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CIA(英語)

「D.B.E 三二型」(2010/11/30)◆CIA本部の「暗号彫刻」 制作者が解読ヒントを発表

「GlobalSecurity」◆(2009/08/25) CIA Probe and the Torture Debate

「GlobalSecurity」◆(2009/09/01) Federal Judge Denies Request For CIA Documents / VOA 01 Oct 2009

「Guardian」:CIA threatened families of detainees

「Real Clear Politics (Blog)」:The CIA's Fight With Obama

「Time」◆(2013/05/29) Exclusive: Read an excerpt from the new spy thriller by ex-CIA operative Valerie Plame

「VOR」◆(2012/02/11)ハッカー集団「アノニマス」CIAのサイトを攻撃

「VOR」◆(2012/09/21)女性,CIAの秘密兵器
> ニューズウィーク誌の評論員が作戦参加者の回顧録を引用して,ビンラディン暗殺作戦を成功させるのに重要な役割を果たしたのはCIAのターゲッター「ジェーン」という女性だった,と伝える.
> ターゲッターは無人機からの不鮮明な画像や諜報で得られた断片的な情報からテロリストや麻薬商人,武器密輸賞の正確な所在を割り出す高度な分析官.

「VOR」◆(2012/11/10)CIA長官,不倫のため辞任

「VOR」◆(2012/11/11)米CIA長官の辞任スキャンダルに関する詳細
> 米政府報道官が伝えた所では,CIAのぺトレイアス長官は脅迫メールがFBIによる捜査開始のきっかけとなり,その結果として辞任を余儀なくされた,としている.
> ぺトレイアス長官は,長官の伝記を執筆した女性ジャーナリストのブロードウェル氏との不倫を理由に辞任している.

「VOR」◆(2012/11/15)FBIがCIA元長官愛人の自宅から秘密文書を発見

「VOR」◆(2012/11/30)謎の死を遂げた学者の息子 CIAに対して訴訟起こす

「VOR」◆(2012/12/11)CIA 将来を決めるのは発展途上国と新技術

「WP」:CIA Hired Firm for Assassin Program

「WP」:GOP Senators Pull Out of Inquiry Into CIA Program

「WP」◆(2010/03/21)Under Panetta, a more aggressive CIA

「国際インテリジェンス機密ファイル」◆(2012/11/12)佐藤可士和『超整理術』を読み解く&ペトレイアスCIA長官,不倫で辞任

「スパイ&テロ」◆(2012/06/04) CIAインテリジェンス研究センター

「毎日ミリタリー」◆(2010-08-20)米CIA,核など大量破壊兵器拡散阻止へ新組織 とか

●書籍

At the Center of the Storm: My Years at the CIA (Hardcover)
by George Tenet (Author) $17.99 & eligible for FREE Super Saver Shipping
on orders over $25. Details
ジョージ・テネット:『嵐の中心にいた,私のCIA長官時代』

 アメリカのブログで,テネット前CIA長官の書いた本が今週出版されることが話題に.
http://corner.nationalreview.com/
 NROのコーナー・ブログに拠れば,この本の中でテネット元長官はチェイニー副大統領を批判しており,またビンラーデンやタリバンの調査をしていた時代に,クリントン大統領がCIA予算を25%削減したことが大きな傷になった,といっているらしい.

――――――ニュース極東板

『CIA』(B.フリーマントル著,新潮社,1984.9)

『CIA株式会社』(F.W.,Jr.Rustmann著,毎日新聞社,2003.1)

 著者のフレッド・ラストマンはCIAのケースオフィサーとして24年間秘密工作に当たってきた情報活動のプロです.
 90年に退役後,ビジネス・インテリジェンス分野の草分けとして有名なCTCインターナショナルを創設し,業界をリードしています.

――――――おきらく軍事研究会

『CIA失敗の研究』(落合浩太郎著,文春新書,2005.6)

『CIAとアメリカ』(矢部武著,廣済堂出版,1986.9)

『CIA秘録』(ティム・ワイナー著,文春文庫,2011/8/4)

 諜報機関の活動について書かれた本を読むと,
「吹かしてねーか?
 秘密のベール裏側で活動してるんだから,ぜってー成果を実際より多く言ってるだろう」
ってものが多い気がするんだが,本書は
「マイナス方向に解釈しすぎじゃねーのか?,いくらなんでも」
って感想が読んでてわいてきた.
 証言と一次資料だけつかって,ここまでの本を書くとは著者はすごい.
 ここ最近(9.11)以降に書かれたCIA関係の本(「CIAは何をしていたのか」「私はCIA諜報員だった」とか)はどれもCIAの能無しっぷりを糾弾してたけど,発足当初からまるでダメな組織だったとは.
 初期の長官連中の無能は,笑えるほどひどい.
 諜報機関じゃなくて秘密工作機関(失敗ばかりの)を作っていたとは.
 まともなマコーン長官が出てきたら,JFKとRFKが無茶ばかり言うようになるし・・・
 日本にも諜報機関が必要って論は一杯あるし,俺も必要だと思うが,CIAは反面教師としてみるべきだな.
 あと,JFK暗殺にカストロが噛んでたんじゃないかって説は,軍産複合体の陰謀なんかよりずっとすっきりしてて納得できるな.

――――――軍事板
 まだちらっとしか読んでないんだが,本当に壮絶だな.

 しかし何が素晴らしいかって,上巻460ページのうち120ページが,出典と中略にあてられてて(下巻は少し少なめ),それらもちゃんと訳されてる(日本語版編集部による加筆も僅かだがある)のが素晴らしい.
 ソース・ノートを翻訳にさいし削る連中は,この本のページを煎じて飲むべきだ.

――――――アドバンスト杜聖 ◆REH634FRNQ in 軍事板,2010/06/02(水)
 アメリカが誇る諜報機関CIAが,実は失敗ばかりのボンクラ組織でしたよってことを,上下巻に渡って解説した本でした.
 参考文献の記載も,この本はかなりの部分を割いて記載しているので安心!
 内容は,杜撰な計画で工作員を降下させ,片っ端から現地の官憲に拘束されて処刑されたりとか,たまに頑張っても,大統領が情報を信用しなかったせいで大事件になるとか,アメリカのドタバタっぷりが一杯で非常にアレでした.
 取りあえず,「何かに大金をかける→それがどこかに消え去る」みたいな,同じパターンの失敗を繰り返しすぎだろうと(ry
 何でも者は次に,FBIを題材にした本を出すらしいので,それが邦訳されるのを楽しみに待つ事にしよう.

------------軍事板,2012/04/16(月)
青文字:加筆改修部分

『CIA流戦略情報読本』(H.E.マイヤー著,ダイヤモンド社,1990.9)

『CIAを創った男ウィリアム・ドノバン』(吉田一彦著,PHP研究所・文庫,2002.2)

『三重スパイ CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」』(ジョビー・ウォリック著,太田出版,2012/11/22)

『三重スパイ.CIAを震撼させたアルカイダのモグラ』を読み解く (2013/02/22)◆「国際インテリジェンス機密ファイル」

『スパイ帝国:CIA』(A.タリー著,朝日ソノラマ文庫,1985.10)

『戦争大統領 CIAとブッシュ政権の秘密』(James Risen著,毎日新聞社,2006.9)

 この本の内容を一言で言えば,「CIAの能力が危機的に劣化していた」という事である.
 日本では情報機関設立万能論が一部ではあるが,機関,人員,予算が満たされていても,インテリジェンス・レベルは,自動的に向上するものでは無い事が,この本を読めば解る.(『おきらく軍事研究会』評)

『秘密戦争の司令官オバマ,CIAと特殊部隊の隠された戦争』を読み解く (2013/01/23)◆「国際インテリジェンス機密ファイル」


 【質問】
 CIAのニックネームは「カンパニー」ですか?

 【回答】
 「カンパニー」というのは中の人が自分の組織を呼ぶときの言い方で,他所の人は「ラングレー」というんじゃないでしょうか.
 空軍のラングレー AFB と紛らわしいですが.

 他にも所在地で呼ばれている事例はあって,国務省の「フォギーボトム」,NSA の「フォート・ミード」,議会の「キャピタル・ヒル」がありますね.
 国防総省は建物の形で呼ばれてますけれど,所在地でいうとアーリントンかな.

井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 CIAには人材確保面でどのような問題があるか?

 【回答】
 過去5年間でCIAだけで14万人の応募者がいたにも拘らず,アメリカの情報共同体は,極度の職員不足に悩まされている.
 Washington Postによれば,国家情報長官ジョン・ネグロポンテ(John D. Negroponte)が作成した「Strategic Human Capital Plan」に,そのような結論が書かれている.

 ネグロポンテは,連邦省庁が職員誘致に関して民間分野の競争相手となっていないことを認めている.
 特務機関の新職員の多くは,「25〜30年を超えて連邦官庁で働くつもりはなく」,「職場と雇用主を何度も変える用意がある」.

 報告書によれば,CIA職員の40%以上が過去5年間に集められた.
 その大多数は,「余りに様々な業務スタイル,社会のエチケット,服装,語彙」を有しており,このことは,経験豊富な職員や指導者との「文化摩擦」の原因ともなっている.

 ネグロポンテは,情報共同体にはより深遠な新職員採用手続が必要だと確信している.

2006/10/21(土) 午後 0:28


 【質問】
 CIAはエージェントにつける暗号名をどのように決めているか?

 【回答】
 コンピュータによって無作為に命名される.

(M. Bearden他「ザ・メイン・エネミー」下巻,ランダムハウス講談社,'03,P.280)


 【質問】
 本当に「CIAの陰謀」だったことが判明した国際事件って,どれぐらいあるのだろうか.

Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月28日 20:46:44

 【回答】
 コントラ事件くらいでは.
 しかもあれも,一般人にはほとんど無関係の陰謀.
 他にも南米政権のクーデターにも関わっていたという話も,かなり信憑性をもって語られているが,〔略〕,これまた市民をおとしいれるような陰謀ではなかったなぁ.

 あと911は,CIAもFBIもネオコンもフリーメーソンもスカル&ボーンズも,イルナミティもMJ−12もレプティリアンもグレイも,ナチスの残党も,みーーんな関わっているらしいよ.

Posted by ぽへぽへ at 2006年06月28日 23:28:26


 イランのモサデク政権を潰したクーデターはどうでしょう?

Posted by Shaul at 2006年06月29日 16:14:17

 他に有名な事件としては,
1961年のピッグス湾事件
1964年のトンキン湾事件
がある.

 ちなみにどうでもいいことだが,日本語版wikipediaの「中央情報局」の項も,陰謀論者が書いたの?ってくらいの内容が散見される.

「週刊オブイェクト」コメント欄,2006年06月28日付
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 CIAの対イラン活動網はどうなっているのか?

 【回答】
 壊滅させられた可能性が高い.

 2005/2/12付のロサンゼルス・タイムズは,
「1990年代前半のイランで,米中央情報局(CIA)の情報収集網が壊滅させられ,多くの情報提供者らがイラン当局に殺害されたり投獄されたりした」
と報じ,同日,国防総省国防政策委員会の元議長リチャード・パール氏はCNNに対し,ロサンゼルス・ タイムズの報道を確認.
「イラン国内に情報源となる協力者のネットワークを作るよう国防総省から要請され,CIAが情報収集網を作ったが,CIAのずさんな情報管理のせいで壊滅させられたようだ」
と話した.
 パール氏は自らイラン国内の活動に関与したわけではないが,国防政策委員会を2004年退任した後,担当者から経緯について聞かされたという.

 CNNは,「複数」の元米政府関係者がCNNに対し,その話を明らかにしたとも述べている.

(CNN, 2005/2/13)


 【珍説】
オルタナティブ通信: プロ野球・読売巨人軍はCIA組織

 【事実】
 いや・・・あのどっから突っ込んでいいのかわからないんですが.
 だいたい読売は,戦後の一時期はどちらかと言えば左寄りだったのですが.
「日本人に政治経済を考えさせないために,巨人をCIAが援助」ですか.
 本当にCIAも御苦労なことで.
 多分ミスター長嶋や世界の王とか知らないんでしょうね,こりゃ.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年07月21日11:31

 ちなみに巨人の正力松太郎オーナーは戦前,日米野球をやるためにメジャー・リーガーを日本へ招いたが,日米野球を神宮で行ったため,
「神聖な場所を穢(けが)した」
として,右翼から攻撃されている.


 【質問】
 「CIAと麻薬の関係」の実際は?

 【回答】
 さて,1950年代後半から60年代にかけて,世の中では「三悪追放運動」と言うのが盛り上がりました.
 麻薬の広がりで中毒者数が拡大し,社会問題になった頃に沸き上がった運動で,商行為として法の保護を失った売春が地下に潜るにつれ,その権益は地下勢力,すなわち暴力団の格好の資金源となります.
 暴力団は若い女性に麻薬を与え,依存症に陥らせて縛り付け,娼婦として働かせると言う形で甘い汁を吸う訳です.
 つまり,麻薬と売春と暴力団の三悪を滅ぼせば世の中が平和になるとして,盛り上がったのが,「三悪追放運動」なのです.

 これが市民運動として盛り上がり,特に麻薬撲滅に関しては,総理府総務長官を本部長に,厚生省の取締官,都府県の取締員,警察庁,税関,海上保安庁,入国管理局,鉄道公安員と言った治安装置が総動員されて取りかかり,更に麻薬と知りまり法の改正が幾度も行われ,厳格化された為に,1961〜1962年を頂点に,麻薬中毒者は減っていきました.

 やれば出来た訳ですが,当初の広がりが防げなかったのは,米軍基地と言う大穴の存在があったからです.
 1959年3月,横田基地に着陸した米空軍第6102部隊作戦中隊所属の航空機内から,ヘロインとモルヒネ4.263kg(当時の時価で20億800万円)が見つかりました.
 米軍太平洋空軍横田基地特別犯罪調査部(O.S.I.)からの連絡で,運び屋にされた空軍通信兵の尋問に麻薬取締官が立ち会い,やがてこれを突破口に,香港,横田,横浜,神戸を結ぶ国際麻薬コネクションの摘発が為され,以後,これを切っ掛けにして米軍との協力関係も築かれる様になり,穴も塞がれていきました.

 余談ながら,高度経済成長前の日本では外貨保有高が20億ドルを切れば景気に赤信号が灯る状態でした.
 そんな時,第7艦隊の空母が佐世保,呉,横須賀に入港する度に,数千人規模のオンリーさん達の大移動が起きていました.
 これはその当時,激化しつつあったヴェトナム戦争に参加した米軍水兵の戦時加棒給を狙ってのものであり,基地の街で稼いだ彼女たちの稼ぎは,日本の外貨を下支えするものだったりします.

 ところで,この麻薬は何処から来たのか.
 当時,政府部内では,「周恩来の麻薬」と言う言葉が使われていたそうです.
 中国で麻薬が生産され,香港,バンコク,ヴェトナム経由で米国に大量に売られると共に,日本にも密輸されていると言うもの.

 しかし,当時は今と違って大陸中国(中共)との国交は無く,米国が対中封じ込め政策を採っていた時ですから,米国と大陸中国との貿易関係は元より,人の往来もありません.
 日本との関係でも,僅かの民間貿易,日中貿易促進会や国際貿易促進会を窓口にした厳しい「管理」貿易と,香港経由の相互に選別された少数の人々の往来はありましたが,大陸中国から人を招くと警視庁外事係が何処にでも付いて歩き,訪中するとなると,外務省から公安調査庁に連絡が行き,訪問先の情報収集を依頼すると言うシステムになっていて,それに対抗して大陸中国側もきつい閉関政策を採っていました.
 また,日本に居住する中国人達は,台湾系,香港系,親大陸中国の華僑総会系,更に出身地別に色分けがはっきり為されていて,大陸中国の麻薬密売人が入り込める程,日本の警察は甘くなく,しかも,CIAやFBIも監視する事もある国でしたから,本当に「周恩来の麻薬」なのか,当時からも不思議がられていました.

 その情報の出所は,1960年代初めの米連邦麻薬局の局長であったハリー・アンスリンガーの発言でした.
 当時,アジア地域に出回った麻薬は,後に「黄金の三角地帯」と呼ばれる様になる,ビルマのシャン族支配地区で生産されたものです.
 1949年,大陸中国軍に追われ,この地域に逃げ込んだ国民党軍が,此処に居座り罌粟を栽培させ,軍資金に充てた事は早くから知られていましたが,この麻薬の流れを欺瞞する為,台湾の蒋介石政権は,意図的に「中共の麻薬の話」をでっち上げた訳です.
 そして,それを真に受けたのがアンスリンガー局長であり,彼は,
「外貨稼ぎを兼ね,米国の青年を腐敗させようとする中国共産主義者の悪巧み」
について発言を行い,これが回り回って,日本の政府関係者に伝わり,「周恩来の麻薬」と言う伝説が生まれた訳です.

 ところが,反共封じ込め政策は失敗に終わり,ヴェトナム戦争の激化に伴い,戦場の米兵達にハード・ドラッグ(ヘロイン)が蔓延すると,そんな世迷い言は言えなくなります.
 第2次大戦前,ビルマの阿片生産は40トン程度でしたが,1962年には300〜400トンと10倍に達し,タイでも7トンから100トンに増えていました.

 1970年の米国連邦麻薬取締局の報告書では,既に1950年代末にビルマ,タイ,ラオスの黄金の三角地帯は一大生産地に変貌し,現在世界の不正供給の年1,250〜1,400トンの半分以上を生産するに至っていると述べていました.
 また,同じ報告書では,大陸中国は中華人民共和国成立後,麻薬生産を拡大させるどころか,逆に1950年代半ばまでに不法阿片生産の禁止に成功した事も認めています.

 実際には,その黄金の三角地帯では,1950年代初期にCIAがビルマ側に逃げ込んだ国民党軍の支援に乗り出し,ここで栽培された阿片が,騾馬の背でタイのチェンマイに運ばれ,CIA提供のヘリコプターや飛行機でバンコクに送られる事を黙認したのが,事の発端でした.
 第1次印度支那戦争では,フランス情報部がラオスの少数民族に栽培を強制し,サイゴンの警察軍に販売権を与え,反ヴェトミン勢力醸成の資金源にしていますが,フランス情報部と違って,CIA自身は,タイやラオス,それに南ヴェトナムでゴ・ディン・ジェム政権を作って介入した時も,その秘密活動資金を得る為に麻薬取引には手を出してはいません.

 とは言え,副大統領のグエン・カオ・キが彼の空軍輸送機でラオスからサイゴンに運び込み,それが彼の権力の源泉になり,その分け前を巡って政権内で暗闘が絶えず,1969年末からは香港から送り込まれた職人の手で,黄金の三角地帯でヘロイン製造が始まり,これがヴェトナム駐留の米軍兵士に売られ,1970年代初めにはヴェトナム駐屯米軍兵の15〜20%に当る25,000〜37,000人がヘロイン常用者になったと言う軍医の報告を知りながら,CIAも米大使館も何の手も打たなかったと言う不作為の罪があります.
 これは彼らの商売を阻止すれば,政府の崩壊に繋がる事を知っていたからでした.

 ところで,当時から本当は中国が麻薬の製造工場ではないのか,と言う疑問が出されています.
 特に,CIAの反発は強いものでしたし,現在でもこの説を支持する人も居ます.

 非合法麻薬流通の経済について少し触れると,ラオス辺境の栽培農民が10kgの阿片を売って手にするのは400〜500ドル,これが近くの加工工場に集められ,1kgのヘロインに加工されてその価格が平均500ドルになります.
 出来たヘロインをバンコクやサイゴンに運んだら2,000〜2,500ドル.
 香港や中南米経由でマイアミ,ニューヨークに着くと,卸値で18,000〜27,000ドル,それから何段階もの流通ルートを経て,キニーネやブドウ糖で薄められ,45,000個のカプセルに詰められ,末端で注射1回分のカプセルが5ドルで売られるならば,当初500ドルのヘロインは,225,000ドルの価格に跳ね上がります.
 中国がこうした麻薬商売で儲けようとすれば,少なくともマイアミぐらいまでのルートを握らない限り,黒字にならないそうです.

 今,米国は中南米からのコカイン流入の撲滅に力を注いでいますが,これもヴェトナムに倣い,CIAが中南米の農村に現地人の工作員を送り込んでいた,1960年代後半に遡ります.
 1967年,ボリヴィアでチェ・ゲバラが殺された時,反ゲリラの工作員は,農民を味方に付ける為,彼らにコカ栽培を勧め,やがてその運び出しを手伝い,それが巨大な流れになって米国に流入し,この流通を掌握した奴らが軍事独裁者として国の頂点に君臨すると言う,正にヴェトナムなどで繰り返された手法だったりします.

眠い人 ◆gQikaJHtf2,2010/09/17 23:16


 【質問】
 1990年代以降のCIAの,惨状について教えてください.

 【回答】
 1990年代のクリントン政権から先代のブッシュ政権に至るまで,CIAの状況は惨状を示している.

 クリントン政権は,あまりにもリベラルな姿勢を国内に示そうとしたし,CIAも方針変更の状況判断を誤り,日本との経済戦にあまりにも人員を割きすぎた.
 その結果,それまで,CIAが仲良くしてきた独裁者との不祥事が発覚するやら,反共勢力だったムジャヒディンたちが反米勢力へと転換していくやら,とんちんかんな事態が生じ,完全に権力の周辺にいる人間から,煙たがられる存在になった.

 クリントンの後の小ブッシュ自身は,CIAに特別の嫌悪を抱いていたわけでないといわれるが,彼が重用したネオコンの人々は,国防省ラインに接近を図り,前政権と同様にCIAを煙たがった.

 さらに,2004年にCIA長官に就任したポーター・ゴスは,CIAの幹部たちとことごとく対立.
 幹部や経験のある諜報部員たちが,やっていられるかと,次々にやめ,あるいは粛清的人事もあったのではないだろうか,2005年時点のCIA職員は,なんと半分がキャリア5年以下の,「スパイごっこ」にしか役に立たない連中が占めていたとさえ言われている.

 そして,そもそもNSAはじめとする国防総省系の情報機関は,偵察衛星とか,電子偵察機とかはすごいのだけど,元々ヒューミント戦=人を介しての諜報戦や謀略戦はそれほど得意ではない.

 つまり,CIAの状況というのは,1990年代の冷戦の終結からごく最近まで,悲惨の一言に尽き,それに伴って,アメリカの情報機関総体の能力も,かなり不足気味だったのではないかと思われる.

 人を介して,人を動かせないし,枢要な情報も入らない.さらに,必要な情報を取りそこね,逆に本物をガセと取り違えたり……
 もっとも典型的なこの方面での失敗は,911事件の情報の捕捉だろう.
 イスラム系のテロ組織だって一枚岩ではなく,実のところ,911については多くの警鐘がならされていたという.
 ところが,その時点までに,CIAを中心とする情報機関は,いわば「警告疲れ」の状態にあり,ついに決定的な情報を見逃してしまった……
 まあ,911の陰謀論で未だに声高に唱えられる,合衆国政府自作自演説が根強く残ってしまうのは,正直,このためであろう.
 ともあれ,CIAは大変に大きなテロを防ぎとめることができなかった.
 中にはラディンの側近からの,早期からの警告もあり,冷戦時代のCIAならば,それを見逃すようなことはなく,喜び勇んで謀略によるアルカイーダの分裂を図っただろう.

 しかし,1999年時点でこの体たらく.それが,5年後にはさらに弱体化……
 多分,アメリカのヒューミント戦での能力低下は,未だに回復していないのではないか.
 イラクは何とか撤兵に目途をつけたものの,アフガンでは大苦戦が続き,今はリビアに強硬な介入を行なわない……
 そんなオバマ政権の態度は,今ひとつ,状況を読みきれずに,みたいなのを感じるわけだ.
 で,そんな中で伝わってくる今後の人事の方針,
■米国防長官の後任,パネッタCIA長官を指名へ
(読売新聞 - 04月28日 06:51)

 CIA長官→国防長官,アフガンを指揮してきた軍人→CIA長官
という流れは,何となくだが,本格的な情報機関の整理統合に向けて動く布石じゃないのかと感じられる.

ソフトヒッター99 in mixi,2011年04月28日14:54
青文字:加筆改修部分

 そもそも,この迷走はカーター政権から始まったという見方もある.


 【質問】
 新CIA長官ゴスは,どのような方針を持っているか?

 【回答】
 米紙USAトゥデー(2004/11/18)は,米政府高官のことばを引用し,米中央情報局(CIA)のゴス新長官が北朝鮮,イランなどの敵性国家やテロ組織にスパイを送り込むなどの攻撃的な諜報活動を展開するよう要求したと報じている.
 同紙は「ゴス氏の新しい計画は,CIAの伝統的な情報収集活動のスタイルとは格段に異なる」とし,「情報当局は高級情報が得られるが,正体が発覚すると死亡する危険性が非常に高い」と指摘.「CIAは9.11テロ以降,変化に向けて試行錯誤してきたが,ゴス長官の期待には及ばなかった」とし,「ゴス長官は下院情報特別委員長時代,CIAの諜報活動への努力は機能障害を起こしているという答申をまとめた」と伝えた.
 同紙はまた,「ゴス長官は全世界のCIA要員に送った電子メールで,CIAは歪曲されていない情報を提供すべきであり,政府の政策に反対してはならないと主張した」と報じている.


 【質問】
 2006年8月に新たにCIA長官に就任したヘイデンとは,どんな人物か?

 【回答】
 ヘイデン空軍大将は,ROTC(予備役将校訓練過程)出身.67年の任官からほぼ一貫して情報勤務についている生粋の情報官です.

 主な経歴は以下のとおりです.

 8空軍司令部(グアム)情報担当(72-75)
 51戦術戦闘航空団(韓国)情報部長(80-82)
 ブルガリア大使館附武官(84-86)
 国家安全保障会議国防政策・軍備管理担当部長(89-91)
 米欧州集団司令部情報部長(93-95)
 空軍情報局長(96-97)
 在韓米軍参謀副長(97-99)
 国家安全保障庁(NSA)長官(99-05)
 国家情報副長官(05-)

 現役軍人が情報機関のトップにつくことへの業界の反発は根強く,元CIA関係者の反発のことばが様々なメディアを通じて出ています.
 また,米大衆紙「USAToday」は11日,「ヘイデン大将が長官をしていた当時の2001年,NSAが国内通話を盗聴していた」と報じ,一方,ワシントンポストとABCテレビが行なった世論調査の結果では「NSAによる盗聴はテロ対策上必要」とする回答が63%に上っています.
「自分の通話が盗聴されても構わない」
とする回答も66%となっており,ブッシュ大統領が,ヘイデン大将のCIA長官就任を促すよう上院に求めている姿勢の背景になっているようです.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)5月15日

 写真の目つきがなんだか良くない,ヘイデン大将の履歴ページ.
http://www.af.mil/bios/bio.asp?bioID=5746

 情報畑の出身で大将まで昇進するんだから,タダモノではありませんね.

井上@Kojii.net in mixi支隊


 【質問】
 最近,CIAがSECにアドバイスしている理由は?

 【回答】
MONDAY, MAY 21, 2007
CIA Briefs SEC By STEVEN M. SEARS
という記事によれば,毎月の定例会議でSECのChristopher Cox 議長と4人のトップがCIA からテロリスト情報のアドバイスを受けているという.

 バロンズの取材に対し,Christopher Cox議長はCIAからのテロリスト情報はSECにとって
"underworld of murky, illegal dealings that threaten the world capital markets."
(世界の資本市場を脅かす,アングラ世界の不透明で非合法な情報)
を開示するものであり,
"The U.S. government's focus on money laundering and terrorist financing and other criminal activities in the capital markets has laid bare a good deal of activity of that sort,"
(アメリカ政府はテロリストの金融情報,マネロン,そのほかの犯罪行為に注目していて,資本市場においても,防衛のための行動を取る必要がある)
と述べている.

 欧州の保険会社の株式の取引を調査すると,アルカイダのテロの実施前に怪しげな取引の見られるケースがあるという.
 仮に911事件のような大きなテロ事件を事前に知る勢力が,資本市場を利用すれば(理論的には)巨利を得ることも可能である.
 テロリストがプット・オプションを多量に購入してビルの爆破とか航空機の爆破するといったことは,飛躍が有りすぎなのだが,アメリカの金融市場ではなく,規制や監視の弱い開発途上国の資本市場はテロリストの金儲けに利用される恐れがあるという.
 2月,インドの国家安全保障アドバイザーであるM.K. Narayananは:
"isolated incidents of terrorist outfits manipulating the stock markets to raise
funds for their operations."
(テロリストが株式市場を利用して資金を得ようとしているケースがある)
といっている.

 電子取引市場のグローバル化で,世界の何処からでも株式市場や商品市場にアクセスが可能になり,その機会を利用できるので,アメリカ国内だけの規制や監視だけでは国際化した新しい不法行為や市場操作に対応できない.
 SECやCIAは国際的な規制や監視の協力体制を計画している.

Meanwhile, the SEC recently asked the CIA for higher security clearances.
The intelligence community is currently vetting Cox and the commissioners to see if they qualify for access to even more highly classified information than they are currently shown in their intelligence briefings.
(こうした事情に伴って,SECは内部機密保護の体制を整える為にCIAに協力を依頼していて,SECがより高度な諜報情報にアクセスできる体制を取れるかを検討中)
だという.

 バロンズはWSJなどの親会社,ダウジョーンズの持つ株式情報雑誌で,この分野では信用のあるメディアとみなされていると思う.

ニュース極東板


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