c
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ
◆◆ブラジル Brazília
<◆南アメリカ
<米州FAQ目次
「Defense News」◆(2012/10/01)Brazil To Delay Jet Decision Until 2013, No Favorite
「Indian Defence」◆(2013/03/02) Brazil launches nuclear submarine program
「Reuters」◆(2013/05/27) スライドショー:コンフェデ杯などのイベントを控え,ブラジル海軍がテロ・暴動などの非常事態に万全の備え
「Strategy Page」◆(2013/04/07) LOGISTICS: Israeli Aerial Tankers In Brazil
「ワレYouTube発見セリ」:Historia da ENGESA e do tanque EE-T1 BR Osorio - Armas (ブラジル陸軍,EE-T1オソリオ戦車)
『ブラジルの流儀:なぜ21世紀の主役なのか』を読み解く (2012/10/15)◆「国際インテリジェンス機密ファイル」
【質問】
ブラジルの国防予算は?
【回答】
2011年度で360億ドル.
これは,アルゼンチンの22億ドル,チリの80億ドル,ベネズエラの80億ドルと比べれば,極めて大きいと言える.
しかしブラジルには,北部のアマゾンから南部のパラグアイ国境に至るまでの長い国境があり,そこで行われる麻薬密輸出と,その対価としての武器密輸入を完全に抑えるのは,この予算では困難だという.
【参考ページ】
BRAZIL TODAY 2011/02/28(504号)
【質問】
テネンチズモって何?
【回答】
ブラジルにおいて1920年代頃から生まれた,革新的な青年将校が強い影響力を持って政治を進めようとする傾向.
テネンテ=中尉から転じて青年将校を指す.
1920年代のブラジルにおいて,カフェ・コン・レイテ体制への批判の高まりから,ルイス・カルロス・プレステスをはじめとするテネンテ(青年将校)は,ブラジル各地で叛乱も起こした.
まず1922.7.05,コパカバーナ,レーメ要塞の守備隊約300名が,大統領選の結果に不満を唱え反乱を起こし,テネンチズモの端緒を作った.
その後も叛乱は続発.
1925年4月には,リオ・グランデ・ド・スルの兵営にて反乱を起こしたルイス・カルロス・プレステス少佐(「希望の騎士」)は,約1,500人からなるプレステス部隊を結成.
1929年にボリビアに亡命するまでに24,000kmに渡ってブラジル奥地を転戦し,53度に及ぶ政府軍やコロネルの私兵の追撃を退けた.
しかし,1926年にベルナルデスが任期を終えると,このような活躍がありながらもテネンチズモは,最後まで反ベルナルデス政権以上の大衆的な綱領を持たなかったため,革命運動には繋がらずに終焉することになった.
その後テネンテはヴァルガス体制の設立にも協力.
1964年から 1985年まで軍政下にあった事もあり,民政移管に際しても大きな影響力を政界に残した.
そのために未だに軍は,「ブラジル最大の野党」と呼ばれている.
【参考ページ】
http://www.maxtie.com/jp/nationalPortal/newsDetail/fc9181e923fe082b0123fed987b703b9.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/ブラジルの歴史
http://35015354.at.webry.info/201006/article_16.html
http://www10.plala.or.jp/shosuzki/chronology/brazil/brazil2.htm
当時の叛乱武装組織の装甲車だそうな
(画像掲示板より引用)
【ぐんじさんぎょう】,2010/09/24 21:20
を加筆改修
【質問】
カッサパーバ陸軍基地武器弾薬盗難事件とは?
【回答】
2009.3.10,サンパウロから東にリオ街道を116km行ったところにある町,カッサパーバの陸軍基地に強盗団が現われ,兵士に銃を突き付け,対戦車機関銃7丁を持ち去った事件.
陸軍ではこれまでにも盗難事件が起きており,2008年11月10日に,サンパウロ州のボツカツ訓練所でピストル,機関銃50丁,手榴弾などが盗まれる事件,2009年3月5日にはリベイロン・ピーレス訓練所が強盗団に襲われ,銃22丁とピストル89丁を奪われた事件が発生している.
同国軍の練度が窺われる.
【参考ページ】
『BRAZIL TODAY』 2009/03/16(402号)
【質問】
ブラジル海軍の空母サン・パウロの艦上機であるA-4(AF-1)が,ここ数年,非稼動状態であるという話を聞きました.
2004~2005年辺りまでは米海軍との共同訓練で艦載機を飛ばしていたのは確認できたのですが,その後の状況がわかりません.
空母サン・パウロ及びその艦載機の現在の稼動状態について,できれば書籍,またはインターネットサイトなどの情報ソースつきで教えていただけないでしょうか.
【回答】
ググればすぐ出てくるので見たと思うけど一応.
ブログだけど2005年の事故の詳細が出てる.
http://sao-paulo.cocolog-nifty.com/top/2005/05/post_f6ed.html
あと,これまたブログだが最新情報.
AF-1の近代化計画があるそうな.
まだ飛ばすのか(笑)
http://noticias.pokebras.jp/e60451.html
軍事板,2008/10/03(金)
青文字:加筆改修部分
▼ その後の情報によれば,火災事故など起こしてボロボロの状況にありながら,なおも無理して使い続けられているという.
以下引用.
------------
■航空母艦サンパウロ号(2012年3月11日)
[前略]
ブラジル海軍に属する航空母艦はサンパウロ号と呼ばれ,建造されたのは1957年にて,艦長は266メートル,艦幅は51.2メートル,乗組員2450名,
購入価格1200万ドルであるが,2007年度より使用パイプ漏れ,火事発生,負傷者,並びに犠牲者を出し,その他,10項目に亘る事故がありながらも,安全を保つ指導員不足に悩まされつつ機能している.
BRAZIL TODAY 2012/03/19(559号)
------------
▲
【質問】
ブラジルの空母「サンパウロ」ですが,AF-1の後継機計画はあるのですか?
【回答】
まだ聞かないが,艦上機となると中古機もそうそうないだろうし,購入数も今の20機より,多くないだろうから,空軍のF-X2計画に混ぜてもらうと予想(または超後回し)
まあ下の候補機だと伝統的に,ラファールかスパホのどちらかなんだろうな.
F-18 Super Hornet (Boeing) F-35 Lightning
II (Lockheed Martin)
Rafale (Dassult) SU-35(Sukhoi),
Gripen (Saab) Typhoon
(Eurofighter)
前回のFX(2005年)はミラージュ2000だったことを考慮すると,エンブラエル社がラファールMのラ国をする,ってのに5000レアル.
また,シュペールエタンダールは現実的な線としてありえるでしょう.
運用実績もあります.
元はフランスの空母のお下がりですし,アルゼンチンが訓練で使ったり.
ホーネットは,運用が出来るか未知数ですね.
アメリカの空母はサンパウロよりずっと大きいですし.
前回のFX選定のときはわりかし財政的に厳しい状況でしたが,今,ブラジルは好景気です.
まあ,空母自体の寿命も長くはないはずなので,どこにどう予算かけるのか未知数ですね.
軍事板,2008/08/07(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ブラジルの原潜保有の実現性は?
【回答】
5億ドル超の核開発プログラムを発表
2007年7月になって,ブラジルは原子力潜水艦保有への野望を再び語り始めました.ベネズエラが潜水艦※を買うことへの対抗心・・・は関係無さそう.
JSF
これは,核動力主機は自前,船殼の方はフランスかドイツに手伝ってもらうという,ちょっとちぐはぐな構想を表明してるんですよ.
普通,新興国が兵器の国産化に乗り出すときは,まずドンガラから始めるものですが.
その辺に,核兵器開発疑惑が言うわれる原因があるかもしれませんね.
井上@Kojii.net
様々な面で,実地,当事者経験を持つ目から見ると,以下のように考えます.
新興国の代表のように思われがちなブラジルですが,こと原子力・核燃料サイクル部門に関して,自身でウラン鉱山を保有,ウラン濃縮,成型加工などのフロントエンド,原子力発電,最後に再処理プラントと,各々には小規模なものがありつつも,「全て所有し,完全自給も不可能ではない.」という点で,その実力は絶対に侮れない物があります.
もともとブラジルでは水力発電資源が豊富なことから,原子力開発も発電一本槍ではなく,軍民が表裏一体となって進められており,核動力主機だけではなく,ウラン濃縮の研究すら海軍が加わる形で行われてきました.
また,上記,「全ての物を兼ね備える」世界でもごく稀な国であり,なおかつ「ウラン国内自給可能」という非常に重要なファクターを持つため,核兵器開発などいつでも着手できると考えられてきました.
事実関係(特に最近の動き)について私は詳しく承知していませんが,ブラジルは一旦は核兵器開発の放棄を宣言した後,NPTやCTBTの核不拡散体制に組み込まれたはずです.
しかし,JSFさんのご紹介の記事中,致命的に重要なのは
「遠心分離器などの機材をスパイの危険にさらすこととなるとして,2004年のIAEA国際原子力機関の査察受け入れを拒否していた.」
と言う点です.
これは仮に原子力発電所などへの査察を受け入れたとしても,肝心要のウラン濃縮プロセスが不透明であり,核兵器開発の疑念が全くぬぐえないこと.
さらに,ウラン濃縮プロセスを査察の目の届かないところに置くことで,いつでも原子力潜水艦などに使用する核動力主機のウラン燃料を,IAEAなどの国際社会が監視できない中で内製できることを意味します.
要は「牙を抜くつもりはなく,その能力を温存する.」意志を既に暗黙のうちに表明していたと言え,今回のニュースが流れても全く不思議に思えないどころか,情勢次第では核兵器開発の疑念も再び高まるものと考えます.
また,今回の核開発プログラムの中で,アングラ3号機(PWR,130万9,000kW)が長い眠りから覚め,工事再開へと動き出すこととなりましたが,本対象設備は旧ドイツ:シーメンス社製(現フランス:アレバ社)のものです.
そのため,既に1980年作業中断までにエンジニアリング作業の大半は終了し,機器の約75%がブラジルに輸出され,倉庫に保管されている状態との情報もありますが,上記の全く牙を隠そうとしないブラジルの姿勢に対し,機器輸出国であるドイツ,フランスがどのような態度を取るのか.
仮に残件を封鎖したとしても,機器の大半は既にブラジルにあり,運転経験も豊富.ウラン燃料供給も自前で可能.おまけに欧米以外に原子力開発部門でのロシアとの協力関係も既にあると,これ以上は考えられない盤石の構えです.
そのため,この流れを阻止するのは,もはや経済的に破綻させない限り,ほぼ不可能に近いと考えられます.
以上の点から,ことは原子力潜水艦開発だけにとどまらない,大変重要なニュースとも言えます.また,国際社会は大変難しい選択を迫られることになるため,今後の動向から決して目を離せないところであると考えます.
以下は,上記情報の出典です.
ブラジルの核燃料サイクル 原子力百科事典 ATOMICA
http://atomica.nucpal.gr.jp/atomica/14080303_1.html
ブラジルの原子力発電開発 原子力百科事典 ATOMICA
http://atomica.nucpal.gr.jp/atomica/14080302_1.html
ブラジルの原子力開発体制 原子力百科事典 ATOMICA
http://atomica.nucpal.gr.jp/atomica/14080301_1.html
以上,ご参考まで.
へぼ担当
しかし,ブラジルは F-X 計画ひとつとっても予算難でスッタモンダして,とりあえずフランスから中古ミラージュ
2000 を買ってお茶を濁す体たらくなのに.
これで原潜建造なんか始めた日には,開発・建造だけでなく,訓練・維持なども含めて金食い虫だらけになり,国防予算を湯水のように吸い取られてしまうんじゃないかなあ,とも思えます.
技術的な可能・不可能とは別次元の問題ですけれど.
井上@Kojii.net
>国防予算を湯水のように吸い取られて
御意に.まさにその点が最大のネックでしょう.
(もちろん他にもありますが,諸事情につき自主規制.)
報じられているような核開発プログラムでも,たかだか8年で5億4千万ドル(約659億円)しかありません.
これでは基礎研究等は出来ても,実機などとてもではありませんが,財政的に実現不可能.小規模モデルやモックアップですら,怪しいところです.桁を1つ以上間違えているのでしょうか(汗).
別立てのアングラ3号機分の予算36億ドル(約4400億円)
<こちらは常識的に妥当な額
と比べても,不足であることは誰の目にも明らかにでしょうし.
よって,常識的には,単にこれだけならブラフ以上の効果は得られず,逆に国際社会の猜疑心を呼び起こすだけの逆効果と考えます.いみじくも
「夢を大きく持とう.そして原子力潜水艦を開発する可能性もあるところまでいこうじゃないか.」
との発表自体,その限界を露わに示しているわけですが.
そのため,ブラジルのルーラ大統領はどのような勝算があってこのプランを発表したのか,技術的な側面だけではなく,国際社会・政治及び経済的な分析が待たれるところですね.
<私自身は工学・技術的な面の分析が限度ですので.
まさか,裏には中南米某産油国の影がというオチは,国境を接しており,
<参照 : http://www.freemap.jp/south_america/img/sa_kouiki_all/3.gif
様々な面で対立事項もあるため,「いくら何でも」と言うところ.陰謀論は趣味ではありませんが,しかし国際社会(経済)は一寸先は闇.さあどうなることでしょうか.
いずれにしろ今後の動きが注目されます.
へぼ担当
※
ベネズエラが買うのは,「ワルシャワンカ」型(キロ級)潜水艦5隻だけです.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/21785263.html
を参照のこと.
「ベネズエラがアムール型を買う」と報じたのはロシア経済紙「コメルサント」でしたが,ガセだった模様(^^;
売れないアムール型・・・・
▼ 【後日談】
----
ブラジルが攻撃型原潜計画,仏が建造支援へ
読売新聞,2008年12月21日19時34分
【パリ=林路郎】フランスが,新興国として台頭するブラジルに攻撃型原子力潜水艦の建造支援を含む本格的な軍事支援に乗り出す.
22~23日にサルコジ仏大統領がブラジルを訪問し,同国のルラ大統領との間で合意文書に調印する見込み.
〔略〕
仏政府やメディアによると,フランスは,ブラジルが2020年をめどに配備する攻撃型原潜1隻と,退役するドイツ製潜水艦5隻の後継艦として仏ディーゼル型スコルペーヌ級4隻の建造を支援する計画.
関連するコンピューターや艦体の部品,核を含む技術もフランスがブラジルへ移転するとしている.
両首脳は,ブラジルの陸海空軍が導入する大型ヘリコプター51機の製造を仏が支援することでも合意する見通しで,取り引き総額は数十億ドル(数千億円)規模に達する.
サルコジ大統領は世界の多極化を目指す立場から,ブラジルを含む新興国をG8(主要国サミット)に加盟させるべきだと主張.
昨年2月にも,ブラジルと国境を接する仏領ギアナでルラ大統領と会談するなど,両国の関係強化を図っている.
----
見境無いなぁ.
まあ,1隻ではまともに機能しませんが,プレゼンスとしては無視できないところで.
まだ,ベネズエラに売却しなかっただけマシなのでしょうが,ロシアがその気になって手を出したりしたり...との悪寒.
へぼ担当
ちなみにこれ,核動力主機はブラジルの担当で,それ「以外」 のところについて DCNS が面倒を見るそうです.
チャレンジャーだなあ.
井上@Kojii.net
> 核動力主機はブラジルの担当
さすがに心臓部をそのまま渡すほど,フランスも馬鹿ではないと言うことですね.
ぶっちゃけたお話,核動力主機の設計は原子力専攻の博士課程程度の学識があれば,不可能ではありません.
ただし,それがまともに動くかどうかは別問題であり,ブラジルも長年の研究成果を活かすのでしょうが,まともに活動できるかは別問題でしょうね.
また,核燃料の供給の問題も大きいかと考えます.
ウラン濃縮だけが取り上げられがちですが,まともに動く原子炉の実現にはハードウェアとしての核燃料の信頼性は不可欠であり,商用の世界でもそこが勝負(商売どころ)となるため,絶対にノウハウを渡すようなことはしません.
正直なところ,チャレンジャーというより,軍事予算を食いつぶすだけで,まともに動かない艦をもてあますのは火を見るよりも明らか,と愚考しますが,さてどうなる事やら.
へぼ担当
o ハ,_,ハ
.,:' ´∀`'; たった1隻という時点で岸壁の女王様の資質十分モサリね
:: っ ,っ まぁディーゼル潜もちゃんと導入するから戦力に穴は空かないと思うモサリが
ι''"゙''u
モッサー=ハルゼー
▲
【質問】
ブラジル空軍の次期攻撃機は?
【回答】
2010年6月,ガビオン・ペイショットのエンブラエル工場にて作成されるスカイホークF-5Eと決定した.
価格は1機最低300万ドルから始まり,これに艤装として付随装備により決まるが,約4.20億ドルと見積もられ,発注は11機又は12機となる見込み.
搭載可能装備は20ミリ機関砲など32トンの武器搭載可能.
最高速度は秒速340メートルという.
【参考ページ】
BRAZIL TODAY 2010/06/14(467号)
【質問】
エンブラエルの新型輸送機KC390について教えてください.
【回答】
「BRAZIL TODAY」,2010/08/23
によれば,
全長33.43m
翼長33.94m
尾翼長10.87m
高さ11.43m
で,ブラジルの輸送機としては過去最大.
荷物室は長さ18.5m,23.6tの運送能力があり,落下傘部隊なら64人を輸送できる.
2014年完成予定.
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ