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◆テロ対策
テロリズムFAQ目次


 【link】

「F速VIP」:授業中の学校がテロリストに占拠された時の対処法を考えるスレ

「ザイーガ」:【知る】もうこれで,監視カメラに映らない,「赤外線LED内蔵ヘッドバンド」
 監視カメラを街中に設置しまくるというテロ対策をしてきた英国の,今後の対応に注目.

「ワレYouTube発見セリ」:チリ,国家警察部隊特殊作戦部隊(GOPE)


 【質問】
 テロにはどう対処すべきなのですか?

 【回答】
 志方俊之は,「屈せず,分裂せず,耐え忍べ」と述べる.

「テロに対処するには3つ原則があると言います.
 第1はテロに屈せず,怯まないこと.
 第2は団結すること.
 第3は耐え忍ぶこと.耐え忍ぶというのは,2時間のフライとのために2時間の手荷物検査を受けるのを我慢するということです.これから先,新幹線で何かあれば,新幹線でも手荷物検査を行うようになるでしょう.各駅にて荷物検査所を設け,持ち込む荷物の量も制限するということも考えられます.
 こういった制約に耐えなければならない.
 そして各駅に検査所を設け,それを運営するには,物凄いコストがかかるわけで,それは当然,運賃に跳ね返ってくる.それにも耐えなければならない.
 〔略〕
 日本人は安全はタダだと思っていましたが,今や安全に対して大変なコストを払わなければならない時代に突入してしまいましたね」

( from 「緊急対談 生物化学兵器の脅威に我々は耐えうるか」,「正論」 Dec. '01)

 しかし実際には,様々な利害・思想を持った個人の集合体である「民衆」にこれを期待するのは,非常に難しそうだ.強力なリーダー・シップが,実現のためには必要となるだろうし,そのような指導者の存在を常に期待できるとは限らない.

 また,コリン・ウィルソンは犯罪一般の問題に還元して,「自由の哲学が狂気に走らないよう,倫理的責任を教える必要がある」と分析する.

「犯罪問題の解決には,どんな手段をとることができるのだろうか.
 アメリカでは,カルフォルニアのトマス・ジェファーソン研究財団という機関が,この問題に長年取り組んでいる.この財団のモットーは『自由の代価は責任』で,犯罪の温床は主として教育にあるという基本理念で活動を続けている.〔略〕

 〔略〕 自由は責任と規律がなくても存在できるという思想を広めたのはルソーだが,この問題の責任の大半は,このルソーにある.

 1951年,アルベール・カミュは著書『反抗的人間』で,サドからカール・マルクスやレーニンに至る全ての反抗の哲学は,圧政と,自由の破壊とを招いたと,強力な宣言を時代に投げつけた.
 これは,左翼に怒りの渦を巻き起こした.
 カミュの死後,彼の正しさは現実に証明されるところとなった.自由の哲学は国際的テロリズムの正当化の根拠となった.イタリアのテロリストは大学の教室に押し入って,教授の脚を銃で撃ち,『この教授は基本的に非道徳的な社会に適応する事を学生に鼓吹した罪がある』と嘯いた.チャールズ・マンソンは,自分の追随者は『兄弟愛』から殺人を犯したと,法廷で公言した.
 これが自由の哲学の帰結である.自由の哲学が狂気に走った例である.満ちてくる潮のように暴力が社会にのさばる.常に自由を云々して,その正当化を求める.
 この種の風潮を見るとき,間違っていたのはルソーで,正しいのはカミュだということを,我々は考えずにはいられない.ルソーの時代には変革を求める強い必然性があり,したがってルソーの思想を認めるべきだとするなら,同じ根拠で今はカミュを認めなければならない.

 現代の教育制度に『倫理的責任』を教える能力があるかどうかは分からない.しかし,社会の底辺にのさばっている,この頑迷な自由の哲学を否定する能力はあるはずだ.
 この態度に変革を迫ることが,我々の社会の変革の鍵である」

(コリン・ウィルソン著「現代殺人百科」 青土社,Nov. 11, '88)

 速効性を期待できない漢方薬的処方だが,根本的解決のためには,これを地道に実践するしかないだろう.
 しかし不幸にして,そういった教育システムを期待できない国々もあるため,そういった国からのテロリスト発生が懸念されつづけるだろう.

 一方,
「本当にテロを撲滅するためには,中東の独裁国家の民主化を進めるしか道はない」
と,どっちが過激主義なんだか分からない主張をする政治家もいる.
 イスラエルの政治家,ナタン・シャランスキーがその人である.
 彼はおおよそ次のように述べている.

 シャランスキーは,ヘンリー・キッシンジャー(ニクソン政権の国務長官)等に代表される現実主義者の外交政策を,誤りであると批判する.現実主義者は東西冷戦のときに「デタント(融和)政策」を主張したが,それは独裁国家を温存する結果になったと主張するのだ.

 彼はさらに,現実主義者は国益と民主化政策は無関係であると考えていたと主張する.すなわち,相手国が独裁国家であっても,そこに力の均衡が存在し,緊張が緩和するなら,体制の是非は問わない,というのがデタント政策であった.
 彼によれば,そうした現実主義者の政策は対ソ戦略に留まるものではないのである.
 例えば,アメリカの中東政策は,サウディアラビアやエジプトなどの専制国家の安定化を優先し,民主化を要求しないという過ちを犯したと断罪する.
 彼は,
「独裁者は,自らの権力を維持するためにテロを輸出している」
と,現実主義者の中東政策が結果として中東諸国をテロの温床にしてしまったと主張する.
 したがって,本当にテロを撲滅するためには,中東の独裁国家の民主化を進めるしか道はないと説くのである.

 彼はさらに議論を進め,世界を民主化することはアメリカの国益に適うだけでなく,世界の民主化が実現したとき初めて本当の平和が訪れると主張する.
 その目的を達成するために,アメリカを中心とする民主国家は,世界の民主化を進める役割を果たすべきだと訴えるのである.

 シャランスキーは,
「テロのネットワークを根絶するだけで満足すべきではない.
 民主主義の種を播かねばならない」
と説く.
 この発想は,ブッシュ大統領の就任演説の内容にそのまま投影されているのである.

 もちろん,こうしたシャランスキーの「理想主義」に対して強烈な批判も加えられている.
 アメリカの伝統的保守主義者のパット・ブキャナンは2/13,NBC-TVの報道番組「ミート・ザ・プレス」でシャランスキーに対して,
「9月11日の同時テロ事件は,アメリカの介入主義が引き起こしたものである.
 ビン・ラディンがアメリカを攻撃するのは,アメリカが民主国家だからではなく,アメリカの中東での軍事的プレゼンスが過剰であるから」であり,「パレスチナのテロも,イスラエルがガザ地区を占拠しているのが原因である」
と批判を加えている.

 これに対してシャランスキーは,
「アメリカがテロリストに攻撃されるのは,アメリカが自由世界のリーダーだからだ」
と反論.
 さらにパレスチナ問題については,
「イスラエルが譲歩するとすれば,それはパレスチナが本当に民主化したときだ」
と切り返す.

 また,ブキャナンは,
「アメリカに直接的な脅威となっていない国に攻撃を加えるのは内政干渉ではないか?」
と,ブッシュ・ドクトリンにも疑問を呈する.

 これに対してシャランスキーは,
「独裁者を攻撃する必要はない.支援を止めればいい.
 そうすれば独裁国家は自然に倒れるだろう.独裁国家は内部からの攻撃には弱いものである」
と,武力行使には否定的な見解を述べつつ,民主勢力を支援せずに独裁国家に対して融和政策をとってきた現実主義者の外交政策にこそ,問題があると反論を加えている.

 ちなみにブキャナンは,アメリカの海外への介入を減らすべきだと主張するモンロー主義者であり,湾岸戦争はイスラエルとアメリカのネオコンの陰謀であると主張して,反ユダヤ主義者であると批判された人物である.

(中岡望〔ジャーナリスト〕 from 「中央公論」, 2005/7, P.142-144)

 このシャランスキーとは何者か?
 中岡望〔ジャーナリスト〕は次のように述べる.かなり観念先行傾向のある人物のようだ.

 彼は1948年にロシアで生まれたユダヤ人である.
 モスクワの大学で応用数学を専攻している.
 1973年にイスラエルへの移民ビザが,国家安全保障を理由に拒否されたため,英語の通訳として生計を立てながら,反体制運動家で物理学者のアンドレイ・サハロフのために働いた.
 ソ連のユダヤ人の人権運動に携わり,人権活動家として知られるようになるが,1977年にアメリカのスパイ容疑で逮捕され,シベリアの労働キャンプで13年の強制労働を命じられる.
 だが,レーガン大統領のソ連政府に対する圧力もあり,86年に,西側に交流されているソ連のスパイとの交換で釈放されている.
 しかし彼は,自分がスパイであることを否定し続けた.
 最終的に彼の主張は受け入れられ,スパイが交換される時間よりも数時間前に釈放されている.
 釈放後,イスラエルに移住し,ヘブライ語の名前であるナタンを名乗るようになる.
 イスラエルでは,ロシアから移住してきたユダヤ人の支援活動に携わり,88年に自伝「フェア・ノー・イーブル」を出版.
 89年にレーガン大統領から「自由のメダル」を授与されている.
 95年に政党を結成し,政界に進出.
 過去,3つの政府で閣僚を務めている.
 2003年3月からはシャロン政権の閣僚だったが,今年5月2日にシャロン首相が,ガザ地区やウェスト・バンクから一方的に撤退したことに抗議し,辞職している.
 彼はイスラエルでは右派として知られており,パレスチナ問題で非妥協の厳しい態度を取っている.

 自由や民主主義に対する彼の思想は,ソ連での反体制活動によって培われたものである.彼はソ連の崩壊過程を目の当たりにしてきたのである.
 彼は,ソ連崩壊のきっかけとなったのは,75年の「ヘルシンキ合意」であったと考えた.同合意に基づき,NGO「ヘルシンキ・ウォッチ」が設立され,ソ連の人権問題が国際的に監視されることになった.
 これがソ連の反体制派を勇気付け,ボディ・ブローのようにソ連体制にダメージを与えていった.
 さらにレーガン大統領がソ連を「悪の帝国」と規定し,明確な対決政策をとったことが,ソ連崩壊の決定的な要因になったと,シャランスキーは解釈する.
 こうしたソ連での経験が,独裁国家に対して外交政策の中で人権問題を明確に位置付け,対決姿勢を保つことが,独裁国家の国民が自由を獲得し,民主主義を確立するうえで重要であるという思想に発展していったのである.

 さらに,彼の独自の人間理解が,その思想に加わる.
 それは「人間は基本的に自由を希求する存在である」という考え方である.
 シャランスキーは,民主主義は文化的・歴史的な相違があっても,どの国においても実現可能であると主張する.
 誰もドイツや日本が現在のような民主国家になるとは予想できなかったではないかと指摘し,各国の歴史的違いや文化的違いを理由に,民主主義の確率が不可能であるとする主張を退ける.
「条件さえ整えば,どんな国でも民主主義を実現することができるのである」
 そうした考えが,民主主義国家は独裁国家に対して常に民主化を求めつづけるべきであるという彼の思想に繋がって行く.

 そして,世界は「自由な社会」と「恐怖の社会」に分かれていると主張する.
 それはレーガン大統領の「悪の帝国」やブッシュ大統領の「悪の枢軸」という,世界を善と悪に区分する考えに通じる.
 「自由な社会」と「恐怖の社会」を峻別するのは,ライス国務長官が指摘した「街の広場テスト」である.

(同,p.141-142)

>世界は「自由な社会」と「恐怖の社会」に分かれていると主張する.

 このへんなど,イスラーム過激派が主張する,
「世界はイスラーム共同体と,それを包囲して脅かす敵の共同体に分かれている」
というのと,大して変らないが.

 そして問題なのは,G.W.ブッシュ大統領が,このシャランスキーから大きな影響を受けていること.

 テロリストの主張をメディアに乗せて流すこともまた利敵行為であるといえます.
 例えば大手新聞社に意見広告を載せようとすれば,かなりの高額の料金がかかりますが
(読売新聞の広告料金)
http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/rate/rates.php

 ページ半分の広告を一紙に載せるだけでも何千万単位,それを5大新聞全てに載せるとすれば間違いなく億の単位に届きます.
 交渉経緯を公開するという事項一つとっても,テロ組織に億単位の金額に相当する利益を与えるのですから,これを回避するのは当然のことです.

 まあ,テロリスト側もこの点を崩すため,人質などを使って体制側に揺さぶりをかけるので,得てして原則通りにいかない結果になるのですが.

ゆのすけ in mixi

▼ 小川和久は,テロを病気に喩え,「公衆衛生学」的,「予防医学」的,「対症療法」的の3つのアプローチを提言している.
 以下引用.

――――――

 頻発するテロは,現在の世界が抱える病に例えることができます.
 そして,流行している病気をなくすには,
「公衆衛生学」的なアプローチ(例えば下水やゴミ処理場を整備し,蚊や蝿を駆除することで,伝染病の流行を防ぐ),
「予防医学」的なアプローチ(例えば,どんな病原菌にどんな薬が効くかを研究し,特効薬を開発しておく),
「対症療法」的なアプローチ(例えば風邪をひいたら,熱を下げたり,咳や鼻水を抑える薬を飲んだり,睡眠と休養を取る)の3つが考えられるでしょう.

 テロの根絶に向けた戦いにおいても,同じような3段構えが必要だと思います.

 まず必要なのは公衆衛生学的アプローチ.
 これは,テロや内戦の背景にある飢え,貧困,教育の欠如,失業,差別,民族対立,宗教対立といった構造的な問題を,いかになくしていくかということです.
 日本をはじめ世界の平和に責任を持たなければならない国が,時と場合に応じて最も効果的な手段を,それこそエンドレスで講じていかなければなりません.
 例えばODA(政府開発援助)が対象国の支配層や,そこに進出している外国企業を潤わせるのでは,逆効果になってしまいます.

 〔略〕

 次に,予防医学的アプローチが必要です.
 これは,中東,中央アジア,中南米といった個別の地域において,どんなテロ組織やゲリラ組織があり,何がその温床となっていて,何を狙っているのかを調査研究し,テロを封じ込める特効薬的な対策を見つけ出して,実行していくプロセスです.
 一口にイスラム原理主義と言っても,様々な組織があり,温度差もある.
 アメリカに対する姿勢,日本に対する姿勢もそれぞれ違う.
 ある宗教指導者をうまく説得できれば,その強い影響下にある幾つかの組織がパタッとテロ活動をやめることだってあるかもしれないわけです.

 3つめに,ようやく対症療法的アプローチが来ます.
 これは目の前にあるテロをどう防ぐか,あるいはテロは起こってしまったが,2次,3次のテロ攻撃をどう防ぐかという取り組みです.
 そして,それぞれの国内のテロ対策を世界最高のレベルに持って行き,テロをやりにくくさせる.
 これはテロをやられた場合の被害を少なくするためのダメージ・コントロールでもあります.
 いうまでもなく,この段階では警察力や軍事力が全面に出てきます.航空機のハイジャック対策,公的機関や企業の警備,テロリストとの交渉を有利にするための強制力(特殊部隊)の警備などがそうです.
 場合によっては,なりふり構わぬテロリスト掃討作戦で一般市民に犠牲が出て,そのことが,さらにテロリストを過激な行動に追いやる可能性も覚悟しなければならないでしょう.

 対症療法的アプローチのもう一つの柱は,テロリストが足場にしそうな不安定な国や地域を,世界各国と協力して安定させていくことです.
 あとで述べるイラク復興支援への参加は,テロ対策の面からも極めて重要なのです.

 テロ対策は,以上のような3つのアプローチを同時に,しかも継続的に進めなければ,意味がありません.
 テロリスト達を生み出している地域の貧困や民族・宗教対立を全く放っておいて,対テロ特殊部隊だけを整備・増強するのは,物事の順序をわきまえない不健全極まる話です.
 私は軍事問題の専門家ですが,だからこそ,まず軍事力を使えばいいという立場ではないのです.

――――――小川和久著「日本の戦争力」(アスコム,2005.12.5),p.167-170

 ただし上記引用は,大筋では問題ないものの,細部ではやや疑問もある.
 テロや内戦の背景にあるものは,必ずしも飢え,貧困ではないという見解も多くある.
 また,予防医学的アプローチについてのイスラーム過激原理主義の例も,実際にそのようにぱたっとテロ活動をやめたケースを寡聞にして知らない.▲


 【質問】
 軍隊における対テロ行為に対する早期解決に有効な戦略というのは確立しているのでしょうか?
 イラク統治をみてても結局グダグダな感じがするんですが,結局行政面の発達に頼るしかないのでしょうか?

 【回答】
 確立してないし本質的に確立させることも不可能.
「軍隊をテロリストと戦わせないこと」
 これこそが「軍隊の取りうる最適な対テロ戦略」だ.

***

 現在行われているハードなテロ対策:
・圧倒的火力で粉砕(高射機関砲とか爆撃)
・テロリストの家族を人質に取る
・見せしめに殺す
・補給や補充を行なえる聖域を作らせない

 現在行われているソフトなテロ対策:
・主義によるテロリストでなければ更正プログラムで就職支援
・内政をしっかりする

 本来,テロリストと”戦う”のは一般部隊の仕事ではない.
 彼等は軍事力で撃滅しうる対象ではないからだ.
 なので有効な戦略はなにかと問えば,その国の政府がテロリストが活躍しない(できない)ような環境を整えてくれること,しかない.

 それが出来るなら苦労はしないんだけどね.

 そういう本質的な事から離れて純軍事的に語るなら,それはもう皆殺しにすること.
 それも,テロリストの何倍(可能なら何十倍でもいい)の兵力を用意して,数で押し潰すこと.
 チマチマと拠点を潰したり,精密誘導兵器でアジトを爆破したりするのではなく,相手の何倍もの兵力で取り囲み,全員が死ぬまで攻撃し続けること.
 これしかない.

 それか,相手の行ってくる「テロリズム」つまりは”恐怖”を上回る恐怖を与えて
「俺達の国に手を出すとタダでは済まさんぞ」
と”教えてあげる”こと.
 それこそテロリストが拠点にしている町に核兵器を撃ちこめばよい.
 そして,テロリストによって自国民が一人でも殺される度に同じこと(町ごと核攻撃で消し飛ばす)をしてやればよい.
 そんなヤバい相手をテロるバカ(度胸がある,と言っても可)はいないから.

 もちろんどっちも現実的にやると「一方的虐殺行為」でしかないから,国際関係上,絶対にそんなことは出来ないが.

 つまり,軍隊が軍隊の作法でテロと戦わなければならなくなった時点で,その国の治安は終わっている.

 かつての日本がそうであったように,国が全体的にある程度豊かになれば,大多数の人はテロなんかしない(そんなことする暇があれば金を稼いで豊かになったほうがいい)から,結局「その国の経済を安定させ,国民の生活水準を全体的に向上させる」しかテロを収拾する方策はない.※
 でも今のイラクみたいに軍隊,それも他国の軍隊が「テロと戦」っていると,それだけで国情が安定しないので経済も安定せず,国民の生活水準も向上しないのでいつまで経ってもテロがなくならない.
 そしてそのため,テロと戦ってる軍隊も撤退できず,そのせいで・・・という不幸スパイラルに陥る.

 まぁ,この議論を尽き詰めていくと,
「軍隊の所属だが対テロ専門」の部隊は何なのか?
 警察組織だが戦車や攻撃ヘリまで持っている旧ソ連(ロシア)の内務省治安部隊とかはどうなるんだ?」
ってことになるが・・・.

 「テロ戦争」自体が,そうした従来の「国内治安は警察,外部侵略には軍隊」っていう従来の分け方を無意味にしてしまったわけだし・・・.

軍事板

 ※必ずしもテロと貧困とはリンクしていないという説もある.



 【質問】
――――――
 かつての日本がそうであったように,国が全体的にある程度豊かになれば,大多数の人はテロなんかしない(そんなことする暇があれば金を稼いで豊かになったほうがいい)から,結局「その国の経済を安定させ,国民の生活水準を全体的に向上させる」しかテロを収拾する方策はない.※
――― ―――
 この文をどう読み取ればいいのかがまずわからんのですが,日本人による極左テロが猖獗を極めた70年代というのは,日本が経済的にずいぶん成長した時代ですし,経済的に成熟した90年代になると,今度は高学歴,ちゃんとした仕事もあった人々がオウムのテロを起こしたわけで,少なくとも日本に限っては,貧困対策がテロ防止になる,とは言えないのではないか?と.

バグってハニー

 【回答】
>少なくとも日本に限っては貧困対策がテロ防止になる,とは言えないのではないかと.

 ある程度,だから良いんじゃないですか.
 少なくとも,226や515のような事件は戦後はありませんし.国松長官狙撃があったくらい?

 ゼロになっていないから,防止にはならないちうのは,いささか乱暴なはなしなのではないかと.

ゆきかぜまる

 私見ですけれど,「貧困をなくす」というのは,どちらかというとテロの「動機」を減らす行為だと思うのですね.
 もっとも,「戦争の経済学」なんかでは,貧困とテロの関連性は薄いという見方を示していますし,この辺は国情によっても違ってくるのでしょう.

 もうひとつはテロの「手段」を潰す行為で,テロリストが拠点に使えるような聖域を作らない (無政府地帯を作らないようにするための,治安維持能力強化支援など),テロ組織に対する民衆の支持を失わせる工作,テロ組織に対する資金・物資などの供給を絶つ兵糧攻め工作など.

 米海兵隊の新しいビジョンの受け売りみたいになっちゃいますけど,何かひとつやるだけでテロがなくなるっていう話じゃなくて,多面的・長期的なアプローチが必要なのでしょう.
 もちろん,軍だけじゃなくてさまざまな政府機関と連携して.

井上@Kojii.net

 貧困をなくす,というのはどちらかというと内戦や紛争の勃発・再発のリスクを減らすのに役立つかと.
 ポール・コリアーは,民族構成や政治制度よりも経済が,紛争や内戦に影響を与えることを指摘していますね.
 そしてテロリストが活躍するのは,こうした紛争地域である場合が多い(アフガニスタンの麻薬などの例)ので,紛争が少なくなる・小さくなるということは,結果的にテロリスト勢力を弱体化させることにつながるのではないか,と思う次第です.

葉月@

>貧困対策がテロ防止になる,とは言えない

 これは赤軍派の話を見ていても感じたことですが,テロリストは「自分が”世界の真実”に関与できていない(or自分を構成する諸要素を自分がコントロールできない)」ということを,強く不満に感じているように見られます.
 だから手前勝手な理屈をこねて,「真実」をでっち上げたり,平気で嘘を垂れ流してしまうのかもしれません.
 これだけ見ると子供の駄々のこね方と同じですが,可能な限り不正を行い得ないような,オープンな政治経済のシステムを構築することも,そういったテロリストに活動の言い分を与えない根拠になりうると考えます.

クローム・ツァハル

 如何なる種類のテロかにもよるんですが,基本的に貧困の撲滅=テロ防止にはつながらないと思われます.

 何しろ,テロ組織を構成し,どこでどんなテロを起こすかを計画するのは高等教育を受けられる,それなりに裕福な連中ですから.
 貧困地域からの貧困の撲滅及び国家権力の浸透・情勢の安定化は,テロリストから非常に使い易い聖域を奪う事になり,自爆テロ要員の減少くらいは招くでしょうが,そうなったら今度は,昔懐かしの「都市ゲリラ」方式を取るだけでしょう.

如月

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より

 こういう記事を見つけました.

人殺しのプロ…の割にテロの成功率は 金持ちほどテロリストに?――フィナンシャル・タイムズ

 記事の中で紹介されている米プリンストン大学の経済学者アラン・クルーガー氏の研究によると,テロと貧困にはむしろ逆の相関関係がある,つまり,金持ちで教育レベルの高い人ほどテロに走りやすい,ということが示唆されるそうです.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 現代のテロリズムは,典型的には自爆攻撃であり,自らも死ぬが,多数の市民をも殺傷するといったもの.
 これはテロリズムの新段階であり,セキュリティの上昇や報復などによってやめさせることはできないのでは?

 【回答】
 状況によるでしょう.
 彼らの目的もまた「政治的目的」が含まれている以上,セキュリティレベルの「形」は変わっても,選択肢としての「報復」や「セキュリティの向上」は残すしかない.
(じゃないと,抑止そのものが存在し得ないので)

 また,一方として,貧困からテロ組織に走る人たちには,仰るとおり,報復などは,逆にテロリストを増やす結果になりかねない.

 故に,彼らの政治的目的を達成させないためのセキュリティ向上と,一人一人の人間に対する安全保障の提供という両輪が,これからは必要になると思います.

ますたーあじあ in mixi


 【質問】
 対テロ戦争にRMAは有効か?

 【回答】
 ミニタリー・バランスによれば,大掛かりな装備は対テロ戦争には殆ど貢献しないという.
 以下引用.

数十年は対テロ戦中心 英戦略研が年次報告

 【ロンドン25日共同】英国際戦略研究所は25日,各国の軍事動向や地域情勢を分析した年次報告書「ミリタリー・バランス2005−2006」を発表し,西側諸国にとっての紛争は「今後数十年」は対テロ戦が中心になると分析.ハイテク技術を駆使し目標をピンポイント爆撃する米軍の軍事技術革命(RMA)の有効性は「疑わしくなった」と指摘した.
 報告書は,アルカイダに代表される国際テロ組織がゲリラ的な戦術を取っている現在,必要とされる戦力は特殊部隊などの地上戦力が中心で,航空機や船舶による大掛かりな装備は「貢献度がほとんどない」と強調.

(共同通信,2005/10/25)

 事実,イラクでの対テロ作戦を見ても,大掛かりな装備は費用に比して効果を挙げていない.
 その作戦は結局,歩兵による掃討という形をとっている.
 この事実を見ても,上記文章は信頼性が高いと言えよう.


+

 【質問】
 東アジアでは,テロ対策のために何をすべきか?

 【回答】
「我々は穏健な主流派のイスラムと協調し連帯して過激派分子を孤立化させ、撲滅させなければならない」
と,GOH CHOK TONG (シンガポール首相)は述べている.
 以下引用.

 テロというもの自体は昔からあって、スペインのETAとか、スリランカのタミール・タイガーとか各種のバラエティがあった。
 しかし現在のテロは、それと同じではない。

 シンガポールの経験で話をするなら、9・11以降、2001年にはシンガポールはジャマー・イスラミア(JI)のメンバー15人を逮捕したが彼らはシンガポールの米国機関にテロを計画していた。2002年の夏には21人のメンバーを逮捕したが、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイでも同様のテロリストの逮捕が続いた。
 JIは東南アジア全域に広がるテロリスト・グループであってオーストラリアにまで手を伸ばそうとしている。

 JIの目的は,ダーラ・イスラミアと呼ばれるイスラム帝国を東南アジアに建国することである。
 このイスラム帝国はインドネシアを中心とするのだが、マレーシア、南部タイ、南フィリピン、シンガポール、ブルネイを含むものになる。彼らはアルカイダ同様各地のテロリストグループが共通のイデオロギーのために結束した構造なのだ。
 JIは1999年にラビタトゥル・ムジャヒディーン(ムジャヒディーン連合)という秘密連合を作り上げ,東南アジアの各種のイスラム・グループを統合化した。この連合の首謀者はハムバリで、アルカイダと東南アジアのテロリストを結ぶ接点にいる。彼らは2000年にジャカルタのフィリピン大使館の爆破事件を起こしている。

 このテロリスト運動の脅威というのは爆破事件などだけではなくて精神的・宗教的な、つまりイデオロギーの闘争を仕掛けていることで西欧的価値観に変わる過激派イスラムの価値観を東南アジアのイスラム・コミニティに蔓延させようとしていることだ。

 東南アジアではイスラムの武装派ゲリラというのは昔からあるのだが、今問題にすべきなのは,それらの武装派ゲリラを統合して広範な戦闘を目指す動きが活性化していることだ。
 このイデオロギーは,妥協を許さぬゼロサム思考なので、主な敵はアメリカかもしれないが,アルカイダが欧州をも攻撃するように、イスラム以外の全ての文明を戦いの相手とする。

 アルカイダがアメリカと欧州でのテロを行っているように、JIは東南アジアでのテロを進めており、シンガポールについて言えばイスラムのマレーシアとの対立を煽り「チャイニーズ・シンガポール」を強調した宣伝を行い、地域の対立抗争を煽っている。

 イスラムの過激派テロリストと、イスラムの主流である穏健派をはっきりと区別することは大変重要である。主流派イスラムは殺人やテロを許容しない。冷戦がそうであったように、21世紀のテロとの戦いは軍事的・政治的なものであると同時に精神的・宗教的な側面のあるイデオロギーの戦いである。
 だから、我々は穏健な主流派のイスラムと協調し連帯して過激派分子を孤立化させ、撲滅させなければならない。
 幸いにもマレーシアの最近の選挙では過激派イスラムは支持されず、穏健派が権力を握っている。
 インドネシアでも過激なイスラム政党は政治的勢力としては弱体である。

 東南アジアの過激派イスラムのテロから見たイラクについて触れておきたい。
 いまやイラクはイスラム・テロリズムの主戦場となった。サウジアラビア出身のヨセフ・アル・アイーリはアルカイダのブレーンの一人であるが、もしもイラクが民主主義国になれば、それはイスラムの死だ、と言っている。アメリカの支援による民主的なイラク建設が彼らの脅威である。

 問題はWMDではなく、国連の役割でもなく、民主イラク建設の為のアメリカのクレディビリティなのである。中国の古典によれば、我々がテロとの戦争に勝つためには相手を理解しなければならない。
 それに加えて今回は、アメリカであれヨーロッパであれ、アラブであれアジア人であれ、ムスリムであれ非ムスリムであれ、そういうこととは無関係に、我々は連帯しなくてはならない。

from WSJ
(翻訳:極東ニュース板)


 【質問】
 ハイジャックを根源的に防止することはできないのか?

 【回答】
「私は,残念ながらないと思います」と,森本敏〔安全保障問題専門家〕は述べる.
 彼によれば,操縦室を完全隔離する以外,方法はないという.
 以下引用.

 極端に言えば,訓練された人間が,身一つで機内に入ってきて,スチュワーデスの首を締め,機内にある,食事を出すときに使われるナイフとフォークを何十本か取り上げれば,それを使ってパイロットを殺すことも,そう難しいことではない.
 突然豹変する人間を,事前にチェックするのは不可能です.

 それでも,一つだけ有効なハイジャック対処策があると思います.
 それは操縦室を完全隔離することです.スチュワーデスや乗客を脅せば,簡単にコックピットに入ることができるという,民間機の構造に問題があるのです.
 例えば飛行機の構造を変え,コックピットの後ろに,もう一つ隔室を作る.
 乗務員は隔室までは入れるけれども,そこから先は立ち入れない仕組みにする.
 パイロットとは電話でしか連絡をつけられなくする.
 乗客が人質に取られても,テロリストに操縦桿を握らせず,パイロットが最後まで飛行機を操縦できるようにしておけばいいということです.

 さらにコックピットに,銃器を備えておく必要もあるでしょう.
 どんな状態でも,パイロットの安全だけは確保できるようにしておけば,相当に効果はあるはずです.

( from 「『新しい戦争』を知るための60のQ&A」,新潮社,
2001/11/15,P.20-21,抜粋要約)


 【質問】
 9.11テロ後,どのようなハイジャック対策がとられているか?

 【回答】
 事件以後,アメリカでは搭乗前の保安検査を強化し,民間航空定期便には航空保安官を登場させるなどの対策をとった.

 また,アメリカ民間航空のパイロットの武装が,2003/4/20から開始された.これはハイジャックを防ぐ最後の手段として実行されたものである.
 ホワイトハウスはパイロット武装に消極的だったが,パイロットや客室乗務員の組合が武装を要求,上下両院が圧倒的多数でこれを支持したので,方針を転換した.

 武装を希望するパイロットに対する,政府の48時間コースの訓練は,4月中旬にジョージアの施設で始まり,中年の機長を中心に,女性を含む46人が参加.
 4/19には,女性3人を含む44人が「武装資格」取得,翌週の20日から実働に入った.
 アメリカ運輸省によれば,武装を希望するパイロットに対する訓練は,今後も継続され,今後5年間で約3万人のパイロットが「武装資格」を取得するものと見られている.

 携行武器は40口径のセミオートマティック,ダブルアクションの拳銃(S&Wモデル4006?).弾丸は,ハイジャッカーの身体を貫通して乗客や機体を損傷しないよう配慮された,特殊なものだという.
 パイロットは操縦中,拳銃をホルスターで身につけ,その使用は,ドアが破られた場合,操縦室内に限られている.
 操縦室から出る場合は,ホルスターから拳銃を取り出して,規定の金属製の箱に移して持ち歩くなど,厳しい制限がある.

 さらに,国連の専門機関であるICAO(国際民間航空機関)も,20年3月,
「操縦室のドアを,小型武器から発射される銃弾を阻止できるタイプの物に交換し,飛行中,必ず鍵をかけること.
 パイロットが,不審な乗客がいないかを操縦席から監視できるシステムを整備すること.
 異常事態発生の際,客室乗務員が秘密裏にパイロットに知らせるシステムを整備すること」
などの新しい安全基準を作成,03年11月までに,60席以上の国際線に適用するとした.
 同時に,60席以下の国際線や,国内線にも同じような安全基準を適用するよう,187の加盟国に勧告した.

 以上,ソースは 「航空ファン」2003年7月号(文林堂),P.61.稲坂硬一の記述に依る.


 【質問】
 対テロや対マフィアなど組織犯罪対策で,軍と警察が一緒に行動する事はあるのでしょうか?
 ある場合に軍は逮捕権はないと思うのですが,どういう役割になるのでしょうか?
 最後に,軍と警察が一緒に行動して解決した有名な事件があれば教えて下さい.

 【回答】
 基本的には軍隊は軍隊を相手にするので,犯罪に対しては警察,警察の中の特殊部隊が対処します.
 ただ,テロリストなどの武力が強力すぎて,警察の特殊部隊でも対処しきれない場合,あるいは軍しか持たない装備などが必要な場合などには,軍に協力を要請することもあります.
 軍は敵対するものを無力化(殺害なり拘束なり)したのち,警察に引き渡して処置を任せます.

▼ 解決したと言えるかどうかは微妙ですが,ロシアで起きた小学校占拠事件では軍の特殊部隊が警察に協力して動いています.
 そのような場合,軍の突入場面では警察は邪魔にならないように後退し,現場の制圧が終わってから参入するのが普通のようです.
 モスクワ劇場占拠事件では,ごく初期はともかく,後半は完全に軍特殊部隊のみで動いていたようです.

 モスクワ劇場占拠事件の場合は,軍が保有していた無力化ガス(Kolokol-1)を使用することになったため,軍特殊部隊が登場する必要があったわけですが,そうでなくともロシアでは積極的に軍が出張る傾向があるようです.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 アルファ及びヴィンペルはロシア連邦保安庁所属であり,ロシア連邦軍所属ではありません.
 〔略〕
 ロシアの場合,対テロ戦はアルファ・ヴィンペルが殆ど担当しています.
 モスクワ劇場占拠事件&小学校占拠事件において,軍の特殊部隊(GRU所属)が出動した話は聞きません.

ヴィンペル


CRS@空挺軍 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 「スクリーン捜査」とは?

 【回答】
 大量の個人データを一定の条件で篩い分け,容疑者を搾り出すという捜査方法.
 ドイツでは70年代,極左組織「ドイツ赤軍」摘発でこの方法を用いて「シュレーファー」を捜し出し,効果を上げた.
 シュレーファーとは,ドイツ語で「眠っている人」という意味.忍者小説などに出てくる「草」のような存在.

 911後はドイツ当局は全国の大学に対し,アラブ系学生の名簿を提出させ,スクリーン捜査をした.

 詳しくは朝日新聞アタ取材班著「テロリストの軌跡 モハメド・アタを追う」(草思社,2002/4/25)p.116-117を参照のこと.


 【質問】
 SOCA(重大組織犯罪局)とは?

 【回答】
 2006/4/3,英国で発足した,組織犯罪取締まりが目的の部局.
 約4000名からなるこの機関は,「国際的な連携など,21世紀型犯罪への対応が必要」(ブレア首相)との意識から生まれたものです.
 初代長官には防諜機関である情報局保安部(MI5)のランダー元長官が就いています.

 →対テロ戦争のための治安組織で,一種の対テロ武装情報機関とでもよべるものでしょうか.
 ちなみに,英国には防諜のMI5と諜報のMI6という情報機関があります.
 おもしろいのは,いずれも「Military Intelligence」だということですね.
 これは国際的に情報を扱う機関・人には「軍事が必須」ということを示しています.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)4月10日


 【質問】
 アメリカはテロ容疑者をどのように監視しているのか?

 【回答】
 「片っ端からチェック」という,ある意味,アメリカらしい大雑把な手法を採っている模様.
 例えば,テロ容疑者名簿に膨大な数の名前を載せ,また,NSAが国内・国際回線の通話監視を行なっているという.
 以下引用.

米国際テロリスト容疑者名簿に32万5000人の氏名=WP紙

 [ワシントン 15日 ロイター] 米ワシントン・ポスト(WP)紙は15日,米政府が作成している国際テロリストの容疑者またはその協力者の名簿に32万5000人の氏名が記載されていると報じた.
 複数のテロ対策当局者の発言として伝えたもので,記載人数は2003年の名簿作成時の4倍に相当するという.
 同紙は,この名簿は国家テロ対策センターが管理しているもので,以前公表されたよりもはるかに多い人数の氏名が記載されているとしながらも,センター当局者の話として,同一人物の名前が異なったつづりになっていたり,偽名だったりする可能性があり,実際の人数は20万人超と推定されるとしている.
 同紙によると,あるセンター当局者は匿名で,名簿に記載されている人物の大半は「非米国市民または非米国居住者だ」と述べた.

(ロイター) - 2006年2月15日19時28分

NSAが大統領が許可した以上の幅広い分野で諜報活動を実施

24日のAP通信は,NSA(米国家安全保障庁:エシュロンの主体)が裁判所の許可なく,Eメールや電話の盗聴など幅広い分野で,ブッシュ政権が認識している 以上の諜報発動を実施しているとする,ニューヨークタイムズ(電子版)の記事 を紹介しています.
 先週金曜日のタイムズ紙は,匿名の政府関係者の言として,NSAが米の電話会 社の協力を得て,国内・国際回線の通話監視を行なっていると伝えています.
 タイムズ紙のこのスクープ記事を受け,ブッシュ大統領は
「盗聴を許可するとの大統領令は,アルカイーダに関連する人物のみが対象だ」
と強調しています.

おきらく軍事研究会


 【質問】
 米軍はどのようなテロ対策を考えているのか?

 【回答】
 テロ組織にWMDが拡散するのを防ぐための特殊部隊を創設し,陸海軍の特殊部隊の増強,無人飛行機部隊の創設などを予定しているという.
 以下引用.

米,国防計画見直し テロ・中国軍拡重点 特殊部隊拡充/太平洋の海軍力増強

 【ワシントン=有元隆志】米国防総省が二月初めにまとめる「四年ごとの国防計画見直し」(QDR)で,米本土防衛とともに,イスラム過激派によるテロ,中国の軍事力拡大,大量破壊兵器の拡散への対応に力点が置かれることが二十九日までに固まった.
 特にテロ対策のための特殊部隊の拡充や,中国の軍拡に対応した海軍力の太平洋重点配備が盛り込まれるという.
 QDRは米軍の中長期的な兵力構成の指針となるもので,二月六日に議会に提出される予定.
 国防総省関係者によると,今回のQDRは二〇〇一年米中枢同時テロ後の米軍を取り巻く環境の変化を踏まえ,米軍が直面する課題を四つに分類した.
 具体的には,
(1)湾岸戦争のような通常兵器による「伝統的な敵」
(2)イラクやアフガニスタンで米軍が武装勢力などから受けている「不規則な攻撃」
(3)同時テロのような米本土に対する「破滅的な攻撃」
(4)米軍の指揮系統などに打撃を与える「妨害型の攻撃」
に分けた.
 そのうえで,本土防衛の強化,テロ組織への迅速な対応,大量破壊兵器の拡散防止,中国やロシアなどへの対応に焦点をあてた.
 アジアでの脅威に対応するための海軍力増強は前回のQDRにも盛り込まれたが,二十三日付の米紙ディフェンス・ニュースによると,今回のQDRでも,少なくとも六つの空母戦闘群と,六割の潜水艦を太平洋に展開するなど,米海軍の重点を太平洋に置くという.
 軍関係者は,中国の海軍力強化や朝鮮半島情勢,台湾海峡,南シナ海に潜在する紛争に対処するためと指摘する.
 また,二十七日付の米紙ワシントン・タイムズによると,北朝鮮やイランなどから,テロ組織に核や化学兵器,生物兵器などの大量破壊兵器が拡散するのを防ぐための特殊部隊を創設する.
 さらに,陸海軍の特殊部隊の増強,無人飛行機部隊の創設なども打ち出されるという.

(産経新聞) - 2006年1月31日3時19分


 【質問】
 「ダークウェブ」とは?

 【回答】
 アリゾナ大学で開発中の,対サイバーテロ用人工知能プログラムのようですね.
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200709130939&page=2

 なんでも人工知能の自動巡回プログラムによってリンク分析,内容解析,意味解析を行いインターネット上のテロリストの動向を探ろうというものらしい.
 最大の目玉は,文章の癖や特徴などを分析することで,文章を書いた人物の「文紋(Writeprint=文章の指紋)」を抽出する機能があるという事.
 これによって,匿名のテロリストがネット上の掲示板などにどんな書き込みをしていったのか,時系列的に追跡していくことも可能だとのこと.

 これはmixや他のポータブルサイトにも欲しい機能でありますな.
 ヤフーや2ちゃんねるは言うに及ばず,このmixiですら「マルチアカウント」のアラシが跳梁跋扈してますからね.

平作 in mixi


 【質問】
 テロなどにより米議会議員が一度に多数死亡した場合,議会運営はどうなるのか?

 【回答】
 中村かおりによれば,下院の定足数は議員の過半数とされ(合衆国憲法1条5節1項),下院の先例では,定足数は「選挙で選ばれ,宣誓を行い,かつ,生存している」議員の過半数とされるという.
 この場合,死亡していなくても職務遂行能力を議員が喪失していたようなときには,議事を行うことができなくなる.

 そのため,炭疽菌テロ(2001〜2003年)や不審航空機の侵入(2004年,2005年)といった事件が起きたのをきっかけとして,2005/8/2に法改正が成立,下院議員の欠員が100名を超えるときには,49日以内に特別選挙を行わねばならないことになったという.

 詳しくは『ジュリスト』2006/11/15号,p.99を参照されたし.


 【質問】
 イラク戦争はテロ防止に役立ったのか?

 【回答】
 CIAの機密報告とされるものによれば,かえって全体としてテロ問題を悪化させたという.

 以下引用.

「イラク戦争でテロ問題悪化」米情報機関が機密報告

 【ワシントン=貞広貴志】中央情報局(CIA)など16の米情報機関が,国際テロの動向とイラク戦争の関係を分析した機密報告をまとめ,「イラク戦争は,全体としてテロの問題を悪化させた」と結論付けていたことがわかった.
 24日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じたもので,ブッシュ政権の「対テロ戦争で世界と米国はより安全になった」という公式見解を情報機関が否定する形となった.
 同紙によると,「世界規模でのテロの傾向」と題した機密報告は,政府機関内での激論を経て今年4月にまとめられた.
 国際テロ組織「アル・カーイダ」とその関連組織を核としていた勢力が,アル・カーイダ指導部とは直接のつながりを持たない「自己派生」の細胞組織へ変ぼうしてしまったと分析.

読売新聞,2006年9月25日2時8分

〔略〕
 また米ワシントン・ポスト紙は,この報告書が今年4月に完成したもので,イラク紛争を暴力的なイスラム過激派にとって主要な人員徴募の道具として描いていると報じた.
 〔略〕
 ホワイトハウスはこの秘密報告書についてはコメントを出さず,24日のニューヨーク・タイムズ記事は
「報告書の見解を代表していない」
と述べた.ホワイトハウス報道官は
「われわれが常に言い続けてきたのは,テロリストたちが決意も持っているということである.圧力をかけ続け,攻勢をとり続けることが対テロ戦争で勝つための最善の方法である」
と語った.
(翻訳・ベリタ通信=日比野孟)

2006年09月26日15時12分,アルジャジーラ

 イラク戦争の事前見積もりが,いかに杜撰だったかがこれからも分かる.
 ただしこのリークは,CIAの責任逃れのためになされた可能性もあるので,注意が必要.


◆◆エア・マーシャル/スカイ・マーシャル


 【質問】
 エア・マーシャル/スカイ・マーシャルとは?

 【回答】
 国際線の旅客機に武装した私服の警察官が搭乗し、機内で起きた不測の事態に備えるシステムで、すでに欧米諸国が導入している。
 2001/9/11の米同時テロ以降、テロやハイジャック対策として導入する国が増加。国交省によると、主要8カ国(G8)で導入していないのは日本とイタリアだけ。

 例えば9・11以後、中国でも「空中警察」を導入している.最初に導入したのは中国東方航空の寧波支社で、武器を持った警察官が,ある時は制服、ある時は私服で顧客と一緒に国内線の飛行機に搭乗し、不測の事態に備えている。
 04年10月には、特別な練を受けた約1,500人の警官が全国の航空会社に配置されることになっている。
 中国では航空機テロはまだ発生していないが、台湾等への亡命を目的としたハイジャック事件は今も毎年のように起きている。

 日本での導入時期や規模などについては「治安上の理由」で明らかにしていないが、2005年度は装備費や訓練、旅費として7700万円を要求する。
 一方で、乗員には「機内に武器が持ち込まれるのは大きな問題」と慎重な意見が根強い。

 日本は02年のサッカー・ワールドカップ期間中、国内線と日韓間の国際線で実施。
 導入が実現すれば、米国などテロの可能性が高い国や地域への国際線に搭乗させる方針である。

 以上,ソースは
窪田弘由記 from 毎日新聞 2004/8/27
http://www.e-kampo.org/neword/k2.htm
共同通信 2004//9/5
より.


+

 【質問】
 エア・マーシャルの始祖は?

 【回答】
 1962年,アメリカで航空保安官制度が始まったのが最初.
 担当官庁は連邦航空局(FAA)、連邦航空保安官プログラム(Federal Air Marshal Program)という名称で保安官の養成と活動を行ってきました。

 1970年に入り、一時FAAは財務省関税局(税関)と協定を結び、関税局がSky Marshal Programという名称で航空保安官業務に従事するようになった事もあります。同プログラムの元、保安官はFAAではなく関税局によって採用されました。が、Sky Mashal Programは、どうやら1973年に廃止されてしまったらしい。結局、FAAがFAMを担う事になりました。

 1970年代のFAA FAMは、FAAの民間航空安全部門(CAS)に属する要員からの志願者で構成されていました。 志願者はFAMプログラムに編入されて所定の訓練を受け、FAM業務を行います。ただし、これは本来の業務と並行して行う兼業でしかなく、しかもボランティアでした。
 また,情報にもとづきハイジャックの危険性が高いと判断されたフライトに臨時・選択的に警乗したのみであり、恒常的な警乗がなされた訳ではありません。

 1980年代初め、フロリダでキューバ難民が航空機をハイジャックする事件が発生、また1985年にはTWA847便ハイジャック事件が発生しました。
 これを契機にFAMプログラムは拡大。FAAのCASが担当し、同部の地方事務所(CASFO)要員中からFAMを指名するように決まりました。専従専任ではないけれど、以前のようなボランティアでもなく、正式な指名を受けての活動です。従来CASFOは、空港の保安体制の監察や航空機の検査などを通して民間航空の安全確保を図っていましたが、これにFAM活動が加わりました。

 しかし1992年,FAMを正式指名する体制は廃止され、CAS要員が志願してボランティアで勤務する体制に戻ってしまいました。ちょうど冷戦も終わり、パレスチナ過激派組織の活動も収まり気味で、ハイジャック対策の重要性は低まったと考えられたのです。FAMの規模・体制は縮減され、例えば保安官の人数でいうと、同時多発テロ直前の保安官の人数は33名だったそうな。

 同時多発テロの後、民間航空の安全が声高に叫ばれ、FAMプログラムは大拡張されます。
 まず事件直後、FAAはFAMプログラムを新ため、大人数のFAM専従要員を確保する事を目指します。数千人規模での大増強であったようです。
 テロから2ヵ月後の2001年11月にはTSA(Transportation Security Administration)が設立されました。TSAは運輸省の下部機関で、民間航空の安全確保を司ります。FAM任務はFAAから新設TSAへと移りました。
 2003年3月、TSAは運輸省から新設の国土安全保障省に移ります。
 さらに同年11月、FAMはTSAから分離し、国土安全保障省の入国・税関執行部(ICE)に移りました。

http://www010.upp.so-net.ne.jp/kawadai/special/plane_e1.html


 【質問】
 エア・マーシャルはどんな訓練を受けているのか?

 【回答】
 ニュージャージー州アトランティックシティにある William J.Hughesセンターの例.
 センターには3つのシューティング・レンジがあり、多数のスチール・プレート製ムービング・ターゲットがある。
 射撃訓練用の家屋内ではほぼ360度の射撃が可能で、ビデオによる射撃訓練装置が備えられている。
 敷地内にはデルタ・エアラインが処分した実物のボーイング747が駐機され、訓練用として使用されている。
 機内では赤色の模造銃による訓練や、圧縮空気によってゴム弾、ペイント弾を発射する銃による訓練が行われる。
 エア・マーシャルたちは講習期間中に6000〜10000発の実弾を発射する。
 この訓練の最後にはFAMタクティカル・ピストル・コースというテストが実施される。
 またこのテストは勤務期間中,定期的にリフレッシュ訓練としても実施される。
 テストは,7ヤード(6.4m)の距離からウォーム・アップなしにFBIターゲットを撃つものである。

1、服の下のホルスターから銃を抜いて1発撃つ。これを2回。制限時間は最大1.65秒。
2、ローレディ安全ポジションからダブルタップ。これを2回。1.35秒以内。
3、ローレディから6発撃つ。ターゲットは単一。3秒以内。かつ各発射の間隔が0.6秒以上開いてはいけない。
4、マガジン交換を行ってから1発撃つ。これを2回。3.25秒以内。
5、3mの間隔をおいた2つのターゲットを1発づつ撃つ。これを2回。1.65秒以内。
6、180度振り向いてから,服の下のホルスターから銃を抜き、3つのターゲットを1発づつ撃つ。これを2回。3.5秒以内。
7、膝をついた状態からマガジン交換をして1発撃つ。これを2回。4秒以内。

 FBIターゲットには,中心部に5点と評価されるビン型のゾーンがある。その外側は3点である。全部で30発撃つので、最高点は150点となり、最低合格ラインは135点である。ただし、境界線上の命中弾は3点扱いとなる。
「4万フィートの上空では半センチのズレすら許されないのだ!」
とトレーナーの1人は言う。
 センターには多くの人が訪れる。デルタフォースやネービーシールズのメンバー、USシークレットサービスの教官、海兵隊のスナイパーおよびピストル射撃の教官、そして少なくとも1人のFBIアカデミーの教官がここで訓練している。
 また,少なくとも1人のドイツ人公務員が臨時聴講員としてここで訓練を受けたという。

http://www.h5.dion.ne.jp/~gun357/eamaasyaryu.htm


 【質問】
 飛行機内で,エア・マーシャルとテロリストの間で銃撃戦が起こると,キャビンの窓を破った1発の弾丸が急激な圧力低下を引き起こし、人間がが機外に吸い出される、といったことが起こるのではないか?

 【回答】
 真実とはかけ離れている。

 実際にはキャビン内部の圧力は、銃弾で穴が開かなくてもドアやハッチから常に抜け続けており、そこに新たに圧を送り込んで補充している。また、重要な操縦機能は安全のため2系統に分けられており、仮に片方がダウンしても当面支障がないよう配慮されている。
 したがって、たとえキャビンの壁をフルオートで撃っても映画のような事態は起こらない。
 最悪の場合,窓が破れて大きな開口が生じる可能性があるが、その場合でもパイロットが機を急降下させ、空気の密な低空に達する時間的余裕はある。

 航空機護衛官にとって根本的に重要な問題はそういうことではなく、パイプ状のキャビンの狭隘さであり、混雑した狭隘なキャビン内部で,短時間の内に犯人近くに到達する困難さである。
 そして、犯人の体を貫通した弾丸が乗客に命中する危険である。

 そのため、イスラエルは.22口径のホローポイント弾を使い、ドイツでは変形弾薬「クイックディフェンス1」をテストしているという。
 アメリカの第一世代のスカイマーシャル用弾薬はまだ.38口径リボルバー用であり、「ビーンバッグ」(豆の袋)と呼ばれるものだった。発射される鉛の粉を満たした小さな袋は、近距離において人体組織に大きな損傷を与えるが、貫通はしない。
 このタイプの「わずかな致死性」弾薬は現在でも生産されている。
 例えばセリアー&ベロットは強弱2種類の弾薬を販売している。赤いキャップのタイプは初速270〜350m/s、黄色いキャップは220〜280m/sである。
 一方イギリスはポリマーとビチューメンをミックスした「フランギブル」(こわれやすい)弾薬を採用した。
 アメリカではトリトン社がテロリスト制圧のための「プレミアムプラス・クイックショック」弾薬を発売した。開発したのはかつて「ハイドラショック」弾薬を開発したトム・ブルクジンスキーである。
 ホローポイントの弾頭はターゲット内部で拡張し、ジャケットは裂けて内部から3つの弾片が飛び出して別方向に進む。
 エクストリームショック社は9.11の大きな衝撃以後、一般に流通する全ての口径について新型弾頭を装備した製品をラインナップに揃えた(ここで示すデータは9mmパラベラムのもの)。
 この「エア・フリーダム弾薬」は、ブルーのキャップがついたホローポイント弾であり、タングステン・ニトリリウムに火薬を混合して作られている。この弾はハードターゲット内部ではこなみじんになる。弾頭本体は85グレイン(初速495m/s)で、人体内部ではマッシュルーミングしたのち、いくつかの大きな破片に分解することもありうる。
 同社はこれと並び、124グレインのこわれやすいホローポイント弾、先端に切れ目を入れたジャケッテドホローポイント弾、円筒形の弾頭の先端に星形のギザギザを刻んだ裂けやすい弾なども作っている。これらの弾の初速は5インチのテスト用バレルを使用して385m/sだった。

http://www.h5.dion.ne.jp/~gun357/eamaasyaryu.htm

 また
・そもそも拳銃弾自体がそんなに貫通力を持たないので、機体の断熱材などに吸収されて隔壁を破るまで行く可能性が少ないこと。
・ガラスも同じく強じんなものが使用(樹脂とガラスの三層)されていること。
・例え穴が開いて気圧の急激な低下などあっても、拳銃弾クラスの小さな穴であれば機体を破壊するまでには至らないこと。
も銃撃戦で機体が破壊されない根拠とされている.


◆◆対テロ特殊部隊


 【質問】
 コブラ Cobraとは?

 【回答】
 オーストリアの特殊任務部隊 Einsatzkommandoの通称.
 70年代初頭のオーストリアは,様々なテロの危険に晒されていたが,そんな中,1973年4月,ユダヤ人亡命者をイスラエルまで護衛して送り届ける作戦をオーストリア当局は実施.その実施のために,国家憲兵隊から志願した,交通部隊員を中心とする精鋭部隊を編制.
 同年12月には同部隊は,ローマの空港で起こった航空機爆破テロを鎮圧.
 そうした活躍により,74年9月,同部隊は「ウィーン護衛警察特殊出動部隊」の名称を与えられ,治安維持活動に従事.
 1978/1/1付で,同部隊を中心として編制されたのがコブラである.
 2002年にはコブラは国家憲兵隊より独立,正式名称も「特殊任務部隊」と改められ,内務省直轄機関となった.
 任務は主に対テロ作戦行動.要人護衛任務で国外へも出動する.また,オーストリア航空国際定期便には必ず,コブラ隊員が覆面保安要員として搭乗している.
 総員は330名以上.ウィーン郊外,ノイシュタットの本部を始め,国内5ヶ所の基地に分遣されている.

 以上,ソースは「世界の特殊部隊」(宝島社,2005/3/1),p.34-35.
 ただし,迂闊に信用していいソースではなさそうなので,複数文献と比較検討されたし.


 【質問】
 GIGN(ジェジェン)とは?

 【回答】
 国家憲兵隊介入部隊 Groupe d'Intervention de la Gendarmerie Nationale の略称.
 1973年9月,PFLP(パレスチナ人民解放戦線)による在仏サウディアラビア大使館占拠事件を契機に,パリ郊外,ヴェルサイユ陸軍基地内に創設.
 一番の任務は対テロ特殊部隊活動.任務遂行の際,隊員は通常マリン・ブルーの制服で行動するが,状況によっては私服を着用,VIP護衛,ハイテク技術を駆使した監視・盗聴,一般車輛・バイクを使用してのテロリストの尾行・張り込みなど,様々な情報収集活動を行う他,一般市民に紛れ込み,都市部における軍事行動支援にも当たる.
 基本的には相手を殺すことなく無力化することを目指す.

 以上,ソースは「世界の特殊部隊」(宝島社,2005/3/1),p.32-33.
 ただし,迂闊に信用していいソースではなさそうなので,複数文献と比較検討されたし.


 【質問】
「J-Cast News」:こんな凶悪犯相手でも 日本の警官は銃を使えないのか
にもあるように,発砲すれば阻止できた?

 【回答】
「玄倉川の岸辺」: 据物撃ちなら誰でもできる
「火薬と鋼」■[実銃情報] ニューヨーク市警の命中率から
によれば,拳銃は素人が想像する以上に近い距離でも当たらないものなのだという.
 後者ブログはニューヨーク市警の「30%」という数値を紹介し,次のように述べている.

――――――
発砲の判断や責任というのはかなり難しいもので,議論は尽きることがない.ただ,議論する上で「当たらない可能性が結構ある」ことと「当たらなかったときに何が起きるか」は考慮したほうが良いと思う.
――――――

 そして,それよりはテイザーを使ったほうがいいという.

 詳しくは両ブログを参照されたし.

 上記は凶悪事件の犯罪者に対する考察だが,テロリストの阻止のときにも同じことが言えるだろう.


 【質問】
 立てこもり事件で警官隊の様子をマスコミへりがライブ中継してたのは,警察にとって邪魔な行為なんですか?

 【回答】
 一般に,何でもかんでも報道されてしまうと,ニュースから警察の動向を知られる可能性がある.
 そうなるとやけっぱちになった犯人が暴走するとか考えたら非常に宜しくない.
 彼らもメシのタネが掛かっているのは分かるが,程々にして欲しいもの.

 ただ,基本的に立て籠もり犯がいる建物は電気切られたりするので,どこまで邪魔かというのは何とも.
 合理的な理由があって邪魔だということになれば,報道に要請もできますし……

軍事板

 たとえば,駐英イラン大使館占拠事件では,SASが突入する模様がばっちりテレビに撮られていたが,それで作戦が失敗したとかいう話は聞かない.


 【質問】
 GSG-9とは?

 【回答】
 ドイツの対テロ部隊,ドイツ連邦国境警備隊第9部隊 Bundesgrenzschutz Grenzschutzgruppe 9 の略称.
 RAF(ドイツ赤軍)によるテロが本格化しているさなか,1972年9月,ミュンヘン五輪の選手村でパレスチナ・ゲリラ「黒い9月」がイスラエル選手11名を人質に取る事件が発生.西ドイツ治安当局は人質救出に失敗して人質全員が殺害されたことから,同年9月に誕生.

 GSG-9は,連邦国境警備隊のうち,対テロ作戦を担う準軍事組織であり,その活動範囲は国内に限定される.ただし,1977年10月のモガディシュでのルフトハンザ航空機ハイジャック事件には特例として出動している.

 以上,ソースは「世界の特殊部隊」(宝島社,2005/3/1),p.36-37.
 ただし,迂闊に信用していいソースではなさそうなので,複数文献と比較検討されたし.

GSG9


 【質問】
 昔,何かの本で
「ドイツの法規上軍隊は越境できないけれど,国境警備隊はそのような規制がないので,国境警備隊に特殊部隊を併設した」
とか何とか書いてあったことを記憶しています.
 具体的な設立のいきさつについて,洋書でも良いので詳細が書かれていそうな本がありましたら教えてください.

ウィナ・ツァハル in FAQ BBS

 【回答】
 記憶書き込ですが,連邦軍はNATO統制下にあり政府の意のままに使うことが不可能,
 しかし国境警備隊は政府が自由に使えるというのがあったかと.
(そんなわけで訓練も激しかったとか・・・)
 それをが正しいとすれば,政府の手駒として自由に使えるという面が大きいのかもしれません.

 失礼しました.

部外者 in FAQ BBS


 【質問】
 イギリスのSASが対テロ対策へ変わっていく過程を教えてくださいませんか?

 【回答】
 SAS(スペシャル・エア・サービス)は,第2次世界大戦当時英国で設立された,戦時下での急襲及び情報収集を目的としたいくつかのコマンド部隊の中で,デビット・スターリング David Stirling 大尉が組織した"L"部隊が母体です.
 SASと改名されたこの部隊は,十分な活躍を見せましたが,戦後すぐ解体されました.

 しかし,戦後に植民地紛争に巻き込まれたイギリス軍は,マラヤ独立闘争(1948-60)で偵察・潜入の為の特殊部隊を編成しました.この偵察部隊が連隊規模に拡張され,後の第22SAS連隊(第22特別任務連隊)に発展します.

 SASが本格的に対テロ対策に手を染めるのは1960年代から始まる北アイルランド紛争です.
 この時期からカトリック教徒による公民権運動が頻発し,英政府に武力で対抗するため,カトリック系武装組織IRA(アイルランド共和軍)がテロ活動を開始しました.
 これに対抗すべくSASはHAG(家屋突入部隊)を編成し対テロ任務に就く一方,対テロ任務に対するノウハウを研究し,この時の対テロ戦闘を元に独自の戦術を習得しました.
 さらに1970年代に世界的にテロ活動が活発化し始めると,SASは1973年にCRW(対革命ゲリラ戦闘部隊)を編成して人質救出などの任務にあたり,またこのノウハウを各国の対テロ組織に伝えるべく訓練支援や人員派遣などを行い,対テロ組織としての実力を世界に知らしめることになります.

 SASに関する書物は比較的多いですから,ハヤカワ・ノンフィクション文庫の「SAS戦闘員」上・下巻 アンディ・マクナブ著などを買われるのが良いかと.
 サイトはちょっと良いものを知りませんので・・・.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE in 軍事板

建物に突入するSAS

(うそ)


◆◆アメリカのテロ対策


 【質問】
 2006年9月までに構築された,FBIの対テロ・データベースの規模は?

 【回答】
 潜在的テロリスト,疑わしい金融取引,手配中の犯罪者等の情報,6億5,900万件以上.
 これを約1万3千人のアナリストと捜査官が利用.
 毎月ほぼ百万件の照会があるという.

 以下引用.

FBI,対テロ・データベース構築

 米連邦捜査局は,統一対テロ・データベースの開発を完了した.
 ここには,潜在的テロリスト,疑わしい金融取引,手配中の犯罪者に関する6億5,900万件以上の記録がある.
 情報の約4分の1は,FBIの旧データベースと刑事事件ファイルから,残りは,財務省,内務省及び連邦監獄局から取られた.

 表明によれば,今や,データの分析にとって最も強力なツールがFBIの管轄下にある.
 システムは,約1万3千人のアナリストと捜査官が利用し,毎月の照会件数は,ほぼ1百万件に達する.

諜報・防諜・対テロ・ニュース,2006/9/5


 【質問】
 なぜ今までFBIは対テロ・データベースを持たなかったのか?

 【回答】
 一度,開発に失敗しているため.
 以下引用.

 FBIは,システムが旧式で非効率的だと再三表明してきており,昨年,新システムの開発は失敗に終わった.対テロ・コンピュータ・データベース・システム「VirtualCaseFile」開発プログラムは,2005年に始まった.
 しかしながら,拙い計画とプロジェクト統制の結果,FBIはその開発を断念した.
 専門家は,システムの多くの脆弱点を発見し,指導部は,その開発を目的にそぐわないものとみなした.
 Virtual Case Fileプロジェクトの予算は,1億7千万ドルに達し,そのほぼ3分の2が無駄に浪費された.

諜報・防諜・対テロ・ニュース,2006/9/5

 それ以前にはそのような動きがなかったかどうかについては,データ不足のため不明.


 【質問】
 テロ対策のための盗聴を,NSAはどの程度の範囲で行っているのか?

 【回答】
 報道によれば,数千万人,数十億件の記録を収集.
 その中には米国内の通話が多数含まれており,問題化するものと見られる.

 以下引用.

数十億件の通話記録収集か 米政府,大手通信会社から

 【ワシントン11日共同】米紙USAトゥデーは11日,2001年の中枢同時テロ以来,令状なしで米国内からの通話を盗聴していた国家安全保障局(NSA)が米大手通信会社に対し,テロ対策のデータベース構築の目的で,数千万人に上る市民の通話記録の提示を要請,数十億件もの記録を極秘に収集していたと報じた.
 昨年判明した盗聴活動についてブッシュ政権は「戦時下の大統領には盗聴の権限がある上,発信者か受信者の一方が国外なので問題ない」との見解を示していたが,今回明らかになった記録収集は国内間の通話が多数含まれており,新たな論争を呼ぶのは必至.
 〔略〕

共同通信,2006年5月12日0時47分

 それだけの数のデータを集めても,分析のための人数が足りているのか,疑問が残るが.


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