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◆◆◆テロ特措法(平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法)関連
<◆◆日本のテロ対策
<◆テロ対策
<テロリズムFAQ目次
給油活動
(うそ)
(画像掲示板より引用)
目次
「おおやにき」:前文の意義と法(1)
「おおやにき」:前文の意義と法(2・完)
「国際情報センター」:(2010/1/11)インド洋での海上自衛隊による給油活動の終結
「産経新聞」:「アフガンから逃げるな」外交評論家・岡本行夫氏
「週刊オブイェクト」■インド洋で活動中のドイツ海軍,武器使用基準緩和を検討
「週刊オブイェクト」:産経新聞のデマ報道「インド洋補給で中国が日本の後釜を検討?」
「週刊オブイェクト」:補給実績が大幅減少したにも関わらず国際的評価の高いままだった海上自衛隊インド洋補給活動の意義
自民党ムービーチャンネル「誰でもわかる新テロ特措法案」
2007年11月9日収録(17分13秒)
内容は,ヒゲの隊長こと佐藤正久さんに丸川アナがインタビュー形式で,新テロ特措法案の要点を尋ねていくというもの.
説明は極めて解り易いです.
―――ニュース極東板
「たむたむ」:朝日新聞も批判する民主党の給油法案への対応 ご都合主義 豹変 対案を堂々と論じる自信がないから
「たむたむ」:インド洋給油撤退すれば関係国に及ぼす影響は大きい
「たむたむ」:どこまでも政局優先 民主党の無責任 こんなふざけたことが許されるのか?
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その2)
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その3)
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その4)
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その5)
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その6)
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その7,8)
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その9,10)
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その11)
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その12)
「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その13,おわり)
「たむたむ」:補給支援特措法の下で日本が補給した各国の艦船名について
『テロ特措法〜海上自衛隊の給油活動〜』
『新テロ対策特措法〜石破防衛大臣に聞く〜』
⇒田村重信氏(自民党政務調査会首席専門員・慶大講師)が中核の啓蒙組織「防衛知識普及会」の作品です.
いずれも極めて薄い(100P程度)ですが,内容は極めて充実.
ホットなテーマを本格的に解説してますが,知識のない全くの素人でも安心できる分かりやすさです.
価格がタバコ2箱程度というのが驚き!
―――おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)12月7日
「ワレYouTube発見セリ」:【ニコニコ動画】洋上補給〜テロ根絶に向けた海上自衛隊の活動〜
※ ターリバーン(タリバン)関連や,ペシャワール会の中村医師については,「アフ【ガ】ーニスタンFAQ」も参照されたし.
【質問】
テロ特措法は何故できたのか?
【回答】
増田好平・防衛事務次官によれば,911テロ直後の9/12に,国際テロ対策のために「各国がいろいろな活動をすべき」とする国連決議に基づき,わが国も何かしなければ,ということで作られたものだという.
以下引用.
[quote]
テロ特措法は9.11の対応でできた法律.
翌日の9月12日に国連決議1368(国際の平和と安全に対する脅威と認定,必要なあらゆる措置をとる用意を表明した)によって,各国がいろいろな活動をすべき,との認識になった.
わが国も何かしなければ,と急いで法律をつくった.
2007年10月22日 メディア・レボリューション
[/quote]
その背景には,湾岸戦争において日本はカネだけ出した結果,全然評価されなかったとの苦い経験があるだろうことは,比較的高い確率で推測できる.
【質問】
テロ特措法は国民生活には無関係?
【回答】
以下によれば,むしろ関係大有りだという.
[quote]
「日経NB」:隣人と競うな,世界のビジネスマンと戦え!
〔略〕
日本人は,世界に対する関心があまりにも薄い.
マスコミにも責任があると思います.世界で何が起きているのかをしっかり報道しないんですから.「世界で何が起きていようとわしは知らん!」という人が多すぎる.
関心があるのは,事件とか火事とか,離婚が増えた,ニートやフリーターがどうしたとか,身の回りのことばかりでしょ.
そういうことも大事ですけどね.
テロ特措法にしても,「私にはそんなの関係ない」という国民がほとんどじゃないですか.
数十カ国が協力してテロに対抗しようと頑張っているのに,日本だけが「わしは知らん」という態度を取っている.
日本が協力しなくたって給油はできます.
しかし,今後日本が助けを必要とする時に,国際社会は日本を助けてくれないかもしれない.
このままでは,日本は世界の孤児になってしまうのではないかと恐れているのです.
人と技術しかなく,資源やエネルギー,食料を世界から買わなければやっていけない国なのに,「海外のことは関係ない」なんて無関心でいてどうするんですか.
世界と最も親しくつき合って,世界に対して一番にマーケットを開かなきゃいけない国は日本なんです.
その日本が厚いカーテンの内側に閉じこもっていたら,生き延びることはできません.
そこに最大の問題がある.
[/quote]
このインタビュー記事において,回答者は伊藤忠商事・丹羽宇一郎会長であり,少なくともビジネス面でのテロ特措法の影響についての部分は,比較的信頼性が高いと愚考する.
また日経新聞サイト自身が,「内向きのマスコミ」批判を掲載している,という点にも留意されたし.
【質問】
MIOとMSOとはどう違うの?
【回答】
MIO(海上阻止活動)は物資や人員の移動を阻止する行動.
MSO(海上警備活動)は上記に加え,航路の安全確保,海賊対策,海上でのテロリスト対策,救難活動等です.
アメリカ海軍はMIOという用語をあまり使わず,ほぼMSOで通しているようです.
これらの活動を行なう艦艇に給油する事は,テロ対策特措法の要件を満たしています.
テロ対策特別措置法
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/terotaisakusotihou.htm
【質問】
あちこちのスレッドに貼ってあるこれ,何の数値なの?
↓
>陸自
> 戦死 ・・・7名 その他・・・7名
>空自
> 戦死 ・・・1名
>海自
> 戦死 ・・・12名
> その他・・・8名
>合計 ・・・35名
【回答】
イラク及びインド洋派遣された自衛官の死者数.
派遣中の死者も少数含まれているが,多くは帰国後の死者.
「戦死」とされているのは自殺.
「その他」とされているのは病死・事故死など.
ソースはこれ↓だが微妙に数字が合わない.
海外派遣隊員16人が自殺 インド洋やイラクで任務
政治/2007年11月13日 13:21
インド洋やイラクなどへの海外派遣任務に就いた延べ約1万9700人の自衛隊員のうち,16人が在職中に自殺していたことが13日,政府が閣議決定した答弁書で明らかになった.
社民党の照屋寛徳氏の質問主意書に対する回答.
答弁書によると,テロ対策特別措置法に基づきインド洋に派遣された海自隊員は約6年間で延べ約1万900人.
イラク復興支援特別措置法に基づく陸,海,空自隊員の派遣人数は約4年間で延べ約8800人に上る.
このうち在職中の死亡者は計35人で,内訳は海自20人,陸自14人,空自1人.
うち自殺者は海自8人,陸自7人,空自1人で,それ以外は病死が計7人,事故死・死因不明が計12人という.
答弁書は派遣と死亡の因果関係に関し「一概には申し上げられない」と指摘.
退職後の自殺者数については「把握していない」としている.
[/quote]
上記記事を整理すると
陸;死亡14名(うち自殺7名)
海:死亡20名(うち自殺8名)
空:死亡1名(うち自殺1名)
自殺以外の死者(陸海あわせて19名の内訳
病死7名,事故死・死因不明12名
コピペは海の自殺者を間違えていると思う.
(もしかしたら自殺者があと4人いるというメッセージかも)
一方,政府答弁書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b168182.htm
によると
陸;死亡14名(うち自殺7名,病死1名,事故死または死因不明6名)
海:死亡20名(うち自殺8名,病死6名,事故死または死因不明6名)
空:死亡 1名(うち自殺1名)
派遣者数は,
陸;のべ 5600名
海:のべ11230名
空;のべ 2870名
なお,答弁書には書かれていないが,上記死亡者のうち
派遣中の死者は,海:3名(うち病死1名,事故死または死因不明2名)だけ
であり,その他は帰国後の死亡者である.
▼ 実際に入ってみれば分かるのですが,防大でも入校後ゴールデンウィーク前までに,新入生が大量に辞めていきます.
でもそれは逆に,「自分には合わない」という意思表示ができる人であると思います.
鈍感なまま続けていって負荷を抱え込む人が多いのかもしれません.
ただ一般的な民間企業と比べたデータがないので,計算してみました.
2005年の労働力人口から失業者を抜いた数が6501万人,
自殺者数のうち無職者と主婦/主夫を除いた数が14485人.
単純に母集団の数で割ると0.023%と出ました.
なお,失業者も入れて計算した場合,労働力人口における年間の自殺者は0.04パーセントに跳ね上がります.
http://www.jca.apc.org/gi-heisi/news/no.007/007-02.html
の主張する自殺者数を,自衛隊の人員(即応予備・予備自衛官を含む)で割って計算すると,
自衛官の自殺者率は0.030〜0.026%前後
と相成りました.
深刻な数ではあります.
ですがこれは日本国全体の問題であり,ことさら自衛官だけを取り上げるのは悪質な印象操作でしょう.
▲
【質問】
新テロ特措法成立に対する各国の反応は?
【回答】
●アフ【ガ】ーニスタン:歓迎
2008/01/11付,産経新聞(菅沢崇)より.
[quote]
アフガニスタン政府は,新テロ対策特別措置法の成立で日本の海上自衛隊による給油活動が再開されることを歓迎している.
アミン駐日大使は11日,
「テロとの戦いに再び参加するという日本の決断は,国際社会や反テロ同盟,アフガニスタン国民への強い希望のメッセージになる」
との談話を出した.
[/quote]
●パキスタン:歓迎
2008/01/11付,産経新聞より.
[quote]
海上自衛隊のインド洋での給油活動再開を認める新テロ対策特別措置法成立を受け,活動停止前に自衛隊による給油に大きく依存していた,パキスタン外務省のサディック報道官は
「日本の給油活動再開は,テロとの戦いを進める各国にとって力強いことだ」
と歓迎した.
[/quote]
●USA:歓迎
2008/01/11付,産経新聞(有元隆志)より.
[quote]
米政府は新テロ対策特別措置法成立でインド洋での海上自衛隊の給油活動が再開されることを歓迎している.
シーファー駐日大使も11日,「高く評価する」との談話を出した.
アフガニスタンに加え,パキスタン情勢も流動化するなか,インド洋での監視活動の重要が増しているためだ.
国防総省当局者は
「日本の活動再開を期待し続けてきた.
日本の活動は,テロとの戦いや地域の安定のために非常に重要であることは,これまでも証明されてきた」
と述べた.
[/quote]
●フランス:歓迎
[quote]
フランス外務省は11日,海上自衛隊がインド洋での補給支援活動を再開するための新テロ対策特別措置法が成立したことを「歓迎する」とし,インド洋におけるテロとの戦いで,日本の貢献が速やかに再開されることを願うとの声明を発表した.
[/quote]
●ドイツ:大歓迎
[quote]
新テロ対策特別措置法が成立したことについてドイツ外務省のイェーガー報道官は,11日の記者会見で
「日本が大きな貢献を再開することを大歓迎する」
と述べた.
[/quote]
●オーストラリア:歓迎
[quote]
ステファン・スミス外相は日本の復帰を歓迎し,この活動はアフガニスタン安定化の為にクリティカルであるとした.
Mr Smith said Japan's refuelling role and its aid for reconstruction and development has been critical to the effort in Afghanistan.
「日本がインド洋給油活動に復帰したことは,大変ポジティブなことで,アフガニスタンの安定化をめざす国際社会の努力を支えるものである」
"The resumption of Japan's refuelling operations is a very positive step and reinforces efforts to ensure sustained international commitment to Afghanistan,'' he said.
「オーストラリアは日本や国際社会のメンバーとのパートナーシップに基づき,アフガニスタンのミッションへのコミットメントを堅持する」
"Australia itself remains committed to Afghanistan in partnership with Japan and other members of the international community.''
[/quote]
●シンガポール:歓迎
[quote]
シンガポール外相は,日本がアフガニスタン安定化の国際コミニティの努力への参加として,インド洋の給油活動に復帰することを議会で決したことを歓迎するとした.
「日本の給油活動への復帰はアフガニスタンと周辺地域の安全保障の向上に寄与するものである」
と声明文の中でのべている.
「日本の議会は数ヶ月の中断の後に,自衛隊のインド洋給油活動再開を可能にする法案を議決した.
この決定はグローバルな反テロ活動において重要な貢献をなすものである」
[/quote]
◆◆◆◆アフ【ガ】ーニスタン関連
【質問】
2007年現在,アフ【ガ】ーン治安対策上の問題点は?
【回答】
伊勢崎賢治によれば,警察の皮をかぶったマフィアが跋扈しているのが目下,最大の問題だという.
以下引用.
[quote]
アフガニスタンの武装解除の実質的な責任者だった伊勢崎氏は,現在のアフガニスタンの最大の問題は,治安の悪化にあると指摘する.
アメリカとその有志連合が展開するテロ掃討作戦のOEF(不朽の自由作戦)も,国連決議に基づいて各国が展開するISAF(国際治安支援部隊)やPRT(地方復興チーム)も,タリバン政権崩壊後に行われたSSR(治安分野改革)が崩壊したために,機能不全に陥っているというのだ.
SSRの目的は,アフガニスタンに警察を作り,国軍を編成させ,司法を機能させ,アフガニスタン人自身に治安を維持させることだった.
日本もSSRの一端を担い,伊勢崎氏を顧問に迎えた外務省のチームが,軍閥の武装解除を行い成功している.
しかし,ブッシュ政権の政治的な都合で,警察組織を拙速に立ち上げようとした結果,軍閥がそのまま警察に組み入れられ,警察の皮をかぶったマフィアが跋扈する事態を招いてしまった.
この警察のマフィア化問題を解決しなければ,いかなる軍事援助もいたずらに犠牲者を増やすばかりで効果はあがらないというのが伊勢崎氏の主張だ.
〔略〕
伊勢崎:
私はアフリカでのDDR(武装解除・動員解除・社会復帰)の経験で,武装解除だけを単独で成功させてはいけないと最初から警告していた.
それは力の空白が生まれてしまうためで,アフガンの場合だと力の空白に入ってくるのはタリバンだ.
そのため,私は武装解除の完了と,アフガンの最初の総選挙の実施を結びつけようとしていた.
ところが2004年のアメリカ大統領選のときに私たちはワシントンから大変な圧力を受けた.
ブッシュ米大統領から大統領選の前にアフガンで何らかの選挙をやれとのことだった.
簡単にできそうなアフガンの大統領選だけを先に行ったのだが,それが問題の根源を作ってしまった.
当時のアフガンは武装解除が始まったばかりで非常に治安が悪く,その状況で選挙を行うことに対する国際社会の避難を避けるため,アメリカは警察支援に介入し,警察官の大量生産を行った.
この内実は元軍閥に警察部隊のユニフォームを着せただけで,さらに新しい武器まで渡してしまった.
その結果,アフガンにとって最大の脅威は元軍閥という状況になった.
しかも,全てタリバンのせいにできるため,マフィアにとってはやりやすい状況になった.
そして,そのマフィアの元締めは元軍閥である国会議員だ.
[/quote]
―――2007年11月1日 ビデオニュース・ドットコム
ビル・ゲイツといい,ブッシュといい,「拙速な援助」以外の援助の仕方を知らんのか,と言いたいところ.
一方,英王立統合軍防衛研究所(RUSI)所長マイケル・クラークによれば,(NATO)軍がきちんと関与することが決まってからは,成功例が着実に積み上げられ,NATO軍がタリバーンを押さえ込むことに成功しているという.
以下引用.
[quote]
朝日新聞2007年11月日 「私の視点」 ━━━英王立統合軍防衛研究所(RUSI)所長 マイケル・クラーク
アフガン派遣 ━━━国際評価高めない海自撤収
〔略〕
アフガンの治安状況は好転せず,作戦は最近までうまくいっていなかったのは確かだ.
01年に活動が始まった時は国際社会が十分に関与せず「国づくり」のための資金や活動人員も不十分だった.
しかし,北大西洋条約機構(NATO)軍がきちんと関与することが決まってから状況が変わった.
成功例が着実に積み上げられ,NATOが主導する形で,タリバーンを押さえ込んでいる.
アフガンが成功する可能性は十分ある.
〔略〕
※マイケル・クラーク・・・キングスカレッジ国防研究センター所長などを経て現職.王立国際問題研究所理事も兼務.
[/quote]
【質問】
イランとタリバンの関係ってどんなものでしょうか?
アメリカ政府はタリバンを援助していると非難していますが.
【回答】
タリバンはスンニ派原理主義,イランはシーア派原理主義.
ずっと敵対してきた犬猿の仲です.
イランはペルシャ語圏ですが,タリバンはパシュトゥン語です.
ただしアフガニスタンはペルシャ語圏(ダリー語)でもあります.
アメリカは
「ペルシャ語が書かれていた兵器をイラクとアフガンで押収した」
とし,イランの武器供与説を採りますが,アラビア語圏のイラクはともかく,アフガンの場合はペルシャ語圏でもあるわけですから,タリバンがアフガン正規軍から「ペルシャ語が書かれていた兵器」を鹵獲すれば,持っていても不思議は無い気がします.
ただし最近では,イラクのアル・カーイダ系組織をイランが支援しているという情報もあり,そのつながりを通じ,「敵の敵は味方」論理によってターリバーンを支援するようになった可能性もある.
50%未満と推測される可能性だが.
消印所沢
【質問】
アフガンから陸路で麻薬を運ぶルートは,どこを通っているのでしょうか?
【回答】
UNOPSの中央アジア案件に関する説明によると,旧来のイラン,パキスタン,トルコ経由ルートに加えて,中央アジア各国経由の流通が急増しているようです.
以下の資料には触れられていませんが,ロシア系マフィアの介在も噂されています.
UNOPSではこれに関連して,アフガニスタン-ウズベキスタン国境検問所運用の支援を行なっているそうです.
参考:
UNOPS/プロジェクト情報
イラン・パキスタン・アフガン国境付近の南西部ルート.イラン南東部沿岸で船に積み替え.
及び北部ルート.タジキスタン,ウズベキスタンを経由して欧州へ.
http://arab.fc2web.com/afgan/drug.htm
対テロ戦争後もこの二つのルートが基本です.
中国やインドに抜けるルートは山が険し過ぎるのです.
【質問】
>でさ,それだけ献身的ってなら,きちんとした会計報告くらいできるよね.
あのう,ペシャワール会の会報ごらんになったことあります?
毎年そこに会計報告載せてますけど.
【回答】
一般に寄付を求めながら,まともな会計報告を一般公開してない時点で十分腐ってると思うが?
http://www.janic.org/modules/weblinks2/print.php?lid=117
[quote]
【会員制度】
・会員: 12,500名(個人),2,000団体(営利団体)
【収入の部】
1.会費: 44%
2.寄付金(個人,企業等): 0%
(中略)
8.前年度繰越金: 56%
合計: 514,144,857
【支出の部】
1.事業費計: 487,156,781
2.海外事業費: 480,927,103
3.国内事業費: 6,229,678
4.事務管理費: 21,258,480
5.次年度繰越金: 5,729,596
合計: 514,144,857
【個人会員】・一般会員: 3,000円(年間会費)・維持会員: 10,000円(年間会費)
【団体会員】・団体会員: 30,000円(年間会費)
[/quote]
海外事業費ってそれぞれ何にいくら使ってるんだよ?
それに,この数字自体,常識で考えておかしいだろ.
個人会員が全員維持会員だったとして(考えられないが)も,
会費の合計は10,000×12500+30000×3000=1億8500万.
会費収入は5億1414万×0.44=2億2600万
って,残りの4千万はどっから沸いてきたんだよ(笑)
ついでに言うと,正確に把握しているはずの個人会員数と団体会員数が丸めてあったり,収入の部がなぜか金額ではなく比率のみの表示でないはずがない寄付が0になっていたり,一方支出の部はなぜか金額表示のみで収入の部と書式が違ったりと,まあ疑わしいところが山盛りですな.
こういうものを公的機関に提出する人間の性根は疑わしすぎる.
そして,こういうふざけたのは絶対に会計報告書とは言わん.
会計報告は他の人が突っ込んでくれてるから,省略するが,あれじゃパキスタンでも公式には通らんよ.
カネでも掴ませれば別だがね.
ただし,本情報はクロスチェック未着手につき,その点は留意すべし.
【質問】
中村哲医師はもう20年以上ペシャワール在住なので,話を信頼する価値はあるのでは?
【回答】
すまんが,もう11年も前になるが,〔おいらは〕そこ〔ペシャワール〕に実際に行ってるし,パキでのおいらの部下は全員パシュトゥンだよ.良いヤツらだった.
ペシャワールはパキスタンの都市だ.
そこに在住する「外国人」が,〔略〕,他国であるアフガニスタンでボランティア活動,それも,国籍国での政治的活動まで含んだ活動をする意味が判ってるのか?
少なくとも,おいらが現在居住する国で,それをやれば,間違いなく叩き出される.
それが居住国の意向に沿っていたとしてもだ.
だいたい,20年間滞在と嘯いているが,一体,どういう資格でパキに滞在してるんだ?
ちなみにおいらは,移民ビザでこの国に滞在している.
それには,兵役の義務やら,毎年の外国人登録兼無犯罪証明などの義務がある.
20年滞在してるなら,相応の資格を所持し,それに伴う公租公課を負担し,要求される義務は果たしてるんだろうね?
まさか観光ビザじゃないだろうねぇ?
さらに,アフガンにはどういう資格で入国してるのかね?
不法入国じゃないだろうね,まさか?
そういう事すら説明されていないボランティア活動など,どう信用しろというのかね.
【質問】
〔中村医師が〕そんなに問題のある会の代表なら,なんでマグサイサイ賞なんていう国際的な賞を受賞できたんでしょうか?
西日本新聞と言う,中村医師の地元福岡の新聞によると,一部にはノーベル平和賞を受賞させようと言う動きもあるようですし.
【回答】
ノーベル賞というと,金大中とかゴアとかも貰ってませんでしたか?
国際的な賞なんて言っても,所詮は与える人間の思惑や利害に左右されるものだと思いますよ.
つまり,ペシャワール会と利害の一致する誰かがいる.
こういうことではないでしょうか?
賞ってのに過大な期待をしてるんじゃない?
真によいこと,あるいはすばらしい発見をした人が例外なくもらえるものじゃない.
政治的な力が強い人がもらうものだよ,ノーベル賞も含めて.
マグサイサイ賞については,2001年の受賞が平山郁夫って時点でもうね…….
エイズでマグサイサイ賞をもらった中国の医者は酷かったな.
売血で注射針使い回した感染例を完全に無視して,「エイズは同性愛者だけの病気」ってのが持論だった.
20年前ならそれで権威付けて騙せるんだろうけど,今じゃ逆に晒し上げ.
【質問】
以前,中村医師についてお尋ねしたときに,中村医師のマグサイサイ賞受賞について,政治的動機でノーベル平和賞さえ利用されることがあるというお答えをいただいたんですが,それについて一つ新しい疑問が生じましてね.
例の軍事板のまとめサイトのブログ版※のほうに,中村医師が
>医師資格取得後に土方をしていた
と書かれていたんですよ.
http://obiekt.seesaa.net/article/58879611.html
のコメント欄の178なんですけどね.
仮にほんとに政治的な動機で賞を取りに行くような名誉欲のある人だったとしますと,そんな人が土方などするだろうかという疑問が生じまして.〔原文ママ〕
小沢信者 ◆gxRqfAIF.M
※質問者の誤認.「週刊オブイェクト」は本サイトのブログ版という位置付けではない.
【回答】
善意の人が一番タチ悪いんですよね.
実は,日本の左巻きのほとんどがこの類だと思う.
中国とか北朝鮮とかソ連とかは明確な政治的目的があって,それぞれ親中・親北・親ソな協力者たちを日本で募っているのに,操られた本人たちは「いいことをしている」と思い込んで,熱心に活動し,その活動に少しでも疑問を投げかける人と「良心がない」と非難する.
そして,悪人呼ばわりされたくない大多数を黙らせてきた.
こんな感じかなと思ってます.
【質問】
ペシャワール会はNPOなのか?
【回答】
ペシャワール会は,国内において単なる【任意団体】の形態をとっています.
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/kifu.html
NPOをとると,税制上の免除処置を受ける代わり,会計責任や法的な管理監督を受けることになります.
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO007.html
また,「特定非営利活動法人は,これを特定の政党のために利用してはならない(第三条第二項)」とされています.
国際的なNGOの多くは,国内においてNPOとして登録して,政府により管理監督されている事で,その責任を担保している場合が多いと思います.
なお,特定非営利活動促進法(NPO)法の規定では,組織としての非営利であって,職員や役員が報酬をとることを否定していません.
よく混同されがちですが,NPO=無報酬というわけではありません(第二条第二項)
NPOやNGOという言葉の響きだけで,完全なボランティアであるという誤解を生みやすいので,注意が必要です.
代表戸締役 ◆jJEom8Ii3E in ニュース極東板・改
【質問】
これは穏健派な人たちとアフガン政府が手を組みつつあると思っていいのかな?
[quote]
アフガン:地方政府でタリバン登用広がる 地域安定に寄与
【イスラマバード栗田慎一】アフガニスタン北西部バドギス,ファリヤブ両州政府に,旧支配勢力タリバンのメンバーがそれぞれ約100人ずつ計210人採用され,行政区長に任じられた人物もいることがわかった.
両州の警察幹部らが毎日新聞に明らかにした.
タリバンの地方政府への参加は,中部ガズニ州に続き計3州となった.
タリバンに和解を呼びかけているカルザイ大統領の和平路線の一環で,全国に同様の動きが広がる可能性が 出てきた.
バドギス州警察幹部によると,同州にタリバンが参加したのは10月末.武器を所持しているものの,友好的に仕事を続けているという.
タリバン政権時代に行政区長を務めていた人物が,同じ行政区長に返り咲いたという.
一方,ファリヤブ州政府では10月下旬から参加が始まった.今は無任所だが,行政区長や治安幹部などの要職も与えられる予定という.
両州内には,タリバンを構成するパシュトゥン人の居住地区が点在しており,こうした地区出身のタリバン・メンバーらが採用された.
タリバンの参加は,タリバン支持者を抱える地方では行政運営が円滑になる側面もある.
「タリバンのいないカブール(中央政府)と違い,地方はタリバンも反タリバンも隣り合わせで暮らしている.
敵視政策だけでは地方に混乱と暴力を強いるだけ」(バドギス州警察幹部)
だからだ.
カルザイ大統領は米同時多発テロ事件から6年の9月11日,タリバンに「話し合い」を呼びかけ,7月に韓国人拉致・殺害事件が起きた中部ガズニ州で事件後,タリバンと関係を持つ有力者を知事に任命し,タリバン45人が州政府の職員になった.
ただタリバンの地方行政への浸透は,武力だけでなく政治力もタリバンに与えることになる.
タリバン側は「全外国軍の撤退が政府との和解条件だ」と国際治安支援部隊(ISAF)などを狙った自爆攻撃も続けている.
カルザイ政権は外国軍の力を背景に政権を維持している.
地方の治安回復と政治的安定を狙ったタリバンの職員採用は,矛盾を抱えた政策とも言えそうだ.
[/quote]
【回答】
ゲリラ,テロリストの類は分断と殲滅が常道であり,今までは殲滅が優勢に報じられてきてたけど,うまく弱気になった人たちに対して飴をぶら下げることで,自勢力に取り込むという手が使え,相手を減らして自分を増やす常道だったりする.
機動戦士Z安崎 ◆PJs55J94x. in ニュース極東板
毎日は,バース党排除が初期のイラク情勢の混乱の一員になってたことを知らないんだろうか.
もちろん,情報や物資の横流しはしないように監視する必要はあるにせよ,タリバンから人的資源を奪って地方政府を強化するのは,基本的に正しい政策だと思う.
そもそもターリバーンと一口に言っても,全員が全員,イスラーム過激原理主義思想の持ち主なのではありません.
1990年代のターリバーンの拡大に伴い,旧ヘクマチァール派や,南部の中小軍閥,旧ナジブッラー政権の軍人,さらにはマスード派の一部さえ,買収や,撃破しての残党吸収などによって取り込まれていましたので,イスラーム過激原理主義思想を持たない人も多数います.
カルザイ大統領自身,一時はターリバーン支持者だった(のちに幻滅して離脱)ことを,毎日新聞のこの記者は忘れているのでしょうか?
また,
>カルザイ大統領は米同時多発テロ事件から6年の9月11日,タリバンに「話し合い」を呼びかけ
といった記述では,ターリバーンへの懐柔政策がごく最近,始まったかのように錯覚してしまいますが,実際にはムタワキール・ターリバーン元外相のようなターリバーン穏健派の存在は,ターリバーン政権がまだ存在していた頃から知られており,それへの懐柔工作は当時から行われています.
このムタワキールは,2005年の議会選挙にも出馬しています.
>ただタリバンの地方行政への浸透は,武力だけでなく政治力もタリバンに与えることになる.
とも記事には書かれていますが,現在テロを行っている連中を政治的に支援するような人物を,要職に任命するとは考えにくいのですが.
そんなことをすれば,懐柔工作にならないからです.
もちろん地縁・血縁が今も重視される傾向がアフ【ガ】ーン社会にはありますから,100%ないとも言い切れませんが,可能性としては低いほうになるでしょう.
この記事の書き手は,「ターリバーンが地方に浸透している」かのような印象を与えたいだけではないかと.
消印所沢
◆◆◆◆合法性関連
【珍説】
〔ターリバーン戦争は,〕国連の決議を伴わないアメリカの個別的自衛権,その他国の集団的自衛権による戦争だ.
しかし,これは国連の決議を伴わないアメリカの個別的自衛権,その他国の集団的自衛権による戦争だ.
日本は憲法により,本来参加できない.
テロ特別措置法は憲法を超越した法なのだ.
しかも,アフガニスタンにカルザイ政権が誕生した後は,カルザイが認めていない空爆攻撃を現在も繰り返している.
【事実】
全て外れだ.
・安保理決議1368・安保理決議1373・安保理決議1386・安保理決議1746・安保理決議1776で,米国を中心とした有志連合(Coalition
of the Willing)「Operation Enduring Freedom
coalition(不朽の自由作戦多国籍軍)」,OEF-MIO有志連合に明確に言及した上で,武力行使を容認する法的根拠が与えられている.
かつ,「国際協力によるテロリズム撲滅」を呼び掛けた国連安保理決議1373に基くものであり,国連加盟国であり,かつ国際法上で国家間・国際連合等の国際機関とで結ばれる成文法たる条約に加盟し,国連におけるテロ撲滅共同宣言署名国である各国は同決議を履行する義務がある.
なお日本国は憲法前文の宣言に相当するものとして双方に署名しており,関連法規も含め公布され,日本国内では法律より優先する.
(憲法第98条2項による.ただし憲法には劣る).
アフガニスタン政府,カルザイ政権もこの国連安保理決議1373に基き空爆等を支持し協力している.
またISAFとアフガン政府とは軍事技術協定を結んでおり,これに基いて軍事行動を行っている.
なおISAFは正規の国連PKOではない.
ISAFは安保理決議1386に基き「国連安保理に派遣を承認された有志国連合軍」である.
欧米諸国がアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)に参加したのは,上記のように開戦までにも国連決議が行われ可決されてきた為だ.
実際の米英の軍事行動の開始後,安保理常任理事国含め主要国はこぞって支持を表明している.
今現在もISAFという国際間の枠組みが継続しているのはここからだ.
そして小沢一郎は「国際社会のコンセンサスを得た」としてこれらに寄与し,
かつ「日本の国情でISAFへの人員派遣は困難」としてテロ特措法に賛成しているんだよ.
ところが今,小沢一郎は「国際社会のコンセンサスを待たずに戦争を始めた」といい出し,
「国連安保理決議1386に基くアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)への参加は可能」
「テロ特措法は憲法違反」
と言い出しているんだよ.
日本の外交方針と国益,国際協力のありかたを玩具にして,政局で立場コロコロ変えてるだけじゃないか.
そもそもアル・カーイダが破壊せんと欲しているものは,欧米の影響がある「すべてのもの」であり,それには日本も含まれる.
事実,日韓ワールドカップも標的として検討されたという.
また,グレアム・フライ駐日イギリス大使も次のように語っている.
[quote]
[大使] あの時は,もちろん直接アメリカで起こった攻撃でしたけれども,決してアメリカだけでなくイギリスや日本なども多くの国民に死傷者が出た.
イギリスだけでなく,いろんな国で,テロ攻撃が起きたので,私たちはアメリカに同情するだけでなく,自分達に対する攻撃でもあると感じ,アメリカと連携,連帯感が強かった.
〔略〕
[大使] テロというのは国際的な問題で,日本を含めて,どこでも起こるような問題です.
[/quote]
―――2007年10月30日 メディア・レボリューション
「アメリカの戦争」という見方は,いかにアル・カーイダ型テロを理解していないかを晒しているにすぎない.
【質問】
小沢一郎はこう言っている↓けれど,アフ【ガ】ーニスタン戦争やテロ特措法って国連決議に基づいていないの?
−−−
小沢一郎民主党代表:アフガニスタンでの戦争はブッシュ米大統領が「米国のテロとの戦いだ」と言って,国際社会の合意を待たずに米国独自で始めた.
日本の直接の平和や安全とは関係ない.直接的に(日本の)部隊を派遣して,米国あるいはほかの国と共同活動をすることはできない.
シェーファー駐日米国大使:3月に可決された国連安保理決議では,米国を中心とした部隊の活動を国連が認め,その活動について言及している.
(2007/08/09 毎日新聞)
−−−
会談内容の詳細は↓
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/262184/
【回答】
アフ【ガ】ーニスタン戦争とテロ特措法に関連する国連決議のまとめ
・国連憲章第51条
アフ【ガ】ーニスタン戦争(米国を中心とした有志連合側呼称:不朽の自由作戦,Operation
Enduring Freedom,OEF)は一般的に911に対する個別的・集団的自衛権の行使と解釈されています.
自衛権とは主権国家に生来的に備わっている権利であり,国連憲章第51条では国連憲章の他の条項や決議に拘束されないとされています.
たとえば,デア駐日ドイツ大使は以下のように述べています.
−−−
■海自撤退は常任理入りに不利=ドイツ大使,民主を批判
ドイツのデア駐日大使は26日午後,参院議員会館で開かれた公明党の外交安全保障調査会などの合同会議で講演し,海上自衛隊のインド洋での給油活動に関し,
「仮に(海自が)撤退すると,国連安保理常任理事国を目指す日本にとっては有利にならない」
と述べた.
また,デア大使は講演後の質疑で,
「OEF(不朽の自由作戦)は国連憲章51条に根拠があるので,具体的な決議を出す必要はもともとない.
民主党が言ってることはちょっと理解できない」
と述べ,国連の承認がないとして活動継続に反対する同党の対応を批判した.
(2007/09/26 時事通信)
−−−
・安保理決議1368号
911直後に採択された安保理決議1368では,「あらゆる手段を用いて闘うこと」というふうに武力行使が容認されています.
http://www.mofa.jp/mofaj/gaiko/terro/anpo_1368.html
ただ,この決議には「アフ【ガ】ーニスタン/タリバン」という地域/対象が含まれていませんでした.
そこで,米英がアフ【ガ】ーン侵攻に当たって新たな決議が必要なのかどうかと問われたとき,イラク戦争を食い止められなかったことを一生の不覚と恥じるアナン国連事務総長(当時)でさえ,アフ【ガ】ーニスタン侵攻には新たな安保理決議は必要でないと示唆しました.
https://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2001/0924.html
それで実際に米英の軍事行動が始まってみると,主要国はこぞって支持を表明したわけです.ロシアのプーチンでさえ.
都合よく健忘症に陥ってこういったことをすっかり忘れている人が多いですが,今現在,ISAFという国際間の枠組みがあるのはそういう経緯があるからです.
「ブッシュ大統領は『これは米国の戦争だ』と,国際社会のコンセンサスを待たずに戦争を始めた」(小沢民主党代表)
などというのは単なる詭弁に過ぎないことが理解していただけると思います.
小沢は本当に変節しちゃいましたね.
・安保理決議1373号
テロ特措法は「国際協力によるテロリズム撲滅」を呼び掛けた国連安保理決議1373に基ずくものであり,国連加盟国であり,国連におけるテロ撲滅共同宣言署名国でもある我が日本国は,同決議を履行する義務があります.
国連安保理決議1373(PDF)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/terro/pdfs/anpo_1373.pdf
テロリズムは日本にとっても脅威なのですから.
(日本国内にも中核派等のテロ組織が存在する.)
・安保理決議1386号
この決議がISAFに法的根拠を与えています.
なぜアングロサクソン・欧州諸国がこぞってISAFに参加したのかというと,上に書いたとおりの開戦の経緯があったからです.
小沢先生も「国連安保理決議1386に基づくアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)への参加は可能」といっていますが,彼はハト派なのかタカ派なのか,彼の国際貢献論には頭がクラクラしてきます.
・安保理決議1390号.
−−−
決議1390は,2002年1月16日,国連安全保障理事会において採択された従来のタリバーン制裁の枠組みの内容を更新する決議.
オサマ・ビン・ラーデン,アル・カーイダ組織及びタリバーンと関係する個人・団体等の資産の凍結,入国・領域通過の禁止,これら個人・団体等への武器等の輸出の禁止を内容としている.
(外務省)
−−−
海上臨検(OEF-MIO)の根拠として挙げられます.
・安保理決議1746号
この決議が画期的だったのは,「Operation
Enduring Freedom coalition(不朽の自由作戦多国籍軍)」という言葉で米国を中心とした有志連合(Coalition
of the Willing)に初めてはっきりとした形で言及している点にあります.
http://www.un.org/News/Press/docs/2007/sc8977.doc.htm
・安保理決議1776号
前文でOEF-MIO有志連合に対する謝意が表明されました.
つまり,OEF-MIOに参加している海上自衛隊の活動は国連によって追認されているのです.
小沢先生とシェーファー大使とどちらの言い分が正しいのか理解していただけると思います.
・名は体を表す
佐藤守によれば,上記のような話の概略が法案名称となっているのが,この通称「テロ特措法」なのです.
――――――――
通称「テロ特措法」は,「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」というのが正式の名称であり,あまりにも長すぎるからこれを短くして使っているだけなのである.
9・11テロでは,日本人も犠牲になったことをお忘れか?
特に民主党議員に言っておきたいが,「テロ特措法」は,米国の勝手な軍事行動を日本政府が,理屈をつけて支援しているものでは断じてない.
・まとめ
「米国がテロとの戦いだと言って勝手に戦争を始めた」
というのは,イラク戦争を批判するときの陳腐な言い回しであって,アフ【ガ】ーニスタン戦争に関しては国連は主導ないし追認することによって一貫して関与してきています.
テロ特措法反対派は,この二つの戦争を意図的にごっちゃにするので,注意が必要です.
【質問】
国連安保理「謝意決議」(1776号,2007/9/19)は,「日本政府が仕掛けた結果」だから意味がないの?
(以下,そういう主張の一例)
−−−
■日本というある特定の国の国内事情のための決議案
決議は採択されましたが,賛成14ヶ国でロシアだけは棄権しました.
----------------------------------------------------ここから引用----
ロシアのチュルキン大使は
-------------------------------------------------------中略---------
「不朽の自由」作戦に基づく活動は「国連の枠外で遂行されている」と主張するとともに,決議が日本政府の意向を踏まえて作成されたことを批判した.
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007092000087
----------------------------------------------------ここから引用----
「今回の決議案は日本というある特定の国の国内事情のためである.国際社会全体の課題を協議する安保理の性格にそぐわない」などと強い不満を表明しました.
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/09/20/d20070920000032.html
日本のお家事情による要請で決議案が変えられたということで,不純な動機に基づくものであるという批判したのですね.
〔略〕
他国からしてみれば,
「日本はアメリカに脅されたからなんとか給油活動を続けたいんだろう.
首相も辞めて国内の政治問題すら解決できず,国連決議をお願いしてきた程度の国だ」
と思われているでしょう.
【回答】
国連安全保障理事会は15カ国からなります.
このうちこの決議案に賛成票を投じたのは中国,フランス,イギリス,アメリカ,ベルギー,イタリア,カタール,コンゴ共和国,パナマ,スロバキア,ガーナ,ペルー,南アフリカ,インドネシアの14カ国であり,反対票は一つもなく,ロシア一国のみが棄権しました.
ロシア大使の言葉だけを引用して,その他の圧倒的多数の国々の意見に言及しないのは,評論の仕方としてフェアではありません.
「アフ【ガ】ーニスタン戦争は米国の戦争であって日本は関係ない」
と主張する人々に必要なのは,なぜこれほど多くの国々が安保理決議に賛成し,さらにISAF,OEF,MIOに参加するのかを考えることだと思います.
また,あらゆる安保理決議はどこかの国が仕掛けた結果なのであって,ことさら日本を悪玉扱いすることに意味はありません.
−−−
ロシア側は妥協案として,「いかなる海上阻止,臨検活動も国際法と国内法にのっとって行われなければならない」との文言を盛り込むよう提案したが,これも無視されたという.
(2007/07/09 毎日新聞)
−−−
この報道から窺い知れるのは,安保理決議で無制限な臨検に道を開くのは将来ロシアの国益を損ねるかもしれないというロシアの懸念であって,つまりロシアが棄権したのも「国内事情」によると十分に考えられるわけです.
騙し合いの外交で,差し障りのない表向きの理由を真に受けても仕方ないです.
以下はジルダ・ル・リデック駐日フランス大使の言葉.
[quote]
[大使]元々,海上自衛隊の活動は十分に国連憲章の51条に沿ったものであると理解しております.
何と言っても,今回このような形で国際社会が立ち上がった背景には,2001年の9.11事件があった事を忘れてはならないと思います.
特に先月19日に国連の安全保障理事会で採択された1776号(“感謝”決議)を見ますと,国連としてOEFの活動を高く評価し,また,それに関してMOI(海上阻止活動)に参加している同盟国に感謝の気持ちが盛り込まれているのだと思います.
2007年10月30日 メディア・レボリューション
[/quote]
グレアム・フライ駐日イギリス大使も次のように語っている.
[quote]
(ロシアの棄権について)私はイギリスの大使で,ぜひロシアの大使にお聞きになった方がいいと思いますけれども….
ロシアは棄権しても,非常に重要なポイントは,れっきとした国連の決議として通ったということです.
[/quote]
―――2007年10月30日 メディア・レボリューション
そもそも,佐藤守によれば,安保理という「戦勝国仲間」を動かすことができただけでも,大きな成果だそうです.
今まで外務省が懸命に努力してもその壁を崩せなかった,安保理という「戦勝国仲間」が,ロシアが棄権しただけで今回の決議をしたのだから,外務省としては偉大な成果を挙げたことに変わりは無い.
外務省が失敗すれば嵩にかかって非難する方々が,今回の成功を「日本の国内事情から根回しした成果だ・・・」とか何とか言い逃れて評価しない様は矛盾していて異常である.
まるでオーム事件の時の「ああ言えばジョウユウー」を思い出す.
むしろ,そんな国際常識を外れた決議を出してもらわねばならなかった原因である,「反対のための反対」的状況こそ意味がないものかもしれません.
「諸君!」 2007年12月号では,以下のように皮肉られてすらいます.
[quote]
「イラク復興に関する一連の国連決議……で形は整ったとしても,政治の判断としては,それに自衛隊を派兵することには賛成できません」.
あれほど「国連のお墨付きがあれば」と言っていた人なのに,それは「俺の眼鏡に適(かな)うお墨付きでなければならぬ」と言っている.
小沢は,そんなに偉いのか?
[/quote]
なんでTVメディアは誰も,そこを小沢一郎に突っ込まないの?
ちなみに当のロシアは,以下のような説明をしている.
これが信頼できるとするならば,批判者の言い分は邪推以外の何物でもない,ということになるだろう.
日本への批判ではない=安保理「謝意」決議の棄権−ロシア大使
時事通信社 - 2007年11月12日 17:10
ロシアのベールイ駐日大使は12日,都内の日本記者クラブで講演し,インド洋での海上阻止活動への「謝意」を明記した9月の国連安保理決議採択でロシアが棄権したことについて,日本政府の意向を踏まえて決議が作成されたことへの批判が理由との見方は事実ではないと否定した.
大使は
「日本の(海上自衛隊の給油)活動と,(棄権は)一切関係ない」
と指摘.
海上阻止活動が
「どういう内容か分かるようにしてほしいと言ったら拒否された」
と述べ,日本以外の安保理理事国への不満が理由だと説明した.
なんでTVメディアは誰も,そこを小沢一郎に突っ込まないの?
【珍説】
(インド洋の給油活動については,)成果が上がっているという声は極めて限定的で,国際的評価は高くない.
北澤俊美防衛相
【事実】
発言については
http://www.mod.go.jp/j/kisha/2009/09/17.html
でどうぞ.
新聞記事はどうでもいいですが,このあたりでしょうか.
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090917AT3S1701O17092009.html
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090916-896412/news/20090917-OYT1T00590.htm
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090918k0000m010147000c.html
自分の部下が,必死の思いで懸命にギリギリの状況下で行なってきた血と汗と涙の結晶である給油任務を,直属の上司として公の席で侮蔑する.
現在も現地で活動している隊員とその家族がいるというのに・・・・
政治家としてというより,人として信じられない行為です.
新大臣は自分の発言を通じ,軍と国防コミュニティの信頼を失い,軍の士気を奪ったことへの責任だけでなく,責任ある公人として,わが国国防トップとして,ご自身の発言が国際社会でどう受け止められ,結果国益を毀損していることに対し,自ら責任を取る必要があります.
外務と国防の大臣は,厚労相や総務相といった他の大臣と違い,その行動や発言のベクトルを常時海外に向ける必要があり,そのセンスが必要なんですよね.
外交と軍事は国家の対外活動ですから.
「声」の具体的な出元と,「国際的評価」の国際とは具体的に何で,どういう機関のものかを国内外で明確にする義務があります.
なにしろ現役の国防大臣が,自国が国益を図るために展開している軍事行動を,公の席で侮蔑し,軍の士気を奪ったわけですからね.
まさか,茶飲み話をそのまま鵜呑みにして口にしたわけじゃないでしょう.
確たる裏づけがあっての発言でしょう.
また,〔略〕士気を奪う政治の行為は,伊達や酔狂の与太話レベルで片付く話ではありません.
〔略〕
ちなみに「限定的」かどうかは,1つ上の項目参照.
「北澤防衛相は意外に現実主義者かも」
という見方もある
(北澤防衛大臣「防衛費減額の考えは無い」
民主党政権は防衛大綱を先送りしない方針)
が,果たして……?
▼
――――――
インド洋の海自を撤収へ 首相「アフガン政府強い思いない」
鳩山由紀夫首相は同日夕,記者団に
「アフガニスタン政府自身にとってどうかということで,われわれは判断したい.
アフガン政府自身が日本の給油支援に対して,あまり強い思いを持っていない」
と述べ,延長を見送る意向を示唆した.
――――――
一方・・・
――――――
スパンタ外相,日本にインド洋での給油継続を求める.岡田外相は国内問題として検討する姿勢
ソース NHK 9月26日 7時6分
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015717191000.html#
(すでに記事は消えている)
岡田外務大臣は,ニューヨークでアフガニスタンのスパンタ外相と会談し,スパンタ外相は,日本政府が来年1月の期限を単純に延長することはないとしている,インド洋での海上自衛隊による給油活動について, 大きな貢献だとして継続するよう求めました.
――――――
どっちなんですか! 首相!
2009年10月14日 17:43,ヨッチ
だめた,この首相・・・_| ̄|○
もう何も期待出来ないわ.
2009年10月14日 19:08,バルセロニスタの一人
もう最初っから撤収する方針を動かさないつもりなんだから,こうなるでしょうね.
んでもって外国からは,「話が通じない」という印象を強くされる.
2009年10月14日 20:07,Tono
▲
▼ アメリカだけではなく,判明しただけでもイギリス,カナダ,パキスタン,アフガニスタンからも継続要請のある
「国際的に評価の低い活動」
って一体なんでしょうかね(棒読).
まあ,民生支援に力を入れるなら入れるで結構ですが,犠牲者が出ないことを祈るのみです.
で,その際は当然政治責任を取るおつもりなのでしょうね.
2009年09月26日 18:05,へぼ担当
もし犠牲者が出れば,そこで民主党政権そのものはアウトでしょう.
政権どころか,党すら危うくなる.
それでなくとも内部対立が自民以上の政党なのに,どうするのやら.
今まで擁護してくれたメディアからも 愛想尽かされるでしょうね.
まぁ結局,「国際社会がそう言ってるから」と,給油継続に収まるかも知れませんがね.
2009年09月26日 18:13,バルセロニスタの一人
まさにぐだぐだですね.
まあ,民主党政権の責任において給油活動撤退をされても別段構わないのですが,それに伴う損失などの全責任は,政治主導を掲げる民主党政権に取っていただくことで確定させたいところです.
それができなければ最低限,「無能で怠惰」でいて欲しいのですが,連立与党の中でも「無能な働き者」には事欠かないようで.
2009年09月26日 20:15,へぼ担当
八ッ場ダムは(中止で却って金がかかろうとも)中止します.
だってマニフェストに書いてあるから.
給油活動は(諸外国からどれだけ要請されても)中断します.
だってマニフェストに書いて…ないけど前から言っていたから.
マニフェストを金科玉条とする姿勢は,「護憲派」(政権内にいますが)に通じるものがありますね.
2009年09月26日 21:04,GX9900
「ペシャワール会を通じた民生支援」などになったらどうしよう(ニヤニヤ
2009年09月26日 21:18,消印所沢
癒着美味しいです(ニヤニヤ
2009年09月27日 03:19,JSF
それでアメリカが納得すれば問題無しだな〜(棒読み)
2009年09月27日 03:55,ぎんなんそう
今朝の新聞にC-130で人道支援ってのが載ってました.
また輸空団のリソースが…
2009年09月27日 08:14,ゆずこせう
C−Xの予算を獲得するフラグ来たこれ.
2009年09月27日 09:39,JSF
…というか,ちゃんと飛ぶんじゃろk げふげふ
2009年09月27日 10:07,ゆずこせう
> C−X
何とでも予算を獲得するとともに,余裕を持った改修で無事に初飛行を成功させて欲しいものです.
国内だけならまだしも,海外派遣でC-130Hだけではさすがに無理が有りすぎますからね.
> C-130で人道支援
ネット上ではこれですね.
Bloomberg.co.jp: アジア
政府:空自機で難民に物資,アフガン支援でPKO法活用も−日経
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=aFeFaDbdW5gI&refer=jp_asia
2009年09月27日 14:24,へぼ担当
以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
OEF−MIOはカルザイ政権からも,国連からも要請されていない各国自主的な活動ですよね?
政府がそう認めていますよね?
【回答】
それが当り前.
公海上の活動に特定政府の要請がなぜ必要なんだよ.
【質問】
革新系市民団体のサイトに出ていたんでアレなんですが,洋上での海賊取締りは各国の海上警察の任務であって,海軍の任務ではないから自衛隊がそれに関わることは越権行為だ,みたいなことが書かれていましたが,彼らの言ってることはまともなんでしょうか?
理由も添えてお答えいただければと思います.
【回答】
本来,海軍は海賊行為を行ったり,逆にそれを防いだりする為に作られたものなので
任務としてはおかしくないです.
領海内であれば海上警察権はその領海の帰属する国家が持ちますが,公海上での海賊行為に対する警察権は,国連海洋法条約を批准する,あらゆる国の軍艦・軍用機・政府公用船舶・政府公用航空機が,同警察権を行使する権利を持ちます.
なお,
×革新系市民団体
○空論系市民団体
だと推測されます.
区別はきちんとつけましょう.
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ