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◆◆◆アル＝ヌスラ戦線 Al-Nuszra Front
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＜テロリズムFAQ目次
【質問】
「ヌスラ戦線」って何？
【回答】
アル＝ヌスラ戦線（Jibhad al-Nusra）は，2012年1月に創設したイスラーム過激原理主義組織で，2013年11月頃からは，「シリアのアル＝カーイダ」と自称．
アブ・ムハンマド・アル＝ジャウラニ（Abu Mohammad al-Jawlani）を首領とし，初期は都市部などで爆弾テロによりアサド政権と抗争．
反政府軍主流派「自由シリア軍」が有効な戦いをできずにいたため，徐々に過激原理主義のシリア人の支持を集め，2012年以降，反政府軍事組織中の最有力部隊となった．
https://mobile.twitter.com/KCin_Tokorozawa/status/565313582918037504?p=p
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【質問】
アブ・フィラス・アル＝スーリって誰？
【回答】
アブ・フィラス・アル＝スーリ Abu Firas al-Suri は「アル＝ヌスラ戦線（Al-Nusra Front）」の広報担当幹部．[1]
本名；Radwan Nammous[7]
1950年（1949年説もあり[4]），シリア・ダマスカス近郊の町 Madaya に生まれる．[2]
1970年，シリア軍事大学卒業．[4]
中尉まで昇進したが，イスラーム過激原理主義に染まったため，1979年に除隊させらる．[2]
ちなみに，攻撃的なカルト宗教が軍隊への浸透を図ろうとするのは，古今東西よくある話．
1979～80年，彼はヨルダンに渡り，ムスリム同胞団系組織から軍事訓練を受ける．[2]
1981年，彼はアフ【ガ】ーニスタンに渡り，アフ【ガ】ーン人やアラブ人の軍事教官となる．[2]
1983年，彼はアブドラ・アッザーム Abdullah Azzam やオサマ・ビン・ラーディン Osama Bin Laden と会い，パキスタンの過激原理主義組織「ラシュカレ・タイバ
Lashkar-e-Taiba」から支援を受ける．[2]
9.11テロの後，彼はビン＝ラーディンの家族をアフ【ガ】ーニスタンから脱出さす．
2003年，彼はイエメンへ逃れ，2013年にシリアに戻った．[2][3]
シリア帰国は，アル＝ヌスラ戦線とダーイシュとの間に入った亀裂の修復のためだと自称している．[4]
2014.3，アル＝ヌスラ戦線の広報ビデオに初登場．[3]
2016.4.3，シリア北西部イドリブ県カファル・ジャレス Kafar Jales において，アル＝カーイダ系組織の幹部が集まった作戦会議中，米軍の空爆を受け，死亡した．[1][4][5]
このとき，彼の息子も同時に死亡している．[5]
同年4.6，アル=ヌスラ戦線はtwitter上における声明で，彼の死を認めている．[6]
【参考ページ】
[1] http://www.sankei.com/world/news/160405/wor1604050015-n1.html
[2] http://www.alaraby.co.uk/english/politics/2014/12/15/whos-who-in-the-nusra-front
[3] http://www.longwarjournal.org/archives/2014/08/al_nusrah_front_spok.php
[4] http://www.cnn.co.jp/world/35080690.html
[5] http://www.afpbb.com/articles/-/3082786
[6] http://www.jiji.com/jc/article?k=2016040700045&g=isk
[7] http://en.abna24.com/service/middle-east-west-asia/archive/2016/04/04/744975/story.html
アブ・フィラス・アル＝スーリ近影
（こちらより引用）
【ぐんじさんぎょう】，2016/04/21 20:00
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【質問】
2012年2月アレッポ自爆テロ事件とは？
【回答】
2012年2月アレッポ爆弾テロ事件 February 2012 Aleppo bombings / Február 2012 Aleppo
robbantások とは2012.2.10，シリアのアレッポで起きた，2件の連続自爆テロ事件．
当時，シリア内戦はまだ初期の段階であり，アレッポはそれまで比較的平静であったのが，2月初めからアサド政府軍の攻撃により死者が増えてきていた．
2.29になって，アル＝カーイダ系組織「アル＝ヌスラ戦線」が犯行声明を出している．
＊ ＊ ＊
「○○は全てあいつのせい」
という言葉は，適切に使われている内なら有益な部分もあるものの，度を超すと毒にしかならない．
2012.2.10，シリア第二の都市アレッポで，2件の爆発が起きた時，まずこれを多用したのはアサド政府側だった．
シリア国営テレビは，同日朝にアレッポの治安本部前で爆弾自動車が爆発して，少なくとも25名が死亡し，175名が負傷したと伝えた．[1]
爆発物を積んだ車による自爆攻撃で，それぞれ警察署と軍情報部を狙ったと報じた．[3]
当時，シリア内戦はまだ初期の段階であり，アレッポはそれまで比較的平静であったのが，2月初めからアサド政府軍の攻撃により死者が増えてきていた．[1]
この事件について，アサド政府側は
「この爆破事件は反政府派の手によるもの」
と非難した．[1]
ちなみにその後の政府発表では，死者は28人となっていた．[2]
一方，BBCは反政府側の言い分を伝えた．
それによれば，反政府派はこれを否定し，政府の自作自演であると非難したという．[1]
アルジャジーラでは，自由シリア軍のアサド大佐の主張を報道．
彼は「自由シリア軍にはこのようなテロを行う意図も能力もない」としてその関与を否定するとともに，
「自由シリア軍はこれら２の施設がホムス等の弾圧の拠点で民兵等の集合地点になっていたので，これを攻撃していたが，爆発が起きたのはその撤退後であった」
と説明した．[2]
ところが，al qods al arabi net は，離反兵士のaref hammoud 大佐が仏放送に対して，この２の爆発事件は自由シリア軍が内部の内通者と協力して，軍情報部の支部及び治安本部を狙った作戦であると語ったと報道．[1]
さらによく分からないのがal arabi net の報道で，ここでは同じ人物が，肩書きを中佐とした上で，この爆発事件と自由シリア軍との関係を完全に否定したと伝えたのである．[1]
いずれにせよ，政府側・反政府側ともに，いつもの
「○○は全てあいつのせい」
連呼なので，どちらの主張も話半分で聞かれるだけだった．
そこに第3の解がもたらされる．
米政府当局者は，このテロがアル＝カーイダ系組織によって起こされた可能性があると報告した．
諜報機関筋によれば，アル＝カーイダ指導者，アイマン・ザワヒリ Ayman Zawahiri は，「イラクのアル＝カーイダ」に対し，この作戦を許可したのだという．
「イラクのアル＝カーイダ」とは，後にアル＝カーイダと袂を分かって独立するダーイシュ（イスラーム国）の古い名前である．[4]
その後の2.29，やはりアル＝カーイダ系組織である「アル＝ヌスラ戦線」が，犯行声明を出した．
過激原理主義者のフォーラム・ページに，45分の長さのビデオが投稿され，1.6でのダマスカスでの自動車による自爆テロ，そして2.10のアレッポでの自爆テロの実行場面の映像を公開した．[4]
これでいくらかは謎が解けた．
事件は，政府の自作自演でも，自由シリア軍の犯行でもなかった．
内戦で治安が悪化しているところに目を付けた，テロリスト・グループの仕業だった．
「アル＝ヌスラ戦線」と「イラクのアル＝カーイダ」は，この頃はまだ共闘していたので，米諜報機関も区別をつけ難かったのだろう．
ただし，まだ謎は残っている．
調査会社「ストラトフォー STRATFOR」は，事件の背後には反政府勢力がいる可能性が高いと分析している．[5]
自由シリア軍，またはほかの反政府組織の中にあって，「ヌスラ戦線」のテロに協力した者がいたのだろうか？
反アサド側の戦闘員の所属は比較的流動的であることから，その可能性も決して低くはないが，警察力が崩壊しているシリアにおいては，謎が解明されることはないだろう．
【参考ページ】
[1] http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4101667.html
[2] http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4102007.html
[3] http://www.afpbb.com/articles/-/2857046
[4] http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-16995279
[5] https://www.stratfor.com/sample/analysis/syrian-rebels-likely-behind-aleppo-bombings
【関連リンク】
http://www.reuters.com/article/us-syria-idUSTRE80S08620120210（動画あり）
【ぐんじさんぎょう】，2016/07/04 20:00
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【質問】
2012年3月ダマスカス自爆テロ Március 2012 Damascus Robbantások について3行以上で教えてください．
【回答】
もはや誰にも注目されないテロの一つである．
2012.3.17朝07：30頃[5]，シリアのダマスカスにて2件の自爆テロ事件が発生した．
テロが起きたのは，ダウワール・ジャマーリクの刑事保安局前とカッサーア地区の空軍情報部近くにあるタフリール広場．[1][2]
自動車爆弾による自爆テロで，発生はほぼ同時だった．[2]
いずれも情報が集中する施設であり，かつ，相当な規模の爆発だったことから，人的損害より施設，通信，連絡網，電源機能の破壊を狙った破壊工作と見られている．[2]
シリア内務省によれば，民間人や治安維持部隊兵士27人が死亡し，140人あまりが負傷したという．[1][5]
（負傷者は97人という数字も出ている[3]）
シリア内務省はこのテロについて，例によって「地域および国際社会の一部の当事者による，シリア国民の安全と安定を標的とした動きの一環をなす」と非難．[1][2]
一方，反政府派は例によって政府の自作自演だと決めつけた[2]が，21日には「ヌスラ戦線」が犯行声明を出した．[4][6]
いずれにしろ，独裁体制という情報制限下で起きたテロの上，内戦の最中とあっては，おそらく今以上の情報は出てきそうにない．
【参考ページ】
[1] http://syriaarabspring.info/?p=6734
[2] http://blogos.com/article/34473/
[3] http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4144440.html
[4] http://www.moj.go.jp/psia/ITH/organizations/ME_N-africa/nusra_front.html
[5] http://www.reuters.com/article/us-syria-idUSBRE8280G820120317
[6] http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4148008.html
【ぐんじさんぎょう】，2016/07/13 20:00
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【質問】
2012年3月アレッポ爆弾テロ事件（仮称）について3行以上で教えてください．
【回答】
2012.3.18，アレッポで発生した2度にわたる爆弾テロ事件．
政治治安局の前と教会での爆発．
少なくとも3人が死亡し，25～30人が負傷した．
＊ ＊ ＊
古くはヤムハド王国の中心都市ハルペとして栄えたアレッポ Aleppo は，シリア最大の都市であった．
この都市に内戦が本格的に飛び火するのは2012年7月頃からだが，それに先立つテロが同年2月および3月に発生した．
本項目で扱うのは，後者の事案である．
2012.3.18，同市において2度にわたる爆発が起こった．
1件は政治治安局の前で自動車爆弾．[1][2]
もう１件は住宅街である[1]al-Suleimaniya 地区の中の[4][5]教会での爆発だったという．[3][5]
アレッポには少なからぬ数のキリスト教徒が暮らしている．[5]
少なくとも3人が死亡し，25人[2]～30人[3]が負傷した．
反政府側「自由シリア軍」は，そのような能力のある武装組織がアサド打倒のために行った可能性だけに言及し[2]，直接の関係を否定した．[2][3]
教会への攻撃は，イスラーム過激原理主義者の犯行であることを想像するに難くない．
この日の前日には，ダマスカスにおいて「ヌスラ戦線」が自爆テロを起こしているが…
【参考ページ】
[1] http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4145268.html
[2] http://blogos.com/article/34345/
[3] http://www.reuters.com/article/us-syria-idUSBRE8280G820120318
[4] http://english.al-akhbar.com/node/5329
[5] http://www.timesofisrael.com/casualties-in-aleppo-bombing-attack/
【ぐんじさんぎょう】，2016/07/17 20:00
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