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◆南アメリカ
<米州FAQ目次
ペルー艦隊の観閲式
(画像掲示板より引用)
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2013/05/25) ベネズエラ トイレットペーパー騒動が示すチャベス体制維持の危うさ
「暇は無味無臭の劇薬」◆(2013/04/12) 「ボリビア特殊部隊が醸し出すリアル世紀末感がヤバい」海外の反応
「DDN Japan」◆ 絶滅した裸族「ヤーガン族」がまるでウルトラマンや仮面ライダーの超センス
「Strategy Page」◆(2013/04/16) WARPLANES:
Tiny Spylite Does Chile
チリ,小型無人偵察機をイスラエルに発注
「ワレYouTube発見セリ」:Ejercito de Chile "Siempre Vencedor, Jamas Vencido"(チリ陸軍)
「VOR」◆(2012/11/23)グアテマラの病院で警官を装った武装集団が発砲 7人死亡
>現場となったのは首都グアテマラシティーの有名な高級地域にある病院で,武装集団は22日夜,警官を装って病院に押し入り自動小銃を発砲.
>内務省の情報によると,武装集団の標的は当時病院を訪れていた地元犯罪組織のリーダー,オレラーヌ容疑者で,容疑者自身は身を隠して無事だったが,ボディーガード6人と病院の警備員1人が殺害されている.
>内相は,今回の事件の背景には麻薬密売組織の権力闘争がある,としている.
「VOR」◆(2012/06/25)パラグアイ 大統領不在で国際的孤立の瀬戸際
●Argentine アルゼンチン
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/04/03)フォークランド紛争から30年 イギリス批判を強めるアルゼンチン・フェルナンデス大統領
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/05/29)アルゼンチンに見るデフォルトの後遺症
「ワレYouTube発見セリ」:Azeri Air Force attacks Yerevan!
「ワレYouTube発見セリ」:Azeri Army shows new generation arms
「ワレYouTube発見セリ」:Brazo Armado (アルゼンチン陸軍)
「ワレYouTube発見セリ」:Ejercito en accion (アルゼンチン陸軍)
「ワレYouTube発見セリ」:Parana III (アルゼンチン軍,演習?)
「ワレYouTube発見セリ」:The Azeri Soldier
「ワレYouTube発見セリ」:Tanque Argentino Mediano TAM (アルゼンチン陸軍・TAM戦車)
●Colombia コロンビア
「Strategy Page」◆(2013/04/09) COLOMBIA: The Rumble Over Real Estate
「Strategy Page」◆(2013/05/01) COLOMBIA: Peace Versus Justice
「Strategy Page」◆(2013/05/02) PROCUREMENT:
Civilian Black Hawk For Commandos
コロンビア,特殊部隊用にブラックホークを導入
「Strategy Page」◆(2013/05/28) COLOMBIA: Leftist Rebels Make A Deal
「毎日ミリタリー」◆(2010-08-19)米軍のコロンビア基地使用協定に違憲判決 とか
「ワレYouTube発見セリ」:Colombian Armed Forces-Death Before Dishonor
「ワレYouTube発見セリ」;Colombian Army Air Brigade Full Display
「ワレYouTube発見セリ」:Colombian National Police Commando’s raid
●Peru ペルー
「an Arms Watcher」◆(2010/07/28)ペルー,ヘリ8機をロシアから購入 - 麻薬組織との戦闘に使用
「andrei_bt」◆(2010/10/12)В Перу
намерены закупить украинские
танки
ペルーは,ウクライナの戦車を購入しようとしている
「Strategy Page」◆(2013/04/20) PROCUREMENT: Peru Cannot Get Enough Mi-17s
「ワレYouTube発見セリ」:Peruvian Air Force
●Venezuela ヴェネズエラ
「an Arms Watcher」◆(2010/05/26)ベネズエラ,年間5000万発ライセンス生産 -ロシア
「Defense News」◆(2012/06/15)China, Iran, Russia Helped Venezuela Build Drone: Chavez
「IISS」:06 Aug 2009 - - Associated Press - Chavez: Venezuela to buy more tanks over US threat
「Strategy Page」◆(2010/05/16)LEADERSHIP: Venezuelan Roulette
「VOR」◆(2012/03/09)ベネズエラ軍 誤ってコロンビア領内に侵入
「VOR」◆(2012/05/23)ベネズエラ ロシア製兵器,新たに購入
「VOR」◆(2012/08/30)ベネズエラ,少数民族ヤノマミ族が大量虐殺
> AP通信が非公式筋からの情報としてブラジルとの国境に近いベネズエラの熱帯林イロタテリ村で発生した大量虐殺により約80名が死亡した,と伝える.
> アマゾンに住む少数民族ヤノマミ族のリーダーによると,事件が発生したのは7月初めで,イロタテリ村を通った隣村の住民が村が完全に焼き払われているのを発見.
> ある家屋からは焼死体が発見されている事から,大量虐殺が行なわれたとの疑惑が発生した.
> 事件当時,森に狩に出ていた村人3人は銃声,爆発音,ヘリコプターの音を聞いており,隣国ブラジルの金鉱山労働者らが貨物輸送にヘリコプターを良く利用する事から,ヤノマミ族のリーダーは虐殺を行なったのはこうした労働者ではないかと疑っている.
> 襲撃の原因については,イロタテリ村の生き残りの3人もヤノマミ族も,炭鉱労働者に襲われそうになったヤノマミ族の女性を,イロタテリ村の住民が助けたからだ,との見方を表している.
> RBKの報道によると,ヤノマミ族はベネズエラ政府に対して調査を依頼しており,ベネズエラ政府は現段階ではこの情報を公式的には確認していないものの,調査を開始する事を約束している.
「VOR」◆(2012/09/06)ベネズエラ大統領 ヤノマミ民族の虐殺を否定
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/09/06)ベネズエラ 大統領選挙に向けて想定される,いろいろなシナリオ 先住民虐殺情報の謎
「VOR」◆(2012/09/23)ベネズエラと中国 金の共同採掘で合意
「VOR」◆(2012/11/16)ベネズエラ 米国製の輸送機にかわって,中国製のY-8輸送機使用へ
「VOR」◆(2012/11/23)ベネズエラ 訓練中の空軍機空中衝突 パイロット命を懸け村落への墜落を回避
「VOR」◆(2012/11/28)ベネズエラの軍事パレードで中国製の爆撃機墜落
「VOR」◆(2012/12/09)チャベス大統領 がん再発 後継者を指名
「VOR」◆(2013/03/06) ベネズエラのチャベス大統領死去
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/10/06)ベネズエラ 7日大統領選挙 チャベス氏を追い上げる野党候補
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/10/16)ベネズエラ 4選を果たしたチャベス大統領 その“バラマキ”政策には危うさも
中国への接近についても記述あり
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2013/03/08) ベネズエラのチャベス大統領死去 アメリカの思惑 キューバの懸念
【質問】
アルゼンチンが韓国原発導入を検討しているそうだが?
【回答】
2010.7.18,韓国政府知識経済部が明らかにしたところによると,同国政府から駐アルゼンチン韓国大使館を通じ協力の可能性について打診があり,具体的な内容を確認しているという.
アルゼンチンは現在原子力発電所2基を運営中,新たに1基が建設中で,いずれもカナダの重水路型原発【注:原文まま】を導入している.
ただ,別の関係者は,アルゼンチンが具体的にどのような原子炉を考慮しているのかまだ具体的な内容は確認できていないとし,
「現時点では互いに意向があると確認したもので,それ以上でも以下でもない」
と述べている.
【参考ページ】
【韓国】聯合ニュース 2010/07/18 11:24 KST
考えるところはいろいろあるが,事実関係を中心に指摘することとする.
> アルゼンチンは現在原子力発電所2基を運営中,新たに1基が建設中で,いずれもカナダの重水路型原発を導入している.
まず×「重水路」→○「重水炉」との変換ミスは良いとして,
> いずれもカナダの重水路型原発を導入
ここで間違い.
アルゼンチンには現在存在する原子力発電所2基はいずれも重水炉で間違いない.
しかし,非常に紛らわしいが,アルゼンチン最初の原子力発電所(アトーチャ(ATUCHA)1号機)はドイツのシーメンス・クラフトベルク(KWU)社製,電気出力35.7万kWの「圧力容器型重水炉(PHWR)」という現在運転中の原子力発電所としては「世界唯一」の極めて珍しい形式の物である.
圧力容器型重水炉(PHWR)の詳細については以下参照.
重水冷却圧力容器型炉 (03-02-05-02)
一方,もう一つの原子力発電所は,カナダ原子力公社(原子炉部分)とイタリアの企業(タービン部分)発注のエンバルセ(EMBALSE)原子力発電所(電気出力64.8万
kWのCANDU炉)である.
こちらは普通(?)の CANDU炉である.
世界にある現存する重水炉原子力発電所は,そのほとんどがCANDU炉であるため,つい「いずれもカナダの重水炉」と間違えるのは,ある意味やむを得ない(私自身文献等で諸元等再確認するまで同じ思いこみをしていた).
事ほどかように圧力容器型重水炉(PHWR)とは希少な原子炉であるが,現在アルゼンチン第3の原子力発電所として,アトーチャ2号機(シーメンスKWU製PHWR,74.5万kW)
が建設中である.
これは1979年に発注され,当初,1987年に完成を予定しながら,81%完成したところで資金不足などのために中断していたものである.
因みに現在ではシーメンスKWU社はもはや存在せず,存続会社がフランスAREVA
NP社(ただし現在合弁解消係争中)となっており,もはや圧力容器型重水炉の新規取り扱いを止めている.
そのため,2006年8月の アルゼンチン電力会社Nucleoelectrica
Argentina(NA)とカナダ原子力公社(AECL)の再開の契約では,計装技術など最新技術によるいくつかの設計変更を行い,2010年の後半の運転開始を計画し,現在建設の最終段階に入っている模様である.
詳細は
http://www.atucha2.com/
http://jdream2.jst.go.jp/jdream/action/JD71001Disp?APP=jdream&action=reflink&origin=JGLOBAL&versiono=1.0&lang-japanese&db=JSTPlus&doc=06A1016163&fulllink=no&md5=c895e66add085e23f397ecba1fb41dd4
参照.
以上より,カナダ(カナダ原子力公社)の関与が強くなっており,間違いは間違いであるがいずれもCANDU炉と誤認しても,ある意味やむを得ない状況である.
以上の通り,重水炉の総本山として君臨するカナダではあるが,重水の供給源としても世界的に君臨している.
ここで韓国とアルゼンチンの繋がりが発生するのだが,韓国にもカナダから導入したCANDU炉が存在し,運転を継続している.
ここで必要となる重水であるが,ある一定程度で補給,交換しなければならないが,非常に高価(良く言われるのが「高級ウィスキー」と単価が同じ)であり,供給源が限られる.
そのような重水であるが1996年4月の入札では,当時の韓国電力公社向け緊急備蓄用重水30トンを,カナダのオンタリオ・ハイドロ社をおさえてアルゼンチンが供給することになった.
何でもアルゼンチンは人件費,エネルギーコストが安いため,カナダのブルース重水工場よりコストは20%安いとのことである.
詳細はこちら参照
アルゼンチンの核燃料サイクル (14-08-02-03)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=14-08-02-03
ただ,この重水.これを用いればウラン濃縮工程無しでも天然ウランで原子炉を構成することが可能なため,ウランやプルトニウムなどと同様にIAEAによる査察対象物資になっており,ほいほい輸出入することが出来ない.
逆に言えば,このときの繋がりが今回のニュースに発展した,アルゼンチンと韓国の原子力を結ぶ,その下地を作ったものとも言える.
因みに,アルゼンチンではウランの自給が可能なため,ウラン濃縮工程無しでも成立する重水炉路線を取ることによって,核燃料の自給を可能としており,他の先進国と比較してもその技術的水準はかなり高いものである.
一方,単純に経済的な観点で言えば,ウラン濃縮役務さえ確保できれば,現在世界で主流の軽水炉の方が重水炉より優れており,今回のアルゼンチンによる韓国原発導入打診もその延長線上にとらえることが出来る.
ただし,以前に韓国原発導入の動きがあった諸国とは致命的に異なるのは,アルゼンチンはガス拡散法による軍用濃縮技術は既に獲得済みの点である.
それを改良したSIGMA濃縮工場の建設計画が伝えられているが,2000年4月の出資希望者募集の動き以降,その後の状況は不明である.
そのため,先を見通すことが難しい側面があるが,以前の韓国原発導入の動きがあった諸国とアルゼンチンを同等に語ることは出来ず,実際の交渉の場においても,韓国に対しアルゼンチンがかなり有利な立場に立つことが予想される.
それは韓国原発導入で致命的ともなりかねない,
核燃料の確保において,第一義的に「韓国を通じて」他国にウラン濃縮を依存しなければならない他の諸国と,やろうと思えば「自前で出来ないこともない(その能力を潜在的に保有している)」アルゼンチンには,大きな差があること.
この点で言えば,むしろ韓国よりアルゼンチンの方が先に進んでいるとも,同等とも言える.
もっとも,アルゼンチンの既存設備で大型商業用軽水炉発電所に必要なウラン濃縮役務は賄えないが.
韓国原発の売り込みにあたって,韓国は主にその安さを武器に,隠し球として人材交流等を使って来たが,アルゼンチンに対してそれが果たして通用するのか.
かなりのくせ者と言えるアルゼンチンに,手玉に取られることがないか,今後に注目するところである.
皆さんは如何お考えでしょうか.
へぼ担当 in mixi,[2010年07月19日05:04
青文字:加筆改修部分
【質問】
では,逆は?
韓国型原子炉と,イエローケーキないし濃縮技術まで含めた軽水炉用燃料棒とい う,バーターは成り立つのでしょうか?
これは,亜>>韓という力関係という前提でもいいですけど.
輸出した韓国型に燃料を担保するのに,アルゼンチンが関与するというマーケティングも,あるのでしょうか?
Sionoiri
【回答】
> 濃縮役務
これが単なる2国間だけの問題であれば,ご指摘の通りアルゼンチンと韓国との間でイエローケーキないし濃縮技術のバーターが成立する可能性があります.
しかし,韓国が必要とするウラン及びウラン濃縮役務を全てアルゼンチンが賄うことが出来れば話は別でしょうが,それはとても不可能な話であり,アメリカなどの「第三国の関与」が必須となります.
つまり,ウラン濃縮技術もウラン資源も保有するアルゼンチンにとっては絶対有利であっても,韓国始め各諸国のウラン濃縮能力をコントロールしたいアメリカ等が,コントロール出来ないアルゼンチン分以外の分を認めることはあり得ない
(もし認めるのであれば,とっくの昔に韓国内でのウラン濃縮が実現している)
ことが指摘できます.
<IAEA等の管理としてアメリカやロシア等が提唱する,核燃料バンク構想もその一環です.
これが良く韓国が不満を漏らす,
「不公平性(日本にはウラン濃縮も再処理も認めているのに韓国に認めないのは云々)」
なのですが,無断(IAEA等への無申告)でウラン濃縮実験を行った韓国独自の過去の汚点・信用欠如等があります.
更にはこれらビジネスの問題も加わって,韓国にウランそのものや濃縮役務を提供するアメリカやフランス,ロシア等競合諸国が,原子力2国間協定を最大限に行使して,韓国を牽制するのは必至と愚考します.
以上のように,韓国からの原発導入にはこれら重大なリスクが伴うのですが,当該国は知ってか知らずか.とにかく,全て韓国の責任において調達させることとしていますので,近い将来に何らかの問題(韓国に限らず,韓国が原発を輸出した国々含む)が発生した際,韓国が自国分も含めて極めて厳しい立場に立たされる可能性があるのは明白.
よって,順調そのものの現在は良いのですが,韓国にとって「自国だけではない」将来60年にわたり極めてリスクの大きい事業を受け持つこととなり,極めて険しい道をたどらなければならないのは必至と愚考します.
個人的な感想を言えば,それら全てにおいて責任を持ち,自国で何とか核燃料調達を完結させることが出来るアメリカ・フランス・ロシア等競合諸国に対抗して,韓国が自国の実力・能力を明らかに超えた事業提案を,あまりに安易に行ってしまったがために,それら問題が顕在しないうちは良いものの,将来「こんなはずではなかった」となるのは必至ではないかと,極めて冷めた目で見ています.
そして,韓国を反面教師とし,日本自身がそれらの轍を踏まないような,極めて慎重な在り方・アプローチが必須と考えます.
へぼ担当 in mixi,2010年07月19日 15:21
【質問】
第2次大戦後のアルゼンチンの航空機開発状況を教えられたし.
【回答】
南米のArgentinaは最後まで,連合国に入るのを躊躇しました.
この為,米国からは様々な圧力を受け続けた訳で,早くから連合国入りして航空機の供給を受けたBrazilに比べると,戦力的には劣っています.
〔略〕
戦後は,蓄積した外貨で,隣国との軍事格差を少しでも埋めるべく奮闘します.
英国から余剰となった重爆撃機Lancasterを購入し,更にジェット戦闘機MeteorF.4をいち早く購入して装備しています.
そして,ドイツやフランスで対独協力者として訴追されそうになった設計者を受容れ,ジェット戦闘機の製作をしようと言う野望に燃えました.
中心になったのは,CordobaのInstituto Aerotècnicoです.
先ずは,MeteorF.4に装備されていたDerwentを用いて,フランス人Emile
DewoitineがJulian San Martin代将の協力の下に,I.Aè.27
PulquiIが製作されました.
設計は1946年から開始され,狙いとしては比較的簡単な構造で,不整地の小さな飛行場から作戦出来る迎撃戦闘機でした.
Dewoitineの設計は,円形断面の胴体内部にDewentを1基装備し,先端に空気取入れ口を置いて,ダクトを操縦席両脇に通し,エンジンの排気を機尾に設けた構造で,主翼には層流翼を採用したものの直線翼,胴体にはエンジン関係で手一杯で,翼内にだけ燃料タンクを設け,主翼下に補助タンクを装備することにしていました.
武装は20mm機関砲を4門機首に集中し,ロケット弾や爆弾用のハードポイントを設ける予定でした.
1947年8月9日,南米初のジェット機として初飛行に成功しますが,その性能は最大速度720km/h,航続距離900kmと期待はずれに終わり,結局,試作だけに終わりました.
一方,ジェット戦闘機はもう一つのチームも作っていました.
1946年にドイツを逃れ,Argentinaに来ていたKult
Tankです.
彼は,大統領のPerón将軍と契約して,旧Focke-Wolf社のスタッフと共にMeteorF.4の後継機として本格的な戦闘機を設計しました.
機体は,ドイツ時代のTankが大戦末期に設計したFocke-Wolf
Ta-183の直系で,英国製Neneエンジンを比較的短い胴体に装備し,胴体先端に空気取入れ口を持ち,機尾から排気を導く形を取っており,主翼は後退角40度の後退翼,垂直尾翼は50度,水平尾翼も45度の後退翼を採用していました.
原型1号機は1950年6月27日に初飛行し,I.Aè.33
PulquiIIと命名され,Tank自身の手によっても試験飛行が続けられました.
これまた,南米初の後退翼戦闘機.
試作機は翌年,低空飛行のデモ中に破壊されますが,以後,10年間に5機が試作されて,テストが行われています.
しかし,5号機の初飛行した1959年には既に超音速の時代.
コスト増と経済混乱,Tank達の離国などもあり,結局,Perónの夢は無惨に砕かれてしまいました.
量産型は軸流式ジェットエンジンを用いてMach0.98に達する予定でした.
I.Aè.63は,そう言う意味では,Perónの夢再びと言うことなんでしょうねぇ.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 in mixi,2007年08月19日
【質問】
チリ軍の概要を教えられたし.
【回答】
チリ軍は国家元首たる大統領に隷属し,命令は国防相を通じて下令されます.
大統領は国軍最高指揮官です.
陸軍
司令官はOscar Izurieta Ferrer陸軍大将.兵力45000人.
司令部(サンチアゴ)の元,七個師団,一個航空旅団(ランカグア),特殊戦コマンド(コリーナ)で編成されています.
ラテンアメリカで最も近代化された軍のひとつです.
海軍
司令官は Rodolfo Codina海軍大将.兵力23000名(海兵隊2500名含む)
「チリ艦隊」(航空部隊・海兵隊を含めて編成)と海洋権益・商船統制保護部隊からなる.
29隻の水上艦(戦闘艦はフリゲート8隻),4隻の潜水艦,空輸警戒任務に当たる航空機を保有している.
戦闘機や爆撃機は保有していない.
水上艦基地はバルパライソにあり,潜水艦基地はタルカフノにある.
空軍(FACH)
司令官はRicardo Ortega Perrier空軍大将.兵力12500名.
5個航空旅団(司令部 イキケ,アントファガスタ,サンチアゴ,プエルトモン,プンタアレナス)で編成されている.
南極圏のキングジョージ島でも展開している.
F-16S,10機の米からの調達を完了した(2007/3).
同年,F-16Sブロック15を数機,オランダから調達し,同国からの調達はこれで18機になっている.
国家警察
1973年の軍事クーデター以降,チリ国家警察は国防省隷下になった.
民主化後,警察は内務省管轄下に入ったが,以前と同じく国防省隷下で活動している.
司令官はJose Bernales陸軍大将で,兵力30000名.法の執行,交通整理,麻薬制圧,国境地帯の統制,対テロ任務等に当たる.
その他
兵役は18歳から45歳までの男女志願制だが,国家には徴兵権が授与されている.
任期は陸軍12ヶ月,海軍と空軍は22ヶ月である.
兵役対象となう年齢層の人数は男性312万3281名,女性312万8277名である.
ちなみに2005年時点で兵役対象の18歳になった人の数は,男性14万84名,女性13万4518名である.
GDPに占める軍事費の割合は2.7%となっている.(2006年)
【参考サイト】
http://www.chileusafta.com/
http://tinyurl.com/43hvqf
http://www.state.gov/r/pa/ei/bgn/1981.htm
ちなみに2008/4/8,米とチリの国防相は八日,科学技術・ハイテク技術情報の共有をはじめる合意に署名しました.
2国間の相互関係はさらに強化されそうです.
今回調印された「基本情報交換合意」は軍事技術に関する基礎データ交換を正式な形で行なうための枠組み合意です.
国防総省高官は,「両国間の相互関係を深めることができ,更なる関係を産むことが可能になる」としています.
ゲーツ長官は「次のステップとして,チリで特定の軍事科学・ハイテク技術計画開発ができるようになればいいと考えている」と述べています.
6月に米とチリは両国の軍事技術・ハイテク関連研究所のスタッフを交換する合意に調印し,今夏にはチリ軍将校が米陸軍研究所に派遣され,チリに派遣される米研究者の割り当てが行なわれます.
【質問】
南米のチリって細長いから守りにくくね?
何か特別な防衛計画とかあるの?
【回答】
基本的に南米諸国は1945年3月,4月に決議されたチャパルテペック決議に拘束されます.
この決議は,条約によって確立された国境線を侵す,もしくは侵す危険性がある場合は,締約国は共同して武力使用もしくは武力使用を含む措置に同意すると言うもので,下手をすれば侵略国は米国をはじめとする各国から袋だたきに遭う可能性があります.
また,1948年12月3日に発効した米州間相互援助条約では,チャパルテペック決議を拡大して,内部の論争を平和的に解決するように調印国を拘束し,加盟国が外部からの攻撃を受けた場合は集団的自衛措置を執ることになっています.
従って,外部からChileが攻撃を受けた場合,首都サンチアゴ近辺とバルパライソ近辺に兵力を集中させ,持久を行いつつ,周辺諸国の参戦と米国の援助待つと言うものになるかと思います.
ちなみに,Chileの海軍は四分割されており,
南緯26~36度を担当する,バルパライソを司令部とした第1海軍管区,
南緯36~43度を担当する,タルカワノを司令部とする第2海軍管区,
南緯43度~ホーン岬までを担当する,プンタアレナスを司令部とする第3海軍管区,
南緯26度以北を担当する,イキケが司令部の第4海軍管区に分かれており,
主力艦艇は殆どがバルパライソに,残りが第2~第3海軍管区に配備されています.
それぞれの管区には海軍航空隊1個飛行隊と海兵隊が1個群配備されています.
陸軍も同様に海に向かっては4分割ですが,山間部を2分割,首都に軍管区が分かれており,南北に司令部が設置されています.
空軍は南北に戦闘機部隊があり,防空隊は海軍と同様に4分割+首都という配置です.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板
【質問】
チリに自衛隊は派遣されるでしょうか?
【回答】
チリでの大地震を受けて,チリに自衛隊が,災害救助と復興支援のために派遣される可能性が高まってきました.
津波で大きな被害なく安堵,チリに自衛隊派遣の可能性=官房長官
チリでは銅が大量に採掘される事から,資源バブルで多額の収益を得た上に,1973年に当時のアジェンデ社会主義政権がピノチェト陸軍総司令官によるクーデターで倒され,ピノチェト司令官は大統領に就任,新自由主義経済を導入して経済成長を遂げたので,軍の装備は南米でもかなり充実しており,F-16戦闘機などを保有したりしています.
ですので,派遣の可能性はないかな?とは思いましたが,チリでは地震後,暴徒化した市民による略奪が発生し,軍は治安維持にも振り分けざるを得なくなり,災害救助の部隊の削減をせざるを得ない状況になる可能性もあります.
また,チリは隣国のペルーやボリビアと国境紛争を抱えており,特にボリビアは太平洋戦争(南米で発生したチリ・ペルー・ボリビアとの戦争)の敗戦によるバルパライソ条約により,アントファガスタ地区をチリに取られた事で内陸国になり,今もその事でチリに恨みを抱いています.
現在のボリビアのモラレス社会主義政権が軍事行動を起こすとは思えませんが,万が一にこの事態を機に軍の暴走の可能性は排除はできません.
となると国境付近の兵力を割くのは難しく,外国軍部隊に援助を依頼する事はありえます.
チリの自衛隊派遣は十分に有り得るでしょう.
バルセロニスタの一人 in mixi,2010年03月03日06:40
その後,ルーピー鳩山内閣が発表したのは,国際協力機構職員2名を,現地へ派遣すること.
しかもチリ政府が医療チーム派遣をキャンセルしてきたため,派遣を見送ったという.
【質問】
パラグアイの軍事情勢について教えてください.
【回答】
ワールドカップで駒野に駆け寄ったバルデスさんへのお礼として,パラグアイの軍事を取り上げてみます.
パラグアイ軍の情報については,ネットでもあまり豊富ではありませんが,調べてみると興味深い事実が浮き彫りになってきます.
パラグアイの軍事 - Wikipedia
パラグアイは知っている方も多いように,国土はさほど大きくなく,国力増強のために移民を奨励し,実際に1959年には移住協定が日本との間に結ばれ,現在に至るまで日本人移住者が多く住む,親日的とされる国家です.
もっとも高度経済成長の時期に結ばれた協定ですから,パラグアイで一旗揚げようという人々ばかりかも知れません.
昔は最強の軍隊を保持し,国土も大きかったのですが,三国同盟戦争で敗北した後は国力が停滞し,チャコ戦争で辛勝したものの,4万人もの死者を出し,さらに1947年には,民主化を求める自由党や共産党と内戦が勃発,
軍が勝利はしたものの,パラグアイの凋落の原因ともなりました.
その後はブラジルの援助を受けた,パラグアイ軍のストロエスネル将軍によるクーデターにより
,反共親米軍事政権が誕生,海外投資を受け入れてインフラ整備に乗り出す一方で,インディオ(先住民)虐殺や人権侵害,またドイツ系であったストロエスネル大統領は,ナチ戦犯の国内潜伏も許した事でなどで,国際的批判が高まり,さらに冷戦崩壊でアメリカからも見捨てられ――それ以前にも人権侵害で,アメリカから制裁を受けていた――,1989年には側近のロドリゲス将軍による軍事クーデターで追放され(2006年ブラジルで死去),民主化される事になりました.
また,悪名高き南米軍事政権の,軍諜報部による左翼反体制派抹殺作戦「コンドル作戦」では,パラグアイ軍諜報部も参加しました.
ピノチェットとコンドル作戦南米テロリズムのネットワーク
ただ,コンドル作戦ではパラグアイの役割が全く知られていないような感じもされます.
これはチリのピノチェト軍事政権の人権侵害や,アルゼンチンの反体制派抹殺作戦「汚い戦争」が,インパクトがあり過ぎた事によるものです.
まぁ,1973年のチリの軍事クーデターでは,街頭に軍によって殺害された人々の遺体が放置されていたり,サッカースタジアムに反体制派を抑留して射殺したり,アルゼンチンでは反体制派を大西洋からヘリで突き落として殺害し,その遺児を軍人が引き取ったり・・・.
特にチリの人権侵害は,いくら自由主義経済を導入してチリ経済を立て直したとはいえ,言い訳にはならないかと.
経済成長の陰にある闇の歴史:異・文・化・体・験(Cross-cultural
Experience)
アルフレド・ストロエスネル-Wikipedia
さて,パラグアイの軍事を見てみると,戦車は未だにM4が現役である一方で,ブラジルからEE-9偵察・火力支援装甲車を導入しています.
銃器はM1やFALが未だ現役ですが,まぁFALがあるだけも結構まともかと.
また,内陸国ですが海軍も存在し,哨戒艇の他に海軍航空隊も存在します.
空軍は戦闘機は存在せず,AT-33が今も現役です.
この布陣を見てみると,パラグアイ軍はむしろゲリラ対策に力を入れていて,対外防衛は二の次という感じがします.
これはブラジルとアルゼンチンが,お互いを仮想敵国としており,その中間にいるパラグアイやウルグアイは中立地帯となっているので,対外侵攻の可能性が薄いとされているからです.
そしてパラグアイの軍事で語られるべきが,反政府ゲリラ・パラグアイ人民軍(EPP)です.
パラグアイ EPP撃滅のため史上最大の掃討作戦を展開:RE-JOURNALISM
パラグアイ人民軍は,コロンビアの反政府ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)とも共闘関係を結んでいると言われています.
コロンビア革命軍はかつてはメデシン・カルテルなど,コロンビアの麻薬密売組織と共闘関係を結んでおり,メデシン・カルテルはFARCの軍事力を引き換えに,FARCに支援していましたが,メデシン・カルテルがコロンビア政府と米軍により,壊滅させられた後はロシアン・マフィアにコカインを売って武器を購入していると言われています.
また,現在もそうですが,日本各地のストリップ劇場に南米系とおぼしき女性が,ストリップや売春を強要させられていた事があり,新宿などでの街娼もさせられていますが,これを仕切っていたのはコロンビア・マフィアでしたが,現在でも摘発されるケースがあるという事は,マフィアに代わり,FARCがロシアン・マフィアを通じて売春婦を送り出し,その利益でロシアン・マフィアから武器を購入している可能性もあります.
この収益で政府軍より高性能な武器を手に入れ,今や南米最大の反政府ゲリラとなったのです.
コロンビア革命軍 - Wikipedia
17歳少女を含むコロンビア女性売買 店内で売春強要 7000円:2chログ
しかしコロンビア革命軍は,腐ってもマルクス・レーニン主義の左翼ゲリラ.
民衆のために立ちあがったゲリラなのにマフィア化するとは・・・.
チェ・ゲバラが見たら泣くな,こりゃ.
そのコロンビア革命軍が,パラグアイ人民軍と繋がっているとすれば,麻薬や対テロ戦争絡みでも,アメリカが黙っているわけはありません.
実際,パラグアイ空軍のマリスカル・エスティガリビア空軍基地には,米軍特殊部隊が軍事顧問として到着し,パラグアイにおける対テロ戦争に参加していると思われます.
米政府はパラグアイの安定とテロ撲滅のため,パラグアイにさらなる軍事援助をする必要性が生じるでしょう.
バルセロニスタの一人 in mixi,2010年07月07日11:13
パラグアイ空軍の翼
AT-33A
UH-1H
EMB-326
(画像掲示板より引用)
【質問】
パラグアイが今もシャーマン運用してるって本当ですか?
【回答】
パラグアイ陸軍の装備(2007年,World Defence
Armanac).
M-3ハーフトラック 12輌,
M-8「グレイハウンド」 12輌,
EE-9「CASCAVEL」 30輌,
EE-10「URUTU」 10輌
他に
75mm牽引砲 20門,
105mm牽引砲 15門,
152mm牽引砲 6門
81mm迫撃砲 75門,
M20 75mm無反動砲,
20mm対空砲 20門,
M1A1 40mm対空砲 10門
英文Wikipediaには12輌の M-4シャーマンや12輌のスチュアート戦車が挙げられているが,上記のMunch出版資料には掲載されておらず,Wikipediaの方が正しいのか,Wikipediaの推測に反して未だにお蔵入り状態なのか不明.
1988年の時点で「保有」していた装備は下記にまとまっているが,どこまで現役なのかがわからない.
http://lcweb2.loc.gov/frd/cs/paraguay/py_appen.html
http://album.miarroba.com/cnel_franco/1/17/
を見ると現役っぽいが.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問 kérdés】
1890年代~第二次大戦までのペルー海軍艦艇について教えられたし.
【回答 válasz】
南米大陸で大国と言えば,アルゼンチン,ブラジル,チリが3大国の位置を占めています.
これは今でも変わりません.
で,残りは有象無象かと言えば,忘れてならないのが第4極の存在です.
日本では,フジモリ大統領が就任していた国と言えば有名だと思いますが,ペルーがそれに当たります.
ABCの各国が欧米寄りの軍備を整えているのですが,何故かこの国はそうした国が見向きもしない国から軍備を整えています.
半世紀前にはセンデロ・ルミノソと言う,キューバ革命に影響を受けた人々が反政府活動を行っていました.
キューバと言えば共産主義諸国の一員ですが,ペルーの主力戦車はソ連製のT54/55,装甲車はBTRなどとソ連製兵器が目白押し.
空軍の軍備も,ソ連の他にはポーランドにまず最初に配備されたものの,友好的な発展途上国にすら輸出されていないSukhoi Su-22なんて言うのがいち早く輸出されていましたし,今でもヘリコプターはMil Mi-8/17系列が使われています.
そんなペルーですが,海軍は当初そんなに戦力を保持していませんでした.
しかし,隣国ボリビアとの本物の「太平洋戦争」に勝利し,ボリビアの海岸線を奪ったことで,海軍に脚光が浴びます.
とは言え,巡洋艦を発注したもののその数2隻.
しかもそのうちの1隻は1895年に日本に売却してしまいます.
余談ながら,日本は結局この巡洋艦を配備せず,米国がこれを引き取って砲艦として就役させていたりします.
ただ,隣国で大国のチリが前に書いた様に海軍の軍拡に力を入れ始めると,そうも言っていられません.
「太平洋戦争」でボリビアから得た領土をチリに奪われる危険があったからです.
そこでなけなしの予算を叩いて,1906年から1907年に掛けてAlmirante Grau級の偵察巡洋艦を英国に発注します.
それに加え,1908年~14年にかけて,英国に対抗すべくフランス海軍の軍事顧問団が来た時に,1890年建造の装甲巡洋艦Dupuy de Lomeを購入したのですが,支払の段になってトラブルが発生し,また,戦力バランスが崩れることを嫌ったチリの横槍で引き渡されず仕舞い.
そうこうしている内に第1次世界大戦が勃発してしまい,旧式艦と言えども喉から手が出るほど欲しかったフランス海軍が,この艦を接収します.
ただ,実際にはペルーに引き渡されず放置されていたものだったので状態が悪く,余り使われる事は有りませんでした.
結局は,ベルギーに売却され,同国で商船に改造されたそうです.
Almirante Grau級の偵察巡洋艦は改装を重ね,その後50年間,ペルーの旗艦として君臨します.
射撃指揮装置はイタリア製のものに換装し,対空砲は何と日本製の8cm高角砲に換装していたりします.
この時期はチリとの緊張関係が緩和し,一方でコロンビアやブラジルとアマゾンを巡る国境紛争が勃発したので,Loreta級河川砲艦が1930年代に整備され,唯一の駆逐艦Rodriguezや米国製のR級潜水艦が川を遡って,紛争地に送り込まれています.
なお,R級は1926年に6隻が発注されたのですが,大恐慌の御陰で2隻キャンセルになりました.
この他,エストニア海軍の2隻の旧ロシア海軍駆逐艦が2隻,アマゾン危機に際して1933年に購入したのですが,現地までの輸送手段が無く,これまた放置された結果,進駐してきたソ連海軍に接収されています.
戦前のペルー海軍は第四極どころか,箸にも棒にもかからない海軍だったわけです.
眠い人 Álmos ember ◆gQikaJHtf2,2020-08-03
青文字:加筆改修部分
【質問】
ベネズエラ Venezuela で進められている軍近代化は,どんなものか?
【回答】
ヘリ,艦艇,輸送機の調達など,27億ドルをかけて,ベネズエラ軍は近代化を進めている.
左翼のチャベス政権と米との対立が深まっていることが原因である.
最初の輸入となるカラシニコフ突撃銃3万丁が年末に到着する.(全部で10万丁をロシアから輸入)
国防支出は昨年比31%増の20億ドルでその他に22億ドルほど見積もられている
哨戒艇はスペインから輸入し,過去最大の武器取引となる.
ヴェネズエラ空軍のSu-33
(画像掲示板より引用)
◆◆総記
【質問】
ラテンアメリカの軍事強国は?
【回答】
あくまで一つの目安でしかないが,国防支出大国の顔ぶれ(The
Military Balance 2006-2007)を見ると,
ブラジル:132億ドル(国防予算)
コロンビア:63億ドル(国防予算,他の軍事支出,警察予算,米の軍軍事援助)
チリ:38億ドル(国防予算,追加的軍事予算,国家警察予算)
メキシコ:31億ドル(国防予算)
アルゼンチン:17億ドル(国防予算)
ベネズエラ:14億ドル(国防予算,予算外からの軍事支出は含まず)
となっている.
【質問】
アメリカ合衆国の奴隷制が廃止になったのは,南部の黒人の労働力がほしい北部が,黒人奴隷を手放したくない南部連合と闘って勝利したから,と説明する文献が多いように思います.
では,中南米諸国が奴隷制を廃したのも,主に経済上の理由からなのでしょうか?
できましたら,奴隷制廃止に人道上の理由はどの程度関わっていたのかという点も含めて,ご教示いただけると嬉しいです.
【回答】
18世紀後半にMoral Reformの動きが,英国で発生し,奴隷貿易の禁止を訴える組織的活動がLondonなんかで活発となってきた.
1807年に英国議会に於て,英国船による奴隷貿易が廃止され,1833年に大英帝国全体での奴隷貿易が禁止される.
英国は同様に,奴隷貿易の廃止を欧州諸国に求め,1815年2月に英国,フランス,オーストリア,プロイセン,ロシアが奴隷貿易禁止の共同宣言を発し,1822年11月のVeronaでの会議でも同様の宣言が行われている.
1815年の五大国宣言を受けて,スペイン,ポルトガル両国は,英国と個別に協議を重ね,1817年に北半球での奴隷貿易が禁止され,1826年に4年以内に奴隷貿易を廃止すると言う条約を締結.
スペインは,自国商船が奴隷貿易を行っていたら,それを海賊行為と同様のものと認め,厳しく罰すると言う議会法令を1835年に受入れてた(但し,1867年までキューバには適用されず).
また英国は,1811年から英国海軍を大西洋に貼り付け,定期的に巡回することで,奴隷貿易船を拿捕しようとしていた.
1839年現在でも,大西洋に四等艦1隻,スループ18隻が配置し,この艦船は英国と二国間条約を結んだ対象諸国の商船をも,疑わしき場合は拿捕することが可能だった.
拿捕船は,その船籍の本国に回漕されるか,拿捕場所に最も近い港町の混合裁判所に連れて行かれ,そこで裁判に掛けられることもあった.
裁判の結果,拿捕船が奴隷貿易船かそれを行う艤装が為されていたという判断があれば,乗組員は総て起訴され,各国の法律で改めて裁かれ,船と積み荷は没収,競売後にその代金は英国政府に支払われ,拿捕した艦船の乗組員に分配されると言う仕組み.
同じように,1808年に米国,1827年からはフランスが同様な措置を行う様になったが,1841年まではフランス,ロシア,米国,スペイン,ポルトガルの国旗を掲げた商船が多く奴隷貿易に手を出していた.
これは英国が厳格にやっていたのに,主要各国と相互臨検,探索の権利を認め合う条約を整備していなかったから.
特にポルトガルと英国との間には,奴隷貿易廃止を巡る多くの問題があり,廃止させたい,英国側とそれに理解のある親英派,それに反対する奴隷貿易商人と親仏派との争いが長らく続き,ポルトガルで議会が奴隷貿易廃止を宣言するのが1839年.
それを受けて,1841年に5大国間での奴隷貿易廃止条約を締結.
また,その圧力によって,やっとポルトガルが奴隷貿易廃止条約を締結したのがその半年後.
まぁ,英国外交の粘り勝ちってところかな.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 世界史板,2006/08/06(日)
青文字:加筆改修部分
究極のところは,奴隷制度がすたれたのは経済的に効率が悪いから,なんだけどね.
但しイスラム圏,サウジアラビアとかはかなり最近まで残ってた.
(正式に法で廃止されたのが1960年台だったような…
すまねえ手元に資料がない)
アフリカとかではいまだに残ってるという話もある.
スーダンだっけかな?
世界史板,2006/08/06(日)
青文字:加筆改修部分
【質問 kérdés】
19世紀以降の南米ABC諸国の建艦競争はどういうものだったのか?
【回答 válasz】
南米のABC諸国と言えば,アルゼンチン,ブラジル,チリの3ヶ国です.
頭文字を取ってABCだそうで.
何れも,南米大陸の中で上位の国力を持つ国です.
国の規模が似たようなものであれば,当然のことながら張り合いをする訳で.
軍備についても御多分に漏れません.
19世紀後半の原料輸出国としての羽振りの良さを背景に,この3国は,特に海軍について軍備競争を繰り広げます.
1860年代から1870年代に掛けては海防戦艦を競い,1880年代から1890年代になると防護巡洋艦,そして装甲巡洋艦の建艦を競いました.
例えば,アルゼンチンがGaribaldi級の装甲巡洋艦をイタリアで一気に4隻建造し,更に2隻を建造していましたが(それが後に日本海軍に売却されて日進,春日になったのですが),チリはEsmeralda(先代のEsmeraldaは1894年に日本海軍に売却されて和泉になりました),O'Higginsを英国で建造して追随します.
装甲巡洋艦の建造競争で出遅れたブラジルは,20世紀に入ってエポックメーキングとなる弩級艦を英国で建造することになりました.
それがMinas GeraisとSão Pauloの2隻です.
一気に建艦競争でトップに躍り出たブラジルに対し,黙っていなかったのがアルゼンチンとチリ.
アルゼンチンはブラジルのものより大型の戦艦を米国に発注し,RivadaviaとMorenoを建造しました.
アルゼンチンの戦艦は,ブラジルと同じ6基の12インチ砲塔を有していますが,ブラジルの戦艦がドレッドノートと同じく前後に2基,側面に1基ずつという配置だったのに対し,6基の砲塔すべてが中心線上に配置され,片舷で12門すべてが指向できる構造になっています.
つまり,片舷の砲力が2門分ブラジルよりも高かった訳です.
チリはこうなると一気に劣勢となります.
しかし,先進各国でも建艦競争は続いており,12インチ砲を凌駕する砲が開発されていました.
そこで,チリが英国に発注した戦艦2隻は,Iron Duke級の準同型艦としてアルゼンチンやブラジルの戦艦を上回る14インチ砲を10門搭載する超弩級艦となり,Almirante LatorreとAlmirante Cochraneと名付けられ,1913年11月に一応完成しましたが,艤装完了が1915年となります.
1915年と言えば,第1次世界大戦の真っ只中.
各国が先進国に発注した艦は悉く接収されてしまいました.
チリの2隻は艤装中の1914年8月に英国から穏やかな売却の打診を受け,9月に接収に同意しました.
その後完成を急ぎ,Almirante LatorreはCanadaと命名されて1915年9月に完成します.
当時の英国に於いても超弩級艦は少なく,Grand Fleetの第4戦艦隊の有力艦としてユトランド海戦に臨み,無傷で生還しています.
因みに,Almirante Cochraneは船体のみ完成して放置され,その後,1917年に工事を再開して空母Eagleとして完成しました.
第1次世界大戦が終了すると相当数の戦艦は無用の長物となり,一気に廃艦となりました.
Canadaは再びチリに返還され,Almirante Latorreとしてチリ海軍のフラッグシップとして活動しました.
残念ながら,相当に改造されてしまったEagleの返還は叶いませんでした.
これに対抗してブラジルは英国にRio de Janeiroと言う超弩級艦を発注しましたが,こちらは経済が傾いて戦艦どころでは無くなり,進水した戦艦をオスマン・トルコに売り払います.
オスマン・トルコはこの艦の工事を続け,超弩級艦Sultan Osman Iとして完成させ,乗員も乗り込んで母国に回航する寸前に漕ぎ着けたのですが,英国に接収され,Agincourtと命名されました.
第1次世界大戦後,英国はチリの戦艦同様にブラジルに対し100万ポンドで売却を持ちかけたのですが,ブラジルは14インチ砲を搭載する超弩級艦として計画したのに,英国が完成させたのは手持ちの12インチ砲を活用した弩級艦だったため,ブラジルは拒否して商談は物別れに終わりました.
余談ながら,第1次世界大戦後は巡洋艦の建艦競争が繰り広げられ,第2次世界大戦後は3ヶ国とも空母の保有に躍起となっていたりします.
チリは脱落しましたが,その後,新たにラテンアメリカ世界の盟主となった米国が,この3ヶ国をなだめすかすかのようにBrooklyn級巡洋艦を2隻ずつ分け与えたりした訳です.
更に余談ですが,第2次世界大戦後,流石に戦艦は無用の長物と化してしまいました.
老朽化も進んでいましたが,新たなフラッグシップが導入されるまで,国の顔であり続け,1950年代に相次いで除籍されました.
そして,アルゼンチンとチリの戦艦の最期の地となったのが実は日本です.
RivadaviaとMorenoは1956年8月2日にスクラップとして売られると,Rivadaviaはジェノバで解体されましたが,Morenoの方は遙々日本に曳航され,徳山までやって来て解体されました.
また,チリのAlmirante Latorreは実に1959年まで生き長らえ,これまた曳航されて横須賀にやって来て解体されています.
当時は,三笠が記念艦として整備されている最中であり,復元完成しつつある三笠の沖合で,ジェットランド海戦最後の生き残りが解体されつつあった訳です.
更についでにいえば,ブラジルの戦艦2隻は1950年,1951年に除籍され,英国で解体されたのですが,1隻が途中で曳航索が切れ,一時行方不明になって大騒ぎになったそうです.
眠い人 Álmos ember ◆gQikaJHtf2,2020-05-15 23:37
【質問】
南米でアメリカが行っている麻薬取締り作戦は,どの程度効果があるか?
【回答】
▼肯定的な報道もあるが,▲なきに等しい▼とする見解のほうが比較的信頼性が高い.▲
以下,▼まずは肯定的報道の▲ソース.
▼
――――――
コロンビアのコカイン生産量が半減,軍の撲滅活動が奏功
【8月1日 AFP】
コロンビアのオスカル・ナランホ警察庁長官は7月31日,世界の総コカイン生産量においてコロンビア産が占める割合が6年間で半減したと発表した.
中米・カリブ諸国外相が麻薬の密輸対策を協議する会合で明らかにした.
アルバロ・ウリベ大統領が就任した2002年,コロンビアは世界のコカイン量の90%を生産していたが,現在は54%にまで減少したという.
この統計については,国連(UN)などの国際機関も確認済みで,ナランホ長官は,コロンビア当局が02年から6年間かけて集中的に実施してきた,コカイン栽培の撲滅,コカイン生産工場の取り壊し,麻薬密売組織の摘発などの努力が実を結んだ結果だとしている.
この間,コロンビア軍は,コカインやヘロインなどを違法栽培していた畑を100万ヘクタール以上撲滅した.
コロンビア警察によると,2008年1-3月に押収されたコカインは74トンだった.
――――――
しかしこの報道の信憑性については,以下のような疑問の声もある.
――――――
それ,ウリベのプロパガンダですから.
確かに,生産も摘発量も減ってるのは本当です.
コカ畑も減ってます.
そりゃ,生態系無視して枯れ葉剤ぶちまけりゃ,減りもしますわな.
しかし,コカ自体の生産はすでにボリビアに移ってまして――ボリビアではコカの栽培は合法ですから,当然なんですが――,コロンビアは粉の生産施設が残っていたんで,これまで引っ張って来られた.
ただ,本当の処は,FARCの中の変化じゃないか?とも言われてます.
原油価格高騰で,南米北部は軒並み国家財政が好転してるわけでして,貧困層と呼ばれるレベルにも,その 「おこぼれ」は廻って来てます.
その上で,キューバのフィデルが第一線から引っ込んだのもあるでしょう.
チャベスがフィデルの後がまを模索してますけど,人望が無い.
そんなわけでリクルートが先細り,上では茶番劇(レィジェス殺害は情報リークによる)が起きてますから,暫くはコロンビアからの出は先細ると思います.
今はボリビアからブラジル通るルートが活発になってまして,ブラジル国内,特にリオのファベーラのいくつかでは,ほぼ戦争状態ですね.
ただしこれも,ブラジルの連中のDQNさ加減が,ボリビアからはあきれられてる面があって,今後はペルーアマゾン経由が多くなるかも知れないです.
ブラジル連邦政府は,この地域に軍隊,それも最精鋭出してますよ.
あたしが昭和で書いた「たわごと」は氷山の一角と受け取ってもらって良いです.
ああ,なんでプロパガンダか説明して無いじゃん・・・
簡単に言うと,ボリビアでもペルーでもここでも,粉関係はほぼコロンビア人が仕切ってます.
ただ,どこにもコロンビアほどの「インフラ」は無い.
メデジンでのエスコバルの扱いを見れば判る通り.
結局,ウリベのやった事は,組織に一次退避を促しただけ.
麻薬かの根本を変えたわけじゃない.
そーいう事です.
――――――地球の裏側 ◆/lYVcP7um2 in ニュース極東板
同氏はハンドル・ネームの通り,地球の裏側,すなわち南米で船舶関係の仕事に従事しているとされる人物.
また柘植久慶も,ある米特殊部隊大尉の話として,以下のような内情を紹介している.
▲
――――――
長くボリヴィアと関わっていた,一人の米特殊部隊大尉と話したことがある.
彼はボリヴィア陸軍特殊部隊と共に行動し,何度となくコカ栽培を行う農場を急襲した経験があった.
アメリカ政府としては,合衆国に流入するコカインの1/3がボリヴィア産という事実に,経済援助をちらつかせて取締強化を迫る.そこでボリヴィア政府は,重い腰を少しだけ上げる,ということの繰り返しだそうだ.
『自分達はあくまでアドヴァイザーです.いや,オブザーヴァーと言うべきかもしれません.主体はボリヴィア陸軍ですからね』
と,彼は渋い表情を浮かべていまいましそうに語る.
彼らボリヴィア陸軍将兵は,駐屯地周辺住民と密着していることが多い.あまり早く作戦計画についてブリーフィングすると,全て敵方に筒抜けになってしまう.必ず情報を売る人間がいるからだ.
そこで朝の点呼の際,初めて作戦計画を告げる.
するとメンバーが揃わなかったり,装備や弾薬といったいずれかに問題が生じ,出発がズルズルと遅れていく.あたかも密造業者の逃げるのを待っているかのようだ.
やがてUH-1ヘリコプターに分乗,急襲という段取りになる.だが,目的地上空に達した頃には,密造業者の精製作業は既に終わっている.
このパターンが一番多いと言っていた.
上空に支援機を旋回させた上で注意深く接地し,訓練通り寸分の狂いもなく兵力を展開させる.
けれども,発見されるのは作業の痕ばかりだ.コカイン・ペーストは既に朝早く回収されてしまい,いつまでもその場所に置かれてはいない.全て一部の人間の時間稼ぎの結果といえよう.
資材があればそれらを破壊し,二度と使用できないようにする.一応はやるが,別に大した設備などない.
滑走路として利用したと思われる空き地や道路は,爆弾を仕掛けて破壊する.簡単には再使用させないという目的だ.
コカの木を栽培していたら,その一帯を焼いてしまう.けれど焼け石に水であることは,大尉も承知の上であった.放っておけないから空しい処置をとっているに過ぎない.
――――――柘植久慶著「麻薬戦争地図」(銀河出版,'93),P.182-183
ただし,柘植久慶を情報ソースとすることには疑問の余地もある.
▼ 【追記】
メキシコにて麻薬カルテルが使用した,テクニカルとバレット&RPG7.
バレットは彼らに御用達のようです.
こんなテクニカルを,何処かの漫画で見たような・・・
faq100720mx.jpg
faq100720mx2.jpg
CRS@空挺軍 in mixi,2010年07月20日00:31
▲
【質問】
チャベス・コロンビア紛争(仮称)とは?
【回答】
2008/3/2にコロンビア軍が反政府勢力殺害のため,エクアドルとの国境を越境したことに対し,翌3日,エクアドルの同盟国であるベネズエラのチャベス大統領が,コロンビアから外交関係者を全員帰国させた上,国境に戦車を移動させ,戦闘機を出動させた事件.
上記までの参照サイト:
2008年03月3日 11:03付,ロイター
▼
その後,3/7にコロンビアが謝罪して,武力衝突の危機は回避された.
***
コロンビア国軍は三月一日,左翼武装組織FARC掃討のため,エクアドル領内にあるFARC基地を攻撃しました.
その後FARCは声明のなかで,この攻撃によりFARCのナンバー2レジェス氏が戦死し,その後任にトンセル氏がついたとしています.
また,コロンビア軍による越境攻撃にエクアドルが反発し,同国との国交断絶を通告.これにベネズエラ,ボリビアが同調しています.
ベネズエラはコロンビア国境に三軍部隊を急遽派遣したそうです.
この緊張を受け米州機構(OAS)は五日,コロンビアによるエクアドルの主権侵害を認定しています.
⇒コロンビア,エクアドル,ボリビアは米の「麻薬との戦い」に協力している「アンデス諸国」とよばれる国々です.
うちコロンビアは米と自由貿易協定を結んでいるような親米国ですが,エクアドルとボリビアは左翼政権下にあり,米との経済協力に神経質とされます.
昔から米国は,中南米地域に対しては軍事面で敏感な反応を示します.
▲
コロンビアからの越境攻撃,なんかただじゃ済まなくなりつつあり.
原因はチャベス君.
おいらっとこのコレア君は,遺憾の意だけで,取りあえず,コロンビアがごめんすれば,無かった事にしたかったみたい.(TVで流れたスピーチの印象)
ところが,チャベス君が話を混乱させた.
ベネスエラ軍が今,コロンビア国境に動いてます.
あのTV演説だけならなんて事無かったんだが,ボゴタの大使館閉めて,軍動かしたら,やっぱ,ただじゃ済みませんわな.
で,コロンビアが反発,さっき流れた警察軍の親玉は,匿ったエクアドルが悪い,と明言しちゃいまいた.(TVで.)
多分,明日,ボゴタのエクアドル大使館,閉まるんじゃないかと思う.
それとツルカンの国境閉鎖かな?
まだ軍は動いて無いけれど,早晩,コロンビア国境に増派されるだろうと思う.
まぁ,これまでの流れなら,すでにFARCのNo.2は殺しちゃったわけだし,暫くは越境はして来ないとは思うんだが,もし,次越境すると,軍対軍のドンパチになる可能性有り.
FARCは多分,ベネスエラ国境向けに,移動開始してると思う.
さてと,今回の仕掛けの黒幕は,まだ確定情報入ってないんだが,コロンビアの強気を見ると,軍事顧問団が裏で動いた臭い.
これ表にでない事を願う.
出たら,ドンパチになるよ.
あと,ブラジルも北部国境へ軍を動かしてる.
もっとも,これは仲裁介入のためだろうと思うけどね.
ただ,ブラジルの北部へ行ける連中ってのは,ジャングル戦特化の特殊部隊なんだよね.
仲介なんか出来るのかな??
ま,チャベス君次第.
ただねぇ,ベネスエラは国内問題抱えてるから,外に明確な敵が出来るのは,チャベス君には渡りに船なんだよねぇ・・・
あとは,もう目的を達したんだから,コロンビアがバカやらない事を祈ろう.
ああ,それから,今日の会見の様子見てると,今回の件,ウリベ蚊帳の外だったかも知れない.
これでアメリカ関与が表に出たら,ウリベはオワタ.
ま,明日は月曜だから,なんか動きはあるだろ.
続報とまとめ.現在朝8時50分過ぎ.
発端:
コロンビア警察軍がFARCのエクアドル領内にある根拠地を奇襲.FARCNo2の司令官を殺害.
エクアドルは主権侵害と抗議.
昨日の状況:
コロンビア警察長官,記者会見で文書を示しながら,エクアドル防衛大臣とエクアドル大統領がFARCと接触したと暴露.
したがって,今回の越境攻撃はコロンビアに非は無いと発言.
ベネスエラのチャベス大統領は,今回のコロンビアの行動を「戦争行為」と非難.
大使館の閉鎖,軍のコロンビア国境への移動を開始.
今朝の状況:
エクアドル政府は昨夜のうちに大使召還.大使館は閉鎖されてない.
今朝の大統領のTV演説で,エクアドル大統領コレアは,ボゴタと話し合いを持つとしながらも,事態はすでに「外交的謝罪」では解決出来ないレベルと明言.
コロンビア政府はこれに現時点では反応していない.
以上,現地報道から(ソースはエクアドルのTV放送.朝のニュース)
以下,非公式情報(ソース無し)
ペルー国境の部隊が移動開始.
行き先は不明.
グアヤキル近郊の空軍基地から戦闘機移動.
海軍は出動待機.
予備役招集は掛かっていない.
北部国境近くの伐採業者,山を下りる.軍命令.
コロンビア側情報は報道以外無し.
日本への影響:
短期で終息すれば多分無い.
長期化しても,実戦が無ければ,影響は僅少.
戦闘が始まった場合は,パナマ通峡に大きな影響.
南米西岸航路は南部からエクアドル領域を迂回する航路以外事実上閉鎖.
日本で短期に影響が表れると思われるものは,バナナ,銅,カカオなど.
また,旅客路線は事実上閉鎖.北行き空路は全てコロンビア領内を通過する.
その他:
ブラジルも軍の移動を行っている.(ソース無し.)
ペルーは不明.
エクアドル国内は平静.
報道も特番を組んでというレベルでは無い.
ただし一面トップで続報している.
コロンビアーエクアドル問題続報
*エクアドル政府はコロンビアとの外交関係を断絶,全外交官の引き上げを命じた.
またコロンビア全外交官に国外退去を命じた.
現在,一般在留コロンビア人への退去命令などは出ていない.
*エクアドル政府は本日,国家安全保障会議を招集.
全軍人に禁足令.現時点で予備役含む,
軍役登録者のエクアドル外への旅行には,軍の許可証とは別に,個別に許可が必要.
*駐コロンビア米大使はコロンビアの行動を支持.
また,ブッシュ大統領の支持も伝えられる.
これに対してエクアドル国内では,コロンビア公館付近で抗議行動.
*ブラジル,ルーラ大統領は本日声明を発表.
今回のエクアドル,ベネスエラとコロンビアの紛争に関して,仲介の意思を表明.
*ツルカンの国境は封鎖.航空便は通常通り運行.通商関係は維持.
*今夜からエクアドル大統領コレアは,中南米各国を歴訪する.
日程は4日間.パナマ,ベネスエラ,ドミニカ共和国,ボリビア,ブラジル,ペルーが予定されています.
*ペルーも軍に即時待機命令が出た模様.
ガルシアは一応仲介する意思を表明.
*エクアドル国防相,ラレアは,FARCとの接触を,エクアドル国内で誘拐された米国人の釈放交渉と説明.
交渉場所はエクアドルでもコロンビアでも無い場所だった.
(多分ベネスエラ)
(ソース:現地TV報道)
コロンビアの強硬姿勢の裏側に米国の存在が明らかになりました.
これでコレアは落としどころが難しくなりました.
簡単に手打ちは出来ない状況です.
プラン・コロンビアは多分枠組みが崩れます.
エクアドル軍は非常体制におかれました.
今日の午後からは軍の動きが判らなくなっています.
友人の携帯連絡しても応答がありません.
以上,3/3月曜の状況.
ただいま大統領と国家安全保障相,防衛相の記者会見.
かいつまんで言うと,コロンビアの警察長官の提示した書類を全面否定.
全て今回の越境攻撃を正当化するための虚偽の事実と切って捨てました.
FARCとの接触は,6名のエクアドル人,2名の米国人を含む,12名の誘拐された被害者解放の為の,人道に基づいた行動と説明.
続いて,コロンビア軍の越境攻撃は反撃などでは無く,計画された奇襲作戦である,としています.
その根拠は,
この襲撃を受けたキャンプが国境から7Kmもエクアドル側に入った場所だった事,
コロンビア軍の越境経路が攻撃を受けたとする場所と異なる事,
攻撃にはヘリコプター,航空機が用いられている事,
などを挙げています.
さらに過去の越境攻撃事例を挙げ(これには2004年に発生した,ゲリラではなくエクアドル人住民の虐殺事例も含まれています.),また,ペルー,ニカラグア,エル・サルバドルなどの例を挙げ,これらのゲリラ対策が全て国内活動として処理されたにも関わらず,なぜコロンビアだけが外交問題に発展させようとするのか?と結んでいます.
国家安全保障相は,これまでの麻薬対策におけるエクアドルの貢献を挙げ(これは確かに挙げる価値はある.取引のみでなく,資金洗浄でも令状無しで引っ張ります.),その麻薬の出所はどこであるのか,エクアドル国内にはコカの栽培地は一カ所も無い事を強調しています.
さらにコロンビアのラジオ局記者の質問で,警察長官の提示した書類が虚偽である証拠はあるのか?と言う質問に,本物である証明が先だ,と切って捨てました.(悪魔の証明ですね.)
どうも,この記者会見だけを見る限り,コロンビア側には歩が悪いように見えます.
越境したのはコロンビアである事実は覆りませんし,これまでプラン・コロンビアに協力して来た実績(米空軍への基地提供,米艦船の寄港許可)がありますので,FARCへの聖域提供という,コロンビア警察長官の提示した書類とは矛盾します.
地球の裏側 ◆/lYVcP7um2 in ニュース極東板,2008/03/04(火) 12:01:02
続報:
取りあえず,報道には動きが無いから(朝まだ早いし)新しい事は起きてないみたい.
軍は公表された分だけだと,エスメラルダの13BIMOは国境での配置についてるのが確実.
ペルー国境から動いた兵力は今日キト集結らしい.
この約8000の兵力はとりあえず,コロンビアが国境に兵力を増やしてないんで,様子見かな?
海軍は今日見に行って来るけれど,フリゲートは動いてない.
コルベットは何隻かいないけれど,まぁ,これは通常オペでもそうだから.
今,エクアドル国内は太平洋岸でかなり広範囲に洪水が発生してて,地上兵力が動きにくい.
ただ,コロンビアが国境越えて侵攻する事は無いと思うけどね.
あとはチャベスの動き次第かな?
南米各国の動きはこれから.
コレアが各国歴訪に昨夜出発した.
これまでにエクアドルに同情的発言をした国は,ベネスエラ,ボリビア,チリ,パナマ.
ブラジルは中立的立場で仲介意思表明.
ペルーも中立.
ウルグアイ,アルゼンチン,パラグアイは情報無し.まぁ,遠いからね.
コロンビアが,FARCの越境を〔エクアドルが〕許した事を非難したんだが,それへのコレアの切り返し.
「南米最大規模の陸軍が米国の援助貰っても,国境越えるのを阻止できないものを,その1/4の軍隊で,1セントも貰ってない国の軍隊にどうしろと・・・」
続報.エクアドルーコロンビア情勢.
取りあえず,世界の論調エクアドル版:ソースはEl
Universo
イタリア:ダレマ外相
”心配している.このような作戦が引き起こす結果は反発と外交的亀裂,そしてラテンアメリカ
の緊張だという事に気づくべきだ.”
チリ:バチェレ大統領
”(このような状況について)コロンビアがエクアドル国民,大統領,そして地域に説明をしなければならない事に疑いはない.”
コスタリカ:オスカー・アリアス大統領
”イングリッド・ベタンクールの解放の可能性が遠のいたと思う.”
ペルー:アラン・ガルシア大統領
”反テロの戦いには共感するし,時には重大な決断を迫られる事も理解する.
しかし普通に考えても,今回のケースは国際規範に抵触している.”
アルゼンチン:政府公式見解
”アルゼンチンは明白な主権侵害が地域国家によってなされた事に困惑し心配している.”
ヒラリー・クリントン:
”ウーゴ・チャベスの行動は問題”
”(ベネスエラの行動は)正当ではなく危険”
バラク・オバマ:
”各国の大統領はその制御を超えた所にも責任がある.
また,紛争を平和裡に解決することも同様”
ジョン・マケイン:
”コロンビアは米国の強力な同盟国”
どうも米国だけ空気読めて無いふいんき・・・
国務省,ちゃんと状況を伝達してるのか??
今回の紛争の感想.
どうもコロンビアは目先逸らしに必死.
よく考えれば判るが,エクアドル政府の人間がFARCと接触があった事と,越境して攻撃した事実はまったくの別事象.
だいたい,その接触の証拠ってのが,越境攻撃の結果押収したPCから出たって言ってるのが笑える.
最近のアメリカは敵味方間違えてないかい?
ってか,国務省か.
どうも北朝鮮と言い,最近国務省ボケてないか?
いくらなんでも,作戦行動策源地を敵に回しちゃまずいだろうが.
「PCから出て来た」って,永田メール臭い.
また,アメリカはチャベスにしてやられたんと違うかな?
現状でコロンビアを支持する南米の国はないみたいね.
ペルーが玉虫色だが,他は全部コロンビア非難に回ってる.
チリのおばさん大統領に一刀両断にされてたね.
「国境線を尊重しない方が悪い」
って.
っつーわけで,「コリツ」に向かってまっしぐら.ウリベ君・・・・
アメリカがこれに肩入れすると,コロンビア以外の南米vsアメリカって図式になるんだが,良いのか,そんな事しててアメさんは???
チャベスの思い通りの展開になるぞぃっと.
【質問】
こういうことは南米では,よくあることなの???
【回答】
最近はあまり無いね.
ただ,コロンビアの越境攻撃はしょっちゅうある.普通は「スマソ」でおしまい.
今回は大統領が替わってから初めての大規模越境.
現エクアドル大統領は,以前からコロンビアの越境攻撃を非難してた.
それでもペルーが主敵である事を考えれば,コロンビアと事を構えるのは回避してた.
今回はこっちで見てる限り,コロンビアがえらく強気.
チャベスの横やりが影響してるのかも知れんけれど,それにしても,名指しで大統領と現職大臣をFARCシンパと明言したのは初めてだね.
接触自体は以前からあったし,麻薬対策局は常時接触を維持してたはず.
コレア,このままじゃ引っ込みつかんだろーなー・・・
なんせCNNでも警察長官の会見流れちゃったし・・・
でもウリベはエクアドルとは喧嘩したく無いはずなんだけどね.
これで米軍艦のマンタ寄港と哨戒機の基地協定が破棄されたら,FARC対策はザルに等しくなっちゃう.
下手すりゃ今日中にも,プラン・コロンビアへの協力拒否なんてのが出ておかしくないからね.
さて,ちょいと善後策協議に行ってきましょ.
こっちの商売にも影響が結構ありそうだから.ドンパチ始まっちゃうと,二大稼ぎ頭,バナナ船とガラパゴス観光客船が酷い事になりそう.
頭イタいわ,ホント.
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エクアドル・コロンビア・ベネズエラ,紛争終結で合意
2008年3月8日11時25分 読売新聞
【リオデジャネイロ支局】
南米エクアドルが,同国内に越境して左翼ゲリラ掃討作戦を行った隣国コロンビアと断交した問題で,両国と, エクアドルに同調していたベネズエラの3か国の大統領は7日,外交紛争を終結させることで合意した.
ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで開かれた中南米の政策協議機関「リオ・グループ」の首脳会合で和解したもので,3月に入り緊迫していた事態は,1週間で収拾することになった.
AP通信などによると,コロンビアのウリベ大統領は首脳会合で,越境作戦について謝罪したうえで,
「二度と隣国で攻撃しないことを約束する」
と述べた.
エクアドルのコレア,ベネズエラのチャベス両大統領はウリベ大統領の謝罪を受け入れ,3人で握手を交わした.
また,3か国の合意を受け,コロンビアとの断交を宣言していた中米ニカラグアのオルテガ大統領も7日,外交関係を回復させることを明らかにした.
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チャベス君の下心丸見えとはいえ,コロンビアはこうせざるを得なかったか…
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【質問】
コロンビア革命軍と,ベネズエラのウゴ・チャベス大統領との間には,結びつきはあるのか?
【回答】
2008/5/10付,AFPによれば,コロンビア革命軍とベネズエラのウゴ・チャベス大統領の密接な関係を示すコンピューターのファイルについて,ベネズエラ政府は偽物だと主張.
一方,複数の米情報機関職員は信ぴょう性が高いとの見解を示したという(ウォールストリート・ジャーナルが9日報道)
3月の越境攻撃で死亡したFARCナンバー2のラウル・レジェス司令官のコンピューターから見つかったデータ100件以上を同紙が調べたところ,ベネズエラが武器のFARCに軍事面でも支援を申し出ていたことが分かったという.
ベネズエラ政府はFARCの武器受け取りのため,国内の港を使用するよう申し出ていた形跡があり,合同で安全保障計画も立てていたことを示唆するものもあったという.
また,前年11月付けのある書類によると,ベネズエラのラモン・ロドリゲス・チャシン内務・法務相がFARCに対し,米国の進攻に備えてベネズエラ軍にゲリラ戦略を訓練するよう求めたと同紙は報じている.
なにげに情報戦やってますな………
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