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(画像掲示板より引用)


 【link】

「Defense News」◆(2012/06/21)BAE System Signs $750M Contract for CV90 Vehicles

「Defense News」◆(2012/10/31)U.S. Army Initiates New Round of Humvee Modernization

「Gigazine」:(2010年01月02日)猛スピードでどんな悪路も突破できるアメリカ陸軍の無人キャタピラ車輌「RipSaw-MS1」

「Military Technology」◆(2013/06/05) BAE hands over first Terrier combat engineer vehicle to UK Army

「Net Bunker」(2010/04/05)◆地雷をもりもり掘り返し爆破するアメリカ海兵隊の地雷原処理車 - GIGAZINE

「VOR」◆(2012/06/30)ロシアとフランス 新しい装甲車を開発へ

朝目新聞」●ステルス戦闘車?ランボルギーニの新しいコンセプトカー「Lamborghini Ankonian」  (of カラパイア)

『装甲列車』(スティーヴン・J.ザロガ著,大日本絵画,2009.9)

電脳戦闘団(装甲列車)

「ワレYouTube発見セリ」:Hummer Rollover

「ワレYouTube発見セリ」:Marder IFV

「ワレYouTube発見セリ」:Mountain Warfare M113 Gavins with 120mm Mortars (120mm迫撃砲搭載のM113装甲車輌)


 【質問】
 イギリスかどこかで,装甲が強化プラスチック製の装甲車を造ってると雑誌で見ました.
 強化プラスチックの装甲の性能はどんなもんなのでしょうか?

 【回答】
 それは,英国の研究機関であるQinetiQがDERAであった時代に作った,M113の複合装甲版でしょう.

http://members.fortunecity.com/jpicard1/News/jane's.htm
の上1/5ほどの所にあります.
 強化プラスティック(E-glass)ボディーを使用,軽量化と同時に耐弾性向上,静粛化,レーダー反射面積減少によって生残性を高めることが目的でした.
 着脱可能な装甲板を付加すると,全周で14.5mmAPに耐え,正面は30mmAPに耐えるなど,IFV並みの耐弾性を実証したようです.
 ただし,C-130での輸送時には付加装甲板を外すようですから,これはかなりの重量がありそうです.外した時の本体の耐弾性はM113と大差ないのかも知れません.
 1800kmの使用テストでも車体本体には問題は出ず,これ自体は良い評価を得ています.

 しかし,その後英国は統合装甲車輌の開発,配備を考慮し始め(FRES),もっと野心的でない方向に舵を取り,少なくともそのままの形での開発は続行されなくなったはずです.

 この装甲は,防弾性もアルミに匹敵するし,意外と?熱にもそれなりに強いそうです.
 だが,紫外線に弱い(劣化する),塗装すると塗料のシンナーで変質する,といった材質の問題の他に,全く新しい生産設備を作るコスト,合成樹脂であることから来る生産時の公害発生量の多さ,経年変化による可紡剤の揮発が人体に与える影響・・・とまだまだ研究すべき事は多いようです.

(system ◆systemVXQ2他)


 【質問】
AC(装甲車)
AFV(装甲戦闘車)
APC(装甲兵員輸送車)
ICV/IFV(歩兵戦闘車)
MICV(機械化歩兵戦闘車)

これらの違いがいまいちよくわからないのですが.なんでしょうか?

 【回答】
AC
 armored car 装甲車.
 装甲された走輪車輌の総称.

APC
 armored personnel carrier 装甲人員輸送車;
 人員輸送用の装甲車輌,小火器射撃及び榴弾の破片から人員を防護する程度の軽装甲を施した戦闘車輌,装軌車輌が多いが装輪車輌もある.各種装甲車輌ファミリーのベースとなる(注: 兵員のみでなく将校や文官等も乗るので 「装甲“兵員"輸送車」は誤り)<陸>

IFV
 Infantry Fighting Vehicle 歩兵戦闘車;
 米陸軍,M3,旧名称=装甲歩兵戦闘車(MICV)<陸> cf. MICV, CFV, ICV

ICV
 infantry combat vehicle 歩兵戦闘車;
 機械化・装甲化が一般化した結果,MICVのM(mechanized)を省略した名称<陸> cf. MICV, IFV

MICV
 Mechanized Infantry Combat Vehicle 装甲歩兵戦闘車“ミックビー";
 米陸軍,主力戦車に随伴し歩兵1個班が乗車射撃可能,
 IFV開発時点の名称 cf. IFV, CFV

FV
 fighting vehicle 戦闘車輌;
 特定の火力戦闘機能を持つ車輌,通常は装甲(装軌または装輪)車輌,,臨時に火器を搭載した一般管理車輌は含まない<陸> cf. CV

CFV
 Cavalry Fighting Vehicle 偵察(騎兵)戦闘車;
 米陸軍,MICV改,比較的大口径の火砲を搭載して威力偵察が可能.
 伝統的に偵察部隊を騎兵部隊と呼称していた米陸軍は,偵察戦闘車を騎兵戦闘車と呼ぶ.
 現用種=M3 ブラッドレー(Bradrey) cf. IFV, MICV

ACAV
 In 1957 the unit was assigned to Germany as part of the Nato Forces protecting the border from communist aggression until it returned to the United States in 1964. In March of 1966, the unit was alerted for movement to the Republic of Vietnam. It then began redesigning it's equipment for a new type of warfare. Adding additional armor and two more 30 cal.
 Machine guns to the armored personnel carrier which had one 50 cal. Browning machine gun. The addition of protective gun shields for the crew and track commander. The result was a very rapid all terrain fighting vehicle which could deliver devastating firepower. It was called the Armored Cavalry
Assault Vehicle or "ACAV". The Blackhorse troops arrived in South Vietnam on September 7, 1966, and quickly engaged the enemy with tanks, ACAV's, artillery and helicopters.
The success of the ACAV in battle prompted the army to convert personnel carriers in other units in a similar fashion..
http://asa.npoint.net/11thacav.htm


 【質問】
 アメリカ陸軍のFCSとして開発されている車輌なのですが,自走砲や歩兵戦闘車などがよく似た車輌で作られているようですけれども,自走砲の車体と歩兵戦闘車の車体は求められる性能や形状は違うような気もするのですが,これは,どのような意図をもって開発されているのでしょう?

 歩兵戦闘車は強固な防弾性(前面は20mmくらいの防御?
 確か日本の89式は前面35mm防御ですよね?)が必要で,自走砲は降りかかる破片などに抗することが必要.
 無論,機関砲に対する防弾性があるに越したことはないけれども,それほど重視しているわけでもないですよね?
 かといって,共通の車体を用意して,歩兵戦闘車には後から増設というのも考えたのですが,無駄が大きくなるし,最初から重装甲に設計されたものよりは落ちる.
 だったら,ほぼ共用の車輌ではなく,ある程度の割合を決めてコストダウンするというのなら,納得なのですが,絵を見てるとほとんど外見も同じ.装甲兵員輸送車も同じ.
 それはなぜなのかと疑問に思ったので,質問させていただきました.

 【回答】
 お察しのように,FCSの有人車輌は基本設計を統一してある共通部分が増えれば,量産効果が効きやすくなるし,整備など運用を考えてもメリットがある,との判断.
 車体を改造して別車種と一部共用化する例はあるし
(M2の車体延長 → MLRS車体など),
装甲車をファミリー化とかは各国で行われているが,自走砲から何からをここまで大掛かりに統一するのは,おそらく初めての試み.

 FCSは重量制限が厳しいのも,統一を進めさせた要因かもしれない.
 本来なら例えば戦車相当のMCSなんかは,もっと大型化させて装甲も増やしたいだろうが・・・・

軍事板
青文字:加筆改修部分

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 ストライカーについて質問です.
 MBTの空輸は無理なのは分かるのですが,10000kmの彼方に空輸され,MBTが船便で到着するまで,その代理として軽便な装甲打撃力を分担する車輌となれば,せめて前面RPG 側面30mmに耐える装甲が必要だし,それを10-15tに収めるとなれば,2-4人乗りの小型装軌にして装甲表面積を抑える話と思うのですが,なぜ全然用途の違う,ぺらぺら装甲装輪兵員輸送車に,比較的大口径の砲など積んでいるのでしょうか?

 【回答】
 そもそも,「装輪兵員輸送車に大口径砲を積んでMBT代替するもの」ではない.
 ストライカー旅団は,単一の装輪装甲車ファミリーで構成されているのであり,その派生型のひとつに機動砲があるにすぎない.
 単にストライカーと呼んだ場合,機関砲装備の兵員輸送任務車輌が代表となるであろう.
 特化した小型装軌車を装備というのは,ストライカー旅団の思想の正反対である.

軍事板,2003/12/11
青文字:加筆改修部分

 ストライカー旅団の目的は,本部隊到着までの足止め(たとえば湾岸戦争当時の,シェリダン空挺戦車部隊のような)ではなく,単独で(陸軍と しては.空軍,海軍とは共働する)敵の部隊と対抗し,殲滅するというものです.
 300台以上のストライカー戦闘車輌シリーズと,3000人以上の兵員で構成され,輸送重量としては3日分の補給を含めて,15000t超と言われています.

 軽装甲で敵脅威に対抗する裏付けとして,米軍はお得意のNet-centric戦術,つまり高度の情報収集手段とその即時共有を示しています.
 つまり,敵脅威の所在と詳細を常に把握,伝達することによって,敵脅威の到達前に航空機,長距離精密砲撃などのオフレンジ攻撃を行うことで,ストライカー旅団が対処できない強度の敵をあらかじめ殲滅してあるということです.
 仮に敵が到達しても,我方は最適な地位と配置を占めて待ち受け,一方的に攻撃することができる,はず,といいな,というわけです.
 それが正しいかどうかはこれから分かることですが,
「Fly Light, Die Early. 」
という陰口が,あちこちで囁かれているようです.

system :軍事板,2003/12/11
青文字:加筆改修部分

Stryker Mobile Gun System
faq070221st.jpg
faq070221st2.jpg
faq070221st3.jpg
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 MRAPってのは,ハンヴィーみたいな汎用車輌を代替するもの?

 【回答】
 違う.

 ハンビーを代替するのは,これ.
”Joint Light Tactical Vehicle”
http://en.wikipedia.org/wiki/Joint_Light_Tactical_Vehicle
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/13/JLTV_Config1.jpg

>The Joint Light Tactical Vehicle is a U.S. Army, USSOCOM, and U.S. Marine Corps program
>to replace the current HMMWV with a family of more survivable vehicles and greater payload.
>In particular the HMMWV was not designed to be, but has been employed as an armored combat and scout vehicle.

>The future family of vehicles will comprise five armored versions, ranging from infantry combat vehicles,
>command vehicles, reconnaissance, and armored utility vehicles.

 本当は,HMMVのみならず,各種の戦闘車輌も入れ替えする予定だったのよ.JLTVが.
 だが,まだ完成しておらず,イラクでの損害が急増したので,泥縄でMRAPを導入する羽目になり,JLTVが延期された.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 装甲ハンヴィーも足りない
→路肩爆弾で簡単に破壊される
→MRAPの配備
という流れですか?

 【回答】
 ハードウェア的なIED(仕掛け爆弾)対策の一つとしての装甲車輌の急増産と配備の流れは,そういう感じにとらえていいかと思います.

 実際には,仕掛けている側をなんとか自分の味方につけるのが,最大の対策だったわけですが,そこに至るまでにまず簡単に車輌を吹き飛ばされたり,装甲を貫徹されたりするのを防ぐという段階を辿りました.
 MRAPというものがあり,それが仕掛け爆弾に有効であることはかなり前から分かっていました.

 陸上自衛隊が装備として取り入れるべきかについての判断は保留します.
 ですが,自前の装備としてそれを調達しても,本来的に軍隊が目指す任務,戦争を遂行し勝利するという点においては,MRAPは治安戦向けの存在であり,輸送車輌としての効率は悪いです.
 それやこれやで,今やっている戦争へ対応するのは,後手後手に回った感がします.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 アメリカの軽装甲車?のハンヴィーって,車幅が広すぎると思うのですが,何故でしょうか? ダンプトラックくらいありそう.

 【回答】
 不整地での高速走行時の安定性を重視したため.
 実際,ジープは意外に転倒事故が多い.

 簡単にはひっくり返りそうにない装軌車や装輪装甲車でもけっこう不整地でひっくり返って死傷者出してるからね.
 コソボみたいな紛争調停に入ったとこでは交通事故(横転,転落)による死者が軍から出てしまう.

 また,ミサイルや銃の発射プラットホームとして使用する際にも車幅がある方が安定するし,おとなしく座ってるだけでなく,中でさまざまな行動をする必要があるので,ただの乗用車の車幅では使いにくい.

2008年,南オセチア紛争で鹵獲された米軍HMMWV
faq25c14b02.jpg
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faq25c14b02c.jpg
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 ハンヴィーの防弾設備は,どれくらいの銃弾なら止められますか?
 映画「ブラック・ホーク・ダウン」ではAKを止めていた気もしますが.

 【回答】
 防弾型のハンビー,と言ってもいくつかのグレードがあるが,
 最高グレードのものなら通常の距離(歩兵同士が撃ち合う程度の距離,50m以内)なら7.62mm小銃の通常弾を止められる(跳ね返すのは無理).
 ただし,ここまでの防弾性を持つハンビーは,車体が重くなりすぎて,走向装置に負担がかかり過ぎるため,速度も出せないし,急ハンドルを切ったりできなくなる.

 通常レベルのグレードなら,上と同じ距離でどうにか7.62mm小銃弾の単発射撃に耐えられる程度(連射を食らうと何発目かで穴が開く).

 付け加えとくと高グレードの防弾ハンビーはすぐ足回りが駄目になるので
「替わりが少ないから,壊れると困るので,なるべく使わないように」
という通達が出されてて,ただでさえ予算不足で数が少ないのに余計に前線部隊に行き渡らない.
 そのため本当に必要な兵士達が使えず,イラク駐留部隊の不満の一つになっている.

 海兵隊がハンビーとかの車輌用に対RPG装甲L-ROD(アルミ製バー装甲キット)を作りはしたけど,あんまり普及していない.
 ハンビーは側面にドアがあるので,車体の周囲にあの手の物を張り巡らすと邪魔な上,あれでも重量が増加するので嫌われてる.
 何よりも,ハンビーはRPG使うまでも無く機銃弾で蜂の巣になるので,そもそも役に立たない.
 防弾効果はないしね.

 だいたい,ハンビーは「JEEP(C)に替わる汎用小型車輌」であって,装甲車じゃないので.ガンガン撃ち合いが行われるような環境で使うこと自体が間違ってる.
 確かにエンジンと足回りを強化すればいいんだろうけど,それだと高価で複雑になって,本来の目的から外れた車輌になってしまう.
 要はちゃんとした装甲車を必要な数用意できない,米軍の台所事情の問題.


 【質問】
 あらゆる所で活躍する米軍のハンビー,後ろは何故大きく傾斜しているんでしょうか?
 後,機銃辺りがあまりに無防備な印象がするんですが,改良型というのは研究されているんでしょうか?

 【回答】
 いわゆる”ジープ”の替わりに偵察やパトロールなんかに使われてる標準型のハンビーは,後方視界,特に天面ハッチから身を乗り出した射手の視界を確保する為に,後部キャビンを傾斜させてある.
 あぁしないと,後ろ方向がよく見えないから.

 ハンビーにはさまざまな型があり,必ずしも全ての型があの傾斜型後部キャビンになってるわけではない.

 機銃手用防盾を始め,ハンビーには各種の追加装甲キットがある.
 各メーカーが装甲化キットを開発しているし,新型車輌も開発中.
 しかし,あまり重装甲にすると重くなりすぎて走行性能に支障がでるのと,予算不足から来る数量不足で,最も必要とするイラクでは,使われてる数が少ない.


 【質問】
 M1117 ASVとは?

 【回答】
 HMMWVの脆さにうんざりした米軍が採用した装甲車.
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq25c14a04.jpg
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq25c14a05.jpg
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq25c14a06.jpg

CRS@海軍歩兵 in mixi支隊

 ちなみに以下の画像は,イスラエル軍が魔改造したHMMWV…ではない.
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq25c14.jpg
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq25c14a02.jpg
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq25c14a03.jpg

http://www.af.mil/news/story.asp?id=123044430
を参照.

井上@Kojii.net in mixi支隊


 【質問】
 セグウェイって何?

 【回答】
 世界初のセルフバランス機能を備えた,立ち乗り式電動2輪スクーター.
 軍用としては,荷物の運搬や兵士支援などの基本的な任務の他,危険物の探索,歩哨任務,不発弾の探知,負傷兵の搬送など幅広く応用されるか,または応用する研究が行われている.
 最近では2008年,北京オリンピックに際して警備を強化するため,中国軍が大量購入したほか,現在では,750を超える警察組織,警備会社,および軍隊がセグウェイを使用し,空港や軍基地の警備を行っているという.

 【参考ページ】
http://netafull.net/neta/007317.html
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20376767,00.htm
http://www.segway-japan.net/press/20080701.html

【ぐんじさんぎょう】,2009/4/30 21:00

セグウェイ
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 「メタルマックス」という,バスに砲塔を積んだりして戦車化するゲームがあったのですが,現実でバスやタクシーなどを戦車化した例はあったのでしょうか?

 【回答】
 車に強力な砲を積んでも,戦車になるってことはない.
 現実に重い大砲を載せたら動かない.
 せいぜい,ランクルに無反動砲を積むぐらい.

 あと,あの世界のバスとか消防車は,現在よりそれなりに未来のものらしく,意味不明に耐久性が高い.
 現実にあるバスに205mm砲だの22mmバルカンだのを積んだら,車体がもたないぞ.多分.

 ただしアフリカなどの紛争で,トヨタなどのピックアップ・トラックに,鉄板を溶接するなどの簡単な装甲をして――しない場合もある――,機関銃などの銃器を載せた通称「テクニカル」という戦闘車輌はある.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%AB

 また,第一次世界大戦の時にタクシーを動員して,パリからマルヌへ兵員を輸送,とか,第二次大戦で乗り合いバスを改造したドイツ軍の指揮・通信車輌ってのはあった,
 ただしそれらに装甲や武装を追加した例は,記憶にない.
 バスの場合,同系列のシャーシのトラックに対空機関砲搭載とかはある.

 さらに,第2次大戦中のソ連で,トラクターに装甲をつけ,機関銃や対戦車砲を載せた急造戦車,通称「オデッサ戦車」というのがある.

軍事板
青文字:加筆改修部分

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 架空の後進国が地域紛争に,日本やインドなどで出回り始めている軽自動車を輸入し,これを武装化させたものを警備任務に投入するという小説を書いていますが,こういった民生用自動車を改造し,ある程度の戦力化を図るという事例は,どれくらい昔からなされているのでしょうか?
 作品の中で,登場人物の1人である整備兵が,歴史を語るシーンで使いたいと考えています.

 【回答】
 最初の「民生車輌改造武装車」が何なのかはちょっとわかりませんが,年代の早い物の例をいくつか挙げてみます.

 1914年の時点で,ロールス・ロイスのシルバーゴーストという高級車が装甲車に用いられています.
 ただし,これは装甲板と銃塔を備えた,本格的な装甲車のベース車輌としてであり,民生用として完成した後で機関銃を載せただけの,テクニカルのようなものではありません.

 第一次大戦中の東部戦線と,その後のロシア革命時の内戦では,4輪馬車に後ろ向きに重機関銃を据え付けた,「タチャンカ」という車輌が活躍しています.
 これはもともと民生用の馬車を改造した物なので,ロールス・ロイス装甲車よりはテクニカルに近いものではないでしょうか.

 ちなみに,『速水螺旋人の馬車馬大作戦』という,東南アジアの架空貧乏国がオート三輪を装甲化して,イラク戦争に参戦するという,色んな意味でステキな漫画が載ってるものもあります.

軍事板,2010/04/15(木)
青文字:加筆改修部分

ミゼットオート三輪@国立科学博物館
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よしぞうmaro' in mixi,2007年12月03日16:20


 【質問】
 紛争地帯ではピックアップトラックに機関銃を搭載したテクニカルが使われてますが,少し前にアメリカで事件になった,ブルトーザーに鉄板を取り付けた手作り装甲車のようなものは存在するのでしょうか?

 【回答】
 イスラエルがそういった「増加装甲付き武装ブルドーザー」を使ってる.
idf01f.jpg
idf070114q.jpg

 ただ,あの手の重機は結構頻繁な整備が必要で,TOYOTAのトラックのように
「燃料入れて時々エンジンオイルを補給すれば,後は何もしなくても壊れるまで動く」
というメカではないので,テクニカルのように気軽には使えない.
 また,値段も結構高く,ブルドーザーの稼動率が維持出来る組織なら,中古のTー54でも買った方が安いし便利だろう.
(工兵用車輌としては話は別,そういう装甲ブルドーザーが有るが結構,金持ち国しか持ってない)

 ブルドーザに拘らなければ色々ある.「gun truck」などで画像検索するといろいろ出てくる.
 制式のものであれば,ASV armored security vehicleでgoogle検索すると出てくる.12.7mm機関銃と40mm擲弾銃を二つ備えた砲塔がついた,4輪の装甲車.

 また,独ソ戦初期にルーマニア軍に包囲されたオデッサ市で,トラクターに装甲を被せて急造した通称「オデッサ戦車」というのがあった.
 武装は機関銃程度だったが,まともな対戦車火器を装備していなかったルーマニア軍部隊にとっては脅威だった.
 この他に,もわざと目立つように動かして陽動や威嚇として用いた.

 逆にいえば,まともな対戦車火器(現在ならRPG)を持ってる敵に対しては無力.
 さらに鈍足で後続距離も短いので,不正規戦ではテクニカルよりも使い勝手が悪い.

オデッサ戦車
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 以前から,なんとなく考えていることなんですが,日本国内で使用されている大型のクレーン車など重機を土台に,砲をつけて(油圧系の規格とか細かいことは気にしない)戦車モドキ,自走砲モドキを作ろうとしたら,最大というか,どれくらいの砲なら付けられそうでしょう?
 クレーン車のアーム取って砲をつける感じです.
 あり物で数発ぐらいは撃てるシロモノをデッチ上げるノリなので,工作のメンド臭さや運用上の不便さとかも無視の方向で(やってやれなくはないならOK).

 【回答】
 こういう積み方でも良い?
(こちらより引用)

 ただ,工事現場でよく見るパワーショベル(いやユンボでもバックホーでもいいけど)は,エンジンは回転する上部ボディにあるから,こんなふうにしたら自走できん.
 キャタ付いてる意味が何もない(むしろ牽引速度が出せないだけマイナス)わけだが.

 あの手の全周回転式重機は,下部クローラーと上部ボデイを接続してる回転軸部が無理させるとすぐ痛むので,反動のある重火器は積めないだろうなぁ.
 無反動砲とかミサイルとかなら,ジープに積めばいい訳だし.
 無理なく積めるのは25mmの機関砲くらいだと思うよ.
 それだと兵器として見ると足がトロくて,整備が大変な割にはメリットが低すぎると思う.

 あ,あとあの系統の重機は重心が高いので,見た目の割にコケやすい.
 特に小型(操縦席がキャビンじゃなくてムキ出しになってる,2tトラックの荷台に載せられるようなやつ)のは特に重心が高く,キャタが踏ん張れないので本当によくコケる.
 それで死ぬ人は結構多い.

軍事板


 【質問】
 装甲車ってのはどの程度の攻撃に耐えられるんですか?
 対戦車兵器に狙われたらイチコロでしょうけど,機銃や小銃や対人地雷くらいなら平気ですか?

 【回答】
 一応の基準として,
装甲車:全周7.62mm,前面12.7~14.5mm
歩兵戦闘車:全周12.7~14.5mm,前面20~30mm
戦車:全周20~30mm,前面105~120mm.

 つまり,装甲車は全周で歩兵の通常火器に耐え,前面は重機関銃に耐える.
 別の言い方をすると,他の装甲車の車載機銃に耐える.

 歩兵戦闘車は全周で重機関銃に耐え,前面では機関砲に耐える.
 別の言い方をすると,他の歩兵戦闘車の主装兵器に耐える.

 昔は,すべて通常弾が基本だったりしたが,今では徹甲弾まで耐えるのが普通であり,最近はさらに耐弾性を向上させたものが多い.
 地雷は対人地雷ならたいていはOK.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 昔あった「特ホウ王国」という番組で,巨大なダンプカーを遠隔操作している映像がありましたが,これを戦車や装甲車に応用するのは意味がないんでしょうか?
 市街戦などで活躍しそうなのですが.

 【回答】
 電波を使うと簡単に妨害されてしまいます.
 有線だと簡単に切断されてしまいます.
 したがって自律して行動するのがベストなので,装甲車輌では目下研究中です.
 「ゴリアテ」で検索すると良いでしょう.

三等自営業◆LiXVy0DO8s

 また,原則的に,装甲車輌にとって「でかい」ということは「弾があたりやすい」ということになります.
 それ故に現代戦車は平べったいのです.

 ごく軽武装のデモ隊を蹴散らすなどに使うなら役に立つかもしれませんが,昨今のゲリラは対戦車ロケット砲ぐらいは当たり前に装備している――特に市街戦だとどっから撃たれるかわからない――ので,有用性は高いとは言えないでしょう.


 【質問】
 装輪戦闘車や戦車不要系のスレなどで,「装輪は装軌似比べて低価格で取得性がよい」という意見をよく見ます.
 実際のところどのくらい安く出来るんでしょう?
 装輪の戦闘車輌は確かに安いようですが,装甲も火力も同程度でそれを装軌で造った場合,大きな価格差が出るのですか?

 【回答】
装輪車は基本的に
「路上走行性能が高く,比較的安価」
ではある.
 武装を載せるだけなら安くは出来る.

 とはいえ,不整地走行への適応度が低く,装軌と同等の不整地走行能力を得るには,それなりに高度で複雑な駆動系と懸架系でなければならない.
 装軌と同等レベルを目指すには,装輪の安価と言うメリットを失い,それでも装軌ほどの不整地走行能力を得られない.
 また車体下部を駆動系が通ること,走破性のためにタイヤ径が大きくなることなどで,同じ容積を確保するには装軌車よりどうしても背が高くなる.
 操向性のために車体幅をあまり大きくできないから,どうしても腰高になるし,そもそもタイヤは弾性体だから,射撃時の安定性にも劣る.
 これを解決するには,またしても高度な懸架系やFCSが必要になる.
 接地圧が大きくとれないから,重量を大きくできず,装甲強化のマージンが少ないのもデメリット.

 結果として,LIC対応の緊急展開部隊のような,軽量装備でも構わない場面には,安くて維持費も少なく,装輪の利点を生かせる.

 なお,センタウロの場合,約400両生産して1両当たり約180万ユーロ,調達終了が1999年だから,当時のレートで約2億3千万円.
 イタリアは整備コストに悩まされたらしい.
 思ってるほど安いもんじゃない.

軍事板,2005/07/03(日)
青文字:加筆改修部分

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 チェンタウロの正面装甲は20mm程度の弾に耐えるとありますが,そうするとIFVに負けちゃうと思うんですが,装輪戦車が相手にするのはどんな車輌なんですか?

 【回答】
 イタリアのチェンタウロは「第1反撃用」というのが想定任務だそうな.
 上陸してきた敵軍が重装備を陸揚げする前,展開に時間のかからない装輪部隊で先制反撃を掛け,あとは後続の機甲部隊に任せる・・・という戦術思想とか.

 一方フランスの重装甲車はまず国家憲兵隊の持ち物で,想定敵は重装備を持っていないレベルの反乱軍か,警察の装甲車と思われ.

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 LAV-25とストライカーは,同じ車輌から派生した違う車輌ですか?

 【回答】
 LAV-25は元は,スイスのモヴァーグ社の「ピラーニャ」っていう8輪装甲車をGMカナダ社が改良したものを,海兵隊が採用したもの.

 ストライカー装甲車は,それを更に陸軍の要求に向けて改良したもの.

 そういう意味では同じ車輌の派生型.

 ちなみに「ストライカー」と呼ばれる車輌群はそれぞれ

M1126 ストライカー ICV兵員輸送型
M1127 ストライカー RV偵察型
M1128 ストライカー MGS機動砲システム
M1129 ストライカー MC迫撃砲搭載型
M1130 ストライカー CV通信指揮型
M1131 ストライカー FSV火力支援型
M1132 ストライカー ESV工兵支援型
M1133 ストライカー MEV野戦救護型
M1134 ストライカー ATGM対戦車ミサイル搭載型
M1135 ストライカー NBCRVNBC偵察型

という形式番号がある.

 LAV-25は計画時の LAV:Light Armoured Vehicle 計画の呼び名が,そのまま形式番号になっちゃってる.

 MGSは,砲で直接火力支援をする車輌.
 いわゆるドイツの「突撃砲」の位置付け(対戦車任務に用いられる前の).

 FSVは,間接砲撃を支援するために観測や目標の指示を行う車輌.
 砲兵の観測部隊が使う.
 FSVは自衛用の重火器,自動榴弾発射機くらいしか装備していない.
 代わりにコンピューター,通信設備が整っていて,火力支援チームに対して強力な指揮能力を提供する.
 効率的な火力投入=火力支援,というわけだ.

 ちなみに少数だが,近接航空支援のために空軍の部隊が乗っているTACP(戦術航空統制班)型もある.
 おそらく火力支援型と似ているのだろう.

軍事板,2006/06/10(土)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/06/10 (szombat)

青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész


 【質問】
 AAV-7A1やAAAV等の水陸両用の装軌式車輌は,なぜ陸軍には配備されないのでしょう?
 勿論,海兵隊等の方が真価を発揮できるのは分かるのですが,陸軍でも相当役に立つと思うんですけれども……

 【回答】
 だって「敵前強襲上陸」は海兵隊の仕事であって,陸軍の仕事じゃないから.
 陸軍は陸で戦うものであって,海を自力で渡ったりはしない.

 陸上でだけ使う事を考えると,AAVシリーズのような水陸両用装甲車は,図体がでかい割に装甲が薄くて武装が貧弱なので,被弾しやすくリソースの無駄使い.
 実際,アメリカ海兵隊はLVTP5(AAV-7の前任装備)をヴェトナムで陸上戦に投入して,大きな損害を出している.
 装甲が薄いのに大きい車体は,被弾しやすく目立つので,集中攻撃に晒される事になり,現場の兵士に嫌われた.

軍事板

 ただ,第4次中東戦争において,エジプト軍がソ連製の水陸両用軽戦車や装甲車を駆使して迅速に対岸へ機甲戦力を展開できたのに対し,そういったものを持っていなかったイスラエル軍は逆渡河の際に大変な苦労を強いられています.
 砲弾がドカドカ落ちてくる中で工兵隊に橋を架けさせるってのは困難を極めるわけで.道路事情の酷かったシナイ半島では,潜入したエジプト軍コマンドによる妨害もあって,スエズへ向かうイスラエル軍車輌が各地で大渋滞を起こし,中でも巨大な装備を運搬する架橋部隊はカタツムリのような歩みで,作戦にかなりの支障をきたしています.
 もし仮にIDFが水陸両用車輌を装備していたら,橋頭堡の拡大も迅速に行えたでしょう.

 また,最近読んだ本によると,イライラ戦争中にイラク南部の湿地帯(=まともな道がない)で,イラク軍のPT-76がその機動力を活かし,大いに活躍したそうです.
 もっとも敵は機甲戦力,重装備を持たないイラン軍(こっちはボート)ですが…

Shaul in mixi支隊

 装輪式AFVだと,尾部両側にスクリューをつけて,浮上航走できるようにしている奴が結構ありますね(例:BTR).
 ただし,装甲強化で重量が増えてしまい,浮航できなくなったのでスクリューも外しちゃった,という事例もあります.
 浮上航走できる装甲車でも,発注側の判断で「うちの運用環境なら不要」といって外させる事例もあります.
 使わない装備をつけても,重量と整備の手間が増えるだけですし.

 結局,浮上航走能力を日常的に必要とする海兵隊と,敵前渡河みたいな限られた局面でしか必要としない陸軍の,プライオリティ配分の違いということでは.

井上@Kojii.net in mixi支隊


 【反論】
>装甲の弱いLCACは上陸作戦の第一波に使うべきではなく,本来は橋頭堡と揚陸艦の間を反復輸送して物資を運ぶ為のものです.

 これは胡散臭いな.
 AAVがLCACに対して持つ装甲のアドバンテージは,12.7mmから14.5mm重機の重機程度.
 陸揚げしちまえば当然,LCACが搭載したMBTの方が耐堪性は高い.
 ATMや砲爆撃には,両者とも耐堪性が無いばかりか,10km/h程度でノロノロ進むAAVは,SACLOS誘導ATMのいい的.
 EFVでは水上航行速度が40km/hくらいまで向上したらしいけど,70km/hのLCACにはまだ及ばない.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月05日 01:42:04

 【再反論】
>10km/h程度でノロノロ進むAAVはSACLOS誘導ATMのいい的.

 だからこそ,新型水陸両用戦闘車であるEFV(遠征戦闘車:Expeditionary Fighting Vehicle)が開発されたんじゃないか.
EFV(遠征戦闘車:Expeditionary Fighting Vehicle)

 今後の海兵隊は,こいつを先頭に上陸一番だぜ.
 っていうかその目的で作ったんだぜ?

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月05日 02:11:51



 【反論】
 「軍事研究」2006年9月で,2015年代を想定した上陸侵攻作戦について,図説が掲載されていますが,その中でも2個機械化歩兵大隊の揚陸に,LCACを延べ30隻は使用する,と明記されています.
 JSF様が上陸作戦の初期,というのをどの様に解釈しているかは存じませんが(O-1ラインまでの確保でしょうか?),反復輸送に関しては将来的にはLCUを利用したいと,海兵隊は考えていたかと思います.
(LCACは波に弱いですもの…….継続的な反復輸送にはちと不向きです.)

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月05日 10:43:18

 また,EFVが配備予定なので,将来の能力はまた別物になるのですが,現状の能力ではAAV7には,25海里先からの航行機能はなく,搭載揚陸艦が相当海岸線に近づかないといけません.
 そして,AAV7が発進できる距離(2~3海里だと記憶しています)まで揚陸艦が安全に進入できるならば,LCACでも安全に進入できます.

Posted by 75 at 2010年01月05日 10:54:10


 あ,こういうことかもしれない>LCAC

 上陸作戦が小規模部隊である,すなわち遠征打撃群に乗っているMEU(2000人程度)単体レベルであれば,上陸するという目的をもった一連の行動において,AAVやEFVが上陸作戦の第一波を担うことになります.
 すなわち,敵を特殊部隊と限定した,機動性第一での小規模上陸作戦において,LCACは第一波として見なされない,ということは正しいかと思われます.

 しかし遠征打撃群が先遣部隊として使用される,MEB(1万5千人前後)以上での上陸作戦においては,LCACも第一波で使用される,と見なされるかと.
 これは前者の作戦完了から引き続き,湾岸施設なり空港なりを確保,本隊を迎え入れ,戦闘体制を整えつつ,緩衝地帯の確保を目指す,といった流れが,上陸作戦の中で展開される為です.

Posted by 75 at 2010年01月05日 13:22:41
 【再反論】
「米海兵隊はLCACを第一線では使用しない」
のソースを自分で拾ってきたから,これで俺の主張は仕舞いにしたいと思う

http://www.dvidshub.net/?script=news/news_show.php&id=40148
 LCACは(LCUより後の)第4波との記述.

http://www.dtic.mil/cgi-bin/GetTRDoc?AD=ADA499599&Location=U2&doc=GetTRDoc.pdf
"・ LCACs and Ship to Shore Connectors (SSCs)."で,LCACは海岸の防御陣地が十分制圧された条件下での運用と記述.

Posted by 75 at 2010年01月06日 13:00:22
 今やっと,上田信先生の『USマリーンズ ザ・レザーネック』が見つかったので確認してみましたが,やはりLCACの投入は,第4波以降になるそうで,最低でも第3波までをAAVが務めるとのこと.
 ただ,防護の薄い沿岸の拠点に対しては,LCACで直接乗り付けて,奇襲をかけることもある模様.
 これは直接輸送機を強行着陸させて,飛行場を制圧してしまうのと同じくらい,イレギュラーな運用なのではないかと.

Posted by 名無しコメット神信者 at 2010年01月06日 22:50:50

「週刊オブイェクト」コメント欄,2010年01月04日付より
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 要するにLCACは,消極的にしか使われないということ?

 【回答】
 意外と積極的ですよ,米軍.
 なにせAAV主力の機械化歩兵部隊のみでは,海岸線沿いの陣地攻略自体はできても,O-2ライン以遠の敵掃討は,航空部隊の支援があっても,意外と困難ですから.
(敵が強固なら,O-2ラインまでの突破も困難な可能性あり)
 LCACの初期揚陸があって,初めて諸兵科連合を組織でき,本格的な衝撃力を発揮することができるのです.
 他を差し置いて,という訳ではありませんが,敵が強固であればあるほど,積極的に投入されます.
 上陸作戦の初期において,上陸地点を基点とした縦深の拡大は,最重要課題ですので.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月07日 13:00:10

「週刊オブイェクト」コメント欄,2010年01月04日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
http://kalaniosullivan.com/KunsanAB/OtherUnits/Pics/ArmoredCarEdMullin1969.jpg※
 この装甲車の詳細きぼん.

(※元の画像がリンク切れになっていたため,
http://www.the-blueprints.com/blueprints/tanks/tanks-m/39717/view/m706_commando_armored_car/
より引用して代用しました――編者)


 【回答】
 四輪の装輪装甲車で,米空軍も使っていたものとなると,キャデラックゲージによって開発されたM706だと思います.
 1963年8月に装甲車V100として試作されたもので,1964年1月に生産開始されました.

 車体は鋼板熔接で,前部に操縦室,中部に戦闘区画,後部右側に機関室と言う構造で,エンジンはM113と同系統のクライスラー361.
 装甲は7.62mm機関銃の直撃に耐えるとされており,車上戦闘も考慮されています.
 車輪はラン・フラットでパンクしても40km/hで走行出来,勿論四輪駆動ですが,コストダウンのために,全輪操舵は採用されていません.
 水上浮航も可能で,水中で駆動輪を回転する事で推進力を得ます.
 但し,水流が急ならば,方向安定性が悪くなります.

 砲塔には多種の武装が可能ですが,写真のものは,M2を装備したものだったと思われます.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2007/06/29(金)


 【質問】
 軍用オートバイについて纏められた本は無いでしょうか?
 役割の変遷とか,今後の方向性とか…

 【回答】
 WW2のドイツ限定なら,Doerflerから出ているPodzun-Pallasの再版本とかが有るよ.
(物によっては,Schifferから英語版が)
 軍用オートバイだけでは無く,軍用自転車の本も出ているし,装甲擲弾兵の本にもオートバイ狙撃兵の事が少し載っている.
 問題は,ハードと編制は載っているけど,実際の運用面に付いては期待薄.
 編制の記述が運用の記述に当たるのだろうけど・・・
 記述自体も体系的では無いし.
 体系的な本自体が無いのかもね.

 WW1前後ならblindes&materieにある.

 また,まったく総括本ではないけ,どこれ面白い.
Adventures of a Motorcycle Despatch Rider During the First World War

軍事板,2012/02/22(水)
青文字:加筆改修部分

 返事が遅くなって申し訳ありません.
 皆さんレスありがとうございます.
 やはり軍用オートバイ関連となると,運用云々や軍当局の要求する車輌の仕様等を語るよりも,カタログ本的な,「昔こんな軍用バイクがあったよ」みたいな奴が多くなっちゃうんですかねぇ.

 一応,何冊か私も取り寄せてみたのですが,

Motorcycles at War: Rare Photographs from Wartime Archives (Images of War)
Gavin Birch (著) ISBN-10: 1844154084 ISBN-13: 978-1844154081

 タイトルどおりのカタログ本.
 当時の写真の中から,バイクがらみをまとめました的体裁.

British Forces Motorcycles 1925-45
Chris Orchard , Steve Madden (著) ISBN-10: 075094451X ISBN-13: 978-0750944519

 英国車オンリー.
 一部レストア車や戦後の画像が混じっている為,誤解を招きそう.

The World Encyclopedia of Military Motorcycles:
A Complete Reference Guide to 100 Years of Military Motorcycles,
from Their First Use in World War One to the Specialized Types of Today, Featuring Ov
Pat Ware (著) ISBN-10: 0754819604 ISBN-13: 978-0754819608

 いろんな車輌が見たいという方には良いかも.
 ただし古株のミリオタ氏に見せたところ,「(大半は)どこかで見たような画像」との事.

 皆さん情報ありがとうございました.
 私ももう少し検索範囲を広げて探してみます.

軍事板,2012/02/26(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 自転車部隊というのはあるみたいですが,バイク部隊(偵察じゃなくて)は無いんでしょうか?

 【回答】
 自転車部隊は,現代ではスイス軍が運用しているのが著名ですね.
 オートバイ部隊に関しては,WW2初期におけるドイツ陸軍オートバイ歩兵が有名です.もっとも,その任務は偵察が主でしたが.

 オートバイのもつ小型で発見されにくく,軽快で悪路や狭隘な地形でも活動できるという特質は,現在も重宝されており,偵察,連絡などに使用している国が多数あります.
 我が陸上自衛隊においても偵察にオートバイが使用されており,米陸軍においても(少数ながら)オートバイが使われていますね.

 ただ,質問にあるような偵察任務でないオートバイ部隊というのは,寡聞にして知りません.
 オートバイは被弾に弱く,また搭載量が極端に小さく,一人移動させるのに一台まるまる使ってしまう効率の悪い乗り物であるため,ある程度の規模の部隊を移動させる手段としては向いていないようです.

軍事板,2005/07/22(金)
青文字:加筆改修部分

対戦車バイク
faq25z04.jpg
faq070111f.jpg
faq070111g.jpg
faq070111h.jpg
自殺兵器にしか見えないな……
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 映画などではよく見ますが,バイク兵はバイクに乗ったまま戦闘を行うことは可能ですか?
 その場合,右手に銃を持てば,アクセルと前ブレーキが,左手に持てば,クラッチが使えないことになりますが,相当高度な技術を持っていてもやはり難しいでしょうか?

 【回答】
 さほど高速で走ってないはずなので,銃を撃とうとかいう場合,低めのギアに落としておけばクラッチは要らない.
 軍で使うようなバイクはトルク重視に設定してあるからそれでいける.
 それでも相当高度な技術には違いないけど.

 戦争アクション映画ではカーチェイスのシーンで片手運転でサブマシンガンをぶっ放したりするが,可能か不可能か以前に,現実としてそんなこと滅多にあるわけがないわな.
 サイドカーに軽機を装備したものもドイツ軍にはあったとは思うけど….

 基本的にオートバイ兵は降車戦闘が基本.
 現代戦でも,偵察(威力偵察ではなく)と無線システムがポシャった時の伝令が主任務だよな.

 完全に不可能とまでは言わないが,乗車状態のままガンガン戦闘しまくるというのは非現実的.
 実際あの形でまともに戦闘するような想定はして無いが,使う状況が全く無いかというと微妙.
(”個人戦技”みたいなもんだしね バイク倒して隠れながら撃つのも同様)

 つーか銃剣や拳銃と同じでしょ.
 それを主軸にして戦う事なんて誰も考えて無いが,絶対に使わないかというと,それも違う.

軍事板
青文字:加筆改修部分

バイクに乗ったままでできること
その1
その2
その3
(Picture Prepositioning Ship : PPS@軍事板常見問題 mixi別館より)


 【質問】
 主力戦車並みの攻撃力を持ったホバークラフトが出現する事は無いのでしょうか?

 【回答】
 武装だけならロシア(ソビエト)の揚陸用ホバークラフトの中には,かなりの重武装のものがある.
 しかし,ホバークラフト(エアクッションクラフト)は構造上重装甲にできないので,戦車の代わりにはならない.
 そもそも,ホバークラフトは大きな段差を越えたり,障害物を押し倒したりができないので,不整地踏破? 性能に限界がある.
 また,音が激しくうるさい,走行にプロペラを使うので攻撃に対して脆弱,燃費が悪い……と欠点を挙げていったらきりがない.

 とてもではないが装軌装輪車輌の代わりにはならない.

381:名無し三等兵:2006/04/14(金)02:51:40ID:???

 ホバークラフトに戦車載せて砲撃させれば戦車並みの戦闘力じゃねえ!?
 すげぇ!!


383:名無し三等兵:2006/04/14(金)02:55:55ID:???

 ただ載せただけの状態で発砲するととんでもないことになるぞ.
 ネタにマジレスして悪いが,君は総合火力演習とかの映像で戦車が主砲を発砲してるところを,よく見てみような.

 そーいえば,宝島社だかのムックで
「LCACに120mm砲載せれば!」
とかやっていたな.
 誰かあれ,企画書の段階で止める人はいなかったんだろうか?


384:名無し三等兵:2006/04/14(金)02:57:37ID:???

 企画書の段階で考えてしまったら,宝島ムックのほとんどは出版されない.

 【質問】
 装甲列車って何?

 【回答】
 装甲を施し,武装した列車・鉄道車輌の総称.
 兵站上,重要な設備である鉄道網を警備することを主な目的としており,鉄道網の進展とともに発達した.
 南北戦争やボーア戦争で本格的に使用されるようになり,先進国では廃れたが,現代でも途上国では鉄道走行可能な装甲車輌を,鉄道警備に当てているところもある.

 【参考ページ】
http://blinda.ld.infoseek.co.jp/vkg_200.html
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%F5%B9%C3%CE%F3%BC%D6
http://www.wdic.org/w/MILI/%E8%A3%85%E7%94%B2%E5%88%97%E8%BB%8A
http://chaminen.sakura.ne.jp/soukou.htm
http://surutabi.cocolog-nifty.com/tyler/2009/12/post-10ea.html

 【関連リンク】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4006567

【ぐんじさんぎょう】,2010/04/21 21:00
を加筆改修

 装甲列車
(画像掲示板より引用)

その戦闘モード
faq030630b.png
faq031224b.jpg
(朝目新聞より引用)


 【質問】
 装甲列車の利用法がいまいちわかりません.
 どのような任務に使用されるのでしょうか?

 【回答】
つ[線路の保安任務
つ[軍隊輸送車輌の護衛
つ[沿線の攻撃軍の支援

 河川や海が使えない(使いにくい)兵站線において,最強の輸送力は鉄道です(これは現代でもそう).
 よく整備された鉄道網なら,万単位の兵と十分な食料・弾薬を一日で数100Km輸送することが可能.
(当然,集積地から前線や各部隊に配布するには自動車が必要ですが.
 自動車が普及していない時代にはそれでけっこう失敗している)

 しかし,列車による補給線は位置・弱点がまるわかりというデメリットがあります.
 列車はレール沿いにしか移動できないので,待ち伏せされるとかなりの確率で被害を受けます.
 それに対抗するには列車自体を頑丈にさせ,武装することが必要になるのです.

 あと,レール爆破されると面倒なんで,鉄道警備隊と迅速な修理を行える工兵隊も必須.

 また,日本ではなじみが薄いけど,鉄道網が発達した欧州各国では,装甲列車は戦術的に積極的に利用していた.
 WW2のドイツ軍では対パルチザン戦に積極的に投入されて,その機動力でパルチザンを押さえ込んでいる.

青文字:加筆改修部分

襲撃警戒中?の即席の装甲列車
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 今,「列車砲」って無理ですかね?
 全国津々浦々鉄道網が整備されてるんだから,使えそうな気がしてたんですけど…
 素人考えでアレゲですけど.

Posted by BELL at 2010年08月24日 08:32:25

 【回答】
 結局線路上でしか運用出来ない列車砲は,弾を届かせようと思うと大型化するし,大型化したら通れない線が増えて,更に大型化・・・なんてジレンマに陥りそう.
 ならば,ヘリでFH70持って行きゃよくね?ってなる(笑)

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月24日 08:40:46



 トラックの性能が向上している現在では,線路の上しか動けないのはむしろ制約になるんじゃね?
 自衛隊の鉄道部隊も,数年で廃止されちゃってるし.
 米ソでは核ミサイルのプラットフォームに鉄道輸送用のブツもあったけど,それも全廃されてる.

 無意味とはまでは言わないけど,費用対効果が現在の軍隊に採用されないくらいに悪いことだけは確実だと思うよ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月24日 08:47:50



 もし復活するとしても,こういう形だろうね.
「クラブK」

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月24日 09:29:50

 ドーラとかパリ砲なんかになると,列車で移動する大砲と言うよりも,列車を台座にした超大型砲だから,たぶんあなたが考えているのとは運用が違う.
 なんせ進出地点まで鉄道を引いちゃうくらいだから.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月24日 11:07:07

「週刊オブイェクト」◆(2010年08月22日)コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 砲が旋回する列車砲は,存在しませんよね?

 【回答】
 ところが装甲無しで,露天で旋回式の砲を搭載した列車砲はちゃんとあるのですな,これが.
 ドイツ軍だと15cm K(E).
 野砲ではなく,艦砲である15cm SK L/40またはL/45を転用いたもの.
 旋回させた後,アウトリガーを出して砲を固定してから発射する.
 威力が野戦砲と同レベルで,マイナーな存在で,18門しかないけど.これより少し強力な17cm K(E)もあった.
 次の巡洋艦の主砲を使った20cm K(E)からは旋回できない,おなじみの列車砲の形になる.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 列車砲はなぜ,自走砲に比べて大口径に作れるんですか?
 機関部分を機関車という形で外付けできるからですか?

 【回答】
 鉄道貨物車輌がトラックよりずっと重いものを積めるのと同じ.

 鉄道はレールの上を走るので,本体の重量を車輪→レール→枕木・バラストという形で地面に伝えて分散できるから,走るときに車輪と接地面に掛かる摩擦がずっと少ない.
 そのため車輪が接地面にめりこんだりせず,車輪を直接地面につけて走る形式のものよりもはるかに少ない力で走れる.
 つまりはずっと重く大きくできるので,より巨大な砲が積める.

 また,自走砲と違って,整備された路面(レール)の上だけ走ればよく,曲率半径も下限があるので,大きな旋回半径になっても問題ない.
 このため少々重量が大きくなろうと,長くなろうとお構いなし.

 上記の理由により,作りが単純で頑丈に作りやすく,つまり重い砲を積むための車台が作りやすいので大口径砲を搭載できる.
 その積載量を装甲に回すと装甲列車になる.

軍事板

列車砲
faq25e21c.jpg
faq070124c.jpg
(画像掲示板より引用)

第一次大戦の列車砲
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 自転車部隊が使う自転車は,普通の自転車とはどこか違うの?

 【回答】
 数年前にスイス自転車部隊を扱った新聞記事を読んだが,フレームはチタン,ブレーキは油圧ディスクでマウンテンタイプだったようだよ.
 舗装されてない山道では機動性抜群らしい.

軍事板

 ただし現在では,スイス軍自転車部隊は廃止されているので,念のため.

中国軍自転車部隊
 一見すると普通の自転車に見えるが,もうこういった部隊は現存してはいないだろう


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