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◆◆◆◆「ホスフィンが発生する」???
<◆◆◆白燐の化学的性質
<◆◆白燐弾
<◆総記 目次
兵器FAQ目次

1.事実に対して仮定を持ち出す
「白リン弾は酸化して五酸化二リンを生成するが,もしホスフィンを生成する環境下ならどうだろうか?」

2.ごくまれな反例をとりあげる
「白リン焼夷弾ならこのような被害は生じる」

3.自分に有利な将来像を予想する
「何年か後,白リン発煙弾で死者が出ないとも限らない」

4.主観で決め付ける
「この白煙が毒ガスでないわけがない」

5.資料を示さず持論が支持されていると思わせる
「世界では,このガスは有害であるとの見方が一般的だ」

6.一見,関係がありそうで関係のない話を始める
「ところで,傷痍兵器の禁止に関する議定書を知っているか?」

7.陰謀であると力説する
「それは,白リン弾を無害と認めると都合の良いアメリカと軍ヲタが画策した陰謀だ」

8.知能障害を起こす
「そんなことはどうでもいいがホスフィンが発生する」

9.自分の見解を述べずに人格批判をする
「白リンのガスに無頓着ということは旧軍の頃と同じメンタリティ」

10.ありえない解決策を図る
「白リン弾の煙幕中における特異点はそうならないとは限らない」

11.レッテル貼りをする
「白リン弾の煙幕下でも大丈夫だなんて妄想にしがみつく軍ヲタはイタイね」

12.決着した話を経緯を無視して蒸し返す
「ところで,ガザ地区がどうやったらホスフィンの発生しない条件をみたすんだ?」

13.勝利宣言をする
「ホスフィンが発生するということは風洞実験で証明されてる事なのだが」

14.細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
「実験ではホスフィンが発生することもある.もっと勉強しろよ」

15.新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
「白リン弾が非人道的であると認めない限り世界に平和はない」

C.Hinayama in mixi


 【質問】
 ちょっと気になってるのだが.
 白燐弾は本当に白燐を撒いているのか確信が持てない.
 純粋な燐ではなく,リン化カルシウムだったら,こっちのほうが空気中でよく反応するんじゃないかと.
 リン化カルシウムなら水をかければ,ホスフィンと酸化カルシウムになるような.

早稲田の論客だった人

 【回答】
 その可能性は確かにありますよ.

 んがしかし,発煙弾であること(反応良すぎて煙が薄いとか,核弾頭並みにケアしないとダメならコスト高杉),毒ガスを発生させることが目的見なされる設計には出来ないことから,その可能性は低いです.
 なんか不純物まじってるとは思いますが.

xotakk

 確証はないです.
 おいらが間違えていたので申し訳ありませんでした(´・ω・`)
 書いた理由が,炭化カルシウムも確か照明弾の用途に使われてた記憶があって.

 文系なので組成式を上手くかけませんが,こんなかんじだと.
(リン化カルシウムと炭化カルシウムの関係)
炭化カルシウム + 五酸化二リン → リン化カルシウム + 二酸化炭素

リン化カルシウム + 水 → ホスフィン(リン化水素) + 水酸化カルシウム

 ちょっと情報を集めてみましたが,やっぱり白リン弾は白リンを使っているようです.
 リン化カルシウムの線は無かったようです.
 最初に出ていたグローバルセュリティのリンク先では,そのまんま白リンって書いてありました.

 ・・・ああ,もしかしたらここで白燐弾は悪魔の兵器! と言ってる連中は,リン化カルシウムでの発生物と間違えてるのかもしれん.

 既出の通り,リンに加水するだけで毒性のガスは発生しませんが,このリン化カルシウムでは水と反応してホスフィン出します.
 これで発生した火災は,水をかけずに砂やバーライト,あるいは空気を遮断するしか消火できないはずです.

早稲田の論客だった人

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
国際化学物質安全性カードICSC <リン (黄) >には,
「火災時に刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する.」と記され,
そのフュームやガスが何であるかは明示的ではありません.

しかし,<有毒ガス>を明示的に記したマニュアルがあることを,
昨日知りました.それは,

イギリスThe Health Protection Agency (HPA),
http://www.hpa.org.uk/
のHazardカードです.
http://www.hpa.org.uk/webc/HPAwebFile/HPAweb_C/1194947326388

そこには,
=================
White Phosphorous Incident management
Key Points
Fire
.
Highly flammable
.
May spontaneously ignite on contact with air. Reacts violently with oxidants, halogens, nitrates and sulphur causing fire and explosion hazard.
空気との接触で自然発火の可能性. 酸化剤,ハロゲン,硝酸塩,および硫黄と激しく反応し,炎と爆発の危険.

Emits toxic fumes of phosphorous oxides and phosphine when heated to decomposition.
加熱され分解すると,リンの酸化物と燐化水素(ホスフィン)の毒性ガスを放ちます.

In the event of a fire involving phosphorous, use coarse water spray and gas-tight protective clothing with self contained breathing apparatus.
リン火災の消火に当たっては,粗い散水放水を用い,とガス完全防護の呼吸装置付防護服装置を着用のこと.
===============
とあります.

わたしがビックリしたのは,白リンが燃えると<ホスフィン>が出るとはっきり書いてあることです.Key Point として要約されるからには,実践,及び実験的な根拠があることだと思います.

国連のガザ駐在部長GING氏が,これに準ずるマニュアルを読んでいたら,消火中に毒性ガスが出ることを懸念しても,当然のことだと思います.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
>燐化水素(ホスフィン)

 何度か話に出た「その他の有害物質」ですね.
 以前指摘した所でもありますし,これの濃度に関しては私も議論に加わるべきでしょう.

 MSDS等の資料を当たっていて,何度かホスフィンの名は上がっていたのですが,発生条件等が明確でない事,ホスフィンをリン化水素(PH3)と取るかホスフィン類有機リン化合物全般と取るかで変わってくる事,等から手を付けていなかった部分です.

 既に指摘されていますが,これがどの程度の濃度発生するかが判らない限り,この物質に関して発言はし辛いです.

 一応,参考にリン化水素(PH3)のMSDSの値を引用すると,(引用元は以前と同じ安全衛生情報センターです)

――――――
8.ばく露防止及び保護措置
ACGIH (2005年版)
  TLV-TWA 0.3ppm
TLV-STEL 1ppm
――――――

 単位が固体のmg/m3と異なり,単純比較出来ませんので,質量/体積濃度に換算し直すと

リン化水素0.3ppmは
気体1[L]中に 0.3×10^-6[L]の,リン化水素が含まれるものと考えられる.
この体積のリン化水素のmol数は
 0.3×10^-6[L] / 22.4[L/mol] ≒ 1.3 ×10^-8[mol]
従って気体1[L]中に含まれるリン化水素の質量は,リン化水素のmol質量34[g/mol]より
 1.3×10^-8[mol] × 34[g/mol] ≒ 4.4×10^-7[g] = 4.4×10^-4[mg]
よって 4.4-10^-4[mg/L]
この質量/体積濃度の単位をを[mg/m3]に直すと
 4.4×10^-1[mg/m3] ≒ 0.4[mg/m3]

 気体と固体粒子という事で,単純比較は出来ませんが,これまでの物と比べて際だった毒性がある,というほどの物でも無さそうに受け取られます.

 …もし計算間違い,考え違いがあれば指摘をお願いいたします(^^;

あだ.

 【追記】
平成18年01月18日
日本難燃剤協会 リン部会
燐化学工業株式会社
開発グループ

1)作業環境のホスフィン濃度
 容易に酸化され,リンのオキソ酸や無機リン酸塩になります.
 一方,工場内は常時換気され,樹脂加工では局所換気装置も設置されています.
 このような環境では,拡散も加わり,作業環境では許容濃度以下になります.

2)ホスフィンの室温付近での許容
 日本科学会編,「科学防災指針集成」,丸善,(1996),p108にはこのように記載されています.

『還元物質であるホスフィンは酸化されやすく,室温で自然発火します.
 濃度が低い場合の参加は炎は伴いません』(注1)

(ここで注1を書いておきますね)
 同文献の記載「室温では安定であるが,約375度でリンと水素との分解が始まる」は,ホスフィンの自然発火点が常温であることから不活性ガス下の状況であると考えられます.(注1はここまで)

 また,世界的に燻蒸材としてもホスフィンの化学物質としての評価が進められており,世界保健機関(WHO)から環境健康クライテリア(1998)も発行されています.

 その文中「4・環境中の移行,分布,変化」 4−1媒体間の分布と移動,4−1−1空気にホスフィンの消失について書かれています

(化学式とかいろいろと略します)

――――――
 最も重要な化学反応は,水とオゾンの反応によって大気中に豊富に存在するNOxラジカルとの反応であり,NOxのような不純物によって促進される

 この反応はホスフィンの濃度に依存し反応速度係数は室温では1.5×10の−11乗cm3/molととても早い.
 HOxがPO3がオゾンリッチ層にたどり着く前におきるので,オゾンとの直接反応は無視できる.

 ホスフィンの最終酸化物はリンとオキソ酸と無機リン酸塩であり,堆積され,表面水や土壌の栄養源となりえる.
――――――

 したがって 室温付近ではホスフィンは酸化され消滅すると考えられます.

以上

うにうに♪

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【珍説】
PH3 計算について

イギリスの健康保健局によれば
Phosphine Incident management
http://www.hpa.org.uk/web/HPAwebFile/HPAweb_C/1194947407962
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Occupational standards
WEL(a)
WEL . Workplace exposure limit; LTEL - Long-term exposure limit; STEL . Short-term exposure limit

STEL(15 min reference period):0.3 ppm (0.42 mg m-3)**
** Health and Safety Commission propose to adopt EC Indicative Occupational Exposure
Limit Value, STEL of 0.28 mg m-3 (0.2 ppm)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ですから,あだ.さんの計算は確かなようです.

ただ White Phosphorous Incident management
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Emits toxic fumes of phosphorous oxides and phosphine when heated to decomposition
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
とあることは見過ごせません.


ホスフィンの危険性評価はなお議論の対象ですが,

「白リン弾からホスフィンが出るはずもない,デマだ」
というのは,謬論であることがハッキリしました.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 今度は「ホスフィン」っすか.

 「HSC Chemistry 5.1」を使って,室温から1500℃までの状態で,どのリンの化学種が安定なのかを計算してみました.
http://www.ddmcorp.com/goods/hsc/hscchem.html

 リンは5.8kgで固定し,酸素と水蒸気量を以下の2つの条件でセット.
1.酸素20%, 水蒸気1% (通常の条件)
2.酸素,水蒸気ともに1.の20分の1(乾燥した還元雰囲気)

 結果の概略は以下の通り.

<1の場合>
・高温場ではP4O10(g).400℃より低温側でほぼ全量がH3PO4に変化.

<2の場合>
・終始,安定な化学種はP4(g).多分,酸素量が少なすぎて反応していない.
・PH3(g)は400℃くらいで極大になり,温度の低下とともに急激に減少.
 存在比は極大値でP4(g)の50分の1くらい.

 …当然といえば当然の結果でした.
 いずれにしろ,ホスフィンは「相当強烈な還元雰囲気」でないと,生成しなさそうです.

kAssy

 まぁ,当然の結果でしょうな.
 そうでもなきゃ,水中で保管するなんて方法とれませんから.
 第三類危険物で唯一,水中に保管する自然発火性物質が黄リンです.
 ちなみに,空気を遮断して高温においておくと赤リンになります.
 まー,ホスフィンができるなんて無理でしょ.
 そうそう簡単に水素化物ができてたまるかっての(笑)

お(´・ω・)ぺ

>PH3について

 再度の確認感謝します.
 毒性を示す濃度に関しては大体の値が掴めましたので,あとはこれがどの程度の濃度含まれるか,という点が問題になってくると考えます.
 これに関しては kAssy さんが,非常に参考になるデータを示して下さっているので,それから考えるのが妥当でしょう.
 間違って水酸化ナトリウム水溶液中にでも落下しない限り,殆ど存在し得ないようですね.

> kAssy さん

 今回も非常に有用なデータを示して頂きありがとうございました.
 ほぼ素人な人間が,無機化学概論のテキスト片手にネットで調べながら文章書いてるんで,非常に助かります.
(といっても9割ネットだし)
 しかし流石にこのレベルの計算は,手計算じゃやってらんないみたいですね(^^;

あだ.

 本当はダイアグラムを見てもらうのが一目瞭然なんですが,ソフトウェア自体が私物ではないので,ご勘弁下さい.

 なお,この手のシミュレーションはパラメータのいじり方や,ソフトウェアのバグなどで,必ずしも正確に現実をなぞれるわけではないのですが,経験や感覚,文献と照らし合わせても「妥当な結果」と判断しました.

 ちなみに,手計算では絶対にやってられません(笑)

 P-H2O系について,電位-pH図も作成してみました.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E4%BD%8D-pH%E5%9B%B3

 PH3(g)の安定領域はORPが相当低い部分にあり,Wiki中のb式,水素の分解反応の下側に存在しました.

 すなわち,「放っておくと独りでに水素が発生する水の中にでもない限り,ホスフィンは生成し得ない」という結果です.

 勝手に分解する水.見たこと無いです.

kAssy

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【珍説】
燃焼中のホスフィンの発生については,672のリンク〔ATSDRをpippo自身が翻訳(超訳?)したもの〕をご参照あれ
文献を否定なさりたいならば,あなたこそ,その論拠をどうぞ.
お待ちしています.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 文献を否定なんぞしていない.
 問題をすり替えるな.
 問題にされてるのは「有害なガスがどの程度の濃度で発生し,それが人体にどの程度の影響を与えるのか」ということだ.

 化学工場で大量のリンが燃焼してるような場合と,発煙弾が市街地で用いられた場合とでは,条件が違うであろうことは他の方がすでに指摘しているだろう?
 シミュレーションソフト使って数字を出してくれてる人もいたよな.

EAST

 ATSDR中の文章では「may」と書いてあるんですが.
 で,私は「極度の還元雰囲気ならば可能性は少々ありそう」と示しましたが.

 >燃焼中のホスフィンの発生

 リンク中の式によると,リン酸の分解によるようですが,
H3PO4 = PH3(g) + 2O2(g) logK < -30
平衡定数が以上に低いので,まず「自然には起こりえない反応です」.

 また,水中のリンからのホスフィンの生成についても,Pourbaix Diagramを作成して,その可能性の異常な低さを示しました.

 これでもまだ,ホスフィンの発生について論じたいのであれば,ATSDRが参考にしたと思われるCottonとWilkinsonの,1次資料からの引用によって検証してください.
(http://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp103.pdf の 196ページです)
 
 というか,ホスフィンを初めとする有毒ガスに拘らなくても,
「リン酸煙幕を生成するはずだった白リンが,燃焼時の酸素供給不足や信管の動作ミスなどの可能性によって,住民に対してより近いところで降りかかっている」
という主張に絞ったほうが,より明快な主張であり,いい検証対象になると思うんですが.

 なお,ATSDRの元となった本を見ましたけど,「燃えてホスフィンが発生する」という記述はありませんでした.
 更には,自分の発言と食い違う記述もありませんでした.

 載っていた生成条件に関する記述は,主に以下の2つ.
1.燐酸の熱分解
2.液性をアルカリ性にし,沸騰させる

kAssy

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【反論】
>これでもまだ,ホスフィンの発生について論じたいのであれば,ATSDRが参考にしたと思われるCottonとWilkinsonの1次資料からの引用によって検証してください.

 私は ATSDRがその研究結果を評価して引用している文章を紹介したのです.
 kAssyさんがそのATSDRの評価に異論があるのなら,ATSDRの眼に止まる形で,あなたの計算の実際を専門論文にして発表なさったらいかがですか.
 学問的な検証はそうした場でどんどんやっていただきたいと思います.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【再反論】
 もしかしたら…と予想していた通りの勘違いをされていたようですね.

 「燃焼」は,「酸素供給下」で起こる「酸化反応」です.
 「熱分解」は「酸素遮断下」で起こる「還元反応」です.
 白リンからの反応に関しては,平たく言えば,完全に逆の反応です.

 私はATSDR及びその周辺の文献に対しての反論はありません.
 あるとすれば,pippoさんの「紹介の際の誤った解釈のしかた」についてです.

 ついでに,原文も紹介しておきます.
 といっても,簡単に借りられた「訳文」のほうですが.

 F. A. Cotton (著), G. Wilkinson(著)中原 勝儼(訳)
 「無機化学(上)(原著第4版)」
 http://www.amazon.co.jp/%E7%84%A1%E6%A9%9F%E5%8C%96%E5%AD%A6%E3%80%88%E4%B8%8A%E3%80%89-F-%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%B3/dp/4563041920 

 <p442 引用開始>
 ホスフィン(phosphine)PH3は,リン化カルシウムあるいはアルミニウムに
 希酸の作用によって,あるいはH3PO3の熱分解によって,
 またあるいは純粋な状態ではPH4IにKOHを作用させることによってたやすく得られる.
 大量にはPH3は,白リンにNaOHを作用させることによって作られるが,
 これはホスフィン酸ナトリウムを作ることにもなる.
 <p442 引用終了>

 …すいません.リン酸(H3PO4)ではなく亜リン酸(H3PO3)でした.
 いずれにしろ,亜リン酸はリン酸より熱的に不安定なのですが.

 なお,熱力学平衡計算については,まず「熱平衡」を理解された上で議論しませんか?
 「出発物質のリン種の成分比」は,計算に必要ありません.
 (最初なので,白リンを5.8kgにしましたが)
 これが平衡時には,設定した化学種が反応しうる全ての化学反応における
 平衡定数に応じて,「出口物質のリン種の成分比」が決定します.

 ちなみに,ATSDRでは条件に応じた可能性を挙げているに過ぎず,私はそれを「定量的に確認するため」に計算を行いました.

 あと,燃焼場で起こりうる還元反応については,「ありうる」に訂正をさせてください.
 後のほうで結構「反応の際の酸素供給不足」の可能性を挙げているので.

 なお,光太郎さんにも申し上げたのですが,
 私は「危険性も安全性も立証する気はない」ので,立証責任を負うつもりはありません.

kAssy

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【珍説】
 結局,シビアな人的被害,人的犠牲が起こるところでは,症例と加害者,被害者=当事者の証言によるしかないでしょう.
 「絶対値としての何か根拠」を要求するのは,無いものねだりに過ぎないでしょう.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 じゃあ,「発煙弾」の「ガス,または粉塵」を吸入した事によって「死傷した」事が,「確定」できる資料をご提示下さい.
 それが出て来ない限り,この議論でアナタの主張の正当性を裏付ける物は,何一つ無いと言えるでしょう.
 勿論,「経皮毒性」「火傷」「火事による二次被害」によらない物で,です.
 当然,「発煙弾」以外での「労働環境」での事故の事例は論外です.

 発煙弾による火傷の写真といわれる物なら,私も資料を調べてる最中に何遍も目にしたんですけどね.
 ガス,粉塵による死傷者のデータには全くあたりませんでしたよ?

あだ.

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【質問】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1)作業環境のホスフィン濃度
容易に酸化されリンのオキソ酸や無機リン酸塩になります.
一方,工場内は常時換気され樹脂加工では局所換気装置も設置されています.
このような環境では,拡散も加わり作業環境では許容濃度以下になります.
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

この部分の正確な引用はこうですね
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1)作業環境のホスフィン濃度
赤燐系難燃剤の樹脂コンパウンド時に発生するホスフィンは,容易に酸化されリンのオキソ酸や無機リン酸塩になります.
一方,工場内は常時換気され樹脂加工では局所換気装置も設置されています.
このような環境では,拡散も加わり作業環境では許容濃度以下になります.
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

つまりこの文章は,
1,白リンではなく赤燐に関すること
2,ホスフィンが発生することは既定の事実としていること
3,常時換気され,局所換気装置も設置されているので,発生したホスフィンのほとんどは作業者に曝露されないようなルートで外部に排出されている事.
4,そのうちのごく一部が作業環境に漏れたとしても,拡散して許容濃度以下になる,

ということを,製造会社として主張している,ということですね.

(なお,そのあとの反応についての説明コピペには,重要な分子名に誤転記がありますので訂正したほうがよろしいかと)

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【回答】
 白燐から出るホスフィンという物質と,赤リンから出るホスフィンが,別物だと思っているとか,そういうことを言っているんじゃないよね???

>3,常時換気され,局所換気装置も設置されているので,
>発生したホスフィンのほとんどは
>作業者に曝露されないようなルートで外部に排出されている事.

 作業者に暴露されていない状況とは一言も書いておりませんよ?

 それと,世界保健機関(WHO)から環境健康クライテリア(1998)も発行されています.
 その文中「4・環境中の移行,分布,変化」 4−1媒体間の分布と移動,4−1−1空気にホスフィンの消失について書かれています.

――――――
(化学式とかいろいろと略します)

 最も重要な科学反応は,水とオゾンの反応によって大気中に豊富に存在するNOxラジカルとの反応であり,NOxのような不純物によって促進される.

 この反応はホスフィンの濃度に依存し,反応速度係数は室温では1.5×10の−11乗cm3/molととても早い.
 HOxがPO3がオゾンリッチ層にたどり着く前におきるので,オゾンとの直接反応は無視できる.

 ホスフィンの最終酸化物は,リンとオキソ酸と無機リン酸塩であり,堆積され,表面水や土壌の栄養源となりえる.
――――――

 したがって,室温付近ではホスフィンは酸化され,消滅すると考えられます.
 「常温では消滅される」という記述については無視ですか???

 あとさぁ,

>この部分の正確な引用はこうですね

ものすご〜〜く得意げに書き込みしているんだけど,わざと所々抜かしてこういう風に言ってくるだろうなあ♪って遊ばれているのに,気づいていないのもどうかと思うよ.

『赤燐系難燃剤の樹脂コンパウンド時に発生するホスフィンは』

 この部分を抜かせば必ず

『1,白リンではなく赤燐に関すること 』

こういってくるとわかっているし.

 そうすればたぶんPという人は,白燐から出るホスフィンという物質と赤リンから出るホスフィンが,別物だと思っているとかそういうことを言っていると思うし.

 そこを突いてやったら,どう答えるのかが見ものだし.

 それよりも楽しいのは,企業の報告書のコピペをしたら,見事に
『ということを,製造会社として主張している,ということですね』
といっているのが,最高に楽しくて笑えちゃうんですけど♪

 『リンというものは何か?』ということを知らない方だと思うので,そこから話すのがめんどくさいから遊んでいるっていうのが本音なんですけど.

>(なお,そのあとの反応についての説明コピペには,重要な分子名に誤転記がありますので訂正したほうがよろしいかと)

 そっちよりもっと別なところを変えてるんですけど,そっちのほうの突っ込みはしないの?
 それとも気づいていないの?

PIPPOさんのコメントの
>4年前の米軍によるイラクのファルージャ虐殺直後は白燐弾の実体が不明でしたが,(以下略)

 白リン弾ってそんなに最近になるまで,実態がわからないものだったっけ???

うにうに♪

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
>白燐弾から発生するガスによって人間を充分に殺傷出来るのか

そんなこと私は一度も主張してませんよ.

白リン弾は,その人体焼夷効果によって<化学兵器>としての疑いはもたれても,致死性のガスを発生する<毒ガス兵器>ではないようです.これは私の最初からの認識です.私は,消防活動の妨げになる有毒ガスが発生することは確かだ,といってるだけです.

<安全>か<致死>か,そんな○×式の二者択一ではありません.白リン弾の発生ガスについては,その中間の問題なのです.

私は,白リン弾の<人体焼夷性>という本質から目をそらす,或る人物の策略に乗ってしまっただけなのかもしれません.でも,その策略のノウハウやルーチンが分かっただけでも,かなりの収穫だと思っています.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
>そんなこと私は一度も主張してませんよ.

 それが「発生するガスの毒性が〜」とか「有毒なガスによって肺水腫が〜」とか,散々書き込んだ人が書く台詞ですか.

>白リン弾は,その人体焼夷効果によって<化学兵器>としての疑いはもたれても

 焼夷効果による兵器でしたらナパームです.
 化学兵器では在りません.

>致死性のガスを発生する<毒ガス兵器>ではないようです.

 毒ガスだからって,致死性とは限りませんが.
 逆に,致死量の無い物質なんて存在しないとも言えますが.

>消防活動の妨げになる有毒ガスが発生することは確かだ,といってるだけです.

「(程度の差はあれ)有毒ガスによって傷つけることによって消火活動を妨げる」
ということではないのですか?

>私は,消防活動の妨げになる有毒ガスが発生することは確かだ,といってるだけです.

 では,その消火活動を妨げる有毒ガスとは何ですか?
 是非,化学式と,発生するにいたる化学反応式,および白燐弾によってどの程度の量が生成され,どの程度の空間に充満,或いは拡散するのかご教授願えますか?
 特異点が発生するならば,その特異点の発生条件,確率,および特異点での有毒気体の濃度などもよろしくお願いしたく思います.

><安全>か<致死>か,そんな○×式の二者択一ではありません.
>白リン弾の発生ガスについては,その中間の問題なのです.

「(兵器に)全く安全なんて事は無い」(防具や地雷処理装置,レーション等の例外はともかく)
というのは,このトピックで私を含め,沢山の人間が合意するところではないのですか?
 そもそも,白燐からの発生ガスが全くの無害だなんて,ここでは私を含め誰も主張していないように思いますが.
 ただ,その「害」の程度で議論になったのでは?
 っつーか,いつ誰が二者択一になんてしやがったのか教えて欲しいくらいです.

>私は,白リン弾の<人体焼夷性>という本質から目をそらす,
>或る人物の策略に乗ってしまっただけなのかもしれません.
>でも,その策略のノウハウやルーチンが分かっただけでも,かなりの収穫だと思っています.

 また随分陰謀論めいてますねえ.
 本質は,「民間人の被害が最小になるよう運用されているのか」ってことじゃないんですか?
 大体「人体焼夷性」って何ですか?

戸国梨

>白リン弾は,その人体焼夷効果によって<化学兵器>としての疑いはもたれても,
>致死性のガスを発生する<毒ガス兵器>ではないようです.

 ほすふぃんがはっせいする!!111!!

 つって,大騒ぎしてたのは誰?

 ホスフィンは致死性のガスなんだけど.

ゆきかぜまる

 世界保健機関(WHO)から環境健康クライテリア(1998)も発行されています.
 その文中「4・環境中の移行,分布,変化」  4−1媒体間の分布と移動,4−1−1空気にホスフィンの消失について書かれています .

――――――
(化学式とかいろいろと略します)

 最も重要な科学反応は,水とオゾンの反応によって大気中に豊富に存在する,NOxラジカルとの反応であり, NOxのような不純物によって促進される

 この反応はホスフィンの濃度に依存し,反応速度係数は室温では1.5×10の−11乗cm3/molと,とても早い.
 HOxがPO3がオゾンリッチ層にたどり着く前におきるので,オゾンとの直接反応は無視できる.

 ホスフィンの最終酸化物はリンとオキソ酸と無機リン酸塩であり,堆積され,表面水や土壌の栄養源となりえる.
――――――

 したがって室温付近では,ホスフィンは酸化され,消滅すると考えられます.

 このWHOの報告に関しては無視なの?

>私は,白リン弾の<人体焼夷性>という本質から目をそらす,(以下略)

 焼夷性もまったくないよ.
 白リンの反応について皆さんもたくさん述べているけど,反応するときには反応熱って言うものが出てくる.
 その反応熱で(やけど)くらいはするけど,焼夷弾のように対象物を燃やす効果はなし.
 とくに人体が燃えるほど反応熱が起きないし.

 それとPIPPOさんのコメントの

>4年前の米軍によるイラクのファルージャ虐殺直後は白燐弾の実体が不明でしたが,(以下略)

923 シオン様の答え
>第一次世界大戦前から使われ続ける由緒ある兵器なんですがねぇ…
>何なのかわからんものを100年近くも使い続けるとか,どう考えても無いでしょう

 これについてはちゃんと理解はできたの?

うにうに♪

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


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