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【質問】
次世代高初速戦車砲に用いられる予定の液体発射薬システムってどの程度実用可能なの?
(みりたおたく)
【回答】
液体発射薬は次世代戦車砲には今のところ用いられません.機構的な問題を代表とする技術的課題が山積みです.
現状では,砲内圧力を一定に保たせながら弾丸を加速させるという,回生ピストン方式※という発射薬燃焼方法が世界的な主流なのですが,これが思った以上に巧く機能しないらしいのです.
最近は榴弾砲への応用に研究がシフトしつつあります.
液体発射薬に比べれば,まだ,電子化学砲の方が実現性が高いですね.個人的な感想を言わせてもらえば.
少なくとも電子化学砲はFCS 用次世代火砲の一つとして米軍は見ているようですし.彼ら(戦車マフィア)の本命はレールガンらしいのですが,こちらは何時になることやら….
この手の話は,Fort Knoxで出版している,Armor
というマガジンにちょくちょく出てきます.
FCS については,Armor のバックナンバが以下のところでオンラインで閲覧可能ですので,読んでいただくと分かります.
公式サイトですので,閲覧しても全く問題ありません.結構面白いですよ.これ.お勧めです.
(公式サイト)
=>http://knox-www.army.mil/dtdd/armormag/
(バックナンバ)
=>http://knox-www.army.mil/dtdd/armormag/issues.htm
まぁ,FCS が2020~30年配備予定(したいなぁと思っている)ですので,当然ながらM1の繋ぎの機種が出てきてもおかしくはないですが,もし繋ぎの機種が出てきたとしても,火砲等のシステムに変化は無いものと思います.
140mm砲も当然出ません.140mm砲を発射するに最低限必要なプラットフォームの重量を考えた場合,特にです.
どちらかといえばオーソドックススタイルを踏襲したものになるでしょうね.対空火器やセンサ類の充実は当然図られるとは思いますが.
※多分,防衛庁から出ている報告書か,防衛ニュースのバックナンバを調べれば分かるとは思うんですが,今のところは正式なタームは未確認です.
40tの戦車で140mm撃つことはできるが,開発費などの他に,弾の積載量が減る(今でもぎりぎりと言われる.
まして重量減でさらに口径拡大では)などの問題があり,どこの国も開発は事実上中止している.
また,積載するとなると低反動砲化する必要があるだろうが,120mm低反動砲でもマズルブレーキがサボ分離に及ぼす影響などで,どうしてもまともな120mmより命中率が落ちると言われている.
だから回答は120mmになる.
140mmだと命中率が落ちる.
ただ反動が大きいからと言うより,撃てるように反動を減らす工夫をする結果.
反動そのもので言えば,大きな反動があると車体が揺れ,おさまるのに時間がかかるので,2発目まで時間がかかってしまう,急いで撃つと当たらない,という事になる.
軍事板,2005/01/24
青文字:加筆改修部分
【質問】
140mm 砲は,以前レオパルド2か3で搭載テストをやっていましたが,実用化は無理ですか?
【回答】
140mm 砲は確かにドイツ主導で研究されています.
しかし,ベンチ用車輌の重量不足から,射弾散布状況が余り良くないという話でして,現在は低反動化の研究を行っているようです.(燃焼機構も含めての話).
しかも,一部からは低反動化機構が実装されなかった場合,必要となる最低限のプラットフォーム重量が75~80t程度になるのでは?という指摘すらあり,ここまで重量増になるのだったら,LOSAT やジャベ リンの簡易誘導かつ長射程対応改造型を用いたほうが良いのでは?という話すらあります(実際提案されてます).
ラインメタルのWWWpageを見ると確かに140mm砲を積んだテストプラットフォームの画像が公開されていますが,個人的にはバランスが取れてないように感じます.
ある意味では魅せる絵だとは思いますけどね(笑).
独ラインメタル社がレオパルドIII用に開発した140mm滑腔砲試験型
CRS in mixi支隊
120mm砲と140mm砲の図解
(画像掲示板より引用)
【質問】
何故世界各国の主力戦車は,120mm砲が多いのですか?
120mmじゃないと駄目なんですか?
【回答】
戦車のサイズが実用上の上限に近づいているから.
120mm(東側は125mm)砲より上のサイズとして140mm砲が計画されているが,発射時の反動が120mm倍ぐらいになる.
120mm砲の時点で50t~60t程度の自重がないと,発射時の反動を吸収しきれず,命中精度が高くならない.
つまり従来の技術では,120mmが実用的な範囲での上限だった.
それでも威力を向上させるために,長砲身120mmを選択した第3世代戦車(3.5世代とも)がいくつかあるが,威力が向上した代わりに精度が落ちてしまって,評判が芳しく無い.
長砲身120mm砲でもバランスが良く無いのに,140mmは搭載できないであろう.
あと自動装填じゃない戦車は装填手が疲れる.
140mm砲を搭載するには,かつての重戦車のように運用面で妥協する,もしくはなにか新機軸が必要になる.
まず反動を吸収するために,日本のTK-Xのようなアクティブ・サスがほしい.
さらに砲や弾薬が大型化する分,ほかを削らないといけない.
戦車全体を大きくすることはもう難しいから.
となると自動装填装置,さらには無人砲塔を採用して戦車全体を小型化し,複合装甲もより少ない質量で十分な防護力を得れるように改良を・・・という風にがんばらないといえけない.
冷戦が終結して,第3世代以後の戦車開発が停滞しちゃってて次に挑戦する国は少ない.
モッティ ◆uSDglizB3o in 軍事板,2009/06/08(月)
青文字:加筆改修部分
ラインメタル社が開発した戦車砲が120mmだったから,という要因もある.
大概の国ではそのライセンス生産品か,同じ弾を使える独自開発品を搭載している.
なんで120mmで開発したのかというと,一人で装填できる一体型弾薬の口径がその程度だったから.
それ以前の戦車砲でも,120mmや122mm,152mmといった例があるんだけど,それらは分離装薬(弾と薬莢が分離している)形式で,装填に2倍の手間が掛かった.
ラインメタルは燃焼薬莢の採用でソレを解決した.
自動装填を採用すればもっと大きな弾も使えない事は無いんだが,イザとなれば同盟国間で弾が融通出来るって利点は大きい.
それ以前の120mm砲戦車の例.分離装薬の為に装填手2人の5人乗り.
http://combat1.sakura.ne.jp/M103.htm
軍事板,2009/06/08(月)
青文字:加筆改修部分
【質問】
チョールヌイ・オリョール(?)とかいうロシヤの戦車は140mm砲を装備しているそうですが,どこかで120mmまでが攻守走バランスを保つのが限界だと聞きましたが,それは重くなってしまうからですか?
他にも理由があったら教えて下さい.
【回答】
「砲が強力」,これが全ての問題の元.
砲が強力になると
1弾が重たくなる
2弾の自動装填化が必須になる(装置は重い)
3強力になった砲の振動に耐えるだけの重さが必要になる
4以上の重たくなった要素に対応する為にエンジンも強化する(コレも重たい)
5強化したエンジンに対応する為に燃料タンクも拡大する必要がある
6強力な砲と弾と装填装置,エンジン,と大きくなった車体の分だけ装甲も増える.また自前の砲に対応可能なくらいの装甲も必要(かも).で,やっぱり重たい.
……となって,まともな140mm砲搭載の戦車を作ろうと思ったら大変.
ただ.3は強化したエンジンと装甲である程度確保できるかな.
いずれにせよ,技術的に何か新しい物が出てこないと,ちと厳しい.
【質問】
西側で120mm砲より大きな口径の主砲ってあるの?
【回答】
ドイツは140mm砲テストしてたぞ.
「こんなデカい砲はいらない.120mmで充分」
ってことになってお蔵入りしたが.
あと,比較対象に出すのは間違ってるが,152mmガンランチャーのことも時々は思い出してやってくれ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
第4世代戦車というものがまだ見えない以上,戦車砲は,既存のものの改良という線でしばらくはいくんでしょうか?
【回答】
これは極めて正しい見方だと思います.既にその前触れはあります.
例えばイスラエルが開発した,ロングレンジの対空(正確にはヘリ)及び対戦車戦闘を行うためのLAHITミサイルです.
これは既に輸出を開始した(するのかな?)のですが,105mm
滑空砲から発射される,最大射程が8km 程度のタンデム式対戦車榴弾を採用したトップアタック式の砲発射ミサイルなのですが,この最大の特徴は一発当たりのコストが(対戦車ミサイルに比して)極めて安い.
誘導もレーザー誘導爆弾を応用したものですし.
しかも,既存の戦車用FCS を用いても誘導できるという代物で,レンジファインダのレーザーを数秒間相手に当てておくだけで勝手にロックしてくれると言う単純な奴です.
イスラエルの本命は同様な簡易誘導システムを用いた,運動エネルギ弾システムのようですけどね.
【質問】
今後,機関砲やSAMを搭載し,自衛程度の対空戦闘力を持ったMBTが開発される可能性は有りますか?
【回答】
現在でも主砲に対ヘリ交戦能力を持たせる開発はされていますし,一応可能ということになっている戦車もあります.
ただ,どのような方法にせよ,最近の足の長いミサイルを使用する航空機相手の戦闘は,片手間では不可能です.
能力の高いレーダーと本格的な火器管制システムが必要です.
ただでさえ重量減のために四苦八苦して小型化の努力をしている戦車にそんなものを詰め込んだら,
まず戦車としての本来の役割が果たせなくなるでしょう.
であれば,専用の対空戦車を作る方がマシ.
軍事板,2005/01/22
青文字:加筆改修部分
【質問】
ATMの小型化と開発コストの低下が進めば,MBTの主武装が火砲からATMに切り替わる事も有り得るのでしょうか?
【回答】
ロシアのように戦車砲がATMを撃てる仕掛けを持っていても,砲弾はやはり搭載しています.
ATMは高価かつ嵩張るため,数を持てません.
また最短射程があり,それ以内では無効です.
どのように開発コストが低下しても,戦車砲弾より安くなることも,小さくなることも難しいでしょう.
ロシアの戦車砲発射ATMは本物のATMより能力が低いのです.
軍事板,2005/01/22
青文字:加筆改修部分
【質問】
大容量のバッテリーを搭載できる戦車か装甲車に,レーザーガンを搭載する計画等は無かったんでしょうか?
【回答】
1980年代に地上用の「レーザー砲」はテストされたが,LVTP7の内容積を全て使ってようやく,なんとか非装甲車輌が壊せるだけ,のものしか作れなかったので,「実用性が何もない」として以後お蔵入り.
今は当時より技術は進歩しているが,それでも装甲車輌にダメージを与えられるような出力を出すには,「車輌に積めるバッテリー」レベルの電源ではどうにもならない.
ちなみに現在のMBTの主砲弾の運動エネルギー×発射間隔を,単純に馬力換算すると,MBTのエンジンの最大馬力と概ね同程度になる.
つまり戦車砲を代替するには,電気エネルギー系兵器の効率が100%だとしても(あり得ないけど),エンジンもう一基と発電機,電気系兵器システムの体積,重量が,従来砲システムと同等に収まる必要があって,まず無理.
軍事板
青文字:加筆改修部分
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