c
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ
◆各国別
<諜報FAQ目次
(画像掲示板より引用)
「D.B.E 三二型」(2010/08/30)◆変死のMI6職員,現場から「SMセット」発見?英報道
「DailyNK Japan」◆(2015/10/07) 【対北情報戦の内幕-8-】公安調査庁はなぜ中国へ「スパイ」を送ったのか
「DailyNK Japan(デイリーNKジャパン)」はサイト名通り,北朝鮮について幅広く扱っている北朝鮮専門ニュース・サイトです.
この記事は面白かったです.
実際の公安の任務や役割を知る事は難しいでしょうけれども,色々と想像をかきたてられます.
------------戸R in FAQ BBS,2015/10/20(火) 22:14
青文字:加筆改修部分
「Defense News」◆(2012/06/24) Italian Air Force Flying Leased SIGINT Gulfstream
「Defense News」◆(2012/11/02) Cyber Defense Takes Center Stage in Nordic Cooperation
Foreign Intelligence Service of Georgia (グルジアの情報機関である対外情報局のHP)
「Guardian」◆(2010/09/02) MI6 officer's body was 'locked in bag'
「IISS」◆(2009/07/15) Reuters - Germany's BND denies report on Iran bomb timing
「Indian Defence」◆(2013/05/20) Four ISI agents held near Army base in Sukna
「IT Media」◆(2012/11/01)ロシアのサイバー攻撃にグルジアがマルウェアで反撃,「ハッカー」の写真を公表
「litera」◆(2014.09.29) 編集局長がKGBのスパイだった!? 産経が頬かむりする「売国」的過去
「Military Technology」◆(2013/05/29) Baltic states begin preparations for Saber Strike exercise
「NY Times」◆(2012/12/09)Karzai Implicates Pakistan in Attack on Afghan Spy Chief
「OSINTSUM」◆(2010/04/11)「秘密保全,下に言うより上でやれ」
「Strategy Page」:INTELLIGENCE: Italians Make Libya Safe
「Strategy Page」:INTELLIGENCE: Israel Spying On America Again?
「Strategy Page」:INTELLIGENCE: Keeping The FBI Out Of The Mines
「Strategy Page」◆(2013/05/29) INFORMATION WARFARE: Arabs Provide Target Practice For Israeli Hackers
「VOR」◆(2012/03/29)ロシアの情報機関に精霊との談合容疑
「VOR」◆(2012/04/02)ソ連の対外諜報局長はなぜ自殺したのか?
>重病が原因だったのではないかと見られている.
「VOR」◆(2012/04/10)イスラエルのスパイ,米国で終身刑
「VOR」◆(2012/06/16)バチカン 極秘情報を持つシステム・エンジニア失踪
「VOR」◆(2012/08/13)クレムリンで「シークレット・エージェント」拘束さる
「VOR」◆(2012/08/25)トルコと米国 「諜報の盾」作りで合意
> トルコはシリア領内からのテロリスト侵入を阻止する為,「諜報の盾」を作る事で米と合意.
「VOR」◆(2012/09/02)英国 ロシアに「マグニツキー・リスト」を渡す
> 英は在モスクワ英大使館に,露で2009年11月に脱税の容疑で拘留中だった,
>「エルミタージュ・キャピタル・マネージメント」のマグニツキー弁護士が死亡した事に関連して,
>英への入国を禁止するロシア人の役人の名前が記載された公式リストを渡す.
> サンデー・タイムズ紙が伝えた所では,外務省はマグニツキー氏の拷問や死亡に加わった裁判官,
>情報機関の将校,検察官など60人の名前を送った,としている.
> 昨年11月,英ではマグニツキー・リストが存在しているとの噂が流れたが,英はこの情報を否定していた.
> マグニツキー氏の同僚は,同氏が国家予算からの54億ルーブルの横領を暴いた為,逮捕されたと考えている.
> なお,マグニツキー氏の死亡に関する公式調査は,まだ終わっていない.
> ロシア人交換に対する同様の措置は,米でも検討中.
「VOR」◆(2012/10/19)英国 「サイバースパイ」養成へ
「VOR」◆(2012/11/05)ロシアで軍事偵察の日
>露では国と軍がGRU(軍参謀本部情報総局)の創設94年を祝っている.
「VOR」◆(2012/10/18)ロシア国防省 ハッカーを募集
「VOR」◆(2012/11/11)ヨルダンの元諜報機関長官 資金洗浄で13年の禁固刑
「VOR」◆(2012/11/25)シナイ エジプト諜報機関の建物で爆発
「VOR」◆(2012/11/28)CNN 北朝鮮エージェントを暴露
> CNNは脱北者達の組織を立ち上げた人物の暗殺する為,北朝鮮が送り込んだエージェントを,韓国特務機関が逮捕した事に関する番組を放映.
> 脱北者組織は,体制批判のビラを付けた風船を北朝鮮に打ち上げる運動をしており,立ち上げた人物は暗殺計画を知った後も,運動を止めるつもりは無いと明言する一方,実際に暗殺計画があったのかどうか疑わしいとも述べ,計画を阻止した韓国国家情報院は,責任回避の為に保身策を講じたのではないかと推測している.
> 今回の逮捕劇は1年前の出来事で,大統領選を控えたこの時期に,なぜ発表されたのか様々な憶測を呼んでおり,国家情報院は北朝鮮との関係改善を主張する左右両勢力の候補者に,そうした事をするには値しない,とそれとなく伝えたいのではないか,との見方も出ている.
「VOR」◆(2013/02/24) アフガニスタンの防諜職員 ジャーナリストらに暴行
「VOR」◆(2012/12/28) 英国諜報員,謎の死の原因は性的倒錯?
「VOR」◆(2013/03/15) KGB(カーゲーベー)ソ連国家保安委員会,ひとつのコインの表と裏
「VOR」◆(2013/04/07) フランスの防諜機関,軍事施設についての記事を削除するよう「ウィキペディア」に要請
「VOR」◆(2013/05/19) イラン イスラエルと米国へのスパイ罪で2名を絞首刑
「火薬と鋼」■[実銃情報] イスラエル・モサド用に作られた拳銃
「カラパイア」◆(2010/02/20) 実在する暗殺者たち:ドバイにてハマスの最高幹部を暗殺した11人の暗殺者たちの行動映像と犯行の手口
「キニ速」◆(2012/09/16)オーストラリア軍の兵士達,超セクシーお姉さんとFacebookで友達に→実はアフガニスタンで交戦中のタリバンのスパイでした
「中東の窓」◆(2012/07/29)イスラエルは対敵諜報で中東最大の脅威?
「中東の窓」◆(2012/09/06)イランスパイ網の放映(トルコ)
「中東の窓」◆(2012/09/10)英国スパイ機材の対エジプト輸出禁止
「中東の窓」◆(2012/09/01)モサドのチュニジア浸透(チュニジア政治家の発言)
「中東の窓」◆(2012/09/23)イラン核施設に対するスパイ器具の設置(写真)
「中東の窓」◆(2012/09/23)イラン核施設に対するスパイ器具の爆発
「中東の窓」◆(2012/10/09)イランスパイ網の摘発(イエメン)
「中東の窓」◆(2012/10/25)スーダン武器工場の爆発
「中東の窓」◆(2012/10/25)スーダの武器工場の爆発 2
「中東の窓」◆(2012/10/26)スーダン武器工場の爆発(イスラエル紙の分析)
「中東の窓」◆(2012/10/28)スーダンの武器工場の爆発(APの報道)
「中東の窓」◆(2012/12/05)イランスパイの逮捕(リビア)
「中東の窓」◆(2013/03/20) スパイの摘発(サウディ)
「中東の窓」◆(2013/03/27) イランのサウディ内スパイ網
「ニューズウィーク」◆(2010/11/08)貨物機テロ防ぐサウジアラビアの諜報力
『アメリカ共産党とコミンテルン 地下活動の記録』(H.クレア&J.E.ヘインズ&F.I.フイルソフ著,五月書房,2000.4)
『インテリジェンスなき国家は滅ぶ 世界の情報コミュニティ』(落合浩太郎・中西輝政他著,亜紀書房,2011.12)
『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』(ジョン・アール・ヘインズ&ハーヴェイ・クレア著,PHP研究所,2010.2)
ヴェノナ文書は,膨大な未解読の暗号データが60〜70年代,電算技術の発達で,総当り方式で破られたのが凄いのであって,内容については,なあ.
アルジャー・ヒスについては確かに傍証がでてきたが,ハリ-・デクスター・ホワイトに関してはヴェノナで何も出てこない筈.
ホワイトについては「あの」ホワイトって感じの扱いで,日本との関係にはほとんど触れられてない.
むしろ,中共との関係が中心だね.
しかし,ホワイトさん,本物のエリートだったんだな…….
――――――軍事板,2010/02/17(水)
『大英帝国の外交官』を読み解く (2013/02/19)◆「国際インテリジェンス機密ファイル」
『モサド 暗躍と抗争の六十年史』(小谷賢著,新潮社,2009.6)
『モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」』(エフライム・ハレヴィ著,光文社,2007.11)
『モサド・ファイル』(マイケル・バー=ゾウハー他著,早川書房,2013/1/9)
●落合信彦関連
『落合信彦最後の真実』(奥名秀次著,鹿砦社,2001.12)
『落合信彦破局への道』(奥名秀次著,鹿砦社,2004.3)
『捏造ジャーナリスト落合信彦』(奥名秀次著,鹿砦社,2005.3)
【質問】
アフ【ガ】ーニスタンにおける欧米各国の諜報網はどうなっているのか?
【回答】
松井茂〔軍事・外交評論家〕によれば,各国諜報機関が入り乱れているが,CIAは欧州の機関に比べて見劣りするという.
また,松浪健四郎によれば,米諸機関の専門家が彼の事務所へやってきたという.
なお,伊勢崎賢治によれば,日本には諜報機関がないために,関係機関から回覧用として送られてくる情報を閲覧するくらいしかしていないという.
以下引用.
――――――
ジャーマン・クラブとは,本来はその名前通り,アフガン国内で働いたり,訪問するドイツ人達のための宿泊除と保養・娯楽施設を兼ねている.
そのため構内には,水泳プール,テニスコート,三二・サッカー場などの運動施設があるが,〔ナジブラ政権崩壊直後,著者が訪れたときには〕プールには水はなく,その他も荒れている.
1979年12月のソ連軍の侵攻以後の内戦の激化により,ドイツ大使館も閉鎖され,ドイツ人はいなくなったためだ.
そこで外国人専用のホテルとなって,維持費を稼いでいるのだ.
マネージャーの英語は上手だったが,顔つきは明らかにドイツ人との混血である.
色々脇道にそれるが,なぜ避遠い地アフガンにジャーマン・クラブがあるかと言えば,当時のアフガン政府がドイツの技術力に目をつけたこと,及びドイツは宿敵ソ連や英国の動きを探るための情報工作拠点として活用するためであった.
今日も,BND(ドイツ連邦情報局)は,水面下でアフガンを拠点として協力に活動し,成果を挙げている.
ついでに,アフガン・中東諸国の欧米諸国との関係について,注目すべき点を挙げておこう.
多くの国で,軍事はソ連(ロシア)・情報・治安はフランスを見習うのが普通である.
アフガンも例外ではない.
そこで,フランスのDGSE(対外治安総局)も,ソ連の旧KGBやGRU(参謀本部諜報総局)と並んで,アフガンに情報網を巡らせている.
これらに比べて,明らかに見劣りするのが,今回の軍事介入で,ペンタゴンと並んで主役を努めている米CIAである.
10月26日,タリバーンに捕まって処刑されたアブドゥール・ハク,彼はアフガン上流階級の出身で,アフガン・ゲリラの一派のヒズビ・イスラミ・ハリス派のカーブル戦区司令官として勇戦し,暫定政府の警察庁長官を務め,最近はアフガンの王政復古運動を進めていた.
ハクは明らかにCIAと結んでいた.
そのハクの個人的アドバイザーだったのが,元米大統領補佐官のロバート・マクファーレン.そのマクファーレンは,CIAについてニューズウィーク誌に次のように語っている.
「CIAは惨めな失敗をした.諜報能力が欠けている.現地の言葉を話せる職員に会ったこともない.アフガニスタンの歴史や部族,文化,ネットワークに詳しい人間もいない」(以上,米ニューズウィーク,2001年1月7日号より)
――――――『21世紀のグレート・ゲーム』(光人社文庫,2002/1/18),p.38-39
また,松浪健四郎によれば,米諸機関の専門家が彼の事務所へやってきたという.
以下引用.
――――――
イラクにおける邦人の人質事件から,多くの教訓を学んだ.
その中で,私は日本政府の情報収集能力について考えさせられた.
戦争取材の豊富なフリーのジャーナリストも語っていたが,日本政府には打つ手がなかったらしい.
アメリカが,アフガニスタンを攻撃するかなり前から,CIAをはじめ,多くの情報機関が私の事務所に毎日のようにやってきた.
質問内容は実に専門的であるに加え,彼らの知識の豊富さにもビックリさせられた.
もちろん,日本の機関も足繁く通ってきたけれど,その知識の差は歴然としていた.
――――――『折々の人類学』(専修大学出版局,2005/4/10),p.267
▼ さらに2006.12.15には,ポーランド防諜機関トップが,軍情報部,および防諜機関がアフガニスタンへの国軍展開準備を完了したと述べています.
両機関はアフガン全土での活動準備を完了し,あとは国軍が駐留する地域に関するフロー情報を確実に確保するのみとのことです.
▲
なお,伊勢崎賢治によれば,日本には諜報機関がないために,関係機関から回覧用として送られてくる情報を閲覧するくらいしかしていないという.
以下引用.
――――――
もし日本政府が紛争処理で外交手腕を発揮して,国際的な地位を向上させたいと考えているなら,今のやり方や体制には問題が多すぎる.
しょせん,交渉力というのは情報収集力に依存するもので,相手の状況や変化を正確に把握できなければ,どんな脅しや御褒美が効くのかが判断できない.
主要先進国だけでなく,国連PKOミッションにも諜報活動を行う政務部という部署があり,政務官を送り込んで情報収集をしているぐらいだが,日本には諜報機関がないために,関係機関から回覧用として送られてくる情報の,その他大勢の顧客の一人になるしかない.
戦闘が行われている地域に自衛隊を派遣できないなら,国連の軍事監視団や多国籍軍の司令部に人員を送り込むという方法だってある.
情報源の中枢に人を送り込まなければ,「ニュース以上の」情報は入らないし,他国に示すべき独自性のある戦略は作れない.
武装解除の現場には,停戦合意違反など様々なルール破りを監視する軍事監視が必要だ.
アフガンにおいては,この軍事監視を日本が責任上主導することになり,私が,各国の駐在武官で構成される国際軍事監視団の団長を引き受けることになった.
軍事監視団本部には各武装勢力の勢力分析,いまだに続く戦闘などの状況が逐一報告される.
集まって来るのは第一級の軍事情報であり,他国の大使館やメディアが「情報をくれ」とアプローチしてくる.
ところが,肝心の日本政府からは,こうした情報への渇望は表明されず,情報収集を国益に結びつけるメカニズムが欠落してしまった日本人の体質を確認することになった.
――――――伊勢崎賢治 in SAPIO 2004/6/23号,p.24-25
【質問】
バグラム基地機密漏洩事件とは?
【回答】
2006年4月,アフガンの首都カブール北方にあるバグラム空軍基地から,アルカーイダ幹部の潜伏先情報などの機密資料が流出していることが判明した事件.
フラッシュ・メモリーに収められており,アフガン人従業員が持ち出したようです.
カブールにある放出品市場で,戦闘服などとともに10数ドルで売られていたことで,流出が判明しました.
内容は,05年に実施された作戦に関する内容が主で,地図,作戦計画,分析,アフガン人工作員のプロファイルもあったそうです.
参考
○「米軍基地から機密資料流出」【神戸新聞朝刊】(2006年4月27日)
つーことは,バグラム基地が米軍の諜報の拠点にもなってるってことやね.
【質問】
オマール・スレイマンって誰?
【回答】
元EGIS(総合情報局)長官であり,国内ではイスラーム過激派を抑え,対外的にはイスラエル,PLO,ハマスと最高レベルで交渉をした強者.
1936年生まれ.
軍隊に18歳で入り,1967年,1973年とイスラエルと戦った.
1980年代,北カロライナのフォート・ブラッグにあるジョン・F・ケネディ特殊戦センター・アンド・スクールで訓練を受けた.
1993年にエジプト総合情報局(EGIS)長官に任命さる.
その職範囲は米国のCIA,FBI,シークレットサービと国務省のハイレベルでの交渉全部を合わせたようなものだという.
1993年以来,エジプトでCIAは主として,エジプト総合情報局(EGIS)長官オマール・スレイマンを相手としてきたという.
長年,エジプト政権におけるアメリカの主要な話し相手で,諜報や治安とは全く無関係な事柄についてさえも,ホスニ・ムバラク大統領自身への,主要な連絡経路だったと言われている.
また,国内においてはイスラーム過激派グループを制圧し,そのため同組織は2003年,武装闘争中止を発表している.
2011年2月,長い間空席だった副大統領の職に,ムバラク大統領から指名され,就任した.
ムバラク大統領はほどなく辞任したが,スレイマン辞任の話は2011.2.15現在,聞こえてこない.
英語を良く解し,あかぬけて,洗練された人物だといわれている.
彼を知る研究者は,彼はベテランの有能な情報マンで,あまり話さないが,鋭い質問をし,会った人誰にでも深い印象を与えると話している.
【参考ページ】
「国際インテリジェンス機密ファイル」,2011.2.10付
マスコミに載らない海外記事
中東の窓
【質問】
世界最強といわれるモサド Mossad ですが,実際どうなんでしょう?
【回答】
何を以って最強と呼ぶかは,人によって千差万別ですので,お答えしかねますが,マン・パフォーマンスやコスト・パフォーマンスの高い諜報組織であったことは,間違いないでしょう.
ただし絶頂期は,長官がイサー・ハレルやメイアー・アミットだった頃までのようで,その後は,秘密組織にありがちな,腐敗と暴走の問題に悩まされています.
オストロフスキイ「モサッド諜報員の告白」参照.
また,元モサッド・メンバーが,その裏人脈を使って合法と非合法のグレー・ゾーンで商売をすることも,問題となっています.
依然として高い水準にあることは間違いないようですが…….
消印所沢 ◆z3kTlzXTZk
歴代モサド長官 |
|||
---|---|---|---|
代数 | 名前 | 綴り | 就任期間 |
初代 | ルーベン・シロア | Reuven Shiloah | 1951- 52 |
2代 | イサー・ハレル | Isser Harel | 1952- 63 |
3代 | メイヤー・アミット | Meir Amit | 1963- 68 |
4代 | ツヴィ・ザミル | Zvi Zamir | 1968- 74 |
5代 | イツハク・ホフィ | Yitzhak Hofi | 1974- 82 |
6代 | ナホム・アドモニ | Nahum Admoni | 1982- 89 |
7代 | シャブタイ・シャビット | Shabtai Shavit | ?- 1996 |
8代 | ダニー・ヤトム | Danny Yatom | 1996- 98 |
9代 | エフライム・ハレヴィ | Ephraim Halevy | 1998- 2002 |
10代 | メイル・ダガン | Meir Dagan | 2002-2011.1.7 |
11代 | パルド | 2011.1.7- | |
※1989年から96年までは不明 |
http://www.geocities.jp/ryou_dqn/TISIKI/syakai.html#24
に追記
▼ なお,2009年7月19日(日)には,アミットが88歳で死去.
ちなみに2009年7月16日(木)には,イスラエルの国内治安機関であるシンベトの長官を,1974年から1980年まで勤めたアヒトブも死去している.
享年79.▲
▼ 出典は「イスラエル・ニュース」より.▲
歴代長官
(画像掲示板より引用)
【質問】
以下の記述はどうでしょう?
--------------------
パレスチナのテロリストからの絶え間ない攻撃にさらされるイスラエルでは,時によってテロリストの暗殺などまで実行するモサドなどの特殊機関が存在している.
--------------------首藤信彦著『現代のテロリズム』,p.19
【回答】
モサッドをそういうふうに表現すると,誤解を与えかねないような……
モサッドは第一にまず諜報機関であり,その活動の中の一分野として,テロ組織に対する活動を含んでいるに過ぎません.
引用文のような表現ですと,モサッドをよく知らない人が見たら,対テロ特殊機関であるかのような誤解を与える恐れがありますが,実際は活動を対テロだけに限っているわけではありません.
また,対テロ活動を行っている機関も,モサッドだけではありません.
イスラエル軍諜報部(アマン)やイスラエル総保安局(シンベート)などもまた,その活動の中にテロ組織に対する活動を含みます.
シンベートはモサッド以上に,対テロ活動に重点が置かれていると言ってよいようです.
【質問】
モサドのアメリカでの活動は?
【回答】
イスラエル諜報機関のモサッドは世界最強の諜報組織のひとつとされますが,米でも諜報活動を行なっています.
軍基地のそばのキオスクでものを売ったりしてるそうです.
以下は,実際のモサッド工作員の姿を紹介した記事です.
(英文)
"Mossad still stalking malls near U.S.
military bases"
http://onlinejournal.com/artman/publish/article_4821.shtml
⇒スパイ天国である戦後日本には,世界中からスパイが集まって活動してます.
おそらく現在,わが国で最も諜報活動を行なっているのは米でしょう.
工作員と言えば,北鮮工作員は釣具屋に化けていることが多い,という話を以前聞いたことがあります.
釣り舟を大っぴらに動かせる点がメリットのようです.
おきらく軍事研究会,2009年6月
青文字:加筆改修部分
【質問】
胆力試験とは?
【回答】
仮に佐藤優の記述を信頼するとするならば,イスラエル(?)で行われる試験で,諜報員の資質の一つとして機転や胆力を見るのだという.
以下引用.
――――――
「閣下,胆力はどうやってつけるんですか」
「それは生まれつきだね.ただこの組織に入るときは胆力の試験がある」
「どんな試験なんですか」
この情報大国では,インテリジェンス担当官のほとんどが縁故採用である.まず,履歴を徹底的に調査する.
配偶者の履歴も徹底的に洗う.
そして試験が始まる.
最初数百人いた候補者が10名程度に絞り込まれ,最後に胆力の試験がある.
例えばこんな“指令”が出される.
〔略〕
「○月×日,午前2時,身分証明書や運転免許証など,人定(人物確認)ができる書類を一切もたずに首相官邸の前に来い.
親,家族,友人など,われわれの組織関係者以外と連絡をとることは一切禁止する.
万一,解決不能のトラブルに巻き込まれた場合,××庁に連絡し,認識番号△△△△が助けを求めています,と言え」
それと同時に,インテリジェンス機関関係者が,匿名で警察に
「挙動不審者が深夜,首相官邸付近に現われるという情報がある.テロリストかもしれない」
という通報の電話をする.
警察は本当にテロリストが来るかもしれないと思い,警戒する.そこにやってきた採用候補者は職務質問をされるが,身分証明書がないので説明できない.
ここで身の証しを示すために家族と連絡をとった者は不合格になる.
警察署に連行され,留置される場合もある.
それでも機転を働かせて,うまく逃げた者だけが採用されるのだ.
「いったいどのようにすれば切り抜けることができるのですか?」
「いろいろな例があるよ.
双眼鏡を持っていて,野鳥のバードウオッチングをしているといって,鳥類に関する詳細な知識を披露して,警官を煙に巻いた例が印象に残っているな」
「警察署の尋問で殴られることもあるのですか?」
「あるね.警棒で叩かれたりすることもある.
それでも上手な嘘をつき通して頑張っていると,われわれの方から『もういいよ』といって救出に行く」
「認識番号を言って,組織と連絡をとってきた者はどうなるんですか?」
「不合格だ.採用基準でそう決められている.
このような機転や胆力は,組織に入ってからの研修で身につけることはできない.
生まれつきのものなんだよ.
資質のない者がインテリジェンスの世界に入ってきても,本人にとっても組織にとっても不幸なことになる.
そして何よりも国益を毀損する」
日本のインテリジェンス機関を創設する場合にも,このようなユニークな試験が取り入れられるべきと思う.
――――――『SAPIO』 2007/6/13号
本サイトでは,クロスチェックするに足るだけの情報を持っていないため,上記記述の信頼性は不明.
ただしこれがイスラエルの話だとした上で述べれば,ウォルフガング・ロッツの著書には類似の試験に関する記述はなかったものと記憶している.
もっとも,イスラエルに存在する諜報機関はモサッドだけではないが.
【質問】
「オフェク7」とは?
【回答】
イスラエル国防省は十一日,新型画像偵察衛星の打ち上げに成功した.と発表しました.
会見した国防相は「国防能力を飛躍的に高めるもので,イスラエルの科学技術水準の高さが証明された」と述べています.
「オフェク7」(水平線の意)と名付けられたこの衛星は,重量三百キログラムでテルアビブ南方のパルマヒム基地からシャビットロケットで打ち上げられました.
おき軍事筋の話では,この衛星の役割は二〇〇二年に打ち上げられた偵察衛星「オフェク5」(*1)の代替にあるようです.
これまでより幅広い範囲の画像偵察を行えるそうで,ぶっちゃけて言えばイランの画像偵察が主目的であろう.とのことです.
90分おきに,イラン・イラク・シリアを監視撮影できるようです.
衛星から送られる写真の精度については,現在審査が行なわれているようです.
ちなみにイスラエルは,イランの核開発には核兵器が含まれていると見ており,それに備えた手を着々と打っています.
昨年二〇〇六年には,Eros B1(*2)が打ち上げられており,この衛星はイランの核関連施設に関する情報の収集報告能力があると見られています.
⇒ちなみにイスラエルでは,衛星打ち上げは国防省の年次計画の一部になっています.
衛星打ち上げは作戦上不可欠ということで,軍は一九八〇年代から2年半おきに新型衛星を打ち上げています.
イスラエルの情報関係者は,
「オフェク7は,これまでで最も優れた性能を持つ画像衛星だ.70センチ四方で写真情報を入手できるEros
B1よりすぐれている」
といっています.
国防省で宇宙研究開発計画の責任者をしているエシュド准将は
「イスラエルはこの打ち上げ成功により,作戦機会を大幅に増やすことに成功した」
と述べています.
(*1)オフェク 5; イスラエル
画像偵察衛星
'02/05/28打上げ,
シリア・イラン・イラクのミサイル基地監視に有効
重量660-lbs,
軌道高度370×600km,
軌道傾度143度,
機体寸法8×4-ft,
バタフライ形太陽電池
全長75-ft
センサ分解能0.5m
【出典:コモ辞書】
(*2)Earth Remote Observation System B1
地球遠隔観測システムB1衛星;
イスラエル・ISI社運用,
'06/04/25・SS-25(改)ブースタで打上げ,
軌道高度=508Km,
地表分解能70cm(パンクロマチックカメラ)/3.5m(マルチスペクトラルカメラ),
耐用命数=8〜10年
【出典:コモ辞書】
【質問】
サウディアラビアの諜報能力を教えられたし.
【回答】
ニューズウィーク日本版,2010年11月8日(月)17時39分付によれば近年,欧米を狙ったテロの情報収集において重要な役割を果たしているという.
03年以降の度重なるテロ攻撃など,自国もアルカイダの脅威にさらされていることから,監視活動に力を入れている.
サウディアラビアはテロの標的にされている国々に対し,定期的に情報を提供している.
以前は関与しない立場をとっていたが,03年以降に欧米から強く求められて,協力的な姿勢を見せるようになった.
特にイエメンでの諜報能力は際立っており,国際社会もその恩恵を受けている.
中東情勢に詳しいノルウェー防衛研究所(FFI)の上級研究員トーマス・ヘッグハマーは言う.
「ここ6,7年の間,サウディ当局はイエメンに工作員を派遣し,情報提供者のリクルート活動などを強化している」
「アルカイダ内部にも工作員を潜入させているとみられる」
専門家らによれば,サウディアラビアの諜報機関の特徴は,テロは根絶するものではなく,監視するものと認識していること.
テロリストを片っ端から殺害・拘束するアメリカなどと違い,テロリストを泳がせて監視を続けることで,最大限の情報をつかむことに成功している.
潤沢なオイルマネーもテロ対策を支えている.
「サウディ当局はイエメン政府や地方の部族に対して多額の資金を投じている」
と,カーネギー国際平和基金中東部門のクリストファー・ボウセックは言う.
「そのうえ,対テロ対策の分野ではアメリカともかなり密に協力している」
他方,サウディは
「レバノンやソマリア,アフガニスタン,パキスタンといった国々では,欧米が『悪者』とみなすイスラム過激派組織などに協力している.
さらに国内では,人権を無視したような厳しい監視や取締りを行うこともあり,『警察国家』といわれるほどだ.
そういう意味では,サウディの諜報機関が世界的に優れているとは言えない」
と,元CIAテロ対策責任者は同誌に語っっている.
【質問】
サウディアラビアのムハバラート(中央情報局)と,他国の諜報機関の関係は?
【回答】
松井茂〔軍事・外交評論家〕によれば,CIAやパキスタンISIとの密接な結びつきがある,という.
以下引用.
要するに,サウジ・ムハバラートは,パキスタンISIに,巨額の機密費を提供することで,情報面での傭兵としている.
同様な関係をサウジ・ムハバラートは,米CIAとの間にも結び,ワールド・ワイドに情報を入手すると共に,王室と石油資源の保護のための代理工作機関として活用している.
こうした重要任務のため,ムハバラート長官は,国家警備隊がそうであるように,王室のトゥルキ王子が長年握っている.
歴代のCIA長官にとって,米議会に報告義務もなく,かつ,使徒について詳細な指示もなく,報告も求めない,大らかなサウジのくれる機密費は,本来の国家予算よりありがたいものであった.
中でも,自ら石油事業を起こし,富豪となり,政界に転じた先代ブッシュは,石油大国サウジにとって,最も親しみ易い存在であった.
彼はCIA長官在任中の1978年,サウジを自ら訪問している.
(「21世紀のグレート・ゲーム」,光人社文庫,2002/1/18,p.67-68)
【質問】
ムハーバラートって何?
3行以上で教えて!
【回答】
ムハーバラート(mukhabarat)とはアラビア語で「諜報」(mukhabara)を意味する名詞の複数形で,諜報機関,治安維持警察,武装治安組織を指す.
ムハーバラートという言葉は広くアラブ世界において用いられており,秘密警察の代名詞のように認識されてる.
シリアでは「ジハーズ・アムン」(jihaz al-amn,治安機関)と呼ばれることもある.
権威主義体制を敷く多くのアラブ諸国は,ムハーバラートが国家による社会の支配や政策決定において重要な役割を担っており,そのさまは(サッダーム・フセイン政権時代のイラクがそうであったように),「mukhabarat state」(ムハーバラート国家)と評されてきた.
特にシリアでは,イスラエルとの戦争を理由に1963年3月に発令された戒厳令のもと,国民の生活は常にムハーバラートの監視下に置かれており,軍等と共に「特権階級」の一角を成していた.
すなわちシリアでは権力は
・ 第一層:内閣,人民議会,司法など
・第二層:ムハーバラート,軍,「ビジネスマン」 → シリアを実際に支配
の二層構造となっていた.
市場では,買い物客の行動に目を光らせる,革ジャケットとベージュ色のズボン姿の,ムハーバラートの男たちの姿を多く見かけることができた.
シリア政府のスパイは随所に存在し,反体制に目を光らせていた.
なお,ドイツの諜報機関BND(連邦情報局)は,イスラーム過激派に関する情報を交換するため,シリアのムハーバラートとの協力関係を保っていると言われている.
------------
「アサド政権の些細な悪口,たとえそれが冗談だったとしても,秘密警察の耳に入れば,刑務所にぶち込まれるんだ.
誰が秘密警察かも分からないから,友人の間でさえ互いに疑いの目を向けていた.
それが革命前のシリアだよ」
私は信じられない思いで彼〔ダマスカスに3年余り滞在している留学生の日本人〕の話を聞いていた.
「反政府デモが今〔2012年3月〕,シリアのあちこちで起きてるけど,僕にとっては本当に信じられない光景だ.
ただ,秘密警察の締め付けは革命前より厳しい.
捕まったら命さえ奪われかねない.
デモの参加者は命がけでアサド政権に立ち向かっている」
------------桜木武史『シリア 戦場からの声』(アルファベータブックス,2016), p.40-41
------------
モスクでの礼拝を終えた人々を記録するため,治安組織がビデオを回している.
怪しい行動をとれば,映像をもとにして人物を特定し,家宅捜索・強制逮捕に踏み切るつもりなのだろう.
先ほどの熱気が嘘のように,多くの人々が口を閉ざしてモスクを後にしていく.
ところが,モスクを取り囲む兵士に歯向かう若者がいた.
大きな声を張り上げて,一言二言何かを口にした.
その途端,一斉に周囲がざわめきだした.
幾人かの若者はその場で拘束されて,殴る蹴るの暴行を加えられた.
しかし,逃げ延びた若者もいた.
そんな彼らを捕らえる為,軍・治安組織が蜘蛛の子を散らした.
すると,警備が手薄になった箇所を狙って,再び別の若者が声を張り上げる.
傍から見れば,まるで鬼ごっこである.
しかし,モスクの格子戸から眺めている光景は遊びではない.
「たった一言,大統領を批判するだけで,3か月から4か月は監禁される.
拷問され命を落とす者も少なくない.
仮にうまく逃げられても,人物が特定されれば,ある日突然逮捕されて,刑務所に送られる」
隣にいた白髪交じりの初老の男性が,私に話しかけてきた.
外に視線を戻すと,10人ほどの若者が一列に並ばされ,警棒でこっぴどく殴られている.
散々打ちのめされると,彼らは護送車に詰め込まれ,どこかへと運ばれていった.
------------同,p.43-44
【参考ページ】
桜木武史『シリア 戦場からの声』(アルファベータブックス,2016), p.31
http://www.ac.auone-net.jp/~alsham/syria_m.html
http://syriaarabspring.info/?p=25005
http://www.jnpc.or.jp/files/2011/04/62c72b5d0e9cfccbd897b6b8f2f81cc4.pdf
http://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-21884020110624
http://cmeps-j.net/index.php?mideast_asahi_2011_0309
【ぐんじさんぎょう】,2016/10/03 20:00
を加筆改修
【質問】
MI5,MI6の紋章の意味は?
【回答】
MI5のサイトによると:
・てっぺんに王冠
→「王室の僕」であることを示す
・最下部にあるのはMI5のモットー
→ ラテン語で,"Regnum Defende"(英語にすると,"Defend
the Realm")
・中央にsea lion(金色,有翼) ※sea lionは,体の前半分がライオンで後半分が魚という架空の生き物
→ 陸軍,海軍,空軍とMI5との歴史的つながりを示す
・中央の背景部分は青
→ 海外(overseas: 旧英領のことだろう)とのつながりを示す
・周囲をぐるっと囲むのは,赤いバラと緑の五葉と落とし格子
・緑の五葉
→ "MI5" の「5」を表し,緑色は第一次大戦以来,諜報の色とされている
・落とし格子(「議会」を表すもので,1ペニー硬貨にも見られる)
→ MI5が議会民主制を支えるものであるということを示す
・赤いバラ
→ バラは,エリザベス1世の時代に「諜報部」のトップであったSir
Francis Walsinghamがsealにバラを使っていたことから,国家の諜報機関を意味する.
さらに,MI5のサイトではスルーしているのだけれども,赤いバラは「殉教」の意味.
ちなみにMI6 (SIS) の「脳みそ紋章」は
・最下部にMI6 (SIS) のモットー
→ ラテン語で,"Semper Occultus"
(英語にすれば "Always secret")
・中央の妙に写実的な脳みそ ※紋章には「脳みそ」などというものはないようだが
→ 頭の力(知的能力,情報収集能力,知識の運用能力)を表す
・脳みそを取り囲む緑色の「C」の文字
→ 「C」(MI6長官)のこと.その由来はSIS創設者で初代トップのSir
Mansfield Cummingの頭文字.
・てっぺんの王冠は,
→「王室の僕」であることを示すお約束.
モットーのOccultus(ラテン語でhiddenの意味)と,「脳みそ」を両方あわせると,Secret
Intelligenceとなり,この紋章はSecret Intelliegnce
Service(MI6の正式な名称)を表すということがはっきりわかる……ってぜんぜんsecretじゃないじゃん.
詳しくは「tnfuk」:MI5とMI6の紋章の意味を参照されたし.
【質問】
英国諜報機関SISは,なぜ外務省傘下にあるのか?
【回答】
佐藤優の言葉を信頼するとするならば,外務省傘下にあるのは,スキャンダルやトラブルの発覚により,首相や外相の責任が追及されるようなことを避けるための安全弁であるという.
大きな政治問題が発覚すると,責任をとって辞任するのは外務副大臣になる仕組みになっているという.
これを佐藤は以下のように説明する.
------------
〔略〕
外交と対外諜報は業務内容で重なる部分もあるが,外交が国際法を遵守するという建前の下で展開される表仕事であるのに対して,対外諜報は何でもありの裏仕事だ.
外交官と対外諜報機関員は,文化も訓練も異なる.
一般論として,業務に重複が生じると官僚組織の関係は険悪になる.従って,外務省と対外諜報機関は別組織にするのが主流である.
しかし,主要国のなかでもイギリスだけは外務省傘下にSISを置いている.
SISは外務副大臣によって統括されるという建前になっているが,首相にも直属している.
国家存亡に係わる重要なインテリジェンス機関を,外務副大臣という比較的低いランクの政治家の監督下に置くのは,対外諜報が汚れ仕事であることに起因する.
スキャンダルやトラブルの発覚で首相や外相の責任が追及されるようなことがあってはならない.
大きな政治問題になることを避けるための安全弁なのである.
イギリスの対外諜報活動が,実際には首相の指揮下で行なわれていることは公然の秘密である.
〔略〕
イギリスの官僚も日本の官僚と同じくらいに嫉妬深いのであるが,よい仕事に対しては嫉妬心を乗り越えて認め合う文化がある.
それゆえに外務省傘下に対外諜報機関を置くことができるのだ.
このような嫉妬心を乗り越える文化は,オックスフォード大学,ケンブリッジ大学出身者を中心とする貴族的雰囲気の中で作られる.
「エリートは特別の義務を負うのが当たり前だ(ノブレス・オブリージュ)」という伝統に支えられてSISは存在している.
〔略〕
------------佐藤優 in 『SAPIO』
【質問】
・植民地時代の英領アメリカにおける英国の諜報活動
・大英帝国時代の英国の植民地における諜報活動
について書いた本を探してるんですが(要するに英国の植民地での諜報活動です),良い本はないものでしょうか?
【回答】
大英帝国時代の話とその後,ちょっと時代は下りますが,20世紀頃の諜報活動の話でしたら,舩田クラーセンさやか著『モザンビーク解放闘争史』(御茶ノ水書房刊)に,モザンビークとその周辺諸国(ザンビア,マラウィ,ケニア,タンザニア)で,英国とローデシアと南アフリカが行った活動が描かれていますね.
他にローデシア関連の本とかを当っていけば,引っかかると思いますけど,今思い当たるのはこの辺りでしょうか.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2009/12/08(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
なぜSISは,2006年4月末から公募制に踏み切ったのか?
【回答】
以下の引用文を信頼するとするならば,
・情報機関が公益に資していることを常に国民にアピールする必要性
・情報分析面において,その時の政権に都合のよい情報だけを集めることのないよう,民間の情報を国家のインテリジェンスに活用する仕組みを整えるため
であるという.
――――――
〔略〕
イギリスの官僚も日本の官僚と同じくらいに嫉妬深いのであるが,よい仕事に対しては嫉妬心を乗り越えて認め合う文化がある.
それゆえに外務省傘下に対外諜報機関を置くことができるのだ.
このような嫉妬心を乗り越える文化は,オックスフォード大学,ケンブリッジ大学出身者を中心とする貴族的雰囲気の中で作られる.
「エリートは特別の義務を負うのが当たり前だ(ノブレス・オブリージュ)」という伝統に支えられてSISは存在している.
従って,SISの職員は公募されず,徴募担当官が大学生や大学院生に声をかけて密かに要員を採用するという縁故採用の手法がとられてきた.
しかし,このSISの採用手法に最近大きな変化が生じた.
4月末にSISが対外諜報機関員の求人広告を新聞や雑誌に掲載したのである.
公募制を導入した狙いとは何か?
「職種は,海外での情報収集に当たる作戦要員のほか,情報分析,語学,技術の専門家などだ.
MI6が新聞広告で人材を募るのは,97年の歴史で初めて.
(中略)
広告は,砂漠やジャングル,銃を構えるテロリストらしき人物などのカット写真に
『英国をもっと安全で繁栄する国にするために信頼できる人物を求めている』
といった勧誘の言葉を添えた」(5月14日付朝日新聞)
このような公募を始めた理由について,情報分野の専門家クリスピン・ブラック元英国陸軍大佐はこう説明をする.
「存在さえ知られないことがあるべき姿とされたひと昔前とは,情報機関に対する社会の視線が違う.
テロが横行する現代では,情報機関が公益に資していることを常に国民にアピールする必要がある.
しかも,冷戦の終結でかつてのような高い報酬を払えず,優秀な作戦要員を雇えなくなった.
情報収集活動よりはるかに重要なのは,集めた情報の分析だ.
イラクの大量破壊兵器をめぐる情報の混乱は,その時の政権に都合のよい情報だけを集めることがいかに危険なことか,という教訓を残した.
新聞求人広告には,そのような時代の要請が込められている,と見るべきだ」(同上)
職務を離れた後もSISに所属したことを明らかにしてはいけないというのが,SISの掟だ.ここで朝日新聞にコメントをしているブラック元大佐は「情報分野の専門家」という曖昧な肩書を用いているが,SISの元職員あるいはマスコミ対策を担当する現役職員と見るのが妥当と思う.
朝日新聞が「作戦要員」と訳しているのは工作員と置き換えてもよい.
現場で情報収集活動や謀略活動を行なう諜報機関員のことだ.
筆者の見立てでは,作戦要員については,形式上公募のをとっても,実質的には縁故採用が継続される.
SISの徴募担当官が,事前に人物調査を済ませた候補者に最終段階で「公募に応じる形をとってくれ」と耳打ちするのであろう.
他方,語学・地域専門家や分析専門家については実質的な公募が行なわれることになると思う.
米CIA(中央情報局)や独BND(連邦情報庁)では,分析部局と工作部局は区別され,一人の対外諜報機関員が工作と分析に同時に従事することはない.
イギリスの場合,両部局間の人事交流も頻繁で,対外諜報機関員が自らの担当する工作について,偏見をできるだけ排除して客観的に分析する能力がある場合には,一人で工作と分析の双方に従事することもある.
少数精鋭主義をとるSISの機関員は,工作の全体像を把握することができる.
この仕組みがイギリスの対外諜報の強さだったが,公募制の導入でこの文化も変化するであろう.
具体的には公募で採用した職員を分析に従事させ,適性を見た上で工作部門に転出させるという人事政策をとることになると思う.
同時にSISの分析部門は民間との交流を強め,大学やシンクタンク,さらに損保会社の調査部門などと関係を強化し,民間の情報を国家のインテリジェンスに活用する仕組みを整える.
このような形態で「情報機関が公益に資していることを常に国民にアピールする」のである.
〔略〕
「9・11」後,テロとの戦いが対外諜報機関にとって重要な地位を占めている.
「国民の安全を守れ」という声も高まっている.
その一方で,「プライバシー保護」「行政機関の情報公開」に対する要請も強い.
矛盾するこの2つの要請を同時に満たすことが対外諜報機関に要求されており,SISの公募制導入もそうした時代の要請を反映したものだ.
〔略〕
――――――佐藤優 in 『SAPIO』
引用した文は,あくまで「SIS自身はそのように説明している」という以上のものではないので,念のため.
もっとも2007年6月現在,これを疑う材料もないが.
【質問】
GCHQとは?
【回答】
GCHQ(政府通信本部)は英国の通信傍受機関.
松井茂〔軍事・外交評論家〕によれば,
「暗号解読が得意なことで知られる」
という.
以下引用.
------------
米国の通信傍受機関のNSA(国家安全保障局)や,かつて英連邦の一員であったオーストラリアのASIO(国家安全局)らと組んで,「エシュロン・プロジェクト」を世界規模で行っている.
今回のアフガン軍事介入でも,NSAやASIOなどと組んで,アフガン国内で発せられる通信の傍受と解読に当たっている.
------------「21世紀のグレート・ゲーム」,光人社文庫,2002/1/18,p.89
【質問】
Mi5長官のジョナサン・エバンズとは?
【回答】
就任時,49歳.
1980年,MI5入り.
国際テロ対策局長などを経て,2005年から副長官.
長官就任は2007年4月8日.
以上,ソースは2007年3月8日6時0分付,時事通信
【質問】
MI5にアル・カーイダが潜入しようとしていた,というのは本当か?
【回答】
本当.
2006年7月発覚.
MI5では増員を計画しており,アラビア語を使え,ソマリ語,ベンガル語などにも精通している人に応募を呼びかけたところ,応募者の中にアル・カーイダ・シンパが潜入.
何人かは最終選考まで残ったという.
以下引用.
英MI5に潜り込み計画 アルカーイダ支持者,身上調査で発覚
【ロンドン=蔭山実】英防諜(ぼうちょう)機関,情報局保安部(MI5)がテロ対策強化のために行っている職員増員のための公募に,国際テロ組織,アルカーイダの支持者が複数応募し,組織内部に潜入しようとしていたことが明らかになった.BBCテレビが3日,政府高官の話として伝えた.
そのうち何人かは,かなり以前からテロ容疑者とみられていた人物だったという.
MI5の職員採用では,これまでに数万人の応募があったといい,最終的にそのうちの400人を最終選考に残す計画.
応募者は最初に外部機関によって振り落とされ,それに残った者がロンドンにあるMI5本部で,人物としての背景や信条などを半年から8カ月かけて集中的に調査される.
今回はこの身上調査で発覚し,排除できたという.
初期段階の選考ではアルカーイダの支持者とは分からなかったとみられ,職員採用過程のすきをつかれたともいえそうだ.
映画「007」シリーズで有名なMI6は海外での諜報活動が主な任務であるのに対し,MI5は国内の治安活動を担当.
現在の2600人体制を3500人に増強する計画をたてている.
採用情報のサイトでは,特にアラビア語を使え,ソマリ語,ベンガル語などにも精通している人に応募を呼びかけている.
【質問】
MI6って何?
3行以上で教えて!
【回答】
英国の諜報機関の一つで,国外における情報収集と工作が任務.
第一次世界大戦において,それまで各省庁が個別に行っていた諜報任務を一元管理すべく,陸軍情報総局の下に「MI1(c)」という名称で設けられた.
そのとき同じように設置されたお仲間に,
MI1(暗号&暗号解読.現・政府通信本部)
MI2(中東,極東,スカンジナビア,アメリカ,ソ連,中央アメリカ,南アメリカといった地域を担当)
MI3(東欧,バルト海沿岸諸国といった地域を担当)
MI4(地図作成)
MI5(防諜)
などがある.
1930年代にMI6と改名され,さらに1960年代にSIS(Secret Intelligence Service,秘密諜報部)と改名されるが,今でもMI6と呼ばれ続けているのは全部イアン・フレミングのせい.
【参考ページ】
https://www.sis.gov.uk/our-history.html
https://kotobank.jp/word/MI6-158271
https://wikispooks.com/wiki/MI6
【ぐんじさんぎょう】,2016/03/20 20:00
を加筆改修
一方,ジャイルズ・ミルトンによれば,設立経緯は上記とは少々異なる.
彼によれば1909年3月,英国政府は秘密活動局 Secret Service Bureau という全く新しい組織を立ち上げたという.
英国政府による英国国外での諜報活動のための組織としては,陸軍省情報部や1880年代に作られた海軍本部の情報部がすでにあったが,両者とも軍事的な諜報活動にばかり気を取られていた.
そこで英国政府は,広い範囲の,より専門的な組織が必要と考えた.
新組織は2つの部署から成り,一つは国内の情報を,もう一つは国外の情報だけを専門に扱い,それぞれ独立しているが,協力関係にあった.
国外部門の責任者にはマンスフィールド・ジョージ・スミス=カミング海軍大佐が任命された.
この組織の名前はたびたび変更されたが,最終的には「イギリス秘密情報部(SIS)」,1930年代後半からは通称MI6として知られるようになったという.
詳しくは,
ミルトン『レーニン対イギリス秘密情報部』(原書房,2016),p.30-34
を参照されたし.
mixi, 2017.11.16
◆◆ドイツ Germany
【質問】
BNDって何?
【回答】
1)
「ブルネイ・ドル」の略称.
為替レートはシンガポール・ドルと等価に固定されている.
2)
ドイツの諜報機関「連邦情報庁(Bundesnachrichtendienst)」の略称.
外国情報を中心とした安全保障上重要な情報の収集に当たっている.[3]
1956年4月,アメリカの情報活動に協力してきた対ソ情報機関であるゲーレン機関を基に創設された.[1]
ラインハルト・ゲーレン中将は第二次大戦中,ドイツ国防軍でソ連に対する諜報・謀略活動を行っていた人物.[2]
彼は対ソ連情報のエキスパートであり,従来のアプヴェール(軍情報部)やSD(武装親衛隊保安部)とは別の系統の情報組織を成形し,高度な情報網を構築させることに成功していた.[4]
彼は,戦後,米ソ対立が深刻化することを予見し,自分がソ連に持つスパイ網を米国に提供することを申し出,1946年にミュンヘン郊外のプラッハに創設したのがゲーレン機関である.[2]
ゲーレンはBND創設後,その初代長官に就任する.[2]
西ドイツ時代の諜報機構はアメリカのそれと類似しており,BNDはCIAに,憲法擁護局(BfV(ベーエフフアウ))はFBIに,国防省保安局対情報部(MAD(エムアーデー))はCICに相当した.[1]
BNDは建前として西ドイツ国内においては関与せず,東ドイツとソ連,あるいはワルシャワ条約機構軍に対してのみ活動することになっていた.[4]
(国内での防諜・対テロ活動は主に憲法擁護庁と,軍事諜報部がこれにあたる)[4]
CIAやNATO情報部もBNDの実力を買っており,ヨーロッパ国内での対ソ情報のほとんとがBNDの緻密な情報網によって収集され,CIAに引き渡されていたという.[4]
2015年現在,BNDは連邦首相府に付属する.
すなわち,BNDは首相府の内部部局ではなく,首相府の調整を受けるものの,あくまで制度上は首相府の付属(従属ではない)という扱いになっている.[5]
そして首相または内閣の調整役である官房長官に直結する(責任を負う)機関である.[5]
対外情報庁であるBNDが(外務省ではなく)首相府に付属する理由は,首相または内閣の調整役である官房長官に直結することで,中央情報機関として,他の情報機関との調整をよりスムーズに執りおこなうことができ,外務省にも国防省にも等間隔の距離が保てるためである.[5]
またBNDが首相府の内部部局ではなく外局である理由は,BNDが首相府の官僚機構の一部分となり,官僚主義・文書主義が幅を利かせるようになると,BNDが情報機関として機能しなくなってしまうためである.[5]
職員数は7000人以上.
そのうち,約2000人が国外での諜報情報の収集に従事している.
中東の情勢については独自の情報を有し,詳しいことで定評がある.[6]
BNDがシリアに亡命したナチの戦犯を隠匿し,彼を情報源としていたと言う話や,六日戦争の前にカイロの中枢に入りこんでスパイ活動をしていたイスラエルのスパイが,BNDから訓練を受けていたと言う話は有名だという.[6]
【参考ページ】
[1] https://kotobank.jp/word/BND-607826
[2] http://www.tkumagai.de/Doku%20BND%20kako.htm
[3] http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/legis/230/023005.pdf
[4] http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/1356/bnd.htm
[5] http://shotyan032456.at.webry.info/201403/article_13.html
[6] http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/3882457.html
ドイツ連邦共和国の情報機関
(こちらより引用)
【質問】
ドイツBNDは,冷戦後も何故延命できたのか?
【回答】
東西冷戦に代わる,組織犯罪根絶という新たなニーズが生じたため.
以下引用.
やがて1989年になると,「ベルリンの壁」が崩壊し,冷戦構造そのものが消滅した.
それと同時に,冷戦ゆえに存在していた旧西ドイツの対外情報機関BNDも,他の西欧諸国における対外情報機関同様に,存在意義を疑われ,冬の時代を迎えることになった.
しかし,ここでもやはり,統一ドイツが置かれた知性学上の理由から,BNDは延命を果たすことになる.
次々と瓦解する中東欧の旧共産国家は,自国内でアンタッチャブルとなった組織犯罪集団(麻薬,人心売買,武器密輸など)の流出を防ぐことができなくなったからだ.
その結果,これら犯罪者集団はドイツに大量に入り込み,治安を急速に悪化させた.
「組織犯罪の根絶のためには,まずは周辺国における組織犯罪集団に関する第一次情報を収集し,根源から問題を解消すべし」
――こうした掛け声の下,BNDは再び対外諜報活動を活発化することとなるのである.
(原田武夫〔外交シンクタンク代表〕 from 「中央公論」2005年7月号,p.168-169)
【質問】
ドイツBNDの活動の柔軟性は,どのように確保されているのか?
【回答】
行政府の長に非常に近い位置に置かれ,また,設置法を大雑把なものにすることによって確保しているという.
以下引用.
ドイツのBNDは,日本で言えば官房長官に相当する連邦首相府長官に直属する組織とされている.
そして,連邦議会より担当の国務大臣が選ばれ,BNDの指揮をしている.
連邦首相府長官は,連邦首相の「女房役」であるので,BNDはその意味で,行政府の長に非常に近いところに置かれていると言える.
また,冷戦の終わりと共に,存在意義の再定義を行う作業の流れで,BNDについても現在まで有効な設置法が定められた.
だが,これがおよそドイツ人らしくない,極めてざっくりとした内容のものなのだ.
例えば,所管業務は「情報収集・分析,および情報の使用」とだけ書いてあるものの,この「使用」の中に諸外国の政府などへの積極的な「工作活動」が含まれるかどうかが不明なのである.
また,この法律の規定の殆どが,個人情報保護に関わるものであり,そもそもBNDがどういった活動をするのかが見えて来ない.
とりわけ,外国における活動に突いては殆ど言及がなく,フリー・ハンドであるかのようだ.
このように,ドイツのBNDにおいては,建前としては民主的コントロールが確保されつつも,実態としては比較的自由な活動を行えるようになっているといえよう.
問題は,果たして今の日本で,こうした「大人の対応」が政治的に可能なのかということである.
(原田武夫〔外交シンクタンク代表〕 from 「中央公論」2005年7月号,p.171-172)
【質問】
ドイツBNDでは,どのようにして職員・その家族の安全を守っているのか?
【回答】
重厚な壁に囲まれた区域の中に集住させることによって守っているという.
以下引用.
BNDの本拠地は,バイエルン州の片田舎にあるプーラッハという街にある.
重厚な壁に囲まれた区域の中には,あらゆる施設が設置されている.
なぜそんなに厳重なのかといえば,対外情報機関の職員にとって,自分自身のみならず,家族全員の安全が保障されてこそ,遠く離れた異国の地にあって対外諜報活動に専念することができるからだ.
それこそ,「ゆりかご」から「墓場」まで,完全な守秘義務の見返りとして,ドイツが国家の意思として,彼ら職員とその家族の生活と安全を保障している.
原田武夫 from 「中央公論」 2005年7月号,p.172-173
【質問】
オンライン捜索裁判とは?
【回答】
密かにインターネットに接続するコンピュータ・システムにアクセスする,オンライン捜索(Online-Durchsuchung)の権限を,州の憲法擁護庁に付与した,ドイツ,ノルトライン・ヴェストファーレン州の「憲法擁護法
Verfassungsschutzgesetz)改正法(2006/12/30施行)の規定が,基本法に違反するかどうかがドイツ連邦憲法裁判所で争われている裁判.
山口和人によれば申立て人は,今日では住居の空間的保護領域に属していた多くの秘密の情報が,今日では各人のコンピュータに蓄積されているため,オンライン捜索許容は住居の不可侵の権利を侵害すると主張しているという.
なお,連邦レベルではオンライン捜索について,憲法擁護法のような規定は設けられていないが,現行法の範囲で許容されるとの立場をドイツ連邦政府はとっているという.
詳しくは『ジュリスト』2007年12月1日号,p.7を参照されたし.
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ