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「D.B.E. 三二型」(2011/01/22)◆Togetter - 「中米コスタリカで,「初音ミク」の人気が上がっている理由」
おいおい……(苦笑)
「War Is Boring」◆(2014/08/10) Costa Rica Doesn’t Have a Military? Not So Fast
【質問】
国連憲章の下では,「中立」の概念はどのように扱われているのか?
【回答】
上智大学教授,村瀬信也によれば,国連憲章では「戦争」の概念を止揚,放逐した一方,国連憲章第7章が規定通り実施された場合には,安保理の「決定」による軍事的措置(国連憲章42条・43条の特別協定で提供された軍隊)は,全ての加盟国を拘束する(同25条)ので,中立の概念の妥当基盤はなくなるという.
しかし実際には,同43条の特別協定はこれまで結ばれたことがなく,軍事的措置に関する安保理の措置は全て「勧告」による非拘束的なものであるので,そこには勧告に応じない「第三国」の存在が認められなければならないことになるという.
そしてこの第三国は,国連憲章第7章の下での決定がない場合に,しかも安保理が交戦国の一方について「平和破壊国」「侵略国」などを認定しないとき,あるいは安保理が機能麻痺に陥っている場合など,第三国は必ずしも中立の地位を選択しなければならないという義務はない,と村瀬は述べている.
詳しくは
『ジュリスト』,2008.2.1号,p.109
を参照されたし.
【質問】
永世中立に海軍力は必要なの?
もっと詳しい解説してくんない?
【回答】
基本的なことですが,中立を宣言すると言うことは,自国の責任において,他のいずれの国にも,自国を軍事利用させないと言うことです.
言い換えれば,他国の軍事干渉を,完全に自力排除する義務を負うということです.
例えば日本列島は米露中に直接囲まれた地理的位置にあり,戦略的に大変な利用価値があります.
そのうえ,高い技術力と経済力,優秀な人的資源に恵まれてい,また湾港等のインフラがが完備されていて,兵站基地・兵力策源地として最適です.
西太平洋の要として(日本が何国と同盟するかで,勢力図が根本的に変わります),
他国から干渉されぬ体制を堅持するための直接防衛力,あるいは,貿易立国として
独力で長いシーレーンを担保する防衛力が必要になってきます.
その為には,巧緻な外交政策と有力な海洋海軍力が,絶対に必要でしょう.
その意味で,中立宣言をするためには,相当な海軍力を用意しなければならない場合も起こりえます.
【質問】
武田徹の『「核」論』にこういう文章があるんですけど
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(上略)
マッカーサーに
「何があっても日本はアメリカが守る」
と言われて胸をなで下ろした.
「日本は米国の同盟国である必要はない.中立国であればよい.日本は東洋のスイスであれ」
という言葉に感激した.
確かに特にスイスのような絶対的永世中立国の場合は,周辺国と条約を締結し,自国から軍事力の行使をしないかわりに自国が第三国から攻撃を受けた際に,軍事力で守って貰う集団的自衛権の考えをその中に盛り込んでいる.
これは日米安保条約と通じる構図だ.
------------
他ではこんな話,聞いたことないんだけど,これホントですか?
僕は,スイスはどことも軍事同盟結ばず,自国の徴兵制だけで国土防衛を果たしてきたと思ってたんですが.
【回答】
正しいかどうかと言えば正しくない.
集団的自衛権というのは,一国が攻撃を受けたら共同で反撃するということ.
(日米同盟は厳密にこれに当てはまっているのか?)
つまり,一国が攻撃されたらその国を防衛し,共に戦う義務がある.
スイスは片務的な条約を結んでいるわけではない.
スイス(永世中立国)は,中立を守る義務がある.
自国から戦争を仕掛けることが出来ない(のちにハーグ不戦条約で普遍化する).
同盟を結ぶことは出来ない.
他の諸国の戦争に参加することは出来ない.
これに対して,
他の条約参加国はスイスの中立を保障する義務がある(条約不参加国には関係ない).この義務はスイスへの義務というより,他の条約参加国への義務.
スイスを中立侵犯しない義務はあっても,防衛する義務はない(したがってスイスは万が一のため独力で侵略を防ぐ必要がある).
スイスは(のちに永世中立国となり侵犯されるベルギーやオランダも)戦略的要所なので,占領されると困る.
またスイスがいずれかの国と同盟されても困る.
だから互いに攻められないことにしておいて,なおかつスイスはどことも同盟出来ないようにしておいたってこと.
スイスを軍隊が通行するという軍事オプションを,禁じ手にするのが主眼なわけ.
スイスの場合,ウィーン議定書調印国=1815年当時存在したヨーロッパの全ての国(トルコ除く)とその継承国家,に義務があるが,事実上ヨーロッパの大国(英仏墺普露,のち英仏墺独伊露)間の義務.
ヨーロッパ・コンサートといって,19世紀欧州では5ないし6大国が小国の独立保障とか領土画定とか相互の植民地の権利とかを決めて,それに違反する国は村八分(戦争)にすることにしていた
ちなみに戦後,オーストリアの永世中立はこれと違い,東西どちらの陣営にも属さないというオーストリアの義務だけが存在する条約だったはず.
【質問】
B-2はイラク戦争などで,ホワイトマン基地から空中給油をしながらイラクまで飛んでいったそうですが,この時他国の領空を侵犯してるわけですよね?
どっかの国から抗議されるということはないんですか?
【回答】
作戦機の領空通過を認めると局外中立ではなくなるので,巻き込んで良い同盟国以外は,相手国に配慮してそう言う事はしません.
同盟国でも事前に領空通過許可を求めるのが通例です.(「作戦機の領空侵入に気が付かなかった」振りをしてもらうと言う方法も有るが)
B2ではありませんが,作戦機が領空通過を拒否されたケースもあります.
例えば,1986年4月の西ベルリンディスコ爆破事件とギリシア上空でTWA機が爆破された事件の後,この事件をリビアのテロ活動と断定した米国は,リビアに対する空爆を決定しました.
が,英国から発進したF-111は,フランス及びスペインに上空通過を拒否されました.
結局は大西洋上を大きく迂回して,多数の給油機から支援を受けてリビアを攻撃しました.
ちなみにこの事件は,空母機動部隊の有用性を示す一つの例としてよく引き合いに出されます.この時,リビア沖合シドラ湾には,空母コーラル・シー戦闘群が待機しており,F/A18やA-6が何時でも攻撃を掛けれる状態にあったからです.
艦隊航空力は長時間の待機に対応でき,即応性も高いという事ですね.
(海軍機は,予定を大幅に遅れた空軍機と,タイミングを合わせてリビア攻撃に参加しました)
また,米国のエルドラドキャニオン作戦の際はフランス領空の通過が出来なかったので英国の基地からリビアまでは大西洋まで迂回.
イスラエルによるサンダーボルト作戦時は,ウガンダまでケニアの領空通過許可がギリギリまで得られませんでした.
軍事板
◆◆◆◆コスタリカは非武装中立国?
【質問】
コスタリカは非武装中立国だと聞きましたが?
【回答】
準軍隊があり,また,実質的には中立国とは呼べません.
・国防をアメリカに委任
・憲法で非常時の徴兵制等を規定
第12条において「恒久的機関としての軍隊Armyの不保持」としつつも,
第18条:祖国を防衛する国民の義務
第102条:徴兵中の国民の投票権の保障
第147条:内閣による軍の動員命令の国会請求
https://t.co/IErwI6rvLf
を規定している.
・警備隊 "Public Force" (準軍隊)を保有
兵力総人口比では自衛隊より多い
・防衛費の額・割合ともに周辺諸国より多い
コスタリカの防衛費は隣国ニカラグァの3倍近い.
…とか,平和の非軍備中立の国とは程遠いものです.
「非軍備」を観光のスローガンにしてるから名が知れているだけ.
コスタリカは中米におけるアメリカのポチ.
おかげでアメリカからの投資が多い.
というかIntelとDELLによって支えられている国だったりする.
コスタリカは非武装中立宣言をしたが,国際社会は誰も認めていない.
軍事板,2005/02/20
青文字:加筆改修部分
1995年のMilitaryBalanceでは,現役7500名
市民警備隊:4300名(海兵隊400名を含む)
国境治安コマンド2個(北部,南部),
国境警備大隊5個,
対ゲリラ戦大隊2個,
市民警備コマンド(大隊)7個
海兵隊400名
内海哨戒艇7隻(32m級高速艇×1,小型哨戒艇×1,100t以下×5,小艇×10,
固定翼機
セスナ206×4,コマンダー680×1,O-2×3,PA-23×2,PA-28×3,PA-31×1,
PA-34×1
ヘリコプター
H-500E×2,FH-1100×1
地方警備隊(行政警察省):3200名(小火器のみ)
眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2003/04/11
青文字:加筆改修部分
military balance 2004/2005では
市民防衛隊4400人
国境保安警察2000人(沿岸哨戒艇8隻,航空機8機,ヘリ3機を所有)
地方防衛隊2000人(小火器で武装)
軍事板,2005/02/20
青文字:加筆改修部分
なお,米国との間にはりオ条約以外の軍事同盟は無く,米軍の駐留や軍事支援は,麻薬取締り協定に基く共同警備行動という名目になってます.
中米諸国家の中では豊かで民主的かつ平和な歴史を持つ国ですが,同時に最も親米な国でもあります.
件の中立宣言は,国会が否決したため,大統領の個人的声明として出されたものに過ぎません.
軍事板,2005/04/10(日)
青文字:加筆改修部分
------------
コスタリカは1983年に永世非武装中立を宣言したが,その一方で親米反共という外交方針を明確に打ち出しているため,一部の国際法学者はコスタリカの永世中立を政治宣言以上のものと認めていない.
2003年にパチェコ大統領がアメリカ合衆国によるイラク攻撃を支持したため,中立の不足は一層あらわになった.
政治外交の基本方針はアメリカ合衆国との協調および反共産主義である.
このため,1941年の真珠湾攻撃に際しては,アメリカに先駆けて枢軸国側に宣戦布告を行い,近年でもアメリカのアフガニスタン・イラク攻撃を支持している.
また,反共主義の観点から,中華人民共和国とは国交を樹立していない.※
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%AB
------------
※その後,国交樹立したみたいですよ.
http://japanese.cri.cn/151/2007/06/07/1@95237.htm
faq60c01m.jpg
faq60c01m02.jpg
出典:『太陽の少女インカちゃん』
【質問】
コスタリカの有事法制(緊急事態法)はどうなっているの?
【回答】
コスタリカは,憲法12条で自衛権に基づく軍隊の復活を可能にしています.
後は政令などで対応していたようです.
このため,40年代の危機には私兵が,80年代には準軍隊(市民警察の中の「稲妻大隊」(Batallon Relampago),国境警備隊)がかなり自由に作られています.
94年に,市民警察憲章を制定し,警察の政治活動への不参加とプロフェッショナル化が改めて謳われました.
また,96年には市民警察の統合・再編が行われ,内務省配下の国境警備隊,地方警察が公安保安省の下に管轄が移り,これらは「公共保安隊」に変わっています.
(眠い人 ◆gQikaJHtf2)
【参考ページ】
「最近のコスタリカ評価についての若干の問題」
「THE PAGE」◆(2015/5/25) 「平和主義」コスタリカに本当に軍隊はないのか?
【質問】
コスタリカは低武装国家では?
軍事費がGDPに占める割合,軍人の数が人口に占める割合,ともに日本並みの低武装国家です.
さらにコスタリカの場合,”軍(警察ですがこの場合はあえて軍と呼びます)”は警察としての役目も果たさなければならないので,日本よりも低武装といってかまわないのでは?
Posted by 名無しT72神信者 at 2005年12月16日 22:38:10
【回答】
軍事費101(100万ドル)
GDP13,409(100万ドル)
軍事費がGDPに占める割合 0.75%
軍人の数 8,400
人口 430万人
軍人が人口に占める割合 0.19%
以上外務省のHPにあったデートを元に計算した.
軍事費が占める割合は明らかに日本より低い.
軍人が人口に占める割合はわずかに日本より高い.
Posted by 名無しT72神信者 at 2005年12月17日 11:52:52
さらにこの兵力でどのくらいの戦線(国境線)を防備しているのか,その土地で行動するために特別に必要な装備は無いか,また,その装備をそろえるのに予算はいくらかかるのか,予算を着服しているものが居ないか・・・など,多くの事項について計算しないと正確な値は出てきませんが,コスタリカ共和国が中米においてかなり有力な戦力を保持していることは明らかです.
Posted by 名無しT72神信者 at 2005年12月17日 17:33:12
>軍(警察ですがこの場合はあえて軍と呼びます)”は
>警察としての役目も果たさなければならないので
それはパナマ国家保安隊も同じ事だよ.
ちなみにパナマ国家保安隊は中米大陸7ヶ国(大陸と地続きのグアテマラ,ベリーズ,ホンジュラス,エルサルバドル,ニカラグア,コスタリカ,パナマ)中,最強戦力を保有する.
Posted by 名無しT72神信者 at 2005年12月16日
22:57:03
Posted by 名無しT72神信者 at 2005年12月17日
01:12:22
中米の諸国家の軍事力について,「ミリバラ」を丸写しにしてるサイト置いときますね.
http://defenceworld.fc2web.com/index.htm
Posted by 唯野 at 2005年12月17日 20:45:38
「週刊オブイェクト」コメント欄,2005年12月14日付
青文字:加筆改修部分
【質問】
以下の記述は信頼できますか?
特に「警察=軍隊(軍事力)」と規定している部分は重大な誤認です.
日本の警察を軍事力と規定する人はまずいないと思いますが,それと同様です.
コスタリカの警察は,行政警察(いわゆる普通の警察),司法警察(日本でいう警察と検察を足して2で割ったようなもの.刑事犯罪の告発後捜査を担当),交通警察に分けられます.
どれも,その組織・武器・技術・訓練などは警察のそれであり,日本の警察が軍隊でないのなら,コスタリカの警察も軍隊ではないと断言できるものです.
また,ミリタリーバランスを引用してネットに情報を流しているものをよく見かけますが,ミリタリーバランスの記述そのものに問題があります.
コスタリカには軍隊がないため,軍事費が計上されていません.
そのため,参考として警察にかかる費用を軍事費として計上しています.
これを,実態を見ずに引用しているケースが多いのです.
それどころか,数字自体も間違っている年もあります.
このように,ネット上で流れる情報に関しては,それだけでは事実かどうか判断できないものがほとんどです.
一次資料にあたるか,実際に目の当たりにするかしなければ,その実態は分かりません.
【回答】
非常に怪しいと言わざるをえません.
まず,例えばオーストリアやフランス,のように,軍と警察が未分化な組織は幾つもあります.
これは,そもそも軍隊が治安維持を担当していた歴史の残滓です.
また,普段は警察任務についていても,有事には軍務の一翼を担う組織も,中国,米国,ドイツ,ロシアなど多くの国が持っています.
コスタリカの場合も,ただの警察にしてはかなりの重武装ですし,過去には内戦鎮圧に出動した「戦闘経験」もあります.
また,上述の「りっきー」なる「人物に以下のような質問
a)1955年のビラ・ケサダの戦いに武装警察隊が投入された事実は,では幻ですかな? それとも「米帝の情報操作」?
ちなみに1983年の中立宣言後も,この武装警察が解散したという事実は見当たりませんが,もしそう主張したいのでしたら,論拠を示してください.
b) 武装警察が準軍隊とは呼べないほど軽武装であると主張なされたいのでしたら,現在のコスタリカ武装警察の装備を論拠つきで示してください.
「機関銃,ロケットランチャー」は幻ですか?
c) 「3」で示した,軍と警察の分化に関する当方の反論に対しては,再反論はないということで宜しいわけですか?
d) 「無意味でくだらない争いの場にしたくない」と書きながら,他人を煽りと決め付ける態度は,無用な反感を買うものであり,言行不一致ではありませんか?
……をしたところ,その返事は,
すべての疑問に対する回答の詳細は,近日発刊予定の『コスタリカを平和学する!』(法律文化社)に載っている警察の章が答えてくれます.
n mixi
というものであり,また
内戦鎮圧とか言ってますが,一体いつの時代の話ですか?もしかして48年の話ですか?48年なら単なる内戦で,反政府武装勢力と当時あった正式の軍隊が戦ったわけですが?
n mixi
とも述べています.
前者はつまり,mixiにおける「りっきー」の自己紹介を読むに,
「俺の本が俺の言っていることのソースだ」
ということであり,そのようなものが「ソース」として適当であるかは言うまでもありません.
つまり,「りっきー」はソースというものについての理解自体が足りないと言わざるをえません.
後者はつまり,1955年のビラ・ケサダの戦いを「りっきー」が知らなかったということを示しており,そうだとしますと,いったいどんな「現地取材」をしたのやら?ということになります.
それにしても,もったいない話です.
せっかく現地を取材しているのに,彼のような態度では,それが何にもなりません.
反論やツッコミに対して,言い訳並べて
「話はしたくない」
だの,
「自分の本がソースだ」
などという態度が,せっかくの労力の価値を無駄に下げています.
彼の本を読んではいませんので,断言はできかねますが,そのような態度が,自己検証を伴う客観性をもって調査取材してきたとは,非常に考えにくいものがあります.
事実,1955年のビラ・ケサダの戦いもご存知ないようでは,ちゃんとした取材をしたのか?と首をかしげずにはいられません.
また,彼の報告が正しいと仮定しますと,現在のコスタリカは完全に国防を米州機構に頼っていることになりますが,米州機構がコスタリカの国益に反する決定をしたときには,いったいどうするんでしょうか?
さらに,コスタリカ憲法では有事の際の軍備の保持を認めているのですが,仮に「りっきー」報告が正しいとしますと,それが事実上不可能になります.
それもまた不思議ですね.
このトピックのゼロ・ポストを見ますと,
「コスタリカ=平和のモデル」
という固定観念が「りっきー」にはあるようですが,そのような確信バイアスに基づく取材ですと,いくら現地に長くいても,正しい報告ができるということを保証しません.
そのことは,ペシャワール会の中村医師のトンデモ報告の数々を見れば分かるとおりです.
確信バイアスの目には,北韓が地上の楽園に見えたりもするのです.
ですからまず,「りっきー」は現地に行ったことを誇るより,客観取材のノウハウを身につけたほうがいいでしょう.
なお,念のために申し上げておきますが,当方は,証拠さえ確かであるのなら,中村医師だろうが小林よしのりだろうが,その主張を信頼することに何のためらいもありませんよ.
そもそも,「現在の」コスタリカが仮に本当に軽武装だとして,それに何の意味があるというのでしょうか?
それは単に,周辺諸国からの脅威が著しく低い場合,軍備は最小限度で済むという,昔からの軍事的常識を証明しているに過ぎません.
ニュージーランドやアイスランドが国防を最小限度にとどめているのと同じことです.
にも関わらず,そのことを鬼の首でも取ったかのように騒ぐ者は,軍事的素養が欠けていると判断せざるを得ません.
そのような人物の,軍事に関係するレポートに価値を見出すことは,非常に困難でしょう.
いつ,いかなるときでも非武装平和の理念が成り立つことを,コスタリカの例をもって証明したいと欲するならば,軍事的脅威が増大していた時代,例えばコスタリカとニカラグアの関係が悪化していた時代においてどうだったかを考察すべきです.
現在のコスタリカの「ほぼ非武装(仮に本当だとして)」から何か意味を引き出せるとすれば,
「アメリカに頼らないと非武装もできやしない,というシラけた現実がある」
ということだけでしょう.
そもそも国同士の事は全て相対的であり,その国がどう宣言するかなど大した意味は無いのですがね.
あー我が国ににも,軍隊は無いですなぁ(笑)
コスタリカに軍が無いか判断するのは他国(特に周辺国)であり,コスタリカ自身ではない.
あと中南米は割りと特殊でね,他国より自軍のクーデターの方が怖いって側面もある(笑)
だいたい.あの国じゃそこいらの強盗までがライフルを持っているのに,どうして市民警備隊の最強武器が拳銃なんだ?
警備隊の武装はM16ライフルどころか,M60マシンガンまであるよ・・・
中米大陸7ヶ国中,第3位の戦闘力を保有するコスタリカの事が「非武装」なら,日本も非武装と言えてしまうでしょうね.
ちなみに「軍隊が無い」っていうならパナマも軍隊無いですよ.
国家保安隊という名前ですから.
しかし戦力的には中米最強国家です.
なお,コスタリカの軍備について纏められているブログがありましたので,そこから引用してみます.
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コスタリカの軍備(2005年度)
アメリカとコスタリカの武器取引について,2005年度の報告書が出ています.
DCSについてはこちら
航空機予備部品 - 4,039,207 防弾ベスト(個人用) 5 1,840 弾薬(22口径~50口径) 1,815,100 166,333 爆発性弾薬 161,250 22,352 電子機器 - 284,389 グレネードランチャー 1 555 拳銃 1,503 581,947 拳銃用部品 40 1,000 レーダーシステム構成部品及び予備部品 2,600 4,300,000 ライフル(民生用) 468 365,233 小火器予備部品(ライフル及びカービン銃) 400 12,060 合計 9,774,916 単位:ドル軍事技術に関連する技術移転についてはこちら
カテゴリー 詳細 金額 VIII 航空機及び関連機材 5,794,469 VIII,IV 誘導兵器および爆弾 18,250,000 XI 軍事電子機器 8,225,000 XI,XV 宇宙関連 25,600,000 合計 57,869,469
また,IMETによる人的交流は,あいかわらず続いているようです.
詳細はこちらですが,2名ほどウエストポイントに留学しているようです.
しかしながら派遣元がコスタリカ陸軍と書かれているのは,役所の人,うっかり本音が出たというか何と言うか.
コスタリカ政府はアメリカ政府に抗議すべきですね(棒読み
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