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◆◆2001年〜
<◆諜報史
諜報FAQ・目次


 【link】

『カーブボール』(ボブ・ドローギン著,産経新聞出版,2008.4)

 アメリカのイラク戦争開始につながるインテリジェンスの大ミスについて.
 たしかピューりっツァー賞とってたと思うが,なかなか面白かった.
 ドイツの正確な情報評価がどこでどう間違ってワシントンに伝わったか,その後のワシントンでのその情報をめぐる真偽評価のごたごたがどんなものだったか,パウエルが国連安保理でイラクを弾劾する直前まで情報の確認を求める経緯など,なかなか興味深いので,あの戦争が直接的にどういう経緯で始まったかを知るのには良い本だと思う.
 お勧めっす.

――――――軍事板

 BNDにDIAにCIAにホワイトハウスに国連,さらにCIA内部とかの確執とかが,このペテン師を見抜けなかった…より正確に言えば,警鐘を鳴らしてた連中もいたけど,それが最高意志決定の場まで上がらなかったと言うお話.
 まぁ,例えカーブボールがペテン師だとばれたとしても,別な「証拠」で戦争はしてただろうけど,それにしてもまさに
「どうしてこうなった!(AA略」
としか言えないわ.

 ただ,まだ10年も経ってない機微なインテリジェンス関係について,ここまで詳しく出せるジャーナリズムがあるのは羨ましい.

 しかし,
「最後に,二十五ページにわたるノーツ(出典と注釈)は日本語版では割愛させていただいたことをお断りしておく」
って,そこが一番重要だろうが…

――――――アドバンスト杜聖 ◆REH634FRNQ in 軍事板,2010/01/10(日)

『戦争詐欺師』

 イラク戦争における意志決定に関わった人々の著作や,インタビューを交えて書かれた本です.
 内容としてはチェイニーとラムズフェルド,そしてそこに集まったネオコンvs共和党主流派(閣僚ではパウエル,あとパパブッシュとか)に国務省,CIAがワシントンでドロドロの政争を続け,その中で亡命イラク人が暗躍し……という,政治ドラマが好きな人間なら涎が止まらない内容.

 内容的には,結果的にイラクの統治に失敗したチェイニー陣営に厳しい物となっていますが,大統領を説得できなかった点においては,共和党主流派も決して褒められたものではないなぁ.

 著者が日本人だからか,アメリカがイラク戦争に突入する過程を,自分に都合の良い情報だけを信じて第二次大戦に踏み込んだ日本のように描かれています.
 未来の事など分かるはずはないと,自分に都合の悪いシミュレーションを排除する部分は,確かに重なる部分はあるかも.

 それと,第二次大戦後の日本やドイツでは,旧政府や軍関係者を積極的に取り込んでいったアメリカでしたが,なぜかイラクではこのような方法をとらずに,徹底的なバース党排除政策を実行して,結果として治安の悪化を招いてしまいます.
 このように占領政策でも,成功を収めたとはとても言える状態ではありませんが,それでも失敗から学び,方法を模索してそれなりの結果を出すアメリカは,やはり凄い国だなぁと関心しました.

 面白い本だった.

 ところで,「上からの命令だから」と言って自分の命令を出すラムズフェルドが,辻政信に見えてしまったんですが……

――――――寄星蟲 in mixi,2009年06月08日23:05
『戦争詐欺師 21世紀のアメリカとインテリジェンス』(菅原出著,講談社)<「たむたむ」

『フェア・ゲーム』(ヴァレリー・プレイム・ウィルソン著,ブックマン社,2011.11)
 イラク戦争関連

『ブラック・スワン降臨 9.11〜3.11インテリジェンス十年戦争』(手嶋龍一著,新潮社,2011.12)

『陸軍尋問官 テロリストとの心理戦争』(クリス・マッケイ&グレッグ・ミラー著,扶桑社,2005.11)

 合衆国陸軍情報部隊の一人として従軍したクリス・マッケイ(確か階級は軍曹)が,ロサンゼルス・タイムスの特派員グレッグ・ミラーと共同で書いた本.
 アフガニスタンで捕虜の尋問に携わった際に体験したエピソードを紹介してる.

 彼の主な仕事は,捕虜を分別する事.
 無実なら釈放,でなきゃグアンタナモに送る.
 アジトの場所とかも聞き出してるけど,幹部級の重要な捕虜を尋問するわけじゃない.
 捕虜はアラブ系の半シロートの聖戦士が大半.
 プロの軍人やスパイは出てこない.

 アフガニスタンの捕虜収容所の描写は,生々しくて面白かった.
 著者は職業軍人じゃないんで,陸軍とは少し距離を置いた視点を持ってる.
 若いせいか,自分の感情を整理し切れてない感があって,それもまた味の一つ.

 だが,同時にダリ語もパシュトー語も話せないことを,さほど重要視してなかったように思えてならぬあたりは,かなり割り引いたほうがいいかもしれぬ.

――――――軍事板,2010/10/21(木)

 【質問】
 2001年12月に自爆沈没した北韓工作船の目的は何だったのか?

 【回答】
 覚醒剤密輸が目的と見られているが,2002年ワールド・カップに対するテロ工作任務も帯びていたという未確認情報もある.
 以下引用.

「北の沈没工作船,任務は2002年W杯韓日同時テロ」
脱北者衝撃告白…『月刊朝鮮』8月号

「2001年12月に鹿児島県南西海域に出現,日本の海上保安庁の巡視船と銃撃戦の末,自爆し沈没した北朝鮮の船は,2002年韓日共催ワールドカップサッカー大会でテロを行うための工作船だった」
という証言が飛び出した.
 当時,日本政府やメディアは北朝鮮船の目的を「北朝鮮製覚せい剤密輸のため」と見ていた.
 『月刊朝鮮』8月号によると,2004年に北朝鮮を脱出した脱北者チョン・ソンジュン氏(仮名・60)が「問題の工作船には精鋭工作員(テロ要員)22人が乗船していた.
 彼らは日本に潜入し,そこで5カ月間,テロ訓練(実習)をした後,W杯大会期間中に韓国と日本でテロを行う計画だった」
と明らかにしたという.
 このことをチョン氏は2005年5月に平壌で,朝鮮労働党作戦部傘下の対韓国連絡所にいる現職幹部から聞かされた,と報じられている.
 同誌によると,この幹部はチョン氏に
「工作船は2001年12月24日,クリスマスイブの夜に鹿児島県の海岸から日本に潜入しようとしていた.2002年W杯が開かれる1カ月間,韓日間はビザなしで自由に往来可能だったため,この時期を狙った」
と語ったとのことだ.

 また,北朝鮮で33年以上も情報関連業務に携わってきたとされるチョン氏は,この工作船派遣に関する話を,工作員の複数の遺族からも聞いたという.
 イ・ドンチョル(本名)工作員の未亡人によると,夫が戦闘遂行に出動する(工作船に乗る)とき,
「世界的な功労を立てて帰ってくるつもりだ.心配するな」
と語ったという.未亡人の話では,葬式には工作船に乗っていた28人の遺族が出席,全員に「英雄称号」が贈られ,家族には「英雄称号メダル」が授与されたとのことだ.

 また同誌は,「チョン氏によると,北朝鮮最高指導部は2001年12月に工作船沈没事件が起きた直後,各連絡所の所長を平壌に集め約3カ月にわたり思想闘争会議を行った.金正日(キム・ジョンイル)総書記の会議指導のもと,“各連絡所は行政業務をはじめ各部門別に過ちを告白せよ”と指示された」と報じている.
 そして「金正日自身が直接この会議で講演したそうだ.これは,彼の直接指示のもとに‘テロ工作船’が派遣されたことを意味する.
 金正日はテロ作戦の失敗にかなりショックを受けたようだった.彼らはW杯テロ作戦が失敗に終わってすぐ,2002年6月W杯開催期間中に西海(黄海)で韓国海軍に挑発を行ったのだろう」としている.

 さらに同誌は「北朝鮮工作船と銃撃戦を行った日本海上保安庁から,事件発生の1年3カ月後に発表された最終捜査結果でも,工作船が北朝鮮製覚せい剤を運んでいたという明らかな証拠は提示されなかった.
 ただ,“証拠品と考えられる物の投棄状況”というタイトルの不鮮明な写真だけが2枚添付されていた」と報じている.
 そして「工作船が海上保安庁巡視船に追撃され,逃走しながら捨てた物がもし覚せい剤だったとしたら,本来の目的は‘W杯テロ’だが,副次的に‘覚せい剤の密輸’も行っていたのだろう」という見方を示している.

 同誌は「彼らの目的はW杯テロにあった.
 しかし5カ月間,日本でテロ予行演習を行うには,その間,に要する工作員たちの活動経費が必要だったはず.
 これを調達するために工作船に覚せい剤を積み込み,密売しようとしていた可能性もある」としている.

朝鮮日報 2006/07/22/08:00

 情報源が脱北者証言のみであるため,真偽は不明.


 【質問】
 オマル・ハイブ事件とは?

 【回答】
 イスラエル軍中佐,オマル・ハイブが,ヒズボラのスパイだとして逮捕された事件.
 2002年頃逮捕.
 本人は否認している.

 以下引用.

軍中佐,スパイで禁固15年 イスラエル

 【エルサレム19日共同】AP通信によると,イスラエルの軍事裁判所は18日,レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラのスパイだったとして,イスラエル軍中佐,オマル・ハイブ被告(43)に禁固15年と免職,階級はく奪の判決を言い渡した.弁護側は上訴する方針という.
 被告はベドウィン(アラブ遊牧民)で,軍部隊の配置などの情報を提供する見返りに,現金や麻薬を受け取ったとされる.
 約4年前に逮捕,起訴されたが無罪を主張している.
 判決言い渡し後,AP通信に
「自分がアラブ系住民だから目を付けられた」
と述べ,ユダヤ系住民が8割を占めるイスラエルで差別を受けたと非難した.

共同通信,2006年6月19日10時4分


 【質問】
 シェルコノゴフ事件とは?

 【回答】
 2002年3月,ロシア通商代表部部員として来日していたGRUのアレクセイ・シェルコノゴフが,空自OBの技術コンサルタント会社社長に対し,防衛秘密にあたる米国製戦闘機用ミサイルの関連資料を要求していたことが判明した事件.
 シェルコノゴフは既に帰国していたので,警視庁は日米秘密保護法違反容疑で書類送検した.


 【質問】
 以下の話の信憑性はどのくらいあるか?

英国が国連総長をスパイ イラク戦争前にと元閣僚

 英国のクレア・ショート元国際開発相は26日,BBC放送のインタビューで,英国の情報機関がイラク戦争前,国連のアナン事務総長に対しスパイ行為をしていたことを明らかにした.
 ショート氏は,アナン事務総長の会話記録を読んだことがあるとしている.
 またショート氏は「私は(イラク)戦争を準備する中で,アナン事務総長と話したことがあり,その際に『この会談も記録され,彼と私が話している内容を人々が目にすることになるだろう』と思った」と話した.
 こうしたスパイ行為について,指示があったのかを問われたショート氏は「間違いなく,そうだ」と答えた.(共同)(02/26 19:04)

 【回答】
 多いにあり得る話.

 諜報機関の情報対象は,非友好国だけに留まらない.
 オーストラリアが日本大使館を盗聴していた例や,イスラエルのスパイがアメリカで逮捕された例もある.


 【質問】
 高瞻事件とは?

 【回答】
 在米中国人女性・高瞻氏(43)=元アメリカン大学研究者が,中共側へ軍事用高度技術機器を輸出した容疑で2003年に米司法部に告訴された事件.
 彼女は2001年には,中国で「台湾のスパイ」とされて逮捕,投獄されている.

 ソースに問題はあるが,以下引用.

米司法部,スパイ行為の中国人女性,中国に強制送還か

 【大紀元日本1月24日】米司法部は23日,在米中国人女性・高瞻氏(43)=元アメリカン大学研究者=を事情聴取し,高氏が中共へ軍事用精密機器を密輸し国家安全を脅かすとして,中国へ強制送還するか否か決定する.
 香港紙によれば,高瞻氏は,中共側へ軍事用高度技術機器を輸出した容疑で,2003年に米司法部に告訴された.高氏は米当局に対して,罪を認める代わりに出国命令を撤回するという司法取引を行い,7ヶ月の服役をすることになった.
 しかし,米国土安全保障省および移民局は猛反対したという.

 米国居留権を持つ高氏は2001年,家族と共に中国で逮捕され,夫・薛東華および息子はのち釈放されたが,本人は台湾のスパイとされ投獄された.
 中共は米国の圧力下,高氏を解放した.しかし,高氏は2003年,100万米ドルに相当する軍事用の小型パソコン用精密機器を中国政府部門へ密輸したことを認めた.
 証拠によれば,高氏は,同精密機器は中国軍部が使用することを知っているという.
 弁護士は,高氏が中国へ強制送還されれば,再び中共側に起訴されると懸念している.

大紀元日本 200601/24/12:19


◆◆イラク戦争以降


 【質問】
 イラク危機が高まる以前,イラクではCIAはどのような諜報活動を行っていたのか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,2002年8月より前は,ろくな活動ができていなかった模様.
 CIA近東課イラク工作群は「壊れたおもちゃの家」と呼ばれ,キャリアを棒に振るポジションだと考えられていたという,
 フセイン政権の中の情報源は,末端の人間ばかり,しかも4人しかいなかったという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.91 & 140-141を参照されたし.


 【質問】
 なぜ湾岸戦争後も,イラクでのCIAの諜報活動は不活発だったのか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば予算不足.
 クリントン政権時代には,CIAは迫害されたという.
 他方,CIAは諜報活動の報酬に最大1万ドルまで提供できたが,逮捕され,目の前で妻や娘がレイプされるのを見せられ,息子がいれば殺され,家をブルドーザーで潰され,想像を絶する拷問を受ける危険への対価としては安過ぎた.
 また,それまでCIAはニクソン政権の時代から,反体制派を支援しては何度も見捨てる羽目になり,そのたびに虐殺などを招いたので,反体制派のCIAへの信頼は失墜していたという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.92-93, 141 & 181を参照されたし.


 【質問】
 CIAによるフセイン政権転覆工作は存在したのか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,存在した模様.
 ブッシュ・シニアは湾岸戦争後,CIAにフセイン政権転覆を許可する大統領に署名しており,1997年には,CIA支援によるイラク軍クーデター計画が摘発されたという.
 CIA近東課イラク工作群主任「サウル」は,
「(CIAによる)秘密工作ではフセイン政権を転覆できない」
と結論を下していたという.
「CIAは二度とどじを踏みたくないだけだ」
と,コリン・パウエルは見なしていたそうだが.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.93-94 & 98を参照されたし.


 【質問】
 CIA近東課イラク工作群主任「サウル」とは?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,「サウル」は本名を隠すためのニックネーム.
 世界中のCIA支局で工作担当官や選任工作員を長年務めた後,1990年代末,バージニア州ウィリアムズバーグの「農場(ファーム=CIA秘密訓練施設)の訓練課程主任に任命され,250人ほどを訓練.
 2000〜2001年,ジョン・マクロリン副長官の上級補佐官.
 2001/8/4よりイラク工作群主任.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.90-91を参照されたし.


 【質問】
 イラク戦争が迫ってくると,CIAはイラクに対し,どのような諜報活動を始めたのか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,2002/2/16にフセイン政権転覆を図る新しい機密情報命令にブッシュ大統領が署名すると,2/20,CIA調査チームがイラク北部のクルド人自治区に潜入し,下準備.
 続いてNILE(北部イラク連絡班)が7月2週目,ジャラール・タラバーニ率いるクルド愛国同盟(PUK)とトルコ当局の了解の下,スパイ浸透工作や米軍に協力する部族ネットワーク作りを開始したという.
 もっとも当初はトルコ側の干渉が大きく,本格活動は10月頃からになった模様.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.140-141, 182-188 & 271-272を参照されたし.


 【質問】
 「ティム」とは?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,イラクに潜入したCIA工作担当官で,スレイマニアに作られた秘密基地の責任者.
 当時30代後半.
 身長185cm,黒髪,童顔.
 アラビア語に堪能.
 何代も前の先祖に提督がいる家系の出身.
 元SEAL隊員だが,戦いの渦中に身を置きたいと考え,スパイ徴募が主な仕事のCIA工作担当官になったという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.182-183を参照されたし.


 【質問】
 CIAの「ティム」は,どんなやりかたでイラクで情報収集したのか?

 【回答】
 Bob WoodwardによればPUKを通じて,ある宗派の部族から協力を打診され,そのつてでイラク軍の現役士官などが次々とリクルートされてきたという.
 それは軍の要職にある幹部,民兵組織フェダーイーン・サダム,イラク情報部,特殊保安庁の要人も含まれていたという.
 ただし対価として何台もの自動車と大金,さらにはフセイン政権転覆後の新政権でのポストを要求された,と述べられている.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.273-276を参照されたし.


 【質問】
 イラク戦争開始までにCIAは,イラクにWMDがある証拠を掴んでいたのか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,掴んでいなかったが,「イラクが何か様々なものを移動し,隠している」という情報はあったという.
 またCIAは,フセインがWMDを保有していると断定したことは一度もなく,ただ,状況証拠からそのように「判断」したに過ぎないという.
 CIAはむしろ,ブリクスの査察団の怠慢ぶりを示す情報を色々掴んでおり,それが国連査察に対する,ブッシュ政権の不信感を募らせることになったという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.327, 253-265, 310, 318-319, 323を参照されたし.


 【質問】
 イラクのWMDに関する情報を,CIAはどこから得ていたのか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,一つは1991〜98年の国連査察団からの情報だという.
 CIAは査察団にひそかに関与してサポートし,かつ,査察団もスパイすることで情報を得ていたという.
 もう一つは1998年以降のもので,推論がかなり高い比率で含まれた,大した意味のないものだったという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.316-317を参照されたし.


 【質問】
 「ザールコン・チャット」とは?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,本来,国家の最高機密に属する,NSAのSIGINTを,情報処理関係担当者と郡の部隊との間で直接リンクできるような,高度の機密区分に属するコンピュータ・チャット・ルームにつけられた暗号名.
 たとえば,あるイラク軍大佐の通信を,戦場で傍受することができ,イラク軍部隊の追跡やその大佐の攻撃に,情報を利用できるものだという.
 リアルタイムで2000人全てをリンクして処理することができるという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.283を参照されたし.


 【質問】
 「ボブ」とは?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,対イラク任務管理担当の上級秘密工作員.ニックネーム.
 アフ【ガ】ーニスタン戦争中はCIAパキスタン支局長.
 小柄で身なりが良く,物腰が丁重で,インテリらしく見える人物だという.


 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.313を参照されたし.


 【質問】
 イラク戦争開戦までに,CIAの情報網はどこまでイラクに浸透していたのか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,CIA局員を一人,イラク中心部に送りこむことにより,それまで米軍には知られていなかった軍事施設についての報告が次々届き,それには130件の戦略的に重要な報告が含まれていたという.
 その局員はアメリカ国籍だがアメリカ人には見えず,1990年代に極めて危険な土地で諜報活動に従事した,豊富な経験があったという.
 また,「ティム」のチームは,イラク特殊保安庁の人事ファイルや,アジズ副首相の携帯通信機器を入手し,イラク各地の重要な場所に戦術SIGINT装置を設置することができたという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.391-397を参照されたし.


 【質問】
 イラク戦争直前に始められた,CIAによる秘密工作にはどんなものがあるか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,クルド人に爆薬を提供し,鉄道破壊や公用車爆破,各地のバース党支部攻撃などテロを起こさせたという.
 また,キルクークではバース党支部の前で2万人規模の抗議デモが行われたという.
 これらの目的は,フセイン政権の目を国内に向けさせ,また,イラク国内で反乱が起きているという印象を諸外国に与えることだったという.
 さらに,フセイン警護部隊をアメリカが煽動してクーデターを起こすことを計画しているかのように見せかけることで,幹部が何人も処刑されたという.
 さらにまた,イラク国外に潜伏していたイラク側工作員の活動も封じることができたという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.452-457を参照されたし.


 【質問】
 CIAの諜報工作に対し,イラク当局はどのように対抗したのか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,CIAが使っていた情報提供者,約100人のうち,30人との連絡が途絶えたという.
 中には捕らえられ,テレビで罪を告白させられた後で処刑された者もいるという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.435を参照されたし.


 【質問】
 イラク戦争開始前,CIAはフセインがどこにいるか掴んでいたのか?

 【回答】
 Bob Woodwardによれば,開戦直前に掴んでいたかもしれないという.
 バグダード南東,チグリス川の岸辺に,ドーラ農場と呼ばれる,フセインの妻が使用している施設があったが,CIAが雇っていた情報提供者である特殊保安庁幹部の通報で,そこにサダムの車列が入ったとの情報が寄せられ,F-117が正式の開戦直前に攻撃をかけ,巡航ミサイルを発射したという.
 情報提供者は,フセインが負傷したと告げたが,戦後,「ティム」がドーラ農場に足を運んだところによると,そこは防空壕もないような施設で,そこに本当にフセインがいたかどうかは不明だという.

 詳しくは『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7.14),p.483-541を参照されたし.


 【質問】
 ドイツ諜報機関はイラク戦争では,どんな活動をしていたのか?

 【回答】
 ドイツ諜報機関BNDが2003年のイラク攻撃時にアメリカ諜報機関CIAへ協力していました.
 当初からイラクで作戦任務に入っていたそうです.

独人質は元スパイ? 情報機関に協力か [1/8 共同通信]
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 7日付のドイツ紙ウェルトは,昨年11月にイラクで誘拐され,先月解放されたドイツ人女性考古学者のズザンネ・オストホフさんが,ドイツの情報機関,(BND)に協力していたと報じた.
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独,実は米を支援していた=イラク戦争で情報提供[1/14 AFP時事]
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 2003年のイラク戦争に反対したドイツ政府は13日,実は同戦争でドイツの情報工作員がイラク国内の情報を集め,米情報当局に提供していたことを認めた.
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 ドイツ南部バイエルン州出身の女性考古学者,ズザンネ・オストホフ氏はイラク人と結婚してイスラムへ改宗し,イラクで人道援助に携わってきた人物です.
 それが実はスパイ活動に協力していた…

 ちなみにドイツ在住の日本人考古学者artaxerxesさんによると,ズザンネ・オストホフ氏はBNDへの協力が発覚する前から,ドイツ国内でマスコミからバッシングされていたそうです.

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 昨年11月に人道援助活動中にイラクで誘拐され,三週間後に解放(状況は未公表)されたドイツ人女性考古学者ズザンネ・オストホフさん(43歳)へのマスコミによる「バッシング」が行われているという.
「ドイツ人は私を憎んでいると思う.
 誰も私に味方せず,私を無鉄砲にも地雷や爆弾の間でイラクをうろうろする正気でない人間のように扱っている」
と彼女は「シュテルン」誌とのインタビューで述べた.
 また在イラクドイツ大使館の彼女への対応も批判している.

 彼女は解放直後に「イラクにまた帰りたい」と述べたと報じられ,その発言がナイーヴだと批判されたが,それについては
「そんな事は言っていない.
 私が望んだのは娘と会う事だけだった」
と反論.
 また,解放直後のテレビ局とのインタビューで,ぞんざいな対応をして視聴者の反感を買った事については,
「人質になっている間の睡眠不足と,服用した薬の作用によるものだった」
と述べた.
 また彼女の家族もバッシングの対象になっているという.

--------------------------------------------(アルタクセルクセスの王宮)

 何処かで聞いたような話です.
 イラクでの誘拐事件といえば,イタリア女性記者ジュリアナ・ズグレナ誘拐事件の時も,同じ様なバッシングが行われましたし,日本でも高遠菜穂子,今井紀明,郡山総一郎の三名が誘拐された時にバッシングがありました.
 何処の国でも同じ様な事件には,同じ様な反応が返って来るものです.

 しかしズザンネ・オストホフ氏の場合,自国諜報機関への関与という他には無い疑惑が浮上し,そしてこの情報機関が2003年の開戦当初から戦争に参加していた事が発覚.
 軍隊を出さなかったドイツは,表で戦争を非難していながら,裏で協力をしていました.
 これが外交というものなのでしょう.

 実は他にもドイツは,国境警備隊の対テロ組織GSG9の隊員を,大使館員の護衛としてイラクに派遣し,既に戦死者を出しています.
 GSG9の派遣については戦争協力ではないので,最初から公表されていましたが,BNDの作戦任務は明らかに戦争協力となります.

 BNDのイラク戦争協力が発覚し,ドイツ国内で政治問題へと発展しています.
 BNDのイラク投入は前首相シュレーダー氏の決断でしたが,昨年秋の総選挙で首相の座を追われ,親米派のメルケル氏が首相の座についた事が,この事の発覚を促したのかもしれません.

<この記事へのコメント ↓>

 シュタインマイアー現外相はイラク戦争当時は首相府長官,つまり官邸内の情報責任者で,当然このこと(BNDの戦争協力)を知っていたので批判されています.
 野党は背信行為として外相辞任を求めているようですが,まあ大連立なので詰め腹を切らされる事はないでしょう.
 今日の記者会見で外相は,
「病院や民家にいる罪の無い人々を,爆撃から守るためやむを得なかった」
と弁解しましたが,アメリカ側の証言では,2003年4月始めにBND要員が,逃げるフセインの居場所を爆撃目標として米軍に通報したということです.
 イラク戦争の直前,ドイツはフランスと共同で,独自のイラク大量破壊兵器廃棄を提案した事もあるくらいですから(その頃ドイツの無人偵察機も話題になってましたが),情報収集のため諜報要員はイラクにたくさんいたのでしょう.
 アメリカ側も当然その情報を受け取っていたはずです.

 うち(ドイツ)の大学から,イラク終戦直後に文化財の散逸状況を調べにイラクへ飛んだ教授が居たのですが,BND職員がその講演を聞きに来ていたそうです.
 あ,私はイラクに行った事はありません(苦笑).

Posted by artaxerxes at 2006年01月15日 01:55:09


 続報です.
 当時バグダッドに居た二名のBND要員に対する聴取が行われましたが,4月7日のバグダッド市内マンスール地区への爆撃目標通報に関わった事はなく,また米軍がバグダッドに入るまで要員は互いに接触する事もなく,またアメリカ当局と直接接触を持つ事もなかった,と述べた模様です.
 つまり具体的な戦闘行動には関与せず,ということでしょうか.
 少なくとも情報収集のためバグダッドに居たことは間違いないようですが.

Posted by artaxerxes at 2006年01月19日 22:12:13


<ドイツ前政権>イラク戦争で米軍に協力 調査委設置へ
 イラク戦争に反対しブッシュ米政権と対立したドイツのシュレーダー前政権が戦争中,イラクで情報機関を使い爆撃の標的選定など米軍にひそかに協力していた疑いが浮上,野党要求で連邦議会に調査委員会が設置されることが13日,決まった.
 前政権がブッシュ政権と裏で手を組んでいた疑いが強まっている.

Posted by 名無しT72神信者 at 2006年01月17日 15:42:34


 トム・クランシーの「国際テロ」(酷い駄作なんでお勧めはしません)の中で,ドイツの諜報機関は無能だと言われてましたが,結構ちゃんと仕事はしてるようですねえ.
 ただまあ,その手の分野に強い作家が書いたといっても,"アメリカまんせー"が主題の作品ばっかだし,そのアメリカのCIAもかなり無能なようなので,あんまり他国への評論はあてにならないのかな?

Posted by 名無しT72神信者 at 2006年01月15日 08:50:35


 今日の大学の講義にて教授曰く
「日本は過去の反省をしないばかりか,イラクへの侵略戦争に加担し国際社会の嘲笑を浴びている.
 即刻アメリカと手を切り,ドイツを見習って中国韓国に謝罪すべきだ」

……
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 ドイツ!ドイツ!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J

Posted by 名無しT72神信者 at 2006年01月16日 15:01:48


 ドイツを見習うと海外派兵が出来るようになるんだが・・・
 ユーゴ空爆やKFOR,アフガン対テロ戦争.
 もう最近の左翼はドイツを持ち上げなくなり,逆に右翼が「ドイツを見習え!」と言い出すようになっている.

Posted by 名無しT72神信者 at 2006年01月17日 01:50:40

「週刊オブイェクト」,2006年01月15日
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 2003年の対イラク戦開戦後も,ロシアが当時のフセイン政権に対し,米軍の動きに関する情報を提供していた,というのは事実なのか?

 【回答】
 米国防総省は,イラクで押収された書類から,それを事実だと主張.
 しかしロシア外務省も国防省も在ワシントン大使館も沈黙を守っており,ロシアの国連代表部の広報官は,この話は全くのでたらめであり,何の証拠も示されていない,と述べているという.

 以下引用.

2 ロシアがフセイン政権に情報提供

 2003年の対イラク戦開戦後も,ロシアが当時のフセイン政権に対し,米軍の動きに関する情報を提供していたことが米国防総省が24日公表した報告書で明らかになりました.
 しかし,本件に関する日本の新聞の報道ぶりは,電子版で見る限り極めて小さく,かつ上っ面を撫でただけのものにとどまっています.
(例えば,
http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20060325/fls_____detail__015.shtml
(3月25日アクセス).)
 しかし,本件が米国政府によって公表されたことは,深刻に受け止めるべきです.

 まず,何がこの報告書に書かれていたのかから始めましょう.
 (以下,
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-032406iraqdocs_lat,0,6082645,print.story?coll=la-home-headlines
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/03/24/AR2006032400996_pf.html
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/03/24/AR2006032401225_pf.html
http://www.nytimes.com/2006/03/25/international/europe/25spy.html?pagewanted=print
及び
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1739407,00.html
(いずれも3月25日アクセス)による)

 押収されたフセイン政権の文書から以下のことが明らかになった.
 当時カタールのドーハに進出していた米中央軍司令部内にロシアのスパイがいた.
 得られた米軍の意図と動きに関する情報は,在バグダッドのロシア大使経由でフセイン政権に伝えられていた.(「正」は正しい情報,「誤」は誤った情報.)
 米軍の12,000の兵力と1,000の車両が<南部のカルバラ(Karbala)付近<の隘路に終結していると4月2日に伝えた.(正)(注2)
 (注2)この情報は無視された.イラクの共和国防衛隊の司令官の一人は,独自情報に基づき,米軍の大軍がカルバラ隘路に終結しており,集中攻撃をかけるよう,フセインの息子のクサイに意見具申したが無視された.
 米側はイラク南部の諸都市を攻略するのは困難だとして戦略を変更し,これら諸都市を迂回してバグダッドを目指すと3月25日に伝えた.(正)
 米軍の南方からの攻勢は陽動作戦であり,主力の攻勢は西方のヨルダンから行われ,その作戦の発動はトルコへの上陸を拒否され,地中海上にあった米第4師団が到着する4月15日頃以降になると3月24日に伝えた.(この話は4月2日にも再び伝えられた).(誤)(注3)
 (注3)実際は,西方からの攻勢はなかった.
 西方からの攻勢は,イラク内の西側の砂漠に特殊部隊を潜入させた米側が,フセイン政権に思いこませたかった事柄だ.
 また,バグダッドは4月9日に陥落した.
 書かれていたことの概要は以上です.
 GRU(ロシア国防省諜報部)等のロシアの諜報諸機関がイラク内で活動し,開戦以降もイラクの諜報諸機関に情報を提供していたという事実が,イラクの諜報機関から押収された文書から明らかになっていることもあり,以上の話は本当であると思われるとか,これが事実だとすれば,ほとんどロシア軍がイラク軍とともに戦うに等しい,ロシアの重大な敵対的行為である,といった声が米国内で出ています.
 一方で,在バグダッド大使が上記諸情報をフセイン政権に伝えたのが本当だとしても,それは,ロシア政府の指示によるものではなかったのではないか,という声も米国内にはあります.

 ちなみに,本件について,ロシア外務省も国防省も在ワシントン大使館も沈黙を守っていますが,ロシアの国連代表部の広報官は,この話は全くのでたらめであり,何の証拠も示されていない,と述べたところです.

 それにしても,米国政府は,どうしてこんな話を公表したのでしょうか.
 米軍は,意図的に正誤入り交じった情報を流し,フセイン政権を惑わせる欺騙作戦を対イラク戦の際に行っていたという事実があり,この作戦にロシアもひっかかってしまったという可能性は排除できませんが,それならなおさら,「役に立った」ロシアをはずかしめるような公表をすることは避けたはずです.

太田述正コラム#1143(2006.3.25)

<その後の経過
 米国防省の報告書について,ロシアの海外諜報機関である対外情報局(Russian Foreign Intelligence Service)の報道官は25日,
「同様の根拠のない非難がこれまでもロシアの諜報に関して行われたことがある」(下述)とした上で,これも「根拠のないでっち上げであり,コメントする必要はない」
と語りました
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/03/25/AR2006032500404_pf.html
3月26日アクセス).

太田述正コラム#1146(2006.3.26)

 この報道がなされた頃の米露関係の冷却状況から考えて,悪意あるリークということも当然考えられる.
 続報に期待したい.


 【質問】
 オランダ軍情報部がイラクで拷問をしていたというのは本当か?

 【回答】
 これは左翼系の新聞「DeVolkskrant」(人民新聞)が報道したもので,野党系の政党党首が「アブグレイブで米軍が行なった拷問と同じではないのか?」と火をつけました.
 その後2006/8/17に,オランダ政府は
「2003年5月に軍の尋問担当官が,イラクで囚人に対して眠らせないよう水をかけたり光を当てるといった行為をした」
と発表しましたが,カンプ国防相は,
「当時憲兵隊が行なった調査報告で,イラクで軍情報部が行った行為は法律に違反していないことがはっきりしている.
 独立調査委員会の設置は検討している」
と述べています.

 「DeVolkskrant」(人民新聞)によると,この件は2003年にサマーワでオランダ軍情報部,オランダ情報機関によって行なわれました.
 囚人に暗いゴーグルをつけさせ,都会の歓楽街にさらしものにしたり,長期間にわたって水をかけたりかん高い雑音に曝すなどしたとのことです.

 ムサンナー州のオランダ軍指揮官は当時,この情報を受けて憲兵隊に通報しましたが,調査の結果
「拷問の証拠が存在しなかった」
とのことです.

 報道当時,国政選挙を控えていたオランダでは,さまざまなプロパガンダが乱れ飛んだようで,これももそのひとつです.
 〔したがって,ただの与党攻撃である可能性も充分にあります〕

 ちなみにオランダ軍部隊は既に撤収していますが,イラク国軍の訓練のため15名のオランダ軍人がイラクに滞在しています.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)11月20日


 【質問】
 サダム・フセイン政権崩壊後,アメリカはイラクでどのような諜報活動を行っていたのか?

 【回答】
 2008.9.8に出版された,ボブ・ウッドワード「The War Within: A Secret White House History 2006-2008」によれば,

 ・ブッシュ大統領はイスラム各派の利害が錯綜するイラクを統治し,宗派間抗争に厳しき対処するためにマーリキー首相の指導力に頼るようになった.

 ・そのため,マーリキー首相や側近に対する盗聴など,大規模な諜報活動を開始した.

 ・米側は「イラク首相が話すことは何でも知っている」と豪語する状態に至っている

 ・イラク側に気付かれると信頼が失墜するため,このことは部内でも一部しか知らず,活動を知った複数の高官はビックリ仰天していた

といったことが書かれているようです.

 ⇒人ごとではありませんよ.わが国も同じことされてますよ.笑 

 英語が苦にならない方は,早めにお求めになったほうがいいようにおもいます.
 本とともにCDも出ています.面白いマーケティングですね.

本:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1416558977/gunjijouhou-22/ref=nosim
CD:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0743570502/gunjijouhou-22/ref=nosim

おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)9月8日
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 デビッド・ウェイ・ドン事件とは?

 【回答】
 1995年に米国籍を取得した中国人デビッド・ウェイ・ドンが,2003年9月に中国の捜査当局に逮捕された事件.
 米国の中国人外交官に取り入って台湾に情報を流したスパイ行為の疑い.90年から中国の外交機密を収集し,台湾に流したという.同氏は台湾の情報当局などから26万8000ドル(約2900万円)相当の家や現金を受け取っていたとされる.
 同氏は52年に中国で生まれ,国営メディアの記者として勤めた後,86年に米国に留学した.米国では貿易会社の役員を勤めていたとされる.

 中国は,昨年12月に台湾と中国本土の計数十人をスパイ容疑で逮捕するなど,機密情報の流出に神経をとがらせている.
 台湾出身の1人は,今月15日に懲役4年間の有罪判決を受けた.

(CNN/AP 2004/7/28)


 【質問】
 呉世郁(オ・セウク)亡命事件とは?

 【回答】
 恵谷治によれば,2003年秋頃,呉克烈(オ・クッリョル)労働党作戦部長(大将)の息子,呉世郁(当時42)とその一族40人が北韓・清津から船で脱出,日本経由で米国に亡命した事件.
 呉克烈は金正日の側近中の側近.
 呉世郁は1961年生まれ.
 1985年,金日成総合大学物理学部卒業後,姜健総合軍官学校入学.
 亡命当時,人民軍保衛司令部付きの大佐だった説,外貨稼ぎの総責任者だった説がある模様.

 同じく恵谷によれば,亡命には中国軍幹部や総連系の日本の暴力団が協力,在日朝鮮人やくざが清津から船で脱出する手配をしたという.
 そして日本海海上で米海軍潜水艦に移乗,この40人はとりあえず横浜に落ち着いたという.

 この事件について恵谷は,資金源遮断や戦略的偽情報工作などによって北韓を混乱させ,崩壊に至らしめるという米軍の「作戦5030」の一環だったのだろうと推測している.

 詳しくは『SAPIO』 2005/6/22号,p.85-87を参照されたし.


 【質問】
 今回('03年11月)のH2Aの打上げ失敗で,当面はスパイ衛星の運用が2基で行われることになっちゃったわけですが,2基だけでその威力は発揮できますか?
 4基でようやく「地球上どこでも一日一回の偵察」が可能(新聞記事)だったらしいですが,2基だと二日にいっぺんとかなっちゃうんでしょうか?
 やっぱり2基だと心細いや,とかいってひまわり6号(仮称)を押し退けて,とっとと代替機が宇宙に逝っちゃいますか?
 代替機の製造費用はまた防衛庁がごねてJAXAあたりの負担になりますか?
 果たして今後どうなるのか,教えて下さい.

 【回答】
 偵察映像は2日に1度の更新となります.

 今後の打ち上げスケジュールですが,H2Aの今回の失敗の原因究明と,トラブルシューティングに1年以上掛りますので,打ち上げ再開はそれ以降に成ります.
 それに,情報収集衛星も重要ですが,気象観測衛星の方が優先度は高いですので,そちらが先に成ります.
 ただし,気象観測衛星については製造会社の経営破たんで完成の目処がたたなくなってるとかで,スケジュールによっては情報収集衛星が先に打上げを行う可能性もあります.
http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/press/0310/12/eisei031012.pdf
 それにまた,今すぐは情報収集衛星の代替機は有りませんので,その準備が有りますので恐らく最低でも3〜4年は掛ると思われます.(場合によっては5〜6年ぐらい)

 代替機の製造費用については未定です.昨日の今日で決まる話ではありませんので.

軍事板

 なお,その後の報道によれば,2006年度中に4機体制を確立する計画である,とか.

情報収集衛星4機体制へ

 政府は,安全保障に関する情報を集めるための「情報収集衛星」を,来年度中に新たに2機打ち上げることになり,これまでの衛星とあわせて,4機体制で本格的な運用を行う計画です.
 政府は,日本独自で安全保障に関する情報を集めるため,すでに運用している2機の情報収集衛星に加えて,さらに2機を打ち上げ,本格的な情報収集を行いたいとしています.
 このため政府は来年度中に,地上の長さ1メートルの物体を解析できる「光学衛星」と「レーダー衛星」を,それぞれ順次打ち上げるため,来年度予算案に,
▽衛星の開発や打ち上げのための費用,
▽より高性能な次の世代の衛星を研究する費用
など,あわせて611億円を盛り込みました.

 情報収集衛星をめぐっては,おととし打ち上げに失敗したほか,ことしは衛星の部品に不具合が見つかったため,打ち上げが延期されています.
 来年度打ち上げに成功すれば,これまでの衛星とあわせて4機で,地球上のどの場所でも,1日に1回以上撮影できる体制が整うことになります.

NHK 2005/12/25/04:35


 【質問】
 ハバロフスク海軍航空基地スパイ事件とは?

 【回答】
 機密漏洩で海軍航空基地の将校14人が逮捕された事件.
 中国諜報機関がスホーイ戦闘機に関する機密情報を入手しようとしたとされている.
 以下引用.

 中国はロシアから戦闘機をはじめ,あらゆる軍事技術を,正規ルートだけでなく諜報活動によって入手しようとしている.
 2004年,ロシア沿海地方の保安局は,戦闘機のエンジン,電子装備,戦闘規則や戦術に関する極秘資料の密輸出を画策したとして,同地方の海軍航空基地の将校14人を国家反逆罪で逮捕したが,同時にその相手が中国の諜報機関である事を突き止めた.
 ハバロフスク地方のコムソモルスク・ナ・アムーレにはスホーイ戦闘機の製造工場があるため,このようなスパイ事件は日常茶飯事である,と保安局の関係者は強調している.

「世界の艦船」2006年3月号,p.152-153(A. V. Polutov著述)

 ポルトフ氏の記事であるため,信頼性は高いと推定される.


 【質問】
 カトリナ・リョン(梁)事件とは?

 【回答】
 2004/4/9,中国系アメリカ人実業家カトリナ・リョン(梁)(49歳)が,機密漏洩でFBIに逮捕された事件.
 アメリカの情報当局に協力して中国関連の情報を提供するふりをしながら,実は中国政府のため,米側の機密情報・資料を盗んで北京に流していたという二重スパイ容疑.

 リョンは広東省生まれ.香港経由で,9歳のときに親に連れられてアメリカに移住.コーネル大学で建築を専攻し,シカゴ大学大学院で経済学修士号(MBA)を取得.英語,広東語,北京語を流暢に話す.
 リョンは1980年代初めからFBIのアセット(資産;エージェントの意味)となっていた.
 しかもこの間,FBIは彼女に,協力の謝礼として合計170万ドルを密かに支払っていた.

 リョンはロスアンジェルス地区では,華々しい社交活動でも知られていた.
 特に「中国系米人全国協会(NACA)」幹事として,中国とアメリカの要人の交流にも活発に関わってきた.ケ小平の娘とも親交があった.中国政府の江沢民,朱鎔基などトップ政治家がロスアンジェルスを訪れる時は,必ずリョンは先頭に立ち,NACA主催の歓迎の会合を大々的に組織した.自らが司会を務めることも多かった.
 この間,中国訪問が頻繁だった.

 リョンはさらに,アメリカ側の大企業が中国に進出する際,コンサルタントとして仲介役を務めることもあった.
 ロスアンジェルス市長が中国を公式訪問したときも,随員として同行した.
 カルフォルニア州議員団の訪中でも,同様に案内役となった.

 リョンの活動がユニークだったのは,こうした中国側との結びつきだけでなく,アメリカ国内政治でも,共和党支持者・活動家として派手に動いていたことである.
 カルフォルニア州共和党委員会メンバーとして,州議会や連邦議会の上下両院の議員候補達の選挙キャンペーンにせっせと献金し,ときには選挙活動の手伝いまでしていた.だからアメリカの政治家にも知己が多かったのだ.

 リョンは米側からどんな秘密を盗み,米側にどんな被害を与えていたのか?
 逮捕状によると,最も多くリョンが入手していたのは,米側諜報機関の活動に関する秘密資料や情報だった.
 特に,米側が中国のスパイ活動に対し,どんな対応を取っているか,つまり,対中国防諜活動はどうなっているのか,という情報だったという.
 リョンは,FBI,CIA,NSC, DIA, NRO(国家偵察局)といった情報機関の中国関連部門の活動についての情報を入手していた.
 その殆どは,スミスが保持していた機密書類を密かにコピーするという方法で得ていたという.
 例えば,CIAで中国スパイを専門に取り締まる捜査官達の顔写真と氏名を,北京訪問の際にトランクに隠して運び,中国当局に渡したことを,FBIは確認している.

 しかし,リョンのスパイ活動による米側の打撃が極めて深刻であることは,米国上院の有力議員ジョセフ・リーバーマン(民主党)らからの捜査拡大の要請によって印象付けられた.同議員らは上院司法委員会が,リョン事件に関する公聴会を開き,議会としても徹底調査を実行するよう求めたのだ.
 上院筋は,リーバーマン議員がこの事件を重視する理由として,リョンがFBIに流した中国当局に関する情報は,米国では極めて信頼されていて,歴代大統領にまで知らされていたことや,2002年1月に中国当局が,アメリカ側から購入した国家首脳用の専用特別機内部に盗聴装置がつけられていたと抗議した一件も,実はリョンが北京に流した情報の結果だったらしいこと,等を明らかにした.
 同上院筋はさらに,1996年の大統領選挙のプロセスで,中国系アメリカ人の男女達が,民主党のクリントン・ゴア陣営に巨額の不正献金をして追及されながらも,行方不明になってしまったケースや,97年に中国系米人学者が,アメリカ政府の研究所から核兵器の機密を盗んだとされ,有罪となりながらも,なお証拠不充分で軽微の処罰に終わったケースの背後にも,リョンの暗躍による情報の流れがあった模様だと漏らしている.

 また,共犯としてFBIの元ベテラン捜査員ジェームズ・スミス(59)も逮捕.スミスはリョンのハンドラー(担当員)だった.
 スミスは1970年にFBIに入り,ロスアンジェルス支局に配属され,78年から同支局対外国諜報部中国部で専門捜査員として中国に対する防諜活動に関わってきた.2000年11月に定年で引退.

 逮捕状の添付書類によると,FBIは逮捕の1年前からリョンとスミスとのスパイ事件の捜査を密かに始めており,昨年12月にはスミスを事情聴取し,リョンとの性的関係の有無をも詰問した.
 スミスは否定したが,FBI側が,同年11月に,スミスとリョンがロスアンジェルスのホテルの一室でセックスするところを写したビデオを見せ,その結果,スミスは,1980年代始めから2002年12月のほぼ20年間,リョンとの間に性的関係があったことを認めた.

 添付書類には,もう一人の元FBI捜査員が登場する.
 この捜査員の名前は同書類では伏せられているが,元の職名はFBIサンフランシスコ支局の対外国諜報部部長だと明記されている.彼も中国の諜報活動への対処を担当する専門家で,中国の言葉や風習に詳しかった.
 アメリカの新聞報道などでは,ウィリアム・クリーブランドという名前だとされている.

 クリーブランドもリョンの古くからの知己.
 彼は当初,あくまで職業の一環として長年リョンと接触していたと主張した.
 だが追及され,スミス同様,リョンとの性的関係を保っていたことを認めた.1988年から,セックスを伴う付き合いが始まり,これは93年にクリーブランドがFBIを引退するまで続いた.
 引退後の97年から,リョンとの愛人関係を復活させ,時折密会してセックスすることを習慣にしていた.

 クリーブランドとスミスはお互いを知っていたが,相手が共に同じ女性と親密な関係にあることまでは知らなかったようだ.

 クリーブランドは退職後,カリフォルニアにあるローレンス・リバモア原子力研究所の警備担当責任者に抜擢され,防諜の仕事を継続した.
 この研究所は,アメリカ政府の核関連の重要な実験・研究を重ねており,秘密保持が不可欠だった.
 リョン逮捕の翌日,クリーブランドは自らこの警備担当責任者の地位を辞任した.

 添付書類によると,クリーブランドとスミスは共に91年に,FBIからリョンが中国側スパイであることを示すような証拠を提示され,
「そんなことはない」
という結論を出した経緯があった.
 FBIは,中国政府の国家安全部の「毛」というコードネームの工作員と交わした会話を録音していたのだ.その中には,米側の機密書類に言及するようなやり取りもあった.
 今となっては,二人がリョンと性的関係を保っていたため,冷静な判断を下さなかった可能性が十分,考えられる.

(古森義久 from "SAPIO" 2003/5/28, p.29-31,抜粋要約)

 ただし,こんな偏見も現実にある.

「2001年3月,米国の中国系組織「百人会」が行った世論調査によれば,米国人の約半数が中国系米国人を中国のためのスパイと疑っており,また,米国財界で影響力を持ち過ぎるとの懸念を抱いているそうだ」

(浅井信雄「アジア情勢を読む地図」,新潮文庫,
2001/12/1,P.235-236,抜粋要約)


 【質問】
 イスラエルとニュージーランドの関係を冷却させた,2004年3月のスパイ事件とは?

 【回答】
 イスラエル人1人が3月,ニュージーランドで他人になりすまして旅券を申請.本人は逃亡したが,その後関係する2人が逮捕され,オークランド高等裁判所が15日に実刑判決を下した,という事件.
 ニュージーランドのクラーク首相は2004/7/15,
「イスラエル情報機関がこの件に関与し,ニュージーランドの主権と国際法を犯した」
と批判.今年後半の外相会談も中止し,イスラエル新大使の認証を当面見送ると述べた.

(日経新聞,2004/7/15)

 後日,この事件に関し,イスラエルは謝罪した.

(ハアレツ,2005/2/20


 【質問】
 リャン・G・アンダーソン事件とは?

 【回答】
 ワシントン州の州兵リャン・G・アンダーソンが,1995年秋以降のネットにて,ミリシァ関係やイスラーム関係に投稿をしていたことが判明した事件.
 発覚時,第81機甲旅団はカリフォルニアで訓練中で,1ヵ月後にはイラク駐留へ出発する予定だった.

 彼は,大審問に相当する裁判にかけられることになったという.
 以下引用.

Spy suspect faces four charges

DAVID WICKERT; The News Tribune

While he and his fellow soldiers were preparing to leave for Iraq, a Washington National Guardsman was trying to give al-Qaida terrorists information on how to kill U.S. troops and destroy their weapons and equipment, according to charges made public Wednesday.

Spc. Ryan G. Anderson also attempted to pass information about troop strength, movements and tactics to persons he believed to be terrorists, according to the charges. And they say he tried to pass his own military identification and other personal documents to the presumed terrorists.

Anderson, 26, was arrested at Fort Lewis and charged Feb 12 with four specific counts related to his alleged efforts to contact al-Qaida, though the Army did not release the details until Wednesday.

The Lynnwood resident is being held at the Fort Lewis Regional Corrections Facility and has been assigned a military lawyer, post spokesman Lt. Col. Stephen Barger said Wednesday. The lawyer's name was not disclosed.

Anderson has been allowed to speak with his family, Barger said.

Anderson is a tank crew member of the 1st Battalion, 303rd Armor Regiment, a unit of the Washington National Guard's 81st Armor Brigade. The brigade's 3,700 soldiers are training in California and preparing to leave for Iraq in about a month. They will spend a year providing security and helping restore order in the Baghdad area.

Barger on Wednesday declined to answer questions about the investigation. But the charging documents indicate Anderson disclosed information to U.S. military personnel he believed to be al-Qaida members.

Defense Department officials, speaking on condition of anonymity, have said investigators monitored Anderson's activity on extremist Internet chat rooms. They said it doesn't appear he transmitted any information to actual al-Qaida members.

Under the Uniform Code of Military Justice, Anderson is accused of two specifications of attempting to give intelligence to the enemy. The first accuses Anderson of disclosing information about troop strength, movements, equipment, tactics and weapons systems; methods and means of killing Army personnel and destroying weapon systems and equipment; and specific vulnerabilities of Army organizations, weapon systems and equipment.

The second specification indicates Anderson told the personnel posing as terrorists that he wanted to meet with them, that he shared their cause and that he wanted to continue contact through conversations and personal meetings.

The third specification accuses Anderson of attempting to aid the enemy by furnishing them with sketches of the M1A1 and M1A2 tank and a computer disc containing Anderson's passport photo, his military identification card, a weapons card and an Army motor vehicle operator's identification card.

The fourth specification accuses Anderson of "wrongfully and dishonorably" providing information to people he believed to be al-Qaida terrorists. That conduct, the charging papers say, is "prejudicial to good order and discipline in the armed forces, and of a nature to bring discredit upon the armed forces."

If convicted, he could receive the death penalty.

According to the charges, the alleged offenses occurred from Jan. 17 to Feb. 10. The latter date was three days after the the 81st said goodbye to friends and family at a deployment ceremony at the Tacoma Dome.

The offenses allegedly occurred at or near Fort Lewis, Yakima, Lakewood, Lynnwood and Seattle. The brigade's soldiers had been living at Fort Lewis since Nov. 15.

Anderson graduated from Everett's Cascade High School in 1995 and earned a bachelor's degree in history from Washington State University in 2002. He joined the National Guard that same year.

Defense officials have said Anderson became a Muslim in the last five years and developed an extremist ideology that fueled his attempts to contact al-Qaida.

http://www.tribnet.com/news/story/4758846p-4705230c.html


 【質問】
 米国防総省幹部 Douglas Feith がイスラエルに情報漏洩していたというスパイ疑惑があるが,彼は本当にスパイなのか?

 【回答】
 米連邦捜査局(FBI)が大規模な捜査を進めている段階.

 CBSテレビによると,この幹部はウルフォウィッツ国防副長官やファイス国防次官に極めて近く,ホワイトハウスの機密文書を横流ししていた疑いが持たれている.
 同TVによると,この国防総省幹部はワシントンのユダヤ系ロビー団体AIPAC(米イスラエル公共政策委員会)の職員にホワイトハウスの機密文書を渡し,AIPACがらイスラエル側に流した.FBIが特に注目しているのはイランに関する情報だという.

(日経新聞 2004/8/28)

 当然ながら,イスラエルは疑惑を否定しているが…….
 以下,機械翻訳.

The Israeli government has strongly denied reports that a senior US defence department official spied for Israel.
イスラエル政府は,米国防御部高官がイスラエルのためにスパイ行為をしたという報告書を強く否定しました.

A senior official in Jerusalem told the BBC the charges were rubbish, saying Israel had no need to spy on the US.
エルサレムの高官は,イスラエルが米国でスパイ行為をする必要がなかったと言って,下らない中傷だとBBCに伝えました.

The denial came after the Pentagon said an official was under investigation for allegedly passing on secret material relating to US policy towards Iran.
イランに対する米国政策に関係のある秘密資料を申し立てによると渡すことに,職員が賛成するとペンタゴンが言った後,その否認は起こりました.

The suspected spy is said to have links to Douglas Feith, a key adviser to Defence Secretary Donald Rumsfeld.
疑わしいスパイはダグラスFeith(防御長官ドナルドRumsfeldへの重要なアドバイザー)へのリンクを持っていると言われています.

Mr Feith, along with Deputy Defence Secretary Paul Wolfowitz, is believed to have played a key role in planning the US invasion of Iraq in 2003.
Feith氏は代理の防御長官ポールWolfowitzと共に,2003年にイラクの米国侵入を計画する際に重要な役割を果たしたと考えられます.

An arrest could be made as early as next week, according to an official interviewed by the Associated Press news agency.
AP通信社の通信社からインタビューを受けた職員によれば,早くも来週に逮捕をなすことができるかもしれません.
The BBC's Nick Childs in Washington says this is potentially a very serious development, because Israel is one of America's closest allies.
BBCのワシントンのニックChildsは,イスラエルがアメリカの最も親密な同盟国のうちの1つであるので,これが潜在的に非常に重大な開発であると言います.

However, he adds that Israel has been accused of spying on the US before.
しかしながら,彼は,米国で以前にスパイ行為をしたことでイスラエルが非難されたと付け加えます.

A former Jewish-American US Navy intelligence analyst, Jonathan Pollard, was arrested in 1985 and sentenced to life imprisonment.
元ユダヤ系アメリカ人米国海軍情報アナリスト(ジョナサン・ポラード)は,1985年に逮捕され,終身刑が宣告されました.

Citing unnamed sources, American TV network CBS reports that the alleged Pentagon spy handed over the draft of a US presidential directive concerning policy towards Iran last year.
無名の出所を引用して,Americanテレビ・ネットワークCBSは,ペンタゴン・スパイと呼ばれる人がイランに対する政策に関する(昨年)米国の社長の指令のドラフトを渡したと報道します.

"This put the Israelis - according to one of our sources - inside the decision-making loop so they could try to influence the outcome," the report said.
「それらが結果に影響を及ぼそうとすることができたように,これは意志決定ループの内部でイスラエル人(私たちの出所のうちの1つによる)を置きました」とその報告書は述べました.

The senior Democrat on the US House of Representatives' Armed Services Committee, Ike Skelton, said he was deeply "concerned and angered" by the espionage reports.
米国下院の軍事委員会の上級の民主党員,アイク・スケルトン,「彼は深く心配しており怒らせました.」と言った」スパイ活動報告書によって.

"This is a very, very serious allegation and we just can't tolerate anything like this at all," he said.
「これは非常に重大な主張です.また,私たちは,まったく全くこのような何も許容することができません」と彼が言いました.

The investigation into the alleged spy apparently involved the use of electronic surveillance devices, including wire taps.
見たところでは,スパイと呼ばれる人の調査は,ワイヤー・タップを含む電子監視装置の使用を含んでいました.

An anonymous security official interviewed by AP appears to confirm a claim in the CBS report that the suspect is thought to have passed on the classified information to a pro-Israel lobby group, the American Israel Public Affairs Committee (Aipac).
APからインタビューを受けた匿名の治安当局員は,容疑者が,イスラエル支持ロビー・グループ,アメリカのイスラエル公務委員会(Aipac)に?@密扱いだった情報に渡したと思われるCBSの報告書をクレームに強固にさせるように見えます.

However, Aipac spokesman Josh Block said the claim was "baseless and false".
しかしながら,Aipacスポークスマン,ジョシュ・ブロックは,クレームが「基礎がなく」誤りだったと言いました.

He said the group "would not condone or tolerate for a second any violation of US law or interests".
彼は,グループが「第2のために米国法則あるいは興味ある妨害を許さないか許容しないだろう」と言いました.

David Siegel, a spokesman for Israel's embassy in Washington said it "categorically" denied the allegations.
デービッドSiegel(イスラエルのワシントンの大使館のスポークスマン)は,それが「断固として」主張を否定したと言いました.

Iran and Israel are openly suspicious of each other's nuclear intentions and capabilities.
イランとイスラエルは,互いの核意図および能力を公然と信用しません.

Israel has said it will carry out a pre-emptive strike against Iranian nuclear reactors if it feels threatened.
イスラエルは,それが脅かされたと感じる場合それがイランの原子炉に対する先制攻撃を行なうだろうと言いました.

Iran, in turn, has warned it will hit back with a similar strike on Israel.
イランは,その場合,イスラエルに対する同様の攻撃でそれが反撃するだろうと警告しました.

BBC News

 一方,Feith他を擁護する論調もある.
 以下,機械翻訳.

Either espionage isn't what it used to be, or someone is spinning secrets the way they shouldn't. At least that's how it looks nearly a week after word leaked about a purported spy for Israel at the Pentagon.
スパイ活動は以前のようなことではありません,あるいは,誰かが秘密を回している,それらがしてはならない方法.このようにして,言葉が,ペンタゴンのイスラエルのうわさされるスパイに関して漏れたほぼ1週間後,それは見ます.

It's hard to see behind the veil of classification, but on current evidence this is not another Jonathan Pollard, the bona fide spy still in jail for spilling U.S. secrets to Israel in the 1980s. Nor is it part of a Zionist conspiracy run by Undersecretary of Defense Douglas Feith, whose photograph seems to accompany every news report.
分類のベールの後ろに見ることは困難です.しかし,現在の証拠においては,これがもう一人のジョナサン・ポラード(まだ1980年代にイスラエルの米国の秘訣をこぼすための刑務所の誠実なスパイ)ではありません.また,それも,DefenseダグラスFeith(その写真はすべてのニュースレポートに伴うように見える)の次官によって実行されるシオン主義の共謀の一部でありません.

As of this writing, no charges have been brought against Lawrence Franklin, a mid-level Pentagon analyst suspected of passing to Israel classified documents on Iran via Aipac, the American Israel Public Affairs Committee. Israel denies it, Aipac denies it, and Mr. Franklin is said to be cooperating with the FBI.
この時点で,書いて,チャージはローレンス・フランクリン,Aipac,アメリカのイスラエル公務委員会によってイランをイスラエルの機密文書にだました疑いをかけられた中央のレベルのペンタゴン・アナリストに対してもたらされていません.イスラエルはそれを否定します.Aipacはそれを否定します.また,フランクリン氏はFBIと協力していると言われています.

Our sources tell us that Mr. Franklin may have disclosed something he shouldn't have to the press some time ago. This gave the FBI the opening to force his cooperation and search his home, where they found some documents that did not belong there. If this is so, Mr. Franklin wouldn't be the first government official to break the law by taking classified material home. Former CIA director John Deutch transferred thousands of pages of secret documents to his home computer, for which he was pardoned by Bill Clinton in his last hours in office.
私たちの情報筋は,フランクリン氏がいつか報道に対して前に持ってはならないものを示したかもしれないと私たちに伝えます.これは,彼の協力を強要し,かつ彼の家(ここでそれらはそこに属さなかったいくつかのドキュメントを見つけた)を探索するためにFBIに開始を与えました.これがそのようである場合,フランクリン氏は分類された資料家をとることにより法則を破る最初の政府高官にならないでしょう.元CIA長官ジョン・ドイチは,彼のホームコンピューターに秘密文書の何千ページを転送しました.そのために彼は,オフィスの最後の時間でビル・クリントンによって許されました.

The latest leaks say Mr. Franklin may be charged with mishandling classified documents, or not even charged at all. In either case, it's a far cry from CBS News's original report last Friday that "the FBI has a full-fledged espionage investigation under way and is about to--in FBI terminology--'roll up' someone agents believe has been spying not for an enemy, but for Israel from within the office of the Secretary of Defense at the Pentagon."
最新の漏れは,いずれにしてもさらに課されようが課されまいがフランクリン氏が扱いを誤る機密文書で満たされるかもしれないと言います.いずれの場合も,それは先の金曜日にCBSニュースのオリジナルの報告書と大違いです,それ「FBIは進行中完全なスパイ活動調査を行っておりそうです,に関して,に(FBIの用語の中で)」丸くなる」誰か,代理人は信じます,ペンタゴンの国防長官のオフィスの内部から敵のためにではなくイスラエルのためにスパイ行為をしていた.」

In its initial report, CBS went on to say: "With ties to top Pentagon officials [Deputy Secretary] Paul Wolfowitz and Douglas Feith, the analyst was assigned to a unit within the Defense Department tasked with helping develop the Pentagon's Iraq policy." You don't need a secret decoder ring to know that this sentence is meant as a bit of innuendo against the Pentagon's "neoconservatives," who in this case happen to be Jewish (though Mr. Franklin is not).
その初期の報告書では,CBSが次に言いました:「トップのペンタゴンの職員への結束で[代理の長官]ポールWolfowitzおよびダグラスFeith,アナリストは国防省内の1ユニットに割り当てられました,ペンタゴンのイラクを発展させることを支援することで政策に仕事を課した.」ペンタゴンの「新保守主義者」(彼らは偶然この場合ユダヤ人である(フランクリン氏はいませんが))に対する少しの風刺としてこの文が意味されることを知るためには秘密デコーダ輪を必要としません.

As it happens, the FBI has had Mr. Franklin under surveillance for more than a year and has turned up nothing on anyone else at the Pentagon. His superiors only learned about the investigation this past weekend. In any event, there are six layers of Pentagon bureaucracy between Mr. Franklin, a desk officer on Iran, and Mr. Feith, who supervises a staff of 1,500. Mr. Wolfowitz is even farther removed.
たまたま,FBIには,1年以上監視の下のフランクリン氏がいて,ペンタゴンで誰か他の人の上で何も上に向けていません.彼の目上はこの過去週末調査について単に知りました.どんな場合も,フランクリン氏(イランおよびFeith氏(この人は1,500のスタッフを監督する)の机オフィサー)間のペンタゴンの官僚政治の6つの層があります.Wolfowitz氏は,さらに更に削除されます.

The information Mr. Franklin is suspected of leaking has to do with the debate on Iran within the Bush Administration, specifically with the draft of a Presidential policy directive. It's hard to believe that the Israelis would need secret sources to illuminate this issue, given the close ties between the two countries. The Iran question has also been widely aired in the press, including in an op-ed that Mr. Franklin wrote for The Wall Street Journal Europe in 2000.
情報,フランクリン氏は,漏れていた疑いをかけられます,特に社長の政策指令のドラフトと共にブッシュ政権内のイランについての討論で行わなければならないこと2国の間の密接なつながりを与えられて,この問題を照らすために,イスラエル人が秘密出所を必要とするだろうと信じることは困難です.イランの質問は,2000年にウォール・ストリート・ジャーナル・ヨーロッパのためにフランクリン氏が書いたオペレーション-edに含む報道で広く放映されました.

Finally, let us say a word about Mr. Franklin personally. He is a career Defense intelligence analyst--a former Soviet analyst who reinvented himself after the Cold War as a Farsi-speaking Mideast expert and moved to the Defense Department early in the Bush Administration. He is also a colonel in the Air Force Reserve. Those who have worked with him say he is a patriot. If the feds believe he committed a crime, he deserves to be charged in a court of law and given a chance to defend himself.
最後に,フランクリン氏について一言を個人的に言いましょう.彼は経歴防御情報アナリスト--イラン人を話す中東のエキスパートとして冷戦の後に彼自身を徹底的に再構築し,ブッシュ政権で国防省に初期に移った,元ソ連のアナリスト--です.さらに,彼は空軍蓄えの中の大佐です.彼と仕事をした人々は,彼が愛国者であると言います.彼が犯罪を犯したと連邦捜査官が信じれば,彼は法廷で課され自己弁護する機会を与えられることに相当します.

WSJ.com, Opinion Journal, 2004/9/4


 【質問】
 陳俊弘事件とは?

 【回答】
 2004/9/4,台湾軍戦 闘機ミラージュ2000−5の機密情報を盗み,それを中国に売ったとして,少なくとも2人の台湾人が逮捕された事件.

 6日の台湾・台北タイムズ(オンライン版)によりますと,この2人の台湾人――陳俊弘:元台湾空軍軍曹,和平:中国駐在のビジネスマン――は,2002年9月にオンライン・チャットルームで知り合い,和平は中国から台湾へ陳俊弘を訪れ,台湾空軍の機密情報にアクセス出来る特権を 用いて,中国側のスパイになるよう説得し,陳俊弘はこれに応じました.
 2003年7月,陳俊弘は190ページにわたるミラージュ戦闘機に関する機 密情報を,中国の和平にファックスで送り,これが台湾空軍当局の知るところとなりました.
 両名を確実に逮捕する証拠固めの準備,および和平が台湾に訪 れるタイミングの兼ね合いにより,この時期の逮捕となりました.
 なお,台湾空軍の発表では,中国側に流れた情報には重要なものは含まれていないとのことです.

(☆きたで from おきらく軍事研究会)


 【質問】
 愼秀一事件とは?

 【回答】
 2004年10月,大阪・生野区に住む無職で韓国籍の愼秀一(しん・しゅういち)(82)が,以前,無許可で北朝鮮と行き来した経歴を隠して日本に不法に滞在していたとして出入国管理法違反などの疑いで,大阪府警察本部に逮捕された事件.北朝鮮の工作員だったと見られている.
 各種メディアの情報を総合すると,事件は以下の通り.

 大阪府警察本部の調べによると,愼は昭和48年に無許可で北朝鮮と行き来したにも関わらず,特別永住者として日本に不法に滞在していたなどとして,出入国管理法違反などの疑いが持たれている.

 警察で愼容疑者の自宅を捜索したところ,北朝鮮の工作員が北朝鮮との通信に使用していたと見られる乱数表が見つかった他,昭和48年に自分が船で日本海を越えて北朝鮮とを行き来したことなどを詳しく書き留めた手帳が見つかったという.
 また,愼容疑者の顔写真がはられた,すでに死亡している日本人名義のパスポートも見つかったという.

 愼は調べに対し,
「当時海外には行っていない」
と供述している.

(NHK, 2004/10/13)

 大阪府警外事課の調べでは,愼容疑者は昭和四十八年十一月二十八日ごろ,日本海側から船で北朝鮮に渡航し不法出国.約一カ月間滞在した後,再び船で日本に入国したとされる.
 押収した手帳には出入国の日付を記していたほか,渡航の様子を「荒波を越え何日もかかり日本海を渡った」と描写.滞在中に接触した人物の名前も書き込んでいた.
 手帳は七,八十ページで大半のページがハングルで埋まっていた.愼容疑者は北朝鮮への出国を否認しているが,府警は当時の日本海付近の気象条件が渡航時の記述と一致しており,記述の信憑(しんぴょう)性が高いと判断した.
 愼容疑者はこの後平成十四年五月までの間,自宅からみつかった韓国の旅券を使い,北京や韓国などへ航空機などで十数回,出入国を繰り返していた.

(産経新聞,2004/10/14)

 ただ,具体的にどのような工作に関与していたかは,手帳の記載だけでは分からず,同課などは家宅捜索で手帳と一緒に見つけた北朝鮮と日本の旅券の入手経過などとともに,慎容疑者を追及している.

(共同通信,2004/10/14)

 男性は大阪府警外事課の調べに対し,北朝鮮の工作員だったことを認めた上で,
「自分は堂々と国のために『対南工作』をやった」
と供述.
 同課は,男性が1960年代後半から80年代前半にかけ,日本国内で工作員として活動していたとみている.
 しかし,男性は活動内容について話さず,北朝鮮への渡航自体も否認したという.

 大阪地検は11/1,入管難民法などの容疑について証拠不十分として,処分保留のまま釈放した.

(時事通信,2004/11/1)

……と,案の定な結果に終わっている.
 スパイ防止法の制定が強く望まれる.


 【質問】
 2004/12/30のイランでの事件とは?

 【回答】
 2004/12/20,イスラエルのためにスパイ行為を行った疑いで,イランが8人を逮捕した事件.
  8人の中にユダヤ人がいるかどうかは分かっていない.
 以下,引用.

Tehran Accuses Israel after FBI Catches Iranian Surveillance Teams Red-handed

December 20, 2004, 9:46 PM (GMT+02:00)

Iranian Intelligence and Security Ministry ordered surveillance of Israeli diplomatic missions

Iranian foreign ministry spokesman announced Sunday December 19 that intelligence minister Ali Younessi would “soon” report to the government on an eight-member spy ring that gathered information for Israel. No further information was offered about the identities of the “spies,” the nature of the “information” they had gathered or when.

DEBKAfile’s intelligence sources classify this vague, unverifiable charge as a typical Iranian exercise to cover up a fiasco. (Only recently they claimed to have put unnamed al Qaeda terrorists on trial.) It came two days after DEBKA-Net-Weekly broke the story that Iranian and Iran-sponsored surveillance teams has been discovered hanging about outside Israel’s diplomatic missions in the United States, South America, West Europe and the Middle East. Team members rounded up by the American FBI and Egyptian intelligence in the last ten days admitted under interrogation that they were collecting information for Iranian intelligence.

Here is an excerpt from the DEBKA-Net-Weekly exclusive:

Egyptian president Hosni Mubarak gave Israel’s trade and industry minister Ehud Olmert some disturbing news on Tuesday, December 14, when the two countries signed an accord that grants certain Egyptian exports duty-free status in the United States.

The day before the Israeli minister’s arrival in Cairo, Egyptian security services arrested a group of Egyptian Islamic fundamentalists carrying out surveillance of the Israeli embassy in Cairo and monitoring the movements of Israeli diplomats and their families in the city. They told their interrogators they were working for Iran.

Jerusalem was not bowled over by this friendly tip from the Egyptian president.

DEBKA-Net-Weekly’s counter-terrorism sources report that foreign intelligence services have been telling Israel since late November that Iranian spy teams have been spotted outside Israeli missions in various parts of the world, including one nabbed by the FBI watching Israeli consulates in Los Angeles, Atlanta and Houston. It was made up of Iranian Americans, Arab and Pakistani students - some of them US citizens, and all activists belonging to Muslim fundamentalist groups.

They were perfectly aware that the data sent to Iranian intelligence was intended for use in hostage taking and bombing attacks against Israeli missions.

The notion of Tehran-instigated terrorist strikes in the middle of America’s main cities struck alarm in US intelligence agencies and Homeland Security department. Clearly, operations of this magnitude could not have been planned without top-level sanction from spiritual leader Ayatollah Ali Khamenei, or without the presence in America of an operational network. Although assigned with striking Israeli consulates, there is nothing to stop this network from expanding its mission to American strategic targets as well.

Of particular concern are the close ties evolving between Iranian intelligence and al Qaeda cells based inside the Islamic republic. US intelligence sources have learned that Khamenei in person has created a new clandestine umbrella organization for bringing together as an arm of his bureau all the al Qaeda-linked groups and likeminded movements.

US intelligence experts are certain that data gathered for Tehran by the captured Iranian surveillance team may well have reached al Qaeda, some of it passed deliberately. Osama bin Laden’s organization is believed to be plotting a major attack in the United States. The Islamic Republic is in the habit of using proxies for its terror campaigns, like the Lebanese Hizballah against Israeli targets. That Al Qaeda operatives are harbored in Iran and run cells in many countries make it a natural partner-in-terror.

In the wake of the round-up of Iranian teams, al Qaeda cells were also picked up in Brussels, Amsterdam, Madrid and the Uruguayan capital of Montevideo. Hizballah surveillance teams were rounded up in parts of West Europe.

The US interrogation of the Iranian surveillance team and sightings of other watchers have led Israeli intelligence and security chiefs to conclude that Tehran was plotting simultaneous terrorist strikes across America and other parts of the world, blowing up Israeli missions and Jewish centers and taking hostages in several places at once. The captured team may even have been feeding deeply buried terrorist cells set up to carry out this string of assaults and still at large.

Israel has accordingly put all its embassies, consulates and other missions, as well as airlines, shipping companies and overseas company offices on high terror alert. Security has also been stepped up at overseas Jewish institutions and schools.

Report: Iran says it has uncovered spy ring for Israel

By Haaretz Service
Last Update: 19/12/2004 21:25

Iran said Sunday its intelligence services have uncovered a spy ring that collected intelligence information for Israel, according to a report by Israel Radio's Persian language program.

Israel Radio said that eight Iranian citizens have been arrested on suspicion of connection with the alleged spy ring.

An Iranian Foreign Ministry spokesman said the affair was serious, but did not disclose whether or not those arrested are Jewish.

Former Iranian Intelligence Minister Ali Fallahian is slated to release more details at a later date.

In 1999, Iran indicted 13 of its citizens, most of them Jewish, on charges they were part of an Israeli spy ring. They were tried in a closed Islamic court in 2000, and 10 were handed prison terms.

The last of the ten were released before the completion of their prison terms, following intense pressure and widespread condemnation from human rights groups and Western governments.

http://www.freerepublic.com/focus/f-news/1304909/posts

 エルサレム・ポストにも記事があるらしいが,未見.


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