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◆◆◆◆五酸化二燐
<◆◆◆白燐の化学的性質
<◆◆白燐弾
<◆総記 目次
兵器FAQ目次

五酸化二燐

(こちらより引用)


 【珍説】
 リンに水をかけただけでは有毒のホスフィン(リン化水素:PH3)は生じないから,水をかけても大丈夫だ
という「通説」は崩れたのです.

 ホスフィンではなく,五酸化二リン自身が,水をかけると化学的危険性をもっていたのです.
(酸素が乏しい中では,リンと水が反応してホスフィンが生まれるそうですが,ここでは議論から除外しておきます)

 以上の結論として,ギング氏の言,
Mr. Ging told CNN the fire was very difficult to extinguish because the smoke from WP becomes toxic if water is used
は正しいと結論付けることができます.
 充分な常識をもって語ったといえます.

 つまり,燃焼物リンの周りを囲む発生したての五酸化二リンが,水と反応して広く拡散して消火作業者を襲うからです.
 消火作業者の位置では,煙がその拡散によって有毒なものに変わるのです.

pippo

 【事実】
 はいpippo君,自爆.

 白リンが燃えたときに発生する煙である五酸化二燐は,既に水に反応しているから煙と化しているんだけど.
 あれはね,あの煙は既に反応した後の話なんだが.

 まず白リンは燃焼して,リン酸化物(五酸化二リン)を生成する.
 この粒子は空気中の水分を取り込み,爆発的に反応,瞬時に濃密な白色の煙を発生させる.
 これが白リン煙幕弾の煙幕生成過程.

 ようするにpippoが紹介した,「火災時に刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する」とは,既にこの状態の事を指している.

 既に水を得て反応しているものに,更に水を掛けて何か新たな反応が得られるとでも思ってるのか?
 ギング部長の勘違いというかなんというか・・・

 そしてこの「有毒なフューム」とやらの毒性は次のとおり.

GlobalSecurity.org:White Phosphorus (WP)
http://www.globalsecurity.org/military/systems/munitions/wp.htm
>Casualties from WP smoke have not occurred in combat operations.
>「WP(白燐)煙からの死傷者は戦闘で生じていません.」

>There are no reported deaths resulting from exposure to phosphorus smokes.
>「白燐煙に晒された状態が原因だと報告された死亡例はありません.」

>Generally, treatment of WP smoke irritation is unnecessary. Spontaneous recovery is rapid.
>「一般に,WP(白燐)煙焦燥の治療は不必要です.自発的回復は迅速です.」

週報 第336号(昭和18年3月24日号):週報でみる戦時生活

>黄燐焼夷弾の白煙は10分くらい吸っても無害とのことで,防毒面は附けずに消火活動を行うとのこと.

 追記.

 えーっと,思わぬところから援護射撃が来ていましたよ.
 私のところ〔週刊オブイェクト〕のコメント欄からですが.

------
 模型ブロガーさんが珍しくオブイェクトの記事に同調したよ.

>燃えている黄燐に水をかけると燃えている油に水をかけたときみたいに飛び散る - 模型とキャラ弁の日記
http://d.hatena.ne.jp/D_Amon/20090123/p1

 流石にスコープドッグみたいな馬鹿はてな左翼と一緒にされたくは無いみたいだ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年01月24日 23:26:38
------

 水を掛けたら猛毒ガスが発生するというギングの主張は,間違っているって事を書かれていますね.

JSF

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【珍説】
 昭和18年の「週報」の焼夷弾対策記事ですが,〔略〕おそらく戦局は,まともな安全対策を許さなくなっていたのでしょう.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 B-29爆撃機による初空襲は1944年6月からだ.
 この週報ではまだ戦略爆撃は始まっても無ェよ.

週報 第336号(昭和18年3月24日号):週報でみる戦時生活
http://www.geocities.jp/aobamil/kanchousitu/shuuhou/336.html

JSF

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
五酸化ニリン(十酸化四リン)が激しく水と反応してできる物質は,みなさんの知識と同じです.リン酸です.

P4O10 + 6H2O → 4H3PO4 (現実には燐酸の分子タイプはいろいろある)

このとき強く発熱するとのことです.
 どなかたが濃硫酸とどうよと言われましたが,性質としては同じことです.
 安全指針にもありましたように,安全上は,五酸化ニリンのあるところ,水は厳禁なのです.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 まだ分かってないんだ.

 白リンの燃焼で発生する煙は,ある程度の熱を帯びている.
 これにより対赤外線妨害能力がある程度,発揮できる.

 そしてその効果は君の言う,「強く発熱する」という作用が関係している.
 ただし熱の伝わり方の関係から,白煙(フューム)の保有する熱は大したことが無く,煙そのものはそれほど危険ではない.
 既に述べているが,あの煙は大気中の水分と反応した結果でもある.
 再度説明しよう.
 あの煙は既に大気中の水分と反応した結果だ.

 よく考えるといい.
 もし水で危険なほど強く発熱するなら,白燐弾を雨の中使ったら大変な事になるが,第二次大戦時の記録を見れば,幾らでも雨の中での使用例がある.
 しかも味方歩兵の突撃前にね.

JSF

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 きみ〔=JSF〕は,きのうから,五酸化二リンの話をスルーしたくてたまらないようだが,五酸化二リンの危険性は,発熱を伴う激しい吸水性,炎の中で小爆発も怖いがそれより,激しい<水との反応性=吸水性>だ.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 何か勘違いしているようだが,お前の出してきた資料は全て3年前のファルージャ騒動の時に全て目を通しているよ.

 では五酸化二リンの特性を簡単に解説しよう.

 まず五酸化二リンとは常温で固体で,粉末状のものは最強クラスの乾燥剤として用いられる.
 乾燥剤を水にぶち込んではいけないのは常識だ,
 急速に反応して手が付けられなくなる・・・
 で,この時に白煙が発生する.
 まずこの白煙が何か,理解する事だ.

 一方,白リン火災で生じた五酸化二リンは既に気体であり,空気中の水分と容易に反応し,白い煙を発生する.
 この白リンについても正体は何か理解する事だ.

 分かるかな?
 この白煙は同じ物なの.
 だから「燃えている白リンに水を掛けたらガスが出る」って,そんなの意味の無い主張なんだよ.
 水を掛けなくても同じガスは発生している.
 掛けても発生する.
 でも水を掛けたらその直後に燃焼は止まって,ガスの発生も止まる.
 だったら水を掛けて消火したらよい.
 ただし液状化した白リンを飛び散らさないように,霧状の水を使ってね.

 この説明で,良い子なら理解できると思うんだが,どうだろうか?

JSF

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 白リンが人体につくと,<リン>が皮膚を焼き,燃焼で生じる<五酸化二リン>が水分を奪って腐食する.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 固体状の五酸化二リンと接触すれば,それだけの作用は起きるだろう.
 だが煙状の五酸化二リンは,既に大気中の水分を取り込んでいて,人体表面の水分を失わせる力に掛けている.
 濃度も煙状ならば当然,固形状よりも段違いに薄い.

 まだ分からないかな.
 白リン火災で生じる煙に捲かれて失明した人は未だ居ない事に.
 眼球は露出した人体では最も水分が多く,粘膜が露出しており,水分を失ったらお終いなのに.この事がおかしいと気付かなかったのかな?

 もし失明したとしたら,白リンの直撃を受けた場合だけなのだよ.

 それと,白リン燃焼で生じる五酸化二リン煙は最低危険レベル0.02mg/m3
 少なくとも「強い毒性のガス」というレベルじゃないんだけどね.

JSF

 五酸化ニ燐が少量でも危険なものであったら,最も出回ってる消火器(ABC粉末,主成分は燐酸アンモニウム,NH4H2PO4)は屋内の火事に使えませんよ.
 屋内で約0.7sの燐酸アンモニウムの発する五酸化燐と,屋外で白燐の燃え残りから出る五酸化燐,どちらのほうが人に影響を与えるのでしょうか.

ヂョウカァ

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 んで,はるかに発生する率が高い五酸化二リンの有害性は無視と.(笑

光太郎
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 ?
 誰が無視しているんですか?
 それこそ「蓋然性」の問題というやつで,光太郎氏が言うケースというのがどのような条件(状況,濃度,密度etc)で起こるのか全く説明がなく,一方で
「非常に稀なケースとしてなら起こりうるかもね」
という説明は多々あったわけです.
 特殊でかつ稀にしか発生しない例について
「蓋然性がある」
といわれてもな……という話なわけですよ.
 んで,なんで「非人道的使用」の定義に答えてくれないん?
 自分で持ち出した言葉なのに.

葉月@御剣財閥

>んで,はるかに発生する率が高い五酸化二リンの有害性は無視と.(笑

 俺,これで三回は書いたよな,「そうだね有害物質だね」,で?
 濃度が危険な領域にならない限り問題無いって,何度も書いたぞ.
 お前ね,車を使用して事故が起きる確率が1%でも有ったら規制しろって喚くのか?

地方妖怪PGERA

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 僕は「発生」って書いてるのにね.何でいきなり「条件」とかなるわけ?
 「白燐弾が打ち込まれ,白リンが反応する」が発生条件でしょ?
 んで,誰も否定できない.
 蓋然性もヘッタクレもないのよ.わかる?

光太郎
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【回答】
 発生した瞬間に人が死ぬの?
 違うでしょ.
 それがあること自体が問題だ,となるのであれば,酸素も二酸化炭素も全部有害ですね,としか言えないよ.
 「それが有害性を発揮する条件」というものの説明が必要でしょう.
 それこそ「蓋然性」の問題というやつで,光太郎氏が言うケースというのがどのような条件(状況,濃度,密度etc)で起こるのか全く説明がなく,一方で
「非常に稀なケースとしてなら起こりうるかもね」
という説明は多々あったわけです.
 特殊でかつ稀にしか発生しない例について「蓋然性がある」といわれてもな……という話なわけですよ.

 んで,なんで「非人道的使用」の定義に答えてくれないん?
 自分で持ち出した言葉なのに.

葉月@御剣財閥

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【質問】
>五酸化二リンのフュームの毒性は急性吸入による最低危険レベルが0.02mg/m3.
>評価レベルは通常の家屋火災で発生する煙と同程度.

〔略〕
 「評価レベルは通常の家屋火災で発生する煙と同程度.」の根拠は何でしょうか?
 元の資料を教えてください.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【回答】
 おんなじ,Wikipediaから出してるじゃねーか?

――――――
「Wikipedia」:White phosphorus (weapon)

The Agency for Toxic Substances and Disease Registry has set an acute inhalation Minimum Risk Level (MRL) for white phosphorus smoke of 0.02 mg/m3, the same as fuel oil fumes. By contrast, the chemical weapon mustard gas is 30 times more potent: 0.0007 mg/m3 [40].
――――――

> 「木や綿のような水分を含む物質と激しく反応して,」
> 「深刻な火傷を引き起こす可能性あり.」

 で,危険な濃度は, 0.02 mg/m3以上,追記が"the same as fuel oil fumes.".
 で,マスタードガスと比べて,30倍程度,と書いてあるな.

ゆきかぜまる

 更に言っておく.
 この場で問題にしているのは,白燐弾が反応した後に生じる物質についての話であり,化学的に純粋な五酸化二リンの話ではない.

JSF

http://globalsecurity.org/military/systems/munitions/wp.htm
>There are no reported deaths resulting from exposure to phosphorus smokes.

 この一文に全てが集約されてるんだがなぁ.
 大体,白燐弾を狭い室内に放り込むわけじゃないんだから,煙も当然拡散されてしまう.

 結果として毒性はほぼ無くなってしまうため,総合火力演習で発煙弾の射出を目の前で見た私も,こうしてピンピンしてるわけですが.

EAST

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【質問】
白リンが炎を上げているのと五酸化二リン生成は無関係として,で,五酸化二リンって無害なんですか?

6キロ弱の白燐から,どの程度発生し,どの程度の時間で完全に無害化するんでしょうね?
その間,暴露された人間に害があり得ないと言えるんでしょうか?

いやいや,もちろん白燐弾は「煙幕」が主目的ですよ.「焼夷弾」としても「化学兵器」としても規制はされてません.
しかしそれが「一般人が多数いる市街地の,建築物が密集している地域」で使用され,果たして安全と言い切れるものでしょうかね?

ええ,ええ,「理想的な状況下で理想的に展開すれば」という,非現実的で確率的にもありえない状況下では無害であるというのは理解しました.

しかし,ガザはシュミレーション中の架空の空間ではなく,そこには様々な「イレギュラー」が存在してませんか?

そして,そのイレギュラーの結果,現実に罪も無い多くの人が被害にあっているんですが,それは無視してシュミレーション「だけが正しい」と言い張るんですか?

光太郎
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【回答】
 シュミレーションじゃなくて,シミュレーションね.

ゆきかぜまる

 シュミレーションはしてないと思うよ 皆さんのコメントは...
 ちゃんと化学式つくってみ???

 現実にどのように反応してどうなるからこうなるのかっていう,明確な答えがあるから皆さんが話していると思うよ.

 その写真を見ても,Pさんとかあなたの言っていることが変だってわかっているから,それで言っているみたいだし.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 五酸化二リン
 白リンが酸化すると生じる.乾燥剤としてごく普通に使用されている物質である.

 急性吸入による最低危険レベルは0.02mg/m3とされ,これは燃料石油のガスと同じ程度である.
 ある程度の濃度であれば眼や鼻を刺激する.
 濃度の高いものを浴びると酷い咳に見舞われる可能性があるが,戦場での(開けた場所での)発煙弾としての使用における濃度では,事実上無害である.
 発煙弾の発生させる五酸化二リンへの暴露のみが原因の兵士の死亡例は,今だ報告されていない.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 普通に乾燥剤の原料に使われているんだから,低い濃度なら普通にあるでしょ.
 低い濃度でも人的被害があるならもう世界中の人が中毒起こしてるね.
 人的被害の起きる濃度は急性吸入によるもので,最低危険レベルは0.02mg/m3燃料石油のガスと同じ程度
 部屋を密封にしてガスをずっと吸ってガス中毒する自殺者がいるけど,あの写真でそこまでの濃度になりえる?
 また,FRCJリン部会って言うのがあるんだけど,そこでも密室で管理をせず,換気をすることってなってるよ.
 劇薬なら普通に風通しのよくなるように換気をして,外に出すって言うことは厳禁なはずなのに,リン部会も問題なく「換気して外に出して空調管理をしなさい」ってなってるよ.
――――――
(1)赤リン系難燃剤の毒性
 赤リン系難燃剤は,無毒であり,発ガン性に関する報告もない.
 赤リン系難燃剤の主成分(85%以上)は赤リンであり,
 赤リンの毒性は,急性経口毒性LD50(マウット)20,000mg/Kg以上1)であり,表12)から無毒である.
――――――
 さらに,あなたの好きな米国連邦労働安全衛生局の報告書♪
――――――
 また,OSHA(米国連邦労働安全衛生局),NTP(発ガン物質についてのレポート),IARC(国際ガン研究機関)への発ガン性に関する報告もない.
 赤リン系難燃剤のほかの構成物は,水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウム,フェノール樹脂等であり,これらについても毒性は低く,また量的にも少ない事から赤リンの毒性データに影響はないと考える.

1.作業環境
 赤リン系難燃剤は,高温・多湿雰囲気では,微量のホスフィンガスが発生する.
 しかし,局所排気を設置すれば,作業環境ではホスフィンガスは殆ど検知されなくなり許容濃度以下となる.
 市販の赤リン系難燃剤は,赤リンに無機被覆及び樹脂被覆する事により,加熱時(押出加工時)のホスフィンガス発生量を抑制しているが,加熱よる微量のホスフィンガスの発生は避けられない.

しかし,局所排気の設置により,赤リン系難燃剤樹脂組成物製造の作業環境におけるホスフィンガス濃度は許容濃度以下となる.
――――――
 要するに密室じゃなく,外に風を流せば問題なし.
――――――
2.難燃化製品の使用環境への影響
 閉鎖環境下で赤リン系難燃剤含有樹脂組成物が使用されても,下記の概算からホスフィンガスの人体ヘの影響は,ほぼないものと考える.
 室温50℃の室内(6畳)で,赤リン系難燃剤を含んだPA樹脂組成物が10Kg存在したと仮定すると,室内のホスフィンガス濃度は0.0007ppmとなり,許容濃度の1/400となる
――――――
>6畳の部屋に50度 10キロの赤リン難燃剤を置いておいても0.0007ppm
>許容値の400分の1
で問題なし.
――――――
 ホスフィンガスの毒性はCOガスの毒性と比較して著しく少なく,ホスフィンガスによる毒性を考慮する必要が低いと考える.
――――――
 一酸化炭素中毒のほうがホルフィンガスより強い,
 まあ車でホルフィンガスを作るより,七輪を炊いて一酸化炭素中毒になるほうが,「さようなぁ...」になる確率が非常に高い.
――――――
 大気中にホスフィンガスが微量放出されるが,徐々に酸化されて,安全性の高いリンの酸化物になる.
 赤リン系難燃剤配合樹脂組成物を廃棄しても環境への影響は極めて少ないと考える.
――――――
 要するにホルフィンガスが発生しても,ほうっておけば空気中で薄まっていく.
 もともと致死量まで行かないのが,さらに薄くなるんだから,致死量にはなることはない.

参考文献
1)「合成樹脂」Vol.38,No.7,123(1991)
2)半導体ガス安全化総覧(サイエンスホーラム社出版)
3)消防研究所報告 第80号,第81号(1996)
りん協会

うにうに♪

 7kgのリンは225.8モル.(P 1モル=31g)
 全てがP2O5になったとして,その全てをH3PO4とするために必要なH2Oの量は4倍の903.2モル.
 H2Oの分子量は18,で必要量は16258ml.
 問題はガザの湿気ですが,googleで「ガザ 湿度」と打ち込むと,ガザの天気予報が出てきます.
 で,一番空気中の水分が少ない真夜中に打ち込んだとして,6度,80%の予報.
 その状況下では5.8ml/立米の水が水蒸気として存在しています.
 必要な空気の量は・・・16258/5.8≒2800立米.30×35×3メートルくらい.
 爆発からの散布円錐考えたら,お釣りが十分来るレベルですね.
 P2O5は空気中の水分と「速やかに」反応しますので(だからこそ乾燥剤として使えるわけですが),子弾が燃え残って発生した直後以外の,上空でできた部分は,ほぼ全てがあっという間にリン酸になって終了ですな.

Dr_whitebear

 だから,焼夷兵器でも化学兵器でもない「発煙弾」だから,規制には引っかかりません,でFA.
 つまり法的に問題はない.

 人道云々いうんなら,イスラエルの攻撃自体を問題にすれば済む話で,一々発煙弾である白燐弾(しかも規制したところで,代替品があるので痛くもかゆくもない)に拘る必要がどこにあるんだ?

 イレギュラーが存在して,それによって被害者がでているというのなら,それをソース付きで示してくれ.
 誰も五酸化二燐自体が安全だとは主張していない.
 実際に人体に影響を及ぼす濃度で発生しているのかが問題にされているだけだ.
 リン酸だってそうだろうよ.

EAST

>そして,そのイレギュラーの結果,現実に罪も無い多くの人が被害にあっているんですが,
>それは無視してシュミレーション「だけが正しい」と言い張るんですか?

 なぁ,それ,白燐弾の問題じゃなくて,市街戦の問題点じゃね?
 市街地で武器使ったら,そりゃ民間人が犠牲になるだろ?
 つまり問題視すべきなのは,イスラエルの攻撃そのものだろ?
 まぁ俺は,ガザ地区に潜伏するハマスもあれだと思うがね.

地方妖怪PGERA

 はじめまして.
 おそらくシミュレーション云々を言い出したのは私なので,回答したいと思います.

 まず,煙幕の平均濃度を計算したのは白リン弾が通常の目的で使用された際の,煙幕のおおよその’濃度の桁’を濃い目に概算するためだけに行ったものです.
 (弾数,炸裂高度,及び反応進行度などによっていくらでも変化します)
 「概算」です.
 
 そもそも煙幕濃度について「濃い」「薄い」という話が飛び交っていたので,「じゃあどれくらいの濃度なんだろう」と,気になったのが始まりです.

 あくまで概算であり,現実を正確にシミュレートできるとは微塵も思っておらず,
(燃焼場のシミュレーションを専門にしている方々に対して大変失礼な話になります)
市街地に使用した際に,滞留等による煙幕の濃化も充分に考えられる事態なのですが,その際は「平均濃度に対して何倍にもなるから危険だ!」とか主張する際の,「基準値」として使っていただくには充分かな,と考えています.

 しかし,ホスフィンに関しては「定量的に,ほとんど発生しません」.
 これは自分で行った熱力学平衡計算,及び文献と照らし合わせての結論です.

 ホスフィンが生成するには大気中にしろ水中にしろ,過度の「還元雰囲気」であることが必要なのですが,提示していただいた写真のように「リンが激しく燃焼している」環境では,酸化は起これど,還元はほとんど起こりません.

 繰り返しになりますが(そしてご存知かとは思うのですが),リン酸煙幕の生成過程は以下の2つの式で表されます.
 1.P4 + 5O2 = P4O10 (白リンの燃焼過程)
 2.P4O10 + 6H2O = 4H3PO4 (リン酸煙幕の生成過程)

 先ほどの概算ではこの2つの反応が「完全に進行すると仮定」しましたが,実際には写真を見る通り,反応が完全に進行する前に,市街地に降り注いでいるかと推測しています.
(おそらくは,燃焼過程での酸素供給不足による反応の阻害かと思いますが)

 なので,ホスフィンを含めたガス云々がというよりは,反応が完全に進行しなかったことによる白リンによる化学火傷に,焦点を絞って立証を進めたほうが,「ありうるし,やりやすい」のではないでしょうか?

 そもそも,反応性の高い物質を使用した兵器なので,「安全!」なわけはないと思うのですが,
(別に私も危険性や安全性を証明したいわけではないです)
危険だと仰る方には,現場の写真と合わせて

 1.どれくらいの割合の子弾が「煙幕生成」ではなく,「焼夷弾」になってしまったのか?
(煙幕も生成しているので,割合は必ず0と1の間ですが,比率が気になります)

 2.それが意図的に行われたか否か?
(Wikipediaによると,意図的だと証言しているアメリカ兵もいるようですが)

 ガスの毒性も,というのであれば,以上に付け足して

 3.風などの駆動力によって,ガス種がどれくらいの濃度になりうるのか?

あたりを付け加えると,ただの文献の引用よりは説得力を持つだろうと思います.

 最後に繰り返しますが,私は安全性や危険性を「立証」したいわけではありません.
(確かに計算値から「毒性は低そうだな」という「感想」は抱きましたが,それを立証するに足りるデータも持ち合わせていないので).

 もし危険だと立証するための「定量的な」データがあったら見せていただきたいですし,「条件」だけでもわかれば,計算のお手伝いは出来るかもしれません.

kAssy

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【質問】
「ガザ 湿度」で検索しました.
2月3日ですが8時77% 11時58% 14時50% 17時64% 20時76%
23時84% でした.

>一番空気中の水分が少ない真夜中に打ち込んだとして,6度,80%の予報.

何月の何日なんでしょうね?その日から2月3日の間にガザでは昼夜の湿度分布が逆転してますが,何があったんでしょうか?

光太郎
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【回答】
>6度,80%

 2月3日,2時の予報データです.
 今はもう見られませんが,4日の予報が5時で7度73%とありますから,まぁこんなもん,と思っていただければ.

>昼夜の湿度分布が逆転

 当たり前すぎて説明不要かと思いましたが・・・
 「気温 湿度 水分量」でググって下さい.
 まさかとは思いますが,真夜中の気温6度,湿度80%よりも昼間の25度,44%(4日14時の予報)の方が,湿度が低いから空気中の水分は少ない,とか言い出すんじゃないでしょうね?

Dr_whitebear

・湿度を提示する際に気温を一緒に引用しない
・「湿度が逆転している」という謎ワード

 以上から,光太郎は,
「飽和水蒸気量は気温に比例する」
という中学生の理科をご存じない可能性が.

zen

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 へ〜,指摘されると変える程度の数値なんですね〜.
 んで,なぜ検索語句が変わるんです?
 そしてなぜ,昼間の湿度の低い数値を使わず,夜の湿度の高い数値を使うんでしょう?
 まるで「ガザは湿度が高く,充分な水分量がある」と印象操作しているようですよね?

光太郎
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【回答】
>指摘されると変える程度の数値

 日付が違えば条件が変わるのは,そりゃ当然の話.
 「昨日の天気予報ではこうなっていた」って話しても無意味でしょう?
 だから再現性のあるHP上の数字を持ってきなおしただけの話・・・
 ってか結局,水分量はほとんど変わりませんがね.

>なぜ検索語句が変わるんです?

 精一杯のヒントのつもりでしたが・・・無駄だったみたいですね.

 〔略〕

>まるで「ガザは湿度が高く,充分な水分量がある」と印象操作

 印象操作というよりは,事実として「一番水分量が少ない時間帯でも」,十分な水分量があると推定される訳です.

Dr_whitebear

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 「wikipedia:Phosphorus pentoxide五酸化二リン」には以下の記述があります.

――――――
Hazards
Non-flammable. Reacts vigorously with water and water-containing substances like wood or cotton, liberates much heat and may even cause fire. Corrosive to metal. Very irritating. May cause severe burn to eye, skin, mucosa and respiratory tract even at as low as 1mg/cm3.

危険性
不燃性.活発に水や,木や綿のような水分を含む物質と激しく反応して,多くの熱を解放して,火災を引き起こす可能性.金属を腐食する.強い刺激性.眼,皮膚,粘膜,および気道を1立法センチメートル当たり1mg以下の濃度でも深刻な火傷を引き起こす可能性あり.
――――――

との記述があり,ここでは 1mg/cm3=0,001mg/m3 です.

pippo
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
>気道を1立法センチメートル当たり1mg以下の濃度でも深刻な火傷を引き起こす可能性あり.

 それ,明らかにWikipedeaが単位を間違えているね.

>との記述があり,ここでは 1mg/cm3=0,001mg/m3 です.

 それ,明らかにお前さんが単位換算を間違えているね.
 動かす桁数もそうだけど,もっと根本的な部分で間違えてるよ.

 「1立法センチメートル当たり1mg以下の濃度」って書かれているのが見えないのかな?
 『濃度』を同じにしないといけないんだよ?

 だから比較体積が1立法センチメートルから1立法メートルになったら,体積は100×100×100=1000000で100万倍になるので,重量も同様に100万倍する.

100万mg=1000g=1kg.

 つまり,

1mg/cm3=1kg/m3.

 これが「同じ濃度」となる.
 もはや,ウィキペディアの記述自体がおかしい事に気付く筈だが.一見して異常な数値だと気付かないといけない筈.

 あと,お前さんは「濃度」の意味自体を理解してないよね.
 分母が増えたら分子も増やさないと,同じ濃度での換算にはならないのに,なんでお前は減らしてるんだ?
 動かしている桁数も間違ってるよね.

JSF

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分



 【珍説】
1mg/cm3=0,001mg/m3だなんて書いて,私はホントにお馬鹿ですね.

1mg/cm3=0,000001mg/m3 でした.

pippo
(ゆとり教育対策上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 また間違ってるね.

 まずは根本的な間違いから説明するね.

 立法センチメートルや立法メートルは分母なんだ.
 だから分母を増やしたら分子も増やさないといけないのに,何故か君は減らしてしまっているんだよ.
 それでは同じにならないんだ.
 つまり君は逆の間違いをしているんだよ.

 次に単位換算の間違いを説明しよう.

 1センチメートルが100個集まって1メートルになる事は知っているね?
 そして面積の場合,1平方センチメートルが10000個集まったのが1平方メートルなんだ.
 100×100だから1万個ある.この同じ数を2回掛ける事を「2乗」と言います.テストに出るから覚えおこうね.

 では本命の体積の話.
 この場合は縦×横×高さを掛ける事になる.
 だから1立方センチメートルを100×100×100の1000000個集めたのが,1立方メートルなんだ.
 100万個あるんだよ.
 3回掛けるからこれを「3乗」と言います.

 pippo君の間違いは,掛け算でなく割り算をしている時点で逆方向に間違っていているんだけど,単位の換算も1回目は1000で割って,2回目は10万で割っている.
 割っている事自体がおかしい上に,計算の桁も間違っている.

JSF

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 英語版wikipediaによれば,五酸化二リン煙は「気道を1立法センチメートル当たり1mg以下の濃度でも,深刻な火傷を引き起こす可能性あり」とのことですが?

 【回答】
 それは純粋な五酸化二リンの反応の話.
 空気中の水分と反応して燐酸が混合されている燃焼煙と一緒ではない.

 そもそも,比較の基準が違うんで,話になっていない.

 国際化学物質安全性カード
http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0062c.html
より.

――――――
五酸化リン
PHOSPHORUS PENTOXIDE
Diphosphorus pentoxide
Phosphoric anhydride
Phosphorus pentaoxide
P2O5
分子量:141.9
許容濃度:
TLV は設定されていない.

MAK:(吸引性画分) 2 mg/m3
――――――

ゆきかぜまる

 とりあえず,書かれている部分をそのままコピー&ペーストすると.

・リン
許容濃度:
TLV:0.1 ppm (TWA) (ACGIH 2007).

MAK:(吸引性画分) 0.05 mg/m3; ピーク暴露限度カテゴリー:II(2);妊娠中のリスクグループ:C (DFG 2007).
(訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)
http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0628c.html

・五酸化リン
許容濃度:
TLV は設定されていない.

MAK:(吸引性画分) 2 mg/m3;ピーク暴露限度カテゴリー:I(2); 妊娠中のリスクグループ:C (DFG 2005).
(訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)
http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0545c.html

・リン酸
許容濃度:
TLV:1 mg/m3(TWA);3 mg/m3(STEL) (ACGIH 2004).

MAK:(吸引性画分) 2 mg/m3;ピーク暴露限度カテゴリー:I(2); 妊娠中のリスクグループ:C (DFG 2005).
(訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)
http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss1008c.html

 TLVに関しては同サイトトップから行ける「ICSCに出てくる用語」に
・TLV (Threshold Limit Values)
ACGIH【米国産業衛生専門家会議】では労働者が作業環境中で暴露される大気中の化学物質の許容濃度 (TLV)等を設定し,毎年改訂して発表している.
 TLVは,毎日繰り返しある物質に暴露したときほとんどの労働者に悪影響がみられないと思われる大気中の濃度をいう.

と表記されています.
 「TWA」「STEL」「TLVは設定されていない」に関してはリンク先参照の事.

・ICSCに出てくる用語
http://www.nihs.go.jp/ICSC/yogo.html

 もう一つ考察すべきとのMSDSを調べてみました.
 検索元のサイトはリン,リン酸は安全衛生情報センター
http://www.jaish.gr.jp/index.html
内の,GHSモデル MSDS情報
http://www.jaish.gr.jp/anzen_pg/GHS_MSD_FND.aspx
にて検索.

 五酸化二リンに関しては,同サイトでは見つけられなかった為,google検索で上位に来たものから引用しました.
http://junsei.ehost.jp/productsearch/msds/30075jis.pdf

 今回問題にしている濃度に関連しそうな部分を抜粋します.
 前者は直接リンクは張れなかったので,CAS番号で検索して下さい.

--------------------

・リン(黄) CAS登録番号:12185-10-3

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない
許容濃度(ばく露限界値,生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 0.1mg/m3
ACGIH(2005年版) TLV-TWA 0.1mg/m3

--------------------

・五酸化二リン CAS登録番号:1314-56-3
<人体への影響を示す部分に濃度の表記は特になし.>

11, 有害性情報
急性毒性(RTECS)
 ◇吸入毒性…
 マウスLC50   271 mg / m3/1H
 ラットLC50   1,217 mg / m3/1H
 ラビットLC50   1,689 mg / m3/1H
 モルモット LC50   61 mg / m3/1H

--------------------

・リン酸 CAS登録番号:7664-38-2

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない.
許容濃度(ばく露限界値,生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 1 mg/m3
ACGIH (2006年版) TLV-TWA 1 mg/m3
TLV-STEL 3 mg/m3

--------------------

 となっていました.
 引用データの片方は,国際化学物質安全性カードと同じくACGIHのようですね.

 ACGIHのTLVとオーダーが同じですし,こちらの数値もほぼ同様のデータであると考えて良さそうです.
 いずれにせよwikipediaにて「燃料石油のガスと同じ程度」と書かれているで0.02mg/m3よりは大きくなっているようですね.
 従って危険となる濃度から考えれば,毒性に関してはそれほど危険視するべき物ではなさそうです.

あだ.

>気道を1立法センチメートル当たり1mg以下の濃度でも深刻な火傷を引き起こす可能性あり.

 それ,明らかにWikipedeaが単位を間違えているね.
 〔略〕
 単位を換算すると
1mg/cm3=1kg/m3.

 一見して異常な数値だと気付かないといけない.

JSF

以上,mixiより
青文字:加筆改修部分


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