわけはなく,イスラエルやロシアからの技術支援が得られるとしても,今後,短期間に有力な機体が出現する可能性は,まずなさそうだ.

宇垣大成 from 「世界の艦船」2005年4月号,p.112

 さて,続報.
 上記で「(中国)海軍にとっても満足できるものではなかろう」と述べられているKa-31早期警戒ヘリコプターを,20機もロシアから購入する見込みのようです(^^;

【中国,ロシアから再び兵器購入(4月28日・香港中評社)】

  ロシアの報道によると,中国軍はロシアから上陸作戦用装備と対潜哨戒機を購入する.
 その内訳は,Ka-29兵員輸送ヘリコプター40機,Ka-31早期警戒ヘリコプター20機,そしてベリエフBe-200対潜哨戒飛行艇15機.
 報道によると,中露両国は今年の秋にも正式に輸出契約にサインするとの事.

 Ka-29はKa-27対潜ヘリを元に製作された汎用ヘリ.
 7.62ミリ機銃×4,AT-6対戦車ミサイル,80ミリロケット弾を搭載可能.最高速度は280km/h,
 航続距離は1003km.

 Ka-31もKa-27対潜ヘリを元に製作された早期警戒ヘリ.
 高度3000mで巡航飛行しながら,E-801MOkoレーダーで同時に20の空中目標の探知が可能.
 戦闘機の探知距離は最大110km.
 水上艦艇の探知距離は200km.

 現在,中国海軍の固定翼の水上/対潜用哨戒機は,運輸8を改造した運-8J,運-8X(合計10機前後)と水轟-5(10機未満)のみなので,Be-200の導入は中国海軍の対潜哨戒機の不足を補うものになると思われる.

 海軍陸戦隊の保有している汎用ヘリは,シュペルフルロンのライセンス生産型の直昇-8とドーファンのライセンス生産型の直昇-9.
 前者は大型のため運用可能な艦が限られ,後者は搭載能力の制限という問題を有している.
 Ka-29は両機の中間の大きさで運用上手ごろなサイズである事,対地攻撃能力を有しており,悪天候下での運用にも適しているのが利点と推測される.

 Ka-31早期警戒へりの採用は,中国海軍にとって欠如していた空中早期警戒能力を保持させることになる.
 また運輸-8Xとともに,水平線外距離の敵水上艦隊の探知・攻撃能力を得るためにも欠かせない装備となる.

http://military.china.com/zh_cn/critical3/27/20060430/13289115.html
から要約.

 Ka-31はE-801 MOko レーダーで同時に20の空中目標を探知可能.
警戒高度は3,000m.
探知距離は対空が最大110km.対水上では最大200km.
 E-2Cには劣るだろうけど,無いよりは遥かにマシ.
 現在,ロシア海軍のアドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフには財政難から2機しか搭載されていないが,ある程度まとまった数を搭載すれば,それなりには有効と思われ.

シア・クァンファ in mixi


 【質問】
 中国の建造する空母は,どのようなものになると予想されるか?

 【回答】
 朝日新聞Webサイト『アサヒ・コム』より.

――――――
http://www.asahi.com/international/update/0109/TKY200901090003.html
中国の空母建造,ロシア大使が「協力を検討」
【北京=峯村健司】

 中国軍初の国産空母建造を巡り,ロシアのラゾフ駐中国大使は8日付の中国紙・南方週末のインタビューで「我が国には空母建造の技術があり,協力を検討している」と述べた.
 その上で,条件として「両国の利益になり,ロシアの国際的義務の範囲を超えない」ことを挙げ,周辺国の脅威論に配慮を示した.
 〔略〕
 8日付の香港紙・香港商報によると,建造する空母の甲板は長さ320メートル,幅70メートルで排水量は6万トン.
 船名は「北京号」か「上海号」が候補に挙がっている.
 また,8日付の中国誌・看天下は,空母建造は09年から着手する可能性が高く,完成時期は「遠くない」と報じた.
(2009年1月9日6時19分)
――――――

 『香港商報』の記事
http://www.hkcd.com.hk/content/2009-01/08/content_2216851.htm
によると,中国空母は,通常動力型の085型,核動力型の089型の2タイプが有りますが,(船体)設計は同一であり,全長320m,幅70m,標準排水量6万トン,満載排水量8万トン.

 外見は米空母キティホークに似ているが,内部構造は旧ソ連原子力空母ウリヤノフスクに則っているとの事です.

 旧ソ連原子力空母ウリヤノフスク
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/4820597.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/26392303.html

 『日本周辺国の軍事兵器』中国航空母艦計画
http://wiki.livedoor.jp/namacha2/d/%c3%e6%b9%f1%b9%d2%b6%f5%ca%ec%b4%cf%b7%d7%b2%e8
によると,中国は,既にウリヤノフスク級の設計図を入手しているとの事です.

 ウリヤノフスクは,ウクライナの造船所で建造されており,ソ連邦解体後,独立したウクライナに接収されました.
 ですからこの造船所(チェルノモルスキー・ザヴォート)には,ウリヤノフスク級の設計図が残されている筈です.
 中国がこれを入手する事は,困難を伴わないでしょう.

 話を『香港商報』に戻すと,通常動力型の085型の1番艦は,2009年から建造を開始し,2015〜2017年に「下水(進水)」を予定しているとの事です.
 085型は2隻建造され,その後は核動力型の089型へ移行します.

 ただしこの記事によると,核動力型の089型の建造は,まだ決定されておらず,建造されるか否かは,2020年以降の中国の経済力次第になるそうです.

 一部で
「中国が空母を建造すれば,国が崩壊するだろう」
などという「(希望的)観測」(つーか,願望)が出ていますが,あくまでも,「懐具合」に左右される計画であるという点に注目する必要が有る.
(だいたい,国を潰すような「空母」って・・・純金とダイヤモンドとプラチナで造るのかよ・・・)

 『香港商報』とやらの情報の信憑性には疑問符が付くものの,どのみち,中国が建造する「航母」は,6万トンを越える事は間違いないようです.
 『香港商報』の情報通りなら,ロシアのアドミラル・クズネツォフよりも大きい艦になります.

 さてロシアも,近い将来に航空母艦の建造を計画している事は,当ブログでも度々取り上げています.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/folder/1033270.html

 『グローバルセキュリティ』より.

――――――
ロシア新原子力航空母艦
http://www.globalsecurity.org/military/world/russia/cvn-newcon.htm

"the new carrier would be on the order of 40,000 tons of full water displacement, smaller than the 50,000"
(新航空母艦は,満載排水量4万トン以上であり,5万トンよりは小さくなる)
――――――

といった具合に,長年の技術的ブランクを考慮したのか,それとも予算面やコストなどを考慮したのかは不明ですが(たぶん両方),あまり大型の艦は造らないつもりです.
 搭載機も30機程度ですが,動力は原子力になるようです.

 こちらは,ロシア海軍の唯一の現役空母アドミラル・クズネツォフよりも小さい艦になります.

 というわけで,これまでの情報を纏めると,中国の新航空母艦は,ロシアの新航空母艦よりも大きい艦になるようです.

 しかし動力に関しては,中国空母は,最初は通常動力艦(ディーゼル?)で,将来は原子力艦を造る計画であるのに対し,ロシア空母は,最初から原子力艦の建造が有力視されています.

 昨年,メドベージェフ大統領が「(新空母の)動力は原子力であるべきだ」と発言しました.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/34855900.html

 これが極一部で
「メドベージェフ大統領は,原子力空母を建造すると"宣言"した」
などど言われたが,それ以前(2007年)から,新空母は原子力艦になるという事がロシア海軍総司令官によって明言されており,メドベージェフ発言も,特に目新しいものでは無い.
 ただ,「原子力」と聞いて,ロシアがウリヤノフスク級のような大型空母を造るなどと思い込んでいる人も居ますが(^^;

 ロシア(旧ソ連)と中国の,これまでの原子力艦船の建造実績を考慮すれば,この差は当然でしょう.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2009/1/10(土) 午前 10:46


 【質問】
 中国空母は,何年後に出現すると考えられるか?

 【回答】
 宇垣説によれば,早くても2015年以降になるという.
 以下引用.

 仮にこれまで述べてきた船体と動力・推進方式,各種艦載機の導入に,ある程度までの目途を得たとして,中国海軍が今後の1〜2年後までにネフスコイエ設計局の仕様に基く船体の建造に着手したとすると,1番艦の完成までには5〜6年ほどはかかるから,船体だけは2010年代の前半期には姿を現すかもしれない.
 しかし,これまで述べたように,空母はその艦載航空戦力が実現して初めて意味を持つものなのであり,現状から推察するに,中国がこの問題を2010年代前半までに技術的・基盤的に解決できるとは考えにくい.
 AEW機をも含めて主力機種の開発が,今後の10年以内に大きく進歩したとしても,空母の航空部隊は陸上にも基地を必要とし,パイロットのみならず,整備要員も纏めて育成しなければならないので,組織的・物的インフラの全てを一から整備しなければならない中国海軍が,今直ちにこの一大事業に取り組み始めたとしても,これらの基盤がある程度まで整い,1番艦の訓練運用が,航空部隊を含めてどうにか可能になるには,短くとも今後10年はかかる事になる.

 中国海軍には実際,空母整備の計画以外にも,新世代の各種潜水艦の整備計画や,戦略核抑止力としてのSLBM開発計画があり,空母以前に護衛艦となる排水量5,000〜6,000t級の汎用駆逐艦をある程度まで,少なくとも十数隻単位で整備する必要があるなど,課題は多い.

 しかし,これらをあえて度外視して空母の整備を急いでも,これまで述べた事情からすれば,中国海軍の最初の正規空母が戦力としてカウントしうるようになるのは,早くても2015年以降のこととなりそうだ.
 また,空母を常時1隻戦力として機能させるには,常識的には最低3隻・3個航空団が必要だから,中国海軍がこうした能力を実現するのは,全てが順調に進捗した場合でも2020年代の中頃になることだろう.

宇垣大成 from 「世界の艦船」2005年4月号,p.113

 「2015年」という数字は,今年3月にアメリカ議会で開かれた軍事専門家による公聴会でも出てきているので,ある程度は軍事専門家の間で「定説」となっていると思われ.

 ちなみに,その他の部分では
・空母は排水量45,000〜60,000tクラス
・艦載機はSu-30MKK(の艦載版)など30〜40機
・随伴艦は2003年以降に建造された「広州」級などの防空能力に優れた駆逐艦
という輪郭でほぼ一致.

 巷で話題の旧ソ連空母ワリャーグの再就航については「半信半疑」.
 さすがに,第一線の空母として配備されると考える専門家は少なかったようです(笑)

シア・クァンファ in mixi

 よって,以下の話は,「船を浮かべる」というレベルの話に過ぎず,戦力として計算できるようになるのは,もっと先の話.
 直ちに「重大な軍事圧力」になるかどうかは大いに疑問.

中国,2年後に空母戦闘群を配備か

 【ワシントン=山本秀也】米国の中国語誌「多維月刊」(電子版)は1日,中国が2年後をメドに初の空母導入に踏み切ると報じた.
 大連のドックで改装作業が進む旧ソ連製の六万トン級空母ワリヤーグが1番艦として転用され,南シナ海の海南島三亜に配備されるとしている.
 中国の空母導入をめぐっては,3月に米議会で開かれた軍事専門家による公聴会でも,ワリヤーグを含めた6万トン級艦艇の配備を確実視する分析が示されていた.
 三亜を母港とする空母戦闘群の配備が事実とすれば,台湾海峡のほか,6カ国・地域が領有権を争うスプラトリー(中国名・南沙)諸島や付近を通る日本のシーレーン(海上交通路)に対する重大な軍事圧力となる.

産経新聞,2006/05/02/19:00

 ただし,ジャーナリストのアンドレイ・V・ポルトフは,「先般,大連でワリヤーグを目撃したロシア海軍の関係者」の話として,中国はワリヤーグを,実験艦を兼ねた第一線空母として再生しようとしている,との見方を伝えている.
 詳しくは,「世界の艦船」2006年3月号,p.153(A. V. Polutov著述)を参照されたし.

 【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍」:中国の航母(旧)ワリャーグ近影(2008年6月20日)


 【質問】
 中国は空母をロシアから買うんですよね?
 国防上問題じゃね?

 【回答】
 艦載機のパイロットだけではなく,空母を動かす人員の育成から始めないと駄目.
 現時点での中国海軍のその辺の人的リソースは絶望的までに足りない.特に質の面では.

 補足だが「解放軍報」のウェブ版を(翻訳ソフトを通して)読む限り,人的リソースに加えて,初歩的なノウハウもないように思える.
「駆逐艦の魚雷を撃とうと思ったらバッテリーがアガッていた」
だの,
「ミサイルの配線が焼けていて,演習でも撃てなかった」
だの,
 最後は「英雄的な解放軍兵士の活躍で解決した」などという,お決まりのオチをつけてはいるが,根本的には何とも香ばしい記事が散見される.

軍事板

http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200611210119
は,「ワリヤーグ,正規空母として復活か?」を伝える記事だが,このページの一番上のワリヤーグの写真と,下のページの停泊中の同型艦クズネツォフの写真とを比べてみよう.
http://tuku.military.china.com/military/html/2005-06-19/1199078_185989987.htm

 ワリヤーグは,喫水線下の部分(黒いところ)が随分と海面上に出ているが・・・・
 中身はスカスカじゃないのか?(笑)

 写真をもう一枚.
 以下のページにあるのは,退役後,係留保管中のロシア空母アドミラル・ゴルシコフ(1999年撮影)
http://tuku.military.china.com/military/html/2006-03-15/1020487_391946354.htm

 同艦は1995年に退役したから,当然,この時点では燃料も弾薬も積載されていないよね.
 このゴルシコフと比べても,ワリヤーグ喫水線下部分は出すぎだと思わない?

軍事板

 ただし,ジャーナリストのアンドレイ・V・ポルトフは,多大な影響を与えうる脅威となるだろうと見ている.
 曰く,将来,中国の,日本などに対する示威行動にはワリヤーグが出て来るだろうし,有事の際には,中国は日本にも攻撃を加えてくる可能性は高い.
 日本は本土および近海の防衛システムを,空母機動部隊の襲来を想定したものに大改編せねばならなくなるだろう……
 詳しくは,「世界の艦船」2006年3月号,p.153(A. V. Polutov著述)を参照されたし.

旧ワリャーグの最新写真です


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/8(金) 午後 7:41

 【関連リンク】

「ロシア・ソ連海軍」:旧ソ連海軍VSTOL空母ミンスク近影

「ロシア・ソ連海軍」:航母ミンスク・ワールド

「ロシア・ソ連海軍」:中国で修理中の旧ソ連空母キエフ(2003年)

「ロシア・ソ連海軍」:霧中の航母ワリャーグ(2008年4月4日)

「六課」:旧ソ連空母ワリャーク,機関復旧?

「六課」:旧ワリャーグ,ドック入り

「六課」:旧ソ連空母ワリャーグ近影(2009年6月1日)

「六課」:施琅(旧ワリャーグ)と他国の新空母比較


 【質問】
 中国はこれまで何隻の空母を所有したのか?

 【回答】
・メルボルン,
・キエフ,
・ミンスク,
・ワリヤーグ
の4隻.
 他に,フランスにもコンタクトを取っている.
 この4隻は今のところ,いずれも実戦力とはなっておらず,その見こみも殆どないが,空母建造技術蓄積には多いに役立ったと推測されている.

 以下引用.

 1985年にオーストラリア海軍の退役空母メルボルン Melbourne をスクラップとして購入したのが,「中国海軍航空母艦史」の始まりである.
 当時,中国海軍の多種多様な研究所や設計局が同艦の構造や設備を子細に調査し,中でも青島の海軍研究所は蒸気カタパルトを念入りに調べていた.
 9年後の1994年,同艦はスクラップとしてようやく解体されたが,カタパルトなど一部の設備はいまだに保管されている.

 1990年代中頃,中国はロシア海軍のキエフとミンスクを購入すると,メルボルン同様,両艦を徹底的に調査した.
「外国の退役艦艇や兵器をスクラップとして購入し,調査・分析して国産艦艇や兵器の開発に役立てるのは,中国の伝統的お家芸」
というのがロシア海軍関係者の間の常識だ.
 また,ロシアはスクラップの売却と並行してキエフ級の改型を提案したが,中国はその性能に満足せず,ロシア設計局も急場凌ぎのプランであることを認めている.

 同じ頃,中国はフランスともコンタクトを取り,フランスはクレマンソー Clemenceau 級空母の改造プランを提案,中国はシャルル・ドゴール Charles de Gaulle 級原子力空母の設計資料や建造支援を提案したが,互いに相容れず交渉は物別れに終わった.

 結局,中国はメルボルン,キエフ,ミンスクなどを参考として国産空母(排水量48,000t,蒸気カタパルト2基,搭載機24機)の設計に着手したが,ワリヤーグ購入というチャンスが現れたため,その作業はストップした.

「世界の艦船」2006年3月号,p.151(A. V. Polutov著述)

 ついでに,中国が購入した旧ソ連「空母」の居場所をおさらい.

・ミンスク:深セン,香港の近く
・キエフ:天津,渤海湾
・ワリャーグ:大連,旅順の近く

シア・クァンファ(夏光華) ◆BFSytpS.uc


 【質問】
 中国はワリヤーグ買収に際し,最初から軍事利用の意思はあったのか?

 【回答】
 あった,と言わざるを得ない.
 視察員は明らかに現役軍人であり,同艦を買収した観光会社は,軍のダミー企業であった可能性濃厚.

 以下引用.

 ニコライエフ造船所の関係者は,当時の様子を次のように回想する.
「中国の視察員達は軍の関与を全く隠蔽せず,設計や建造に関する資料や情報を積極的に集めると同時に,ワリヤーグの建造に関わったニコライエフ造船所の技師や労働者に,中国造船所への転職を提案していた」
 1997年6月,ウクライナ政府当局は中国側と予備商談を開いたが,背後では中国軍やその情報機関高官が暗躍し,買い手を幾度となく変更して撹乱するかと思えば,露骨な賄賂攻勢を仕掛けてきた.
 その結果,国際入札に勝利したのはマカオの観光会社で,同社はワリヤーグが大連に到着後,姿を消したのである.

 〔略〕

 ワリヤーグの購入は,中国海軍にとって画期的な転換点と言える.
 というのも,ワリヤーグの購入と並行して中国がニコライエフ造船所や設計局の技師,設計缶に中国での就職を斡旋していた事は先に記したが,それ以外にも中国の設計や建造をテーマとする講義や講演のために彼らを招聘しており,ロシア当局によると,現在,ウクライナやロシアの高級専門家の多くが中国の研究所や造船所で講師,技師,設計官などとして働いているという.
 さらに中国はロシアからワリヤーグの設計資料や技術図,設計図などを全て(!)購入したと言われ,これが事実なら,ワリヤーグの復活は容易であろう.

「世界の艦船」2006年3月号,p.150(A. V. Polutov著述)


 【質問】
 ワリヤーグ売買の際の契約では,軍事利用はしてはならないことになっていたのでは?

 【回答】
 確かにそのような契約条項はあった.
 しかし,超国家的な契約遵守強制機関の存在しない国際社会にあっては,そんなものは古紙同然の価値しかない.

1998年4月に同社〔マカオの観光会社〕がワリヤーグを2600万ドルで購入したときの契約には,軍艦として再生することを禁ずる項目があったが,これも同社の消滅と共に霧散してしまった.
 ワリヤーグの現在の所有者は,大連造船所系列の株式会社だが,大連造船所は中国海軍のための国営会社であるから,同艦は事実上,中国海軍の管理下にあると言える.

 ワリヤーグは,船内にカジノ,ディスコ,デパート,博物館,劇場などを持つ洋上5つ星ホテルになるはずだったので,ニコライエフ造船所は「ホテルに不要」な設備や機械などを解体・撤去したが,作業に携わった造船所の関係者は,
「主機とそれに関連する設備,電気系統はそっくり残っており,切断されたケーブルやパイプなども再生しやすい状態だった」
と強調する.

「世界の艦船」2006年3月号,p.150(A. V. Polutov著述)

 すなわち,どうやら,ウクライナ政府・造船所関係者も,そのことは了解済みだった模様.中国の賄賂攻勢が効いたか?


 【質問】
 旧ワリヤーグ中国回航のすったもんだを教えてください.

 【回答】
 空母ワリヤーグの復活を懸念するアメリカとNATO諸国は,トルコ政府が通航許可を出さないよう様々な圧力をかけたため,トルコと中国の交渉は長引き,中国がトルコへの観光客を倍増させることや,数千万ドルもの保険料を中国が支払うことを条件に,トルコ政府はようやく通行を許可.
(「通行料」を吊り上げるため,わざと交渉を長引かせたような印象も,なくはないが)

 しかし地中海に入って2日目の深夜,暴風のため曳航索が切断,ワリヤーグは漂流を始め,翌朝,ワリヤーグが島に衝突する寸前に再曳航に成功したという.
 ワリヤーグが島に衝突していたら,今ごろは「ムルマンスク」と同じように残骸を晒していたかもしれない.

 以下引用.

――――――
トルコはワリヤーグが海峡経由で極東に向かうとの情報を入手すると,
「55,000tもの未完成の巨艦が狭隘な海峡を通過するのは大変危険であり,かつ未完成とはいえ空母は空母,その通行を許可するわけにはいかない」
と公言した.
 これに対し中国側は,
「現在ワリヤーグに兵装はなく,軍艦としての再生計画もない」
と強調した.
 だが,空母ワリヤーグの復活を懸念するアメリカとNATO諸国は,トルコ政府が通航許可を出さないよう様々な圧力をかけたため,トルコと中国の通航許可を巡る交渉は,延延16ヵ月に及んだ.

 しかし2001年初頭,トルコを訪問した中国のタン・ジャ・シュアン副外相は,ワリヤーグの海峡通過に際してその安全を保障するとともに,通航許可の見返りとして、トルコを訪れる中国人観光客の数を大幅に増加させることを正式に約束した.
 トルコにとって観光収入は重要な財源であることから,万一の事態を想定した数千万ドルもの保険料を中国が支払うことを条件に,トルコ政府は通行を許可したのだった.

 もっとも,この状況は中国にとっては正に「前門の虎,後門の狼」で,失敗は絶対に許されなかった.というのも,すでに中国はニコライエフ造船所への多大な停泊料という出費を強いられていたからである.
 2000年6月,オランダ,ノルウェー,ロシアの曳船3隻に付き添われてニコライエフ造船所を後にしたワリヤーグは,506日間に渡るトルコと中国の交渉期間中はトルコ領海近くに漂泊し,2001年11月ようやく海峡を通過して地中海に入った.

 だが,ワリヤーグの試練はまだ終わりではなかった.
 地中海に入って2日目の深夜,暴風のため曳航索が切断,ワリヤーグのエーゲ海の島々の間を漂流しだしたのである!
 翌朝,ワリヤーグが島に衝突する寸前に,世界最大のロシア曳船ニコライ・チケル Nikoray Chiker がワリヤーグへ曳索を渡すのに成功して同艦を救ったが,ノルウェーの曳船が曳索を渡す際,乗組員1人が死亡した.

 曳航中のエピソードとして,次のような話が作業関係者から伝えられている.
「地中海を航行中,突如フランス海軍のヘリコプターがワリヤーグの飛行甲板に着艦,ヘリのクルーは飛行甲板の耐熱板数枚をあっという間に引き剥がすと飛び去っていった.
 当時,耐熱板はロシア先端技術の一つだったから,フランスは自国空母の参考にと持ち帰ったのであろう」

――――――「世界の艦船」2006年3月号,p.150-151(A. V. Polutov著述)

 最後のエピソードはヨタ臭いが.


 【質問】
 旧ソ連空母ワリャーグの機関の復旧を,中国が自力で行うことは可能だろうか?

 【回答】
 〔略〕
台湾軍事雑誌/航母ワリャーグ復活?
http://www.fyjs.cn/viewarticle.php?id=189354

 ワリャーグの機関(蒸気タービン)の復旧についても書かれていますが,この雑誌曰く,中共(中国)は,何十年にも渡って蒸気タービン機関搭載の国産艦を建造した実績が有るから,ワリャーグの蒸気タービンの修理は問題なく実行できるとの事です.

 ただ,中国がこれまでに建造した国産艦(旅大型など)に搭載していた「国産」蒸気タービン機関は,半世紀前にソ連から入手したコトリン型駆逐艦の機関であり,ワリャーグの機関とは世代が違います.
 具体的な数値で言うと,コトリン型駆逐艦の蒸気タービンは,ボイラー1缶あたり18,000馬力ぶんの蒸気を作り出せますが,ワリャーグ(アドミラル・クズネツォフ級)の蒸気タービンは,ボイラー1缶あたり25,000馬力です.

 旧ソ連は,コトリン型やスヴェルドロフ級巡洋艦などに使われた蒸気タービンの後,高圧ボイラーの新型蒸気タービンを開発し,キンダ型巡洋艦に初めて搭載.
 この時は,ボイラー1缶あたり22,500馬力でした.
 その後に建造されたソ連海軍の蒸気タービン艦も,基本的には同じ機関です.

 そしてワリャーグ(クズネツォフ級)の蒸気タービンは,キンダ型の機関の改良型(出力アップ型)です.

 中国は,1990年代末から2000年代中頃に掛けて4隻のソブレメンヌイ級駆逐艦を購入しており,同級の機関も,キンダ型の機関の改良型(出力アップ型)です.
(ただし,クズネツォフ級の蒸気タービンと同一ではありませんが)

 しかし,その中国が購入したソブレメンヌイ級駆逐艦のオーバーホールは,ロシアの艦船修理工場まで持って行って実施される
(http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/36971168.html参照)
との事ですから,今のところ中国は,「"高圧ボイラー"蒸気タービン機関」の大規模なオーバーホールを自力で行なう所までは到達していないようです.

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」,
2009/6/6(土) 午後 10:50

青文字:加筆改修部分

大連で補修艤装中のワリヤーグ


 【質問】
 質問ですが,上海にある大きい公園に数年前行ったら空母が記念艦みたく置いてありました.
 艦名など分かりますか?

 【回答】
 これのことかな? 中段辺り左側
http://www.ogb.com.cn/tsjd.asp

 これはシミュレーションの航空母艦.
 正規の攻撃型航空母艦の艦型を元にして作った,コンクリート製の原寸大模型.
 飛行甲板,艦楼,主要装備も再現されている.
 全長220メートル,幅46メートル,高さ48メートル.

軍事板


◆◆◆◆水上戦闘艦


 【質問】
 中国が神盾艦もつぜ!という煽り?インチキ記事が目に付くのですが,予測できるかぎりの性能を教えてください.(JY)

 【回答】
 神盾艦こと052C型・蘭州 Lanzhou 級は上海の江南造船所で2隻が建造され,1番艦は2004年に就役しています.
 この級は,設計にどうやら無理があるようです.
 以下引用.

 1番艦の起工は2002年7月,2003年4月29日に進水しており,2番艦,海口 Haikou も2005年中に就役する模様.
 外観から見ても分かるように,艦橋構造の四周にはフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナが装備されており,中国版イージス艦とも言われている.

 〔略〕

 空母の建造を企図する中国海軍にとって,それを直衛できるイージス級の艦隊防空システムは必須のものであり,その一つの回答が,長距離の対空ミサイルとVLS,フェーズド・アレイ・レーダーを装備した052C型ということができる.

 この052C型に装備される対空ミサイルは,中国製のHQ‐9と言われているが,システム自体はロシアから購入したSA‐N‐6ないし,一部改良型の可能性もある.
 いずれもセミアクティヴ・レーダー・ホーミングのミサイルで,射程は100km.
 発射機はVLSで,このミサイルと組み合わせての対空防御システムを構成するために,オリジナルのSA-N-6にはなかったフェーズド・アレイ・レーダーが開発されたのであろう.
 このフェーズド・アレイ・レーダーの洋上試験は,1997年8月に就役した試験艦の試験 Shiyan 型(満載排水量6,000t,艦番号891)で実施されたと言われる.
 ミサイルとVLSのテストも本艦で実施されたと見られ,052C型のために建造された試験艦と考えてよい.

 〔略〕

052C型は長距離ミサイル,052B型とソブレメンヌイ級は中距離ミサイル搭載で,これらを組み合わせて縦深性の高い艦隊防空システムを構成するものとも考えられる.
〔略〕
 現在のところ,主要目は次の通り.
満載排水量  6,500t
全長 154m
17m
吃水 6m
主機 CODOG
(ガスタービン:DA80 2基,48,600馬力,
 ディーゼル2基,8,840馬力),
2軸
速力 29ノット
航続距離 4,500浬/15ノット
乗員 280
兵装 HQ-9 SAM用VLS 8基(48セル)
YJ-83 SSM 4連装発射筒8基
100mm単装砲1基
30mm CIWS 2基
324mm 3連装短魚雷発射管2基
搭載機 Zhi-9A ヘリコプター2機

 船体の主寸法,主機は,052B型と全く同一で,可変ピッチ・プロペラ装備の2軸推進であることも共通している.
 052B型に装備されている対潜ロケット発射機は見当たらず,装備されていないのであろう.
 052B型は前部マストにトップ・プレート3次元レーダー,後部マストに362型対空/対水上レーダー(いずれもロシア製)を搭載したが,フェーズド・アレイ・レーダーを装備した052C型では,トップ・プレートは姿を消し,前部マスト・トップに362型のみを装備している.
 また,052B型は対空ミサイル(SA-N-12)管制用としてフロント・ドームFCSを4基装備するが,052C型にはこれに相当するFCSがない.
 おそらくフェーズド・アレイ・レーダーが管制機能を有するのであろう.
 両型とも艦橋トップにはSSM管制用のバンド・スタンドFCSを装備している.
 100mm単装砲管制用は両型とも344型FCSである.
 30mmCIWSは,052B型が艦橋構造両サイドに装備したが,052C型は艦橋前および格納庫トップの前後配置としている.
 バウ・ソナーの装備は同じと思われるが,ロケット発射機がない分だけ,052C型の対潜兵器はやや控え目で,対空重視と艦型の制約から装備を諦めたのではないだろうか.

 主寸法と写真から判断すれば,どう見ても主船体と機関部は052B型と同一,つまり旅海 Luhai 型の船体に旅滬 Luhu 型の機関部を組み合わせた設計である.
 ステルス設計の考え方も052B型と同じで,中央船楼の長さは両型とも同一と見られる.
 100mm砲から前方の甲板,ヘリコプター甲板,中央部煙突と吸気室周りの構造と配置は,まったくと言ってよいほど相似している.
 前甲板のブルワークは,VLS保護のためか,かなり延長されているが,ナックル・ラインは052B型と変わらない.
 052C型はフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナを装備するため,艦橋構造が一層多く,同時に艦橋前にも甲板室を設け,スペースを稼いでいる.
 その直前の前甲板には,VLSが6基並んでいる.

 煙突後部から格納庫にかけては,装備する兵装の違いにより,大きく異なる.
 格納庫中央にはVLS2基を配置,煙突後方には独立した甲板室とアンテナ支筒が設けられている.
 対空ミサイル関連の装備品が増えてスペースが不足したため,SSM発射筒は052B型の半数である.

 このSSM発射筒以外にも,同一船体にフェーズド・アレイ・レーダーを中心としたシステムを搭載するため,052B型に比較して,設計上はかなり無理をした部分が見受けられる.
 まず,艦橋構造に装備したフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナ装備位置が低く,特に後部のそれは,構造・艤装を見れば,レーダー射界に問題があるのではないか.
 日米のイージス艦のアンテナ位置と,関連する構造物の処理と比較すれば,何とも設計検討が甘いと言わざるをえない.
 おそらく先に艦型を決定して,これに合わせてアンテナなどの配置を行ったのではないか.

 これは両型に共通することだが,スペース不足を窺わせる物の一つが艦橋窓の形状で,本来は横長の窓を,スペースの関係から縦長にして押し込んだように見える.
 また,052C型は正横方向と後方に向かった窓がなく,艦橋からの視界が取れない.
 このためか,艦橋上にペリスコープらしき物が見うけられる.
 前甲板100mm砲付近の甲板上に,多数の通風筒が配されている.
 艦橋前のVLSの配置を見れば,船体幅に対しての余裕が感じられない.
 船体との構造上の関連から,VLS周りの艦内の構造・艤装はかなり難があり,通風筒の林立はこれとも関連しているのではないか.
 さらに,100mm砲を後方に旋回すれば,砲身はVLS上となり,当然射界制限はかけているものの,安全上好ましいものではない.
 前甲板にはブルワークがあるが,甲板上に打ち込む海水の量を考えれば,排水処理の面で疑問が残る.
 また,波浪が正面から来るフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナ前に救命筏を装備しているが,これなどは航洋海軍の艦艇の艤装ではない.

 その他数多くの疑問もあるが,最も大きな問題点は,先ず船体と機関を決め,これに合わせて装備と艤装を行う設計手法である.
 武器システムを始めとして,船体,機関,さらに艦内電力など,艦艇設計では様々な要素が検討されねばならない.特に抗堪性は重要事項で,そのための区画配備が重視される.
 しかし中国艦艇は,全般に機能面はともかく,設計に関する数多くの検討が不充分ではないかと想像される.
 経験不足から来るものだろうか.

(from 「世界の艦船」,2005年9月号,p.82-83)

 052C型は,艦橋の4周に装着されたフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナと思われる「物体」からの類推で,「中国版イージス艦だ」と喧伝されている.
 中国式SPY-1はウクライナとの共同開発だとか言われており,実験艦の試験 Shiyan 型(6,000t,1997年完成)で試験されていた由だ.

 それにしても,「円筒を四半分にしたかのような外形は何故だろう?
 フェーズド・アレイならば平板がよいはずだが」
と,外野席のおっさん達が酒の肴にしたが,結局のところ「分からん」であった.

(同,p.74)

蘭州↓


神盾システムの中身と思われるもの↓


 【質問】
 神盾艦の名前の由来である都市,蘭州はどんな場所なのか?

 【回答】
 以下の引用に見られるように,古来より東トルキスタンやチベットなどに通じる交通の要衝.
 東トルキスタン独立組織が活動を活発化させている今日に,このような名前を最新鋭艦に命名したのは,決して偶然ではないだろう.

 蘭州(甘粛省の省都)は古来,東は西涼に出て陜西に入り,西は嘉峪関に出て東トルキスタンに通じ,またチベットにも連絡する西域との交通の要地で,商業,軍事の拠点ともなっていた.
 そのために,トゥルファンや西夏などの異民族王朝の手に落ちたこともあった.
 一方,黄河の重要な渡河点でもあり,舟筏(しゅうばつ)の浮き橋がかかっていた.
 今は鉄橋が架かり,黄河南岸に発達していた市街が北岸にも伸びている.
 〔1975年〕現在,蘭州は,蘭新,包蘭の諸鉄道・自動車道路・航空路が集中する,以前と同じ交通の一大中心地で,この交通と西北地方の豊かな資源を基盤に,石油化学を中心とする重要な工業基地となっている.

山と渓谷社編「シルクロード1 中国・ソ連・アフガニスタン」(山と渓谷社,1975/6/1,p.10


 【質問】
 中国海軍のソブレメンヌイ級は,海上自衛隊にとって大きな脅威ですか?

 【回答】
 もともと,単体で運用するコトを前提にしたフネじゃないんで,ソブレメンヌイ級単体の能力を云々するのはナンセンス.
 海上戦は,対戦型格闘ゲームとは違うんで.
 こんなコト言うヤツは,海自のイージス艦と中国海軍のソブレメンヌイ級が「一騎打ち」するとでも思っているのか?(笑)

夏光華(シア・クァンファ) in FAQ BBS

 ……ということで話はだいたい終わってしまうのですが,せっかく資料もゲットしてきたことですので,脅威かどうかはいったん脇へ置いて,この艦を観てみることにしましょう.

 中国海軍は2005年7月現在,ソブレメンヌイ級を2隻就役させ,さらに2隻を発注中です.

 就役中の2隻は,建造が休止していたロシア海軍向けのものを1996年9月に購入.
 そのままサンクト・ペテルブルグで建造を進めて,1999年12月25日に同地で中国へ引き渡され,スエズ運河経由で回航されました.

 追加2隻は2002年に発注され,2005年就役予定とか.
 こちらは,改良型のII型です.
 I型との違いは,
・ヘリコプター格納庫が入れ子式ではなくなった
・その長さ増を,後部の130mm連装砲撤去によって埋め合わせした
・30mm CIWS×4を,CADS-N-1 複合CIWS×2に
という点.


 纏めると,以下のようになります.

艦名 艦番号  起工 進水 就役  所属 備考
杭州 Hangzhou  136 1988.11.4 1993  1999年12月  東海艦隊  旧名 698 Vazhny
(後Yekaterinburg に改名,
という説あり)
福州 Fuzhou 137 1989.4.22 1995 2001年1月 旧名 Alexandr Nevsky
泰州 Taizhou 2003.11.15  2004.7.23  2006年予定 旧名 693 Vnustitelny
(建造中)

参考文献:
(Chinese Defence Today)
対外情報調査部
「世界の艦船」2006年3月号,p.60

 さて,その性能ですが,「世界の艦船」誌(2005年9月号)によれば,要目は以下の通り.

満載排水量  7940t
全長 156m
17.3m
吃水 6.5m
主機 蒸気タービン,2軸
出力 99500馬力
速力 32ノット
兵装 SS-N-22 SSM 4連装発射筒2基,SA-N-7 SAM単装発射機2基,130mm連装砲2基,
30mm CIWS 4基,RBU-1000 6連装対潜ロケット発射機2基,533mm連装魚雷発射管2基
搭載機 Ka-28ヘリックス・ヘリコプター2機
乗員 296名

 ちなみに,本家ソブレメンヌイ級のデータはこちらを参照してください.

 このうち,
「SA-N-7 SAMによる艦隊防空能力と超音速のSS-N-22 SSMは,中国にとっては魅力であろうが,なにぶん1970年代の設計なので,戦闘情報処理システムや電子戦能力は,西側最新のものと比較して,かなり劣っている」
とは,「世界の艦船」誌(2005年9月号)の評.

 なお,中国が2002年に発注した追加分2隻は,「956EM」と呼ばれるタイプで,以下の点が原型から変更されている.
・艦対空ミサイル「シュチーリ」を改良型(射程を25kmから42kmに延長)に換装.
・対艦ミサイル「モスキート」も改良型(射程200km?)に換装.
・後部130mm連装砲塔を廃止.代わりに「カシュターン」近接防空システム(CADS-N-1)2基を搭載.
・これに伴い,中央部のヘリコプター発着スペースも拡張.

 「956EM」の1隻目は2003年11月15日起工, 2004年7月23日進水, 2006年3月引渡し予定だったけど,今年(2005年)4月27日に火災発生,第二甲板が600平米に渡って焼失したので,この予定の通りに行くかどうかは微妙・・・
 つーか,無理っしょ(夏光華(シア・クァンファ) 談 in FAQ BBS

 中国は,他にも052C型(蘭州 Lanzhou 級,いわゆる『神盾艦』),052B型(広州 Guangzhou 級)を,ほぼ同時期に整備している.
 これについて「世界の艦船」(同)曰く

 西側の常識では理解しにくいことだが,052C型は長距離ミサイル,052B型とソブレメンヌイ級は中距離ミサイル搭載で,これらを組み合わせて縦深性の高い艦隊防空システムを構成するものとも考えられる.
 あるいは技術的リスクの高い052C型が失敗した場合の保険が,052B型とソブレメンヌイ級なのだろうか?
 しばらくはその動向に注意を払う必要がある.

 というわけで,冒頭に戻りますが,「もともと単体で運用するコトを前提にしたフネじゃないんで」,どういう艦隊システムにソブレメンヌイ級が組み込まれるかに注目すべきでしょう.

Sovremenny Class 「杭州 Hangzhou」
(画像出典はChinese Defence Today)

 ※
「ロシア海軍におけるソブレメンヌイ級に関して言えば,より長射程で多目標同時迎撃能力を有する「フォールト(SA-N-6)」広域防空ミサイルシステム搭載の大型巡洋艦(キーロフ級,スラヴァ級)を補完するのが目的.
 中国海軍も,だから「フォールト」の中国版・HQ-9艦対空ミサイルを搭載した052C型防空駆逐艦を就役させているでしょ」(by 夏光華(シア・クァンファ) in FAQ BBS)
とのことなので,こちらの見方が正解に近いでしょう.

 【関連リンク】

「ロシア・ソ連海軍〜」:中国海軍ソブレメンヌイ級近影

「ロシア・ソ連海軍」:中国海軍のソブレメンヌイ級駆逐艦,ウラジオストク訪問(2008年10月14日)


◆◆◆◆潜水艦


 【質問】
 中国の潜水艦の種類は?

 【回答】
 まず,ロメオ級改こと明級

 新型通常潜水艦としては宋級と元級がある.
 宋級は明級の後継として建造されている.
 これは当初,タイプ039A型という名で呼ばれていた.
 95年に完成したがその後,問題は噴出し失敗作と呼ばれてしまった.
 しかし99年までに改良されどうにか部隊配備された,この改良型はタイプ039G型と呼ばれている.
 その後,宋級はG型が生産され配備されている.
 このG型はキロ型を手本に改良されたと言われている.
 現在,部隊配備されってるのは5隻,今年に入って3隻が完成,建造中が2隻ある.
 そう遠くない将来に10隻となる見通し.

上がG型で下がA型.
http://hk.geocities.com/ch_navy/song2.html

 元級は最近,存在が確認された潜水艦.
 船体はキロ型に酷似し,セイルは宋級(039G型)に近いらしい.
 報道によれば,

通常動力を推進力とする攻撃型潜水艦です.
 軍事専門雑誌やインターネットなどの情報を総合しますと,この新型潜水艦は,中国内陸部の湖北省武漢にある軍事施設で開発され,これまでに18回の試験運航を行い,水面下100メートルの深さまで潜水することが立証されたということです.
.元級潜水艦は,中国がすでにロシアから導入しているキロ型潜水艦の設計をベースに,潜航時の安定を保つため,水平舵(だ)を取り付けるなど中国既存の国産潜水艦の長所も生かす形になっています.
 軍事関係筋よりますと,注目すべき点は,ロシアのキロ型やラダ級の最新技術を参考に,スクリューの羽の数を7枚まで増やすことで,回転数を落としても十分な推進力を出せるようにしたほか,潜水艦を察知する音波探知機,ソナーの音波を吸収する塗料を塗るなど騒音を抑え,敵に察知されないようさまざまな最新技術を導入しているということです.

(NHK, 2005/8/23)

 中国のニュースサイト・金羊網などが22日までに報じたところによると,中国が独自に設計・製造した新型潜水艦が試験運航に成功し,配備に就いた.
 形式は明らかにされていないが,最新鋭の「元」級潜水艦とみられる.

(時事通信,2005/8/22)

 本型は1番艦が2004年5月31日,2番艦も2004年12月に進水したと伝えられているが,2005年1月,上海で就役状態(公試中の可能性も否定できないが)にあることが確認されており,実際の建造工程はもう少し早かったのかもしれない.

 当初,元型はキロ型(ないし改キロ型)の改良型とも言われていたが,写真で見る限りは,宋型をベースとした性能向上型ではないかと思われる.
 キロ型の導入もあり,かなりロシアからの技術が入っている事は予想され,確かに上構の形状はキロ型とよく似ている.
 艦首の形状は宋型に比べれば球状に近くなっており,遥かに洗練されている.
 上構に設けられているスリットは,船体のほぼ全長に渡って設けられている.
 これは中国製潜水艦の特徴で,現在では他国の潜水艦では,部分的なもの以外はあまり見ることはできない.
 艦首の魚雷発射管の門扉の形状と装備位置は,ロシアの方式に近いものの,左右の門扉の間隔は近い.
 間の幅はキロ型(10m弱)よりは狭いようで,むしろ宋型に近いと思われる.
 セイルの潜舵は,装備位置が宋型と極めて似通っている.

 元型出現当時,ロシアのアムールAmur型を導入したとの説もあったが,以上のように船体とセイルの位置関係が全く異なっており,可能性は少ない.

 元型が宋型の発展型であるという前提でさらに推測をしてみよう.
 セイル位置を基準にして比較すれば,その長さは殆ど変わらない.
 セイルに設けられた視認窓と,セイル高さ,さらに推定した内殻上端からの高さ関係もほぼ同一である.
 セイル後方から縦舵位置への距離についても差はない.
 縦舵の形状はやや異なるものの,面積はほぼ同じである.
 セイルから前方を見ると,元型のほうがやや長い(2m強か).艦首形状が異なるからこれは当然で,元型に装備されたソナー・ドームとの関連であろう.
 セイルを基準にした前後のハッチ位置も,ほぼ同一と見られる.
 艦首に描かれた吃水標も,両型の吃水がほぼ変わらないことを示している.
 セイルの長さは変わらないものの,高さは宋型1番艦の当初の高さと同じであろう.
 セイル下部の整流覆いは取り止めている.
 上構形状がキロ型のそれに近いのは,艦首形状を改めた影響か,あるいは宋型の運用実績に基く改正と考えられる.
 排水量は宋型に比較してそれほど増加していないようだ.

 〔略〕

 とまれ,元型は宋型の基本的な設計(耐圧構造,配置など)をベースとし,海外からの技術を加えて性能向上を目指したものと考えるのが妥当であろう.

元型主要目(推定値)
水上排水量  1,900〜2,000t
水中排水量 2,500〜2,600t
長さ 77.6m
8.4m
吃水 4.4m

(from「世界の艦船」2005年9月号,p.79)

 これが宋級にどのような影響を与えるかなど注目されている.

 最後にキロ型だが,現存保有数は4隻で1番艦・2番艦は877EKM型で3番艦・4番艦は636型もしくは636M型と言われている.
 中国はキロ型の8隻を追加注文をしており,8隻は636型・636M型になると思われる.
 2007年までに全艦が引き渡される予定であるという.

 漢級(HAN class)攻撃型原子力潜水艦 Type091 は中国初の原子力潜水艦として1958年から原子力推進機関の研究開発が始まり,1960年から建艦研究が開始された.
 途中,中ソ関係悪化や経済状態の悪化に伴い,62年から一旦研究が中止されるものの,65年には周恩来の命令で研究が再開された.
 紆余曲折あったものの,1965年8月には中央専門委員会第13次会議にて漢級攻撃型原潜の建造が承認され,その経験を元に戦略弾道弾原潜(後の夏級)の建造を計画した.
 同時に1972年進水試験と要求された.
 2004年11月,日本の領海で発見されて追い回されているのは,おそらくこれ.

 国際評価戦略センター,リチャード・フィッシャー氏によれば,
「確かに1970年代に漢級が最初に建造されたときは,艦内の原子炉の開発がうまく進まないなどの支障もあったが,90年代には旧ソ連の技術で原子炉や兵装システムが大幅に改良され,別の潜水艦の様に生まれ変わった.
 それでも米海軍には探知されやすいが,台湾周辺の海上封鎖では極めて有用な潜水艦だ」(04/11/20・産経6面記事中より)

[要目]
水中排水量
(水中)
4.500t(401〜402)
5.500t(403〜405)
全長 90.0m(401〜402)
98.0m(403〜405)
全幅 9.0m
吃水 7.4m
主機関 加圧水炉型原子炉1基/蒸気タービン2基
総出力 12000hp
主軸数 1軸
速力 25kt(公称)
潜行深度 300m前後(最大)
乗員 75名
同型艦 5隻(401,402,403,404,405)
[兵装]
533mm魚雷発射管6門
Yu−3/Yu−4(対潜/対艦魚雷)
Ying Ji−8 Mod3 対艦ミサイル(403〜405のみ)

 艦番403〜405は建造時に船体が8m延長され対艦ミサイル発射筒が追加装備−その為排水量も1000t増加−している.
 ただし,この対艦ミサイルは浮上時にのみ発射可能.潜水艦にとって極めて危険な浮上時の発射には実用性に疑問符が付く.
 船体は典型的な涙滴型で,艦尾の縦舵と横舵が十字型のオーソドックスな設計.

一番艦 1968年に(401)の建造が開始され70年に進水,74年に中国海軍に編入され今でも現役だとか.
二番艦 同年開始建造,3年後完成,1970年就役.
三番艦 1983年完成
四番艦 1987年進水
五番艦 1990年4月8日進水

漢級攻撃型原潜(401)


漢級攻撃型原潜(402)

(軍事板他)

093型

 中国海軍が現在建造中の第二世代攻撃型原潜で漢(ハン)級の後継.
 ヴィクターIII型を参考に設計されており,完成は2000〜2003年頃の予定.
 詳細は不明.

 要目など詳しくは
http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/hypams05/s_93.html
を参照のこと.

094型

 ワシントンタイムズが2004/12/4,米国防総省関係者の話として,最近進水したと報じた新型原子力潜水艦.
 ICBM(大陸間弾道ミサイル)DF-31(東風)の海上配備型が搭載される見込み.同ミサイルは射程4,600 miles.
 この型の導入によって,中国は初めて「真の大陸間戦略核運搬システム」(国防当局者)を所有することになるという.

China Launches New Class of Nuclear Sub

By JOHN J. LUMPKIN
Associated Press Writer

WASHINGTON (AP) -- China has launched the first submarine in a new class of nuclear subs designed to fire intercontinental ballistic missiles, U.S. defense officials said Friday.

The submarine is, at a minimum, months away from having missiles installed and going on a cruise, one official said, discussing foreign weapons developments only on the condition of anonymity. Still, it is further evidence of China's intentions to expand both its nuclear weapons and submarine forces, officials say.

It was widely known that China was building the new class of nuclear-missile submarine, called the "Type 094," but the launch is far ahead of what U.S. intelligence expected, one official said.

The launch was first reported in The Washington Times. The newspaper reported that U.S. intelligence spotted the sub at a shipyard 250 miles from Beijing.

It would be China's first submarine capable of launching nuclear weapons that could reach the United States from the country's home waters, officials said.

The Chinese military has also been developing a new class of submarine-launched ballistic missile, called the JL-2, that is expected to have a range in excess of 4,600 miles. The Type 094 submarine would carry these missiles, but it is not clear whether the missiles are ready for deployment.

Previously, China has had only one submarine capable of launching nuclear missiles, called the Type 092, or Xia, class. In 2001, a Pentagon report said the Xia was not operational. Its missiles were of an older class that could fly only 600 miles.

Successful cruises by the Type 094 would give China a new strategic deterrent against the United States, no longer limited to land-based ICBMs and weapons carried on aircraft. But U.S. defense officials say China lags behind the United States in its ability to hide submarines from sophisticated sonars and other sensors.

China is also modernizing its land-based nuclear missile force, replacing its estimated 20 ICBMs with more modern versions. In a report on China's military issued last May, the Pentagon said China's cache of ICBMs could increase to 30 by next year and 60 by 2010.

Although considered unlikely in the near term, the most likely avenue for conflict between the United States and China is over Taiwan, which China regards as a rogue province. Taiwan is seeking high-tech weaponry from the United States, including diesel submarines and anti-submarine aircraft.

The United States, France, Russia and the United Kingdom all have submarines capable of launching ballistic missiles with nuclear warheads.

(the Washington Times, 2004/12/4)


 【質問】
 最近,中国が潜水艦部隊を強化して,日本近海をチョロチョロしているようです.
 対馬海峡,津軽海峡などはきっちり,ソナー網を完備していて,ソ連の潜水艦を捕捉していると聞いた事がありますが,沖縄周辺など東シナ海はどうなのでしょうか?
 中国の潜水艦にチョロチョロされるのは,どうも気持ち悪い.

 【回答】
 米軍のSOSUSが,南西諸島を結ぶように設置済みです.たしか石垣島まで.
 相手がチョロチョロ動いてくれるなら,音響データを集めるのにちょうどいいですな.


 【質問】
 中国の潜水艦では,艦内の気温が高すぎて食糧が1週間しか持たないって本当?

――――――
中国の潜水艦,艦内の気温が高すぎて食糧が1週間しか持たず―米メディア
レコードチャイナ 2010/07/16

 2010年7月13日,米国の軍事専門報道サイトによると,中国はここ数年,潜水艦の長距離航行を行っているが, 航行距離が伸びる一方で,艦内の食糧が1週間も持たないことが分かった.
 捜狐軍事が伝えた.

 報道によると,中国の潜水艦の艦内は多くが高温多湿状態となっており,缶詰の肉や米飯,野菜など食糧の 大半が,1週間以内に腐ってしまい,時には口に入れて初めて傷んでいることに気づくこともあるという.
 こうした事態を受け,中国海軍は乗組員の健康を維持するため,食糧の保存や配給方法を変更することを決定した.

 こうした問題が出てきたのは2008年ごろのことで,動力型の潜水艦では短期間・短距離の航行に限られてきた が,長期間・長距離の連続航行が可能な原子力潜水艦が配備され,装備の近代化が進むにつれて,このような 食糧の問題が浮上してきたという.(翻訳・編集/岡田)
――――――

 【回答】
 この記事について調べて見たが,これはもともとの中国語の報道を,ストラテジーページが下手な要約をしてしまい,それをさらに中文サイト→サーチナへと 転載される過程で,意味が混濁する伝言ゲームが成されてしまったというものだった.

ストラテジーページの記事
http://www.strategypage.com/htmw/htmurph/articles/20100711.aspx

最初の中国語の記事は6月の報道
http://mil.eastday.com/m/20100617/u1a5268797.html

 潜水艦の長期訓練では,高温多湿の艦内状態で野菜類は長持ちせず,どうしても長期保存が利く冷凍肉や缶詰食品に頼ってしまい,栄養バランスが崩れてしまうことが生じていた.
 それに対処するために海軍では,新型の80種類におよぶレーションを開発して,栄養バランスを改善,調理の手間も省けるようになり,1年間の長期保存が可能となった
――――というような内容.

 野菜が持たないというのは書いてあるが,缶詰が腐るという記述は無い.

軍事板,2010/07/16(金)
レス回収:CRS@空挺軍 in mixi,2010年07月16日13:48


 【質問】
 中国の原潜が米空母を挑発しても,なぜ米軍はなんもできないのですか?
 どうせ海の中なんだから黙っていればわからん.
 撃沈してしまえばいいのに.

 【回答】
 わざわざ紛争を起こす意味は?
 イラクは終わりそうだけど,アフガニスタンの明日はどっちだ,北朝鮮は跡継ぎがはっきりしない.
 それなのにわざわざ自分で火をつけるの?

予備海士長 ◆0J1td6g0Ec in 自衛隊板
青文字:加筆改修部分


 【珍説】

【日本よ】沖ノ鳥島の戦略的意味      

 文明と技術の進展によって我々はようやく,この地球の構造や未知の経済的可能性について知れるようになってきた.海洋も含めて,その地下資源の開発もその所産の一つだ.
 そして領土は,その可能性の開発推進のための有力な起点となる.

 国連の海洋法条約はそれを踏まえて作成された.
 しかしそのはるか以前から,あちこちの局所でさまざまな国家の営みは行われてきている.沖ノ鳥島が,後発した国連の決めた条約の領土として該当しようがしまいが,我々の先祖はすでに昭和十四年からあの絶海の環礁に資金を投じ手を加え,将来の可能性のための措置を講じてきた.

 戦争中は発進基地としての水路を開き,戦後もまたそれを踏まえ,将来の可能性の確保のために,昭和六十二年から三百億円もの国費を投じて岩礁の補強に努め,浅い礁湖を利用し打ち込む波を凌ぐために高い足に支えられた三階建ての住居も構築してきた.
 さらにその保全のための工事総額は五百五十億円に及び,そのうち百十億円を東京都が負担してもきた.

 その歴史的事実は後から出来た,大ざっぱな国連条約でどう否定され得るものではない.
 国には国の歴史があり,それを後発の国連がどう否定出来るものでもありはしまい.
 問題は,折角あれだけの施設を作りながら,その維持と活用を怠ってきた政治の継続性の欠如と鈍感さにある.

 私の東京知事としての今回の沖ノ鳥島行きを,ニューズウィークのある記者は中国への挑発を意図した政治的パフォーマンスだなどと書き立てているが,日本をさまざまな不法の言動で挑発し続けているのは中国の方ではないか.
 こうした手合いには,今日の政治情勢におけるこの島の戦略的意味合いが分かっていないようだ.

 先般アメリカ政府内の知己の一人であるボルトン国務次官が,その席を退く直前に来日した際,私は彼に西北太平洋の地図を示して,この島がいかなる位置に在り,いかなる地政学的意味を持つかを説明し,彼は初めての認識を持った.

 この島と環礁はアメリカの戦略基地であるグアムと,グアムを凌ぐ重要な基地沖縄を直線で結ぶ中間点に在る.
 原子力空母を含めてアメリカの艦船が,何らかの目的で日本周辺に向かって西進する,最短の航路の上に在る沖ノ鳥島周辺の海域は,アメリカに対抗し西太平洋の覇権を狙う中国にとっても,戦略的に重要なものだ.
 中国の調査船がこの水域を日本に無断で調査しまくっていた所以は,深い海溝の在る海域の海底資源の調査などではなしに,いつかの将来,西太平洋の覇権を巡ってアメリカとの衝突も辞さない中国の,潜水艦を中心にした戦略展開のためのものに他ならない.

 中国はロシアからの購入も含めて年ごとに潜水艦の保有量を増やしつづけている.
 アメリカ当局の推定では十年後その数は百三十隻となり,数の上ではアメリカの二十五隻をはるかに凌駕する.
 その時点でのミサイルを搭載したアメリカの潜水艦はわずかに七隻でしかない.
 これは日本にとっても看過出来ぬ事態で,冷戦時代アメリカの太平洋艦隊と協力し,ソヴィエト原潜の追跡監視に効果を上げた日本側にとって,さらに厄介な新しい事態に他ならない.

 私のやったことがあたかも中国を刺激,挑発することでのナショナリズムの高揚のようにいう筋もあるが,それは現今の中国の西太平洋における軍事的野心の実態を知らぬ者の能天気な言い分でしかない.
 あの浅い礁湖は開発すれば簡単に,US1のような無類の国産飛行艇の離着陸の水路たり得るし係留基地ともなる.
 あの島の領土としての確保,そのための島周辺における漁業を中心にした経済活動による水域の実効支配は,日米安保を踏まえた自衛のための我々の責任に繋がるものだ.

 仮に,数で勝る中国の潜水艦隊が,ピラニアのようにアメリカの空母を取り囲み撃沈したとすれば,一挙に五千四,五百という乗務員の生命が失われ,アメリカの世論は大きく規制され,政府の姿勢もぐらつくだろう.

 そしてあの島周辺の海は,調査による推定では豊穣な漁場たり得る.沖縄や八丈島で行っている種の漁礁は極めて有効だし,すでに国交省が予算づけした,日本人学者による,世界のパテントも獲得した,南の深海の海水と表面の海水との温度差を利用し,アンモニアを混合した溶液の短時間での気化熱による発電装置を島に設ければ,二千メートルの深海の底から汲み上げられた海水に含まれる豊かなプランクトンとミネラルは,魚を呼び寄せる巨きな吸引力となり得る.
 これはおそらく世界で初めての,漁業のための深海開発となるに違いない.

 小笠原に属する最先端の日本領土について,東京都に出来るのは漁礁の造成と漁業活動限りのことで,発電を含めた開発と維持はあくまで国家の責任である.
 先般の会談で,日本の先端技術を駆使しての開発の可能性について報告した際,総理も強い関心を示してくれた.
 国民の支持と期待があれば,いやその前に,中国への経済進出にうつつをぬかしながらも,彼等の軍事的野心について,他ならぬこの我が身のために懸念する冷静な認識があれば,この試みは容易に遂行されるに違いない.
 そしてそれは,夜間には獣しか通らないような田舎の高速道路を作って増やすよりも遥かに有効な,国家民族の安全のための投資となるはずである.
 これほど将来を見越しての,有効で穏やかな自己主張はあるまいに.ことあるごとにいってきたが,まさに「天は自ら助くる者をのみ助く」である.

(石原慎太郎 from 産経新聞,2005/6/6)

 【事実】
 軍事面での指摘に限らせてもらいますが,とりあえず都知事は海上自衛隊の中の人と勉強会をすべきだと思いました.

――――――
中国はロシアからの購入も含めて年ごとに潜水艦の保有量を増やしつづけている.アメリカ当局の推定では十年後その数は百三十隻となり,数の上ではアメリカの二十五隻をはるかに凌駕する.その時点でのミサイルを搭載したアメリカの潜水艦はわずかに七隻でしかない.
――――――

 一体誰にこんな事を吹き込まれたのだろう? ・・・数値,全部間違っているんですけど.
 FASの推計では2000年の潜水艦は総数66隻.
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/ship/row/plan/index.html
 2010年に85隻まで増強する計画があるそうです.
http://www.military.com/NewsContent/0,13319,FL_china_123104,00.html

――――――
 中国はロシアからの購入も含めて年ごとに潜水艦の保有量を増やしつづけている.
――――――

 新造艦や輸入した艦で増えた数よりも,廃棄する旧式艦の数の方が多いので全体の数は減る傾向にある筈では・・・(質は良くなる)

――――――
 その時点でのミサイルを搭載したアメリカの潜水艦はわずかに七隻でしかない.
――――――

 弾道ミサイルを搭載した潜水艦の事を言っているのかな・・・?
 STRATU条約で減らす分を踏まえても,10年後にも14隻は稼動状態にあるのだが・・・

――――――
 仮に,数で勝る中国の潜水艦隊がピラニアのようにアメリカの空母を取り囲み,撃沈したとすれば,一挙に五千四〜五百という乗務員の生命が失われ,アメリカの世論は大きく規制され,政府の姿勢もぐらつくだろう.
――――――

 潜水艦による新しい狼群戦術が編み出されたのかとビックリしました(嘘).
 中国の潜水艦は米空母より鈍足なのに,どうやって取り囲むのだろう・・・

 中国の潜水艦は大半が旧式艦です.基本設計が第二次世界大戦時のドイツ潜水艦と同じという骨董品で,現状で脅威となるのはロシアから購入したディーゼル潜水艦のキロ型くらいです.(約10隻)

 ただし最近一年の間に自力建造した新型潜水艦が就役しており(通常動力型の元級,原子力潜水艦の093型),これらが戦力としてモノになるようだと将来的には厄介な事になるでしょう.
 しかし,以前に中国が自力建造した漢級原潜や宋級ディーゼル潜水艦での失敗を見る限り,早急に戦力化できるとは思えません.

 某自衛官曰く,「あれ(漢級)すら見つけられなかったら水測員失格!」だとか.

        ∧∧
       /漢 \ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 試験問題扱いかよ・・・
      / :::/ハヽ,ヽ, ::i . .:::::::::::::::: :::::::::::::::: ::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ

 都知事が沖ノ鳥島の戦略的意味を訴えるのは結構な事なんですが,どうにも石原さんは軍事面に全然詳しく無い御様子.
 FSXの時も頓珍漢なことを言っていたし.

 もしかして,シンちゃんは,漫画「日本国大統領桜坂満太郎」の愛読者でやんすかい?
 このネタ漫画,第七艦隊が2回ほど殲滅させられているんですが,一回目が潜水艦の群狼作戦によるものだったりします(笑).

 まあ,ぶっちゃけ「空母」はディティールのレベルに過ぎない気はしないでもなく.あるいは元文筆業であるが故の誇大広告か.
 空母云々と,あとは飛行艇の記述や発電といったディティール部分に目をつぶると,それなりにまっとうな海洋戦略に読めないこともありません.
 「森全体」=「中国の太平洋戦略」をだいたい認識しているのは良しとしましょう.

 結局,それを正すブレーンというか編集のヒトがいないのが問題ですね.
 案外,ウケ狙いで編集サイドが背中を押してる可能性も否定できませんが.

(週刊オブイェクト,2005/6/6)

 なお実際に米軍が懸念しているのは,以下のようなシチュエーションだという.
 以下引用.

――――――
騒音が大きく発見されやすい中国潜水艦に,爆薬が〔原文ママ〕搭載して潜行して停止し,頭上を通過する米軍の最新空母へ,自爆テロのように体当たり攻撃してくることを,アメリカは恐れているのである.
――――――宇垣大成 in 「日米同盟と米軍再編に見る極東情勢の戦略的構図」(司書房,2006/7/27),p.17

 推測ですが,石原が書いている米潜水艦25隻とかミサイル艦7隻って,太平洋方面に配備される隻数ではないかと.

ゆうか in FAQ BBS

 ただし,上述中にも
>軍事面での指摘に限らせてもらいますが
とある通り,沖ノ鳥島の戦略的意味を謳ってる全文まるごとを珍説扱いしているわけではありませんので,念のため.
 で,慎太郎らの都知事選有力立候補予定者の討論会中継をMXで見ましたが,当選しても,任期中に死にそうな感じ.
 でも,他の候補も皆…….

水上攝提(みずかみせってい) by mail・改


 【質問】
 雑誌「ダカーポ」の右翼特集で,ある右翼幹部が,売国企業として大手ゼネコンとIHIを挙げてた.
 理由として,ゼネコンは北朝鮮利権.
 IHIについては,去年起こった中国潜水艦侵入事件で,実は,海上自衛隊は潜水艦をロスト状態にあった,その原因はIHIと中国側との合弁で作った会社に高度なスクリュウー技術譲渡した為だ,と言ってましたが,本当ですか?

 【回答】
 眉唾です.

 「大手ゼネコン」としか記事に表記がないのなら,対象が何者なのか言っていないのと同じです.

 IHIに関しては,合弁企業である以上提携内容は国の監督下にある筈ですし,そもそもスクリュー一つで潜水艦の性能が劇的に向上する訳がありません.


 【質問】
 中国の保有するキロ型潜水艦について教えられたし.

 【回答】
 中華人民共和国海軍は現在,ロシアに次いで12隻の「ワルシャワンカ」(キロ)型潜水艦を保有する.

 中国は,旧ソ連から入手したロメオ型を1980年代後半まで国内建造し,80年代初頭からは,ロメオ型をマイナーチェンジした明(ミン)型を建造してきました.

 しかしロメオ型にしても明型にしても,現在では殆んど使い物にならない超旧式潜水艦であり,1990年代,手っ取り早く入手できる近代的な潜水艦として,ロシアのキロ型に白羽の矢が立てられました.

 中国はまず,1990年代前半から半ばに掛けて4隻をロシアに発注,90年代後半に引き渡されました.

[877EKM型]
全艦クラスノエ・ソルモヴォ造船所で建造
・364号艦(建造番号413,B-185):1994年11月10日竣工,同年12月15日引渡し
・365号艦(建造番号414,B-188):1995年8月14日竣工,同年9月5日引渡し

[636型]
全艦アドミラルティ造船所で建造
・366号艦(建造番号01616):1997年8月26日竣工,1997年11月12日引渡し,1998年1月到着
・367号艦(建造番号01327):1998年10月25日竣工,1998年12月2日引渡し,1999年2月1日到着

 最初の364,365号艦は,元々はロシア海軍向けのB-185,B-188として建造される予定でしたが,財政難により工事が中断,中国向けの877EKM型として完成しました.
 後の366,367号艦は,性能向上型の636型として新規建造されました.
 636型は,ロシア海軍用877型の最終建造グループ8隻(4B型)に準ずるタイプです.

 この後,中国海軍は,国産潜水艦の建造に力を注ぐと見られましたが,その「新型国産潜水艦」である039型(宋(ソン)型)がへタレ過ぎた為か,2002年,新たに8隻の「キロ型」がロシアに発注されました.

[636M型]
<アドミラルティ造船所で建造
・368号艦(建造番号01329):2004年10月20日竣工,2004年12月10日引渡し,2005年1月到着
・369号艦(建造番号01330):2005年5月5日引渡し,同年到着
・370号艦(建造番号01331):2005年引渡し
・371号艦(建造番号01332):2005年引渡し
・373号艦(建造番号01333)::2005年引渡し

<クラスノエ・ソルモヴォ造船所で建造
・372号艦(建造番号611,B-340):2005年8月5日竣工,同年引渡し

<セヴマシュ造船所で建造
・374号艦(建造番号01701):2006年引渡し
・375号艦(建造番号01702):2006年引渡し

 2002年に発注された636M型8隻は,ロシア国内の数ヶ所の造船所で建造されました.
 当初は,これらの他,極東方面のアムール造船所でも何隻か建造させる予定でしたが,同造船所への発注は行なわれず,その分もアドミラルティ造船所に回されました.

 クラスノエ・ソルモヴォで建造された372号艦は,元々はロシア海軍向けのB-340として1992年7月に起工されたのですが,財政難で工事が進まず(1994年〜2003年は完全に工事ストップ),中国向けの636M型の1隻として2005年8月に完成しました.

 この8隻は,上記のように636M型と呼ばれ,従来の636型に対艦巡航ミサイル「クラブS」の運用能力を付与したタイプです.
 クラブSは射程300kmの遷音速ミサイルであり,533mm魚雷発射管から撃ち出されます.

 1990年代後半に引き渡された364〜367号艦には,クラブSの運用能力は有りませんが,後から運用能力を付与する改装を行なう事は可能です.
 ただしその為には,この4隻をロシア本国に回航する必要が有り,今のところ中国には,そこまでする意思は無いようです.

 アメリカは当初,中国が"Kilo"class Submarineを入手した事に衝撃を受けたようで,1995年には米海軍が「潜水艦脅威の拡散」などという大袈裟なタイトルの報告書を作成.
 パトリック・ロビンソンなる作家は,『キロ・クラス』という小説を書きました.
 この『キロ・クラス』は,中国がロシアから購入し,中国本土へ回航される途中のキロ型潜水艦を,米軍が全て破壊するというストーリーですが,現実にこんなコトやったら,アメリカの方が非難を浴びると思うんだけど(笑)
 (どう見ても「テロ行為」です(^^;)

 どちらかと言えば中国の狙いは,静粛性の高い潜水艦を自国近海に置く事で,アメリカ海軍の空母機動部隊にプレッシャーを掛け,米空母群が中国近海で好き勝手に行動できないように牽制するコトに有るようですが.その静粛性の高い潜水艦に,射程300kmの対艦ミサイル運用能力が有れば,米空母群にとっても更なる脅威となるでしょう.



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/6/15(金) 午後 6:04


 【質問】
 中国海軍が最近,潜水艦部隊にキロ型を多数配備して増強していると聞きました.
 噂では,P3Cはキロ型を発見できないと聞きましたが,本当ですか?

 【回答】
 確かに中国はキロ型を導入している.
 しかしまだ数は少なく,その内の半分はグレード・ダウンした輸出専用型なので,大した戦力にはならない.

 ディーゼル潜水艦は原子力潜水艦に比べて騒音が少ないため,発見され辛いのは確かだ.
 だが,P3C,それも機器をグレード・アップした最新型なら,簡単に探知できる.およその位置が分かっている際にアクティブ・ソナーを使えば,まず発見できるだろう.
 あるいは,掃海地域内をしっかりスキャンした際に,その範囲内のキロ型を見逃す可能性もかなり低いだろう.

 問題は海洋は広大であり,潜水艦はおよその位置など教えてくれないという事.
 そうなると,なかなか発見できない.浅海域ではアクティブ・ソナーの有効距離は短く,またキロ型は比較的静粛であるためにパッシブにも限界があるためだ.

「P3Cはキロ型を発見できないと聞きましたが」
という質問の具体的な内容によって,このように回答は変わる.

 また,中国海軍の整備と練度にも疑問の余地がある.
 最近も,大隅海峡を赤錆だらけ(整備をろくにしていない証拠)の潜水艦で浮上航行(潜水艦が外国の領海で浮上航行するのは,ただの愚行※.何か故障が発生したとの見方が有力)し,世界の海軍関係者の失笑を買っている.

system ◆systemVXQ2他 in 軍事板

 ※他国領海内での潜水艦の国旗掲揚しての浮上航行は,浮上理由がどうあれ,海洋法条約(第二部第三節二十条)を守っている形になっている.
 しかし一般には,他国領海内で浮上航行しないものなので,変な理由で浮上を余儀なくされたのだとは考えられる.

PROTOZOA in FAQ BBS


 【質問】
 「晋」型戦略原潜について教えてください.

 【回答】
 「晋」型は,30年以上前に作られ,放射能漏れ事故等で実際にはほとんど活躍しなかった最初の戦略原潜「夏」型(092 SSBN)」の後継艦にあたり,同型艦は現時点で2隻が確認されています.

 「晋」型潜水艦を確認した専門家の間では,
「この30年でシナ海軍の原潜開発設計能力は,ほとんど進歩していない」
との結論に落ち着いているようです.

 2007年9月のカナダの「漢和軍事ニュース」に,「夏」型と「晋」型の微妙な違いについて比較した記事が載っていました.
 ここで明白な違いとして指摘されていたのが,「晋」型の方がセイルの高さが高く,SLBM搭載区画とセイル後部をつなぐ角度も,「092」が85度であるのに比べ,「094」は90度あったとのことで,「晋」型のほうがミサイル格納区画の高さが高いといえる.
 新型SLBM「新浪2号」(JL-2.射程8000km,DF-31の海上発射版,MIRV搭載可能)の搭載を前提にしているためだろう,としていました.

 にもかかわらず,製造された葫蘆島造船所にいる2隻の「晋」型戦略原潜は,SLBMを艤装してませんでした.
 なぜかといえば,吃水が高すぎるためです.
 衛星写真を通じてみる限り,2隻確認されている同型艦は,同じ吃水・セイル形状のようです.

 この艦が,少なくとも現時点でJL-2を搭載配備できていないことは明らかです.
 米情報当局によれば,JL-2についてシナ海軍は,いまだ作戦レベルにも至っていないのではないか?ということですが,そのとおりかもしれませんね.

 2005年夏から公試をはじめた「晋」型原潜ですが,「夏」型のときと同じく「焦りの中で製造された」ためか,どうも成果ははかばかしくないようです.
 あわせて,シナの原潜製造技術と世界トップレベルのそれとの乖離が甚だしくなっていることはもはや明白で,これが逆に,シナ設計担当者の気持をますます頑なにしているとの見方もあるようです.

 〔略〕

 「晋」型には12基のSLBMしか搭載できませんけれど,現在欧米諸国が保有する近代的な原潜では通常16〜24基は搭載できます.
 戦略弾道ミサイルの数があまりに少ないことは,敵に対する効果的な核抑止力を発揮しないかもしれません.
 このミサイルの数は,「晋」型の能力が,1960年代後期における米ソの戦略原潜の水準にようやく届いただけという事実を示している,との見方もありますね.

 しかしながらシナは,今後の戦略原潜開発に関し,24基のSLBMの搭載イメージを明らかにしています.
 でもその設計構造は,「夏」型・「晋」型とほとんど同じようなものです.
 これは,次回に新造される(096 SSBN)が,「より多くの核弾頭を搭載する」ことを意味するのかもしれませんね.

 1990年代半ばにシナ海軍は,「夏」型戦略原潜「092 SSBN」を改造し,改「夏」型戦略原潜「092M SSBN」を生み出しました.
 それが今回の「晋」型原潜「094 SSBM」開発にあたっての,プラットホームとして使われたんですね.

 「晋」型開発にあたっては,ロシアの協力・助言は全くなかったそうです.
 シナはこれまでも,ロシアからいろいろ装備を購入しましたが,技術支援や整備などは別の国から話を聞くというやり方をとったとされます.

 「晋」型開発に当たっても同じで,技術支援や整備についてはウクライナやベラルーシから情報や資源を入手したようです.
 そういえば,原子炉の製作,溶接に当たっては,ウクライナの企業から専門家の派遣を受けてましたね.
 たぶん,ロシアに軍事面での影響力を行使されたくないのでしょう.

 最初の「晋」型が正式配備されるまでの間に,海軍はより多くの同級原潜を建造しているであろうと推定されます.
 これは「092M SSBN」で行なったこれまでの一連のテスト結果が,十分水準を満たしているためと思われます.

 漢和軍事ニュースによれば,「092M」と「094」の指揮統制システムは基本的に同じようです.
 この2種の潜水艦の違いは,艤装されるソナーの構造からも判断するそうです.

 「092M」は,262Bソナーシステムを艤装しています.
 シナの公文書では,「093 SSN」にH/SQ G-207側面配置型ソナーアレイ(最新型とされる)が艤装されるとあります,
 しかし,これと同じソナーシステムが「094 」にも艤装されたかどうかは,現時点でわかっていないそうです.

⇒ とは書いてきましたが,これはあくまで一般的な世界の話で,わが国民の皆様がこれを読んで「安心した」というだけで終わる話ではない気もします.
 わが国には空母も原潜も長距離爆撃機もないですし,核武器も弾道弾も存在しません.
 それ以前に,通常兵器も弾も足りませんし,国防すべての分野にわたる備えは欠乏しています.

 わが自衛隊には,軍の権威すら付与されていません.
 国の交戦権すら自ら捨て去って保有してません.

 それらを完全に今から正常に回復するには,少なからぬ時間が必要ですね.
 進めるのは大賛成でよいとして,果たして今からで間に合うのでしょうか?

 現実的に見ると,当面の間,国を護るには日米同盟を強化することに全力を挙げるしかないように感じます.
 そんな中で独立国の意地を見せるには,英国の例にもあるとおり,自前の情報をGETし,それを折に触れて米に提供するなかで,常に貸しを作っておく姿勢が極めて大切ではないでしょうか?

 そして,唯一の同盟国米をわが国は支えるぞ,という姿勢を国際社会で行動をもって示す態度が大切ではないでしょうか?

 いずれにせよ,すべての根っこは,国民の軍事・国防・情報意識の成熟度如何にかかってきます.
 国民の精神・意識が変われば政治は変わります.

 首相のブザマさヘタレさは,国民のブザマさヘタレさを意味しますよ.
 このままでは申し訳ない限りです.

おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)3月3日


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