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(画像掲示板より引用)
「gigazine」:アメリカ海軍が行った電磁レールガンのテストムービー
「Togetter」◆(2010/09/15)CIWSから見る各国の設計思想の違い
「蒼き清浄なる海のために」◆(2011/02/08)エリコン35mmのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!
【質問】
火砲が発明されるまでって,船同士の戦闘ってどんな武器使ってたの?
バリスタで火矢でも飛ばしてたとか?
【回答】
普通に弓矢や火矢.
中世でもこれの防御のために,櫓(やぐら)と呼ばれる家のようなものを乗っけた.
あとコーヴァス(跳ね橋)で接舷して乗り込んで白兵戦.
でも,中でも一番強力な武器は,一生懸命漕いで,自分の舳先を相手の船体の横にぶち当てて,船自体を叩き割ること.(衝角戦術=ラム)
ただし,東ローマ艦隊に限っては「ギリシャ火」と呼ばれる秘密兵器で,地中海を席巻したと言われている.
濡れても消えない火炎放射器のようなものだったらしいが,残念ながらその製法は失われている.
ちなみに船同士の体当たり戦術は,19世紀まで実戦で用いられていた.
19世紀なんて前半は帆船が普通に主力だったし,大砲の性能も悪かったので.
世界史板
青文字:加筆改修部分
▼ もっとも,体当たりは体当たりでも,帆船は衝角突撃出来ません,
風任せで行動の自由が制限されているので.強行接舷してから白兵戦に雪崩れ込むのは通常の戦術ですけど.
衝角突撃が復活するのは,蒸気機関による行動の自由の確保と,砲撃の効かない装甲艦が出現する19世紀中期,南北戦争のハンプトン・ローズ海戦(1862/3/8-9).
以後,装甲艦を砲撃以外で沈める手段として普及するが,マトモな海戦が少なかった上に砲術の進歩などもあり,成功したのはリッサ沖海戦のみとなる.
きっど in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
沿岸警備隊は,日本の海上保安庁や海上自衛隊のように武装はあるんですか?
【回答】
実を言うと重武装をしている沿岸警備隊は少ない.
アメリカ沿岸警備隊は,冷戦期に対艦ミサイルや短魚雷を積んでいたが今は降ろしている.建造中の新型巡視船でも搭載予定は無い.
ロシア連邦保安庁国境警備隊も以前はVDSだの短魚雷だの対潜兵装があったが最近の船は積んでいない.
それ以外の沿岸警備隊でも,巡視船に76mm速射砲などを装備している国は少なく(韓国に1隻,インドに数隻など),ほとんどが20mm~12.7mmの機関銃のみ.
非武装の国もかなり多い.
意外と海保は重武装だったりする.
【質問】
UCAVに対艦攻撃を想定したものはありますか?
【回答】
それ,対艦ミサイルになると思うが.
UCAVのペイロードは小さいので,でかい対艦ミサイルを搭載するのは無理.
特にUCAVはステルス性重視のものが多く,実験機は機内搭載が基本なので,実用化されて大型になっても対艦ミサイルの機外搭載を行うかどうか疑問.
ペンギンぐらいの小型対艦ミサイルでもヘルファイアなんかの何倍もあるので,取りあえず現在では全然無理.
また,開発中の米海軍のUCAVにしても,地上攻撃を基本としており,対艦攻撃を主目的と想定したものはおそらくない.
【質問】
戦闘艦艇の機銃の排出した空薬莢はどうするのでしょうか?
薬莢の素材の真鍮はリサイクル可能なので,回収して再利用する場合もあると聞きましたが,艦載機銃の場合も同じなのでしょうか?
かわぐちかいじの「ジパング」での,大和の乗員が空薬莢を海に投棄する描写を見て,疑問を持ちました.
【回答】
回収できれば金属素材として再利用する.
ものによってはリロード(薬莢の歪みを直して信管を取替え,火薬と弾を詰め直して,もう一度「弾薬」として使うこと)して再使用する.
が,何百何千とぶっ放すような状況で全部回収してたら,持ち帰るために保管しとく場所だけでも大変だから,そういう時は海に棄てる.
アメリカの20mmCIWSは,撃った後の空薬莢は給弾シュートの復路で,そのまま弾倉に戻される(元々航空機用なので,空薬莢機外に放出すると機体に当たったり,ジェット・エンジンが吸い込んだりして危険なのと,弾倉が空になると機体の重量バランスが大きく狂うから)ので,ほぼ100%回収されてリサイクルに廻されているそうだ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
アメリカ海軍がVT信管を装備したのは,確かサイパン戦以降だったと思うのですが,やはりサイパン戦以降,日本軍の航空攻撃でアメリカ艦隊に損害を与えるのは特攻以外,不可能だったのでしょうか?
【回答】
VT信管は対空砲火の命中率を改善はしましたが,決定的なものではありません.
一番重要なのは,レーダーピケット艦による警戒網と,直掩機によるCAP(戦闘空中哨戒)でした.
これを突破するのは至難の業です.
大戦後のアメリカ軍自身による演習でも攻撃隊は防空網を突破できず,特に雷撃は自殺行為に等しいとまで言われる結果となりました.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
>大戦後のアメリカ軍自身による演習でも攻撃隊は防空網を突破できず,
>特に雷撃は自殺行為に等しいとまで言われる結果となりました.
とすると,航空機による対艦攻撃は戦後一時期,まったく不可能だったということになると思うのですが,ジェット戦闘機やミサイルが登場するとある程度可能になったのでしょうか?
また,現在でもアメリカの空母艦隊を航空機で攻撃するのはアメリカ空軍であっても難しいのでしょうか?
【回答】
というか,アメリカくらいしかあんな防空能力のある「空母機動部隊」というものを保有してた国は ,戦後いないわけで.
航空機による対艦攻撃は,雷撃も含めて戦後もずっと研究,訓練されてました.
さすがに雷撃は廃れましたが.
しかし,空母飛行隊も仮に自身が所属しているような機動部隊を攻撃し,戦果を挙げて生還するのは無理だろう,というような見方がされていました.
これが大体朝鮮戦争前後の話です.
この機動部隊の防御を突破する為にソ連が編み出したのがミサイル飽和攻撃戦術です.
空中発射の対艦ミサイルによって,対艦攻撃は新たな段階に至ったとも言えます.
SSM飽和攻撃以外はどうだったかですが,戦場に展開した艦隊に対してもっとも大規模な攻撃が行われたのがフォークランド紛争で,この時はアルゼンチン空海軍機の奮闘と英軍側の早期警戒システムの不備もあり,英艦隊は結構ボコボコにされています.
エグゾゼばかりが有名ですが,ダガーやスカイホークによる通常爆撃も結構頑張りました.
それ以外は,ある程度まとまった艦隊と航空兵力の対決ってのは特に無かったんですが,攻撃法としてはエグゾゼやハープーンだの本格的ASM登場以前の航空打撃力はやっぱり爆弾.
A6イントルーダーがそもそもの起源をたどると,ソ連のスベルドルフ級巡洋艦の強力な対空射撃をかいくぐって低空侵入爆撃を行う事が可能である事が,要求に含まれていたなんてあたりから推して知るべしです.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ヘリが積めない艦=前時代艦とされるのは何故ですか?
【回答】
今や巡洋艦,駆逐艦,護衛艦などについて言えば,既にヘリが戦闘システムの一部になっちゃってるわけ.
以前は対潜哨戒ばかりがクローズアップされてたけど,今のヘリは,対空/対水上哨戒もこなせば,対艦ミサイルの発射プラットホーム※にもなる.
ソマリアの海賊退治でも,ヘリが飛んで,いち早く現場に駆けつけて,それで海賊が退散しちゃったり,降伏しっちゃったりするケースもあるくらいで,低烈度の紛争や警察的な活動でも,その機動性は非常に有用.
だから,より現代的な水上艦艇はヘリの運用を前提にして作られる.
大抵の,第一線で使う事が出来る艦ってのは,もう既にヘリ運用搭載能力を持ってる艦に更新しちゃってるから
ヘリが乗せられない艦というのは二線級か廃棄寸前(あるいは廃棄済み)な旧式艦しかない.
逆に言えば,旧世代の艦艇にはヘリの搭載能力がないものがたくさんある,という次第.
まあ,ヘリをあんまり必要としない小国の海軍の,どこかの国からの払い下げ品には,ヘリ搭載能力のない艦で第一線というのも残ってるけど…
軍事板,2010/03/04(木)
青文字:加筆改修部分
※ 現行のヘリで,米海軍のSH-60Bは,ペンギンを装備でき,海自のSH-60Kは,船舶も攻撃対象に含まれるヘルファイアIIを搭載できますね.
SH-60Bに関しては,
http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/sh-60b-specs.htm
Weaponに,
>one AGM-119B Penguin air-to-surface missile
と記載あり.
因みに,ウィキペディアのSH-60Bだと…
http://ja.wikipedia.org/wiki/SH-60_シーホーク
>対地ミサイルによる沿岸目標の攻撃に至るまで,多目的に運用される.
とあって,ヘルファイア4基が搭載できると仕様には書かれています.
SH-60Kに関しても,ご同様にウィキペディアですいません.
http://ja.wikipedia.org/wiki/SH-60K_(航空機)
ただ,そこにも書いてあるように,ヘルファイアIIは対小型船舶(不審船など)用で,用途は限定的になっちゃいますかね.
ソフトヒッター99 in 「軍事板常見問題 mixi別館」
2010年03月24日 13:14
【質問】
ヘリコプター搭載の駆逐艦,巡洋艦ですが,航走しながらの発着艦はできるのでしょうか?
できるとしたら何ノットぐらいまでできるのでしょうか?
【回答】
航走しながらでもできる艦はできるが,ノットよりも海面の波浪状態に影響される面が大きい.
荒波や強風が横から吹き付ける状態では,0ノットでも発着艦は難しいので,実際にはノット+波や風の状態の組み合わせで,安全~危険の段階が規定されてるそうだ.
具体的にどんな段階の別があるかまでは,聞けなかった.
ソースは体験乗艦の時,質問に答えてくれた海上自衛隊の人.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
個人携帯地対空誘導弾(改)で対艦ミサイル迎撃はできんの?
飛行機落とせるなら対艦ミサイルぐらい軽いのでは?
RAMも一回り大きいけどシーカーはスティンガーだろ?
【回答】
理論的に命中弾を与えることは可能.
しかし対艦ミサイルに比べ,個人携行SAMは威力不足.
ヘリや戦闘機なら軽度のダメージを与えるだけでバランスを崩し,墜落なり帰投なりしてくれるが,ミサイルはそのまま突っ込んでくるため,一定以上の距離を置いて確実に破壊する必要がある.
(これがファランクスOnlyからRAM併用へ移行している理由の1つ)
そしてミサイルは有人航空機より小さく,目視が困難.
スティンガーの最大射程は8kmとされるが,数人がかりで水平線を監視していたとしても.この距離でミサイルを肉眼発見するのは無理であり,射程を十分に生かすことが出来ない.
レーダー・FCS連動のRAMなら,単独でも水平線視野40Kmが期待できる.
(一般的な対艦ミサイルで1kmは3秒,高速ミサイルで1秒の余裕しかない)
いつ飛んでくるか分らないミサイルを,甲板に何十人もの人間を待機させて見張り続けるコストは非現実的.
被弾時の被害を考えれば尚更.
索敵をMK1アイボールセンサーに頼ってる個人携帯用のミサイルじゃ,ロックするころには自艦に命中してる.
音速近辺の速度で飛んでくるミサイルは,発見した次の瞬間には通り過ぎているか標的に命中しているかだな.
飛行機だって離着陸の低即時にしか当たり目がないのだから.
しかも対艦ミサイルってほとんどが海面ぎりぎりをとんでくるわけだから,発見も遅くなるだろ.
(ホップアップするのもあるが,した段階で見つけてもおそいわけだ.)
また,対艦ミサイルは1発で飛んでくると限らない.
(というか飽和攻撃を狙うのが普通)
数発~数十発が同時発射された場合,迎撃目標を重複させずに同時対応するためには,火器管制システムとの連動が不可欠.
現場指揮官と観測員が肉声で「報告→判断→指示」を行っている余裕はない.
あと,RAMに比べて射程が半分しかないので,それこそ射程最大で即撃てたとしても,相対速度/距離的に艦のすぐ近くでミサイルに命中することになる.
勿論,食らったミサイルが何事もなかったかのように飛び続ける事は出来ないだろうが,自艦に向かってくる対艦ミサイルだと,命中したとしても自分に向かって「墜落」してくる可能性が高い.
ハープーンでも巡航速度950km/hだからなぁ.
最大射程で撃てたとしても,その3秒後にはミサイルは自分に当たってる.
運良く命中出来てミサイルを粉々に出来た(携行SAMの威力じゃ無理だろうが)も,それこそ超至近距離で爆発してるのと同じだし.
かなりのダメージを受けるのは必至だろう.
で,携行SAMで対艦ミサイルを打ち落とせたらという発想の意義は何?
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問 kérdés】
Mk.13 GMLSについて教えてください.
Kérem, mondja meg Mk.13 GMLS-et.
【回答 válasz】
Mk.13 GMLS(Guided Missile Launching System:誘導ミサイル発射システム)は,主としてRIM-24 ターターやRIM-66
スタンダード(SM-1/2MR)といった艦対空ミサイル発射用の発射システム.
ただし,Mod 4以降はハープーン艦対艦ミサイルも発射可能.
発射機(Launcher),弾薬庫(Magazine),操作装置(Launching system control)という3つの主要素より構成されており,発射機は単装.
初弾の発射までは7.4秒,初弾の発射後,8.1秒で次弾を装填・発射可能.
弾薬庫には同心円状に二重にミサイルが配列されており,40発収納.
ミサイルは,ホイストによって弾薬庫から発射機まで揚弾され,装填される.
手順としては,まず発射機を上向きの状態にしておき,弾薬庫から上がってきたミサイルを発射機のレールにセット.
それから発射機が旋回して目標のほうへ向き,ミサイルを撃つ仕組み.
操作装置は操作や動力供給,動作確認を担当.
動力を担当するEP1, 操作を担当するEP2, 電子系統を担当するEP3の3つのパネルによって構成される.
火災の際にはCO2鎮火装置,弾薬庫への撒水装置,
搭載艦は米海軍の巡洋艦,駆逐艦,フリゲートなどの他,伊蘭豪埃日の一部艦艇.
旧式化しているが,米海軍の中古艦艇輸入国を中心として,今なお現役.
【参考ページ Referencia Oldal】
井上孝司『図解入門 最新 ミサイルがよ~くわかる本』(秀和システム,2018),p.26
坂本明『最強 世界の戦闘艦艇図鑑』(学研プラス,2017),p.167
http://www.seaforces.org/wpnsys/SURFACE/Mk-13-missile-launcher.htm
https://www.youtube.com/watch?v=HEQwCfqGf48
mixi, 2018.7.15
【質問 kérdés】
Mk 26 GMLSについて教えてください.
【回答 válasz】
Mk 26 GMLS (Guided Missile Launching System:誘導ミサイル発射システム)は,主としてRIM-24
ターターやRIM-66 スタンダード(SM-1/2MR)といった中距離艦対空ミサイル用の連装発射機.
5秒ごとに1発のSM-2を発射でき,対空ミサイルの他,アスロック対潜ミサイルを発射可能.
・24発を収納するMod 0
・44発を収納するMod 1
・64発を収納するMod 2
・Mod 0改修型のMod 3
・Mod 1改修型のMod 4
・Mod 4改修型のMod 5
というヴァリエーションがある.
システムは完全自動化されており,管制官が1人必要なだけである.
ターター・システムを改良したターターD・システムに対応して,従来のMk 13 GMLSを大きく上回る即応性・速射能力を備えた,新世代のミサイル発射装置として開発され,バージニア級原子力ミサイル巡洋艦以降,タイコンデロガ級5番艦「トーマス・S・ゲイツ」までの米海軍主要水上艦艇に搭載された.
また,台湾の基隆級(キッド級改装型)駆逐艦にもMod 3およびMod 4が搭載されている.
【参考ページ Referencia Oldal】
http://seesaawiki.jp/w/namacha2/d/RIM-66%B4%CF%C2%D0%B6%F5%A5%DF%A5%B5%A5%A4%A5%EB%A1%D6%A5%B9%A5%BF%A5%F3%A5%C0%A1%BC%A5%C9SM-2MR%A1%D7
http://www1.cts.ne.jp/fleet7/Museum/Muse232.html
坂本明『最強 世界の戦闘艦艇図鑑』(学研プラス,2014),p.169
http://www.seaforces.org/wpnsys/SURFACE/Mk-26-missile-launcher.htm
https://www.youtube.com/watch?v=sTz5kL6gzSI
mixi, 2018.7.15
【質問】
艦船用の,敵艦船を探知するためのレーダーって,30キロ位しか探知距離がないと聞いたけど本当ですか?
【回答】
レーダーの見通し距離は,レーダーがある高さと,相手の高さによって左右される.
また,光学的観測よりも波長が長い分マイクロ波なら1割程度伸びる.
まあ30キロ前後になるのは間違いない.
海面高度hの地点からの水平線見通し距離lは,地球半径をrとすると
l=√((r+h)^2-r^2)=√(2rh+h^2)
r>>hのときは2rh>>h^2なのでh^2はほぼ無視できるので
l≒√(2rh)
r≒6,380[km]を代入して
l≒113√h[km]
海面高度50m(0.05km)なら見通し距離は約25km,100m(0.1km)なら約36kmとなる.
レーダー視程は見通し距離より約一割程度長くなる.これも考慮して,より簡易なレーダー視程算出式
l≒4√h[km] (※高度はm単位,算出により得られる距離はkm単位)
を用いても良い.
この算式によると高度50m→28km,100m→40km
軍事板,2006/03/13(月)
青文字:加筆改修部分
【質問】
艦載射撃指揮レーダーは将来どうなるか?
【回答】
小滝國雄によれば,大型艦からは徐々に姿を消していくという.以下引用.
武器システムとしての射撃指揮レーダーの将来を占うと,条件によっては小型艦艇上に搭載されて存続する余地はあるものの,元々単能機であるので,大型艦上からは徐々に姿を消していくものと考える.
その理由は,現在の水上艦艇の主兵装であるミサイルが,次第に「射ちっ放し」 Fire and Forget になっていくということである.換言すれば,ミサイルは次第に利口になり,発射母艦の手を煩わせなくなりつつあるということである.
イージス対応のSM-2では,終末誘導のごく短時間だけ,射撃指揮レーダーが信号を送って指令を与えているだけである.
シー・スパローも,次世代のESSMSになると,アクティヴ・シーカーを装備して自立的な誘導方式をとるようになる.
この傾向に拍車をかけるのが,長射程砲弾の出現であろう.
米海軍が127mm砲用に開発したERGM(射程延伸型誘導砲弾)は,最大射程が117kmに達し,とうてい艦上の射撃指揮システムのみで誘導できる射程ではない.
さらに,DD(X)搭載予定の155mm AGS(先進砲)になると,射程は185kmになる.
これらの誘導方式は,GPSと慣性誘導の組み合わせが典型的となる.
射撃指揮システムないし射撃指揮レーダーは,第2次大戦から活躍してきたが,兵器発達の歩みと共に,目標命中機構は個々の砲弾やミサイルの中に組み込まれていくだろう.
電子機器の小型軽量化(ダウンサイジング)は,こうした動向を支持していくことになる.
さらに現在,米海軍で開発が進められているレーザー砲が完成すれば,ミサイル防御は長足の進歩を遂げることになろう.
こうした時代になると,射撃指揮レーダーは光学レーダーとなってレーザー兵器と融合し,一個の対艦ミサイル防御システムを構成することになろう.
(小滝國雄 from 「世界の艦船」,海人社,2003/10,p.87)
【質問】
レーダーピケットとは,空母の周りを駆逐艦で円形に囲んで守るということ,という理解で正しいでしょうか?
また,現在でもそういった方法で空母を護衛しているのでしょうか?
【回答】
レーダーピケットとは,遠距離警戒レーダーを装備した駆逐艦(DDR)を,前方配置して警戒に当たらせることなんで,いわゆる輪形陣よりさらに外に配置されていました.
以下の図は,よく見れば分かりますが中央にあるのは島,つまり沖縄を目標として進入してくる特攻機を阻止するため,地上レーダーの変わりに配置されたものです.
http://www.k0001.jp/sonsi/vol05b/chap03/content/docu031.html
戦後は個艦のレーダー性能の向上や,空母の早期警戒機の発達などでレーダーピケットは廃れましたが,フォークランド紛争における英海軍は,早期警戒機を欠いたため,やむなくDDGをレーダーピケットとして艦隊全面に配置し,その結果駆逐艦シェフィールドをエグゾセミサイルで失っています.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2005/11/22(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
魚雷と対艦ミサイルを比較した時,どちらにはどういうメリットがあり,どちらにはどういうデメリットがあるのでしょう?
速度や航続距離ならばミサイルの方に分がありそうですが,炸薬の量や重量を考えると,相手に与えるダメージが大きいのは魚雷の方といった考え方でいいでしょうか?
命中や,妨害手段などを考えると,どちらの方が防ぐ手段が豊富なのでしょう?
また,航空機が魚雷を使わなくなったのはその重量と,航空機の速度が著しく増したことで,魚雷を使いづらくなったからでしょうか?
【回答】
各々のキャラクタはまあそのとおりです.
魚雷は射程も短いし,到達に時間がかかります.相手に与えるダメージが大きいといっても,とりあえず作戦能力を奪えばそれでOKです.現代戦は展開が早いから,1ヶ月で前線に復帰,とかいってたら間に合いません.
航空魚雷は完全に敵の防空網に間合いに入らないと使えません.現代の進歩した防空網相手に,やわくて重い魚雷かかえてお上品に飛んでたら落とされるだけです.
航空機の価格だって比較にならないほど高くなってますし,パイロットの養成も大変.アウトレンジから対艦ミサイル撃つほうが効率的に決まってます.
ただ,魚雷は喫水線下に大穴を開ける(場合によっちゃ真っ二つ)ことができるので,隠密性を発揮できる潜水艦の武装としてはいまだ有効.
フォークランド紛争では,英原潜コンカラーがアルゼンチンの巡洋艦ヘネラル・ベルグラノを魚雷で撃沈しました.
このため,アルゼンチン海軍の艦艇は原潜の襲撃を恐れて出撃ができなくなりました.
また,適切なポジションから撃たれた場合(まあ潜水艦からになるが)魚雷は対処が難しいのです.
対処法としては,マスカーによる被探知率の減少,ニクシー(囮)によるソフト・キル等があります.
ハード・キルとしては対魚雷魚雷はいくつか開発中です.現用短魚雷やRBU6000の様な対潜爆雷にも対魚雷能力を謳う物もありますが,その能力は限定的でしょう.
【質問】
太平洋戦争時,アメリカは日本沿岸に,磁気や音響水圧などに反応して爆発し,おまけに回数起爆装置まで付いた機雷を多数バラ蒔いたと聞きました.
兵器は常に進歩を続けているわけですが,戦後50年以上経った現在,この「機雷」という兵器はどこまで進歩しているのでしょう?
あまり進歩していないのでしょうか? それとも甚だ掃海困難な「新型機雷」のようなものは存在するのでしょうか?
例えば湾岸戦争時,自衛隊がペルシャ湾で掃海した機雷はどのようなものだったのでしょうか?
【回答】
基本的なパターンは第二次大戦で出尽くしています.
但し,起爆のタイミングが,エレクトロニクスの発達によって,例えば,特定の音紋にのみ反応するものとか,大型船の水圧とスクリュー音に反応するものとか,色々出てきています.
また,第二次大戦に無かったものとしては,機雷の中に短魚雷を仕込み,潜水艦が付近を航行すると,起動し,中の魚雷を発射する対潜機雷というものが出現していますし,起爆に震動を使うものも出てきています.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2006/01/24(火)
青文字:加筆改修部分
かつて機雷は沈黙しつつ敵を待つ「待ち」の兵器でしたが,冷戦期の北欧ではソ連対策として,攻撃的機雷も開発されていたようです.
たとえば,敵の船が上を通過したら浮上して追いかけていくのとか,小型魚雷を撃つのとか….
浮上機雷は普段は沈底しているのですが,艦艇や潜水艦が近づくと,錘を切り離し,浮力を利用して目標を追尾,攻撃する機雷です.
キャプター機雷よりは攻撃範囲は狭いのですが,炸薬量が多い,推進装置がないので価格が安い等のメリットがあります.
湾岸で海自が掃海したのは,古式ゆかしい係維機雷が数としては多いのですが,それに紛れるように敷設されたイタリア製の「マンタ」をいくつか掃討してます.
湾岸では34発を仕留めましたが,UDM19発・マンタ2発と,感応機雷が6割を超えてます.
マンタの特徴は,非常に薄い円盤型というソナーに捕らえにくい形状なうえ,揚陸艇でも座礁しそうな超浅深度にも仕掛けられるので.海自の掃海艇でもなかなか探知できず,座礁しかねない波打ち際に仕掛けてあったので,マンタの掃討には非常に苦労なさったようです.ソナー手にとってはかなりイヤな相手だったことでしょう.
係維機雷を多数トラップとして,掃海が困難な感応機雷を本命として少数仕掛ける方式はよく想定されてます.
鷂 ◆Kr61cmWkkQ(黄文字部分)他 :軍事板,2006/01/24(火)
青文字:加筆改修部分
古典的な触発機雷
(画像掲示板より引用)
【質問】
現代の機雷戦についてなのですが,掃海艇を伴わない海上戦力は,機雷に対してはいかに対応するのですか?
探知する手段があるとは思えませんし,掃海ヘリを展開し続けるわけにもいかないと思います.
まさか,と思う海域にキャプター機雷を敷設されれば,対処できないのではないでしょうか?
【回答】
基本的に対処不可能です.
機雷源と思われる場所に侵入しないで掃海部隊の到着を待つよりほかはありません.
米海軍ですら,かつてイ・イ戦争の際にタンカーの護衛に出動したフリゲイト「サミュエル・B・ロバーツ」FFG-58を触雷で大破させ,掃海部隊の到着まで臍を噛んだことがあります.
また,ヘリ掃海は気象や航続時間に左右されやすく,こまめな掃討は難しくなっています.
しかし,近年ではUUV(無人潜水艇)の発達により,通常の水上戦闘艦が掃海を行える可能性が広がってきています.
米海軍では次期水上戦闘艦で運用可能な遠隔機雷掃討システム(RMS)の開発を行っており,これにヘリコプターから投下可能な魚雷型機雷処分システムを組み合わせて,機雷捜索探知・処分までを水上戦闘艦が掃海艦艇に頼らずに行うことができるようになりつつあります.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2005/01/18
青文字:加筆改修部分
【質問】
先日,海上自衛隊呉史料館を見学した折,説明員(?)の方に
「敷設した自軍の機雷が,戦後など不要になった際はどのように処理するのか?」
という旨で質問したのですが,そのときの答えは
「通常の航路啓開と同じく,掃海艇によって掃海・処分を行う」
というものでした.
そのときこそ,はぁなるほど,と思ったのですが,手間のかかりようを考えると,(最新鋭の機雷なら)もっと適切な手段(特定パターンの音紋で自爆させるとか)があるんじゃ無かろうか,質問の仕方が間違ってなかったかなど,後から疑問が出てきてしまいました.
現代,たとえば自衛隊や米軍が機雷を敷設した後,それらが不要になった後の自前での処分は,通常の航路啓開と同様の手順で行われるのでしょうか?
それとも,安全確実な別手段などが用意されていたりするのでしょうか?
【回答】
米軍がベトナム戦争で北ベトナムのハイフォンを機雷封鎖したときには,戦後に掃海ヘリなんかを送り込んで掃海していますね.
地雷もそうですけれど,まともな軍隊ならどこに何をどれだけ敷設したかはちゃんと記録しているはずですから,その情報を使って除去できるはずです.
機雷の場合,場所が分かっていれば,掃海より掃討の方が確実かも知れません.
井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
【質問】
今も対潜爆雷って使うことあるの?
装備してる船やら飛行機って何かある?
【回答】
今でも「ヘッジホッグ(多連装対潜爆雷)」を装備した中古艦艇を装備してる国は結構ある.
海上自衛隊も,「ヘッジホッグ」の後継である「ボフォース四連装対潜ロケット砲」を装備した護衛艦をまだ現役で使っている(実戦で役に立つと考えてるとは思えんが).
で,現代で実戦で使うことがあるかどうかは・・・察して.
ただ,原子力潜水艦相手だとあまり役に立たないだろうが,世の中原子力潜水艦しかいなくなったわけではないので.
あと,少し前の「漢級潜水艦領海侵犯事件」のような時は「警告用」として使うことはできる.
補足しとくと,「ヘッジホッグ」は別にボフォース社が開発したわけじゃない.
で,爆雷は「現代では原子力潜水艦に対しては」威嚇用ぐらいしか役立たないだろう,ということ.
魚雷は威嚇用に使うのが難しいので,そういう面で爆雷にもまだ使い道は充分あるよ,ということだ.
通常動力式の潜水艦であれば,昔ながらの艦尾から単純に海中に落っことす爆雷でもそれなりに脅威にはなる.
あと「ボフォース四連装対潜ロケット発射機」はヘッジホッグとは作動機構が違うので,混同しないように
(ヘッジホッグは火薬で発射器から打ち出す.ボフォースSURは弾体に推進剤が内蔵されている).
他には,冗談みたいな話だけど昔はラジコンに魚雷積んで潜水艦と戦ってた
だけど,あまりにもよく事故で墜落するのであえなくお蔵入り.
ちなみに調査の結果原因は「空母の航空無線で電波障害が起きるんです」ということだったが,単艦で試験しててもよく墜落したので,多分アメリカ人が不器用なだけ.
事実,同じ物を使っていた海自では,ほとんど事故を起こしていない.
(でも,アメリカ軍がお蔵入りにしたので予備部品が買えなくなり,海自でもお蔵入りに)
ある時期の海自の護衛艦にみんな,中途半端な大きさの格納庫があるのはそのせい.
軍事板
ただし,ソースが見つからないので不確かな情報なんですけれども,
「『DASHは日本ではうまく使えたが,不器用なアメリカ人には使いこなせなかった』
というのは,日米の大きな運用数の違いを勘定に入れずに,ただ損失数だけを比べた間違った評価だ」
という話もあります.
一応,参考までに.
唯野 in mixi支隊
DASH
(画像掲示板より引用)
◆◆◆CIWS
【質問】
本当にこんなにするんですか?
「意外な物の意外な値段 まとめサイト」
http://www.unexpectedprices.com/main.php?itemid=123&mode=bbs
海上自衛隊の艦船に搭載されているファランクスという20mm対空機関砲弾1発7万円くらいだったと思う.
装弾数が1500発程度なので1基あたりの弾代1億円以上
仮に全弾連続で発射したとすると20秒もかからない
【回答】
以前七万ではなく八万と聞いたことあるが,まあそれくらいのお値段だね.
海自は米軍のように劣化ウランではなく,タングステン合金製の弾丸をつかってるんで…
タングステンは貴金属に準じた価格だからね
でも7,8万の弾カ丸数十発ケチって数百億の護衛艦を撃沈されたら,取り返しがつかないからね.
それに,撃たずにすめば中の金属を回収して再利用可能
撃って迎撃できれば元が取れるし,撃たずにすんで金属回収できれば差し引きの経費はそれほど高くない.
ちなみに,タングステン鉱石は中国が生産量の7割を占めるが,その中国でも最近は減損ウラン弾の研究をしてる.
【質問】
艦船に搭載されているCIWSの弾頭が劣化ウラン弾もしくはタングステンだと聞きましたが,戦車相手でもないのにこれらを用いる理由はなんでしょうか?
【回答】
短時間に確実にミサイルを破壊しなければならないからです.
ファランクス20mmCIWSの射程は1.8Kmほど.亜音速の対艦ミサイルを迎撃する時間はきわめて限られています.
また,1~2発程度の命中では,残骸がそのまま直進してスプリンター被害をもたらす危険性があります.
このため,重量が重い(運動エネルギーが大きい)弾頭を使用して確実に目標を粉砕する必要があるのです.
アメリカ以外の各国のCIWSが30mm以上が主流なのも,より破壊力の大きい弾頭を使用したいためです.
(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)
CIWSは,ただ単にミサイルに命中させ破壊すればいい,というものではなくて,ミサイルの爆砕をねらっている.
むろん破壊後,ミサイル残骸や燃料が降ってきたら意味がない.
それで,なるべく硬い重い物を高速でぶっつけて,ミサイルの衝撃力を中和させようと企図した.
だから弾体が,対戦車徹甲弾弾芯と同じ劣化ウラン弾を使用している,
飛来するミサイルに高速で衝突して串刺しするようにミサイルを破壊し,装薬を自爆させる(劣化ウランは自燃性が高い).
ただ,日本はタングステン合金弾を使用している,劣化ウラン弾より高価で性能は劣るが,硬く重く頑丈なのは変わりない.
むろん対艦ミサイルも改善されてきているので,いつまでも同じように有効だとは言い切れない,とは思うが・・.
【珍説】
CIWSの最大射程は相当に大きいが,防御火器としての有効射程はかなり小さいぞ,
命中1~2秒前にミサイルを撃破できても,それではぜんぜん意味がない.
【事実】
確かに対処時間は限定されるが,pop upが行いにくい以上狙いやすい目標といえる.
また,超音速となる期間は全行程の一部に限定されている.
加えて,爆散は爆発前の運動に関わらず,360度全方向に行われる.
例え1~2秒と言えども,弾片の拡散/威力の減衰には有効な時間・距離である.(Spaced
Armorの有効性を考慮)
撃破しても固まりに近いままと言うが,弾片一つ一つの質量が減少する以上威力は確実に低下する.
誘導弾は超音速誘導弾が最高速度を維持できる時間は限定された物であり,最終段階に至るまでの正確な誘導は不可欠である.
意味が無いのであれば,U.S.NavyはCIWSを採用せず,対空砲の長射程化を進めるはず.
尚,以前検討されたCIWSの大口径化の目的は,長射程を目的とした物ではない.
さらに,一般的に想定された近接防御範囲内に於いては,爆散後の弾片は質量が微少なため一般的な護衛艦の装甲で充分防御可能.
アンテナ/レーダー系は比較的脆弱だが,メッシュ間を爆風が通過しても構造全体が破壊されにくいよう,強度は考慮されている.
また,近接防御兵器により爆発した弾頭が発する数千個の微少な弾片が構造を破壊できるかは,「確率論」のレベル.
空気の壁は意外に抵抗があるし,指向性を持たない爆発は,装甲目標に対して意外と効力を発揮できない物である.
分かり易い一例としてCIWSの弾頭設計がある.
設計は当初,誘導弾に搭載された電子機器を破壊する事を意図していたが,その後不十分※と見なされ,その後方に配置された火薬まで貫通し爆発させることを明確に意図し,弾体質量を倍加している.
※ 命中した「不発弾頭」がその後爆発し,二次被害を引き起こすことの防止.
【質問】
現在の対艦ミサイルってのは,破片防御構造を狙ったものでは?
【回答】
対艦ミサイルは直撃>貫通>内部での破壊を前提とするし,その方が破壊力も高い.
上記では近傍での爆発(直撃ではない場合)による破片は質量も小さく,弾片密度も低くなるため,護衛艦レベルの装甲に対してさえも,被害は微弱である事を述べた.
対空ミサイルの場合は別.目標はソフトシェルであり,弾片効果が有効に働く.
【質問】
陸海空問わず登場する20mm機関砲ですが,あれはどれくらいの破壊力があるのでしょうか?
・突っ込んでくるミサイルを確実に破壊できるのか?
・機銃掃射でコンクリート製の建造物をぶちぬけるのか?
の二点についてよろしくお願いします.
【回答】
20mmの代表格で,米軍のほとんどの戦闘機からファランクスまで採用されているM61バルカンに関して言えば,榴弾・焼夷榴弾・徹甲焼夷弾などがある.
特に,ファランクス用にはタングステン弾――かつての米軍では劣化ウラン弾――が使用されているが,威力不足で完全に破壊できないという問題は指摘されていて,近年の新鋭艦ではRAMを搭載する艦が増えてきている.
実際,20mmでは2,3発当たったくらいだと,大型の対艦ミサイルとかは壊せない.
墜とすことくらいは出来るけど,20mmの射程だと高度によっては完全に破壊されないまま,自艦に落っこちてきたりする.
また,ゴールキーパーCIWSでは,A-10に搭載されている事で有名な30mmのGAU-8アヴェンジャーを搭載している.
M61の場合は,基本的に1発あたりの威力の低さを連射速度で補うという面が強い.
欧州の戦闘機の30mm程のリボルバーカノンが,1発あたりの威力を高めて居るのに対し,M61は毎分6000発の発射速度で,相手に複数発当てて破壊するという思想.
神゛聖\(^o^)/オワタ帝國 ◆u8nX3fKy0k(黄文字部分)
in 軍事板
青文字:加筆改修部分
コンクリはイメージほどには「装甲」としての強度はない.
建物の壁の厚みにもよるけど,ものによっては穴開くぞ.
例えば,M53 20mm徹甲焼夷弾は1000mで6.3mmのRHAを貫通する(直角に当たった場合).
コンクリートに対する貫通効果は,RHAの数字の1.5~2倍程度.
20mmでもサボ付の M791だと,1300mで60度の角度で当たってもRHA
25mmを貫通.
ただし炸薬などは入っていないから,破壊効果は物理的なものに限られる.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ GAU-8アヴェンジャーでコンクリート(?)の建造物を撃っている動画です.
A10 Run Against Taliban Hideout
http://jp.youtube.com/watch?v=5Iz5MwPsfyo
A 10 strafing run on a taliban postion
http://jp.youtube.com/watch?v=-eD_Lo61rAw
Close air support ~ A-10 Warthog
http://jp.youtube.com/watch?v=TZ-pdvirHDQ
▲
【質問】
CIWSが艦の前後を守らなくて大丈夫な理由が分かりません.
【回答】
大概の対艦ミサイルは,目標の艦船に側面から突っ込んで来る.
これはレーダーの反射面積が艦首/艦尾方向よりも遥かに大きくなるので,よりミサイルに捉えられやすいことと,ミサイルの電子装置に詳細なプログラムが可能なものは,極力目標艦船の舷側に,それも艦体中央部に命中するように設定されているため.
大概の場合,艦船の側面中央部分には機関部があり,またCIC(戦闘指揮所)や被害対策指揮所(ダメージコントロールルーム)等の重要区画が集中していることが多く,そこを潰せば一撃で大損害を与えられる可能性が高いので,そういうプログラムになっている.
【質問】
CIWSでも打ち落とせなかった目標は,最後は乗員がいっせいにマシンガン撃って迎撃する ってほんと?
今までCIWSが最終防衛だと思ってたんだが.
【回答】
それはウソ.
ただ,フォークランド戦争のときイギリス海軍は,低空肉薄爆撃をかけてくるアルゼンチン軍機に対して手空きの乗員総出で自動小銃を撃ちまくる,という防衛手段を講じた事がある.
もちろんそんなんで撃墜できるわけはないのだが,曳光弾を多めに混ぜたので,アルゼンチン軍パイロットには自機に向かって銃弾がガンガン飛んでくるのが見え,カナーリ精神的によろしくなかったそうだ.
http://www.britains-smallwars.com/Falklands/argentine-aircraftlosses.html
を見ると,"21st May 1982"の"0930
hours"の項に,
「ブロードソード艦上では水兵と海兵隊混成の小火器中隊が構成され,40mmボフォースに加えて機関銃とライフルで迎撃した」
とある.
彼らはレスリー海兵隊軍曹に指揮され,2機のアルゼンチン機を撃墜,さらに2機にダメージを与え,レスリー軍曹は受勲したそうな.
ライフルで落としたのか,40mmで落としたのかは不明だが.というか,明確には分からないだろうな,撃った方にも.
なお,当時のイギリス海軍にはCIWS搭載艦は無かった.
【質問】
RAMの登場によってファランクスCIWSは今後,廃れていく予定なのですか?
艦艇がバルカンを撃つっていう奇抜さが好きだったんですが・・・
【回答】
ファランクス以外にもガトリング式のCIWSはフランスのゴールキーパー,ロシアのAk-630など他にも数種類存在します.
西側艦艇に広く採用されているMk15ファランクスも,最近はブロック1bと言う新型に切り替わりつつあり,しばらくは水上戦闘艦艇に欠かせない装備ではあるかと.
米海軍はCIWSとしてESSMの他に,57ミリ程度の艦載砲を充てると言う考えですが,これは防空能力が他の海軍と桁違いという事情があります.
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